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『民営』という巨大詐欺
私がこの板に投稿することはめったに無いのですが、次の弥太郎さんのご投稿を拝見し、感じるところがありましたので、拙文を投稿させていただきます。本来なら、このご投稿のレスとすべきところですが、例によってはるか下の方に潜っていってしまいましたので、新規投稿とさせていただきました。
http://asyura2.com/09/senkyo71/msg/660.html
竹中進歩史観に拘泥する日経新聞の時代錯誤!【神州の泉―高橋博彦】―郵政民営化は国防マター!悪の構造に立ち向かう亀井静香!
投稿者 弥太郎 日時 2009 年 9 月 21 日 14:28:33: 2j9DCs8Lv3S7M
ご投稿の中で、高橋博彦氏は、小泉・竹中の「郵政民営化」にこだわり続ける日経新聞の社説を厳しく糾弾しておられます。全面的に賛同いたします。
ただここで『民営化(英語ではprivatization)』という用語自体に、従来より限りないうさん臭さを感じてまいりました私の方から、少しだけ添えさせていただきます。
私の拙いホームページの中からの引用に過ぎませんが、お目を汚させていただくことをご容赦ください。
いま我々は学びつつあるB
http://doujibar.ganriki.net/peace&prosperity-3.html より
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【引用開始】
●「私」の自由と社会の貧困
ブッシュとその支持者達がアフガニスタンとイラクで「民主主義」とともに誇らしげに振りかざした「自由」なるものがいったい何であったのか、については、次の点が最も大きなヒントになるだろう。日本語の中に「民営化」という言葉がある。「官」あるいは「公」の対立概念としての「民」が使われているとされるのだが、これをもしあなたや私を含めた幅広い一般の人々を丸ごと包む「民(たみ)」の意味と受け取るなら、あなたはとんでもないお人好しだろう。こんな言葉が定着するのだから日本に「振り込め詐欺」がなくならないわけである。
「民営化」は英語のprivatizationの訳語とされるが、この単語は一目で分かるとおりprivateやprivacyと同じ部分を持っている。つまりこの英単語の正確な訳語は「私営化」である。訳語によるゴマカシの見事な例だ。「民主主義」の「民」でもそうなのだが、日本のように人々の一体感が強い社会ではこの漢字を使うだけで何だか自分 たちのものになる、自分たちに身近な存在になるかのようなイメージを作ってしまう。しかしこの私営化の「私」とはいったい誰なのだろうか? まさか私では ない。この文章を読んでいるあなたでもない。では誰なのだろうか? そこが問題だ。「民営化」つまり私営化とは、つまり「誰かさんが個人的に運営するもの」なのだ。そこではその「私」=「誰かさん」の自由が十分に保証されるのである。
日本人はよく「公私の別」「公私混同をするな」と言う。この場合の「私」は、大会社の社長さんから私やあなたをも含む各個人個人を指す。しかし「民営化=私営化privatization」の「privat-」は最初から「公」の姿を借りてそれを利用し「公」を食いつぶして利益を上げる「私」、少数の限られた「私」である。そしてそれは「民」とは決定的に異なる、むしろ「民」とは最も敵対性の強い概念に他ならない。ブッシュが誇らしげに掲げた「自由」が「私」の自由であり、その「私」がある限られた個人であることは、もはや議論の対象にすらならない自明な事実であろう。
伝統的に人々の一体感の強かった日本ではなかなかこの資本主義が内包する致命的な犯罪性が大きく表れることはなかったのだが、1980年代(米国レーガン・ブッシュ政権)あたりから徐々にこの「私」が植え付けられていったようだ。「民営化」という猛毒を含むレトリックの陰に隠れて・・・。そしてそれがホッセイン-サデー教授 の指摘する米国で貧富の差が再び広がり始めた時期、および中南米地域で紛争と混乱、経済のネオリベラル化が打ち続く時期とも重なることに注目すべきだろう。
ウルグアイのジャーナリスト、エドゥアルド・ガレアノはネオリベラル経済に侵略された自国の悲惨さを語る。ウルグアイのみならず多くのアフリカ・中南米諸国では水道事業をIMF・世界銀行による「構造調整」によって欧米の私営企業に売り払った結果として、採算の取れない町や村に水が配られなくなった。ガレアノの告発を聞こう。
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それらは征服戦争であるが、侵略者は爆弾を投下したり部隊を派遣したりするのではない。民間人の服装をしたこれらの国際機関のテクノクラートたちがやってきて、貧しい国々をその状態のままで屈服させたうえで、民営化か死か、と迫るのである。彼らの武器は強要と罰則という致死的な凶器なのだが、かさばりもせず 大音響をたてることもない。
