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【解説】「国家の情」示せるか 水俣病救済法が成立
2009年7月8日 14:20 カテゴリー:政治
【解説】現行認定制度で水俣病と認められない患者に一時金支給などを行う水俣病被害者救済法が8日、成立した。公式確認から53年を経て、2度目の「政治解決」が図られたことになるが、残念ながら、これでは悲惨な水俣病の歴史に終止符を打つことはできない。
一部被害者団体は、原因企業「チッソ」の分社化に反発。引き続き司法による救済を求める姿勢を打ち出し、政治への不信感を強めている。
一方、高齢化という現実を踏まえ「早期解決」を求めてきた被害者団体は、今回救済法に歓迎の意思を示している。だが、政府が今後定める具体策の内容次第では、救済対象の判定や一時金の額などをめぐり、新たな不満、不公平感などが生じる懸念も捨てきれない。
一時金や療養費が支給されても、体に刻まれた健康被害は消えない。だからこそ、水俣病問題の最終解決は、被害者の心の傷が癒えない限り、訪れることはないといえる。求められるのは、金銭ではあがないきれない、被害者に寄り添うことで示されるチッソと国の謝罪、誠意ではないのか。
著書「苦海浄土(くがいじょうど)」で水俣病の実態を世に問うた作家石牟礼道子さんは、法案に反対するため上京した患者支援団体に託した国会議員あての手記で、こう述べている。
「お願いですが、日本という国の情が何処(どこ)にあるのか、お教え頂きとうございます」
救済法は、加害企業が消滅する道筋も示した。水俣病問題は、いや応なく「最終段階」に入ることになる。救済法成立で事足りるのか。政府、政治は、あらためて被害者の実態を正面から見つめ直し、国家としての「情」を示せるかが問われている。
=2009/07/08付 西日本新聞夕刊=
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