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《地殻変動:7》小泉改革 おひざ元もノー
2009年7月29日
「小泉構造改革」で傷んだ地方の現場には、自民党への不満がくすぶる。推し進めた2人の元首相のおひざ元も揺れている。
25日、安倍元首相の地元、山口県下関市。金子勝・慶応大教授(57)がJA下関の総代研修会で講演した。痛烈な構造改革批判で知られ、「反体制」イメージが強い地域経済の専門家だ。
「小泉構造改革は政策もビジョンもなく、市場に任せろというだけ。地方の中小零細企業や小規模農家は切り捨てられ、地域経済はぼろぼろになった」。組合員ら約600人は真剣な表情で耳を傾け、金子氏が「自民党の派閥の長は、ほとんど選挙で落ちると思う」と声を張り上げると、笑いが広がった。
県農政連はこの総選挙でも自民支持を決めており、JA下関も離反はしない。だが、小規模農家は疲弊し、不満がたまっている。辻久男組合長(66)は「自民党に反省して立ち直ってもらいたい」との思いも込め、金子氏を招いた。
今年になって金子氏は月に4、5回、各地のJAや信用金庫、信用組合で講演している。信金、信組業界には政治連盟はないが、地域社会に根ざし、自民党支持層とかかわりの深い伝統的な組織だ。
だが、不満の矛先は自民党にも向かう。
昨年秋、ある信金で講演した金子氏に、参加した経営者が耳打ちしてきた。「ここにいるのは全員、○○議員の支持者です。そして全員、面従腹背です」
挙げたのは地元選出で、旧大蔵省出身の実力者の名だった。その経営者は「中小企業は苦境にあえいでいるのに、先生は何もしてくれない」と不満をぶちまけた。
信金の中央銀行的な存在、信金中央金庫の今年3月期連結決算は、純損益が1825億円の赤字になった。赤字の計上は初めて。信金の顧客は地元の中小零細企業。その不振に、米国発の金融危機が追い打ちをかけた。
小泉元首相の地元、神奈川県横須賀市。大手メーカーの工場が合理化を進めて次々と撤退し、人口はこの5年間で約1万人減った。駅前の目抜き通りにはシャッターを下ろした商店が目立つ。
ここに本店を置く湘南信用金庫で1年前まで理事長を務めた服部真司氏(75)は、小泉氏が「構造改革」を打ち出したのを機に自民党支持をやめた。「頼母子講の流れをくむ信金は、地域の弱小企業を助けるためにある。優勝劣敗の論理とは相いれない」と考えたからだ。
先月の市長選でも、小泉氏が推す現職でなく、劣勢とされていた対立候補を応援した。「チェンジ!」の文字が躍るマニフェスト作りを手伝い、連日、選挙事務所に詰めた。結果は大方の予想を覆す勝利。服部氏は「小泉構造改革に地元がはっきりノーを突きつけた」と感慨にふけった。
衆院を解散した21日、麻生首相は記者会見で「行き過ぎた市場原理主義から決別する」と明言した。構造改革への不満が募る地域経済の担い手たちは、この発言をどう受け止めるのだろうか。
報道で知った服部氏は、冷ややかな感想を漏らした。「もし本当に構造改革を全面否定するなら、首相を支持するのだが……。国民の反応も違っただろう」
http://www2.asahi.com/senkyo2009/special/TKY200907280483.html
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