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(回答先: イエスが殺された本当の理由 投稿者 中川隆 日時 2010 年 7 月 17 日 23:32:33)
これらは生けるかたであるイエスが語り、デドモ.ユダ.トマスが書き記した秘密の言葉である。
1 そして彼は言われた。”だれでもこれらの言葉の解釈を見出す者はけっして死
を味わうことがないであろう”。
2 イエスは言われた。”探す者は見出すまでやめてはならない。見出すときに、
彼は当惑するであろう。当惑してさらに彼は驚くであろう。その時、彼は天地
万物を支配する”。
3 イエスは言われた。”あなたがたを惑わす者たちが[見よ、神の国は天にある]
あなたがたに言うならば、空の鳥があなたがたより先にそこにいるであろう。
彼らが[それは海にある]とあなたがたに言うならば、魚があなたがたより先
にそこにいるであろう。しかし神の国はあなたがたの中にある。そして、外にも
ある。あなたがたは、自分自身を知るならば、知られるであろう。そして、自
分が生ける父の子らであることを知るであろう。しかしあなたがたは、自分自
身を知らないならば、貧困の中にいるのだ。そしてあなたがた自身が貧困なの
だ”。
4 イエスは言われた。”日で満ちた老人は生命の場所について7日の幼な子に問
うことを躊躇してはならない。そうすれば彼は生きるであろう。多くの最初の
者は最後となり、そして彼らは単独者として生きる事になるであろうから”。
5 イエスは言われた。”あなたの面前にあるものを認識せよ。そうすれば、隠さ
れているものはあなたに現れされるであろう。明るみに出ないまま隠されてい
ものはないからである”。
6 彼の弟子たちは彼に問うた。彼らは言った。”あなたはわたしたちが断食する
ことをお望みになりますか。わたしたちはどのように祈り、どのように施しを
行うべきでしょうか。そして何を糧とすべきでしょうか”。イエスは言われた
。”偽りを言うな。そして、自分自身にとって憎むべきことを他人に行うな。
これらすべては、天の見るところに明らかであるからである。隠されているも
ので現わされえないものはなく、秘密にされているもので言い広められないも
のはないであろう”。
7 イエスは言われた。”人間に食べられる獅子は幸いである。そうすれば獅子は
人間になる。しかし、獅子に喰われる人間は禍いである。そうすれば、人間は
獅子になる”。
8 それから彼は言われた。”人間は網を海に投げ込む賢い漁師のようである。彼
は小さい魚で一杯になった網を海の中から曳き上げた。そのまんなかにこの賢
い漁師は一匹の大きな、すばらしい魚を見つけた。彼は小さな魚をすべて海に
投げ返した。彼はためらわずに大きな魚を選んだのである。聞く耳のある者は
聞くがよい”。
9 イエスは言われた。”見よ、種まきが出て行った。彼は手をいっぱいにし、種
をまいた。いくつかは道のうえに落ちた。鳥が来てそれらをついばんだ。いく
つかは岩のうえに落ちた。それらは地に根を張ることがまったくできず、天に
穂を出さなかった。いくつかは茨のなかに落ちた。茨がそれらの種をふさぎ、
虫がそれらを喰いつくした。しかし、いくつかは良い地に落ちた。そしてそれ
は良い実を結んだ。それは60倍、120倍の収穫をもたらした”。
10 イエスは言われた。”わたしは世界に火を投じた。そして、見よ。それがそれ
を燃えたたすまで、わたしはそれを見守っているのだ”。
11 イエスは言われた。”この天は過ぎ去るであろう。そして、その上のものも過
ぎ去るであろう。そして、死者たちは生きない。そして生きている者たちは死
なないであろう。きょう、あなたがは死んだものを食し、それらを生かす。し
かし、あなたがたが光の中にいるとき、あなたがたは何をするであろうか。あ
なたがたがひとつであった日に、あなたがたはふたつになった。しかし、あな
たがたがふたつになったとき、あなたがたは何をするであろうか”。
12 弟子たちがイエスに言った。”あなたがわたしたちから去っていかれることを
わたしたちは知っています。だれがわたしたちの上に長となるのでしょうか”
。イエスは彼らに言われた。”あなたがたが行く場所で、義人ヤコブのもとに
