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(回答先: 燃える雨、白燐弾 【−米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト−】 投稿者 愚民党 日時 2009 年 1 月 13 日 00:09:17)
写真で見るガザ地区進攻http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2556478/3668678
2009年01月10日 19:31
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の境界で、大砲の砲弾を準備するイスラエル兵士。イスラエルは9日も、ガザ地区に対し激しい攻撃を続けた(2009年1月9日撮影)。 (c)AFP/JACK GUEZ 注)水色の砲弾がM825A1白燐煙幕弾です。
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白燐弾デマ報道を信じ込んだ人の例【週刊オブイェクト】
http://obiekt.seesaa.net/article/112484553.html
今回のガザでも白燐弾に関する間違った報道を鵜呑みにした例は、数年前のファルージャの時と同様に発生しています。典型例としてブログ「米流時評」さんを例に上げてみます。記事本文から白燐弾に関する部分のみをピックアップしていくと・・・
米流時評 : 「ガザジェノサイド」イスラエルの大罪を告発する!
http://beiryu2.exblog.jp/9173069/
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○ジュネーブ協定違反の化学兵器も使用!
○ジュネーブ条約では市街戦では使用禁止となっている、極めて致死性の強い化学兵器であり、被爆すると皮膚や肉が溶解してしまう、とんでもない代物である。
○白燐弾についてのまとめサイトより、白燐弾についての記述の一部:この兵器は極めて卑劣な兵器である。なぜなら、白燐はその物質がなくなるまで燃え続けるものだからだ。当事者が白燐の破片を受ければ骨に達するまで燃えるものなのである。燃焼は白燐の脂溶性と発火性により第2級または第3級に値する程度になる。
○新兵器をひたすら消耗したい軍部首脳の狂気だろう。
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どれも間違いです。白燐弾は新兵器などではなく、ジュネーブ条約に違反していませんし、化学兵器禁止条約のリストにも載っていません。
化学兵器禁止条約に規定された表剤 : 経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/cwc/100joyaku/104hyozai.htm
第一次世界大戦が終了した直後に毒ガス使用規制条約が結ばれましたが、その際も白燐は規制の対象外でした。そして今に至るまで対象に追加される事もなく、国際条約上、白燐は化学兵器とは扱われておらず規制されていないのです。またジュネーブ条約そのものには白燐の使用禁止を明記した条項は存在せず、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の「焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書」で人口密集域への焼夷兵器の使用を禁止されているのですが、イスラエル軍の使用したM825A1白燐煙幕弾は除外対象となっています。
●焼夷兵器とは、焼夷効果を第一義的な目的として設計された兵器をいう(第一条その1「定義」より)
●焼夷効果が付随的である弾薬類(発煙弾や照明弾)は焼夷兵器に含めない(第一条その1-b-iより)
[参考:焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)]
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19801010.T4J.html
M825A1砲弾は Smoke Projectiles http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/smoke.htm(発煙弾)として設計されており、この議定書の定義上、明確に規制対象外となっています。条文をそのまま読んで解釈すると、それ以外に解釈のしようが無いのです。
白燐弾は焼夷兵器禁止条約から漏れており、化学兵器禁止条約からも漏れている為、現状では違法兵器ではありません。つまり、「条約違反だ!」と声高に叫ぶ事は間違っています。それはデマを流す行為ですので、止めて下さい。デマでは無い、正しい、と言うのであれば、法的な根拠を指し示して下さい。しかし数年前にもこれと同じ流れになっており、白燐弾は条約違反だとする側は最終的に「条約に書かれていなくても国際慣習法のもとで不法であると論ずることができる」というアクロバット的な論法を繰り出しています。しかし白燐弾は問題化したのがつい最近の話であり、昔からの慣習であるとはとても認められません。
「国際慣習法と白燐弾」 (週刊オブイェクト 2005年12月9日)http://obiekt.seesaa.net/article/10446115.html
ジュネーブ条約やハーグ陸戦条約、CCWの現状を問題視し、白燐弾を規制対象に入れようと運動するなら理解できます。ですがまだ規制されていないものを「条約で禁止された兵器」呼ばわりするのは、デタラメな行為であり、デマを流す扇動行為と見なされても仕方が無いでしょう。
・・・と言う事を簡潔に纏めて「米流時評」さんのコメント欄に書き込んできたのですが、最終的にコメントもトラックバックも全部消されてしまう結果となりました。消された事自体は了承済みですから気にしては居ませんが、最後までこちらの意図を読み取って貰う事が出来ず残念でした。一番気になったのは以下の点です。
http://beiryu2.exblog.jp/9173069/の2009年1月9日 05:48に記録された魚拓
http://s01.megalodon.jp/2009-0109-0548-11/beiryu2.exblog.jp/9173069/
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White Phosphorusの市街地での使用が戦争犯罪であることは「11月のファルージャ攻撃」で米軍の大スキャンダルとなり米国ではすでに常識として定着していますが、日本では「極右」のブログで、これを無害として肯定する連中がいることを知り少々驚きました。
私は、右とか左とか、レッテルを貼られるのが大嫌いでして誰に言われたわけでもなく、いつも自分の直感と判断力を信じて、エントリーを書いていますが、今回の妨害は「声が大きい方が勝ち」というブログの悪い面のひとつの顕彰でしょうか。
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おかしいですね、私は白燐弾が戦時国際法(国際人道法)の規制対象かどうか法律の話をしていただけで、一言も「白燐は無害だ」とは言っていないのに、どうしてこのようなレッテル貼りをされてしまうのですか? 「極右」というレッテルも酷いのですが、そういった根拠の無いデッチ上げのレッテルを相手に貼った直後に「私は右とか左とかレッテルを貼られるのが嫌い」と述べる態度を見て、理屈が通じる人では無いのだな、と思いました。「直感と判断力を信じ」とあるように、論理ではなく感情だけで書いているのでしょう。この方は欧米の報道で「条約違反の兵器だ」という記事を見て、そこで思考停止しています。実際にどの条約のどの部分が該当するか全くチェックを行わず、「常識だ」と繰り返すだけでは、生産的な議論を行う事は不可能です。どうして根拠となる原典を自分の目で見に行かないのですか? わざわざ目の前に提示したというのに・・・同じ様に誰も主張していない「白燐は無害だ」というレッテルは、大石英司ブログのコメント欄でも見受けられます。白燐が燃焼して生じる煙(五酸化二燐)は毒性は低いとする主張が、何故か白燐は無害だと主張していると誤解されてしまう例はこの他でもよく見受けられます。
この際だからハッキリさせておきますが、私は白燐弾を擁護してアメリカやイスラエルを擁護するのが目的ではありません。白燐弾に限らず、兵器本来の能力から大きく懸け離れた破壊・殺傷効果を喧伝し「謎の超兵器」をデッチ上げる行為は許さない、というのが行動原理です。ですから、正しい認識の議論の末に白燐弾が国際条約で禁止されるなら全く構いません。むしろ歓迎します。煙幕弾ならば他にも代替兵器は幾らでもありますし、自衛隊が困る事も特にありませんから。既に私は数年前のファルージャ白燐弾騒動で、反戦派が流していた「白燐が燃焼して発生するガスは猛毒だ」「半径150mの煙に入るとお終いだ」などというデマを叩き潰しました。勿論私一人で叩き潰したわけではなく、全世界で同じ様に反論を行った人達が多数現れて、反戦派の行き過ぎた誇張を修正していったのです。
だから、例えば今では白燐弾反対運動に積極的な日本の朝日新聞や毎日新聞ですら「白燐弾は国際条約に触れる兵器ではない」という事くらいは理解しています。それでも骨を溶かすとか誇張はかなり入っていますし、語るべきところを語っていない面もありますが、巷で流れているデマ報道よりはかなりマシなレベルになっています。
イスラエル軍「白リン弾」使用か ガザの死者885人に : 朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0111/TKY200901110133.html
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白リン弾は、主に敵の目をそらす煙幕を張るために用いることが多いが、ざんごうなどに隠れている敵をあぶりだす際にも使われる。化学兵器とはみなされておらず、国際条約上、明確に使用が禁止されてはいないことから、米軍が04年にイラクで、イスラエル軍も06年のレバノン紛争で白リン弾を使った。
