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『オーディション』 1999年
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/638.html
投稿者 中川隆 日時 2016 年 5 月 07 日 20:18:50: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 映画 震える舌 1980年 松竹 投稿者 中川隆 日時 2016 年 4 月 28 日 23:42:49)

『オーディション』(英題:Audition)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252524
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252484
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252445
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252403
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252353
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252317
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252267
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4252194


監督:三池崇史

原作:村上龍


キャスト

青山重治:石橋凌
山崎麻美:椎名英姫
青山重彦:沢木哲
吉川泰久:國村隼

ビデオ制作会社を経営している青山(石橋凌)は7年前に妻を亡くし、一人息子の重彦と寂しい日々を過ごしていた。

そんなある日、青山の身の上を案じた友人の吉川は、映画制作と称したオーディションを開催し、その中から再婚相手を探すことを提案する。最初は乗り気ではなかった青山だが、オーディションに現れた女性、麻美(椎名英姫)に出会い、加速度的に魅了されていく。だが、少しずつ明らかになった麻美の素顔は……。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B001JE5QZK?ie=UTF8&tag=asyuracom-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B001JE5QZK

2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では記録的な人数の途中退出者を出し、映画を観た一人の女性客が三池に「悪魔!」と激怒して詰め寄ったという一幕があった。

2001年、アイルランドのダブリンでアイルランド映画協会員限定で無修正版が上映された際には、会員の何人かがショックで倒れ、そのうち一人が急遽セント・ジェームズ病院に運ばれる事態が起きた。病院に運ばれた会員は後に退院している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)


【閲覧注意】最も恐ろしい90年代ホラー映画25!

Jホラー『オーディション』、英誌の最恐映画ランク1位 日本より海外で評価が高い?
その魅力とは 2012-09-06

 イギリスの映画情報誌『トータル・フィルム』が3日、「最も恐ろしい90年代ホラー映画25」ランキングを発表した。

 1位に三池崇史監督の『AUDITION オーディション』(2000年)、2位に中田秀夫監督の『リング』(1998年)と邦画が上位を独占した。

   3位に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、4位『ロスト・ハイウェイ』、5位『セブン』と続き、10位に塚本晋也監督の『ヒルコ妖怪ハンター』が選ばれている。

 他方、ランクインした映画監督を作品本数から見てみると、唯一ウェス・クレイブン監督が、『スクリーム』、『壁の中に誰かがいる』、『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』と3本もランクインしている。

 1位に輝いた『AUDITION』は、村上龍氏のサイコ・ホラー小説『オーディション』(1997年)を映画化した作品。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)や英ガーディアン紙は、『AUDITION』やそのリメイク版に関して大きく取り上げている。

【途中退席者続出、卒倒も、話題となった『AUDITION 』】

 数々の映画祭で上映され話題となった『オーディション』。

 中でも、2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では、史上最多の途中退席者を出し、スイスで開催されたプレミア試写会では、視聴者の一人が卒倒し、緊急治療室にて経過観察を要した、とWSJは伝えている。


 また、『AUDITION』はタイムズ誌のホラー映画ベスト25本で15位に選ばれている唯一の邦画だ。

 登場人物の感情がリアルに伝わってくると評価されている。

 原作小説『オーディション』は2009年に英語版が出版されている。

 ヘロイン中毒者の生態を生々しく描いた『トレインスポッティング』の原作者アーヴィン・ウェルシュ氏は、『オーディション』は幻覚を起こさせるようなセックスや暴力から展開される「甘美な世界」が広がり、心の底からゾッとするようなクライマックスはあまりにショッキングで、読者の心を鷲づかみにする、と英ガーディアン紙の同作のレビューで述べている。
http://blog.livedoor.jp/rapidhack/archives/39176291.html  

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コメント
 
1. 中川隆[2388] koaQ7Jey 2016年5月08日 08:57:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[2627]

  

おっ三池崇史監督の映画か〜。とりあえず観てみようかと、「とりあえず鑑賞」でしたが・・・。いや〜凄い映画でした・・・。

バイオレンス表現は「冷たい熱帯魚」ばりだけど、もうどう〜しようもない悪夢描写が凄かった。ちなみに本作も18禁です。子供はトラウマになるので見てはダメ、ゼッタイ!

映像制作会社社長の青山(石橋凌)という男性が、病気の妻(松田美由紀)に先立たれることから始まります。残された息子を1人で育てながら7年が経ちました。素直な少年に育った息子の重彦(沢木哲)から「オヤジ、そろそろ再婚でもすれば?」と言われ、なんとなくその気になる青山。親友の映画プロデューサー吉川(國村隼)に「再婚でもしてみようかなと思って」と打ち明けると、吉川は「よし、俺にまかせろ!新人主演女優のオーディションで見つけよう」と言い出します。

その後吉川は本当に企画を出し、二人は新人女優のオーディションを行うことに。とまどいながらも、山のように送られた履歴書に目を通す青山。するとある若い女性の書いた志望動機に目が止まり、書類上だけではありますが彼女に魅了されてしまいます。彼女はケガの為に全身全霊を捧げていたバレエを断念し、「死」について味わったことがあると綴っていたのでした。

オーディション当日、様々な若い女たちを値踏みする吉川の横で「彼女」の登場を緊張しながら待つ青山。その「彼女」麻美(椎名英姫)は、まさに彼の思った通り、いやそれ以上の理想の女性だったのです。「見つけた、彼女だ・・・!」と興奮する青山でしたが、麻美から何か妙な印象を感じた吉川は彼女の身辺を調べます。すると、彼女を担当していたレコード会社のプロデューサーが1年半前に行方不明になっていたのでした。


