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(回答先: 音楽家とオーディオマニアは音楽の聴き方が違うか? 投稿者 中川隆 日時 2019 年 10 月 15 日 06:50:30)
ウィルソン・オーディオ、最新制振素材V-マテリアル採用のインシュレーター「Pedestal Isolation」2020年08月04日
ウィルソン・オーディオは、オーディオ機器用インシュレーター「Pedestal Isolation」(ペデスタル・アイソレーション)を8月18日から発売する。価格は3個480,000円(税抜)で、取り扱いは(株)ステラ。
3個で税抜48万円
Wilson Audioのインシュレーター「Pedestal Isolation」
Pedestal Isolationは、小型モニタースピーカーTune Tot用のアイソレーションベースを発想の発端に、ウィルソン・オーディオの振動制御技術を応用して開発されたというインシュレーター製品。
底部にはダンピング素材、ハウジングには非磁性ステンレス製を採用。内部の制振素材V-マテリアルと、粘着性のあるダンピング素材が振動を最小化し吸収、熱として消散させるという。
3個セットで販売、追加用のバラ売りもあり
サイズは直径56.5mm、高さ34mmで、1個あたりの質量は0.24kg。耐荷重は1個で11.34kg、3個で34kg。アンプやトランスポート、ターンテーブルなどの下に置いて利用するもので、スピーカーの下には利用できないとしている。
https://www.phileweb.com/news/audio/202008/04/21844.html
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万策堂の私的オーディオインプレッション by pansakuu | 2020-08-07
Wilson audio Pedestal Isolationの私的インプレッション:キング オブ インシュレーター
https://pansaku.exblog.jp/29128533/
楽観的な人は、困難の中にいつも好機を見つける。
ウィンストン チャーチル
Introduction:
ここ数か月、ハイエンドオーディオの業界は、
なかば静止したかのごとく、動きが少なかった。
新たなオーディオシステムの開発は、少なくとも見かけ上はやや停滞しており、オーディオショウが中止になってできた余暇を使って作られた機材ですら、どこか行き所を失っているようにも見えた。
こうしている間にも
いくつかの製品を試聴することができたのは幸いだった。
だが、それらはあくまで新製品ではなく、数年前から存在していたものの、試す機会がなかったものが多かった。そして何より、それらのサウンドが精彩を欠いていたものだから、ここに感想を書くような気分にもなれなかった。
かくて私は沈黙し、リビングに引き籠っては、ひたすらに音楽を聴いていた。
聞けば2020年の世界のオーディオショウはほぼ全て中止されるとか。
もともとの退潮傾向とあいまって、今年はハイエンドオーディオにとって、かつてない逆境の年になることが予想された。
一方、手持ちのヘッドホン環境は特段の変更を必要としないほどに完結した音を奏でていた。
中でもdcs Bartok+とRossini Clock、これにコンパクトでシンプルなブラック仕上げのCDトランスポートCHORD CodaとFinal D8000を組み合わせたシステムの使用頻度がすこぶる高い。これはPCを通すオーディオと異なり、常に一切のトラブルなく安定して音楽を聞かせてくれるシステムであり、信頼性がとても高い。
私はTIDALやQobaz、Amazon music、Roonなども使うけれど、メインにはなっていない。
CDを買うかどうか、音を確かめるために使うくらいだ。CDショップにある試聴機のような位置付けである。
まず、アレらは音質が私の評価基準からすれば、自分のCD再生システムの音に比べて、遥かにいいとは思えない。また、何より聞いている内容を誰かに見られているというのは、あくまで個人的なものであるべきオーディオの原則から外れていると気づいた。さらにストリーミングでいつでも聞ける音楽には、一期一会のスリルを感じ取ることもできない。ストリーミング・サブスクには出ていない、レアな音楽の入ったCDをショップで見つけたときのワクワクは、オーディオを続ける動機になっている。それに数日に一度は襲う、何回か再起動すれば治るようなちょっとしたトラブルも面倒のタネだ。やはり私は古い人間なのだろう。時代につれて音楽に対する価値観が変わったことは認めるが、これに全面的に同調する気分にはなっていない。
また、CDを聞くシステムはアナログプレイヤーを送り出しとする構成と比べても使いやすさが際立っている。CDの場合、注意深くサファイヤカンチレバーを盤面に降ろすというような神経を使う儀式がないうえ、一枚のアルバムを裏表の掛け替えなく落ち着いて聞き通すこともできる。
しかも、ここにあるCD再生システムはじっくりと手をかけただけあって、さりげなく音が良い。
そんなわけで、このところ私は自然、CDを多く買うようになっていた。
ヤコブ ブロ、カート ローゼンウィンケル、ロイ ハーグローブ、マルティン ヴァシレフスキ、マカヤ マクレイヴン、ブライアン ブレイド、マーク ジュリアナあたりのニューウェーブなジャズアルバムを買い漁っては、深く聞き込む日々は愉しい。
ただ、こんなことを続けていても、
サウンドの中身自体は前に進まないのが気になる。
音楽はこれでいいけど、音は、これでいいのか?