行くがよい。天も地も彼のゆえに造られたのである”。
13 イエスは彼の弟子たちに言われた。”わたしを比べてみよ。そして、わたしが
だれに似ているかわたしに言いなさい”。シモン・ペテロは彼に言った。”あ
なたは聖なる御使いのようです”。マタイは彼に言った。”あなたは賢者、哲
学者のようです”。トマスは彼に言った。”先生、わたしの顔はあなたがだれ
に似ているかを理解してそれを言い表わすことはまったくできません”。イエ
スは言った。”わたしはあなたの師ではない。なぜならばあなたはずっと飲ん
でいるからである。わたしに属し、わたしが広げた湧き出ずる泉であなたは酔
っているのだ”。それから彼は彼を連れ、わきへ引き寄せ、三つの言葉を彼に
語られた。トマスが仲間たちのところにもどると、彼らは彼に尋ねた。”イエ
スはあなたに何を言われたのか”。トマスは答えた。”彼がわたしに語られた
言葉のひとつをわたしがあなたがたに告げるならば、あなたがたは石を取って
わたしに投げつけるであろう。そして、その石から火が生じ、あなたがたを焼
きつくすであろう”。
14 イエスは彼らに言われた。”あなたがたは断食をするならば、自分自身に罪を
もたらすであろう。祈るならば、罪に定められるであろう。施しを行うならば
、自分の霊を害するであろう。あなたがたがどこかの国に入り、地方をめぐる
とき、もてなしを受けるならば、あなたがたの前に置かれたものを食べ、それ
らの場所で病人を癒せ、なぜならば、あなたがたの口に入るものはあなたがた
を汚さないであろうから。しかし、あなたがたを汚すであろうものは、あなた
がたの口から出るものである”。
15 イエスは言われた。”あなたがたが女から生まれなかった者を見るならば、平
身低頭し、彼を崇めよ、彼はあなたがたの父である”。
16 イエスは言われた。”まことに、人々はわたしが世界に平和をもたらすために
来たのだと考えている。しかし、彼らはわたしが地上に不和、火、剣、戦争を
もたらすために来たことを認識していない。まことに、ある家に5人いれば、
3人はふたりに、ふたりは3人に、父は息子に、息子は父に対立するであろう
。そして、彼らはひとりで立つであろう”。
17 イエスは言われた。”わたしはあなたがたに目がいまだ見ず、耳がいまだ聞か
ず、手がいまだ触れず、人の心にいまだ思い浮かばなかったことを与えるであ
ろう”。
18 弟子たちはイエスに言った。”わたしたちの終わりがどのようなものであるか
をわたしたちにおっしゃってください”。イエスは言った。”いったいあなた
がたは、終わりについて尋ねるために、初めを明らかにしたのか。なぜならば
、初めがあるところに、終わりがあるであろうから。初めに立っている者は幸
いである。彼は終わりを知り、死を味わうことがないであろう”。
19 イエスは言った。”生まれた前に存在していた者は幸いである。もしあなたが
たがわたしの弟子になり、わたしの言葉を聞くならば、これらの石があなたが
たに仕えるであろう。なぜならばあなたがたはパラダイスに5本の木を持って
おり、それらは夏にも冬にも動かされず、その葉は落ちないからである。それ
らを知る者はだれでも死を味わうことはないであろう”。
20 弟子たちはイエスに言った。”天の国はどのようなものであるか、わたしたちに
おっしゃってください”。彼は彼らに言われた。”それはどの種よりも小さい
一粒のからし種のようである。しかし、耕された土地に落ちると、それは大き
な枝をはり、空の鳥の隠れ場となる”。
21 マリアはイエスに言った。”あなたの弟子たちはだれに似ていますか”。彼は
彼女に言った。”彼らは自分たちのものではない野にはいった子供たちに似て
いる。その野の所有者たちが来ると、彼らは言うであろう。[わたしたちの野
をわたしたちに残してください]。すると所有者たちは、彼らの野を彼らに残
すために、彼らの前で裸になり、それを彼らに手渡した。それゆえにわたしは
あなたがたに言う。家の主人は、盗賊が来ようとしているのを知っていれば、
目を覚ましており、彼が彼の王宮に押し入って彼の財産を運び去ることを許さ
ないであろう。そのようにあなたがたも世界を前にして警戒しなければならな
