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和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1221.html
投稿者 中川隆 日時 2022 年 2 月 09 日 12:47:39: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: オールド マランツ 投稿者 中川隆 日時 2016 年 4 月 30 日 11:10:28)


和山通商オンラインショップ
マランツ7プリアンプの再現真空管アンプ完成品 6z5p*1、12AX7B*3
販売価格: 21,000円(税込)
https://wayamatuusyou.ocnk.net/product/29

商品詳細
完成品になります。

マランツ7プリアンプの再現真空管自作アンプ完成品。

マランツではありません。マランツ7のデーターをベースに制作した商品です。


商品仕様

電源電圧:AC110V

使用真空管:6z5p*1、12AX7B*3 (4球)

入力:RCA4組

出力:1組

シャーシ材質:ステンレス

主な部品のデータです。

変圧器:H360 0.5 76*40鉄コア 2組110Vで並列の場合110V

ポテンショメーターはALPS16型長軸15MM 100K 等です。

WIMA MKP10 0.1uf、0.39uRIFA PHE426シリーズ、 I T 2.2ufコンデンサー等

サイズ:32*17*5cm (突起部含まず)

Frequency response:10-26kHz(+/-0.11dB)電圧拡大15倍前後

S/N:-99dB

THD:0.078%

画像に電源コードがありますが電源コードは付属しません。

初期不良のみの対応となります。

完成品の場合3000円追加料金で完成品のご注文も可能です。

それでは沢山のご入札お待ちしております。

発送詳細
商品は海外から国際急便にて直送で発送させていただきます。

運送会社のご指定は受付しておりません。

海外からの直送の為代引き、着払いは対応できません。

送料は日本全国一律1500円になります。(お客様負担)
注意事項
*海外輸入品の為 箱にダメージが確認出来る場合がありますが製品に問題

なければクレームは受付できませんので了承ください。

気になる点がございましたら、ご入札前に「出品者への質問」よりご質問くださいませ。

終了間際のご質問、専門的なことで確認に時間がかかる場合、当店休業日などは、

回答が遅れたり、回答が間に合わない場合がございますが、何卒ご容赦くださいませ。
https://wayamatuusyou.ocnk.net/product/29


店長プロフィール
名前 金 哲吉

和山通商オンラインショップの責任者の者 金と申します。
弊社は 8年前から日本のYAHOOオークションと楽天を始め 日本向けに貿易、買い付け代行で頑張ってきました。
弊社は中国の義烏市に拠点を置き 日本の名古屋に倉庫兼連絡先が設けております。
和山通商オンラインショップで販売してる商品はアンプ、車用品をメインにその他面白い商品も販売しております。
日本ではなかなかこの値段では入手できない商品だと思います。

安いだけではありません。特にアンプは驚くほどのいい音を出してくれる商品が多いです!
今後とも和山通商オンラインショップをよろしくお願い致します。

https://wayamatuusyou.ocnk.net/profile  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-13786] koaQ7Jey 2022年2月09日 12:55:22 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[14] 報告
オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

115V用オーディオ機器を100V電源に接続してはいけない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/982.html

2. 中川隆[-13784] koaQ7Jey 2022年2月09日 13:19:43 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[16] 報告
和山通商オンラインショップ開店お知らせ!
2013年06月29日

YAHOOオークションでの販売と同時に
2013年7月1日を伴い和山通商オンラインショップをオープンさせて頂きます。
商品は続々アップして行きますので どうぞ御覧ください。
まだ経験不足でいろいろ設定ミスとかもあると思いますが
不思議なところ、疑問点等がありましたら 気軽にお問い合わせください。
https://wayamatuusyou.ocnk.net/diary


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3. 中川隆[-13783] koaQ7Jey 2022年2月09日 13:26:26 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[17] 報告
伝説のマランツ7 プリアンプの音の秘密

管球プリアンプ、Marantz#7は古今の名器とされる多種多様なオーディオ機器の中でも、今日のワイドレンジなソースにも十分以上に対応するだけでなく、近年の機器にない豊かな音楽性を備えた名器中の名器とされ、未だに50年以上も前に作られた中古品が高値で取引されています。

私が考える#7の美点は何よりも抜けの良い、明るく暖かで上質な音質であること、躍動感あふれる豊かな中低音であり、底抜けのダイナミックレンジにも驚かされます。一言で言えば#7は音楽のあらゆる相反する要素、例えば繊細さー彫りの深いある種の線の太さ、暖色―寒色の多種多様な美しい音色、静―動のコントラスト等々を一つに兼ね備えているということです。

そして驚くべき事は、この優れた#7が米国で発売されたのが、1958年、今からおよそ60年も前の出来事であり、世にステレオのLPが発表され市場に出てから2年も経過していない時期であったという事で、そのステレオ初期にこのような優れた完成度の高い工業製品が生まれたことにも畏怖の念を禁じえません。


何故、Marantz#7が単なるヴィンテージ機器の枠を超え、未だに銘機足り得るのかを考察してみたいと思います。

もちろんその最大の要素は奇才と言われた、ソウル・B・マランツによる優れた回路設計による物である事は論を待たないでしょう。特に抜きん出ているのは、前段のフォノイコライザーだと言われていて、回路の安定度を重視する立場からは在り得ない設計と様々に解説されてきたのですが、一度あの生き生きとした再生音を聴いてしまうと、#7以後のこれを越えようとする様々な機種のフォノイコライザーの試みが果たして成功したのだろうか、と思わざるを得ないのです。

そして60年代後半より日本の著名な各メーカもこの#7を意識して、同様の回路も試みたのですが#7ほどの名声を勝ち得なかった事実を考察すると、単に回路だけが優れていたわけではない事にも思い至ります。

これは自作真空管アンプマニアであれば、自明の事実なのですが、当時の米国製の個々の部品の持つ優れた個性も最終的な音質に大きく寄与していると言えるのです。

例えば、カップリングに使われているコンデンサー、名高いスプローグのバンブルビー、ブラックビューティ、アーレン・ブラッドレイのソリッドカーボン抵抗はすでに生産も中止され入手も難しくなっていますが、未だにNOS品を求めるマニアがいるのも如何にこれらのパーツに魅力にあふれているかの傍証と言えると思います。

もちろん、例えば何故、ABのソリッドカーボン抵抗が高抵抗の箇所に使われて好ましいのかは、定性的には語られてきました。例えば、抵抗体となるカーボンの純度が極めて高いからだ、あるいは構造上、L成分を含まないからだと。

これはコンデンサーの世界にも言えることで、初段のカソードのパスコンとして当時の銀タンタル(湿式タンタル)に敵うコンデンサーはないのですが、残念なことにその原因について定性的に語る事はできてもそれらの部品の持つ特性を物理的に、定量的に解析し、聴感特性と関連付けるのは、たとえ最新の測定手法を駆使したとしても至難の業であるというのが、現時点での到達点なのです。

そうであるならば、オーディオ機器開発に関わる我々のなすべき責務は、貪欲に優れた音質のパーツを求めて実際に機器に組み込み、自らの聴感と感性を最大限に磨きあげ、ここにその部品の良否の判断の基準を求める事なのではないでしょうか。

http://www.spec-corp.co.jp/message/index.html


マランツ7 ブラックビューティー160P 2011/5/11(水)

マランツ7は、コンデンサーをブラックビューティーの160Pに換えたという。かつて持っていたマランツ7はオリジナルのコンデンサーがついていたが、どうも実力を出していなかったと思うようになっていたのである。きっかけはLeakアンプのコンデンサーを交換するようになってからである。英国製オイルコンで交換したLeakアンプは、以前ブログで書いたように、別物と思えるような音でなってくれた。あのマッキンやマランツも、コンデンサーを交換したら、どんな音でなったのだろうかと、そのとき以来考えていた。

ちなみに、彼の交換前のコンデンサーはビタミンQであった。そのときの音は、悪くはないけれど、あれほど定評のあるマランツ7、これぐらいなのだろうかと思っていた。

さて聴いた。私の持っていったGoodmans Maximが朗々となったのである。 ネットワークをオイルコンに換えたものと換えないものとの違いも、はっきりと分かる。換えたほうが、音も強くつやがある。

ブラックビューティー160Pでの、コンデンサーの交換。正解だな。マランツ7が生き返ったように感じた。

何度も云ってきましたが、コンデンサーはアンプの心臓です。いや血管かな。 どっちでもいい、最重要であるといいたいのです。友人は手馴れた人だから、自分でコンデンサーの交換をしました。ブラックビューティー160Pの交換部品だけで、9万ほどの出費だったそうです。 まあ、それ以上の価値があります。あれだけ音が変わるなら、安いものです。

トランスを除けば、音に一番の影響を与えるものは、コンデンサーです。コンデンサーに比べれば、真空管による音の違いは小さなものです。

http://blogs.yahoo.co.jp/gakuyujp/62439897.html


マランツの#7のカップリングコンデンサー

ブラックビューティーが使われているなら問題はないが他のコンデンサーの場合は良く知っている人に相談するといい。そのほか何か新しい部品に換わっているかどうかはハンダを見て確認し、新しいハンダがあれば業者に説明を求める。 なかなかよい音のマランツ#7は見つからないがオリジナル・マランツの音を聴いてしまうとその美しい音の虜になる

さて、レプリカ#7はどうだろう?

じつは初期のレプリカ#7を1年半くらい所有していた。とても良くできていて欠点らしい欠点はないのだが、強いて言えば、大音量になると音が団子状態になる。しかし値段を考えると、とてもこの値段では手に入らない音質だと想う。真空管の差し替えだけでも音がずいぶん違うので良質のECC83で試してほしい


これはメーカーの保証外なのでやってはいけないがレプリカのカップリング・コンデンサーをブラック・ビューティに換えた人がいたが何の不満点も見つからないほど音が激変した。こうなるとセレンを付けてほしかったが、そこまではさすがに改造しなかった。下手なオリジナルのマランツ#7を購入するのだったらレプリカをお勧めする

http://more.main.jp/maramtz.html

僕はマランツ#7オリジナルを入手するまでは、マランツ#7と同じ回路で、パーツを最新にしたプリアンプを使っていた。音には満足していた。最強だと思っていた。はっきり言って、この音に満足し、アーレン・ブラッドレーのソリッド抵抗や、ブラック・ビューティやバンプルビーのコンデンサを馬鹿にしていた。

しかし、オリジナルマランツ#7を入手して、レプリカは知らないが、オリジナル#7と比べると、何ともギラギラした悪い意味で艶っぽい音である事に気が付いた。パーツの性能は上がっているのだろうが、50年以上昔に作られたマランツ#7の音には、言葉では言い表せない味が有る。これは、今となっては旧式の、アーレン・ブラッドレーのソリッド抵抗に、バンプルビーのオイルペーパーコンデンサ、それにセレン整流器だからこそ出る音なのであろう。

http://www.korngold.jp/blog/


マランツ#7やマッキントッシュのプリアンプのカップリングコンデンサーはスプラーグのバンブルビーを採用している。このコンデンサーのお陰でマランツ、マッキンも世界のトップクラスの音作りに影響を与えているのは言い過ぎではない、

ではブラックピティーとバンブルビーとの音の違いをマランツを使って比較試聴してみた、

正直な話音は歴然と差が出たが同じスプラーグであるから音色的には似たような感じだがバンブルビーはもっと深く味がありコクのある音に変わる。ワインで例えるなら安いワインと高級ワインの違いである。この違いには私も驚いたがもう良質なバンブルビーは手に入らないと思う、もし手に入れる事が出来たのなら入念にチェックしてから使用してほしい

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-018.html


バンブールビーってのはカラーコード時代のブラックビューティを楽器屋が勝手に付けた呼称。ここ10数年前から言い出したこと。 昔から正式名称はずっとブラックビューティですし構造中身一切変わってません。

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/pav/1296269023/


私が真空管アンプのメンテナンスを依頼している、懇意にしているビンテージオーディオショップに聞いてみました。(そのお店は、真空管専門です)

マランツの#7の回路図、今の精度のパーツでつくったら、発振してしまうのは有名ですね。

元の状態にしたとしても安心とは言い切れないそうです。したがって、メンテナンスは非常に難しいそうです。

http://rasenkan.blog.so-net.ne.jp/2005-05-14


有名どころのビンテージでいうと、マランツの#7あたりは、動作が非常に不安定なアンプなうえ、音質の多くの部分を好ましい音質のパーツの選択によるチューンナップに頼っている部分があるので、本来の音質で鳴らせている人は殆どいないでしょう。

RSコンポーネンツあたりで売っているような、今のパーツじゃ直せないんですよ。(というわけで、普通の中古業者では治せない。)

私が好きなQUADも、絶対買ってはいけない QUAD II の中古の見分け方、などもあるのですが、公に教えることはしていません。パーツを持っていないので、電源コンデンサの過剰容量の修理が多いですね。容量アップ → 音質アップと考える能天気な人につける薬はないですが^^; 球の寿命は確実に縮みます。

http://tonoji.seesaa.net/article/6407714.html

4. 中川隆[-13782] koaQ7Jey 2022年2月09日 13:34:20 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[18] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
凄いぞ!自作マランツ7型プリアンプ
2019年01月14日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a69c0a28f83cdaf3c67617d877678ef3


話が分かりやすいように、丁度1か月前の昨年(2018年)の12月12日に投稿した記事(一部)から入らせてもらおう。

(Nさん宅の)オーディオルームに入るなり「いつもお世話になってま〜す。あれっ、いったい何やってんすか?」

Nさんが机の前で沈思黙考されている。

  

「実はねえ、この度Mさんがマランツ7Kを購入してねえ。試聴に行ったんだけど、これがもう素晴らしい音でねえ。大いに触発されて手持ちの部品で何とか作ってみたいものだと寄せ集めて(マランツ7の)回路図を研究しているところなんだ。」

以上のとおりの記事だったが、このプリアンプ「マランツ7」はおよそ60年前の製品なのにいまだに人気の衰えを知らず、逆にますます価値が高まってさえいる。有為転変の激しいオーディオ機器だが、こういうプリアンプもたいへん珍しい。

たとえばオークションで「プリアンプ」(真空管)で検索すると、いまだに「マランツ7型回路で作成」という記載をよく見かけるのがその証拠。

そのNさんから4日ほど前にお電話があった。

「あけましておめでとうございます。今年の正月はマランツ7型プリアンプの製作にかかりっきりでした。やっとどうにか完成したので聴きに来ませんか。」

「はい喜んでお伺いします。ついでにPADのSPケーブルが使えるようになりましたので持って行きたいのですがいかがでしょうか。」

「エッ、PAD!それは興味があるねえ。どうぞ持ってきてください。」

結論から言えば「Nさん自作のマランツ7」は素晴らしい音だった。「アルテックA5」が朗々と鳴って何ら不満を感じなかった。

    

よくお話を伺ってみると「マランツ7」型は感度が高いのでコンデンサーや抵抗の材質によって音が豹変するとのこと。

惜しいことに長期保管中だった「バンブルビー」のコンデンサーは容量が抜けたのが多くて2割程度しか使えず、その一方、抵抗の方はアレンブラッドリーが無事ですべて統一出来たとのこと。

当初はノイズが盛大に出て、3日間ほどコンデンサーをとっかえひっかえの調整の連続だったがようやく落ち着いたそうだ。

   

マランツ7型は我が家でも使っているが掛け値なしに「いい音」がすることを実感した。

詳しく伺うと、オーディオ界では「マランツ7党」として独自の世界が築かれており、程度のいいものから悪いものまでレストアされたものが専門店によって販売されていて、オリジナルに近い最高級品は350万円なり!

「マランツ7」じゃないと出ない音があるというのはよくわかります。

かって「ソウル・B・マランツ」氏(アメリカ)が個人用に製作したプリアンプが評判を呼び、その後広く普及したわけだが「採算を度外視した性能のいい製品を作り続けると会社が倒産する。」のは、マランツ社も例外ではなかった。

逆に言えばオーディオ業界で長持ちしている会社は「?」かもねえ(笑)。

最後に、本日の目的の一つだったSPケーブルをウェスタン製の単線からPADに切り替えて試聴させてもらった。

   

「凄いなあ!こんな音はアルテックA5から初めて聴いたよ。」と、感心することしきりのNさん。

何よりも低音域の重量感がすごかった。それかといって中高音域もとても澄んだ音が出る。

やっぱりPADのSPケーブルはどんなシステムにも通用する実力を発揮してくれたようだ。

さあ、PADの次の道場破りは「オートグラフ」と「クリプッシュホーン」を愛用されるMさん宅だ。

翌日、Mさんの了解を得てから訪問させてもらった。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a69c0a28f83cdaf3c67617d877678ef3

5. 中川隆[-13781] koaQ7Jey 2022年2月09日 13:45:28 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[19] 報告
Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生/第17回 / SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋)[真空管アンプ,オーディオ,スピーカー販売]
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-017

 大変長らくお待たせしました、今回は前回の続編とマランツ#7を題材にしました、是非お読みください。

 オーディオマニア、音楽マニア、を含めて真空管のプリアンプと言えばマランツModel7です。マニアなら一度は手に入れたい往年の名機ですが実際にこのマランツ#7を聴かれた方は少ないのではないか、本当にマランツ#7は凄いアンプなのかそれとも並のプリアンプなのかこの辺を私個人の自論を踏まえて独断と偏見で検証してみたいと思います。
 また第16回目のコラムが大好評?であったので再度「日本の伝統音楽で琶のCD」をご紹介しましょう、

 「また琵琶の音楽」か!「そう!あの琵琶の音楽」なのだ!
祇園精舎の鐘の声諸行無業の響きあり
 また祇園精舎か!と言いますがこの文句は平家物語の一節ですが昔学校で平家物語を勉強された方はこの一節を知らないはずはありません。日本古来の音楽には欠かせない楽器ですが琵琶の音に魅せられた私としては是非日本の古楽器の良さを知っていただきたい、今回のCDは上原まりではなく坂田美子の美声に薩摩琵琶と尺八をミックスした素晴らしい曲です。

 先日このCDを愛知県の知立市にありますジャズ喫茶のグッドベイドで聴くことが出来ました、このグッドベイドは皆さんご存知で大橋さんの店主日記にも時々登場します有名なジャズ喫茶です。マスターに無理を言ってJBLのオリンパスで聴く日本の琵琶の響きはいかがなものなか、

 今回ご紹介します。坂田美子の「琵琶うたものがたり」です。

 曲目
1.

2.
吉野山
3.
お七
4.
扇の的
5.
祇園精舎
 以上の5曲が収録されていますが聴く人の心を引き付ける薩摩琵琶と美声です。


ジャズ喫茶グッドベイドで鳴らす日本の古典芸能音楽

 ジャズ喫茶で聴く琵琶の音楽は大変な場違いですがその辺は優しいマスターですから「顔はニコニコ心はムッ!」の感じがしないでもないですがアメリカンサウンドのJBLのオリンパスの実力を知りたい心境でもあります。

 早速このCDを聴くと実に素晴らしいサウンドでJBL本来の実力をまざまざ見せつけられた、非常にテンションの高い音と自然体で聴こえてくる琵琶と坂田美子の美声に私は新しい発見をした、謙虚なマスターにしてはお見事としか言いようがないぐらい素晴らしいサウンドである。じっくり聴くとオリンパスは長い年月をかけて鳴らしこんだ印象でスピーカーは時間をかけて鳴らし込まなければ本来の音が出ないと痛切に感じた、

 次に来る時はマスターには申し訳ないが究極のライブ録音でお寺の鐘とお坊さんの独経が入ったCDを聴かせて頂きたい、その時には必ず数珠を握りしめてと思うのだが多分「もうお前は来るな!」と出入り禁止になるのでは・・

マランツステレオコンソールModel7

 オーディオマニアならマランツ#7を知らない方はまずいないと思います。真空管のプリアンプの名機と言えば必ず名前の挙がる名機中の名機と呼ばれています。発売は1958年で10001〜23000番台の生産で販売台数は1万台を超えています。マランツ#7は初期、中期、後期と3種類に分けられていますが特に人気のあるタイプは10001〜17000番台がマニア間では高額に取引されている。後期の#7はパーツの変更で人気が今一ですが初期、中期はヤフーのオークションやヴィンテージショップでの販売価格は50〜70万円、極上の初期モデルですと80万円以上で取引されていますが果たしてそれ程までに価値のある素晴らしいアンプなのか独断と偏見で検証してみる。

マランツの魅力は何と言ってもこの外観ではないだろうか

マランツ#7のパネルレイアウト

 マランツの素晴らしさはパネルのレイアウトが高級感のあるイメージを感じます。このマランツ#7の出現で色んなメーカーのアンプパネルに多大な影響を与えました、このパネルレイアウトを真似たアンプもあるぐらいですが何と言ってもマランツ#7はイコライザー回路に3段NFBを施した特殊な回路でこのアンプの回路が発表されると自作マニアはこぞってマランツ#7の回路を真似たアンプを作る方が沢山いましたが当時はオリジナル#7の音など聴いたこともなく実際はどんな音なのか回路定数が同じであればこれがマランツの音ではないかと単純な憶測で誌上を賑わしていた、

 私個人もこの回路を採用して10台以上のマランツ#7のコピーを作りましたが正直な話マランツの音がどのような音なのか知らないのが当たり前であるから自作のマランツのコピーが本当の音なのかわからない、

オリジナルマランツ#7の補足説明

 #7のオリジナルは初期、中期、後期と3つに振り分けられる。マランツ#7は発売から20年後にキットモデルが登場してマニアの話題になった、その後1996年にレプリカモデルも発売されオリジナル、キット、レプリカと3つのマランツ#7がありますからこの部分を詳しく述べたいと思いますがマランツ愛用者にとっては不愉快な思いをされる方もお見えですがこれは現実であり私のせいではありませんからあしからず、

 初期タイプはマランツカンパニーの存続をかけた製品で自らソウル・B・マランツ氏が心血を注いだステレオプリアンプであった、仲間から好評になり自作での生産が追いつかなくなるとマランツ氏はクラフト工場を作り此処で生産を行ったと思われる。その後にシドニー・スミスが加わり有名な#9,8Bが発売された、

マランツ#7の内部写真

オリジナルマランツ#7

 マランツ#7が発売されたのは先程も述べましたように1958年で当時の価格は15〜6万円ぐらいですがこの価格は現代の貨幣価値から換算しますと約300万ぐらいの高価なプリアンプになります。(当時は1ドル、360円)

 初期モデルは50年近くの歳月が経ち人生で言うならば「70〜80歳のご老人」と同じと考えても良いのではないか、この年齢になっても健康な方も沢山いますがやはり何処かに持病をお持ちになっている方も多い、マランツ#7も同じことが言える。初期動作するのはこの世に1台も無いはず、完璧にメンテナンスを施しても年月には勝てないしショップなどの工房で再調整しても100%音の復元は不可能に近い、

 ひどいショップにメンテナンス、修理依頼するととんでもないパーツを使った状態で帰ってくる場合が多い、外観はマランツ#7でも中身は別物になっているからマランツの音など似ても似つかない音になってしまっているのが多いのとマランツの音を知らないことが致命傷である。購入者はマランツの知識などは皆無だからデタラメに調整した悪態なアンプに「メンテナンスしました」と当たり前な顔して売りつけるショップもあるのが現状だ、

 アンプ内部を見せてもらってもオリジナルパーツの状態なら良いかと言えば答えはNGである。見た目でパーツの状態が良いか悪いかは絶対判断できません。40〜50年も経ったアンプのパーツは100%劣化している事を忘れずに、
 マランツ#7をほしがるマニアを騙すのは簡単である。特にマランツ#7を愛用する方は電気知識には疎いからそこが付け根でもある。しかもメンテナンスをショップにすべておまかせでは不安が先に来る。マランツ#7の愛好家は音にはうるさいが電気知識は皆無だから騙しやすい、本当に信頼できるショップでないと修理及びメンテナンス依頼すべきではない、

 では信頼できるショップとは?オーナーが自ら半田コテを握り保守部品をいつも持っている店なら信用できるのと数多くのマランツを修理した実績をお持ちのショップなら問題はないが修理、調整を他に託すショップは信頼がおけない、このように書きますとヴィンテージショップからブーイングが出そうですが購入者の立場に立って良心的に販売してほしいものである。


マランツ#7の問題点

 マランツ#7に使用されているパーツとしてコンデンサーはスプラグのバンブルビーコンデンサーを使っています。このバンブルビーコンデンサー(カラーコードタイプ)は1950年代に製造中止になったコンデンサーですがこのコンデンサーの劣化で故障になる場合が多く見られる。日本のような湿度の高い国ではまずこのコンデンサーがトラブルになりやすい、

 代替え品としては同じスプラグのブラックビューティーがありますが、ブラックビューティーとバンブルビーとの音の違いはあるのかは次回にてご報告させて頂きます。

 次に劣化するのは電解コンデンサーの容量抜けが生じてきます。コンデンサーの容量抜けになりますと規定の電源電圧が維持できなくなるのと直流分にリップルが増加しますから音に多大な影響が出てきます。

 その次にトラブルになるのはボリュームのガリが発生します。一度ガリが出ますと修理不能に近い状態ですがこれを修理するには分解して清掃すれば使えないこともない、マランツ#7のボリュームはクラロスタットを採用していますが後期モデルはコスモスに変更されたのを見るとガリが出るので苦情が沢山あったのではないかと推測される。

 このクラロスタットを一般のボリュームに交換すると音は激変してしまいマランツの音ではなくなってしまうからボリュームだけは丁重に使用してほしい、

 それ以外の問題点は整流素子のセレン、コネクター及び接点部分の接触不良も無視できない、年数が経ち過ぎると経年変化で接点部分の酸化で接触不良が生じてくる、時々接点やコネクターを掃除することが大事であるがマランツ#7の場合はピンコネクター、ソケットなどは交換できないようにカシメで固定してある。特に真空管ソケットは接触不良になりやすい、マニアは色んなメーカーの球を好みに応じて何回も抜き差ししている方がいますがこれこそトラブルの原因にもなるから要注意である。またタバコを吸う方はタバコの煙やヤニで接点部分が接触不良になる要因もあるから絶対システムの前でタバコだけはやめてほしい、これはアンプに限らずスピーカーや精密機器にも言える。オーディオマニアこそ「ホタル族」が似合うと思いますけど、

 最後の問題点は40〜50年も経ったアンプは半田が劣化している場合が多い、
 最終的には半田を吸い取り再度半田付けをし直す必要も生じてくるがこれは素人には無理と思う、

 このような古いアンプは日々のメンテナンスが大事です。回路図も読めない、半田付けの経験もないマニアが以外とマランツ#7のようなアンプを大事そうに持っている人を写真などでお見受けしますが自分でメンテナンス出来なければ本当に信頼できるショップにお金を出して大切に使うしかないと思う、同じ#7も50年以上も前の機器であるから全部音が違って当然、最終的にはマランツに詳しいマニアか仲間に相談するかご自分の目と耳で判断するしか方法はないのではないか、
 例えショップに修理依頼してもオリジナルパーツがないから修理は出来ても音の復元は不可能と肝に銘じる事を忘れずに、

 以上のように書きますと一部分だけの問題ではなくすべての問題がからんできますから今日は良い音で鳴っても明日は良い音で鳴る保証はなく一週間後には音も出ないお陀仏アンプになる要素もある。
 一部のマニアは#7を2台3台と所有している方がお見えですが私に言わせれば「アホか!」と思う、首まで「棺桶」にどっぷりつかったマランツ#7などにどれだけ魅力があるのか理解できないがそれでもほしい方(私も含めて)マランツの魅力は音でなくパネルデザインつまりウッドケースに入ったあのデザインが魅力かも・・・
 結論を言わせてもらうと初期のオリジナルの音を望むのは100%無理だからマランツの音を諦めてパネルデザインの素晴らしさを見て部屋の調度品として飾って置いて楽しんだ方が利口かも知れない、


マランツ#7キット

 1970年代の終わりにスタンダード工業からマランツのキットが発売され大変な人気が出ましたが誰でも簡単に組めるのとマランツの音を楽しめる為沢山販売された記憶があります。

 問題なのは果たしてオリジナルと同等の音で鳴ったのかであるが残念ながらオリジナルとは似ても似つかない音はっきり言ってひどい音、であったが外観が同じなら満足なのか、キットだから誰でも組み立てられる利点はあるが誰でもが問題でメインアンプとは違いプリアンプ、特にマランツは三次元的な立体の配線技術の要素がありいくら製作マニアルがあっても簡単には組み立てられないのと素人的な半田付け、クモの巣配線ではオリジナルの足元にも及ばない、

 パーツに関してもロータリースイッチ、レバースイッチはアルプス製を採用、この部分からも不評を買っている、使用するパーツが違うためオリジナル同等の音など望むのがお門違いである。それでも一般市販の真空管プリより音は良かったと言うことは市販のプリアンプがお粗末と言える。

 キットに採用してあるカップリングコンデンサーはPLSSEYのフィルムコンを使用、抵抗は松下のソリッド抵抗と思われがこの部分もオリジナルとは異なる。またボリュームも国産のバイオレットを使っているがクラロとは全然音が違うのと整流回路がダイオードになっているためツルンとしたトランジスターぽい音になってしまい外観はマランツ#7でも中身が違うから異母兄弟のようなマランツ#7だ、それでもキットアンプが中古市場やネットオークションで人気があるのは、やっぱりウッドケースに入ったデザインか!

