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(回答先: Re: 米大統領 戦闘終結宣言(2003年5月2日 読売新聞) 投稿者 スットン教 日時 2009 年 1 月 23 日 17:54:38)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-118566-storytopic-86.html" target="blank" style="font-weight:bold;font-size:120%">「敗北を抱きしめて」著者に聞く- イラク占領と沖縄統治 2003年5月22日
イラク統治にあたる米政府職員に必読書として指定されている本がある。占領期の日本を描いた「敗北を抱きしめて」で、太平洋戦争後の日本をイラク復興の手本としようとするものだ。しかし、著者のジョン・ダワー氏(マサチューセッツ工科大学教授)は「当時の日本と現在のイラクは状況が異なる。むしろ日本本土と切り離された沖縄統治とイラク占領に共通点がある」と主張する。(米ボストンで、本紙ワシントン駐在・森暢平)
◇理念欠く米国
-当時の日本とイラクは何が違うのか。
「日本占領には法的正当性があった。日本政府は敗北を受け入れ、国民も占領を容認し、政府機構も存続していた。今のイラクにはそれがない。さらに今回は、戦後統治の具体像がないまま戦争を始めたため、混乱に陥っている。対日戦争では終戦のかなり前から統治体制を議論していた」
-米国自体も変わっている。
「第二次世界大戦後、当時のニューディーラーたちは、リベラルで革新的な政策を日本で実験しようと理想に燃えていた。これは、農地解放、労働組合運動の促進、独占禁止法制定など具体的な政策に結実した。ところが、ブッシュ政権のイラク政策は理念に欠ける。『民主主義の促進』を掲げてはいるが、単なるスローガンだ。例えば、公正な選挙で多数派のシーア派がイスラム国家の樹立を訴えて勝利しても、米政府は認めないだろう」
-日本占領の高い理念は、どうして沖縄では実施されなかったのか。
「九州南端から南に伸びる琉球弧は、北東アジアから東南アジアをにらむ理想的な場所に位置する。戦後、核兵器というまったく新しい武器が出現したため、米国は、沖縄を核の前線基地とし、ソ連が共産主義圏を広げるのを阻止しようと考えた。沖縄占領では初めから軍事と戦略が優先され、日本本土のように民主主義を考える余地はなかった。中国の共産化と朝鮮戦争で地理的重要性はさらに増し、結局は日本の主権回復からも切り離されることになった」
◇米軍駐留は無期限
-沖縄の経験からイラクの将来を予想するとどうなるか。
「沖縄の米軍基地はアジアでの米軍事戦略の象徴で、これは過去も現在も変わらない。イラクでも同じように軍事と戦略が優先されている。もちろん、広いイラク全土を無期限に占領することはないが、米軍駐留は無期限になるだろう。軍事中心の占領という意味では、沖縄は韓国とも共通点がある。そこで韓国の経験を見れば、イラクの将来が読めると思う。米国は李承晩、朴正■という軍事政権で民衆を抑圧した。イラクでも似たような強圧的な政権が出現するのではないか。これではサダム・フセイン政権とあまり変わらない」
-米国が、沖縄の経験から学ぶことは何か。
「軍事を優先することで、住民の生活がいかに犠牲になるかだろう。さらに言えば、沖縄を核の前線基地にした結果は、ソ連と中国の核保有だった。ブッシュ政権は大量破壊兵器拡散阻止をうたい、バンカーバスター(地下貫通爆弾)や劣化ウラン弾などの新兵器を開発するが、これは逆に、より洗練された大量破壊兵器の出現を促進している。軍事優先路線は事態を解決しないという教訓を米国は学ぶべきだ」
ジョン・ダワー 1938年生まれの歴史学者。ハーバード大学で博士号。日本の各地で教壇に立つうちに戦後日本史に関心が広がる。著書は「人種偏見」など。2000年に出版された「敗北を抱きしめて」は米ピュリツァー賞のほか日本の大佛次郎論壇賞特別賞を受賞。同書の邦訳は岩波書店から出版されている。
注:■は臣と己によつてん