ふう〜、ここまでが導入部ですよ。シュっとした青竹のような清涼感あふれるスリム美女、椎名英姫さんはオリーブにも出ていたのでよく覚えています。近年は女優さんとしてご活躍なんですね。この映画は2000年の映画なので13年前のものですが、近影を見てみると今もクールビューティーで独特の存在感を放っています。

そんな彼女がオーディションにやってくるわけですが、このオーディション自体が青山の再婚相手をふるいにかける「オーディション」だったというわけで・・・。青山自体は別に普通の善良なオッサンで嫌な感じはしないし、親友の吉川も友達思いの人物として描かれてはいるのですが、いい年したオッサン二人が仕事にかこつけて再婚相手探しかよ〜という気はしますねぇ〜。

青山の理想の相手が「なにか特別な訓練を経た一芸に秀でている女性、例えばバレエとかピアノとか」というものなのですが、様々な女性がオーディションにやってきます。多くの女性が当時流行ったストレッチブーツ(靴下がそのままポックリブーツになったようなやつ)を履いていて、「ああコレ流行ってた流行ってた〜!」と懐かしく思いました。検索したら、ポックリではないけど今でもストレッチブーツはあるみたいです。

そんなギャルの中で、白いカーディガンに白いロングスカートに身を包んだ清楚な女性が椎名英姫さん演じる麻美なんですよ。待合室にいるときも携帯を見ずに読書をしていると言う清楚っぷり。これに青山がコロっといってしまうわけです。

しかし、この女性が・・・ギャアア〜!!!という展開、どうなるどうなる〜!?


思い切って麻美に電話をかけ、映画を口実に食事に誘う青山。青山は決して職権を乱用して女優志望の若い女性にちょっかいを出す好色な中年プロデューサーではなく、清楚な麻美にまるで初恋のように心ときめかせる少年のように描かれています。フランス料理だかイタリア料理だかを前に「青山さんのように、色々なことを相談出来る大人の男性って初めてです・・・」とうつむきがちに言う麻美。もちろん洋服は白い長袖にロングスカートです。こんなんで、もうオヤジメロメロになっちゃうわけですよ。

でも「今夜はニューオータニに部屋取ってあるから、行こうか」という風にはならないんですね。

タクシーで彼女の家近辺まで送っていって、「じゃあおやすみ。また食事行こう」という・・・。麻美は白長袖白ロンスカなんだけど、それに合わせるアウターはすごくカラフルというかちょっと突飛な感じ。

特に2回目の面会のときは赤くて毛足の長い毛皮みたいなものを羽織っていました。この「んん?」という感じがファッション的な伏線なのか・・・。


「麻美ちゃん・・・本当に可憐で可愛いなあ・・・」とポーッとなってしまう青山。家で息子にも「オヤジ、最近恋人出来たでしょ」と突っ込まれるくらいバレバレ。しかし親友の吉川は

「行方不明になったプロデューサーもそうだし、彼女の周りの人間の誰とも連絡が取れない。しばらくお前から彼女に連絡を取らない方がいいんじゃないか」

と心配して言うのでした。

ちょうど仕事も忙しくなり、吉川にクギを刺されたせいもあって麻美に連絡が出来ない青山ですが、麻美は青山からの電話をじっとじっと待ち続けています。

うらぶれたボロボロの和室に置かれた黒電話の前で、うつむきながら・・・。
怖いな、怖いな〜。

黒電話の横には微妙な大きさのズタ袋があり、口はぐるぐる巻きにされています。けたたましい音を発しながら黒電話が震えると、その袋がガサッと動くと言う・・・

ヒイイ!もうやだー!怖い!でも、楽しみ・・・!みたいな!!

黒電話が鳴ると、ロングヘアで縁取られた麻美の口元がニヤ〜っと緩むんですよ。ああ怖い・・・でも楽しい・・・。

時間が経過したのか、息子に「父さん、結婚したい人が出来たんだ。今度の旅行でプロポーズする」と告げる青山。おお、いつの間にそんな仲に。海辺に建つ瀟洒なヨーロピアン風ホテルで、ついにベッドインする二人(青山はもじもじしていて何も出来ないが、積極的な麻美にリードされる形で)。

目が覚めると、そこに麻美の姿はなくフロントから「お連れ様はチェックアウトされました」と言われてしまうのでした。

麻美と連絡が一切取れなくなり「一体、どうして・・・!」と半狂乱で彼女の行方を探す青山。

麻美の通っていたバレエ教室を突き止めると、そこは空き家で戸には板が打ち付けられていたのでした。中から弱いピアノの音がするのでこじ開けて入ってみると、車いすの老人(石橋蓮司)が1人、冬の弱い夕日に照らされピアノの前に座っていました。

「ここに通っていた麻美という子を知りませんか?!」と言うと、

「・・・あんた、あの女を見たのか・・・ククク・・・」と不気味な老人。

「なんでもいいんです、彼女について教えて下さい!」と言っても「帰ってくれ!」と言われるのみ。

次に麻美がアルバイトしていたという銀座にあるバーを訪ねる青山。

雑居ビルの中にバーの看板は出ていたもののドアは閉まっていました。前で立ちすくむ青山に近所のバーのマスター(斉木しげる)が「そこ1年くらい前に閉店したんですよ〜」と告げます。

「そこのママさんが、中で殺されちゃって。バラバラ殺人だったんですよ。
なんでも男関係みたいで。音楽業界の人と親しくしてたみたいですね〜。

バラバラにされた死体を刑事さんがね、パズルみたいに組み立てたら、なぜか指が三本、舌が一本、左耳が一個多かったって言うんですよ。いや〜物騒ですなあ〜」

戦慄した青山がバーのドアを見つめると、そこにはピチピチと動く切られた舌と、指と左耳が・・・!キャー!!!