 ※このマランツ#7キットに関しては無線と実験誌で森川忠勇氏が詳しく述べていますからそれを参照して頂きたい。

 ここまでずばりと書きましたがマランツマニアなどから文句が出てきそうですがこれは私が悪いのではない事をご了承して頂きたい、

 次回はマランツ#7のレプリカモデルとオリジナルの音の違い、レプリカの改造とブラックビューティーコンデンサーとバンブルビーコンデンサーの音の違いなどを詳しく説明させて頂きます。ご期待下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-017

6. 中川隆[-13780] koaQ7Jey 2022年2月09日 13:49:39 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[20] 報告
Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生/第18回 / SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋)[真空管アンプ,オーディオ,スピーカー販売]
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-018

 マランツ#7を題材にしたパートUを書かせて頂きます。前回はマランツ#7及びマランツ#7のキットを書きましたがマランツ#7を愛するマニアは多分憤慨しているのではないかと思いますがY下はマランツを憎くて書いたつもりは毛頭ありません。本来のマランツ#7の音は失われマランツの音ではない音が当たり前になっているのがほとんどではないか、では本当の音とはどのようなのか何故ここに至って真空管プリアンプの名器と呼ばれて現在まで君臨しているのか今回は面白い結幕になりそうです。是非マランツ愛好家の方もアンチ・マランツ派の方も怒りを通り越して楽しく読んで楽しんでください。

マランツ#7レプリカモデルのフロントパネル、リアパネル
 オリジナルとの相違はパワースイッチの違いとオリジナルはブッシングでの直出しがレプリカでは3Pinコネクターに変わった、多分日本の電気保安法の安全基準のためと思われる。


マランツ#7の異母兄弟

 前回はオリジナル、キットの説明をさせて頂きましたがオリジナルの音はもう過去の遠い伝説でしかないのか、最近のオリジナルはショップのデタラメな改造で本来のマランツ#7の良さが失われオリジナルとは程遠い音になっている、十分にレストアしても歳月には勝てないし本来のオリジナルの音を望むのは無理なのか、

 私個人としてマランツの魅力は勿論ウッドケースに入ったあのデザインも魅力的だが当時のマランツの音は本当に素晴らしい音でマニアを引き付ける程の良い音で鳴っていたと思う、そのような音なら一体どんな音でマニアを魅了したのだろうか、遠い過去の事だからひょっとして頭の片隅に残っている方もいるかも知れませんが一般庶民では手の届かない高価なアンプだからなおさらかも・・・・

マランツ#7レプリカ

 1996年にマランツ#7のレプリカが発売されました、良質なオリジナルは中々見つからないのとオリジナルより価格的に安いのが魅力であったが期待したほど短期間では売れなかったと聞いている、(最終はSEバージョンで売られた)

 このレプリカはオリジナルを忠実に再現したモデルで当時オリジナルに採用したパーツをふんだんに使い生産はアメリカでの手作りで製作され世界各国に販売されたらしい、

 オーディオ雑誌にもこのアンプを特集で載せている。お偉い先生が書いた試聴レポートを読むと「この#7レプリカはオリジナルと同じように忠実に再現され私の持っている完璧にレストアしたオリジナル#7とは全く遜色がないぐらい素晴らしいアンプ」と評価している。

 この記事を読むとオリジナルなんかより新しいパーツで製作されたレプリカモデルのが安心して使えるのとオリジナルとは遜色がなければマランツマニアならどんなことがあっても手に入れたい心境になるのは誰でも同じではなかろうか、しかもオリジナルと同等のパーツが使われているのであれば即完売するはずなのに完売までは相当時間がかかったらしいがどうも評論家の言っている事とは違うみたいでその辺が怪しい、


マランツ#7のレプリカを入手

 私の友人であるM月氏(第6回、ウェスタンサウンドの真髄を聴く)に登場、この方がレプリカを持っているとの情報を入手、このレプリカモデルを福井県まで現金を握りしめて無理を言って分けてもらった、

 その時のエピソードでM月氏に恐ろしい殺し文句を言った覚えがあるがここだけにの話にしてほしい(笑)

 「あんたの娘さんも今度大学に行くらしいね、行くとなればまとまったお金が必要じゃないの」また「三年以上使わないアンプなら持っていてもゴミと一緒、売るなら今しかないヨ」

 今思い出しますと半分脅しのようなセリフと(地上げ屋)がよく使うセリフに聞こえてくる。これは一種の恐喝か脅しにみえるが、


売られた喧嘩

 M月氏から無理を承知で分けて頂いたマランツ#7のレプリカモデルだが果たしてどんな音をしているのか、今まで自作のプリアンプしか知らない私だが心の中で想像力が湧いてくるのが自分でもひしひしと感じ取れる。

 M月氏から譲って頂いた#7の情報は同じ仲間の高松爺さんの耳に入った、翌日に高松爺さんから電話がありM月さんから買った#7を「すぐに俺の所へ持ってこい一度俺のプリと鳴き比べしょうじゃないか」こんな事言われた以上こちらも引き下がる訳にはいかず私は「明日でも持って行く、高松さんのプリは私が製作したアンプだから自分の実力もわかる。」面白い勝負だ、

 ※高松氏のアンプは私が製作したプロトタイプの真空管プリアンプとPX−25シングルアンプを使用してオートグラフを鳴らしている。

 私が製作したプリアンプと譲っていただいたマランツとの鳴き比べはどちらに軍配が上がっても複雑な心境で本音は本当に比較したくはないのだが、売られた喧嘩は買わないと気持ちがおさまらない、


マランツ#7レプリカの音

 翌日、爺さんの所へ持ち込み早速マランツ#7レプリカのセッティングが終わるやすぐに音出しとなった、出てきた音は良くもなく悪くもない平均的な音で長い時間使わなかったから多少エージングが必要と思われる。私個人の主観としてそれなりに大変良いプリアンプと感じたがもっと柔らかく膨らみがあればだがこれは好みの問題だと思うから一概に悪いとは言えないが私の思っている音とは違っていた、
 これがマランツトーンなのか多少失望感はあったが世に言うマランツの音は飛び抜けて凄いとは感じなかった、所詮レプリカであるからこれが普通の音なのか、それにしてもオーディオ雑誌ではオリジナル同等の音と評価していたお偉い先生がいたが何となく期待外れの印象は免れない、

 次に私の製作した真空管プロトタイプに接続してレプリカとの比較である。出てきた音はレプリカとはまったく違う芳醇な響きを伴い広がり+奥行き感と長い時間聴いていても聴き疲れしない音で先程のマランツとは対照的な二重丸なアンプであるがこれ以上書くと自画自賛になるからやめておこう、

 高松爺さん曰く、「マランツは皆が評価する程大したことはない、」この前中さんがオリジナルの#7を持ってきてこのプリと鳴き比べしたら本人は愕然とした「中さんはがっかりしてマランツ#7を新聞紙にくるんでシッポを巻いて帰って行ったよ、」と高笑い、(中さんが聞いたらキレると思う)

 しかしあまりにも惨めを通り越して哀れである、マランツを馬鹿にされた以上考え方を変えなければあの爺さんに馬鹿にされっぱなしではないか、心の中で「この仕返しは必ず別の機会で果たしてやる。」再度挑戦だ!


レプリカの改造計画

 自宅にはもう一台のマランツ回路を真似たコントロールアンプがある。このアンプはラックスのSQ−38で大橋氏の店主日記の(第3試聴室あらわる)で写真付きで紹介されたラックスのパネルを使ったアンプでコンデンサー類はスプラーグのブラックビューティーと抵抗はアーレンブラッドレーをふんだんに使い6X4の整流管とチョークを使ったアンプで自分としてはステンレスのシャーシーを採用し物量とお金をかけた最後のプリアンプである。早速このコントロールアンプと比較試聴した、

 やはり歴然の差が出てきた、マランツのレプリカはこの差に惨めな結果になった、天下のマランツ#7がこんなはずではない、購入したアンプが不良品なのかこれが普通のレプリカなのか、オリジナルならもっと違った次元の音がするのではないか、自問自答しながら悩み続けた、

 オリジナルとは遜色がないと言った雑誌の評論家の先生はよほど酷いオリジナルを使っていたのだろうか、この状態では個人的には使えないから一度パーツ類を交換してそれでも駄目なら諦めるしかないが問題のオリジナルパーツを探さなければ先に進まないのと肝心なオリジナルとレプリカのパーツの違いを徹底的に調べる必要がある。

 本来なら完成品を改造するのはご法度であるが他人に売る訳でもないし騙して譲る訳でもない、また改造すればメーカーのメンテナンスは効かなくなるがそれも承知で自分が納得すればよいではないか、勿論レプリカを使用しているマニアに勧めることはできないから自己責任での改造になる。

 頭の中でオリジナル相当のパーツを交換すればひょっとして大化けすれば大成功となるはずだが・・・・・一度オリジナルとレプリカのパーツの違いを調べなければ先には進まない、

オリジナルとレプリカのパーツの違い

 改造するならオリジナル原機のパーツを使用して忠実に再現すれば事は簡単だが今の時代に当時のパーツ類が手に入れる事は不可能に近いが同等部品が入手できればそれを使うしか手はないがオリジナルとは違うメーカーの部品を使えばオリジナルの音には近づけないしオリジナルとは違う音になってしまう、今回はオリジナルの音の復元であるから極力同等部品を探して使うことにした、

 オリジナルの音や音色に拘らなければ他メーカーでも十分である。今回は私個人としてのオリジナルを意識しての改造ですが同じマランツ#7の回路を採用したプリアンプをお持ちにあれば違うパーツを使って自分の好みに合う音作りをして楽しむのも一つの方向性としては間違いではない、#7の3段NF回路、2段P−K帰還フラットアンプ回路、終段のカソードフォロアの組み合わせは素晴らしい音を約束させてくれるはずでカップリングコンデンサーは現代のタイプなら良質なオイルコンに交換するのも面白い、特に変化するのはカソードフォロアの送り出し部分を交換すると違うアンプに変貌します。(ただし回路に使われている部品の時定数は変えてはならない、)

 ようは自分の好みに合わせて楽しめればよいだけでオリジナルパーツに拘る必要はない、現代の電子部品は当時の部品と比べて遥かに高性能で特性も良く簡単には劣化しにくいのが特徴である。

オリジナルとレプリカのパーツの比較

オリジナル レプリカ
真空管 テレフンケン12AX7 中国製12AX7
電解コンデンサー スプラーグ 30D マロリー
コンデンサー ブラックビューティー EFCフィルムコン
抵抗 アーレンブラッドレー アーレンブラッドレー
ボリューム クラロスタット クラロスタット
B電圧用整流器 セレン ダイオード
ヒーター整流器 セレン ブリッジダイオード
コネクター シンチ 多分シンチと思う
ハーネス BELDEN BELDEN
スイッチ類 CRL CRL 


上記の比較を見ますと真空管、カップリングコンデンサー、整流素子が違うぐらいで大きな差はないがオリジナルのブラックビューティーはギターアンプに使われたレスポールコンデンサーの名称がバンブルビーである。

 ※ブラックビューティー(赤文字タイプ)とバンブルビーの音の違いは後で詳しく述べさせていただく、

マランツ#7レプリカ改造
 今回の改造は音の変わり易いパーツを重点的に交換する。交換部分は以下のようになった。

1.
真空管をムラードの12AX7(この球は私の一番のお気に入り)
2.
整流素子をダイオードからセレンに変更する。
3.
信号系統のカップリングコンデンサーはEFCフィルムコンからすべてバンブルビーもしくはブラックビューティーに交換
4.
イコライザー回路のカソードコンデンサーを電解コンデンサーから高価だが銀タンタルコンデンサーに変更
※この部分をタンタルに交換すると低域の分解能がアップして全体にボケた音が多少解消される。


以上の部分を改造すれば音は激変するはずと思うがマランツのパーツ交換は簡単なようで非常に神経を使う
5.
半田付け手直しと引き回し配線のやり直し

 レプリカ改造でカップリングコンデンサーの交換よるブラックビューティーとバンブルビーを実装、銀色のコンデンサーは銀タンタルコンデンサー
 右側の写真はマランツの重要パーツであるクラロスタットボリューム

 レプリカモデルはダイオード1本による半波整流から高圧用セレンに交換

 トランスの下側に赤いフィンが見えるのはヒーター用セレン
レプリカの部品交換

 構想から数カ月でコンデンサー類は手に入れることができた、またセレンも高圧用、ヒーター用も苦労せずに手に入れることができたがパーツを購入する費用がアンプ1台分ぐらいの出費になった、

 問題は果たしてパーツを交換して半田付けを再度やり直しすれば音は変わるはずだがまだ他に音の変わる要素が隠されている。例えば#7の場合はL/R別々にアース点の取り方が違うのと配線材に単線と撚り線をミックスして音を作っている。単線は音が固く撚り線は音が柔らかい傾向になる。後は回路図と照らし合わせながら時間をかけて慎重に交換する必要がある。

レプリカの内部処理

 本体のケースカバーを外して中を見たら汚い半田付けと引き回し配線には正直言ってがっかりした、(この辺が日本と欧米の考え方の相違)オリジナルの配線とはかなり隔たりがあり当時の引き回し配線方法と今の引き回し配線では明らかにその差歴然であるがこれは仕方がないと思う、

 マランツ#7の内部構造をよく観察すると個々にブロック毎の組立方がわかる。
 アマチュアが1台のアンプを製作する場合は部品の取り付けから配線組立完了まで回路図を見ながら完成するがこのマランツの場合は個々にブロック毎に組み立てて最後は一つに合体して完成するシステムのやり方でこれは量産を考えた合理的な組立方式で製品のバラツキは極力少なくなるメリットがある。

 また当時はプリント基板がない時代であるから配線の技術はそれなりに丁寧であったが今の時代は手配線で組み上げるよりフラットケーブルでのコネクター接続が当たり前になっているのでそのような作業者は少なくなったのと手配線の難しさも有因である。


改造完了とマランツの音

 約1週間かけて半田部分を吸い取り再度半田付けをしながらコンデンサー類を交換して全てが完了した、音出しをする前に入念に測定器を使って信号の流れと個々の電圧確認とSN比を確認後異常が無いので現用システムに接続して初の音出しである。

 いつも聴いているリファレンス用のCDを鳴らした瞬間音の世界が激変である。
 一言でいえば独特な音作りとホールトーンの効いた奥行き感を伴っている。音の粒立ち、雰囲気感すべてに素晴らしい音でシステムがグレードアップしたような錯覚にとらわれ今迄の自作アンプとは音の世界が違っていた、これが名器と言われるマランツ#7の音なのかマニアが魅了する何かを秘めている。

 次にレコード再生を確認してみた、私の手持ちのプレーヤーはディスクジョッキー用のお粗末なプレーヤーと付属しているMMカートリッジでも素晴らしい、これには参った、改造前のレプリカとは歴然の差が認められる。

 再度、同じ回路で製作したラックスのパネルを使ったSQ−38型とも比較したが正直な話SQ−38は聴く気にならない、折角お金をかけて製作した自作プリアンプだが改造レプリカを聴くと嬉しいのか悲しいのか複雑な心境でもある。


カルチャーショック

 同じ回路と同じパーツを使って作ったSQ−38タイプなのになぜこんなに差が付くのだろう、技術的な立場から考えたら理解できない、改造したマランツの音楽の雰囲気を醸し出す独特な音色とホールトーンの効いた響きとシルクの肌触りのような感触は自作では作ることが出来ないのか、今まで沢山のアンプを汗水垂らして苦労して製作したのは何だったのだろうか、ソウル・B・マランツは偉大な人物で自らチェロを弾く演奏家でもあり音楽家でしかもオーディオマニアでもあったと聞くと音楽を良く知ったオーディオの天才か芸術家でもあると思う、

 オーディオだけを考えるとただ技術的に優れている技術者が設計した真空管アンプの良さは認めるが肝心の音楽を知っていないと単なるクラフトマニアで終わってしまう、その点SUNVALLEY AUDIOさんの大橋氏は音楽と真空管アンプに精通した方でこの方がヴォッシングして世に送り出したアンプなら間違いはない、

 私のような自作マニアのアマチュアもどきでは到底立ち向かうことや乗り越えることは不可能と痛切に感じた、

 今回の改造でどれが決め手か言われても返答できないのとまたその違いを解析するだけの気力は無くなった、

 その昔瀬川冬樹氏がマランツ#7を手に入れてから自作をしなくなったと雑誌に書いてあったが瀬川氏もマランツの音を聴いてから自作ではこの音を乗り越えることは無理と悟ったのか、私も瀬川氏の心境と同じ気持ちなのかも?今後メインアンプは別としてプリアンプを作る気力が失われていった、

オリジナル#7との鳴き比べ

 いよいよオリジナルと改造レプリカの音の違いである。オリジナルは私の友人の中氏が自分で完璧にレストアしたマランツで17000番台の極上品、(真空管はテレフンケンのダイヤマーク)果たして結果はいかに、

 オリジナルを繋いで音出しするとこちらも大変良い音でマランツ独特の響きである。欠点と言う欠点は見当たらない、さすがに中氏は技術もさることながら凄い耳の持ち主でこのマランツでウェスタンのスピーカーを上手く鳴らしているのもうなずける。

 さてレプリカ改造の音との比較であるがこちらの球は名球でもあるムラード管(SUNVALLEY AUDIOさんで購入)を使用、マランツトーンはそのままだが音のニュアンスが多少異なる、オリジナルは年数の問題で少しボケた厳しい音になり躍動感、切れ込みが不足している、例えで言うとオリジナルは50代のおばさんの音のイメージで改造タイプは20代の若いピチピチのギャルの音と言えばおわかりいただけると思う、マランツも50年と考えれば仕方がないのではないか、これは使っている中氏が悪いのではなく50年と言う長い歳月に問題があるがそれにしても50年前のアンプを中氏の耳と技術力で完全にレストアしてまだ現役で使えるマランツ#7は凄いの一言、

 中氏は音を比較しながらぽつりと一言「Y下さんのマランツの音は50年前は多分この様な音で鳴っていたのだろう、」そのように褒めて頂くと今回の改造は大成功であった、また比較試聴のためオリジナルを提供して頂いた中氏にも感謝である。

最後にブラックビューティーコンデンサーとバンブルビーの音の違い

 マランツ#7やマッキントッシュのプリアンプのカップリングコンデンサーはスプラーグのバンブルビーを採用している。このコンデンサーのお陰でマランツ、マッキンも世界のトップクラスの音作りに影響を与えているのは言い過ぎではない、ではブラックピティーとバンブルビーとの音の違いをマランツを使って比較試聴してみた、正直な話音は歴然と差が出たが同じスプラーグであるから音色的には似たような感じだがバンブルビーはもっと深く味がありコクのある音に変わる。ワインで例えるなら安いワインと高級ワインの違いである。この違いには私も驚いたがもう良質なバンブルビーは手に入らないと思う、もし手に入れる事が出来たのなら入念にチェックしてから使用してほしい、
 
 スプラーグのブラックビューティーコンデンサーとバンブルビーコンデンサーで上の3本が160Pの赤文字タイプ、下側がカラーコードの入ったバンブルビーコンデンサー


あとがき
 今回はマランツ#7を題材にしましたがこれだけ激変するとは自分自身驚いていますがマランツ#7の生みの親であるソウル・B・マランツこそ20世紀最高の偉人で今日のオーディオの在り方を変えた素晴らしい人と感じたしだいである。

https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-018

7. 中川隆[-13779] koaQ7Jey 2022年2月09日 15:11:28 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[21] 報告
2017年07月13日
Marantz 7 風プリアンプを作ってみる
http://takobeya.sblo.jp/article/180326859.html

 2016年の話です。
 春日無線の2A3シングルアンプが2015年に稼働したので、これにCDのライン出力をつないで聴いていたのですが、やはりレコードもこれで聴きたくなります。しばらくは市販のトランジスタアンプのフォノEQを使っていたのですが、せっかくなので真空管プリアンプを作ることにしました。ネットでいろいろ調べ、有名どころのMarantz 7の回路を作ることにしました。

front1.JPG

■アンプの構成

 Marantz 7はもう60年くらい前の製品ですが、今でもこれが好きな人が多く、資料も容易に入手できます。詳しくはhttp://www.takobeya.com/Marantz7C/Marantz7.htmlにまとめてあるので、そちらを参照してください。
 今回作ったプリアンプの構成、特徴はこんな感じです。

・Marantz 7のフォノEQ、バッファアンプを作る(トーンコントロールは省略)
・Marantz 7っぽい基板、真空管まわりとする
・使用する部品にはこだわらない。

■真空管ソケット周辺

 Marantz 7は、ケース内部の垂直の板に真空管ソケットが取り付けられています。つまり真空管は水平に配置されます。ケース背面には長穴があいていて、シールドケースがケース背面から少し飛び出します。
 今回作ったアンプは、この構造を踏襲し、真空管ソケットをアルミアングルに取り付け、ケース背面にあけた穴からシールドケースが飛び出すように配置してあります。ケース背面はCNCで穴抜きしました。オリジナルは12AX7を6本使っていますが、トーンアンプを組み込まないので、本作は4本構成です。

rear2.JPG

rear1.JPG

■基板

 Marantz 7はラグ板配線ではなく、基板を使っています。しかしプリント基板ではなく、ベークライト板に貫通ポストを立てて、CR類を結線します。本作では、3mm黒色ベークライト板に2.5mmネジを切り、ポストを立てています。この基板の両面にCとRを取り付けます。基板は真空管ソケットに隣接しており、基板とソケットを結ぶCRは、直接ハンダ付けしています。基板に信号配線を接続する部分にはポストを立てています。電源の接続はポスト間のスズメッキ線に直接接続しています。このような構造なので、後から部品交換を行うのはかなり大変です。

layout.JPG

board1.JPG

board2.JPG

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■回路

 回路については、Marantz 7ほぼそのままです。詳しくはWebサイトのほうに書いてあります。Phono入力の抵抗が47kΩと1MΩが並列にはいってますが、これはWebサイトにも書いた通り、オリジナルの回路構成の都合です。47kΩはフォノイコライザ動作の時にのみ挿入され、1MΩは(マイク、テープヘッドなどのために)常時挿入されている入力抵抗です。実装上では、1MΩは基板上、47kΩは入力端子に接続しています。
 使っている部品は、抵抗がごく普通の金属皮膜抵抗、電界コンデンサも普通のもの、信号系のコンデンサはフィルムタイプです。イコライザの時定数はマイラーコンデンサで、オリジナル回路の容量とするために、2つのコンデンサを並列につないでいます。

sch.JPG

test1.JPG

■入力セレクタやボリュームなど

 今回は、Photoが1入力、Lineが2入力です。
 ケース背面のRCAコネクタからの配線は、オリジナルではフロントパネルのセレクタ類に直接伸びていますが、作例では配線長を短くするため、セレクタとボリュームを真空管のすぐ上に取り付け、コネクタからの配線長を数十ミリに抑えています。
 オリジナルは、Line入力時にはPhono入力をグラウンドに落とすという回路になっているのですが、引き回し長が伸び、スイッチ回路が増えるので短絡回路は省略しました。

front2.JPG

side.JPG

 セレクタとボリュームは、延長軸でフロントパネルのつまみに接続していますが、ケース組立誤差により、軸が一直線に揃いませんでした。そのためユニバーサルジョイントを作りました。スパイダー部は金属ですが、ヨークがジュラコン樹脂なので、絶縁継手となっています。もちろん、タイトカップリングなどの市販品を使うのが普通で、わざわざジョイントを自作したのはただの自己満足です。

joint1.JPG

joint2.JPG

■電源

 東栄(http://toei-trans.jp/)で買ったP-260Bというトランスで、次の巻線があります。

・260-0-260V 30mA
・0-6.3-15-17V 2A
・6.3V 1A

 これを、基板側への漏洩磁束がなるべく少なくなるような位置に取り付けました。10ターンのコイルをいろいろ動かし、それに発生する1mVほどの電圧を見ながら、位置と向きを決めています。ショートリング付きなのでさほど漏れないのですが、まぁ気持ちの問題です。
 B電源は260V-0V-260Vの巻線をシリコンダイオードで両波整流し、CRフィルターで平滑化しています。フォノイコライザーは245V、フォノEQ出力段と出力バッファのカソードフォロワは280Vの電源を接続しますが、これはCRフィルターの適当なところから引き出すことで、目的の電圧としています。抵抗値は現物合わせで決めました(写真は仮付抵抗で調整中のもの)。

ps2.JPG

 ヒーター電源は、12AX7のヒーターを管内で直列で使用し、DC 12.6Vで点灯しています。トランスの15V巻線から適当なシリコンブリッジで全波整流し、LM338で安定化しています。

ps1.JPG

 セレン整流器? 何だっけそれ? 昔、鉄道模型のヘッドライト切り替えやパワーパックの整流に使ってたっけ(遠い目)。。。

■問題点

 特に問題もなく音が出たのですが、実は未解決の問題が残っています。
 MCカートリッジのDL-103を接続し、MCトランスをスルーにすると(つまり入力にDL-103を直接接続すると)フォノイコライザーが発振するという症状があります。トランスでステップアップしたり、インピーダンスの高いMMカートリッジを使う分には問題ありません。DL-103の内部抵抗に近い抵抗をつないでも問題なし、DL-103の小さなL分がある時のみだめなようです。

 発振時には入力側にも数十mVの電圧がかかってしまい、カートリッジによくないので、じっくりと各部を調べる訳にもいかず、また実用上の問題もないので放置状態です。今のカートリッジが腐ったら実験してみます。

http://takobeya.sblo.jp/article/180326859.html

8. 中川隆[-13778] koaQ7Jey 2022年2月09日 15:12:19 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[22] 報告
Marantz 7C Stereo Consoleのこと
http://www.takobeya.com/Marantz7C/Marantz7.html

 真空管アンプを作ったので。。。
 先日、春日無線の2A3シングルメインアンプのキットKA-27SEを作りました。
 これには入力レベルつまみが付いているので、CDプレイヤーなどのライン出力を直接つないで使うことができます。でも、レコードプレイヤーからの入力を受けるには、フォノイコライザーが必要です。トランジスタアンプと組み合わせるのもなんなので真空管式にしようと思い、いろいろ調べてたらMarantz 7に行き当たりました。このイコライザー部を抜き出して作ろうかな。

 Marantz 7の構成を調べたのでメモしとく
 Marantz 7C Stereo Console、世間では一般にMarantz #7とかマランツ7と呼ばれている真空管式プリアンプは、一部のオーディオマニアにいたく気に入られているようです。個人的に、やれ真空管はテレフンケンの山菱の代紋だの、コンデンサーやボリュームのメーカーがどうのとか、考古学や神話や宗教の話題はどうでもいい(そんなの聞き分けるような耳もってないし)のですが、作るからにはいろいろ調べなければなりません(今さら真空管という突っ込みはなしということで)。
 とりあえず、自分がフォノイコを作る上で必要な覚書などを、ここにメモしておきます。

 Marantz 7C Stereo Console service manualのいい加減な和訳
 ネットでちょっと検索すると、このサービスマニュアルが見つかります(これとか)。割と高解像度のPDFファイルなので、回路図中の定数とか部品番号までちゃんと読み取れます。必要な情報は、このマニュアルにほとんど書かれてました。

