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(回答先: アホの考えを変えようとしたり、反論したり、話し合おうとしたりするのはすべて無意味で無駄 投稿者 中川隆 日時 2018 年 2 月 13 日 10:45:01)
薄っぺらいのに自信満々な人 日経プレミアシリーズ 新書 – 2015/6/9
榎本博明 (著)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/453226281X/diamondonline-22/
仕事の進捗状況を確認した際、「大丈夫です、任せてください」のように自信たっぷりに答える部下ほど、いざという時に危ない。何かにつけて「これで大丈夫だろうか?」と不安になる部下の方が用意周到に物事を進めるため、最終的には頼りになる。成長軌道に乗っていくのも後者である。
ポジティブ思考が広まりすぎたせいか、やたらポジティブで自分を振り返らず、知識や物事の理解に深みのない人が目立つようになった。
実は、現状に疑問や不安を感じるということが、「デキる人」の条件であることが心理学でも実証されている。仕事ぶりが残念な人ほど、そうした疑問や不安があまりない。「デキない部下に限って自信があり、デキる部下の方が自信がなく不安が強いのが不思議だ」という経営者や管理職の声をよく聞くが、それに対する答えが本書にある。
▲△▽▼
2018.1.23
能力が低い人は、自分の能力が低いことに気づく能力も低い
榎本博明:心理学博士、MP人間科学研究所代表+
https://diamond.jp/articles/-/156038
上司がいくら口頭で注意したりアドバイスしたりしても、デキないのに自信満々の部下の心には響かず、行動が改善されない。そんな場合は、理解不足がわかる客観的な証拠を出して、部下に気づきを促しつつ、仕事力の向上を図ることがポイント(写真はイメージです)
仕事ができず初歩的なミスの多い部下が、なぜか自信満々で、いくら注意やアドバイスをしてもなかなか本人の心に染み込んでいかない。つまり「デキない部下の方が自信たっぷりで、デキる部下の方がなぜか謙虚で不安が強い」――そう感じることはないだろうか。実は、そうした声は多くの職場で聞かれる。
自信満々な部下に
手を焼く営業部長
「私の部下のB君なんですが、売り込み先に一緒に行った時、説明資料を使って相手に売り込むのですが、その説明が結構いい加減なんですよ。相手から質問されても、なんか質問内容とズレた説明をするんです。その場は、私が補足説明をして何とかしのぎましたが、いつもこんなふうなのかとわかり、呆れてしまいました」
これまでB君が担当している取引先を調べていくと、あまり成果が出ていないのだが、その理由がわかった。その都度B君に事情を聞くと、
「先方は、○○にはあまり興味がないようでした」
「担当者は呑み込みが悪くて、こっちのセールスポイントをなかなか理解してくれなくて、ホントに困りました」
「どうも予算面で厳しかったみたいです」
などと言っていた。だが、今回同行したA部長には「B君の成果が出ないのは説明の仕方に問題があったのではないか」と思えてきた。
そこで、A部長は会社に戻ってから、説明不足だった点をいくつか指摘し、もっと事前にしっかり準備しておくようB君に注意せざるを得なくなったのだが、どうにもA部長の言葉がB君の中にスッと入っていかない。「自分もそう思ってる」といった感じで軽く同調するばかりで自分を振り返ることがなく、「これじゃ改善されないな」と思わざるを得ない。何を言っても、B君は
「そうですね、わかってます」
「私もそう思ったんですけど、うっかり説明を飛ばしてしまいました」
「やっぱりそうですよね、なかなかわかってもらえなくて、どう説明しようか迷ってしまって……」
などと弁解がましいことを言うばかり。彼の言葉を聞いていると弾き返すような感じがあり、こちらの言葉を深く受け止めようとしない。
本当にわかっているのかどうか心配になり、次も売り込み先に同行した。すると、やはり前回と同様にいい加減な説明をしており、相手の質問にもきちんと答えられない。説明事項をきちんと理解していないのがあからさまにわかる。A部長が今回も説明を引き継いでその場をしのいだ。B君は一瞬「しまった!」といった表情を見せたものの、帰り道にいろいろ注意やアドバイスをしても、前回と同様に「そうですよね、わかってます」と跳ね返すばかりで、言葉がスッと心に染み込んでいかない。
「先日の様子を思い出すと、このままではとても相手の信頼が得られるわけがない。準備不足できちんと説明できない姿を私の前で二度も晒してしまったのに、深刻さがまったく感じられないんです」
部長はこう言うと、さらに続けた。
「しかも、これまで取引のなかった会社から新たに説明依頼があり、誰が行くかということになった時、B君がなんと自ら立候補したんです。いつも説明がきちんとできないのに、なぜ大切な新規案件で堂々と立候補できるのか、真意を測りかねています。あまり強く注意しすぎると、“パワハラだ!”とすぐに訴えられる時代だから、どう対処したらいいのか……」
と、B君の扱いに頭を悩ませている。
似たような悩みを抱えている管理職は意外にも多い。「自信ありげなことを言うから任せてみたら、とんでもない失敗をして痛い目に遭った」「何度注意しても、言葉がスッと心に染み込んでいかないために、改善されない」「自分はきちんと仕事ができていないことに、なぜ気づかないのか」――そうした疑問の声を聞くことが多い。
だが、このようなケースがどの職場でも見られるのには、実は心理学的な理由があるのだ。
能力の低い人ほど
自分を過大評価しやすい
誰もがポジティブイリュージョンを抱えており、自分の能力を過大評価する傾向があることは、第3回の「誰もが「自分は正当に評価されていない」と思う心理学的理由」で解説した通りである。それに加えて、能力の低い人ほど自分の能力を過大評価する傾向が強いことがわかっている。
