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聴覚は幼少期に体験した聴覚手掛かりから発達する
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/991.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 9 月 11 日 09:01:38: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 錯聴 (auditory illusion) _ 音の錯覚 投稿者 中川隆 日時 2017 年 9 月 16 日 08:46:46)


聴覚は幼少期に体験した聴覚手掛かりから発達する


2019年09月11日
鳴禽類の聴覚技能の学習
https://sicambre.at.webry.info/201909/article_28.html


 鳴禽類の聴覚技能の学習に関する研究(Moore, and Nielsen., 2019)が公表されました。ヒトと鳴禽類が一生持ち続ける聴覚技能とコミュニケーション技能は、幼少期に体験した聴覚手掛かりから発達します。その結果、ヒトの聴覚皮質は他の音よりも発話音声に優先的に反応し、それと同様に、鳴禽類の聴覚皮質は合成音よりも囀りに優先的に反応します。しかし、この同調性が幼少期からずっと固定されているのか、それとも種特異的な発達の仕方があるのか、明らかになっていません。

 この研究は、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)とオナガキンセイチョウ(Poephila acuticauda)という2種の鳴禽類の囀りの発達と聴覚皮質におけるニューロンの同調性について調べました。囀りの学習には、同種の他の個体から学ぶ場合と異種の「里親」であるジュウシマツ(Lonchura striata domestica)に教えられる場合があります。この研究では、手本を示す個体が同種か異種かということとは無関係に、幼鳥が手本となる個体の囀りの真似を学んでおり、幼鳥の聴覚皮質ニューロンが、学習したさえずりの特定の音に同調するようになった、と明らかになりました。

 この研究はこうした知見により、鳴禽類の聴覚符号化が幼少期の音声コミュニケーションによって作り上げられる、と結論づけています。またこの研究は、ヒトの場合、幼少期に言語特異的な音声に触れたことから成人期の音声知覚を予測できることは、この鳴禽類の場合と同様の過程を用いて説明できる、という見解を提示しています。鳴禽類においては、音声コミュニケーションが聴覚符号化を作り上げていますが、同様の過程がヒトの幼児期の発話学習を下支えしているのではないか、というわけです。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


ヒトの発話について鳴き鳥から学べること

 近くにいる成鳥のさえずりを学習している幼い鳴き鳥の聴覚皮質の深層に存在するニューロンが、その成鳥のさえずりの音響特性に同調するようになることを示した論文が、今週掲載される。この研究は、鳴禽類において音声コミュニケーションが聴覚符号化を作り上げる仕組みを明らかにしており、これと同様の過程がヒトの幼児期の発話学習を下支えしている可能性を示唆している。

 ヒトと鳴禽類が一生持ち続ける聴覚技能とコミュニケーション技能は、幼少期に体験した聴覚手掛かりから発達する。その結果、ヒトの聴覚皮質は、他の音よりも発話音声に優先的に反応し、それと同様に、鳴禽類の聴覚皮質は、合成音よりもさえずりに優先的に反応する。しかし、この同調性が、幼少期からずっと固定されているのか、種特異的な発達の仕方があるのかは明らかでない。

 今回、Sarah WoolleyとJordan Mooreは、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)とオナガキンセイチョウ(Poephila acuticauda)という2種の鳴禽類のさえずりの発達と聴覚皮質におけるニューロンの同調性について調べた。さえずりの学習には、同種の他の個体から学ぶ場合と異種の「里親」であるジュウシマツ(Lonchura striata domestica)に教えられる場合がある。今回の研究では、幼鳥が、手本を示す個体が同種か異種かということとは無関係に、そのさえずりをまねることを学んでおり、幼鳥の聴覚皮質ニューロンが、学習したさえずりの特定の音に同調するようになったことが分かった。

 WoolleyとMooreは、以上の研究知見によって、鳴禽類の聴覚符号化が幼少期の音声コミュニケーションによって作り上げられることが明らかになったと結論し、ヒトの場合に幼少期に言語特異的な音声に触れたことから成人期の音声知覚を予測できることは、この鳴禽類の場合と同様の過程を用いて説明できるという考えを示している。


参考文献:
Moore JM, and Woolley SMN.(2019): Emergent tuning for learned vocalizations in auditory cortex. Nature Neuroscience, 22, 9, 1469–1476.
https://doi.org/10.1038/s41593-019-0458-4

https://sicambre.at.webry.info/201909/article_28.html  

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コメント
1. 中川隆[-11114] koaQ7Jey 2019年10月01日 06:38:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1706] 報告
2019年09月30日
なぜ年を取ると新しい音楽を受け入れられなくなるのか?
https://gigazine.net/news/20190930-old-people-new-music/