   おしまい。

 というのも何なんで、せっかくなので日本語に直してみました。図版はPDFのスクリーンショットの低解像度のものです。

 ・Marantz 7C Stereo Console service manualの和訳


以下、私的メモ。

 全体の構成
 まぁ、プリアンプです。
 細かなことは、以下のセクション単位のとこでメモしときます。
 プリアンプ/イコライザー部
 12AX7×3/2構成です。1つの球の2要素を使った最初の2段で増幅、最後の1段はカソードフォロワーのバッファーアンプです。カソードフォロワーは、左右で1つの球を使ってます。
 サービスマニュアルでは、この部分をプリアンプと呼んでます。全体を呼ぶ場合はステレオコンソールといってます。
 このプリアンプは、イコライザー特性をいくつか選べるようになっています。マイクは周波数補正なし、フォノ用がOLD 78、RIAA、COL LPの3種類、さらにテープヘッド用です。入力セレクタでは、マイク、フォノ1、2、テープヘッド、さらにライン入力4系統が選べますが、プリアンプを通るのはマイク、フォノ、テープヘッドです。3種類のフォノイコライザーの切り替えは、入力セレクターではなく、中央部の3ポジションレバースイッチで行います。
 イコライザーは、カソードフォロワーから初段へのフィードバックで実現されます。このフィードバック部のCRが入力セレクタとイコライザのセレクタで切り替わります。世間では、ここからRIAAイコライザを選んだ場合の回路が、マランツ7のフォノイコライザーとして広まっているようです。以下は自分で起こした回路図です。

 GNDラインの下に飛び出した部分がイコライザー用のCR回路で、この部分の構成がスイッチで切り替わりますが、今さらRIAA以外のイコライザー、テープヘッド、マイクアンプなど必要ないので、事実上この回路しか作られないのでしょうね。
 初段のグリッド抵抗が1MΩで、さらに入力に47kΩがあります。1MΩはいらないんじゃね?ということになりますが、これは入力切替によるものです。この47kΩはフォノ入力を選択した時のみ挿入される抵抗で、マイクやテープヘッド入力の時はこれが入らないので、1MΩ受けとなります。
 また、入力セレクターでライン入力を選択した時は、このプリアンプの入力はGNDに落とされます。世間のマランツ7風プリアンプでは、この処理を行っていないものもあるんじゃないかな。
 カソードフォロワーの出力は、プリアンプの以後の段、具体的にはライン入力とのセレクター、テープモニター切り替え、バランス、ボリュームを通ってトーンアンプに行くのですが、それとは別にTape out(Rec out)に行きます。接続状況によって発振しやすいらしく、出力に直列にはいってる1kΩは発振防止用らしいです。

 バランス/ボリューム/モード コントロール
 今のステレオだとバランスの可変抵抗はMNカーブですが、マランツ7のバランスはどうもAと逆A(C?)を2連にしたものみたいです。つまり、一方のチャンネルは普通のボリューム、もう一方は逆回しボリュームということです。普通のバランスだと中央で最高ボリュームになりますが、マランツ7の場合、真ん中で-3dBの減衰で、回しきったところで減衰無になるようです。
 モードとボリュームは特にどうってことはないみたいです。中にはボリュームのメーカーにこだわる人もいるようですが。。
 トーンアンプ
 ボリュームからの信号はトーンアンプに入ります。これは12AX7を2/2使った増幅回路に、トーンコントロールスイッチによるRC回路のフィードバックがかかっています。ボリュームじゃなくて11ポジション、左右独立でバスとトレブルのCR切り替えスイッチなんて、嫌がらせとしか思えないんですけど。。測定器じゃあるまいし。
 回路図を追っていて気付いたのは、この11ポジションのロータリースイッチ、トレブルはニュートラル±5ステップですが、バスは+6、-4ステップなんですね。回路図のスイッチの接点が対称に並んでなかったのはこのせいでした(特性図のカーブをよく見れば、ちゃんとそうなってるし)。トレブルもバスも、回路図上でスイッチが水平の時がニュートラルで、両方ともニュートラル位置だと、フィードバックは82kΩの抵抗1本だけになり、コンデンサははいりません。
 サービスマニュアルによると、無補正時にトーンアンプは22.5dB、プリアンプが42dBになっています。単にフォノイコライザーだけ作る場合は、トーンアンプを省略する場合が多いようですが、微妙なゲインですね。トーンアンプだけ組み込み、RC切り替えのフィードバックは端折るという作りのものも多いようです。

 フィルターと出力バッファー
 トーンアンプからの出力は、CRハイパスフィルターを通り、カソードフォロワーのバッファーアンプに送られます。このカソードフォロワーは、1つの球を左右のチャンネルで分けて使っています。この出力はLCローパスフィルターを通ってプリアウトに送られます。ローパスフィルターとカソードフォロワーの間には、出力レベル調整の可変抵抗があります。これはカットオフまでは絞れないものです。
 このフィルター部分とかレベル調整も、きっと端折るでしょう。カソードフォロワーは、出力バッファーとして入れとくべきでしょうね。
 ヒーター電源
 12AX7は双三極管なので2系統のヒーターがあり、これを並列にすれば6.3V、直列にすれば12.6Vで点火できます。マランツ7のヒーター電源は、セレン全波整流とCR平滑回路で18.9V電源を供給し、ヒーターを3つ直列に点火します。球6個でヒーター12個を、3個ずつ4系統という接続です。

 さぁ、あとは部品を揃えて作るだけだぁ。(ここからが長い)

http://www.takobeya.com/Marantz7C/Marantz7.html

9. 中川隆[-13777] koaQ7Jey 2022年2月09日 20:41:28 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[23] 報告
徒然なるままに
http://ultra-pure-sounds.jp/episod.html


作品集
http://ultra-pure-sounds.jp/about.html

マランツ型コントロールアンプの作製
http://ultra-pure-sounds.jp/ujike-pre.html

 ラジオ技術誌の記事の中でマランツ型のプリアンプ(コントロールアンプ)とイコライザーアンプの特集がありました。その記事を見ているとプリアンプを作ってみたいという衝動に駆られました。今まではメインアンプばかり作ってきたのでプリアンプも作ってみたいと思い立ちました。中学生の頃ゲインの高いアンプを作ったは良いのですが、ハムに悩まされていたことを思い出します。なんとなくプリアンプアレルギーでした。プリアンプは必要がないという意見も多くあるようです。最近はCDなどの音源は十分に出力があるので増幅する必要がないということもあり、CDデッキからダイレクトにメインアンプにつなげて聞いていました。プリアンプを使った場合音はどのようになるのでしょうか?
 ライターの氏家氏が設計したコントロールアンプの回路はマランツのモデル7に似ているところもありますが、違うところもあります。おおざっぱにいうと3極管3本による増幅回路です。3本目はカソードフォロアとなっています。そのカソードから初段のカソードにNFBがかかっています。ここまではモデル7とよく似ています。しかし初段とカソードフォロアに12AU7を使っているところが異なるところです。また氏家氏のアンプでは次段のプレート電流が著しく絞られているということです。プレート抵抗が680kΩです。こんなに電流を絞ると真空管の歪が大きい領域での動作になるのではと心配です。氏家氏の記事ではアンプには極端なところが必要でそのことにより驚くような圧倒的な音が出てくるという芸術的な描写があります。少し不安と疑問を持ちながらも同じものを作ってみようと思い立ちました。最後のカソードフォロアに12AU7を使っているところは納得できます。むしろどうしてModel7ではECC83(12AX7)を使ったか疑問が残ります。勝手な想像を膨らますと、全て同じ真空管で統一したほうがメリットがあると考えたからでしょうか?
 β回路として1kΩ/33kΩを採用しています。Model7では4.7kΩ/82kΩです。低音も高音もブースター回路となっています。簡単なシミュレーションをしてみました。その結果は
低音の結果はこちら 高音の結果はこちら
素直なトーン回路であることが解ります。ターンオーバーは3つのコンデンサーで切り替えることになっています。そのシミュレーション結果は
低音の結果はこちら 高音の結果はこちら
このようになりました。仕上がりがどのようになるのか楽しみです。早速設計に取り掛かりました。

シャーシはリードのKE-2というものを秋葉原のエスエス無線で購入しました。サブパネルとメインパネルの2重構造となっており、メインパネルにはパネルを支えるためのネジがなくとてもすっきりしたマスクです。サブパネルとメインパネルの位置がずれては困りますから最初にサブパネルの穴あけを行い、あけた穴を頼りにメインパネルの穴あけを行いました。おかげでぴったりでした。デザインですがかなりModel7を意識したものになってしまいました。Model7で使用しているようなレバースイッチを探しましたが秋葉原の店頭では見つけることができませんでした。時代とともに供給されるパーツも変わってきているようです。

リアパネルにも気を配りたいものです。。イコライザー回路を組み込むかどうかは現時点では未定ですがとりあえずPhono入力を2系統つけておくことにしました。現時点ではどうするか方針を決めていません。最後に白字のインスタントレタリングで文字をつけて透明の塗料でカバーしました。

メインボードはベーク板です。ラジオ技術誌のとおり裁断し穴あけをして端子をねじ止めしていきました。このような基盤の配線は初めての経験です。どのような効果があるか知りたいところです。



レシピ通りにコンデンサーや抵抗をはんだ付けしていきます。電源に関しては一つのボードにまとめることにしました。プリアンプの電源はあまり複雑になりません。高電圧の整流ダイオードは直列にしました。ノイズを減らす効果があるという記事を読んだことがあります。


リーケージフラックスの少ないトランスを使用していますが、電源部分をアルミ板で遮蔽した場所に設置しました。ケースの中にそれぞれのパーツを組み込んでいきます。フロントパネルにつまみをつけると何とも精悍なフェースに早変わりします。早く完成させたいという思いが強くなってきます。一番の山場は入力信号ケーブルからセレクターのロータリースイッチに導くところだと思います。結局イコライザーはユニエルというメーカーの基盤をそのまま載せました。このアンプのおまけみたいなものです。


やっと完成しました。最後にフロントパネルにレタリングをします。細心の注意を払いインスタントレタリングで文字を転写します。その後アクリル系の塗装で表面を保護しました。早速CDをつないで音出しをしました。プリアンプをつながないダイレクトと比較しました。これがまた不思議なことにプリアンプをつないだ音は確かにダイレクトと違います。解析的に語ることはできませんが、好みからするとプリアンプを介したほうが好きな音だといえます。何ともプリアンプというのは奥が深そうです。このまま深みに沈み込んでいく予感がします。初めてのプリアンプは大満足なものができました。
http://ultra-pure-sounds.jp/ujike-pre.html

10. 中川隆[-13776] koaQ7Jey 2022年2月09日 20:43:18 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[24] 報告
マランツModel7クローン製作の部屋

Marantz Model7 KC の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7.html


 Marantz型のプリアンプを自作してから、本物の音を聞いてみたいという気持ちが湧き上がってきます。また838シングルアンプを我が家のメインシステムにしてからCD中心だった音源がアナログレコードへとシフトしてきました。ラックスのCL36に不満があるわけではありませんが、発売から50年以上たっても絶大な人気を誇るMarantz Model7プリアンプに触れてみたいという願望はオーディオファンにとっては説明の必要がないことではないでしょうか。もちろん、発売当初搭載されていたコンデンサーやアッティネーターは現在では入手できなことから、往時の音は期待できないことも理解しておりますが、電気回路がユニークなところ(一部理解できていないとこともあります)や存在感のあるデザインは大きな魅力です。奇しくも私は1958年生まれであり、Model7と同い年です。Model7のオリジナルは100万円をくだらないといわれております。これはどう考えても入手できそうにありません。その後のキットと復刻版リリースされました。キットは自分で手を入れやすそうなのでアンプビルダーには人気があるようです。ヤフオクを見てますと、キットでも20から30万円という高値で取引されているようです。こんなに高いのであれば自分で作れないだろうかと思い始めました。
 eBayでかねてから目をつけていたものがあります。それはModel7のシャーシです。$199でした。米国内のみの発送となっていましたので思案しているうちに、期間が終了してしまい購入の機会を失ってしまいました。数ヶ月前にModel7Kの作製マニュアルをYahooオークションで13000円で落札していました。いずれはキットのコピーを作ろうと考えておりました。その年の夏の終わりになり突然あきらめていたレプリカシャーシが再びオークションに出てきました。ちょうどそんな折コロラドで1か月ほど仕事をすることになっておりましたので、出張先に発送してもらえるから買うことにしました。値引き交渉をして$180で購入しました。ちなみにこの出品者は以前Model7のパネルも売っていたことを知っていたので売ってもらえるかどうかたずねてみました。$300で譲ってくれるとのことでした。さらに木製キャビネットを勧められました。$200でした勧められるままに買うことにしてしまいました。キットのマニュアルから数えると80000円以上の投資です。家内にも内緒の話です。これでもう後には戻れません。「マランツのModel7のクローンを作るぞ!」と心の中で決意を新たにして帰国しました。


 設計の方針としてなるべくModel7Kと同じものをつくること、できうる限りオリジナルパーツを使うこと、などです。これからクリアーしなければならないハードルは、
1  電源トランスの確保
2  レバースイッチはどうするか
3  レーバースイッチの先端ノブについては
4  つまみについては(大4個、小4個)
5  ロータリースイッチについてどうするか
6  ACラインの保護用のプラスチックは手に入るか
7  RCAのピンジャックをどうするか
8  整流素子はどうするか
9  ボリュームについては
10 電源用のブロックコンデンサーはどうしようか
11 フューズホルダーは手に入るか
12 真空管は何を使うか
なかなか手ごわそうな問題が山積しています。電源トランスを選定するために早速電源について調べてみました。要求されているのはB電源では280V(約10mA)です。半波整流直後の電圧で328Vと記載されています。ヒーターについては18.9V(0.3A)です。プリアンプ用の電源はあまり選択肢がありません。結局Tango(ISO)のGS35Dということになりました。スペックは(260-0V CT 35 mA, 15-0V 1.8 A, 6.3-0V 1.5 A)です。B電源は問題がなさそうですがヒーターについては15Vでは足りませんので15Vと6.3Vを直列にするか15Vの倍電圧整流にすることにしました。このトランスはケースに入っておりますのでリーケージフラックスという点では良いのですが既存のシャーシに収められるかどうか確かめる必要があります。それはACアウトレットソケットとアウトプットレベル調整用VRの間に格納できるかどうかということです。調べた結果これも問題がなさそうです。というわけでGS35Dにしました。次にレバースイッチについてです。これは大変困りました。秋葉原に行って足を棒にして歩きましたが見つけられませんでした。その後エレキギター(Fender)に使われている音質変更用のスイッチが使えることがわかりました。楽器屋さんで調達できます。つまみについてはサトーパーツの現行品で満足するかエイフルの復刻品を買うかです。エイフルさんのは高いですがやはり本物と同じ風格で素晴らしいです。こちらにしてよかったと思っております。難儀したのがロータリースイッチです。トーン回路とモード切替用は岩通のもので問題がありません。セレクタースイッチは困りました。要求スペックは8接点、10回路、ショーティング、20度ステップということになります。30度ステップはありますが20度というのはかなり特殊です。幸い製造販売しているメーカーを見つけました。小島製作所です。特注品にもこたえてくれるようです。オーディオ用のロータリースイッチとしても定評があるようで某有名音響メーカーにも提供しているとのことです。


オリジナルModel7のピンジャックはかしめる構造のものでした。年月を経ると接触不良を起こすことが指摘されているのでここは少し妥協してねじ止めのものにしました。またオリジナルはセレンを用いた整流を行っております。セレンは湿度に弱く寿命が短いそうです。電気的特性を重視して今回はダイオード整流にしました。機会があったらセレンに交換してその違いを体感してみたいと思います。ボリュームについてはオリジナルはクラロスタット製だそうです。もちろん今に至っては手に入りません。オリジナルの第二世代では東京コスモスのものに取って代わられたそうです。たまたまアーレンブラッドのものが手に入ったので、アメリカンなテーストを味わうというつもりでとりあえずアーレンを採用しました。最終的にはこれをセイデン製のロータリースイッチを用いた抵抗の組み合わせ方式に変更しました。ブロックコンデンサーは現行品はありませんので自作することにしました。スナップインタイプのコンデンサーを円筒形のケースに格納することにしました。放熱の問題が少し気になるところです。一応105度まで対応のものを選びました。

 フューズホルダーはオリジナルはLittel製です。これは比較的多くのショップで手に入れることが可能です。真空管についてですが、オリジナルはテレフンケンのダイアマークが採用されていたそうです。発売当時は色々と試した結果ノイズが少ないという理由でテレフンケンになったとのことです。昨今ではテレフンケンは高音質ということになっているようですね、少し混乱があるようです。予算を使いすぎましたので今回はRCA12AX7ということにしました。そのうち、色々な真空管を試すことにします。ヒーター電圧についてですがオリジナルは面白い組み合わせになっております。真空管一本当たり12.6Vを採用し、もう一方の真空管はヒーターのセンターと直列にし18.6Vを使っています。なぜこのような変則的な使い方をしたのかと訝っております。ヒーター電流は少なければ少ないほどノイズが小さいということを何かで読みました。もしかしたらそれが理由かもしれません。


機構部品の加工を行いました。真空管ソケットが付くパネルはホームセンターで買ってきたLアングルを裁断して作りました。アルミの裁断やシャーシパンチによる穴あけは体力を使いますが楽しい作業でもあります。メインボードですが、黒色のベーク板を裁断して作りました。2ミリの穴をあけてタップでねじを切り2.6ミリの端子ねじを埋め込んでいきました。メインボードと真空管パネルを合体させるとだんだんとオリジナルのアンプのパーツらしくなってきました。


ブロックコンデンサーを止める部分にラグ板を取り付けました。B電源の電圧がオリジナルトランスと異なっているため抵抗はカットアンドトライで最終的に決めるということで進めます。個別に作ったパーツをシャーシ内に格納してみました。この辺りを過ぎるころからトンネルの先が見えてくるような気持になります。メインボードにCRを取り付ける作業があるのですが、コンデンサーの調達がまだ完了しておりません。オリジナルアンプはスプラグのバンブルビーと呼ばれるオイルペーパーコンデンサーを採用していました。寿命があるようで、程度の良いバンブルビーを手に入れることはほとんどできそうにないということなので、セカンドベストオプションとしてやはりスプラグ製のブラックビューティーと呼ばれるフイルムコンデンサーを採用することにしました。アンプの中に使われただけでなくエレキギターにも多く使われたとのことで、むしろギタリストの間でビンテージサウンドを求めて需要があるようです。このブラックビューティーも入手がむつかしくなっているようですが今回はオークションなどで何とか手に入れることができました。

メインボードの背面に抵抗が集中しています。今回はアムトランス製の炭素被膜抵抗を使ってみました。コンデンサーもはんだ付けしました。比較的大きな部品を配置して真空管のソケットに直付します。隣同士がショートしないように注意しながらやりました。心臓部が完成しました。



トーン回路のロータリースイッチへRCをはんだ付けしていきます。ロータリースイッチは岩通製でショーティングタイプのものを使いました。細心の注意を払っても間違えてしまう気がしましたので、ロータリースイッチに数字を書いて1つひとつ確認しながら進めました。


指定された色に従って信号線をセレクターのロータリースイッチにはんだ付けをします。このロータリースイッチには信号のセレクター部分だけではなく、フォノイコライザーのRCも一部取り付けます。信号線をピンジャック側に配線します。タイバンドで束ねてみるともっともらしくなってきます。レーバースイッチ回りのはんだ付けも行います。オリジナルのハイカットフィルターはL=0.2H(推測値です)のコイルとRCの組み合わせです。適当なコイルを入手できなかったので、今回はRC回路で組みました。


最後にカットフィルターから出力ピンジャックに信号線をはんだ付けしてやっと完成しました。長い道のりでした。はやる気持ちを抑えながら配線の再確認を進めました。恐る恐る電源を入れます。B電圧およびヒーター電圧についてはブリーダー抵抗を少し変更して適正になるように調整しました。


早速音出しをするとトーンアンプ部については全く問題がありませんでしたが、フォノイコライザーは発振してしまいました。しばらく作業を中断して頭を冷やすことにしました。根気よく回路を追いかけていった結果、EQ素子の部分が左右逆のチャンネルに接続されていました。元に戻して再度音出しをします。LPを再生させていたのですが、今までに聞いたことがないような圧倒的な音が体に突き刺さってきました。本当に興奮しました。今まで使っていたラックスマンのCL36とは全く違った音です。この鋭い感覚の音が万人を虜にしてきたのだと納得した気がします。そう思う一方でもしかしたら、人によっては嫌いだという人もいるかもしれないようなシャープな感じです。そのうちモデル7の対極にあるといわれているマッキントッシュのフォノイコライザーを作って比較して聞いてみたいものです。しばらくエージングを兼ねてこのアンプを我が家のメインシステムで使うことにしました。メインアンプは以前に作った838シングルアンプです。やはりマランツのフェースは素晴らしいです。Saul B. Marantzという人は工業デザイナーだったそうですがさすがにセンスがあります。50年たってもそのたたずまいは一分も色あせておりません。今回の作製は時間も予算も多くかかりましたが大変面白かったです。このマランツモデル7クローンで今後音楽を味わっていこうと思います。結局このアンプをメインシステムとしましたので、CL36は手放すことにしました。この辺でアンプ作りの道楽にピリオドを打てれば良いのですが・・・

その後少しだけ手を加えました。ボリュームにアーレンブラッドを使っていましたが左右のバランスもよくないし、軸を回した時の感触もあまりよくありません。そこで、セイデンが出している23接点のロータリースイッチでp型のアッティネーターを作って載せ替えてみました。音質的に変化したかどうかは全くわかりませんでしたが、切替のクリック感がとても良いです。精密な金被抵抗を使いましたから精度も高いです。気に入っております。またアルプスのバランス抵抗を特注で作ってもらいました。仕様は1MΩ MNタイプです。センタークリックがついているものにしました。また、ちょっと恥ずかしい話ですがオールドマランツらしくするために高いお金を出して茶色のノブを買いました。単なる自己満足です。そのうち一度真空管の差し替えでもやってみたいと思います。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7.html

11. 2022年2月09日 20:44:34 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[25] 報告
Marantz Model7 KCII の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7II.html


 Model #7 のクローニングに成功した後、ヤフオクで復刻盤のフロントパネルを5000円で落札してしまいました(2011年3月31日)。もう一台作ってみたくなりました。一度成功するとなぜかもう一度同じことやってみたい性格のようです。生来の性格に加えて、いくつかの部品はすでにあるからです。例えばタンゴのトランスはすでに入手済みです。レバースイッチも4つ分あります。また、マロリーのケミコンを見つけたのでそれを使ってみたい気持ちも起こってきました。また、フイルムコンデンサーも以前調達した時に余計に買ってしまいました。問題はシャーシです。既製品の流用を考えましたが適当なものが見当たらなかったので、自分で作る(図面を引いて工作してもらう)事にしました。 リアパネルの図面です。


リアパネル以外は単なる長方形のアルミの板材です。それぞれを接合する部分は10ox10oのLアングルで構成しました。ホームセンターでアルミ材に塗るブロンズ色の塗料を見つけました。これを塗布してみました。かなりオリジナルに近いことが解りました。塗装面を保護するためにその後透明ラッカーをふりかけました。完全なデッドコピーを作るのも醍醐味ですが、今回は不要な機能はつけないことにしました。オリジナルとの異なる点は、テープデッキのためのEQの周波数特性を変更する可変ボリュームはつけずに固定抵抗にしました。さすがに今後テープデッキを使う可能性は低いと考えられます。それ以外は忠実に再現しました。


トランスは前回と同じタンゴのGS35です。しっかりと支えるためのホルダーを作りました。また、ブロックコンデンサーですが、最近復刻されたCP Manufactuaringというところから供給されています。少し高額でしたが購入しました。



それぞれのパーツをシャーシにつけていくと、モデル7らしくなっていきます。細かいことですが、センターのパイロットランプの明かりを伝える透明の樹脂も自分で作りました。ホームセンターでアクリルの円柱を買ってきて、ドリルを使って適切に削りました。こけしを作る要領です。最後にコンパウンドで磨いて光沢を出しました。

つぎの大きな問題はリアパネルのレタリングです。オリジナルは白と黄色の中間くらいの色の字でレタリングされています。最近はインスタントレタリングがめっきりと減りました。デカールという大手が撤退したようです。思ったような活字のものが手に入りません。ネットでいろいろと調べておりましたら、ピクアという会社を見つけました。会社のHPははここにあります。ピクアのレタリングでは特殊なシートにレーザープリンターで打ち出したものに接着剤を塗って化学物質を使ってレタリングを浮き上がらせ目的の表面に転写します。全てが正反対に転写されるのでプリンターで印刷するときにミラーイメージ印刷をする必要があります。色は黒のレタリングですが、それなりに満足のいくものができました。最後にレタリングをカバーするために透明ラッカーを塗布しました。 完成図はこのようになります。

一号機と同じようにはんだ付けを進めていきました。メインボード上の電解コンデンサーについてもスプラグの現行品を使いました。今回はボリュームとして第二世代に採用された東京コスモスの現行品を使いました。一号機での課題であったクロストークについて少し検討しました。他チャンネルの信号が漏れる(影響は小さいが確かにこの現象は起こります)。これは構造上の問題だと思います。作成された時にはあまり考慮されていなかったかもしれません。改善するためにピンジャックからの信号線をすべてシールド線にしました。オリジナルはフォノ信号でさえ、シールド線ではありません。シールド線のもつ浮遊容量を嫌ったものと思われます。今回は実験の意味でシールド線にしました。


淡々と配線を進めていきます。このアンプをどこで聞くのか、など何も考えないで作製に入ってしまいました。一度作成しているので二回目はそんなにむつかしいことはありません。今回はマランツが復刻版を出した時にたぶん東欧でつくられたECC83(12AX7)と思われるものを入手することができました。低ノイズのセレクトがかかった真空管ということです。回路のチェック、電圧のチェックの後音出しをしました。最初のものと全く同じ音が出ました。大成功に終わりました。このアンプをどこで使おうかと思案している折、再生SQ88FDを落札してくださったNさんから買い受けたいとのお申し出をいただきました。作製にかかった実費で引き取っていただきました。その後気に入ってくださっているようで製作者としても大変満足です。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7II.html

12. 2022年2月09日 20:45:51 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[26] 報告
Marantz Model7 KCIII の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7III.html


Model #7IIを買い取ってくださったNさんから友人もModel7のクローンが欲しいとのオファーをいただきました。納期についてはいつまでも待ってくださるとのことでした。部品の調達をどうしたものかと思案していた中、ヤフオクでModel7のオリジナルトランス(中古品)が出ていました。早々に落札しました。少し使用感があるものの幸い断線も無く良いものでした。フロントパネルはヤフオクであまり程度の良くないコピーを見つけたのですが、メインスイッチの近くに大きな傷があるので、これを使うのは気が進みません。そこで、フロントパネルも自作できるか検討をしました。金物加工は問題がありませんが問題はフロントパネルのレタリングです。ピクアという商品があり、レーザープリンターで出力できるインスタントレタリング転写シートを使えばできそうです。レバースイッチ、ロータリースイッチ、black beauty コンデンサーはとりあえず入手できそうです。シャーシの自作はModel7KCIIで経験済みです。一応部品のめどが立ちましたので作製することにしました。


経験済みの作業を繰り返すのは楽であり、最初より高いパフォーマンスが得られるのと引き換えに感動が薄れます。私はもの作りが大好きですが、やはり苦労して初めて作るものが最高です。フロントパネルですが、アルミ板を裁断して穴あけを行ってから400番のサンドペーパーでヘアライン加工を施しました。その状態でレタリングを行ったところ表面がでこぼこしているせいでうまく行きませんでした。そこで、ピカールで少し表面を研磨してレタリングを行いました。文字はうまく転写できたのですが、少し磨きすぎた気がします。リアパネルも以前と全く同じように作りました。機構部品が完成したのでいよいよ内部配線です。


いよいよ完成しましたが、大問題が発生しました。それはトランスでした。このトランスはアメリカ仕様のものでした。残念なことに出力電圧が約2割低かったのです。最初にチェックしておけば良かったのですが全て組み込んでからでは遅すぎます。ヒーターについては電圧降下の抵抗を少し小さくすることでなんとか電圧確保ができました。しかしB電圧はブリーダー抵抗をあまり下げすぎると脈流によるハムの影響が気になります。結局抵抗を小さくして、なおかつブロックケミコンで1つ使わなかったコンデンサーを使い、更に100μFを外付けにしました。


おそるおそるリスニングを行いました。結果は良好です。恐れていたハムも全くありませんでした。今回はイコライザーにTESLAの金足の低ノイズ真空管(ecc803S)を使いました。その他はBaldwinというアメリカ製(RCAのOEMと聞いたことがあります)の12AX7AのNOSが手に入ったので使いました。エージングを行い、最終的にNさんの友人に引き取って頂きました。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7III.html

13. 2022年2月09日 20:46:48 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[27] 報告
Marantz Model7 KCIV の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7IV.html


