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フランスの音を聴く
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/863.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 6 月 01 日 21:18:08: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ 投稿者 中川隆 日時 2017 年 4 月 10 日 19:58:06)

銚子の散歩道草 - livedoor Blog(ブログ)


2018年05月12日
草いきれの頃 フランスの音を聴く
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286138.html

フランスのモノーラルレコードを最良な状態で聴いてみたい。 

http://livedoor.blogimg.jp/thorens/imgs/6/4/648d219e.jpg


それにはフランス製のスピーカで聴かなければ。 ただフランス製スピーカユニットにふさわしいエンクロージャを作るのは面倒だ。 作るのが面倒というより私の頭の中身、つまり英国製ヴィンテージスピーカの音を忘れて、フランスの感覚に基づいて感性そのものを変えるのが面倒なのだ。 英国ヴィンテージ再生のディープな音の世界も、フランスのレコードの闊達な音の世界も、まず本当に経験している方は少ない。 だから、これからフランスの再生音について書いてはみるが、理解してもらえはしないと思う。

英国の音が示すところは再生において過去・現在・未来が明確に時間軸として設定され、独自の音の世界が生じる。 過去はただ過ぎ去ったものではなく、現在の中に存し、今なっている音と音楽を充実させる。 ディープな英国の再生音が厚くかつ濃密に響くのは過去という時間に蒔かれた種子が結実したことによって成立する。 来るべき未来の音は自然的電気力によって高められ、エネルギを内部に宿し、現在に注ぎ込んでゆく。 その角度が鋭角であるとき、聴き手はイレギュラとして認識する。 聴き手は未来にあって安定した音を期待しているが思いがけず打ち破られてしまう。 そこで聴き手のこころは揺り動かされて、深い音楽的感動は生じる。 未来にと予測したのと違う音が過去に突き刺さるように感じられて、現在鳴っている音と音楽が実は真の安定ではなく深部に不安定要素を秘めているのを本能で感知する。 レコード演奏が終わり、音楽が消えていくと何かほっとした気分になる。 あまりに濃密な時間をすごしたからそう感じるのであるが、音楽はまだ終わってはいない。 空間に残り香が漂っている。 これを味わえるのが英国再生装置の面白さだと思う。


フランスの音はどうだろう。

英国再生装置のディープな回りくどさとは一切無縁だ。 音そのもので勝負する。 湿ったほの暗さはまず表現しない。 過去・現在・未来も無い。 在るのは今だけ。 今が連なっていって時間が吹きすぎる風のようにかなたへ去っていく。 音楽が終わったら、すべてが終わる。 ただ気持ちよく風が通り過ぎると感じるだけだ。 フランスの音は常に内に空を宿している。 そして聴き手に音楽的な渇きが生じる。 だから次のレコードをかけてみたくなる。 それが終わってもまたレコードをプレイヤに乗せる。 そうして聴き飽きるまで聴き続ける。 フランスのレコードとオーディオの組み合わせは聴き手をレコード中毒にしてしまうのだ。 
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286138.html

2018年05月14日
草いきれの頃 フランスの音を聴く その2
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286167.html


スピーカユニットの仕様と特性

使用するユニットは仏 Supravox社製 T-215S RTF 型 15 Ohm 、RTF(フランス国営放送)仕様 (1958-68)、口径 8 inch (20cm) ダブルコーン型、フィックスド・エッヂ。

メインコーンはしっかりした紙材で、かつ柔らかさを持ち合わせている。 フルレインジユニットとしてはやや厚手すぎるほどで、ウーファのようにも見える。 紙質は張りがあり、アルテック・ランシング 515 ウーファに似ていないこともない。 サブコーンも張りがあり、触るとカサカサと乾いた音がする。 コーンの絞りはやや深めにとられてホーンを連想させる。 ユニットの中音域の音伸びの良さはこういった形状と材質に関係している。 フレーム・マグネットカバーは緑青色ハンマーライト塗装仕上げ。

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平面バッフルに取り付けて試聴してみると、低音域は普通に出るが中低域のエネルギが若干弱く、中高域が張り、最高音域は落ち気味だった。 マグネットの重量とコーン紙の質感、エッヂの形状からしてオーバーダンプタイプと判断しそうになるが、何かそうではないように引っかかるものがある。 同じ時代のRTF公式モニタスピーカ(球形エンクロージャ)にも、そうした特性を感じられたが、中低域は平面バッフルに取り付けた時よりずっと良好な特性であったし、中高音域の張り出し(エネルギが強くて荒さが感じられる)も少なく不自然さは感じられなかった。 そのかわり高域にピークを生じやすく、時として嫌な音を出すときもあった。 そのあたりから判断して、このユニットのエンクロージャを製作するにあたり、注意する点は中低音域の充実と中高音音域のアバレをどうするかにかかっていると直感した。 ここがうまくコントロールされれば低域から高域まで自然にあるべきところに収まってくれるはず。


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使用する個体の状態はヴィンテージであるにもかかわらず新品状態箱入りのもので、エンクロージャの出来次第ではスペックのとおり、25-23,000 c/s まで十分に再生してくれるように判断した。 

このユニットはフランスでは、ピエールクレマン製プレイヤと再生装置を組んでいる愛好家が多くおり、レコード買い付けで頻繁にパリを訪ねたA氏はフランス盤に刻まれた音楽の表現能力の高さに驚いたそうだ。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286167.html

2018年05月16日
草いきれの頃 フランスの音を聴く その3
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286265.html


エンクロージャのデザインと製作

英Hi-Fi Year Book (1957) に掲載されたエンクロージャを基にしてデザインを考案した。一つ問題なのは当時のエンクロージャは突板仕上げを前提にしていたため、組み立てにネジや釘を多く使用していた。 しかし、今日では当時のような突板材が入手できないため製作にあたり納まり具合を充分に考慮しておかなければならない。 突板処理をしない板そのもの即ち外装になるからだ。 そのため原寸図を引くのに随分と手間がかかってしまった。

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上:平面断面図

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右:砂入りバッフル図 


4つの方形に砂が入る

側面が曲面となる形状であるため製作時は直角を出しにくく、また歪みが生じやすいため、中心部を一つの箱型エンクロージャとみなし、両サイドの半円部を接合するかたちをとった。

構造材は内部の骨組み部位はシナ合板、側部の曲面はシナ曲げ合板を使用した。 裏板は二重構造、フロントバッフルはスピーカ開口部を囲む四か所に方形穴を開け砂を入れて砂入りバッフルとした。 


フロントバッフルは接着剤を使わず、L字型木材を使用して左右4か所と天板一か所で両サイドの構造材にネジ締めした。 ユニットの開口部はバッフル板の真中に位置させた。

 これは Supravox社の手引き書の指示にそのまま従った。 ユニットのバッフルへの取り付け法は何度か音出しをして決定した。 

バッフル底部のスリット開口も指示どおりにした。 スリットの役割はダンプトバスレフに近いものであり本来であればもう少し奥行きを伸ばしたほうが効果が上がるともみえるが、使用ユニットはウーファでなくフルレインジである。 あまりダクトでダンプをかけるとユニットに必要以上の負荷がかかり、コーン紙の変形・ひずみが生じることがある。

 以上を考慮してスリットの奥行きはバッフル板厚だけとした。 後に試聴して不都合があればスペーサを取り付ければ良い。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286265.html


2018年05月19日
草いきれの頃 フランスの音を聴く その4
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286357.html


完成後の再生音と調整

仏Schlumberger製RTF仕様プレイヤに Pierre-Clement L7B カートリッヂ、プレイヤ付属フォノイクォライザにORTF製ライントランスをかませ、アンプリファイアは英BEAM-ECHO社製DL7-35型(出力管EL34PP)に接続して試聴する。 

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まず、低音が出過ぎ、音の方向性が失われてしまっていた。 エンクロージャは完成したばかりで、こういう音が出ても何の不思議もない。 そもそも最初から良い音が出ることはヴィンテージ時代のユニット用にエンクロージャを制作する場合、まずありえない。 本来の力を発揮するのは一年ほど経過してから、というのが本当のところだ。 そのままエージングを行い、音の変化具合を注意して確認したのち、低域のダマを無くすために置台を作って乗せた。 直置きでは床から反射する低音エネルギが強過ぎると判断したから。 これでだいぶ良くなってきた。 まだ低音域の抜けが足りない。 

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台の足に鉄製玉(直径11o)を埋め込んだ。 小さな鉄玉を点接点にして台は床面から3oほど浮く。 低音域のダンゴはほとんど解消されたが、今度は中高域の突っ張りが耳につくようになり、大きめの音量を出すと音圧こそ得られるがエネルギ感が損なわれてしまっている。 この現象を解決するためエンクロージャ内部の縦構造板と曲線側部の型板を接続している木ねじを解除した。 これで双方の分割振動は自由になる。 この部位の木ネジは外形が仕上がれば必要ないもので、本来ユニットを取り付ける際に取り去ってしまってもよかったのだが、音を聴いてから判断することにしていた。 この部位は接着剤を使用していない。 それで分割振動が可能になる。 

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木ネジを解除することで、再生音はほとんど完成形に近づいた。 まず魅力ある音楽が再生され、なによりフランスの音はこういうことか、と入り込んでいけるようになった。 あとは音が安定して馴染むまで、エイジングに時間をかける。

数週間後、裏板ネジを増し締めした。 デリケイトなエンクロージャはネジ締めの強弱で音はずいぶんと変わる。 その後数日かけて本格的な試聴を開始した。 再生するレコードはもちろんすべてフランスプレスのフランス音楽である。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286357.html

2018年05月21日
草いきれの頃 フランスの音を聴く 最終回
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286424.html


フランス盤を聴くという前提で製作したからには、試聴もフランス盤のみで実施した。 

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クラブ・フランス・デュ・ディスク/デュクレテ・トムスン/ディスコフィル・フランセ/アデス/仏コロムビアなどを数日かけてSchulumberger のターンテーブルに乗せてひたすら聴いた。 まず気が付くのは低音の驚くほどの粘り腰である。 このユニットからこうした低音が出るのをついぞ聴いたことがなかった。 粘り腰の性格は英国製システムのものとは大きく異なる。 英国システムの低音は懐が深く、信号をしっかりと受け止めてから守っていく性格を有する。 今回の Supravoxシステムは攻める低音である。 待ってはいない、寄っていく。 曖昧さが無い分、スピード感が際立って爽快である。 低音部は素早い動きをする、英国流の低音処理術に慣れ親しんだ耳がそばだつほど新鮮な驚きだ。 

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中音域はキレキレである。 力感たっぷりの T215SRTFユニットは、そのままでは荒さを伴って耳にキツイ音をさすことが多いようだが(聴いたことがある方のほとんどがハイ上がりのキンキンな音じゃないの、とのたまう)、クレマン社製カートリッヂと組み合わせ、こうしたエンクロージャに取り付ければ荒さやキツさはキレに変換される。 高域は自然にフェイドアウトしてゆくが、周波数帯域的には英 Wharfedale Super 8 のほうが伸びがあるように感じられた。 ただヴァイオリンから発生する倍音と音の引きの見事さは優っている。 まあ、こういう比較はそもそも無意味だ。  全体としては素晴らしく活気がある音と音楽が再生される。 ところどころデカダンスの匂いがするからたまらない。 音の響きを表面的と化すことを絶対にさせない。 今こうして聴いている音楽の色は『おフランス』の甘ったるいそれとは断じて違う。 大仰に言えばフランス人の内に流れる古代ガリアの血の成せるところではないか。


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試聴テストを通じて気になったのは、最高音圧レヴェル時に不満が残る。 本来ならもっと大きな音量かつ歪の少ない音でなるべきところが、もうひとつなのだ。 原因は試聴に使用した英Beam Echo 社製 DL7-35アンプリファイアにある。 EL34PPで出力30Wは、このユニットには不適正だ。 10Wほどのアンプリファイアで駆動しなければ、ユニット本来の味が出しにくい。 30Wという余計な出力がユニットの動作にブレーキをかけて抑えつけてしまうからだ。 ヴォリュームを上げれば上げるほど音は圧縮されて伸びることはない。 この現象は他のユニットにも当てはまることであり注意を要する。 米国製マッキントッシュやマランツ製アンプリファイアはヨーロッパ製8-12インチクラスのユニットを鳴らすべきではない。 本来はEL84 PPの10Wアンプリファイアで鳴らすほうが自然で伸びやかに音楽が再生される。 ただタンノイ社製システムは例外でEL34のような高圧パワーで駆動しなければ鳴らない、何故ならニブイからだ。 米国製大出力アンプでヨーロッパのスピーカを力任せに駆動すると大きく歪が生じる。 それをわからないレコード愛好家が大勢いるのは残念なことだ。 こうしてフランスのレコードをSupravox で鳴らしていると、圧倒的なダイナミクスの洗練、弱音でも崩れない肌理の濃やかさ、高域が中空に撒かれるときの蒸気感、リズムの跳躍感、スピーカ周辺に起きる臨場感、などなど英米システムとは異質な音楽の出方に耳を奪われる。 わが国ではフランスの初版レコードは人気が高く、高値が続いていると聞く。 果たして本当にフランスのレコードをうまく再生している方がどれだけいらっしゃるのか、ちょっとアブナイ気がしている。

 この項おわり
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52286424.html  

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コメント
1. 中川隆[-13393] koaQ7Jey 2018年10月08日 17:16:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19078] 報告

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Cafe Arvo (閉店)
北海道 空知郡 南富良野町 字東鹿越

かなやま湖を臨む小高い丘の上の音楽・オーディオ喫茶です。
英米仏各国の趣の異なる大型スピーカーで、クラッシックやジャズをお楽しみください。

仏 Supravox (field type 2way system)
米JBL Everest DD66000
英Vitavox CN191(original model)
http://www.minamifurano.jp/eat.drink.gift.arubo.html
http://cafearvo.com/


▲△▽▼


Cafe Arvo Speaker Systems

仏 Supravox (field type 2way system)

現在では珍しいfield type (励磁型) スピーカーです。

長野県松本市のアンプ工房 サウンドパーツがアッセンブルしたway平面バッフルを壁に埋め込んでいます。

クラシックもジャズもこなすオールマイティーのシステムです。ジャズでは歯切れのいいリズム、クラシックでは艶やかなヴァイオリン、特に室内オーケストラでは軽く漂うような通奏低音が魅力です。

Supravox純正のTw ・TG1の調整がほぼ終わりました。おもにヴァイオリンがうまくなるように調整したのですが、すると声楽もよくなり、今ではこのシステムを聴く時間が一番長くなりました。


サウンドパーツ/SOUND & PARTS

長野県松本市梓川梓856-7
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html


米JBL Everest DD66000

どちらかというとジャズ向きのシステムで、古いモノラール
録音のものから最新のSACDまで楽しく聴かせてくれます。
一方、クラシックでもピアノやオルガン曲は得意分野です。

英Vitavox CN191(original model)

本来2wayのスピーカーですが現在のソースに対しては帯域が狭いので高域にはALE1750DE、低域はエレクトロヴォイス30Wを足して4wayマルチチャンネル、すべて真空管アンプで駆動しています。
主に大編成の管弦楽曲を鳴らしています。
http://cafearvo.com/ArvoSpeakerSystems.html


September 2013
サウンドパーツから新しいアンプが届きました。Supravoxを鳴らすためのものです。
これまで使っていたアンプも決して性能が悪いものではなく、むしろ専門誌などで評価の高かったものですが Supravox を鳴らすと、音色は満足いくものの低域の力強さがもの足りなかったり、音像があいまいで Supravox の性能を十分に発揮していないと感じていました。

そこでサウンドパーツの最新の回路による 300B の PPアンプの製作を依頼しました。

最初に鳴らしたときは高域、とくにヴァイオリンの響きがかたく、ピアノの左手の量感も不足していて、低域も十分に伸びきっていませんでした。

 それが毎日数時間1週間ほど鳴らしこむと弦の響きがやわらかくなり、ピアノのバランスはみちがえる、いやこの場合は聞き違えるでしょうか…ようになりました。さらに驚いたのはテストCDで 21Hzの超低音が聞こえたことです(決して低域を持ち上げたアンプではありません)。

音像に関しても、キングスシンガーズの6人の前後の位置関係が明確になりました。また SACDで聴くヨーヨーマのコダーイの無伴奏は圧巻でした。陳腐な表現ですが目の前でマが松脂を飛び散らすかのように弾いているのが見えるようです。

アンプもそうですが、そもそも Supravox もまだ十分にエージングされていないので、半年も経ったらいったいどのようになるか、非常に楽しみなシステムです。

Vitavox はほぼ満足のいく音で鳴っています。Supravox は今回のアンプでうまく鳴らせる目処がつきました。これが落ち着いたら今度はじっくりと JBL DD66000 を磨き上げていくつもりです。
http://cafearvo.com/2013September.html

November 2013
先日、学生時代に同じ室内オケで演奏していた仲間が遊びに来ました。当時の楽器はヴァイオリンが二人、ヴィオラ、クラリネットが各一人。(このヴィオラとクラは部内恋愛で結婚しました)皆それぞれ仕事が忙しく楽器からは遠ざかっているのですが、このヴィオラの友人だけはいまだに頑張っていて地元の市民オケで演奏を続けています。またこの男、諏訪内晶子の熱烈なファンで全国津々浦々彼女の追っかけをしています。それで彼が最初に希望した曲が諏訪内のブルッフの協奏曲でした。なんでも諏訪内の音がディミニエンドしてオケに溶け込んでいくところが自分の装置ではうまく出ないんだそうです。それでヴァイタヴォックスで聴かせたところ「なるほど大きな装置ではこういう風に聞えるのか」と満足していました。
一方ヴァイオリンの内の一人の友人はジャズが好きで、三つの装置でいろいろ聴いた後、

「ヴァイタヴォックスは音に風格がある。
JBLはさすがというゴージャスな音がする。
しかし一番ジャズぽいのはスプラヴォックスだ」
とサウンドパーツの水谷さんが聞いたら大喜びしそうなコメントを残しました。

 それでも、みなが最後に口をそろえて言ったのは「結局は部屋がすべてだ、自分たちの住んでいる都会ではとてもこんな音量では聴かれないものな」ということでした。
ここは本当に音を出すには恵まれた環境だと思います。最初に設計に当たった時に音響コンサルタントの方が「遮音はどうしましょうか」と言ったときに「それは一切考慮しなくて結構です、大きな音で迷惑するのは熊、鹿、キツネくらいですから」と応えたものです。

 この季節、低い太陽の暖かい光が差し込む午後はブラームスの室内楽が聴きたくなります。
http://cafearvo.com/2013November.html

Cafe Arvo Listening Room
http://cafearvo.com/ArvoListningRoom.html

 この部屋を作るにあたっては、何よりもいい音で、かつ心地よく音楽にひたることのできる空間にすることを考えましした。そのために十分な広さ、特に高い天井を確保し、専門家に依頼して音響的にも十分配慮しました。
その結果、大編成の管弦楽曲のtuttiでも音が飽和することなくElectro Voiceの76cmウーハーやJBLの38cmダブルウーハーの性能を余すところなく発揮できていると自負しています。
また小編成の曲では適度の残響を伴いつつ楽器の分離が明瞭です。特にSupravoxで聴く声楽は発音が明確でヒアリングが上達したかような気がします。

 客席は9脚のリクライニングチェアだけです。スペース的にはもう少し入れることも可能ですが、何よりゆったりと音楽に浸っていただくためにあえて少なくし、かつすべての椅子をスピーカーに向けて配置しました。このようなレイアウトのため初めての方には少し入りにくく感じられるかもしれませんが、どうか気軽にお出でください。
http://cafearvo.com/ArvoListningRoom.html


July 2014

Vitavox を手に入れてちょうど12年になります。特に欲しいと思い狙っていたわけではなく、たまたま以前に通っていたショップが下取りしたもので、外観に傷一つなく、何より英国オリジナルだったことが購入の決め手となりました。
 さて手に入れたものの、鳴らすまでが一苦労でした。手持ちの石や球のアンプをとっかえひっかえつないでみました。 
いずれも彫の深い男性的な音はするのですが、いまひとつ納得できるアンプはありませんでした。

かつてサウンドパーツがヴァイタヴォックスのユニットを同店オリジナルのボックスにいれて販売していたこともあり、当時お店の主力製品だったドイツ球 F2a11のアンプを購入することにしました。彫の深い音はそのままに、それに力強さや、そこはかとない色気も加わり、音楽の表現が豊かになりました。

驚いたのは、ヴァイタヴォックスは能率が100dB/W近くもあり、それまで試したアンプでは残留雑音が気になったのですが、このF2a11 のアンプではスピーカーに耳を近づけても全く気にならないほどでした。

この組み合わせで1年ほどは満足して聴いていたのですが、次第にネットワークの存在が気になってきたためチャンネルデバイダーを使って2Way化しました。F2a11は低音用とし、高音用に新しいアンプをサウンドパーツの水谷さんに相談したところF2a11の弟分のE2dが音色的にも合うだろうとのことで、それを作ってもらうことにしました。水谷さんに聞いたところE2dシングルの出力は1W以下とのことでしたが、ヴァイタヴォックスのS2ドライバーは桁違いに能率がいいので、当時聴いていた12畳ほどの部屋では十分な音圧が得られました。

その後、今の店の広さではさすがに力不足となったため E2d のプッシュプルに替え、元のシングルは高音用のALEの1750用とし、さらにスーパーウーハーのエレクトロヴォイスの30Wに6550プッシュプルを奢り、現在はこの4チャンネル・マルチアンプで落ち着いています。
http://cafearvo.com/2014July.html


August 2014

 Vitavoxは4チャンネル・マルチアンプで駆動しているので、簡単にアンプをかえて音色の変化を楽しむことができません。
その点Supravoxは一台のアンプ(あるいはモラルアンプ2台)で鳴らしているので繋ぎかえは簡単です。
昨年英国製の300Bのパラレルシングルのアンプからサウンドパーツの300B PPにかえ、もうこれで十分と思っていたのですが、特にどこが不満ということではないものの、半年も聴いているとちょっと浮気心が起きてきました。そこで手元にあったKT88の球で新たにアンプを作ってもらうことにしました。このアンプは無調整でEL34と差しかえ可能です。

出来あがってきたのがこの春、300Bに比べすっきりとしたレンジの広い現代的な音がしました。

さて次はEL34に差しかえようと思っていたときに、サウンドパーツのHPでPX25シングルのアンプが目につき、たまたま手元に使っていないE2dのアンプ(以前Vitavoxのスコーカーに使っていたもの)があったので、水谷さんに、これをPX25に改造をお願いしたところ快く引き受けてもらえました。

 PX25はもともとは英国の真空管なのですが、今回は簡単に手に入るチェコのKR社の球を使いました。WEの真空管のガラスも透明感のあるきれいなガラスですが、このKR社の球は厚みがあって黒っぽい透明感があり、ボヘミヤンガラスの伝統を受け継いでいるのではと思うほどの仕上がりです。

いまはそのPX25で鳴らしているのですが、シングルアンプとは思えない分厚い低域に支えられた押しの強い音にびっくりしています。
出力は10Wもないと思うのですが能率の高いSupravoxでは不足を全く感じません。むしろKT88よりもずっと量感のある音がします。
かといって荒々しいというわけではなくヴァイオリやチェンバロが」艶やかに響きます。
特筆すべきは、なによりSupravoxが楽しいそうに歌ってくれます。

 水谷さんのアンプの本質はプッシュプルで歪みのない、心に沁みこんでくる音だとおもいますが、球それぞれの味を活かしたシングルアンプも素敵です。
http://cafearvo.com/2014August.html

May 2015
 冬期休業の間に Vitavox のドライバーのアンプのメンテナンスをお願いしました。その間 Vitavox を聴けないのは寂しいので以前ここに書いたことのある PX25 のアンプを試しに繋いでみました。試しにというのは、Vitavox のシステムは超低域のエレクトロヴォイスの30Wを米国系の6550のアンプで鳴らしているほかは、音色の統一を考えてドイツの真空管のアンプに揃えていました。そこに英国系の PX25 のアンプを入れるのにちょっと抵抗があったのです。ところがそれは全くの杞憂というか、むしろうれしい誤算でした。

 それまでの E2d は音色も良く、PX25 を聴くまでは何の不満も感じていなかったのですが、くらべてみるとややおとなしく優等生的な音でした。
カメラのレンズで例えると E2d はライカの優しさで、PX25 はコンタックスのように鮮やかでコメリハリのあるントラストがつきました。
それが弦楽器、とくにヴァイオリンで効果的でとても艶やかな音になりました。

 一方 tweeter を追加した Supravox も毎日イコライザのレベルを少しいじってはまた元に戻したりの試行錯誤を重ねて、ようやくまとまった音になってきました。
http://cafearvo.com/2015May.html


December 2015
 今年の3月頃に Vitavox の Sq.に使っていたドイツ球 E2d P.Pアンプを PX25.に替えて、その溌溂とした音色が気に入って、いままでずっとそれで聴いていました。
それまで使っていたドイツ球 E2d P.P. はサウンドパーツでセンターチョークを入れた回路に変更してもらった後、自宅でタンノイ・スターリングにつないで楽しんでいました。
今回この E2d を久しぶりに Vitavox のシステムにつないでみました。

入力感度は変わっていないはずなのにチャンネルデヴァイダーの設定を少し変える必要がありましたが、設定したあとは、やはり同じ素性の球というせいかつながりが滑らかになりました。PX25 は若々しい音でしたが、こちらは幾分年齢をとり落ち着いた感じです。センターチョークをつける前は優等生的でおとなしいと思っていたのですが、今回は年相応の色気も出てきたように思います。


 手元に JBL4343 に使っていたチャンネルデバイダー Krell の KBX があるのでこれを使って Supuravox のシステムを2チャンネルのマルチにしてみようと考えています。低域は現在フルレンジで使っている EL34、高域には PX25 を繋ぎます。
Krell の KBX はクロスオーバーが恐らく320Hz、Supravox は250Hzの設計ですが、その音程の差は短3度ほどで、まづ問題はないでしょう。細かいディップやギャップはアキュフェーズのグライコで調整します。
http://cafearvo.com/2015December.html

August 2015

http://cafearvo.com/2015August.html

上の写真のアンプはどこのメーカーのものかお分かりになりますか?
多分、同じメーカーのものと思われたのではないでしょうか。
実はすべて日本の違うメーカーのものです。これは1979年のステレオサウンドからコピーしたものです。まだステレオがブームだったころのもので大手家電メーカーまでがステレオ市場に進出していました。このころのアンプは多機能で、それゆえ各種スイッチ…トグルスイッチが多いのが特徴ですね…がパネルに所狭しと並び、大出力、低歪みを競い原音再生なんて夢みたいなキャッチフレーズを掲げていました。
 これから数年でブームは終わり、家電メーカーはステレオ市場から手を引き、それに振り回された専業メーカー、当時御三家と言われたP,S,T社にもつぶれた所や、つぶれなくてもそれまでの体勢で生存出来たところはありません。

 欧米のオーディオ機器には会社や製品名に設計者の名をつけたものがたくさんありますスピーカーではタンノイのGR.FountainやJames B.Lanising,アンプには綺羅星のごとく著名な設計者が名を連られています。古くはS.Marantzにはじまり、M.Levinson、N,Pass、J.Rowland等々。これらのメーカーは今でも個性的で魅力的な製品を作り続けています。
一方我が国の製品には、設計者の顔の見える製品はほとんどありません。
比較的知られているのは数年前に亡くなった上杉佳郎氏くらいでしょうか。ほかに決して居ないわけではなく、時々評判になりかける製品も出てくるのですが長続きせずいつの間にか消えています。これは雑誌…評論家、そしてディーラーの問題もあると思いますが、結局は売れなかったのが一番の理由でしょう。

いまから40年近く前にJBLの4343という大型スピーカーがバカ売れしたことがあります。中型冷蔵庫ほどもある大型のスピーカーです。日本の住宅事情を知っているJBL社の人が、なぜこれほど売れるのか首をかしげたと言います。
理由は簡単です。当時ステレオサウンド誌で人気のあった評論家 瀬川冬樹がべたほめしたのがその理由です。(この評論家は私も好きで、じつは私も4343を買った口ですが)
それはさておき、どのメーカーのアンプも同じデザインだったり、人気評論家のほめたスピーカーが特異的に売れるというのはどういうことでしょうか。
われわれ日本人の多くが自分の美意識に自信を持っていないこと、そしてもう一つはブームに乗せられやすい人種だと言うことではないでしょうか。
 沈みかけている船から退避させるのに各国の国民性をからかった有名なジョークがありますね。例えばアメリカ人には「いま飛びこむと英雄になりますよ」
日本人には「もう皆さん飛びこみましたよ」
見事に核心をついています、われわれ日本人は周りと一緒でないと落ち着かないのでしょうね。この統一のとれた団体行動が戦後数年でGDP世界第2位に押し上げた原動力であったことは間違いのないところですが、趣味の世界ではもっと個性的に、自由に、自信を持っていいのではないかと思います。
http://cafearvo.com/2015August.html

November 2014
オーディオ機器のデザイン

 私は音楽を聴くときにはできるだけアンプ類を見たくありません。出来ればスピーカーも見えないに越したことはないのですが、こればかりはどうしようもありません。それゆえ、いかに音がよくても、あまりに奇抜なデザインなど、これが音楽を聴く道具か?というようなスピーカーには魅力を感じません。

 そんな中で「これなら眺めながら音楽を聴くのもいいな」と思うのが幾つかあります。
いずれも昔のもので、今や性能ではこれらを超えるものはいくつもありますが、ことデザインに関してはこれ以上のものはないと思っています。

 一つはトーンアームの SME3012 です。もう一つはプリアンプでマランツ7です。
この二つは、かつて大阪の河口無線の入り口わきのショーウインドウに飾ってあり、私は店の前を通るたびに、機能美とはこういうものを言うのだと飽かずに眺めていたものです。高校生にはとても手の届かない破格の値段とともに憧れの機器でした。
 スピーカーではJBLのオリンパスです。JBLではパラゴンやハーツフィールドの方に人気があるようですが、私は家具調のオリンパス、とくにフロントグリルの格子が好きでした。ランサー101も同じ格子で天板は大理石、これも洒落たデザインでしたが、やはり大きさ存在感からしてオリンパスが一番でした。
 当時大阪のにバンビというジャズ喫茶があって、南のほうの店の1階はパラゴン、2階にオリンパスが置いてあったように思います。いや北のほうの店の1階がオリンパスで2階がランサー101だったかな、何しろ遠い昔のことで記憶があいまいになってしまいました。いずれもマッキントッシュの275や240で図太い音を出していました。クラシック一辺倒でジャズは好みではなかったのですが、この音を聞くためにバンビにはよく通ったものです。
http://cafearvo.com/2014November.html

October 2015
 私はオーディオの専門誌はステレオサウンドを購読しています。かつては特集はもちろんコマーシャルの一字一句までじっくり読んだものですが、最近はぱらぱらと2,30分読んでそれっきりです。
これは決してオーディオに対する熱意が薄れたからではありません。機器の値段が余りに高すぎて白けるからなのです。

 いまから40年ほど前マーク・レヴィンソンが高額のプリアンプをひっさげて華々しく登場しました。安い方のJC1でも62万円。高い方のLMP2は100万を超えていました。
それまで高給アンプの代表だったマッキントッシュのプリでさえ30万円台でしたから100万円を超えるレヴィンソンのアンプの値段は衝撃的でした。
その後、才能のあるエンジニアが次々と出てきて、その多くはガレージメーカー的なところで大半は淘汰されましたが、今でも高額のアンプやスピーカーを作り続けているメーカーもあります。
 当時は就職したばかりで、そのような製品はとても買えたものではなく、それを横目で見ながらラックスとかヤマハでお茶を濁していました。
その後仕事も安定して、何とか今の装置を持てるようになりましたが、最近のいわゆるハイエンドの機器には手が出ません。
例えばMagicoのModel6というスピーカーは2200万円、コンステレーションオーディオのヘラクレスというアンプは2700万円です。ほかにも2000万円を超える機器はいくつかあります。これらは別格だとしても1000万近い装置はかなりあります。

 幸いなことに、私はアンプは別として最近のスピーカーは好きではありません。とくに音像重視のスピーカーが好きになれません。等身大の音像、正確な音を目指す余りに大事な「音楽性」を忘れているように思います。
オーディオの最終目標は家庭でコンサートホールの音の再生で、現在のスピーカーはそれを目指していると思うのですが、今のところ生さながらの音を出すスピーカーはありません。ならば原音とはほど遠くても私は音楽性のある装置を選びます。
 今持っている3つの装置全部合わせてもコンステレーションのアンプの値段には及ばないでしょう。それでも聞く音楽のジャンルに合わせてシステムを選ぶことで、ほぼ100%満足しています。いやそれどころか物理特性はともかく芸術性ではウン千万円の装置に勝っているのではないかと自画自賛しています。
これは決してイソップ物語の「酸っぱいブドウ」ではありませんよ。
http://cafearvo.com/2015October.html

