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(回答先: 【今日は何の日(2月20日)】1933年:『蟹工船』小林多喜二が拷問死 ― サーチナ 投稿者 gataro 日時 2009 年 2 月 21 日 08:27:29)
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20090220dde018070049000c.html
芸能
放送人:芸術祭賞大賞作品「いのちの記憶」演出・制作、松田耕二さん
◇人間・多喜二を立体的に
2月20日は「蟹工船」の作者、小林多喜二の命日だ。1933(昭和8)年のこの日の正午に逮捕され夜7時45分、拷問の末に息を引き取った。29年と4カ月の生涯だった。
「共産党の闘士、国賊、殉教者、英雄など、戦前、戦後、そしてソ連崩壊後の今、多喜二ほどさまざまなレッテルが張られ、評価が二転三転した人物はいない。実像はどうなのか。イデオロギーを超えた人間・多喜二を描けるかどうかが勝負。それに多喜二だったら今の時代に何を語るだろうか、という視点で制作を始めました」
北海道がはぐくんだ著名人の新たな人物像を掘り起こそうと地元の北海道放送(HBC)がドキュメンタリーを企画。すでにOBとなっているスタッフ3人と4年間かかり80分の「いのちの記憶〜小林多喜二・二十九年の人生」にまとめ、昨年5月、北海道内で放送した。
「始めたころは、今のこんな『蟹工船』ブームが起きるとは思いませんでした」と苦笑する。2008年度文化庁芸術祭賞でテレビ部門8作の頂点に立つ大賞に輝いた。「取れる!とまさか!が半々でした」
単なる偉人伝にはしたくなかった。思いを寄せたタキという貧しい女性との愛に悩み、愚直なまでに正直に生きた青春時代を手紙で浮き彫りにした。母セキが、死んだわが子の思い出を切々と語る三浦綾子の「母」という作品を女優・河東けいが演じる一人芝居を入れ込んだ。今と通じる格差社会、閉塞(へいそく)の時代に生きた多喜二に、ノーマ・フィールド・シカゴ大教授、佐高信氏らがさまざまな角度から光を当て、立体的な人物像を描き出した。とかく単調になりがちな番組に、故郷・小樽の街の映像が叙情性を加えた。「大正から昭和の初めにかけての街頭フィルムがたくさん残されているのがわかり、使いました」
厳しい自然の映像の中で繰り返し出てくるのが、地上2メートルで幹が水平にねじ曲がっているミズナラの大木だ。時代の疾風にもめげず大地に根付いている姿が、多喜二の生き様を象徴すると感じた松田さんがこだわった映像だ。「私の駆け出し時代に根室市で撮った木です」【網谷隆司郎】
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■人物略歴
◇まつだ・こうじ
北海道大学経済学部卒後の77年、北海道放送入社。情報や音楽番組のほか、全国放送ドラマを30本演出・制作。この作品のDVD発売中(税込み3000円)。北海道出身。55歳。
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http://mainichi.jp/enta/book/review/news/20081017org00m040003000c.html
毎日新聞 2009年2月20日 東京夕刊
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