Model #7を3台既に作りました。また、38FD-faceのものも作りました。これ以上のモチベーションがわくはずはありません。しかし、集めた部品がかなりあります。また、フロントパネルも自分で作りたい(図面を引いて金物工作の専門家に作ってもらう)と思い立ちました。それは3台目のときに自分でレタリングしたのですが、仕上がりについて今ひとつ納得できない部分があるからです(写真左)。そこでフロントパネルを作ってもらうことにしました(写真右)。どうせ作るのだから、シャンペンゴールドとシルバーを数枚ずつ作ることにしました。

4台目を作るにあたって最大の懸案事項はトランスです。タンゴのGS35Dはもう手に入りません。入手可能なトランスについて調べてみました。その結果春日無線さんのトランスが使えそうです。KmB60というものがあります。0-230V (DC38mA), 0-6.3V(AC1.5A)x2回路です。価格も5000円と求めやすいものです。ヒーターはDC 18.9Vで0.6A必要ですが、KmB60の6.3Vタップを直列でつなぎ更に倍電圧整流すればなんとかまかなえそうです。次はシールドケースです。これは適当なものが入手できました。関東変圧材(047-176-7011)のYD80というものです。デフォルトだと高さが12センチですので8センチ位に注文の時に裁断を依頼しておくと良いです。電線の穴をあけてつや消しの黒で塗装するとそれらしく見えます。なぜかトランスも複数個かってしまいましたし、ケースも幾つかかってしまいました。既に次のアンプ作りの予感がします。

ブロックコンデンサーは以前に買い求めたものです。ブリーダー抵抗はトランスの巻き線電圧が異なることから、カットアンドトライで最終的に決定します。

フロントのサブパネル等などの加工はだんだんと上手に作れるようになりました。メインボードの抵抗ですが今回は金属皮膜ですがオーディオ用として定評のあるDaleのものにしました。

セレクターのロータリースイッチも作っていきます。ロータリースイッチは以前のものと同じです。8接点で10回路必要です。小島製作所から買いました。今回はRIAAの重要なNFBのコンデンサーとして精度の高いMICAを使いました。また、トーン回路用のロータリースイッチもハンダ付けしていきます。

モード切替え用のセレクターは3回路のものを使いました。岩崎電機のものです。残念ですが最近ロータリースイッチの製造を廃止したそうです。

次の写真はRIAAのNFBのCRの部分です。なるべくオリジナルに近づけようとしましたが、セラミックコンデンサーで良いものがありません。テスターで計測して不足している容量分だけフィルムコンデンサーで補正しました。ボリュームは東京コスモスの現行品を使います。バランスは偶然入手できたバイオレット製のN/Mを使います。

この辺りになると制作者の痕跡を残したくなり、シリアル番号をつけたりして遊んでいます。内部の配線もほぼ完了した状態です。リアーパネルの写真も載せてみました。特に以前のものと変わりはありません。最後の写真は結局シャンペンゴールドのフロントパネルを採用した写真です。一応予定通りの性能が出ました。このアンプをどうしたものかと思っておりましたが、最近偉大なギタリストの松田晃演先生と知り合うことができました。完成したアンプは先生のお宅に里子として引き取ってくださることになり大変幸せです。末永くModel7KIVを愛して頂けるとうれしいです。松田先生のHPです。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7IV.html

14. 2022年2月09日 20:47:59 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[28] 報告
Marantz Model7 KCX の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7x.html


Model #7を何台も作りました。人に言うのも恥ずかしいぐらいです。最近は全くモチベーションがわかず、当ホームページを見てご連絡をいただいた方に部品やシャーシなどを実費でお分けしたりしておりました。 ゴールデンウイークが来ました。久々の長い休み(4月29日から5月5日)がとれたので、東京の自宅でゆっくりしようと思ったのですが、急に一台モデル7を休暇中に作り上げようという気持ちになりました。今までのものと特に変わったことはないので、ただただつくり込むだけですが、実質2日間でどこまで作れるか試してみようと思い立ちました。すでに、リアパネルの塗装とレタリングは終了したものがありました。早速機構部品の作成にかかりました。

最近はACアウトレットなどもパーツの供給がなくなり始めており、入手が困難になりつつあります。パワースイッチにはノイズフィルターを入れるほうが、良いのでオリジナルには入っておりませんが、装着することにしています。なんとなく自分のサインなんかをフロントのサブパネルにマジックで書いてみました。ここまでの作業で半日を費やしてしまいました。最近は体力の衰えを痛感しております。

真空管ソケットの白い色のものは三栄無線さんから購入したセトモノのやつでセンターアースのピンがついているものです。黒いのはモールドタイプのものでもともとセンターアースがついていませんでした。ちょうどカソードフォロワーにはセンターアースを使わないのでこのように配置しました。メインボードも以前に裁断し、穴あけをしたものを使いましたのでそんなに時間のロスにはなりませんでした。この次の作業あたりから面倒な、ロータリースイッチ(TrebleとBass、ModeおよびSelector)です。一番間違えそうなのはやはりTone回路のCRの取り付けです。同じ種類のもので全てを賄うことができませんので幾つかの種類のものをちゃんぽんで使っています。精度は全て5%のものにしてあります。ロータリースイッチのハンダ付けはなかなか気が乗らずだらだらとしてほぼ半日費やしてしまいました。

これからEQの部品をナイフスイッチにつけていきます。もっとも重要な素子の1つである0.0016 micro Fのコンデンサーはドンピシャの値のものが見つけられませんでしたので、海神無線さんで勧められた精度の高いコンデンサー(材質については失念してしまいました)0.0015 micro FのものとMicaの100 pFを並列にして使いました。

ここでしばらく休憩に入りました。ファイトがわきません。気を取り直してセレクターの一部配線を済ませました。ここまでの写真を示します。

結局ここで時間切れとなってしまいました。この先はロウカットとハイカットのフィルターの取り付けとセレクターへの信号線、アンプの出力線および信号入力用の同軸線の取り付けで終了となります。多分半日もあればこの先は終了できると思いますが、次回のお楽しみということになってしまいました。シャーシに関してはリアパネルのレタリングが終了して、組み立て途中のものが更に2セットあります。時間とモチベーションを見つけるのが課題となりそうです。とにかく本機の音を早く聞いてみたいものです。
 シルバーウイーク(平成27年9月下旬)に残りの配線を済ませ完成しました。恐る恐る電源を入れてB電圧やヒーター電圧を測定していきます。いつものルーティンですがなんともドキドキします。ほぼ予定通りでしたが、ブリーダー抵抗を微調整し、指定通りの電圧にしました。今回は東芝の通測用(HiS)の12AX7新品を6本使いました。アッティネーターも自作の23ステップのものにしました。配線は相変わらず上達しませんが、自分なりにベストを尽くしたつもりです。

オールドマランツっぽくするためにレバースイッチのノブは茶色にしてみました。早速音出しをしました。いつもですと必ずと言って良いほどフォノイコライザーでブーンというノイズに悩まされるのですが、今回は全く静かなアンプとなりました。今では一番気に入っている作品となりました。色々と経験した中で言えることは、100 pFと22pFのコンデンサーがかなり重要だということです。とくに22pFの正帰還のコンデンサーのハンダ付けと材質によるところが大きい気がします。今までの成功例ではマイカとセラミックスコンデンサーでなるべく足を短くしながら他の線からなるべく遠ざける(矛盾した関係なのであまり正確な記述ではありませんが・・・)ことが重要なようです。フィルムコンデンサーでは必ず発振してしまいます。これはあくまで自分の経験の話ですので、確証はありませんが。

 シルバーウイークが始まる前のことですが、夏休みの中頃にあることを思い立ちました。それは、今まで集めた部品をまとめて、モデル7のキットにしてどなたかに譲ろうと考えたことです。早々に部品をまとめてヤフオクに出しました。思いがけなく多くの方から入札していただき、嬉しい限りでした。残りの部品はどうしようかと思っていた矢先に当HPを見てくださった方から、まだ部品があるのであれば譲ってほしいと申し出をいただきました。また、作りかけのCL35 Face Model7も譲ってほしいとのことでしたので、モチベーションも時間もあまり取れない現状であったことから、これは渡りに船とばかりお譲りしました。それで少しさっぱりとしていたのですが、シルバーウイークに最後のモデル7と思って作ったものが思いの外良い出来栄えでした。何か自分の中でコツをつかんだような錯覚にとらわれてきました。それに味をしめてまた作りたいという気持ちが沸々と湧いてきました。そこで、また新しいものを作り始めてしまいました。本当にトホホといった感じです。

ラインアンプのゲイン調整用の可変抵抗としてクラロスタット製(Made in Mexicoですが)をおごってみました。これをきっかけに、ロータリスイッチやレバースイッチなど複数台分調達してしまいました。この新たな1台では終わらない予感です・・・

http://ultra-pure-sounds.jp/model7x.html

15. 2022年2月09日 20:48:55 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[29] 報告
Marantz Model7 KCXI の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7xI.html


 2017年が始まりました。暮れから大熱を出して、散々の年末でしたが正月は体調も復活し、作り始めてしまった第11代目のモデル7の製作を元旦から再開しました。正月休みでどこまでできるかのチャレンジです。211シングルアンプも作らなければならないのですが、いまいち踏み切る気になれません。メインボードが完成し、最後の在庫のトランスも完成しました。機構部品を全て取り付けてみました。

リアパネルもなかなか見栄えがします。モデル7はどこから見ても美しいと思います。メインボードにRCをマニュアル通りに取り付けていきます。SPragueのBlack Beauty 160Pというフィルムコンデンサーを従来から好んで使ってきました。これはバンブルビーといったい何が違うのかということがとても気になり色々と調べてみましたが、結局今の所その大きな違いがわかりません。バンブルビーの後期製品はMylarと呼ばれるポリエステルなどの化学製品の薄い膜(フィルム)と油を含浸した紙による2重構造の誘電体を容器の中に収めた構造のようです。Paper/mylar hybrid dielectric (Difilm)となっていました。容器の密閉性に問題があり、バンブルビーではオイルの抜けや湿度による変質があり、今では作られた当時の電気特性が失われているようです。160Pはその点、性能の持続が良いということです。しかし、ほぼ全ての160Pで実測の容量が表示されている容量の1-2割くらい多めの値を示すそうです。

一番面倒なSelectorとTone回路のロータリースイッチに部品をつけて配線していきます。何台も作りましたがこの作業が一番面倒です。いつも間違っているのではないかと疑心暗鬼になりながら作業進めていきます。Tone回路のコンデンサーは全てフィルムコンデンサーです。精度は5%のものを採用しています。多くの場合、ブースター回路はスルーして使用しますからTone回路の材質はこだわってきませんでした。

RCAコネクターからセレクターへの結線をし、メインボードとボリューム、メインボードとセレクターの同軸線の結線をし、メインボードと電源の配線配線およびNFBの配線を済ませます。最後に、フィルター回路と最終段のカソードフォロアーへの信号線・アンプの出力線(これらはビニールチューブの中で束ねられています)の配線を済ませた終わりました。ちょうどそこで、時間切れになってしまいました。次回時間が取れるときに、電圧の確認、音出し、エージングなどをしようと思っています。

ここにきて、少し妄想が膨らみ始めています。それはVitanim QやBlack Catのオイルキャップだと音が変わるのかどうか試してみたいという衝動です。ブラックビューティの160Pとそれほど違いがないのか、全く異なる音なのか、違うとするとそれは好みから行ってどうなのか、などです。そう思いながら、最後の部品でシャーシを組み始めてしまいました。そんな時間があったら仕上がったアンプに火を入れるのが先なのですが・・・。
 ヤフオクでTango (ISO)のFC-30-10Sが出ていました。これは60W級のシングルトランスです。以前使用しましたが大変良い性能のトランスです。インピーダンスは10kΩですが16Ω端子を使うと5kΩとして使えそうです。また、インターステージトランスのNC-16も売りに出ていました。以前300Bのシングルアンプを作りましたが大変気に入っており、もう一台作りたいと思っておりましたので、衝動的に落札してしまいました。トランスドライブ300Bシングルアンプ製作の記事はこちら。時間がほとんどないのでどのくらい先になるかはわかりませんが、トランスはもう売っていないので(再生Tangoで売っていますがとても買える値段ではありません)あるときに確保しておこうと思いました。電源トランスとチョークトランスが必要ですがこれは最近復活したISO Transformersから購入できそうです。そろそろ、この類の道楽から足を洗わなければならないと思いつつ・・・・

http://ultra-pure-sounds.jp/model7xI.html

16. 2022年2月09日 20:49:50 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[30] 報告
Marantz Model7 KCXII の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7xII.html

 気がついたら次のモデル7を作り始めていました。今回は少しモチベーションが高いです。それはオイルコンデンサーの違いについて調べたいと思ったからです。電解コンデンサー格納用のアルミ容器も新しいものを作ってもらい、いつものように機構部品を組み立てました。何か目的を持った時は、あっという間に仕事がはかどります。今はコンデンサーの違いを知ることですから完成が待ち遠しい限りです。メインボードのタレットピンが少し不足していました。買いに行く時間がなかなか取れずちょっと焦っています。

オイルキャップの情報を集めてみました。まず内部構造については以下のような構造をしているようです(kotobank.jpから転載)。コンデンサーは2枚の電極部分とその内部に電気を貯めるための誘電体とで構成されます。オイルペーパーコンデンサーでは誘電体がオイルに含浸した紙ということになります。電極は最初はアルミ箔でしたが、その後銅や錫といった材質も使われるようになったそうです。含浸するオイルも植物油から合成油など、用途や性能などで多くのものが存在しているようです。その後、誘電体も紙からポリプロピレンなどの化学合成されたフィルムが用いられるようになり、一般的にフィルムコンデンサーと呼ばれるようになったようです。

ネットで色々と評判を見ていると、Arizona Capacitorsというメーカーのものにモデル7のバンブルビーを載せ替えると素晴らしい音になるとの記事を見つけました。Arisona Capacitors

日本でも入手できそうですが、高額なのと現在欠品しているようで、アリゾナを使うことは断念しました。とりあえず入手できそうなもの(時間的な問題と自分のお財布による制限)をネット販売などで集めてみました。

0.01μFのものはGeneral Instrument社(米国、現在は発展的にVishey社に引き継がれている)のものをeBayで購入しました。0.22μF/200VのものはSpragueの有名なVitaminQです。400Vのものはロシヤ製です。0.1と0.47μFはWest Cap社のものが手に入りました。ロシア製はちょっと異質な気がします。West CapかVitaminQが手に入ればそちらにしようと思っています。とりあえず容量を測定しました。なんとかなり正確でした。10%以内の誤差とうたわれていますが、さらに高精度だと言えます。
 バンブリビーの頃はパッケージに問題があったようです。容器の中にオイルを含浸した紙を閉じ込めるのですが、電極からのリード線を取り出すところからリークし、オイルが蒸発し、また空気中の水分がコンデンサー内部に侵入し、性能を劣化させたということが考えられます。その後、ハーメチックシールという技術が導入され、パッケージ内からリード線を外に出すときに強固な密閉が実現するようになったそうです。下の写真の部分がハーメチックの構造です。

バンブルビーの後期製品はMylarと呼ばれるポリエステルなどの化学製品の薄い膜(フィルム)と油を含浸した紙による2重構造の誘電体を容器の中に収めた構造のようです。Paper/mylar hybrid dielectric (Difilm)と呼ばれています。SpragueのBlack Beauty 160Pシリーズも同様な構造のようです。
 今回はCRを取り付ける時間はありませんので、とりあえずここで打ち止めです。Difilm構造のコンデンサーとオイルキャップとに違いがあるかどうか、早く試したいです。前回完成したModel7と現在制作中のものを一緒に撮りました。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7xII.html

17. 2022年2月09日 20:50:46 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[31] 報告
Marantz Model7 KCXII の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7xV.html

 ホームページを見てくださった方からモデル7を一台譲って欲しいとの申し出あがありましたので、12代目の作り途中のモデル7クローンにBlack Beautyのカップリングコンデンサーを実装し、実費でお譲りしてしまいました。お盆の頃に少し時間が取れましたので、お譲りするアンプの調整やエージングを行いました。以外と早く仕上がったので少し時間ができました。そこで、もう一台作ろうと思い立ちました。カップリングコンデンサーを全てオイルキャップにしてBlack Beautyと聞き比べをしたいという思いが再燃しました。モデル7の自作は苦しいので、すっぱりと終わりにしようと思っていたのに、考えていることと感情とは必ずしも一致しないみたいです。集めていたSpragueVitaminQやWest capをベースにカップリングコンデンサーを選択しました。以前に調達したものはこちらを参照してください。Model7クローンXII いつものように電源部分を作成しシャーシに取り付けてみました。ゲイン調整用のポットはアーレンブラッドレーのものが手に入りましたのでそれを装着しました。

メインボードにRCを取り付けました。いつもBlack Beautyを使っていましたので、鈍い銀色のコンデンサーは違和感を覚えます。どんな音色になるのでしょうか?

メインボードが完成しましたので、シャーシに取り付けてみました。

今回はここで時間切れとなりました。後はNFBの回路とフィルターおよびセレクターの配線が残っています。まだ完成までは少し時間がかかりそうです。早く完成して音の聞き比べをしたいと思います。今回は是非とも最後までたどり着きたいと思っております。

やっと完成しました。いつものように配線をしました。毎回のことですが、どこかで間違っているのではないかという疑心暗鬼と戦いながら進めていきました。

はやる心を抑えながら電源投入しました。ヒーター電圧が異常に高いです。これはおかしいと思いました。19V前後が適正ですが21Vくらいありました。詳しく見ていくとV5のバルブのヒーターが点灯していませんでした。今回はシルバニアの古いNOSの球を使ったのですが、ヒーター切れかと思い取り出して4番と5番の電気抵抗を測りました。ほぞゼロに近い値です。念のために大丈夫と思われる別の12AX7を挿してみても症状は同じです。ヒーターの配線の不具合だと思い丹念に電圧や導通のチェックを進めました。結局判明した不具合はV6の真空管の4番ピンの接触不良でした。図のように回路の半分が死んだ状態になっていました。V6は半分だけヒーターが生きていたのでちゃんとしてると判断ミスをしてしまい、余計な時間をとってしまいました。

長期保存しているとサビのようなものがピンの金属部分を多い接触不良が起きるようです。このような事例は初めてでした。ピカールという研磨剤を歯ブラシにつけてゴシゴシと磨いていきました。

写真の左側が長期保存の状態のもので、右側は研磨をしたものです。その後気になったのですべての真空管のピンをある程度磨くことにしました。その結果、ヒーターも正常な動作となりチェック完了となりました。ドキドキしながらメインシステムに接続して音出しをすることにしました。どんな音になるのか本当にワクワクとしました。

まずCDを鳴らします。予想通り澄んだ音が出てきました。左右のバランスを調べ、フィルターやトーン回路が動作しているか聴感上のチェックをしました。予想通りノイズもなく良い音で安定に動作していることがわかりました。次にPhonoです。ブーンというノイズが出るかどうか心配でしたが、全く静かなアンプとなっており、一安心です。さてレコードを聞いてみました。今回はバッハの無伴奏ソナタ・パルティータを聞きました。いつも聞いているものです。お気に入りのギドンクレーメルです。CDを聞いたときにも少し気になっていたのですが、レコードを聞いてさらにその思いが確信のようなものになりました。オイルキャップにすると音が研ぎ澄まされるというか、贅肉がそがれるというのでしょうか?良い言葉で表現すると音の輪郭がシャープになるということです。悪い言葉で言うと音に棘があり体に突き刺さる感じです。最初に作ったモデル7のクローンを最初に聞いたときにも似たような体験をしました。オイルキャップにするともっとマイルドな音になるのではないかと思っていましたが、意に反しとてもシャープな感じです。これからエージングがかかるのでまた音が変わってくると思われますので、その変化を体験するのも楽しみです。またブラックビューティとの聴き比べを是非ともやりたいと思っておりますが、ここで時間切れとなりました。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7xV.html

18. 2022年2月09日 20:51:39 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[32] 報告
Marantz Model7 KCXXI(21) の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7-21.html

モデル7のクローンをたくさん作りました。ホームページを見てくださった方から連絡をいただき 作成依頼をうけて何台か作りました。レバースイッチまわりについて以前から改善したいと思っていました。 東測のレバースイッチは良いのですがもう少し頑丈でレバーが太いものを探していました。Fenderのストラトキャスター用の スイッチは最適なのですが、2回路しかありませんから、Hiフィルター、Lowフィルター、Tape monitor切り替え用のスイッチとしては DM-30という製品が使えます(左下の図です)。

問題はPhono Equalizer用です。3接点で6回路があれば問題ありません。東測製のものが使えますが、 レバーの幅や長さが短いのでレバースイッチノブがフィットしません。調べているうちに3接点4回路のものを見つけました(右上の図です)。これが使えたら 良いと思い、回路図を見直してみることにしました。 レバースイッチを使ってNFBのコンデンサーや抵抗を切り替える部分です。モデル7の回路図からRIAA, old Col LPおよびold 78について 回路を書き出してみました(左下の図です)。 大変巧妙に作られています。基本的な骨格はRIAAですが、oldColLPでは1.6nFのコンデンサーに820pFが並列に付け加わり、 680kΩの抵抗には560kΩが付け加わります。old78では1.6nFの代わりに1nFと820pFの直列ユニットが選択されます。 1nFと820pFの直列接続は450pFとなります。なぜこの様なデザインになったのか不明です。もしかすると1.6nF, 1nFや820pFの容量のものは 入手しやすかったからかもしれません。片側2回路しかないレバースイッチでこれと同等の機能を持たせる回路を考えてみました(右下の図です)。

どうしてもこの回路で作ってみたくなりました。とうとう作成を開始しました。今までとの変更点は2.42nFや1.6nF, 620pFのコンデンサーをどうするか です。2.42nFは2.2nFと220pFの合成で、また620pFは150pFと470pFの合成で作りました。1.6nFは1.5nFと100pFで作りました。1.6nFはRIAAでは大変重要なので 選別して精度の高いものを選びました。

以前に作ったモデル7とマッキントッシュc-22のイコライザーアンプの聴き比べをしようとしていました。 少しだけ聞きました。マッキンの方が大人しい個性のない感じがしていました。もう少しいろいろな音源で試してみたいと 思っていた矢先に、コロナの影響でメキシコに赴任していた息子夫妻が東京の自宅に避難してきました。サブシステムの置いてあった 部屋は占拠されてしまい、聴き比べができなくなり頓挫しています。そんな折に、コンデンサーだけ繋いで1.6nFの精度の高いものができたと 喜んでいただけではどうにも満足できません。仕事もズーム会議などで自宅で過ごす時間が増えたこともあり、またまた本格的に制作を開始してしまいました。

いつものことですが、最初にメインボード、ブロックコンデンサー用ボード、電源トランスという順で作り進めました。 気がつくとこのアンプが21番目のクローンとなっていました。なんだか馬鹿の一つ覚えの様で恥ずかしい気もします。 幸い在庫をしらべたところコンデンサー類も全て揃いました。ケースの加工も終わりましたので、フロントパネル周りの 部品を取りつて行きます。レバースイッチ周りの半田付けは入り組んでいるので、パネルをケースに取り付ける前に 済ませておくとスムーズです。

ここまで作ったところで、メインアンプの作成依頼がありました。イギリス人の友人から頼まれました。在庫部品など考慮すると 以前に何台か作った300Bのトランスドライブシングルアンプが良いと提案したところ、是非と頼まれてしまいました。そんなわけで モデル7の作成を中断することになりました。
300Bアンプが完成しました。なかなか満足のいくものでしたが、依頼された友人との間の情報交換がうまくいかず 結局キャンセルになってしまいました。気を取りなおして作業場で聴くために使うことにしました。

その様なわけで再びマランツアンプの作成に戻りました。メインボードのCRを取り付けました。セレクターの ロータリースイッチ周りも配線して取り付けました。ブロックコンデンサーのボードも配線しました。トーン回路 も結線しました。ここで時間切れとなりました。あとは、信号線の配線とメインボードの配線で終了となります。 真空管をどうしようかと悩んでいます。東芝とTENの真空管を地道にヤフオクなどで集めてきましたので、TENを 使ってみようと思います。次回帰った時に完成できそうなので楽しみです。


だいぶん時間が経ちましたが完成しました。パフォーマンスは満足のいくものでした。 結局すぐに使用する予定がないので、ストックとして積み上げてあります。今回のものは上から2番目のものです。

その後ある方から譲ってほしいと申し出をいただき、少し整備していろいろなパフォーマンスをチェックすることにしました。 特性を調べる測器を最近一新しました。下図の左上はRIGOLというメーカーのデジタルオシロです。100MHz、1GSで4Chもありますが 価格が低価格であり評判が良いので購入しました。ファンクションジェネレーターもRIGOLのものにしました。 色々とチェックしましたが、これらの製品はかなりパフォーマンスが良いことがわかりました。大変満足しています。


まずイコライザー部分の特性がどうか調べました。結果を下の図に示します。 最初の図は増幅率の直線性です。入力信号が400mV以下ではかなり良好な直線を示していました。 傾きである増幅率は129となりました。利得にすると42.2 dBとなりました。測定条件は1kHzのサイン波を入力した結果です。


次に一番重要なRIAA特性を調べました。入力は2mVのサイン波です。青線がAチャンネルの結果であり、橙色のはBチャンネルです。 見やすくするために10dB下方に平行移動してあります。両チャンネルともよく揃っており、RIAA特性としても良好です。また、RIAAの他にOld78の特性も調べました。

次にリニアー増幅の部分を調べました。左側の図は1kHzのサイン波を入力したときの直線性の図です。 入力は2Vまで良い直線性を示し、増幅率は17.1でした。利得にすると24.7dBとなりました。NFBのβ回路の値はβ=4.7kΩ/(4.7kΩ+82 kΩ)= 0.054です。その結果 この回路の増幅率はおおむね1/βとなるので18.4と見積もらます。実測の増幅率が17.1であり比較的整合していると思います。中央の図はトーン回路の周波数特性です。 モデル7の説明書にある図とほとんど同じであり安心しました。抵抗やコンデンサーの精度が良いためだと思います。 右の図はカットフィルターの特性です。こちらも設計通りですが、オリジナルはコイルと抵抗およびコンデンサー を使った回路で構成されておりもう少しシャープなカッティングとなっていました。

ボリュームについては東京コスモス、バランスはアルプスのものを使っていましたが、セイデン製のL型アッティネーター用ロータリースイッチが 手に入りましたので、ボリュームはそれに変えてみようと思い立ちました。滑らかなAカーブとなるように抵抗を選びました。


金属皮膜抵抗で精度が1%のもので500kΩの抵抗を組んでみました。このロータリースイッチは接点部分が透明なプラスティックケースに格納されており ホコリや酸化などが抑えられて大変良いものと思います。ハンダつけしたのが下の図です。

出力抵抗を全抵抗で割り算したものが下の図です。予想通り滑らかなカーブとなりました。右図は左右の比較です。 かなり精度が高いことがわかります。作るときに抵抗のセレクトをすればもっと良い結果になったかもしれないと 少しだけ後悔していますが、作り直す気力はありません。今後新しいものを作るときはそうしたいと思います。


早速出来上がったアッティネーターをモデル#7の21に組み込んでみました。

音出しをしました。自分の駄耳では東京コスモスのボリュームとの違いは分かりませんが、つまみのクリック感はかなり良いです。 結局お譲りするという話が流れてしまったので、しばらく京都の自宅でメインのアンプとして使うことにしました。 そのうち時間が取れたら今まで作った別のクローンも特性などを測定したいと思っています。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7-21.html

19. 2022年2月09日 20:52:29 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[33] 報告
Marantz Model7 KCXXII(22) の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7-22.html


モデル7を使う予定もないので今後はどうしようかと思っていた矢先に、ヤフオクで罪深いものが出ていました。 それはシャーシとフロントパネルのセットです。 研究用に是非とも必要だとかなんとか、自分に言い聞かせて落札してしまいました。 35000円ほどでした。早々に簡単決済をして届くのを楽しみに待っていました。そのときは、新しいクローンアンプを作るというより、寸法を 測り直したり、図面を起こしたりしてみようと思っていました。いざ届いてみると、なるほどと思うくらい素晴らしい出来栄えでした。 多分、ガレージメーカーが作った複製品だと思われますが、細部に至るまでよく再現されており大変満足しました。 オリジナルに忠実ということは重要なことですが、RCAジャックが悪名高きものであり、シャーシとの接触はリベット打ちになっています。

