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ついに開村式!派遣村始動しました
31日午前10時から、日比谷公園野外音楽堂近くで、年越し派遣村の開村式が行われました。
なお、ボランティアスタッフの登録者が200名を越えました! めいめい、設営、炊事、街頭チラシまきなどの任務にさっそく動き出しています。
派遣ユニオン関根書記長の司会で始まった開村式は、まず、名誉村長に宇都宮健児弁護士、村長に湯浅誠を任命しました。
つづけて湯浅誠村長からの挨拶です。「派遣切りされたと言われた8万5千人は氷山の一角。既に建設業・サービス業にも余波は及び始めている。路上支援が定着している池袋や渋谷でも炊き出しに例年の1.5倍の人がやってきている。私たちも今回はじめてこの地で支援を行うが、もともとこの周辺に野宿しているなかまも、東京駅周辺のなかまも、もちろん区別なくみなさんを受け入れる。不況になったとたんに職を奪い住を奪う、こんなのは刑事犯罪ではないか! 工場のある地域では派遣労働者が住まいを追い出されて空き家だらけなのに路上生活者が増えるというこんな世の中はおかしい! ということを、怒りを共有しながら来年以降訴えていこう。」
さらには、日本の労働運動の連合体である連合・全労連・全労協の3団体からそれぞれ挨拶がなされました。この3団体は長年の紆余曲折を経て、統一されずに並立してきました。その3団体が一堂に会してこのような支援を行うということは、歴史的な快挙でもあります。
連合からは、非正規労働センター総合局長の龍井葉二さん。「連合でこの秋から相談を受け付けてきたが、正直、雇い止めの相談が多いだろうと予想していた。しかし実際には中途解雇がたいへん多い。あまりの企業の無法ぶりを食い止め、来年を反転攻勢の年にしていこう。」
全労連からはJMIU委員長の生熊茂実さん。「同じ有期雇用でも派遣と期間工とで待遇がえらく違う。寄せられる相談には『相談に行く電車賃がなく知人から借金してきた』『家族で住んでいる寮から追い出されてしまう』など、考えられないものが多い。これら大企業の横暴と闘い、一方で困っているなかまを支え合う。この2つの柱を私たちはやりぬかねばならない。年末のこのような解雇はこれまでの日本にはなかったことで、まさに労働者はモノ扱いされている。年越しを来年の闘いにつなげよう。」
全労協からは議長の藤崎良三さん。「不況を理由に切られる。働きたくても働けない、食いたくても食えない。企業はいったい誰のためにあるのか? 政府は誰のためにあるのか? 雇った労働者や職場のある地域のことをまず考えるのが、企業の社会的な使命のはずだ。しかし巨額の内部留保を抱えている企業は、雇用のためにそのお金を使わない。生活保護の後退やセーフティネットの未整備など、政府もお金を使わない。こういう企業、政府、政治を変えていかなければいけない。私たちは『支えあう愛の心』で企業や政府をきっと動かしていけるだろう。」
さらに連合の前会長笹森清さんからアピールです。「会長を辞めてから3年間、全国を回ってきたが、戦後63年でこんなにひどい、どうにもならない社会にいったい誰がしたのか、と絶望的にもなるが、しかしこうしてたくさんのボランティアのみなさんや全国からの救援物資を見て、あぁ、日本の人もまだまだ捨てたもんじゃないな、と思った。それをぶった切ろうとする今の世の中をなんとかしなければならない。連合は99年の派遣原則自由化に反対したが負けてしまった。これが今の状況を生んでしまっている。しかしこの場から、反転攻勢に行けるのではないか、とみなさんの顔を見て思った。3団体が一緒になって、イデオロギーの差を越えて、今の世の中を変えるという一点でまとまろう。格差社会の下につくられた貧困社会を本気で直すためにがんばろう。」
次は社民党衆議院議員、保坂展人さんです。「厚生労働省の目の前でこのような取り組みを行うことに意味がある。先日キヤノンの大分に行ってきたが、高校生が駅頭でカンパ集めをしていた。それに匿名で100万円のカンパが寄せられたりしている。地元の企業も自治体も、なんとか雇用を増やそうとしている。結局、キヤノンだけが何もしていないのだ。これを幹部に問いただしたところ、『請負なのでどなたがキヤノンで働いていたのかはわからないし法律上調べてもいけない。だから何もできないのだ』と完全に居直ってきた。だから私たちは『ならば基金を作りますからそこに資金を供出しなさい』と応じた。これも政府にも要求していきたい。紙切れ一枚で職からも住からも追い出される制度はすぐにやめさせなければならない。升添や麻生はここに来て今の実情を直接知るべきだ。この場から新しい労働保護行政をつくりだそう」
日本労働弁護団の棗一郎さんからは「秋からみなさんと、派遣法抜本改正を求める取り組みをしてきた。そこにさらに反貧困ネットとも合流して、この村の開設に至った。これは労働運動の新しい一歩だ。私たちも労働問題や生活保護にくわしい弁護士のべ20人以上で相談に協力したい」と紹介。
