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(回答先: 【おそロシア……ニッポン自慰隊のソマリア派遣と本質的に同じw】 ロシアで海賊を “合法的に死傷させる” ツアーが問題に 投稿者 passenger 日時 2009 年 6 月 28 日 20:36:45)
質問:そもそもソマリアの内政を混乱させたのは誰と思うかw
答え:ソマリア: CIAが支援したもう一つのクーデターの崩壊
2008年12月 5日 (金)
Mike Whitney
「アメリカ政府が許容したエチオピア侵略が、事実上、国民が過去15年間で築き上げた、生命を維持する全ての経済体制を破壊したのです。」デモクラシー・ナウでのミネソタ大学グローバル・スタディ教授アブディ・サマタール談
2008年12月2日、 "Information Clearinghouse" ---
一カ月前まで、ソマリア沿岸の海賊事件になどには、ブッシュ政権の誰も、ほんのわずかの興味も示していなかった。今や、それがすっかり様変わりし、アフリカの角沖の海域をパトロールし、海賊のアジトを掃討すべく海軍を送ろうという話になっている。なぜこの突然の方針転換なのだろう? これは、エチオピア軍が、年末迄にモガディシュから全ての軍を撤退させる予定であり、かくして、アメリカが支援した二年間にわたる失敗したソマリア占領が終わるという事実と何か関係があるのだろうか?
アメリカ合州国は、ソマリアでの地上戦に敗北したが、それでアメリカの地政学的目標がいささかでも変化したことを意味するわけではない。アメリカは、今後何年間にもわたってこの地域に居続け、海軍力をアデン湾からの極めて重要な航路を支配するために使うつもりだ。ソマリア人の国民的抵抗が力を増していることは痛手ではあるが、それが基本的戦略を変えるわけではない。海賊は実際には、変装した、天の恵だ。海賊のおかげで、政権にとって、アメリカ軍の駐留を強化し、腰を据える口実ができたわけだ。あらゆる危機がチャンスだ。
海賊の物語には、西欧のマスコミには現れていない興味深い隠れたテーマがある。ソシャリスト・ワーカーのサイモン・アッサフによれば、こうだ。
「多くのヨーロッパ、アメリカ、そしてアジアの海運会社、とりわけスイスのAchairパートナーズとイタリアのプログレッソが、1990年代初期にソマリアの政治家や軍指導者達と投棄協定に署名した。これはつまり、彼等は沿岸を毒物の廃棄場として使えるというものだ。ソマリアが内戦へと落ち込むにつれ、この慣行が広まった。国連環境プログラムのニック・ナトールは、「ヨーロッパの企業は、これが廃棄物を処理するのに、極めて安価であることに気がついたのです」と言う。
2005年(注:「湯呑」様ご指摘通り、2004年の誤りだろう)のクリスマスに、アジアの津波がアフリカ東海岸を襲った際、大スキャンダルが明らかになった。巨大な波がそうしたゴミをソマリア沖の海底から取り除いた後、何トンもの放射性廃棄物と有害な化学物質が、海岸に流れ寄せた。何万人ものソマリア人が、このカクテルに接触した後で病気になった。彼等は国連に苦情を申し立て、国連は調査を始めた。
「村人たちからの、口からの出血、腹部の出血、異常な皮膚疾患や呼吸困難等いった多様な健康障害の報告がある」と国連は言っている。
およそ300人の人々が、有害な化学物質のせいで死亡したと信じられている。
2006年に、ソマリアの漁師達は、外国の漁業船団が、ソマリア国家の崩壊を、ソマリアの魚種資源を略奪するのに利用していると、国連に苦情を申し立てた。こうした外国船団は、往々にして、ソマリア人民兵を雇って、地元の漁師を恫喝していた。再三の要求にもかかわらず、国連は対応することを拒んだ。一方、戦略的に重要なアデン湾をパトロールする世界の大国の戦艦も、有毒化学物質を沖で投棄する船を沈没させたり、だ捕したりしてはくれなかった。