い。大いなる力の帯を腰にしめよ。それは強盗どもがあなたがたを襲う道を見
出し、あなたがたが守っている利益を奪うことがないためである。あなたがた
の間に知者がいるならば、実がいったとき、その人は鎌を手にして急いで行き
、それを刈り取った。聞く耳のある者は聞くがよい”。
22 イエスは乳を飲んでいるいくにんかの幼な子をごらんになった。そして彼は弟
子たちに言われた。”乳を飲んでいるこの幼な子たちは神の国に入る者たちに似
ている”。彼らは彼に言った。”それではわたしたちは幼な子として神の国に入
るのでしょうか”。イエスは彼らに言われた。”あなたがたがふたつのものを
ひとつにするとき、そして、内を外のように、外を内のように、上を下のよう
にするとき、そして男性と女性とをひとつにし、男性がもはや男性ではなく、
女性が女性ではないようにするとき、そしてひとつの目の代わりに目を、ひと
つの手の代わりひとつの手を、一つの足の代わりにひとつの足を、ひとつの像
の代わりにひとつの像をつくるとき、あなたがたは神の国に入るであろう”。
23 イエスは言われた。”わたしはあなたがたを選ぼう。1000人の中からひと
りを、1万人の中からふたりを。そして、彼らは単独者として立つであろう”
。
24 彼の弟子たちは彼に言った。”あなたがおられる場所をわたしたちに教えてく
ださい。わたしたちはそれを探さなければなりませんから”。彼は彼らに言わ
れた。”耳のある者は聞くがよい。光の人のうちに光はある。そして、それは
全世界を照らす。それが全世界を照らさないならば、それは闇である”。
25 イエスは言われた。”あなたの兄弟をあなた自身の魂と同じように愛せ。彼を
あなたのひとみと同じように守れ”。
26 イエスは言われた。”あなたはあなたの兄弟の目にあるちりを見るが、あなた
自身の目にある梁を見ない。あなた自身の目から梁を取り除いたとき、あなた
はそのときに見えるようになり、兄弟の目からちりを取りのけることができる
であろう”。
27 イエスは言われた。”あなたがたはこの世に対して断食をしないならば、神の国
を見出さないであろう。真の安息日を守らないならば、父を見ないであろう”
。
28 イエスは言われた。”わたしはこの世の真只中に立っていた。そしてこれらの
人々に肉において自分を現わした。わたしは彼らがみな酔いしれているのを見
出した。彼らのなかに渇いている者はひとりも見出さなかった。そして、わた
しの魂は人の子らのために苦しんだ。なぜならば、彼らは心の中で盲目であり
、見ることがないからである。彼らは空でこの世に来たゆえに、空でこの世か
ら出ることをいまだ求めているからである。しかし、だれかが来て、彼らをた
だしてくれるように。そのとき、彼らが眠って酔いから目をさましたとき、彼
らは、悔い改めるであろう”。
29 イエスは言われた。”肉が霊のために生ぜしめられたとすれば、それは奇跡で
ある。しかし霊が肉のために生ぜしめられたとすれば、それは奇跡のなかの奇
跡である。いかにしてこの偉大な富がこの貧困のなかに住まわったのか、わた
しは不思議に思う”。
30 イエスは言われた。”3つの神がいるところに神々がいる。2人がいるところ
、あるいはひとりがいるところでもわたしは彼とともにいる”。
31 イエスは言われた。”預言者は自分自身の町では歓迎されない。そして、医者
は自分を知るものたちを癒すことはない”。
32 イエスは言われた。”高い山の上に建てられ、堅固にされた町は、落ちること
も、隠されることもできない”。
33 イエスは言われた。”あなたが自分の片方の耳で聞くことを、あなたの屋根の
上で他方の耳に宣べ伝えなさい。なぜならば、だれもあかりをつけてそれをま
すの下に置かないし、それを隠された場所に置かないからである。そうではな
く、出入りするすべての人がその光を見ることができるように、それを燭台の
上に置く”。
34 イエスは言われた。”盲人が盲人を手引するならば、ふたりとも溝に落ちてし
まう”。
35 イエスは言われた。”だれも強い人の家に入って、彼の両手を縛らなければ、
それを奪い取ることはできない。そのとき、彼は彼の家を略奪するであろう”
。
36 イエスは言われた。”朝から夕まで、夕から朝まで、何をまた着ようかと思い
煩うな”。