斉木しげるの我関せずないい加減な感じがまた絶妙でしたね〜。

中盤の記憶はあまり定かではないのですが、ここから昔のシーンにポンポンと飛ぶんですよ。青山が麻美と食事をしているときのシーンになって、彼女が言ってることが前と違っていたりするんです。

前は家族とは仲が普通にいいと言っていたのに、今のシーンでは両親の離婚後、親戚の家に預けられて虐待され、母と暮らすようになってからは母の再婚相手に虐待され・・・というように。


そして麻美と行った別のレストランのシーンになると、隣のテーブルで亡くなった妻とまだ幼い頃の息子と現在の息子のガールフレンドが座っていて、奥さんが「あなた、その人だけはやめて下さい・・・」と言うんですね。

冥界からのお告げですよ。

で、またハッと気付くと青山は麻美のうらぶれた和室のアパートにいて、黒電話と謎の袋の前に立っている。

台所の方からは麻美が嘔吐している音が聞こえるんです。ヤバい、ヤバい、ヤバい・・・。


すると袋の中からきったない男が出てくるんですよ。指が3本切られていて、絞り出す様な声で何か言っている。よく聞くと「ごはん・・・ごはん・・・」と言っているよう。ひいいいいい、コワーーーーッ!!!

で、袋から出て来ると案の定足がない・・・。

「はい、ごはんですよ」と、麻美は自分が嘔吐したものを犬が食べる様なお皿に入れて持って来るんです。その「ごはん」にむしゃぶりつく男・・・。

こ、この悪夢表現・・・想像の斜め上を行っています!!!

こんな気持ち悪いシーン山田かつてみたことない!!!
気が付いたらホッペに両手を当ててローラのポーズをしていました。


このシーンで思い出したのがある都市伝説です・・・。聞いたことがある方も多いと思いますが、ある途上国に出かけたバックパッカーが、こんなような、いやもっとひどい姿にされたという話で実に背筋が凍る、イヤなイヤ〜な話(ここで詳細を書くのは気が進まないため、興味のある方はダルマで検索してみてください)。怖いな、怖いな〜、リアル 怖いな、怖いな〜。


アメリカ産にもスプラッターやサイコホラーは色々あるし、えげつないものも沢山ありますが、こういう暴力的にも生理的にも「ヒッ!!!(withローラのポーズ)」となってしまい、大人にも後味の悪〜い気分を残すものって、やっぱり日本映画の右に出るものはいないのではないかと思いますねえ・・・。

三池監督、さすがです。Wikiによると、映画祭で本作の上映中に退場者と失神者を出し、さらに三池監督は上映後に観客から「悪魔!」と詰め寄られたそうです・・・。2000年にこのレベル、さぞや強烈だったのではないかと察します・・・。


ちなみに袋に入れられていた男性が、行方不明になったレコード会社の人ということだったんですね。

それが大杉漣さん、らしいんですが・・・ほとんどわかりませんでした。

前のオーディションシーンで女の子がなぜか「大杉漣〜(笑)」って言うカットがあったんですが、後の展開を考えると怖いですね怖いですね。

そんなわけで、この映画で一番のトラウマメイキングなシーンは中後半にあったわけです。その為にそれ以後の凄惨描写がちょっと映えないかなあ〜という残念さも。


さて麻美から文字通りの血祭りにあげられてしまう青山ですが、その前に血祭りの支度をしながら麻美がこんなことを言うんですよ。

「オーディションに落ちた女の子に電話なんかして、みんな結局セックスがしたいだけじゃない」と・・・。

もし麻美が本気で女優を目指しているのだったら、てめえの再婚相手を探すオーディションだ?バカにすんな!となるでしょうなあ。あと、リアルで落ちたオーディションの関係者から後日電話がかかってきて役をちらつかせられ肉体関係を迫られた経験がある女性なら、復讐譚として楽しめるのかも〜。

でも青山は下心だけではなく純粋に相手を探していて、たまたま親友のアイディアに乗っただけなのにちょっと可哀相でしたが。


結局、麻美は幼少期に大人から(含む石橋蓮司)虐待を受けたせいでこんなモンスターになっちゃったということですが、彼女の毒牙が息子にも及びそうになって青山が必死で息子を守ろうとするじゃないですか。そのときに「私だけを愛してくれるって言ったじゃない」って言うのが怖いけど切なかったですね〜。

あれ、麻美に感情移入してる私って、・・・変態?

まあ麻美の場合は歪みに歪んでアナザーワールドのものになっていますが、彼女は文字通り「私だけを愛する」人を求めていたんですね。たとえ息子でも青山の愛情が自分の他に向くのは許せなかったと。しかし誰かに必要とされたいし、更には誰かにとって「最愛の」人になりたいという欲求は人間誰しもが持っている・・・少しおかしなことが起こっただけで、麻美サイドに落ちてしまう可能性はあるのではないか・・・とちょっと思ったりするのでした。


ということで「とりあえず鑑賞」のわりに充分に”楽しんだ”映画になったのでした。

この作品は海外人気が高いらしく、欧米のホラー映画ランキングで上位に選ばれたりしているみたいです。だからチェコでもDVDが発売されていたのかもしれませんね〜(しかも驚きの45コルナ@225円!安過ぎる・・・)。この映画を観る前の話です。

「乱」のDVDを貸してくれたトルコの知人と彼の奥さんと、仏語版日本映画DVDカタログみたいなものを見ていた時、「オーディション」もそのカタログに掲載されてたんですね。椎名英姫さんが注射器を持っているアップがチェコ版DVDと同じだったので「あ、コレうちにある。まだ観てないけど・・・」と言ったのです。そしたらトルコ人の旦那さんが「これ学生のときに見たよ・・・」と言って実に微妙〜な表情をしていたのです。観賞後、彼の微妙〜な表情の意味がよくわかりました(笑)。
http://aitantanmen.blog.fc2.com/blog-entry-161.html


