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(回答先: 『始まっている未来 新しい経済学は可能か』に学ぶ/森田実 投稿者 仁王像 日時 2009 年 12 月 08 日 20:19:29)
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05881.HTML
2009.12.8(その3)森田実の言わねばならぬ【962】
平和・自立・調和の日本をつくるために[957]
《新著紹介》宇沢弘文・内橋克人(対談)著『始まっている未来 新しい経済学は可能か』(岩波書店、2009年10月14日刊、1470円)に学ぶ〈その3〉
[宇沢弘文氏は経済学者、東京大学名誉教授。内橋克人氏は経済評論家]
「フリードマンの市場原理主義は、経済学とは言えない」(宇沢弘文)
宇沢教授のフリードマンの市場原理主義に対する批判はきびしい。宇沢教授はフリードマンのことを次のように語っている。
《フリードマンの市場原理主義は、経済学とは言えない一種の信念ですね。いまのアメリカの置かれている大惨事は、そこに原点があると思うのです。
私はシカゴ大学でながいことフリードマンと一緒でしたが、フリードマンは事ある毎に市場原理主義のゴスペル(gospel)を広めようとして、経済学部の同僚たちの顰蹙を買っていました。私がいた頃は、フリードマンの影響を受けた人は決して経済学部には入れないという暗黙の了解があったほどです。当時は、他の大学でも同じような雰囲気でした。》
しかし、フリードマンはその後、大成功する。そしてニューディール政策は否定される。宇沢教授は言う。
《レーガン政権の時にニューディール政策はほぼ完全に否定されます。そして銀行と証券の垣根を取り払って、儲けるためには何をやってもいいという流れが支配的になったときに、ブッシュ大統領が登場します。》
さらに宇沢教授は日本のひどさについてこう語っている。
《単に金融面だけではなくて、ほとんどあらゆる面で市場原理主義的な侵略が世界中で行われていますが、特に日本の場合、教育と医療という人間の一番大事なものが徹底的に壊されつつあります。社会的共通資本というとき、教育と医療が原点です。子どもの成長と人の命は社会にとって一番大事なことですから、この二つの社会的制度は、次の世代に受け継いでいくべき聖なる営みだと思うのです。よく考えると、豊かな自然もそうですね。》
宇沢教授の新自由主義、市場原理主義に対する批判は鋭い。宇沢教授から「現代のつかみ方」を学ばなければならない。(つづく)
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05885.HTML
2009.12.9(その4) 森田実の言わねばならぬ【966】
平和・自立・調和の日本をつくるために[961]
《新著紹介》宇沢弘文・内橋克人(対談)著『始まっている未来 新しい経済学は可能か』(岩波書店、2009年10月14日刊、1470円)に学ぶ〈その4〉
[宇沢弘文氏は経済学者、東京大学名誉教授。内橋克人氏は経済評論家]
「アメリカの日本占領の基本政策は、日本を植民地化することだった」(宇沢弘文)
宇沢教授は第二章「日本の危機はなぜこうも深いのか」の中の「日本の植民地化と日米構造協議」の項でこう述べている。
《日本の場合、占領政策のひずみが戦後六〇年以上残っている。アメリカの日本占領の基本政策は、日本を植民地化することだった。そのために、まず官僚を公職追放で徹底的に脅し、占領軍の意のままに動く官僚に育てる。同時に二つの基本政策があった。一つはアメリカの自動車産業が戦争中に自らの利益を度外視して国のために協力したという名目をつくって、戦後、日本のマーケットをアメリカの自動車産業に褒美として差し出す。もう一つは農業で、日本の農村を、当時余剰農産物に困っていたアメリカとは競争できない形にする。》
戦後アメリカが使った「官僚脅し」の手法は、いまも生きている。小沢民主党が官僚を意のままに動かそうとして、天下り根絶、独立行政法人全廃、霞が関解体の主張を強めている。小沢民主党は、官僚は脅せばついてくると思っているようである。
本論に戻す。戦後の日本は、アメリカによって徹底的に組み伏せられてしまったのである。日本政府の経済政策もアメリカ政府の言うがままになった。宇沢教授は述べている。
《そういう政策(小泉政権の構造改革、地方つぶしの地方政策など)を見ていると、日本は完全に植民地というかノノ属国ならまだいいのです。属国なら一部ですから。植民地は完全に搾取するだけのものです。それがいま大きな負担になっていて、救いようのない状況に陥っているわけです。》
日本の経済社会は、アメリカ政府(ブッシュ政権)とアメリカ政府の意のままになった小泉政権によって、ひどい状態にされてしまったのである。(つづく)