37 彼の弟子たちは彼に言った。”あなたはいつわたしたちに現われるでしょうか
”。イエスは言われた。”あなたがたが恥じることなく衣服を脱ぐとき、小さ
な子供らのように着物を脱いでそれを足もとに置き、踏みつけるとき、そのと
きあなたがたは生ける者の子らとなり、恐れることがなくなるであろう”。
38 イエスは言われた。”あなたがたはわたしがあなたがたに語っているこれらの
言葉を聞くことをしばしば欲した。しかし、あなたがたにそれらを聞かせてく
れる人はほかにだれもいない。あなたがたがわたしを探してもわたしを見出す
ことのない日が来るであろう”。
39 イエスは言われた。”パリサイ人たちと律法学者たちとは知識の鍵を取って隠
してしまった。彼ら自身もなかに入らなかったし、なかに入ることを願ってい
る人々にもそうさせなかった。しかし、あなたがたは蛇のように思慮深く、鳩
のように無邪気であれ”。
40 イエスは言われた。”一本のぶどうの木が父の外に植えられた。それは強くな
らなかった。それは根こそぎにされ、枯れてしまうであろう。”
41 イエスは言われた。”手に持っている者には与えられるであろう。しかし、持
っていない者は、彼が持っているわずかのものまでも取り去られるであろう”
。
42 イエスは言われた。”過ぎ行く者たちのようになれ”。
43 彼の弟子たちは彼に言った。”このようなことをわたしにおっしゃるあなたは
、どなたなのですか”。彼は言われた。”わたしがあなたがたに言うことから
、わたしがだれであるかわからないのか。しかし、あなたがた自身ユダヤ人た
ちのようになってしまった。彼らは木を愛してその実を憎む。実を愛して木を
憎む”。
44 イエスは言われた。”父を冒涜した者は赦されるであろう。そして、子を冒涜
した者は赦されるであろう。しかし聖霊を冒涜した者は、地上でも天でも赦さ
れないであろう”。
45 イエスは言われた。”人々は野ばらから葡萄を集めないし、茨からいちじくを
摘むむこともない。これらは実を結ばない。良い人は彼の倉から良いものをも
たらすが、悪い人は彼の心の中にある倉から悪いものをもたらす。そして彼は
悪いことを話す。そして彼は悪いことを話す。なぜならば、彼は心に満ち溢れ
ているものから、悪いことを語るからである”。
46 イエスは言われた。”アダムから洗礼者ヨハネにいたるまで、女から生まれた
者のなかで、洗礼者ヨハネより偉大な者はいない。あなたがたの眼が盲目にな
らないためにわたしはこう言った。[あなたがたのなかで最も小さい者が神の国
を知るにいたり、ヨハネよりも高められるであろう]”。
47 イエスは言われた。”だれも同時に二頭の馬に乗れないし、二つの弓を引くこ
ともできない。そして、どの僕も二人の主人に仕えることはできない。さもな
ければ、彼は一方の主人を尊び、他方の主人から手荒く扱われるであろう。だ
れも古いぶどう酒を飲み、ただちに新しいぶどう酒を飲もうとはしない。新し
いぶどう酒は古い皮袋の中に注がない。皮袋が破れないためである。また古い
ぶどう酒は新しい皮袋の中に注がない。腐敗しないためである。そして、だれ
も新しい着物に古いつぎを縫いつけない。裂け目ができてしまうであろうから
”。
48 イエスは言われた。”ふたりの者が同じ家で平和のうちに共にいるならば、彼
らは山に向かって[移れ]と言うであろう。そして、それは移るであろう”。
49 イエスは言われた。”単独である者たち、選ばれた者たちは幸いである。あな
たがたは神の国を見出すであろうから。あなたがたはそこから出て来たのである
から、再びそこに帰るであろう”。
50 イエスは言われた。”人々があなたがたに[どこから来たのか]と尋ねるなら
ば、こう言いなさい。[わたしたちは光から来た。光が自ら生ずる場所から。
それは立って彼らの像において現れた]。彼らがあなたがたに[あなたがたは
だれか]と言うならば、[わたしたちは彼の子らである。わたしたちは生ける
父の選ばれた者たちである]と言いなさい。彼らがあなたがたに[あなたがた
の中にあるあなたがたの父の徴は何か]と尋ねるならば、[それは運動と休息
である]と彼らに言いなさい”。
51 彼の弟子たちは彼に言った。”どの日に死者の休息が生ずるのでしょうか。そ
