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プーチン大統領は神の申し子_____小沢一郎先生はこういう人になって欲しかった
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html
投稿者 中川隆 日時 2010 年 2 月 17 日 21:49:17: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 小沢一郎先生は政治家の鑑 投稿者 中川隆 日時 2010 年 2 月 15 日 21:46:52)


ロシア 聖なる我等が国
ロシア 愛する我等が国
固き意志 偉大な栄光や
永久に汝が富ならん

   讃えよ我等が 自由なる祖国
   いざ集え 兄弟よ
   先人が知恵 我等がもとに
   讃えよ 汝が誇りを

新世紀を間近に控えた2000年。プーチン大統領は、それまでの愛国歌からソ連国歌のメロディーに変えました。

ソ連からの独立後のロシアには未来への希望が満ち溢れていました。共産主義の呪縛からの解放、独立、そして自由。しかしエリツィン政権のもとでは共産主義からは逃げられましたが、安定した生活は得られませんでした。そして独立を境にしロシアからは光が失われつつありました。ロシアの大国としての誇りが失われ、犯罪は多発し、誇りである軍隊はほぼ崩壊に近くなりました。

アメリカには頭が上がらなくなり、西欧との生活環境の落差は広がる一方。これらに追い討ちをかけたのが98年の経済危機。帝政ロシア、ソ連を通じ自らの経済を見つめてきた、またロシア人の誇りのルーブルが紙くず同然となりました。

ロシアの人々は現実に打ちのめされました。しかし。ロシアの人々はこんなことではへこたれません。・・ですが、やっぱり自分達の生活には限界が近づいてくるわけです。

エリツィンは何もせず酒ばかりのんでいる。国民の生活の不満は政治に向けられました。そんな中。1999年の大晦日。ロシアと全世界に衝撃が走りました。エリツィンが突如辞任したのです。

後任は元ペテルブルグ市長プーチン。名も知らぬ若き男に大国ロシアは委ねられたのです。国民はあまり期待をしませんでした。「エリツィンよかましなだけだろう」と。

しかし、そんな国民のさめた目を横目に、「強いロシア」を掲げた大統領は次々と改革を断行。経済はだんだんと回復。生活も苦しいながらも徐々に改善。なんと言っても「強いロシア」が現実に感じられるようになったのです。

もう昔の我々ではない。昔の栄光を取り戻そうじゃないか!

ロシアの人々は沸き立ちます。
http://www.medianetjapan.com/10/travel/vladimir/russian_house/russian_anthem.html


アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。この
時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらい
いだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシ
アに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとる
でしょう。
 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなこ
とは考えない。これは当然、「ロシアが二度とアメリカに
反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。

 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改
革のやり方」を伝授した
 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西
側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業
は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼
るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハ
イパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした92
年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5
%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持
つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者と
なった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど
無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政
権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、
国家財政は大幅な赤字に転落した。

http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html


金融の自由化はISOによってではなく、グローバル化なる経済用語あるいは
新自由主義なる政治用語によって露骨に国家間の争いとして実現されてきた。
ここにおける戦いが逆にISOを規定してきたといえるのである。
 それは98年8月27日、史上3番目の米欧での株の大暴落という劇的な形で始まった。
米12%、英13%、独18%の暴落だった。翌日アジアに波及する。日本19%香港33%
マレーシア59%。仕掛けはニューヨーク株式市場だった。この点に注目しておいて
いただきたい

ロシア売りである。直撃を受けてロシアの株価は実に84%も下落する。
一夜にして価値が6分の1に下落してしまったのである。

 この資金は「Hot Money」と称せられ、公式的には短期資金とされHedge Fund
とされる。資金の源は「ソ連邦崩壊により軍需に回されていた資金が民間に回り、
金融市場にあふれた」からとされているが、鵜呑みにするわけにはいかない。
軍需に回されていた資金の源は?民間に回される?馬脚が出ているのである。
公的資金が隠匿された回路を通って市場に投入されていることを自ら暴露して
しまっている。隠匿されているので分からないが、ヘッジファンドの資金のかなり
の部分が米では政府筋から出ている可能性がある。


1990年代初頭の旧ソ連と東欧の民主化は、西側諸国にとってあらたな潜在的脅威を生んだ。それまで共産圏内に閉じ込められていた高い技術力、技術開発力、先端科学が開放され、西側先端産業を脅かすことになるからだ。民主化の過程で、これら先端科学や先端技術を破壊する必要があった。旧ソ連と東欧の民主化、自由主義経済への移行過程に、IMFと世界銀行が深く関わることになる。

両機関の政策により、旧共産圏の経済生産は半分に落ち込んだとも言われる。また、経済の全域が商業マフィアに乗っ取られ、正常な経済活動が営まれなくなった。先端産業は発展の道を封鎖され、科学者や技術者は失業するか西側企業に格安で雇われることになった。IMFと世界銀行は、旧共産圏の経済を見事なまでに破壊し、国民生活を世界最低レベルにまで落とした。

かつての旧ソ連、東欧での生活水準はけっして高くはなかった。しかし、教育や医療など中心的な社会サービスは無料で提供され、完全雇用が約束されていた。しかし、IMFと世界銀行の指針により、社会保障制度は自ら財源を確保しなければならなくなった。教育、医療は有料化され、多くの人々が教育と医療を受ける権利を剥奪された。かつて西側先進国をしのぐほどの高い教育・医療レベルも維持できなくなった。

旧共産圏は、経済や産業だけでなく、教育、医療、福祉、文化、芸術、スポーツなどあらゆる分野が瓦解し、第三世界化してしまった。かくして、旧ソ連は西側先端産業にとって何の脅威でもなくなった。ヨーロッパ産業にとっては、すぐ隣に低賃金の労働市場が誕生したことを意味する。以降、東欧諸国は、西側ヨーロッパ産業に低賃金労働を提供するだけの存在となってしまった。


IMFによる「改革」によってロシア経済は混乱を増幅させ、IMFが決めた追加支援の
実行を求めるロシアのキリエンコ首相に米は拒否を通告、2日後のルーブルの大幅
切り下げ、そしてついには外為取引停止へと突き進んでいった。ロシア経済が立ち
直るのはエリツィン政権が終わり、IMFの言うことを聞かないプーチン政権が誕生
してからのことである。

 とすると、IMFで意図的にロシア経済を米欧に都合のいい状態に置き、その
締めくくりとしてロシア売りを仕掛け、世界的株価暴落を実現したと考えることも
出来る。

全てを「政府の手を離れた」「国境を越えた」ヘッジファンドのせいにする論調
ばかりが見受けられるが、よく考えてみる必要がありそうだ。そもそもIMFは米が
中心になって「社会主義諸国圏」を包囲し、帝国主義諸国間の金融を安定させる
ために作られた組織である。そのIMFのロシア資本主義化計画に基づいてロシアは
経済を運営したのだが、計画をしてその実行段階に入ってしまった後に米国が資金
提供を拒否するというシナリオは、非人為的なものだろうか。意図的であれ意図的
でないにせよ、人為的所為であることは確かである。

ロシアで何が為されたかを検討してみよう。91年の国有企業就労人口は78%程度
であったものが5年後の96年には38%となり、民間企業と逆転する。この間、
外資企業は1000から15000近くとなる。国営企業は株式化され株式売却益を国家
財政に返納するという方式すら採ることが出来ず、安値で個人に売却されるという
形しか採れなかった。国家財の収奪である。収奪された富は民営化された企業の
初期赤字という形で移転されていく。どこに移転したのかといえば、赤字に
ならざるをえない環境=すなわち国際環境に吸収されていったのである。
要するに外国資本が入り組んだ形で少量ずつの分け前にあずかるという形式で
ロシア国外に移転されたのである。

他方、民営化は外資が入り込むという形で急速に進展したのである。外資が入り
込みやすくするために国営・公営企業が急速に解体させられていったのである。
そしてこれこそがIMFの方針の確固とした部分だったのである。

 瞬時に国境を越える資金による恫喝とその実行を背景に、米国資本の利害に
連邦政府がその手先として地ならしをするというのがその実態だったのである。

日本もそうであり、ISOやIMFはその国家形態をとった手段だったのである。

http://www.hibana.org/

アメリカがロシアにしたこと:

・1992年1月に開始されたIMF式「ショック療法」は、ロシアの民族資本主義への移行の可能性を最初から排除させるものであった。西側の目的は、どのようにしてロシアを手なづけ従属させ、ロシア経済の長所である先進科学、人的資源、知的財産権を奪うかにあった。

・IMFとエリツィンが主導する経済改革はアフリカとラテンアメリカの債務国に強要された構造調整プログラムのコピー版が適用されたのだった。この経済改革で物価が100倍以上に跳ね上がったと言われている。IMF関係者によると、国民の購買力が非常に高く過剰流動性を吸収しなければいけないと述べていた。マクロ経済政策が実施されると、生活水準は下落し、第二次対戦の時のほうが食べるものがあったという声があるほどだった。

・冷戦は実際に破壊なく進行した戦争であったが、マクロ経済政策という武器を通して、敗戦国の経済を瓦解させながら、幕を下ろした。市民社会は破壊、経済活動の領域が犯罪の巣窟になり、国家の財産が奪取され、黒い金がロンダリングされ、資本は海外へと流出した。さらに、商業銀行の半数以上を地域マフィアが掌握、モスクワの不動産の半分を犯罪組織が所有しているのだ。

◆国家財産の安価購入◆

・新興富裕層は、法外に儲けた金で国家財産をただ同然の安価で買ったり、政府の民営化計画を通して民営化企業を買ったりした。先端のミサイル生産施設は、100万ドルあれば買うことができ、モスクワの中心にあるホテルは、パリにあるアパート一軒の値段より安く取引された。


◆膠着状態に陥ったIMFの改革政策◆

・1992年末に、イェゴール・ガイダル首相の指揮で進められていたIMFの改革政策は、議会だけでなく、中央銀行からも猛反対にあった。中央銀行総裁はIMFの勧告とは反対に国営企業に貸出しを拡大し、代わりに保健医療、教育、年金の削減を盛り込んだ、「対案的経済政策計画」を発表したが、ガイダル首相が解任されると、その計画は実行されなかった。
・そして相次ぐ議会の反対から、1993年9月21日にエリツィンが大統領令を布告し、議会の両院を解散させた。

◆西側諸国のエリツィン支援◆

・1993年末にはいって、ロシアの資本は海外流出によって枯渇状態になってしまっていた。その年の国際収支赤字は400億ドルで、1993年に東京で開かれたG7首脳会議で決定した430億ドルの援助に匹敵する額であった。同年バンクーバー・サミットで締結された米国とロシアの二国間協約に従って、クリントン大統領は16億ドルの支援をすると約束したが、これにはたくさんの条件が付けられており、ロシアは自由に使えなかった。


◆債務返済の足かせ◆

・1993年9月議会の抵抗を制圧したロシア政府は、債権金融団との債務交渉戦略を修正した。1993年10月初め、フランクフルトでロンドン・クラブ会議が開かれた。そこでロシア交渉団は、商業債務返済は必ず守らせると断言した。この会議で、治外法権放棄を除外してはロンドン・クラブが提示したすべての条件を受け入れた。そして、国際収支の危機、悪性債務の蓄積によってロシアは、事実上の支払い不能状態に陥るようになった。今やロシアは卑屈で従順な第三世界国家へと転落してしまい、債務と構造調整という沼に落ちてしまった。

◆市民社会の崩壊◆

・ロシア国民は両極化し、民主主義を導入後は、雇用に関しては最悪の結果で1993年には産業施設の半分以上が閉鎖倒産した。1994年の公式統計によると、3万3千ほどの国営企業および集団農場に勤務する労働者の賃金が遅払いされた。

・問題は貧困化と大量失業だけではなく、ロシア社会の基礎、国家制度自体が破壊されており、ロシア連邦さえ瓦解する危険性があるのだ。
http://www.h3.dion.ne.jp/~ymuroi/02-1-zemi-03s-12.htm

1990年代初頭の旧ソ連と東欧の民主化は、西側諸国にとってあらたな潜在的脅威を
生んだ。それまで共産圏内に閉じ込められていた高い技術力、技術開発力、先端
科学が開放され、西側先端産業を脅かすことになるからだ。民主化の過程で、
これら先端科学や先端技術を破壊する必要があった。旧ソ連と東欧の民主化、
自由主義経済への移行過程に、IMFと世界銀行が深く関わることになる。

両機関の政策により、旧共産圏の経済生産は半分に落ち込んだとも言われる。
また、経済の全域が商業マフィアに乗っ取られ、正常な経済活動が営まれなくなった。
先端産業は発展の道を封鎖され、科学者や技術者は失業するか西側企業に格安で
雇われることになった。IMFと世界銀行は、旧共産圏の経済を見事なまでに破壊
し、国民生活を世界最低レベルにまで落とした。

かつての旧ソ連、東欧での生活水準はけっして高くはなかった。しかし、教育や
医療など中心的な社会サービスは無料で提供され、完全雇用が約束されていた。
しかし、IMFと世界銀行の指針により、社会保障制度は自ら財源を確保しなければならなくなった。
教育、医療は有料化され、多くの人々が教育と医療を受ける権利を剥奪された。
かつて西側先進国をしのぐほどの高い教育・医療レベルも維持できなくなった。

旧共産圏は、経済や産業だけでなく、教育、医療、福祉、文化、芸術、スポーツ
などあらゆる分野が瓦解し、第三世界化してしまった。かくして、旧ソ連は西側
先端産業にとって何の脅威でもなくなった。ヨーロッパ産業にとっては、すぐ隣に
低賃金の労働市場が誕生したことを意味する。以降、東欧諸国は、西側ヨーロッパ
産業に低賃金労働を提供するだけの存在となってしまった。
http://ime.nu/blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b

ロシアと社会主義

11日に発表された、ロシアの世論調査機関が行った国民意識調査によると、
ペレストロイカを失敗と見なした人が56%、
「1985年以前の体制を続けていれば生活水準は良くなっていたはず」とした
人が48%、
「ペレストロイカがなければ超大国の地位を維持できた」と答えた人は36%
に上ったという。

一般の日本人から考えると信じられない数字かもしれない。
西側メディアのプロパガンダによって、旧ソ連も人たちも今の北朝鮮の人の
ような生活を送っていたと考える人が大半なようだが、実情はそんな悪いもの
ではなかったと思う。

確かにモノ=商品は質が悪く、流通量も少なかったが、
きちんと働いていれば、生活に困ることはなかったし、老後も安心して
過ごせたのだ。病院も学校もタダだった。
今は、1割のお金がある人は良い生活を、残りの9割の人は食うや食わずで1日中働く。
男性の平均寿命を見ると面白い。
85年には63才ぐらいだったものが、10年後には55才を下回ってしまったのだ。

もともと社会主義は競争を否定し、(成長を犠牲にして)平等と共生を重視する理念だった。
しかし、冷戦構造に巻き込まれ、米国と真っ向から世界対立する路線を進んだために、
資本主義と競争する羽目になり、戦時態勢をずっと続けるようなことになってしまった。
本来なら2次大戦が終わった時点で、軍事から民生重視に産業を移行するべきだったものが
できなかった。その辺にソ連崩壊の最大の理由があるのではないか。

24時間仕事と金のことばかり考え、生き馬の目を抜くような人生しか
送れないのが、資本主義社会の本当の姿だと思う。
http://kenuchka.paslog.jp/article/11458.html

オリガルヒ

1990年代後半のロシアには、7人の大資本家がいた。ボリス・ベレゾフスキー、
ウラジミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキー、ウラジミル・ポタニン、
ミハイル・フリードマン、ウラジミル・ビノグラドフ、アレクサンダー・スモレンスキー
の7人で、彼らは「オリガルヒ」と呼ばれてきた。

 オリガルヒは、最年長が1946年生まれのベレゾフスキーで、いずれも
20−30歳代だった1980年代後半に、ソ連でペレストロイカの経済自由化
が行われたときに個人でビジネスを開始した。

 1987年にソ連で銀行の設立が自由化された際に相次いで金融業に進出し、
1991年にソ連が崩壊した後、為替市場で通貨ルーブルの下落を利用した
取引で儲け、経済システムが変わって財政難に陥った中央や地方の役所に
その金を融資することで権力の中枢に食い込み、儲けを急拡大させた。

 何人かのオリガルヒはテレビや新聞などのマスコミ企業を買収し、
自分たちを敵視する政治家を攻撃するキャンペーンを展開できるようにした。
オリガルヒは「7人合わせるとロシア経済の半分を支配している」とベレゾフスキー
が豪語するまでになった。

1996年の選挙でエリツィン大統領が再選を狙った際、オリガルヒたちは
こぞってエリツィンに選挙資金を出した。「ショック療法」と呼ばれた
エリツィンの経済改革は、従来のソ連型経済を一気に破壊するもので、経済活動
の停止とインフレにより一般の人々の生活を苦しくする一方、オリガルヒら
一部の金持ちをますます富ませるだけだったため、多くの人々は不満を持ち、
共産党系の対立候補を支持する姿勢を見せた。

 ORT(ロシア公共テレビ)とTV6という2つのテレビ局を所有する
ベレゾフスキー、NTVを所有するグシンスキーらは、選挙戦の時期に
エリツィンを支援するマスコミ戦略を展開し、エリツィンを続投させてやった。
選挙後、政府に対するオリガルヒの影響力は強まり、人々はエリツィン政権
を「7人の銀行家による統治」(semibankirshchina)と呼んだ。


人のオリガルヒのうち、ベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキー、
フリードマン、スモレンスキーの5人がユダヤ人である。

ロシアのユダヤ人人口は、公式な統計では全人口の0・15%で、混血者を
含めても人口の約3%である。こんなに少ないのに、ロシアを支配する7人の
大富豪のうち5人がユダヤ人である。

「オリガルヒ」と呼ばれる人々は最有力の7人以外にもいるが、後発のオリガルヒ
にもユダヤ人は多い。たとえばベレゾフスキーの「弟子」で、昨年イギリス
のサッカーチームであるチェルシーを買収して有名になったローマン・アブラモビッチがそうだ。
エリツィン政権の民営化担当副首相からお手盛り行政で民営化した石油会社
UESの社長になり、オリガルヒの仲間入りをしたアナトリー・チュバイス
もユダヤ人である。

 また、オリガルヒの後押しを受けて首相に就任したセルゲイ・キリエンコ
(1998年4−8月)、エヴゲニー・プリマコフ(1998年9月−99年5月)
や、地方行政を成功させて1997年に副首相に抜擢されたボリス・ネムツォフなど、
政界にもユダヤ人が多い。

 前出の米のユダヤ系雑誌フォワード(97年4月号)は「ロシアを動かして
いる政治家や銀行家には、ユダヤ人が多すぎる」と懸念している。彼らの
多くは自分たちの財力や権力を拡大することにだけ熱心で、ロシアの一般市民
の生活が悪化するのを放置した。

クレムリンの中枢に入り込んだオリガルヒは、一時は権力を磐石にしたかに
見えた。だが、2000年の大統領選挙でプーチンを当選させた後、子飼い
のはずのプーチンに反撃され、権力と財力を一気に失うことになった。
http://ime.nu/tanakanews.com/e0309russia.htm

イギリスのスパイだったオリガルヒ

イギリスは、冷戦を起こして欧米にロシア敵視戦略をとらせただけでなく、冷戦後は、欧米中心の国際社会に入れてもらえるものと考えて、国有企業の民営化などの市場原理導入を進めたロシアを逆手にとって混乱させる戦略を続けた。

 冷戦後のロシアでは「オリガルヒ(オリガーキー)」と呼ばれる何十人かの新興財閥が登場した。彼らは、民営化される国有企業の株を巧みに買い漁り、石油や鉱物資源など、ロシアの主要な産業を買い占めた。彼らは、資金力を使って政界に入り込み、エリツィン政権の中枢に入ってロシア政府を牛耳ったが、その時期のロシアは国民が貧しくなり、治安は悪化し、ひどい状態だった。

 このロシアの窮状を救ったのが、2000年から大統領になったプーチンの政権で、主要なオリガルヒに相次いで脱税などの罪をかけて逮捕し、民営化のどさくさの中でオリガルヒが取得したエネルギーなど主要産業を没収し、再国有化した。オリガルヒの何人かは海外に亡命したが、その行き先はみんなイギリスだった(イスラエルに亡命した者も少数いる)。(関連記事)

 オリガルヒの多くは、最初から企業の買収や経営の技能があったわけではなく、ソ連崩壊までは、技術者や教師など、企業の買収や経営とは全く関係ない仕事に就いていた。ノウハウのない彼らが、どうやって数年間で新興財閥にのし上がったのか。そして、プーチンに退治された後の亡命先が、なぜみんなイギリスなのか。


おそらくオリガルヒたちは、イギリスが冷戦後のロシアを弱体化させておくために支援した勢力である。イギリスは冷戦時代から、イスラエルとつながりがあるユダヤ系ロシア人などを使って、ソ連国内にある程度のスパイ網を持ち、冷戦後はスパイ網を一挙に拡大させ、その過程で接点があった何人かのロシア人に企業買収の情報やノウハウ、資金などを供給し、オリガルヒとして台頭させたのだろう。オリガルヒの多くはユダヤ系だ。(関連記事)

 エリツィンに評価され、2000年に大統領となったプーチンは、おそらく就任前から、オリガルヒを退治して、彼らが私物化していたエネルギーや鉱物資源の企業を没収して再国有化することを目標としていた。プーチンは諜報機関KGBの出身だから、イギリスがロシアでスパイをやったり、オリガルヒを使って混乱を助長していたことは、よく知っていたはずだ。強いロシアを取り戻すためには、イギリスによる破壊活動を止める必要があった。

▼イギリスとのスパイ戦争に勝つロシア

 米英がイラク占領に失敗し、世界的に外交力を失った2006年ごろまでには、プーチンはオリガルヒ退治を完了し、黒幕であるイギリスをロシアから追い出す戦略に着手した。イギリス系の石油会社が冷戦後にオリガルヒから買った石油開発権などを、次々と理由をつけて安く手放させ、再国有化した。

 昨年には、イギリスに亡命したオリガルヒであるベレゾフスキーの手下として動いていたロシア人リトビネンコが、放射性物質で謎の死を遂げる事件があったが、これも英露どちらが仕掛けたのかはわからないものの、英露のスパイ間の戦いであろう。ロシア政府は最近、モスクワなどにあるブリティッシュ・カウンシル(英政府の文化交流施設)が、スパイ行為を行っているとして閉鎖を命じた。これも英露のスパイ戦争であり、英マスコミが報じているような、ロシアによる無根拠な攻撃ではない。


3月19日には、イギリスの石油会社BPがロシア企業と合弁で作っているモスクワの石油ガス会社に、ロシア当局が強制捜査に入り、翌日にはロシア人従業員らがスパイ容疑で逮捕された。ロシア政府は、BPがロシア国内に持っている石油ガスの利権を没収(格安買い上げ)することを狙っている、と英側は考えている。この合弁企業の油田の産油量はロシア第3位で、BPは全社的な原油生産量の2割を、この合弁会社の油田から出している。(関連記事その1、その2)

 ロシア政府は、欧米全体を標的にしているように受け取られているが、必ずしもそうではない。BPの合弁会社がロシア当局に強制捜査され、対露投資を奪われる過程に入った翌日、フランスの石油ガス会社トタールの幹部は米AP通信社の取材に応えて「石油ガス部門におけるロシアの投資環境は安定している。ロシア政府のガス会社ガスプロムと、新たなガス田を開発したい」と述べている。(関連記事)

 英露間のスパイ戦争は、2000年にプーチン大統領が就任するまではイギリスの優勢だったが、その後はロシアが巻き返し、今では完全にロシアの勝ちになっている。ロシアの次期大統領になるメドベージェフは、若いころからのプーチンの忠実な部下だから、イギリスを痛めつけるロシアの戦略は、今後も変わらないだろう。
http://tanakanews.com/080325UK.htm

共産主義体制崩壊後のロシアの政治を、日本では、改革派(民主系)と保守派
(旧共産党系)の対立を軸にしたものとしてとらえ、そこに中間派系、民族派系
などの諸派が絡んだ政争の流れとして見ている。しかし、本当の問題は民族
闘争なのである。ロシア人とユダヤ人の対決、それがロシアで起きていること
の根本にあることである。


1991年8月、世界を揺るがしたソ連のクーデターはあっけない失敗に
終わった。しかしその結果起きたことは、紛れもない革命だった。これは
ユダヤ人によるクーデターであり、「ユダヤ第二革命」と呼ぶべきものだった。
過激派のユダヤ人たちは、穏健なゴルバチョフ政権を倒して自らが政権を
握ろうとしたのである。クーデター失敗後、エリツィン・グループが政権を
握ったが、エリツィン大統領を取り巻くロシア政府高官のほとんどがユダヤ人
であった。

エリツィンはユダヤ人の妻を持つが、彼自身は純粋のロシア人である。しかし
彼は頭が悪く、しかもアルコール中毒である。彼は使われているロボットに
すぎない。彼の補佐官は80%がユダヤ人であり、彼の補佐官の中には20人
のアメリカ人がいた。そのアメリカ人の中でも指導的な役割を果たしている
のは、ジェフリー・サックスというハーバード大学の教授であり、もちろん
ユダヤ人である。

ロシア国内のユダヤ人たちは、8月クーデターでロシア政府内の実権を握った
ことを幸いに、次に海外のユダヤ人と相呼応して、ロシア経済を支配下に
置こうとした。そのため、欧米の、中でもアメリカのユダヤ資本が怒涛の
ようにロシアになだれ込むことになったのである。

エリツィンと取り巻きのユダヤ人たちは、8月クーデター以後、急進的な市場
開放路線を議会で承認させると、ガイダル政権を発足させた。そして年末の
連邦崩壊・CISの形成を経るや、一気に市場開放、価格自由化という
ショック療法を実行に移したのである。その結果ロシアでは、国際派ユダヤ人
による猛烈な「ゴールド・ラッシュ」が起きた。1991年8月クーデター
以後しばらくの間、ニューヨークからモスクワ行きの飛行機は、ほとんど
ユダヤ人たちに占められていた。