世界銀行とIMFは一つの同じクリップの二つの歯なのだが、最近の数年間、16の貧しい国々で水の民営化を強制してきた。その中のいくつかは、ベニン、ニジェール、モザンビー ク、ルアンダ、イエメン、タンザニア、カメルーン、ホンジェラス、ニカラグアといった、世界の最貧国である。
この議論は反論の余地の無いものであった。水を引き渡すのか、さもなければ借金を大目に見ることも新たに金を貸すこともしないぞ。
【注:現在、世界の水道民営化市場の77%をベクテル(米国)、スエズ(フランス)、RWE(ドイツ)の3社が、世界銀行とIMFでの強力なロビー活動を通して、独占している】
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日本は世界最大の貯金箱である郵政を「民営化」した。その運命については中南米諸国の歴史が指し示している。なお、ウルグアイでは2004年の国民投票によって水道事業の再国営化が決定した。これは日本にとって最良のお手本であろう。これこそが民主主義の有効な利用方法なのだ。
国家が《終わりのない利益追究を行う資本の原理主義イデオロギーとその政治》というパターンにはまった場合に、どんなことが起こるのか、中南米諸国の運命が我々に警告を与えてくれるだろう。それに気付かずに「民営化=私営化」路線を推し進めていった我国の政治家たちは、子々孫々に対する責任を負わねばならない。そして我々は手遅れになる前に、欧米にではなく、中南米やアジア、アフリカ諸国に「教えを請う」姿勢を持つ必要があるだろう。いつまで、「神」を米国に置き換えた「神国日本」の幻想を守っているのか?
【引用ここまで】
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CIAが画策する政変のたびにネオリベラル『民営化』を促進してきた中南米諸国では、現在「再国営化」の流れが作られつつあります。ベネズエラでは石油会社やセメント工業など主要な工業がすでに再国有化され、今年5月には欧州資本のサンタンデール銀行が接収されました。またボリビアでもすでに石油・天然ガスの国有化が行われました。もちろん外国資本との提携は盛んです。以下の拙稿をご覧ください。
http://www.asyura2.com/09/warb0/msg/714.html
【世界は変わる】ボリビアから追い出されるUSAID:《もう一つの911》を経て
(Tele Surより)
9月23日付のベネズエラTeleSurニュースによりますと、ベネズエラ国営石油企業PDVSAは、オリノコ地区の石油・天然ガス開発にフランス企業Totalの参入を承認しました。この開発にはすでに、ロシア、スペイン、中国が参入しています。
http://www.telesurtv.net/noticias/secciones/nota/58168-NN/francesa-total-participara-en-proyecto-de-exploracion-en-faja-del-orinoco/
Francesa Total participará en proyecto de exploración en Faja del Orinoco
国営企業を真の国益(本当の意味での「民」の利益)のためにどのように運営するのかは、その国の指導者の手腕次第でしょうが、いままでの《privatization=私営化》に好き放題に食い荒らされた国と地域を立て直そうとする流れが、中南米諸国で形を取りつつあるといえるでしょう。
「対テロ戦争構造」の中で《国際的巨大フリコメ詐欺》の一環として『民営化』が進められてきた日本の郵政については、「再国営化」には問題があるでしょうが、少なくとも国の監視の枠をしっかりと付け、決して『私』の自由にさせない方向が最も望ましいと思われます。亀井大臣の手腕に期待します。
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ところで、「民営化」と並ぶ『民』の詐欺的な使用法である「民主主義」「民意」につきましては、きくちゆみさんと共著させていただきました本をお読みください。現代世界を覆う虚構と幻覚の正体を知り、本来の意味の「民」が健全なリアリティーを獲得することこそが、今からの世界と日本が平和と自由と繁栄への道を歩むための必須条件となるでしょう。「対テロ戦争」の虚構と幻覚がほころび始めている今こそ、その絶好のチャンスといえます。そしてそれは、人類史上ほとんど唯一の、そして最後のチャンスとなるでしょう。
『テロ&戦争詐欺師たちのマッチポンプ』(きくちゆみ、童子丸開 共著:徳間書店5次元文庫)詳しいことは以下をご覧ください。
http://doujibar.ganriki.net/bookshop.html
関連情報は以下をご覧ください。
http://doujibar.ganriki.net/00mokuji.html
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