して、どの日に新しい世界が来るのでしょうか”。彼は彼らに言われた。”あ
なたがたが待っているこの休息はすでに来ているのだ。そして、あなたがたは
それを認識していない!”。
52 彼の弟子たちは彼に言った。”24人の預言者がイスラエルの中で語りました
。そして、彼らのすべてのがあなたにあって語りました”。彼は彼らに言われ
た。”あなたがたはあなたがたの面前で生きている者を捨て、死んでいる者た
ちについて語った”。
53 彼の弟子たちは彼に言った。”割礼は有益ではないでしょうか”。彼は彼らに
言われた。”もしそれが有益であるならば、男たちの母親はその父親により彼
らをすでに割礼を受けた状態で産んだであろう。しかし、有益なのは、霊にお
ける真の割礼である”。
54 イエスは言われた。”貧しい人々は幸いである。天の国はあなたがたのものであ
るから”。
55 イエスは言われた。”父と母を憎まない者はわたしの弟子であることができな
い。そしてわたしのように兄弟を憎み、自分の十字架を負うことのない者は、
わたしにふさわしいものとならないであろう”。
56 イエスは言われた。”この世を知るにいたった者は、屍を見出したのである。
そして、屍を見出した者に、この世はふさわしくない”。
57 イエスは言われた。”父の国は自分の畑に良い種を持っていた人のようである
。夜、彼の敵が来て、良い種のうえに毒麦をまいた。この人は毒麦を引き抜か
せなかった。彼は彼ら彼の僕たちに言った。お前たちが毒麦を引き抜きに行く
ときに、それらといっしょに麦を引き抜くといけないから。本当に、収穫の時
までには、毒麦はわかるようになるであろう。それらは引き抜き、焼くことが
できる]”。
58 イエスは言われた。”労したも人は幸いである。彼は生命を見出した”。
59 イエスは言われた。”あなたがたが生きているあいだ、生ける者のほうを見よ
それは、あなたがたが死んだとき、彼を見ようとしても見ることができない、
ということがないためである”。
60 ひとりのサマリヤ人が小羊を連れてユダヤに向かっているのを彼らは見た。彼
は彼の弟子たちに言われた。”この男は小羊をどうしようとしているのか”。
彼らは彼に言った。”彼はそれを殺して食べようとしているのです”。彼は
彼らに言われた。”それが生きている間は、彼はそれを食べないであろう。し
かし、彼がそれを殺し、それが屍になるときにのみ”。彼らは彼に言った。”
彼はそうするほかありません”。彼は彼らに言われた。”あなたがたは、屍と
なって食べられることがないように、自分自身のために休息の場所を捜し出せ
”。
61 イエスは言われた。”ふたりがひとつの寝台で休むであろう。ひとりが死に、
他のひとりは生きるであろう。”サロメが言った。”あなたさまはどなたです
か、そして、あなたはどなたの子ですか。あなたはわたしの寝台でお休みにな
り、わたしの食卓からお食べになりました”。イエスは彼女に言われた。”わ
たしは同じである者から出た者である。わたしにはわたしの父のものから与え
られている”。”わたしはあなたの弟子です”。”それゆえに、わたしはあな
たに言うのである。人は結び合わされるとき、光で満ちるであろう。分かたれ
るとき、闇で満ちるであろう”。
62 イエスは言われた。”わたしはわたしの奥義人々に奥義を語る。あなたの右手
が何を行なっているかを、あなたの左手に知らせるな”。
63 イエスは言われた。”たくさんの金を持っている富める人がいた。彼は言った
、[わたしはわたしの金を使って蒔き、植えて、わたしの倉を実でいっぱいに
しよう。何もわたしに欠けることがないためである]。彼は心の中でそう思っ
た。しかしその夜のうちに彼は死んだ。聞く耳のある者は聞くがよい”。
64 イエスは言われた。”ある人が客たちを招待しておいた。彼は祝宴の準備をす
ませたとき、その客たちを呼ぶために自分の僕をつかわした。彼は最初の人の
ところへ行き、彼に言った、[主人があなたをお呼びです]。彼は答えた。[
わたしは商人たちから金を受け取らねばなりません。彼らは今夜わたしのとこ
ろへ来ます。わたしは出て行って彼らに指示を与えなければなりません。祝宴
には失礼させていただきたいのです]。僕はほかの客のところに行き、言った