この音質で満足して終わってもよいとも思えぬ。
もっと先の音の風景、もっと別な音風景も見てみたいものだ。
かくも長きオーディオ不在の時、空白の時間を過ごす私に、素晴らしい音質を誇るインシュレーターが偶然に届いた。米国の老舗スピーカーメーカー、ウィルソンオーディオが発売したPedestal Isolation podである。
振り返ると、これまでも随分な数のインシュレーターやボードをテストしたり、実際に購入したりしてきている。自分ではもうインシュレーターやスパイク、ボードなどいわゆる“下モノ”には飽きたと思っていたほどだ。しかし、そんな倦怠感に似た思い込みをこのインシュレーターは一撃で打ち砕いた。
この手の製品を色々使うなかで、現在、手元に残っているのはイルンゴの皮革製インシュレーターSonorite、J1projectやオーディオリプラスのスパイク、最近お気に入りのCrosspoint製のカーボンフットベースであるXP-FB56、TechDasのInsulation base、アンダンテラルゴのスパイク受けSM-7X , エスカートのEVA、イルンゴのアピトンボードぐらいだ。こうして生き残ったモノは、恐らく試したり買ったりした“下モノ”のうちの5%ぐらいではないか。こういうものはオーディオ機器の中ではそれほど高い部類でないし、借りるのも容易だから、気軽に試聴したり購入したりしがちなので、かなりの数を経験してしまったのだろうが、実際の採用率は低い。
この勝ち残りの中で音質のみでなく、使い勝手やコストも総合的に考えて一番お勧めできるのがイルンゴのSonoriteかCrosspointのXP-FB56である。それはこのPedestal Isolationを体験した後でも変わらない。
Wilson audio Pedestal Isolationの私的インプレッション:キング オブ インシュレーター_e0267928_09254269.jpg
しかし、今まで試した中で、価格や大きさ、使いやすさなどを抜きにして、音質上で最も効果が大きかったもの、つまり究極の音響性能を持つもの、いわばインシュレーターの王様と呼べるようなものを挙げよと問われた場合、これからはPedestal Isoration podと答えるとしよう。
これを経験するまでインシュレーターにこれほど積極的に音を変える力があるとは思っていなかった。Pedestal Isolation podは私の“下モノ”に対する見識を変えたハイエンドインシュレーターでもある。
Exterior:
Wilson audio Pedestal Isolationの私的インプレッション:キング オブ インシュレーター_e0267928_09254011.jpg
届いたのは3個組の円筒形インシュレーターである。直径は約6cm,高さ3cmで重さは240gほど。手に取ると特殊な振動吸収素材を削り出しのステンレスハウジングに収めたもので、入念の造りと見た。
上側に広い硬質なゴムのような素材でできた中央が僅かに窪んだ平坦面があり、下側には一円玉くらいの大きさの丸みを帯びてやや突出した軟質ゴムのような素材でできた面がある。
小さなパンフレットが付いているので、その細かい字を読むと、このインシュレーターは大きい面を機材の底面にセットし、小さい面は下に向けると書いてあるから、こういう上下関係でいいはずだ。
ただPedestal Isolation をネットで検索すると、小さい面の方を機材の底面側にしてセッテイングしている写真も出てくる。これは間違った使い方のようだ。今回、私は上下逆の置き方も試してみたが、聴感上でもはっきりとマニュアル通りの置き方のほうが音がよかった。
側面に巻かれたステンレスのハウジングはヘアライン仕上げが施され、その胴の部分は僅かにくびれている。こういう細かい形態の変化も単なるコスメチックな加工とは思えず、音質を上げるための。なんらかテクニックなのかもしれない。
Wilson audio Pedestal Isolationの私的インプレッション:キング オブ インシュレーター_e0267928_09254018.jpg
上側の平坦面を指で押すと中にスプリングが張ってあるかのように、面の平坦性を保ったまま、面自体が弾むように動く。中にはVマテリアルと名付けられた特殊な素材が仕込まれているというが、その実物は見ていない。下面の丸みを帯びてやや突出した部分は柔らかく、指で押すと簡単につぶれるような素材であるが、指を離すとたちまち復元する。
全体に特殊な弾性素材を複合的に使ったインシュレーターらしく、リジットにして明確に支点を取り、出音をソリッドに仕上げるタイプではなく、不要な振動を除去して、音の純度を上げるタイプと思われる。