そこで、海域を汚染され、生計手段が脅かされて怒ったソマリア人は、自ら解決をすることにした。漁師たちは武装して、非公式な沿岸警備隊として活動しはじめた。」(ソシャリスト・ワーカー紙)
ソマリアでの海賊の起源は、生まれつき犯罪的な行動をする傾向がある恐ろしい黒人という、マスコミが維持したがっているステレオタイプの話とは全く違っている。実際、海賊は、それが生み出す被害にもかかわらず、開発途上国を、依然として有毒廃棄物のごみ廃棄場として使うという、アメリカとEUが運用している制度の犠牲者だったのだ。(ラリー・サマーズに尋ねればわかる) 事実、バラク・オバマが選出された後、我々は「ポスト人種差別時代」に生きていると安心して良いのだとは言え、投棄は今日も続いている。不幸にして、その法則は、依然として帝国の照準の的になったままの状態にある、肌が黒や茶色の多数の人々にはあてはまらない。彼等の生活は相変わらずに惨めなままだ。
エチオピアの撤退計画
2006年、ブッシュ政権は、作戦基地を西部の都市バイドアに設けた、暫定連邦政府(TFG)という名で知られているソマリア人部族軍の長達の連合を支援した。エチオピア軍、西側の傭兵、アメリカ海軍の戦艦、そしてAC-130対地攻撃機の助力を得て、TFGはモガディシュを占拠し、イスラム法廷会議(ICU)を南部に退却させた。それ以来、レジスタンスは合同し、執拗なゲリラ軍となり、国の大半を奪還した。
ブッシュ政権は、ソマリアへの関与を正当化するために、対テロ戦争を発動はしたものの、その根拠は薄弱で、矛盾に満ちている。ICUは、国務省の主張とは異なり、アルカイダ関連の団体でもなければ、テロ組織でもない。事実、ICUは、16年間以上も存在しなかった高いレベルの平和と安定を、ソマリアにもたらしていた。
政治評論家のジェームズ・ペトラス以下のように要約している。
「ICUは部族軍の長達の腐敗と強奪を終わらせた比較的誠実な政権だった。個人の安全と財産は守られ、部族軍の長とその武装した暴漢たちによる、恣意的な没収や誘拐を終わらせた。ICUは、穏健派や過激派のイスラム教徒、民間の政治家や武装戦士、リベラル派やポピュリスト、選挙至上主義者や権威主義者などを含む、広範な多様な指向の運動体なのだ。最も大切なのは、イスラム法廷会議は、部族分裂を克服し、国を統一し、多少の独立国家としての装いを生み出すのに成功したのだ。」
ブッシュ政権が一番関心があるのは石油と地政学だ。大半の推計によると、今後十年間の内に、アメリカの石油の30パーセントがアフリカから来ることになるという。これはつまりペンタゴンは大陸中に、その触手を広げねばならないということだ。TFGの中のワシントン協力者、外国の石油会社がソマリアに戻ることを可能にするような石油法案を通すと約束したが、今やそれも全て不確実だ。どのような種類の政府が、現在の紛争から生まれるかを知ることは不可能だ。多くの評論家が、ソマリアは、今後何年間にもわたって、テロリストを生み出す、破たん国家に陥るだろうと予想している。
最近の戦闘は人道的な惨事を生み出した。130万人が背負えるだけのものしか持たずに、自宅から追い出された。350万人以上の人々が、わずかな食糧、清浄水や医療用品しかない南部のテント村に身を寄せている。
国連ニューズ・センターによると「国民のほぼ半数は、危機に瀕しているか、援助が必要だ....引き続く不安定さが、干ばつ、食料品価格の高さと現地通貨の崩壊などと相まって、ここ数カ月、悲惨な人道的状況を更に悪化させた。国連は、国民の40パーセント、援助が必要だと推計している。更に、南部と中央ソマリアでは、五歳未満の子供、6人に一人が現在ひどい栄養失調状態にある。」(国連ニューズ・センター)