仕事がありなかなか東京の自宅に戻れないでいるうちに、頭の中ですでに組み立て始めてしまっていました。今回はせっかくだから 在庫している部品の中でも気に入っているものを惜しげもなく投入して最高のものにしたいと、頭の中で妄想が広がってしまいます。

レバースイッチも前回のModel7-21と同じものを使いました。Equalizer用は別のものですが、4回路3接点ということでは 同じです。ソケットはEbyのものをおごりました。気がつくと22番目のクローンです。感無量などと言う感傷は全くありませんが、 良い音でありますようにと思う限りです。トランスは春日無線さんに特注しました。B電源は230Vで、ヒーターは17Vにしました。 従って、ヒーターはいつものような倍電圧整流ではなくブリッジ回路にしました。B電源用の電解コンデンサーはCE Manufacuringという アメリカのメーカーが往時のブロックコンデンサーを復刻しています。ツイストロックでボードに固定するものです。今回は Antique Electronic Supply というアメリカのサイトから購入しました。ヒーター用はニチコンです。

シャーシは、2つのパーツから構成されています。フロントやリアーパネルと1枚の側面がつながっているものです。最終的にはそれらを側面にある 4個のネジで固定します。フロント+側面、リアー+側面というように2分割しています。この状態でいろいろな部品を装着するのはとってもやりやすい です。これは大変素晴らしいです。側面とフロントやリアーが繋がっているので自立します。当たり前ですが、そうするとパネルを支える必要がないので 配線やハンダ付けが大変楽になります。RCAプラグは随分古いもの(数十年は経過している模様)で、ハンダをのせようとしましたが、全くなじまないです。 全てのジャックをやすりで磨くのも大変だと思いました。たまたま、液体のフラックス(ハンダ用)をホームセンターで見つけましたので、試してみました。 これは不思議です。全くなじまなかった、金属の表面がフラックスのおかげできれいに濡れてくれました。サンドペーパーをかけるのは大変だと思ったので、 助かりました。

いつもはセレクターのロータリースイッチは小島製作所で作ってもらっていたのですが、今回はセイデン製を使いました。シャフトが長いので5ミリほど金鋸で落とす必要 があるのが嫌ですが、接点がプラスティックで覆われているのでホコリなどに強いので、採用してみました。メインボードにCRをマニュアル通りに付けていきました。 これが最後だから、丁寧にと思いつつ丹精込めてはんだ付けしました。イコライザー部分では2つの電解コンデンサー(250と100μF)が必要になりますが、 ここではSpragueの銀タンタルコンデンサーを使っています。その他は全てSpragueのBlack Beautyを使いました。最終段のコンデンサーはCTLのセラコンにしました。 これは初期のオリジナルに合わせてあります。

グランドの不良を予防するために、全てのアース線を本体のアースへ接地しました。Model7の修理でもこのようなことを行っているのを見たことがあります。 あくまで予防措置です。今となっては全く使う予定はありませんが、TapeHeadのイコライザー用の可変抵抗器にクラロスタットのものを用いました。ほとんど完成 してしまいました。Tone回路も完成しているので、RCAジャックからの信号線を接続すれば完成です。このアンプは特別なので、現在の生活のベースとなっている 京都に運んで、日々楽しむアンプにしょうと思っています。最終的にどの真空管にしようかなどと頭を悩ませています。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7-22.html

20. 2022年2月09日 20:53:13 : ZYPRKUSsaQ : VTNtaUJ2bWRFWkk=[34] 報告
Marantz Model7 KCXXIII(23) の作製
http://ultra-pure-sounds.jp/model7-23.html


ガレージメーカーが作ったModel7のコピーシャーシを使ったモデル7クローン(22)を完成させられていません。それは、今年(2021年)夏から 東京の自宅を長男夫妻と住むための2世帯住宅へとリフォームする話が持ち上がり、2021年初頭から不用品に対する断捨離の嵐が吹き荒れていましたので、 アンプ作成などする気持ちになれないでいたからです。そんな折り、出張の帰りに秋葉原で降りてなにげなく電気部品を冷やかして帰ろうとおもった 2月下旬のことでした。若松通商でウインドウの中に陳列されていたArizona Capacitorのオイルキャップを偶然見てしまいました。お財布を見たら あまり暖かくなかったのですが、0.1μF2個と0.01μF4個をなんとか購入できるお金がありました。後先考えずに購入してしまいました。

アリゾナキャパシターのオイルキャップで構成されたモデル7を作ろうと漠然としながらも決断した時でした。 モデル7クローン22は全く手をつける気力が湧かないのに、新しいプロジェクトは手が進んでしまいます。 気がついたらシャーシの金物加工、塗装、レタリングやメインボードが完成していました。

その後、東京の自宅でどうしても残しておきたいものなどを京都の下宿に送ったり慌ただしい日々を過ごしておりました。またコロナも蔓延しており 何も計画的にできない状況が続いておりました。幸い、夏になりリフォームのための一時の引っ越し作業も順調に進み、ひと段落いたしました。 こんな中で良いことも少しありました。今まで集めていたアンプや、真空管などヤフオクで処分しましたので、少しだけ懐が温まっていました。 そんな折にまた秋葉原に行くことがあり、若松に行きましたら、なんとArizona Capacitorが品切れで販売していませんでした。 いつかはアリゾナのオイルキャップを使ったモデル7のクローンを作りたい気持ちが漠然とありましたから、大変焦りました。 お店の方に尋ねると一時的な欠品ということでしたから、思わず注文してしまいました。地方へも発送してくれるということで 京都に送ってもらいました。アリゾナキャパシターのオイルキャップは0.01μFx4個、0.1μF2個、0.22μF/400V4個と0.47μF2個です。

0.47μFは2つとも0.45μFと少し小さめでしたがよく揃っていました。0.22μFのコンデンサーは0.215、0.216、0.233、0,234μFでした。 幸い、値の小さいものと大きいものとに分けて使えば問題ないと思われます。アリゾナキャパシターの数値は素晴らしいです。 0.1μFのコンデンサーは0.103と0.105μFでした。0.01μFのコンデンサーは0.097、0.097、0.103、0.104μFでした。 Tone回路のNFBを構成するβ回路用のCRは82kΩと0.33μFです。この0.33μFは以前に複数個購入していたGudemanのオイルキャップを使う ことにしました。

容量は0.320と0.322μFでした。その他のコンデンサーとしてはイコライザーの初段と次段の電解コンデンサーはSpragueのタンタルを 採用しました。221と222μFでした。100μFのものは97と98μFでした。コンデンサーについてはこれ以上は望めないものと信じています。

これらのコンデンサーをメイボードに取り付けます。また、抵抗も取り付けて、フロントサブパネルの金物加工、トーン回路ようCR の取り付け、電源ボード、イコライザー周り、フィルター周りの加工して、最後の砦のRCAプラグからセレクターへの配線をして 完成ということになります。道は遠いですが、焦らず進めていこうと思います。音の違いがわかるのか大変楽しみです。 ブラックビューティで構成されたものとじっくりと比較してみたいです。

夏休みの間、暑さにめげながらも作成に励みました。気がつくと完成していました。 0.47μFのコンデンサーは大きく直径が20ミリ、長さが61ミリありました。全てが完成したので、 はやる思いを抑えながら、配線のチェックを進めました。案の定セレクターのところで大きなミスを犯していました。 このようなミスを見つけてしまうと、疑心暗鬼になってしまいます。今回はTEN(神戸工業)の12AX7で程度の良いものを揃えて見ました。 TENは1920年に川西機械製作所として出発したようです。戦前・戦後を通じて真空管の作成も行なったようです。最初は通信用でのちにオーディオ用の真空管を製造するようになりました。 その後神戸工業となり、富士通テン、デンソーテンとなり現在に至っているようです。どこかの記事で作りがしっかりしており信頼性の高い真空管を作っていたとのことでした。 どのような音になるのか楽しみです。数日寝かせて恐る恐る電源を入れました。B電源、ヒーター電源その他のチェックポイント全て正常でした。一安心です。早速音出しをしました。 ここで、まさかのボソボソ音がRチャンネルから出ています。ボリュームやバランスを回すと盛大なガリが発生しました。素性のわからないViolet製ポテンショでしたので、早速 東コスの新品のボリュームとアルプスのバランスに取り替えました。見た目はハンダの痕跡もなくNOSに見えましたが残念な結果でした。またRチャンネルからのボソボソオンは 数分すると消えることから典型的な真空管の不具合に感じましたので、関係するV4の真空管を別のものに変えてみました。

その結果不具合は解消されました。それから 1月ほどレコードとCDを中心に毎日2時間ほどエージングを兼ねて音楽を聴いています。使うほどに滑らかになってくる気がします。ブラックビューティーの時にはこのような 音の変化は感じませんでした。もしかしたらオイルコンの特徴なのでしょうか?アリゾナキャパシターは大変優れていると感じました。現在途中でほったらかしになっている モデル7クローン(22)のコンデンサーもブラックビューティーからアリゾナキャパシターのオイルコンに変えたくなってしまい、1セット購入してしまいました。

大変な散財です。(22)のモデルはデッドコピーと思われるシャーシに組んだものですから最高の部品をつけたいと考えていました。これから時間をかけてゆっくりと オイルコンに変更する予定です。今回アリゾナのオイルコンを初めて試しましたが大満足です。もちろんこれは個人の感想であり自分の駄耳による印象です。 高いものを買ったという先入観もありますが、自分を信じたいのは時間と共に音に艶が出てきたあたりす。どなたか同じような経験をされた方がいらっしゃったら ご経験を教えていただきたいと思っています。

http://ultra-pure-sounds.jp/model7-23.html

21. 2022年2月11日 15:39:43 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[34] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(1)
2018-08-08
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136896.html


前回製作しましたQUAD22のイコライザーの具合が良かったので現在の主力プリとして使っていますが、これに

気を良くしてもう一台、比較用に作ろうと言うことで今回は御馴染のマランツ#7のイコライザーを取り上げてみた

いと思います。


ところで、アンプの自作にはどうもプリ派とパワーアンプ派に分れるようで、どちらかと言うとパワーアンプ派の方

が多くおられるように思います。


当方の場合は、基本プリ派なので過去の自作例は圧倒的にプリアンプの方が多いです。  

パワーアンプは作るスペックが同じだからだろうと思いますが、あまり音質の差は無いと言うか分らないと言うの

が本当のところです。 

また、狭い部屋に大出力アンプの必要も無いので10W以下の小型アンプがメインになっています。

しかも普段は小音量で聴くせいか尚更、音質差が分り難くなっています。 


プリアンプの場合は増幅率が大きいですから、僅かな音質の差を拡大して見せるように思います。 その為か作

ったものは一台一台音質が異なって聴こえます。  これがプリアンプ製作の一番の理由となっています。

さて、マランツ#7のイコライザーは回路的にはK−K NF型3段タイプとなります。 

自作では過去に二回程作ったことはあるのですが、3段の特徴であるダイナミックレンジは大きく取れるのです

が、音質的には2段と比べてもあまり変わらないと言うか巷で言われるような高音質と言うには程遠い感じとなっ

てしまったように記憶しています。


この回路はラックスのアンプにも使われていましたが、同じくマランツ#7のような名声が現在でも残っていたかと

言うとどうもそのようには思えないし、実際に聴いてもあまり特徴が無いと言うか所謂ラックストーンと言うか少々

まったりした音のようにも聴こえます。

イメージ 1

良く良く考えますと、昔自作したものは回路定数もオリジナルとは違っていたようで、これが原因かどうか分りま

せんが、どうもマランツの回路は大変微妙なものでは無いのかと言う疑問も未だ残っています。

そこで今回はもう少しオリジナル回路に忠実なものを作ってみようと言うワケなのです。


真空管も3本しか使いませんので製作だけなら割と容易には作れます。

とは言っても、3段のこの回路はヘタに作ると発振の恐れもあります。 この回路には発振止めとして22Pのコン

デンサが使われていますが、これがマランツの特徴ともなっているものです。

さてさて、またまた月並な音となってしまうのかどうか。  尤もオリジナルと比べることも叶いませんのでどちらに

しろ分りませんが、少しは以前と違いが感じられるのかどうかと言うのが今回の製作目的の一つでもあります。


まあ、こればかりはやってみなければ分らないと言ったところですが・・・。
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136896.html

22. 2022年2月11日 15:44:36 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[35] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(2)
2018-08-10
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136905.html

本イコライザーの製作にあたり、まず基板を作成します。

例によってベーク板(t=2)をオルファカッターでカットします。

今回はハトメで無く基板ピンを使ってみますので、ピンに合わせて穴け加工を行います。


作成にあたり、基板のパターン図は予め作成しておく必要があります。


イメージ 1

穴明け加工後、基板ピンを取付けこれを完成させます。

この基板ピンはネジ止め式となっています。


ピンは使っては見ましたが普通にハトメを使っても良いかなとも思います。


イメージ 2


今回このイコライザーはケースに入れますので、ケースの自作を行います。

仕様は前回製作したQuad22のケースに準じたものでサイズ違いのものとします。

イメージ 3

ケース材料はアングル等の長モノは高速切断機で切断加工を行っていますが、作業時間はかなり短縮されまし

た。

パネル材等はこれも毎度ながらオルファカッターで切断しています。


これによりケースの工作精度は従来よりかなり上がるものと期待しています。
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136905.html

マランツ#7 イコライザーの自作(3)
2018-08-17
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136912.html


その後の進捗状況です。


慌てずポツリポツリと作業を進めておりますので進行状態は遅いです。


取りあえず、前後パネルの仮組立が終わりました。


パネルの加工はこれからとなります。

イメージ 1

基板の仮組立も終了しました。

部品の取付はこれからとなります。


イメージ 2


このアンプの製作で面倒な部分がこれで終わりましたので後は淡々と進む予定です。
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マランツ#7 イコライザーの自作(4)
2018-10-30
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136961.html


アンプのケースが出来上がりました。

ケースの加工がありますのでまだ仮組状態です。


サイドウッドは後にオイルフィニッシュ仕上げ予定です。


本機はイコライザのみですので前面パネルはシンプルに電源スイッチとランプのみとなります。


ケースの加工精度は前回より格段に上がっており十分満足の行く結果が得られました。 

また強度は十分あり、ケースの修理及び再利用も可能な大変エコノミーなものになっています。


イメージ 1

基板部の部品取付けも完了しました。

このまま電源とEQ素子、入出力配線を結線すれば動作可能状態となります。


イメージ 2

電源部は手持ちのトランスを活用します。 

今回はSANSUIのPV−65をタテ型用ブラケットを製作の上取付予定です。


イメージ 3


本機と組合せるフラットアンプも今後製作予定で、並べてラックに収まるようケース寸法を先に決めてありますの

でケースは少し小さくなっています。

次回はケースの加工及び部品類の取付を順次行っていく予定です。
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マランツ#7 イコライザーの自作(5)
2018-11-14
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136968.html


今回は電源基板を作りました。

イメージ 1

半導体を使ったリップルフィルターです。


小型に作れて、リップル抑制効果が他のフィルター式に比べて極めて高いので今回も採用してみました。

ケース内が狭いですから基板は立てて使う予定です。  


次回以降はケースの加工、及び部品の取付となります。
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マランツ#7 イコライザーの自作(6)
2018-11-19
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515136975.html


今回はパネル加工及び各部品の仮付けを行います。


正面パネルはイコライザーのみですのでスイッチのみのシンプルなものとしてあります。


イメージ 1

内部はケースがかなり小型ですから半導体アンプ並みの密集度となりました。

電源トランスもシールド付きとは言え主回路に近づいておりますので、どの程度の影響が出るかはやってみない

と分りません。


ケースの強度は十分にあり頑強ですが、密集したためメンテ性も良くなさそうです。

何しろ過去に例の無いサイズ優先で設計を進めましたのでどうなるかは全く不明と言う不安要素付きですので。


イメージ 2


後面パネルも入出力端子も一系統のみでこれもシンプルな構成としています。


基本的に各基板は完成済みですから単純に電源及び入出力端子を配線すれば終了となります。

さて、その前に各基板の電圧の微調整を行っておきますが、それは次回以降とします。


なお、側板(ウォールナット)は蜜蝋仕上げの予定です。
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23. 2022年2月11日 15:45:29 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[36] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(7)
2018-12-08
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137008.html


マランツ#7 イコライザーのその後です。

作業はゆっくりと進めて参りましたが、ようやく内部配線が終了しました。


急げばそれ程時間は掛る内容のものではありませんが少々のんびりし過ぎたかも知れません。 


今回は誤配線の無いことを再度確認した上で通電チェックを行います。

これで異常の無いことを確認しましたら、電源基板の各電圧の測定を行います。 


その後、設計値との調整を行います。


測定結果は電源部の電圧はほぼ当初設計に近いものでそのままでもOKでしたが、オリジナルに合わせ微調整

を行っておきました。

イメージ 1

使用した真空管は最近では見かけなくなってきたEIのECC83でニッケルプレートのものです。

今回これを3本使っています。


マランツにはテレフンケンが良いとかムラードが良いとか色々言われますが、最終的に球は試聴後、色々取り替

えて好みのものを選ぶ予定です。  


イメージ 2


さてB電圧、ヒーター電圧が正常に掛っていることを確認しましたら、真空管各部の電圧を測定しておきます。

測定結果は数の通りです。  左右チャンネルともほぼ同じですから片側のチャンネルのみ示しておきます。


測定結果はこれで正常と思われます。


イメージ 3

さて電圧が正常であると分れば、ほぼ正常動作はするものと思われます。 


ですが、そこはあのマランツのことです。  これでスンナリ終わらせることは無いでしょう。

そうでなくとも、プリアンプはこれからが勝負ですからまだまだ何が起きるかは分りません。


このイコライザーは原設計でもゲインが40dBからと、イコライザーとしては高い方ですから、まずはノイズ対策で

す。  本機の場合、何しろトランスが主回路基板に近いですから多少はリーケージフラックスの影響は受けるだ

ろうと思っております。


また、マランツ#7のEQと言えば発振です。  マランツ=発振と言われる程、過去多くのマニアをこれで悩ませ

た「悪魔の回路」と言われるものですから油断は出来ません。

この発振するかしないかの微妙なところがマランツの音とも言われる所以でもありますから、この辺りがこのイコ

ライザー製作上の大きなポイントとなります。


取りあえず、今回の電圧測定時までは異常はありませんでしたが、入出力の負荷が変わるとどうなるか、これか

ら色々とチェックをして行くことになりそうです。  
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137008.html

24. 2022年2月11日 15:46:46 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[37] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(8)
2018-12-25
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137056.html


その後、アンプの発振について色々調べてみましたが何の異常も認めませんでした。


少々、拍子抜けの感がありますが、問題無い以上は仮試聴も出来そうなのでこのままパワーアンプに繋いでみ

ます。


イメージ 1

まずは耳だけで簡単に分るのは雑音です。


と言うことで、ノイズチェックを行ってみます。

何と言っても超コンパクトに作りましたので、トランスも主回路に近づいて誘導ノイズが出ても不思議では無いの

ですがどうなることやら。


パワーアンプのレベルを上げてみますと、これが意外にローノイズで誘導ノイズはおろかハムノイズも聞こえませ

ん。


左右チャンネルとも同じで、レベル最大でも聴こえるのは真空管の軽いホワイトノイズだけで何とも見事なモノで

すワ。  

イメージ 2


これならばと、暫く通電状態でのランニングテスト後、仮試聴を行ってみることにしました。


昨夜の深夜での試聴ですから、細かいところまでは分りませんが一聴した限りではかなりイケそうな感じがしま

す。


レコード1枚で終わらせようと思ったら、これが後を引いて2枚、3枚と聴いてしまった。

大変聴き易いと言うか心地良い音が出てきます。  これならクラシックなどを長時間聴くには良いかも知れませ

ん。  何と言うか音場感が良いのですが、音質的にはジャズよりはクラッシック向けと言う印象です。  


ですが所詮、マランツもどきでオリジナルとの比較などは全く叶いませんので、これがマランツの音と言えるもの

かどうかは全く分りません。

使用部品も異なりますし、昔の部品が良いと言われても入手難であり価格も高いですし、コンデンサなどは絶縁

不良のものにぶつからないとも限りませんのでとても手が出ません。  


これで巷で良く言われるマランツの音に近いものが感じられれば良いのでしょうが、オリジナルマランツも年数が

経過してノーメンテではまともに鳴るものも少ないはずですし、まあ最後は自己満足で終わりかと言った所かも知

れません。


さて、次回は本機の測定及びイコライザーの調整行う予定です。
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137056.html

25. 2022年2月11日 15:47:30 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[38] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(9)
2019-01-22
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137115.html


今回は本機の諸特性について調べてみました。


まずは入出力特性から、

負荷抵抗は47KΩとしましたが、これはマランツにとっては少々過酷な負荷となります。


1KHzの入出力特性では146mVの入力でノンクリップ出力18.4Vが得られました。


更に入力を入れますと波形は僅かに崩れてきますが200mVで23.8Vと真空管イコライザーならではのダイナ

ミックレンジが得られました。  この辺りが最大出力電圧となりそうです。


これらの結果より、PHONO端子からのゲインは41.5dB(at1KHz)となりました。

イメージ 1


次にRIAA再生特性です。

中央の赤い線がRIAA偏差を示しています。  当然ながら低域から高域までフラットな方が良いことになります。

測定結果ではRIAA偏差はローエンドとハイエンド共に+0.6dB以内の偏差に収まっております。


この程度でしたらイコライザ偏差の修正は不要と思われますので特に処置は行いません。


イメージ 2


以上の諸特性は左右チャンネルとも殆ど同じでしたので片チャンネルのみの特性図を示してあります。

これで本機は発振も無く正常に動作していることが分りました。


電気的な特性はオリジナルマランツと殆ど同じであろうと思われます。

それでは音質の方はどうかと言うことになりますが、使用部品も異なりますし比較しようにもオリジナルマラン

ツがあるワケでも無いので、ここは勝手に自己満足で良い音が出ていると言うことにしておきます。


仮試聴でも感じましたが、クラシックには大変良いアンプです。  

大変SN比が良く、手持ちのレコードを次から次へと聴きたくなるようなそんな感じの音です。  


と言うことで、本機の製作はこれで完了となりました。
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12515137115.html

26. 中川隆[-13731] koaQ7Jey 2022年2月11日 15:49:16 : 8fbxFIojGM : N1RjM3BBSXg1Yy4=[39] 報告
マランツ#7 イコライザーの自作(10)
2020-02-19
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12576401644.html


マランツ#7のその後です。

色々試聴を繰り返しチェックを行いましたが、マランツのイコライザーのゲインが41.5dBとイコライザーとしては高い方ですので予想通りと言うか誘導ノイズが気になるようになります。

MMカートリッジではそれ程問題にならないのですが、MCを使うとなりますとどうしてもゲインは増加しますのでノイズを拾い易くなります。

現在MC用にはヘッドアンプを使っていますが、このゲインが23dBありますから 41.5dB+23dB=64.5dB (約1680倍)とハイゲインです。

プリアンプとしましてはこれにフラットアンプが繋がりますので更にハイゲインとなり誘導ノイズにはかなり敏感になってきます。

製作後でも気になっていました電源トランスからの誘導ノイズですが、どうしても主回路の近い側のチャンネルに乗ってきます。

この対策としまして今回は小型の電磁シールド付きのものに変更することにしました。

リーケージフラックスの少ない小型のトランスとしましてはRコアトランス及びカットコアトランスがありますが、市販品のカットコアではゼネラルトランスのカットコアのPMC−C1があります。 これは旧TANGOのCV−2相当になります。 

これならEIコアよりはリーケージフラックスは小さくなりますし、静電シールド付きですのでこれに換装することにしました。

換装に伴い、整流方式が変わりますので電源基板も同サイズで新規製作しました。

換装後の写真です。

このトランスの換装後の効果は大きく、見事にリーケージフラックスから解放されました。

ボリュームを上げても軽いホワイトノイズしか聞こえません。

大変ローノイズでMCにも関わらずMM感覚で使えるようになりました。  

本機はイコライザー単体でもゲイン不足にはなりませんが、これにフラットアンプ(ゲイン6.2dB)を加えてセパレートプリアンプとして使用しています。

これを加えた総ゲインは イコライザー 41.5dB+ フラットアンプ6.2dB =47.7dB (約243) となります。

更にヘッドアンプのゲイン23dBを加えましても 47.7dB + 23dB =70.7dB (約3430倍) で、比較的入力感度の高いパワーアンプならこれでも十分にドライブ出来ます。

と言うことで改めて試聴してみます。

音質的には最初の印象通りですがSN比が良くなった分、すっきりした音に聴こえます。

マランツのイコライザーは外部誘導ノイズに対しても相当敏感ですから、設置場所もノイズの影響を受けないよう配慮する必要があります。

また、これで暫く使って様子を見ることにします。
https://ameblo.jp/ktms-room314/entry-12576401644.html

27. 中川隆[-13719] koaQ7Jey 2022年2月12日 11:16:16 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[22] 報告

「マランツ#7型プリアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明

やまちゃんのオーディオブログ
マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ
投稿日:2015年2月12日 更新日:2017年10月15日
http://www.audio-blog.jp/2015/02/12/audio-magazine-part6/


対象とすると、スピーカのコーンの動きを制御対象にするか(モーションフィードバック)、その前のアンプの出力を制御対象にするかは、さておき、
まずそもそも、

@入力信号の出力電圧レベルと、帰還信号のレベルを合わせないといけないし、
(それにより、初めて制御といえるものになる。)
Aそれだけではなまくらで、応答が非常に遅い制御系となるので、
速度フィードバックなどを加える。
それにより初めて、まともにネガティブフィードバックが機能し始める。
だから、「化粧程度に6dbネガティブフィードバックをかけました」という記事を見ると、違和感を感じる。
「耳派」を歌うライターの先生方からすると、いくら試行錯誤して部品定数を変えても、
そういう理論がなしにして、ネガティブフィードバックがよくないという結論以外にたどりつけないだろうし、ネガティブフィードバックのアンプがもっさりしていて当たり前ではないか、思えてくる。
上記の通り、ネガティブフィードバックを理論的に、解析した記事は少なく、
電源を合わせて、球を変えて、作ってみましたという記事が多いが、
ラジオ技術の、氏家高明先生、D-NFBの野呂真一先生と、石塚俊先生の記事は、非常に精神性あふれる記事で役に立つように思う。
氏家先生は、マランツ#7について詳細に解説されている(あくまで感覚的にではあるが)。
先生の言う、「内部が半分ポジティブフィードバックがかかり、発振前の緊張した状態で、反応が速い」というのは、ようするに制御対象が不安定系で(例えば戦闘機のように尾翼が下にあり、俊敏な制御がしやすい)
しっかり制御がかかり、即応性がよいということなのだろうと推測する。
また、管球王国のウェスタン91Bのアンプの完全コピーの記事には、「ぷりぷりしたエナジー」とある。91Bには、20dB以上のネガティブフィードバックがかかっているが、要するに立ち上がりが速くないと、ぷりぷりしたようにはなりえない。

というわけで、ネガティブフィードバックについては、以下の記事を読んでおくべきだと思う。
@「マランツ#7型プリアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明
・マランツ7の精神性を理解したうえで、肝となるフォノイコライザ部分の完全コピーの方法が説明されている。お勧め!
・フォノアンプのイコライザや、cd用のプリアンプに使える。
・なお、回路定数の1つについては、後の記事で訂正されている。

A「高帰還300Bシングルアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1999年/4月、5月、6月)氏家高明
・本家、本来の3段の91Bアンプについて解説されている。

B「管球アンプキットを組む愉しみ W.S.I91type」(管球王国vol22 2001年秋)
・巷の2段増幅ではなくて、本家、本来の3段の91Bアンプを完全にコピーするべく挑むもので、ウェスタンの流儀について解説がある。配線の仕方も、忠実にコピー。

B−2「WE-91Bパワー・アンプの製作」(「ラジオ技術」2001年7月)新 忠篤
・本家、本来の3段の91Bアンプ、多大なブリーダ電流を流す点も、回路図上の忠実なコピー。
・配線の仕方は、コピーされていない。

C「D−NFB(NFB for Distortion only)の実験-6GB8(S)で1/400の低減率を達成!!」(「ラジオ技術」2000年/7月p44)野呂伸一
・ポジティブフィードバックを使って、ひずみを劇的に減少する。
・ただ単にひずみ低減というのではなくて、「透明感とハイスピード感」という記事内容に着目したい。

