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(回答先: 書面辞退『検証』を 100人中45人認める【実際に裁判所に足を運ぶことなく半数近くの辞退が認められたことは】(東京新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 8 月 04 日 09:33:04)
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2009/08/04/20090804ddm003040131000c.html
クローズアップ2009:裁判員裁判スタート 「選任」まずは順調 無断欠席2人のみ
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
東京地裁で3日始まった初の裁判員裁判は、最終的に裁判員を選ぶ「選任手続き」について法曹関係者の間に懸念があった。「当日、候補者は裁判所に来るか」という点だ。結果は49人中47人が姿を見せ、制度を運営する最高裁の幹部は「強い責任感の表れ」と安堵(あんど)した。一見順調なスタートだが、課題もある。初日を検証した。【武本光政】
◇100人抽出 73人呼び出し状 49人呼び出し
■責任感の表れ
「予想以上に多くの人に来ていただき、大変ありがたく思っています」。選任手続き冒頭のあいさつで、東京地裁2階の待合室に集まった47人の候補者を前に、秋葉康弘裁判長は頭を下げた。
この日呼び出した候補者は49人。連絡なく裁判所に来なかったのは2人だけだった。裁判員法が「正当な理由なく出頭しない時は10万円以下の過料」と定めているとはいえ、95・9%の高率だ。最高裁幹部は「2人という数字は非常に意味が大きい。(国民の)責任感が高い数値で示された。想定以上で、うまくいき過ぎたと言っていいぐらい」と喜びを隠さなかった。
今年5月28日〜6月7日に内閣府が実施した世論調査では「義務でも行くつもりはない」が25・9%に達していた。「まず候補者が来てくれないと制度は絵に描いた餅だ」。歴代の広報担当者はそこを気にしていた。
選任手続きでパソコンによる抽選に外れた後、記者会見に応じた人たちの言葉にも、強い責任感がにじんだ。不動産業の土生雅祥(はぶまさよし)さん(65)は「呼び出し状をもらって裁判を非常に身近に感じた。前向きに参加すべきかなという気持ちでした」と語った。候補者になった事実を公にすることを禁ずる裁判員法に抵触するおそれもあり、顧客には「夏季休暇」と伝えていたという。
自閉症の小学3年の男児を育てる主婦(36)も、選任された場合を考え、4日以降はヘルパーに息子の世話を頼んでいた。「自分が参加するかもしれないので(制度に関する)記事などを真剣に読むようになった」と話した。
■「強制」に不満
しかし、高い参加率の背景には、東京地裁が候補者の辞退を柔軟に認めた事情もある。東京地裁は6月12日、管内の約2万8000人の裁判員候補者名が記載された名簿から100人の候補者を無作為抽出した。この段階までに、候補者から「調査票」への回答を回収しており、「学生」「重い病気」などと記入した27人を除外し、6月17日、73人に呼び出し状を発送した。呼び出し状には「質問票」が同封されており、この質問票に「重要な仕事」や「身体、精神、経済上の重大な不利益」などと記入して返送した18人をさらに除外した。
転居先不明などで6人には呼び出し状が届かなかったので、残る49人が3日の選任手続きの対象者だった。調査票、質問票という2段階の意向確認により対象者を事前に絞り込んだ形だ。さらにこの日の選任手続きで2人の辞退を認めており、候補者の意向に配慮した様子がうかがえる。
一方、会見では「半強制的に呼び出され、抵抗があった」との不満や、「強制的に候補者にさせられた。やりたい人に機会を与える制度があってもいい」と懐疑的な意見も出た。ある最高裁幹部は「49人中47人というより、100人のうち47人が来たということ。まだ評価は難しい」と慎重な姿勢を崩さなかった。
◇6人中5人が女性 「不選任請求」残る不透明感
課題も浮かび上がった。候補者47人のうち当日の辞退者2人を除く45人が最終的な抽選の対象になったとは限らない。
法律上、裁判所が「不公平な裁判をする恐れがある」と判断した場合、その候補者を抽選の対象から外すことができるからだ。さらに今回のように補充裁判員3人を選ぶ際は、検察、弁護側双方が理由を示さず各6人まで裁判所に不選任を請求でき、必ず認められる。暴力団関係者らを排除するためだが、実際の運用について不透明感は残る。弁護側が被告に厳しい量刑を選択しそうな人物を外したり、検察側がその逆のことをしたりするのも可能だ。
不選任請求の有無は公表されない。実際、3日の公判閉廷後、裁判所、検察側、弁護側の3者は取材に対し、いずれもこの点について言及を避けた。
今回、裁判員6人のうち5人を女性が占めたことも関係者を驚かせた。藤井勝吉被告(72)の主任弁護人、伊達俊二弁護士によると、藤井被告は「どういう影響があるでしょうか」と戸惑いを見せたという。候補者への取材では、待合室の男女比はほぼ半々だった。伊達弁護士は会見で「女性が多いのは偶然。運命のいたずらでしょう」と述べた。
◇2人の辞退を許可 候補者に手厚い配慮
非公開で進められた選任手続き。候補者への取材を基に再現すると、裁判所の相当な気遣いも見えてくる。
3日朝、裁判員候補が集まった待合室にはクラシック音楽が流れていた。65インチの大型ディスプレーには癒やし系のイルカの映像。「ご自由にお読みください」と10冊近くの雑誌も並んでおり、お茶も用意されていた。
午前9時20分から20分程度、DVDで手続きを紹介し、職員が事件の概要を説明。この後、候補者はA4判の「質問票(当日用)」に向き合った。質問事項は(1)被告や被害者と関係があるか(2)今回の事件のことを報道などで知っているか(3)辞退希望の有無など−−の三つだった。
「公平な裁判ができない事情がある人は手を挙げてください」。裁判長による全体質問で辞退希望などがあった3人が別室に呼ばれ、個別質問を受けた。裁判所はうち2人の辞退を許可した。
東京都葛飾区の主婦(36)は「説明はとても丁寧でした。至れり尽くせり。税金を使っているのでもっと事務的でもいいと思いました」と話した。午前10時38分、裁判員6人と裁判員が出廷できない時に急きょ裁判員を務める補充裁判員3人が誕生した。
◇「過料」難しい判断−−木谷明・法政大法科大学院教授の話
裁判員をやりたくないという人が多かった割には、協力がよく得られたという印象だ。制度への国民の理解が深まった結果なら素晴らしいが、過料を恐れてという可能性も否定し切れない。今後、裁判所は欠席した2人に対し実際に過料を科すかどうか、難しい判断を迫られるだろう。
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◇認められた辞退理由
◆事前に呼び出し取り消し
・「心身の故障」で職務に著しい支障* 1人
・重い病気や傷害 1人
・介護や養育 1人
・重要な仕事 7人
・葬式など社会生活上重要な用務 1人
・身体、精神、経済上の重大な不利益 7人
計18人
◆呼び出し後に辞退許可
・身体、精神、経済上の重大な不利益 2人
計2人
*は元々裁判員になることができない「欠格事由」。他は候補者による申請を受け裁判所が辞退を認めた「辞退事由」
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◆裁判員に選ばれなかった候補者の感想
◇太田正也さん(37)=会社員
裁判員に法知識がなくて本当にいいのか疑問。積極的に参加したい人を優先的に選んでもいいのかなと思う
◇高木勇介さん(28)=会社員
裁判に参加してみたかったので(候補者になって)良かった。(今日は)寝坊しないよう気をつけた
◇土生雅祥さん(65)=不動産業
国民の義務なんだと言い聞かせて参加した。裁判を身近に感じた。人を裁くことには不安がある
◇島田達二さん(48)=会社員
(選ばれず)半分残念、半分ほっとした気持ち。4日間公休をもらったが、仕事に戻る
◇匿名女性(33)=航空関連会社員
緊張と記者の多さで、すごい所に来てしまったと思った。4日ぐらいで人の人生を決めていいのかと思う
◇匿名男性(48)=IT関係会社員
昨夜は3時まで眠れなかった。遺族を思うと真剣にやらなければと思った。1日分休暇届を出してき ◇た
◇匿名男性(31)=IT関係会社員
専門知識がなく、ちゃんと判断できるか不安だった。会社から特別休暇をもらって参加した
◇匿名女性(27)=看護師
4日間の休みを申請していたが明日から働くと思う。候補者は誰もしゃべらず、緊張感が漂っていた
◇匿名女性(36)=専業主婦
夫が会社を1日休み、子供を預けてきた。おかずの作り置きもしたが(選ばれず)拍子抜けだった
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◇おことわり
裁判員法は裁判員候補者を特定する情報の公表を禁じており、匿名表記を原則としました。抽選に漏れるなどして裁判員に選ばれなかった元候補者については、本人の承諾があれば、実名記載としました。
毎日新聞 2009年8月4日 東京朝刊
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