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疑惑にフタをせよというのか/山口二郎氏の的外れな共産党非難
西松建設の違法献金事件にからみ、政治学者の山口二郎氏(北海道大学教授)が、東京新聞五日付コラムで「『正義の味方』の愚かさ」と題して日本共産党を不当に非難しています。
事件の核心は
山口氏は、民主党・小沢一郎代表らの西松疑惑が議論されたテレビ朝日系「朝まで生テレビ」(三月二十八日)で、「唯一失望したのは共産党議員の発言だった。彼は、検察の立件が百パーセント正しいという前提をみじんも疑わず、小沢の金権腐敗を糾弾していた。それが官憲の弾圧と闘った輝かしい伝統を持つ共産党の議員が言うことかと、私は呆(あき)れ、がっかりした」と書いています。事実はどうでしょうか。
今回の事件の核心は、「西松」という特定の建設業者から小沢氏個人の資金管理団体への巨額の献金が、長期にわたって国民の目から覆い隠されてきたという問題です。同番組に出席した日本共産党の山下芳生参院議員は、この事実を指摘して、政治腐敗を防止するため、政治資金の流れを公開し不断に国民の批判と監視のもとに置くという政治資金規正法の目的からいっても「重い中身だ」「民主政治に反する」と述べたのです。
そして、検察の起訴事実とともに「しんぶん赤旗」の独自調査も示し、西松が見返りを期待しての献金であり、わいろ性が問われると強調しました。
疑惑の真相解明と政治腐敗の根絶を求める山下氏の発言は、国民の願いに立てば当たり前の主張ではないでしょうか。
山口氏が、このような主張に「失望」するのは、むしろ山口氏の特異な立場に理由があります。同氏は番組中、「僕は小沢さんに総理になってほしいと思ってこの三、四年一生懸命応援してきた」「民主党はこの選挙(総選挙)に絶対勝たなければいけない」と民主党応援団の立場を公然と表明。なんの根拠も示さず、事件を一部検察の暴走による“でっちあげ”であるかのようにいい、民主党が「検察に弾圧され」ていると述べています。その検察のシナリオを「鵜呑(うの)み」にしているというのです。
しかし、日本共産党は検察が立件しようがしまいが、与党であれ野党であれ、問題は問題として追及するという立場です。現に「赤旗」は、西松建設がダミー団体を通じて小沢氏や自民党政治家に献金してきたことを検察の捜査以前から報じ、国会では自民党の二階俊博経済産業相の疑惑を、小沢氏と同質の疑惑として追及してきました。
世論に冷や水
これに対して、山口氏の議論は、現にある疑惑を見ずに、すべてを“検察の弾圧”と根拠もなく決め付けることで、真相解明を求める世論に冷や水を浴びせ、疑惑政治家・政党の責任を不問に付すものにほかなりません。
ちなみに、侵略戦争反対、民主主義を掲げた日本共産党に対する戦前の弾圧と、金権腐敗の摘発とを同列に置く感覚も、見識を欠くものです。(佐久間亮)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-04-09/2009040904_01_0.html
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