2. 中川隆[-13385] koaQ7Jey 2018年10月10日 07:12:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19105] 報告

スープラヴォックス
https://www.supravox.fr/


スープラヴォックス ファクトリー・ツアー
フランスの中部、ロワール川沿いの古都、トゥール(Tours)郊外に Surpavox社はあります。
http://www.soundbox.co.jp/Supravox/factory.htm

Supravox History
http://www.soundbox.co.jp/Supravox/history.htm

Supravox drive units
http://www.soundbox.co.jp/Supravox/products.htm

Supravox Loudspeakers
https://www.supravox.fr/categorie-produit/enceintes/




スープラヴォックス特約販売店


サウンドパーツ
〒390-1702 長野県松本市梓川梓856−7
  Tel: 0263(78)5206/fax0263(78)5207
HP:http://www.soundparts.server-shared.com/

マスダ・オーディオ・サプライ  (関西地区特約店)
〒612-8002 京都府京都市伏見区桃山町山ノ下25-19-20 TEL:075-622-3471

HP: https://itp.ne.jp/info/268778386300000899/


3. 中川隆[-13380] koaQ7Jey 2018年10月31日 17:22:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19747] 報告

2015.03.01 号外その4 信州オーディオ 潜入記
http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757


信州オーディオ。

やばい扉を開けてしまったのかもしれません ( ̄◇ ̄;)

先日わざわざ東京まで出かけ、オイロダインという珍しいアンティーク励磁型SPの音をを聴いてきました。さすが東京、すごいマニアの方がいらっしゃるものだと感心して帰ってきました。

ところがオイロダインで検索していると、なんと地元にオイロダインの第一人者がいらっしゃる?という情報を見つけました (°_°)

なんでこんな田舎に?という疑問はさておき、メールで視聴希望をお伝えしたところ快く承諾していただいたので仕事帰りにお邪魔してきました。

そこには・・・

オイロダインがいっぱい \(^o^)/


http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757


オーナーさんは、なんでも雑誌「管球王国」から依頼を受けてオイロダインの記事を連載されたこともあるとのことで、私のような初心者では説明を聞いてもさっぱりわかりません (´▽`)。

それでも興味深かったのが、オイロダインは戦前から制作されていたのではなく、ドイツが敗戦した1945年の夏(だったかな?)以降に制作され始めたということ、モデル末期には励磁型ではなくアルニコのマグネットタイプに変わったということ、ドイツ本国ではその価値があまり評価されずにその多くが廃棄され、それに目をつけた日本のマニアが沢山輸入したこと(100セット程度はあるそうです。信州にも10セットは入っていて、人口比率的にはかなり多いそうです)、その後ドイツでも評価が高まり買い戻されていること、などです。(記事のコピーを沢山いただきましたw)

オーナーの方は都会から引っ越されてきた方かな?などと勘ぐっていましたが、話を聞いてみると地元の方でした。それも私の勤めている会社の取引先の社長さんでした (*´∀`*)。

知らなかった・・・ 

こんな珍しいスピーカーもありました。東ドイツSchulz社製の小型フルレンジスピーカーです。

f:id:hkatahkata:20150218201359j:plain

アンティークSPなのに、これがまた現代的な解像度の高い生々しい音を出すんです。コーンの部分にフェルトが貼られています。なんとなくケブタやエンジェルファーに繋がるものを感じ親近感を覚えましたw。暖かくなったらオーナーさんの自宅で視聴会も行われるようですので、是非行ってみたいと思っています。

(もう口コミで予約がいっぱいだそうです。ご迷惑になってはいけないので、情報はこのくらいにしておきます。どうしても聴きたい方は自力でたどり着いてくださいw)

その後、色々と話をしていると、安曇野にフランス製の励磁型SPを販売している会社があり、その会社と提携してJAZZの演奏会を開催しているとお聞きし、こちらにもお邪魔してきました。

知る人ぞ知る「サウンドパーツ」さんです。もちろん私は知りませんでした(^O^)


http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757


場所は松本インターから車で15分ぐらいのところです。私の家からは1時間ぐらいかな?


http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757

おフランス製(らんさぁさん当たりw)の励磁型ユニットを用いたSPシステムです。なんと励磁電源はスイッチング電源でした(・□・;)

音質はというと、励磁型らしく各楽器の音が混ざらないで鮮明に聴こえてきます。情報量が多く、音場も深くて音離れも良い。低音が明瞭なんですよね。ぼやけずにどこまでも伸びる。これはマグネット式のSPからは聴けない音です。

女性ボーカルやピアノなどはクラっとくる魅力的な音ですw。でも面白いものでやはりフランス的な音がします。柔らかで華やか(´▽`)。長時間聞いても聴き疲れしませんでした。feastrexとはかなり違う傾向の音です。

私の好みとしては、もう少しスピード感が欲しいとも思いましたが、やはり励磁型のSPは良い。

http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757

励磁型のユニットです。


http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757

かなりの台数が売れたというプリアンプです。

水谷社長、ありがとうございました。

やはり音質の決め手はSP。なんとか励磁型のSPを手に入れることができないものだろうか?・・・

などと考えながら家に戻ってきて自分のシステムの音を聴いてみると、これがまたオカルト現象なのか良い音で鳴るんですよねヽ(*´∀`)ノ。音の繊細さでは上回っています。

805Dも頑張ってますw。励磁型のスピード感と音場の奥行、音の張りと分解能の良さを目指して、もう少し弄ってみますかw。
http://hkatahkata.hatenablog.com/entry/2015/03/01/160757

4. 中川隆[-12831] koaQ7Jey 2019年1月21日 10:36:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告

フランス音楽の世界 GRFのある部屋 2019年 01月 20日
https://tannoy.exblog.jp/30371863/



長い間、クラシック音楽を聞いてきたつもりですが、やはりドイツ・オーストリアの音楽を中心に聞いてきたのだと思います。ここに来て、パグ太郎さんとOrisukeさんの影響で、フランス音楽やフランスの演奏家の盤が増えてきました。


レコードの世界では、ドイツ盤や英国盤のレコードと比べると、フランス盤は、レコード自体の盤質も硬く、総じて硬い音の印象があります。ヨーロッパを旅するとき、その国の空港でレンタカーを良く借ります。


運転中は、ライトクラシックの番組ををよく聞いています。音楽の時はそれほど感じないのですが、アナウンスの声や宣伝の時になると、音質が国によって随分違うのに気がつきます。そうじてドンシャリなのですが、それでも高域の明確なカーブと、子音が良く聞こえる音と、低域中心の音に別れます。


これはオーディオでもいえるようで、ドイツ人の好む音と、フランス人の好む音はまるで違っています。日本人お好みは、英国の放送に似ていると思います。フランスの車は、サスペンションも椅子のクッションもゆったり柔らか目なのですが、流れてくる音は、カチカチの音なのに驚かされます。

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今回のKenYoshida氏の録音問題も、きわめてフランス的な音だと思うと、凄く納得するのですが、問題のアルファレコードではなく、たとえば、ディリカのピアノ曲や同じくアーベンと演奏しているベートーヴェンのチェロソナタなどは、とても落ち着いた録音です。MIRAREというレーベルで、ジャケットもとても凝っていて、一枚一枚が美術品のようなつくりです。


Ken Yoshida氏の革新的な音作りとは違って、MIRAREレーベルの音は、ジャケットのように落ち着いて聞いていられます。そこで、MIRAREのカタログを見ていたら美しいジャケットばかりで、知らない曲が多いので、ひさしぶりにジャケット買いをしました。そして、そのCDが昨日、ヨーロッパから届きました。美しいジャケットばかりで、見ているだけで楽しくなります。


f0108399_18450587.jpg


中でも、ピアノの前で憂い顔で首を傾げている女性と、パリのカフェで、誰かを待っているような女性の姿のジャケットです。よく見ると、ドイツ兵の軍服姿もあり、どうやら占領下のパリの絵のようです。そして、雨に煙るセーヌの橋と、アルプスの山間の風景でしょうか?ジャケットを見ているだけで、中の音楽が聞こえてくるようです。

この演奏をしているのが、フランスの女流ピアニストのアンヌ・ケフェッレックです。ベテランのピアニストで、調べてみたら、同期生でした。非常に味わい深い演奏を行っています。バッハやフランスのサティなどを得意にしています。滋味深い音にとても落ち着きます。


Anne Queffélec - Bach & Händel - Live Concert - HD - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=ZTRdbqxTa6M

同じフランスのレーベルでも、arufaレーベルとは正反対の音作りで面白いと思いました。
https://tannoy.exblog.jp/30371863/

5. 中川隆[-11135] koaQ7Jey 2019年9月30日 07:19:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1685] 報告
フランス孤高の花 EMSのLB6(1) mixiユーザー(id5343821)の日記 2019年08月23日19:57


今年のGWを中心に、世界のフルレンジを集めて、スワン(バックロードホーン・10センチ・5インチ用)とネッシーMID(共鳴管・13センチ・6インチ用)のキャビネットに装着、相性のよいものを探すという祭りを始めた。

こんなことができるのも、クラッセのデジタルプリのサブウーファー用チャンデバ・グライコ機能と、イクリプスのサブウーファーが素晴らしいからでもある。
低音は、弱い部屋の床・壁・天井をできるだけ共振させないようにコントロールする。

フォステクスのFE108-Solは、FEとしては、壁を越えたなという高品質で、3年から3年半使った。
特に文句はなかったが、フォステクスの限定ユニットばかり使って15年も経ち、飽きたので換えることにした。
オークションに出すと48000円で落札された。ちなみに、1年使ったファーストワットのパワーアンプJ2も非常に高価で落札。
最近、使って儲けも出るものが続き、ちょっと金銭感覚が変わるが、よいことではないだろう。まあ、下記実験したユニットを手放すので、ちゃんと損は出ます。

・108Sol(10センチ)は、口コミや一部雑誌で絶賛され、それだけのことはあるユニットだ。
しかし、日本製の生真面目なハイファイ調とか、3キロヘルツ前後の盛り上がり、明るい乾燥感などが好みでない場合は、決してベストなユニットではない。

・AUDAX 13LB25AL(13センチ)・・・ここからスタート。フランスの伝説のブランド。黒ペーパーコーンで、音色はまさに古色蒼然、カラヤンのフィルハーモニア時代、モノラル録音のよさがはじめてわかった。能率も極めて高く、真空管があればもっとよかった。一方で、新しい録音への対応はやや違和感が。
ある段階から、妙に違和感が出たので、下記のE100HDに取り換えることを繰り返した。
ユニット取り付け穴の都合で、キャビへの取付を2つのネジでやる等、試行錯誤していたので、かわいそうな条件だった。108Solからまったく音が変わってオオと思った、コスパはすごく高いユニット。

・EAD E100HD2(13センチ)・・・これは、ジョーダン氏の伝説のメタルコーンユニットJX92Sを4回改良し、ハイエンドブランドのScanSpeak製造という執念のユニット。北欧家具というか、ルックスはめちゃくちゃよい。キャビとアルミリングによく似合って、今回のナンバーワン。
音は、最初はいかにもメタルの色がつくなと思ったが、その後そうでもなくなった。高能率軽量コーン系と較べると、トランジェントが僅かに甘いか。でも、能率はメーカー公表より高くてたぶん90デシベル近くはある。
ハイエンドな音色が出ることもあり、大型の高級パワーアンプで鳴らすと化けそうだ。処分するのが惜しい。

・E・J・ジョーダン Eikona2(13センチ)・・・上記ジョーダン氏直系のイギリスのユニット。サイズはE100HD2とまったく同じ。これは85000円近くもした、今回の本命ユニット。これもScanSpeakがかんでいる。
音色は、メタル臭さをうまくダンプしてあり素晴らしい。ただ、ちょっと聴いて違和感があってひっこめた。その後落ちついて1度だけ戻したが、まあ普通によい音だった。ルックスの相性でE100HDのままにしたが、実力はE100HDと同等かそれ以上のはず。
エッジが広くて、実際はE100HDの一回り小さいコーンで、小型キャビの小音量ではE100HDよりよいはず。デザインも、環境や設計で、E100HDよりよい感じに仕上がってもおかしくない。
ほぼ新品だが、76000円でも売れていない。誰か買ってくれ〜

そうこうしてるうちに、マロニエオーディオさんが紹介・輸入してくれた、フランスEMS社のLB5・LB6が届いた。続く。


コメント


mixiユーザー2019年09月15日 22:04

思い出しました確かに退院直後に読ませて頂きました。面白そう!古風というのが気に入りました! 17cmと合わせて手に入れたいです!!(笑)。


mixiユーザー2019年09月16日 00:26
> mixiユーザー 

AUDAXはおもしろいです。キャラがあります。年がら年中フルトヴェングラーとかワルターとかオールドジャズを聴いている人には至福じゃないか。ハイ落ちなのでツィーターもコンデンサーのみでつながります。ここまできたら真空管使うしかないという音です。やっぱり時代ですね。


mixiユーザー2019年09月16日 00:5295dB

以下はスピーカーユニットじゃねえ!!みたいな(笑)。こう言うの好きです!!。今時96dBでぶちのめす!!いいんじゃない的な(笑)。割り切ってるところがすごい!!。ハイ落ちでますます今風じゃないなんて!!。本当時代が来てますね!!(笑)。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972716104



2019年08月23日
フランス孤高の花 EMSのLB6(2)

https://open.mixi.jp/show_diary_picture.pl?owner_id=5343821&id=1972716661&number=126


EMS社は、励磁型スピーカー、フィールドコイルスピーカーという、マグネットでなく外部電源でドライブするユニットを製作する、超マニアなメーカー。
手作業で仕上げているという。マグネットタイプもあるが、アルニコ磁石は減磁の経年変化を嫌い採用していないようだ。

マロニエオーディオさんが絶賛で、アルニコよりアルニコな音がするという。アルニコは、ビクターのスピーカーを700spirit、V1A、V7と使ってきて、音色は明るく艶やか、滑らかだったので好印象。

フォスの138ESRやMG130HRはアルニコの音がしてたのかは不明。

5インチのLB5、6インチのLB6と、7万前後するので、そうそう売れないので在庫はないことが多いそうで、折をみて輸入になる。

信じるしかない世界だが、AUDAXとE100HD2はどちらもマロニエオーディオさんの紹介で、よかったので、輸入販売を依頼した。

スペックはQ0が1.30とか、振動板も軽量で、長岡式のFEに発想が近い。

サラウンド用も考えて、LB5を2セットと、LB6を1セット注文。
LB5はたまたま在庫が一つあったということで、先に送ってくださることになった。

で、がんばってスワンのキャビをフロントにカムバック、LB5を試してみた。
私は黒の振動板が好きで、フォスの白振動板は長年我慢していたのだ。
これが黒になり、文字通りブラックスワンの完成となった。

音は、ヴァイオリンソナタ、コパチンスカヤのハイレゾでプーランクをよくかけるが、これが素晴らしい。E100HDだと、ヴァイオリンの弦の部分の音質がクローズアップされるが、LB5では、胴の木質感やピアノの質感が出てくる。

さすが軽量小型の振動板で、細かい音を機敏に実によく拾う。スーパーツィーターは不要かなというぐらいの高域。まあ、108Solもそうだが。

108Solと比較して、美音というのがよいだろう。乾燥感がなく潤いがある。帯域を測定しても、FEの宿命である3キロヘルツ前後の盛り上がりが無いので、にぎやかな感じはない。108Solはグライコで落としていたが、今回はさわっていない。
ポップ系を明るくとか、野蛮な聴き方を好むのでなければ、LB5のほうがよいだろう。まあ、価格もLB5が高いわけだが・・・

思うのは、全国のスワンや10センチフルレンジユーザーに、付け替えて聴いてみてほしいということ。

特性とサイズはFEとよく似ているし。

オークションでウォッチリストをみるとわかるが、長岡式と関係するユニットの特に10センチというと大人気。そこから離れると、E100HD2など素晴らしいユニットだが、過疎になる印象だ。それぐらい、スピーカー自作派は長岡関係者が多いと思うが、特にクラシックファンは、EMSの存在を知ってほしい。

問題は、センターキャップが銀色で、これがトータルバランスの中で変なアクセントになり、ルックスが微妙に違和感がある。真鍮リングが円形に対し、LB5はそうではないので、そこの無理やり感含め、完全に個人の感覚だが、落ち着かない。
まさか、という感じだ。もうLB5とLB6は発注してしまっているし・・・

E100HD2のネッシーがスッキリまとまっているだけに、音が一長一短程度ならE100HD2がよい、というわけで、2週間ほどで、必死でネッシーをフロントへ復帰。

そのさい、ウェルフロートに載せるのを復活した。ネッシーは背が高すぎで、インシュレーターをブチルで貼り付けて剥がすのが現在不可能に近いため、ウェルフロートは外していたが、無理にでも載せた。

作業時、慣れずに床を少し凹ませてしまった。。

グライコで、ネッシーの70Hz以下はほぼカットしているので、そこまでの効果はないが、やはりクリアで柔軟な感じは出てきた。うちは鉄筋コンクリートでなく、コンクリート基礎でもないので、床はある種のタイコだ。少しでも振動が遮断される方が良い。

共鳴管部が横にユーラユーラする感じは気にはなるので、フルコンメカという新たな強力ワイヤーバージョンと、背か低いボードを検討中。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972716661?org_id=1972716104

フランス孤高の花 EMSのLB6(3)


https://open.mixi.jp/show_diary_picture.pl?owner_id=5343821&id=1972720173&number=159

さて、LB6とLB5は、到着前に戦意喪失、いちおうLB6は1か月ぐらい使って音の変化を楽しみ処分、ルックスが意外と合っていたらラッキー、ぐらいで考えていた。

が、奇跡が起こった。

センターキャップが予告なしに銀色から黒にチェンジされていたという。まあ、海外メーカーではよくある話だということだった。

急に私好みの、黒振動板系でまとまった。

ただ、マグネットカバーが手の込んだ滑らかなものに包まれていたのだが、普通に裸になっていた。アルニコっぽい滑らかさは、このカバーが演出していた可能性もあるので、こちらは残念。

ルックスが好きなら、旧型のほうがお買い得な気がする。

写真は大きさ比較だが、けっこう差がある。LB6はセンターキャップも小さく、外枠いっぱいまで振動板なので、深く大きな振動板面積になっている。
B&Wなど、主流のスピーカーのミッドレンジは13センチに近い。Kisoアコースティックなど、特に狙いがある場合は10センチの魅力がある。

今回は、ネッシーのキャビネットが大袈裟なので、できるだけ空気をいっぱい使えるほうが好ましい。

音である。
静かで繊細というのが第一印象。歪みっぽくない。

セルロースの振動板ということだが、詳細は不明。タンノイの黒振動板にも似ているし、私の単品コンポデビューであったONKYOのD202に使われていた「バイオクロスコーン」とか、当時のパイオニアの艶消し黒振動板を思い出す。
私がオーディオデビューした1990年代のハイエンドスピーカーみたいな雰囲気なのだ。それにしても、当時はバーチカルツインとか、理想を追求していた良い時代だった。。

AUDAXみたいに1940から1970年代みたいな感じでもなく、ハイエンド、ハイレゾの鮮明カラフルというのでもない。メーカーは、リッチで分析的と謳っているが、確かにタンノイやAUDAXのようにリッチではあるが、溺れる感じではなく現代的な性能も感じる。

静かというのは、余計な音が出ていないというか、スピーカー周りのドロドロ感がなくて、空間にスッと音像ができている感じで、これはトランジェントのよさだろう。

性別でいうと、108Solは、長岡先生と連携してつくってきた「やんちゃな男の子」という感じ。Solは大人になったが、昔やんちゃだった男性。

AUDAXは野人の男性という感じ。昔ベルリンフィルやウィーンフィルに女性楽員がいなかったような。

E100HDはどちらともいえる。

LB5は気品があるが、機敏なので、育ちのいい少年少女か。

LB6は、高貴な女性を思わせる。いざとなれば芯の強さを見せるが、やたら主張してくる音ではない。やはりヴァイオリンソナタが綺麗。静かに花開くよう。

ただ、LB5の印象と違い、振動板のドライな感触が、FEほどではないが残るようだ。

ルックスはE100HDのほうがよい。
EMSは、ルックスは二の次と謳っているほど実質重視。

私はルックスを取りたい方だが、それでも、今回は、長岡式のキャビネットへの相性の良さからしても、LB6採用となった。

10センチのスワンを取るか、13センチのネッシーを取るか。

スワンは金子木工入魂の特別製、プロのピアノ塗装。ネッシーはシナアピトン中心にプロの精密な加工と家具屋のクリア塗装、熟練のアマチュアが組み立て。
格としてはスワンが上、ネッシーは、ヌボーとしてしまうのが欠点、音場や機敏さを追求するならスワンが上であり、究極的にはスワンをフロントで使うことになるだろうと思ってきた。

しかし、測定結果でいうと、スワンは800Hzと1キロヘルツの間に大きな差ができる、中音が引っ込む悪癖あり。

低音は、10センチとは言えスワンのほうがホーンなので出るのだが、この環境では160Hzが盛り上がる等、よくないこともある。
また、部屋が横長で後ろにスペースを作れないので、得意の音場感もあまり出ない。

ネッシーは意外と30Hzあたりからあっさりフラットになりやすい。
サブウーファー前提なので、低音の出にくいネッシーのほうが扱いやすい。
共鳴管からの低音のみで聴くなら、モタモタ・ボーボーして、ホーンが上だろうが、低音はどちらも半分ぐらいしか使わない。
スケールは当然ネッシー。

スーパーツィーターT90A-EXは、コンデンサーや真鍮台含めると10万ガチで出費している。キラキラした感じも好ましいのだが、10センチ(特に最近のFE)だと高域が喧嘩する感じも出てくる。

13センチは、例外なく16キロや20キロは落ちるし、AUDAXにいたっては4キロあたりから助けを必要としていてつながりが良い。聴感でも、あきらかにツィーターがなくなって寂しいとわかったりする。

そんなこんなで、この環境では、意外にもネッシーを今後の基準とすることにした。

いろんなユニットを集めたが、ルックス含め、予想外の連続。
やってみないと分からないし、だからやってみてよかったのだ。

bswanとは看板倒れ、名ばかりになってしまった。
さらばスワン、ホーンは無意味になったが、裏方のリアスピーカーとして頑張ってくれ。



コメント


mixiユーザー2019年08月24日 01:03

明日から合宿の当地のガレージメーカー、サウンドパーツんのスープラボックスという励磁型もたしかフランスだったような。フランスのオーディオって今ひとつ有名ではありませんが、個別にはユニークなのですね。


mixiユーザー2019年08月24日 01:1
9> mixiユーザー 

サウンドパーツさんのページ少しみましたが、まさに私が関心のあるラインのことですね。

フランスの楽団は、音色に敏感で、オーディオが栄えても不思議ではなさそうですね。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972720173?org_id=1972716661



2019年08月24日
フランス孤高の花 EMSのLB6(4)

https://open.mixi.jp/show_diary_picture.pl?owner_id=5343821&id=1972720435&number=65


LB6は、現代ハイエンドスピーカーの動向と関係なく、日本でも知られていないが、クセもなくまったく高品位といえるユニットだ。

表面的な特徴もなく、落ちついて音楽が聴ける感じだが、オーディオマニア的には、何かプラスアルファを求めたくなるところ。

もともとEMSは、社名からして励磁型スピーカーユニットの会社なのだ。

LB6EXというのがあり、こいつは20万を超える凶暴な価格だが、取り付けは可能。
興味しんしんできいてみたが、なんと、電源が入手できない。おすすめのものは17万以上するが、廃業されている。25万ぐらいするネット上にあったものは、おすすめではないというし、高い。理科実験用の電源を工夫したらということだったが、そんないかにもなものを2台も入れたくはないし、置き場もない。

LPや真空管を探す20代はたくさんいるだろうが、励磁型スピーカーの電源を探している20代は日本にいるのだろうか? 

よい音と思われるが、そういう文化に手を出すべきか、判断に苦しむ。
不要になってオークションに出して、買う人がどれぐらいいるだろうか。

そうすると、パワーアンプはどうか?

トマンS75は、LB6とパワー的に相性がいい感じで、ボリュームフルにして、残留ノイズがほどよい。キャラクター的にも、どちらもクセがなく、ソースのリアリティを出してくる。

オーディオ的に食い足りないともいえる。
考えたのだが、いろいろパワーアンプは経験して、一つだけ心のこりは、真空管をきちんとやっていない。オリタ式ミニ真空管だけが、突出して独自の世界であった。ファーストワットは真空管のようなというが、真空管度は、10段階で言えば2程度だった。

EMSは、高能率で、真空管アンプ前提での設計だという。
美音だが、少しドライで素っ気ない感じは、真空管の味で完成するような気がする。

しかし、トマンの超低発熱・省スペース・低価格を知ってしまうと、もう大げさで熱いアンプはいらん。
調べていくと、300Bのシングルというのがベストな感じ。
どうせ低域はサブウーファーの力になるので、繊細な高域を低消費電力で手に入れたい。

しかし、300Bシングルの世界は、非常に高価であったり、安価だが中国製だったり、トライオードはよいが、赤い筐体がひっかかる。
こういうときオリタさんがおられたら、と思ったりするのだが。
真空管は故障も多いので、なにかと怖い。

トライオードのKT88シングル、これは塗装も濃茶で、妥協点はこのあたりか。。

古き良き文化、明日はどっちだ?


コメント

mixiユーザー2019年08月25日 09:06

うちに余っている300Bシングルアンプがありますが、試されますか?


mixiユーザー2019年08月25日 09:08

その他、EAR UESUGI などもあります。

mixiユーザー2019年08月26日 01:49

> mixiユーザー
 
ありがとうございます、メッセージさせていただきます。
TRIODEの昔の300Bシングルアンプが、ルックスまあまあで消費電力も少ないので、オークション入札しようかと思っていました。
EARは猛烈にカッコイイですね。

mixiユーザー2019年08月26日 19:06

300BシングルアンプはYaqinのMS-300Cというものです。
http://www.fsyaqin.com/dzghp/yqms300c.html

EARはEAR859というもので
https://audio-heritage.jp/EAR/amp/ear859.html

UESUGIはU-Bros 17というもので、これだけがモノーラルアンプです。
https://audio-heritage.jp/UESUGI/amp/u-bros-17.html 

mixiユーザー2019年08月28日 01:59

> mixiユーザー 

ありがとうございます。いろいろ調べていました。中国製300Bと、UESUGIは、音は良さそうですが、その分重くて大きい。残念ながら、いまの環境では安定した使用ができなそうです。

EAR859は、こんな求めてたものがあったか!、という、イタリアのようなイギリスのようなセンスで、デザイン最高、音も、DAC64の系列以上の艶が期待できそうです。今回の目的は、ここです。

少し使っていけそうなら真空管を新品交換して、適価でお譲りいただこうかと思ったのですが、真空管がユニークなものを使っているため、交換が容易でないようですね。

ご面倒をおかけしそうなので、夢にとどめておこうかと思っています。

mixiユーザー2019年08月28日 09:4

0EAR859は、あまり普及していない真空管を使っていますが、元々が業務用の丈夫な球であるため普通に使っても10年くらいはもちそうです。
当方では15年使って、最近高圧真空管さんに球だけ取り替えてもらいましたが、簡単にできました。
真空管をたくさん扱っている人にはいろいろな真空管を手に入れることも容易なようですので、スペアを3セットくらい確保していれば50年くらい使えそうです。

mixiユーザー2019年08月29日 01:4
> mixiユーザー 

それなら大丈夫そうですね。
メッセージさせていただきます。

https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972720435?org_id=1972720173

6. 中川隆[-11017] koaQ7Jey 2019年10月06日 10:37:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1808] 報告

旧フランスからの刺客 AUDAX(1) mixiユーザー(id5343821)の日記 2019年04月01日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1970959293?org_id=1971047789

私のオーディオは、弱い部屋との戦いであった。
ただただ翻弄されるばかりで、高音の強い小口径フルレンジに走ったのは、部屋を揺らすほどの低音が出にくいということがあったかもしれない。

年がたち、ベテランのアドヴァイスを受けたりもして、スペアナ、デジタルグライコ付きプリアンプ、サブウーファーで低音分散、といったところで、部屋を制圧。
ある日、ステサンを読んでいると、柳沢先生が、-96デシベル/octでのクロスを推奨しておられ、真似して限界値の-24を試すと、サブウーファーではこれはよかった。ますます部屋の影響と思われる低音の雑味が減った。

リフォームで床もやや良くなっており、FE108Solによるスワンのマトリックスサラウンドで、ほとんど不満のない状況が得られた。

ひどい状況を年を重ねて克服するというのは、ハンデが少ない人・頭のいい人なら1週間でできた程度のことかもしれないが、それでも立派なことだと自分に言ってやりたい。

スタートのひどい状況は自分の責任ではないし、失敗を経験し、なんとかしようと考察し、先達の意見を受け止めないと、なかなか変えることはできない。

これでめでたしめでたしというところだが、ちょうど、この音に関心がなくなってしまった。
音楽ファンでもあるが、やはりオーディオマニア。

おもいついたのがポチの夢プラン。

いろんなフルレンジユニットを集めて、対決させ、気に入ったもの、部屋やキャビネットと相性のいいものを残す。

かつて2年で10種類以上の高級ヘッドフォンを購入し、Audezeを残したことがあった。

そのときの経験で、どのメーカーも「原音・音楽に寄り添う」的なことを言っており、「ヒップホップだけを聴いてくれYO!」「クラシックに適しておりますがロックの低音は薄い可能性がございます」などと言ってはいない。しかしながら、音はまったく違うものなのである。

それぞれの人や文化によって、「原音」と感じて聞こえているものが違うのだとよくわかった。オーディオは、高価なもの1機種に縛られるのではなく、自分と相性のいいものを複数から選ぶべきだ。スピーカーではなかなかできないのだが。。。

ただただ向上というのではなく、個性を楽しむという面もある。

久々にネッシーMIDのキャビネットをメインに据え、5インチとか13センチフルレンジと呼ばれる(呼び方に幅あり)もので取り付けられるものを調べまくり、最終的に5つのユニットが採用されそうだ。
既に3つ手元にある。

ダークホース(バード)として、スワン用の高級ユニットも発見している。

苦労しているのがアダプターバッフル(リング)で、かつてお世話になった業者さんと連絡つかず、木工業者さんには断られ、見積もりを出すといったまま音沙汰なしのところ、等。

個人の趣味で他人様を細かく動かそうと思ってもこんなものだなと嘆息し、撤退せざるを得ないのかとすら思った。
しかし、ネット検索で金属加工は意外とあるもので、ヘタな手書き図面でなんとか伝達。砲金がいいのだが、高いし、過去に経験もあるので、最近ハイエンドスピーカではやりのアルミニウム、アルマイト黒色加工というものにした。
高い位置なので、やたら重くしたくないというのもある。
真鍮と違い、モダンなデザインになるのも期待。
インターネットに乾杯。

それはGWまでに届くので、そこまでは、無理やり2つのねじで取り付けた、フランスはオーダックスの13LB25ALというフルレンジ。
ペア3万6000円定価ぐらいのものだ。
しかし紙面と時間が尽きた・・・


コメント

mixiユーザー2019年04月01日 08:08

なるほど、アルミ板をサブパッフルとして数種類のユニットを取り付けておき、メインパッフルに対してサブパッフルごと入れ替えるという訳ですね。
ユニバーサルトーンアームに対してヘッドシェル付きのカートリッジをいろいろ入れ替えるのと似ていますね。

ただ、新しいユニットを手に入れるたびにアルミ板に穴を開けたりネジ穴を切らなくてはならないという手間がかかりますが・・・。

mixiユーザー2019年04月02日 01:34

> mixiユーザー 

ご心配なく。ネジ穴を2タイプあけていて、これで今回の5種はとりつくはずなんです。ほかも聴きたいですが・・・、足るを知らないといけないのかもしれません。


mixiユーザー2019年04月07日 13:38

そういえば、28日日曜にポチの夢宅の恒例フルレンジ大会がありますね。どうされますか。


mixiユーザー2019年04月07日 20:07

> mixiユーザー 
参加したいです。ユニットをもっていけるほどですが・・・
時間等お知らせお願いいたします。


mixiユーザー2019年04月08日 06:15

> mixiユーザー 

恐らく前と同じように11時頃に集まって例の大盛りそばを食べてから始まると思います。

詳しくはポチの夢さんにメッセージをいれて確かめてください。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970603718&owner_id=17399344

