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http://www.news.janjan.jp/living/0908/0908138676/1.php
「日本警察の浄化をめざして」仙波敏郎氏講演(上)
警察組織を告発することの難しさ、ユーモアまじえ訴え
三上英次2009/08/14
09年7月31日、群馬県弁護士会館で、『日本警察の浄化をめざして』という題で、愛媛県警元巡査部長・仙波敏郎氏(現「警察見張番・愛媛」代表)が講演をした。講演の中で、仙波氏は、やはり警察の裏金問題を究明する元警部補大河原氏の裁判について意義を説明するとともに、最近の仙波氏ドキュメンタリー番組放映に当たり、「放映をやめろ」「放映をするつもりなら出来なくする」という旨の“圧力”がかかったこと、そのために番組放映10分前まで仙波氏の安否を尋ねる電話がテレビ関係者からかかって来ていたこと等も明らかにした。
講演開始前に会場後ろに控える仙波氏。仙波氏は「もうアラカンですよ(アラウンド還暦)」と言うが、声には張りもあり、身のこなしは颯爽としている。(撮影・三上英次 以下同じ)
〈大河原裁判〉とは何か?
みなさん、こんにちは、愛媛県警元巡査部長の仙波敏郎です。
群馬県警警部補であった大河原さん(注・前橋地裁で係争中)へのでっちあげ逮捕は、96年に彼がニセ領収書と知らずにそういった書類を書かされたことに抗議したことが発端です。
彼はその裏金についてテレビ局の取材も受けていますが、その後04年3月に懲戒免職処分を受けています。私は05年1月に現職警察官として初めて実名で警察の裏金について告発をしましたが、私もいつ何時、大河原さんのような立場になっていたか、わかりません。
私が今年3月に定年退職を迎えられたのも、ある意味では私の告発の前に、彼のような正義を貫こうとする警察官がいたからだとも言えます。
今の警察組織のトップは、暴力団以下です。自分たちの組織を守るためには「何でもあり」です。
群馬県警は、大河原さんへの懲戒の理由として「不倫」を挙げています。私は、その“不倫”相手とされる○○さんに会って確かめましたが、彼女は笑って言うのです。「どうして、私が大河原さんと不倫しなくてはいけないのか?」と。私が「自分ら同性から見ても、大河原さんは魅力的な人間ですけどね…」と言っても、○○さんは、次のように言うわけです。
「私は好きではありません」
「不倫」と聞けば、知らない人は「…そうなのか」とも思ってしまいます。と言って、それを直接相手にも確かめにくい。だから、大河原さん本人を知らない人は、「県警の発表したことだから…事実なのだろう」と何となく思いがちです。それが、警察発表のこわいところです。
私に言わせれば多くの人が「明日はわが身」ということがわかっていません。大河原さんの提訴した「復職」を求める裁判(注・08年10月提訴)は、決して、「大河原さん個人の問題ではない」ということをわかって頂きたいのです。
〈「警察管理職は犯罪者」と言っておとがめなし〉
群馬県警には3300人がいます。県内20の警察署と警察本部に約100人の管理職がいます。現場の警察官は雨風をいとわず、連日一生懸命働いています。
しかし、その100人の管理職は・・・・・・全員が〈犯罪者〉です。
世の中には多くの団体や企業で成り立っています。しかし、日常の業務の中で、犯罪行為をしているのは、警察とヤクザだけです。
私はこれまで64回の講演をして来ました。裁判所での陳述まであわせると、約70回、その中枢の人間が日々裏金作りに励んでいるという意味で「警察は〈犯罪者〉集団だ」と言って来ました。誤解の無いように言っておきますが、私は、日本の警察官すべてが犯罪者だと言っているのではありません。まだ警察官になったばかりで、ニセ領収書を書かされていなかったり、その存在を知らなかったりする者もいます。また、大河原さんのように、そのからくりを知らずに、文字通り書かされてしまった、つまりうまく利用された警官もいるでしょう。私が言うのは、その組織(警察)の管理職以上が、日常的に犯罪行為(裏金つくり)に精励しているということです。
しかも、私は「警察は〈犯罪者〉集団だ」ということを、在職中から言って来ました。そんな私が、在職中、一度も訓戒や注意などの処分を受けていません――。みなさん、これは変だとは思いませんか。
