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(回答先: 沖縄『密約』文書訴訟 国一転、認否留保へ 『存在せず』撤回も(東京新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 11 月 30 日 10:51:31)
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/7027/
密約 過去の話ではない 逮捕から37年 元記者・西山太吉さん 「日米のやり方原点」 解明「人生の総決算」
(2009年11月29日掲載)
1972年の沖縄返還をめぐる日米両政府間の密約を暴き、国家公務員法違反容疑で逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)=北九州市小倉北区=が、密約文書の国による非開示処分の取り消しを求めた訴訟で、12月1日に元外務省アメリカ局長が初めて公開の法廷で密約の存在を証言する見通しだ。政権交代を受け、「沖縄密約」など4つの密約を精査する外務省の有識者委員会も始動。密約を一貫して否定してきた政府見解が覆る可能性が高まっている。逮捕から37年−。「密約は過去の話ではない」。西山さんは再びペンを握り、その行方に注目している。
10月下旬、福岡市で開かれた講演会。「国民を欺く密約は国の情報操作であり、国家犯罪なんです」。机をたたきながら、顔を紅潮させて語る西山さんの姿があった。
全国で2002年ごろから重ねた講演は、約70回。特に外務省の密約調査が始まった今年9月からは依頼が増え、年内に6回講演する予定だ。
国家公務員法違反事件の74年の一審判決直後に新聞記者を辞し、一切の取材を断っていた。今、講壇に立つのは「沖縄密約を多くの人に知ってもらえれば、日本の民主主義の底辺が広がる」と考えるからだ。
◇ ◇
事件を機に暗転した西山さんの人生。突然の転機は、最高裁で有罪判決が確定して22年後の2000年に訪れた。琉球大の我部政明教授が、米国立公文書館で密約を裏付ける米公文書を発見したのだ。これを受け05年、国に損害賠償を求めて提訴。「名誉回復」を目指す心の叫びだった。
だが1審、2審ともに「賠償請求権が消滅する20年を過ぎている」と密約の存否は判断されず、棄却された。
あきらめ切れなかった。西山さんは今年3月、作家やジャーナリストなど25人の原告団を結成、密約文書の存在確認を求めて再び提訴。原告側証人として吉野文六・元外務省アメリカ局長の出廷にこぎつけた。
西山さんは、この訴訟を「人生の総決算」と位置付ける。「今まで赤字ばかりだったが、ようやく黒字決算が出せそうだ」。密約開示まで長年追い続けた記録は1冊の本にまとめるつもりだ。
◇ ◇
米軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本側が肩代わりしたとされる「沖縄密約」。それが現代に問い掛けるものは何か。
沖縄返還協定では対米支払いは計3億2000万ドルとされていたが、いわゆる「つかみ金」で、他に2億ドルの秘密補償もしていた疑いが米公文書で浮上。400万ドルは氷山の一角にすぎなかったことになる。「財政部分のすべてが密約ということですから、返還協定もうそだったことになる。国民をだましたこんなやり方は外交とは言えない」
西山さんは、日米両政府が06年5月に合意した在日米再編計画でも、同じことが繰り返されているとみる。
米沖縄海兵隊8000人のグアム移転経費のうち、59%の60億9000万ドルを日本側が負担する内容だ。「積算根拠が不明で、『59%』が実際は全額だってこともあり得る。今の日米のやり方の原点は沖縄密約なんだ」
ならばこそ、過去の密約の存在を政府に認めさせることは、日米関係が再スタートを切るために大きな意味を持つ、と西山さんは考える。
「今までの日米同盟の動きは正確に伝播(でんぱ)されず、権力者に情報操作され、美辞麗句で固められてきた。これからは、そうはいかなくなる」
沖縄返還密約
1971年、毎日新聞政治部記者だった西山太吉さんは、沖縄返還で米国側が負担すべき米軍用地の原状回復補償費400万ドルを、日本側が肩代わりするとの密約を裏付ける外務省の機密公電のコピーを入手し、疑惑を報じた。72年、西山さんはコピーを渡した外務省女性職員とともに、国家公務員法違反容疑(秘密漏えいの教唆)で逮捕、起訴された。 マスコミ各社は逮捕当初、「知る権利を守れ」と政府を批判したが、検察が起訴状に「ひそかに情を通じて」との文言を盛り込むと、男女のスキャンダルとして報じられ、問題の本質はすり替えられた。 74年、東京地裁は取材行為の正当性を認め、無罪にしたが、76年の東京高裁では懲役4月、執行猶予1年の逆転有罪判決に。最高裁は78年、西山さんの上告を棄却した。