、[主人があなたをお呼びです]。彼は彼に言った、[わたしは家を買いまし
た。そして、そのために一日中働かなければなりません。わたしには時間がな
いでしょう]。彼はほかの客のところに行き、彼に言った、[主人があなたを
お呼びです]。彼は彼に答えた。[友人が結婚しようとしています。そして、
わたしは彼の婚宴の用意をしなければなりません。わたしは行けないでしょう
。祝宴には失礼させていただきたいのです]。彼はほかの客のところに行き、
彼に言った。[主人があなたをお呼びです]。彼は彼に言った、[わたしは畑
を買いましたが、まだその地代を集めに行っていません。祝宴には失礼させて
いただきます]。僕はもどり、主人に言った。[あなたが祝宴にお招きになっ
た人々は、失礼させていただきたいとのことです]。主人は僕に言った。[街
に出て行き、見つけた者をだれでも連れて来なさい。彼らが正餐にあずかるよ
うに]。小売商や商人はわたしの父の場所に入らないであろう”。
65 彼は言われた。”ある善人が葡萄酒を持っており、それを栽培者たちに貸した
。それは彼らがそこで働き、彼が彼らから果実を受けるためである。彼は彼の
僕を遣した。栽培者たちが彼に葡萄園の果実を渡たすためである。彼らは彼の
僕を捕え、彼を打ち、彼を殺さんばかりにした。その僕は来て、主人に告げた
。彼は主人に言った。[たぶん、彼は彼らを知らなかったのだ]。彼は別の僕
を遣した。栽培者たちはこの僕をも打った。すると主人は彼の息子を遣した。
彼は言った。[たぶん、彼らはわたしの息子を重んじるであろう]。しかしこ
の栽培者たちは、彼が葡萄園の相続人であることを知ったので、彼を捕え、彼
を殺した。聞く耳のある者は聞くがよい”。
66 イエスは言われた。”家造りらの捨てた石をわたしに見せなさい。それは隅の
頭石である”。
67 イエスは言われた。”[すべて]を知っていても、自己に欠ける者は、すべて
の所に欠けている”。
68 イエスは言われた。”あなたがたが憎まれ、迫害されているとき、あなたがた
は幸いである。そして、あなたがたが迫害されてきた所で、あなたがたが場所
を見出さないときに”。
69 イエスは言われた。”心の中で迫害された人たちは、幸いである。彼らは、父
を真実に知った人たちである。飢えている人たちは、幸いである。欲する者の
腹は満たされるであろう”
70 イエスは言われた。”あなたがたがあなたがたの中にそれを生み出すならば、
あなたがたが持っているものが、あなたがたを救うであろう。あなたがたがあ
なたがたの中にそれを持っていないならば、あなたがたがあなたがたの中に持
っていないものが、あなたがたを殺すであろう”
71 イエスは言われた。”私はこの家を壊すであろう。そして、誰もそれを再び建
てることができないであろう”
72 ある人が彼に言った”私の兄弟たちに、私の父の持物を私と分けるようにと言
って下さい”。彼がその人に言った、”人よ、誰が私を分配人に立てたのか”
。彼は弟子たちに向かって、言った、”私が分配人なのか”
73 イエスは言われた。”収穫は多いが、働き人が少ない。だから、主人に願って
、収穫のために働き人を送り出すようにしてもらいなさい”
74 彼が言った。”主よ、泉のまわりには多くの人々がおりますが、泉の中には誰
もおりません”
75 イエスは言われた。”多くの人々が戸口に立っている。しかし、花嫁の部屋に
入るであろう者は、単独者だけである”
76 イエスは言われた。”父の国は、荷物を持っていて、一つの真珠を見出した商
人のようなものである。この商人は賢い。彼は荷物を売りはらい、自分のため
にただ一つの真珠を買った。あなたがたもまた、衣蛾が近寄ってくわず、虫が
食いつくさぬ所に、朽ちず尽きることのない宝を求めなさい”
77 イエスは言われた。”私は彼らすべての上にある光である。私はすべてである
。すべては私から出た。そして、すべては私に達した。木を割りなさい。私は
そこにいる。石を持ち上げなさい。そうすればあなたがたは、私をそこに見出
すであろう”
78 イエスは言われた。”あなたがたは、何を見に野に来たのか。風に揺らぐ葦を
見るためか。あなたがたの王やあなたがたの高官のような柔らかい着物をまと