ユダヤ人はモスクワやサンクト・ペテルブルグ、キエフなどの大都会では力があるが、
農民や労働者の中にはユダヤ人はほとんどいない。これは喜ばしいことである。
さらに、ユダヤ人たちの影響はまだ地方にまでは及んでいない。ロシアの
地方には本当のロシアが残っている。

ロシア人たちの反発は、ロシア人によるユダヤからの解放運動として、すでに
地方に広がりはじめている。ロシア人たちは必ず自分たちのロシア人のリーダーを選ぶだろう。

以前ゴルバチョフはペレストロイカは地方からの革命ではなく「上からの革命」であると言った。
しかしこれは「革命」というよりは反ロシア的な陰謀であった。決して下からの解放運動、革命ではなかった。

私たちロシア人はすでに革命の歴史をもっている。最初の10月革命、これは
明らかにユダヤ革命だった。そしてまた、2年前の1991年8月にあった革命も、
ユダヤ革命であった。ロシア人たちはユダヤ革命はもう十分だと思っている。
我らはもうこれに我慢できない。ロシアのユダヤ人たちは、ロシアにおいて
悪質なことをやってきたし、今もやっている。しかし彼らはすでにやりすぎている。

今後、ロシア人とユダヤ人との闘いは、もっと激しくなっていくにちがいない。
やがてロシア人の解放運動が巻き起こるだろう。
http://ime.nu/inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb500.html


『罪と罰』の深層

私たち日本人の多くは、この小説をラスコーリニコフという一人の青年の心
の苦悶(くもん)として読むだろう。が、 ドストエフスキーは、この小説で
ロシア人とユダヤ人の葛藤(かっとう)を描こうとしたのである。

主人公ラスコーリニコフはまちがいなくロシア人である。そして高利貸の老婆
はユダヤ人を象徴している。ロシア人の読者には、この高利貸がユダヤ人を
意味していることがすぐにわかったはずである。そして娼婦ソーニャは、
ロシア文明を支え続けたロシア正教を表わしていると読むことができる。

ラスコーリニコフの苦悩は、そのままロシア人がユダヤ人に対して抱え込ま
された葛藤の、象徴的な表現なのであった。
http://ime.nu/www.coara.or.jp/~dost/5-1-2-3.htm 


プーチンの逆襲


4月25日に前ロシア大統領のエリティンが死んだ。ソ連を崩壊させ、ロシアに民主主義革命をもたらした立役者でありながら、彼の人気は、その後急速に崩壊した。それもそうだろう。経済オンチのエリティンはアメリカや世界銀行の言いなりになって国営企業を民間に売り渡し、ロシア経済を完全に破壊した。

 92年のGDP成長率は、マイナス14.5%で、インフレ率は2600%になった。1千万の貯金がなんと1年間で38万円になってしまう。これはお金が紙くず同然になるということだ。ロシアは92〜98年でGDPを43%も減らし、国家の財政は破綻し、国民は塗炭の苦しみを味わった。庶民の生活は最低で、平均寿命が毎年減少した。

 その一方で新興財閥がのさばった。エリツィン時代「クレムリンのゴッドファーザー」と呼ばれたベレゾフスキーは、「7人の新興財閥が、ロシアの50%の富を牛耳っている」と公言していたという。ベレゾフスキーは、99年、エリツィンの後継者にFSB(旧KGB)の長官のプーチンを選ぶ。彼はその見返りに自分の地位と富を保障してもらうつもりだった。

 ところが2000年、プーチンは大統領になると、ベレゾフスキーの一派をさっそく切り捨てた。当局から手のひらを返したような冷たい仕打ちを受け、横領や脱税の罪で追いつめられたベレゾフスキーは、たまらずイギリスに政治逃亡した。こうして新興財閥を退治すると、プーチンはふたたび歴史の針をもとにもどした。エリツィン政権下で次々と民営化された天然ガスなどの基幹産業はふたたび国営化された。

 この冷徹な独裁的指導者プーチンの人気がロシアではダントツである。就任以来一貫して70%台という驚異的人気をほこっている。理由は簡単明瞭である。財閥を退治し、海外資本を一掃して、国を豊かにし、庶民生活をよくしてくれたからだ。国民の平均月収は98年に80ドルだった。これがこの10年間で5倍の400ドルになった。彼が大統領に就任して以来、ロシア経済は順調に成長し、00〜06年まで平均7%の経済成長をつづけている。
http://ameblo.jp/renshi/entry-10032167761.html


ロシアのマスコミの多くはここ10年近く、オリガルヒ(大富豪)たちによる
企業買収の結果、彼らにとって都合の良い報道が流される傾向が強かった。
ロシアでは「オリガルヒが国有資産を私物化した結果、一般市民が貧しく
なった」と考えている人が多く、オリガルヒに対する批判が強いので、政府が
マスコミを検閲することが必要だと考えるロシア人が多いのだろう。

世論調査には「あなたが最も信頼している人(組織)はどれですか」という
質問もあり、それに対する回答は「プチン大統領」が50%で、「キリスト教会」が14%、
「政府」「軍」「マスコミ」が9%ずつ、「警察(司法当局)」が5%、
「議会(下院)」が4%、「どれも信用していない」が28%だった.

 ロシアでマスコミ不信が強いことと、プーチン大統領に対する信頼があついことは、
ひとつの現象の裏と表である。プーチンは2000年に大統領に就任した後、
前任者のエリツィン政権がオリガルヒに牛耳られていた状態だったのを脱却
し、しだいにオリガルヒとの対決姿勢を強め、何人かを亡命や投獄に追い込み、
残りを政府に従順な態度をとらざる得ない状態にした。

 ロシアの人々がプーチンを支持するのは、オリガルヒに対する反発と一体
になっている。オリガルヒを「退治」するたびに支持率を上げたプーチンは、
3月14日の大統領選挙で72%という高い得票率で再選を果たした。

プーチンは3月14日の選挙で圧勝して大統領に再選されたが、これによって
ますます強気になり、オリガルヒをロシアのエネルギー・地下資源などの業界
から追い出す動きを続けていくと予想される。そしてロシア国民の大半は
プーチンを「スターリン以来の強い指導者の登場」とみて支持している。
世論調査によるとロシア国民の64%が「ソ連の崩壊は残念だった」と考えて
いる。その多くは「ソ連時代のように世界と周辺諸国に対して強い態度を
とれる国に戻ってほしい」と考え、プーチンがロシアを再び強い国にして
くれることを望んでいると思われる

http://ime.nu/tanakanews.com/e0318russia.htm

ロシアの新興財閥・繁栄と没落の軌跡

「新興財閥」とは、1990年代後半以降ロシア経済を牛耳った【オルガルヒ(寡頭資本家)】という7人の資本家のことです。彼等は、20〜30代の若さで1980年代後半、ソ連でペレストロイカがはじまった時に金融業界で頭角を現し成功し(=混乱に乗じて「市場」から莫大な金を吸い上げ、ロシアという国家をしゃぶりつくし)、遂にはロシア政治をも支配するに至った人物たちです。

【オルガルヒ】は、ボリス・ベレゾフスキー、ウラジミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキー、ウラジミル・ポタニン、ミハイル・フリードマン、ウラジミル・ビノグラドフ、アレクサンダー・スモレンスキー、の7人のことを指しますが、うち5人はユダヤ人です。「7人合わせるとロシア経済の半分を支配している」とベレゾフスキーが豪語するまでになっていましたが、まんざら誇張ではありませんでした。
1996年のロシア大統領選挙でエリツィンが選任されましたが、この再選は【オルガリヒ】の存在なしにはありえなかったのです。 【オルガルヒ】の狡猾なところは、金融業界のみならずロシア・マスコミをも支配したことにあり、この構図はアメリカとまったく同様ですね。彼等はメディアを利用して徹底的に「エリツィン再選キャンペーン」をはる一方で、対立候補に対しては醜悪なまでのネガティブ・キャンペーンをはり、それが見事に効を奏したわけです。

この時のキャンペーンの旗印(=奇麗事)は「自由主義」ですが、「自由主義」という言葉には歴史的に「ユダヤ人が市場をしゃぶりつくして金を”自由”に吸い上げることができる社会の実現」という意味が込められていることが少なくない、と注意する必要があります。


健康状態が悪化し大統領の責務に耐えられるはずもないエリツィンは、重病人であるからこそ【オルガルヒ】の操り人形として再選させれられたのであり、再任期間中の殆どを病床で過さざるをえず、当時のロシアを実質的に支配したのは【オルガルヒ】の頭目のベレゾフスキーでした。

この<金融業とマスコミを独占して、表(マスコミ)と裏(金)から政治を操る>という手法は、過去の歴史を通じてユダヤ人が得意とするところです。

ロシアでは現在、プーチン大統領により【オルガルヒ】はほぼ放逐されたのですが、実はプーチン自身、大統領候補として頭角を現したのは【オルガルヒ】の力(資本、マスコミ)に拠るところが大きかったのですから面白い。
プーチンがロシアで圧倒的な支持をえている背景には、このような事実(=【オルガルヒ】の力を利用して台頭しながら、ロシア社会に巣喰う【オルガルヒ】を放逐したということ)に基く、ロシア人のプーチンに寄せる政治的・民族的信頼感があることを理解しておくべきでしょう。

アメリカ、ヨーロッパ、中東と同様、ロシアという国の歴史は、「 vs ユダヤ人」という構図抜きには語れません。
また、ロシアを代表する重要人物にはユダヤ人が少なくない、ということもよくご存知でしょう。代表がレーニンで、トロツキーもそうです。また、ロシアではありませんが彼等に思想的影響を与えたマルクスやフロイトもユダヤ人です。
ユダヤ人迫害というとナチやヒトラーが有名ですが、ヨーロッパは全域的かつ伝統的にユダヤ人を迫害し続けていたのですし、実は今でもそういう面が少なくありません。ヒトラーよりもっと過酷にユダヤ人を迫害したのは、実はスターリンのほうなのです。
そういう来歴を有するユダヤ人にとって、経済活動の機会が保障される「自由主義」や「平等」という旗印は一般的に好ましいものです。


上で”この<金融業とマスコミを独占して、表(マスコミ)と裏(金)から政治を操る>という手法は、過去の歴史を通じてユダヤ人が得意とするところです”と書きましたが、本来ユダヤ人が得意とするところは金融業でした(シェークスピアの『ヴェニスの商人』をイメージしてください)。しかも、社会の混乱に乗じて<ハゲタカ>的に金を吸い上げる彼等独特の狡猾で冷酷な手法が、各地で反感をかっていたのです。最近では、アジア市場で同様のことが行われてもいます(ユダヤ系の金融資本が、日本の「バブル崩壊」に乗じて数十兆円とも数百兆円ともいわれる金を吸い上げていったのは記憶に新しいところですし、アジア各国で金融危機が生じるたびに彼等の跋扈が公然と囁かれていました)。

そういう彼等が、ソ連やナチスによる迫害を経て身につけたのが、所謂「プロパガンダ」の効能というものです。実はユダヤ人自身、欧州によるプロパガンダに散々やられ、非常に悪いイメージを植えつけられた、という苦い経験を有するのですが(その典型を『ヴェニスの商人』にみることができます)、それに習ってまずはアメリカで(金融業とともに)マスメディアを支配したわけです。

私はこのまえ”現在アメリカを舞台に繰り広げられている「慰安婦狂想曲」は米韓合作である”と評しましたが、米韓合作の「米」の<裏>の主体として「ユダヤ系」を想定していた、ということをここに白状しておきましょう。朝鮮半島という利権、マスメディアを通じたプロパガンダ、政治的な情報操作・・・・こういう判断材料が揃うと、嫌でも「ユダヤ」という文字が頭に浮かんできたという次第です。
http://wolf.accela.jp/cgi-bin/zatudanwa.cgi


ロシアではプーチン政権が政敵のオリガルヒ(欧米寄りの新興財閥)たちに
「脱税」などを容疑をかけて次々と倒し、オルガルヒが所有していた石油や
天然ガスの会社を没収し、再国有化し、ガスプロムなど数社に統合した.
折からの世界的な石油価格の高騰を受け、それまで赤字で欧米からの借金が
重荷だったロシアの政府財政は一気に黒字化し、プーチンは欧米から借りて
いた金を前倒しして返し、借金を理由に欧米から内政干渉されることを防げる
ようになった.
ロシアでは昨年末、プーチン政権が、外国から資金供給を受けている人権団体
や民主化団体の活動を禁止する法律を策定した。これは、欧米側から
「民主化や人権に対する弾圧である」と非難されているが、この問題で欧米
が「善」でプーチンが「悪」だと見るのは間違いである。

実際のところは、米英が「民主化」や「人権」の問題を誇張して非難し、
それを口実に、ロシア周辺の国々を政権転覆しようとする欧米(米英)側と、
それを防ごうとするプーチンのロシアとの「陣取り合戦」の中で、ロシアが
強くなり、欧米側が不利になっていることを示しているにすぎない
「サダム・フセインは悪だ」と思わせたのと同様、米英による「戦争」の一部
となっている。

1998年に東南アジアに始まった金融危機がロシアに波及し、ロシア経済
が崩壊した後、それまでロシアのエネルギー産業を所有していたオリガルヒ
たちは、自分たちの会社を欧米の石油会社などに売却する傾向を取り始めた。
これに対して「待った」をかけたのが、2000年に大統領になったプーチン
で、彼はオリガルヒを逮捕追放し、ロシアのエネルギー産業を国有化した。

大半がプーチンの支持者で構成されるロシア議会では昨年末、エネルギー産業
を外国人に売却することを禁止する法律が成立し、欧米がロシアのエネルギー
産業を牛耳る道は閉ざされた。これによって欧米が描いていた「ロシアの欧州化」
の構想も頓挫した。
http://ime.nu/tanakanews.com/g0112russia.htm


プーチン大統領は、冷戦後の10年間、弱い状態が続いていたロシアを、国家
経済の中心をなすエネルギー産業の再国有化と強化によって、強い状態に
戻しつつある.
エリツィンが大統領をしていた時代には、石油など資源産業は、ソ連崩壊後
に国有企業が民営化される過程で経営権を握った新興資本家「オリガルヒ」
たちに握られていた。オリガルヒは儲けた金で政治献金し、エリツィン政権
の中枢に座っていた。

 自由市場経済に転換した冷戦後のロシアでは、企業には名目上、納税義務が
あったが、取り立てる行政メカニズムが未整備だったため、誰も税金を払って
いなかった。プーチンはこれに目をつけ、オリガルヒたちに「脱税」容疑を
かけた。特に、最大の石油会社だったユコスに対しては、企業資産を凍結
した上で巨額の重加算税を科して支払不能に陥らせ、国有石油会社ロスネフチ
などに安値で買収させ、国有化してしまった.

まさに今のロシアは、経済も政治も、プーチンという「秘密警察出身の経済
マフィア」が一人で握っている独裁国家である。だがロシアの世論を見ると、
ロシア人は、以前のオリガルヒよりもプーチンの方を、はるかに強く支持して
いる。それは、オリガルヒが自分の金儲けを越えた大目標を持たず、エリツィン時代
のロシア政府を私物化して混乱させるばかりだったのに対し、プーチンは最初
から「ロシアを再び世界の強国にする」という国家的な目標を持って独裁政治
をやっているからだ。
 ロシア人の多くは、かつて強かったソ連を壊してしまったゴルバチョフを
嫌い、自国がソ連時代のような強い国に戻ることを望んでいる。資源を使って
ロシアを再強化するプーチンの戦略は、こうしたロシア人の気持ちに沿って
いる。

 プーチンは、ゴルバチョフとエリツィンが廃止した、ソ連時代の国歌や紋章
などを復活させる政策を採っており、これもロシア国民の多くに支持されている。
このような背景があったため、プーチンは2004年の大統領選挙で71%の
得票で再選され、プーチンの政党である「統一ロシア」は2003年の連邦議会選挙で圧勝した。
http://ime.nu/tanakanews.com/g0116russia.htm

ロシアの復活

 アメリカの戦略は奏功して、ロシアは90年代を通じて、ほ
とんどの年にマイナス成長を続けた。ところが98年にKGB出
身のプリマコフが首相となって金融危機を克服。翌年、これま
たKGB派閥のプーチンが首相に就任した年には、いきなり
5.4%のプラス成長に転じ、大統領となった2000年にはなんと
9%の高成長を記録した。その後も4〜7%のプラス成長を続
けている。

 その理由の第一はルーブル切り下げの効果である。ルーブル
の価値は、98年の金融危機以前に対して4分の一以下となり、
輸入品の値段が高騰して、国民は仕方なく「安かろう悪かろう」
の国産品を買うようになった。同時に輸出が急増した。これに
より一度は市場開放で壊滅状態に陥った国内産業が息を吹き返
した。

 第二は原油価格の高騰である。世界最大の原油供給地・中東
の情勢不安定、中国の石油需要急増により、原油が値上がりし、
石油大国ロシアの輸出収入が増大した。

 こうした環境の変化に上手く対応した政策も奏功した。まず
ロシア政府は石油会社が原油輸出で得た外貨の75%をルーブ
ルに換えることを義務づけた。これによりルーブルのさらなる
下落が食い止められた。

 同時に、今まで税金逃れをしていた新興財閥から税金を取り
立てるようになった。これでロシア国家財政も黒字に転換した。


ロシアは、経済面でもアメリカを追いつめようとしている。
この面でのアメリカの一極支配はすでに崩壊寸前なのである。
アメリカは世界一の財政赤字と貿易赤字を持つ国だからだ。

 米財務省の04年10月の発表によれば、米政府の借金は約7
兆4千億ドル(800兆円)、そのうち2.5兆ドル以上が対
外債務である。貿易赤字は03年通期で約5千億ドル(54兆円)。
毎月平均で4.5兆円ものドルが国外に流出していったことに
なる。

 アメリカが通常の国だったら、とっくの昔にドルは大暴落し、
財政は破綻していただろう。それが起きないのは、ドルが国際
貿易の基軸通貨であり、ドル紙幣さえ印刷していれば、他国か
らモノを買えるからである。したがって、たとえばユーロがも
う一つの基軸通貨となり、「もうドルは受け取らない。貿易代
金はユーロで払ってくれ」という国が増えたら、アメリカは一
気に破産状態に追い込まれる。アメリカを「ボロボロになった
覇権国家」と北野氏が呼ぶのは、このためだ。

 2000年9月に、イラクのフセインは「石油代金として、今後
一切ドルを受け取らない」と宣言した。ユーロを決済通貨とす
るというのである。当時、イラクは国連を通じてしか石油を売
れなかったが、その国連は「イラクの意向を受け入れる」と発
表した。

 フセインはこの時、アメリカという虎の尻尾を踏んでしまっ
たのである。これがイラク戦争の遠因となった。しかもこのフ
セインの宣言には、石油ドル体制を崩そうとするフランス・シ
ラク大統領が後ろ盾になっていた。


フランスはドイツとともに「ヨーロッパ合衆国」を建設し、
アメリカ一極体制崩壊を目論んでいる。そのために通貨統合に
よってユーロを創設し、基軸通貨の地位を奪おうとしている。

 アメリカの一極体制を終わらせようという点で、ロシアと独
仏は利害を同じくしている。プーチンは03年10月ドイツ首脳
との会談の席で、「私たちは、ロシア産原油輸出をユーロ建て
にする可能性を排除していない」と発言。数日後、モスクワを
訪れたドイセンバーグ欧州中央銀行(ECB)総裁は、「ロシ
アがユーロで石油を売るのは理にかなっているかもしれない」
という声明を発表した。

 石油大国ロシアの貿易相手の最大はEUで51%以上。それ
に対して、アメリカは5%以下。ロシア−EU間の貿易で、な
ぜドルを使わねばならないのか。ユーロ建てにするのは確かに
「理にかなっている」のである。

実はドルの暴落を防いでいる防波堤がもう一つある。日本が
アメリカ国債をせっせと買い支えていることだ。日本は中国や
北朝鮮などの軍事的脅威をアメリカの軍事力で守って貰い、そ
の代償としてドルを買い支えている[b]。だから北野氏は日本
がアメリカ幕府の「天領」、すなわち直轄地であるという。

 アメリカ幕府のもとで平和に慣れた日本人は、その天下とそ
れによる平和が永久に続くと考えている。だから、独仏露中が
アメリカの一極体制に挑戦しているなどという事には考え及ば
ない。
http://ime.nu/www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html


プーチンさんの時代、ロシアはどのように変貌したのでしょうか?

数字を見ると驚かれるでしょう。
 
ロシアのGDPは、2000年の2511億ドルから07年の1兆2237億
ドルまで、なんと約5倍化(!)。

すでにフランスを抜いている。

平均月収は、00年に約100ドルだったのが、07年は540ドルで
5.4倍(!)増加。

外貨準備高は、04年にはじめて1000億ドルを超え、3年後の
07年には4000億ドルを超え、世界3位に浮上。

株価指標RTSは、00年の200から07年には2000ポイントを突
破し10倍化。


まあ、善悪はともかく、なぜロシア国民が「独裁者プーチン」を
愛するのかわかるでしょう。

経済をボロボロにした民主主義者エリツィンより、ワンマンで
も生活を楽にしてくれるプーチンの方がよい。
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/146.html

ロシアも90年代は、依存国家でした。

しかし今は、自立国家になっています。


1、財政と経済の自立

プーチンが大統領に就任した00年から、ロシアはず〜と財政黒字の
国。

90年代は借金大国だったが、現在ほぼ完済。


2、軍事的自立

ロシアは、アメリカのMDを突破できる多弾頭ミサイルを完成させて
いて、アメリカも手出しできない。

アメリカが東欧MD配備や、NATO拡大を急ぐのは、ロシアの脅威を
感じているから。


3、食糧の自立

ソ連崩壊後ロシアの農業もボロボロになった。

それでも、世界有数の農業大国であることに変わりない。


4、エネルギーの自立

説明の必要なし。


5、精神の自立

ロシア人は共産主義教がインチキだとわかった後、アイデンティティ
ー・クライシスに陥りました。

しかし、現在はロシア正教・イスラム教・チベット仏教等の復興により、
危機は克服されたようです。


このように、プーチンは独裁者ですが、ロシアを「依存国家」から「自
立国家」に進化させました。

1991年12月、ソ連が崩壊しました。

新生ロシアの初代大統領は、故エリツィンさん。天下をとったものの、彼も共産主義国で生まれ育った。資本主義のことなんて全然知らない。
どうやって改革したらいいんだろう。

それで彼は、アメリカとIMFの勧告にしたがうことにした。内容は、

1、政府による経済管理の廃止 
2、大規模な民営化 
3、価格と貿易の自由化

エリツィンはわけもわからず、このアホな改革を実行します。

(なぜアホな改革なのか? 例えば、当時のソ連は物不足が深刻だった。トイレットペーパーを買うのに、2時間行列に並ぶ。そんな状態で価格を自由化すれば、ハイパーインフレになるにきまっている。

また、ソ連崩壊でルーブルが大暴落していた。

そんな状態で貿易を自由化すれば、これもハイパーインフレにな
るにきまっている。)

結果は悲惨。

改革初年度92年のGDP成長率はマイナス14.5%(!)。

インフレ率は2600%(!)。

ロシアのGDPは、金融危機があった98年までになんと43%も減
少したのです。


▼なぜ、ロシアは超格差社会になったの?


ロシアといえば万人平等の共産国家。

貧富の差も失業もないんですよね。

ところが、今のロシアはとんでもない格差社会になっています。


ロシア1の金持ちはデリパスカさん(非鉄金属ルサール社長)。

彼の資産は07年1兆3000億円だったのが、08年には2兆8000
億円まで増えた。(現在世界9位)

ということは、年収1兆5000億円。(!)

一方、おとしよりは、月1万5000円の年金で暮らしている。

なんでロシアは超格差社会になったのか。

IMFは、「大規模な民営化しないと金かしませんよ!」という。

ロシア政府はしゃあないから、民営化しますね。


なぜロシア経済は90年代ボロボロだったのか?

90年代初めのバカな改革の結果である。

しかし石油・鉄鋼など主要部門を手中におさめた新興財閥軍団が、
税金をおさめなかったのも大きな理由。
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/146.html

分かり易いソ連後のロシア独立史

1991年12月
アメリカとの経済戦争にソ連敗北。
エリツィンさんの下で民主主義、自由資本主義体制が始まる。

エリツィンさんもロシア国民も、資本主義なんてわからないのでIMFに従い、以下の自由競争を実施。

1、政府による経済管理の廃止 
2、大規模な民営化 
3、価格と貿易の自由化

この結果、ハイパーインフレが起こる。

改革初年度92年のGDP成長率はマイナス14.5%。
インフレ率は2600%。

ロシアのGDPは、金融危機があった98年までになんと43%も減
少した。 今でいうところのジンバブエ状態。

勿論、これはIMF=アメリカ=資本を持っている欧米の金持ち(はっきり言えばユダヤ)の計画通り。


さらに資本主義にうといロシアンが右往左往している間に、新興財閥が企業(今まで国営だった)の株をただ同然でかき集
める。

結果、ロシアはたった7人の新興財閥が50パーセント以上のロシアの富を牛耳るはめに。ちなみに、この7人中、6人がユダヤ人。

1、ベレゾフスキー(基盤は石油大手シブネフチ・ロシア公共テレビ等)
2、ロマン・アブラモービッチ(シブネフチ)(42歳)
3、ピョートル・アヴェン(53歳)(アルファ銀行、石油大手TNK)
4、ミハイル・フリードマン(44歳)アルファ銀行、石油大手TNK)
5、ウラジーミル・グシンスキー(55歳)(メディアモスト、傘下に民放最大手NTV)
6、ミハイル・ホドロコフスキー(44歳)(メナテップ銀行、石油大手ユコス)
7、ウラジーミル・ポターニン(47歳)(インターロスグループ、ノリリスクニッケル)

ポターニン以外は皆ユダヤ系。


この連中は経済を牛耳った後、政治も牛耳り、税金を全く払わなくなった。それで、今にも死にそうなアル中のエ
リツィンさんの後釜に「俺たちの操り人形をトップに添えようぜ」と元KGBのプーチンさんを据える。日本で言えば、GHQが元特務機関の岸信介(安部っちのじいさん)を首相にしたり、やくざや在日を代理人として据えたようなもん

99年12月の下院選挙。
当時首相だったプーチンが支持する政党「統一」が、プリマコフの政党「祖国−全ロシア」に勝利。
プーチンは、思惑どおり、00年3月の選挙で大統領になった。

プーチンさんは新興ユダヤ財閥のバックアップで大統領にめでたく就任。
ところがプーチンさんは権力を掌握するやいなや、即座にユダヤ財閥を裏切る。
片っ端から彼らを消していく。
結果、彼らは降参し税金を納めるようになり、ユダヤ支配からロシアは脱却。
ユダヤ新興財閥の企業は国営に戻り、原油高もあってどんどんロシ
ア経済は成長。
GDPは、2000年の2511億ドルから07年の1兆2237億
ドルまで、なんと約5倍化。すでにフランスを抜いている


ロシア国民の平均月収は、00年に約100ドルだったのが、07年は540ドルで5.4倍増加。
外貨準備高は、04年にはじめて1000億ドルを超え、3年後の07年には4000億ドルを超え
、世界3位に浮上。

株価指標RTSは、00年の200から07年には2000ポイントを突破し10倍化。
勿論、民衆に大喝采を浴び、軍事部門でも、エネルギーでもアメリカから独立している。

歴史認識でももちろん周辺諸国に土下座なんてしていない。
以上がロシアの現代史。

ロシアと比べるとアメリカと中国、そして代理人の朝鮮人のの植民地である我が国との差が・・・・
日本のプーチンはどこだ!
http://zip.2chan.net/6/res/60748.htm

ソ連崩壊後のロシアは借金がありアメリカIMFの言いなりにならざるを得なかった。
そして資本主義に疎い事を逆手に取られ、まんまとロシア経済崩壊の愚策を取らされた。
これがエリツィン時代の酷い経済の真相なんだよ。
お前はあの吸血鬼アメリカが他国の為の経済改革など本気で支援すると思うお人よしか?
当然、違うよな。だからお前は判ってて嘘を書いてる事になる。
しかもロシアの復活を手助けすれば強力な敵対国家が誕生する事になる。
アメリカに限らず、わざわざ国益に反するような支援なんてものはやらないんだよ。

IMFがジェフリー・サックスなんかの市場経済原理主義者で構成されたチームを送り込んだのがロシアを封じ込めるためだったと考えられる

連中は韓国やアルゼンチンなんかでも同じ事をやっているが、封じ込めの他に対象国を米国型市場経済にした上で多国籍企業が搾取しやすいようにしようとした

ロシアを見よ。プーチンから2年後、ユダヤ新興財閥はことごとく壊滅させられた。

エリツィンの新自由経済に乗じたロック、ロス茶がバックについて、わずかな期間でそれぞれが何兆円もの資産を築きオリガルヒと呼ばれ栄華を極めていたのが、今は全部没収され、

  ホドルコフスキーは2003年から現在までずっと刑務所(涙)

  ベレゾフスキーは2002年にイスラエルへ逃亡w その後イギリスへ亡命した。

  リトビネンコ毒殺事件の黒幕と言われ、あれこれ小細工を弄しているようだがいまやロシアでの影響力ゼロ(涙)

日本であれロシアであれダメリカであれ「民衆を裏切った」輩どもの末路は皆同じじゃ!!


プーチンはエリツィンを見捨てなかった  


プーチンは、エリツィン元大統領が、その権力の後継者として、プーチンを「指名」する事によって「皇帝権力の継承」を実現し、現在の権力者の地位に就任した。

エリツィンはソ連共産党時代、その余りの急進的な資本主義導入路線の考え方を権力者に嫌悪され、あらゆる役職から追放され、事実上「自宅軟禁」の扱いを受けた時期があった。

政治的な友人達が、次々とエリツィンを見捨てて行く中で、唯一、プーチンだけはエリツィンと共に「自宅軟禁」に「同伴」し続けた。

失意のエリツィンが、「これからは農業をやりながら、生計を立てて行く」と宣言し、政治の世界と絶縁せざるを得ない状況に追い込まれ、エリツィン自身がクワを持ち畑を耕し始めた時も、プーチンはエリツィンと一緒に泥まみれになり農作業を行なった。

プーチンは絶対にボスを見捨てなかったのである。

そのためエリツィンがロシア大統領となった時、プーチンは側近中の側近として絶大な信用を得、後継者としてロシアの権力者の地位を継承した。
http://alternativereport1.seesaa.net/article/109766862.html

独裁を倒してもロシアは良くならない

 1990年代半ば以降のロシアにおいては、マスコミはオリガルヒの持ち物
であり、ベスラン事件で政府批判を展開してクレムリンから圧力を受け、編集者
が首にされた「イズベスチヤ」も、オリガルヒの一人であるウラジミル・ポタニン
が所有している。ベレゾフスキーが所有する経済紙「コメルサント」も、
プーチン批判を展開しているが、これらの動きは「報道の自由」をめぐる問題
として見るより、政治闘争として見た方が良い。(関連記事)

 プーチンは確かに独裁者で報道の自由を規制しているが、プーチンが弱体化
し、ロシアが再び混乱して喜ぶのは、オリガルヒやネオコンである。自由や
民主主義、人権などを標榜しつつ「独裁者を倒せ」と叫ぶ勢力に賛同して独裁
政権を倒す戦争に賛成し、その結果、民主化どころか大混乱を招いてしまった
ことを、私たちはすでにイラク戦争において経験したはずだ。

 ロシアだけでなく中国などをめぐる話にもいえるが、欧米人や日本人が
「独裁政治を倒せ」と叫ぶことは、ロシアや中国の人々の暮らしを良くする
ことにはつながらず、英米の好戦的な勢力による巧妙な破壊作戦の一端を
知らないうちに担がされていることになりかねない。

http://ime.nu/tanakanews.com/e0928russia.htm


プーチンは反民主的か?

最近急にマスコミでロシアの「民主化の後退」が言われるようになった。
そのほとんどは単純に政府による「資源の国有化」や「マスコミ支配」を非難
するだけのものだ。
しかし、国民の利益は必ずしも民主的であることと一致するとは限らない。

ソ連崩壊後、ロシアでは民主化が進んだと言われたが、一般国民からすれば、
マフィアと新興財閥が資源と産業基盤を独占しただけのことだった。
彼らは国有企業を「民営化」し、エリツィン政権の要人に「政治資金」を
渡して独占した。その結果、資源を売却した金はすべて外国の銀行にプール
され、税金すら支払われなかった。ロシアの民主化とは、金と人材の国外流失
という「失われた10年」に過ぎなかった。現在のロシアでも「民主派」や
「改革派」を名乗る人々はすなわち、独占資本を擁護するマフィアと財閥と
旧西側諸国から資金援助を受けている。

これに対して、プーチンを頭とする「保守・官僚派」は独占資本の殲滅
(国有化)と旧西側の影響力の排除(マスコミ支配)を目論んでいる。
それが「民主化の後退」の本質だと私は考えている。
企業から税金を取り、資源は国家と国民に還元されるべきなのは当然のこと
だろう。
特にロシアの場合、石油と天然ガスを売却した金でしか社会資本の再整備は
果たせないのだ。

政治の基本は、国民・住民の衣食住の保障にある。腹が減っては自由も人権
も意味をなさないだろう。だから民主主義はブルジョワジーの論理なのだ。
貧しいロシアにはやはり社会主義が似合うと思う。
http://ime.nu/kenuchka.paslog.jp/category/1927.html

 

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コメント
 
01. 2010年2月17日 23:25:16

プーチンみたいな彼

ロシア人にも大人気のプーチン大統領の歌があります。
プーチン大統領のような頼りがいのある彼が欲しいというロシア人女性の願望でしょうか。

KGB出身でロシアの絶対権力者であるプーチン大統領。ロシア国民の間でも彼は絶大な人気を誇っております。

ロシアでは「プーチンのイレズミ」が大人気 

ロシアでは今プーチンのイレズミを体のどこかに入れるのが流行っており、イレズミの順番待ちをしている状態らしい。

オムスク市のジョセフ・ラディモフさんは「自分の肩にプーチンの顔のイレズミを入れることにしました。それは安全を感じるのです」っと言い、「プーチンのイレズミを入れるのは今とても流行っていて、彼の友達は全員イレズミを入れています」っと話してるそうです。

イレズミを入れるといつでも大統領の自信と安全があるように感じさせるらしく、更に「どのくらいプーチンを信仰してるか?」ってのをイレズミで競う人達もいるそうです。

最近ではオムスクの町でプーチン大統領に敬意を表するために、自分の名前を「プーチン」に変えた人までいたらしい・・・・。


02. 2010年2月18日 18:43:25
ロシア人はどうしょうもなく嫌な民族だがよ、こういうユダヤ金融屋炙りだす
のはうめえんだよな、ロシア革命時にも多くのユダヤ系ロシア人革命幹部を見つけだし追放・粛清した。マルクスは理論家だから除く。
なんだろう、直感が鋭いのか、ユダヤに劣らぬ何か鉄の意思民族意識みたいもん
あんのかね。ソ連の捕虜日本兵戦争よもやま話じゃ、ずぼらで残酷なソ連兵の
話しか載ってねえんだがよ、頭もパッといい民族には思えねえし、日露戦争時の話に聞くロシア一般人の教育程度の低さ、ロシア軍兵の統率の無さ、ロシアテリトリーを
出た対外戦争の脆さ、変わらぬ評価として体が頑丈なのとカラシニコフぐらいだろ売り。不思議な民族だよ ロスケは。
ロシアリーダーが雷帝以来一貫して恐もての時はロシアは調子いいんだよな
これはロシア史通史普遍の事実じゃねえかね。

03. 中川隆 2010年2月20日 20:29:54: 3bF/xW6Ehzs4I

IMFと世界銀行を隠れ蓑にしたアメリカの世界支配

IMFと世界銀行において、決議に対する拒否権を持っているのはアメリカ一国だけだ。IMFと世界銀行は、国連のような一国一票制ではない。出資割当額に応じて投票率が与えられている。

IMFの決議には85%以上の賛成が必要。
主要国の投票率は以下の通り。
アメリカ:17.11%
日本  : 6.23%
ドイツ : 6.14%
イギリス: 5.07%
フランス: 5.07%
つまり、アメリカ一国だけが単独の拒否権を有している。

世界銀行の決議には80%以上の賛成が必要。
主要国の投票率。
アメリカ:16.40%
日本  : 7.87%
ドイツ : 4.49%
フランス: 4.31%
イギリス: 4.31%
アメリカ単独では拒否権を有していないが、イギリスを合わせれば拒否権を行使できる。イギリスがアメリカの意向に反することをする可能性は非常に低い。

IMFにおいても世界銀行においても、アメリカ一国だけが拒否権を持っている。ということは、アメリカの利益に都合の悪いあらゆる議案、議題を葬り去ることができる、ということだ。IMFも世界銀行も、実は国連傘下の専門機関なのだが、両機関は実質的にアメリカの私有物といってもいいだろう。ノーベル経済学者のスティグリッツ教授も「IMFとはアメリカ財務省のことだ」とおっしゃっている。


IMFと世界銀行には明確な役割分担がある。

IMFが政策立案を行い、世界銀行がそれを実際に実行する。
参謀本部と実戦部隊というところだ。

IMFが当該国の政治・経済・社会の状態を調査分析し、政策を立案する。しかし、ほんの二週間ほど滞在して「調査」するらしいが、実際は調査などほんどしない。最初から、プログラムはできあがっており、あらゆる国へ同じプログラムを適用する。スティグリッツ教授いわく、”同じ書類の国名をパソコンで入れ替えるだけだ”と。その書類を持ってIMFは当該国との交渉に当たる。ただし、当該国に交渉の余地は与えられない。融資を受けるためには、IMFの「構造調整プログラム=コンディショナリティ」を無条件で呑むことが要求される。当該国とIMFとの調印がすめば、世界銀行の出番である。

世界銀行は、加盟国や民間資本を組織して「構造調整プログラム」に必要な融資金を集め、当該国に貸し付ける。世界銀行は債権国や民間債権団に対して、利息の配当と元本を保証する。当該国が遅滞なくスケジュール通りに利息の支払いをするよう、世界銀行の職員は当該国に常駐し、忠実にプログラムを実行するよう徹底的に監督・指導する。


当該国は、教育や医療、福祉などの予算をとことん削り、債務の返済にあてる。それでも、返済が滞るようなら、追加の融資が行われる。ただし、これは債務返済用の融資であるから、右から左に消えていく。単に、債務の数字が増えただけである。こうして、国によっては債務が際限なく膨らむ債務地獄へと陥る。もちろん、融資増額のたびに、より厳しい「構造調整プログラム」が突きつけられ、国民生活は極限まで追い込まれる。

「構造調整プログラム」の結果がどうあろうと、つまり、どのような破壊的結果をまねいたとしても、IMFや世界銀行は一切の責任を負わない。プログラムそのものに欠陥があり、当該国にいっさい落度が無かったとしても、当該国はすべての債務を負わされ、返済義務を履行しなければならない。


IMFと世界銀行によって進められる「構造調整プログラム」によって、途上国の国内産業は間違いなく衰退する。そのことによって、大量の失業者を生むと同時に、労働賃金は必然的に低下する。

先進国の製造業は国際競争力をつけるため、低賃金労働を必要としている。より安い労働力を手にしたものが、競争を勝ち抜くことになる。現在、先進国の産業基盤の多くが労働力の安い開発途上国へと移転している。IMFと世界銀行は、途上国の産業を衰退させることによって、低賃金労働の下地をつくった。

先進国の多国籍資本は、より低賃金の地域を求め、簡単に生産設備や下請契約を移転する。このため、豊富な低賃金労働を提供できる予備国家の存在が、世界の労働費用の上昇を抑える役割をしている。つまり、中国や東南アジア、メキシコなどが労働費用を少しでも上昇させれば、生産設備はあっという間に他の国へ逃避してしまう。したがって、こうした国では半永久的に低賃金を維持しなければならない。

しかし、こうした低賃金による世界的貧困の固定は、結局のところ世界的な需要の伸びを抑えてしまう。途上国を、先進国企業の製品市場にしようという試みは、低賃金労働ゆえに挫折している。それだけでなく、先進国内でも産業が空洞化し、失業率が増加し、景気の後退が起こる。


結局のところ、途上国の貧困化と低賃金労働の固定は、世界規模での景気の沈滞をまねいている。しかし、先進国の生産設備は、今後もより安い労働力を求めて途上国へ移転していくことになるだろう。果てしない世界規模の悪循環である。

IMFから融資を受けようとする国は、IMFが示す「コンディショナリティ:付帯条件」を受け入れなければならない。コンディショナリティを構造調整プログラムとも言う。つまりIMFの強要する「構造改革」を受け入れなければ融資は受けられない。

IMFは、「構造調整プログラム」を実施すれば、国の制度は効率化し、産業は発展し、経済は円滑になり、最終的に豊かになると主張する。しかし実際は、世界100あまりの国で実施された構造調整プログラムによって、途上国の自立への道は塞がれ、多国籍企業による際限のない市場・産業・企業の収奪がおこなわれた。途上国は、一部の富裕者と大多数の貧者へと二極分解された。世界そのものも貧困国と富裕国に二極分解され、貧困の拡大再生産の過程をたどることになった。


<主な構造調整プログラム>

●貿易の自由化
IMFは国内産業の競争力を高めると主張するが、貿易の自由化によって流入する外国製品によって、国内商品は駆逐され、国内産業は没落した。

●民営化
最も収益性のある国営企業は、外国資本や合併企業に引き渡され、当該国の資産を減少させた。石油やガス、通信などの公共事業の国有化を憲法に規定している国では、憲法改正までおこなわされ国営企業が外国資本に売り渡された。

●租税改革
付加価値税や販売税の導入により、中・低所得層の租税負担が増加した。しかし、膨大な利益を上げる外国企業や合併企業は税制上の優遇を受けた。

●土地保有
農耕地が少数に集中するような方向に法改正が推進され、小農は土地を没収されるか抵当にとられ、季節労働者へと転落した。一部の地主や企業が農業部門を独占するようになった。大土地所有制の地域では地主階級の利権が保護・固定された。


●金融制度の規制撤廃
途上国の中央銀行は、通貨政策に対する権限を奪われた。金利は、人為的に高金利へと誘導され、海外から投機だけを目的とする「ホット・マネー」が流入した。規制撤廃により国内の主要な銀行が外国資本に買収された。

●議会制度
借款協約には、多党制による選挙までもが条件として付加されている。


こうしたIMFの構造調整プログラムは、「自由化」と「緊縮財政」という二つの考えに基づいて制作されている。「自由化」とは、金融や貿易の自由化、規制撤廃を意味する。いわゆるグローバリゼーションと言い換えてもいい。それによって、途上国では外国資本が自由に活動し、市場や産業、企業、国営企業を買収していった。

「緊縮財政」とは、小さな政府だ。緊縮財政により、利益を生まない分野である教育、医療、福祉、農業は見捨てられ途上国に未曾有の人災をもたらした。国民の生活を犠牲にする緊縮財政によって浮いた財政資金は、債務の返済にあてられる。

IMFと世界銀行は、世界100あまりの国に、まったく同じこの「構造調整プログラム」を強制・実施させる。途上国の経済発展段階や社会制度には非常な差異があるにもかかわらず、IMFはまったく同じ政策を強要する。


何十年にもわたるIMFと世界銀行の活動とその結果をみれば、その目的は明らかと言える。

開発途上国の国内経済を破壊し、発展の道を閉ざし、多国籍企業と多国籍金融資本に占領させる。途上国を先進国の工業製品、農業製品の市場へと変える。途上国の資源を際限なく先進国へ供給させる。経済崩壊にともなう賃金の低下を利用して、先進国の企業へ格安の労働力を提供させる。

途上国における、飢餓、貧困、低賃金労働、疾病の蔓延、教育の崩壊、治安の悪化、暴動、独裁のほとんどすべては、IMFと世界銀行がもたらしたと言っても過言ではない。


<世界の食料危機は、IMFと世界銀行の政策>

途上国の人口に占める農業人口は非常に高い。放って置けば、農産物の輸出国になるのはまちがいなかった。途上国の農産物の生産能力を奪い、アメリカの市場にすること。そうした目的もIMFは担っていた。

IMFと世界銀行の途上国政策は、アメリカの金(Gold)が枯渇しはじめた1968年に急変している。両機関の政策は、発展途上国に向けられ始めた。

IMFや世界銀行の融資というのは、使用目的が制限されている。たいていの場合、農業や教育といった分野には使えない。食料生産を伸ばしたくても、農業にお金をまわせない。ただし、融資金を輸入食料の購入に当てることは許されている。そして、その場合の食料購入国もあらかじめ指定されている。要するに、アメリカや先進国から買わなければならない。隣国で小麦が豊作であっても買えないのだ。

IMFによるこうした理不尽な制約を「コンディショナリティ:付帯条件」という。いくら理不尽でも、これを承諾しない限り、融資は受けられない。途上国には、選択の余地も交渉の余地もない。オール・オア・ナッシングだ。こうして、融資を受ける途上国は、100余もの付帯条件を甘受する。先に書いたように、農業や教育、福祉、医療といった分野には一切使えないよう条件が付けられている。それでも、無いよりはましと途上国は考えた。しかし、「コンディショナリティ」とは、罠以外の何ものでもない。


IMFや世界銀行の融資というのは、鉱工業などの資源開発分野に集中していた。鉱物や石油・ガスの開発と輸出だ。また、それらに付随する産業や輸送手段の整備といった分野も含まれる。アメリカが必要とする膨大な原料や燃料を開発・輸送することに限定することによって、農業生産力をも奪うことができた。

もともとの農業人口の多い途上国の労働力は、必然的にこうした分野に流れた。途上国の農業の衰退がはじまる。農業生産力が落ちた分、途上国政府は、融資金で先進国の農業製品を輸入するしかなかった。

農業の衰退が進むと農産物の価格は上昇し、安い輸入品と競合できなくなった。農業生産で生活できなくなった農村人口は、都市へと流れ始めた。人口は時と共に都市に集中し、農業の衰退はさらに進むことになった。したがって途上国政府は、農産物の輸入を増加せざるを得ない。途上国の農業衰退と食料輸入は構造的なものになり、歯止めが利かなくなってしまった。

現在、アフリカでは労働力の60%が農業に従事しているが、アフリカの食料自給率は80%程度だ。食料自給率は下降の一途をたどっている。単位面積あたりの収穫量も落ちている。

たいていの途上国というのは、豊富な土地と人口を有している。本来、食料の自給自足を営むことは難しいことではない。しかしそれは、戦後のアメリカの世界政策と真っ向から対立する。アメリカは、IMFと世界銀行の「融資」という餌によって、途上国の食料自給の発展を根本から破壊することに成功したといえる。皮肉なことに途上国が求めた「援助」こそが途上国の農業を破壊した。今日の途上国における貧困、低賃金問題もすべて同じ地平にある。

かくして、アメリカは世界一の食料輸出国の地位を確立した。

現在、農産物輸出国は世界でもそう多くはない。アメリカ、カナダ、オーストラリアが三大輸出国だ。その他にアルゼンチン、ブラジル、EU、ロシア、中国が名を連ねる。コメに関しては、タイ、インドが顔を出しているが、コメでもアメリカは世界第三位の輸出国だ。世界の農産物の輸出がごく少数の先進国に限られているというのは、非常に危険なことだ。

<根本的な食糧問題の解決策>

以上に述べたようにIMFと世界銀行は、戦後、途上国の農業生産力を奪うための政策を執ってきた。しかし、表面的には途上国の食糧問題に取り組んでいるふりをしている。彼らは、様々な農業援助プログラムを実施し、毎年高らかにその成果を報告している。彼らの農業援助というのは、大半の小作農には利用できないような高度な技術を必要とするものが多い。すべては、一時的な数字による見せ掛けの成果に過ぎない。


IMFや世界銀行が、本当に途上国の食糧問題に取り組んでいるなら、まず真っ先に取り組まなければならないものがある。

「農地改革」だ。

途上国の土地制度とは、ほとんどが封建的大土地所有制だ。農民は大土地所有者の土地を借りて作物を生産している農奴的小作農だ。収穫物の大半は土地所有者のものになる。農民は残ったものを細々と売ってわずかな現金収入を得ているに過ぎない。そんなところに、先進国が農業援助と称して近代的農法や技術など持ち込んでも、農民にはありがた迷惑なのだ。手間をかけて収穫が上がった分、大土地所有者が得をするだけだ。土地所有者を潤すのだけの近代農法を受け入れる小作農はまずいない。

IMFと世界銀行が、農地改革に取り組まないのは、「内政干渉」になるからではない。「コンディショナリティ」そのものが内政干渉と言ってもいいのだから。彼らは、ひとえに途上国から農業生産力を奪い続けたいのだ。

世界が飢えるのは、気候や土地に根本原因があるのではない。遅れた農業技術でもない。努力が足りないからでもない。

世界の飢餓は、IMFと世界銀行が、アメリカの国益のために行ってきた政策によって、人為的にもたらされている。そして、今後も世界は飢え続ける。援助額がいくら増えても、債務を帳消しにしても解決にはならない。

http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b

アジア通貨危機の際に、タイ、韓国、インドネシアは、IMFの融資を受け入れた。
しかし唯一、マレーシアだけがIMFの支援を拒絶した。

IMFの融資を受けたタイは、100以上ものコンディショナリティ(付帯条件)とその達成期限を強制された。その結果、もちろん危機は拡大した。
IMFはタイの金利を25%に上げさせた。IMFは、高い金利が外国資本を呼び戻すと説明した。しかし金融危機の凄まじさに恐れをなした外資は、まったくタイに来なかった。それどころか25%の高金利は、タイの企業には、まったく手の届かないものだった。このため、資金を調達できなくなったタイ企業は、バタバタと倒産していった。長い時間をかけて育ててきた産業が、IMFの政策により、あっという間に壊滅させられてしまった。その結果、多量の失業者が生みだされた。

またIMFのコンディショナリティには、なぜか金融危機とはまったく関係のない社会改革分野まで含まれていた。そのため社会関係費用が削減され、教育と医療現場が大きな打撃を受けた。児童の教育を受ける権利は縮小され、多くの貧困層の医療を受ける権利も縮小され、衛生環境も悪化した。
結局のところ、IMFの「緊急援助」の目的とは、タイに投資していた「外国債権者の利益保護」でしかなかった。つまりタイの教育や医療まで縮小して、財政を緊縮させ、なるべくカネを浮かせ、外国債権者にカネを回収させることだった。

そのため、タイの失業率は三倍になり、タイ社会の貧富の差は拡大した。ごく一部の者だけが、外国企業とともに富を得た。

IMFの融資を唯一拒絶したマレーシアのマハティール首相は、資本の移動を禁じて外国資本の逃避を阻止した。そして保護貿易に徹っした。通貨も固定した。IMFとはまったく逆の政策を執った。

IMFの支援を受け入れたタイ、韓国、インドネシア、そしてIMFを拒絶したマレーシア。いま共に順調に経済を回復している。しかし、そこには根本的な違いがある。

IMFの支援を受け入れた国の主力産業や公営企業は、外国資本の餌食となり占領された。富は底の抜けたビンのように、外国へ流れている。
数字で見る経済成長は伸びても、アジアの人々の暮らしはまったく豊かになっていない。それどころか、貧富の差が拡大し、貧しい人々はより貧しくなり、一部の富める者だけがより豊かになっている。アジアの中産階級はほとんどが貧困層に転落したとさえ言われている。


現在、多くの開発途上国の国々は、IMFや世界銀行の正体を見破っている。しかしながら、すでに多額の債務を負わされ、まったく身動きが取れなくなってしまっている。主力産業、銀行、公営企業が外国資本に乗っ取られたあとでは、数字上の経済成長があるだけで、富のほとんどは、外国資本が持っていく。
国庫は債務の利息を支払うだけでも手一杯だ。それどころか、多くの開発途上国では、利払いにも事欠き、その利払いのためだけの追加融資をIMFや世界銀行から受けている。サラ金の借金を、サラ金から借りて返すようなものだ。完全な債務地獄だ。

IMFと世界銀行が活躍するところには、必ず、経済と社会の破壊、そして貧困がおとずれる。
IMFと世界銀行とは、開発途上国の経済を乗っ取り、外国資本へ富を移転していくための機関にほかならない。

戦後の1946年にIMFと世界銀行が正式に設立され、「ブレトンウッズ体制」がはじまる。そしてこのたった二つの規約が、今日にいたるアメリカの繁栄を約束した。第二次大戦末期の疲弊した世界は、アメリカ政府が二つの規約にこめた真の意図をまったく読めなかった。

●「ドル金本位制」の意味
「ドル金本位制」とは、簡単に言えば、イギリス・ポンドとフランス・フランを貿易から締め出し、戦前のポンド経済圏とフラン経済圏の復活を阻止することにあった。それによってヨーロッパの戦後復興を抑え、世界をアメリカ・ドルの一極経済圏にすることができる。

もし、この規約がなければ、復興をはじめたイギリスやフランスは、かつての植民地と貿易をはじめることになる。そうすると戦後の世界はドル、ポンド、フランの三つの経済圏に分かれてしまう。アメリカは戦後の世界経済を完全に支配したかったのだ。

●「通貨の固定相場制」の意味
これも、その意図は同じだ。世界の通貨を、実態よりも高く設定し固定してしまう。そのことによって、あらかじめ将来の貿易競争力を奪ってしまう。

こうして、アメリカは基軸通貨ドルを好きなだけ刷り、世界の燃料や原料を買い、アメリカの製品と農業品を世界中に売りさばき、世界の経済を独り占めしてしまった。また、世界中にドルを貸し与え、巨大な債権国となり、今日の礎を築いた。
212投稿者:アメリカの世界戦略  投稿日:2005年12月17日(土) 00時04分29秒


IMF(国際通貨基金)の設立目的とは、アメリカが戦後の世界経済を支配するため以外の何ものでもなかった。いまでも、当然IMFは存在する。戦後、世界の復興と経済状況に合わせて、IMFの役割も変化してきたが、その目的はいまも変わらない。すべては、アメリカのために。


<巨大借金国が、世界を支配する>

戦後、世界の基軸通貨がアメリカ・ドルと定められたことによって、アメリカ一国だけは好きなだけドルを刷り、モノを買えるようになりました。製品でも、原料でも、燃料でも。ここから、アメリカの超浪費文化が生まれたのだと思います。輪転機を回すだけで何でも買えるのですから。

1971年までは、ドルというのはいつでも金(ゴールド)と交換できる兌換紙幣でした(金1オンス=35ドル)。第二次大戦後、アメリカは世界の金の60%(後に72%)を保有していました。この金が、ドルに信用を与えたわけです。しかし、じゃんじゃんドルを刷りまくっているうちに、ドル発行量が金保有高を越えてしまいました。つまり、ドルに対する信用供与がなくなりはじめたわけです。世界は、急いでドルを金に換えはじめました。アメリカの金保有高は急激に減少し、あわてたニクソンは1971年、突然、金とドルの交換を停止してしまいました。世に言う、ニクソン・ショックです。

世界は大混乱しましたが、アメリカはこんな風に言いました。
”みなさん、心配はいりません。これからは、アメリカ財務省証券(アメリカ国債)とドルを交換します。これは、金と同じ価値があります”と。アメリカは、紙切れと紙切れを交換するという子供だましのような策に出たわけです。


でも、この子供だましを世界は受け入れざるを得ませんでした。なぜなら、これを受け入れなければ、いままで溜め込んだドルが、本当の「紙切れ」になるからです。

世界が、金(ゴールド)に裏打ちされたドルを信用して、貿易通貨としてどんどん溜め込んだために、ついにドルに支配されるということになったわけです。べつの言い方をすると、アメリカは世界中を、ドルでじゃぶじゃぶにすることによって、世界経済を支配してしまったということです。

アメリカがドルを刷りすぎたために、ドルというのは現在でも常に不安定な状態にあります。世界は、必死になってドルの価値を一定の水準に維持しなければなりません。日本や世界が、大量のアメリカ国債を溜め込んでいるのもそのためです。しかし、溜め込んだアメリカ国債を売るとドルがなおさら不安定になるので、売るに売れないのです。アメリカ国債というのは、すなわちアメリカの借金です。

世界一の大借金国が、世界経済を支配しているという実に奇妙なことが起こっているわけです。


世界銀行はIMFの経済政策(構造調整プログラム)を具体的に実行するための機関だ。その結果、世界中の開発途上国の経済を破壊してきた。途上国の国内産業は壊滅し、外国資本と多国籍企業に占領された。電力や水道といった公共事業さえ外国資本に占領されはじめている。農業も破壊され、食糧の自給はできなくなり、輸入や援助に頼るようになった。教育、医療は無きに等しいレベルに落ちた。世界の何十億という人々が貧困と飢餓の縁に追いやられた。

 途上国の悲惨な現況は、世界銀行とIMFがもたらしたものだ。世界銀行やIMFがしてきたことは、人類に対する犯罪行為以外の何ものでもない。

<グローバリゼーションの罠>
 グローバリゼーションとは、国家を越えて「地球全体がひとつになる」ということだ。その理念は否定しない。しかし、自由貿易、自由市場、国際投資といったグローバリゼーションの経済原理によって、世界にもたらされた結果は、到底受け入れ難い。

 グローバリゼーション推進派は、全世界の生活水準が向上し、共に繁栄を享受すると謳ったが、結果はまったくその逆だった。貧困層はより貧困になり、中間層は没落し、富裕層だけがさらに豊かになった。途上国の、農業、教育、労働、医療衛生環境は壊滅的打撃を受け、食糧不足、教育機会の喪失、失業と低賃金労働、疾病の蔓延等をもたらした。それだけでなく人口の都市集中、地方の荒廃、犯罪率の増加、暴動、内戦という結果まで引き出している。特に農業の破壊と土地の荒廃は深刻だ。わずかな自然環境の変化でも、大規模な飢餓が発生し、大量死をもたらしている。いや、殺戮と言った方が正しい。

 このグローバリゼーションの輝かける旗手がIMF、世界銀行、WTOだ。
 
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/c/a9cbe326ad861948839e438fab6ebb5b


04. 中川隆 2010年2月20日 20:33:42: 3bF/xW6Ehzs4I

最近、株価が上昇してますが、日本経済に株価が上昇するようなファクターがあったっけかな?と不思議に思っていました。GENDAI NETに気になる記述を見つけました 2005年11月30日 掲載
10月23日(日)の「がっちりマンデー!!」という民放番組を見ていると、ゲストに当時の竹中蔵相を招いて「竹中大臣の新日本経済入門U」みたいなのをやっていました(リンク)。

その番組中で竹中前蔵相は、「それを私の口から言ってしまうと問題がある」とは言いつつもニヤニヤしながら“これから投資の時代ですよ〜”、みたいなニュアンスを醸し出していました。民放とつるんで、朝からTV漬けの主婦など(竹中氏曰く“IQが低い”←リンク)の層を個人投資家として株式市場に参加させ、バブルを起こさせようというのが狙いか?と疑ってしまいます。それでも個人投資家のシェアは15年前から7%程伸びただけというのが実情。

注目はやはり、15年間で4倍にも跳ね上がって、いまやシェアの半分になろうとしている外国人投資家の方でしょう。日本の株式市場なのに、国内機関投資家のシェアがたったの3%以下(信託入れても12%)なのに、外国人投資家が46.7%もあるというのも、いかにも異常な感じがします。

国内機関投資家は、体力が無いのと前回のバブルでひどい目にあったので“羹に懲りて膾を吹く”みたいなことでシェアが少ないのかもしれませんが、個人投資家はしっかり37%のシェア。もしかして彼らは、バブルを経験していない(orその当時ひどい目に遭わなかった?)新興の勢力なのかもしれません。だとしたら、外国人投資家にとっては、投資にそれほど慣れていない(でも、「もうからへんかいな〜」と甘い夢を見ている)連中は恰好の“カモ”に映っているのではないでしょうか(実際、投資経験の浅い学生や主婦がデイトレを始める中心層とよく聞きます)。

もしそうだとすると、いやな予感が脳裏をよぎります。

彼らの投資資金は、海千山千の外国人投資家に揺さぶりをかけられて丸ごと持っていかれる…というシナリオなのではないでしょうか。

1994年:メキシコをはじめとする中南米バブル、1997年:東南アジアバブル、1998年ロシア金融危機など、次々と各地でバブルを演出し、そのたびに自分達だけがっぽり儲けて、地元の経済や社会をボロボロに破壊し、そこに付けこんでIMFを介して世界各国の経済支配を強化してきた勢力がいます(参照:17664、リンク)。

今回は、小泉首相をはじめ官庁やマスコミまでがグルになって旗を振って、国民を道連れにバブルに突き進もうとしているかのように見えます。私達は、それらの勢力やエコノミストたちの戯言に惑わされて、前回のバブル崩壊や中南米・アジアと同じ轍を踏むようなことはあってはならないと思います。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=101985


05. 2012年4月07日 16:22:22 : MiKEdq2F3Q


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プーチン当選。涙のわけは、
http://www.youtube.com/watch?v=Y_CO2leb5Ys


プーチン 最後の聖戦

ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは? 北野 幸伯 (著)

「あの男が帰ってきた!!!」

いままで世界を牛耳ってきたアメリカの支配者たちは今、恐れおののいています。
アメリカは1991年末、ソ連崩壊で「冷戦」に勝利。世界唯一の「超大国」になりました。

そして、90年代は「ITバブル」により、空前の繁栄を謳歌していた。新千年紀がはじまる頃、誰もが「アメリカの時代は永遠につづく」と信じていました。

しかし、あれから12年。もはやすべての人が、「アメリカの時代は終わった」ことを知っています。いったい、何が起こったのでしょうか?

一般的には、「欲ボケしたアメリカ人が、自滅した」と信じられています。

具体的には、「住宅バブル崩壊」「サブプライム問題」「リーマンショック」などが起こり、没落していったと。しかし......。


「アメリカは自滅したのではない。没落させられたのだ!」


というのが、この本で明かされる数多い真実の一つです。

でも、いったい誰に......?

それは、「多極主義陣営」と呼ばれる国々にです。


「アメリカ一極世界をぶち壊せ!」

「多極世界をつくろう!」


という運動は、そもそも西欧から起こってきました。

ソ連崩壊で「東の天敵」が消滅したとき、西欧のエリートたちは、「アメリカから覇権をとりもどそう!」と考えたのです。しかし、西欧の一国が昔のように覇権国家になるのは、現実的でない。それで、「EU拡大による欧州統合」と「共通通貨ユーロの導入」で欧州を「巨大な一つの国」とし、覇権を奪回しようとしたのです。

そんな欧州の反逆を03年までに鎮圧したアメリカ。

しかし、そのときもっとも強力な敵が現れた......。

その敵こそが、ロシア史上最強のリーダー、プーチンだったのです。

プーチンは、「イラク戦争」「ユコス問題」「グルジア・バラ革命」「ウクライナ・オレンジ革命」「キルギス・チューリップ革命」等々で、ことごとくアメリカと対立。08年8月には、アメリカの傀儡国家グルジアとロシアの戦争にまで発展していきます。

しかし、同年9月、「リーマンショック」が起こり、ついにアメリカの一極世界は自壊。「100年に1度の大不況」のなか、米ロとも、戦いを継続するのが難しくなり、両国は停戦で合意。「米ロ関係『再起動』」なる言葉も生まれました。

しかし、「再起動」の時代は、プーチンの復活により終わりつつあります。そう、「米ロ新冷戦」は、必然的に再開されることになるのです。

プーチンの目標は、「アメリカにとどめを刺す」こと。


でも、いったいどうやって......?

本書『プーチン 最後の聖戦』でわかることの一部を、ここに挙げておきます。


・90年代ロシアを支配した7人の新興財閥(うち6人はユダヤ系)とは?(その名前と基盤)

・たった一回の訪問で、新興財閥のボスの心をわしづかみにしたプーチンの行動とは?

・「逃げ道なし」。新興財閥軍団を罠にはめたKGB流「トリプル戦略」とは?

・90年代ボロボロだったロシア経済が、プーチン政権下で大復活した理由とは?

・アメリカを没落させる、絶対確実な方法とは?

・プーチンに反逆したユダヤ系石油王ホドルコフスキーとヤコブ・ロスチャイルド卿の「危険な関係」とは?

・アメリカが、ロシアの勢力圏「旧ソ連諸国」で革命を起こした理由と証拠とは?

・プーチンがアメリカを没落させた、具体的な方法とは?

・プーチン・ロシアが同盟関係を結んだ中国が提案する「世界共通通貨」構想とは?

・メドベージェフは、なぜプーチンを裏切ったのか? 彼の背後にいた勢力とは?

・アメリカに「とどめを刺す」プーチンの戦略とは?

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4797672250?ie=UTF8&tag=rpe-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4797672250

ロシア、自立への戦い


「アメリカからの自立に成功した例」をあげておきましょう。そう、私の住む国ロシアです。


ロシアは、いつ「依存国家」になったのでしょうか?

「ソ連崩壊後」です。

ソ連崩壊直後の1992年、新生ロシアのGDPはなんと−14.5%。

ロシアは、欧米日、および国際金融機関からの借金に深く依存するようになっていきます。(正確にいうと、ゴルバチョフ時代から、かなり借金があった)


それで、エリツィン・ロシアは、アメリカの「依存国家」になってしまいました。

ちなみに、「自立のための5つの条件」をあげましたが、ロシア
はとても恵まれています。


・軍事的自立=ロシアはいまだに核超大国である

・エネルギーの自立=ロシアは原油、天然ガス生産で常に世
界1、2位である

・食糧の自立=自国を十分養える


しかし、「経済の自立」を失ったとき、元超大国ロシアは「依存
国家」に転落したのです。


プーチンは、「自立への戦い」を開始しました。

その基本は、「財政黒字化」と「借金返済」。

ロシアはなんと、プーチンが大統領に就任した2000年から、危機が起こった08年まで一貫して「財政黒字」でした。さらに、借金も着実に返済し、07年には実質債権国になっています。


▼プーチンと世界の支配者


欧米からの自立を目指すプーチン。そんな彼に、世界の支配者たちが、立ちはだかります。きっかけは二つありました。

1、プーチンは、ユダヤ系新興財閥を迫害していた


90年代ロシアを牛耳っていたユダヤ系新興財閥軍団。

プーチンは、「クレムリンのゴッドファーザーとよばれたベレゾフスキー」を追放。さらに、「世界ユダヤ人会議副議長」「ロシアユダヤ人会議会長」グシンスキーも追放。


おそれをなした石油最大手ユコスのホドルコフスキー社長は、ヤコブ・ロスチャイルド卿と「オープンロシア財団」をつくり、プーチン排除に乗り出しました。

これでプーチンは、欧州の支配者を敵に回した。

2、プーチンは、ユコス売却を阻止した

ホドルコフスキーは、ロックフェラー系で有名なエクソンモービル、そしてシェブロンテキサコに、「ユコスを売る」と約束していました。


プーチンはこれに激怒。


「原油生産量世界一ロシアの最大手企業をアメリカに売れるか!」

と、ホドルコフスキーを逮捕してしまった。これで、アメリカの支配者を敵にまわしてしまった。その後何が起こったか。


ロシアの影響圏である旧ソ連諸国で、次々と革命が勃発。

03年グルジア、04年ウクライナ、05年キルギス。

そして、次々と「親米反ロ傀儡政権」が誕生することになった。

そして「米ロ新冷戦」なる言葉も生まれ、結果08年には「ロシア−グルジア戦争」にまで発展していったのです。


資源と食糧に恵まれた核保有大国ロシア。

そんなロシアですら、アメリカからの自立は容易ではなかった。

http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/609.html


06. 中川隆 2014年7月07日 21:06:16 : 3bF/xW6Ehzs4I : 3cdYZYbVIc

プーチン大統領がロシアから叩き出したい5つのものとは? 2014-07-06


ロシアのプーチン大統領が嫌いなものは何か。

まず、同性愛者だ。それは欧米的価値観から生まれた「病気」だからだという見解だ。

次にプーチン大統領が嫌いなものは何か。それは、移民だ。移民はロシア人の仕事を奪う者たちであるという見解だ。

もちろん、プーチン大統領は、ユーロ圏にはびこっている「多文化主義」も大嫌いだ。多文化主義はロシアの文化を破壊するものであると認識している。

プーチン大統領は、自分に敵対する存在も嫌っている。何よりも信用ならないと思っているのはアメリカで、その次にヨーロッパだ。中国も日本も信用していない。

プーチン大統領は、メディアも大嫌いだ。メディアはあることないことを垂れ流して国民を煽動する存在なので、有害だとすら考えている。

プーチン大統領はNGO(非政府組織)も嫌いだ。NGOは、外国の有害組織の隠れ蓑になっていると考えており、放置しておけば、いずれ反社会勢力になると信じている。

プーチン大統領がロシアから叩き出したい5つ

プーチン大統領は、だからこういったものを根こそぎ制限し、ロシアから叩き出すつもりでいる。

ここに上げたものはすべて欧米のグローバル資本がその国の国家主権を崩壊させるための「道具」であると、プーチンは考えているようだ。

同性愛の容認は、ロシアが古くから持っている道徳観を破壊する道具。移民の容認は、ロシア人の仕事を破壊する道具。多文化主義もロシアのアイデンティティを崩壊させるための道具。メディアもロシアの世論を動揺させるための道具。NGOはロシアで破壊工作をするための隠れ蓑の道具。

分かりやすく言うと、プーチン大統領は、このように考えているのだ。

(1)同性愛は、その国の性の価値観を破壊する。
(2)移民は、その国の職業的安定を破壊する。
(3)多文化主義は、その国の文化を破壊する。
(4)メディアは、その国の世論を破壊する。
(5)NGOは、その国を裏側から破壊工作する。

欧米のメディアはこうしたプーチン大統領の「締め上げ」を被害妄想だと批判している。

しかし、実のところ欧米ではプーチンが嫌っているこれらのものは、すべてがこれを取り入れた国で大きな問題を引き起こしているのも事実だ。

実は今、この5つを否定する政治家・指導者は、トップに立てない世の中になっている。あるいは、トップになっても激しく批判されて追い落とされる世の中になっている。

プーチン大統領は、反政府運動をすべてグローバル主義者が裏で煽動していると考えている。こういったデモは、ロシアでは徹底的に封じ込められていく。


グローバル化とは、実は国家破壊の動き

逆にこの5つを受け入れた国は、何を受け入れたと言われるのか。それは「グローバル化を受け入れた国」と言われる。

そう考えると、グローバル化とは何かという根源的な問いかけが見えてくるはずだ。グローバル化とは、実は国家破壊の動きなのである。

プーチン大統領がエリツィンの後継として大統領になってからまずしたのは、ロシアからオリガルヒ(新興財閥)を徹底的に駆除することだったが、このオリガルヒの多くは、ユダヤ人だった。

言うまでもなく、ユダヤ人は歴史的に国を持たず、全世界に流浪して定着している民族である。そして、上記の5つは、すべてユダヤ人のアイデンティティとなっているものでもある。

プーチン大統領は、実質的にユダヤ人をロシアから追い出すことによって、グローバル主義をロシアから追い出した。

ユダヤ人の政策を拒絶することを欧米では「反グローバリズム」と呼ぶ。今、プーチン大統領は反グローバリスト、あるいは独裁者と欧米から呼び捨てにされている。

そう考えると、今ロシアで起きているのは、プーチン大統領という保守派と、ユダヤ人というグローバル派の激しい権力闘争であるというのが分かる。

たとえば、プーチン大統領はアンドレイ・ルゴボイ議員を使って二重国籍取得を非合法化する動きを進めているが、これも「ロシア人のなりすまし」を防止するためであり、グローバル派の締め上げである。

内務省の全職員の出国を禁じているが、これも「グローバル派への寝返り」を防止するためのものである。

欧米メディアは必死になってプーチン大統領を権力の座から追い落とそうとしているが、隙を見せないプーチン大統領は、より強行にロシア文化の防衛に走っており、ロシア人の多くはこれに賛同している。

プーチン大統領がエリツィンの後継として大統領になってからまずしたのは、ロシアからオリガルヒ(新興財閥)を徹底的に駆除することだった。


ロシアは断固としてそれを拒否する方向で動いている

こういった動きはもちろん、ロシア経済を縮小させるものであり、実際にロシア経済、ロシア株式市場は暴落したまま停滞に入っている。ロシアは厳しい状況になる。

しかし、ロシア国民の多くは、ユダヤ人オリガルヒに国富をすべて奪われつつあったエリツィン時代の惨状を覚えている。したがって、「あんな時代になるのであれば絶対にプーチン大統領を支持する」という声の方が大きい。

つまり、ロシア国民はほとんど誰も民主化やグローバル化を望んでいない。

ヨーロッパはそれを受け入れたかもしれないが、ロシアは断固としてそれを拒否する方向で動いているのである。

プーチン大統領は、グローバル化によるロシア破壊を撥ね飛ばすために、着々と独裁化を推し進めているが、その独裁化も「ロシアには強い指導者が必要だ」ということで容認されているのが現状だ。

世界全体がグローバル化に飲まれていこうとしている今、公然としてグローバル化に反旗を翻しているロシアには勝算があるのだろうか。

この結論は、まだ簡単には出ない可能性は高い。

ユーロ圏はグローバル派が天下を取ったと思われていたが、現在、欧米のあちこちの国で極右政党が台頭してきている。

これらの政党は、多文化主義も移民も猛烈な勢いで吹き飛ばそうとしている。各国の国民がその極右政党を支持しており、今までの政治家との乖離が非常に大きなものへとなっている。

今まで国際世論から無視されて見えてこなかった「反グローバリズム」の動きが、いよいよ顕在化しつつあるのが、ロシアのプーチン大統領の動きで明確になってきた。

「反グローバリズム」の動きが、いよいよ顕在化しつつあるのが、ロシアのプーチン大統領の動きで明確になってきた。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140707T0113040900.html


07. 2014年7月17日 07:21:42 : 3cdYZYbVIc


16 7月 2014, 18:41

プーチン大統領の支持率:ロシア大統領の人気には何が影響するのか?

世論調査によると、プーチン大統領の支持率は現在およそ80パーセント。一方で専門家たちは、この傾向が今後も続くとの確信は示しておらず、政府の経済プランと野党の行動が、国民の気分に変化を与える可能性もあるとの見方を示している。政治分析センターの報告書の中で発表された。


ロシア人の圧倒的大多数(80パーセント)が、すでに数ヶ月間にわたり、プーチン氏の大統領としての活動は成功しており、完全に国民の関心に応えているとの確信を表している。政治分析センターの依頼で実施された世論調査によると、最近2年間で国民の25パーセントがプーチン大統領への「態度を改善」した。プーチン大統領への「態度を悪化」したのは、たったの4パーセントだった。

なお、プーチン大統領を支持する年齢層が上がるとの予測は覆されている。プーチン大統領の政策を支持する大学生の数は、年金受給者の数と等しく、プーチン大統領を支持する人々の3分の1を占めている。政治分析センターのパーヴェル・ダニリン氏は、次のように語っている。

「ソチ五輪の成功とクリミアの出来事は、メドヴェージェフ政権時代にプーチン氏の支持者ではなくなった多くの有権者たちが、再びプーチン大統領の支持者に加わるための原動力となった。そのほか最近では、今まで一度もプーチン大統領を支持したことのなかった人々も、プーチン大統領の支持者となっている。」

国家戦略研究所のミハイル・レミゾフ所長は、プーチン大統領は3期目の大統領に就任後、社会にとって最も切実な社会・経済問題の解決に取り組み始めたと述べ、次のように語っている。

「プーチン大統領は、2000年代初頭に存在し、後回しにされていた社会問題に着手した。これは、社会における国家公務員や軍人の立場に関するものだ。国家公務員や軍人の給与は、受け入れ可能な水準にまで引き上げられた。また経済の脱オフショア化にも取り組み始め、この政策の方向性が決められた。これは、社会の期待と一致している。」

社会の大多数がプーチン大統領の活動を支持したことで、ロシアの野党陣営は著しく縮小した。一方で、プーチン大統領の支持率に影響を及ぼす可能性のある経済および社会分野には、不安定要素がある。レミゾフ氏は、政府は消費税を引き上げ、年金額の物価スライドを一的に凍結する計画であり、これがプーチン大統領の支持率にネガティブな影響を与える可能性があるとの見方を示し、次のように語っている。

「ロシア社会では一部のみしか実現されていないいくつかの要求がある。その一つは、社会的および経済的正義だ。2つ目は、大量の移民や民族がらみの犯罪と関連する一連の民族問題だ。このテーマは、社会が憂慮する事柄の上位リストに安定して含まれており、これに関する政府の行動はまだそれほど効果的ではない」。

プーチン大統領の国内における政治的立場の強さは、大統領がどれほど社会の要求に応えることができるかにかかっている。
http://japanese.ruvr.ru/2014_07_16/274714419/


08. 中川隆 2014年7月18日 19:06:16 : 3bF/xW6Ehzs4I : 3cdYZYbVIc

1998年8月17日のデフォルト(債務不履行)


ロシアは1990年代にはすでに経済的に行き詰まってボロボロになってしまっていた。そして、そのクライマックスは1998年8月17日に来た。

ロシア政府はこの日、ルーブルの切り下げとデフォルトを余儀なくされ、外資の流入がストップして輸入も大幅に落ち込み、国家が事実上崩壊してしまったのである。

ロシアがこうなる予兆は前々から予測されていた。エリツィン大統領は1997年に健康を害してレイムダックになっていたし、政権は何とか維持していたが、もはやその弱体ぶりは誰の目にも明らかだった。

そして、その年にはアジア通貨危機が勃発していて、バーツが売り込まれたように、今度はルーブルが激しく売り崩されて危機が高まっていった。

やがてロシアが頼りにしている主要な外貨獲得の元である原油が暴落するに至って、ロシア政府もIMFも御しがたいほどのルーブル売りが勃発し、この国はとうとうデフォルトに追い込まれてしまったのだった。

国が崩壊したら何が起きるのか。

それは行政の停止と、企業の倒産と、飢える国民の徘徊である。ロシアの国民は物資も貯金も仕事も一気に失って、貧困のどん底に突き落とされた。

年金暮らしの老人が物乞いとなってモスクワの街のゴミ箱を漁っている光景や、家財道具も何もない小屋の中で飢える我が子を呆然と見つめる母親の写真などが記事になったのはこの頃だ。

ロシアが破綻したために、ロシア圏全体が極度の貧困に堕ちていった。

ロシア圏の女性たちは1990年代から売り飛ばされていたが、このデフォルト以来、その動きはさらに加速して、2000年に入ると、とうとうアジアにまで到達するようになっていた。

ロシア系の女性は美しい。彼女たちはロシア・マフィアにとっては素晴らしい「商品」だったし、美しい女性に対する需要はどこにでもあった。

かくして、アジアのあちこちの国で、ロシア圏の女性が人形のように立って男に拾われるのを待つようになった。

このあたりの状況はブラックアジアにも取り上げたことがある。

(マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120116T2045350900.html

「私は敵と寝てるのよ」と彼女は言った

国が崩壊した後、ロシア女性は「こんな生活は嫌いだ」と言いながら、セックス産業から逃れられなかった。

今でもタイやシンガポールでは当たり前のようにプターナ(ロシア人娼婦)の姿を見るが、2000年当時は日本にも「外人パブ」なるものができていた。

そこに所属していた金髪白人は、大抵がロシア系だった。サハリン経由やウラジオストック経由で現地マフィアと組織暴力団のルートでロシア女性が入ってきていたのだった。

また当時は、サイパンやハワイでもロシア女性が高級ホステスとして働いていたのは知る人ぞ知る事実である。

プターナと呼ばれる彼女たちの裏には「オリガルヒ」と呼ばれるロシアの新興財閥が絡んでいたのだが、彼らの存在は早い話がマフィアの類いだった。

ロシア女性を人身売買して金を儲けたのだから、マフィアという以外に言葉がない。

この時期にインタビューした女性のひとりは、その状況を当時のジュリア・ロバーツの映画に引っ掛けてこう言った。

"I"m sleeping with the enemy."
(私は敵と寝てるのよ)

ところが、強い酒を煽る殺伐としたプターナの姿は2005年あたりから急激に歓楽街から消えていくことになる。

今度は何が起きたのか。

まず、2004年から原油価格が徐々に上昇していってロシア経済がフル回転を始め、プーチンの政治手腕が冴えて国際社会にロシアの影響力が回復していったのだ。

プーチン時代と石油高騰時代は重なっており、逆に言うとプーチンがあれほどまでロシアで絶大な支持を得ることができたのは、原油価格の高騰に助けられたことも大きかった。

そして、2014年。

今度は時計が逆回転するように、ロシアの状況が悪くなっている。これがロシア女性を追い詰める可能性がある。欧米の経済制裁が勝つのか、それとも猛烈な逆風を何度も切り返してきたプーチンがまた危機をすり抜けるのか。

状況は流動的だが、ロシアには再び激動の時代がやってきているのは間違いない。

果たして、プーチン大統領はロシア女性を守ることができるのか。今後のロシアは綱渡りの政治となる。プーチン大統領が命運を握っている
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140718T0527290900.html


09. 中川隆 2014年8月25日 23:48:08 : 3bF/xW6Ehzs4I : 3cdYZYbVIc

ロシア:プーチン大統領支持87% 過去2番目の高さ

毎日新聞 2014年08月12日 11時04分(最終更新 08月12日 11時13分)

 【モスクワ田中洋之】ロシアのプーチン大統領の支持率が87%に達していることが民間世論調査機関「レバダ・センター」の最新調査(今月1〜4日に実施)で分かった。

2008年8月のグルジア紛争直後に当時首相だったプーチン氏が記録した88%に次いで2番目の高さ。ウクライナ東部で先月起きたマレーシア航空機撃墜事件をめぐりロシアが国際的批判を浴び、欧米などが対露制裁を強化するなか、ロシア国民がプーチン氏のもとで「結束」を強めているようだ。

 ロシアが外国の制裁に報復措置を取ることについては72%が「正当だ」と回答し、「非生産的だ」と否定的にとらえる人は18%にとどまった。調査はプーチン大統領が制裁発動国からの農産物や食料品の輸入禁止を発表した今月6日の前に行われたが、多くの国民が対抗策を支持しているとみられる。

 またマレーシア機撃墜の責任がだれにあるかとの設問(複数回答可)では、50%がウクライナ指導部、45%がウクライナ軍、20%が米国と答え、親ロシア派武装集団は2%だった。国際社会では親露派の犯行説が有力視されているが、ロシア国内の見解は大きく異なっている。

 今年1月に65%だったプーチン大統領の支持率は、ウクライナ南部クリミアを編入した3月に80%に跳ね上がり、その後も8割台を維持している。


10. 中川隆 2014年9月14日 10:42:52 : 3bF/xW6Ehzs4I : 3cdYZYbVIc

プーチンとメディア(欧米による植民地民主主義)との闘い

今でこそ非常に高い支持率を得たプーチンだが、2011年には下院の不正選挙疑惑もあり、支持率は低迷していた。台頭してきたインターネットメディアの中には反プーチン派も少なくなかった。それが今では支持率80%である。この高い支持率はどのようにして形成されたのか。

ソ連崩壊後、プーチンは「共産主義の非効率性を批判しつつ、同時に海外モデルの模倣では復興できない」と主張。第三の道を探った。そのポイントは民主化と平行して進む地方首長が直接海外資本と連携して地方領主として国家からの遠心力が強まっていく流れを断ち切って、国家へ税収が回収される仕組みを強化したことであった。そして、そこで得た資金を、地方に眠る資源開発へと投資し、プーチンは資源外交によって力を得た。

プーチンはレニングラード大学で法律を学んだが、あわせてレニングラードの鉱山大学で経済学を学んでいる。そこでのノウハウがプーチンの力となった。

シベリアの資源はプーチンの力の源泉のひとつだが、それを国家財源とするためには、エリィツィン前大統領のもとに結集した新興財閥勢力(エリツィン・ファミリー)との権力闘争に勝つ必要があった。その代表格がホドルコフスキーだが、ホドルコフスキーはエクソンモービルにロシアの石油会社の株式を譲渡する提携交渉を進めていた。「ロシアの地下資源はロシアの資産」が信条のプーチンは、この売国的交渉を止めさせるために、ホドルコフスキーを脱税の罪に問うた。

こうした権力闘争を闘う上で、プーチンはマスコミ支配に力を入れた。テレビを使った国民対話にも力を入れた。それ故に欧米マスコミからは「統制された民主主義だ」という批判も受けたが、金貸しによる欧米のメディア支配を知っているプーチンは「統制された民主主義とは外国から押し付けられた統治モデルのことだ。ロシアは外部からの統制は受けない。ロシアの民主主義は主権民主主義だ」と強烈な皮肉で切り返している。プーチンは独立国家としての主権のない民主主義は欧米に支配される植民地民主主義に過ぎないということの本質を見抜いているし、そのことを明確に発信している。

こうしたプーチンの対決姿勢に対して、欧米は、周辺国の民主主義=選挙をコントロールする戦略に出た。オレンジ革命(ウクライナ)、バラ革命(グルジア)、チューリップ革命(キルギス)・・・。そして市民団体、人権団体を駆使して、民主化ドミノを後押しした。

そんな中、プーチンに批判的なメディアも増えていった。そして事態は反プーチンの急先鋒であった女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ女史の殺害事件へと発展した。

これはプーチンにとってマイナスになった。世論はプーチンに批判的となった。インターネットも普及し、反プーチンの受け皿となるブロガーも登場した。そこでプーチンは親欧米を装うためにメドベージェフとの双頭体制に切り替えた。プーチンの支持は低迷し、2011年の下院選挙では不正選挙を海外からも国内からも疑われるに至った。けれどもプーチンは欧米支配、植民地民主主義に屈しないというスタンスを維持し続けた。

このプーチンの主張は静かに広まっていったのだろう。政治状況は根底から転換していった。プーチンの対抗勢力として登場してきたアレクセイ・クドリンは反プーチンの野党勢力を結集させ「市民イニシャチブ」を結成したが、その席上で「われわれは外国からのカネは受け取らない」と宣言したのだ。反プーチン・デモで有名になったブロガー、アレクセイ・ナワルニーも反プーチンではあるが、ロシア人優先という民族主義的な主張の持ち主でもある。

もともとKGB出身であったプーチンは欧米がメディア支配によって民主主義=選挙をコントロールし、植民地支配を行っているという現実を知っていた。そこでプーチンは根気強く、その現実を語り、大衆にその現実を広めていった。その主張は反プーチン派にも浸透し、外国に買われる自称リベラル派を壊滅させることに成功したのだ。その結果が2012年のプーチンの大統領再選であり、現在の80%近い高支持率になっている。

さて、日本はどうだろうか。強力な指導者を求めるロシアと強力な指導者を求めない日本の違いを踏まえると、同じ道をたどることはできないと思われる。おそらく草の根から、マスコミ支配の現実を広めていくしかない。それでも、プーチンとメディアの闘いは「最後は事実が勝つ」という単純な事実を物語っているように思う。道は違っても日本にできないことはない。

参考:プーチンの思考 佐藤親賢 2012年10月 岩波書店

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=295343


11. 2014年11月27日 14:22:26 : lOr0zcg9f2
中川隆様、素晴らしい記事を投稿、ありがとうございます!

英米メーソンでレーガン、サッチャーと連携していたゴルバチョフがソ連を解体してから、ルーブルも紙くず同然でしたね。
プーチンが出てきてから、大きなテロやいろんな暗殺が西側に仕組まれました。
2002年:モスクワ劇場占拠事件、2004年2月:モスクワの地下鉄駅での爆破テロ事件、5月:チェチェンでのカディロフ大統領爆殺事件、6月:チェチェンの隣のイングーシ共和国で起きた警察署襲撃事件、8月:飛行機墜落事件、9月:ベスラン学校占拠事件など。。
リトビネンコ暗殺も、ベレゾフスキーや西側が仕組んだものです。
現在のチェチェン大統領は、爆殺された大統領の息子で、プーチンを尊敬しています。
「イスラム国」がチェチェン侵略を宣言していましたが、その宣言した指導者を先日、現在のカディロフ大統領は殲滅しました。

ソ連崩壊後の大雑把な歴史は知ってはいましたが、あらためて、「プーチン当選。涙のわけは」を見ると涙が出ます。
大雑把な流れしか知りませんでしたので、じっくりと読ませていただきます。


12. 中川隆 2014年11月27日 14:57:29 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

プーチン大統領の演説 2014年11月24日
http://kamogawakosuke.info/2014/11/21/no-1093-%e3%83%97%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%b3%e5%a4%a7%e7%b5%b1%e9%a0%98%e3%81%ae%e6%bc%94%e8%aa%ac/

10月24日にロシアのソチで行われた、ロシアおよび諸外国の学者が参加するバルダイ会議という討論会でプーチン大統領が行った演説の全文を読む機会があった。


この演説は主流メディアにはほとんど無視されたか、または意味をゆがめられて報じられたようだが、世界が大きな転換期にあることをプーチンはこの政治演説で明確に宣言した。

冷戦は終わったが平和がもたらされることはなく、アメリカは冷戦の勝者として振る舞う一方で、中国、ロシア、イランといった新たな敵をつくり出した。そして同盟国に対してアメリカは自分のやり方を強制し、世界を不安定化していると批判したのだ。批判だけではない。ロシアはこれ以上の戦争を望まないし、戦争を始める意図もないこと、対話による民主的で平和的なアジェンダを持っていることを公言したのである。

国際政治は現在進められているTPPのように、民主主義、国民主権とは程遠い。これまでも一部のエリートたちが秘密の部屋で秘密に交渉し、密約がつくられて、それが共同宣言のように発表されてきたように、完全に芝居のようなものだ。プーチンはその芝居をやめ、透明で明確な基盤の上で共同作業をしていこうと西側諸国に訴え、ロシア自身は内政、そして外交政策について秘密に交渉するのではなく民主的に行い、また世界の覇権をとるつもりもないことを明確にした。

プーチンがここまではっきりとアメリカのやり方を批判したのは、ウクライナ問題、それに続く経済制裁などでロシアの安全が脅威にさらされているためであろう。その打開のために、戦争をするのではなく、国際政治の駆け引き、ルール自体を変えようとしているのだ。そのために現在のアメリカの政策を厳しく、しかし現実的に描写した。

さらに、西側諸国がロシアを外交的に孤立させようとしても、常にロシアは対話によってあらゆる問題の解決、関係の正常化に向けてオープンな立場をとること、そして圧力や制裁をかけられたとしても、怒ったり物乞いをしたりしない。なぜならロシアは自立した自給自足が可能な国であり、これからも国内における生産や技術開発にいそしみ、変化を実行するために断固として行動するという発言も重要である。ロシアは、ユーラシア経済連合、上海協力機構、BRICS開発銀行などを通して、着実にその地固めも行っているのだ。

強気の発言に対しこれからも西側はメディアを使い、プーチンをロシア帝国の再建を狙う独裁者として描き続けるのであろう。演説の中でも、世界のマスメディアを完全支配することで黒を白、白と黒だと物事を言い表すことが可能だと、プーチン自身もそれを知っている。またアメリカが緊密な同盟国も含め巨額の費用を使って世界を監視し、その情報を使って恐喝を行っている証拠もあるともプーチンは言及した。

大国の指導者の演説で、これほど寛大で率直で道義心にあふれたものを私はこれまで読んだことがない。アメリカの同盟国として憲法解釈を変えてまで「集団的自衛権」の行使、つまり戦争に参加しようとしている日本の指導者にも是非読んでもらいたいと思う。

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以下:プーチンの演説

原文:http://eng.kremlin.ru/news/23137

バルダイ国際討議クラブ 2014年10月24日 

バルダイ国際討議クラブは先ほど言われたように今年新しい共催を得ました。ロシアの非政府組織、専門家グループ、一流大学などです。ロシアの問題だけでなく世界の政治や経済まで討議を広げるためでもあります。

組織と内容は、優れた討議と専門家フォーラムとしてのこのクラブの影響力を強めるでしょう。同時に、自由でオープンな雰囲気と、まったく違う意見を率直に表現できる「バルダイ精神」が変わらないことを望みます。

その意味で、あなた方をがっかりさせないよう私も率直に話します。少し激しいことも言うかもしれませんが本当に思っていることを直接、正直に話せなければ、このように会議を開く意味はありません。誰も本当に意味のあることを言わない外交的な集まりをしていたほうがましです。そうすれば、誰も真に思うことを言わず、ある有名な外交官が言った、外交官は真実を話さない舌を持っているという言葉を実感するでしょう。

集まるのは他の理由もあります。お互いに率直に話し合うためです。嫌味を言い合うのでなく、実際世界で何が起こっているのか、なぜ世界は危険で予測不可能になりつつあるのか、なぜあらゆるところでリスクが増加しているのかについて話し合うのです。

今日の討議は「新しいルールか、それともルールなきゲームか」というテーマで行われました。この言い方は今日われわれが到達した歴史的転換点と、われわれが直面している選択肢を正確に言い表していると思います。世界は非常に速く変化しているという考え方はもちろん目新しいものではありません。それについては既に今日議論がなされたと思います。世界の政治や経済、人々の暮らし、産業、情報、社会的技術において、劇的な変化が起きてるのは明確です。

私の言うことが既に参加者が言われたことの繰り返しになる、先にあやまっておきます。それを避けることは事実上不可能です。あなたがたは既に詳細な討議を行われたが、私の視点を述べます。ある点は他の参加者の見解と同じでしょうし、また異論を持つ人もいるでしょう。

今日の状況を分析する時、歴史の教訓を忘れてはなりません。一つ目は、世界秩序の変化です。私たちがいま目にしているのはそれくらい大規模な出来事であり、世界秩序の変化は世界的な戦争や紛争とまではいかなくとも、ローカルレベルでの激しい紛争の連鎖のあとに起きます。二つ目は、グローバル・ポリティクスとは、経済的リーダーシップ、戦争と平和の問題、人権を含む人道的次元についてだということです。

世界は今日矛盾だらけです。信頼できるセーフティネットがあるか、お互いに率直に尋ねてみる必要があります。残念ながら今の世界または地域のセキュリティシステムがわたしたちを動乱から守る保証も確実性もありません。システムは弱体化し、分断し、ゆがんでしまいました。国際および地域の政治的、経済的、文化的協力機構もまた困難に直面しています。

そうです、今ある世界秩序を保つためのメカニズムの多くは、今から相当前、第二次大戦の後に作られたのです。当時作られたシステムの安定は、力のバランスと勝戦国の権利の上にだけあったのではなく、システムの「建国の父」は、お互いを尊重し、相手から搾り取ろうとするのではなく合意に到達しようという試みだったということを強調させてください。

重要なことは、このシステムは発展する必要があった。さまざまな短所はあったけど、少なくとも世界の今の問題をある一定のところで止め、国家間の自然な競争が激化するのを制することができるようになる必要があったということです。

私が確信してるのは、われわれは過去数十年に築いたこのチェックとバランスのメカニズムを持てず、代わりに何も作らずにそれを分断しました。そのため暴力以外の手段を何も持たなくなったのです。

私たちに必要だったのは、合理的な建て直しを行い、国際関係のシステムにおける新しい現実に作り変えることでした。

しかしアメリカは、自ら冷戦の勝者を宣言し、その必要性を理解しませんでした。秩序と安定に不可欠な新しい力の均衡を確立する代わりに、アメリカはそのシステムを深い不均衡に陥らせたのです。

冷戦は終結しましたが、既存のルールを尊重する明確で透明な合意に基づく平和協定も締結されず、新しいルールや基準も作られませんでした。このため、冷戦のいわゆる「勝者」は、圧力をかけ、世界を自分のニーズと利益に合わせて作り直すことを決めたかのようです。もし国際関係、国際法、抑制と均衡などの既存のシステムがその目的の邪魔になれば、そのシステムは価値がない、時代遅れだから、と解体されました。たとえは悪いですが、これは大きな富を手にしたにわか成金の振る舞いです。この場合アメリカが手にしたのは世界リーダーシップと支配です。そして富を賢く管理するかわりに自分の利益のためにそれを使い、彼らは多くの愚かなことをしたと思います。

我々は世界政治において異なる解釈と計画的な沈黙の時期に入りました。国際法は法律のニヒリズムの猛攻撃によって何度も退くことを強いられました。客観性と正義は、政治的な功利主義の祭壇で犠牲にされました。恣意的な解釈と偏見にもとづく評価が法基準にとって代わりました。同時に、世界のマスメディアを完全に支配することで、必要に応じて白を黒、黒を白と描写することが可能になりました。

1国とその衛星国ともいえるような同盟国による支配の状況の下、世界的な解決方法を探すのではなく、彼ら自身の一般的なやり方を強要する試みがなされるようになりました。このグループの野心は肥大し、自分たちが決めた方針を、あたかも全国際社会の見解であるかのように提示し始めたのです。しかし事実はそうではありません。

『国家の主権』という概念は、ほとんどの国にとって相対的な価値になりました。要するに、提案されたのは 【世界の唯一の超大国への忠誠が大きいほど、この国やあの国の政権の正統性は大きいる】という公式(フォーミュラ)だったのです。

あとで自由討議をしますので、質問には喜んで答えますし、あなたにも質問をさせてもらいます。今私が言ったことに反証したい人は次の討議でしてください。

それに降参することを拒否した人にとられる手段はよく知られているし、何度も試みられています。武力行使、経済的またはプロパガンダによる圧力、内政干渉、違法な干渉が必要なときはそれを正当化する超法規な合法性に訴える、不都合な政権は転覆させる。 最近では何人かのリーダーに対して明らかに恐喝がなされた証拠もあります。 何もないのに 『ビッグブラザー』が自分の親しい同盟国を含め、この世界を監視するのに何十億ドルも使うはずはありません。

自問してください。これが快適ですか。どれだけ安全ですか。この世界で暮らすのは幸福ですか。そしてどれだけ公平で理にかなっていますか。心配したり議論をしてへんな質問をする理由などないのでは?アメリカの例外的な地位と、彼らがとっているリーダーシップのやり方はわたしたちにとって良いことで、彼らが世界中で介入していることで平和、繁栄、成長、民主主義がもたらされているのだから、ただリラックスして楽しむべきでしょうか。

それは違います。ぜったいに違います。

一方的に理不尽な命令や自分のシステムを押し付けると、逆の結果が生まれます。紛争は解決するより激化し、独立して安定した国の代わりに、混沌とした国家になります。民主主義ではなく、ネオファシズム派からイスラム過激派といったあやしげな人々を支援するのです。

なぜそういう人たちを支援するのか。それは彼らを自分たちのゴールを達成する道具として使おうとするからです。でもそのために火傷してたじろぐのです。私たちのパートナーが同じ熊手を何度も踏むのをみると驚きます。ロシアでは同じ過ちを何度も繰り返すことをそういいます。

彼らはかつてソビエト連邦と戦うためにイスラム過激派運動を支援しました。そのグループは戦争の経験をアフガニスタンでしており、後にタリバンとアルカイダが生まれました。西側は支援はしなかったとしても少なくとも見ないふりをしました。そして情報を与え、国際的テロリストがロシアと中央アジアを侵略する、政治的、財政的な支援をしました。(我々はこれを忘れません)。ひどいテロ攻撃がアメリカの国土で起きた後、アメリカは共通したテロリズムの脅威に目覚めました。あの911の悲劇の時、我々が友人そしてパートナーとして最初に米国民を支える行動を起こしたことを思い出してください。

欧米のリーダーとの会話で私はいつも、世界のテロリズムとは、世界規模の挑戦として一緒に戦う必要性があることを主張してきました。この脅威を受け入れることはできないし二重基準を使って別々に切り分けることはできません。パートナーたちは合意を示しましたが、少したってそれは振り出しにもどりました。まずイラクで、次にリビアで軍事攻撃が行われ、ばらばらになってしまったのです。なぜリビアはその状況に追い込まれたのか。今日、崩壊の危機のある国はテロリストの訓練場となったからです。

エジプトの現リーダーの決意と知恵のおかげで、この主要のアラブ国は混沌に陥ったり過激派が好き放題できなくないようになりました。 シリアでは、過去と同様、アメリカとその盟友が直接、反乱軍に資金援助し、いろいろな国から傭兵を連れ込むのを許しています。これらの反乱軍はどこからお金がくるのでしょうか。武器や軍の専門家はどこから調達してるのですか。悪名高いISILはどうやってそんな強力なグループを統制したのでしょう。

資金源についていうと、今日、資金は麻薬からだけでありません。国際連合軍がアフガニスタンに駐在してから麻薬製造は数%どころか何倍も増えています。皆これに気づいています。テロリストは石油も売ってお金を得ているのです。テロリストがコントロールしている領土で石油は生産され、ダンピング価格で売り、運ぶのです。でも誰かがそれを買い、再販し、利益を得ている。そういう人たちは実際にはテロリストを支援し、いずれ自分の土地に彼らがきてその土地を破壊するかもしれないという事実を考えることもないのです。

テロリストたちはどこから兵士を補充しているのか。イラクではフセイン転覆後、軍を含む国の機関は崩壊したままでした。当時私たちは、注意するように、と言いました。人々を追い出したら彼らはどうするでしょうか。彼らが(正しかろうとなかろうと)強い地域勢力においてリーダーシップをもっていた人々だということを忘れてはなりません。そういう人々をどのように変えてしまおうというのか。

その結果どうなったでしょう。数万の兵士、オフィサー、元バース派の活動家などは、追い出され、今日、反乱軍に入っています。イスラム国のグループがなぜこんなに戦力を持っているのかの説明になると思いませんか。軍事的に言って非常に実戦的に活動するプロフェッショナルな人々です。一方的な軍事攻撃、主権国家の内政干渉、過激派にちょっかいを出すことの危険性をロシアは繰り返し警告してきました。我々はシリア政府と戦うグループ、なかでもイスラム国をテロリスト組織のリストに含むことを主張しまいsた。でもどうなったかというとこの主張は無駄でした。

私たちは時々、私たちの友人は自分の政策の結果、常に戦っているという印象を受けます。自分たちが作ったリスクに対処するためにあらゆる努力をして、さらに大きな対価を払うのです。

この一極支配という時期は、ただ1つの大国は世界のプロセスを管理可能にすることはできないということを証明しています。それどころか、この不安定な建造物は本当の脅威(例えば地域紛争、テロリズム、麻薬密売、宗教的狂信主義、盲目的愛国心とネオナチ主義)と戦うことはできないのです。それと同時に、膨張した国家のプライド、世論の操作、強いものが弱い者をおさえるという道筋を開いてしまいました。

基本的に一極世界は、単に人々と国の上に独裁主義を敷くことを正当化する手段にすぎません。一極世界は、リーダーを自称する国にとっても、不快で、重く、扱いにくい重荷を作り出しました。これにあったコメントは先ほどここでなされましたが、私はそれに完全に同意します。この新しい歴史的なステージにおいて、だからアメリカはリーダーシップを恒久化する便利なモデルとして、擬似的な両極性の世界の形を作りなおそうとしているのです。アメリカが宣伝する悪の場所に誰がくるかは重要ではありません。かつてはソ連が主要敵国でした。核技術を手に入れようとしているイランかもしれないし、世界最大の経済国中国、または核の超大国ロシアかもしれません。

今日、世界を分断し、新しい境界線をひき、なにかを築き上げるためでなく互い戦うように、冷戦時のように敵のイメージを作り上げ、リーダーシップを手にし、望むなら独裁者となるための運動が繰り広げられています。これは冷戦時代と同じです。私たちは皆これを理解してるし、わかっています。アメリカは同盟国にいつもこう言っていました:「我々には共通の敵、恐ろしい敵、悪の帝国がいる、そして、我々はあなた(同盟国)をこの敵から守っている、そして、我々にはあなたにいちいち指図する権利があり、あなたの政治的および経済的な利益を犠牲にすることを強制し、この集団的自衛の経費はあなたの負担となる。でも命令するのはもちろん私だ」 つまり、今日この新しい変わり行く世界においてみられるのは、世界管理の見慣れたモデルのすりなおしであり、これらはすべてアメリカの例外的な地位を保証し、政治的、経済的な配当をアメリカが獲るためなのです。

しかし、これらの試みはますます現実とかけ離れ、多様化した世界とは相容れません。この手のやり方は必然的に対立と対抗策をうみだし、期待する目的と逆の効果になります。政治が軽率に経済に干渉し始め、合理的な決定でなく国家事業の利益も含めて対立の理論が優先されると、自国の経済的地位と利益を傷つけるだけになるのです。

共同の経済プロジェクトや相互の投資は、客観的に国同士を近づけ、国家間の問題をスムーズにします。しかし今日、グローバルビジネスコミュニティは西側政府からの前例のない圧力に直面しています。「国は危機にある」「自由世界は脅威にさらされている」「民主主義は危うい」といったスローガンを聞くとき、どんなビジネスや経済の功利主義、実用主義について言っているのか。だから誰もが戦時体制になる必要がある。それこそが真の戦時体制政策です。

制裁は世界貿易、WTOの規則と私有財産の不可侵の原則という基盤をすでにむしばんでいます。それは市場、自由と競争に基づくグローバリゼーションのリベラルなモデルに一撃を加えています。それは主に、正確にいうと西欧諸国を益するモデルなのです。そしていま彼らはグローバリゼーションのリーダーとして信用を失うリスクをおかしています。我々は自問すべきです、なぜ、これが必要だったか。結局、アメリカの繁栄は、主に投資家の信頼と、外国のドルと米国債の保有者の上にあります。この信用は明らかに徐々に損なわれ、多くの国がグローバリゼーションの成果に対して失望している徴候がでています。キプロスでなされた政治的理由での制裁は、経済の強化と金融の主権を求める傾向を強めただけであり、国または地域のグループは、外部の圧力というリスクから自分たちを守る方法を見つけたいという思いを強めたたけでした。ますます多くの国がドルに依存しないような方法を探し始めていて、ドルに代わる財政および支払いシステムと準備通貨を用意しています。アメリカの友人たちは、自分たちが乗っている木の枝を切っているようなものだと私は思います。政治と経済を混ぜることはできませんが、これが現在起きていることなのです。政治的動機の経済制裁は常に間違いで、それは誰をも傷つける間違いだと私は思います。この話題についてはまた戻ります。

われわれは、これらの決定がどのようになされたか、そして、誰が圧力をかけていたのか知っています。しかし、ロシアは経済制裁をうけても、興奮して怒ったり、物乞いをしないということをここで強調しておきます。ロシアは自給自足、経済的に独立した国です。我々は、形づくられている海外経済環境の範囲内で動き、国内生産とテクノロジーを開発し、変化を遂行するために断固として行動します。外からの圧力はロシア社会をまとめ、より注意深くなり、メインの開発目標に集中させるだけでしょう。

もちろん、経済制裁は障害です。彼らは制裁を通して我々を傷つけようとしています。我々の発展を妨げ、政治、経済、文化において孤立化させようとしているのです。言い換えると我々に後退を強いている。しかし、今日の世界はとて異なる場所です。我々は世界から離れて閉ざされた道を行くつもりはありません。我々は常に経済や政治の正常化を含めて対話をするつもりです。これにおいて主要諸国が、実際的なアプローチとビジネスコミュニティとしての立場をとることを期待しています。

ある人はロシアはヨーロッパに背を向けているようだと言います−そのような話はここで議論の間、またすでに多分話されたでしょう ― そしてとりわけアジアに新しいビジネス・パートナーを探していると。そのようなことはありません。私たちのアジア太平洋地域の活発な政策は昨日始まったのではないし、経済制裁に反応したのでもありません。もう何年もとってきたものです。西欧諸国を含む多くの他の国のように、アジアが世界で、経済で、そして、政治でより大きな役割を演じるのを見てきました。我々がその情勢を見逃すことはできません。

もう一度いいますが、誰もがしているから我々もするのです。我々の国の大部分は地理的にアジアにあります。なぜロシアがこの地域での競争的利点を利用してはいけないのですか?しないことはとても近視眼的です。これらの国との経済関係を発展させて、共同の統合プロジェクトを遂行することは、我々の国内発展を誘因するでしょう。今日の人口統計学、経済、文化的、どれをみても唯一の超大国に依存する傾向は客観的にみても減っています。これについては欧米の専門家も論じたり書いたりしています。

グローバルな政治の発展は、おそらく今われわれがグローバル経済で見ているように展開するでしょう。つまり、特定のニッチで競争が激化し、特定のエリアで頻繁にリーダーが入れ替わる。これは完全に可能です。

人道的要因、たとえば教育、科学、ヘルスケア、文化がグローバル競争でより大きな役割を果たすことは間違いありません。これは国際関係にも影響を及ぼします。なぜならこのソフトパワーの資源は、洗練されたプロパガンダのトリックよりも人材開発を達成するうえで重要だからです。

それと同時に、いわゆるポリセントリックな世界(多中心体世界)の形成はそれ自体安定性を改善しません。事実、その反対になる可能性が高い。世界的な平衡に達するというゴールはかなり難しいパズルであり、多くの未知数を持っています。ではルールに従わないで生きるのでなく、まったくルールなしで生きる事を選んだらどうなるのだろうか。そしてそうなるシナリオは考えられる。いまの世界的緊張を考えるとそうならないとはいえません。現在の傾向を考慮すると、いろいろな予測ができるしすでになされていますが、残念なことにそれらは楽観的でありません。もしわれわれが相互にコミットメントと合意をするという明確なシステムを作らなければ、もし我々が危機状況を管理し、解決する仕組みを構築しなければ、世界的無秩序の兆しはさらに増すでしょう。

今日、我々はすでに世界の主要国による直接的または間接的な暴力的紛争が増えている状況をみています。そしてリスク要因には伝統的な多国間紛争だけでなく、国内での不安定性、とくに主要な国の地政学的利益の交差点となるところに位置した国、または文化、歴史、経済において文明的な大陸の辺境にある国においてそれが見られます。

ウクライナがその一例で、国際的な力のバランスに影響を及ぼす紛争であり、またこれが最後でもありません。ここから現在の軍縮協定のシステムを破壊する脅威が生まれるのです。そして、この危険なプロセスは2002年に弾道弾迎撃ミサイル 制限条約をアメリカが一方的に抜けたときからであり、以来アメリカは活発にグローバルミサイル防衛システムを作っています。

皆さん、これを始めたのでは我々ではないということを強調したい。利益と相互保障のバランスの代わりに、恐怖と相互破壊のバランスの時代に滑り込んでおり、それが国同士が直接の対立を防いでいます。法的、政治的手段の欠如により、今再び武器が世界的なアジェンダの焦点となりました。 武器はどこでも、どのようにでも、国連安保理事会の制裁なしに使われています。もし国連安保理事会が制裁をすることを拒否するなら、国連安保理事会は時代遅れで無効な道具だと即座に宣言されるべきです。

多くの国は自分で爆弾を持つこと以外に主権を保つ方法を知らない。これはきわめて危険です。わたしたちはこれからも話し合いを継続することを主張します。対話に賛成なだけでなく、核弾頭削減のための継続的な対話も求めます。世界で核兵器が減れば、それだけ世界はよくなります。そしてわたしたちは、真剣で具体的な核軍縮の用意があります。それはあくまでも二重基準のないシリアスな議論においてです。

どういう意味かというと、今日、高精度兵器には大量破壊兵器に近い機能を持つものが多くあります。核兵器の完全な放棄または核の可能性を劇的に縮小するとき、高精度システムを作っている国は明らかに軍事的に有利だからです。戦略的なパリティは中断され、不安定になるでしょう。そうなるといわゆる最初のグローバル先制攻撃の使用をしたくなるかもしれない。要するにリスクは減少するどころか激化します。

次の明白な脅威は、民族的、宗教的、そして社会的な紛争がさらにエスカレートすることです。このような紛争は文字通り危険なだけでなく、彼らは周囲にアナーキー、無法、カオスのゾーンを作るため、テロリストや犯罪者、人身売買、麻薬取引などがそこで行われるようになります。

ちなみにロシアでもこれらのプロセスを管理しようとし、自分たちの利益に合うように地域紛争や「カラー革命」を利用しようとましたが、それは悪いことを連続で引き起こしました。これは自分自身がどうしてよいかわからない、制御されたカオス理論の父親のようです。彼らのランクには乱れがあります。

われわれは支配エリートと専門家コミュニティの議論を緊密にフォローしています。これは昨年の西側のプレスの見出しを見るだけで十分です。同じ人々が、「民主主義のためのファイターズ」、その次に「イスラム主義者」と呼ばれています。最初、革命と書き、次の記事では暴動や動乱とそれを呼んでいる。結果は明らかで、グローバルにおけるカオスはさらに拡大するのです。

皆さん、今のグローバルの状況をかんがみて、基本的なことに同意し始める時です。これは信じられないほど重要で必要です;過去にもどるよりもずっと良いです。皆がより共通の問題に取り組むほど、我々は同じ船の上にいることに気づく。そして、論理的な出口は、国や社会同士が協力して挑戦に対する答えを見つけることです。共同でリスク管理をするのです。しかし我々のパートナーの中には、何らかの理由でこのことを自分たちの利益に合った時しか思い出さないのです。

実際の経験は、挑戦に対する共同の返答が必ずしも万能薬でないことを示しています。これを理解する必要があります。さらにほとんどの場合、合意は難しい。特に異なる文化や歴史的伝統を持つ国益の違いを克服することは容易でありません。しかし、それでも、共通の目的を持ちながら同じ基準で行動して、真の成功を達成した例があります。

シリアの化学兵器について問題を解決したこと、イランの核開発計画について実質的な意見交換をしたこと、北朝鮮問題もわれわれの働きによってポジティブな結果になったことなどです。この経験を将来地域や世界の課題を解決することに使ってはどうでしょうか。発展を阻害する新しい独占が作られるのを許さない健全な競争を奨励しつつ、安定とセキュリティをもたらす新しい世界秩序のための法的、政治的、経済的基盤はなんでしょうか。だれかが絶対的な広範囲にわたるレディーメードの解決策を提供することはありえません。我々は、広範囲にわたる政府、世界的な企業、市民の社会と、私たちのような専門のプラットフォームが参加する広範囲な作業が必要となるでしょう。

しかし、成功と真の結果がもたらされるのは、国際問題の主要参加者が、リーズナブルな自制心をもち、ポジティブで責任あるリーダーシップの例を示して基本的な利益の調和に同意することができたときだけなのは明らかです。我々は一方的な行動がどこで終わるかをはっきりと決め、多国間メカニズムを適用する必要があります。そして国際法の有効性を改善するために、国がどんな国内事情でも、国家主権には不干渉という原則に基づいて、安全と人権を守るための国際社会による行動間のジレンマを解決しなければなりません。

衝突は複雑な内部のプロセスに対する外部の干渉をもたらし、たびたびそれは世界の主要国感での危険な紛争の引き金となります。主権を維持することは世界的な安定性を保ち強化する際の一番重要なことなのです。

あきらかに、外圧を使うための基準を議論することはものすごく難しい。それを特定の国の利益と切り離すことはほとんど不可能です。しかし、誰の目にも明らかな合意がない時に必要で法律に基づく干渉の条件が決まっていない時は、より危険です。

国際関係は国際法に基づかなければならないということも私は付け加えます。そしてそれ自体、道徳的な原則、例えば正義、平等と真実といったものに基づかなければいけません。最も重要なことは、そのパートナーとその利益を尊重することかもしれません。これは明らかな公式で、単にこれに従うだけで世界の状況は劇的に変わるでしょう。

もし意志があれば、国際的地域的な機関システムの有効性を取り戻すことはできると思います。新しいものをゼロから作る必要さえなかもしれない。未開発の地ではなく、とくに第二次大戦後作られた機関はかなり普遍的で現代的で、現在の状況に適しているからです。

これは国連の仕事を改善にもなります。国連の中心的役割はかけがえのないもので、また欧州安全保障協力機構(OSCE)もそうであり、OSCEは40年にわたり欧州大西洋地域の安全保障と協力を確保するために必要なメカニズムとして役立ってきたことが証明されています。たとえ今でも、ウクライナ南東部の危機を解決するためにOSCEは非常に積極的な役割を果たしています。

国際環境における根本的な変化を踏まえて、制御不能な様々な脅威の増加により、責任ある国々の新しい世界的なコンセンサスが必要です。これは一部の地域取引や古典的な外交のやり方における影響力の分割、また誰かが完全に世界支配することでもありません。相互依存の新しい形が必要だと私は思います。我々はそれを恐れるべきではありません。むしろこれはポジションを調和する良いやり方です。

これは特に地球上のある地域が強化され、成長している時に適切です。そのプロセスでは、新しい極地を組織化し、強力な地域組織をつくりその相互作用のためのルールを開発することが客観的に必要となります。これらのセンター間の協力こそが、グローバルなセキュリティや、方針、経済の安定をもたらすでしょう。しかしそのような対話を確立するためには、すべての地域的センターとその周りに作る統合プロジェクトは平等な開発権利を持ち、それによって互いを補完し、誰も他の人を紛争に陥れたり人工的に対抗したりできないという前提で進める必要があります。破壊的な行動は国家間のつながりを壊し、国自身も厳しい状況に直面するか、または完全に破壊するでしょう。

昨年の出来事を思い出してください。我々は欧米のパートナーたちに、性急に舞台裏の決定をすることは、たとえば EUとウクライナの連携について、経済に深刻なリスクをもたらすと伝えました。政治については我々は何も言いませんでした。経済についてだけ、そのようなことを事前のアレンジなしに行うと、ウクライナの主要貿易相手であるロシアを含め、他の多くの国の利害に触れる、そのため幅広い議論が必要だと言いました。ちなみに、例えば、ロシアの WTO加盟に関する協議は19年間続いたことを思い出してください。これは非常に困難な作業でしたが一定の合意を得ました。

なぜこれを持ち出したかというと、ウクライナがEUと連携すると、いわばわれわれのパートナーは裏門からロシアに製品やサービスをもらいにくるということで、我々は同意していなかったし、誰もこのことについて我々に聞かなかったからです。私たちはウクライナとEUの連携に関するすべてのテーマをしつこく議論しました。それは完全に礼儀にのっとった文明的な方法で、問題を洗い出し理由をしめし、議論を重ねました。誰も私たちの話をききたがらなかったし、誰も話そうとはしませんでした。彼らはただ私たちに言いました:これはあなたには関係ない。以上。そして文明的な広範にわたる対話のかわりに、突然政府を転覆させたのです。それで国はカオスとなり、経済と社会は崩壊し、内乱がおき、多くの負傷者が出ました。

なぜ?私は彼らに尋ねましたが答えはありませんでした。だれも何も言いませんでした。それだけです。誰もが困り果て、ただそうなってしまった、といいました。そのような行動は奨励されるべきではありませんでした。うまくいくはずなかったのですから。結局、元のウクライナ大統領、ヤヌコヴィッチが署名し、すべてに合意したのです。なぜするのか?なんのために。これが問題解決の文明的な方法ですか?あきらかに常に新しいカラー革命を起こしている人たちは自分たちを「優れたアーチスト」とみなしているので止められないのです。

統合された連携、地域構造の協力は、透明で明確な基盤の上に作られるべきだと私は確信しています。ユーラシア経済連合の形成過程は、そのような透明性の良い例です。このプロジェクトの当事者国は、事前に計画をパートナーに通知し、完全にWTOのルールに準拠した組織の限定要素を明示しました。

また、ユーラシアと欧州連合(EU)との間で具体的な対話を始めることも歓迎したであろうということも言っておきます。ちなみにEUはそれも完全に拒否しました。理由は不明瞭です。何がそんなに怖いのでしょうか。

そしてもちろん、そのような共同作業によって、大西洋から太平洋までのすべてにおいて、経済、人道的協力をするための共有空間を作るため対話が必要だと我々は思います。

皆さん、ロシアはその選択をしました。わたしたちのプライオリティは民主的でオープンな経済機構をさらに改善し、国内の発展を加速し、世界のポジティブなモダントレンドをすべてかんがみ、伝統的な価値観と愛国者精神にもとづいて社会を統合することです。

私たちは統合志向の、ポジティブで平和的アジェンダを持っています。積極的にユーラシア経済連合、上海共同機構、BRICS、その他パートナーの仲間に協力します。このアジェンダの目的は政府間の絆を深めることで、分離することではありません。わたしたちはブロックをつぎはぎにしたり、殴り合いをするつもりはありません。

ロシアは帝国を作ろうとしてる、近隣諸国の主権に侵入しようとしているといった主張は事実無根です。ロシアは世界に特別で排他的な場所を必要とはしていません。これは強調しておきます。私たちは他の人の利益を尊重する一方で、私たちの利益を考慮し、私たちの立場を尊重してほしいだけなのです。

我々は、世界が変化の時代にあり、グローバルな変換期で、誰もが特にある程度注意が必要で軽率な手順を避ける能力が必要だということをわかっています。しかし冷戦が終わったあと、グローバルポリティクスの参加者はその資質をいくらか失いました。いま、私たちはそれらを思い出す必要があります。さもなければ、平和的で安定した展開という希望は危険な幻想となり、その一方で、今日の波乱が本当に世界秩序崩壊の前触れとなるでしょう。

はい、もちろん、私はより安定した世界秩序を構築することは困難な課題だとすでに述べました。我々は長く難しい仕事について話しています。第二次世界大戦後、対話のためのルールを我々は作ることができ、1970年代にヘルシンキで合意に達することができました。我々の共通の義務は、この新しい開発段階における根本的な問題を解決することです。

ご清聴ありがとうございました。
http://kamogawakosuke.info/2014/11/21/no-1093-%e3%83%97%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%b3%e5%a4%a7%e7%b5%b1%e9%a0%98%e3%81%ae%e6%bc%94%e8%aa%ac/


13. 中川隆 2014年12月22日 18:42:58 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

【プーチン大統領モンゴルを訪問】
モンゴル軍が演奏するロシア国歌を聞いて泣き出す 2014/09/06
http://www.liveleak.com/view?i=648_1409884280

チンギスハーン広場で温かい歓迎に泣くプーチン大統領。
モンゴルのツイッターで話題に。


14. 中川隆 2014年12月25日 12:13:13 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

ロシアの資本規制 2014-12-25


最近、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオ(運用先)において、株式の割合を高めたり(日本株25%、外国株25%)、さらには「子ども版NISA」で子供向けに株式で資産形成することを促したりと、日本国民の資産を株式に振り向ける動きが目立ちます。


 現在の株式は、先行指標でも「企業のファンダメンタルを示すもの」でもありません。日本の株式は、今や為替レートの反映に過ぎないのです。何しろ、日本の株式市場の「取引(保有ではないです)」において、外国人投資家のシェアは65%に達しています。


【2013年 東京証券取引所投資家別売買シェア】
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-11968728012-13168854068.html

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#baibai


 ほとんどの外国人は、別に「日本企業の将来性」に期待してお金を投じたりはしません。多くの外国人投資家は、

「円安になれば、日本株がお買い得になるから、買う。
円高になれば、日本株が売り時なので、売る」

 ただ、これだけの投資行動を採り、利鞘を抜き取っているに過ぎないのです。

為替レートと外国人投資家の動向で決定される日経平均に政権が引きずり回され、国民の「年金の運用」というレトリックにより、株価に一喜一憂する。日本国民は、いずれ経済的な主権を失ってしまうことになります。


 正直、上記の問題を解決するためであれば、わたくしは「資本規制」をかけても構わないとすら思っています。外国人投資家による短期のキャピタルゲインに、99%の税金をかける等の規制をかけても、わたくしは別に懐は痛みません。そもそも、日本の株式市場は企業が「成長」のための資金を調達する場であって、外国人投資家のカジノではないのです。


 もっとも、資本移動の自由は、グローバリズムの「肝中の肝」です。よほど、国民世論が盛り上がらないと、我が国で実現するのは至難の業でしょう。


 などと思っていたら、ロシアのプーチン大統領が資本規制に乗り出しました。


『ロシアが「非公式」な資本規制導入、ルーブル急回復
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0K200B20141224?sp=true


- ロシアは23日、1998年の財政危機再発を防止すべく、「非公式」な資本規制を導入した。ルーブルは2週間ぶりの高値水準に上昇した。

 ロシア政府は、政府系の輸出関連企業に対して、外貨建て資産の保有高(ネットベース)に上限を設定。また当局筋や銀行関係者の話によると、ロシア中銀は大手国営銀行の外為取引デスクに監督官を派遣した。

 ルーブルRUBUTSTN=MCXは一時、1ドル=52.88ルーブルと、12月8日以来の高値をつけた。先週は80ルーブルまで下げていた。

エコノミストは、今回導入されたのは緩やかな形の資本規制との見方を示している。プーチン大統領はこれまで、本格的な資本規制の導入には否定的な見解を示しており、今後も正式な規制実施はないとの見方が大勢だ。

エコノミストのセルゲイ・グーリェフ氏は

「政府はすでに、政府系輸出企業にドル売りを義務付けている。銀行についても、同様の命令が下るのではないか。資本規制は事実上、すでに行われている」

と述べた。(後略)』


 ロシアが始めた資本規制は、外国人投資家ではなく、国内企業(政府系輸出企業)の外貨資産保有を制限し、ルーブルに両替させる、という主旨ですが、それにしても思い切った手に出たものです。


 8月に、ロシアは欧米の経済制裁に対抗し、農産物の輸入を禁止しました。結果的に、誰が困ったかといえば、もちろん欧米の農家ですが、逆に誰が喜んだかといえば、ロシアの農家です。欧米からの農産物輸入禁止措置とは、要するに「国内農業保護政策」でもあるわけです。


 プーチン大統領は、制裁措置への対抗措置というお題目で、ロシア農業を保護する政策を採ったということになります。


 そして、今回はルーブルの過度な暴落を防ぐための、「外貨保有制限」という資本規制です。上記は「モノ・サービスの国境を越えた移動の自由」、資本規制はもちろん「カネの国境を越えた移動の自由」という、プーチン政権はグローバリズムのテーゼに真っ向から歯向かっているわけです。


 ロシアの資本規制について、グローバリズム信奉者は猛烈に批判するでしょう。とはいえ、

「国民経済は『国民』を豊かにするために存在し、グローバル投資家のマネーゲームのために存在するわけではない」

 という原則は、厳然たる事実なのです。


 それにも関わらず、日本ではGPIF「改革」に代表されるように、グローバル投資家を利するのみならず、国民経済を不安定化させる政策が次々に繰り出されてきます。なぜなのでしょうか。


 答えは、来月発売になる飛鳥新社「黄金の拘束衣を着た首相」(タイトル決定しました)で書きました。いずれにせよ、日本で頻繁にみられる「グローバル投資家の利益になり、国民の損になる政策」とは、何も我が国でのみ実施されているわけではないのです。グローバリズムが「世界の問題」と化し、成長を抑制し、社会を混乱させる方向で機能してしまっているわけでございます。


 各国の政治家が、

「国民経済は『国民』を豊かにするために存在し、グローバル投資家のマネーゲームのために存在するわけではない」

 基本に立ち返り、「黄金の拘束衣」を脱ぎ去ることを決意しなければ、現在の混乱が収束することはないでしょう。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11968728012.html


15. 中川隆 2015年1月11日 23:10:21 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

達人プーチンのワナ 2014年12月25日 木曜日
ドミトリー・カリニチェンコ(ロシア)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-c100.html


欧米の対プーチン非難は、伝統的に、彼がKGBで働いていたという事実に基づいている。そして、それゆえ、彼は残酷で不道徳な人物なのだ。プーチンはあらゆることで非難される。だが、プーチンは知性が欠如していると非難するものは皆無だ。

この人物に対するあらゆる非難は、素早い分析的思考と、明快で、バランスのとれた政治・経済的判断をする彼の能力を強調するだけだ。

欧米マスコミは、この能力を、公開でチェスの多面打ちをする達人の能力にたとえることが多い。アメリカ経済と欧米全般における最近の進展で、アメリカは、プーチンの人物評価と言う点で、欧米マスコミは全く正しいと結論できそうだ。

フォックス・ニューズやCNN風の無数の成功報道にもかかわらず、現在アメリカ合州国が率いる欧米経済は、欧米の誰一人として脱出方法が分からない、プーチンのわなにはまっている。欧米がこのワナから脱出しようとすればする程、益々深くはまりこんでしまうのだ。

欧米とアメリカ合州国が陥った本当の悲劇的な苦境の実情とは何だろう? そして一体なぜ全ての欧米マスコミと主要欧米エコノミストは、しっかりと護られた軍事秘密の如く、これについて沈黙しているのだろう? 現在の経済的出来事の本質を、道徳規範や、倫理や地政学等の側面はさておき、経済という文脈で、理解を試みよう。

原油価格の展開


ウクライナでの失敗を自覚した後、アメリカが率いる欧米は、ロシア経済を破壊する為、石油価格、更には、主要輸出収入源で、ロシア金準備の主要補充源であるガス価格をも押し下げ始めた。ウクライナにおける欧米の主な失敗は、軍事的でも政治的でもないことに留意が必要だ。だが、プーチンは、ロシア連邦予算を出費して、ウクライナでの欧米の計画を支援することを、実質的に拒否したのだ。おかげで、この欧米プロジェクトは、近未来でも、更なる未来でも、実行可能ではなくなってしまった。

前回、レーガン大統領の下で、同様な欧米による石油価格下落活動が、‘成功し’ソ連は崩壊した。だが歴史は常に繰り返すというわけではない。今回、欧米にとって、状況は違っている。欧米に対するプーチンの反撃は、チェスと柔道の両方に似ていて、敵が用いる力は、敵自身に対して使われるが、防御側が使う力と資源とコストは最小だ。プーチンの本当の政策は公開されているわけではない。それゆえ、プーチンの政策は、常に概して、効果ではなく、効率が狙いだ。

プーチンが現在行っていることは、ごくわずかの人々しか理解していない。そして、彼が将来何をするかについては、ほぼ誰も知らない。

どれだけ奇妙に見えようと、現在、プーチンは、ロシア石油とガスを金の現物でしか売っていないのだ。

プーチンは、それを声高に世界中に叫んでいるわけではない。そして、もちろん、彼は中間的支払い手段として、アメリカ・ドルを、依然受け取る。だが彼は、石油とガスの販売で得たこうしたドルの全てを、すぐさま金の現物に変えるのだ!

これを理解するには、ロシア金準備高増加の動態を見て、このデータを、ロシアが石油とガスの販売で、同時期に得ている外貨収入と比較するだけで十分だ。

しかも、第三四半期にロシアが購入した金の現物は、史上最高記録水準だ。今年の第三四半期、ロシアは、55トンという信じがたい量の金を購入した。これは全世界の全中央銀行を合計したよりも多い(公式データによれば)!

2014年の第三四半期に、世界中全ての国の中央銀行は、合計93トンの貴金属を購入した。中央銀行による金純仕入れは、連続15期目の四半期だった。この期間に、世界中の中央銀行が購入した金93トンのうち、驚くべき購入量の55トンを、ロシアが保有している。

さほど遠くない過去、イギリス人科学者が、見事に、数年前、公表されたアメリカ地質調査の結果と同じ結論を出した。つまり、ロシアからのエネルギー供給無しでは、ヨーロッパは存続できないというものだ。英語から世界中の他のあらゆる言語にされており、これはこういう意味だ。“もしロシアからの石油とガスが、世界のエネルギー供給バランスから、無くなってしまえば、世界は存続できなくなる”。

そこで、オイルダラー覇権の上で成り立っている欧米世界は、破局的な状況にある。彼らはロシアからの石油とガスの供給無しでは生きられないのだ。しかもロシアは今、欧米に、石油とガスを、金現物と引き換えでしか売らないようにする用意ができている! プーチンのゲームの巧みさは、ロシア・エネルギーを、金でしか、欧米へ輸出しないという仕組みが、欧米が、ロシア石油とガスに、人為的に安くしている金で支払うことに同意しようがしまいが機能することだ。

ロシアは、石油とガス輸出により、ドルを定期的に得るので、いずれにせよ、欧米により、あらゆる手段で押し下げられた現在の金価格で、金に転換することができるのだ。つまり、市場操作によって、人為的に押し上げられているドルの購買力で、連邦準備制度とESFによって、人為的かつ、細心の注意を払って、何倍も押し下げられている金価格で。

興味深い事実: アメリカ政府の専門部門、ESF(為替安定基金)による、ドルを安定化させる狙いでの金価格押し下げは、アメリカ合州国で法制化されている。

金融業界では、金が反ドルなのは、当然のこととして受け入れられている。
•1971年、1944年、ブレトンウッズで、アメリカが保証した、ドルと金の自由交換をやめ、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が‘金の窓’を閉じた。
•2014年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ワシントンの許可を得ずに‘金の窓’再度開けたのだ。

現在欧米は、金と石油の価格を押し下げるのに、努力と資源の大半を費やしている。それにより、一方では、アメリカ・ドルに有利なように、実際の経済的現実を歪曲しながら、その一方で、ロシア経済を破壊し、欧米の忠実な属国役を演じることを拒否している。

現在、金や石油等の資産は、比例的に弱体化されたように見え、アメリカ・ドルに対して、極端に過小評価されている。これは欧米による膨大な経済的努力による結果なのだ。

今やプーチンは、欧米の努力で人為的に押し上げられているアメリカ・ドルと引き換えにロシアのエネルギー資源を売っている。彼はそれで、欧米自身の努力によって、アメリカ・ドルに対し、人為的に低めにされている金を即座に購入するのだ!

sources
プーチンのゲームには面白い要素がもう一つある。ロシアのウランだ。アメリカ電球の6個のうち1個は、ロシアからの供給に依存している。ロシアがアメリカにドルで販売しているのだ。

そこで、ロシアの石油、ガスとウランと引き換えに、欧米はロシアに、石油と金に対し、その購買力が、欧米の努力で人為的に押し上げられているドルを支払う。しかし、プーチンは、アメリカ・ドルを、まさに同じ欧米によって、人為的に押し下げられているアメリカ・ドル建て価格で、金の現物を欧米から回収する為にだけ使っているのだ。

プーチンによるこの実に見事な経済政策の組み合わせは、アメリカ合州国が率いる欧米を、自分のしっぽを積極的かつ熱心にむさぼり食う蛇の様な立場に追い込んだのだ。

欧米に対する、この経済的な金のワナという考えは、恐らく、プーチン自身が発案したものではない。プーチンの経済顧問、セルゲイ・グラジエフ博士の考えである可能性が高い。そうでなくて、一体なぜ、一見事業に関与していない様に見える官僚グラジエフが、多くのロシア人実業家達と共に、ワシントンによって、個人的に制裁リストに含まれているのだろう? 経済学者グラジエフ博士の発想が、中国の仲間、習近平から全面的支持を得て、プーチンによって見事に実施されたのだ。

特にこの文脈で興味深いのは、必要であれば、ロシア中央銀行は、準備金の金を、輸入への支払いに使用することが可能であることを強調した、11月のロシア中央銀行第一副総裁クセニア・ ユダエワの声明だ。欧米世界による経済制裁という文脈の中で、この声明は、BRICS諸国、そしてそもそも中国に向けられたものであることは明白だ。中国にとって、ロシアが、商品に対して、進んで欧米の金で支払うというのは、実に好都合だ。理由は下記の通りだ。

中国は最近、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる予定だと発表した。アメリカと中国との間の貿易赤字の増大を配慮して(現状では、違いは、中国が五倍優位だ)、この金融語による声明を翻訳すると、“中国は商品をドルで売るのは停止する”ということなのだ。世界中のマスコミは、この最近の通貨制度史上最大の出来事に気がつかないふりをしている。問題は、中国が文字通り、商品を、アメリカ・ドルで売るのを拒否しているということではない。中国は、もちろん、中国商品に対する支払いの中間手段として、アメリカ・ドルの受け取りは継続するだろう。だがドルを得ると、中国は即座に、ドルを処分し、中国の金と外貨準備高構造中で、何か他のものに置き換えるのだ。そうでなければ、中国の通貨当局の声明には意味がない。“我々は、金とアメリカ・ドル建て外貨準備を増やすのをやめる。”つまり中国は、他のあらゆる国との貿易で稼いだドルで、これまでそうしていた様に、アメリカ合州国長期国債を購入することは、もはやしないのだ。

かくして、中国は、アメリカからのみならず、世界中から、その商品に対して得る全てのドルを、中国の金・アメリカ・ドル建て外貨準備高を増やさない他の何かに置き換えるつもりだ。そこで、興味深い疑問がおきる。中国は、貿易で得た全てのドルを、一体何に置き換えるつもりなのだろう? どの通貨、あるいは資産で? 現在の中国通貨政策を分析すると、貿易で得るドル、あるいは、そのかなりの部分を、中国は静かに、置き換える可能性が一番高いが、事実上、既に、金に置き換えつつあることを示している。

我々はドル時代の終焉を目にしているのだろうか?

この点で、ロシア-中国関係の二人遊びゲームは、モスクワと北京にとって大成功だ。ロシアは、中国から商品を購入し、時価で直接、金で支払う。一方、中国は、ロシアのエネルギー資源を、金で時価で購入する。このロシア-中国間の命の祭典では、あらゆるものが取引される。中国商品、ロシアのエネルギー資源と金が、相互の支払い手段だ。アメリカ・ドルだけは、この命の祭典に居場所がない。そして、これは驚くべきことではない。アメリカ・ドルは、中国製品でもなければ、ロシアのエネルギー資源でもないからだ。ドルは、中間的な金融決済手段に過ぎず、しかも不必要な仲介者だ。そして、二つの独立したビジネス・パートナー間の取引から、不要な仲介者は排除されるのが普通だ。

金現物の世界市場は、石油現物供給の世界市場と比較して、極端に小さいことに留意が必要だ。そして、特に金現物の世界市場は、石油、ガス、ウランという商品現物の全世界市場と比べれば、顕微鏡でしか見えないほど小さい。

“金の現物”という言葉を強調したのは、‘紙の’エネルギー資源ではなく、現物のエネルギーと引き換えに、ロシアは現在、欧米から金を回収しているが、紙の上の金ではなく、金の現物だけだからだ。中国も同様に、製品現物の、欧米輸出に対する支払いとして、欧米が人為的に引き下げた金の現物を得ている。

ロシアと中国が、両国のエネルギー資源や商品への支払いとして“シット・コイン”つまり、様々な種類のいわゆる“紙の上での金”を受け入れるという欧米の願いも実現しなかった。ロシアと中国は最終支払い手段として、金と現物の金属にしか興味はない。

参考: 金先物市場における紙の上の金取引高は、月3600億ドルと推定される。ところが、金現物の引き渡しは、月にわずか、2億8000万ドルだ。そこで、紙の上の金、対、金現物取引の比率は、1000対1というわけだ。

欧米に人為的に押し上げられている別の金融資産(米ドル)と引き換えに、欧米によって人為的に押し下げられている金融資産(金)を、市場から積極的に回収する仕組みを利用して、プーチンは、オイルダラーの世界覇権を終わらせる秒読みを始めたのだ。かくして、プーチンは、欧米を、いかなる前向きな経済見込みも不在の、手詰まり状態に追い込んだのだ。欧米は、人為的にドルの購買力を高め、石油価格を下落させ、金の購買力を人為的に引き下げる為、努力と資源はいくらでも費やせる。欧米にとっての問題は、欧米が所有している金現物の在庫が無限ではないことだ。それゆえ、欧米がアメリカ・ドルに対して、石油と金を押し下げれば押し下げる程、価値を低くしている金を、無限でない準備高から、より急速に失うことになる。プーチンの経済的組み合わせという、この素晴らしい手によって、金の現物は、欧米の準備高から、ロシア、中国、ブラジル、カザフスタンとインド、BRICS諸国へと、急速に移動しつつある。金現物備蓄減少の現在の勢いでは、欧米は、欧米オイルダラー世界全体の崩壊まで、プーチンのロシアに対して何をする時間も、もはやない。チェスでは、プーチンが、アメリカが率いる欧米を追い込んだ状況は、“タイム・トラブル”と呼ばれるものだ。

欧米世界は、いままさに起きている様な、経済的事態や現象には決して直面したことはない。ソ連は、石油価格下落の際に、金を素早く売却した。ロシアは、石油価格下落に際して、素早く金を購入している。かくしてロシアは、オイルダラーによる世界支配というアメリカ・モデルに対して、本当の脅威を与えているのだ。

世界オイルダラー・モデルの基本原理は、世界通貨制度(GMS)で支配的なアメリカ通貨の役割に基づいて、他の国々や人々の労働力と資源を犠牲にして、アメリカ合州国が率いる欧米諸国が暮らせるようにするものだ。GMSにおける、アメリカ・ドルの役割は、それが究極の支払い手段であることだ。これはつまり、GMS構造において、アメリカ合州国の自国通貨は、それを他のあらゆる資産と交換する為の究極的な資産蓄積手段というのが、意味をなさなくなってしまうのだ。ロシアと中国が率いるBRICS諸国が現在行っていることは、実際、世界通貨制度における、アメリカ・ドルの役割と立場を変えつつある。究極的な支払い手段と、資産蓄積から、アメリカの自国通貨は、モスクワと北京の共同行動によって、単なる中間的支払い手段へと変えられてしまうのだ。別の究極の金融資産、つまり金と交換する為に意図された、単なる中間的支払い手段にされてしまうのだ。そこで、アメリカ・ドルは実際、究極的な支払い手段、兼資産蓄積という役割を失い、両方の役割を、別の広く認められて、特定国家のものでなく、政治的要素が取り除かれた金融資産である、金に譲り渡すことになる。



カラー革命の地図

伝統的に、欧米には、世界における、オイルダラー・モデル覇権と、結果としての、欧米の極端な特権に対する脅威を抹殺する二つの方法がある。

こうした手法の一つは、カラー革命だ。第二の方法は、通常万一、前者が失敗した際に、欧米によって行われるもので、軍事攻撃と爆撃だ。

だがロシアの場合、この方法のいずれも、欧米にとって、不可能だったり、受け入れ不能だったりする。


なぜなら、そもそもロシア国民は、他の多くの国々の国民と違い、自らの自由や、孫子の将来を、欧米のソーセージと交換しようと望んではいないからだ。これは主要な欧米格付け機関によって定期的に公表されるプーチンの記録的支持率から明らかだ。ワシントンのお気にいりナヴァルニーと、マケイン上院議員の個人的友情は、彼にとっても、ワシントンにとっても極めて否定的な効果しかなかった。この事実をマスコミで知った98%のロシア国民は、今やナヴァルニーを、単なるワシントンの傀儡で、ロシア国益の裏切り者としか見ていない。従って、まだ正気を失っていない欧米の専門家連中は、ロシアでは、いかなるカラー革命をも夢想することはできない。

直接軍事攻撃という欧米の二つ目の伝統について言えば、ロシアは確実に、ユーゴスラビアでも、イラクでも、リビアでもないのだ。アメリカが率いる欧米による、ロシア領へのあらゆる対ロシア非核軍事作戦は、失敗する運命にある。またNATO軍指導部を本当に掌握しているペンタゴンの将軍達もこれを理解している。同様に、いわゆる“予防的武装解除核攻撃”という概念も含め、対ロシア核戦争にも見込みはない。NATOは、厳密に言えば、ロシアの様々な形の核能力を完全に武装解除する一撃を加えることはできない。敵に対する大規模核報復攻撃や、敵の遺体の山が不可避だ。しかも、ロシアの総合能力は、生き残った人々が死者をうらやむほど十分ある。つまり、ロシアの様な国との核攻撃の応酬は、迫り来るオイルダラー世界崩壊の問題に対する解決策ではない。最善の場合は、歴史上、核戦争の最後の和音、最終点となるだろう。最悪の場合は、核の冬と、放射能で突然変異したバクテリア以外の地球上のあらゆる生命の絶滅だ。

欧米の経済支配層は、状況の本質が見えており、理解している。主要欧米エコノミスト達は、プーチンの金という経済的ワナによって、欧米世界がおかれた状況の、苦境の酷さと絶望感を確実に把握している。結局、ブレトンウッズ合意以来、我々全員が黄金律を知っている。“より金を多く持っている者が、ルールを決める。”だが欧米でこれについて全員が沈黙している。沈黙しているのは、この状況からの脱出法を誰も知らないせいだ。

もし欧米大衆に、迫り来る経済的大惨事の詳細全てを説明すれば、大衆は、オイルダラー世界の支持者達に、最も恐ろしい質問をするだろうが、それはこういうものだろう。

ロシアから、金の現物と引き換えに、石油とガスを、欧米は一体どれだけ長期間買い続けられるのか?
そして、ロシアの石油、ガスやウランや、中国商品に対する支払いとして払う金の現物が欧米で尽きた後、アメリカ・オイルダラーに一体何が起きるのか?

現在、欧米では誰一人として、この一見して素朴な質問に答えられる人はいない。

これは“チェックメイト”と呼ばれており、紳士淑女の皆様、勝負はついたのだ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-c100.html


16. 中川隆 2015年5月21日 08:18:26 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

ロシアの理解に必読、プーチン大統領誕生秘話  2015.5.21 杉浦 敏広 JBpress

オルガルヒの操り人形のはずが、糸が切れるや否や・・・
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43836

■朝日新聞連載「プーチンの実像」


 皆様既に御存知かと思いますが、朝日新聞が「プーチンの実像」というコラムを連載しました(2015年3月30日〜5月5日)。第一部・二部・三部からなる長期連載です。


 無名のプーチン氏がロシア連邦大統領に登りつめる軌跡を描いており、関係者に丹念にインタビューした力作で、大変読み応えがありました。今後1冊の本になるそうです、楽しみですね。


 しかし読まれた方には、多少なりとも消化不良の読後感が残ったかもしれません。筆者のもとには、そのような感想が多数寄せられました。


 無名のウラジーミル・ウラジーミロビッチ・プーチンがロシア首相・大統領に駆け上る背景は、本人が優秀・有能だからではなく、あくまでソ連邦国家保安委員会(KGB)内部では平凡な人物であり、御しやすいと当時の新興財閥(オリガルヒ)が判断したからにほかなりません。


 すなわち、プーチンは“軽い神輿”として担がれたというのが真相です。


 ここが一番肝腎な点なのですが、「プーチンの実像」ではこの点にあまり触れられていないのです。


 もちろん、オリガルヒ側の判断ミスであったことは、その後の事態の推移が証明しています。無名のプーチンを軽い神輿として担いだはずのオリガルヒは飼い犬に手を噛まれ、権力を掌握した有能なプーチン大統領に追放されてしまいました。


 ソ連邦国家保安委員会(KGB)第1総局第4課(海外諜報担当)に配属されたプーチン氏は1985年、KGB少佐として東独(当時)ドレスデンに赴任しました。赴任中に中佐に昇進し、私生活では2人の娘が誕生。彼はのちに「ドレスデン駐在中が一番幸せであった」と述懐しています。


 1990年に故郷のサンクト・ペテルブルクに戻り、KGBを辞職したプーチン中佐は、慣例により階級が1つ上がり予備役大佐になりました。一方、プーチン氏と同僚のセルゲイ・イワノフ現ロシア大統領府長官は現役時代KGB中将まで昇進し、現在は予備役大将です。


■1917年10月革命前夜


 ここで、プーチン大統領の出身母体であるソ連邦国家保安委員会誕生の歴史と、その時代背景を概観したいと思います。帝政ロシアは文字通り波乱万丈の歴史であり、興味が尽きません。


 今から約100年前の1914年8月に第1次世界大戦が勃発。宮廷を牛耳っていた怪僧ラスプーチンが暗殺され、帝政ロシアは大混乱に陥ります。


 1917年3月12日(旧暦2月27日)の2月革命によりニコライ3世が退位して、ケレンスキー臨時政府が樹立。ウラジーミル・レーニン(1870〜1924年)はかの有名な“封印列車”で、亡命先のスイスのチューリッヒから敵国ドイツを通過(*“敵の敵は味方”)、サンクト・ペテルブルクに凱旋しました。


 この年の11月7日(旧暦10月25日)、巡洋艦“オーロラ”号の冬宮(エルミタージュ)砲撃を合図に水兵が冬宮に突入し、ケレンスキー内閣は崩壊。この10月革命によりレーニン(本名ウリャノフ)を首班とするソビエト政権が樹立して、ボルシェビキ政権が誕生しました。


 一方、ロシア内部では赤軍と白軍の内戦が勃発。この機に乗じ、日本軍はウラジオストクに上陸。トルコ軍は黒海沿岸のグルジアのバツーミ(*露バクー原油の輸出港)を制圧、ドイツ軍はウクライナ全土とクリミア半島を占領。


 その後ボルシェビキ党は分裂し、かの有名なクローンシュタットの反乱が勃発。10月革命に参加した水兵が、10月革命の指導者に反旗を翻したのです。


 この頃からロシアでは赤色テロが始まり、ポーランド系ユダヤ人フェリックス・ジェルジンスキー(本名)を初代長官とする秘密警察(反革命・サボタージュ取締り全露非常事態委員会/別名“チェーカー”)が設立されました。


 この秘密警察組織はその後何回か名称を変更しましたが、“国家保安委員会”(KGB)、現在の“ロシア連邦保安庁”(FSB/ボルトニコフ長官)へと名前を変えながらも連綿と続くことになります。


 KGBのライバル組織GRU(赤軍参謀本部情報総局)は、レフ・トロツキー(1879〜1940年/本名ブロンシュテイン)により1918年に創設された赤軍の諜報機関です。「日本軍、北進せず」で有名なリヒャルト・ゾルゲ(アゼルバイジャン共和国バクー生)はGRUの諜報員であり、KGB所属ではありません。


■プーチン首相・大統領登場の時代背景


 プーチン大統領はソ連邦国家保安委員会出身です。これは本人が公表しており、秘密ではありません。ロシア大統領府のホーム・ページには、プーチン大統領自身の略歴が記載されています。


 ソ連邦は1991年末に解体されました。ソ連邦解体後の約8年間、ボリス・ニコラエビッチ・エリツィン(1931〜2007年)初代ロシア連邦大統領の政権下、魑魅魍魎とした新興財閥(オリガルヒ)がエリツィン周辺に“ファミリー”として君臨。“民営化”という錦の旗のもと、旧ソ連邦の国家資産を搾取していきました。


 その結果、第2期目のエリツィン大統領政権末期の1999年になると同大統領の支持率は1桁台に落ち、翌年6月の大統領選挙ではロシア共産党候補者が当選する可能性が大となりました。


 ロシア共産党候補者が大統領ともなれば、旧ソ連邦の資産を搾取した新興財閥の財産は再度国有化されかねません。担ぐ神輿は軽ければ軽いほどよい。焦った新興財閥が白羽の矢を立てたのが、当時無名の国家保安委員会出身のプーチン予備役大佐でした。


 プーチン中佐は東独ドレスデン勤務後(1985年〜1990年)、国家保安委員会を退職(実態は解職に近い)。傷心のプーチン予備役大佐を迎え入れたのが、当時のサプチャーク/レニングラード(現サンクト・ペテルブルク)市長です。


 その後、チュバイス統一電力公社社長やボロージン大統領府総務局長らの庇護を受けて出世の階段を上り始め、ロシア大統領府副長官に抜擢され、KGBの後身たる連邦保安庁(FSB)長官(1998年7月〜99年8月)にまで昇進したのです(肩書きはすべて当時)。


 その後1999年8月9日にステパーシン首相が突如解任されるや、エリツィン大統領から首相代行に任命され、ロシア下院の賛成多数をもって首相に就任しました(同年8月16日)。


 ステパーシン首相は大物で、“ファミリー”の言うことを聞かない。ゆえに、大物は解任して、無名の操り人形を首相に任命し、エリツィン大統領の後継者に指名することが伏魔殿の深奥で決定された。


 そこで無名の小物が“ファミリー”の操り人形として必要になり、一朝選ばれてエリツィンの後継者に指名された1人の男。それが、その昔“スパイ失格”の烙印を押された無名のプーチン氏だったというわけです。


 そのエリツィン大統領は1999年の大晦日、テレビ実況中継で目に涙を浮かべながら大統領職辞任を発表し、プーチン首相を大統領代行に指名。大統領辞任により、大統領選挙は2000年3月に繰上げ実施されることになりました。


 急な繰上げ選挙で慌てる有力候補を横目に、大統領選挙ではプーチン大統領代行が当選。同年5月、ロシア連邦2人目の大統領に就任しました。


 当時は油価が低迷しており、一時期バレル10ドルを割り込みました。ロシア国庫はほぼ空の状態になり、国民の不満は高まっていきました。


 しかし、エリツィン前大統領残滓が政権中枢に居残り、抵抗勢力が跳梁跋扈する伏魔殿の中にあっては、行政改革は遅々として進みません。


 そこでプーチン新大統領が“ファミリー”残滓に仕かけた抵抗勢力排除策こそ、レニングラード人脈重用による治安・情報機関の再編成でした。まず、治安・情報機関を身内で固め、次に大幅な内閣改造に着手。エリツィン前大統領“ファミリー”残滓を次々と政権中枢から追放していきました。


■プーチン大統領の権力掌握過程


 プーチン首相代行誕生後(1999年8月9日)、無名のプーチン氏が“エリツィン大統領ファミリー”の傀儡として権力の階段を登り始めました。これが上述のごとく、ソ連邦資産を搾取した新興財閥の権益を維持すべく、無名のプーチン氏に白羽の矢がたった背景です。


 プーチン首相代行が誕生した8月9日、西側の反応は予想通り“Putin, who?”でした。この時、いくつかの日系紙はプーチンの読み方が分からず「プチン首相代行誕生」と報道、後に「プーチン」に訂正しています。


 筆者は当時サハリンに駐在していましたが、米ロナルド・レーガン大統領誕生前後、当初「リーガン」と報道していた日系紙が後に「レーガン」と訂正した事例を想起した次第です。


 一方、政治の舞台では困ったことが生じました。エリツィン大統領の政敵は2000年6月の大統領選挙に向け、着々と選挙態勢を整えつつありました。しかし、プーチン氏は無名ですから、大統領選挙に当選する保証はありません。


 ルシコフ・モスクワ市長やプリマコフ元首相などの大物が当選すれば、“ファミリー”は息の根を止められてしまいます。


 そこで編み出された奇策が、プーチン氏を大統領にするための“ヤラセ戦争”でした。


 当時報じられた1つの仮説をご紹介します。当時のヴォローシン大統領府長官は1999年7月4日、仏ニース近郊ブリエにある国際武器商人ハショギ氏の別荘でチェチェン独立派シャミール・バサエフ野戦司令官と会談。仲介者は「灰色の枢機卿」ウラジスラフ・スルコフ大統領府副長官。


 この会談で両者は翌8月にバサエフ部隊がロシア南部のダゲスタン共和国に侵攻して、ロシア正規軍が反撃・勝利する悪魔のシナリオに合意したと言われています。


 この台本通り、チェチェン武装勢力約1500人が1999年8月、ダゲスタンに侵攻。ロシアは直ちに同地に国防省正規軍と内務省国内軍を派遣して、武装勢力の一掃に成功。第1次チェチェン戦争(1994年12月〜1997年)で負け戦の続いたロシア国民にとり、久々の勝利となりました。


