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2009.4.4(その5)
森田実の言わねばならぬ【284】
平和・自立・調和の日本をつくるために[284]
【著書紹介】孫崎享著『日米同盟の正体―迷走する安全保障』(講談社現代新書、2009年3月20日刊、798円)〈その1〉外交のプロによるすぐれた「事実の書」である
「オバマ大統領が力を背景にした政策を行うことは明確である。ブッシュ政権の要であるテロとの戦いはオバマ政権でも継続されている」(孫崎享=本書の著者)
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大変すぐれた日米関係・安保問題に関する著書に出会った。
著者は「はじめに」で次のように述べている――《「事実は語る」。これは、本書を記述するにあたって、筆者が最優先させた哲学である。この本が感情や特定のイデオロギーにとらわれることなく、「事実は語る」を基礎に日本の安全保障を論ずる際の叩き台になれば幸いである。》
この著者の言葉どおり、本書の「事実の書」である。いままで外交官が著した著書を数々読んできたが、このような「事実の書」は珍しい。外交のプロによる大変すぐれた著書である。全国民必読の書である。
孫崎享氏は駐ウズベキスタン大使、外務省国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学教授を歴任した、1970年代以後最近に至る期間、日本外交の最前線で活躍した日本の代表的外交官の一人である。
本書の冒頭に衝撃的な言葉が記されている――《日米安保条約は実質的に終わっている》《2005年10月25日、日本の外務大臣、防衛庁長官と米国の国務長官、国防長官は、「日米同盟:未来のための変更と再編」という文書に署名した。日本ではこの文書はさほど注目されてこなかったが、これは日米安保条約にとって代わったものといっていい。何が変わったか。まずは対象の範囲である。…日本の安全保障協力の対象が極東から世界に拡大された。》
さらに著者はこう述べている――《日本の安全保障協力の対象が極東から世界に拡大されたこれまでの流れは、オバマ大統領の下で、ますます強化されよう。》
「目から鱗が落ちる」という言葉がある(『新約聖書』)が、本書は、「事実」にもとづいた迫力ある一言一言によって成り立っている。圧倒されるような力のある著作に久しぶりに出会った。私は一気に読了した。そして、外務省の名嘉にこのように柔軟で公平な世界観にもとづく外交方針があることを知り、驚いた。最高度の外交書である。
[本書はきわめて重要な内容を含んだ「憂国の書」である。今後、歴史的文書として後世に残っていくであろう。改めて本書の解説に取り組みたい――森田実]
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