った人を見るためか。彼らは柔らかい着物をまとっている。そして、彼らは真
理を知ることができないであろう”
79 群衆の中から一人の女が彼に言った。”あなたを宿した胎と、あなたが吸われ
た乳房とは幸いです”。彼が彼女に言った。”父の言葉を聞いて、それを真実
に守った人々は幸いである。なぜなら、あなたがたが、「はらまなかった胎と
、ふくませなかった乳房とは幸いだ」と言う日が来るであろうから”
80 イエスは言われた。”この世を知った者は、身体を見出した。しかし、身体を
見出した者に、この世はふさわしくない”
81 イエスは言われた。”裕福になった者は支配するように。力を持つ者は棄てる
ように”
82 イエスは言われた。”私に近い者は火に近い。そして、私から遠い者は神の国か
ら遠い”
83 イエスは言われた。”像(複数)は人間に現れている。それらの中にある光は
父の光の像の中に隠されている。彼は現れるであろう。彼の像は光によって隠
されている”
84 イエスが言われた。”あなたがたがあなたがたの似像を見る日に、あなたがた
は喜ぶ。しかしあなたがたが、あなたがた以前に生まれた−死にも現れもしな
い−あなたがたの像(複数)を見るならば、どれほどあなたがたは耐えられる
であろうか”
85 イエスは言われた。”アダムは大いなる力と大いなる富から成った。そしてそ
れにもかかわらず、彼があなたがたにふさわしくならなかった。なぜなら、も
し彼がふさわしくなったなら、彼は死を味わうことがなかったであろうから”
86 イエスは言われた。”狐にはその穴があり、鳥にはその巣がある。しかし、人
の子には、その頭を傾け、安息する所がない”
87 イエスは言われた。”一つの身体によりかかってる身体はみじめである。そし
て、この両方によりかかっている魂はみじめである”
88 イエスは言われた。”御使いたちと預言者たちがあなたがたのもとに来る。そ
して、彼らはあなたがたにあなたがたに属するものを与えるであろう。そして
、あなたがたもまた彼らに、あなたがたの手中にあるものを与える。そして、
あなたがたは自らに、どの日に彼らが来て、彼らのものを受けるかを言う”
89 イエスは言われた。”なぜあなたがたは杯の外側を洗うのか。あなたがたは、
内側を造った者が、また外側を造った者であることが分からないのか”
90 イエスは言われた。”私のもとに来なさい、私のくびきは負いやすく、私の支
配は優しいからである。そして、あなたがたはあなたがた自身に安息を見出す
であろう”
91 彼らが彼に言った。”あなたが誰であるかを私たちに言ってください。そうす
れば私たちはあなたを信じます”彼が彼らに言った。”あなたがたは天地の模
様を調べる。そしてあなたがたは、あなたがたの面前にあるものを知らなかっ
た。そしてあなたがたは、この時を調べることを知らない”
92 イエスは言われた。”捜せ、そうすれば、見出すであろう。しかし、あなたが
たが私にある日々に聞いたこと、そして当時私があなたがたに言わなかったこ
と、それを今私は言おう。そして、あなたがたはそれを問うことがない”
93 イエスは言われた。”聖なるものを犬にやるな。彼らがそれを汚物に投げ入れ
ないためである。真珠を豚に投げてやるな。彼らがそれをしないためである”
94 イエスは言われた。”捜す者は、見出すであろう。また門をたたく者は、開け
てもらえるであろう”
95 イエスは言われた。”あなたがたがお金を持っているならば、利子をつけて与
えてはならない。そうでなくて、あなたがたがそれを取り戻さなくてよい者に
与えなさい”
96 イエスは言われた。”父の国はある女のようなものである。彼女が少量のパン
種を取って、粉の中に隠し、それを大きなパンにした。聞く耳ある者は聞くが
よい”
97 イエスは言われた。”父の国は、粉を満たした壺を担い、ある遠い道を行く女
のようなものである。壺の耳が壊れた。粉が彼女の後ろ、道に流れ落ちた。し
かし、彼女はそれに気づかなかった。彼女は禍を知らなかったのである。彼女
が家に着いたとき、彼女は壺を下に置き、それが空であることを発見した”
98 イエスは言われた。”父の国は、高官を殺そうとする人のようなものである。
彼は自分の家で刀を抜き、自分の腕がやり遂げるかどうかを知るために、それ
