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残念なことだが、現在の政治はここがいんちきだ。
1.1980年代末のバブル崩壊のとき、土地バブルがはじけるのは株のバブルがはじけるよりも一年ほど遅かった。理由は、金融当局が融資の総量規制をするとき、銀行が住専(住宅専門金融会社)を通して住宅購入者に迂回融資していることに気がつかなかったとされる。しかし、株が値下がりするのに土地が値下がりしないで引き続き値上がりするのを見れば、何か原因があり、それが住専を通しての迂回融資だということはすぐに分かるはずのことだ。多分、この時期、不動産を高値で売り抜けた連中が何万人もいるはずだ。それらの不当な儲けの総額は軽く兆と言う単位になる。金融当局の「見逃し」と言う責任を問う政治家、マスコミは皆無だ。
2.バブル崩壊のもっと規模が大きいもの。つまり、アメリカのサブプライムローンによるバブルでも同様ないんちきが行われていた。つまり、住宅価格が永遠に値上がりすると言う仮定に基づいてサブプライムローンが組まれたが、そんなことがあり得ないことは普通に誰でも気がつくはずで、アメリカの金融当局は値上がり率の規制などやるべきことをやっていない。その結果、サブプライムローン組み込み商品が世界中に売られ、何十兆円、または、何百兆円と言う金がアメリカのヘッジファンドなどへ流れた。アメリカの投資銀行などが倒産しているが、これは、もともと無理な商品をあまりに多量に作り出し、その結果、倒産しただけで、アメリカ全体としては、海外に売った分だけ十分に儲けている。ところが、アメリカがサブプライムローンで儲けていることは誰も指摘しない。あたかも、アメリカ自体もサブプライムローンで損をしたかのような報道だけがされるのだ。現実は、そうではなく、サブプライム組み込み商品を世界中に売り、その代金をまず懐に入れ、次に、サブプライムローン組み込みと言うことで値下がりした債権を10分の1とか、またはもっと安い値段で買い叩き、今後それらがまた利益を生み出すと言う取引をやっているのだ。つまり、アメリカ金融当局は、不作為と言う形でサブプライムローンと言ういんちき商品をアメリカの金融界が世界中に売り、不当な儲けを手にすることを許したと言うことだ。このことも誰も追求しようとしない。
3.もっと身近な問題で言えば、日本郵政の問題がある。今年はじめに発覚したかんぽの宿の一括売却未遂事件は、2000億円以上の費用を投じた物件を100億円ほどで売ってしまうと言うものだった。この件については野党議員が日本郵政の社長を刑事告訴しているが、未遂事件で刑事告訴をしてもあまり意味がない。実際にすでに売却されてしまった郵政グランドなど日本各地にあった評価額で数十億円、転売益が数百億円あったはずの取引についてはまったく公開されていない。評価額数万円で転売益数千万円と言うものが数件公開されただけだ。だから、日本郵政の社長の続投がトヨタの社長などで構成される第三者検討委員会で認めれても、ほとんど誰も文句を言わないのだ。しかし、よく考えてみてほしい。第3者委員会のメンバーは財界人で、誰もが短期的利益、つまりこの数年間から10年ほどの経済的利益を受けている人ばかりなのだ。彼らは確実に郵政物件を安く手に入れてそれを転売することによって短期的利益を数千億円の規模で得た連中だ。不当な利益を得た連中が、不当性があるかどうかを判断することなどできはしない。
なお、かんぽの宿事件を最初に問題にした鳩山邦夫は、やはり、かんぽの宿一括売却事件だけを問題にしていて、本当の問題には口をつぐんでいる。彼は単にへまを踏んでこのことを明らかにしてしまっただけだ。
4.もっと古くからのことを言えば、戦後連綿と続いてきた大型詐欺事件がある。ごく最近のものではL&G巨額詐欺 円天マネーがある。これも、1000億円を超える被害が発生したはずだ。しかし、もともと、円天と言う電子マネーが機能するはずがなく、日本の規制当局は、最初から詐欺であることに気がついていたはずだ。一般人がだまされたのは、各地域社会の有力者が、実際に配当を受け取ったと言って人々を勧誘したからで、そういった有力者はきちんと罪を問われるべきだが、ほとんど責任を問われていない。つまり、警察や消費者センターと言う行政側の責任と、社会の中で現実に詐欺商品を広めた働きをした人々の責任が問われる必要があるが、そのどちらも問われていないのだ。国会や県会、または市町村の議会で、この地区で詐欺商品が出回っているが、その注意喚起をすべきだと言う発言がされてもいいと思うが、全国的にそういった発言がされた様子がない。
5.エイズ薬害事件では、当時の厚生官僚の責任が問われている。しかし、血友病治療に当たっていた医師は全国にいたし、全国の保健所担当者も、非加熱製剤が危険だと言うことは知っていたはずだ。また、マスコミ各社も同様にそれを知っていたはずだ。実際、血友病の患者団体の総会で、一時期、非加熱製剤の危険性が取り上げられている。しかし、彼らへの責任追及はまったくされていない。本来、非加熱血液製剤の危険性に気がついたアメリカの保険当局が、米国内での非加熱製剤の製造・保管・輸出の禁止をすればいいだけの話だったが、そのどれもアメリカの保険当局はしていないのだ。だから、エイズ薬害事件についてはそもそも一番の責任はアメリカの保険当局にある。
6.本来、歴史教育を現代から初めて、過去にさかのぼる形にするべきだ。現代の問題点をまず認識し、それらがなぜ生じたかを過去にさかのぼって検証する。これが本来の歴史の意味だ。それがされないから、いまだに、太平洋戦争がなぜ起こったか、第二次世界大戦がなぜ起こった、まったく知らない日本人がほとんどなのだ。戦後、日本の警察組織、司法組織は戦争に関する責任をまったく問われてきていない。戦争反対を叫んだ人々を不当に拘束し、あるものについては拷問などによって獄中で殺しているがそういったことについてまったく責任を問われていない。そして、そのことによって、警察・司法組織は、アメリカによる支配を受けることになったのだ。
7.デリバティブ取引組み込み商品が多量に日本の金融機関により日本の地方自治体などへ売られている。20年とか30年とか言う長期の運用商品だ。契約当初の数年間は確実に儲けが出るように設計されているから、契約したときの首長は自分の功績として自慢できる。しかし、10年後、20年後には、確実に損をするような構造なのだ。世界は、実体経済の数倍から数十倍にもなる投機資金を抱えていて、その金額は今後もどんどん大きくなることが予測される。だから、確実に世界はインフレに向かっているのだ。だから、いくら元金保証であっても、物価が十倍以上になったとき、元金の3倍とか4倍になったものを返されても、それは、確実に損害でしかない。しかも、運用会社は毎年元金の1割とかを手数料としてとることを保証されているのだ。この問題も、多分、今後5年か10年もしたら表面化して大問題になるはずだ。
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