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議員に能力給は効果的か http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/707.html
(回答先: 薄日差す日本経済の先行き 投稿者 gikou89 日時 2010 年 4 月 24 日 04:54:38) 五木の子守唄で知られる熊本県五木村議会(定数10)で、全国で初めて議員報酬に能力給を導入することが決まった。本会議や委員会での質問内容や地域活動への参加などで「能力」を評価するという。 月額21万3000円の8割を基本給として毎月支給し、残り2割分を成果報酬分として「優秀」は満額の2割、「良好」は1割、「普通」はゼロの3段階評価に応じて年度末に一括支給する仕組みだ。 多くの企業で導入されている能力給は社員のやる気を刺激するのが目的だが、その効果は疑問視されることも多い。まして明確な業績数値がない議員の職務と能力給は果たしてなじむのか、国会議員にも有効なのかということも含め、極めて興味深い。 最近の研究で、脳には博愛中枢と快楽中枢があり、どちらか一方しか働かないことがわかってきた。博愛中枢は社会的奉仕など利他的な行動を司り、快楽中枢は利己的な快楽を司る。金銭的なインセンティブは快楽中枢を動かすが、十分に行動させるためには多量の金額が必要で、わずかしかない場合は行動するのは無駄と考えるらしい。 たとえば、スイスで放射性廃棄物貯蔵施設の受け入れを地域住民に要請する際に、金銭的な補償を提示したとたん、賛成数が半減したケースが知られている。金銭的な補償を提示するまでは、社会的意義を感じ博愛中枢が活動していたが、金銭のインセンティブが示されたとたん快楽中枢が博愛中枢を駆逐し、こんな少ない金額では賛成できない、と考える結果になったとみられている。 また、ある試験を行う際に、正解ごとに報酬を贈呈するとしたが、報酬金額が安いために、報酬がない場合より点数が悪くなったというケースもある。 公への奉仕という博愛中枢を働かせて欲しい議員が、能力給を導入したばっかりに快楽中枢が働いてしまい、逆にやる気をなくしてしまうのではないか。議員への能力給導入にはそういう懸念がある。 五木村の人口は、川辺川ダム建設計画に伴い減少。だが前原誠司国土交通相が昨年9月にダム建設中止を表明したことで村民には困惑が広がっている。議員にかかる責任は重くなっており、快楽中枢が行動を支配することはないとは思いたいが、通常、議会での活動自体は選挙民になかなか見えにくいのが実情だ。 一方、金銭報酬がインセンティブになれば議員のやる気を引き出す大きな力になるかもしれない。生物学的には金銭的報酬は少量のコカインに相当するとの指摘もある。評価「優秀」で年収約255万円、「普通」なら204万円という五木村のケースは果たして十分なインセンティブとなるのか注目されよう。 五木の子守唄にあるように「寝た子」は可愛いが、国会中継のテレビでよくみかける「寝た国会議員」には「小憎らしさ」を感じる視聴者も多いのではないか。能力給が彼らの目を覚まさせることが出来るか、それとも逆効果か、すでに「快楽中枢」が支配しているから大した影響はないとの皮肉も聞こえてきそうだが、五木村の試みはひとつのテストケースになるかもしれない。
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