2. 中川隆[2806] koaQ7Jey 2016年6月08日 23:03:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3083]

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1. 三池崇史の映画 1

三池崇史 『喰女-クイメ-』(Over Your Dead body(KUIME)) 2014年 東映
http://www.bilibili.com/video/av3269404/
http://mhometheater.com/2015/02/japanesepainting/24840.html

監督 三池崇史
脚本 山岸きくみ
原作 山岸きくみ『誰にもあげない』


キャスト

長谷川浩介/伊右衛門 - 市川海老蔵
後藤美雪/民谷岩 - 柴咲コウ
鈴木順/宅悦 - 伊藤英明
朝比奈莉/伊藤梅 - 中西美帆
倉田加代子 - マイコ
堀内みすづ/乳母槙 - 根岸季衣
尾形道三郎/民谷又左ェ門 - 勝野洋
嶋田貫二/伊藤喜兵衛 - 古谷一行

有名女優、後藤美雪主演で企画された舞台『真四谷怪談』。

恋人の美雪の口添えで見事に伊右衛門役を射止めた売れない俳優の長谷川浩介だったが、浮気癖で優柔不断な性格が災いして共演者の朝比奈莉獅笏雪の付き人の倉田加代子にまで手を付けてしまう。

浩之の浮気に気づきながらも彼を受け入れようとする美雪と不貞の限りを尽くす浩介の現状が『四谷怪談』の岩と伊右衛門のそれぞれの役と一致していくことで、次第に二人は役に異常なほどにのめり込んで行き、芝居と現実との区別のつかない狂気の世界へ陥っていく。


【起】- 喰女 クイメのあらすじ1


〔映画・劇中に於ける真四谷怪談あらすじ〕

民谷岩と相思相愛の仲の浪人・伊右衛門は、反対する岩の父・又左ェ門を殺め遺体を川に流した後、岩と結ばれる。

やがて2人に赤子ができるが、産後の肥立ちが悪い岩を次第に伊右衛門は疎ましく思うようになる。

その頃、伊藤喜兵衛に呼び出された伊右衛門は、16歳の孫・梅の婿にと所望され、仕官を仄めかされた。

梅の乳母・槙が毒薬を南蛮渡来の妙薬と偽って岩に与え、岩は顔が爛れて醜くなる。

かねてから岩に懸想する按摩(盲目のマッサージ師)・宅悦を唆して岩と不義密通を働かせ、それを口実に2人を殺害して死体を戸板で流す。

梅の婿となった伊右衛門だが、岩の幽霊を見て狂乱する…。


【承】- 喰女 クイメのあらすじ2

…後藤美雪は有名な舞台看板女優です。

次の舞台『真四谷怪談』で岩役を演じる美雪は、恋人の俳優・長谷川浩介を伊右衛門役に推挙し、浩介が抜擢されました。舞台に賭ける情熱が強い美雪と浩介は、稽古に打ち込みます。

他のキャストも決まり、舞台稽古が始まりました。

宅悦役の順は妻子持ちの身でありながら、美雪にちょっかいを出そうとしますが、美雪は軽く流します。

美雪の付き人・加代子は足をひきずる障害があるため、表舞台では活動せず付き人に徹していますが、代役として岩の台詞を丸暗記し、女優の座を虎視眈々と狙っていました。

梅役に起用された若い女優・莉緒は、美雪を蹴落として看板女優となる野望を抱いています。


【転】- 喰女 クイメのあらすじ3

美雪と浩介が芝居にのめり込むほど、次第に芝居と現実との区別がつかなくなりました。

ある夜、莉緒が浩介を誘惑し、2人は肉体関係になりました。莉緒は浩介に結婚してアメリカに渡ろうと言います。莉緒の父はホテルやレストランを経営する富豪でした。

自分に尽くす美雪を浩介は鬱陶しく思い始め、美雪は浩介の浮気に気付きつつ責めません。

美雪は浩介との子を切望し始め、毎日妊娠検査薬でチェックしては、陰性だと知って荒れ鏡に頭を打ちつけます。

※浩介が「仕事で伊豆に行く」と行って莉緒と過ごし、美雪には「帰れない」と電話しました。浩介が莉緒に走ったのは子が生まれないからだと思い詰めた美雪は、狂気に走りました。
(※以降は浩介の幻想。実際は※時点で美雪が浩介を殺害していた)


【結】- 喰女 クイメのあらすじ4

風呂場でナイフやフォークを用い、自分で自分の陰部に突き刺して、いない赤ん坊を無理に引きずり出そうとしたのです。

朝帰りした浩介は血塗れでベッドに横たわる美雪を殺害し、死体を隠しました。

劇団に来ない美雪の代役は加代子が務めます。

何食わぬ顔で稽古に出た浩介は、山場のシーンを熱演しました…。

工事中で片側交互通行の信号前で、頭のない浩介の他殺体が発見されます。
刑事たちが捜索しますが、浩介の頭部は現場にありません。

舞台監督に「何があっても幕は開けてくださいね」と頼み、控室で化粧する足元に転がる浩介の頭部を、美雪は机の奥に蹴りました…。
http://hm-hm.net/horror/%E5%96%B0%E5%A5%B3-%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%A1


3. 中川隆[2816] koaQ7Jey 2016年6月09日 23:46:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3094]

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2. 三池崇史の映画 2


『十三人の刺客』 2010年 東宝
http://www.acfun.tv/v/ac1903187
http://dramaview.blog112.fc2.com/blog-entry-7308.html

