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11月10日11時5分配信 琉球新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091110-00000013-ryu-oki
【宜野湾】1960年の安保闘争をはじめ、安保をめぐる現状を描くドキュメンタリー映画の撮影に県内外で取り組んでいる米国人女性がいる。
ニューヨーク在住の映画監督、リンダ・ホーグランドさんだ。5月に続き2度目の来県。8日、映画を締めくくる県民大会の模様を取材した。ホーグランドさんは「沖縄は安保問題の最前線でさまざまな問題を抱え、日米間の不平等でゆがんだ関係がよく見える。映画を通して、多くの人にその現状を伝えたい」と力強く語った。
ホーグランドさんは米国人宣教師の娘として京都で生まれ、17歳まで山口県や愛媛県などで育った。米エール大学卒業後は日本のテレビ局のニューヨーク支社でプロデューサーとして活躍。特攻隊の姿を描いた映画「TOKKO 特攻」のプロデューサーを務めるなど映画制作に携わるとともに、現在、黒沢明監督や宮崎駿監督など多くの日本映画の字幕翻訳も手掛けている。
映画「ANPO」は、反安保をテーマに据える絵画や写真、音楽など日本のアートを紹介しながら、アーティストなどにインタビューする構成。アートを通して、安保への抵抗を探る。沖縄にも焦点を当て、写真家の東松照明さんや石川真生さんの米軍基地をテーマにした作品をはじめ、米軍普天間飛行場代替施設の建設予定地の名護市辺野古で座り込みをするお年寄りなどの声も取り上げる。映画は安保闘争50周年となる来年6月に公開される予定だ。
ホーグランドさんは「アメリカは戦争に勝って日本に基地をずっと持ち続けている。沖縄では、密集したアパートの隣に異国のような基地が広がっている。その事実をほとんどのアメリカ人は知らない」と強調。「沖縄では不条理で不自然な日米関係だということが分かりやすい。それは騒音や暴行事件だったり、それを許す地位協定だったり。県民大会を見ると、沖縄では抵抗が終わっていないと感じる」と語った。
(問山栄恵)