★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK58 > 761.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
最後に引用する記事によると25兆円規模の政府紙幣発行が一部議員らによって検討されているらしい。テレビで渡辺喜美議員も「デフレを是正してインフレにしなければいけない。政府紙幣は劇薬。」のようなことを発言していた。ただ、麻生首相、中川財務相などは、「政府紙幣発行は考えていない」としている。
世界大戦中は、軍票と言う形で、日本も、他の国も、政府紙幣を発行している。ただ、多くの場合、空手形になってしまい、一度発行しだすと、どんどん信用が落ち、額面1万円の軍票が1000枚でやっと普通の1万円の価値になるというような状況になっている。
本来、お金というものは、現実の経済活動があって、その活動を支障なく進めるためにあるのであって、労働の裏付けがあるから価値を持つのだ。本来は、全ての紙幣は兌換紙幣、つまり、金属の金との交換が約束されていなければいけないが、そう言った兌換紙幣制度は既に全世界で放棄されてしまっている。これは、ある意味、金属の金の絶対量に比べて世界経済が発展しすぎてしまい、兌換を約束できなくなってしまったという意味でもある。
仮に今日本で政府紙幣を発行したら、それなりに景気対策にはなるだろう。政府紙幣を発行して、それで公共事業や公務員の給与支払いをする。しかし、まず、銀行預金はできるのだろうか、切符から缶飲料までの自動販売機は使えるのか、未来永劫流通が認められるのか、などなど、いくつかの疑問が残る。
次に、元々、現在のデフレや不況は、いろいろな政策の間違いから来ている。日本においては、主に、政府部門による公共事業などの無駄使いや少子高齢化から来ているし、世界規模で言えばアメリカ発のサブプライムローン問題が大きい。そう言った失敗への反省なしに政府紙幣発行をすることになれば、今後も同様なことが起きるようになる。日本の公共事業にしてもサブプライムローンにしても、一部のものが利権をむさぼり不当な利益を上げ、その結果、莫大な借金が残ったのだ。それに対する責任追及をしないで、新たな借金先が見つかったから、金を使おうというのでは、何ら問題解決にならない。しかも、政府紙幣発行は、政府の信用の元に紙幣を発行するわけで、現在でさえ500兆円以上の国の借金があるのに、これ以上政府を信用せよというのは無理だ。結果は、大幅な円安や国債発行への金利高となって跳ね返ってくるはずだ。
ちょっとでも考えれば、政府紙幣発行が無理なことは直ぐにわかる。労働の裏付けの無い紙幣を政府が発行してそれで経済が回るなら、どの国でもそれをやっている。政府紙幣発行で済むなら、元々、税金なんて集めないで欲しい。
今必要なのは、新しいエネルギー基盤の創生だ。風力や太陽光が言われているが現実には地熱しかない。本来は、世界中で地熱発電に取り組むべきなのだ。特に日本は地熱資源に恵まれていて、きちんと利用すれば、現在の消費エネルギー量の少なくとも3割以上をまかなうことができると言われている。
更に、世界規模で、投資資金の規制をすべきなのだ。実体経済を大きく上回る資金が世界中を駆け巡って様々な問題を引き起こしている。国連で世界規模の通貨供給量規制をするべきだと思う。なお、投機資金について、国境を越えて動く金に対して、その金額の0.005%程度の税をかけるという構想があると言う。これは非常にいいアイデアだと思う。(これについては、直面する危機の本質と日本の進路(寺島実郎):http://www.asyura2.com/09/senkyo58/msg/731.htmlを参照)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009020200892&rel=j&g=ecoより引用:
「政府紙幣」導入論が浮上=副作用指摘する声も−政府・与党
政府が日銀に代わって紙幣を発行する「政府紙幣」の導入論が浮上してきた。政府紙幣を発行すれば財源を気にせず景気対策が実行できるため、推進派は「先進国で最初の不況脱却を掲げる麻生政権の切り札になる」と主張。一方で、通貨価値の下落を通じ、物価が上昇するインフレや円安を招く「副作用」を指摘する声もある。麻生太郎首相は2日夜、「今のところそういう段階ではない」と語り、導入に消極的な見解を示した。
政府紙幣は日銀が発行する通常の紙幣と違い、政府自身が発行する「第二の紙幣」で、社会保障や失業対策に充てる案が浮上している。元財務官僚の高橋洋一東洋大教授が25兆円規模の発行を提唱、自民党の菅義偉選対副委員長が1日のテレビ番組で「非常に興味がある」と発言したことから導入論議が盛り上がりつつある。
政府の判断で機動的に発行できる半面、際限なく発行すれば円の価値が目減りする危険性もある。高橋教授は「劇薬」と断った上で「100年に一度の経済危機には異例の対応が必要。物価上昇率が一定水準に達した時点で発行を止めれば問題ない」と主張、世界的に強まるデフレ懸念の払しょくにも効果があると説明する。(2009/02/02-20:42)
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK58掲示板
フォローアップ: