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(回答先: イエスが殺された本当の理由 投稿者 中川隆 日時 2010 年 7 月 17 日 23:32:33)
『マリヤによる福音書』 『ベルリン写本』より
■1.第一の啓示
ペトロを始めとする使徒たちに対して、救い主が啓示を行う(しかし、冒頭の6頁が欠損しており、その具体的な内容は不明)。
「人の子」があなた方の内部にいること、法制定者のようなやり方で法を与えてはならないこと、王国の福音を広く宣べ伝えるべきであることが告げられる。
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(欠落)
それで物質は解消されようとしているのでしょうか、それともそうではないのでしょうか。
救い主が言った、
「いかなる本性も、いかなるつくり物も、いかなる被造物も、存在しているのは彼らの互いの内に共に組み合わせられてであり、それら個々のものそれ自体が再び解消されようとしているのは、それらの根へとである。
なぜなら物質の本性が解消し果てるはその本性のもの、それだけへとだからである。
自らの内に聞く耳のある者には聞かせよ。」
ペトロが彼に言った、
「あなたはすべてのことを私たちに告げて下さいました。
もう一つのことを私たちに言って下さい。
世の罪とは何ですか」。
救い主(イエス)が言った、
「罪というのは存在しない。
本性を真似たこと、例えば姦淫をあなたがたが行うと、これが罪と呼ばれるが、存在するのはその罪を犯す人、つまりあなたがたなのである。
このゆえにこそ、つまりその本性の根のところへと本性を立て直そうとして、あなたがたの領域のいかなる本性のもののところへも、善そのものが来たのである。」
彼(イエス)はさらにそれに付け加えて言った、
「このゆえにこそ、あなたがたは病気になって死ぬのである。
なぜならあなたがたは自分をあざむく者を愛するからである。
理解する人には理解させよ。
その物質は一つの苦しみを生み出した。
その苦しみは似たものを持たないものであり、本性に反するものから生まれて来たのである。
そうなると、物体全体の中に不安定さが生じるものである。
このゆえにこそ、私はあなたがたに
『あなたがたは従順なものであれ』
と言ったのである。
そして、あなたがた従順でないものは、本性のさまざまな面に直面して、従順なものであれ。
自分の中に聞くための耳がある者には聞かせよ。」
祝された方(イエス)はこれを言ってから、彼は彼ら皆に言葉を送った、次のことを言って、
「平和があなたがたにあるように。
私の平和を自分たちのために獲得しなさい。
護りなさい。
何者にもあなたがたを惑わさせるな。
その者が『ここにいる』とか『そこにいる』というようなことを言っても。
人の子がいるのはあなたがたの内部なのだから。
あなたがたは彼の後について行きなさい。
彼を求める人々は見いだすであろう。
「あなたがたは行って、王国の福音を宣べなさい。
私があなたがたのために指図したこと、それをこえて何かを課するようなことをしてはならない。
法制定者のやり方で法を与えるようなことはするな。
あなたがたがその法の内にあって、支配されるようなことにならないために。」
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■2.使徒たちが動揺し、マリヤが彼らを励ます
救い主の言葉を聞いて、使徒たちは動揺する。
「人の子の王国の福音を宣べるために異邦人のところへ行くといっても、われわれはどのようにすればよいのか」。すると(マグダラの)マリヤが立ち上がり、次のように言って使徒たちを励ます。
「泣かないで下さい。悲しんだり、疑ったりしないで下さい。というのも、彼の恵みがしっかりとあなた方と共にあり、あなた方を護ってくれるのですから」。
これに対してペトロは、「姉妹よ、救い主が他の女性たちにまさってあなたを愛したことを、私たちは知っています。あなたの思い起こす救い主の言葉を、私たちに話して下さい。あなたが知っていて私たちの知らない、私たちが聞いたこともないそれらの言葉を」と要請する。
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・・・・・・・・・・・・・彼(イエス)はこれらのことを言った後、去って行った。
すると彼らは悲しみ、大いに泣いた、
「人の子の王国の福音を宣べるために異邦人のところに行くといっても、われわれはどのようにすればいいのか。