監督:三池崇史
原作:池宮彰一郎
脚本:天願大介


キャスト

島田新左衛門(御目付七百五十石):役所広司
島田新六郎(新左衛門の甥):山田孝之
倉永左平太(御徒目付組頭):松方弘樹

明石藩
松平左兵衛督斉韶:稲垣吾郎
鬼頭半兵衛(明石藩御用人千石):市村正親

幕府
土井大炊頭利位(江戸幕府・老中):平幹二朗
尾張藩牧野靭負(尾張家木曽上松陣屋詰):松本幸四郎

時は江戸時代後期の弘化元年(1844年)。

将軍の異母弟にあたる明石藩主松平斉韶は暴虐・無法の振舞い多く、明石藩江戸家老間宮図書は老中土井大炊頭屋敷前にて切腹、憤死した。

幕閣では大炊頭を中心に善後策を検討したが、将軍の意により、斉韶にはお咎めなし、となった。

斉韶の老中就任が来春に内定していることを知る大炊頭は、やむなく暗黙のうちに斉韶を討ち取ることを決意し、御目付役の島田新左衛門を呼び出した。新左衛門は大炊頭の意を受け、自身を含めて13人で、参勤交代帰国途上の中山道落合宿にて斉韶を討つことにした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%B8%89%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%88%BA%E5%AE%A2_(2010%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)

ずっとずっとずーっと…こんな時代劇&殿様を待ってましたよ! 

今までは稲垣吾郎さんにそんなに興味がなかったんですが、今回の松平斉韶役で一気にファンになりましたね。

いや、稲垣悟郎さん演じる殿様は本当に残酷で。その演出は“リアルな雰囲気の漫画的な非道さ”というか、あまりに非道すぎて、観ながらちょっと笑っちゃいました。

どのくらい非道いかというと、こんな感じ↓


@尾張藩に立ち寄った時、尾張藩士の妻をレイプした後、「木曽の女は山猿」発言。

A呆然とする旦那を背後から刺殺。首も切断。

B百姓一揆の首謀者一族を娘を除いてみなごろし。

C残った娘は舌を抜いて四肢を切断して性奴隷に。飽きたら道端へポイ捨て。

D切腹をして殿様の行状を訴えた間宮家の一族を弓矢で惨殺(幼い子どもも含む)。

E殿様のためにずっと尽くしてきた鬼頭半兵衛の切断された首を何の感慨もなく蹴鞠のようにキック。

もうね、三池監督の残酷趣味が全開なキャラクターなワケですよ。

この殿様はつまらない日常に飽き飽きしていたんですが(食事もグチャグチャに混ぜて犬食いしてみたりする)、宿場町で13人の刺客たちと戦闘になったところでやっと“生”を実感し、

「オラ、何だかワクワクしてきたぞ」状態に。

殿を守ろうと必死な半兵衛が「殿、そっちには罠が!」みたいなことを言うと、( ̄∀ ̄)ニヤリと笑ってあえて罠の方に行っちゃったりして、半兵衛は「んもう!」って感じでそのフォローに回ってました。この2人の関係性、腐女子の方々はかなり萌えるのではないでしょうか。

伊勢谷友介が演じる山の民・小弥太に小太刀を投げて刺し、

「なかなか良いことを言う。褒美に余の小太刀をくれてやった」

と言い放つシーンもカッコ良かったなぁ。

最後は島田新左衛門に腹を刺されて(その直前、感情的に新左衛門の腹を刺すのは微妙ですが…)、「痛いよぅ、怖いよぅ(;´Д`)」とか言いつつ、泥まみれでもがき苦しんで(良い感じで見苦しいシーン!)。

「今まで生きてきて、今日が一番楽しかった」と感謝してから首をはねられてましたが(便所の近くだったので、首をその中に落とすのかと思いました)、もう見事なヒールっぷりでしたね。

個人的な好みでは、最後までクールな感じでいてほしかった気もしますが、アレはアレで良いというか。稲垣悟郎さん、本当に良い仕事をしたと思います。

その他の要素も素晴らしかったです。「映画秘宝 2010年 11月号」で“信頼できる映画ライター”の1人である轟夕起夫さんが「シークエンスによっては“オリジナル超え”も果たしている、リメイクの大成功作!」というのは僕的にも完全に同意でして。

役者さんたちに関しては、丹波哲郎さんが演じて恐ろしくクールでカッコ良かった老中役を平幹二朗さんが演じたのはミスキャストだと感じましたが、それ以外はピッタリで。

オリジナル版では“主要キャラクター以外はその他大勢扱い”みたいな感じが不満だったんですが、今作ではちゃんと13人のキャラクターが描き分けられていて非常に良かったですな。

オリジナル版では愉快なキャラクターだった古田新太さん演じる浪人が意外とクローズアップされなかったのは不満でしたが…(墓参りの時にモノローグが流れるのもちょっと嫌)。

そして、“ダルマにされた娘”役の茂手木桜子さんの演技は完璧でしたね。

血涙を流しながら口に筆をくわえて「みなごろし」と書くシーン、夢に見そうなくらい怖かったです。

冒頭、切腹シーンから始まるのも実に良い感じでしたね。
内野聖陽さんの迫真の演技、大大大大好きでした。
映画史における切腹演技ベスト10には確実にランクインする熱演ではないでしょうか。

今、日本が世界に輸出すべきなのは、この“切腹文化”なのかもしれません…(自分でもよく分からない文章)。

ただ、微妙な文句もあって。ちょっと中弛み感のある準備シーンとか山登りシーンとかは、まぁ、どうでも良いとして。岸部一徳さんが演じる村の有力者・徳兵衛を小弥太がケツを掘るくだりも三池演出ということでスルーするとしても、クライマックスの50分間の死闘がなぁ…。

