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(回答先: イランはCIAの政権転覆実験所!(T.メイサン):ボルテール・ネット【全訳】 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2009 年 6 月 22 日 02:27:14)
20世紀末以来のベネズエラでもそうですが、イラン人自身にとって基本的には、国内の農民・労働者の下層大衆に支持されたアフマディネジャッドと、寡頭政治を復活させようと企む富裕階層とネオリベラル資本主義の夢から醒めきれぬ中産階級が支持するムサヴィの争いだったわけで、数の上からいけば何度選挙をやり直そうがムサヴィに勝つチャンスはありえないでしょう。
そしてその上流・中産階級の不満を米・英・イス勢力が利用して政権転覆を企んでいる動きであることは明らかです。おそらくこのクーデターは、2002年のベネズエラと同様に失敗に終わるでしょうが、それはそれで「やった甲斐はあった」という話になるのでしょう。特に、イスラエルにとっては、いずれにしてもイランをつぶしてイラク並みの傀儡国にしたいわけですから、当然のごとく次のような反応が出てくるでしょう。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090618ddm007030014000c.html
イラン大統領選:現職再選 イスラエルは「好都合」 核開発、米の制裁強化に期待
イラン攻撃の前に、相手の国力をできるだけ落としておくことが必勝法ですので、今回の騒動は成功しても失敗しても、万々歳、ということになります。
今回のイラン情勢を、西側メディアの論調に軽々しく乗っかって「自由」だの「民主主義」だの「反独裁」だのと叫ぶ人々は、次の点を十分に留意しておくべきでしょう。
嘘と暴力は「アフマディネジャッド潰し」を目論む側から発せられました。彼らおよび米英イス勢力が語る「自由」は、富裕層とその仲間入りを夢見る中産階層にとっての自由であり、決して大多数派を占める下層・貧困階層の自由ではありません。彼らが強調する「民主主義」の「民」の中には下層・貧困階層は含まれません。暴力は、基本的には富裕層から下層に向かってふるわれます。2002年のベネズエラでも、富裕層と中間層はチャベスをあからさまに「独裁者」と呼びました。実際には、CIAに後押しされた暴力装置を使って寡頭政治を続けてきたのはごく少数の富裕階層であり、そのオコボレにありついてネオリベラル経済の中での成功者を夢見ていたのが中産階級の子弟たちなのです。今回のイランも、基本的に同じ構図といえるでしょう。
今後の情勢に最も大きな鍵を握るのが中国とロシアですが、中国はさっそく米国に対して警告を発しています。次をご覧ください。
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/KF20Ak03.html
Beijing cautions US over Iran (Asia Times; June, 20)
こちら(欧州)では、マスコミがもっぱらイランの情勢を天安門事件になぞらえる動きをとり始めています。しかし中国としてはチベットや中央アジアで同じような騒乱を画策されたんじゃたまったものではないでしょう。
また今回のイラン政権転覆策謀は、一つにはドルに引導を渡そうとする動きに対する悪あがきという面もあるでしょう。ただその意味では、米国は米国債最大の引き受け国である中国に対して極めて微妙な立場に立たされているわけで、成り行き次第ではドル支配体制の崩壊、米国の国内分裂と没落が加速しかねないでしょうね。
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