もし彼らがあの方を容赦しなかったとすれば、このわれわれを容赦することなどどうしてありえよう」
と言って。・・・・・・・・
・・・・・・・・・・そのとき、マリアが立って、彼ら皆に言葉を送った。
彼女は自分の兄弟たちに言った、
「泣かないで下さい。悲しんだり、疑ったりしないで下さい。
というのも彼の恵みが今後もしっかりとあなたがたと共にあり、あなたがたを護ってくれるのですから。
それよりもむしろ、彼の偉大さを讃えるべきです、彼が私たちを準備し、私たちを『人間』として下さったのですから。」
マリアはこれらのことを言って、彼らの心を善い方の方に向けた。
そして彼らは救い主の言葉について議論し始めた。・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・ペトロがマリヤに言った、
「姉妹よ、救い主が他の女性たちにまさってあなたを愛したことを、私たちは知っています。
あなたの思い起こす救い主の言葉を私たちに話して下さい、あなたが知っていて私たちの知らない、私たちが聞いたこともないそれらの言葉を。」
マリアが答えた。 彼女は
「あなたがたに隠されていること、それを私はあなたがたに告げましょう」
と言った。・・・・・・・
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■3.第二の啓示
ペトロの求めに応じ、マリヤは、彼女が救い主から示された教えの内容を語り始める(しかしここでも、テキストに4頁の欠損があり、正確な内容は不明)。
可視的な世界は、以下の七つの「権威」(アルコーン)たちによって支配されている。
第一の権威 闇
第二の権威 欲望
第三の権威 無知
第四の権威 死ぬほどの妬み
第五の権威 肉の王国
第六の権威 肉の愚かな知恵
第七の権威 怒っている人の知恵
七つの天を通り抜け、プレーローマ界に帰昇しようとする魂に対して、権威たちは尋問を行う。魂は、救い主から教えられたとおりの言葉を語ることにより、彼らに打ち勝ってゆく。
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・・・・・・・・そして彼女は彼らにこれらの言葉を話し始めた。
「私は」
と彼女は言った、
「私は一つの幻の内に主を見ました。
そして私は彼に言いました、
「主よ、あなたを私は今日、一つの幻の内に見ました。」
彼は答えて私に言われました、
「あなたは祝されたものだ、私を見ていても動じないから。
というのは叡知のあるその場所に宝があるのである。」
私は彼に言いました、
「主よ、幻を見る人がそれを見ているのは、魂か霊か、どちらを通してなのですか。」
救い主は答えて言われました、
「彼が見るのは、魂を通してでもなければ、霊を通してでもなく、それら二つの真ん中にある叡知、幻を見るものはその叡知であり、その叡知こそが・・・・・・・
(このあと欠落)
・・・・・・・・・を。
そして欲望が言った、
「私はお前が降るところを見たことがないのに、今お前が昇るところを見ている。
お前は私に属しているのに、どうして私を騙すのか。」
魂が答えて欲望に言った、
「私はあなたを見た。
あなたは私を見たこともないし、私を知覚したこともない。
私はあなたにとって着物のようであったのだが、あなたは私を知らなかった。」
これらのことを言った後、魂は大いに喜びつつ、去って行った。
それから魂は第三の権威、無知と呼ばれるもののところに来た。
その権威が魂を尋問した、
「お前が行こうとしているのはどこへなのか。
お前は悪の内に支配されてきた。
お前は支配されてきた。裁くな。」
と魂に言って。そこで、魂が言った、
「あなたが私を裁くのはなぜなのか、私は裁いたりしたことなどないのに。
私は支配したことがないのに、私は支配されてきた。
私は知られなかったが、私の方は、地のものであれ、天のものであれ、すべてものが解消しつつあるときに、それらのものを知っていた。」
・・・・・・・・・・・魂は第三の権威にうち勝ったとき、上の方に去って行った。
そして第四の権威を見た。
それは七つの姿をしていた。
第一の姿は闇であり、第二のは欲望、第三のは無知、第四のは死ぬほどの妬みであり、第五のは肉の王国であり、第六のは肉の愚かな知恵であり、第七のは怒っている人の知恵である。
これらが怒りのもとにある七つの権威なのである。
彼らが魂に
「人殺しよ、お前が来るのはどこからなのか。
それとも場所にうち勝った者よ、お前が行こうとしているのはどこへなのか」
