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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009052302000093.html
新駐日米大使ルース氏 格落ち人事?政府困惑
2009年5月23日 朝刊
政府・与党内で、オバマ米政権が新駐日米大使に弁護士事務所経営者、ジョン・ルース氏を起用することに対し、「まったく知らない人物」との困惑が広がっている。
次期駐日大使人事は知日派のジョセフ・ナイ元国防次官補を起用するとの見方が出ていた。
ルース氏は昨年の米大統領選挙でオバマ氏に多額の政治資金を提供。ナイ氏よりオバマ氏と近い間柄だ。ナイ氏より、ルース氏を選んだ理由はこのあたりにある。
ただ、国務、国防総省の要職を歴任し、国際政治学者として知名度の高いナイ氏に比べれば、外交経験のほとんどないルース氏は明らかに「格落ち」に見えてしまう。ブッシュ前大統領と仲が良いというだけで起用されたシーファー前駐日大使と似たタイプといえるが、シーファー氏は駐オーストラリア大使として経験を積んだ後、日本に着任している。
日本側は、正式発表がないとして公式のコメントは控えているが、大物のナイ氏の起用が見送られたことに日本が軽視されているとの思いもある。
外務省幹部は「日本重視の中で、大統領と関係の深い人が選ばれたということだ。大統領にいつでも電話できるだろうし、パイプ役として期待できる」と指摘。ルース氏を歓迎する向きもなくはないが、基本的には大統領選挙の論功行賞で駐日大使を選んだオバマ政権に対する疑問の声が強い。ある政府高官は「日本と直接ルートのある人ではない。オバマの人事はこちらの想定外だった」という。
また、自民党内にもルース氏に対し、複雑な声が出ている。山崎拓党外交調査会長は「北東アジアの不安定な情勢を考えれば、ナイ氏を起用することが、一番安心できる人事だった」と述べた。
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