D「40KG6ASEPP OTLによるD−NFB実用アンプの製作」(「ラジオ技術」2001年/10月p42)野呂伸一
・上記Cの応用記事。

Eその他、無線と実験の松並先生の記事で、
「ネガティブフィードバックの量を変えると、目を見張るような変化がある」。
ラジオ技術の新先生の記事で「ボジティブフィードバックを入れると活き活きする」というのがあったが、いつの号だったかは忘れた。

http://www.audio-blog.jp/2015/02/12/audio-magazine-part6/


▲△▽▼

氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!
投稿日:2015年8月24日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/24/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method/

念願かなって、ようやく氏家式マランツ#7を作りました。

2度目のチャレンジです。1度目は、材料の曲げ加工などで疲れてしまい、いつの間にかやる気を失っていました。今はなきタンゴトランスは長らく使わずにしまっていました。
PA0_0020.JPG
PA0_0023.JPG
このアンプは、プリアンプでして、過去記事の「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」でご紹介した「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明先生の記事に基づいて作りました。
イコライザ部分にネガティブフィードバックに特徴があり、高度な回路技術により、過渡応答の追従性能が高いアンプとされています。

<2015年9月2日追記>
上の図では、ネガティブフィードバックの配線を忘れていました。
150902_0027~01.jpg

主要部品は、すでに持っているトランスと真空管を除き2万円3万5千円程度でした。過去記事の「部品購入サイトの部品のセットを記録し、再現する方法」をフル活用して、慎重に2つのサイトで注文しました

しかし、主要部品は、2万といえども、やれ穴開け加工だとか、工具だとか配線とか、足場のラグとかを追加購入し、また、ホームセンターを5回以上通って制作したので、かなりの道具代などを追加で使ってしまいました。
また、温度調整機能付きはんだコテを買い、過去記事の「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」で紹介した、銀メッキ線を100m大人買いをしてしまいました。

<9月2日追記>
最初の発注による購入は、慎重に慎重を重ね2万円ほどでしたが、追加した手持ちの22000μFのコンデンサ、シールド線、エンパイヤチューブ、配線材、足場のラグ、無線と実験で音のよいとされたはんだ、電源フィルタのコイル芯、WAGOの接続端子、ホールソー、ドリル等の加工工具などなどの追加を考えると、到底2万ではできませんでした。また、サブ基板の9ピン周り、入出力線のシールド線の処理などは、かなりの手間でしたから、2万円で入手できるわけではありません。

シャーシーを加工中に気付いたのですが、誤って、上下逆向きになってしまいました。
PA0_0022.JPG
誤りに気付いた時には、かなりのショックでしたが、
箱は市販品を用いたので氏家先生のものと違い、底が開くタイプではなく、この配置のほうが部品に手が届きやすいのではないか、記事の中で徹底コピーを奨励する氏家先生でしたが逆向けでも、コピーの内容は同じではないかと気を取り直して、そのまま続行することにしました。機械加工で後戻りするのは、もう気力が残っていません。

当方のアンプは、アンプのサブブロックは、部品は異なれど実体配線図通りに作りました。
PA0_0021.JPG
ただし、アンプのサブブロックは、以下の点が氏家式オリジナルと違います。
氏家式マランツ7は、リケンの抵抗、ASCのフィルムコン、電界コンはチュウブラですが、
当方は、リケンの抵抗がもうすでになく高いということから、管球王国で高評価だったタクマンの音響用抵抗を使いました。酸金を主体に数値がない場合にはカーボンを使いました。プレート抵抗などは、カーボンのワット数が大きいものを使いました。音決めの出力段の510Ωは、巻線抵抗が勧められていますが、ここもカーボンのワット数が大きいものを使いました。フィルムはASCですが、250μfの電解コンは、アトムにしました。また、チューブラの電解コンの一部は、せんごくさんで入手した東信の音響用のチューブラでないものを使っています。
さらに、後に真空管v1のアースは、直接B電源へ返すように短絡する改造をしました。

電源はオリジナルがセレンの半波整流、氏家先生のものが「オリジナルに執着しません」とあり、オリジナリティがある程度認められると判断して、少々のデフォルメを行いました。PA0_0016.JPGPA0_0015.JPG
電源基板の表側には、主にB電源を、裏側には、主にフィラメント電源を配置しました。
氏家式マランツ7では、フィラメント電源、B電源ともに、ニチコンの高価なCEW?(4、5千円)が使われていますが、コストダウンのため、基板用部品を使いました。フィラメント電源には、とくに信頼性が高い長寿命の、前身がOSコンのサンコン製(「おやぢラボ オーディオ製作記」に詳しい)。なお、後でフィラメント電源には、CEWを追加しました(後に述)。また、B電源用には600V5Aのローム製SICのダイオードを2つ直列で使いました。
それから、B電源は回路や実態配線図をなるべく踏襲し、Cもほぼ回路図通りとしましたが、まず、チューブラはネット上でウニコンはいまいちと調べ、22μはF&T、33μはRUBY GOLDを使いました。B、フィラメント電源とも「「自作コイルによる音質の改善」(「無線と実験」2013年/3月p65 沼口眞一)鉛筆に銅線を巻きつけた、空芯式のチョークインプット(沼口式チョーク)を採用しました(過去記事「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事1 簡易定インピーダンスアッテネータ ノイズ対策」)。

それから、電源としては、「@「バイボーラトランジスタの使い方を考える」という一連の記事」(過去記事「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事8 トランスの作り方」参照。)の石塚俊先生の一連の記事から、@両波整流の電圧を同じにするべく、抵抗を入れる、Aブリーダを91Bにならって、必要電流の1/3流す
を実践しました。Bには、必要電流の10倍の10mAを流すべく、部リーダ抵抗は43kとし、フィラメントは、18.3vに70Ω程度のブリーダ抵抗を突っ込んでいます。そのため電圧調整のためにR005はΩ数を下げました。

さらに、AC電源としては、(「無線と実験」2013年3月号p50〜「音で判別するノイズ対策」安井章)に掲載の安井式の音響用電源フィルタを入れました。
PA0_0017.JPG

また、配線材としては、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロンを使い、その上にエンパイヤチューブをかぶせて色分けをしました。4色程度しか市販されていないので、電圧に応じて深い色とし、赤はB、緑は、V1、V2のB、黄色がフィラメントとしました。このアンプでは、この配線材の音が色濃く出ているようにも思います。
さらに、電源基板を容易に外せるよう、WAGO(露光機の検討、「fppr感光剤による露光の準備の検討4 露光機の検討の続き」で使った)の2端子を使った。PA0_0018.JPG

さらに、出力インピーダンスは、50k以上にすべきとなっており、
しょうがないので、手持ちのコーアのSPR(「koaの抵抗のSPR5は、最高だ!」)の43kを出力に直列して付けました。

<2015年9月2日追記>
ちなみに、ノイズ対策の途中で、パワーアンプの入力インピーダンス(プリアンプに負荷すべき出力インピーダンス43k)が高く、ノイズの影響を問題視して、氏家先生の記事を当たったところ、
氏家先生のその一連の記事では、
そのイコライザアンプに好適なコントロールアンプも発表されており、
その記事を見ると、50kΩの固定抵抗と、100kΩのボリュームとが、
負荷として直列に配列されていることに気付きました。

真空管は、v1、v2がフィリップスの高信頼管、V3がソブテックの12AX7WXTです。

以上を前提に、音を聞くと、
一言で言うと、強靭で迫力があり、低域が非常に重く低く、分厚いサウンドですね。
オーケストラなどが素晴らしいです。
強靭というためには、過渡応答が素早くないとできないはずです。
当初は分厚すぎて、音像が拡大しているのか、もっと解像度がほしいと思いましたが、
パワーアンプだけに戻すと、透明だけど薄いと思える。
聞きこんでいくと、ラッパなどが非常に実体感を帯びて聞こえる。
高域はこの抵抗の直列のせいか、パワーアンプの入力トランスとの整合か、
低域の迫力が大きいからなのか、よくわかりませんが、
早めにロールオフしているというようにも思え、聞くに堪えなかったバイオリン協奏曲などが聞きやすくなりました。
<2015年9月2日追記>
上の図では、ネガティブフィードバックの配線を追加すると、
ノイズもかなり削減され、周波数帯域が広がり、音像の拡大は少し減り、
しかし、速度の速い様子は変わりませんでした。
以前ノンネガティブフィードバックの状態で速度が遅くないと感じたのも、
パワーアンプのせいかもしれません。
次は、この氏家式マランツ7につき、
当初50mAもあったノイズを、2mAへ修正していった、調整過程を
説明しようと思います。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/24/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method/


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氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足
投稿日:2015年8月25日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/explaining-trans-of-marantz7-uzike-method/
氏家式マランツ#7アンプ(過去記事の「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」)につき、トランスについて補足すると、
氏家先生のマランツ7の記事では、今は亡きタンゴトランスのEV−3Sを使っていますが、
代替品としては、橋本トランスのPT−60というのがあります。
電圧もすべて同じですが、(製作に関係がない巻線の5V(EV−3S)が、橋本トランスでは6.3Vとなっています。訂正します。)
15vの巻線はタンゴトランスが1.5A、橋本トランスが2Aなので、
フィラメント電圧を調整する必要が出てくるかもしれません。コンデンサ間の10Ωの抵抗の値です。
その他、春日変圧器さんへ特注する手もあります。その方が安いかもしれません。
特注する場合には、トランスの「最大容量」の半分のみしか使えないと心得てください。30wの電力が必要なら、60wクラスのトランスが必要になります。過去記事の「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事8 トランスの作り方」にあるラジオ技術の石塚俊先生の一連の記事は、電源に関して造詣が深く、電源については、全部読んでおくべきですね。そこでは繰り返し「まず電源トランスの磁束密度を下げろ」というのが出てきます。そのためには、より大きい容量のトランスを使えということです。これにより、鉄くさい、なまった音を回避できるということです。
それから、石塚先生は、「両派整流やppトランスの巻線を厳密にそろえるべき」とも繰り返しおっしゃっていますね。その巻線のバランスも、ラジオ技術を見て、特注してもいいかもしれません。その他、「イシノラボどっとこむ」さんの「店長のブログ」の「新開発“Xカレント回路”とは!(詳細説明)」に、リップル分とスピーカからのリターン電流で、混変調現象を起こすとあり、その辺も電源の考え方につき参考になりますね。

さらに、フィラメントの15v巻線をもう少し高くして特注すると、後で、定電流回路を仕込むことが出来ます(後述のとおり5V巻線を直列して利用できます。)。石塚先生によると、「ラジオ技術」2010年8月p117「球アンプは定電流点火すべし」などによると、「真空管の個性はエミッションの揺れの個性であり、フィラメントは定電流点火がよく、定電圧点火はだめ、定電流にすると6CA7が、音の純度が高い古典管のようになる、現在の球は、ダルエミッタさえ使っていないので、ノイズが大きいが、定電流点火によるとエミッションの揺れの個性を抑えられる」という趣旨ですから、大電流を流せる「Nチャンネル JFETトランジスタ, 500 mA, 3-pin TO-92」RS品番 806-1747((J105、フェアチャイルド製))等を使って、定電流点火するのが、音質向上の選択肢になりますが、後々の課題ですね。jFETは、電流ノイズが小さい特性があります。

それから、トランスの大きさも、EV−3Sとは異なるので、注意が必要です。
私は、タカチのCU−16Nを使いましたが、もしかすると入らないかもしれません。

ちなみに、EV−3Sは、内部をあけると、シリコンか蝋のような半透明の樹脂で固められていました。


上記JFET(J105、フェアチャイルド製)の定電流点火について、さらに調べました。
まず、上記5v巻線は余りで使いませんから、
特注しなくても、直列の巻線にすれば、JFETの電圧降下分を賄えます。
12AX7は、フィラメントの中点に端子があり、
その中点から電流を流すとパラレルとなり300mA、6.3Vです。
直列すると、12.6V、150mAとなります。
上記JFETでは、VGS=−0.5vのとき、
VDS>4.5Vで、300mAほぼ一定の電流がなかれますから、
0.5/0.3=5/3Ω(0.15w)の抵抗をぶら下げると,
つまり5Ωを3本並列につなげると、定電流回路の完成です。
jfet.jpg
<9月2日訂正>回路図は、抵抗の定数以外はあっているのですが、
特性シートが新旧2つあるようで、
入手して実測してみると、旧版は実質とあっていないように思え、
新版の左の図がある程度あっているようにも思えます。
放熱板がない場合には、許容されるプレート損失が0.625Wしかないので、
300mAも流すと、燃えてしまいますので危険です。
実際150mA流して、じりじり〜〜と燃えてしまいました。

また、特性図からすると、VGSを-1.2v程度に調整すれば、
<9月2日訂正>VDG=7V、VGS=−3.6〜3.8V、RGS=27〜30Ωとすれば、
150mA流れるようですから、JFETを2本パラレル用意して、
それぞれ定電流とすることも可能です。
その場合、上記抵抗は、1.2/0.15=8Ω27Ω程度へ変更することとなります。

なお、以上は計算上にすぎず、
必ずダミー抵抗などで、定電流特性を確認してからにしてください。
また、計算や接続に誤りがあるかもしれません。

<9月2日訂正>
実測してみると、VDG=7V前後、VGS=−3.6〜3.8V、RGS=27〜30Ωとすれば、
VDS=3.4V前後となり、150mA程度流せます。
温度によっても変わるので、放熱板など、さらに調整が必要です。
5V巻線を直列にすれば、+7V程度となる予定です。
定電流の特性がよいかどうかも、VGSに掛ける電圧と、抵抗値とに関係します。

12AX7の片側は、42Ω(=6.3V/0.15mA)ですから、
43Ωを3個直列して、129Ωとし、それに適切な高抵抗6.2kΩを直列して126Ωとし、
ダミー抵抗とすることを考えています。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/explaining-trans-of-marantz7-uzike-method/


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氏家式マランツ#7、真空管アンプの調整
投稿日:2015年8月25日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/marantz7-by-uzike-method-adjustment-of-triode-amplifier/

まず、前回の記事に追記しましたので、それをご覧ください。
5V巻線を利用し、直列にすれば、特注しなくても、定電流回路を構成可能です。

今日の本題に入ります。
真空管アンプの調整は、以下のとおりします。
1.まずフィラメント、B電源とも、トランスへは接続するものの、
アンプの信号回路へは接続せず、電圧を測定する。
このとき、電源回路のほうにブリーダ抵抗を接続していないと、
電荷がコンデンサへ残ってしまい、放電するには火花が散ることになるので、
必ずブリーダ抵抗で、電源オフとともに、電荷を流す。
そのために、ブリーダ抵抗は、必ず電源回路ブロックのほうに設ける。

2.次に、フィラメントだけを点火すべく、
フィラメント電源だけをアンプブロックへ接続し、
フィラメントの確認をするとともに、フィラメントの電圧を測定する。
ここで、今回のマランツ7アンプでは、いきなりトラブル発生!!
いったんは電源ランプがともるものの、数秒後ヒューズが飛ぶ(汗汗;)。2回やったが同じ。
ブリーダ抵抗に流れる電流が大きかったのかと考え、
とりあえず、B電源をトランスから外し、B電源の電圧を0にしてみると、
真空管3つのうち、2つしか点灯しない。
そこで確認すると、フィラメントの配線が間違っていました。
氏家先生の記事では、12AX7の9ピンのうち、
9ピンが省略されている実体配線図があり、
9ピンから数えると、1つずれてしまうのですね。この辺は注意が必要です。
ピン番号のいくつかを、ソケットにマジックで書いておくべきですし、
実体配線図にも、誤りを防ぐべく、追記しておくべきです。

以上の通り、真空管にB電源を通さず、試したので、
安全を期することが出来、よかったです。

3.次にフィラメントの電圧を測定します。
設定すべきフィラメントの電圧は、18.9V(直列12.6Vx2+並列6.3V)±5%となっており、
18.9V300mAです。5%の範囲にないと、寿命が著しく低下するおそれがあります。

氏家先生の回路図では、18.3Vとなっております。
電圧が異なる場合には、1000μFと22000μFの間の抵抗10Ωを
修正することになります。
この電圧は、ブリーダー抵抗によるブリーダー電流の量や、コンデンサの容量によっても変わってきます。
当初、オリジナルが3000μFであったこと、22000μFが高かったこと、
「コンデンサの容量を大きくすると、必ずしも良くない。ブリーダ抵抗で必要量の1/3を流すべき。」という前回紹介した一連の石塚先生の記事から、2200μFを3000μFとし、ブリーダに300mA流していたところ、電流供給が厳しくなったのか、供給電圧が下がったので、上記10Ωを修正しました。
PA0_0015.JPG
上記で緑がKOAのブリーダ抵抗、黒いのが巻線の10Ω。後に10Ωには並列に抵抗を入れました。

4.次に、懸案のB電源のチェックをします。
フューズが繰り返し飛ぶので、おかしいと思い、
許容電流が大きな5Aのヒューズにしてみると、
電源ランプ(上記フィラメント電源から定電流素子を介して供給)は付くものの、
煙+におい+シューという音+電圧がマイナス5V!?となり、
あわてて電源を切ると、ダイオードを逆接続していたことが分かりました。
シューというのは、電解コンを逆接続すると、そうなります。

普通のダイオードは、マイナス側に棒線が入っていて間違うわけないのですが、
ここで使ったダイオードは、ロームのSICを使ったもので、
パッケージは、足の数以外トランジスタと変わりないのですが、
仕様書の説明図が、表裏のどちらを示しているのか分かりにくく、誤ってしまったようです。
rohm.jpg
(上記の丸内、3角法では、描かないはずの線が描かれているので、混乱した。)

そこで、ダイオードを外そうとしたところ、外れないので、
からげていた部分をちょん切ることにしました。
初めから長くないダイオードの足がさらに短くなり、そのままでは足場へ接続できません。
そういうことも考え、初めから、ユニットごとに足場を設けていました。
ダイオードが気に入らないときや交換するときは、全部交換できるようにということです。
しかし、ここでは、SICのダイオードの値が高く、簡単にポイ捨てというわけにいかないので、
ダイオードの足に、平行に電線をはんだ付けして、
さらに、細いエナメル線を巻いたのち、熱収縮チューブで固めました。
PA0_0017.JPG
今思えばエナメル線では、はんだの乗りが悪く、無メッキ線を使うべきでした。

5.B電源ユニットのみを、トランスに接続し、信号回路のサブユニットへの電源供給はしない状態にします
300v程度。おかしくないので、次に移ります。

7.一応、信号部の配線をチェックします。
製作時には、チェックしながら進めていますが、
上記の通り、フィラメントの配線の誤りがあったので、再確認です。

8.B電源をいよいよ、信号回路の信号部へ供給します。
氏家先生の回路図の電圧と比較し、1ボルト程度の誤差でした。
夜間だと、電力会社がトランスを入れ替えたりするので、電圧が変わってきます。

7.パワーアンプをつないで、音を聞いてみます。
本来は、測定をするのでしょうが。。。

8.あれ?・・・音が鳴りません。??
セレクタ入力を、信号が入らない位置に、間違えていました。
前示した、オンキョーの929(過去記事「自作MCカートリッジ蝶の視聴4」)でも、間違えましたが、また間違えました。

9.いきなり音楽が鳴り始めました。
PCからですと、イヤホン端子をRCAへ変換するケーブルでつなぎます。
この接続ですと、耐入力が大きくないようですね。入力段のカソード、グリッド管の電圧が小さく、
ちょっと大きくすると、音がサチリ、ノイズが出ます。
後、ノイズが大きい。ハムと、ジーという音。
4.7kΩ入力のフラットアンプのセレクタ入力に切り替えると、
10Ω+4.7kのセレクタ入力よりも、ノイズが大きくなり、かつ耐入力も小さくなります。

次回はようやく、ノイズ対策について、触れていきます。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/marantz7-by-uzike-method-adjustment-of-triode-amplifier/


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氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策1(ハムノイズについて)
投稿日:2015年8月27日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/27/fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method/
アンプのノイズとしては、思いつくところ、4種類ぐらいあり、

@ブーン(ハム)、
Aジー(高インピーダンスラインで、電波などの飛びつきを拾う。)、
Bちりちり(連続)、
Cボン(不定期)、またはちりちりちりー(不定期)

が考えられる。

今回は、@A、特にAが盛大に聞こえた。オシロで測ってみると50mVを超えた。
(ちなみに、Bは、はんだ付け不良、Cは電解コンデンサの寿命であると考えられる。)

「@ブーン(ハム)」の要因は、
(あ)電源のリップル、(い)アースループ(アースの取り方が1点でない)
が挙げられる。
今回のアンプでは、氏家先生の記事(過去記事「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」参照)をほぼ踏襲して作ると(ただしブリーダ抵抗は43k、10mAのブリーダ)、B電源のノイズは2mVしかなく、
それにもかかわらずノイズが50mVもあるとなると、
出力に混入したノイズか、入力に混入したノイズがアンプで増幅されたか、となると見当をつけた。
ハムノイズも少し聞こえる。
1000μf+300mAのブリーダ+4Ω程度+3000μFでは、0.5v/18Vのリップルとなる。
試しに22000μFを追加すると、リップルは50mA程度となるが、ノイズはほとんど変わらない。
(ただし、音色の面でよりしっかりした傾向になったので、底面に穴をあけ、結束バンドで固定することとした。)
結局電源には問題ない。とすると、アースループが怪しいとなる。
「ゴロピカ工房」さんの「イコライザーアンプとラインアンプ」によれば、トランスをそのままシャーシーに固定しては、巨大なアースループが出来上がるとのことで、それは製作時に知って、警戒していたので、信号サブ基板の切れ端を一枚はさみましたが、改善できていませんでした。ちなみに、石塚俊先生の一連の記事(過去記事「氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足」参照)の「ラジオ技術」2011年3月p124にも理論的なことが触れられています。

そもそも、製作時には、アースループがなくなるように、相当な配慮をしていました。アース点はB電源の終端のマイナス側一点とし、入力端子では落とさないようにする(絶縁する)。サブ基板も一応、信号アースがされていますが、
メインの箱(シャーシー)とは、グロメットを介して絶縁し、アースループが生じないようにしていました。
ちなみに、ステレオアンプでは、入力端子でアース点を設けると、2点にアースするしかなくなり、アースループが出来上がります。入力端子でアース点を設けるには、おそらくモノラルアンプにするしかありません。特に左右の信号を分けて(左右対称構成で、電源トランス真ん中とするなどして)、入力端子を離すとそういうトラブルが生じます。だから、アース点はB電源の終端のマイナス側一点とするわけでして、氏家先生の記事で入出力端子がグロメットで絶縁されているのは、そのためにあるのではないかと理解しています。そしてアースループが出来上がると、単にハムノイズだけでなく、ピーンと鳴ったりして、ストレスのたまる高調波が、(耳に聞こえなくても)感じられたりします。確かに基準点は入力端子部分かもしれないが、高調波が聞こえると耳だれを起こすなど大変なので。。。今回も、V1側については、アースをかなり引きまわしているので(後の記事で後述)、ピーンというノイズが聞こえました。

・・・・・・・
その後、気付いたことは、
(A)氏家先生のマランツ7アンプの製作記事には、上記グロメットのようなもので、入力端子、出力端子、信号サブ基板が絶縁されているようですが、
グロメットの絶縁抵抗は相当に低いのです。8つも端子を設けると、10kΩを切ってしまいます。これは結構盲点かもしれません。
製作時にアースループに警戒し、絶縁がされていることをテスターで確認したときに、電流が流れて驚いたのです。
PA0_0022.JPG
上のアンプの入力端子で、黒いのを巻いています。それは製作時にグロメットの抵抗値がかなり低いことに気付き、絶縁テープ(ビニルテープ)を巻いたからでした。ビニルテープの絶縁抵抗は、テスターで測定すると2MΩを超えますが、締め付けを強くすると、テスターでも抵抗値を測定できました。そしてそういう風に修理している間に、端子の1つが壊れたので、1つ異質の端子が左上についています。
この白い絶縁素子は絶縁抵抗が十分にありました。次から作るときは、グロメットは回避すべきです。

(B)それでもハムが聞こえるので、上記トランスの絶縁が怪しく、再確認することにしました。上記サブ基板の切れ端を、トランスとの間に差し込んだつもりでしたが、上記2つの文献によれば、絶縁部材において、4つの取り付け穴を違えており、合計8つの穴が開いていました。私のものは単に、トランスと箱との間で、絶縁基板を挟んで、ネジの穴を貫通していただけなので、
トランスのねじを介して、シャーシーへ接地された状態になっていることに気付きました。つまりトランスのねじ⇔シャーシー間の抵抗を測ると、1Ωを切っていたのです。これはまずいということで、絶縁テープを巻きました。ちなみに、右下のねじ穴は、テープを巻いたのですが、導通していることに気付き、ネジ止めが後手後手になっており、後の課題です。

以上で、ハムノイズは聞こえなくなりました。なお、(B)は、ノイズ対策の最後のほうで気づきましたので、実際の検討順序としては後のほうでした。

<後日談>トランスを固定するねじは、後で透明のプラスティックに変えました。

つぎは、問題の「Aジー」というノイズについて扱います。
https://www.audio-blog.jp/2015/08/27/fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method/


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氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策2(ジーというノイズについて)
投稿日:2015年8月28日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/28/httpaudio-blog-jp20150827fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method-part2/

前回(「氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策1(ハムノイズについて)」)述べた「Aジー」というノイズは、インピーダンスの不整合なのかよくわからないが、入出力ラインから混入する可能性が高い。

そして、電源のノイズが2mVと小さいことから、50mVのノイズがどこで発生するかをオシロを見ながら探る。そうすると、入力段のノイズがアンプにより拡大しているのではないかと見当をつけた。

学生の頃、「ノイズ対策するには、電線にアルミフォイルを巻けばよい」というのを聞いたことがあるので、試してみると、ノイズが減少した。そのアルミフォイルの一端を、箱の無メッキの部分に添わせるとよりノイズが減少する。出力のラインもアルミフォイルを巻くとノイズが減少した。出力ラインは、もともとカソードフォロアでそれほどインピーダンスが高くないはずであるが、イコライザアンプということもあって、周波数調整する、47kΩの抵抗がアースと信号との間に架橋され、インビーダンスが高くなっている。氏家先生の記事では、パワーアンプの入力インピーダンスは、50kΩ以上が推奨され(そうしないと発振の危険があるそうである。「一杯の珈琲とクラシック音楽」というブログの「マランツ#7 [オーディオ]」のコメント欄参照。)

しかし、アルミフォイルだと、意図しない部分が接触して導通しやすく危険であり、管理が大変である。

<対策1>
そういうわけで、本質的対策のためには、シールド線を使うことになる。シールド線は、中芯線の周りに導線が配置されており、その導線をアースすると、中芯線のノイズをアースへ流すことが出来、ノイズが下がる。シールド線の処理は、外側の皮膜を剥いで、中芯線周囲の導線を集め、よじるとともに、中芯線も剥いでよじり、それぞれ、はんだめっきをしたら、周囲の導線と中心線とが別れる根本において、熱収縮チューブなり、エンパイヤチューブなりをかぶせて処理する。氏家先生の記事もそうなっている。

そもそも、今回のアンプでは、入力端子のセレクタ付近は、全部、中芯が1線のシールド端子で構成していたが、そのアースは、入力端子→セレクタ→信号ブロックのアース→電源のアースとかなり引きまわしているので、そういうノイズを流すアースが迂遠となっていたので、そのノイズを流す作用がいまいち効いておらず、アルミフォイルを巻いた場合にノイズが下がることとなったと思われる。
そして、(A)前回申したように、アースを入力端子でとると、ステレオアンプでは特に、2点でアースすることになり、ハムが生じる一方
(B)入力ラインのシールド線に飛びついたノイズは、入力端子付近でさっさとアースに流したいという要請は、
通常行われているような、中芯線が1本のシールド線では、矛盾する。
そこで、入力信号線の新しい流儀として、
@入力信号ラインとしては、単なるシールド線でなく、
中芯線が2本の2芯シールド線を使うのがよいのではないかと考える。
つまり、シールド線の周辺部分の導線は、迂回せずシャーシーなるべく近くにアースへ、
2芯のうち1本は、直流電源へ戻る側のグラウンドへ戻す。そうすれば、直流電源へ戻る側のグラウンドや信号線のグラウンド側は、入力端でアースされることはなく、電源のマイナス側で一点でアースすることができ、ハムを回避できる。かつ、入力信号ラインに飛びついたノイズは、上記アルミフォイルと同様の作用で、箱のアースへ流すことが出来、上記矛盾は生じない。というわけで、根本的対策は、入力信号は2芯シールドにするのがよいのではないかと考えている。近年のPCの電源を見ると、鎖状の金属線を編んだラインで巻いてある。GarrettaudioさんのTECHFLEXと同じような機能を発揮すると期待できる。