と尋問すると、魂は答えて言った、
「私を支配するものは殺された。
私を取り囲むものはうち負かされた。
そして私の欲望は終りを遂げた。
また無知は死んだ。
世にあって、私が解き放たれたのは世からであり、また範型の内にあって私が解き放たれたのは天的な範型からであり、一時的な忘却の束縛からである。
今から私が沈黙の内に獲ようとしているのは、時間の、時機の、そして永久の安息である。」
マリアは以上のことを言ったとき、黙り込んだ。
救い主が彼女と語ったのはここまでだったからである。・・・・・・・・・・
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■4.使徒たちの論争
マリヤの言葉を聞いた使徒たちは、その教えを受け入れるべきかどうかについて、次のような論争を行う。
アンドレアス「彼女が言ったことに関して、あなた方が思うことを言ってくれ。救い主がこれらのことを言ったとは、私は信じない。これらの教えは異質な考えのように思われるから。」
ペトロ「救い主がわれわれに隠れて、一人の女性と、しかも公開でではなく語ったりしたのだろうか。将来、われわれ自身が輪になって、皆で彼女の言うことを聴くことにはならないだろうか。救い主が彼女を選んだというのは、われわれ以上になのか。」
マリヤ「ペトロよ、それではあなたが考えていることは何ですか。私が言ったことは、私が心の中で考え出したことであり、救い主について私が嘘をついていると考えているのだとすれば。」
レビ「ペトロよ、あなたはいつも怒る人だ。今、私があなたを見ていると、あなたがマリヤと格闘しているのは、まるで敵対者たちのやり方のようだ。救い主が彼女を認めたのに、彼女を拒否するとは、あなた自身は一体何者なのか。
確かに救い主は彼女をしっかりと知っていて、それゆえにわれわれよりも彼女を愛したのだ。むしろわれわれは恥じ入るべきであり、救い主がわれわれに命じたやり方で、福音を宣べるべきである。」
レビの言葉を聞いた使徒たちは、あらためて決心し、福音の宣教を開始した。
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・・・・・・ すると、アンドレアスが答えて兄弟たちに言った、
「彼女が言ったことに、そのことに関してあなたがたの言いたいと思うことを言ってくれ。
救い主がこれらのことを言ったとは、この私は信じない。
これらの教えは異質な考えのように思われるから。」
ペトロが答えて、これらの事柄について話した。
彼は救い主について彼らに尋ねた、
「まさかと思うが、彼がわれわれに隠れて一人の女性と、しかも公開でではなく語ったりしたのだろうか。
将来は、われわれは自身が輪になって、皆、彼女の言うことを聴くことにならないだろうか。
救い主が彼女を選んだというのは、われわれ以上なのか。」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・そのとき、マリヤは泣いて、ペトロに言った、
「私の兄弟ペトロよ、それではあなたが考えておられることは何ですか。
私が考えたことは、私の心の中で私一人で考え出したことと、あるいは私が救い主について嘘をついていると考えておられるのですか。」
レビが答えて、ペトロに言った、
「ペトロよ、いつもあなたは怒る人だ。
今私があなたを見ていると、あなたがこの女性に対して格闘しているのは敵対者たちのやり方でだ。
もし、救い主が彼女をふさわしいものとしたのなら、彼女を拒否しているからには、あなた自身は一体何者なのか。
確かに救い主は彼女をしっかりと知っていて、このゆえにわれわれよりも彼女を愛したのだ。
むしろ、われわれは恥じ入るべきであり、完全なる人間を着て、彼がわれわれに命じたそのやり方で、自分のために完全なる人間を生み出すべきであり、福音を宣べるべきである。
救い主が言ったことを越えて、他の定めや他の法を置いたりすることなく」。
かれらは告げるため、また宣べるために行き始めた。・・・・・・・・
http://homepage.mac.com/iihatobu/work/Gnostic.html
http://library666.seesaa.net/article/29804099.html
http://gnosticthinking.nobody.jp/gnosismyth017.html
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