いや、スゲー良いんですけど、惜しいんですよ。「みなごろし」と書かれた紙を広げて宣戦布告するシーン自体は最高だったんですが…(「非道な殿様を殺す」という想いを観客にあらためて伝える名シーン!)。


このシーン、鳥肌が立ちました!
http://ameblo.jp/kamiyamaz/image-10661115970-10778549023.html


三角絞めでつかまえて-みなごろし


弓矢攻撃やら火をつけた暴れ牛(安めのCG)やら爆薬やらといろいろ仕掛けを用意していたのに、結局、「小細工はここまでだ!」と、ほぼ無策状態で斬り合いに挑むのは「はぁ?」というか。

オリジナル版では少人数が地形とかをうまく利用して大勢を倒していくのが良かったのになぁ…(伊原剛志さん演じる平山九十郎が「剣の墓場」に誘い込むあたりは好きだけど)。

殺陣自体もかなりカッコ良かったし(特に倉永左平太を演じた松方弘樹さんの“基本が出来ている感”がハンパないというか、1人だけ別次元の強さな感じ。ハッキリ言って、松方弘樹さんと伊原剛志さんの2人で全員倒せそうな勢い)、ラストの新左衛門と半兵衛の一騎打ちシーンとか(新左衛門が泥で目潰しして勝つ!)、燃えるところが多かっただけにちょっと残念でしたな…。

一応、オチを書いておくと、死闘が終わって、生き残ったのは山田孝之さんが演じる島田新六郎だけ…かと思いきや、首に小太刀が刺さって死んだと思っていた小弥太が無傷で出てきたのはちょっとビックリ。

彼と話した後の新六郎が家に帰る選択をしたということで、あれは新六郎が見た幻覚とも考えられるけど、どうなんでしょうか? まぁ、ここら辺もちょっとダラダラした感じがしましたが、僕的には嫌いじゃない雰囲気の終わり方でした。

というワケで、いろいろ文句も書きましたが、僕的にはかなり好きな映画です。

好みを言えばもっと肉体損壊描写を入れて欲しかったけど(意外と少ない)、愛やら恋やらワビサビといった“近年の時代劇映画にはよく盛り込まれているけど僕的にはまったく不要な要素”が一切なくて、実に清々しい作品でしたね。

オリジナル版に「オーディション」の残酷風味と「DEAD OR ALIVE2 逃亡者」の“よく分からない感じ”を加えた見事なリメイクというか、三池崇史監督の新しい代表作になったのではないでしょうか。
http://ameblo.jp/kamiyamaz/entry-10661115970.html


4. 中川隆[2844] koaQ7Jey 2016年6月11日 14:35:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3122]

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3. 三池崇史の映画 3


『悪の教典』 2012年 東宝
http://www.dailymotion.com/video/x1zxmlm_akunokyouten-1-3_shortfilms
http://www.dailymotion.com/video/x1zxndl_akunokyouten-2-3_shortfilms
http://www.dailymotion.com/video/x1zxrkt_akunokyouten-3-3_shortfilms
http://dramaview.blog112.fc2.com/blog-entry-8307.html


監督 三池崇史
脚本 三池崇史
原作 貴志祐介


出演者

蓮実 聖司(はすみ せいじ):伊藤英明
酒井 宏樹(さかい ひろき):篠井英介
真田 俊平(さなだ しゅんぺい):山中崇
田浦 潤子(たうら じゅんこ):小島聖
柴原 徹朗(しばはら てつろう):山田孝之
釣井 正信(つりい まさのぶ):吹越満


【起】- 悪の教典のあらすじ1 - 悪の教典のあらすじ1

蓮実聖司は晨光高校で英語教師をする30才前後の男性です。生徒にも人気がある蓮実ですが、人間的に大きな欠陥がありました。生まれつき共感能力のないサイコパス(反社会的人格障害)だったのです。

幼少期から蓮実は「自分にとって不都合な人物」は排除しようと考え、実行してきました。頭脳優秀な蓮実は犯行のために周到な計画を練って実践するので、露見することはありません。

しかし両親は息子の異変を感じ取りました。蓮実が14歳の時の熊谷先生が死んだ日の夜、蓮実が家を抜けだしていたのを知った両親は、息子のことについて密談します。

蓮実は両親が気づいたことを察知しており、両親を殺めました。全裸にナイフを持って忍び寄った蓮実は両親を殺すと、強盗が入ったと通報し、自分で自分の背中を包丁で刺して被害者を装います。

…大人になった蓮実は多少処世術を覚え、表向きは「愛想のよい理解のあるおおらかで話の分かる教師」の仮面をかぶっていました。しかし内面は変化なくサイコパスのままです。

晨光高校では、携帯メールを使っての一斉カンニング(チーティング)が問題になっていました。一部の優秀な生徒が、携帯メールで答えを他の生徒に送信しているのです。

職員会議で「アマチュア無線部の顧問の釣井先生に動いてもらって、時間限定、範囲限定の妨害電波を流せばどうか」と発言した蓮実は、電波法に抵触するという理由で酒井教頭から却下されました。

妨害電波を出すという案を臆面もなく発言する行動からも、本来ならば著しく社会性を欠いた人格であることであることが分かりますが、それに気づく教師はほとんどいません。ただ一部の教諭…釣井は蓮実の他とは異なる存在に気付き、独自に調査していました。

蓮実は授業の際にも努めて朗らかに対応します。授業中にマンガを読んだ生徒には「タイトルを英語に訳せ」と言ったり、生徒を褒めて伸ばしたりします。

問われた蓮実は、感動の度合いによって「good(グッド)」「great(グレイト)」「exellent(エクセレント)」と使い分けていると答えました。

最上級の感動の際には「magnificent(マグニフィセント)」です。

蓮実は古い家屋に住み、古くてボロい軽トラックを使いました。毎日筋トレは欠かさず行なっています。

ある日庭に2羽のカラスがやってきました。ツガイらしきカラスは庭の物干し台に留まり、うるさく鳴きます。北欧神話に登場する最高神・オーディンに付き添う一対のワタリガラスになぞらえ、蓮実はカラスを「フギン(思考)」と「ムニン(記憶)」と名付けました。