エチオピア占領軍と様々なゲリラ諸派との間の戦闘は、過去二年にわたり、徐々に激化してきた。ICUの戦士たち、アル・シャバブや他のイスラム教徒集団が、南部からモガディシュ近郊に移動し、戦闘がいつ始まっても不思議ではない。ブッシュの代理軍と、暫定連邦政府にとっては、もはやゲーム・オーバーなのだ。彼等は勝利できず、それこそが、エチオピアの指導者たちが、年末までに軍の完全撤退をすると宣言した理由なのだ。2009年1月1日までに、占領は終了する。
「アメリカはソマリアで敗北しつつあるようだ」という最近のシカゴ・トリビューン記事の中で、ジャーナリストのポール・サロペクは以下のように要約している。
「(ソマリア)は、 CIAが、イスラム教過激派を追い詰め、誘拐するために、腐敗した部族軍の長達というギャングをスカウトし...秘かに彼等を、沖の、アメリカの戦艦上に拘置している、秘密戦争の現場だ。イギリスの人権活動団体レプリーブは、17隻ものアメリカの戦艦が、911テロ攻撃以来、水上監獄として、倍増した可能性があると主張している...
「ソマリアは、9/11以来、そうとは認識されていないアメリカ政策の大きな失敗の一つだ」と、ノース・カロライナ、デビッドソン・カレッジの一流ソマリア研究者ケン・メンクハウスは語っている。「いかなる合理的な基準から見ても、今日立ち至った状況は、我々が望んだものとはまさに正反対のものだ」(ポール・サロペク、「アメリカはソマリアで敗北しつつあるようだ」シカゴ・トリビューン記事)
CIAは、任務をしっかりやり遂げた。CIAは、テロリズムと、別の9-11のような大惨事を生み出しかねない蜂の巣を作り出したのだ。
現在、ゲリラ指導者とTFGとの間で政権協議を巡って交渉が行われている。しかし、交渉が何か意味ある結果に至ると期待する人間は皆無だ。穏健なICUが権力を獲得するかもしれないが、ソマリアは今後何年も始末におえない状態が続こう。最善でも、ソマリアが、ブッシュの血まみれの介入以前にはあった脆弱な平和を回復するには、あと十年はかるだろう。
記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21375.htm
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追記 09/02/08
ソマリア沖自衛隊派遣への疑問『世界』09年3月号の、竹田いさみ獨協大学教授による「ソマリア海賊の深層に迫る」を是非お読み頂きたい。ここでは、ごく一部をご紹介しておく。
引用開始
海賊の正体
内外のメディアは、「海賊の正体は元漁民」というフレーズを繰り返し、外国漁船に漁場を奪われた「哀れな漁民」が、やむなく「海賊に転身」して犯行に及んでいるという報道を重ねた。
しかし本当にそうなのであろうか。結論を先取りして言えば、ソマリア海賊はプロの犯罪集団であって、単なる元漁民などではない。
引用終了
そのプロの犯罪集団、一体どのようにしてできあがったのだろう。
イギリスの陸軍特殊空挺部隊(SAS)出身のリチャード・ウエストベリー卿が作った海洋安全保障コンサルタントの会社が、そこにからんでいる。プントランド自治政府のコーストガードなるものに、この民間セキュリティ企業が、海賊対策のノウハウを教えたのだ。これを習った側が悪用すれば、立派な海賊ができあがる。ひどいマッチ・ポンプ?
同論文を再度引用しよう。
引用開始
密漁や違法操業を摘発、漁船員を事情聴取して逮捕へと至る一連の法執行のノウハウを、約五〇〜七〇人のソマリア人に教えたのは、言うまでもなく、あのハート・セキュリティである。
引用終了
密輸シンジケートの話なども実に興味深い。
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2008/12/cia-12e7.html