なぜ年を取った人はいつも同じような音楽を聴く一方で、新しい音楽には興味を持たないのか、そして年を取ったミュージシャンが「以前のようには曲を作れない」と言い出すのか、ノックス大学心理学教授のフランク・T・マカンドリュー氏が学術系ニュースサイト・The Conversationで考察を披露しています。

Curious Kids: Why do old people hate new music?
https://theconversation.com/curious-kids-why-do-old-people-hate-new-music-123834



マカンドリュー氏の父親は、マカンドリュー氏が10代のころ好きだった音楽にあまり興味を持たなかったそうです。そして、その態度は父親が80代になっても変わらず、「新しい音楽」とは呼べないビートルズの曲を使ったCMを見て「いまの音楽は好きじゃない」と言っていたとのこと。マカンドリュー氏は、この傾向が自分の父親だけではなく、年配の人にはよくみられるものであることを知り、その原因を探りました。

1つは、生物学的に、コードやリズム、メロディの微妙な違いを聞き分ける能力が年齢とともに低下するからだと考えられます。音楽の好みというのは10代前半に固まりはじめ、20歳ごろにがっちりと固まるので、この期間に耳にするヒット曲は、同じ世代の中では一生人気が続く可能性が高いです。一方、33歳になるころには新たな音楽を聴くことはほぼなくなります。このため、それ以降に新たに耳にした、自分があまり知らない音楽はすべて同じように聞こえてしまっていることが考えられます。


もう1つ、マカンドリュー氏がこれではないかと考えているのは「単純接触効果」です。単純接触効果とは、苦手だったり興味がなかったりしたもので、何度も見聞きしているうちに好きになっていくという効果のこと。若いうちは音楽を聴いたりミュージックビデオを見たりする時間が多いので、お気に入りのアーティストをより身近に感じていきます。ところが、年を取るにつれて、仕事が忙しくなったり、家族のことに時間を取られたりして、新たな音楽に触れる時間が減少していき、「単純接触効果」で好きになるほど聴くことがなくなるので、自由な時間が余っていたころに聴いていたお気に入りの曲を聴き続けることになる、というわけです。

また、マカンドリュー氏によると、10代のころに経験した感情は、10代以降に経験するものよりも強く感じるという心理学の研究結果があるとのこと。これにより、10代のころに聴いた音楽ほど、強く記憶に残って愛するものになっているという可能性があります。

なお、「自分の子どもが演奏していたので新しい音楽を好きになった」という自身の体験から、マカンドリュー氏は親の世代に新たな音楽を気に入ってもらうことは不可能ではないと締めくくっています。
https://gigazine.net/news/20190930-old-people-new-music/

2. 中川隆[-15291] koaQ7Jey 2019年11月23日 07:41:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2374] 報告

2019年11月23日
人間の歌の普遍的パターン
https://sicambre.at.webry.info/201911/article_42.html


 人間の歌の普遍的パターンに関する研究(Mehr et al., 2019)が公表されました。日本語の解説記事もあります。音楽は人類共通の言語だと昔から言われてきましたが、音楽に意味のある普遍性が存在するかどうかは不明で、多くの音楽学者はこの見解にはたいへん懐疑的です。本論文は、人間の歌(ボーカル・ミュージック)の普遍性と多様性を明らかにするため、現代的なデータサイエンスと世界中の文化の音楽録音および民族学的記録とを融合させました。本論文は、315の文化における、1世紀以上に及ぶ人類学および民族音楽学の研究結果を異文化比較分析し、踊り・癒し・恋・子守の歌について、その背景に関する詳細な説明も添えた録音目録を作成しました。

 本論文は形式性・覚醒度・宗教性に基づいて各録音を比較し、音楽の普遍性が浮き彫りになった。本論文は、音楽が調査した全社会に存在し、予想通り、社会的な機能や背景(踊りや恋愛など)に関連していた、と明らかにしました。世界中のどの社会でも、歌の社会的機能は音楽的特徴から予測できる、と本論文は指摘しています。さらに本論文は、音楽の背景の多様性が文化間よりも文化内で大きいことも明らかにしました。人間の音楽には進化的背景があり、言語の進化とも関連しているかもしれないという点でも、今後の研究の進展が期待されます。


参考文献:
Mehr SA. et al.(2019): Universality and diversity in human song. Science, 366, 6468, eaax0868.
https://doi.org/10.1126/science.aax0868

3. 中川隆[-8256] koaQ7Jey 2024年12月12日 09:01:19 : 9TOJzKEORA : d1pqUHk2UFhwL0U=[1] 報告
<■107行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツだが、これが英語ともなると200〜12000ヘルツとなって随分違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がってくる。

「音楽&オーディオ」の小部屋
音楽と耳の機能にまつわる話
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/aa9e0729bc431cc237b540665df99928