夜うるさく鳴いて睡眠を妨害した理由で、蓮実はカラスたちの排除を考えます。物干し台に電気を流す仕掛けを作り、朝に2羽が止まったのを見計らって電気を流しました。フギンは殺せましたが、左目の白い「ムニン」は生き残って蓮実をじっと見つめます。


【承】- 悪の教典のあらすじ2

蓮実の担任の生徒・梨奈がいじめられていると、梨奈の父・清田が何度も学校に押し掛けました。事実の誤認だと学校側は言いますが、清田は納得しません。

清田は勤務中でも仕事先のスーパー・西湖屋のジャケットを着て学校にやって来ては、仕事場のうっ憤を晴らすかのように煙草を吸いながら、学校側に文句を言いました。

学校には裏掲示板と呼ばれるインターネットのサイトがあり、そこに生徒たちがIDとパスワードを設定すれば書き込めるようになっています。

清田はそこに、タデという名の生徒がいて、タデが梨奈を中傷していると文句を言います。

うんざりした蓮実は、清田の排斥を考え、ジョギング中に清田宅を下見します。清田家は一般的な民家で、猫よけに大量のペットボトルを壁に沿って並べており、横に煙草の吸殻が落ちているのを確認しました。

蓮実はペットボトルの中身を灯油にすり替えます。

ある夜、タバコをポイ捨てした清田の吸殻がペットボトルを溶かして引火し、清田家は炎上して清田は亡くなりました。たまたま梨奈は外出しており、無事でした(但し梨奈が死んだとしても蓮実は良心が痛まなかったと思われる)。

生徒の美彌が体育教師・柴原からセクハラを受けていると蓮実に相談します。美彌は万引きしたことをネタに脅され、体を要求されていました。露見したら淫行条例にひっかかって柴原の立場が危なくなると指摘したメールを美彌に送信させ、解決させます。

テストの日、蓮実は断りなく妨害電波を流してカンニングを防ぎました。アマチュア無線部顧問の釣井先生は気づきます。

生徒の前島雅彦は、美術教師の久米と、同性愛で恋人同士の仲でした。蓮実は学校中に仕掛けた盗聴器でそれを知り、久米の実家が名家で裕福なのを利用しようと考えます。

柴原先生を撃退したことで、美彌は蓮実に思いを寄せるようになりました。ある日屋上で美彌に抱きつかれた蓮実は、美彌とキスを交わします。その現場を生徒の蓼沼に見られました。

蓮実は蓼沼の抹殺を考え、蓼沼のハンドルネーム・タデを利用して学校の裏掲示板に書き込みをして炎上させます。

気落ちした蓼沼を慰めるふりをして飲みに誘い酔いつぶした蓮実は、ナイフで蓼沼を刺殺して軽トラで運び、庭の片隅の土中深くに埋めました。

美彌と関係を持つために美術教師・久米を脅した蓮実は、街中の豪奢なマンションを用意させて美彌との逢引場所に使います。

学力優秀な生徒・圭介は、蓮実のクラスの怜花や雄一郎とよく行動を共にしていました。集団カンニングの首謀者でもあります。

圭介はテスト時にメールが送信できなかった件で、それとなく釣井に鎌をかけ、釣井は「ウェルテル効果(自殺の連鎖)」と答えました。

圭介はその言葉から蓮実の過去を調べ、蓮実の前任校・都立北原高校で4人の高校生が自殺していることを突き止め、釣井にさらなる情報開示を要求します。




【転】- 悪の教典のあらすじ3

赴任当初から「まぶしい」まま変わらない蓮実の印象を不審に思った釣井は、蓮実の経歴を調査し、妙な「経歴の隙間」を発見していました。

蓮実は東京生まれ東京育ちで開業医の父を持ちますが、中2の冬に強盗事件の被害者となり、以降は京都に転校して過ごします。

京都大学法学部に入学したものの1か月で中退し、翌9月にアメリカ・ハーバード大へ留学して卒業し、MBAを取得しました。

さらにアメリカでモルゲンシュテイン社(ヨーロッパ系の名門投資銀行)北米本社に入社したものの2年で退職し、帰国した後、都立北原高校の教諭となります。

経歴が不自然だと釣井が圭介に話す会話を、盗聴器で蓮実が聞いていました。

その日、電車で帰る釣井を狙った蓮実は、人の目を巧みに避けて傘で殴り、電車の吊革の鉄棒部分にひっかけて首吊り自殺を装います。

釣井の「自殺」報道に動揺した圭介は朝礼を抜けだし、教室の盗聴器を見つけますが、「exellent!」と叫んだ蓮実に見つかりました。圭介はナイフを出して応戦しますが、歯が立たずに捕まります。

蜂の巣のように皮膚に穴が開く拷問用具を使って拷問された圭介は、蓮実にカンニング事件の共謀者を訊かれますが、仲間を売ることなく死にました。

蓮実は遺体を軽トラで運び、また埋めます。埋めながら蓮実は『マック・ザ・ナイフ(モリタート)』の鼻歌を口ずさみました。上機嫌な時の蓮実の癖です。

釣井の知らない蓮実の過去がありました。アメリカ・ハーバード大学時代、蓮実は快楽殺人者のクレイと出会います。

クレイと組んで殺人の腕を磨いた蓮実でしたが、ある時不要になったのでクレイを殴って生きたままドラム缶で火をつけて殺しました。

このことがモルゲンシュテイン社勤務時に知れ、アメリカから逃げるように蓮実は帰国したのです。

逢引の折、蓮実のバッグをあさった美彌が蓼沼の携帯電話を見つけました。蓼沼は世間では、行方不明の扱いです。詰め寄る美彌に誤魔化したものの、掲示板でタデを名乗る炎上騒ぎの書き込みを蓮実の仕業ではないかと疑う美彌を見て、蓮実は始末しようと考えます。