心理学者のダニングとクルーガーは、そのことを証明するための実験を行っている。その実験では、「ユーモアのセンス」などいくつかの能力に関するテストを実施し、同時に自分の能力についての自己評価を求めた。
自分の能力の自己評価は、パーセンタイルを用いた。これは、自分の能力が全員の中で下から何%のところに位置するかを答えるものである。例えば、20パーセンタイルというのはかなり下の方に位置し、50パーセンタイルはちょうど平均、80パーセンタイルになるとかなり上の方に位置することになる。
被験者を成績順に4等分し、上位4分の1に属する「最優秀グループ」、以下、「平均より少し上のグループ」、「平均より少し下のグループ」、下位4分の1に属する「底辺グループ」に分けた。
まず「ユーモアのセンス」についての結果を見ると、「底辺グループ」の平均得点は下から12%のところに位置するものだった。ゆえに、「ユーモアのセンス」は極めて乏しいと言わざるを得ない。
ところが、「底辺グループ」の自己評価の平均を見ると、58パーセンタイルになった。これは50パーセンタイル(平均)を超えており、「底辺グループ」の人たちは自分の「ユーモアのセンス」は平均的な人より上だと思い込んでいることがわかる。
つまり、実際には下から12%の実力しかないのに、本人たちは平均より上と思っているのであり、自分の能力を著しく過大評価していることになる。一方、「最優秀グループ」ではそのような過大評価は見られず、むしろ逆に自分の能力を実際より低く見積もる傾向が見られた。
もう一つ「論理的推論の能力」についての結果を見ても、「底辺グループ」の平均得点は下から12%のところに位置するものだった。ゆえに、「論理的推論の能力」は極めて乏しいことになる。
ところが、「底辺グループ」の自己評価の平均を見ると、68パーセンタイルとなっており、50パーセンタイルを大きく上回っていた。ここでも、「底辺グループ」の人たちは、自分の「論理的推論の能力」は平均よりかなり上だと思い込んでいることがわかる。一方、「最優秀グループ」ではやはり過大評価は見られず、自分の能力を実際より低く見積もる傾向が見られた。
このような実験により、ダニングとクルーガーは、能力の低い人ほど自分の能力を著しく過大評価しており、逆に能力の特に高い人は自分の能力を過小評価する傾向があることを実証してみせた。このことをダニング=クルーガー効果という。
客観的事実で
自分の未熟さに気づかせる
このような一連の実験によって証明されたのは、能力の低い人は何かをする能力がただ低いというだけでなく、自分の能力が低いことに気づく能力も低いということである。まさにこのことが、なぜか仕事のデキない人ほど自信を持っていることの理由と言える。
理解力というのは、物事を理解する能力のことだが、その低さが自己認知をも妨げるため、自分は能力が低いという事実、自分はきちんと仕事ができていないという現実にも気づかないのである。
B君の場合も、上司の言うことに対してわざと無視しているわけではなく、自分がきちんと仕事ができていないことに気づいていない可能性が高い。だから、「そうですよね」などと賛同しながらも、自分を振り返ることがないのだ。そこに気づきさえすれば、改善が期待できる。
そうした心理メカニズムを理解したA部長は、営業能力の向上のためにテスト形式の指導を強化することにした。
いくら口頭で注意したりアドバイスしたりしても、デキないのに自信満々の部下の心には染み込まず、行動が改善されない。「なぜわからないんだ!」という気持ちになって感情的に説教したりしても、本人に自覚がないのだから反発されるだけであり、効果は期待できない。
そこで、理解不足だということがわかる客観的な証拠を突きつけることで、自分がまだまだ未熟できちんとできていないことへの気づきを促しつつ、仕事力の向上を図ることにしたのである。
証拠を突きつけるといっても、やり方を間違えてしまうと感情的反発を招くだけだ。そのことを痛感しているA部長は、営業相手に行っている説明事項の理解度をテスト形式で測り、自己採点させてみた。
「自己採点」というところがポイントだ。人から言われるのと違って、自己採点となると、結果を客観的事実として受け止めざるを得ない。
これを様々な案件について行うことで、B君は自分がどの案件に関しても説明事項をあまりよく理解できていないという客観的事実を受け入れざるを得なくなった。
そうした結果を踏まえた面談の場で、
「どうだったかな、何か気づきは得られたかな?」
と問いかけるA部長に対して、B君は、
「自分がよく理解できていない点がはっきりしたので、そこをちゃんとカバーしていきたいと思います」
と言い、それぞれの案件の説明事項について、自分が理解できているかどうかチェックするようになった。その努力によって、B君の説明力は向上していき、徐々に成果を出せるようになった。
いくら注意してもこちらの言葉が相手の心に染み込まず、仕事のやり方が改善されない部下には手を焼くことが多いはずだが、仕事のデキない部下は自分がきちんとできていないことに気づかないということは覚えておきたい。こちらの言うことをわざと無視しているわけではないのだ。こちらの言うことを「なるほど」と聞きながら、自分はきちんとできていると本気で思っている。
ゆえに、こちらが強く注意したりすると、向こうはいびられているような気持ちになり、感情的に反発するばかりで、こちらの真意を理解してくれない。だからこそ客観的な証拠をもって自分の状況を自覚できるように導くことが大切なのである。
https://diamond.jp/articles/-/156038
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