Wilson audioは長年にわたりスピーカーメーカーとして、そのエンクロージャーにつきまとう有害な振動と闘ってきた経緯があり、その道のりで多くの新素材を開発してきたことで知られる。このインシュレーターに使われるマテリアルもその研究過程で生まれたものらしい。
ただ面白いのは、このインシュレーターはスピーカーに使ってはいけないということである。これはマニュアルにはっきりと書かれてある。スピーカー専業メーカーのインシュレーターなのに。これはどういうことなのか。響きを殺してしまい、音がつまらなくなるのか。今回はモノの個数が足りず、スピーカーに試してみる機会はなかったが・・・・。
Wilson audio Pedestal Isolationの私的インプレッション:キング オブ インシュレーター_e0267928_09254286.jpg
最近のWilson audioのスピーカーは高価だが、これはエンクロージャーに使われる新素材のコストに関係があると聞いている。どういうマテリアルをどう使っているのかまで分からないが、このインシュレーターの価格もかなりのものである。おそらく、この手のインシュレーターでは米国の現地価格でも世界で最も高い部類ではないか。(日本の正規代理店を通した価格はもっと驚くが・・・・)こうなると価格が価格だけに、それに見合う活躍が期待される。
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実際に置く。
まず使う機材の重さを知るべきだろう。このインシュレーターは一個11kg程度しか支えられないことになっている。例えば大型のパワーアンプなどでは4個以上必要になると考えられる。基本セットは三個組なので、使う機材に応じて個数の計算と、場合によっては買い足しが必要である。なにせ高価なので、個数が必要なハイエンドモノラルパワーなどにいきなり使う気になれないかもしれない。まずはプリアンプ、プレーヤーに対して3点支持で使うことを考えるのがよかろうと思う。
Pedestal Isolationを横から見ると上面のすぐ下に白い線が見え、上に物を載せると沈み込んで、この線が細くなってくるのだが、この線が全部隠れるまでは機材を載せることができるという。
実際にやってみると、 私のCDトランスポートやDAC、クロック、プリアンプ、アナログプレーヤーなどは全て3個で載せることができる。そして嬉しいことに、上記のどの機材に使っても十分に効果が実感できる。しかし、やはり一番よく効いたのは回転系、CDプレーヤー・トランスポート、アナログプレーヤーであった。ただアナログプレーヤーに関しては、このような弾性系のインシュレーターを使い、プラッター上で完璧にフラットな面を出すことが難しいということがあり、ここに示すインプレッションは主に手持ちのCHORD Codaトランスポートで行った結果と考えてほしい。
なお、ここで再度強調したいのは、少なくとも私のところでは、アンプやクロックに使っても回転系に使うのとそれほど遜色ない効き目があったということ。一般にインシュレーターは回転系を乗せた場合以外は、比較的、音の変化の幅が小さい場合が多いが、今回はそれほどはっきりと音質に変化が訪れるということだと思う。つまりPedestal Isolationは例外的に良く効くインシュレーターなのである。
また、置き方、すなわち機材の底面のどこに置くかによる音質の変化はあまり大きくなかったということも言い添えておこう。つまり置き方の自由度は高く、底面に出ているデフォルトのフットやネジの頭を避けて設置しやすいということになるのである。
また、このインシュレーター自体は比較的高さがあり、重心はやや高くなるものの、インシュレーターの上下面は機材の底面や床面に若干吸い付くような感じがあり、セッテイングを終えると総体としてしっかりと安定していることも有り難い。
現実に設置してみると、使い勝手は悪くないモノなのである。
The sound:
インシュレーターやスパイク・スパイク受け、ボードなど、機材の下に置くあるいは敷くもの全般を私は「下モノ」と勝手に呼んでいるが、この”下”という漢字を使った大雑把な命名はそれらが単に機材の常に下に置かれるモノであるのみならず、音の上でも縁の“下”の力持ちと呼ぶべき慎ましさを持つモノ、音質に対する貢献としても常にプレーヤーやアンプに対して一歩下がった位置からの引き立て役と言うべきモノであったからだ。
いつも彼らは前面には出ず、いつも舞台の下で裏方のようにして働いてきた。
その働きは必要不可欠ではあったものの、常に地味な、間接的に音に作用する存在だった。
ところが今回のPedestal Isolation podは自分の音を堂々と主張するようなところがある。彼は、良い意味であまり慎ましいとは思えない、直接的な存在なのである。
まず何か“下モノ”を使って、これほど音のスケール感が引き出されたという経験がない。