自分の属している組織や会社を、行く先々で「犯罪者」呼ばわりですからね。それでどうして、何のおとがめも無いのか――。それは、私の言うことが事実だからです。
今日は、群馬県警の関係者の方は来ていらっしゃいますか。
現職の時は、地方で講演をする時は、愛媛県警に届けを出すのです。県外にでかける時は、届けを出すのがきまりです。私も、そのきまりを守って届けを出します。そうすると、必ず、例えば、群馬県に行って講演をすれば、会場のどこかに警察関係者が来ているわけです。そして、じっと私の発言を聞いている――、それでも、これまで何のおとがめなしです。どうしてかと言えば、「警察は〈犯罪者〉集団だ」という私の発言を懲戒処分の対象にしようとすれば、私から逆に処分取り消しを求められるのがこわくて、何もできないのです。
余談ですが、警察関係者が座る席は、だいたい決まっていましてね……、ほら、あそこの後ろの席です、ちょうどあの辺が警察関係の人間が座る場所です(笑)。私は長い講演だから、面白いことを言って、笑わそうと思って、それで冗談を言ったり、警察幹部は○○だ…なんて言ったりします、一同どっと笑うのですが、彼ら(警察関係者)は笑わないんですよ。だから話をしていても、だいたい誰が警察関係者かはわかります。
当日のスタッフの皆さん。講演会の運営に当たっては、会場の設営、資料印刷など多くの大河原さんを支援する人たちが集まった。
〈警察組織を告発することの難しさ〉
北海道警のトップにいた原田(宏二)さん、最初、私は原田さんからの手紙を読まなかったのです。
警察署長で家を持っていない人はいない――、みんな裏金で家を建てるわけです。管理職にいた人間は、裏金を湯水のように使えるのです。原田さんは、そういう立場にいた人です。だから、原田さんが北海道から私に会いにやって来た時、私は「会わない」と言ったのです。
私には弁護士85人がついてくれています。彼らは全部手弁当です。その彼らが「会ったらどうですか?」と言いました。東君も「会えや」と言います。特派員をやっていたオランダ人のハンスもきれいな日本語で言うのです。「アナタハ、会ウベキデス」
それで会いました(注・05年2月22日)。会った時に、私はまっさきに原田さんに言いました。
「なぜあなたは裏金に手を染めて、それを退職してから口にするのか。現場の多くの警察官が、上からの指示のためにどれだけ苦しんでいるのか、わかっているのですか」と。
すると原田さんは言いました。
「私は犯罪者です。あなたは本当のヒーローです」と。そして、次のように続けました。「このこと(裏金)を口にするのには、時機(注・タイミング)が必要でした。10年前に、私がそのことを口にしていたら、今の大河原さんのようになっていたでしょう」
講演中の仙波氏。深刻な警察の現状を語りつつ、仙波氏のジョークに会場は笑いが絶えない。
それは、決して誇張ではないのです……。私は原田さんの胸中を察し、「会いたくない」と言ったことを恥ずかしく思いました。
原田さんの言う、「今の大河原さんのように…」というのは大げさではありません。1984年に、警視監であった松橋忠光さんが『わが罪は、つねにわが前にあり』という本を書き、警察の裏金を問題にしました。その本は大きな反響を呼び、そのことは国会でも取り上げられましたが、警察当局は「独自の思い込みや妄想としか言いようがない」のひとことでかたづけてしまったのです。
その後、私は原田さんとの親交を深め、今は私にとって父親のような存在で接してくれています。私は何でも思ったことをずけずけと言ってしまうほうなのですが、あとで東君が原田さんにお詫びを兼ねた電話をしてくれました。そうしたら、「いいんだよ、そういう強い精神力、正義感の持ち主でなければ、ああいうこと(05年1月の、仙波氏による〈裏金〉の告発)は出来ないよ…」と言って下さいました。
松橋さんのケースや、原田さんの言われる「10年前に発言していたら…」の発言を思い起こすと、大河原さんが一警察官として、上司に裏金のことを抗議したことがいかに大変なことであるか、わかって頂けると思います。
(「中」に続く)
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