私も聞いてみます。


mixiユーザー2019年04月08日 12:38

> mixiユーザー
 
ありがとうございます。今回は、10~13センチフルレンジの世界にそうとう詳しくなったので、意義が大きそうです。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1970959293?org_id=1971047789


旧フランスからの刺客 AUDAX(2) mixiユーザー(id5343821)の日記 2019年04月07日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971047789

Audaxはまったく知らなかったが、ハーベスの初号機のツィーターがオーダックスだという。

ハーベスは長年のあこがれで、使う日も来ないだろうと思っていたが、軽い縁ができたのには驚いた。

もう廃業しているようだが、今回入手できたのは、ダイヤトーン的になにか復刻の動きがあるのだろうか。

13LB25AL
能率 96デシベル
Q0 0.24
m0 3.90
1.5キロ
ペーパーコーン
国籍:フランス
価格 ペア3万〜3万8000円

とにかくオールドタイプの設計。低出力真空管アンプ用に能率は猛烈に高い。
アルテックなども含め、業務用の拡声器としての使用が想定された時代の影響か、中音重視が潔い。

測定データは、サブウーファーとスーパーツィーターをつけたもの。
共鳴管のせいもあり、あまりにも低音が出ないので、125Hzまでサブウーファーに頼り切っている。さすがにこれはよくない。

高域も、3.15キロあたりから右肩下がり。しかし、これに関しては、スーパーツィーターが1μで取り付けられ、干渉少なくつながるので好都合。
谷はできているが。

スーパーツィーターはFOSTEXのT90A-EXで7万5000円ぐらいする。Audaxの2倍を超えるのである。ただ通常では、高域が喧嘩して真価を発揮しないことが多い。

音はどうか。

最初は「壊れかけのラジオ」、レンジの狭い音で、高音も割れる。
1940年代かという音。

しかしこれは、アンプの設定もスワン仕様だったり、セッティングや鳴らしこみや取り付けなどの問題があるのだ。

アルミリングが届くまでは、ネジ穴二つの仮留めに近いので、完成ではないが、それ以外は調整した。

スピーカーケーブルは、プロケーブル推奨のベルデン黒白ケーブルで4mペアで2千円台。これで、京都人さんがかつて強く推奨されたユニット直結を実現。安全性は意外とまったく問題なし。

ファストン端子で取り外しを重視。

マトリックスサラウンドがしばらくなしの状況だったので、この機会にモノラルソースを積極的にかける。

カラヤンとフィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェン全集。ハイレゾで2000円ぐらいだった?ので興味本位で持っていたが、なんのとりえもない無残な音質で、ベルリンフィルの全集があればゴミかと思っていた。
が、なんとこれがイキイキと鳴ったので驚いた。

若きカラヤンがフルトヴェングラーの死の前後あたりに録音しており、なぜ帝王交代できたかがわかるような、新しい時代の演奏だ。
スタイリッシュでバランスが良くて、スムーズに流れていく。後年のクセっぽさも少ない。
これを聴くとフルトヴェングラーの録音はぶきっちょで音も悪く、レコードとしては完成度が低いと感じられてもおかしくはない。

他には、ビートルズモノ。これもそれらしく鳴る。
おそらく、現代ハイエンドスピーカーより合っている。
リヒターのマタイ受難曲は、モノではないが、いつになく胸に迫る。
こうなると、パワーアンプはファーストワットのJ2で、真空管アンプに最も近いものといえるが、しょせん真空管アンプではないので、真空管で鳴らしたくなる。
オリタアンプは残念ながら壊れてしまったが、手元にあれば使っていただろう。

タンノイにも似ているが、ペーパーコーンの質が近いのだろう。
ラバープラグの影響か、中低域に独特の渋い艶があって、懐かしいような古典的な味を出している。
10センチと較べると、空気を動かす量が多いというか、クラシックコンサートに近づく気がする。フルレンジは、このあたりがよいバランスなのでは。

スペックだけ見るとフォスのFEという感じだが、音は全然違い、高域の張り出しはない。クラッセプリのイコライザー機能が不要になってしまった。
かつて税抜きペア8万円の138ES-Rとか10万円のMG130HRとかを鳴らしていたキャビネットだが、まさに、ハイエンド8Nの極太ケーブルと、ウエスタンエレクトリックの素朴なケーブルとの違いといえるだろう。
また、長岡系の音というより海外の音になった。

トップバッターでもっとも安価だが、高域の落ち方(スーパーツィーターの活躍)と、古いクラシックが胸に迫る感じでいうと、最後に残すのはこれになる可能性も十分に感じる。

欠点は、中低域がホワッとするというか、湿った感じになる。
これはユニットではなく、のっぺりした長身キャビネットの音というのと、取り付けが甘いということがある。
アルミリングをガッチリ取り付けるようナットやレンチを準備しているが、これでキャビとどれぐらい絶縁できるかが死活問題になる。


5 3


コメント

mixiユーザー2019年04月08日 19:41

オーダックスというと、SpendorのSA-1を思い出します。
当時、SpendorのBCUに憧れて、BBCモニター系の製品をいろいろ聴き比べていました。

さすがにBCUともなると価格も一流で学生にはなかなか手が出ません。
その点、SA-1は小型2ウェイで価格も安く、音が良ければ候補の一つとなりえます。
小型では、有名なLS3/5Aをはじめ、Jim RogersのJR-149、B&WのDM-4Uなどがライバルでした。

それらのライバルがKEFやCelestionのユニットを使っていたのに対し、SA-1はオーダックスのユニットを使っていました。

音を聴くと、SA-1だけがBBCモニター系とは違う感触の少し張り出してくる音に聴こえたために私の選択から外れました。これがオーダックスの特徴だったのかもしれません。

結局コストなどを考えてDM-4Uを買い込むことになりましたが、音だけでいうとLS3/5Aが最も気に入りました。


mixiユーザー2019年04月08日 20:15

> mixiユーザー 

なるほど、ブリティッシュな格調高い節度とは違う感じがしますね。
帯域バランスは違いますが、長岡系の軽く飛び出してくるところはあるかなと。スワンのマトリックスサラウンドを付け加えましたが、キャラクター的に違和感ありませんでした。

mixiユーザー2019年04月09日 01:00
> mixiユーザー 

安い、速い、と、フランスの長岡鉄男だったのかもしれません。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971047789

7. 中川隆[-10993] koaQ7Jey 2019年10月09日 15:56:25 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1841] 報告

AUDAX|マロニエオーディオ
http://www.maronieaudio.com/item/spdrv/audax.html

保証期間 1年間(メーカー規定範囲のみ)


AUDAXウーハは種類は少ないのですがとても優秀なウーハー群です。

 

使ったことがないから使わない方が多いようですが、

とても音質も良く、音の正確さ、切れの良い低音、レンジも充分です。

 

とにかく価格が安いです。

 

鈍い低音が苦手な人には向いています。


能率が良いので、有名高価低能率ユニットとは違う面白さがあるウーハです。

こういうユニットはもっと評価されるべきです。

 

Tweeterも種類は少ないのですが価格も安く良い製品です。

 

どうしても高域が30KHzでないから・・とスペックで使わない方が多いのですが、音も良く優秀な製品です。

 

お勧めです。

AM21LB25ALBC 8インチ Paper Cone Full Range

http://www.audax.com/archives/AM21LB25ALBC.pdf

17LB25ALBC 6.5インチ Paper Cone Full Range

http://www.audax.com/archives/17LB25ALBC.pdf


13LB25AL

(5inch FullRange PaperCone withPhase Plug)



The onepiece coneand surroundhas a livelysound withhighsensitivity. •One piece paper cone and corrugated surround
•Rubber phase plug
•Ventilated raised nomex spider
•Copper Clad Aluminum voice coil wire CCAW
•Zomak die cast chassis
•High 96 dB sensitivity
•8 ohm nominal impedance
•Made in France

フレームは堅固、高能率、高情報量、音は柔らかく、温かい、女性ボーカルはとても良いです。

クラッシック、ジャズに良いドライバーです。

バスレフ、ダブルバスレフ、バックロードホーンスピーカーなどにお薦めです。

EMS LB6に音質は似ています。

高域はスペック以上に伸びています。

AUDAX 3inchフルレンジドラスバーは秀逸でしたが、この5inchも低音をあまり欲張らず中域から高域の音質がとても良いです。

低出力真空管アンプにお薦めです。

価格も安くお薦め5インチフルレンジドライバーです。

PR240Z0 Aerogel ConeProfessional 10inch Woofer

PR240Z0


1、Zamak die cast chassis

2、Aerogel coated paper cone
3、Rubber suspension
4、Vented pole piece
5、Edge wound flat copperwire
6、Fiberglass reinforcedKapton voice coil former(48mm)
7、Gold plated terminals
8、90dB efficiency
9、Made in France


PR240Z0data


4" Aerogel Midrange Driver



High density aerogel cone with impregnated Carbon / kevlarfibers for a light and stiff cone. Precise and detailed butretaining a neutral tonal balance.


Exceptional midrange driver.


HM130Z10

AAC Aerogel5.25" Mid/Bass


PR125T1

Horn Tweeter



RW034X0 Replacement Voice Coil for Audax TW034X0 tweeter.


PR240M0

Professional Line 10" Woofer

• Zamak die cast chassis
• Ribbed paper cone
• Foam suspension
• Flat copper wire
• Kapton voice coil former (48mm)
• Gold plated terminals

 

HM210Z10

8" Aerogel Coated Paper Cone Midrange

• Aerogel Coated Paper Cone
• Cast Frame
• Phase Plug
• Ventilated Spider
• Cloth Accordian Surround
• 97.5 dB Sensitivity


PR330M0

13" Professional Woofer

Audax PR330M0 13" Professional Woofer

https://www.madisound.com/store/images/Image/PR330M0-front.jpg

https://www.madisound.com/store/images/Image/PR330M0-side.jpg

https://www.madisound.com/store/images/Image/PR330M0-Mech1.jpg

https://www.madisound.com/store/images/Image/PR330M0-Mech2.jpg

https://www.madisound.com/store/images/Image/PR330M0-specs.jpg

• 98dB Efficiency
• Heat sink design
• Vented pole piece
• Zamak die cast chassis
• Ribbed paper cone
• Foam suspension
• Flat copper wire
• Kapton voice coil former (48mm)
• Gold plated binding posts

 

This 13" woofer offers Hi-Fi quality along with Professionalcharacteristics. High efficiency (98dB). Large magnet with avented pole piece. High heat dissipation. Heatsink designedZamak chassis. The flat copper copper wire voice coil is woundonto a fiberglass reinforced Kapton former for exceptional powerhandling (150W). Idally suited for strong bass response down to40Hz using a C4 alignment.

HM210C0

8" Carbon Fiber Woofer

Designed for highend systems, thesedrivers utilize avery stiff andlightweight wovencarbon fiber cone.The use of thismaterial results indynamic bassresponse, superbmidrange clarity andan extremely naturaltop end roll off.Unobstructed ventingof the Zamak diecast chassis, plusthe use of a ventedpole piece,contributes to thedramatic transientresponse. Otherfeatures include ahigh compliancerubber suspension,soft polymer dustcap, edgewoundcopper voice coil ona fiberglassreinforced Kaptonformer, and goldplated terminals.This 8" unit takesfull advantage ofthe carbon fibermaterial providingflat response, anddeep, tight bass.

• Powerhandling: 70wattsRMS/100watts max
• Voice coildiameter:1-1/2"
• Voice coilinductance:.42 mH
• Impedance: 8ohms
• DCresistance:6.5 ohms
• Frequencyresponse:31-5,500 Hz
• Magnetweight: 20oz.
• Fs: 31 Hz
• SPL: 90 dB1W/1m
• Vas: 2.93cu. ft.
• Qms: 5.17
• Qes: .42
• Qts: .39
• Xmax: 4.15mm
• Net weight:4.6 lbs.
• Dimensions:OverallDiameter:8-1/4",CutoutDiameter:7-5/16",MountingDepth:3-7/8",MagnetDiameter:3-7/8",MagnetHeight:1-3/8".



HM170C0

6.5" CarbonFiber Woofer


Designed forhigh endsystems, thisdriver utilizesa very stiff andlightweightwoven carbonfiber cone. Theuse of thismaterial resultsin dynamic bassresponse, superbmidrange clarityand an extremelynatural top endroll off.Unobstructedventing of theZamak die castchassis, plusthe use of avented polepiece,contributes tothe dramatictransientresponse. Otherfeatures includea highcompliancerubbersuspension, softpolymer dustcap, edgewoundcopper voicecoil on afiberglassreinforcedKapton former,and gold platedterminals. TheHM170CO providesa very naturalmidrange qualityand excellentoff-axisperformance.


Specifications:

• Powerhandling: 60watts RMS/85watts max
• Voice coildiameter:1-1/8"
• Voice coilinductance:.24 mH
• Impedance: 8ohms
• DCresistance:6.3 ohms
• Frequencyresponse:42-6,500 Hz
• Magnetweight: 20oz.
• Fs: 42 Hz
• SPL: 90 dB1W/1m
• Vas: 1.08cu. ft.
• Qms: 4.16
• Qes: .35
• Qts: .32
• Xmax:.3.0mm
• Net weight:3.75 lbs.
• Dimensions:OverallDiameter:6-1/2",CutoutDiameter:5-3/4",MountingDepth:3-1/4",MagnetDiameter:3-7/8",MagnetHeight:1-1/8".


 

HM170Z18

6.5"Aerogel Coated PaperCone Woofer

§ AerogelCoatedPaperCone

§ Phaseplug

§ Diecastchassis

§ Highlossrubbersurround

§ Hightemperaturevoicecoil

§ Frequencyresponse40Hzto3kHz

Nominalimpedance8ohm
Resonancefrequency38.9Hz
PowerHandling60W
Sensitivity(2.83V/1m)89.3dB

Re5.7ohm
Le0.72mH
X-max3.25mmpeak
Qms4.07
Qes0.38
Qts0.34
Vas35.39liters
VCdiameter30mm
VClength12.5mm
VCformerKapton
VClayers1
ForceFactor6.58NA
MovingMass11.71g
TotalMass1.3kg

SuggestedBox:
0.5cubicfootventedboxwith2"portby5.25"longforanF3of60Hz.

 


HM100C0

4" Carbon Fiber Cone Woofer


Woven Carbon Fiber cone
Non resonant die castchassis
Ventilated spider and largevented pole piece
High loss, high complianceinverted rubber surround
Edgewound voice coil, flatcopper wire

Frequency range 115Hz to8kHz
Nominal Impedance 8 ohm
Fs 54Hz
Power 40 Watts
Sensitivity 89dB
VC diameter 25mm
Re 7.7 ohm
BL 6.96
X-max 1.8mm
Cms 1.74 mm/N
Qms 3.27
Qes 0.22
Qts 0.21
Mms 5.1g
Vas 6.4 liters


110mm square with roundedcorners (126.2mm diameter)
Cutout diamter 94mm
Depth 57mm
Bolt hole circle diameter113.6mm with 5.5mm holes (4holes)
Flange thickness 6mm
Magnet diameter 85.8mm
Positive terminal 2.8mm
Negative terminal 4.8mm

TW025A28

Gold Dome Tweeter


§ 25 mm Gold Plated Dome Tweeter

§ Neodymium magnet with heat sinks

§ Solid aluminum face plate

§ Curve 2.83V @ 0.5 m

§ F0: 1017.24 Hz

§ DCR: 5.69 ohm

§ Znom: 6.56 ohm

§ @ Fnom: 5000 Hz

§ Qm: 2.97

§ Qe: 0.73

§ Qt: 0.59

§ Zmax: 28.93 ohm

Flange 100 mm
Cut-out 76 mm
Depth 32 mm


PR170M0
6.5" Midrange

6.5" High Efficiency Paper Cone Midrangewith treated flat foam surround
100dB efficiency
Ultra stiff die cast chassis
40mm voice coil diameter
Flat aluminum wire on fiberglass former
100 Watt power handling
Recommended frequency 500Hz to 8kHz

This midrange driver has been specificallydesigned for high quality professional soundreinforcement systems.

Its efficiency and power handling capacityare exceptional for a direct radiationtransducer in its category.

The flat foam suspension is coated with acisco-elastic compund in order to minimizethe standing waves and cone break up.

It is ideally suited to cover the frequencyrange from 500Hz to 8kHz.

This driver is recognized worldwide as thereference in prestigous professionalapplications.


Impedance 8 ohm
Resonance 117Hz
Power 100W
Sensitivity 100dB
Re 6.2 ohm
Le 0.73mH
BL 8.24
X-max 0.5mm
Cms 0.2 mm/N
Qms 3.16
Qes 0.61
Qts 0.51
Mms 9.17g
Sd 139 cm2
Vas 5.52 liters
Magnet weight 31 oz
Speaker weight 5.5 lbs

Outside diameter 190mm
Cutout diameter 145mm
Depth 76mm
Flange thickness 8mm
Bolt hole circle diameter 171.8mm (4 holes @5.2mm)
Magnet diameter 124.6mm
Positive terminal 2.8mm
Negative terminal 4.8mm

100dBプロ用のミッドレンジ


AUDAXが廃業した時このドライバーだけは製造継続し残してほしい!
スタジオエンジニアからの依頼が多くよせられた傑作ミッドです。 

 

日本ではマニアしか知らないのが残念です。

 

価格も安いし多くの人に使ってほしいミッドレンジウーハーです。

5.25インチ Carbon Fiber Cone Woofer


ハイグレードシリーズ(カーボンコーン)ウーファーの

復刻版として製造販売されました。
Specifications

端子 24金メッキ
Zamak die cast frame
Sensitivity 90dB
Nominal Impedance 8 ohm
Resonance Frequency (Fs) 46 Hz
Nominal Power 50W
Voice Coil Diameter 25mm
X-Max (peak) 3mm

Re 6.2 ohm

Le 0.39 mH

Cms 1.78 mm/N

Qms 3.60

Qes 0.34

Qts 0.31

Mms 6.9 g

Sd 85 cm2

Vas 18.1 liters

BL 5.97 N/A
Magnet weight 0.345 kg
Frame 136mm square Frame
152mm diameter at rounded corners
Cut out 116mm Depth 65mm


ユニット保障期間 1年(製造上が原因のトラブルのみ)

made in France
 


TW025A20

1"Titanium dome tweeter



 


Titanium dome tweeter

Neodymium magnet with heat sink

Textured and contoured metal face plate

Soft roll surround


Resonance frequency: 1137 Hz ~20kHz
Impedance: 8 ohm
Re: 5.5 ohm
Sensitivity: 93dB

Dimensions:

Flange diameter: 100mm (3.93")
Cut out diamter: 72mm (2.83")
Depth: 30mm (1.18")


TW034X0

34mm (1.3") textile dome tweeter



 


Aluminum face plate
Replaceable voice coil (RW034X0)
High power handling
High Efficiency

8 ohm
93 dB
Fs 800Hz
Re 5.3 ohm
34mm diamter voice coil
70 Watt

Flange diameter 132mm (5.2")
Cut out diameter 106mm (4.17")
Depth 29mm (1.14")


Made by AAC of France
 

隠れた名機です。

クロスを1.5KHzくらいで使ってみてください。

テキスタイルドームのイメージが変わると思います。


クラシックより、ジャズ向きのTweeterです。

AUDAX のTweeterではTW025A281 inch Gold Dome Tweeter

がオールマイティーです。

 


購入されたS様からのメールです。


私がAUDAX社「TW034X0」にこだわるのは、その音質です。 


あまり知られてはいない様ですが、Rey Audio (キノシタ・モニ
ター)のKM−1V(添付写真)のトゥイーターがこれを使用していま
す。
KM−1Vでは、黒いフランジの上に、木目の化粧板を施してあります
が、この化粧板を取り除くとまったく同じ物です。

私はすでにTW034X0を一組持っていて、サブの小型システムに使用しています。

K M−1Vと同様にクロスオーバー1500Hzで使用していますが、私
のメイン・システムのTAD 4001 ホーンシステムに匹敵するクォ
リティを「1.3 inch シルク・ドーム」で実現しているのは驚くべきです。


世界中の数あるユニットの中から、音質にこだわってキノシタ・モニ
ターに採用された理由が分かります。


これを聴く以前は、私は「シルク・ドーム」など全くバカにしていまし
たが、チタンとかベリリウムなどの材料スペックだけに踊らされて満足
していたことを反省しました。

以上、何かの参考になれば幸いです。


ScanSpeak ベリリウムドームツゥイターはAUDAX TW0340より情報量も多く音質は滑らかで遥かに良いです。上記の文章には該当しないと思います。

TADのベリリウムツゥイターはとても音がきついです。

TW025A26

1" Textile Dome Tweeter


1" Textile dome
Optimized metal face plate for linearfrequency response Doubleneodymium magnet for higher efficiency
Rear heat sink/chamber on magnet forimproved power handling and reduced domereflections


Impedance 8 ohm
Resonance frequency (fs) 1126 Hz
Sensitivity (1W/1m) 94dB
Power handling 100W

Re 6.11 ohm
Qms 1.52
Qes 0.54
Qts 0.40

Flange diameter 100mm (3.93")
Cut out diameter 72mm (2.85") (plusnotches for terminals)
Depth 31.2mm (1.25")


販売価格はお問い合わせてください。

http://www.maronieaudio.com/item/spdrv/audax.html

8. 中川隆[-10992] koaQ7Jey 2019年10月09日 16:00:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1842] 報告

Audax - スピーカー自作・フルレンジ・キット・パーツのミクセルインターネットショップ
http://mx-spk.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=1298325

Audax TW025A0 ソフトドームツィーター
5,080円(税込)
カテナリー曲線を採用したAudaxのソフトドームツィーターです。



Audax PR125T1 ホーンドームツィーター
8,400円(税込)
ショートホーンを装備した96dBの高能率設計のソフトドームツィーターです。



Audax 13LB25AL 13cmフルレンジ
18,300円(税込)


Audax 17LB25ALBC 17cmフルレンジ
21,700円(税込)



Audax PR240M0 高能率25cmプロフェッショナルウーファー
25,700円(税込)
高能率95dBの25cmウーファー



Audax TW034X0 ソフトドームツィーター(ペア)
27,960円(税込)
34mmの大きなボイスコイルを採用したソフトドームツィーターです。



Audax TW025A28 ゴールドプレート・ドームツィーター(ペア)
37,300円(税込)
ゴールドプレート・チタニウム製のドーム



Audax AM21LB25ALBC 20cmフルレンジ
45,700円(税込)

http://mx-spk.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=1298325&sort=p

9. 中川隆[-10991] koaQ7Jey 2019年10月09日 16:04:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1843] 報告

ヤフオク! -「audax」(スピーカー) (オーディオ機器)の落札相場・落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch?auccat=23812&tab_ex=commerce&ei=utf-8&aq=-1&oq=&sc_i=&exflg=&p=audax&x=35&y=23
10. 中川隆[-14386] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:00:22 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1300] 報告
8 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/09/14(木) 01:12

ハーベス HL-Compact の初代は、フランスのAUDAXのユニットだった。

AUDAX がHarmanの傘下にはいって、Harbeth用のユニットを供給してくれなくなってから、ユニットの選択がかわったね。

100 名前: ちさと 投稿日: 2001/08/16(木) 17:27

ハ-べスはHLモニターが一番いいのさ。
2代目より初代設計者のが一番色艶があった。2代目も最初のころの製品は頑張ってるが、最近は魅力半減です。設計者として、独り立ちできなかったのだなあ。残念。

ショウの作品とハーウッドのとを聞き比べればよくわかるはずだが。

128 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 01/09/15 23:17

HL-Compactが生産中止になったのはツィーターが生産中止になったため
作りたくても作れなくなったから、

後継機のCompact7ではあの魅力的な中高域が変わってしまっていた、そのあたりからあの会社の名前は聞かなくなったな

子供のころ店で聞いた、ハーベスの異彩を放った美音に感激したときから、いつかは買ってやろうと思って、高校生でバイト代をためて買ったのが、HL−4でした。ですから、はじめに聞いたのは、Mk3以前のモデルだと思います。

私が特異体質なせいか、素晴らしい音からは、本当ににおいが感じられるんです。いや素晴らしくなくても、感じることがあるのですが、ハーベスを聞いて、初めてそのことに気づいたのでした。素晴らしく良い花の香り、それもちょっときつめのゆり系の花粉のにおいも混じった、薫風が、このスピーカーの音から初めて感じられた時は、正直びっくりしました。

ただ、他では全く感じられなかった経験だったので、感激するとともに、「これだ!」と、文句なく、心に決めていました。
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/pav/1185054185/  

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 07:16:24 ID:gbNp/kwW

初代の HLコンパクトをショップできいたことがあります。

ほんとにいいセッティングでじっくりと。もう15年くらい前なのかな・・・
お金もないのにアポジー、K2、タンノイ、トーレンス、レビンソン、クレル、球アンプ、スチューダー・・・

雑誌でしか見たことがないものを半日かけて聞かせてもらった良い思い出があります。

100万とかのSPも聞きましたが、なぜか一番気に入ったのはHLコンパクトでした。
50年代のジャズボーカルもののレコードを聞きました。トーレンスのプレーヤーとアンプは・・・なんだったんだろう?

目の前に3Dのようにステージが出来上がり感動しました。 私の安システム PM-80、DP-7010、自作スワンでこんなホログラムのような立体感は聞いたことがなく・・・・

買うならこれが良いなと思いながらも、学生の私に手は出ませんでした。
現在生産品で当時のHLコンパクトに近い雰囲気のSP(ハーベスに限らず)ないでしょうか?

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:41:11 ID:C/CNK8uI

ハーベスにはないね残念ながら...。

126 :123:2007/09/30(日) 06:33:49 ID:jovtb4bj
>124
そうですか・・・ 現行品は初代とは別物って言うのは本当なんですね。

オーディオは一切やめていました。初代HLコンパクトで聞いた音が再現できず、中途半端な音を聞くとひどくガッカリしてしまったからです。 当時、ショップで聞いたシステムがあまりに高額だったため(SP以外で100万を軽く越えていました。)

とてもこんなシステムは組めないと諦めたのです。 部屋も6畳一間のアパートなんかではとてもあの豊かな音場は鳴らせないと・・・
ここにいる皆さんなら気持ちがわかっていただけるのではないかと思いますが、一度、すばらしい音を聞いてしまうと、もうそれ以下では満足できないんですよね。

だから中途半端なものを持つのはやめて、スッパリ、オーディオを忘れていました。 それから時は流れて、自分も家を持つ余裕ができ、HLコンパクトのことを思い出したというわけです。

でもそれはもう手に入らないようですね。綺麗な思い出としてとっておきます。


________

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/24(火) 11:57:53 ID:MzZVE+sQ

厳選木材を十分枯れさせた板を使えば、綺麗に箱を鳴らすことができると思いますがそれも簡単な事ではないでしょう。コストもかかります。 また温度湿度や個体差等のクオリティー・コントロール上も問題がのこります。

それが、箱を鳴らすスピーカーが昔に比べ減ってきた原因だと思います。 宣伝文句も都合に合わせ「忠実なトランスデューサー」を前面に「正確な音」を売り物に今までの「楽器のようなSP」はソースにない音が出ますが、それを「ノイズ」扱いしたり

初期のハーベスは薄い合板を使用し箱を鳴らしていますが適度にダンプしています。

この「適度のダンプ」がハーベスの命。私はHL-Compact、HL-5が傑作だと思っています。(多くの人に受け入れられるの意)
それ以前は鳴らしすぎで古いジャズ位は聞けたがロックやフュージョンは無理。
構造も前面バッフルがネジ止めに変更されTWもハードドームに。(アランの提案でしょうか?)

でも「適度のダンプ」は伝統の延長でした。
それ以降はアラン独自の「適度のダンプ」で低迷期を迎えた。

音だけに限ると、HL-Compact と HL-Compact7 は全く共通点のない別物にしか聞こえません。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 16:39:52 ID:aYjXzOHm

HL-Compact7が悪いと言ってるわけじゃないよ。 普通のスピーカーだよ

皆が期待していた音と大きく違った。

何の理由で路線変更???
案の定売れなかった 初代の10分の1も売れてないだろう

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 17:24:49 ID:yKnU0z8N

無印から7と使ってるけど、7もいいよ。
無印の方が味わい深く何にも変えられない魅力があるけど(癖強い)、聞けるジャンル結構限定されません?
7だとより幅広いジャンル聞けるようになるよ。

どっちがいいって言われてたら、個性豊かな無印、味わい弱まったけど幅広く聞ける7。


どっちもどっちで箱を鳴らして心地いいの両方変わらない。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 17:45:11 ID:aYjXzOHm

HL-Compact はある意味麻薬みたいなもの、長年こればっかり聴いてると他のスピーカーの音が味気なく感じてしまう恐れがある。

HL-Compact7 よりもHL-K6のほうが HL-Compact との共通点を感じられると思う。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 19:13:43 ID:V5EJC0ER

どこのメーカーも、新型になるほど味が薄くなる。
変換器としては、それでよいけど、、。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 19:35:46 ID:D6QoF4jN

初代以外も良いとは思うんだが
いかんせん。 俺は初代コンパクトが好きだ。 この「好き」というのは 説明しにくいし どうしようもない。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:50:04 ID:qZCPxzGj

現行品のES3 ってそんなにひどいの?

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:53:23 ID:4aa8xlwQ

初代のイメージとはかけ離れているだけ
「悪い」とか「ひどい」ではなく、確実に性能的には優れているが...。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:28:04 ID:2LL6Zllr

古えのブリティッシュサウンドを期待すると裏切られるという意味でしょ。
ダドリー・ハーウッド引退後のHLコンパクトES以降レスポンスのよさという点では格段に進歩してきている。

そのぶんある種のノスタルジックな味わいは失われた。

267 名前: MONMON 投稿日: 01/11/04 01:12

私はそれなりに調整されたHLコンパクトとHL5、同時試聴したことがありますが、その時は「勝負あった」という感じでした。今考えれば、HL5の方が調整に面倒があるので その分の差が出たということもあるのでしょうが、HLコンパクトの方がずっと「濃い」音色でなっていました。

調整云々という問題を抜きにして今までに耳にした両者の音の体験だけを比較すればHLコンパクトの方が強烈でした。

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/09/14(木) 01:12

昔は、フランスのAUDAXのユニットだった。

AUDAXがHarmanの傘下にはいって、Harbeth用のユニットを供給してくれなくなってから、ユニットの選択がかわったね。

11. 中川隆[-14385] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:02:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1299] 報告
550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:04
雲丹音のページ見たら、5やコムパクトはケフのユニット採用って
書いて歩けど、ホント?


552 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:15

HLコンパクトのツイーターはオーダックス製だったのでは?

ステサンの工場訪問でアラン・ショーが「バラツキが多いけど音はイイ」と書いてあったと記憶しています。
ハーベスでツイーターを測定して、特性の揃ったユニットをペアにして出荷している。


553 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/02 20:58

じゃあ、下がケフ製という事かな?
それにしても、わざわざケフ製と注記するという事は、ケフにステータスを認めているのか?>雲丹音


560 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/07 11:39

以前、Harbeth用のユニットを供給していたAUDAXが、Harman傘下にはいり、Harbeth用の特注ユニットの供給がストップになった。

それ以後、あのメーカーの迷走が始まったような気がする…

最近の3WAYモニターなんて、代理店のノアの人すら、顔をしかめていたからな。
素性が良かっただけに残念。


572 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/17 19:58

>Harbeth用の特注ユニットの
>供給がストップになった。

ということは、今出ている、HL-COMPACT7SE2は、以前のHL-COMPACT7とは、別の音がするのでしょうか?