このインシュレーターを使うと音が伸び、存分に拡がってゆく。本当はこんなにも音は拡散しおり、その広がりをマイクは捉えていたらしいという現実に出くわし、驚きは小さくない。音の響きが豊かになり、その響きの深まりが音場の広がりとして認識されるせいであろうか。とにかく音場が深堀され、また広がって聞こえる。これはスピーカーのセッテイングを見直したり、モノラルパワーアンプを導入したりした場合の、いわゆるステレオフォニックな意味での音の広がりではないような気がする。視覚的に例えれば、こちらの視力が上がり視野が広がって、漠然としか体感できていなかった音場がはっきりと、しかも深く感得できるようになった状況ではないだろうか。これは音場そのものの深まり・広がりというよりは音場の気配の広がりが感じやすくなったようでもあり、何らかのノイズが下がることで、微かに音場に漂っていた気配の成分が聴取しやすくなった結果なのかもしれない。この音場に触れることができるような不思議な肌感覚は忘れがたいもので、私はこれを購入することに決めた理由となっている。
しかもこの感覚はCDトランスポートなどに使ったときだけ出るのではない。外部クロックのような、一般にインシュレーターの効力を実感しにくいものに使った場合でさえ、その機材に十分な重さや大きさがあれば、ある程度引き出すことはできるようであった。
それから音に明らかな潤いや柔らかさが加味される。古い茶室の壁に触れたときのような、かすかだがはっきりとした生物的な湿り気や、押すとへこむような、へこまないような微妙な感覚までがこちらに伝わる。この触感は非常に高度なアナログディスクな感覚と相似があり、デジタルサウンドにさらなる精気を与えてくれる。このような手で触れられるかのような特別なテクスチャー、もしかすると、それらは悪く言えばこのインシュレーターの音の癖なのか。また、こういう部分に感覚を向けると音のフォーカスが僅かに緩んだようなところもなくはないか。いや現実、全てのものがはっきり・くっきりとしている状況こそ不自然だろう。むしろ昨今のPCを通したデジタルサウンドに欠けている部分がさりげなく補完されているところに吾(われ)らはアドバンテージを見るべきだろう。
またこれをセットすることで、音像の遠近感、音像が音場に張り付かず、飛び出してくるような立体感、各音源の分離の良さが確実に向上してくることは見逃せない。
これらの変化は普通に優れたインシュレーターのような耳を澄ませば、奥ゆかしく感じられるようなものではなく、直接に否応なく耳に届くレベルのものである。この製品は主張するインシュレーターなのである。
なるほど優れたインシュレーターは細かな音を拾い、音の解像度を上げる。また音の支点を明確にして 焦点のよく合った定位の良い音像を結ぶ。このインシュレーターはハイエンドインシュレーターとしてのこの手のスタンダードは初めからクリアしている。だがそれだけだと音は全体に硬化し、柔軟さが削がれるきらいがある。この製品については、今までのインシュレーターに対するアンチテーゼのようなプラスαに新味がある。
このインシュレーターは鷹揚な雰囲気、ゆったりとして上品で贅沢な空気を醸し出すことにも特徴がある。これはこの機材の生み出す、低域の質感に由来するのだろう。
ここにある低域のたっぷりとした量感により、陰影を含んだ音の深み、音全体の姿をピラミッドバランスに整え、大地に根を張る神木のような、安定したゆるぎない音像が現れる。この朗々を歌うような低域の風格こそは王者の称号に相応(ふさわ)しい。このメーカーの作意が凝縮したかのような低域は、昔のマッキントッシュのアンプなどに聞かれたものにもやや近く、近年の新型機にはあまり聞かれない類のものかもしれない。最近は低域のスピード感や解像度があまりに重視され、若書きの絵のような早急でスレンダーなタッチの低域になりがちで、私自身はそういう傾向には飽きてきた。例えばスティービーワンダーの音楽の滋味は低域の量感が確保されないかぎりは理解しにくい部分があるし、現代の、例えば凛として時雨のアルバムを聴いてみても、低域をたっぷりと歌わせることで、あの素敵なベースの堪能度は変わってくる。こういう低域があるべきだ。これは古くて新しい低域であり、音楽の解釈をオーディオによって変える契機ともなりうるのだ。
ひるがえって、この幾分クラシカルな王の低域は、この帯域をシステムがきちんと処理できるかの試金石ともいえる。ヘッドホンであればFinal D8000などの低域の扱いを得意とする訳知りのプロダクトでなければ、このインシュレーターの真価を知ることは難しい部分はあるだろう。
つまり、このインシュレーターは高度なシステムであればあるほど、有意義に働くという側面がある。結局は適用するシステムにもそれなりの音質レベルを要求する。
