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前段管は何が良いか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1053.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 5 月 05 日 16:55:36: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 真空管のメーカー選び 投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 12 日 20:06:04)

前段管は何が良いか?


オークション情報〜3台の300Bアンプ〜 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年05月03日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e67f3130a06f5d6e64838ca4d467a73a

今のところ真空管アンプを複数持っているので取り立てて購入するつもりはないものの、それでも万一「掘り出し物」があればと日頃からネットオークションを怠りなくチェックしている。

とりわけ「300Bアンプ」については、それなりに敬意を払って注視しているが、今回はたまたま同時期に出品された3台のアンプを俎上に上げてみよう。

以下はあくまでも個人的な意見なので、差し障りがある方はどうか軽く受け流してくださいね(笑)。

✰ AIR TIGHT ATM−300 Anniversary//30周年記念限定モデル


「AIR TIGHT」というブランドは使ったことがないが、すぐに故障するとか音が悪いとかの評判はこれまで一度も聞いたことがないのでおそらく堅実なメーカーさんなのだろう。

このアンプは2016年モデルで当時の販売価格は88万円、使用時間は1時間程度とのことでほぼ新品同様。

そして、肝心の落札価格はといえば「78万円」だった。

出力管が純正の「WE300B」ではないこと、前段管にミニチュア管を使っていることなどを照らし合わせると、はっきり申し上げてこのお値段なら購入しない。

プリアンプならいざ知らず、パワーアンプにミニチュア管を使っているといかにも貧相な音が出てきそうでイメージ的に拒否反応が起きてしまう(笑)。

✰ カンノ製作所 メインアンプ 300B−MN 2台


真空管アンプ愛好家の間で定評のある「カンノ」製の300Bアンプで、しかもモノラル形式の2台だし、出力管は純正のWE300B(1988年製)とくればどこまでお値段が上がるのかと期待(?)していたら落札額「895,000円」というカンノ製にしては常識的な価格に落ち着いた。

カンノ製のトランスは有名だしこれまでにもたびたび他家で聴かせてもらっているが、どうも相性が良くないようで「飛びつきたくなるほど欲しい」という気になったことは一度もない。

ごめんなさい、自分の耳が悪いんです(笑)。

それに今回のアンプは前段管に「6SN7」というミニチュア管に毛の生えたような球を使っていることにも賛同できなかった。芸が無いというのか、とてもWE300Bに相応しい球とは思えそうにないのがその理由。

このお値段であれば自分なら、さらさら購入する気にならない(笑)。

最後は、

✰ 新藤ラボラトリー SHINDO LABORATORY/Western Electric 300B SINGLE 真空管モノラルパワーアンプペア


定評のある「新藤ラボ」のWE300Bシングルアンプ(モノ×2台)とくれば、おそらく100万円は軽いだろうと値踏みしていたところ、結果は「111万T千円」という線に落ち着いた。

市販の数あるWE300Bアンプの中では頂点に位置するアンプだと思っているのでそれ以上行ってもおかしくはない。

球の構成は前段管に「WE310Aを2本」「出力管はWE300B」「整流管はシルヴァニアの274B」と、いかにも王道スタイル。

ただし、有識者によるとこの「310A」という球をうまく使いこなせる達人ともなると国内でもごく少数に限られるという話である。

また、出力トランスは定かではないが名門「TRIAD」という噂で、これだけ素材がそろえばさぞかし「いい音」が出ることだろう。

お値段相応かどうか、一度は聴いてみたいですね(笑)。

以上3台の「300Bアンプ」だったが、気になったのはいずれも「インターステージトランス」についての(オークションでの)解説が無かったこと。

「300Bアンプはインターステージトランスに何を使っているかで決まる」とさえ言われているのにこの有り様。

最後に、各アンプの高いか安いかの価値判断はそれぞれのご自由にお任せするとして、もしそのくらいの金額が準備できるのであれば自分なら使用する球やトランス類を指定して信頼のおける方に特注し、作ってもらうのが一番賢いやり方ではないかと思っている。

例えて言えば「建売住宅」と「注文住宅」の違いといえばいいのだろうか(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e67f3130a06f5d6e64838ca4d467a73a
 

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コメント
1. 中川隆[-12778] koaQ7Jey 2020年5月05日 17:00:59 : Wu2Pehh8fA : cjFrUGJaUC5TSmc=[19] 報告
「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ -
「音楽&オーディオ」の小部屋 2019年05月21日
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#cbtm

あれは2週間ほど前のことだったろうか。
「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」
「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」
笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。


ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、
「はい、このところ古典管が品薄になってきているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。
アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。
「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。
我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。
   
構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ〜ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。
これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。
   
左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。
最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/688.html#cbtm

▲△▽▼


真空管「6SL7」の球転がし - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2019年06月02日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/256cc1ec60469778b4edb6d10d0819b8

忘れもしない先月の5月20日に我が家にやってきた「6AR6」アンプ。
  
詳細は以前のブログ「地震情報が取り持った新しい真空管アンプ」(2019・5・21)に記載した通りで、試聴用としてお借りしたアンプだが早くも2週間が経った。

じっくりと腰を据えて聴かせてもらっているが、何よりも音の鮮度が高いのが魅力的。

「真空管式のパワーアンプはインターステージトランスが入ったものじゃないとダメ」というのがこれまでのポリシーだったが、このアンプならむしろ音の鮮度が落ちそうなので現状通りの無い方がいい。

「音がいいことで知られる名管「PX4」(英国)の特性にそっくりです」という麻薬みたいな台詞(北国の真空管博士)も相当効いているのもたしかだ(笑)。

今のところ、どこといって欠点が見当たらないアンプなのがどうも”癪”に障るので耳が変われば違った意見が聞けるかもと近くのオーディオ仲間に来てもらった。
スピーカーを「AXIOM80」にしていろんなCDを聴いてもらったが、これがまあ絶賛また絶賛。

「既存のアンプでは出せない音質です。AXIOM80を鳴らすのならこのアンプがベストじゃないでしょうか」。

やっぱり誰が聴いても同じですかねえ・・・。

現在、貸し出し中を含めて8台のパワーアンプを持っているが、そろそろ整理して財源を捻出しようかという切実感がふつふつと湧き起こってきた(笑)。

それはさておき、このアンプには初段管として「6SL7」(電圧増幅管)が使ってある。その昔、「6SL7」に凝った時期があるのでこの球に関してはいろんなブランドを所持しているので「球転がし」をやってみた。
   
左から「CV569」(英国STC)、「ECC35」(英国ムラード)、「6SL7」(シルヴァニア)、「6SL7」(GE)、「6SL7」(RCA)

これら5本を差し換えながらブランドでどう音質が変わるか、これはもう真空管アンプの醍醐味ですよね。

「初段管でこんなに音が変わるんですか!」とは仲間の率直な驚きの言葉だった。
クラシック好きの観点からすると、自分の心の中ではテストする前からイギリス系の「CV569」「ECC35」が優勢だが、仲間の意見も大いに参考にしたい。
それでは、こまめに差し換えた結果は次のとおり。仲間と自分の意見を総合したものである。

☆「ECC35」(ZAREX:ザイレックス) 
「ZAREX」ブランドだがこれは商社の名前なので、おそらくムラード製ではないかと思う。ネクタイを締めた紳士のような「かしこまった音」だが品の良さは流石に英国製だ。
「品って何?」と問われても困るが「奥ゆかしくて想像力というかロマンを掻き立てるような音」といえばいいのだろうか。
音楽を鑑賞するうえで「ロマン」がとても重要な要素になるのはもう「言わずもがな」ですよね。

☆「6SL7」(シルヴァニア)
一言でいえば「あっけらかんとした」音としか言いようがない。いかにも陽気なアメリカ人といったところだがもっと深みが欲しいなあ。

☆ 「6SL7」(GE)
「μ(ミュー)=増幅率」がひときわ高いようで元気がいい。鮮度も高いしはつらつとした音だがやや腰高になる。「AXIOM80」にサブウーファーが欲しくなったのはこの球だけだった。

☆ 「6SL7」(RCA)
GEの後で聴いたせいかとてもバランスが取れている気がした。ボーカルでは艶があるし音の切れや鮮度も申し分なし。ジャズだけ聴くならこれで十分。


☆ 「CV569」(STC)
「ホールトーンの響きはこれが一番ですね」とは仲間の言葉だが、とにかく「品がいい」に尽きる。さすがはSTC(ロンドン・ウェスタン)。

ただ、STCブランドの球の共通点は中高音域の比類ない美しさに比べて低音域がどうも薄目のような気がして仕方がない。今回もその例に漏れなかった。
以前、北国の真空管博士にこの疑問を率直にぶつけてみたところ「いいえ、規格通りの設定をきちんとしてあげればそういうことはありませんよ。STCはウェスタンと互角、あるいはそれ以上のメーカーですからね」とのことだったので自分に限っての現象だろう。

