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日本は巨額な財政赤字を抱えている。毎年の税収が50兆円ほどなのに予算規模が一般会計で80兆円、特別会計を入れると、重複部分を除いて200兆円ほどだと言われている。
足りないはずの150兆円はどうしているかと言ったら、国債を発行するか、郵貯や各種年金積立金などを勝手に政府が流用しているのだ。だから、公開されている公的な借金、つまり、国や地方自治体の債務が800兆円ほどだというのは、まったくのごまかしで、郵貯や簡保の金や厚生年金、国民年金の積立金なども、本当に積み立てられているかといったら、実際には運用と称して、様々なことに使われてしまっているのだ。けれど、国や地方自治体がやっている事業で利益が上がっているものなど、ほとんど無い。だから、簡単に言えば、150兆円ほど、借金が毎年毎年積みあがっていることになる。実際には、多分、かなりの程度がもう一度国庫に入る仕組みになっていて、毎年80兆円ぐらいが実質的に借金として積み上がっているのではないだろうか?
究極的には、日銀や政府自体が紙幣を発行してそれらの借金を穴埋めするしかないと言われている。しかし、それは、一般の人たちの労働の価値を毀損するのだ。普通の市民が普通に働いて得るお金と政府が単に輪転機を回して得る、または、日銀が輪転機を回して国債と交換に政府へ渡る紙幣は、全く性質が異なる。
一方はきちんと労働の裏づけのあるお金であり、一方は単に輪転機を回して得たお金だ。しかし、紙幣としては区別できないから、単に輪転機をまわして作ったお金が増えると、全体の価値が減ることになる。つまり、インフレだ。
今の日本がインフレになっていないのは、国際的な環境、つまり、中国や東欧諸国など、労働単価が安い国が国際経済に組み込まれ始めた時期とここ20年程が重なったという幸運と、単に、まだ、国民が積み上げた資産が残っていて、それが国債などと交換に政府部門で使われているからだ。だから、財政赤字があるのに日本はインフレにならないと安心するのはあまりに早計だ。
デフレであり、不景気で、中小企業に銀行から貸付が行かないから政府紙幣を発行したり、赤字国債を発行して、金を回そうという議論がある。でも、それが正しいことだろうか?
単に政府が紙幣を発行し、公的な事業に充てようとすれば、それは単に労働の価値や意味の希薄化をもたらすだけではないだろうか。公的な事業の多くは無駄が多いと言われている。事業を発注する公務員のモラルの低下、受注する側のモラルの低下、そして、公共事業そのものの質の低下を意味しないだろうか?
単に政府が紙幣を発行すれば、それは、一般市民の預金や手持ち資金、一般企業の資金がそれだけ価値の無いものになることだ。日本のGDPが大体500兆円だと言われていて、20兆円ぐらいの政府紙幣発行は影響がないと言う議論がある。しかし、今まで無題使いを続けてきていて、その構造的な体質をそのままにして20兆円の政府紙幣発行は、非常に危険な行為だ。
毎年増えつづける80兆円ほどの実質的な借金を生む体質をそのままにしていたら、際限なく政府紙幣を発行することになり、結局それは、日本中で、労働の価値がなくなることを意味する。誰もがまじめに働こうとしなくなるだろう。
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