ようやく終ったかと思えば、またやってくるコロナ禍の猛威。

こういうご時世では個人ごとの「免疫力」がいちばん頼りになるので「適度な運動とリラックス」は必須ですね。

リラックスといえば我が家では「音楽&オーディオ」に尽きるが、そういう輩にとって「耳が遠くなる」ことほど悲しいことはない。

自分などは、そうなるともう死んだ方がマシとさえ思うが、悲しい現実として「聴力は20歳ころをピークに徐々に低下しはじめていき、65歳以上の4人に1人、75歳以上の2人に1人は補聴器が必要な状態だ」と、ショッキングな書き出しで始まるのが「耳トレ!」である。
   
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%B3%E3%83%88%E3%83%AC-%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E9%9B%A3%E8%81%B4%E3%83%BB%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82-%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%85%E6%96%87/dp/476781202X                   

自分なんぞは年齢からしてよくもまあこんな耳でオーディオを楽しめるものだと我ながら感心するが、いまだにもっと「いい音を」という欲求が尽きないのだからおそらく傍から見ても呆れかえっている人が多いことだろう(笑)。

さて、大学教授で現役のお医者さんが書いたこの本には「耳の健康」に対する情報が満載で実に”ため”になる本だった。

以下、とりわけ興味を引いた点を自分のために忘れないように箇条書きスタイルで整理してみた。

なお、※の部分は勝手な独り言なのでけっして鵜呑みにしないでくださいね(笑)。


☆ 難聴の大きな要因は「騒音」と「動脈硬化」

2007年10月、日本の国立長寿医療研究センターから「加齢と難聴には相関関係がない」というショッキングなニュースが発表された。主として難聴に関係していたのは「騒音」と「動脈硬化」の二つだという。

「騒音」の原因には「騒音職場」とともに「ヘッドフォン難聴」「イヤフォン難聴」が挙げられ、一方の「動脈硬化」は言わずと知れたメタボリック・シンドロームである。

この二つは日常生活の中で十分予防が可能だが、比較的若い時期から一人ひとりが心がけていかない限り、近い将来「大難聴時代」がやってくることは必至だという。

☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツだが、これが英語ともなると200〜12000ヘルツとなって随分違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。

また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がってくる。

☆ 聴力の限界とは

音の高い・低いを表す単位がヘルツなら、音の強さや大きさ(=音圧レベル)は「デシベル(dB)」であらわす。

人間が耳で聞き取ることのできる周波数の範囲は「20〜2万ヘルツ(空気中の1秒間の振動が20回〜2万回)」の間とされているが、イルカやコウモリなどは耳の形や構造が違うのでこの範囲外の超音波でさえ簡単に聞き取れる。

ただし人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

※ 人間の耳は一人ひとりその形も構造も微妙に違うし、音を認知する脳の中味だって生まれつき違う。

したがって同じオーディオ装置の音を聴いたとしても各人によって受け止め方が千差万別というのが改めてよくわかるが、音に光や色彩感覚があるように感じるのは超高音域のせいだったのだ!

☆ 音が脳に伝わるまでの流れ

耳から入った空気の振動は外耳道と呼ばれる耳の穴を通り、アナログ的に増幅されて鼓膜に伝わり、アブミ骨などの小さな骨に伝わってリンパ液のプールである蝸牛へ。そこで有毛細胞によって振動が電気信号に変換され、聴神経から脳に伝わる。これで耳の中の伝達経路はひとまず終了。

この電気信号が言語や感情と結びついた「意味のある音」として認識されるまでにはもう少し脳内での旅が続く。

電気信号が聴神経や脳幹を経て脳内に入ると、まず、大脳の中心部にある「視床」に送られる。ここは、脳内の情報伝達の玄関口となっている。視覚、聴覚、皮膚感覚などあらゆる感覚情報が必ず通る場所で、単純に音だけを聴いているつもりでも、様々な感覚情報とクロスオーバーしている。

また「視床」を通過すると音の伝達経路は「言語系ルート」と「感情系ルート」の二つに大きく分かれる。前者は最終的に「言語野」に到達するが、後者は大脳の一次聴覚野を通らず、いきなり「扁桃体」に直結していて「イヤな音」「うれしい音」というように音を直感的・情緒的に受け止める。

※ 音楽を聴くときにカーテンなどでスピーカーを隠してしまったり、あるいは目を瞑って聴いたりすると、機器の存在を意識しないでより一層音楽に集中できるのは経験上よく分かる。

さらに、直感的なイメージとして述べると、オーディオ愛好家が音楽を聴くときには心が揺り動かされるので主として「感情系ルート」がはたらき、それ以外の普通の人たちが(音楽を)聴くときには主として「言語系ルート」が働いているように思うが果たしてどうだろう・・・。

ほかにも本書には「音楽好きための難聴予防テクニック」など貴重な情報が満載で、末永く「音楽&オーディオ」を楽しみたいと思われる方は是非ご一読されることをお薦めしたい。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/aa9e0729bc431cc237b540665df99928

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