を壁に突き刺した。それから、彼は高官を殺した”
99 弟子たちがイエスに言った。”あなたの兄弟がたとあなたの母上が外に立って
います”。彼が彼らに言った。”私の父の御旨を行なう、ここにいる者たちこ
そ、私の兄弟、私の母なのである。彼らが私の父の国に入るであろう”
100 人々がイエスに金貨を示し、そして彼に言った。”カイサルの人々が私たちか
ら貢を要求します”。彼が彼らに言った。”カイサルのものはカイサルに、神
のものは神に返しなさい。そして、私のものは私に返しなさい”
101 イエスは言われた。”私のようにその父と母を憎まない者は、私の弟子である
ことができないであろう。そして、私のようにその父とその母を愛することの
ない者は、私の弟子であることができないであろう。なぜなら、私の母は偽り
を与えた。しかし私の真実の母は私に命を与えた”
102 イエスは言われた。”彼らパリサイ人は災いである。なぜなら、彼らは、牛の
まぐさ桶の中で寝ている犬のようなものだから。犬は食わないし、牛にも食わ
せないからである”
103 イエスは言われた。”盗賊がどこに入って来るか分かっている人は幸いである
。彼は、彼らが入って来る前に、起き上がり、自分の支配下にあるものを集め
、腰に帯をしめている”
104 彼らが彼に言った。”来てください、今日は祈り、断食しましょう”。イエス
が言った。”私が犯した罪とは一体何なのか。あるいは、私は何に負けたのか
。しかし、花婿が花嫁の部屋から出てくるときには、そのときはいつでも彼ら
は断食し、祈るべきである”
105 イエスは言われた。”父と母を知るであろう者は、娼婦の子と呼ばれるであろ
う”
106 イエスは言われた。”もしあなたが二つのものを一つとするならば、あなたが
たは人の子らとなるであろう。そして、あなたがたが、「山よ、移れ」と言う
ならば、山は移るであろう”
107 イエスは言われた。”神の国は百匹の羊を持つ羊飼のようなものである。それら
の中の一匹を捜した。彼は苦しみの果てに羊に言った、「私は九十九匹以上に
お前を愛する」と”
108 イエスは言われた。”私の口から飲む者は私のようになるであろう。そして、
私もまたその者になるであろう。そして、隠されていたものがその者に現れる
であろう”
109 イエスは言われた。”神の国はその畑に宝をもっている人のようなものである。
それ(宝)は隠されており、それについて彼は何も知らない。そして、彼が死
んだときに、彼はそれを自分の息子に残した。彼の息子もまた何も知らなかっ
た。彼はその畑を受け取り、それを売った。そして、買い取った人が来て、耕
作しているときに、宝を発見した。彼はお金を、彼が欲した人々に、利子付き
で貸し始めた”
110 イエスは言われた。”この世を見出し、裕福になった者は、この世を棄てるよ
うに”
111 イエスは言われた。”天は巻き上げられるであろう。そして地もまた、あなた
がたの前で。そして、生ける者から生きる者は死を見ないであろう”−イエス
は言っていないか。”自己自身を見出す者に、この世はふさわしくない”と。
112 イエスは言われた。”魂によりかかっている肉体は災いである。肉体によりか
かっている魂は災いである”
113 彼の弟子たちが彼に言った。”どの日に神の国は来るのでしょうか”。彼が言っ
た。”それは、待ち望んでいるうちは来るものではない。「見よ、ここにある
」、あるいは、「見よ、あそこにある」などとも言えない。そうではなくて、
父の国は地上に拡がっている。そして、人々はそれを見ない”
114 シモン・ペテロが彼らに言った。”マリハムはわたしたちのもとから去った方
がよい。女たちは命に値しないからである”。イエスは言われた。”見よ、私
は彼女を天の国へ導くであろう。私が彼女を男性にするために、彼女もまた、あ
なたがた男たちに似る生ける霊になるために。なぜなら、どの女たちも、彼女
らが自分を男性にするならば、天の国に入るであろうから”
http://www.mars.dti.ne.jp/~fenot/jesus/cr_tomas.html
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