573 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/12/17 20:30

オーダックスが作っていたのはコンパクト用のユニット
コンパクト7用ではないよ
http://hifi.denpark.net/967994722.html

逸品館は日本国内で、Herbeth HL-Compact と HL-5 を最も多く販売した販売店の一つです。

価格で上回る他メーカーの上級モデルを圧倒するほどの HARBETH の開放的で楽しい鳴り方をとても魅力的に感じたからです。

当時の国産代表 HiFi スピーカー DIATONE では「静的に躍動しない音」が特徴の HiFi 的なテイストでした。それと対照的な HARBETH HL-5 と HL-Compact の動的で明るいテイストで音楽を聞くと「心がワクワクしたこと」を今もハッキリ覚えています。

「オーディオは価格じゃない」と気づかせてくれたスピーカー、そして当時まだ本格的にオーディオの良さに目覚めていなかった私の目を開き、逸品館を「セレクト・オーディオショップ」としてスタートさせる決心をさせてくれたのが HARABETH なのです。

しかし、HARBETH の創設者であり初代からの設計者であった「ハーウッド氏」がお亡くなりになり、設計が後継者の「アラン・ショウ」に完全に移行して発売された HL-Compact の後継機、HL-Compact7 の音を聞いたとき私は愕然としました。

あの明るく楽しい HARABETH が全く違うテイストの暗く重い音に変わっていたからです。

明るい音から暗い音へ180度の変身を遂げた HL-Compact7 を前にして、私は途方に暮れました。

逸品館が大セールスを記録した HL-Compact の後継として当然注目が集まり、当然注文も殺到する HL-Compact7 ですが、私はそれを HL-Compact の後継モデルに相応しいテイストと認めたくなかったからです。

その判断が正しいのかどうかは今も分かりませんが、カラリと明るく元気な音が HARBETH のテイストだと決めていた私はビジネスチャンスを捨てても HARBETH HL Compact7 とそれ以降の HARBETH 製品を販売することはありませんでした。

それから 20年近くの年月が流れ、久しぶりに試聴した HARBETH の最新モデル「Monitor20.1」を聞いた時、私は再び大きな驚きを感じました。20.1から出た音は、私が切望していたHARBETHの音だったからです。

しかし、同時に聞いた Monitor30.1(チェリー仕上げ)は、私が受け入れられない暗いテイストの音だったのです。どっちが本当の HARBETH なのか?

あるいは、HARBETH は 2重人格なのか?

未だに途方に暮れています。ジキルとハイドと言っても言い過ぎではないほど、モデルによってまったく異なるテイストを持つのが今の HARBETH です。

テイストの異なるモデルをお聞きになると戸惑いを感じられるかも知れません。同じ音楽を表と裏のように描き分ける HARABETH をお選びになるときは必ず、ご自身の耳でそのテイストをしっかりと確認して欲しいと願います。
http://www.ippinkan.com/SP/herbath_page1.htm

12. 中川隆[-14384] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:05:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1298] 報告

ハーベス (Harbeth)
http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/harbeth.html

Harbeth Monitor HL 1980
Audax HD12D25-8 tweeter

 ツイーターがまた素晴らしく、色々な1インチドーム型を聞いたなか、適度な湿り気と透明さがあったメリネックス製のKEF−T27(LS3/5aに使われたもの)も良かったですが、倍音が繊細で自然な艶が美しいHD12は今もって最高のユニットだと思いま す。


 BBC Monitor LS3/7 オーダックスの優れたツイータ、HD12が用いられた BBC のスタジオ・モニター。ハーベス・モニターHLは一般市場に 売り出されたものだが、BBC に納入されたものとして、モニターHLのルーツの一つだと言えるかもしれない。

1977年、BBCモニタースピーカーの開発技術者だったダッドリー・ハーウッドが引退後に立ち上げたブランドで、日本には モニターHLがタイプV以降のモデルになって入ってきました。

タイプW はウィーン・アコース ティックにも使われた透明のXPPと同じ系統の材料TPX材を着色した黒いコーンのウーファーで、ポリプロピレ ンに材料が移行したときの仕掛け人であるダッドリーがやはり開発に関わっていたものです。私が持っているのは最初に入ってきたタイプVの方で、 これはBBCモニターのLS5/8や5/9と同じく、ベクストレンに代わって導入された乳白色のポリプロピレン です。

エッジはゴム製のものが使われています。ツイーターはフランスのオーダックス HD12D25−8(手元の個体はHD12×9D25と印字)という1インチのシルクドームでした。他にも ハーベスはより小型のモニターである MLも出していました が、日本には恐らく入ってないのではないでしょうか。

 ハーベスモニターHLは私が聞いたイギリスのダイナミック型スピーカーシステムの中では最も気に入ったものです。

BBCの似たような構造のモニタースピーカー とは違い、のびのびした躍動感がありながらナチュラルな響きで、高域も繊細に伸びています。やや中域の張った独 特のバランスで明るく感じますが、特定周波数に音圧の凹凸があるわけではなさそうです。

一方で耳に痛いキンキンした帯域とその上のチンチラしたところ(4KHz以上7KHz以下)はフラットで嫌な癖がなく、さらにその上の 倍音成分を再現する帯域、細かな音の輪郭に影響する帯域はしっかりと出ています。BBCは伝統的に男性アナウンサーの声で音合わ せをしてきたのだそうですが、このスピーカーの音は生の弦楽器やその合奏の音色を知っている人の微妙な調節 によるのだと思えてきます。色づけを感じさせないながら、これほど音色の整えられたものはあまり聞いたことがあ りません。


BBC Monitor LS5/5

ハーベス社のダットリー・ ハーウッドが BBC 在籍時代に完成させたスタジオ・モニタースピーカー。紙に代わって樹脂のベ クストレンが振動板材料として用いられた。ツイーターは初代のモ ニタースピーカーである LS5/1と同じで、セレッションの HF1300。

 音色の善し悪しは各部の材質よりも作 り方に起因するのだと思いますが、とり あえずウーファーのコーン材料であるポリプロピレンは良いもののようです。

ポリプロピレンはダッドリー・ハーウッドと、彼 の下で働いていて後にチャートウェル社を興したデイヴィッド・ステッビングスがベクストレンに代わって着目した材料です。

同じマグネットで同じフレーム・バスケットに入ったベクストレンと比べてみたこともあるのですが、紙やベクストレンのコーンに比べて適度に歯切れがよくて透明な明るさを感じさせます。

LF8MKVというこのユニットのフレームはアル ミダイキャスト製で、 メイド・イン・イングランドながらロジャースの制作メーカーであるスイストーンのロゴが見えます。

ここではその 20センチのウーファーが十分な大きさのバスレフの箱に入れられていますが、実際、20セ ンチ・ウーファーに1インチ・ドームという組合せは2ウェイのシステムで最もバランスが良いのではないでしょうか。

重低音とは行きませんが、50ヘルツまでは フラットに出ているようで、スケール感も十分です。ポリプロピレンはその後チャート ウェルがパテントを譲り渡し、ロジャースを経て日本のメーカーが買ったらしいという話を聞いた後、スピーカー材 料としてはあまり見かけなくなってしまいました。残念なことです。

 
Audax HD12D25-8 tweeter


 ツイーターがまた素晴らしく、色々な1インチドーム型を聞いたなか、適度な湿り気と透明さがあったメリネックス製のKEF−T27(LS3/5aに使われたもの)も良かったですが、倍音が繊細で自然な艶が美しいHD12は今もって最高のユニットだと思いま す。


 BBC Monitor LS3/7 オーダックスの優れたツイータ、HD12が用いられた BBC のスタジオ・モニター。ハーベス・モニターHLは一般市場に 売り出されたものだが、BBC に納入されたものとして、モニターHLのルーツの一つだと言えるかもしれない。

Harbeth monitor HL crossover network


ネットワークもまた良くできてい るようで、調べた人によると、ツイーター側のコイルのコア剤にテープレコーダーのヘッドなどにも使われる大変 お金のかかった材料が用いられているのだそうで、 材料試験に出してそれがわかったという話です。私は確認してないので材料名は伏せておきます が、バラして見るとフェライトのように黒くはないメ タリック・シルバーの薄板をラ ミネートしたコアであり、目に見えないところに色々とこだわりがあるスピーカーのようです。

             schematic diagram

 回路はツイーター側18dB/oct、ウーファ側12dB/oct の組み合わせスロープ逆相接続で、ツイーター側にはレベル調整の抵抗が入っておらず、ウーファ側は極細の線で巻かれた鉄芯入りコイル(写真右上の青いもの ですが、私の測定器ではインダクタンス値が計れませんでした。)を加えた変則のインピーダ ンス上昇補正回路が用いられています。同時期のBBCモニターに用いられたネットワークよりも若干シンプルな回路に見えますが、面白いのはBBC系統には比較的珍しくウーファー側のコイルが空芯であること、また、ツ イーター側の フィルターを構成するコンデンサー3個にそれぞれ別の銘柄が使われていることです。とくに4.4uFの部分は 2.2uFのものが二つ、緑とベージュのITT製フィルムコンデンサーがパラッてあります。こういうことは新生 ハーベスの回路がメタライズド・ポリエステル・タイプによく見かける茶色いキャンディーのようなコンデンサーに すべて統一してあったりするのからすると、なんとも不思議な光景です。音色合わせのためにこうしたのでしょうか。

 キャビネットは薄めの合板で一見安物 に見えるながら、内部に黒いダンプ材が貼付けてあります。東急ハンズなどで売っているオトナシー トに似た外見のベタッとした薄いものです。吸音材はスポンジで、ユニットと端子はハンダ付けされています。音を 聞いて作ったと思われる職人の技が随所に見て取れ ます。

   
  HARBETH HLCompact 7ES-3 2006

 さて、このハーベスですが、HLで言 えばタイプWまで出たところでハーウッド氏は辞めてしまい、弟子のアラン・ショーに引き継がれました。それが現在商売的に成功している新生ハーベスです。その交代直後 のHLコンパクトはツイーターがアルミ系のハードドームに変わったものの、今でも人気があるようです。

ただ、私はこのハードドームに変わって以降のものは音色が好みではなくなってしまいました。

振動板を硬い金属で作ることのメリットは、周波数が高くなったときに分割振動が出ることが防げるということです。不規則 に振動板がたわんで部分的に違う周波数を再生するとな ると、歪みが生じて特定の音色を生み出しやすいですし、球面波の形も崩れてしまいます。

ただ、理論的にはそうであっても、うまく作らないと 金属の振動板は特定の金属的な鳴きの音を混じらせる場合が多いと思います。それを積極的に音として利用する場合と理論通りに排除する場合とがあると思いますが、 布を成形して弾性剤などを塗ったり靱性のあるプラスチックで作ったりするソフトドームは初めから分割振動を利用しつつも鳴きが耳につきにくい性質があり、耳で聞いてナチュラルな音を追求する場合はソフトドームの方 が作りやすいのかもしれません。

振動させないためにアルミ以外にもチタンやベリリウムなどの軽くて強い材料も ハードドームとして作られてきましたが、生楽器の 音を自然にやわらかく伝えるものは少なかった ように思います。それでも現在のモニター 7ES3 はなかなか艶めかしい音を出しているようで、モニター HLと並べて聞いてはいないですが、分割振動を可聴帯域外の高い周波数まで追いやった B&W805S と聞き比べてもよりしっとりしていながら色付けは同様に少なく、評価が高いわけがわかるような気がしました。
http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/harbeth.html

13. 中川隆[-14383] koaQ7Jey 2020年1月18日 12:06:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1297] 報告
My vintage audio 2015年 Audio miniature garden
http://my-vintage.music.coocan.jp/2015.html


今年の抱負は「音の雰囲気を良くすること」にでも置いておくことにしよう。

TANNOY IIILZ のクラシックシステムは、シングルアンプ SV-501SE のコンデンサー交換によって不満のない音色を提供してくれるようになった。今年度は組み合せるトランスと USB-DAC などを吟味して、音のニュアンスを改善させて行きたい。

Harbeth HL-4 は断線したトゥイーターを新品に交換することによって今後の使用に対する不安が払拭されたが、これまでと同等の美音を聴かせてくれるかが問題である。

システムの要となる Marantz7R は既に大半のカップリングを SPRAGUE-BB に交換済みで、バイアス用整流器もセレンに換装している。交換後はまったく音質に不満はなくなったが、残すところはヒーター用セレンの交換ぐらいであろうか。忘れた頃に現れるポップノイズは真空管とソケットの接触あたりが怪しいが、はっきりとした原因がつかめていない。

Harbeth HL-4 の故障によって生き返ったのが HL-COMPACT である。

フットワークの良いキレのある音質はヴォーカルや室内楽などの曲種に良くマッチしているので、以前のオーディオルームで使わなくなった ELEKIT の 300B シングルアンプと組み合せて、新たなシステムを構築しようかとも考えている。そんなこんなで音楽を楽しむために改善する余地が、まだまだ残されているのである。    1/1

■ カムバック


やっと Harbeth HL-4 のトゥイーターが手元に届いた。

フランスのオーダックス社製シルクドームトゥイーターは、なぜかアメリカから海を渡ってやって来た。どちらにしろ注文してから僅か10日ほどでマエストロ・オーディオに着荷するという早業であるが、年末年始の休みの関係で本日やっと取りに行くことが出来た。


左は AUDAX の箱に入ったトゥイーターの画像。

真ん中と右側の画像の左側が元々付いていたオリジナルのトゥイーターで、右側が今回購入した新品である。前面から見るとほとんど違いはないが、背面を見ると接続端子の位置が異なっている。

付け替え作業に入って気が付いたが、この接続端子が異なるせいでうまく装着できないのである。オリジナルのトゥイーターは左右に端子がありバッフルにはこの位置にざぐりが入れてあるが、新品を装着する為には片方のざぐりをノコギリで大きくする必要があった。そんな訳で少し手こずったが、2時間ほどで装着も完了し楽しみにしていた試聴に入る。


見た目は少し塗料の色目が違うようだが、オリジナルと同じ寸法だから違和感なく収まった。なぜか片方の個体のつらがあわずほんの僅かに出っ張りがあるが、細かいことはあまり気にしないことにしよう。

さて肝心の音質の方は当然のことながら聴き始めは新品の硬さが感じられるが、しばらく鳴らしているうちに明るさと美しい輝きが加味されまったく素晴らしい美音に生まれ変わったようである。

交換前はきめ細かく繊細で落ち着いた音質であったが、交換後はその持ち味にフレッシュで生き生きとした生命力が加わったようである。

この音楽性豊かな響きに耳を傾けると、1990年代にベストバイの評価を得て人気を博したアラン・ショーの HL-COMPACT も敵わないのではと感じられる。

ハーウッドが改良に改良を重ねた HL-Mk4 から生み出される音楽性の高さを忘れられずに、発売以来永年に渡って使用されている音楽ファンが日本にどれぐらいいるかは見当もつかないが、トゥイーターが断線故障しても諦めずにオーダックスの新品に交換すれば僅かな出費で再びフレッシュに生き返りますよ。そんな訳で今年の出だしは順風満帆なものとなった。      1/7


オリジナルのオーダックス・シルクドーム・トゥイーターのボイスコイルである。

両側の接続端子から中央のボイスコイルまでリード線が伸びているが、このコイルの根元のところで断線するパターンが多いようである。しかしこのトィーターに関しては根元の部分に問題はなく、結局どこが断線しているのかは分からなかった。また外してみてから疑問に思ったのが接続コードの極性である。ユニットの赤の塗料が縫ってある端子側が+の筈だが、コードは赤ではなくブルーが接続してあったので、逆相接続かもしれない。また画像には残していないがボイスコイル中央ドーム部分の内側にウレタンが挟んであったが、サランネット同様経年変化でボロボロになってどんどん小さくなっていた。

最近鼻づまりが頻繁に起きるようになって、その影響か難聴気味で耳の調子があまりよろしくない。

アナログのリード線の試聴をしていても、以前のように音質の違いがはっきり把握できなくなっている。SPU GOLD と MEISTER の違いがはっきり分からないのはまだましなほうで、古い SPU-GE まで同じように聴こえるのは困りものである。最近音質に不満を感じることが少なくなって来たのはこういったことも影響しているのかもしれない。まあ良い音に聴こえる分にはよろしいのではないでしょうか。  1/10

■ お年玉の真空管

 6BM8/ECL82

今年のお年玉は SV-501SE の初段管である。

オリジナルはロシア製 Svetlana であったが、やはり高域にヒリつきがあったので昨年9月にハンガリー製 TUNGSRAM を調達して聴いていた。その後もオークションなどで音質の良いと言われている MULLARD/TELEFUNKEN などの出品がないかウォッチしていたが、待った甲斐があってやっと年始に待望の英 MULLARD を落札することができた。

オークションでは珍しく競合することもなく出品価格で落札できたので品質に不安があったが、出品者の説明通りともにエッチングコードはブラックバーン工場製造のオリジナルであった。


落ち着いた音質のタングスラムでも特に不満があるわけではなかったが、差し替えるとまさしくムラードならではのふくよかな低音と繊細な高域に満足させられる。プリントは黄色と白で印字内容も若干異なるが、内部構造もッじでまったくお値打ち品を落札することが出来たと満足している。このアンプもコンデンサー交換後50時間超が経過し、増々音質に磨きがかかっている。

Harbeth HL-4 は交換したトゥイーターのエージングも進み、高域がキラリと輝くいぶし銀的な美しい音色に変身している。

交換前のくすんだような音質を考えると、やはり長年の使用で品質が劣化していたのかもしれない。

PCTオーディオのトランスは Kanno に替わり DUKANE/3A55 で落ち着きを見せている。Kanno のナチュラルな抜けの良さも美しいが、中低域重視の厚みと馬力のある DUKANE の音色が気に入ってる。

そんな PCTオーディオの音色は、それぞれのパーツが馴染んで来た効果により無機質なデジタル臭が抜けて、温度感の高い温もりを持った音色に変わって来たように思う。これまでは味気のない理性的に力強く迫力のある音質であったが、その説得力のある音色に感性的な色気が加わって「良い音だなぁ」と感じることも多く、アナログとの差異が更に縮まったような気がする。   1/14

 圧着端子

Harbeth HL-4 のトゥイーターへの接続は、マエストロ・オーディオの谷口さんが揃えてくれた高品位金メッキタイプのファストン端子を使用している。

ファストン端子とは聞いたこともなかったが、主にカー用品などで使用する圧着金具のことである。新規に調達したトゥイーターの+とーの接続端子の大きさが異なるため、今回は中と小の金具を使用している。元々のオリジナルでも金メッキではないが同じような圧着端子を使用しており、今回の端子交換でも特に音色に問題がなかったので、念のためにハンダ付けで仕上げることにした。

もともとハーベスはあらゆる接点をハンダ処理することによって音質の向上を目指しているようだが、実際にこんな端子のハンダ付け一つで音色が変わって来たので、まったく音質を改善するのはこういうことかと納得させられた。

圧着端子を使用しないで直接ハンダ付けを行っても音質が変わりそうだが、今回はオリジナル通りの圧着端子とハンダの使用で万全を期すことにした。    1/21

■ トランス

PCT(パソコン・トランス)オーディオのトランスを Kanno に戻し、ケーブルも QUAD22 用の特注品に交換することにした。

Harbeth HL-4 のトゥイーターを新品に交換してまだまだエージングが足りないのか、少し中高域の音質がもたついて嫌らしい響きを感じ始めた。

トゥイーターが断線する前から新たに調達した DUKANE のトランスに古い SME アーム用ケーブルを使用していたが、理由は分からないが数日前にトゥイーターの圧着端子にハンダ処理を行ってから更にこの傾向が強まったように感じる。

そんな訳でいろいろと組み合せ試聴を行った結果、トランスを以前の Kanno に戻してケーブルも細めのケーブルに交換することにした。

このケーブルは 20年ほど前に RCA端子の短い QUAD22用にオーディオ専門店で特注で作ってもらったものだが、こちらの組み合わせの方が中高域がクリアに広がっていやらしさのない聴きやすいものとなった。DUKANE は帯域を変に欲張らずに中域重視の密度の高い迫力のある音質が利点となるが、今回は高域方向に自然な伸びを見せる Kanno のナチュラルな音質で違和感を払拭することが出来た。   1/23

■ サブシステム

Harbeth HL-COMPACT を使わずに眠らしておくのはもったいないので、以前使っていた6畳間にサブシステムを構築した。

ソースはアナログの EMPIRE598 と光学系固定方式メカの SONY CDP-XA5ES、アンプはELEKIT TU-875 と TU-873LE を組み合わせることにした。

また CDP には DUKANE のトランスをかませて音質の改善を図っている。

最初にCDを掛けて慣らし運転を行いながら音質を確認するが、プリアンプの TU-875の調子が悪くしばらくするとまともに音が鳴らなくなった。これまでEMPIRE598のフォノイコとして使っていた時にもフォノ段の真空管が点いたり消えたりするという同じ症状で、昨年ハンダ修正などの修理を行ったがやはり完全に直った訳ではなかったようだ。

再度分解してハンダなどの点検を行うが、今度は真空管の明滅はなくなったが音が出なくなった。そんな訳で少し音質には潤いに欠けるが、CDP から直接 TU-873LE に接続してCDだけを楽しむことにしている。


メインのシステムには約40年前の学生時代に購入した Pioneerのチューナーを復活させた。

各部屋に分配されているケーブルTVの信号にはFM放送の信号も一緒に流れているのでそちらを活用することにしたが、直づけでは受信状態が悪くノイズが混じるのでTV用のブースターをかませて信号を増幅している。久しぶりに聴くFM放送の音質は、チューナーが何十年も使用されていなかったせいなのか元々の性能なのかは判断できないが、やはり潤いがなく少し痩せ気味の音質である。焦らないでしばらく通電しながら気長に使ってみることにしよう。   2/6


■ 早春の候

以前のように音楽を聴いていてしっくり来ない違和感を感じ、真空管やケーブルの組み合わせをあれやこれや変更してバランスを取り直すなどと言うことはとんと少なくなった。

そんな中でも年始にトゥイーターを交換した Harbeth HL-4 のシステムは、エージングが進んだ最近になってアナログ・プレーヤーのカートリッジを SPU GOLD から Keis さんお手製のハイブリッド・リード線を装着した MEISTER に交換後、アーム・ケーブルをテクニカ AT-1503 の純正タイプからノイマンのケーブルに変更している。

昨年末にカップリング・コンデンサーを交換して年始に初段管をムラードに入れ替えた SV-501SEは、エージングが進んで落ち着いた音色を提供してくれているが、僅かに高域のヒリつきが感じられるので初段管をタングスラムに戻すか思案している。

どちらにしろ学生時代に聴いたあこがれの音色を再現するまで散々に苦労した TANNOY III LZ を、これほどまでに生き生きと駆動してくれるアンプはお目に掛かれるものではないとその音質には満足している。

アナログは増々熟成を深めるが、PCTオーディオの方は DACとトランスの質の改善を検討中である。トランスを組み合せることによって、煮詰め過ぎたような濃い音質をもう少し伸びやかなものに改善して行きたいと考えている。DAC はサンバレーなどの真空管式可変サンプリングタイプが良さそうだが、トランスの方は手頃な価格のものをもう少し試してみたいと思っている。    3/6

■ ライントランス  


今度はPCTオーディオ用に ALTEC のライントランスを調達した。
昨年購入した DUKANE のインプットトランスと同じく、US8Pソケットを用いたプラグイン式トランスなのでこのケースを流用することにする。回路には疎く内部配線で少し悩んだが、配線用のウエスタン単線を購入してなんとか音が出るようになった。


このライントランス 15335A は 15K:15K のリピートトランスで、これまで使用していたカートリッジ昇圧用のインプットトランスと違ってボリュームを絞る必要がない。僅かばかりの試聴をしただけだが、これまでの低域の圧倒的な迫力を持ったインプットトランスと違って、高域方向に良く伸びてフラットな音質に聴こえる。その分低域が薄くなったような気もするが、こちらの方が元の自然なバランスなのであろう。もう少しじっくり試聴を続けて見ることにしよう。

ALTEC PEERLESS 4722 は MCH-II の昇圧トランスとして定着しているが、DUKANE の方は最近出番が少なくなっている。アメリカものはこれぐらいにして、今度はゼンハイザーやHaufeなどドイツのトランスを試してみたいと考えている。   3/18


アナログの方はどちらのシステムもほとんど不満なく音楽を楽しむことが出来ている。

TANNOY IIILZのクラシックシステムは、昨年カップリングを換装した SV-501SE が100時間ほどのエージングも終えて落ち着いた音色となって来た。年始に初段管をムラードに交換した後、少しレーベルによっては高域のヒリつきが感じられたが最近はそれほど気にならなくなった。トゥイーターを交換した HARBETH HL-4 の方も、高域が適度に落ち着いて来たように感じる。

PCTオーディオの方は新たに入手したHIインピーダンスのライントランス ALTEC 15335A を試しているが、これまでの昇圧トランスに比べて使い勝手は良いのだが、音色が落ち着き過ぎて今一歩のような気がしている。MCカートリッジ用 LOWインピーダンスのステップアップトランスは昇圧比も高いため、再生ソフトの AudioGate のマスターボリュームを75%に絞ってもプリアンプの Marantz7 のボリュームの位置は時計の短針の9時あたりに絞らないといけない。これがライントランスだとAudioGateのマスターボリューム100%でプリアンプのボリューム位置は1時あたりまで上げることができるのである。

Kanno などのステップアップトランスを使用すると低域の量感が大幅に増加し、迫力ある音質がロックなどの曲種ではスピーカーを大型化したような利点となるが、音の密度が濃過ぎて伸びやかな音場の広がりを感じることができない。これがライントランスだと低域から高域まで自然なバランスの伸びやかな音色を得られるのだが迫力の方が後退するのである。インピーダンスと昇圧比が程よいバランスの物を探せば良いのかもしれないが、高インピーダンスで昇圧比を高める方が良いのか、低インピーダンスで昇圧比が低い物が良いのかは想像がつかない。もう少しいろいろなトランスを試して見ることにしよう。   3/25

トランスを付け替えてPCTオーディオの試聴を続けている。

趣向を変えて旧型スイングアームの Marantz CD-16 にライントランスを用いると、当時良く言われていたデジタル臭が抜けて聴きやすくなると言った評判を実感することができるのだが、アップコンバートされた USB-DAC のPCTオーディオの音質には敵わないようである。

LOWインピーダンスの KannoステップアップトランスもHIインピーダンスのライントランス ALTEC 15335A も基本的な音質は似通っていて、端的に言うと中低域に重心を置いた Kannoと上下に音域の広い ALTECという感じである。音質を聴いていると中域には迫力もあるし低域もどっしりとした重心で特に不満なく聴こえるが、音楽を聴いているとなんとなく・・・・・なのである。

アナログで音楽を聴いていると、所々で「良い音だな〜」と思わせる箇所があるが、PCTオーディオではその感動が少ないような気がする。どうやらこの辺の響きの薄さ、余韻の少ないすっきりとした音質傾向は、トランスにあるのではなく簡素なUSB-DACにあるのではないだろうか? やはりもう少し質の高い真空管式DACを加えないと、アナログと同等の音楽の味わいを得るのは難しいのかもと思うようになってきた。アナログへの投資額に比べれば一桁違う金額でこれほどの音質を得られるのだから、特に不満のある理由はないのだが、もう少し音質の良いDACを聴いてみたいと考えている。    3/31

■ 音の雰囲気

アナログの方は HARBETH HL-4 のシステムでもクラシックが美しく聴けるようになってきた。

カートリッジをKeisさん製作のウエスタン・リード線を装着した SPU Gold-GE から、これもまた Keisさんお手製のハイブリッド・リード線に付け替えて生き返ったSPU MEISTER-GE に交換したのが良かったのかもしれない。

ひょっとして QUADII の音質に円熟味が増して来たのかと思って、300Bシングルと交換して TANNOY IIILZ を聴いてみたがこちらはこれまで通りやはり今一歩の音質だった。

HARBETH HL-4 の方に 300Bの SV-501SEを組み合せると、少し音質傾向が細身となるがこちらはそれなりに楽しむことができる音色となる。

PCTオーディオの方は結局ライントランスの ALTEC 15335A が定着している。

しばらく聴いて行くうちに、抜けの良さに加えて中低域の馬力も加わって来た。また USB-DACを192kHzまでアップコンバートすることによって、響きが豊かになって魅力的な美しい音色となることが分かった。

「音質を左右するのは低域である」とは故五味康祐氏の名言であるが、美しい音色の決めては余韻と響きではないだろうか?   4/12


最近は以前のようにあれやこれや真空管やケーブルを替えたりして音質調整することがめっきり少なくなった。

もちろん音質を気にすることなく音楽を楽しめるところまでシステムのレベルが向上したことも要因だろうが、老化により聴覚が衰えてまともに音質を捉えることができなくなってきたためかとやや悲観的に考えることもある。しかしTANNOY IIILZに QUADII を組み合せた時などは、これまでと同様に音質の違和感を感じる訳だから、ボケた耳もどうしようもないというほどでもなさそうだ。

昨日の休日も最近不満の少なくなったアナログシステムでビートルズのアルバムを数枚じっくり聴いていると、中には音質に引っかかる部分を感じるアルバムがあって、久しぶりにカートリッジを色々付け替えてみて試聴を繰り返している。   4/21

■ スラストパッド


Garrard401 のスラストパッドを調達した。(画像左、右はこれまで使用して来たもの)

出品者によると1970年代英国 Garrard社の純正品で、オイルレスメタル製とのことである。オーディオ専門店などで販売されている最近の純正パーツと比較すると、メタル部分の盛り上がりがほんの僅かに違うようで素材も異なるとのことである。外見からはもともと付いていたパーツ(右)とほぼ同じもののようである。

このプレーヤーを購入後8年ほど使用して来たが、最近レコードに針を落とすと少しゴロを感じるようになって来た。スラストパッドがそろそろ寿命かと思って購入したが、これまでのものがまだ使えそうな感じなので取りあえずそのまま交換せずに、半年振りに軸受けクリーニングを行い再度 EMTオイルを使って仕上げたところ、ゴロは気にならない程度に改善され音質も明瞭度がアップしたように感じられた。どの程度まで摩耗すると寿命となるのか、Garrard に詳しい方がいらっしゃったらご教授いただきたいものである。
  
アナログは音質の良い好みのレコードを聴くことが多いので安心して音楽を楽しむことが出来るが、ALTECのライントランスを使用したPCTオーディオの方も、トランスのエージングが進んで来たのか低音の量感が増加して響きの良い音質を楽しませてくれるようになって来た。

引き続きドイツのトランスを探しているが、プリアンプの故障によりせっかく別室に設置したサブシステムがほとんど楽しめないので、適当なプリアンプまたはフォノイコがないものかとオークションを中心にウォッチしている。   4/29


■ Northern Electric


アメリカからヨーロッパに移ってドイツのトランスを調達するつもりが、カナダで途中下車してオまった。

名古屋のY下さんは泣く子も黙る WE618B で美音を楽しんでおられるようだが、我が家では到底手に入らない高嶺の花である。そんな時オークションをウォッチしていると、WE のカナダの子会社である Northern Electric(NE)の MCトランスが出品されていたので調達することにした。

出品者によると1990年代後半に大阪日本橋で真空管オーディオを中心に品揃えしている専門店で購入したとのことである。これも出品者に頂いた STEREO SOUND誌に掲載されているこの商品広告のコピーによると、SPUの音楽性を更に高次元で再現することを目指してNEの業務用トランスをケーシングしたと言うこだわりを感じさせるMCトランスである。最近は人気のあるトランスの価格が増々高くなって来ているが、手持ちの英パートリッジなどの最近の取引価格と比較すると、比較的安価に調達することができた。


現在Garrard401とともにSPUシリーズで愛用しているトランスは、左側の1980年代のPARTRIDGE TK-2220である。

このトランスを一世代前のTH-7559(右側)と比較試聴すると、新しいためかレンジも広くなって分解能も向上したように感じ轤黷驕Bさらに今回購入したNEを続けて試聴すると、弾力感のある低域の臨場感やふところの深いプレゼンスが素晴らしく感じられた。パートリッジの2機種と比較するとゲインは少し低いが、音場も広くパートリッジの硬質感の美しい響きとは好みの別れるところであろう。今後はしばらくアナログを中心に試聴を続け、PCTオーディオにも組み合せてみようと考えている。


NE のトランスはケースが小型で可愛らしいサイズだが、ALTEC PEERLESS 4722と似通った浮遊感のある音場を形成するのが特徴だ。高域の解像度もパートリッジより優れているようで、まだワだじっくり聴き込んでいる訳ではないが、音質的な魅力を感じさせるトランスのようである。

右側は我が家のトランス群であるが、これにあと DENON DL-103C1用の純正トランスがある。これからも音質の要となるインプットやライントランスなどを、更に拡充させていきたいと考えている。       5/3


試聴の末、Northern Electricはまたまた残念な結果となった。

聴き始めは音の出方が PARTRIDGE とまったく異なるため、「色気のある高域だな〜」「低域の量感も十分で問題ない」などと喜んでいたが、いろいろなアルバムを聴き込むうちに、中域に張りのないバランス感や透明度の薄いエコーでかぶったような音場が耳につき始めた。それに比べると聴き馴染んだパートリッジは、持ち味の硬質感が音の鮮度を際立たせたような見通しの良い奥行きのある音質である。たとえて言うとNEの方は鮮度の薄れた食材を調味料で味付けしたような音質に聴こえて来る。

