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グレン・フォードさんから快諾を得られたので、彼の書かれた記事を紹介したい。「米国製造業よ、安らかに眠れ」。Many thanks, Ford-san。
株の保有率は違うが、日本郵政とGMのどちらも現状は国有化された株式会社である。記事によれば、GMの破産担当者としてオバマさんは金融資本家のスティーブ・ラトナーなる人物を指名した。今後の日本郵政がどうなるか?本当の黒幕は米国金融資本なんてことが囁かれている今日この頃、日本郵政とともにGMの行方もまた興味深い。また、社外取締役として郵政に名を連ねる産業界の雄、トヨタ自動車株式会社取締役相談役の奥田碩さんがGMの措置をどう見ているのか?この記事にあるような見方が現実になっていくと、最悪、奥田さんが自動車業界の裏切り者と呼ばれる日も来るかもしれない。
R.I.P. Industrial USA. The Banksters Win, Even When They Fail
米国製造業よ、安らかに眠れ。自分たちが破綻しても勝利した銀行ギャングたち
By Glen Ford
「最終的に金融資本家が産業資本家を壊滅させるであろうことは明白なことだった。」
GMに関する企業メディアのストーリーは死亡記事のように読める。 しかし、メディアは葬儀を正しく報道していない。業界巨人としてのGMの死は、米国における産業資本主義の最後のあがきとなるものだ。 そして、その死は自然死ではなかった。
GMが世界最大の企業になったのは、米国が世界で群を抜いた工業国であった時代。実際にモノを造る産業資本と金融資本の間にはつねに闘争があった。金融資本は、自分たちのやりたいようにして産業基盤を解体し、価値を下げたり、売り払ったり、閉鎖したりする。二世代前に、金融資本は産業資本との戦いで優位に立ち、米国の脱工業化に着手した。
脱工業化は長くはあったが、着実な道のりだった。その過程で、金融資本は世界全体の製造を低賃金の地球の南と東に移転するというところにまで至った。GMと米国産業部門全体に関する不吉な前兆は、GMの金融部門、GMACが自動車製造部門の利益を上回った80年中頃に遡る。ほどなく、GMACは住宅ローンビジネスに参入した。その瞬間から、最終的に金融資本家が産業資本家を壊滅させるであろうことは明白なことだったのだ。
しかし、金融資本が米国を完全征服する途中で滑稽なことが起きた。 両手に州政府、連邦政府の鍵を手にし、ポケットには間もなく大統領になる黒人がいるのに、投資銀行階級は自身の矛盾から内部崩壊した。有益なものは何も生み出さずに数兆ドルを集めることに成功した金融資本パラサイトは、次の段階の症状に進み、何にも基づかないデリバティブと呼ばれる莫大な額の架空資本を創造した。ここで計画は崩壊した。
「バラク・オバマは、自動車産業の最終的に破産させる役を金融資本家スティーブ・ラトナー(Steve Rattner)に任せた。」
金融メルトダウンはほぼ全面的であったが、政治的影響力が減少することはなかった。去りゆく共和党ホワイトハウスを支配したのとちょうど同じようにして、金融資本は次の民主党ホワイトハウスの下で経済政策を支配した。バラク・オバマは、最終的な自動車産業破産の役割を金融資本家スティーブ・ラトナーに任せた。左派エコノミストのスタンリー・アロノウィッツ(Stanley Aronowitz)は、これを米国の歴史における最大の組合潰し訓練と評している。オバマ大統領は自身のWebサイトで、全米自動車労組から譲歩をもぎ取った点でブッシュ政権よりも「アグレッシブ」と自慢している。新生GMは今やその60%が米国民によって保有され、小型自動車の生産が許可されることになるだろう。とはいえ、中国で。
実際にはオバマの擁護者は、使われなくなった自動車基盤設備は公共輸送か他のグリーン産業の構築に大転換されると考えていた。彼らはオバマが銀行家の大統領であることを見ていない。有益、生産的なモノを銀行家が構築することはない。これこそ、現在の資本主義の危機の核心である。きわめて低い賃金という条件がなければ、金融資本が生産的事業に投資をすることはない。 銀行家、そして彼らに使える政治家が権力から駆逐されないかぎり、GMの後を継ぐものはない。
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