家に帰ると蓮実は「柴原の奴隷でいるのはイヤ。こんな体は捨てるしかない」という遺書を用意しました。

翌日は文化祭の出し物製作で、お化け屋敷を作る2年4組は盛り上がっています。梨奈も久しぶりに登校していました。

屋上に呼び出した蓮実は美彌の頭部を殴って気絶させ、ショーツを柴原への土産ではぎ取った後、屋上から落とすと、靴を揃えて置きます。

しかしこの時に美彌を追ってあゆみがやって来たのが計算外でした。靴を発見したあゆみは背後から蓮実に首を折られて死にます。

あゆみを殺したものの、これに関してはどうにも犯罪を隠匿できないと考えた蓮実は、クラス全員を皆殺しにして美術教師・久米の仕業にしようと考えました。雅彦との同性愛の関係を知られた久米が、皆を殺して心中を図ったという筋書きです。


【結】- 悪の教典のあらすじ4

蓮実は携帯で久米に連絡を取るとおびき寄せ、学校に妨害電波を流して学校内の携帯を通話不能にしました。やってきた久米を後ろから殴って気絶させて拘束すると、口に詰め物をして隠します。

その後、クレー射撃で利用する久米の趣味の猟銃を持ち、ドラム好きの3人組を殺した後、さすまたを持って駆け付けた柴原の頭部を撃ちました。

射撃音に驚く生徒に向けて、蓮実は校内放送で「不審者が侵入したから、1階には降りるな。屋上に行って鍵をかけて待て」と指示します。

素直に屋上に行く組と、下に降りて公衆電話から通報しようという組とに分かれました。蓮実は校内を巡回して見つけた生徒は片端から殺していき、途中職員室で殺した生徒を名簿でチェックします。殺し損ねた生徒がいないか確認するためです。

屋上は施錠されており、直前の階段で待機する生徒の前で蓮実はレインコートを着用すると、撃ち始めます。猟銃で間に合わない生徒は、乱雑に階段から落とします。蓮実の頭には『マック・ザ・ナイフ』の曲が流れていました。

1階の公衆電話が使えないと知った生徒・翔が走って外へ逃げ出し、バス停にいたサラリーマンに通報してもらうと、恋人・さとみを救うために学校に戻ります。
そのさとみはロープを伝って階下に降りていました。最後に落ちて足首を痛めたものの着地できたさとみは、校庭で翔と会います。思わず翔が「さとみ!」と叫んだため蓮実の目を引きました。

翔はアーチェリーで蓮実を狙いますが、猟銃には敵いません。さとみも殺されました。

残った生徒をあぶり出すよう、発煙筒と灯油で火をつけた蓮実は、防火シャッターでたてこもった一団のロープを伝ってのぼり、撃ちまくります。

1階職員室で久米を見つけた雅彦は、蓮実が久米の靴を履いているのを見て悟ります。雅彦はカッターを持って立ち向かいますが、首をナイフで刺されて絶命しました。

雄一郎と怜香は逃れ、脱出用避難袋(シューター)を使ってある作戦を立てました。それは遺体に自分たちの制服を着せてシューターから落とし、自分たちが死んだと見せかける方法です。

これが功を奏し、蓮実はシューターに猟銃の弾を撃ち込んで、殺したものと思い込みました。雄一郎と怜香は隠れます。

生徒の数が合致したので、蓮実は「congratulations(おめでとう)」と言って喜びました。あとは筋書きを整えるのみです。

『男子生徒と不適切な関係にあった美術の久米教師が猟銃を持って侵入し、私に暴行を働いて手錠をかけて拘束した。そして校舎内にいた生徒たちと体育教師を射殺したあと自殺』

『一方で、体育教師のセクハラに耐えかねた女子生徒が屋上から投身自殺』

パトカーのサイレンを聞きながら自分で頭を机にぶつける蓮実は、この2つの事件を結び付ける要素はないと確信し、逃れられると思います。

…しかし、雄一郎と怜香の生存者があったことで、蓮実の立場は揺らぎました。理想の教師像の仮面をかぶった蓮実に雄一郎は逆上しますが、保健室のAED(自動体外式除細動器)を見つけて再生します。

雄一郎たちは避難の模擬授業でAEDに録音機能がついているのを知っていました。保健室で殺された生徒・修平たちに対し蓮実が発言した「1発で2人殺るのは難しい」「これは久米先生の仕業だ」という録音が物的証拠となり、蓮実は逮捕されます。

連行される蓮実は怜香の「圭介、生きてるよね」という問いに笑いました。蓮実には、怜香の左目が白く見えます。ちょうど、生き残ったカラスのムニンのように。
蓮実は怜香に「これは全部神の意志なんだ。頭の中に響く声がした。4組の生徒は悪魔にとり憑かれていた」と告げ「オーディンに伝えておいてくれ、ムニン」と呼びかけます。

「完全に狂っている」と言う雄一郎に対し、怜香は

「違う、こいつはもう次のゲームを始めているんだ」

と答えました。

蓮実は怜香に「magnificent(蓮実にとっての最上級の讃美)」と去りながら言います。

同じ頃、屋上で突き落とされた美彌が蘇生していました。
(画面中央に『to be continued』)
http://hm-hm.net/suspense/%E6%82%AA%E3%81%AE%E6%95%99%E5%85%B8


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