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【植民地国家の悲しい末路w】15兆円の補正予算でも回復困難な日本経済
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投稿者 官からアメリカ人へ 日時 2009 年 4 月 18 日 14:39:09: Dx5sTVjBq/alo
 

15兆円の補正予算でも回復困難な日本経済
2009/04/15

日本経済は沈み続け、復活の兆しは見えていない。政府/与党は約15兆円の2009年度補正予算を含む「新経済対策」を打ち出したものの、言うまでもなく、日本の沈没をとめることは困難だろう。何しろ金融破局の原因である構造的な問題は放置したままであり、富裕層/権力層や大企業に滞留している資金を解放する意志は感じられないからである。

 しつこいようだが、経済活動を成り行きに任せておくと、富は富裕層/権力層、つまり特権的な立場にある人や組織に集中していく。日本のように、大企業がプールすることもあるが、富が富裕層/権力層に流れるという点で本質的な差はない。

 貨幣経済が発達すると、富の移動スピードが速くなり、すぐに行き詰まってしまう。そうした状況から脱するためには、侵略などによって外部から富を持ち込むか、滞留している富を強制的に社会へ還流させるしかない。かつて、ヨーロッパの強国が植民地を建設したのは富を奪うためだった。

 言うまでもなく、侵略/略奪を実行する暴力装置が軍隊である。アメリカ軍の伝説的な軍人、スメドレー・バトラー少将はかつて、戦争を「押し込み強盗」になぞらえたが、全くその通りである。略奪しない、あるいは略奪できない戦争は体制を弱体化、場合によっては崩壊させる。第2次世界大戦後にアメリカは経済的に繁栄するが、ドイツや日本が略奪した財宝を横取りできたからである。このことを忘れてはならない。

 しかし、経済が「グローバル化」した現在、富裕層/権力層に侵略という逃げ道はない。現在、ヨーロッパは規制を強化して富の集中を緩和させ、体制の延命を図ろうとしているのだが、アメリカは特権階級が富を独占するシステムに固執している。

 この収奪システムを維持するため、アメリカの新保守は潜在的なライバルを軍事力で押さえ込むという戦略を1990年代に打ち出している。彼らが最重要地域と考えていたのが東アジア。新保守/神保守に担がれたジョージ・W・ブッシュ大統領が「中国脅威論」を展開していたのは自然の流れだった。

 東アジアの潜在力を押さえ込むための手段として戦乱を考えるいたとするならば、日本と朝鮮の対立はアメリカにとって願ってもないこと。両国が東アジアの軍事的な緊張を高めれば、アメリカに出番が回ってくる。アメリカ、日本、朝鮮は新保守にとって理想的なトライアングルである。ただ、この戦略はアメリカの旧保守は反対しているので、そう簡単に開戦できそうにはないが。

 アメリカが経済破局に直面している現在、アメリカの富裕層/権力層は日本を経済立て直しの踏み台にするしかない。日本は「カモ」として目をつけられているわけだ。その日本の富裕層/権力層はアメリカに隷属、庶民からいかにして収奪するかということしか考えていない。しかもそうした富裕層/権力層を支持している庶民が少なくない。

 日本の少なからぬ庶民が胡散臭い人物を好むことは否定できないだろう。例えば細木数子のような人物だ。2006年にジャーナリストの溝口敦は、細木に関する連載記事を「魔女の履歴書」というタイトルで「週刊現代」に書いた。TBSの「ズバリ言うわよ!」やフジテレビの「幸せって何だっけ」で人気を集めていた彼女の実態を暴いたのだ。

 日米関係を調べている過程で、私も細木と小金井一家の堀尾昌志とに関する「噂話」を聞いことがあるのだが、そうした話も含めて溝口は事実に基づいて明らかにした。私の情報源のひとりだった元暴力団幹部によると、ヤクザをテーマにする記事や本を書いているライターの中で、溝口はヤクザからカネを受け取らない希有な存在で、信頼できる人物。そうした姿勢の人物だからこそ、細木に関する記事も書けたのだろう。

 この女性は暴力を背景として、「金は三欠くに溜まる」を徹底的に実行してきた。カネこそが全てだというわけだろう。そうした強欲な人物にテレビ局や一部の出版社はかしずき、多くの読者や視聴者が支持した。番組の視聴率は高く、著作が売れているという事実は日本の現状を象徴している。そうした人たちが戦争を始めたらどうなるか、言うまでもないだろう。

 細木を支持する人たちと小泉純一郎に熱狂した人たちは重なるのではないかという気もする。キャッチフレーズを繰り返し、怪しげな話を断定的に語り、聴衆に考える余裕を与えず、信じ込ませる。「予想屋」の手法と同じだ。自分にとって好都合で心地良く聞ける話なら嘘でも受け入れ、進んで騙されようとする人間が日本には多いということである。

「騙されたものの罪は、只単に騙されたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも雑作なく騙される程批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切を委ねるように成ってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任等が悪の本体なのである。」(伊丹万作、「戦争責任者の問題」、映画春秋、1946年8月)

「『騙されていた』と言って平気でいられる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でも既に別の嘘によって騙され始めているに違いないのである。」(前掲書)

(2009.4.10)

Last updated 2009/04/15 12:31:51 PM

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