だが、高熱を発するためやけどだけでは済まず、体に深刻なダメージを与えることもあり「非人道兵器」との指摘も多い。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)も10日、ガザのような人口密集地での使用は国際人道法に違反すると訴えた。
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ガザ侵攻:イスラエル軍が「白リン弾」使用…人権団体指摘 : 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/news/20090112k0000m030064000c.html
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白リン弾は国際条約で明示的に禁止された兵器ではなく、化学兵器ともみなされていない。だが、皮膚に触れると骨を溶かすほど激しく燃焼し続け、人体に深刻な被害をもたらすのが特徴だ。第二次大戦の空爆などにも使用され、消火が難しいことからその非人道性が指摘された。
現在は主に、発煙弾として使われているが、その使用の是非を巡って論争があり、元英軍少佐の軍事専門家、チャールズ・ヘイマン氏は英タイムズ紙(5日付)に「故意に市街地に投下すれば、国際刑事裁判所行きだ」と指摘している。
HRWは、白リン弾を焼夷(しょうい)弾と位置付け、人口密集地にある軍事目標や、民間人を焼夷兵器で攻撃することを禁じた「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)第3議定書」に違反する疑いがあるとした。さらに、市民被害最小化の予防措置をとるべきだとする国際人道法の義務に反する、と強調している。
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国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が「CCWの焼夷兵器に関する第3議定書に違反している"疑いがある"」と、違反していると明言していないことに着目してください。つまりHRWとてCCW議定書の除外規定の存在(そもそも白燐煙幕弾は焼夷兵器のカテゴリーに入らない)は十分に理解しています。つまりHRWのこれからの運動方針は除外規定の撤廃あるいは条約の改正であり、朝日新聞や毎日新聞には其処まで触れて欲しかったのですが、それでも「条約に違反している」というような間違った事を明言しなかっただけでもマシです。あとチャールズ・ヘイマン氏のコメントはさほど意味を持ちません。これはイスラエル軍が「あくまで煙幕弾として使った、故意に攻撃を行ったのではない」と言い張った場合、罪に問うことはほぼ無理だからです。ハーグ国際司法裁判所でも過去に前例がありません。戦時国際法(国際人道法)は誤爆・誤射を戦争犯罪と規定しておらず、違法では無いからです。
ですから白燐弾を規制したければ現行法のままでは無理なので、条約改正運動を起こさなければなりません。反戦派は白燐弾の性質と国際法を良く理解し、地雷やクラスター爆弾のように規制できるように運動を行わなければなりません。しかしもしアメリカやイスラエルを叩ければそれで良く、白燐弾の規制には興味が無い(規制した所であまり誰も困らないから遣り甲斐が無い)というのであれば、反戦派は人道を口にしつつ人道を蔑ろにしているものと見なされます。
というか数年前に反米目的でファルージャでの白燐弾使用を非難したロシア議会という前例がありますので・・・自分達の軍隊がチェチェンで白燐弾を使っていた事を盛大にスルーして、良い根性をしています・・・
最後にオマケですが、「脂溶性」については数年前の時点で既に指摘されている事です。「軍事板常見問題FAQ」http://mltr.ganriki.net/index02.htmlの、◆◆◆白燐弾デマゴーグ関連より。http://mltr.ganriki.net/faq01l06.html
【珍説】「黄燐(白燐)には発火性と脂溶性があり,反応する酸素が無くても,人間の肉体と反応して燃えることができます」???http://mltr.ganriki.net/faq01l06b.html#04089
これを言い出した模型ブロガーさんは既に記事を修正済みなのですが、其処を参考に纏めサイトを書かれていたmasterlow(ますたろう)氏はそれに気付いておらず、間違いがそのままになっており、「米流時評」さんがそれを鵜呑みにしてしまった、という話になっています。masterlow(ますたろう)氏が内容を修正してくれれば良いのですが、有名なフーリガンである彼は昨年、サッカー場で相手チームのサポーターに暴行を働き警察に逮捕されたゴタゴタで、もう白燐弾について書く気は失せているのか、最近のガザでの話題にも食い付いていないので、彼の纏めサイトを覗く場合は最新情報ではない事に注意してください。
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戦争a5にも貼り付けたのですが、白燐弾はデマ報道の可能性が高い。
イスラエルの攻撃には私も反対ですが、白燐弾のガセネタを広めるのは良くない。