http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/380.html
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フォローアップ投稿をしようとしてメモ帳を立ち上げて一気に書いたら、元の投稿を見失ってしまった。
どこだったか見つからないので、こちらに投稿。事前調査も読み直しもせず、一気に書いたので、大ポカやってたらすんません。
かつて、ローマが衰退したとき、ローマの一部の勢力は旧来の皇帝制度を改め、宗教と結託してその権力の延命をはかった。後の神聖ローマ帝国の誕生である。この、支配構造の変化に注意して頂きたい。これと同様の転換が、近い将来生じるかもしれない。
さて、「帝国」についての考察が阿修羅ではあまりされていないようなので、簡単に振り返ってみる。神聖ローマ帝国が、世界に大きな支配力をもつ背景になったのは、属国の自治を認めるという「連邦制」のモデルとも言える支配体型を持っていたからである。中枢は国を抑えるためのパワーを節約でき、属国は「自由」を享受していると感じる+。実際には、中枢の意に沿わない国は「のけ者」扱いされて、滅びてしまうのだが。
歴史を遡れば、このローマ「帝国」の原型で、世界の覇者となった最初の者は、ギリシャのアレクサンドロスである。ローマは、ギリシャの成功をモデルに改良を重ね、皇帝という「現人神」をトップに据え、ローマの「帝国制」を完成させた。そしてここに、聖書の教義を重ねた部分的に取り入れた++。人民の心を皇帝に結びつける万人受けのするストーリーがそこにあったからである。そして、(嘘がばれないように)聖書を発禁処分にして、自分達の都合の良いように解釈し、人民を惑わしてきた。ローマ・カトリックは金欲しさに、これに協力した(簡単にいえば偽善である)。帝国そのものを「神の国」にしてしまうという神聖ローマ帝国の誕生は、この政治と宗教の腐敗の延長線上にあるのである*。
16世紀になると、神聖ローマ帝国も力を無くすが**、この歴史の体験を今度は、ケルト人を北へ追いやって住み着いたアングロ人が、イングランドで繰り返す。大英「帝国」は、かつてのローマ帝国の流れを継承したものである。そして、彼等は後に、陳腐化したローマの番人たるカトリックの代わりに、自由主義を神とするようになった。そして、この大英帝国を継承したのが、アメリカ合衆国である。だから、アメリカは「連邦制」を敷いた「合衆国」なのである。そして、アメリカは、キリスト教の代わりに「資本主義と民主主義によってもたらされる自由***」を世界に広める「宣教者」となった。
ここで気をつけて頂きたいのは、英国流帝国主義は「金」を崇拝しているわけではないということだ。英国も米国も、それによってもたらされる「自由」を崇拝させている。この点は二つの大戦後、より明確になった。これらの帝国が推進した国際連合の目的は、国連憲章で以下のように定められている。
第1条〔目的〕
国際連合の目的は、次の通りである。
1 (略)
2 人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発
展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
3 経済的、社会的、文化的又は人道的性質を有する国際問題を解決する
ことについて、並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者の
ために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、
国際協力を達成すること。
4 (略)
つまり、民族自決、自由こそ、彼等が被征服民に「強制」している理念、信条なのである。この点は今後も変わることが無いだろう。
さて、以上のことを踏まえて、最初に述べた、ローマ帝国から神聖ローマ帝国への変遷を思い返して頂きたい。アメリカの経済は間もなく、危機的な状態に陥る。いや、正確に言えば、国家破綻を演出するというべきかもしれない。アメリカ「帝国」の信仰の対象が金であれば、彼等もおしまいだと思うべきだろう(実際にユダヤ金融批判に明け暮れる単細胞どもはそう言って笑っている)が、実際には彼等の信仰の対象は「民族自決、自由」なのである。経済が破綻しても、この信条までが破綻するわけではない。彼等の影響力は、いよいよ強くなるように展開すると見るべきだろう。
具体的には、地域国家連合の乱立、国連主義の台頭がおきる。アメリカは、そのための膨大なノウハウを蓄積し、「アメリカとは繋がりがあるものの、アメリカから金を吸うつもりもない」資本家に餌をまきながら、いよいよ「民族自決、自由」を喧伝するようになると考えられる。このあたりの構造を踏まえて簡単にまとめたものが、
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http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/248.html
DP 248 2010/6/22 13:27:36
投稿者: metola
である。参考にしていただきたい。
+ 「分割して統治せよ」とは、簡単に言ってくれるね。
++ ちなみに、それまでの覇者は、エジプトやバビロニア、そしてギリシャがそうであるように、多神教を推し進めた。どの神も崇拝してよいと言うことで、被征服民の心を柔軟にし、従わせやすくなるからである。このような時代には異国人に、神々について教える教育(洗脳)プログラムが用意されていた。ローマは、キリスト教を国教にしたことで、その流れを少しばかり変えたといえる。
* あえて、違和感を与えるように、日本の「エセ民族主義者」、「皇国主義者」の言い回しを利用している。彼等の主張がどこからのものか、判断して頂きたいね。
** 弱体化したローマの残党が、ドイツ帝国を築き、その間、ヒトラーだろうがなんだろうが、カトリックはドイツの支配者とベタベタな関係であり、ヒトラーだろうがなんだろうが祝福した。戦後ドイツの政治のノウハウはロシアに流れた。ドイツ流にアレンジされた「帝国スタイル」の成れの果てが、ソビエト「連邦」であることは言うまでもない。ちなみに、カトリックはロシアまでは支持しなかったようだ。その頃には、アメリカと付き合った方が、儲かったからである。教義を曲げてまで権力者に迎合する彼等には、救いようがない。
*** 資本主義下の代議制民主主義は、所詮金持ちの天下に過ぎず、自由などどこにもない。最初から破綻した理念を彼等は推し進めているのである。滑稽である。
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