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(回答先: 孫崎享著『日米同盟の正体―迷走する安全保障』 外交のプロによるすぐれた「事実の書」である (森田実の言わねばならぬ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 4 月 06 日 20:58:29)
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C05208.HTML
2009.4.5(その5)
森田実の言わねばならぬ【289】
平和・自立・調和の日本をつくるために[289]
【著書紹介】孫崎享著『日米同盟の正体―迷走する安全保障』(講談社現代新書、2009年3月20日刊、798円)〈その2〉日本国民が待ちに待った第一級の「日本論・日米関係論」である
「インターネットが進化し普及した今日、ワシントンに居ても単に住んでいる人と米国に住んでいないがホワイトハウスや国務省での日々のブリーフィングや米国の新聞・書籍に目を通す人では、後者が圧倒的に米国外交を理解できる。そういう時代に入っている」(孫崎享=本書の著者)
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本書の著者・孫崎享氏は書いている――「読者は今後この本を読み進められるにつれ、本当か?という箇所に多く遭遇されると思う。従来の通説に挑戦したところが随所にある。通説に慣れ親しんできた読者におかしいと指摘されることは十分承知している」。
本書を読了して、本書が「従来の通説に挑戦」した画期的な著書だ、と強く感じた。
本書は第一級の「日本論・日米関係論」である。日本国民が待ちに待っていた書物といってよいと思う。
著書は「おわりに」の最後の部分でこう述べている。長い引用になるがお許しいただきたい。本書に流れる基本理念を理解する上で重要な記述である。外務省は偉大な人物を育てた。著者が、タカ派・親米派の論客として知られる岡崎久彦氏とは対極に立つ外交官であることが明らかにされている。
《筆者の原点は外務省にある。最後の段階で外務省と距離を持つ状況になったが、筆者の考えは外務省なしに成立しなかった。長く外務省はものを考えることを大事にした。外務省は多くの日本の官庁の中でも、知的水準を高めることを最も重視した官庁だったと思う。外務省の伝統に沿い仕事をしてきた終点に、筆者の今日の考えがある。
しかし、筆者の見解が今日の米国や日本の主流の考えと離れていることも十分承知している。それだけに、本書では主張の根拠となる事実や考え方の紹介に全力を尽くした。
筆者は外務省で分析課長と国際情報局長の二つの任についた。岡崎久彦氏と筆者の二人がこの二つの任についた。かつ筆者は岡崎久彦氏の局長時代の分析課長である。あるインターネットのサイトに孫崎は岡崎氏の子分であると書かれていた。人的繋がりではそうである。しかし本書を読んでいただいた読者には十分におわかりの通り、二人の主張点は両極にある。じつはこの傾向は岡崎久彦氏の局長、筆者の分析課長のときにすでに存在していた。当時、筆者は分析課長としてはまずまずの仕事をしていたと思う。
ある時岡崎氏が私を呼んで、次のように述べた。
「じつはある人間が『岡崎局長、あなたは、孫崎はちゃんとした仕事をすると言っておられますが、彼はとんでもないハトですよ。タカ派で鳴らすあなたの懐にハトが隠れているのです』と言いに来た。それで自分は言っておいた。ハトでもタカでもいい。何かの見解を待つのに十分な勉強をし、しっかりした論拠を探す努力をしているならそれでいい。皆、その努力をしていますか」
読者と筆者とでは、主張点が異なるかもしれない。今日の日本の政治の流れや論調を見れば、それがむしろ自然である。その中で読者が筆者の紹介した事実や考え方に接して、ちょっと待てよ、この事実に基づくとこれはどうなっているのだと再考される糸口になれば幸いである。》
本書は、今後の日本の生き方を示した名著だと思う。全国民に読んでほしい本である。
じつは、私は最近外務省を見直している。外務省出身者に大変すぐれた人物が少なくないのである。外務省の仕事を通じて自己を鍛えてきたのであろうか。幾多の国々、幾多の文化、文明の中に身をおくことによって自己を錬磨されたのであろう。孫崎氏の著書を読んで、外務省から一人の偉人が生まれた、と感じた。本書についての紹介は、改めて追加したい。
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