★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK58 > 195.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
まず、問題発言を最初に報じたイスラエルの新聞「エルサレム・ポスト」(電子版)記事の拙訳です。
======================================
2009年1月13日
リーバーマン議員:「米国が日本にしたことをハマースにせよ」
執筆:エルサレム・ポスト・コム職員
キャスト・レッド作戦はハマースが「戦意を失う」まで続けなければならないと、イスラエル・ベイテイヌ党のアヴィグドル・リーバーマン議長が火曜日に発言。
「イスラエルはハマースが実権を持っている限り安全ではありえず、それゆえ、われわれはハマースが戦闘を継続する意志を挫く決意にいたることが必要だ」と、同議長はテル=アヴィヴ近くのバル=イラン大学で演説した。
加えて、「われわれは第二次世界大戦で米国が日本人と戦ったのとまったく同じようにハマースとの戦闘を継続しなければならない。あのときは間違いなく、国の占領(=地上戦)(*1)が必要なかった」とも述べた。
1945年に日本が米国に無条件降伏したのは、長崎と広島が2個の原爆で攻撃されたのに続いてのことだった。当時、日本本土への地上侵攻は準備されていたが、それが回避されたのは原爆の投下後に日本が降伏したためである。
イスラエル・ベイテイヌ党は現在のイスラエルでは第五の政党であり、選挙戦の開始以来どの世論調査でも平均して、次の総選挙で第四党になることが期待されている。
(*1)原文では"the occupation of the country"で、これを「地上戦」を意味すると解釈しなければ文意が不明となる。
〔原文〕
Jan 13, 2009 15:05 | Updated Jan 13, 2009 23:59
Lieberman: Do to Hamas what the US did to Japan
By JPOST.COM STAFF
Operation Cast Lead must continue until Hamas "loses the will to fight," Israel Beiteinu chairman Avigdor Lieberman said on Tuesday.
"Israel won't be secure so long as Hamas is in power, and therefore we need to come to a decision that we will break the will of Hamas to keep fighting," he said during a speech at Tel Aviv's Bar-Ilan University.
"We must continue to fight Hamas just like the United States did with the Japanese in World War II," Lieberman added. "Then, too, the occupation of the country was unnecessary."
In 1945, Japan unconditionally surrendered to the US following two atomic bomb attacks on Nagasaki and Hiroshima. A ground invasion of mainland Japan had been prepared at the time, but was avoided due to the Japanese capitulation after the bombings.
Israel Beiteinu is currently the fifth largest party in Israel, and, according to an average of all polls taken since the start of the campaign season, is expected to become the fourth largest party in the next general election.
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1231774444907&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
======================================
これについて共同通信が次のように報じています。
----[転載開始]-------------------------------------
更新2009年01月13日 13:09米国東部時間
米国の日本攻撃に倣え ガザ攻撃でイスラエル右派
イスラエル紙マーリブ電子版によると、同国の極右政党「わが家イスラエル」のリーバーマン党首は13日、大学での講演で、イスラム原理主義組織ハマスに関して「第2次世界大戦で米国が日本に行ったのと全く同じようにハマスと戦うべきだ」と述べ、徹底的に攻撃すべきだとの考えを示した。
同党首は「ハマスが権力に就いている限り、イスラエル人は安全を得られない。(ガザを)占領する必要はないが、ハマスが攻撃を続ける意思を砕くような決定的な状況をつくることが必要だ」と述べた。
同政党のスポークスマンは共同通信に「日本に対する米国の抑止力についての話であり、核兵器使用に言及したものではない」と述べた。(共同)
http://www.usfl.com/Daily/News/09/01/0113_022.asp
-----------------------------------[転載終了]----
「エルサレム・ポスト」の報道と比べると、共同通信の配信記事は実に奇妙です。2つの記事に関係があるとすれば、イスラエルの英文記事の時制と前後関係を無視して、別の意図で再構成しなければ、共同通信の記事はできないからです。「エルサレム・ポスト」とは別の取材源から記事を書いたようですが、違いを指摘したいと思います。
共同の記事の「(ガザを)占領する必要はないが、ハマスが攻撃を続ける意思を砕くような決定的な状況をつくることが必要だ」というくだりで、前段の「(ガザを)占領する必要はないが」の意味に合致する部分は英文記事に見当たりません。が、酷似するのは「国の占領が必要なかった(the occupation of the country was unnecessary)」という部分です。英文記事のこの部分は時制が過去形であるうえに、文の前後関係から「国(the country)」は日本のことを指すとしか考えられません。また、極右政党の党首がガザを「国(the country)」と呼ぶこともまずありえません。
後段の「ハマスが攻撃を続ける意思を砕くような決定的な状況をつくることが必要だ」も、英文記事の「ハマースが戦闘を継続する意志を挫く決意にいたることが必要だ(need to come to a decision that we will break the will of Hamas to keep fighting)」という部分と酷似しますが、微妙に意味が異なります。つまり、「状況をつくる」と「決意にいたる」の違いですが、後者は前者よりも具体的かつ単一の手段を念頭に置いた表現と言わざるをえません。
また、演説がどれだけ長かったかは分かりませんが、同一の演説についての報道で、これだけ酷似していながら別々の部分をそれぞれに報道するということがあるのでしょうか。
上記の「具体的かつ単一の手段」は、手前で書かれていなければ、その後に示されているというのが文の流れというものです。
共同の記事では、同政党のスポークスマンは「日本に対する米国の抑止力についての話であり、核兵器使用に言及したものではない」と述べたとありますが、イスラエル人(ユダヤ人)が第二次世界大戦における「米国の抑止力」の対象としてドイツでなく日本を引き合いに出すことを不自然に感じずに納得してしまう人がいたら、どの程度の知性の持ち主でしょうか。わざわざドイツでなく日本を引き合いに出すのは、ドイツには起こらなくて日本に起こった出来事を示すためと考えるのが普通でしょう。
そして、現在に進行中の武力行使の関係者が第二次世界大戦における「日本に対する米国の抑止力」を引き合いに出して、そこに核兵器使用のことが含まれないとされて納得できるとしたら、同様に知性が疑われるでしょう。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK58掲示板
フォローアップ: