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http://www.amakiblog.com/archives/2009/04/06/#001375
北朝鮮ミサイル発射が突きつけたもの(その1)
―米国から否定された日米安保体制と沈黙する日本
以下天木直人メルマガ4月6日からの全文転載です
メディアは北朝鮮ミサイル発射問題一色だ。果たして国民はそのニュースを
どこまで詳しくフォローしているのだろうか。
毎日の勤労に疲弊している国民の多くは、洪水のように溢れる新聞やテレビ
の報道を深く読んでいる暇はないだろう。
しかしそれでよいのだ。どれもこれも同じようなニュースばかりだ。やっぱり
発射した。でも何も起こらなかった。よかった。日本政府は何もできなかった。
でも関係者にはご苦労様だった。それにしても北朝鮮はとんでもない国だ。
国際社会はこれを許してはいけない・・・これでいいのだ。
まもなくこのミサイル発射騒ぎもニュースは取り上げなくなる。次々と新しい
ニュースが流される事になる。
しかし、やはりそれだけではいけない。
「金は無いけど暇ならある」私が、忙しい読者に代わって全国紙の殆どを毎日
詳しく読み、重要な記事を見つけて問題提起する。それがこのメールマガジンの
目的である。
だから今回のミサイル報道についても、膨大な同じような記事の中から、
いくつかの注目すべき記事を探し当てて読者に紹介したい。第一回目は
「米国から否定された日米安保体制」についてである。
4月6日の産経新聞に、日米同盟の「新たな真実」という見出しで、
ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏が次のように書いていた。
「ゲーツ米国防長官は3月末のテレビとの会見で、北朝鮮のミサイルが
米国本土に向かってこない限り『迎撃の計画はない』と断言した。同じミサイル
が日本領土に照準を合わせて発射されても迎撃対象としないという意味になる。
文字通り解釈すれば、日米安保条約の米国の責務に反する重大発表だった・・・
北朝鮮のミサイル脅威(から日本を守ること)には米国には必ずしも依存
できないという深刻な新シナリオが浮かびあがる・・・」
古森氏が指摘するまでもなく、これは極めて重大な現実である。米国による
義務違反宣言である。米国からの日米安保体制否定である。
それにもかかわらず麻生首相はその事に対し一言も米側に懸念を表しようと
しない。日米同盟論者は一切語らない。メディアもこの事を一切触れない。
まるで怖いものから皆が意図的に目をそらしているかのようだ。
その点古森委員は立派だ。その記事を掲載した産経新聞を評価する。問題は
古森氏のその後に続く言葉である。
小森氏は言う。日本だって集団的自衛権を禁止しているではないか。日本の
防衛の為に行動する米軍部隊や基地に向けられたミサイルを撃てば、憲法違反と
騒ぎ立てるではないか。この不均衡を是正することが日米共同ミサイル防衛の
前提だ。
麻生首相はこの際、「ミサイル防衛では集団的自衛権の行使の権利を留保する」
と国民に解禁宣言をすべきだった。そうする事によって日米同盟の希薄化を防ぐ
努力をすべきだった、と。
語るに落ちるとはこのことだ。どこまで行っても対米従属から逃れられない。
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