アナログでは期待通りの結果を得られなかったNEだが、PCTオーディオでは如何であろうか。

現在PCTオーディオはALTECのライントランスで大きな不満もなく落ち着いている。KannoのMCトランスを使用すると、低域の量感は圧倒的なのだが目に見えないダークマターで満たされたように音場がだんご状態となり、響きの良さを打ち消したような重苦しい音質となってしまう。その点アルテック/HIインピーダンスのライントランスは、低域の量感もそこそこに奥行き感のある抜けの良い音場を形成している。
さてNE/ミドルインピーダンスのインプットトランスをそのライントランスと交換すると、Kannoと同様に低域の量感は増すのだが抜けの悪い糞詰まり感が顕著となってこちらもNG。そんな訳でWE-618Bに迫るどころか所詮は子会社のNEインプットトランスは、残念ながらパートリッジやカンノの優秀性を再認識させてくれただけで、当分は日の目を見ることのない結果に終わってしまった。      5/8


■ オーディオ熟成


現在もポップス&ロック用のシステムで稼働を続けている QUADIIを、QUAD22 とセットで購入したのが1989年だった。

その時に一緒に購入した EMPIRE598 は現在サブシステム用に別室に移しているが、フォノイコが故障中なので残念ながら休眠状態である。クラシック用の TANNOY IIILZ は2001年に購入し、Thorens TD126 Centennialや Marantz7R も同じ年に我が家にやって来た。

HARBETH HL-4 が2005年で Garrard401 が2008年だから経年による老朽化が進んでいるように思われるが、メンテナンスによってそれぞれの機器の熟成が進んでいるのが名器と呼ばれるヴィンテージ機器の強みである。

これまでのメンテナンス内容をご覧になっていただければお分かりいただけるように、それぞれの愛機が中古購入時よりオリジナルを意識したメンテナンスによって高音質化を実現している。最も顕著なのが Marantz7 のレプリカで、カップリングコンデンサーの交換などによってオリジナル販売当時の音質に近づいたのではないだろうか。TANNOY IIILZもネットワークコンデンサの交換によって、それまでにはョくことの出来なかった美音を提供してくれるようになった。

老いによる聴力の衰えも手伝って、最近は神経質に音の出方に拘らずに音楽を楽しむことができている。

定年も近づいて今後はオーディオ環境の変化も少ないだろうから、大型のSPなどを購入して方向性の転換を計ることもないだろう。音質に大きく影響するトランスやコンデンサーなどの修正は続けるだろうが、我が家の「箱庭的オーディオ」ライフは到達点にかなり近づいて来ているようだ。

その着地点を更に改善してくれるのは、挑戦し始めたばかりのPCTオーディオなのかもしれない。こちらの方はまだまだ熟成感もなく、ややもすると若々しくアクの強い音質を醸し出しているのが現状だが、新たな音楽的感動の獲得を目指して頑張って行きたいと思っている。  5/12

■ オーディオ巡礼「Y下さん邸訪問記」


名古屋のY下さん宅を2年振りに訪問させて頂いた。

今回の主たる目的は、英国が誇るヴァイタボックス DU-120 コアキシャル SPを、WE VT-52(刻印)とWE-300B(復刻)を差し替えて使えると言うY下さんお手製の夢のようなアンプで聴かせて頂くことである。

初めて現物を間近に見たDU-120は、このユニット用に特注で製作されたフィンランドバーチ製コーナー型エンクロージャーに収められている。

これまで VITAVOX のユニットをじっくり聴かせてもらう経験は無かったが、アルミのパンチングで保護されているツィーター部は TANNOY のようなホーンではなく、特殊なポリエステルフィルムの振動板を使っているとのことである。

音を聴く前にまずじっくり今回の主役となる自作アンプやPCTオーディオ用にケーシングされたトランス類を眺めさせて頂く。

回路などについては説明いただいてもまったくその良さが理解できないが、音質と同様にオーディオ機器の重要なファクターとなる大手メーカー顔負けの視覚的な佇まいが、一目見ただけで高い完成度を伺わせてくれている。


今回の主役の真空管がこちら。出力管の WE VT-52(刻印)/WE-300B(復刻)と整流管の WE-274(刻印)のお宝シリーズ。

前段の方もこれ以上の選択肢が無いと思われるテレフンケン 802S(金足)を組み合せておられるので、まったくもって最強のアンプとなっているのではないだろうか。たぶん内部配線も音質の良いオイルコンデンサーなどを惜しげも無くお使いのことだろうと想像できるが、数々の高音質アンプを製作されているY下さんは「もうアンプ作りも最後にしたい」とおっしゃっていた。それだけこのアンプに対する思い入れが強いものだとも想像できる。


今回お聴かせいただいたソースは大半がデジタル音源である。

PC音楽再生プレーヤーは音質評価の高いfoobar2000、DAコンバーターには今は亡きラステームのUSB-DACをお使いである。CDの再生は CECの CDPが故障中とのことで、アンプの横にあるポータブルなCDトランスポートを利用されていた。


こちらはPCT(トランス)オーディオ用のトランス。WE-618B は○ッ○屋さんに貸し出し中とのことで、最近ネットを通じて調達されたトランスの2機種を聴かせて頂いた。右側の AWA(オーストラリア)のトランスは WE-618B と比較しても遜色の無い高音質のトランスとのことであるが、これらのケーシングも自作で済ませておられるということで、見た目の完成度もまったくもって申し分のないものである。

さて肝心の音質の方はと言うと、ヴァイタボックス DU-120 コアキシャルSPは前回訪問時に聴かせて頂いたロンドンウェスタン直系の3WAYシステムが醸し出していた美音より、TANNOY と構造的に等しい同軸ユニットのメリットを発揮しているためか音質的には当方の耳にはより好ましく聴こえるものであった。

アンプの出力管も最初は背面に設置されているスウィッチを切り替えて VT-52 で聴かせて頂いたが、帯域バランス上高域と低域が中域に集まったややナローな音質傾向ながら、弦楽器が刺激的な音質に一切落ち入らない優しくて渋い音色であった。最初はこれがこのアンプとこのSPの音色傾向なのかと思ったが、整流管をWE-274Bからナショナルユニオンに交換するとその高域の表情が一変してやや刺々しさが現れたことを考えると、ウエスタンの真空管が音質に与える影響度の高さを物語っているよ、である。

さらに出力管を WE-300B に交換すると、帯域バランスが上下に広がると同時に音に艶感や躍動感を感じさせるハイファイ的な音質に一変した。

オケのようなダイナミックな表現を要求される曲種などには、真空管の王者と呼ばれる WE-300B がその実力を遺憾なく発揮しそうな音色であったが、ソナタや小編成などの楽曲では VT-52 の水墨画のような色の付かない高貴な美しさが生きるような気もする。

PCTオーディオのトランスもスタンコアのトランスはこの組み合わせでは音場が狭まり、やや不自然な響きが楽器に乗るようで実力を発揮できていない感じがする。一方AWAの方はインピーダンスの低いインプットトランスを組み合せた時に感じるような詰め込み過ぎた圧縮感がなく、伸び伸びと音場が広がってとても好感の持てる美音であった。

とにかくY下さんのお話からも伺えるように、WE-300Bより希少価値の高い VT-52 をこのような完成度の高いオーディオシステムで聴かせて頂いたのは、大変貴重な経験をさせていただいたのは間違いないニ感じた。


今回は聴かせていただけなかった、スタンコアのトランスを使用した KT-66 アンプと交流点火に改造された SV-91B アンプ。

トランスが大きいのか GECの KT-66がスリムに見える。また別の機会にこのアンプでヴァイタボックスを聴いてみたい。

初期型のGOODMANS AXIOM 80ユニット。こちらも貴重品。

裸のユニットのままでSPコードを接続して聴かせてもらったが、箱もないのに高域のバランスが自然で美しい音色なのは驚きだった。

こちらは新たなキャビネットの製作を予定されているプレーヤーシステム。右側のカートリッジはスプリング配線の Ortofon SL-15。

少しだけ奥のグレースアームとMMカートリッジでケルンコンサートを聴かせてもらったが、CDとは別世界のアナログ独特の芯のある音質はとても魅力的なもので好感を持った。

久しぶりの訪問記であったが、今回もとても良い体験をさせていただいた。自閉気味に閉じこもってばかりいないで、たまには素晴らしいオーディオ愛好家の音を聴かせてもらうのはとても良い刺激となる。

今回特に我が家では一生縁のなさそうな、ウエスタン製刻印真空管の実力を肌で(耳で)感じることが出来たのは収穫であった。また日本では愛好家の多いTANNOYより、希少価値の高いヴァイタボックスのSPをじっくり聴かせて頂けたのはとても良い経験となった。   5/18


■ 私も買ってしまいました


このStereo Sound 保存版を早速本屋で購入した。

90年代中頃まではステサンの発刊を待ちこがれて毎季購入していたが、ヴィンテージ指向がはっきりして来るとその行事もピタリと止んだ。その後は管球王国やanalogなどで内容の気に入ったものや、ステサンの特集号の一部だけを購入している。
今回の「MCカートリッジ徹底研究」はオーディオ全盛時より永らく頑張っておられる評論家柳沢功力氏の「最新MC型カートリッジ25モデルの試聴リポート」と、故長島達夫氏著『図説・MCカートリッジの研究』(1978)が掲載されている。まったく最近のオーディオ機器はとんでもない値段だなあと感じているのは私だけであろうか? 

「最新MC型カートリッジリポート」ではデンオンDL-103がお付き合い程度に載っているが、蜚シが30〜50万もする高級品?ばかりで、いくら音質評価で美辞麗句を並べられても新品で購入する気持ちは更々湧いて来ないものばかりである。


我が家も最近まではアナログ主体で音楽を楽しんでおり、未だにお気に入りのカートリッジがMC型を中心に10個ほど生き残っているが、全部足しても現在の高級品の価格には及ばないのではないだろうか。昨年 Thorens MCH-II の修理を荻窪のマエストロ・ガレージにお願いした時に、35万ほどするマイソニックラボのカートリッジを聴かせて頂いたが、しばらく聴いていてレコード盤のノイズを拾わない静寂性の高い音質には驚いた。しかし我が家にある旧世代のものと比べて、まったく別世界の美音と言う訳でもない。オーディオは値段でもないのである。

最近になってPCTオーディオのトランスは PARTRIDGE TH-7559 を使うようになった。
Y下さん邸にお邪魔した後、我が家に帰ってからいろいろ試聴を続けている。最近定着していた ALTEC 15335A のライントランスはロックなどの曲種では問題はないが、クラシックの弦楽器がいやに刺ンIで自然に響かないことが分かった。それで昇圧トランスのパートリッジに交換したところ、Kannoを使用した時よりも高域もナチュラルで特に違和感もなく、低域の方も床を振動させるほどの重低音が圧倒的でなかなかに好ましい。しばらくこの組み合わせで楽しむことにしよう。   5/30


■ アナログ通信


北海道のKeisさんから新作のリード線が届いた。

今回の素材はCreationと言うメーカーが販売しているPC-Triple Cと呼ばれる新しい線材とのことである。ラインケーブルやSPケーブルに加工して製品化しているメーカーならなんとなく分かるが、素材の詳細となると Keisさんの詳しい説明を読んでもまったくぴんと来ない。

昨年の年末にはTUNAMI TERZO V2ケーブルの102-SSC線材から作成したリード線を送って頂いたが、これがとても我が家の機榿は相性の良いもので、このリード線と組み合せたSPU MEISTER-GEを常用カートリッジに復活させてくれた。今回の線材の試聴結果は前回の素材ほどの可能性を見いだすことができなかったが、線材の本数、組み合わせやその方向性だけでなく撚り方の強さまで独自に考慮して製作されているのはまったく驚嘆すべき技術である。アンプ作りのY下さんやKeisさんなど技術者としての能力をお持ちのオーディオ愛好家が、自分の力で音を変えられると言うのは本当に素晴らしいことだと感心させられる。         6/3


■ サブシステム

Harbeth HL-COMPACT のサブシステムを最近良く聴いている。

プリアンプが故障中なので音源は旧世代 CDPの2台となるが、なかなかフレッシュな音色でヴォーカルなどの肉声がとても自然に響く。CDPからライントランスを介してダイレクトにパワーアンプ(TU-873LE)へ繋いでいるのだが、エレクトロハーモニクス300Bとの相性もまずまず良いようだ。

しかしヴォーカルや小編成の曲種には相性が良いが、もう少し音質にコクと音数の増加が欲しいような気がする。

やはりこの辺はプリアンプの必要性を感じるところなので、手頃なフォノイコ付プリアンプを物色中である。

以前使用していたラックス CL-32クラスのアンプがあれば丁度よいが、調達できても発売後40年近くが経過しており流石にコンデンサーなどの耐久年数が切れているのが不安要素である。こんな時に自分でメンテできれば問題はないのだが、まだまだ技量が追いつかないのが悩ましい。

90年代に発売された中堅 CDPの音質も、ALTEC のライントランスを使用することでバランス良く音楽を楽しませてくれている。

当初はスイングアームを使用した Marantz CD-16 の音楽性の高さが予想されたが、独自の光学系固定方式メカニズムを採用したSONY CDP-XA5ESのパワフルな音質も、POPSなどではマランツに遜色の無い音色を聴かせてくれている。EMPIRE598を久しく聴いていないが、そろそろかまってやらないと使い物にならなくならないかが心配である。   6/10


やはりゴロが気になるのでスラストパッドを交換することにした。

裏側から良く眺めてみるとモーターを固定するプレートに少しサビが出ているが、これは購入当初よりあったのかはっきり覚えていない。まあスラストパッド同様に純正のサービスパーツが手に入るから問題はないだろう。さていつも通り軸受け部を本体より取り外して分解するが、軸側中心のパッド接触部分にも円形の摩耗の後が残っているので、サンドペーパーで磨いて元に戻すことにした。400番から1200番目までのサンドペーパーを使って磨くのだが、手作業の為に平面が出ているのかが心配だった。まあパッドの平面ではなく円の接点で接触する訳だから大丈夫だろうと素人判断でメンテナンスを行う。

ところが新しいパッドに取り替えオイルを補充して元に戻すが、スイッチをオンにして駆動するとゴーッと軸がパットに擦り合わされる音が盛大に聞こえて来る。「ありゃー!またやってしもうた。」と動揺するが、馴染むのに時間が掛かるのかもしれないと廻しっぱなしでしばらく放置することにした。幸いにも1時間ほどすると異音も治まり、レコードを聴いてもゴロもなく一件落着となった。

ここのところ常用カートリッジの地位を維持してきた SPU MEISTER-GEの調子が少し悪い。

実は半年くらい前のことだが、いつも通りレコードを聴こうと思ってプレーヤーに被せている布を取ろうとして、うっかりカートリッジのカンチレバーに引っ掛けて大きく曲げてしまった 。なんとかペンチを使って自力で修復する(したつもり?)が、そのころからなんとなく右chの音が小さくなったような気がしていた。最近その傾向が顕著になって来ておりMCH-IIの時のようなラインコンタクト針の摩耗も考えられるので、マエストロ・オーディオさんから専門業者の方に送って診断をお願いすることにした。はてさてどれくらいの見積もり額となるかが心配の種である。
そんな訳で再びGold-GEに出番が廻って来たが、付け替えた当初はヘソを曲げたのか低域がまともに出て来ない。LPを2枚ほど掛けて愛情を注いでやるとやっと音場も広がって本領を発揮し始めるが、この辺が Vintage の難しいところなのであろう。    6/17


■ マエストロ・ガレージ訪問


年始に Harbeth のトゥイーターを受け取りに言って以来、半年振りにお邪魔させていただいた。

今回の目的は調子の悪くなった SPU MEISTER-GE の修理依頼だったのだが、土曜日の午後一番といった時間帯のせいか既に先客が2組も来店されており、フェーズテックのカートリッジとトランスの試聴会開催されていた。


しばらくご一緒させていただいてベートーベンのチェロソナタに耳を傾けるが、奥行き感を伴った豊潤な音質で刺激的な響きをまったく感じさせない心地良さが印象的であった。

初めて聴いたこのスペンドールの現行スピーカーは、我が家の Harbeth とはエンクロージャーのサイズもほぼ同じでウーハーのサイズは 20cmと小振りながら、中高域に2種類のソフトドームを使用した分だけ中域の響きが充実しているように感じた。

流石に同じ英国 BBC の血統を受け継ぐスピーカーではあるが、明るく抜けの良い Harbeth と比較すると昔の BC-II の血筋を感じさせる渋い趣である。

昨年聴かせて頂いたスペンドールのトールボーイシリーズはやや淡白な音質で少し違和感を覚えたが、こちらのタイプがより BBC の音色を色濃く受け継いでいる音楽性の高い気品のある響きではないだろうか。


カートリッジはフェーズテックのP-1Gという、最近まで製造されていた価格30万ほどのモデルである。

昨年聴かせて頂いたマイソニック・ラボの時も感じたことだが、開発年代の新しい新世代カートリッジ群はノイズの少なさが共通した利点なのであろうか。このカートリッジを使用して現行2種類のトランスを聴き比べると、4万ほどの低価格のタイプでも十分とも言える音楽性の高さで楽しませてくれたのは驚きであった。
今回お邪魔した折にも30年以上昔のオラクルのプレーヤーの修理品が持ち込まれており、店主の谷口さんのお話ではまだまだVintage機種を大切に使用されているオーディオ愛好家が多いとのことであった。

1週間ほどで修理の見積もりが上がるとのことであったが、果たして結果はいかばかりであろうか。    6/20


SPU MEISTER-GEの針の状態は予想通り芳しくなかった。

針先は最も摩耗した状態らしく、カンチレバーの曲がりも新規取り付け(外径接合)が必要だとのことであった。結局10年ほど前に今はなき○○オンの展示品を購入した時と同じくらいの投資となったが、またこれでしばらくは完全な状態でレコードを楽しめると思えば納得せざるを得ない。

しかし前回のMCH-IIの時も疑問に思ったのはラインコンタクト針の摩耗が早いとのことだが、昔は針の寿命(ダイヤモンド針)は半永久的であると言われていたものとは別物なのであろうか。そんな風に少々せこく考えてしまうのだが、GoldやClassicなどでは得られない豊かな表情が持ち味のこのカートリッジの音質はPOPSやROCKにはやはり必要なものなので、しっかり直していただくことにした。

そんなことを言われると、2010年に針交換後使用時間の少ない状態で購入したGoldや2000年頃に針交換で戻って来てからほとんど使用していないClassicはまだまだ使えるような気がするが、1990年頃に購入したSPU-GEの中古品はとうに寿命を迎えているのかもしれない。

MEISTERやGoldを導入後はとんと活用する機会が少なくなったオリジナルのSPU-GEではあるが、やはりこの機種は今後も手放すことはせず、カートリッジのベクトルとして完全な状態で所有していきたいと考えている。またしばらくして余裕ができたら修理に出すことにしよう。 6/28


■ スピーカーのセッティング

最近は「ウーファーとツィーターの間がほぼ耳の高さになるように設置する」というのがセッティングの基本らしい。

昔は「ツィーターが耳の高さの少し下あたり」が基本で、Harbethの純正スタンドも少し高さが低くなっている。TANNOY は同軸コアキシャル構造だからツィーターの位置が少し低過ぎるのかもしれないと思い、アイアン・ウッドと呼ばれる素材でできたキューブを挿んで7cmほど高さを上げてみた。

Harbeth 同様、3点支持でテクニカ製ハイブリッド・インシュレーターの上にセッティングするが、ツィーターが耳の高さに近づいた影響で、以前より音域バランスが高域に寄ってくっきりと聴こえる。

低音の広がりが薄くなるのは不満だが弦楽器が特に刺激的に響く訳でもないので、しばらくインシュレーターの組み合わせを替えながら試聴を続けて行くつもりである。     7/1


■ Thorens TD126mkIII Centennialのメンテナンス


スピーカーのセッティングを変えてから、音場がはっきりと見渡せるようになった。

その反面、低音の広がりが少し薄くなったように感じるので、Marantz7R のトーン・コントロールのBassを+1補正してョいている。しかしなんとなく高域が混濁していて透明度も低く感じるようになったので、300Bシングルアンプの初段管を再び重心の低いタングスラムに交換してみる。

しばらく聴いているとピアノのピアニッシモで微妙にワウフラッターを感じ、ひょっとすると高域の濁りの原因はプレーヤーにあるのかもと思ってThorensのメンテナンスに着手することにした。同様の症状は昨年末に伸びたベルトを交換するまでは顕著であったが、ベルト交換後はあまり気にならなくなっていた。ベルト交換直後はストロボスコープに前後の軽い揺れがあるのが気になっていてベルトが馴染んだら安定するだろうと楽観視していたが、このあたりが音質に影響しているのかもしれない。

このプレーヤーはスイスのトーレンス社100周年を記念して開発されたリミテッドモデルで、当時の輸入元だったノアとSME輸入元のハーマンが共同企画した日本特別バージョンである。1985年に発売されたものを2000年頃に中古で購入したものであるが、当時の売価が38万円だから現在作ろうとすると倍くらいの価格になっているのではないか。クラシックなどの曲種に向いたゆったりした音質が気に入っているので、今後も末永く活躍して欲しい機種の一つである。まず左の画像のようにインナープラッターのベルト接触面に付着している汚れをサンドペーパーで磨き上げ、スピンドルも古いオイルを拭き取って純正オイルを補充する。念のためにカートリッジのオーバーハングや針圧バランスなどを再調整してメンテナンス終了。メンテナンス後はストロボのふらつきも治まり、高域のワウフラッターも感じなくなった。   7/4

■ ノスタルジー

Y下先輩と学生時代のオーディオへの憧れのお話をしていて、昔のオーディオ雑誌を引っ張り出して来た。

1981年 FMfan臨時増刊号のアナログ専門誌「'82カートリッジとレコードとプレーヤーの本」である。学生時代はFMレコパルやFMfanなどの雑誌を購読して夢を膨らませ、小遣いのゆとりのあるときだけSTEREO SOUNDや月刊STEREOなどの専門誌を購入していた。

我が家にあるステサンで一番古いのが、1973年28号「最新ブックシェルフスピーカーのすべて(上)」である。この特集で我が愛機TANNOY IIILZを始め、学生時代に使用経験のあるKLH-Model32やDYNACO A-25XSなどが準特選/特選の評価を受けている。

このアナログ特集号を眺めていたのは大学生時代で、既に自分のコンポーネントステレオを所有していた頃である。

高校の入学祝いに購入した初めてのコンポーネントは1970'sに記されているが、大学時代になって初めてスピーカーを TANNOYの HPD295にグレードアップするとともにアンプも真空管の Dynacoに移り変わっている。カートリッジは高校時代から変わらず、シュアー M75EDだったと記憶している。


このアナログ特集を眺め倒して Ortofon SPU-G や ELAC 555E/DECCA MarkV-EE/EMPIRE 4000DIII/TSD-15 などを購入することになる訳だが、この頃には嗜好が海外製品に移っているようだ。


高校生時代に購入した1975年「評論家・読者の選ぶ'75ベストバイ・コンポーネント」の頃には海外製品に憧れを持ちつつも、国産のグレースなどのお手頃価格のカートリッジをターゲットとしていたが、最終的には国産品は音楽性が低いといった理由でアメリカのシュアーを選んだ記憶がある。

こうやっていろいろ昔憧れていた Vintage アイテムを眺めていると、いまだに使用してみたいという願望を抱かせるような完成度の高い機種も多いような気がする。       7/11 


■ 最近のオーディオあれこれ


この前仕事の関係で東京駅に行ったので、百貨店に出店したという中古オーディオショップに立ち寄ってみた。

4セットほどアナログからスピーカーまでの組み合わせがセッティングされており、その中央にどんと構える超弩級の組み合わせから音楽が流れていた。

JBL のエベレストとマークレビンソンを組み合せた中古でもそれぞれが数百万もするようなシステムだが、その女性ヴォーカルはなんとなく寝ぼけたような冴えの無い音質で、これがジャズなどでは最高にキレの良かった JBL の最近の音質かと耳を疑った。

見た目の迫力だけならお金持ち愛好家の所蔵するターゲットにはなり得るかもしれないが、果たして音楽愛好家がこの味気ない音色を聴いて高い(?)購入金額を支払うだけの魅力があると感じるのだろうか。

そうは言っても他に古いケンウッドやパイオニアのプレーヤーに加え、美しいデザインに昔憧れていたヤマハのアナログプレーヤーまで品揃えされていて、今後も頑張っていただきたいショップではあると感じた。

上の2枚のアルバムは同じ音源を使った、大好きなクレンペラーのEMIワーグナーアルバムである。

左が仏マルコーニの1963年オリジナルアルバムで、右は1985年頃に再発された独EMIデジタルリマスター盤である。カッティングされた国(エンジニア)の違いとデジタル処理されたリマスター盤の音質の違いが体験できる訳だが、ともに美しい音色で我が家の宝物となっている。右側の独でカッティングされたDmm(デジタル・メタル・マスター)盤は昨年近所のハードオフで未開封の新品を安く手に入れたものだが、ドイツ盤特有の低音の豊かな響きとデジタル処理されノイズ感が少なくなった音場がとても美しい。

オリジナルのフランス盤は気品のある高域の瑞々しさが特徴ながら、決して刺激的な響きにならないのがこちらもとても好ましい。こんなプレスされた国(音質)の違いに拘るのは、レコードの古き良き時代を経験したことのある物好きなアナログマニアだけだろうが、確かに音質に違いがあるのだから享受される演奏家の感動は同じかも知れないが、そのレベルが違って来るというものだ。

最近は我が家のオーディオ機器も熟成を重ね、音の良いと言われる輸入盤だけでなく国内盤でも違和感無く音楽を楽しめるよ、になってきたが、やはり国内盤と輸入盤の音質の差は確かにある。若気フ至りで学生時代に「輸入盤は音が良い」という言葉を鵜呑みにして結構な数の韓国プレス輸入盤を購入していたが、物を知らないと言うのは本当に恐ろしいことである。最近になってやっとその名演と言われるアルバムの英国やドイツの本国盤を手に入れるようになり、やっぱり音が、音楽が違うと再確認している。      7/18

■ DENONさんもなかなかのモノですね

我が家は昔からオルトフォン党である。

クラシックにはMCH-IIを愛用しているが、それ以外の曲種では4種類のSPUとMC-30の2種類を使うことが多い。その中で一番のお気に入りだった MEISTER-GEが修理中なので、SPU GOLDを中心にいろいろなカートリッジの音色を楽しんでいる。

オルトフォン以外では EMPIRE598プレーヤー純正の4000DIIIとDECCA Mark-V EE、それにDENON DL103C1がある。オルトフォン党と同様にデンオン党を支持するオーディオ愛好家が多いことも良く知っているが、なぜかオーディオ初心者の時に馴染んだのがSPUシリーズだったので、その伝説的なDL-103を購入する機会を逸していた。我が家の派生モデルDL103C1はSTEREO SOUNDの91年度ベストバイで1位に選ばれたから購入したものと記憶しているが、音がこじんまりとまとまり過ぎていてこれまではあまり聴く機会はなかった。前回聴いたのは2年ほど前にKeisさんが製作したオーグライン+プラチナリード線の試聴をした頃であろうか。

今回久しぶりにそのDENONさんを引っ張り出して聴いてみたのだが、ROCK系との相性がバッチリで特に低音のドラムの音が最も迫力を持って聴こえるのでまったく驚いた。ゆったり感があり響きの豊かなSPUシリーズと比較して、全体的に音が良く締まっていて中域の密度感が非常に濃く聴こえるのである。

あまりにも音が良いのでメタル教の嫁殿を呼んで聴かせたが、中低域の音色は当方の耳と同じでスピード感のある音色がとても良いとの評価である。しかし高域が少しキンキン響く傾向があり、ZEPPのロバート・プラントの声がもう少し潤いを持って響く方が良いとのご指摘であった。なるほど〜、この辺はプラチナ素材リード線の音質傾向が出ているかもしれないのでリード線の交換で音質向上が計れるかもしれないなと考えていたところに、タイミング良く北海道のKeisさんから新作リード線が届いた。時を同じくしてMEISTER-GEの修理が上がって来たので、ここのところアナログ三昧で試聴を繰り返している。     7/29


■ 修理完了

やっとGarrardの主が帰って来た。

昔からオーディオ雑誌などに広告を載せている専門業者の方に、昨年のMCH-IIに続いて修理をお願いすることにした。

修理内容は 針入れ: ラインコンタクト針 カンチレバー: 新規取り付け(外径接合) ダンパー: 交換、または調整 ゴムシートカバー交換 端子ピン: 調整、接着補強との見積もり時の内容だったが、修理結果についてはマエストロ・オーディオの金額領収証のみでまったくあっさりした物である。前回のMCH-IIの針先交換と断線修理では、オリジナル時の華やかさが薄れて若干大人びた音質に変貌を遂げたが今回はどうだろう。

持ち帰って早速アームに装着してレコードに針を落とす。最低針圧の3gでいつも通り慎重に針を落としたつもりだったが、いきなり2cmほど針滑りを起こしてしまう。もう一度針圧を確認して少し針圧を重くするが、少しの振動で盤面を滑ってしまう。針先をルーペなどで確認してみると、少し片方にねじれが起きていて真下に向いていなかったので、慎重にピンセットなどで修復を図ってみた。カンチレバーの新規取り付けは難易度が高いのかトラッカビリティーに大きな問題が発生しているが、肝心の音質の方は修理前のバランスの崩れも修正されて音場も左右一杯に広く取られている。しかしなんとなくこのカートリッジ持ち前の馬力の良さと鮮烈とも言える切れ込みの良さが影を潜めてしまったようなのだが、エージングによって改善されて行くものなのかまったく判断が付かない。

その後リード線もオリジナルに戻してしばらく試聴を続けているが、果たして控えのSPU GoldやDENONさんを超えて再び主役の座に戻ることがかなうのであろうか。       8/2


■ シングルアンプの初段管

 SIEMENS 6BM8

300Bシングルアンプ(SV-501)の初段管を購入した。

TANNOY IIILZ のセッティングを変更したところ、ムラードでは少し高域に違和感を覚えたので現在はタングスラムに戻して聴いている。継続してテレフンケンなどの出物を探していたが、同じドイツのシーメンスを見つけたので調達することにした。ドイツ製オリジナルかどうかははっきりしないが、肝心の音質は落ち着きがあってまずまず楽しめそうなのである。

SPU-MEISTERはリード線にウエスタン線を加えてマルチブリッドにしたところ筋肉質でパワフルな音質に復活したが、トラッカビリティーが最悪でカッティングの良いレコードや少しソリのあるレコードですぐに針飛びを起こすのがまったく困りものである。針先をルーペなどで良く観察してみたところ、オリジナルの物よりかなり小さめのラインコンタクト針が付いているが、この辺に問題があるのだろうか。    8/7


このHPを見たマエストロ・オーディオの谷口さんが、SPUカートリッジ修理の件で助け舟を出してくれた。

修理元に症状を説明して実際の修理内容を確認してもらったのだが、針先チップのラインコンタクト針は元々着いていた純正と同じ大きさで、実際にortofon に針先チップを供給している製造会社から仕入れたものを使っているとのことであった。手持ちのGoldやClassicなどと比較すると明らかに小さめなのだが、専門の方がおっしゃるのだから間違いはないのであろう。原因として考えられるのは、ダンパーを交換したため馴染むのに若干時間を要するとのことなので、エージングが必要なだけなら少し不安な気持ちが払拭されたような感じである。

我が家にあるような少し古くなった機器は、愛情を持ってじっくり良い音楽を聴いてあげないと、機嫌の良い状態にならないのかもしれません。あせらずにじっくりと取り組まないといけませんね。谷口さま、アフターサービス有り難うございました。      8/11


■ 新規チューナー購入

 SONY ST-SA50ES

還暦定年まであと数年を残すのみとなった今月の初旬に、急遽配置転換となった。
入社から既に30年以上が過ぎ、これまで北陸から北海道まで度重なる転勤を重ねて来たが、今度は別会社への出向でこれまでの異動とは職務内容もちょっと違って来ている。勤務形態もこれまでの平日主体の休みから、一般サラリーマンのように土日に替わっている。転勤を伴わなかったのは喜ばしいことだが、職務内容がまったく異なったものなので、心身ともにボロボロの日々を耐え忍んでいる。残業を含め連日12時間を超える労働時間は辛いが、なんとか週休2日は維持しているので、体力的な問題よりも精神的な問題の方が大きい。そんな訳で、これまでは毎日大好きな音楽と向き合う時間が少なからず取れていたが、最近はその楽しい一時を土日でしか取ることができなくなってしまった。

修理後調子の悪かったオルトフォンのSPU MEISTERは、マエストロ・オーディオのプレーヤーで試してみても針滑りが起きることが判明して、修理もとに再度点検をお願いすることにした。