例えば極めてワイドレンジであるゆえ、非常に深い低音まで出せるスピーカーシステムなどがそれにあたるだろう。大音量再生時に同室の送り出し機器のデーター読み取りに、そのスピーカーの放射する強烈な低音が影響を与えているのは間違いなく、そういう影響を削減して、スピーカーの持つ低域の本来の姿をあらわにすることなどは、このインシュレーターの得意とするところなのである。
ともあれ、この機材を用いることで、今まであまり感じたことのないような音の広がり、豊かさ、潤い、低域の質感、遠近感、立体感、分離の良さなどがはっきりと音の前面に押し出されてくる。このインシュレーターをシステムの適切な部分に適用すれば、そのシステムトータルのサウンドは予想もしなかった威風堂々とした雰囲気によって、再解釈されることになろう。このような従来の概念を越えた音の風格が、このインシュレーターを敷くことで、リスニングルームに横溢するところに、Wilson audio Pedestal Isolationをインシュレーターの王と呼びたくなる理由がある。
さて、他にも高級なインシュレーター、ボードはハイエンドオーディオ界には点在している。
ちょっと考えただけでも、フィニッテエレメンテCerabase、 Ansuz Darrkz d-tc, Kriptonピュアチタンインシュレーター、Crosspointのカーボンインシュレーター、オーディオリプラスのGR-SS、KRYNA Dprop、ローゼンクランツPBインシュレーター、Wind bellのWB-30、Silver RunningのDEVICE、ハーモニックスの桜材のインシュレーター、振動から隔離するものとして代表的なリラクサボードやAcoustic reviveのRMF-1も忘れることはできない。これらはどれも価格相応とは言えない場合もあるが、それぞれに出音に対するそれなりの影響力は持っており、試す価値はある。しかし今回のPedestal Isolation podほどのプレミア感を持たされたものは他に存在しないと私は思う。ここには唯一無二の鷹揚さ、様々な音の好みを懐柔するような懐の深さ、身を任せたくなるようなリッチな雰囲気があり、それはまさにハイエンドオーディオの王道を行くところである。
Summary:
世界的に、誰しも経験したことのない異常事態が続くなかで、全くの不要不急であるオーディオが人の心の支えとして、この先も生き残っていけるかどうか、あるいは、コロナ禍抜きにしても音楽を取り巻く環境も急速に変化する中で、ハイエンドオーディオという趣味が生き残ってよいのかどうか、その存在価値がシリアスに問われている時がいまである。
元来、オーディオとは、まずその音質で存在の証(あかし)を立てるものだ。
このような状況下にあっては、音質にあまり貢献しないと思われる機材は、ほぼ誰にも知られないまま、すぐにも消えてなくなる運命にある。しかし、多くの機材の中には、本当は素晴らしい音質を持っているのに、その使いどころが地味過ぎて気づかれていないため、無視されたまま消えてしまうものもある。私にはそういうものを取り上げて紹介してオーディオの多様性を維持したいという意図がある。
今回取り上げたWilson audioのPedestal Isolationはそういった私の意図を刺激する。これは見かけ上は冴えない外観だし、価格はかなり高価だし、Wilson Audioは有名とはいっても、YGやMagicoにときめいている日本のハイエンダーたちには、そのブランド名は過去の栄光としか見えないだろうし。
ましてや得意とするスピーカーでもない製品、いや、そのスピーカーすら使ってはならぬという変なインシュレーターに対して、多くの人が食指を動かすとは思えない。
下手すればこれほどのモノでありながら、誰も顧みない可能性があると私は考えた。
だからこそ、私はこのジャンルにも王が存在(い)ることを示そう。
手を替え品を変え、苦難は繰り返し訪れる。
ビルに飛行機が突っ込んだのあの日が最後でもなく、
地面が大揺れし、放射能が空にまき散らされたあの日が最後でもなかった。
今日は目に見えぬウイルスの圧力が世界を覆いつくそうとしているのを私は見ている。
私は恐らく、もう若くない。
数年ごとにこんなことの繰り返しは正直しんどい。
いつになったら平穏な日々が続く日々が戻るのだろうか。
いや、そもそもそんな平穏な日々など
我々人間に与えられた試しはなかったのかも。
なんとなく希望を失ったような気がする我々は、
これから自分で希望を作り、未来を楽観しなくてはなるまい。
私にとってオーディオとは
世の中を楽観的に見るため、続けてゆくべき何かなのだ。
https://pansaku.exblog.jp/29128533/
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Pedestal Isolation - Wilson Audio | Stella inc.