<9月2日追記>
・表皮のノイズは、シャーシーの任意のところではなく、やはり、一点アース、つまりアース母線へ接続する方が、ノイズも下がり、聴感上のストレスも下がるように思います
(「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。
<9月6日追記>
「RCAケーブルの自作」を検索すると、
シールド線の接続方法として参考となる方法がたくさん見つかります。

<対策2>
それから、アンプの出力線については、もとの氏家先生の記事では、普通の導線を最短距離で出力端子へ結んでいる。しかしそれでは、アンプの手入れをするのに、毎回その線を外す必要が生じるので、私のアンプでは、その2倍ぐらいの長さにして余裕を持たせている(この点は信号サブブロックと電源サブブロック間も同様)。そして、上記パワーアンプの入力インピーダンスが15kΩの入力トランスなので、仕方なく自作マランツ7アンプの出力線に、直列に直接手持ちの43kΩを追加していたところ、インピーダンスが更に高くなってしまい、ノイズが大きかった。それゆえ、アルミフォイルの対策が効いた。
しかし、アルミフォイルでは、他と接触して導通しやすく、トラブルが大きいので、
A根本的対策としては、
アンプの出力のホット側を単線でなく1芯シールド線とする改造を行った。
シールド線の芯線周りの線は、上記はんだめっきの後、単線をつなげ延長し、「ラグ端子GND」(秋月)、または「卵ラグ」を介して、箱(シャーシー)へつなげて接地し、飛びついたノイズをグラウンドへ流す。
ちなみに、43kΩを直列していたのは、出力インピーダンス(パワーアンプの入力インピーダンス)をいかなる場合でも、50kΩ確保するためである。上記「一杯の珈琲とクラシック音楽」のブログのコメント欄で、ボリュームを50k、100k並列にすると、合成33kとなって発振するとある。
<9月2日追記>
氏家先生の一連の記事で、このマランツ#7イコライザアンプの後段に好適なコントロールアンプが紹介されており、そこには、50kΩの固定抵抗と100kΩのボリュームが直列に入っています。つまり、プリアンプにおける50kΩの負荷抵抗というか、パワーアンプの入力インピーダンスを確保するためと思えます。

<対策3>
さらに、43kΩの出力線は、抵抗などで接地されることなく、パワーアンプの入力段までひきまわしていたので、そのパワーアンプの入力ラインでもノイズを受けていた。
そこで、上記対策2で述べた43kΩを直列して接続した、出力線のホット側を、ノイズ的に接地すべく、
Bホット側と出力端子のグランウンド側を、手持ちの20kΩ(本当は、15kにしたかったが)で接続した。

<対策4>
真空管V1の信号ブロックのアースは、マランツオリジナル(ヤフオクなどで写真を記録しておく)を見ても、アース母線がわざわざ分離されており、浮島になっている。(下の写真左側のメッキ線。左から順に真空管がV1、V2、V3と並んでいる。ネジ穴を介してV2とV3は共通アース線となり、電源へ帰還する。)
PA0_0021.JPG

直流アースについては、後々の記事で述べるが、記事にはアース処理についてはあまり触れられておらず、かなり悩んだ。交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、直流的には、上記浮島となっている以上、電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の記事を解析したところ、その写真で出力端子でマイナス側がV2と共通していることから、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思える。
<次の日に追記>
これは、少々間違いですね。出力端子でマイナス側がV2と共通しているからといって、
直ちに入力端子の位置で、V1、V2のアースが接続しているとはなりません。
氏家先生の記事を見ても、入力端子でアース母線のようなものは見えるけれども、
入力端子の位置で、V1、V2のアースが接続しているようには見えないですね。
「交流アース」と申していたのが、直流アースでもあって、
シャーシーに電流を帰還させているような気がしてきました。
なぜなら、V1のみが「交流アース」に接続され、V2、V3とはつながっていないからです。
V2、V3はアース母線を通じて、電源基板のアースへつながっているのです。

そこで、オリジナルの流儀に違反する可能性があるが、上の写真の通り、
CV1のアース側は、直接に電源の終端のコンデンサ側へ返す改造を行った(写真中央の黒い線)。
私のアンプでは以前のべたように、「アースループを防ぐため、入力信号側でなく、電源の終端のコンデンサ側へ一点アースすることにしている」から、その趣旨の徹底のためである。ここで直流アースを接続すべきコンデンサは、電圧分配された低電圧を安定化させるコンデンサとした。
この改造に伴い、アースループを防ぐため、
C−2 真空管V1入力の出力端子のマイナス側を、
V2と切り離し、V1の入力端子のマイナス側から取った。
氏家先生の記事では、徹底的にまねすべきと推奨されているが、係るCの改造をしても音質的には変わりないし(よりしっかりした傾向になる)、それだけでなく、V1側のみ生じていた「ピーン」という甲高い継続音のノイズ(発振音?)がかなり軽減された。

<対策5(将来)>
その他、将来的には、マランツ7オリジナルのV2のアースは、V3と共通だが、
共通インピーダンスの消去の観点から、
DV2も、V3のアースラインと切断し、
直接、電源の終端のコンデンサ側へ返すのがよいのかもしれない。

@の対策は、2芯シールドの入手を待っているが、まだ入手しておらずやっていない。
ABCの対策で、ノイズはオシロで測ると2mVとなり(オシロのノイズは、プローブ込みで0.8mV)、
とりあえずこれでよいことにした。
@をしなくてもノイズが下がったのは、それをしなくても、シールド線の‐側がとりあえず、箱のアースにつながっており、シールド線として機能していたのではないかと思っている。
@をすれば、電源のアース側に、かかる飛びつきノイズが混入することなく、
音の性質が改善される可能性がある。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/28/httpaudio-blog-jp20150827fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method-part2/


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氏家式マランツ#7アンプのアースの取り方
投稿日:2015年8月29日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/

氏家先生によりラジオ技術に紹介されたマランツ#7アンプは、
徹底コピーを推奨されているもののアースの取り方については、ほとんど記述がない。
特に真空管V1のアースがどのようになっているのか、
悩みこんでしまった。

前回申したように、交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、
直流的には、上記浮島となっている以上、
電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の1998年12月号の記事を解析したところ、
そのp48右上の写真で、出力端子でマイナス側がV2と共通していることは疑いなく、
また、それが、銀色のアース母線?で入力端子のマイナス側へ接続されている。

したがって、前回申した通り、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思えた(後述Aの候補)。

まず説明のため、そもそも、マランツ#7のイコライザ部は、
1つの入力1が真空管V1に入り、他方の入力2がV2に入る。
入力1は、真空管V1の片割れで増幅され、
入力2は、真空管V2の片割れで増幅され、
V3で、それぞれ入力1、2の増幅したものを受け、
2の片割れがそれぞれ、カソードフォロアを形成する。
というわけで、V1、V2はそれぞれ左右の入力を担当することになる。
以下を前提に、記事を分析して、図を書くと、以下のようになる。
マランツ7アンプのアースの取り方.jpg
<クリックすると拡大します。>

<追記:ラジオ技術の古い記事は、20年たち、各図書館でも廃棄対象です。国会図書館でコピーして下さい。>

(A)V1側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(信号サブ基板への交流アース、プラス側がV1の2番ピンへ)

(B)V2側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(V2、V3共通アース母線、プラス側がV1の2番ピンへ)

出力端子側のマイナス側は、左右共通で、V2側の入力端子のマイナス側へ接続、
というのは、ラジオ技術1998/12月p48の写真から判明しています。

入力端子にアース母線のような銀色の線が、写真に見えますが、
どうつながっているのかは分かりません。

V1の直流電流がコンデンサに帰る方法として、考えられる候補としては、
@入力端子で左右入力のマイナス側が接続され、
V1の直流電源の帰還電流は、そこまで戻って初めて、V2のアースと接続し、
V2、V3の共通アース母線へ。
つまり、上記(A)(B)を両方通って、電源のマイナス側へ帰る。

AV1のみ接続される上記サブ基板への交流アースは、
実はシャーシーと接続され、シャーシーにB2電源の帰還電流が流れて、
B2のコンデンサマイナス側へ直流電流が帰る。
なぜなら、V1のみが信号サブ基板のアースに接続され、
わざわざ、アース母線をV2、V3と切断しているから。

<9月2日追記>
マランツ#7のオリジナルのアースの取り方は、Aのように思えます。
グロメットなどは使っていません。サブシャーシーは直に(電気的に?)シャーシーに接続されています。
「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。

Bゴロピカリ様の方法
アース母線を独立して入力端子まで張り、そこでさらにシャーシーにアースする。

C私の方法
V1のアース母線から、直接コンデンサへ帰還させる(改造)。

ここで、Bは、ゴロピカリ様のサイト「風神ネットワーク 」の「イコライザーアンプとラインアンプ」を拝見して、直接メールで教えを乞うて、教えていただいた方法であり、その教えていただいたのち、サイトは更新され、現在は、そのサイトにアースの張り方につき、説明されている。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/


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氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)
投稿日:2015年9月2日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/

まず、このカテゴリ「アンプの自作」の記事を、以下を反映しながら、あちこち編集して追記しましたので、ご確認いただければと思います。

1.ネガティブフィードバック配線を忘れていました。
そもそも、9月1日にようやく、とんでもないことに、
ネガティブフィードバック配線を忘れていたことに気付きました(汗汗;)。
150902_0027~01.jpg
サブ基板上部の4つの抵抗に、ネガティブフィードバックの入出力を接続します。
ここではノイズ対策を考え、内部が2芯のツイストされたシールド線(「スタンダードコンソールケーブル 白No.2944–WH」)を使いました。
ツイストは、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトを拝見し、氏家先生の記事よりさらにノイズ対策を試みたものです。シールド線の片側は、アース母線に接続しています。もうちょっとまともな「シールド線」を使った方がいいかもしれません。

そのネガティブフィードバックを配線すると、
裸アンプでは、入力によっては、4mV〜12mVぐらいのノイズがあったのが、
入力によっては、0.2mVぐらいにノイズが減りました(ナショナルのノイズメータで測定、未校正)。
真ん中のデジタル入力の方がノイズが少ないです。これは10Ωでターミネートとし、直列に4.7kΩがホット側に接続されています。
入力線がシールド線を使っているかによっても変わります。
ネガティブフィードバック配線をすることにより、
耐入力を超えることによるサチったノイズが生じることがかなり緩和され、使い勝手がよくなりました。
その他、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」
(←全然完成していなかった(汗汗;))にも視聴結果を追記しましたので、そちらもご覧ください。

2.マランツ7オリジナルのアース方法
昔、ヤフオクで出品されたオリジナルには、詳しい内部写真が載っており
それをダウンロードして、解析に使っています。
昨日、再度確認したところ、オリジナルの信号サブ基板は、
グロメットなどを使わず、直接シャーシーに接続されている。
また、入力信号端子は、マイナス側が、シャーシーに直付けとなっており、
ホット側のみが、セレクタへ入力される構造で、
入力信号端子付近を見ると、信号線は、中芯のホット側しか、配線の引き回しがない。
ということは、微量(1mA未満)ではあるが、シャーシーにV1の帰還電流を流していることになるように思えます。
そう考えると、氏家先生の記事のマランツ#7の徹底コピーというのは、
信号回路と、両波整流後の電源部分だけであって、
フィラメントの22000μF(オリジナル3000μF)やアースの取り方は異なっているように思える。
入力ラインをいじるのは大変だから、追試はしていません。

3.その後のノイズ対策
(1)ノイズ対策をいろいろ調べると、
「モガミ電線」のサイトの「ワイヤー・ケーブルの遮蔽(シールド)」には、シールドの方法がいくつか比較されており、ツイスト線にシールドをかぶせ、ツイスト線のマイナス側とシールドを両側で接続し、一方側でアースするのがよいとされています。電流の帰還にその線を接続するときは、自動的にそのアースがされます。
聞いた感じでは、2芯シールドツイスト線の「スタンダードコンソールケーブル No.2944」よりは、1芯シールドとして、短いケーブルで接続した方がノイズも少なく、ストレスも少ないように感じました。ちなみに、当該ツイスト線のマイナス側をなにも接続せず宙ぶらりんにすると、ノイズが断然増えます。
なお、ツイストすると、磁力によるノイズ(特にハム)にも強くなるということです。
シャーというノイズの対策には、あまり効果的でないかもしれません。

(2)シールド線の周囲の線は束ねてアースするのですが、
これも、シャーシの任意の点にアースするのではなく、
一点アースへ、つまりアース母線へ接続した方がノイズが下がり、
かつ、聴感上のストレスも少ないように思えました。

(3)したがって、「氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策2(ジーというノイズについて)」で述べた「新しい流儀」はあまりよくなく、
上記モガミ電線のサイトの方法を用いるか、従来通り一芯シールドを使うべきです。

(4)セレクタを使うと、かなり入力ラインを引きまわすことになるので、
イコライザ等の用途が決まっているなら、
ノイズ対策上、セレクタはないに越したことはありません。

4.電源について
(1)氏家式マランツ#7アンプは、マランツ7アンプのオリジナルを見ると、
基本的にはそれを踏襲しているが、半波整流を両波整流に変えている。
ここで、電源はある程度デフォルメも許されるが、
石塚俊先生の一連の記事、特に「ラジオ技術」(「本格的オーディオシステムの構築へ向けて」(29)整流方法の設計法1)2014年12月p122によれば、
抵抗の直列による整流方式には、抵抗インプットといって、
電源のサプライインピーダンスを上げ、電流ノイズを下げるテクニックであるので、
みだりに変えない方がよいかと思います。
ちなみに、エミッションラボという真空管の海外のサイトでは、整流管直後のコンデンサの容量を制限しており、高い容量を使う場合には、抵抗を入れること(によりサプライインピーダンスを上げること)が推奨されており、突入電流の配慮を要求しています。

(2)私のアンプでは、石塚先生の記事に従い、
両波整流の両端電圧を、その一方を抵抗をかましてその電圧を揃えています。
その環境では、過去の経験や、その記事に反して、半波整流のほうがよいということはなく、
かえって、クリップ感やノイズ感が生じて、あまりよいとは思いませんでした。

(3)その記事では、コンデンサを増やすと、すかすかな音になるということでしたが、
フィラメント電源では、CEWというニチコンの22000μファラデーを入れた方が、
聴感上の安定感がありました。ただし、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」で述べた鉛筆に銅線を巻きつけた、空芯式のチョークインプット(沼口式チョーク)と、18Vで70Ωほどの抵抗で、300mAのブリーダを流すという条件です。
ブリーダは、上記石塚先生の記事で、「91Bに従い必要量の50%流す」を実践したのです。

(4)普通に作れば、電源のノイズは2mVぐらいになります。
ただし、氏家先生の記事の電源の実体配線図には、難を感じるところがあり、
アースの接続も、高圧から低圧へ、順に接続しないとコンデンサのフィルタの効果が少ないということなので注意が必要です(文献としては、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトの「アース回路その2」の「電源のリターン回路:」という項目では「ハムが出たからといってC1の容量を増やしても効果はありません。効果がないどころかハムは増えてしまいます。」とあり、その他(「無線と実験」2013年3月p50、「音で判別するノイズ対策」安井章)には、アンプの信号回路で、ゲインの順に設置する旨の記載がある。)

5.発振の簡単なチェック方法
・マランツ#7アンプは、高度な回路技術で、フィードバック回路を緊張状態にし、
即応性を改善しているようなので、発振しやすいことで有名である。
そこで以下の方法で、発振していないかを確認する。
・上記「私のアンプ設計マニュアル」には、簡易な測定法が方が載っており、
サインウェーブのwavファイルをダウンロードできるサイトが紹介されている。
これをダウンロードして再生し、出力端子から、変な付加振動が加わっていないかを確認する。
ただし、そのwevファイルは、長さ有限で、すぐに止まってしまう。そこで、fooberなどに「sin」という新しいプレイリストを作り、そこに単一の当該wavファイルのみを置いて、繰り返し再生を行う。
その後、音を確認する。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/


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氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火の検討
投稿日:2015年9月3日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/

<後日談>以下は、結局採用していません。定電流のはずが、素子の定電流部分の傾斜が大きいので。

150mA、18.9Vを点火するのに、
フェアチャイルドのJ105で、定電流点火を検討したところ、
以下の通り、合計電圧26V前後、J105の部分が7V前後、
抵抗が(30Ωと、390Ω)の並列とするのがよいのではないかという結論に達した。
その定電流点火が、2系列必要となる(合計300mA)。


なお、このJ105は、放熱をしない場合、プレート損失が625mWなので、
これを超える場合には、焼損の危険があり、放熱板を付けるなど注意したい。

話は戻って、抵抗値の検討方法について説明する。
抵抗値を精密に決定するには、0.1Ω等の抵抗を直列するよりも、
基本となる抵抗(ここでは30Ω)に、
調整する抵抗(ここでは200Ω〜390Ω)を並列するのが、調整しやすい。

<追記:ただし、ノイズの面では、直列のほうが好ましいはず。>

12AX7のヒーターを模擬したダミー抵抗は、計算上42Ω×3であるが、
43ΩX3の直列に、6.2kΩを並列すると、約126Ωとなる。
ブレッドボードで、ダミー抵抗と、定電流回路を直列して実験した。
(なお、下の表は、定電流回路単独で検討した結果である。)
150903_0229~01.jpg

フィラメントのコンデンサを、25V耐圧としていたが、
35V以上のものに変更する必要がある。
150903_0236~01.jpg
トランスの電流が異なる巻線の直列は、いまいち自信がないが、
必要電流量が、いずれの巻線も越えていないから大丈夫だろう。
(直列すること自体は、「大人の自由空間 トランスという厄介で存在感のある部品」というサイト参照。)

許容電流は
1.05 0.95
0.1575 から 0.1425 まで。

下で、第2欄の数値が、定電圧回路の抵抗にかかる電圧、第3欄が計算した電流となる。
ただし、電圧を高くすると、FETの温度が上がり、
電流量が時間とともに下がってくるので、その点はおおざっぱな値になっている。
電圧で0となっているのは、目標とかい離が多く、不要と感じて測定しなかったところ。
「/」は、並列した抵抗、上欄の抵抗値は、テスターを使った実測値を表している。
(低抵抗は、テスターで測ると誤差が多いとされるが、それほどおかしい値でもない。
抵抗はKOAのMOSタイプ(1%級)の2ワットである。)

30.3 オーム

5v 4.01 0.132343234
6v 4.2 0.138613861
7V 4.24 0.139933993
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

28.2 オーム

5v 3.98 0.141134752
6v 4.17 0.14787234
7V 4.17 0.14787234
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

27.857 オーム 30/390

5v 4.03 0.144667409
6v 4.2 0.150770004
7V 4.22 0.151487956
8V 4.2 0.150770004
9V 4.18 0.150052052
10V 4.14 0.148616147
7V3分後 4.16 0.149334099

27.4 オーム 30/300

5v 3.92 0.143065693
6v 4.17 0.152189781
7V 4.18 0.152554745
8V 0
9V 0
10V 4.16 0.151824818

27 オーム 30/270

5v 3.94 0.145925926
6v 4.17 0.154444444
7V 4.13 0.152962963
8V 4.14 0.153333333
9V 4.13 0.152962963
10V 4.07 0.150740741

26.8 オーム 30/240

5v 3.8 0.141791045
6v 4.1 0.152985075
7V 4.08 0.152238806
8V 4.1 0.152985075
9V 4.07 0.151865672
10V 4.05 0.151119403

26.5 オーム 30/220

5v 3.91 0.14754717
6v 4.11 0.15509434
7V 4.15 0.156603774
8V 4.12 0.155471698
9V 4.08 0.153962264

https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/


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氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火2
投稿日:2015年9月14日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/

前回検討したフェアチャイルドのj105を使った定電流点火であるが、
jFETの場合、電流が多ければ多いほど、定常部分で動作するには高い電圧を必要とする。
例えば、定電流素子のE101などは電流が少ない品種ほど、定電流特性は高性能となる。

j105を使う場合、7Vぐらいの電圧降下は必要であるが、
6.3V巻線を追加しても、25Vぐらいにしかならず、
橋本トランスの場合5V巻線で、電圧が足りなくなる。
ちなみに、15V巻線に、6.3Vを追加して、交流21Vとする場合、
巻線を逆に接続すると、巻線が相殺されて10Vになってしまう。
その場合は、一方の接続逆にする。逆かどうかは接続してみないとわからない。

j105を使う場合、j105の電圧降下は6.5Vぐらいにするしかなく、
ノイズ低減量は、15mV→6mVと1/3なった。

これでは残念ながら、性能が足りない。
前回の記事を参考にされた方には申し訳ないが、
エミッションの振れを抑圧するという定電流のメリットがなくなるので、
以下のような、シャントレギュレータTL431を用いた定電流点火を考えた。
150916_0008~01.jpg
150916_0009~01.jpg
150mAが2系統必要である。
この方式によれば、制御ICによる電圧降下は、3〜5Vぐらいで済む。
<9月16日追記>上の2つの図を訂正しました。tl431周りに誤植がありました。
<9月18日追記>上記訂正した図で、0.05μFは、セラミックでして、音が固いのでスパイクノイズが生じている可能性があり付けたものでして、アイテンドウで、コンデンサのセット([SMC-SP23] や[MCC50V-500P]など、「パーツパック」)として入手したものです。セラミックのコンデンサは、高周波においてもノイズ削減効果があり、1μFの方が聴きやすいことが分かりました。ノイズが小さくなるようです。tl431のカソード側には、tl431のピンのなるべく付け根に、このコンデンサをつけますし、コンデンサの足もできる限り短くします。容量によっては発振するので、データシートを読んだ方がよいです。tl431のカソードアノード間で5vだと2μF程度までです。また、tl431のrefとアノード間につけると、発振するなど異常な動作をするようです。

TL431は、アノード(マイナス側)、レファレンス間を2.5Vにするよう制御する。
これにより、一般的には、
TL431のカソード(プラス側)の電圧を目標の値になるようにすることができ、
この電圧が2.5V程度だと、回路は正常に動いている。
それが0.1V程度だと、トランジスタなどの接続が逆になっているなど、
接続が間違っている可能性が高い。
また、TL431には電流をたくさん流した方が ノイズ/信号比はよくなるはずだが、
余りたくさん流すと、発熱が大きくなり、1.0Vぐらいに下がってしまう場合もある。
結局、TL431には、10mAぐらい流すのが適当であるように思われる。
カソードに接続する抵抗は、今回は(直流電源の電圧ー5)/10mA程度を流す。
レファレンス電圧がおかしい場合で、トランジスタ等の接続も間違っていない場合には、
この抵抗を訂正する。
それから、TL431には、NJM431などのメーカー違いや、
オペアンプ形式などのパッケージ違いがあり、
メーカーによっては音質が異なるようであるし(ミミズクというサイト)、
オペアンプ形式の場合、形が大きいので、
透過損失容量を大きくとれ、より大きな電流を流すことが出来る。

トランジスタ(NPN)の基本は、
トランジスタのエミッタに抵抗Rを付けて接地し、
ベースに一定電圧VBを与えると、エミッタにはVB−0.65V程度の電圧が生じ、
(VB−0.65)/Rの定電流Iが流れる、
したがって、トランジスタはVBを制御することで、電流量を制御できる、
という電流制御機器と考えることが出来るという点にある。
このとき、ベースからは、I/hfeの電流が引き込まれる。
(「トランジスタ技術」2014年8月の特集p51〜参照。)

トランジスタのエミッタに抵抗をつなげている(コンデンサを並列しない)限り、
トランジスタの増幅率は、抵抗値のみで決まってしまい、
素子固有の直流増幅率hfeとは関係ないが
I/hfeの電流が引き込まれる(上記文献参照)。

ただし、hfeが大きいほど、ベースから引き込まれる電流量は小さくなるから、
その分、基準となる定電圧回路への悪影響が小さくなるので、
ダーリントントランジスタなどは、引き込まれる電流が小さい点で有利になる。

以上の説明からわかる通り、
「トランジスタは、ベース電流のHFE倍の電流をコレクタに流す」と説明されるが、
実用上は、考え方が逆である。
つまり、コレクタ電流を制御するためには、
ベース電流I/hfeを、積極的に制御入力とするのではなく、
結果的に生じるされる副産物というような考えになり(上記文献参照)、
トランジスタの制御入力は、通常はベース電圧VBとなり、
VBを制御して、トランジスタに流れる電流を調整する。

というわけで、VBに一定電圧を加えることが定電流点火の基本となる。
VBにはTL431のカソード電圧が印加されるが、
アプリケーション例に基づき、TL431の端子間を抵抗で分圧していないので、
何ボルトになるかは私には、いまいちわからない。
他の回路との相関で決まる。
分圧している場合には、2.5V×分圧比でカソードに、目標電圧が生じるので
おかしな電圧が出ることは少ないが、
この回路では、どこか一つでも接続を間違っていると、
TL431のレファレンスの電圧が0.1Vなど、でたらめな値となる。

フィラメントの設定電流値は、
レファレンス電圧(レファレンス、アノード間)/トランジスタのエミッタ抵抗値で決まる。
今回は、2.5V/16.6Ω≒150mAとなる。
ちなみに、TL431ではどういう加減か、2.41Vとなることもある。
カソードの抵抗選択が、まずいのかもしれない。

トランジスタの選択としては、NPNで0.15A以上流せるタイプで、
プレート損失が小さくないものが好ましい。
小さいものは放熱の点で不利であり、発熱が大きく、放熱板なくては焼損の危険がある。
ただし、ミミズクというサイトによると、
これらを満たしつつ、電流容量が小さいトランジスタの方が、音の点で有利だという。
これは、トランジスタの想定外に小さい電流を流す動作環境では、直線性が悪くなるのかもしれない。
それから、TL431でなく、その構成要素のオペアンプも検討してみたが、
レギュレータに使った場合でも、オペアンプの音の特徴が出てしまうらしい。
このことからすると、線形性が高い方が好ましいということだろう。

今回は、そのようなことは考えず、将来の300Bへの適用などを考え
どーーんと大電流が流せる100V7Aの2SD1415Aを使った。
今回は、電圧降下は2.5V、電流0.15A程度だから
0.4W程度で、発熱はわずかである。

ちなみに、トランジスタの熱の計算については、
ロームのサイトの「トランジスタとは?」に詳しい。
外国のトランジスタで「Derate」というのは、(25度を超えると)
その欄の数値の割合で、許容プレート損失が減少するという意味である。
また、気温(25度)+熱抵抗×ワット数が、
既定のジャンクション温度(通常125度、150度など)を超えないようにする。
熱抵抗は、パッケージの大きさにより異なる。
放熱板を付けた場合には、3度/Wなどに下がる。

以下は実装してみた図である。
150913_0048~01.jpg
クッション式の強力両面テープで、ラグ端子を張り付けた。
トランジスタは、熱の観点から、アルミまでの距離が薄くなるよう、普通のフィルム式両面テープを使った。
その上の黒い22pFのコンデンサは、楊枝で固定すべきだがまだやっていない。
トランジスタは、そのコンデンサの支えの楊枝が入るよう、微妙に位置を調整している。

なお、信号サブ基板の裏面をアップしていなかったので、ここでアップロードする。
150913_0050~01.jpg
トランジスタのコレクタ側(高電圧側)には、電源とほぼ同じリップル量の15mVが観測される。
つまり、フィラメントの印加電圧のリップルは1mV以下ということか。

聞いてみた。
泡立ちが良くなったというか、
周辺の空間情報、距離感が聞こえやすくなったというか、
きちんと制御されているというか、弾んでいるというか、
すっきりしたという感じである。

しかし、ソリッドになったというか、固いというか、
立ち上がり、立下りがより速くなったというか、
耳当たりがきつくなったという感じもする。。。
酸金のMOSの抵抗の音質かもしれないし、
エージングもしていないし、よくわからない。
元に戻れない感じは、確かにある。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/


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その後の氏家式マランツ7その1
投稿日:2019年5月4日 更新日:2019年5月5日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/

ある方に私の作ったマランツ7のイコライザ部分を紹介しているときに、marantz7のcloneを作られているサイト(「真空管アンプ作品集と趣味の部屋」)を発見し、久しぶりに興奮しました。
marantz7はモデル7kでキットを販売しており、その時の製作マニュアルが存在するとのことです。
ヤフオクで出回っているようなので、早速入手しました。