農民連本部の事務局長、笹渡義夫さんからは、農民連よりの物資カンパの目的がアピールされました。「くだもの、野菜、米、もち米など、2日間しか呼びかけられなかったがたくさん集まった。命の糧を届けるつもりで取り組んだ。これは決して同情などではなく、米作農家の労働は時給換算で179円。最低賃金をはるか下回る収入しかない。新自由主義による農作物買い叩き・海外依存は、労働者の使い捨てとうり2つだ。だから私たちは連帯する。」
派遣労働ネットワークの中野麻美さんからは「『派遣だから首を切られてあたりまえ』という認識を払拭しなければならない。そもそも派遣解禁の口実は『人と仕事を結ぶ』ことに民活を取り入れることだったが、現実はまったく逆ではないか。切られることはあたりまえではない! 逆に住を提供する義務が企業にはあるはずだ。派遣企業、派遣先、政府にこれらをつきつけていかなければならない。抜本改正までがんばろう。」と決意表明。
最後に日産ディーゼルへの派遣で労働組合を結成し、解雇撤回をかちとった藤堂悟さんから「言いたいことはここまでの先生方に言われちゃいました(笑)。がんばって生きましょう! 以上です!」とシンプルな〆がありました。
この後、スタッフ紹介・派遣村ルールの説明・報道陣への注意説明があり、1時間の開村式はぶじ終了。
5日まで断固としてこの派遣村をやり抜き、なかまみんなが行き抜く決意を打ち固めることができました。
2008年12月31日(水) 11:14 JST
■関連記事「読売新聞」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081231-00000026-yom-soci
日比谷公園に「派遣村」、温かい年越し求め140人
12月31日20時32分配信 読売新聞
「年越し派遣村」で夕飯の炊き出しを配るボランティアら=立石紀和撮影
「派遣切り」や「雇い止め」で職と住まいを失った人たちの生活相談に乗ったり、住居をあっせんしたりする「年越し派遣村」が31日、東京・千代田区の日比谷公園で開村し、140人以上が訪れた。
全労連などの労働組合や日本労働弁護団の有志、NPO法人など、約20団体で構成される実行委員会の主催。元派遣社員らは近くの銭湯で体を温めたり、もち入りの年越しそばを振る舞われたり。夜になると、大型テント内のテレビで「紅白歌合戦」を観賞した。苦しかった2008年が終わりに近づくと、ボランティアの人たちと声を合わせてカウントダウン。紙コップのお酒で新年を祝った。
着替えなどを詰めたショルダーバッグを抱える元派遣社員の男性(31)は、9月末で寮付きの仕事を中途解約されたという。10月からは日雇い派遣で生活費を稼ぎながら、ネットカフェなどで寝泊まりしてきたという。「ここに来なければ野宿していた。本当にありがたい」と、おにぎりをほおばっていた。
■「毎日新聞」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081231-00000005-maip-soci
生活支援 「年越し派遣村」東京・日比谷公園に開設
12月31日21時0分配信 毎日新聞
拡大写真
派遣村の開村式に集まった参加者ら=東京都千代田区の日比谷公園で2008年12月31日午前10時6分、内藤絵美撮影
仕事と住居を失った非正規社員らを支援する「年越し派遣村」が31日、東京都千代田区の日比谷公園内に開設された。派遣切りにあった100人以上の失業者らが各地から次々と集まり、年末年始を公園内で過ごす。360人を突破したボランティアらが5日までの開村期間中に1日3回の食事提供や労働相談を行い、宿泊場所も用意している。
労働組合や市民グループで作る実行委員会によると、31日の入村者は129人。山口県で職を失った人や、所持金がなくなり、日比谷まで数時間歩いて来た失業者もいた。一部は年明けに生活保護の申請を行う予定という。
「野垂れ死ぬかもしれないと思ったこともあるが、これでどうにか年を越せる。赤の他人にここまでやってもらえるとは」。群馬県の自動車関連工場の派遣契約を10月末に打ち切られ、11月中旬に寮を退去させられた男性(41)は、午前中のうちに入村し、少し安心したような笑顔を見せた。
男性は、さいたま市や都内のネットカフェを転々とした後、公園で野宿しながら1日カップラーメン一杯で飢えをしのいできたが、所持金は数千円にまで減っていた。ようやく年明けまでの居場所が見つかり「来年は仕事を見つけ、お世話になった人に恩返しをしたい」と語った。
開村式で、NPO法人「自立生活サポートセンターもやい」事務局長で村長を務める湯浅誠さんは「年末、年始の命を支える活動を通じ、労働者派遣法を中心とする『働かせ方』のおかしさを訴えていきたい」とあいさつした。
カンパやボランティアなどの問い合わせは派遣村の臨時電話(090・3499・5244)へ。【東海林智、山本太一】
ボランティアの兵庫県西宮市の大学院生、川元みゆきさん(23)は「社会に出れば、いつ自分も同じ目に遭うかわからない。少しでも何かの役に立てば」と話していた。派遣村は5日朝まで。問い合わせは同村の臨時電話(090・3499・5244)へ。
最終更新:1月1日0時41分
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