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(回答先: 本紙衆院選調査/魅力ある農政の論争を(日本農業新聞) 投稿者 gataro 日時 2009 年 7 月 31 日 19:58:37)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=979
民主党政権公約/許されない日米FTA
掲載日:2009-7-29 12:00:00
民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、日米間の自由貿易協定(FTA)締結を掲げた。FTAは相互の関税を撤廃するのが原則で、関税率の引き下げを交渉する世界貿易機関(WTO)の交渉と大きく異なる。公約通りに協定を締結すれば、日本農業への打撃は極めて大きい。農政を重視し、主要穀物などの完全自給を目指すとする政策目的と矛盾するちぐはぐさを見せている。同党は詳しく説明する必要がある。
2008年の貿易をみると、日本の総輸入額は79兆円弱で、うち米国は8兆円である。農産物の輸入額は5兆9821億円で、最大の輸入先が米国で1兆9435億円となっている。品目ごとにみると豚肉は輸入額の41%、小麦は61%、牛肉は14%、米は62%を米国産が占めている。
これらの品目は日本の地域農業と経済にとって重要だからこそ一定の関税で国内産を守っている。農水省はすべての関税を撤廃すれば、内外価格差が大きい米麦や牛肉・豚肉などは市場を失って、農業生産額は3兆6000億円(4割)減り、食料自給率は現在の40%から12%まで下がると試算している。巨大な農産物輸出国である米国1カ国だけでもこれらの品目の影響は極めて大きい。石破茂農相は、「米麦や畜産物が壊滅的な被害を受ける」としている。食料供給を輸入に頼らざるを得ない日本は、輸入先の多元化が求められている。米国とのFTA締結は米国依存を強め、食料安保上の危険さえある。
同党が農業政策の目玉として掲げる戸別所得補償制度は、販売農家を対象にし、対象品目の販売価格が生産費を下回った場合に補てんする。関税撤廃によって国内農畜産物の販売価格が下がれば、現在のマニフェストで想定するより多くの財源が必要になる。どう対応するのかその説明もしてもらいたい。
両国のFTAは国際経済の観点からも問題がある。多国間貿易体制を形だけにしかねない懸念だ。WTOには輸入品を国産品と同様に扱う「内外無差別」とともに、すべての加盟国に同等の貿易条件を与える「最恵国待遇」という2つの基本原則がある。日米両国の国内総生産(GDP)を合わせると世界の3割を占める。この2カ国による排他的な経済統合は世界の貿易を大きくゆがめる懸念がある。発展途上国を中心に批判を浴びよう。FTAが無秩序に拡大する恐れもある。
同党は小沢一郎代表時代、戸別所得補償制度の創設とともに農産物輸入の「全面自由化」を打ち出し、その後「自由化促進」に後退した経緯がある。マニフェストが同党の本音であれば説明する必要がある。自民党は民主党との討論会で配布した資料で「米をはじめ重要品目は自由化しない」としており外交交渉の農産物貿易の取り扱い方針が総選挙の大きな争点になった。
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