いずれにしても、以上のことから自分なりにベスト3を上げると、「ECC35」、「6SL7」(RCA)、「CV569」(STC)となる。

とにかく、このアンプは回路がシンプルなので真空管の個性がもろに出るところが楽しいし、音もたいへん魅力的だし、まったく手放す気になれない(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/256cc1ec60469778b4edb6d10d0819b8

2. 中川隆[-5803] koaQ7Jey 2021年4月12日 09:38:12 : F28bjgJ4Vg : aHFqN2tuN21FdDY=[15] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
トライ&エラー〜アンプ編〜 2021年04月12日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/22e403df0cac00d257110e21a187056b


AXIOM80(復刻版)とオリジナル版との差を縮めるために「トライ&エラー」を繰り返しているが、「スピーカー編」は一応目途がついたので次はアンプ編といこう。

1 プリアンプ

手持ちの3台のうち先日のFさん(福岡)に聴いていただいたのは「JADIS」(フランス)のプリアンプで、これも悪くはなかったけど気分転換のために「安井式」に変更。

これは「12AU7」を4本使ったプリアンプだが、銘柄次第でガラリと音が変わるのでテストのし甲斐がある。

初段の2本を東芝、ナショナル、シーメンス、RCA、ムラードと次々に代えて試聴したが、ひときわスッキリ爽やかで清澄感が冴えわたっていたのはRCA(赤文字付)だったので、これで決まり〜。

2 PX25シングルアンプの登場

我が家のアンプ群の中でWE300Bアンプに次いで期待しているのがこのPX25アンプ。

「インターステージトランスが入っていると、とりわけ前段管で音が変わりますよ」とは、有識者(北国の真空管博士)の弁だが、このアンプを何とか「WE300B」並みのレベルに近づけたいというのが積年の思いである。

そもそもPX25はイギリス産の球なので「AXIOM80」には同じお国柄としてマッチしているはずとの思いが消えることはない。

そこでだが、自分に弄れるところは前段管と整流管の選択ぐらいなので、これまでそれこそいろんな球を「トライ&エラー」してみた。

まず、アンプのSN比と透明感を左右する「整流管」(交流を直流に換える球)については、「WE422A」(1958年製)で役不足は無かろう。

問題は前段管の選択である。

たまたま、このアンプはソケットの差込口を2種類、増幅率(μ=ミュー)の違いを3段階の切り替えスイッチで調整できるようにしてもらっている。

上段、左から「MHL4」(オスラム)「AC/HL」(英国マツダ)「GSX−112」

下段、左から「LS7」(GEC)、以下STC群の「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」の3タイプ

これまで、これらの7ペアをコツコツと収集し折にふれ試してきた。

はたしてそのバカさ加減を嘲笑されるのか、それとも執念深い熱心さに感心してもらえるのか、読者のご判断にお任せしよう(笑)。

今回の対象は小振りの箱に容れた「AXIOM80」なのですっかり様相が変わった。じっくりと時間をかけてこれらの7ペアを「ためつすがめつ」試聴してみた。

真空管アンプはこういう「球を差し換えて音の変化を楽しむ」ことが簡単にできるところが良い、これだから真空管アンプは止められない(笑)。

その結果、これまで見向きもしなかった「MHL4」と「AC/HL」が急浮上したのには驚いた。

何しろ「μ」が前者は20前後、後者は30前後とこれらの中で大きい方なので元気が良くて溌溂とした音が出るのが特徴。

その点、STCなどは聴き疲れがしないし、品のいい音は出るんだけど「μ」が小さいだけにあまりにも控えめ過ぎて、もう少し野性味が欲しい気がした。

ただし、これも周辺環境次第でアンプ内蔵の「インターステージトランス」(UTC:Aー19)の容量が増えれば大いに挽回のチャンスがある。

いずれにしても、お値段が3倍ほど違うし部品も回路も凝りに凝っている「300B」アンプと比べるのは、はなから酷だがどうにか聴ける状態に到達した。


これらの2つの「秘策」を講じて「F」さんの再度のご来訪を迎える準備が整ったことになる。

Fさん、前回に懲りずにいつでもどうぞ〜(笑)。

最後に、今回のスピーカーとアンプの「トライ&エラー」を通じて痛切に感じたことは、やっぱりオーディオはいろいろ理屈をこね繰り回すよりも、そんな時間があったら即行動に移す、つまり「やってみなくちゃ分からん!」に尽きますね〜(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/22e403df0cac00d257110e21a187056b

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