製作マニュアルを入手してみると、確かに実体配線図は詳しく書いてありますが、キットの部品が存在することを前提として書かれており、代替部品を0から調達して行うことはもちろんながら対応していません。特に、ロータリースイッチ6個と、レバースイッチのうち3つは、特殊な特注品が使われており、入手性を考慮すると、配線を変更せざるを得ない可能性があります。そこで、いろいろ調べることにしました。
なお、汎用のロータリースイッチで配線を構成する方法は、後日紹介。

<参考文献>
「marantz7k ASSEMBLY MANUAL」実体配線図、回路図が記載されています。ただし、当然ながら特注のロータリースイッチの使用が前提。また、回路図は、特注のロータリースイッチの使用が前提になっている。

「Marantz 7 File Sharing」 回路図が記載されている。

「ニューロ機工さんのMaranz#7 control amp (copy)」
このサイトにある、誠文堂新光社の「ステレオアンプ実体図集」、これもヤフオクで買いました。ここのサイトにある2ページのほかには、マッキントッシュのc22の実体図以外には名機をコピーしたページはありませんでした。このサイトに引用された2ページが特に重要でした。ロータリースイッチのうち、bassとtrebleについて、構成方法が書いてあります。bassについては、このサイトの図のように、5段5回路11接点のうち、2段、4段を削除し、3段はただの足場として使う(マランツ7kのマニュアル(特注部品のロータリースイッチを使った回路図)ではなくて、上記7cの回路図のほうが近い)。trebleについては、3段11回路のうち、2段目を削除する改造を行い、3段目をただの足場として使う。段を削除する改造をするのは、段間の距離を稼いで、パーツを付けやすくするため。

「マランツ7k プリアンプ」に記載の参考文献、特に「(1)無線と実験’79年3月号 森川氏の7k製作記(全13ページ)」、「(7)無線と実験’97年9月号 森川氏による#7と#7SEの比較記事(7ページ)。回路図あり。」が参考になるかと思い、図書館の書庫で入手しました。しかし入手してみると、上記ASSEMBLY MANUALを持っていれば、それ以上に、一通りのクローンを構成するだけのために手助けになることが記載されているようには思いませんでした。これらの文献によれば、配線材は、基本的には20番の単線(ベルデン#8528)、セレクタースイッチからピンJに至るまで、20番の撚線(ベルデン#8523、#8524)のようですが、入手はむつかしいように思います。私が作るなら、「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」のジュンフロン銀メッキ線にエンパイヤチューブをかぶせると思います。

「ヤフオク」:過去のヤフオク等で、オリジナルの実体配線図が紹介されていたり、レバースイッチが出品されているので、それを参考にする。

「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」:弊サイトで紹介した氏家式マランツ7のページ。国会図書館で入手。その回路図や実体配線図については、氏家氏本人が執筆されているのではと思われるようなサイト(「マランツ#7 (EQのみ)製作」)があります。

<部品等>
マランツ7サブパネルの端子ねじ: 海外では、正式名称は「turret terminal」と呼ばれます。 正式名称を散々探しました。「terminal screw」で探すと、端子ブロックのみがヒットして困惑することになります。
現行品では、貫通して導通しているタイプの、ネジ式のものは探しても見つからず(あればご教示いただければ幸いです)、keystoneの「1613-1」〜「1613-4」が代用できるのではないかと思います。
ラグ端子は、keystoneのようですが、11連は販売されていません。

ロータリースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
selecter switch:5接点2回路 1段 30度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
mode switch : 8接点10回路 5段 20度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
treble switch:11接点1回路 2段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点1回路3段等)
bass switch:11接点2回路 3段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点4回路4段等)

レバースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
7play or monitor:2段(両面)2接点(2段階上下)  (ギターの修理パーツ)
7equrizer:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7R:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7H:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))

裏面パネル:上記cloneを作られているサイトのクローン2作目(「2代目Marantz7 Clone」)に、図面とレタリングのpdfが掲載されています。正面パネル、背面パネル、内部のサブパネルについては、上記「ステレオアンプ実体図集」に図面の記載がありますが、汎用の箱を流用しており、完全にサイズをコピーしたものではありません。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/


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その後の氏家式マランツ7その2
投稿日:2019年5月5日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/


改めて、自作の氏家式マランツ7(イコライザ―部分をプリアンプとして使う)を聞いてみました。
後述の通り、片チャンネルが接触が悪く、あまり聞いていませんでした。

パワーアンプは、91Bタイプです。
このマランツ7を追加したところで、それほど変わるわけではないですが、克明さや説得力、旨味が増すような方向に思えました。すさまじい速度感、立ち上がりの速さ、これでもかという強いアタック。ある意味、ごつい音かもしれないし、聞き疲れする音かもしれません。JBLのブックシェルフで、大型スピーカーのように鳴っていました。ウェスタンの755パンケーキをエルタスで聞いたときは、大型のホーンと同じような分厚いサウンドでしたから、スピーカーとアンプが良ければ、必ずしも大型スピーカは不要です。

なお、若干アレンジしています。フィラメントを、定電流点火で、コンデンサを10000ufにしたりなど。

片側チャンネルだけが、音が出ないトラブルがことがあるトラブルが時々生じたので、調べてみると・・・
サブ基板のアース端子につながる2つの端子を、2枚の卵型端子で別々に絡げ、ねじで締めあげて導通していたので、ねじが緩むと、音が出ない状態でした。
ねじを締めると、あっけなく治りました。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/


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marantz7 クローン計画ーロータリースイッチの回路図の読み方
投稿日:2019年5月6日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/

marantz7t ASSEMBLY MANUALをヤフオクで落札できたので、簡単にコピーできるのではないかと思っていたが、まずその回路図がマニュアルのどこに掲載されているのだ?(70頁に掲載)から始まって、回路図を見ても、ロータリースイッチの記号が意味が分からなくて困った。次にその記号の意味が分かったけれども、これらが特注品であるので、汎用品に落とし込まなければ。。。
順に説明する。

<ロータリースイッチの記号について>
marantz7t ASSEMBLY MANUALのロータリースイッチの記号が意味が分からず、いろいろ調べても説明するサイトがない。


「Marantz 7 File Sharing」の「Marantz 7C • Schematic • Size Ledger or A3」からmode switchの部分を引用

いろいろ調べて、ロータリースイッチの画像などを検索すると、ようやく理解できた。この図はスイッチの構造そのものを模写していると分かった。

以下のロータリースイッチ通則17頁の図によれば、16導体板は、つまみの回転に伴って回転する12ローターに固定されている。回転しない11ステータ(ガラスエポキシ、ホウローなど)には、14大端子、13小端子、15中継端子が固定されている。

16導体板の内側の円まで伸びている14大端子は、16導体板が回転しても、16導体板と摺動しながら常に導通を保つ。通常は14大端子は、1回路に1つのみ。

13小端子は、複数個が設けられており(小端子の数が、通常は接点数になる。)、16導体板が所定の角度に至ったときだけ、16導体板のうち外側に突き出た突起(青い丸印の部分)が接触する。これにより青い丸印にある13小端子は、16導体板を介して、14大端子と導通する。

このようにして、複数の小端子 対 1つの大端子で接続を切り替えるようになっている。この例では、14大端子は2つあり、14大端子1つに対応してそれぞれ6つの13小端子があり(6つの接点の中から1つを選択)、12ローターの回転に伴って、同時に2つの回路が切り替わる(2回路6接点)。汎用のロータリースイッチは、2回路6接点を実現するため、1つの半円の導体板の中だけを摺動するようになっており、180度以上回転しないようにストッパーが設けられている。

ロータリースイッチ通則17頁

ロータリースイッチ通則18頁

「ロータリスイッチ通則 – 防衛省・自衛隊」(pdf)17頁、18頁から引用(ただし青い丸は加筆した)
上記を理解したうえで、ロータリスイッチ通則18頁を見てみると、円の内側まで伸びている矢印がある○12、○6が大端子で、通常は、常に導体板と導通がある部分であり、その他の短い矢印が小端子である。この図では、1,7の小端子が、導体板を介して大端子と導通する状態になっている。

矢印がない部分○5の中継端子は何も導通していないが、部品を固定するただの足場としてのラグ端子となっている。

ここで改めて、marantz7のmode switchを見てみよう。内側の円にまで突き刺さる矢印が上記のロータリスイッチ通則18頁の大端子に相当する。短い矢印が小端子である。大端子は、選択された入力を、出力バランスを調整する抵抗を経て増幅回路へつなぐ。

ところが、marantz7のロータリースイッチは導体板が特殊であり、汎用品なら導体板の突起は1回路のみを選択できるよう1接点分の幅しかないが、複数接点分の幅が設けられているものが多々あり、この特殊仕様により、小端子も導体板の回転時に導体板と摺動しながら一定の角度の間、接触を保ったり、直接に小端子同士接続したりするなど、複雑な接触状態を1つの回路で実現できるようになっている。また、このモードスイッチは特殊であるので、汎用品のように半月状の導体板内だけで摺動して接続を保つのと異なり、大端子は、半月状の導体板内を超えて、いったん接続を切り、他方の半月状の導体板へ移動して、ステレオの左右逆を実現するようになっている(図はステレオのポジションで、さらに時計回りに30度回転する。なお、この回路図は、正面パネルから見た図であり、実際の導体板は、左右逆のものが裏側に見える形で設けられている(marantz7t ASSEMBLY MANUAL p35)。)。

もちろんながら、メーカーがこのような特殊仕様に応じてくれるかは不明であり、択一的な接点選択のみが可能である汎用品で構成するなら、複数回路に分けてこの複雑な接触状態を再現するしかない。

ばうmasatdm900@gmail.com より:
2020年12月19日 6:38 AM
初めまして。
とっても参考になりました。
真空管ラジオをレストアしています。
余りにも埃やら接する金属表面の酸化が酷くて、分解しようと作業し始めてみたら、中のローター部が外れてしまい、何が何やら?になりました。裏と表は別の回路になっていて余計に困惑しました。
外す前に、配線写真、ローターの位置写真をこまめに撮っておく大切さを学びました。無事組み立て完了したら、今度は接触不良に見舞われまして、摺動板表面にハンダで盛り上げて成功しました。
長い時間活躍した真空管ラジオであればある程、手を加える必要がありました。
理解し易い図もありがとうございました。

yama より:
2020年12月19日 4:26 PM
マランツ7のクローンを作っている方に伺ったら、市販品のトウソクのロータリースイッチで回路を再構成するということだったと思います。
(ここの頁を示しながら、教えを請いました。)

金属表面の酸化については、ピカールがよいという風に、youtubeで勧めていますね。
結構取れます。お勧めです。
ウェスタンサウンドインクの91bの製作記事(「300B book (別冊ステレオサウンド) 」参照)では、
酸化膜を取り除いて、予備半田をしたうえで、はんだ付けをするのが当然、と書いてありますね。ノイズ面では重要なところかもしれません。
以前、紙やすりでやろうとしましたが、大変すぎて挫折した覚えがあります。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/

28. 中川隆[-13718] koaQ7Jey 2022年2月12日 11:17:41 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[23] 報告
ゴロピカ工房 自作オーディオ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm

このコンテンツは私が作製したアンプを紹介するだけのコーナーです。
私は、ここで紹介しているアンプの製作をこのコンテンツをご覧になった方に勧めるものではありません。アンプ作りには多くの知識・ノウハウを必要としますし、またその製作過程の中には危険を伴う場合があるからです。それと私の作品には私の独創的回路はありません。いずれの作品も技術誌、HP等を参考に製作したものです。

マランツ#7イコライザーアンプ(上)とラインアンプ(下)

2006年2月25日
今後LPを買う予定はまったくないのですが、なんとか良い音で聴きたくなって真空管式プリアンプとして有名なマランツ#7のイコライザー部をコピーしました。
外観は左のとおりですが、中身の製作法は氏家高明氏の著書を参考に、極力その手法を真似ています。下のラインアンプはイコライザーやCDを切り替えることと、入力信号を数倍増幅し、メインアンプに充分な電圧の信号を与えるためのものです。

光の具合で上下の色が違って見えますが、まったく同じ材料で、同じやり方で作っています。高さ以外のサイズも同じです。
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm


イコライザーアンプとラインアンプ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm

■イコライザーアンプ
 

有名なマランツ#7のイコライザー部を作りました。
内容は『UZIKEアンプ』(氏家高明さん著)を参考に、氏家さんの製法を極力踏襲しています。

私はイコライザーアンプは、かつて2台製作しました。
一つは学生時代に作ったマッキントッシュC22のコピー版。それから1年半後にMJ誌掲載された安井章氏のものです。この安井式アンプは、その後27年も使うほど音質は気に入っていました。しかし去年の冬、事情があって友人のK君のところにお嫁入りしてしまい、そうなるとLPを聴くならC22コピー版しかありません。

ところがこのC22コピー版は正直言って失敗作なのです。
まったくの休眠状態で、たまに思い出したかのように音出ししても音の輪郭の甘さ、低域の弱さ、高域の伸びの悪さ、ヌケの悪さはどうしようもありません。

天下の名器といわれたマッキントッシュC22の音質とはこんなものか、とは思いません。私の技術の未熟さもあるでしょうし、ひょっとしたら部品を間違ってしまった(100Kの抵抗を10Kにしてしまったとか)かもしれません。

安井式アンプがなくなったので久しぶりにC22コピー版をひっぱり出して蓋をあけたら、我が作品ながらこんな作り方をしていたのかとびっくり。まず、ヒーターの点火電圧が低すぎます。
12AX7を3本直列にして点火するので37.8V必要なのですが、31V位しかありません。これではカソードが充分熱せられず、特性にもかなりの影響があるでしょう。

次に球の配線状態に愕然。12AX7の二つのユニットを左右に振り分けて配線しています。
つまり
右:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

とすべきところを
右:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

としていたのです。(同じ色のカッコが1本の球です)
いうまでもなく、12AX7の二つのプレート間にシールドはないので、信号が一方から他方に飛びついてしまいます。当時はそんなことを考えて配線してはいませんでした。高域の甘さ、ヌケの悪さは、案外こんなところが原因かもしれません。

プリント基板(そもそもこれが自己流)で作っているので改善するなら最初からやり直す以外ありません。そうこうしているうちにネットで知り合った氏家さんから、マランツ#7は目眩を起すほどの好音質と聞き、C22コピー版も古いしそちらを作ってみるか、とはじめた次第です。

●回路の疑問

回路は次のとおりですが、少々気になるのは時定数3段のNFBということです。C22コピー版を作った時#7と回路の比較をしましたが、この時定数3段が#7を作らなかった理由なのです。そして2段目から初段に22pFを使ってわずかに正帰還をかけています。氏家さんに言わせれば時定数3段のNFBと共に、この正帰還があるため常識破りの音質が得られるとのことです。

マランツ#7のイコライザー回路には私程度の者でも感じる疑問点がいくつかあります。

初段のグリッド〜アース間につながれた47kと1Mは意味不明。それとグリッド〜カソード間の100pは不要です。
この47kと1Mは、47kを1本グリッド-アース間につなげばいいと思うんですが。

100pを付ける理由は大体わかります。放送局が近くにある強電界の地域では、まれにわずかですが放送を受信してしまうことがありますから、メーカー側としてはユーザーのクレームを回避するためにやむなくこうしていると思われます。これは不要ですがせっかくだからつけておきます。

次に動作上の疑問は、初段と2段のIpは0.3〜0.35mA位になりますのでこの設定では12AX7のEp-Ip特性のカーブがやや寝ているところを使うことになり、12AX7の動作としては直線性上も、歪的にも少々不利のような気がします。さらに初段のカソード抵抗が4.7kと12AX7にしてはかなり大きくなっています(だからIpが小さい)。2段目に至っては6.2Kという大きさです。
初段も次段もプレート負荷は270Kと比較的大きく、大きなカソード抵抗と合わせてIpを絞ってプレート電圧とバイアス電圧を確保しています。

初段のカソード抵抗が大きければ3段目の負荷がやや軽くなりますが、交流的には初段のカソードから250μのコンデンサーを通して510Ωの抵抗が並列につながっていますから合わせて460Ωになり、4.7kはほとんど無視された恰好になります。250μは510Ωを直流的に切り離して初段のバイアスを保つためと思われますが、この510Ωがあるために交流的にはかえって重い負荷になっているのです。仮に4.7Kが3段目の負荷を軽くするためだとしたら、2段目に6.2Kを使う理由は何なのでしょう?単にIpを少なくするためとしか思えないのです。そうだとしたら2段目のIpを少なくするのに何のメリットがあるのでしょう?

ここで『UZIKEアンプ』の一節を思いだします。
氏家さんは電圧増幅には電流(Ip)はいらない、と書いています。また#7の設計手法に大きな影響を受けたとも書いています。あるいはこのことと関係があるのかもしれません。

そして最大の疑問はカソードフォロア段のカソード抵抗(負荷抵抗)がわずかに27.68Kということです。Ipは2mAに近く、12AX7の動作としては異例というほかありません(C-22は330K)。
交流的にはこの27.68Kに1Mの抵抗、RIAA素子のインピーダンス(100Hzで245K、1000Hzで59K、10000Hzで12K)、初段で合成される460Ω、さらには私の場合、ラインアンプの100kのボリュームにつながりますから、交流的負荷はますます低くなるのです。

以下は私の想像ですが、カソードフォロアの出力インピーダンスは1/gmになります。gmはIpに伴って増加するので、#7の設計者は少しでもIpを多く流してgmの大きい(12AX7のgmなんて知れていますが)領域を使って負担を小さくしようと思ったのではないでしょうか。もっともそうだとしたらもっとgmの大きい球を使えば済むわけなのですが・・。

これらの設定は私には理解の外ですが天下のマランツ。私などには思いもつかぬ深い考えがあってのことでしょう(と自分に言い聞かせています)。

電源部はとりたてていうほどのものではありません。
B+の整流はファースト・リカバリ・ダイオード、ヒーター部にはショットキー・バリア・ダイオードを使っています。

高圧の電解コンデンサーは市場の原理が働き、今では本当に入手難です。チュブラーはUNICON、ブロックはJJです。この二つもいつまで供給されるでしょうか?

入手難といえば、トランスのEV-3Sが見つからず、ST-30にすると掲示板に書いたら氏家さんがISOの特注品を譲ってくださるとのことで助かりました。

 

LEDには15mAのCRDを直列に入れてあります。万が一12AX7のヒーターが断線して電圧が上がってもLEDが破壊されないよう保護するためです。それとどれほど効果があるかわかりませんが、電源トランスの一次側にはノイズフィルターを入れておきました。

●製作

今回一番大変だったのは、サブ・シャーシーの加工と、基板作りでした。 私は力はないし、不器用だし金属加工はニガテなんです。『UZIKEアンプ』の実体図をほぼ原寸に拡大コピーして、これを切り抜いてベーク板やアルミ板に貼り付けて加工していきます。


チクショウメ・・・これでロクな音が出なかったら、ネットで茶@のヤツをコキおろしてやる・・・などと思いながら、危なっかしい手つきで金ノコやドリルを使ってギコギコと加工していく私でありました(笑)

氏家さんはベーク基板にピンを埋め込みましたが、私は適当なモノが見つからないし、ピンは基板の裏でハンダ付して固定するわけではないので、なんとなく不安定です。そこで3φのボルトナットで代用しました。

基板を作ってからCR類を取り付けますが、これがある意味、実に面倒です(笑)
私は今まで実体図を見ながら配線をしたことなんてありません。すべて配線図だけで行なってきました。氏家さんには失礼ながら、実体図を見ながら本当にこれでいいんだろうな? と疑いながらの配線です。

パーツは抵抗はリノケーム、カップリングコンデンサーはASC、電解コンデンサーはニチコンです。
氏家さんの作品と違って本機はイコライザーだけなので、負帰還のCRは基板上に空中配線しました。
それと増幅部の2箇所のアースは入力端子近くのLPプレイヤーのアース端子につないでいます。
電源のLED点灯にCRDを使ったこと、RIAA用のCRの空中配線、増幅部のアースのとり方。この3点が氏家さんのやり方と違うところです。あ・・あとケースも(笑)


それにしても私は今までこんな不思議なアンプは作ったことがありません。
回路上の疑問もさることながら、ベーク基板上の配線のことです。必ずしも最短で結ぶ配線ではなく、わざわざ迂回したり増幅部ではアースを2点でとったり。

 

ケースはTopの写真のとおり、300Bアンプ方式です(^。^)
ホームセンターで買った板とアルミを、これまたキコキコと加工して板にはビニールシートを貼り、アルミはスプレーで塗装しました。

さてケースにトランスをはじめ、増幅基板、入出力端子等を取り付けて結線。一発で音出しに成功しました・・・しかしなんということか。ハム音も元気いっぱいなのです!

こりゃ困った。こんなにハム音が大きくてはどんなに音が良くても話にならん・・・・。音からしてトランスからの誘導ではなく、アースのとり方以外に考えられません。電源スイッチを切るとハムはすーっと消えます。アースがループになってハムを拾っているとしか思えません。

アースは増幅部に2箇所、電源部に1箇所あります。つなぎ方を変えたり、ひょっとしたら平滑回路の容量不足でリップルが乗っているのか・・いや違う・・・試行錯誤すること2日間。もうほとんど諦めかけた時、ふと閃くものがありました。

大変な間違いをしていることに気がつきました。
電源トランスはシャーシーにネジで固定し、電源基板はトランスの上にL金具で固定してあります。このため電源基板(アースが落としてある)はトランスを通してシャーシーにつながれ、特別に結線しなくともアースされていたのです。
これははじめから承知していました。アースにつながっているんだから結線する手間が省ける・・・・。

まったくうかつでした。
これでは電源基板→増幅基板→入出力端子→シャーシー→トランス→電源基板の巨大ループができてしまうのです。トランスとシャーシー間を切断しなくてはなりません。トランスをシャーシーから浮かせるため、トランスーシャーシー間に絶縁体としてCDのケースを挿入してテスト。
OKです。ハム音はほとんど聞こえなくなりました\(^o^)/
で、実際のトランスは左のようにベーク板を使ってシャーシーから浮かしています。

アースのとり方は左のとおりです。赤い線が電源〜増幅部のアース線です。
増幅部と入出力のアースはシャーシーの1点に集中させています。

プリ、特にイコライザーのアースは微妙な要素があって本当に難しいと思います。もっとも今回の原因は私が手抜きしたためですが(笑)
これがメインアンプなら、おそらくまったく問題にはならなかったでしょう。解決には2日かかりましたが、これくらいで済んだのは運が良かったのかもしれません。

ハムは実際にはほんの少し残っています。このアンプの初段はカソードが交流的にアースされていないのも原因の一つかもしれません。
電池駆動でもない限りハムを皆無にするのは不可能ですから、ある程度のところで妥協することも必要です。今回は納得できるレベルでまとめることができました。

ホッと一息ついて、各部の電圧をチェックしたところ氏家さんの配線に比べてB+は5V、ヒーター部は0.5Vほど高めです。これ位の誤差ならピタリといっても差し支えありません。初段と2段目のプレート電圧は左右で5〜10V位の差があります。これは負荷抵抗の誤差というよりは12AX7自体のバラツキのせいでしょう。負荷抵抗が270Kと大きいのでわずかなバラツキ(Ipの違い)でも電圧差は大きくなるわけです。ちなみに使用した12AX7はナショナル製で(T)となっています。

●試聴

最初にかけたLPはWe Get Requetst / Oscar Peaterson(1961年録音)。
続いて手持ちの中から高音質と思っているモノをたて続けにかけてみます。
Crystal Silence / Chick Corea & Gary Burton(1971年)、Ballads Burton / Ann Burton(1967年)、Big Blues / Art Farmer(1972年)

素晴らしい音質です。自画自賛かな(笑)
思わずLPってこんなに良い音だったの?!、と思ってしまいます。

各楽器の伸び、輪郭の明瞭さ、透明感、余韻等、今までとは全然違います。音量を絞ってもその傾向はほとんど変わりません。
従来はピアノのハーモニーが時には暴れて音が濁る傾向がありましたが実にきれいにハモります。
今までLPは増幅段数が増えるため(イコライザーのこと)音が甘くなるのはやむを得ない、と思っていましたが大変な間違いであることを知りました。

■ラインアンプ


 

さて、イコライザーアンプはできました。

しかしイコライザーの出力だけでは、あるいはCDプレーヤーの出力だけでは少々力不足です。 第一LPやCD等の入力を切り替えられません。そこで急遽手持ちの部品を適当に使ってラインアンプを作りました。新たに買ったのはトランス、入出力用ピンジャック、真空管ソケット、電解コンデンサー位なもので、10000円位で仕上がりました。超ローコストです。

球は箱の中にゴロゴロしている6AU6の三結。16dBほどの負帰還をかけて2.3倍程のゲインになっています(計算上)。これでボリュームは夜中は9時、昼間は10〜11時の位置で充分。13時ではうるさすぎになりました。

P-G負帰還の特性上ボリューム位置の変化とともに入力インピーダンスも変わるし、仮に電源スィッチが切れていても(アンプは動作していなくても)、出力端子には微量ですが入力信号が伝わるという薄気味悪いアンプでもあります(笑)

SN比は抜群。ボリュームをMAXにしてもハムもノイズもまったく聞こえません。ケースのデザインや高さ以外のサイズはイコライザーとまったく同じに作ってあります。
それにしても・・・これって、氏家さんに何か言われそうだなあ(笑)

 

■今、我家はこういう状態です

イコライザーの上にラインアンプを乗せてあります。これにΠの字型に作った板をかぶせ、その上にCDプレイヤーを乗せました。

http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm

29. 中川隆[-12973] koaQ7Jey 2022年8月04日 20:09:28 : ARYgnObj4Y : Zkh4MjlwMXhVaFE=[1] 報告
和山通商 中華真空管アンプレビュー ~オーディオ放浪記A×中華ガジェット研究所A~
2021/05/18
https://www.youtube.com/watch?v=NZzHX9uZcro




オーディオ珍放浪記A第二弾

中華ガジェット研究所第二弾

「やめて!国産の真空管アンプが高すぎて、ケチって中華真空管アンプを買ったら、オーディオに繋いでいる他の機器まで燃え尽きちゃう!お願い!動いてよ真空管アンプ!あんたが今ここで動かなかったら、せっかく買ったスピーカーはどうなっちゃうの!?機材は揃ってる…ここを耐えれば、最高のオーディオシステムが完成するんだから…!

次回、『トグルスイッチ、死す』
デュエルスタンバイ!」

…と言いつつ9割がた満足してるんだよなぁw

立ち絵…折田凪沙(Yakumo Kossoff式)

中華ガジェット研究所の動画↓
「疑似ニキシー管時計(LED製)レビュー」
https://www.youtube.com/watch?v=wGJDC...

オーディオ放浪記@
「既設システム編」
https://www.youtube.com/watch?v=IUdsc...

和山通商公式サイト
https://wayamatuusyou.ocnk.net/produc...
「雷鳴」(旧「手作りスピーカー屋」)サイト
https://speaker.easy-myshop.jp/c-item...

30. 中川隆[-12964] koaQ7Jey 2022年8月04日 20:41:44 : ARYgnObj4Y : Zkh4MjlwMXhVaFE=[11] 報告

安物真空管でいい音だそうのコミコミュのfu32アンプ


mixiユーザー
2014年01月04日 13:32
和山通商と言うショップで売られているfu32アンプをご存知でしょうか。激安!
いじって遊ぶのに最適と思います。外観そのままでppに改造するのも楽しそうです。
どなたか買った方いらっしゃいませんか?


[1] mixiユーザー
01月05日 19:20
部品集めや、シャーシ加工の手間を考えると、安い買い物ですね、この価格ですと購入してみようと血が騒ぎます。この価格でアウトプットトランスは、どの程度のものですかね?

[4] mixiユーザー
02月18日 21:41
そそのかされた友人が先に買いました。写真は現在の友人宅で正常動作中の画像ですが、到着した時はボリューム・シャフト折れ、FU32ソケット割れ、電源及びOPT曲損のすごい状態で来たようです。すぐに返品を要求しましたが破損部品を送ってきただけで返品には応じられない由。さすが中国4000年の歴史。日本のように歴史の浅い国では考えられません。国際郵便でも放り投げているのでしょう。コーヒー豆とちゃうんやから。でも音はまともです。現在は。三結無帰還なのにDFも2くらいありそうです。バックロードでもボーボー言いません。ご希望の方には友人の作った回路図差し上げます。UPしたらいかん様に思いますので。


[5] mixiユーザー
04月21日 18:34
私のも来ました。無事に。無傷でした。これがフツーであることを希望いたします。外観の違いは私のはスタンダードモデルだからです。回路は同じようです。音はまともです。聞くほどにまろやかになって行くのが分かります。
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=294427&id=75536085

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