https://www.stella-inc.com/wilson/page/pedestal.html
FEATURE製品の特長
長年にわたる制振素材の研究成果を製品化した
世界最高性能の汎用インシュレーター
ウイルソン・オーディオでは、創立以来現在に至るまで科学的なアプローチによる振動制御の研究開発を続けています。共鳴と共振が音質に悪影響を及ぼすことに40年以上も前に注目、それ以来、共鳴の無い最高のコンポジット材の研究開発はウイルソン・オーディオにとって常に最優先のテーマであり続けています。研究開発の成果は、常にその時々の新製品に取り入れられ、ウイルソン・オーディオ製品の進化を下支えしています。
Pedestal Isolation は、ウイルソン・オーディオが持つ振動制御技術を応用した、オーディオ機器用の制振インシュレーターです。発想の発端となったのは、先に開発された小型モニタースピーカー Tune Tot 用のアイソレーションベースです。このアイソレーションベースを使うことによって、従来振動が絶縁できなかった共鳴しやすい本棚や机の上でも Tune Tot 本来の音質性能を発揮できるようになったのです。アイソレーションベースのための研究を行なったエンジニアリングチームは、この技術を応用することにより、汎用性の高いアイソレーション製品を創ることができることに気がつきました。その結果、絶対的な制振を実現する新製品 Pedestal Isolation が生まれたのです。
切削アルミニウムとウイルソン・オーディオの最新素材
「 V -マテリアル 」を組み合わせた振動吸収構造
アンプやプレーヤーなど全てのオーディオ機器にとって振動は音質を劣化させる厄介ものです。目で見えない触ってもわからないようなミクロな振動が音質に多大な影響をもたらします。Pedestal Isolation は音質に害のあるミクロな振動を体系的にしかも効果的に吸収します。
機器の設置面に触れる底部は比較的小さく設計されたダンピング素材です。この底部素材により設置面から伝わる振動を一部吸収します。次に振動エネルギーは非磁性ステンレス製のハウジングへと伝わります。ここで素材の質量と剛性が有害な振動エネルギーを熱に変換します。 さらに内部の制振素材 V - マテリアル が振動吸収の次の段階を提供します。 V - マテリアルは Pedestal Isolation 内部の粘着性のあるダンピング素材とともに振動を最小化し吸収、熱として消散させるスプリングとしての役割を果たします。
オーディオ機器側から見ると、オーディオ機器の底面が接する上部のパッドにオーディオ機器からの振動が伝わり、そこで振動エネルギーの一部が吸収されます。さらに残った振動は V - マテリアルに直接誘導されそこで効果的に吸収され熱として消散されます。
SPECIFICATION
製品構成 3個セット(追加用のバラ売りもあり)
耐荷重 1個につき 11.34 kg
3個セットで 34 kg
それより重い場合は Pedestal Isolation を追加してください
ご注意 スピーカーの下に置いて使うものではありません
アンプやデジタルトランスポート、パワーサプライ、ターンテーブル
などの音響機器にご使用ください
製品寸法 直径 56.5 mm X 高さ 34 mm
製品質量 0.24 kg /pc
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