さて、この土日にリフレッシュを兼ねて近所のハードオフに偵察に出かけた時、このSONY製チューナーをゲットした。最近になって倉庫から引っ張り出して来たパイオニア製のチューナーは、しばらく使っているうちに音が出なくなって故障してしまった。メンテナンス情報をいろいろ調べてみたところではトランジスタの劣化と推測されるが、修理をするには難易度が高いので少し前から手頃なものを探していた。

このチューナーは1997年に発売されたESシリーズのFM/AMステレオチューナーで、当時の定価はそれなりの40,000円。前機種のST-SA5ESなどと性能を比べると、コストダウンされた分だけ中身もスカスカのようである。しかし流石に音質に定評のあったソニーのDNAは受け継がれているのか、故障前のパイオニアと比較すると受信性能も高く、数段ハイレベルの音質に仕上がっているようである。お安い分、取説もAMアンテナのどの付属品もなかったので使用方法をネットなどで検索中だが、AMステレオ放送なるものを聴いてみたいと思っている。    8/23


■ SPU MEISTER


再修理をお願いしていたMEISTERが戻って来た。

針飛び+横滑りを起こすレコードと一緒に修理元に送ったところ、原因については交換した部分(針先,カンチレバー、ダンパー等)と既存の振動系との微妙なバランスで、このような症状が出ているのではないかとのことであった。特にカンチレバーを後ろから引っ張って支えるテンションワイヤーに原因があるとも考えられ、このワイヤーを含めた振動系一式の交換を予定しているとの報告を受けていた。
昨日、マエストロ・オーディオの谷口さんから再修理が完了して症状が改善したようだとの連絡が入り、早速取りに伺った。谷口さんのお話では、振動系を交換した結果、マエストロ・オーディオの機器でも以前のような針飛び+横滑りが起きなくなったとのことであった。

しかしテストしたようなソリのあるレコードでは、ボディが盤面に擦れることによって針飛びを起こすので、軽めの針圧(3g強)での使用が無難とのことであった。確かにお伺いして YAMAHA GT-2000で聴かせて頂いたところ、症状は改善されており音質も特に気になるところはなかった。

家に持ち帰って我が家の機器で試聴したところ、修理前と比べてボディと盤面の間隔がとても狭くなっている(1mm弱)のが分かった。これでは当然振幅の大きいレコードではボディが盤面に擦れる危険性があるようだ。右側の画像は手持ちのSPU Goldとの針先部分の比較画像だが、カンチレバーがかなり短くなったような気がする。当然のことながらこのカンチレバーの長さと取り付け角度によって、最低針圧での使用でもレコードとボディの接触を引き起こすのではないだろうか。

また音質についても修理前から少し気になっていた、導入口などの無音部分で「カリカリ、カリカリ」とスプリングが擦れるような音がするのが少し気になっているが、こちらもエージングで緩和される症状なのであろうか? などなど若干辛口の修理感想となったが、難易度の高いと思われる修理にも関わらず無償で再修理を行った修理元の対応や、窓口となった谷口さんのアフターサービス体制は、同じサービス業を生業とする当方にも感心させられる部分が多かった。谷口さん、お世話になりました。

修理品を取りに行った時に、愛聴盤のレスピーギのローマ三部作(小澤/ボストン)を持ち込んで聴かせて頂いた。フォノイコがEARの真空管タイプからPhasemation製のコンパクトタイプに替わっていたが、パワーアンプが馬力を優先したトライオード製6L6のプッシュプルにも関わらず、弦楽器に刺激的な音色が伴わない響きなのが驚きであった。

我が家に帰ってまずマエストロ・オーディオの組み合わせと共通性の多い、Harbeth HL-4 を使ったシステムで同じレコードを聴き、次に TANNOY IIILZ のクラシックシステムに針を落とすが、流石にクラシックに関して言えばこの組み合わせが聴かせてくれる極めて自然な音色と音場は、別格の感動を提供してくれることを再確認させてくれた。

最近は仕事の関係でオーディオに接する時間が週末しか取れず、そのせいか音楽を聴いたときの喜びがとても大きく感じている。これからも疲れ果てた心身を癒してくれる、良質な音楽と向かい合って行きたい。    9/5


※追記 色々な資料で調べた結果、MEISTER のカンチレバーの長さはオリジナルから短めで、我が家の個体も特に短くないことは確認できたが、取り付け角度が浅過ぎることが判明した。修理が上がったばかりであまり手荒なことはしたくなかったが、カンチレバーに少し角度を持たせることによってボディの接触は改善の見込みがありそうだ。あとは「カリカリ、カリカリ」の異音だけが問題となる。


週末の今日はじっくり音楽を楽しんだ。

昨日は修理から上がって来たMEISTERが、浅いカンチレバーの取り付け角度を少し起こしたりして、針飛びなど起こさないか不安を持ちながら聴いていたが、何枚かアルバムを聴き続けているうちに今日になってやっと音の輝きが戻って来たようだ。カートリッジに不安を持ちながら聴いていたのが、安心して音楽を楽しむ精神状態に戻って来て、やっと心地よい時間を過ごすことができるようになった。

しかしこの SPU MEISTER-GE の音は心に沁み入るような説得力のある音色である。
最近まで聴いていた DENON DL-103C1 も中々の物だと思ったが、やはり音の潤いを持った質感がまったく違うのが良く分かる。ジャズなどにはタイトに引き締まったDL-103C1の方が相性の良さを見せるのかも知れないが、乾燥したマットな音色はプレーヤーの色気や円熟味が伝わって来ない恨みがあるようだ。まあ1992年当時の定価が5倍ほどの開きがあるのだから、差があって当然の事とも思えるが・・・・。

音質はほとんど問題の無い状態まで戻ったが、昨日よりは緩和したもののやはり僅かに昔のゼンマイ式目覚まし時計のネジを巻いた時のような「カリカリ」といった異音が聴こえることがある。この辺りがエージングによって緩和すればまったく嬉しい限りである。   9/6


■ アクセスカウンター


この大した事も無いHP「Comfortable Space」も来訪者件数が5万件を超えた。
もう作り始めて10年を超えているから特に人気のあるものでもないだろうが、なんと言っても長年お付き合いいただいて、関西から北海道までオーディオ仲間が増えたのはとても心強いものである。ありがとうございました。

さて、相変わらず音楽を楽しむ時間は少なくなっているが、修理したアナログのSPU MEISTERもなんとか本領を発揮し始めたのが嬉しい。針圧を低めの3gに設定することによってほとんど針飛びも起こらなくなったし、購入当初に聴いた迫力のある音質が蘇って来た。修理前はSPU-Goldと聴き比べてみても音質の差があまりなかったが、現在はまったくの別物となっている。特に1970年代の古いレコードでも、高音質で楽しませてくれるのが有り難い。テンションワイヤーあたりからの「カリカリ」音は依然として発生しているが、まあそれほど気にならなくなって来た。
さて、最近は別室のHL-Compactを使ったサブシステムのプリアンプを物色中である。昔使っていたフォノイコを搭載したラックスのCL-32あたりが値段も手頃なのではないだろうか。      9/26


■ トライオードのプリアンプ

猛烈に忙しい1ヶ月だった。
このHPの更新もままならず音楽を楽しむ時間もほとんどなかったが、少し落ち着いたここ2〜3日でこちらのプリアンプを速攻で調達した。初めてのトライオードのアンプなのだが、今月の初旬まで発売されていた我が家では珍しい現行品である。TRIODE のアンプはマエストロ・ガレージでも度々聴かせていただいているが、国産で真空管アンプを製造しているメーカーではサンバレーとともにリーズナブルな価格ながらユーザーの熱い支持を得ている会社である。使用している真空管はフォノ段に12AX7×2本(右側のシールドキャップの2本)、ライン段に同じく12AX7×4本と整流管が5AR4×2本と言った構成で生産国はすべて中国モノのようである。

最初は昔使用していたLuxman CL-32あたりを狙っていたが、製造年代が古過ぎてしっかりメンテナンスされた個体に出会う事が叶わなかったため、思い切って現行品を試してみることにした。使用している整流管などの真空管を差し替える事によって、音質の変化を楽しむ事ができると考えたのである。ヤフーオークションで2年ほど前に購入された完動品を定価の6割ぐらいで落札したが、綺麗な元箱も揃っており新品同様といってもおかしくないほど程度の良いものだった。これでやっとサブシステムでアナログを楽しむことができる。おっと、型番はTRV-4SEである。


組み合せるパワーアンプは300Bシングルの ELEKIT TU-873LE である。出力管はいろいろあるが、エレハモやGD4300などが第一候補となっている。プリの初段管はさまざまなヴィンテージ管があるし、整流管もQUAD用GZ-32が数種類あるのでいろいろと試して行くのが楽しみだ。


■ THE EMPIRE STRIKES BACK


4ヶ月ほどほったらかしにしておいたEMPIRE598は、逆襲を遂げられるのであろうか?

まずは純正のMI型4000DIIIをセッティング。さすがに接触不良が頻繁に起こり、しっかりベースの接点やリード線のクリーニングなどのメンテナンス行って、ご機嫌を取らないと本調子とまでは行かないようだ。新しいプリアンプを加えて聴くこのサブシステムの音色は、低域の量感は豊かながら中高域のキレがまったくなく、かなり寝ぼけた音質である。1970年代に人気を博したこのカートリッジは、高域も繊細で良く伸びている筈だからまだまだ本領を発揮していないのだろう。

「モスキート音とは・・・・・」

通常、人間が聴くことができる音の周波数は20Hzから20KHzといわれている。
この音を聴き分ける能力は年齢と共に変化し、30代になると17KHz程度の音は聴こえなくなるといわれており、モスキート音はこの17KHzの周波数を持つ音のことである。

だいたい13歳〜17歳で19kHz、 18歳〜24歳で17kHz、25歳〜30歳で15kHz、31歳〜40歳で13kHzといったように、加齢とともに耳の性能も劣化して聴こえる周波数が低くなって行くのが通常のようだ。20歳代でうるさく感じた高域のきつさを最近は感じなくなったのは、オーディオの音質が良くなったのではなく、ただ単に歳をくったためかもしれないのである。まあ気持ち良く大好きな音楽を楽しめるようになったのだから、当然文句がある訳ではない。    10/22

久しぶりに真空管の交換試聴を行う。

整流管の5AR4を英 BRIMAR-GZ34に替えて、フォノ段の12AX7×2本をLUXMANロゴの松下製に交換してみる。

CDPからダイレクトにパワーアンプに繋いでいたときはとてもスッキリとした高域よりの音質だったが、プリアンプを使用する事によって中低域にバランスされた音質に打って変わった。また整流管を交換することによって滲み気味だった音質が少し締まった感じになる。オリジナルの真空管は中国曙光電子製と思われるが、12AX7の方はMarantz7Rに使用されている物とまったく同じであった。やはり現行の中国管からヴィンテージの優良管に交換すると、ガラッと音質描写が変わって来て好みの音質に近づけて行くのがとても楽しい。Mullardなんかを使ってみるのも少し高域の繊細感が出て面白いかもしれないが、ちょっともったいない気もする。まあ気長にいろいろ試してみる事にしましょう。

プレーヤーの方はカートリッジのEMPIRE 4000DIIIのピンの腐食がひどく、まともに鳴らないので早くも主役のOrtofon MC-30Sに変更している。ステップアップ・トランスはNorthern Electricを使用しているが、アナログの音質は響きはそれほどでもないが低域の量感が大変豊かである。

HARBETH HL-Compact はエンクロージャーのサイズが小さいので、箱鳴りで低域もある程度は出て来るが響きは少しタイトになるのはしょうがない。

今回のこの組み合わせでも、ライブハウスの前席で聴くようなリアル感で楽しめる。そんな訳で当初の予想通り、アコースティックやヴォーカルなどの曲種と相性が良さそうだと感じている。

EMPIRE598とTRIODE TRV-4SEのフォノイコの組み合わせはかなり音質に厚みが出て来るので、ネかなか説得力のある音色を楽しむことができそうだ。     10/24

昨日に続いて真空管の交換試聴を継続。久しぶりの週末連休はとても嬉しい。

整流管と出力管(300B)の交換試聴を、今日は嫁殿と一緒に進めて行く。ソフトは嫁殿好みのメタル・ロックを使用するが、嫁殿の音質評価はまずまずよろしいようである。ベースは弱いがドラムにキレがあり、高域が少しおとなしい分だけギターが弱いといった評価である。

さて、整流管をオリジナルの5AR4(中国製)からGZ34(BRIMAR)に変更し、更にGZ32(Mullard?)に取り替えるが、最も音に勢いが出て好ましかったのがGZ34であった。一番期待したのはGZ32であったが、低域の量感も減少して少し淡白になり過ぎて、クラシックなどには良い相性をみせるのかもしれないが、POPS&ROCKには物足りない結果となる。音質に最も影響を与える出力管の方は、エレハモ→GD4300B→桂光→曙光と短時間での切り替え試聴を行うが、最も評価の高かったのが以外にもロシア・エレハモブランドであった。低域の量感も十分で音に厚みもあり、中高域のキレも良くてなかなかのバランスで響く。

アナログはEMPIREの軸受けクリーニングを実施し、モーターにオイルを補充するなどしてボケた音色にやっと抜けの良さが出て来た。CDPの方は光学系固定方式メカを採用したSONY CDP-XA5ESにピアレスのライントランスをかませているが、嫁殿の評価でも定位の良さでCDPはアナログに敵わず、音が少し団子状態になってプレーヤーの存在感が分かりにくいとのことであった。厳しい〜。
大分煮詰まって来たが、来週の休みにはライン段とフォノ段の12AX7をいろいろと試してみようと考えている。    10/25


■ 米 UTC-2080


メインのPOPS&ROCKシステムの方はOrtofon MEISTER-GEが修理の紆余曲折後に復調したことから、最近はまたアナログ三昧である。

ドイツ製トランスで思い通りのものが手に入らない中、米UTCのトランスを調達した。WEやTRIADとともに米製トランスの御三家のひとつで人気のある機種なのだが、PARTRIDGEのトランスなどと比べて比較的安価に手に入れることが出来た。

早速、これまで長期に渡りメイントランスとして愛用して来たPARTRIDGE TK2220との比較試聴を実施する。

結論から申し上げると、POPS&ROCKのような曲種では僅差でUTC-2080の音質が上回ったと言うかより好みにあった結果となった。そんな訳で長年SPUとの組み合わせをサポートして来たPARTRIDGEが、いよいよお役御免となってしまった。中低域の重量感はゆったり響くPARTRIDGEが勝っているのだが、高域に独自のクセというかキラキラ感がありこれがこのトランスの美点でもあるが、ややもするとキンキンとした響きに聴こえることがある。

UTCの音質傾向は全体的にシャープで締まりがあり、プレーヤーの実在感をはっきりさせる音場形成が一番の利点となっていると感じた。前に迫ってくる音質が奥行き感の醸成にも結びついており、音楽性といった点でも評判通りの高音質である。そんな訳でPARTRIDGEは今後サブシステムのOrtofon MC-30Sと組み合せることにした。


さて、サブ・システムのTRIODEプリアンプ真空管の続・交換試聴である。

今度はいよいよライン段とフォノ段の12AX7編である。オリジナルは中国の曙光電子製であるが、何か風呂場で聴いているような独自の低音の膨らみと湿気を帯びたような音色で、カビが生えているような感じである。(そんなひどい訳ありません)
ライン段は4本使用されており、どれがどれだか判断できないので、4本の同一ブランド管(GE高信頼管5751/LUXロゴ松下12AX7)で試聴してみる。全盛期のヴィンテージ管に交換してやっと湿気が抜け、見晴らしの良いはっきりとしたバランスに戻ってほっと一息つかせていただく。GE高信頼感の方は今一歩キレが無いので、こちらは古いLUX選別管で落ち着きを見せる。

さてフォノ段の2本だが、こちらは選択肢がかなり多い。12AX7では英BRIMAR/Mullard/米GEなどに加え、MullardCV4004/CV492などが候補となる。ドイツ管(TELEFUNKEN/SIEMENS)がないのは少し寂しいが、結果として少しもったいない気もするがCV4004で着地した。


プリアンプを導入して真空管も各種取り替えた結果、こちらのサブシステムもかなり図太くて暖かみのある音質を聴かせるようになった。

今後、整流管(5AR4/GZ34)などはまだまだ選択肢があるようだから、機会があったら増やして行こうと考えている。

さて、今度はGarrard401のロングアーム増設にいよいよ取りかかろうと考えてる。SPUと相性の良いロングアームを組み合せるつもりだが、アームブラケットを装着して増設するとなると、アームが限られて来るような感じである。さてさて決着は如何に!   10/30


■ 放送局仕様トーンアーム

いよいよダブルアーム計画を実行に移す時期を迎えた。

もともとこのGarrard401プレーヤーシステムには audio-technica AT1503IIがセットアップされていたが、このキャビネットにもう一本アームを増設しようというものである。一度はロングアームを使ってみたいと思っていたが、オルトフォンやSMEは予算的に手が届かない。そんな訳で放送局仕様として開発されたこのテクニカのロングタイプAT1501IIを使ってみることにした。それほどお高い物ではなかったので、この機会にショートアームの方もAT1503IIIにバージョンアップすることにした。


このショートアームはAT1503IIIになって、インサイドフォースキャンセラーの設置や内部配線を純銀線に変更するなどの仕様変更が計られている。ロングアームは別注のアームブラケットによって後方に取り付ける予定であるが、このロングアームを主にSPU用として使い、ショートアームの方はDENONやOrtofon MC30シリーズなどを使用する予定である。

ロングアーム用のブラケットが完成するのは12月になりそうだが、それまでにフォノイコライザーを調達することにしよう。EARのフォノイコを一度は使用してみたいと思っているのだが、今回は予算的に難し「かもしれない。

サブシステムの方はSPコードをBELDENからORTOFONのバイワイヤータイプに交換したりしているが、依然音に広がりが出ず少し重苦しい音質となっている。やらかくフワッと浮かぶような音質が好みなのだが、音場がどちらかというと低く中央に集まりがちである。アナログでもCDPでも基本的には変わらないから、やはりアンプの音質傾向なのであろうか。CDPを300Bパワーアンプにダイレクトに繋いで聴いていた時はそれほど気にならなかったので、これはTRIODEプリアンプの影響が強いのではないだろうか。どう料理いたしましょうか・・・・。    11/11


 audio-technica AT1503III

3型に進化して軸受けも大型化されているが、音質は今一歩気に入らない。
内部配線を純銀線に変更した影響により音場が豊かにひろがるのは良いが、高域がシャリ付いて低域の密度が薄くなる傾向にあるのが面白くない。どちらかと言うと内部配線が銅線と思われる2型の方が重心も低くて良いのかもしれない。こちらのショートアームではDENONやMC-30シリーズを使用する予定なので、トランスの組み合わせを替えながら好みの音質に持って行こうと考えている。上手くいかないようなら残念だが古い2型に戻すことにしましょう。より新しい方が良いとは限らないのがヴィンテージの世界の通例なのである。   11/14


■ フォノイコライザー


メインシステムの中核を成すプリアンプ Marantz#7 のフォノイコライザーは、2系統の接続が可能である。

これまではクラシックシステムの Thorensと POPS&ROCKシステムの Garrard に1系統ずつ使用していたが、アームを増設した為に新たなフォノイコライザーが必要となった。一度はEARのフォノイコを使ってみたいと常々考えていたが、今回は予算が足りないためお手頃な物がないか探していた。当然真空管式からの選択となる訳だが、プリアンプに続きTRIODEが最近まで販売していた現行品を選択する。

現在アームブラケットを製作中でまだロングアームが使用できないが、事前プランでは Marantz#7のフォノイコにロングアーム+SPU、TRIODEのフォノイコにショートアーム+その他カートリッジを組み合わせようと思いを馳せている。

3本の使用真空管はプリアンプと同じく曙光電子製の12AX7なので、当然ヴィンテージ高音質管に交換予定である。

 TRIODE TRV-EQ4SE

先日購入したサブシステムのプリアンプ同様、Marantz#7と比較するのは可哀想な話だが、このフォノイコに見合うカートリッジの組み合わせなどを探り出すのに年内一杯は掛かりそうだ。まずはじっくりと試聴を繰り返そうと考えている。

サブシステムの方は、TRIODEプリアンプの真空管やSPケーブルを交換したりして少しずつ音質が改善して来たが、今一歩これだと思える音質に到っていなかった。そんな時、電源ケーブルを少し古いS/A Labのケーブルに交換してみたところ、やっと満足の行く音質に近づいたようだ。低音が依然湿気を帯びているなどの不満はあるが、音楽を聴いていて楽しく気持ち良い気分になれるようになったのがとても嬉しい。オリジナルのケーブルはノンブランド(韓国製?)のものだが、このケーブルが良くも悪くも音質に大きな影響を与えているようだ。新たに調達したフォノイコにも同じケーブルが付属しているので、こちらも当然交換が必要となるだろう。      11/18


■ DECCA MarkV-EE


新しいショートアームのAT1503IIIは、ワイドレンジで落ち着いたクラシック向きの音質である。

これまで大切に保管していたDECCAのカートリッジがひょっとしたら生き返るかも知れないと思って、北海道のKeisさんにお願いして新たなリード線を製作してもらった。40年前のオーディオ雑誌で良く眺めていたSMEヘッドシャルとの組み合せを再現して試聴してみるが、残念ながらビビリ音が出てまともに鳴らない。同じ頃のEMPIRE 4000DIIIの方はこれまたKeisさん新作のリード線でなかなかふくよかな音質を提供してくれているが、VL型のDECCAは寿命となってしまったのだろうか。今度またマエストロ・ガレージの谷口さんに相談してみようかな〜。

DECCA/EMPIREの試聴で初めてTRIODEのフォノイコTRV-EQ4SEを使用してみたが、最初はなぜか右chからノイズが出る。いろいろ原因を探ってみたが判明せず、3本の真空管の位置を差し替えたら治まった。このフォノイコの真空管は右側が初段入力の左右chA中央が2段目の左右ch、左が出力の左右chを受け持っているとのことなので、片chだけノイズが出ることは無い筈だがどこか接触不良が起こっていたのであろうか。まあ結局はヴィンテージ管に交換するのだから、音質などについてはこれからじっくり検証していこうと思っている。    11/25

いよいよフォノイコの本格的な試聴に入る。

まず真空管をオリジナルの曙光電子製から、初段(テレフンケン/_マーク)、2段目(ムラード/ロングプレート)、出力(ムラード/ロングプレート)に交換する。デッカやエンパイヤなどMC型以外の古いカートリッジを試してみたが、さすがにまともな音が出て来ないのでDENONを使用することにする。このフォノイコは昇圧用にヘッドアンプを内蔵していてLOWインピーダンス用とHighインピーダンス用を切り替えて使用できるが、やはり音質の良いトランスを組み合せたいと考えていた。

カンノ/ノーザンエレクトリック/Js/パートリッジなど手持ちのトランスを次々と組み合せてみるが、ノーザンとJsは低音がまったく出ずに即アウト。期待していたパートリッジは、ハム音が出てこちらも相性が悪いようだ。カンノでは一番まともな音質を得られたが、低音がブーミーに膨らみ過ぎてこちらも理想の音にはほど遠い状態である。しかたなくトランスではなくヘッドアンプを使用すると、全体バランスは改善されて聴きやすくなるが、今一歩迫力の足りない音質となってしまう。


そんな訳でショートアームを元のAT-1503IIに戻すことにした。

3型に比べ音場は狭まるが、低域が締まって密度の高い音質に変わるので、POPS&ROCKなどではこちらの旧型の方が良いようだ。

いろいろ組み合わせを替えて試聴を続けるが、ここで初歩的な疑問にぶつかってしまう。これまでフォノイコだけを組み合せた接続経路は、ガラード→フォノイコ→マランツ7ライン段で問題はないと思われるが、MCトランスを使用する時にフォノイコの前後のどちらに入れるのかが分からなくなって来た。試聴した時はフォノイコとプリの間にMCトランスを挿入したが、フォノイコの前で使用することによってまともな音に変わるのではないだろうか。もう一度試してみることノしよう。   

まったくお恥ずかしい話で、フォノイコの前にトランスを挿入すると打って変わって潤いのある音が出て来た。予想通り内蔵のヘッドアンプと比べても、音の品位や生々しさなどが一歩も二歩も改善される。特にSPUとの組み合わせでは演出過剰気味だったノーザンエレクトリックが、少し色付けの薄いDL-103シリーズとの相性も良いのか、Marantz7のフォノイコと比較しても大きな音質の差を感じさせることもないようだ。しばらくこの組み合わせで楽しむことにしよう。 そろそろアームブラケットが完成する頃合いだな〜。      11/28  


■ 新たな美音体験


あれこれ試していたら、体験したことの無い美音に巡り合えた。

これまでクラシックについては Thorens126+MCH-II が最も安心して楽しめるものだった。今回、Garrard に搭載するショートアームの試聴を繰り返しているうちに、新たに導入したAT-1503IIIとDENON DL-103C1+ノーザンエレクトリックの組み合わせが、クラシックでも大変魅力的な音質で響くのを発見することができた。オルトフォン同様、ゆったりと響くMCH-IIに比べ、DENONは奥行きを伴ったよりリアルな響きが眼前に展開される。特に入力段にテレフンケン/_マークを使用した時に味わえる、ざっくりとした質感はこれまで体験したことの無い音質である。

このTRIODEのフォノイコは、初段、2段目、出力とそれぞれの真空管が左右chに対応しているため、3本とも別々の真空管を使用することが可能である。贅沢にも_マークに加え、ムラードCV4004やECC83ロングプレートなどの我が家にあるVintage高音質管を組み合せることによって、新たな世界を楽しむことが出来そうである。現在電源ケーブルについては適当なものがないため、shima2372さんにリーズナブルで使いやすいオリジナルケーブルを注文したところである。


昨今のウン十万もするような高額なカートリッジと比較して恐ろしく安価なのだが、それでもオリジナルDENON DL-103を購入しようか以前から悩んでいる。音質の良い派生モデルのC1で十分に楽しむことが出来る訳だが、やはりチャンスがあったら購入したい。   12/2

サブシステムの構築などもあってケーブル類が足りなくなって来たので、BELDENの8412と電源ケーブルを調達した。

最近新たに購入したサブシステムのプリアンプや、こちらのフォノイコ用真空管の取り替え試聴をする機会が増えて、とても楽しい時間を過ごしている。このフォノイコも電源ケーブルを交換した影響が大きいのか、全体的な音質のクオリティが向上したような感じである。いよいよ本格的な試聴を始めるが、音がクリアなジャーマントリオで統一することにした。初段は3枚マイカSIEMENS E83CC、2段目がSIEMENS ECC83(中身はテレフンケン◇マーク/スムースプレート)、出力段にTELEFUNKEN(◇マーク/スムースプレート)に決定した。

シーメンスは学生時代に秋葉原の太平洋で購入して以来一度も活用する機会がなかったが、今回の試聴では3枚マイカの音質の透明度が際立っていた。この組み合わせで聴く声楽やヴォーカルは、これまで経験の無い立体的な定位感で響き、思わず笑みが漏れて来るような幸せな気分にさせてくれる。

ロングアーム用ブラケットが未だ到着しない。

注文した製作会社は納期に3週間ほどかかるとのことだったが、前回アームウエイトを注文した時も1ヶ月を過ぎても送って来なかったので、文句をいった覚えがある。今年も早いもので残すところ1ヶ月を切ったが、最善な状態で年末を迎えたいものである。       12/5


■ ダブルアーム仕様


やっとアームブラケットが到着して念願のダブルアームが完成した。

ロングのaudio-technica AT1501IIとショートのAT1503IIIを組み合せて、シンプルな放送局仕様で仕上げることができた。久しぶりに聴くSPU MEISTER-GEは、重量感のある低音が豊かに響き渡ってまったく安心できる音質である。アームの違いのせいかAT1503IIIと比較すると音場が狭いように感じるが、以前使っていたショートのAT1503IIと同様中低域に重心を置いた聴き馴染んだ音質である。少し離れた位置から油絵の全景を眺めるようなSPUと、視線を近づけて精緻な水墨画を眺めているようなDENONの音質を曲種によって楽しむことが出来るようになった。


奥のロングアームではSPUのバリエーションを、手前のショートアームではDENONやMC-30シリーズをじっくり楽しんで行こうと考えている。お次は原器DL-103の調達を目指すことにしよう。

DENON DL-103C1用に、北海道のKeisさんから送られて来た新作のリード線を試している。

Ortofonの線材を使用したリード線を組み合せると、このカートリッジ特有のタイトな音質が更にパワフルに変身するが、少し緊張感を強いる音色となるのはエージングが足りないのかもしれない。理想から言えばリアルな音質を生かしながらもう一歩豊かな低域バランスとなるように、年末に向けていろいろなリード線を試して行こうと考えている。    12/9


■ 師走のメンテナンス

フォノイコの試聴などを繰り返していると、真空管アンプ特有のゴソゴソノイズや音が途切れるなどの症状が出始めた。

年末に差し掛かって丁度メンテナンスの時期でもあるので、アンプを中心に真空管のピンやソケットなどのクリーニングを念入りに実施する。左前にあるのはオヤイデのスパイクとインシュレーターだ。Garrard401を使って音楽を聴いていると、前を静かに歩いただけで振動を拾うために購入してみた。こんなに小さいもので効果があるのか疑問だったが、設置してみると以外としっかりしていた。

今年もいよいよあと半月ほどを残すのみとなったが、来週あたりには年末恒例の第九演奏会を独り寂しく開く予定である。昨年はベーム盤だったが、今年はシューリヒトの国内盤を既に購入済みである。 なんとなくあっと言う間の一年だったような気がする。    12/12


久しぶりに取得した週末の連休は、どっぷりオーディオ三昧で過ごした。
Garrard401で使うようになった新たなショートアームAT1503-IIIにDENON DL-103C1を組み合わせると、これまで弦楽器の質感が好みに合わずにあまり聴くことが無かった Harbeth HL-4 でも、クラシックをまずまずの音質で楽しむことができるようになった。

しかしやはり TANNOY IIILZ と MCH-IIの組み合わせを聴くと、クラシックに関してはやはりこの音質が我が家では最上のものと納得させられる。ロングアームを加えたダブルアーム仕様にして2種類のカートリッジを瞬時に聴き比べられるというのは便利だが、今のところショートアームとロングアームの音質の違いはそれほど感じられない。同じテクニカ製で長さが違うだけだから、そんなものなのかもしれない。

サブシステムの方はCDを中心にPOPSやヴォーカルなどを楽しんでいるが、ケーブルや真空管の交換などによってかなり満足の行く音質になって来たようだ。しかし依然として低域のこもったような音質の原因が特定できず、じっくり聴いているとドラムやベースなどの音質に不満が出て来る。CDPでもアナログを聴いてもこの音質傾向は変わらないから、パワーアンプ300Bシングルの限界なのかTRIODEのプリアンプの音質影響なのかがはっきりしない。

やはり細かいところは気にせずに、雰囲気で聴かせるような音質傾向のELEKITパワーアンプが原因ではないだろうか。来週はもう一度、現在使用しているエレハモの出力管を他の物と入れ替えて試してみようとも思うが、それほど大きな音質の変化は期待できずこれで駄目ならお手上げとなる。流石にメインシステムと同様の質感を求めるフは無理があるのかもしれない。    12/13

サブシステムの音質が今一歩の件だが、まったくお馬鹿な話である。

Harbeth HL-Compact のリアバッフルは、ご覧のようにバイワイヤリング端子となっている。こちらの画像ではシングルワイヤ接続となっているが、低域の音質が不自然だと感じたのは、なんのことはないバイワイヤリング接続をしていて高域側の端子のひとつが外れていたのである。

まったく我ながらお恥ずかしい話で、なんでこんなに注意力がなくなってしまったのだろうか。 エレキットよ疑って悪かった!!  安価な国産キットでありながらも、直熱3極管 300Bの音質の良さを気付かせてくれたのに本当にごめんなさい。頭に来たのでシングルワイヤの BELDENケーブルに交換したところ、嘘のように見通しの良い音色に生まれ変わったのである。(当たり前か!)

ちなみにこのジャンパーケーブルは Harbeth HL-4純正のものだが、HL-Compact に付いていたのはチープな金属の線材だったので、使わずに仕舞って置いたらどこかにいってしまった。

気を取り直して聴いてみたこのサブシステムの音質は音離れが良くキビキビとしたもので、メインシステムと比較すると流石にスケール感には乏しい恨みはあるが、これはこれで楽しく音楽を楽しめるシステムに仕上がったと喜んでいる。   12/15


■ アナログ復興


先日見たTVのニュース番組で、最近再ブームを迎えているアナログレコードについての話題があった。

国内で唯一レコード生産を続けていた会社もここ数年フル稼働を続けているとのことで、まことに喜ばしいことである。番組の中でこれまでレコードに縁がなかったCD世代の方々も、店員がレコードに針を落とす儀式を興味津々に眺めながら、流れて来る音楽に耳を傾けていた。

そんな内容に背中を押された訳でもないが、アナログ盤を調達するために初めて嫁殿と連れ立って神保町まで出かけることにした。有名どころの3軒の中古レコード店をハシゴして、久しぶりに10数枚のアナログ盤を購入する。中には発売されたばかりのビートルズのアルバム「ザ・ビートルズ1」も調達できたし、調子の上がって来たオーディオシステムで楽しみな年末を迎えられそうである。     12/19


いよいよ2015年の年末も押し迫って来たが、今年も何のことは無いアナログ三昧で終わろうとしている。

ロングアームに MC-30 SuperIIを装着して聴いてみるが、SPUと比較して腰高の音質が今一歩しっくり来ない。

昇圧トランスの方もいよいよこの年末に悪魔の囁きY下さんから WE-618B をお借りすることになっているので、事前に手持ちのパートリッジやカンノなどをいろいろ試してみている。やはり POPS&ROCK などの曲種では、奥行き感があり押し出しの強い音場を形成する UTC-2080が一番好みに合うことを確認した。高いから嫌いだが、圧倒的な評価の WE-618B とは一体どんな音なのだろうか。    12/25

■ 例のブツが・・・・!


年末、Y下さんから恐ろしい音楽の媚薬が届いた。

一度手にするとコカイン、ヘロイン、覚醒剤などの薬物と同様に依存症に陥りやすく、また依存症状が深刻になりやすい機器と言われている。そんな危ないブツに手を出すとは、オーディオ人生を滅ぼすことにならないであろうか。
http://my-vintage.music.coocan.jp/2015.html

14. 中川隆[-14378] koaQ7Jey 2020年1月18日 14:57:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1291] 報告
・AUDAX 13LB25AL(13センチ)・・・ここからスタート。フランスの伝説のブランド。黒ペーパーコーンで、音色はまさに古色蒼然、カラヤンのフィルハーモニア時代、モノラル録音のよさがはじめてわかった。能率も極めて高く、真空管があればもっとよかった。一方で、新しい録音への対応はやや違和感が。
ある段階から、妙に違和感が出たので、下記のE100HDに取り換えることを繰り返した。
ユニット取り付け穴の都合で、キャビへの取付を2つのネジでやる等、試行錯誤していたので、かわいそうな条件だった。108Solからまったく音が変わってオオと思った、コスパはすごく高いユニット。

コメント

mixiユーザー2019年09月15日 22:04
思い出しました確かに退院直後に読ませて頂きました。面白そう!古風というのが気に入りました! 17cmと合わせて手に入れたいです!!(笑)。

mixiユーザー2019年09月16日 00:26
> mixiユーザー 
AUDAXはおもしろいです。キャラがあります。年がら年中フルトヴェングラーとかワルターとかオールドジャズを聴いている人には至福じゃないか。ハイ落ちなのでツィーターもコンデンサーのみでつながります。ここまできたら真空管使うしかないという音です。やっぱり時代ですね。

mixiユーザー2019年09月16日 00:5295dB
以下はスピーカーユニットじゃねえ!!みたいな(笑)。こう言うの好きです!!。今時96dBでぶちのめす!!いいんじゃない的な(笑)。割り切ってるところがすごい!!。ハイ落ちでますます今風じゃないなんて!!。本当時代が来てますね!!(笑)。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972716104


AUDAXが復活。デジタルプリのイコライザー調整で、サブウーファーとも-24デシベル/octの80Hzクロス設定でも、まあまともになることが判明。意外なことに、低音足りな過ぎ問題は深刻ではなくなった。

中低域の量は谷になって少ないはずなのだが、音色としてはそこにアクセントがあり、ペーパーのあいまいさ、あたたかみというか、古風な艶消しの美音を聴かせる。タンノイに似ている。

3万円台のAUDAXが刺客になったが、クールなジャズとポップ系、弦独奏中心ならメタルコーン系だろう。現代ハイエンド調の音色で追い込むならEikona。今回は、フルトヴェングラー以降の古典クラシック再生を好み、LP時代の雰囲気を疑似的に再現したい、黒大好きという、個人的な嗜好が強い。

値段ではなく、いろいろ鳴らしてみてよかった。
古風で高能率で黒いコーンの方向に進めばいいとわかった。
パワーアンプもファーストワット(疑似真空管?)だし。

重量路線でAudioNirvanaのClassic5と、高級路線でEMS社のLB5とLB6を試す。
その前にユニット処分しないと・・・ FE108solは大人気なので心配ないのだが、日本にほとんど存在しないユニットは、価値がわかる人がいるかどうか。。
新鮮味に欠けるので、今日また、E100HDにつけかえて、売れるまではそれで行こうかなと思いたった。それだけ思い入れのあるユニットなのだ。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971417544?org_id=1971402262

15. 中川隆[-14377] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:08:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1289] 報告
EMSの LB6 は AUDAX みたいに1940から1970年代みたいな感じでもなく、ハイエンド、ハイレゾの鮮明カラフルというのでもない。

メーカーは、リッチで分析的と謳っているが、確かにタンノイや AUDAX のようにリッチではあるが、溺れる感じではなく現代的な性能も感じる。

静かというのは、余計な音が出ていないというか、スピーカー周りのドロドロ感がなくて、空間にスッと音像ができている感じで、これはトランジェントのよさだろう。

性別でいうと、108Solは、長岡先生と連携してつくってきた「やんちゃな男の子」という感じ。Solは大人になったが、昔やんちゃだった男性。

AUDAX は野人の男性という感じ。昔ベルリンフィルやウィーンフィルに女性楽員がいなかったような。

E100HDはどちらともいえる。

LB5は気品があるが、機敏なので、育ちのいい少年少女か。

LB6は、高貴な女性を思わせる。いざとなれば芯の強さを見せるが、やたら主張してくる音ではない。やはりヴァイオリンソナタが綺麗。静かに花開くよう。

ただ、LB5の印象と違い、振動板のドライな感触が、FEほどではないが残るようだ。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1972720173?org_id=1972716661

16. 中川隆[-14379] koaQ7Jey 2020年1月18日 15:17:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1291] 報告

そして宴の後 2019年05月06日
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971422117?org_id=1971417544

AUDAX しっかり調整して、悪くないが、もうわかってしまった音で、ワクワクしない。これからフルトヴェングラーばかり聴くならこれでいいが。
E100HDmk2を再登場させた。

以前は、ユニット交換・調整なんか1か月がかりのイメージだったが、繰り返しなので、1時間でできる。
ファストン端子は、金メッキのは抜き差しはそんなに手間ではないが、ケーブルとの圧着がけっこう大変で、抜けてしまったのを再装着で手間取る。
イコライザーは、部屋の特性として、50Hzをとにかく落とす、左チャンネルの315Hzを落とす、というのが絶対で、あとは微調整なので暇なときにやればよい。
今回、サブウーファーのみで50Hzを落とす方法を初めて発見した。何をやってたんだというところだが、まあ、実際は聴感的に愕然とするほどの差はなく、精神衛生上の感じだが。

CLASSEのデジタルプリCP800の機能に頼りきりで、CLASSEはB&W社と関係切られた?とか社長が亡くなった?とか、読んだ気がして、気が気ではない。

音は、やはりたちまち金属の感じになる。
それが潔いというか、楽しい。ずっと聴かねばならないなら改善策を必死で考えるが、個性を楽しむ状況にあるのだ。
オークションは取り下げで、最低2週間ぐらいは聴いてみよう。これがGWの結論の音。
ツィーターの調整やリアがやや大きいなどもあるが、オーディオはやや未完成ぐらいのときがいちばん楽しい。

それにしても、工作と調整で疲れた。
GWを楽しみにして、いろんな工具を買っていた。モノタロウという業者さん向けのネットショップに目を付けられ、分厚いカタログが2冊オマケでついてきたりした。

頭を悩ませたのが、画像のリング裏部分のところで、もともと木工業者さんがつけてくれていた鬼目ナットのサポートみたいなやつが3か所壊れたため(AUDAXの無理な仮留めのせいか)、精神衛生的にも裏側から締め付ける方法を考えた。
しかし、窪みにあるので難しい。
で、六角レンチと長ナットを組み合わせ、歯付き座金ワッシャをかませて対応。
まあまあうまくいったが、ユニットをつけてしまうと、当然裏からの締め付けは不可。AUDAXは結局リングに2か所留めとなっていてよくはない。また送り返して穴のない位置に開けてもらうか・・・
他人にはどうでもいい話だが、1週間ぐらい通勤電車のスマホで案を練り続けた。

使わなかった材料もたくさん。数百円だが、重なるとそこそこ。
そもそもユニット自体が、すぐに処分なのだから無駄が多い。
でもまあ、いちどこういうのをやってみたかったし、こういう無駄が豊かさなのだと思う。
コスパのために生きているのではない。
今回、思いがけないネジやコンデンサーを採用する結果になることが本当に多かった。
Yラグ(1個10円以下)工作がうまくハマると楽しい。マトリックスサラウンドのつけ外しが実に気軽になった。

よくないパターンとしては、いちばん高いEikonaだけ買う、それに合わせて自分を変える、みたいな。
いくつか候補を試して、合うものを残すのが合理的でもある。

旅行も、計画を立てているときがいちばん楽しい。
最中は必死で落ち着かず、無限と思っていたら、あれもう終わりかと。
GWは、やりたいことの3分の1もした感じがない。

しばらくは、ボルトもナットもレンチもファストン端子もみたくはない。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971422117?org_id=1971417544


2019年04月23日 JX92Sの亡霊
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971235422?org_id=1971150041

アルミリングが届いた。

AUDAXが再調整で見違える音と測定結果になったが、黄金のバランスは一日でさようなら。メタルコーン系が使えるのだかどうだか、GWを前に、どうにも気になる。

E.J.Jordanの伝説フルレンジJX92Sを、スウェーデンのメーカーとScanSpeakが共同で再設計した、2017年あたり発売の最新ハイエンドフルレンジ。
とはいえ、MG130HRはもちろん、FE138ESRより安い。。

とりあえず鳴らして測定したらこの結果。
FOSTEXのFE限定フルレンジや、AUDAXでは考えられない結果。
とはいえ、低音の質には期待できないため、デジタルプリで潔くカットしてサブウーファーとつなげてしまう。

工作と設定で疲れた。
感想はおいおい。

コメント

mixiユーザー2019年04月24日 02:09

このユニットはポチの夢さん宅で聴いたことがありますが、エンクロージャーが違うので全く鳴り方は違うのだろうと思います。それにしてもフルレンジ1発でこのF特は驚異的ですね。
低域カットしてサブウーファにつなぐのも良いですが、フルレンジのまま置き場所を変えることで低域のクセを解消させるという方向も面白いと思います。

mixiユーザー2019年04月25日 01:44

> mixiユーザー 
AUDAXのカマボコ型とまったく違うのでビックリしました。
音場の追求だけでいうと、フルレンジだけでメリットのあるユニットですね。
ヤンセンのブリテン、デッカの新しい録音で、フルレンジ+サブウーファーのみで、サラウンドとツィーターなしで新鮮な感覚がありました。
とはいえ、寂しくなっていろいろ追加注文してしまいます。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1971235422?org_id=1971150041

17. 中川隆[-12803] koaQ7Jey 2020年5月04日 17:41:57 : owBDVMWD72 : SWV6ak1UeDZPWFE=[16] 報告

Eikona2の逆襲(1)mixiユーザー(id5343821)の日記
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975545345

FE103Aはエージング中だが、その前に、この一年のスピーカーユニット遍歴をまとめておきたい。

昨年の3月ごろから、大量のユニットと工具を購入して、いろいろやってみた。
これは大変よかった。いろんなことがわかった。
逆に言えば、最初の想定はどれも外れた。

最初の想定では、そもそも、

・スワンキャビ(バックロードホーン) 10センチユニット
・ネッシーキャビ(共鳴管) 13センチだが真鍮リングで10センチ装着可

このうち、スワンがゴールでネッシーはサラウンドと思っていた。
しかし、それ用にEMSのLB5を2ペア買ったものの、あっさり無駄になった。

スワンは確かに音場感などに優位性はあるが、私の環境は奥行きが取りにくいのでイマイチなのと、測定値だとネッシーが優秀なのに対し、スワンは800Hzの落ち込みと右チャンネル160Hzに盛り上がりが出て、1.25キロから3キロあたりが盛り上がる特性になりやすい。

広い部屋ならスワンが面白いだろうが、こちらでローカットしてサブウーファーと組合わす分には、ネッシーを後面開放箱のように使うのが無難だった。
あとは、スーパーツィーターT90A-EXはなかなかよいのだが、10センチフルレンジだと高音が喧嘩するのに対し、13センチぐらいだとナチュラルに最高域が落ち込むので、つながりが良い。

・AUDAX
・EMS LB5
・EMS LB6
・EJ/JORDAN Eikona2
・EAD E100HDmk2

このあたりの比較になる。LB5以外はフォスでいう13センチ。

AUDAXは、古典的な高能率ユニットで、高域も低域も出ない。中音がしっかりしていて、今回の用途にはとてもよい。サブウーファーとスーパーツィーターは前提だからだ。

1940〜60年代クラシックがそれらしく鳴るのでは随一。セールで買って近い値で処分できたが、これだけキャラがハッキリしているなら、LB6処分でAUDAXのみ残すほうが良かった。

EMSは、セルロース振動板で、もとは励磁型の超高額ユニットを扱っている。スペックは過激なQ0の小ささでフォスそっくりなのだが、キャラはフランス的というか優雅だ。

上品で、AUDAXほど古すぎる音でもなく、もうこれで結論でよいかと思えた。高能率だから真空管に向く。

EADは、有名なジョーダンのJX92のライセンスを買い取っている?スウェーデンのメーカー。

最初はメタルコーンのクセをどのソフトでも感じて、これが結論にはならないだろうと思って一時ヤフオクにも出していた。しかし、なんだかんだ飽きたりして、交換を繰り返すうちに、いつも最後に鳴っているのはこいつなのだった。

いまではメタルコーンのクセというのもあまり感じず、LB6の少しモワっと雰囲気を出してくる感じと比較してニュートラルとも思う。輸入代理店によると、PPとのサンドイッチコーンだという。

日本では知られていないが、これは素晴らしいユニットだ。ScanSpeakの製造でもあるし。現代ハイエンドの品位がある。後述のEikona2と、コーンの工夫以外は同じ造りか、銅メッキがマグネット部にある分上回っているが、買値は私は5万以内で買えた。

能率86デシベル程度とあるが、Eikona2の85.2表示より3デシベル以上高く、92.1表示のLB6よりそんなに低くない。真空管でも大丈夫だ。

この中で、もっとも高価、いまは9万近くで売っていて、そもそもこの遍歴のきっかけになったのがEikona2の限定輸入販売をみたことだ。

だから、13センチ組ではこいつが本命だった。(画像)

が、装着して鳴らして、翌日には外して転売に出していた。
その後何度か再試して、よさもあるかなというとこだったが、新品同様での処分にはこだわっていた。が、57500円まで下げても、1年近く売れない( ´∀` )
もう新品同様もくそもないなと思って、ある程度結論となっていたE100HDmk2を外し、5分ぐらいで交換。遊びであったが、まさかの逆襲が・・・(続く)
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975545345

Eikona2の逆襲(2)mixiユーザー(id5343821)の日記
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975545675?org_id=1975545345

Eikona2は、Jordan氏直系の会社の扱いだが、ここはこの一つのユニットのみで経営している。

フルレンジの口径の理想が何かという議論があって、BOSEは11.5センチ、フォスは一時(笑)13センチと言っていた(FE138ESR発売時)。
Eikona2は、フォスでいう10センチと13センチの中間よりは13センチよりの、12センチぐらいの振動板で、エッジが大きい。

聴く距離とか、低音重視とか高音重視とかで変わると思うが、フルレンジの基本はこのあたりだろう。

ツィーターを拒否するなら10センチがよく、ツィータープラス前提なら13センチのほうがスケールに余裕が出ると思う。

Eikona2だが、最初は音色は抜群で、ムターの四季など素晴らしかったが、近づいて聞くと音像とか音場が異様な感じ。
懲りに凝った構成のせいではないかと感じた。振動板もなぜか10.7gもある。何かの間違いではと思うほど。

ルックスは、普通の振動板のデザインであるEADのほうが、スッキリして、うちのキャビネットや部屋には合っている。

・・・と思ったのだが、Eikona2の能率が、思ったより低いことと、単体で鳴らすと思ったよりツィーターやウーファー、サラウンドが大きく鳴っていることに着目し、最後に、Eikona2以外の要素を下げてみた。

ツィーターのコンデンサーは0.33から0.1にする。イコライザーでも下げられるが、コンデンサーから小さくする。
サブウーファーはだいぶ下げたので10目盛りのうちついに1台に突入。リアは、トマンのパワーアンプでボリューム付きなので、目立たない程度に落とす。

これで、真空管でドライブしたEikona2は、日ごとによい感じで、やはりヴァイオリンの音色が素晴らしく、ムターの四季は合う。
オーケストラの音色表現が、全体に素晴らしい。

ルックスも、もともと細部がかなりおしゃれなデザインで、見慣れると悪くない。
EADのほうがルックスは好きだが、オーケストラの音色表現だとEikona2では。
EADのほうが能率が高いので、真空管のQUAD2で鳴らすには伸び伸びして有利だ。
ハイパワーアンプ所有者でルックスが気にならなければEikona2の勝ちではないか。

辰吉が薬師寺に敗れたコメントではないが、「強かったよ。いろいろ言って悪かった。詫びを入れたい」という感じだ。

なにせEADとかEikona2とかになると、日本で使っているのは1桁かもしれない( ´∀` )

私などのコメントが、ネット検索すると出てきたり、輸入代理店みたいなとこにも引用されたりしている。日本代表の見解だ。これは失礼だと思う。

オーディオでは、使いこなせず悪口を言うなんて日常茶飯事だ。すべてにおいてそういうことはあるものだが、反省しきりである。

Eikona2は、能率と振動板の重さ(たぶん、ダンプ材が駆使されてるのでその重さ)が問題なので、逆に、置いておいて夏用に中華デジアンを買ってドライブしてもおもしろそう。Toppingの2万のものは気に入った。

FE103Aは、この絶頂時に交代なので、たいへんに不利だ。

写真は、真鍮リングにつけたもの。

真鍮リングは、ペーパーで磨いたがかえってくすんでしまうなど。油で磨くと鏡面ぽくなると気づいたのが、装着後だ。プロは凄いなといつも思う。
振動板中央に黒い点があって、シールでも貼ってあるのかと思うが、角度によって内部のボイスコイルが透けて見えているようだ。こんなのは初めてだ。異形のスピーカーユニットである。

https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975545675?org_id=1975545345

18. 中川隆[-12805] koaQ7Jey 2020年5月04日 17:57:07 : owBDVMWD72 : SWV6ak1UeDZPWFE=[17] 報告
FE103アニヴァーサリー(4) mixiユーザー(id5343821)の日記 2020年05月03日14:12
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975557409

写真は、サブウーファーをつけて、ツィーターのコンデンサーを0.15μにして、まあいいかなと思った時点でのもの。低音の特性は単体時より悪い。

これは、最近は欅坂の東京ドームBD大音量を基準にしているので、低音・超低音が多いと部屋が破綻してしまうのだ。綺麗な測定値を求めるあまりの無理をしないことにしている。

Eikona2に学んだのが、やはり中音とサラウンド以外の部分が大事だ。

スワンと108solは、音はよい感じだったが、特性はよくなかった。800Hzが落ち込んで、1キロから3キロあたりにピークがある。この展開はうるさくなりがち。
キャビもユニットも、ヘッドが独立しているよさはないけど、今回のほうが無難。

音はどうか。

おもしろいのは、ユニットごとに、おはこのソフトがあるようなこと。

AUDAXではカラヤンとフィルハーモニア管のモノラルベートーヴェン。古色蒼然だがフレッシュ。LP時代の佐野元春もよかった。

Eikona2はムターの四季。艶やかなヴァイオリンと濃い音色。あとデイヴィスのシベリウスのイギリス調。

E100HDmk2では、ヤンセンのブリテン・ヴァイオリンコンチェルト。現代ハイエンドの豊かさ。

LB6は、1970年代録音ぐらいのフィーリングがある。


103Aは、直感的にかけたのはショルティとシカゴ響のベートーヴェン交響曲1・2番。

これはデジタル再録のほうだが、隠れた名盤で、重々しいベートーヴェン像から、小編成オリジナル楽器・奏法で軽く速く演奏する時代への先駆けという感じ。
シカゴ響の明るい輝かしい響きで、スリリングに駆け抜けていく。

これは音色含め非常にキャラが合っていて、音の刻みの連続にワクワクする。
この流れで、似たアプローチのラトルとベルリンフィルの最近のベートーヴェンだが、やはり素晴らしい。エロイカの革命的な躍動が伝わる。

スケールは13センチに劣るが、音場感自体はむしろ広々とする印象もある。
中低音の実体感みたいなものは落ちる。重みと厚みのある振動板からの直接的な低音だろう。

音色は最初無機質というかのっぺらぼうのツルツルな明るさがあり、ポチの夢さん宅でも気になり、デジアンと相性悪い感じもした。コーティング剤とか何かのクセかもしれないが、エージングで落ちそうな部分ではある。

大音響では、ホワホワした芯のない感じもある。メタルコーンを聴き慣れたからもあるだろう。Eikona2の濃いヨーロピアンな音色は失われた。

このあたりは予想もしていたのだ。Eikona2の最近のバランスは絶妙だった。まだ飽きてもいないし、とても勝てるとは思えない。1か月我慢して使って退場の覚悟はできていた。

ただ、そこまで悪くもないのは、スーパーツィーターやサブウーファーに助けてもらったり、音色面はQUAD2の真空管のサポートがある。アルニコユニットの、私のイメージするビクタートーンみたいなのはあまりないけど、アルニコ以外よりは気品がある気もする。

FEの絶叫感がほぼ気にならないのは、上記の特性のおかげもあるし、超低音はほぼカットされてコーンが目に見えて振幅しないのもある。

コメント

mixiユーザー2020年05月04日 09:08

すでにサブウーファー・スーパートゥイーターを持っていると箱作りはそれ込みで考えますので、いわゆる「自作派」とはかみ合わないですね。巨大な共鳴管にサブウーファーを使っていたネッシーの例がありますが、サブウーファーがあるなら、できるだけ筐体はコンパクトにしたい。3組スピーカーを飼っていると当然そうなります(笑)


mixiユーザー2020年05月04日 12:21
> mixiユーザー
 
最近は「マルチ派」かもしれませんが、手元にあるものでそれなりに鳴らす自信は出てきました。いまは処分できない過去の情熱のデカい箱が二つあるので、それで考えています。あきらかに共鳴管の容積は不要で、パイプ外そうかとすら思いますが、どっちにせよ置くところはない(笑) しかし、長岡先生のいう「背圧のかからないよさ」というのは確実にあると思います。

mixiユーザー2020年05月04日 14:20
> mixiユーザー 

後面開放箱というのがあります。これは確かに音離れはいいのですが、背面の音が混ざって色がつくのとパワーが入らないので、メリット・デメリットを勘案すると結局、ダンプド・バスレフ(効果の低い小穴ダクトつき)が無難という結論に落ち着いています。箱も小さくて済みますしね。「背圧のかからないよさ」はあこがれますが、共鳴管を置いてしまう他のスピーカーを置く場所なくなりますし・・・

https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1975557409

19. 2020年9月04日 23:00:31 : HkgJnKAIEY : SlIuQVB5bUtNeFE=[31] 報告

EMIT, オーダックス, ポリプロピレン
http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/emitaudaxpp.html


 ネットワーク製作時の試聴風景。どこかのオーディオ屋のようで部屋の美観も何もありはしない。オーディオファイルというとかっこいい気がするものの、 オーディオギーク(オタク)という感じ。左のスピーカーは参照用のハーベス・モニターHL。真ん中の列の上に乗っている黒いのがインフィニティのインフィ ニテシマル3 で、このシリーズ3のみ黒いダイキャストの箱に入っている。

 色々 な機会に様々なスピーカーを聞いてきて気づいたことがあります。それは素材の面から言うと、低音側を再生するユニットの振動板材量としてはベクストレンと ポリプロピレンがどうも好みらしいということ。高音側を受け持つツイーター・ユニットとしては、ひとつにはフランスのユニットメーカーであるオーダックス 製のシルクドームのような倍音がきれいだということです。これは具体的には HD12と13という二機種だったのですが、薄いシルクの振動板に粘着性のダンプ剤が塗り付けて あるソフトドーム型であり、このポリプロピレンとオーダックスのシルクというのはどちらもイギリスの BBC が製作したモニタースピーカーの系統で耳にしたもの(ハーベスモニター HL、チャートウェル=ロジャース LS5/8、5/9)でした。素材自体に加えてその用い方がいかに重要かということは後で言いたいのですが、ともかく部品としてはまずそれらのもの、それ にアメリカのメーカーだったインフィニティの初期のスピーカーが良かったということがあります。インフィニティはこれまた BBC モニターの系統と同じポリプロピレンを低音側に使い、一方で高音用としては EMIT と名づけられたリボン型のユニットを採用しています。EMIT は極薄のフィルムにボイスコイルをフォトエッチングし、両側から強力なマグネットで挟む構造をしており、オーソドックスな金属箔によるリボンや片側だけの マグネットのものとは違って静電型のように透明で繊細な音を持っています。アコーディング・プリーツ状のテフロンカーテンを伸び縮みさせるハイルドライ バーとも混同されがちですが、ハイルドライバーのはっきりとした、やや即物的な音とも出方が異なります。
 そこで自作派としては、ポリプロピレンのユニットをウーファーに使って、ツイーターとしてはオーダックスのシルク・ドームとリボンの EMIT のどちらがいいか確かめてみたいという気持ちになりました。

インフィニティの改造

 まず一つの方法として、インフィニティのインフィニテシマル3(0.3)という小型の優れたスピーカーを手に入れ、ネットワークを改造するという方法を 試してみました。これはその方法で素晴らしい音を出しているショップがあったからなのですが、市販のスピーカー・システムというものはコストの制約から電 解コンデンサーや鉄芯入りのコイルといったあまり音色の良くないものを使わざるを得ず、ハイエンド製品の走りだったインフィニティですらそのような部品を 上手に組み合わせて使っていたということがあります。それと、これは一種の信仰の問題かもしれませんが、ネットワークの回路は「もしユニットの性能が十分 に良いならば」部品点数が少ない6dB/oct の緩いスロープのフィルターで作った方が良いという考えもありました。回路に使う部品というものは、たとえそれがどんなに高価で性能の良いものであっても 何らかの色づけ=劣化があるからです。
 システムのエンクロージャーは元のアルミダイキャストのもの(シリーズ1、2は引き抜き材と樹脂+木)をそのまま使いました。ダイキャストの箱はあまり箱鳴りを感じさせなかったからです(独特の低音で鳴っているとい う人もいます)。

infinitesimal3.jpg
Infinity Infinitesimal 0.3 1982

 参考にできたネットワークの回路は、インフィニテシマルのシリーズ1〜3までの三種と、同じユニット構成のカーステレオ用のシステムが一つ、それにRS7という3ウェイのシステム用のものがありました。この中で6dB/oct のものはインフィニテシマルのシリーズ1とカーステレオ用のものの二種類で、後は12dB/oct スロープです。インフィニテシマル1はウーファー側がワトキンス型のダブルボイスコイルになっているために変則的ですが、ウーファー側のコイルが1mH でそれに3.5Ωの抵抗が並列接続されています。ツイーター側のコンデンサーは1.5uF です。ウーファー 側で大 きめのコイルに抵抗がパラってあるということは、比較的低い周波数からレベルを落として行きながらも、一定周波数から上のスロープを鈍らせる(浅くする) 効果があるようです。これはウーファー側の中高域での盛り上がりを抑える狙いなのかもしれません。この回路で音を聞くと中域が少し痩せてすっきりした音に なります。シリーズ3の元々の回路もこれにさらにコンデンサーと0.3mHのコイルがもう一つ加わっていますが、同じような傾向の音に聞こえます。一方で カーステレオ用のものはウーファー側0.4mHのコイルだったようです。

infinitesimalfil1.jpg infinitesimalfil2.jpg
 インフィニテシマル3のネットワーク(Infinity Infinitesimal 0.3 dividing network)。左が元々のもので、右が改造したもの。ウーファーの複雑な回路はやめ、ツイーター側の音圧調整の抵抗も省いてある。また、余分な接点は 増えるものの、ツイーター側は1次と2次のスロープをスイッチで切り替えられるようにしてみた。最終的には2次の方が合っていたのでそちらに固定しても良 い。B&Wに使われて有名なムンドルフのサプリーム・シリーズのコンデンサーは大変高価だ。小さい方のコイルは写真よりも基板から離して設置して ある。このように部品のクオリティを上げ、回路を単純化するのは あくまでも音色の改善のためであって、周波数特性が規定の幅に収まったものを出したいメー カーとしてはこういう手は使えない。アマチュアだからこその楽しみだ。

 今回は色々試聴をしてみた結果、1次フィルター(6dB/oct スロープ)の場合はウーファー側0.4mH〜0.47mH、ツイーター側2.2uF 〜2.67uF の組み合わせにしたものがもっとも自然な音になりました。最終的にはムンドルフの2mmφの線径で巻かれた0.47mH のコイルと同じくムンドルフのシルバー/オイル・タイプの2.2uF に決定し、あえてレベル調整の抵抗は入れませんでした。このように部品点数が2点しかないような回路だと、その一つひとつのパーツの持つ音色が大きく影響するようになります。コイルの方はお金をかければ銀のフィルム・タイプもあるようですが、.99より純度の高いものや音 色の素直な PCOCC は手に入らず、市販のものの中からムンドルフをチョイスしたわけです。ジェンセンのものも試しましたが、ムドルフの方がおとなしくて太い音、ジェンセンの 方が高域にやや華やかさが乗るように聞こえました(線径の面からは一見逆のようですが)。したがって特性上は矛盾するのですが、ムンドルフを使うときは一 つ小さな値にすると聴感上ジェンセンの音に近づくような感じになります。フォ ステクスはその中間ぐらいでしょうか。他には IT エレクトロニクス製のものも出てますが、以前トリテックとの提携で出ていたものを除けば試したことはありません。そしてコイル全般に言えることですが、コ ア入りのものよりも空芯の方が音が伸びやかで自然です。直流抵抗分の増大とコストの面から市販のスピーカーシステムではコア入りが多いですが、比べるとコ ア入りは全般に音が少し痩せ、歯切れよくにぎやかになるようです。

 コンデンサーは色々試してみましたが、最終的には昔からのお気に入りであるドイツの IT エレクトロニクス社製オーディン・キャップシリーズの中から錫箔の KPSN と、B&Wでおなじみのムンドルフのシルバー/オイルのタイプの一騎打ちとなりました。どちらもポリプロピレンをベースにした箔巻きですが、前者 は錫箔、後者は銀箔にオイルが含浸させてあります。ムンドルフの方が高価ですが、損失は前者の方が一桁少ないようです。音色はどちらも高域が繊細に延びて ディテールが出ますが、KPSN の方がやや細身でクリア、かつはっきりしているのに対して、シルバー・オイルの方はシルキーでしっとりし、独特の雰囲気を持っています。好みですが、値段 分の差があるかどうかは人によると思います。

capacitors.jpg
 コンデンサー(上から)ムンドルフ・シルバー・オイル [Mundorf Supreme Silver & Oil capacitor]、IT エレクトロニクス オーディン・キャップ KPSN [IT Electronics Audyn-Cap KPSN]、抵抗(下二つのうち上から)デール無誘導巻線型 NS-5 [Dale NS-5]、デール・メタルクラッド NH-25 [Dale Metal Clad NH-25]。

 音 量を調節することなどに用いられる抵抗ですが、メーカー製のものはたいていセメント抵抗です。これは巻線抵抗をセラミックのケースにセメントで塗り固めた ような構造です。しかし自分が今まで使ったものの中ではアメリカ(現在はメキシコ工場)のデール(Dale)製の5Wのものが評判通りで使えました。セメ ント抵抗と同じ巻線型ですが無誘導巻きになっており、さらにその上には放熱用のアルミケースに封入されたメタル・クラッドの抵抗もあり、25W のものはさらに繊細さが出るようです。他にも良い抵抗はあるかもしれませんが、同じような巻線型ではホーロー抵抗が安く、ちょっと固めの輝きが乗る感じが しましたが、実験用には悪くありませんでした。

 さて、1次スロープのフィルターで組んでみた後でさらに実験を重ねたところ、ひとつ気づいたことがあります。それはどうやっても、緩い6dB/oct スロープのフィルターでは各楽器の分離が今ひとつすっきりしないということです。ムンドルフのシルバー/オイル・タイプのキャパシターを使うと、えも言わ れぬやわらかな、弦では周りの空気に音が浸み込むようなシルキーなテクスチュアが感じられ、一種麻薬的な魅力を覚えます。しかしオーケストラの合奏などで 楽器が増えてくると、とくにフォルテで少しうるさい感じがするときがあり、何だろうと思っているとあるとき、楽器間のセパレーションが悪くて位置がはっき りしてしないことに気づいたのです。どうやらクロスオーバー・ポイントの下方で各ユニットの重なりが大きいためにそうなっているようです。 かといってクロス点を開くと間の抜けた艶消しの音になってしまいます。オリジナルのネットワークにあったような、 ウーファー側のコイルを大きくして抵抗を並列につなげるような工夫をしていないので(音色の面でなるべくシンプルにしたいのです)、中域が少しせり出して きていることも関係があるかもしれません。
 そこで元々の哲学には反しますが、ツイーター側を2次スロープ(12dB/oct )にしたフィルター回路でも追い込んでみることにしました。耐入力を上げるためではありません。結果、ウー ファー側は同じ0.47mH コイルのままで、ツイーター側のみコンデンサーを4uF(2.2uF のムンドルフと1.8uFの KPSN )にし、0.1mH のコイル(ムンドルフの線径1.4mmのシリーズ)に0.5Ωの抵抗(デール NH-25)を並べたものをスピーカーと並列に入れた回路に決定しました。結果は EMIT で陥りがちな線の細い音を脱し、楽器の分離も良い状態に持ち込めました。前述した通りウーファー側のコイルに特別な細工はしていないため、このウーファー の元来の性質である中域のはっきりしたバランスも持ち込まれましたが、悪くはないと思います。ただ、1次ス ロープのときに感じたようなやわらかくシルキーな魅力は半減し、よりくっきりとしています。ひょっとすると錫箔のコンデンサーを加えたことによる表情の違いかもしれませんが。
 しょうがないので、邪道だとは分かりつつも2回路の切り替えスイッチを一つかませて、キャビネットの裏から 6dB と12dB のフィルターを選べるように工夫しました。

Infinitesimalschematic.jpg
Schematic Diagram of Infinity Infinitesimal 0.3 Modified Network

 クロスオーバー点をもっと上にすることで6dB/oct のスロープのまま楽器の分離を改善する方法も考えられますが、振動板質量から解放されたせっかくのEMIT の受け持ち帯域が減ってしまう上にウーファー側の分割振動域を活用することになり、コーン・ウーファー+スーパーツイーターになってしまうのも残念な気がします。結局問題は、シンプルな回路ゆえに、この帯域を強調してこっちを下げるというような音色上の微調整がやりにくいということです。ヴァイオリンがもう少し艶が乗って張り出すと色気があって良いなということがあったにしても、そこだけいじるわけには行きません。艶にかかわる帯域は強調されると耳に痛くなる帯域です。2〜3KHz と8KHz あたりの出方をうまくコントロールできると良いわけで、3 次フィルター(18dB/oct )とマルチユニットで臨めば調整代(しろ)が増えてやりようがありますが、単純なシステムでは不可能です。そして単純こそが純粋にもなり得るわけで、ユ ニットの性質を活かした直球勝負というのがこのシステムの狙いだったわけです。ユニットから開発できるといいのですが。

 とは言いつつ、結果としておとなしいバランスの音ながら、繊細で高域の反応性が良いシステムに組むことができました。ネットワークのスロープ切り替えは 最終的には2次で聞くことがほとんどになり、スイッチを外して直結にしてもいいかなと思っています。このインフィニテシマルのスピーカーに、KEF の B139 楕円ユニットをドロンコーンで低音補強したもの(前の記事で触れた自作品)をスーパー・ウーファーとして接続したシステムが今最も良く聞く基準の再生装置 となっています。

du125hd13.jpg
 ロ ジャーズのスタジオ3用ユニット(DU125) とオーダックスのツイーター HD13(TW034)の組み合わせでハードメープルの箱に入れてみた。箱の材質が良くなかったことも響いたのかネットワークがなかなか難しく、当初試みた緩いスロープ のものではうまく行かなかったため、結局 BBC モニターで使われるような18dB/oct の複雑な回路を組まざるを得なくなった。LS5/9やハーベスの HL モニターのような色気と穏やかさの共存をねらったのだが。

オーダックスのドームとポリプロピレンのウーファーによる自作 

 さて、もう一つの実験として、オーダックスのシルク・ドームのユニットを使ってどこまで納得できるシステムが組めるかというものがあります。ベンチマークとしてはずばり、ハーベスモニター HL です。それなら最初から自分のモニター HL があるからそれでいいではないか。たしかにおっしゃる通りです。さて、オーダックスのドームは以前に作った大型の4ウェイのシステムでモニター HLと同じ HD12を試しましたので、ここではロジャースの LS5/8や5/9などに使われたより大きな口径の HD13(1.5インチで、型番は TW034)を使いました。ロジャースのこれらのシステムも大変良い音色でしたので、試してみるまで1インチの HD12とどちらが良いか分かりませんでした。結論を先に言ってしまえば12の方がちょっと繊細できつさが出にくく、線が細いながら滑らかな音に仕上げやすいように思います。大変似た系統の音なのですが。

tw034x0.jpg
Audax TW034 X0 フランス製のツイーターで、BBC モニターの LS5/8 や LS5/9 に用いられた HD13 と同じもの。ハーベスモニター HL 用の HD12 の 1.5 倍のサイズながら、構造と材質がほとんど同じなのか周波数特性の形もそっくりで、HD12 のグラフをそのまま下へと引き伸ばしたような凸凹を持っている。音色も良く似ているが、13 の方がエネルギーが強いように感じられ、下側を上手にカットしないと子音のきつい音になりがち。それでもトータルで弦の音が繊細であり、よくできたユニットだと思う。同じような外観のヨーロッパ製ユニットはたくさんあるが、ソフトドーム型は個々に音色が違う。

 ウーファーとしてはロジャースの LS2用の14センチのポリプロピレン(R125)も考えました。これと同じようなものではハーベスのモニター ML(日本には入っていません)用のものやチャートウェルのものがあり、モニター MLは後期モデルではフレーム・バスケットがアルミダイキャストになっていて鉄板プレスのものよりもしっかりしていそうでした。しかし手持ちの LS2のものはエッジと振動板の接着が片方はがれかかっていたのでやめ、代わりに同じくロジャースのスタジオ3用の ユニット(DU125)を手に入れました。ノルウェイの SEAS というユニットメーカーが作っているダイキャスト・バスケット入りの乳白色ポリプロピレンのものです。そして同じバスケットに入っていてマグネットが小さいウィーン・アコースティック S1 用のもの(T14RC)と、センターキャップが銅のフェイズプラグになっていてマグネットが大きな ProAc Response SC1用のもの(T14RCY/PH)も用意しました。この二つはどちらもTPX(メチルペンテンポリマー)系の透明な振動板で、SEAS では XP と呼び、ウィーン・アコースティックでは XPP と名付けていて、XPP の方はポリプロピレンとの複合素材だと説明しています。着色はされていませんが、ハーベスのダッドリー・ハーウッドがタイプWのモニター HL で採用したのに近い材料だと思います。
 ProAc のようにセンターキャップがなくてフェイズプラグにしてあることのメリットは、ボイスコイルの温度変化とキャップの反射による波形の影響を受け難いことだ とされますが、一方で振動板センター付近の強度はキャップ付の方があるため、一長一短だと思います。
 それと、これは後述しますが、インフィニティ RS-7用のポリプロピレンのユニットも調達しました。これはインフィニテシマル・シリーズ3と同じものです。
 エンクロージャーはハードメープルの3cm 厚の集成材で作り、内部にフェルトの吸音材を一層貼付けました。結果的にこの選択はあまり良くないものだったと分かりました。ソナスファベルのミニマとい うイタリアのスピーカーが側板に単板集成材を使って大変良い音を出していたので(木材はウォルナット)、同じように単板の集成材でやってみたのですが、 ハードメープルという材料は硬いせいもあって共振すると高域に華やかな色が乗るようです。単板ならウォルナットやマホガニーといったよりやわらかい木材にするべきだったのでしょう。ピアノでもそれらを寄り合わせて合板にしているのだし、初めから良いバランスだと分かっていたアピトン合板で行くべきでした。

seastpx.jpg
 SEAS製の低音ユニット。左がプロアック用 T14RCY/PH (ProAc W14CY1-O)、右がウィーン・アコースティック用 T14RC (Vienna Acoustics 710041697)。この中でウィーン・アコースティック向けのユニットのみマグネットが小型のものとなっている。同じような違いはインフィニティのイ ンフィニテシマルのシリーズにも見られ、シリーズ1と2はロジャースやプロアックとほぼ同じサイズの大きなマグネット、シリーズ3はウィーン・アコース ティックと同じサイズの小型のものとなっている。マグネットが大きくなると、同じ低音を出すためにはエンクロージャーも大きくしなければならないが、それ 以外でも高域に向 かってレベルが若干上がる傾向が見られる。ネットワークの設計時にはこのことを考慮しておかねばならない。

 まず低音ユニットの振動板材料による音の違いですが、乳白色のポリプロピレンは中高域がやや張った傾向になりやすい明るく素直な音で、PVA のダンプ剤を塗らない分だけベクストレンよりも高域が延びています(LS3/5a用の KEF B110とロジャース・スタジオ3用の R125 を同じ回路で比較)。それに対してTPX系の材料はポリプロピレンよりも軽く、内部損失はあるとのことですがより固いためもあるのか、ポリプロピレンより もさらに高域が伸びているように感じます(グラフ上はマグネットの違いの方が大きいぐらいであまり差はなさそうですが)。ただしその伸びた部分の音質は チーンという感じの独特の音の輝きがわずかに加わり、半透明のポリプロピレンよりもすっきりしていて細身に感じます。したがって使用にあたってその帯域を フィルターで落とし込む場合は材料本来の良さが出難いとも言えます。実際にうまく行ったフィルターは12dB/oct か18dB/oct のものでした。一方で、インフィニティのインフィニテシマル(3)に使われるウーファーでやってみると、ツイーター 側はどうやっても18dB/oct で行かざるを得ないものの、ウーファー側のハイカットは6dB/oct の単純なコイル一個でバランスを取ることができました。結局製作にあたっては TPX 系は使うことなく、ポリプロピレンのインフィニティを採用することになってしまいました。同 じポリプロピレンでもロ ジャースの DU125 は1次フィルターではハイを切りきれませんでしたので、振動板材質のせいだとばかりも言えないのかもしれませんが。それと今回の実験ではハードメープルの 箱を使ったことで華やかさが増しているので、もう少し素直なキャビネットなら素子の値などは違っていたかもしれません。

tw034infinity.jpg
Schematic Diagram for the system built with Infinitesimal woofer and Audax HD13 tweeter

 また変えるかもしれませんが、今回取り組んだネットワークは、ウーファーのハイカット・コイルが0.8mH 一個、ツイーター側が18dB/oct で、4.7uF と8.3uF のコンデンサがスピーカーに向かって直列に入り、その中間点からアースに向かって0.35mH のコイルと68Ωの抵抗を並列で落とすというものになりました。コンデンサーは KPSN、音圧調整の抵抗はなしです。コイルに対して抵抗でバイパスする手法は LS5/9の後期型ネットワークに学びましたが、音を聞いて結果が良かったので採用しました。もちろん R も C も値はウーファー側に合わせて変えてあります。このようにすると、本来の設計で目指されていたローカット側のカーブに対して、ウーファーのハイカット側はずっと緩いカーブで出会うわけですから、元々の手法の意味が別のものになってくるとも言えます。
 余談ですが、コイルと抵抗を並列にしたときの働きは、周波数が上がるにつれてコイルの抵抗が増し、高い音が通り抜け難くなってきたときに、抵抗値との割 合に応じて抵抗側に信号が逃げることを意味します。つまり高域側でのカットオフが緩まるわけです。今回のようにアース側に落とす回路ではその逆数になるので、低域側でのカットが緩まります。同時に全体の音圧も下がります。そ の度合いは周波数ごとにコイルに生じる抵抗を計算し、それと並列抵抗の合成値をスピーカーとの比率にかけてグラフにプロットして行けば分かります。しかし 実際には残りのコンデンサー二つと合わさってフィルターを形成していますので、それら相互の共振の度合いからカーブを求めねばなりません。本格的に設計す るには、やはりコンピューターの助けを借りる必要があるでしょう。
 
9024962.jpg
 Infinity Infinitesmal 0.3 woofer (902-4962 / 733TNG) 写真は eBay で手にいれたRS−7用のユニットで、フランジの外側が黒ではなくグレーに塗装されている。型番は両者とも同じく 902-4962 / 733TNG となっており、インピーダンス・テスターで計っても全く同じカーブ、音も同じであった。このユニットは大変音色が良く、特性的にもクセが少ないのか、 6dB/oct のフィルターでたいていうまく行く。フルレンジで使ってもいいという人もあるようだ。同じ Infinitesimal でもシリーズ1と2(0.1/ 0.2) に使われているものに比べるとマグネットが小さく、ボイスコイルもワトキンス型のダブル・ボイスコイルになっていない。シリーズ1には同じポリプロピレン ながらグレーっぽい不透明なコーンのものが初期モデルとしてあり、その方が音がいいと言う人もいる。

 オーダックスのツイーターは、うまく使うと独特の艶がありながら耳にやさしく、しかも高域の繊細さが出るように仕上げられます。これは HD13 よりも HD12の方が微妙にきれいな響きにしやすいようです。13の方はちょっと間違うとキンとしたきつさを見せるところがあり、ネットワークの調整をしっかり やらねばなりません。そして上手く行ったときの音はインフィニティの EMIT とは違い、非常にリアルに聞こえる「作られた音」なのかな、と思うところがあります。セレッション等の昔のユニットが持つ魅力的な癖というほどではないで すが、生っぽく聞こえるよく選ばれた音の形です。ユニットメーカーがどこまで意図しているかは知りませんが。そしてハイエンドの細やかさ、ヴァイオリンの 擦れるシュッとした音の成分などが非常に繊細に出るので高域の再現 性が良いのかと思いますが、一方で、一聴して高域がさほど出てないようにセッティングした場合でも、むしろリボン型の EMIT の方が細かな情報を伝えているようにも聞こえます。振動板が軽いせいでリニアに反応して立ち下がりも良いためか、何げないオフな高域でありながら、その静 けさの中に細かな音が含まれていることに気づくことがあるのです。ただ、どっちがいいかとなると、正確なのはリボン系の EMIT で、音色のきれいなところがうまく寄せ集められた感のあるオーダックス・ドームも大変気持ちの良い音なので捨てがたいというところでしょう。

 ソフトドーム・ツイーターというものは、一見同じように見えるものでも機種によって独特の音色を持っています。そういう意味では残念ながら楽器だと言わ ざるを得ないでしょう。ソフトドームに限らずハードドームでも、リボンやホーンでも結局音色は持っていますが、やわらかい材料で作られたソフトドームはと くに楽器のような鳴り方をします。しかしヴァイオリン同様、名器からは素晴らしい音が奏でられるものです。一方でリボン系はときにさらっとしていて色っぽ くないように聞こえるときもありあす。プレーヤーやアンプ等、組み合わせる機械に影響されますので敏感ということになり、オーディオ機器として追求した場 合は EMIT の方が優れているということになるのでしょうけども、個人的にはハーベスのドームの方を聞きたくなることも多いです。

ls59schematic.jpg
LS5/9 Schematic Diagram

 ネットワーク、これがスピーカー製作において最も重要なことのひとつだということは強調しておかなければなりません。せっかくの良いユニットでも、つなぎ方が悪ければただ刺々しいちぐはぐな音にしかなりません。その 点ハーベス等 BBC モニター系統のスピーカーのいくつかは大変うまくバランスを取っています。彼らは大分前から設計時にコンピューターを導入しているようです。最終的な音合 わせは耳で行うものですが、回路の組み合わせはそれこそ無限にあるので、ユニットの特性に合わせて最初にだいたいのところを何パターンか計算しておけば労 力がぐっとはぶかれるはずです。実際に設計してみれば各素子の数値は決して計算値通りには行きません。ユニットのインピーダンス変動に合わせ、出力の変動 に合わせ、音色の癖に合わせて色々と変えて行きます。ただし、その計算公式からずれた値についても、ソフトウェアを上手く組めばある程度計算はできるで しょう。フィルターというものは L(コイル)と C(コンデンサー)の組み合わせで作りますが、2次(12dB/oct)以上のスロープになれば一つのユニットに対して複数の素子を使います。計算公式は それらの値が一番良いカーブを描くように決められているわけですが、最初の素子でぐっと低いところから落とし、次とその次はお互いに近い値にして最初の素 子からは大分離して、などと変則的なカーブも描けます。素子の並ぶ間隔にしたがって肩特性(共振し合う度合いによる Q 値の変化)も変わってきて、位相特性や過渡特性に変化が出ますが、それも昨今の精密なコンピューターをもってすればあらかじめ計算ができます。複雑な補正 用の等価回路などもはじき出すことができるでしょう。彼らは1973年に UC バークレーで開発されたオープンソースのソフトウェア、SPICE を使ったようですが、現在はそれぞれに社内で発展型のものを持っているのかもしれません。原始的ながら私も、個々に紙で計算してグラフにプロットして行く ということは試したことがあります(もう定年されたかもしれませんがフォステクスに和田さんという方がおられ、以前変則的で複雑な計算方法を色々教えてい ただいたことがあり、感謝しております)。

 結論としては、こうしたコンピューターと音楽を知っている耳との組み合わせで、イギリスの技術者の何人かは大変優れた回路を生み出しているようだ、とい うことです。自作した方が高いクオリティのものを自由に作れると思って作業を始めてみても、いい加減に組み合わせているだけだとなかなか良い音になりませ ん。やってみて初めて、ほう、 と感心するプロの技もあるわけです。
 参考にした回路としては、ハーベス・モニター HL、ロジャース LS5/9、プロアック・レスポンス SC1などがありました。どれも2次以上、主に18dB/oct のスロープを用いたものです。

  network.jpg
 ネットワークの製作にあたっては、ワニ口クリップのコードで様々な部品をつなぎ変えて音を聞く。18dB/oct の複雑な回路ともなると、終いには自分でも何だかわけが分からなくなる。

 そしてネットワークについて一つ分かったことがあります。少し前にも書いた通り、構成する素子は少ない方が部品による音の濁りも少なくなる、だからシン プルな回路の方がいい、そのことの正しさは変わらないのですが、18dB/oct のような複雑な回路の場合、複雑なだけに調整も大変ながら、裏を返せば音色を整えるためにいじれる部分も多くなるということです。6dB/oct の一次スロープでは、そのスロープのあり方は一通りでしかなく、どこから落ち始めるかしか決められませんが、部品を増やすと複雑なカーブを描いて減衰させ られるのです。これによって音色の調整ができます。周波数特性上は理想値は一つしかないように思われるかもしれませんが、ユニットに起因する凸凹は最初か ら避けようがありませんので理論通りには行かず、選択できる値も色々と出てくるというのが実情です。その際に複雑な回路は自由度が多いのです。そして、緩 いカーブの一次フィルターだと両方のユニットが重なって音を出す部分が多くなるため、ユニットの素性いかんでは音に濁りを感じることがあります。その点、 急峻なカーブで落とすと、通る部品による音の濁りの分を補って余りがあるほどに透明な音が出ることがあります。必ずしも6dB/oct のスロープがベストだとも言えないわけで、頭で考えた通りに行かないのはこういうところにも現れてくるわけです。
 
 結局ポリプロピレン系のウーファーにオーダックスのシルク・ドームを組み合わせたシステムでは、本家の BBC モニターの製作会社がやっているような(高域側)3次フィルターのものに落ち着きました。値は前述した通りですが、キャビネットの鳴きが加わったことも あったものの、そうしないときれいな音色にはできなかったのです。中でもハーベス・モニター HL のようにウーファー側のハイカットコイルをちょっと大きめ(2.8mHほど)にして下から落として行くという手法は参考になりました。元来計算値よりもク ロス点を開いて使うことはよくあるのですが、ポリプロピレン系のこうしたユニットを使ったシステムでは、インフィニティもそうであるように、中高域の張り 出しをコントロールしているかのように見える手法を目にすることがあります。そしてそのインフィニティのスピーカーではネットワークを高品質な部品で自作 した方がいい結果が得られましたが、ドーム系の今回のシステムでは、正直なところイギリスのメーカー製を超えたとは言いがたいところもありました。単体の 部品クオリティよりもバランスこそが命というのがこういったシステムの性格だからだと思います。すべてがすべてのシステムでバランスが良いわけではなく、 KEF も105だとか、スペンドールの BCUだとか、あるいはロジャースの何だかとか、個人的な好みの問題でもありますがどうしてこのバランス、いうものもあります。でもトータルでやはり彼らの耳は大したものです。

http://home.att.ne.jp/delta/myrobalan/emitaudaxpp.html

20. 中川隆[-11488] koaQ7Jey 2020年9月06日 07:00:50 : bXh6dKqu12 : dEhkWndCcGVoLmM=[11] 報告
unauの無能日記 @
https://www.kinginternational.co.jp/uno/000015.shtml

 日本のクラシック・ファンはまずドイツ音楽が好きになる。とくにモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなど、ウィーンに住んだ作曲家が大好きだ。

 ぼくもご多分にもれず、その道をたどり、今でも好きな作曲家ベスト・スリーはモーツァルト、ベートーヴェン、ブルックナーである。初めてヨーロッパの土を踏んだのは1971年だが、もちろんドイツ、オーストリアが中心だった。そして人間も含め、ドイツとの親近感を持ちつづけて来たのだが、90年頃、ちょうど15年ぐらい前からフランス以外には行かなくなってしまった。自分は今までドイツ一辺倒だったが、日本のクラシック音楽家の常として、そのように刷込まれてしまったのではないか。ドイツ人気質に近いと思っていた自分が、実はラテン人気質(とくにフランス人)に近かったのではないか、と突然気がついたのである。

 そのころからドイツ・ロマン派の音楽がうっとうしくなり(ブルックナーはドイツ・ロマン派ではない)、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」や「マ・メール・ロワ」、ドビュッシーの「ノクチュルヌ」や「子供の領分」、その他プーランク、ミヨーなどの音楽に著しく魅かれるようになった。ヨーロッパの町でも、いちばん飽き飽きしたのがウィーン、ほとんど恋をするようになったのがパリ。第一、ドイツ、オーストリアの食事のまずさは、味覚がますます敏感になるにつれて受けつけなくなってしまった。

 パリに通いつづけた15年間がなんと幸せだったことだろう。もちろん、フランス国内は移動する。コート・ダジュール、鷲の巣村、プロヴァンスのような南の地方にはとくに憧れた。昔はヨーロッパの北。ドイツはもちろんとして、ノルウェーにも足をのばしたというのに。フランスではとくにブルゴーニュ・ファンになり、その中心地ボーヌには毎年泊りがけで、あるいは日帰りで出かけた。

 フランスを愛するのは、もちろんあの風景の明るさやフランス人気質のせいもあるが、最高の魅力はなんといっても料理とワインのすばらしさだ。このことについてはいずれ本シリーズのエッセイで詳述するつもりである。フランス好きが高じて、植民地のニュー・カレドニアやタヒチもしばしば訪れているのだから、このフランス病は本物というほかはない。

IMG_2258『unauの無能日記』宇野功芳氏直筆原稿

 それを書き始めると切りがなくなるので他日にゆずることとし、今回は動物園について書いてみたい。ぼくはフランスのみならず、どこの町に行っても、まず足を運ぶのが動物園だ。動物を見ている時の幸せ感というものは、もう言葉には尽くせず、いつまで居ても飽きることがない。

 今までに行った動物園のベストはウィーンのそれだ。例のシェーンブルン宮殿の奥にあるものである。最近は昔風の檻が並んだ動物園は珍しくなり、もっと広々とした動物公園が多くなった。日本では上野までそういうスタイルに変ってしまったが、ここははっきりいって最低。動物が木や石などの陰にかくれて見えないことが多いからだ。

 その点、ウィーンは見る人のことがよく考えられており、とくにトラは最高! ガラス張りの檻だが、傍に近づいて写真をとろうとするとトラがわっと立上がって威嚇するので、思わず逃げてしまう。 我ながらだらしがないが、体が反応してしまうので仕方がない。ライオンも目の前、パンダも目の前、狼も実に見やすいし、しかも彼らは実にのびのびと広い場所を動きまわっている。ウィーンという町には飽きたが、動物園だけは何回でも行きたい。

 日本では神戸がすばらしい。やはりトラとパンダが見ものだ。他国ではロンドンが最低、ベルリンもあまり感動しない。アントワープ、ベルンは素朴でまあまあ。それよりはブザンソン、フランクフルト、ミュンヘンが豊かで好きだ。スイスのバーゼルは水族館がことによるとベストかも知れない。

 ではパリは、というと、これがひどい。動物園のはしりだが、見にくい上に、園自体にやる気がまったくなく、荒れ果てたまま。だからパリでは植物園の中にある小動物園に必ず行く。動物の数は少ないが、猛獣類も居るし、ダニの館もある。 いろいろな種類のダニがうようよいるのを顕微鏡でのぞくわけだが、フランス人たちが悲鳴をあげながら見ている。そのダニの気味の悪いこと!

 ぼくは動物園ではトラやヒョウも好きだが(パンダはもちろん!)、オオカミ、タヌキ、キツネ、モモンガ、コウモリなどの小動物、そして水族館が好きだ。ヘビやワニはあまり好まない。面白くないのはナマケモノだ。なにしろ動かないのだから話にならない。ご面相も珍妙で、決して味があるという代物ではない。このナマケモノがそのパリの小動物園に居る。相変らず木につかまったまま微動だにしない。何が面白くて生きているのか。馬鹿にしながら通りすぎようとして、ふと名前を見た。いや、びっくりした。なんと"unau"と書いてあるではないか。ナマケモノはフランス語ではunauというのだ! フランス人はもちろんユノーと発音するが、われわれにはウノーとしか読めない。オレは怠け者なのか。一瞬シュンとしたが、考えてみればかなり当っている。それからは署名にunauと書くようになってしまったのである!

2007年1月
unau 記
2018年4月 4日

https://www.kinginternational.co.jp/uno/000015.shtml  

21. 中川隆[-9387] koaQ7Jey 2024年8月21日 12:20:58 : 2wjML48Bss : dUdwQy5ZN1hTblU=[2] 報告
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Jadis JA-80 真空管モノーラルパワーアンプ
2024年07月20日
https://ameblo.jp/507576/entry-12860669693.html

Jadis JA-80 真空管モノーラルパワーアンプ 1983年 フランス共和国 ¥2360000

ジャディスというブランドネームはフランス語で「かつての...」といった良き時代への
想いを込めた言葉である。社歴40年の世界的な名門ブランドで、多くの固定ファンを持つ。
一段と輝きが強く、雲上世界に輝く巨大な光の渦を見るような唯一無二の世界を展開する。
ソノリティの余韻もより深くなり、再生芸術の高みではARCをも凌いでいる。
JA-80は現代的で非常に音が洗練されている。豪華さが爆発しているようなゴージャスさで、
音が非常に澄んでいて一音、一音、すくいあげて洗いあげたような綺麗な音がする。
やさしく優雅な印象で、ユーフォニックで耳に快い音である、暖かさのある
濃厚で甘美な音色。女性ヴォーカルは深くて甘い。響きや余韻といった間接音成分は
もっとも多いタイプとなっている。現代アンプの音質にヴィンテージアンプのテイストである。
音には終始、明るくて裏がない、陰影だとか翳り、
渋さのようなものは存在しない。楽天的で鷹揚な鳴りっぷりが特徴である。
アウトプットトランスとパワートランスは共に目を見張るような巨大さであり、
キンクレス・テトロード、KT-88パラレルプッシュプルとこの大きなトランスに対して
出力は80ワットと割合低く抑えられているのは、ひとつには自動バイアスは
実行出力値が20%ほど削られてしまう為、それと純A級動作でクオリティと
十分なパワーの両立に重きを置いている為である。
低域は遅く、過度に熟しているが、気になる程の弱点ではない。
中低音域から上は非常に優れていると思います。ビシッとした硬派な音を出す
ARCパワーアンプよりも心地よく、寛容で、甘い音の、暖かく真空管っぽい音質である。
超弩級アンプに相応しく溢れ出るようなエネルギー感と図太い中低域を持つ雄大な音。
音楽ソースはアコースティックなクラシックとジャズとヴォーカル向いています。
ただし、機器の存在を忘れて音楽を聴くことができる数少ないアンプです。
また、録音状態が良ければ電子音も心地よい再現となる。自動バイアスで

バイアスは深く掛けられており、出力管はかなり熱くなって消耗が激しくなる。

正常動作でも出力管が焼けるような臭いがするほど高温になる。スイッチ類は

オリジナルのウエスタンアンプのような堅牢さで非常に厳重に作られており、

高い耐久性を備えたもので100年使えるようなしっかりした造りである。

ジャディスはフランスの真空管とトランスを専門とするエンジニア、
ジャン・ポール・キャフィーともう一人技術者の2名によって1982年に
設立されたブランドで、JA-80はその第一作である。大型シャシーの中央に
巨大なアウトプットトランス、その前後に真空管と平滑コンデンサーという
ユニークな外観を持つ。パワーチューブにはGEC KT-88を用いているが
オートバイアスでマッチドクアッド(特性を揃えた4本の出力菅)に
差し替えれば全自動でバイアスが調整される。EL34/6CA4にもそのままで
差し替えて使用できるが、あくまで違う球なので球の寿命はかなり短くなる。
回路の詳細は初段のECC82でいきなり位相反転し、次段はECC83で、
一般的な見方からすると、初段と次段の使い方が逆のようであるが、
これはトップステージはゲインよりも位相特性を重視した為、
ミディアムμの球を使用し、次段のドライバーステージに
ハイμチューブを使用して必要以上のゲインを稼ぎ、その余分なゲインに
対してパワーチューブからのNFBを正、負の各球に対してクロスさせて
かけるという手法が採られている。巨大なアウトプットトランスが採用された
理由は、充分低域まで特性がのばせるためと、コアボリュウムの
増大によって一次インダクタンスが大きく取られ、
コイル巻き線数が減らせるためにコイル間の浮遊容量が減り、
高域特性も改善できるということからだろう。また一次二次ともに
多重巻き線が行われており、結合度もかなり高いものとなっているようだ。
内部処理はシグナルパスに関係のあるところにはプリント基板を使用せず、
かなり太い単銅線が用いられ、最短距離で配線されている。
CR類は外部振動に耐えられるようにシリコンゴムでシャシーに固定されている。
全体的にワイドレンジで低歪みを狙った現代的な音質のパワーアンプという
ことが云える。

使用したスピーカーはALTEC LANSING MILESTONE 604で
audio research SP-8mk2と組み合わせたが、両者の相性は非常に良好だと感じられた。
ジャディスのパワーアンプの強い個性だとか持ち味も存分に発揮されている。
同社はJP-80MCプリアンプの評価が非常に高いのだが、JA-80は先行発売されただけあり、
パワーアンプ単体で使用してもジャディスの素晴らしさは十分に堪能できるものだと実感できた。

オンマイクの女性ヴォーカルの、アカペラ歌唱部分などの惹き込まれるような、
魅惑的で誘惑的なサウンドにおいて、JA-80の方がARC D-115よりも優れていると感じた。
さすがに当時の超高級機である。常用機には扱いやすいARC D-70を使用しているが、
JA-80を前にすると、クラスの違いは否めず、JA-80の「豊かなサウンド」に対して
D-70では再生スケールや音の厚みといった点でやや寂しさを感じたほどだった。
ARCと比較できるほどの高い競争力と創造性をそなえた世界レベルのパワーアンプである。


Jadisの真実。Jadis JA-80は確かに「フランスのエスプリ」が感じられる。
ジャディスの「個性的な音」は間違いなく存在している。
暖かさがあり陽気な音色という意味でエントリークラスのATOLLやYBAも同じく
フランスの音である。ブランド第一作の初期型 シリアル#378と#379なので
もっともいい味が出ていた時代。


尚、SP端子、RCA端子に近い側のMT管が12AX7/ECC83で、
出力管に近い側が12AU7/ECC82である。


実行出力80w 12AU7×1 12AX7×1 KT-88×4

W23.0cm ×H26.0cm ×D58.0cm 35.6kg 一台


https://ameblo.jp/507576/entry-12860669693.html

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