 国民は勝利の美酒に酔い、無名のプーチン新首相の毅然たる態度は国民の間に瞬時に支持を獲得、名声は鰻登りに急上昇した次第です。


 次は、チェチェンが戦場に選ばれました。大統領選挙まで、プーチン人気を維持しなければなりません。そのための手段は、国民に勝利の美酒を飲ませ続けることです。プーチン新首相の号令一下、ロシアの精鋭部隊がチェチェンに侵攻したのです。


 1994年12月の第1次チェチェン戦争では新兵を投入したため、ロシア軍はチェチェン武装勢力に負けてしまいました。同じ轍を繰り返せば、逆効果。そこで今回は、最初から下士官・将校を中心とする筋金入りの精鋭部隊を投入。これが第2次チェチェン戦争(1999年9月〜2009年)です。


 ロシア軍は着々と戦果を挙げ、プーチン氏はさらに男を上げました。


■プーチン大統領/“ファミリー”排除


 しかし、プーチン人気は長く続きそうにもありません。そこで編み出されたのが、ウルトラCの大統領年末辞任・繰上げ選挙実施です。


 すなわち、エリツィン大統領の1999年大晦日の辞任や繰上げ選挙など、すべてシナリオ・ライターはオリガルヒであり、プーチン氏はオリガルヒの掌中で踊らされていたにすぎません。


 モスクワに権力基盤の全くなかったプーチンは、水面下で巧妙に権力基盤の確立・拡大に努めました。1999年12月にはモスクワに「戦略策定センター」を設立して、ゲルマン・グレフを中心とするテクノクラートに経済政策を立案させました。また、昔のKGB仲間を順次モスクワに召集し、情報機関の人事を刷新しました。


 プーチン氏の大きな転機は大統領選挙です。舞台の筋書きは“ファミリー”にとり予想外の方向に展開しました。決選投票を待たず1回目の投票で当選したプーチン氏にはオリガルヒの選挙資金が不要となり、操り人形のはずのプーチン氏が自立し始めたのです。


 “ファミリー”の利益を代弁するヴォローシン大統領府長官のシナリオは完全に狂い、ヤラセのはずの第2次チェチェン戦争は“ファミリー”の制御外の展開となっていきました。


 では、当時のオリガルヒは誰だったのか具体的に申せば、2期目のエリツィン大統領当選を演出したボリス・ベレゾフスキー、ウラジーミル・グシンスキー、ミハイル・ホドルコフスキーなどです。ベレゾフスキーの師匠ロマン・アブラモービッチはプーチン候補が大統領選挙当選後新大統領派に転向、今では政権支持側に立っています。


 追放されたオリガルヒの代わりに台頭したのが、プーチンのサンクト・ペテルブルク人脈、柔道仲間(ローテンベルク兄弟など)や友人たち(チムチェンコなど)ですが、この辺の人物像は『プーチンの実像』にも登場しておりますね。


 そして、プーチン大統領最大の支援材料になったのが油価動向です。


 プーチンが大統領就任後、油価は上昇開始。国庫歳入に占める石油・ガス税収は下記の通り、プーチン氏が大統領就任時の約2割から現在では5割超になりました(2016年は予測/ロシア財務省)。

 逆も真なり。現在の油価低迷局面は、プーチン大統領にとり最大の試練と言えましょう。


 プーチン大統領の周囲には現在、大別して4つの派閥が存在します。しかし、プーチン派閥とは言え烏合の衆ですから、派閥同士の拮抗・対立もあります。この意味で、プーチン大統領が突然いなくなれば、派閥同士の抗争は表面化することでしょう。


 戦後、英ウィンストン・チャーチル首相はソ連の政治家を評して曰く、「ソ連の多くの政治家は、絨毯の下で足を蹴りあっている。誰が誰の足を蹴っているのか、我々外国人には永久に分からないだろう」


 誰が誰の足を蹴っているのか分かるようになればプーチン政権の透明性が増し、世界の民主主義勢力からも認知されることでしょう。


 しかし、クレムリンの奥の院が透明になれば、世の中のクレムノロジストは失職してしまうかもしれませんね。


17. 中川隆 2015年5月27日 15:59:39 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

大統領初就任から15年のプーチン 2015年4月28日 エカチェリーナ・シネリシチコワ
http://jp.rbth.com/politics/2015/04/28/15_52747.html

国営テレビ「ロシア1」は26日、大統領1期目の就任から今年5月で15年を迎えるウラジーミル・プーチン大統領の、特別ドキュメンタリー・インタビュー番組「大統領」を放映した。プーチン大統領が語った、これまでのエピソード、欧米との関係、国民との関係などについて、ロシアNOWがポイントをまとめた。

初めて大統領に就任した時のこと

 「エリツィン政権の首相を務めていた時、エリツィン大統領が私の大統領選への立候補について明らかにした。するとオリガルヒ(新興財閥)の一部がベールイ・ドームの私の執務室に来て、向かい側に座り、

『大統領になんて絶対なれるわけないって、わかってますよね』

と言った。私は

『さあ、どうでしょう』と答えた」。


いかにしてオリガルヒを黙らせたのか、という質問に、プーチン大統領は、

「いろいろと。異なる手段で」と答えた。

 「20年近くKGBで対外諜報活動を行っていた私にさえ、共産党の一党支配というイデオロギー的な防壁の崩落にともなって、すべてが根本的に変化するように思えた。だが、根本的に変化することはなかった。いかなるイデオロギーとも無関係な地政学的利益というものもある、という単純なことが、遅ればせながら判明した。ロシアのような国にも地政学的利益があるということを、他の国は理解する必要がある」


カフカスとテロの問題

「FSBの長官だった時、さまざまな作戦に関する書類を読んだ。そこには、

『今は特別な歴史的瞬間。ロシアからカフカスを切り離せるチャンスが俺達にはある。今を逃したら、次はない』

と書きあっていた国際的なテロリストの追跡作戦もあった。そして、今ロシアが踏ん張らなければ、もう国を維持できるチャンスは二度と訪れないということが、我々にもはっきりしていた」


 「ロシアの特殊機関はある時、北カフカスの戦闘員と、アメリカの特殊機関の関係者が、アゼルバイジャンで直接交流していたのを記録した。これは実際的な支援で、輸送まで手伝っていた。私がこれを当時のアメリカ大統領に言ったところ、こういう回答をもらった。

『じゃあ、あいつら(アメリカの特殊機関関係者)のケツを蹴飛ばしておくよ』(言われたまま)と。

だがその10日後、私の部下のFSBの幹部たちは、アメリカの特殊機関の幹部からこういう内容の手紙を受け取った。

『ロシアのすべての反政府勢力との関係を維持してきたし、維持していく。我々にはそれをする権利があると考えており、今後も続ける』と」

この15年でもっとも悲劇的なできごと

 「むろん、恐ろしいテロ攻撃。それはベスランであり、ドブロフカの劇場であり。(中略)これはおそらく、国民が通らねばならなかった、もっとも、もっとも困難なこと」

西側がロシアを好きになってくれる時

 「ロシアが人道支援を必要とすれば、西側に愛される、という印象を時々受ける。そうすればすべてが丸く収まり、西側はジャガイモを送ってくれる。(中略)これらの国の統治層、政界のエリートや経済界のエリートは、赤貧で物乞いをしているロシア人が好きなのだ」

クリミアとウクライナの問題

「ロシアは物事の決まりを破ってなどいないと、深く確信している。物事の決まりとは、何よりも国際法、国際公法、国連憲章とこれに関連するすべてのこと。これはロシアとウクライナとの関係、クリミアの状況、世界の他の地域における対国際テロへのロシアの立場についてである」

 「我々にとってもっとも重要だったのは、クリミアの住民が何を望んでいるのかを理解すること。(中略)

ロシアに戻りたい、またネオナチ、極端な民族主義者、バンデラ主義者の統治下にいたくないというのであれば、こちらには住民を放置する権利はない。(中略)

何かを奪いたいからというわけではないし、クリミアが黒海において戦略的に重要だからというわけでもない。これが歴史的正当性の要素だから。我々は正しいことをしたと思うし、私は何も後悔していない」

自分自身のこと

 「私はいわゆるエリートであったことがない。これは大変良いこと。別の階層で暮らしたり、または生まれたりすることも悪いことではないし、ここには独自のプラスもある。(中略)

だが、私のような仕事をしている者にとって、一般の人への帰属感というのは極めて重要」

 「私は追加的な(情報)源を探そうとはしていない。十分に足りているから探す必要はない。なぜかはわからないし、説明することもできない。(中略)

ただ自分をこの国の一部、国民の一部だと感じている。(中略)

国民が不満を持っていると感じると、シグナルは瞬時に私に届く」


18. 中川隆 2015年10月23日 19:27:19 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs

プーチン大統領の支持率が9割に 政府系世論調査
2015.10.23 Fri posted at 11:04 JST CNN


(CNN) ロシアの政府系世論調査機関の最新の調査によれば、プーチン大統領の支持率が過去最高の89.9%に達した。

調査を行ったロシア世論調査センターによれば、この数字はこれまで最高だった今年6月の89.1%を上回った。

「ロシア大統領がこれほど高い支持を集めた背景には、まず第1にシリア情勢がある。テロリストの拠点に対するロシア軍の空爆だ」と同センターは分析している。

ロシア軍は9月30日にシリアへの空爆を開始。ISISやヌスラ戦線といったテロ集団を標的にしていると主張している。

プーチン大統領は12日に国営テレビで、「われわれの仕事は正統的な政府(アサド政権のこと)を安定化させ、政治的和解に向けた状況を整えることだ。もちろん軍事的な手段を使って」と語った。

だが著名な野党指導者だった故ボリス・ネムツォフ氏の娘ジャンナさんは今月、CNNに対し、プーチン大統領の支持率は政治的宣伝とソ連時代への郷愁のために公表されているとの見方を示した。ネムツォフ氏は今年、クレムリン近くで射殺された。

「彼(プーチン氏)は非常にソ連的な男で、ソ連時代の文化の人だ」と、ジャンナさんは述べた。

ロシア世論調査センターによれば、この調査は17〜18日にかけて1600人を対象として行われた。誤差は3.5%の範囲。
http://www.cnn.co.jp/world/35072384.html


19. 中川隆[1272] koaQ7Jey 2016年1月26日 12:49:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[1052]

 巨大資本が世界を支配するファシズム体制を築くため、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の成立を西側支配層は急いでいるようだ。

 アメリカを中心とする支配システムが揺らぎはじめ、巨大資本による直接支配、近代農奴制とも言えそうな体制へ移行しようとしている。アメリカが世界を支配するシステムの中心には基軸通貨を発行する特権があるのだが、ロシアや中国を中心としたグループが力を持った上、そのグループを潰すために仕掛けたはずの原油価格下落がアメリカやサウジアラビアを追い込んでいる。ドルを守るために考えられたペトロダラーの仕組みを揺るがし、その支配システムに崩壊の危機が迫っているのだ。

 現在、西側支配層が配下の「専門家」やメディアを動員、目指しているシステムに近い体制だった国がある。その一例がボリス・エリツィン時代のロシア。

 1985年3月にソ連共産党の書記長となったミハイル・ゴルバチョフは90年に一党体制を放棄して大統領制を導入、初代大統領に選ばれる。東西のドイツが統一されたのはその1990年だが、その際、統一されたドイツはNATOにとどまるが、東へNATOを拡大させることはないとアメリカのジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外務大臣に約束した。勿論、その約束は守られていない。
 アメリカ支配層の「約束」を信じた「お人好し」のゴルバチョフだが、1991年7月にロンドンで開かれたG7の首脳会談でショック療法的経済政策、いわゆる「ピノチェト・オプション」を強要された際には断っている。新自由主義的な政策で西側支配層を儲けさせろという要求で、ロシア国民の大多数を貧困化させることは明白だったからだ。

 1973年9月11日にチリではCIAを後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトの軍事クーデターが実行され、独裁体制が成立した。CIAを動かしていたのは大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャーだ。クーデターで合法的に選ばれていたサルバドール・アジェンデ大統領は死亡、軍事政権は自分たちの政策、つまりウォール街がカネを儲ける障害になる人びとを排除していく。一説によると約2万人が虐殺された。

 アメリカ資本にとっての障害が排除された後、ピノチェト政権は「マネタリズム」に基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施した。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。

 彼らは賃金は引き下げ、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、つまり労働環境を劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。国有企業の私有化とは、国民の資産を略奪することにほかならない。こうした政策をロシアも導入しろとゴルバチョフは求められたのだ。

 G7の直前、ロシア大統領に就任したのがボリス・エリツィン。西側支配層はゴルバチョフに見切りをつけ、エリツィンへ乗り換えたと見られる。一方、ソ連を存続させようとしていたグループはエリツィンがロシア大統領に就任した翌月、「国家非常事態委員会」を組織して権力の奪還を狙うものの、失敗する。エリツィンは党を禁止、西側支配層の支援を受けながらソ連の解体、消滅へ突き進んでいく。1991年12月8日にベロベーシの森でウクライナのレオニード・クラフチュクやベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチと秘密会談を開き、エリツィンはソ連からの離脱を決めたのである。こうした動きを受け、ネオコン/シオニストは年が明けると世界制覇プロジェクトをDPGの草稿(http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html)という形でまとめる。

 エリツィンは独裁体制を整え、ジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団が作成する政策を推進する。1992年11月にエリツィンは経済政策の中心にアナトリー・チュバイスを据えるが、この人物が連携したHIIDなる研究所はCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。

 このチュバイスはエリツィンの娘、タチアナ・ドゥヤチェンコ(注)の利権仲間。現在に至るまで、アメリカの巨大資本の手先となり、私腹を肥やしているロシアの腐敗勢力はタチアナを中心に結びついてウラジミル・プーチンのグループと戦っている。

 タチアナのグループと結びつき、「規制緩和」や「私有化」によってロシア国民の資産を略奪、巨万の富を築いた人びとを「オリガルヒ」と呼ぶ。こうしたオリガルヒは犯罪組織のフロント企業のような会社を拠点にして「ビジネス」を展開、ロシア政府はオリガルヒに支配された。庶民の貧困化は深刻になり、街は荒廃、街には売春婦が急増してロシアは破綻国家になる。

 1923年9月1日に起こった関東大震災では復興資金の調達をアメリカの金融資本、JPモルガンに頼ったのだが、その影響で日本は新自由主義的な政策が導入され、日本の不況は深刻化、東北地方では娘の身売りが増え、欠食児童、争議などが問題になった。エリツィン時代のロシアと似た状況になったのだ。

 こうした経済政策を推進した浜口雄幸首相は1930年11月に東京駅で銃撃されて翌年の8月に死亡し、32年2月には大蔵大臣でJPモルガンと最も親しい日本人だったという井上準之助が本郷追分の駒本小学校で射殺され、その翌月には三井財閥の大番頭だった団琢磨も殺され、5月には五・一五事件が引き起こされている。

 現在、西側金融資本の餌食になったギリシャでは尻ぬぐいを押しつけられた庶民が窮乏し、大学では食費を稼ぐために学生が売春を強いられている(http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/europe/article4624755.ece)という。その結果、売春の料金が大きく値下がりしているとも伝えられている。似た現象は西側各国で現れているようだが、TPP、TTIP、TiSAが成立すれば、参加国はこうした状態になるだろう。

(注)タチアナは結婚相手が捜査の対象になったこともあって2001年に離婚し、すぐにエリツィンの側近だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。ユマシェフの娘、ポリナ・ユマシェバが結婚したオレグ・デリパスカはイスラエル系オリガルヒで、ロシアのアルミニウム産業に君臨、ナサニエル・ロスチャイルドから「アドバス」を受けている一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201601250000/


20. 中川隆[3997] koaQ7Jey 2016年9月13日 04:33:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4390]

2016.09.12
英国へ亡命中のベレゾフスキーがエジンバラ公の「ポルノ写真」を脅しに使ったとする説の信憑性


 1990年代、ボリス・エリツィンが大統領だった時代のロシアで政権の中枢と手を組んで国民の富を略奪、巨万の富を築いて「オリガルヒ」と呼ばれるようになった一団が存在する。その象徴的な人物だったボリス・ベレゾフスキー(亡命後に「プラトン・エレーニン」へ改名)は2013年3月23日にイギリスで死亡する。ロシアへ戻る動きを見せた直後のことだった。ベレゾフスキーの背景にはチェチェンの戦闘集団や犯罪組織が存在した。

 そのベレゾフスキーに焦点を当て、エリツィン政権の腐敗を明らかにしたアメリカのジャーナリスト、ポール・クレイブニコフは2004年7月にモスクワで射殺されている。「全ての悪事はウラジミル・プーチンの為せる業」だと唱える人もいるが、暗殺の背後にベレゾフスキーがいたのではないかと疑う人も少なくない。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)

 ベレゾフスキーの下で働いていたアレクサンドル・リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされているが、このリトビネンコもロシアへ帰国する動きを見せた直後の死だった。ポロニウム210は放射性物質であり、明白な痕跡を残す。何十年も前から痕跡を残さないで人を殺せる薬物は開発されていると言われているので、ポロニウム210を使ったというのは不自然。殺害には別の毒物が使われ、ポロニウム210は追跡させるために利用されたのではないかというのだ。

 その死について、兄弟のマキシム・リトビネンコはアメリカ、イスラエル、イギリスの情報機関に殺された可能性があると主張している。死の数週間前、ロシアの石油会社ユーコスの元幹部レオニド・ネフツーリンと会うためにイスラエルを訪れていていたことも知られている。

 リトビネンコの体調が悪くなった日、ロンドンの「寿司バー」で彼と会っていたというのがイタリア人のマリオ・スカラメッラ。事件後、イタリアで逮捕されているが、この人物はイタリアのカンパニア州を拠点としていて、ECCP(環境犯罪防止プログラム)という組織を運営、その一方でナポリの犯罪組織、カモッラともつながっていた。

 それだけでなく、スカラメッラはイタリアの情報機関とも緊密な関係にある。2002年5月にはローマの近くで開かれた秘密会議に出席しているのだが、同席者の中には情報大臣だったフランコ・フラティニ、SISDE(治安機関)のマリオ・モッリ長官、SISMI(対外情報機関)のニッコロ・ポッラーリ長官、ルイジ・ラムポーニ元SISMI長官も含まれていた。

 ポッラーリ長官はその後、CIAによる拉致事件に絡んで解任されるのだが、この拉致にはスカラメッラも協力していたと言われている。スカラメッラとつながっていたロバート・セルドン・レディはCIAのミラノ支局長だと噂されている人物だ。

 ところで、9月7日付けのサン紙はイギリスの情報機関が殺害したとする主張を紹介、その理由として挙げられているのはエジンバラ公(フィリップ・マウントバッテン)の「ポルノ写真」。1950年代に彼の友人が「木曜クラブ」で撮影したもので、イギリスの当局へ提出ずみだったという。ベレゾフスキーは自身の悪事が明らかにされることを防ぎたかったというのだが、王室サイドはそうした話が漏れることを恐れ、情報機関が動いたという説である。真偽は不明だが、説得力に欠ける印象は否めない。

 ベレゾフスキーはエリツィンと親しかったが、西側では「メディア王」とも呼ばれるルパート・マードック、1980年代に「ジャンク・ボンド」を売りまくってウォール街の敵対的買収を下支えしたマイケル・ミルケン、ジョージ・W・ブッシュの弟でS&L(アメリカの住宅金融)スキャンダルで名前が出てきたニール・ブッシュ、ジェイコブ・ロスチャイルド卿、その息子のナサニエル(ナット)・ロスチャイルドらと親しくしていた。

 エリツィン時代からロシアで西側勢力とつながり、富の略奪を続けているグループの中心人物はエリツィンの娘であるタチアナ。飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。1996年に父親のボリスはタチアナを個人的な顧問に据えている。彼女は2000年、ウラジミル・プーチンから解雇された。

 ウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと離婚したタチアナは2001年、エリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。その娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間に属すひとり、アナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。言うまでもなく、USAIDはCIAが資金を流す際に使う機関だ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 エリツィン時代の経済政策はジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団が作成、今でも影響力を保持している。基本的に新自由主義に基づく政策を推進、西側巨大資本がロシアを揺さぶるための手先でもある。中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナ、経済開発大臣アレクセイ・ウリュカエフや、新旧財務大臣のアントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンもその仲間だ。こうした勢力を排除できないところにプーチンの弱点があると言われている。

 ベレゾフスキーがプーチンとの和解に成功してロシアへ帰国した場合、今でもロシア経済に大きな影響力を持つ親西側資本勢力のネットワークが明らかになる可能性があった。すでにロスチャイルドを中心とするネットワークと強く結びついていることは判明しているが、ロシア国内のつながりが露見した場合、ロシア制圧は今よりさらに難しくなる。ベレゾフスキーが死んだことにより、西側支配層にとって最悪の事態にはならなかったと考えることができるだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609120000/


21. 中川隆[4462] koaQ7Jey 2016年10月15日 10:07:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4872]

ロシア国民がプーチン大統領を圧倒的に支持する理由 日本外交と政治の正体
2016年10月14日 孫崎享 外交評論家 日刊ゲンダイ 

  
「赤の広場」の祝賀行事で国民に取り囲まれるプーチン大統領/(C)AP
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/630.html


 米経済誌「フォーブス」は毎年、「世界で最も影響力のある人物」を発表している。2013〜15年にかけて上位の顔ぶれは変わっていない。15年の1位はロシアのプーチン大統領、2位はドイツのメルケル首相、3位は米国のオバマ大統領で、4位はバチカンのローマ法王、5位は中国の習近平国家主席と続く。

 プーチンの強さの“カギ”がどこにあるのかといえば、国民から圧倒的な支持を得ていることだろう。ロシア国内の支持率(ギャラップ調査)の推移を見ると、09年は77%、10年は74%、11年は65%。12〜13年はそろって54%と下落傾向にあったものの、14年は83%と再び持ち直した。そして今年3月に実施されたロシアの世論調査機関「レバダ・センター」の調査でも、支持率は82%だった。

 一方で、米シンクタンクのピュー研究所が15年に世界40カ国で実施した世論調査によると、プーチンを「信頼する」は24%、「信頼できない」が58%だった。つまり、世界とロシア国民のプーチンに対する評価は真逆なのだ。

 ロシアはエリツィン大統領時代に国家崩壊の道を進んでいた。チェチェンなど、イスラム教の強い地域の「分離」は時間の問題とみられていたし、経済は悪化の一途をたどっていて、年金生活者は苦境のドン底だった。そんな時代背景の中で現れたのがプーチンだ。

 話は少し外れるが、今の世界の多くの政治家は私利私欲にかられ、自身の利益を最優先し、経済的に困窮している弱者にほとんど目を向けない。しかし、幼少期を「エリート」として過ごしていないプーチンには、こうした姿勢がみられない──とロシア国民の多くが感じている。

 プーチンがロシア国内で重用されているのは、「世渡りのうまい政治家ではロシアは救えない」という危機感がロシア国内で広がっているからで、国民はプーチンと自分たちの思いは「乖離していない」──とみている。それが圧倒的な支持を得ている理由だろう。プーチンと親交のある柔道家の山下泰裕氏はこう言っていた。

「プーチンはうまく、上手に生きていくということを嫌う。自分は柔道家として個人の利益を優先するのではなく、人間としての生き方を追求することを教えた」

 プーチンは諜報員として、長く海外で生活してきた。諜報員に求められるのは「事実を客観的に見る能力」である。ロシアはクリミア問題やウクライナ問題で世界から制裁されているが、ロシア国民の多くは、米国などが仕掛けた陰謀――として、毅然とした態度を取り続けているプーチンの姿勢に共鳴しているのである。


22. 中川隆[4789] koaQ7Jey 2016年11月02日 10:10:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5203]

プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?
The Saker 2016年10月28日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-faca.html

読者の皆様

以下の記事で、The Sakerが、ウラジーミル・プーチンが、いかにして、ロシアの主権を、英米-シオニスト帝国からもぎ取ったかを説明している。彼はドナルド・トランプが、アメリカを救うことを期待している。彼の記事を、本人の了解を得て掲載する。

プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?

The Saker 2016年10月22日

アメリカが直面している危機:

選択肢その一: ヒラリーの勝利。これは、より酷い方向に強化したオバマだ。オバマそのものが、ブッシュ・ジュニアで、しかも、より酷いものであることを想起されたい。もちろん、ブッシュ・ジュニアは、クリントンにすぎず、より酷いだけだ。今や一巡り。クリントンに戻るのだ。ただし今回は、女性で、やることなすことに失敗して、今や30年におよぶ、惨事と失敗の実績を誇る非常に不安定な人物だ。彼女には戦争を開始する権限もない時でさえ、彼女は戦争を一つ始めたのだ(ビルに、セルビア人を爆撃するように言って)。今や、彼女はその権限を持ちかねないのだ。しかも、彼女は何百万人もの人々の前に立って、トランプが、彼女に“プーチンは、ありとあらゆる段階で、あなたを出し抜いた。”というのを聞かねばならないのだ。彼がそう言った時の、彼女の凍り付いた表情をご覧になっただろうか? トランプは正しく、プーチンは実際、彼女とオバマを、あらゆる段階で出し抜いた。問題は、今、プーチンに対して劣等感を持っている大統領(オバマ)の後、またしても、全く同じ劣等感と、シリアで、ロシア軍に対し、飛行禁止空域を押しつけようという異常な決意を持った大統領になることだ。短い髪と滑稽なズボン姿のヒラリーを見るにつけ、“彼女は、自分は全ての点で、あらゆる男性同様にタフであることを証明しようと懸命な女性だ、と私には思える” - もちろん、彼女はそうてはないのだが。彼女の実績も、彼女は弱く、臆病で、何があっても決して刑罰を受けることがないと確信していることを示している。そして今、この悪の救世主の出現を信じる変人で(http://thesaker.is/the-messianic-lunatic-in-her-own-words/)根深い劣等感をもった人物が、全軍最高司令官になりかねないのだ?! 神よ我々全てを救いたまえ!

選択肢、その二: トランプ勝利。問題: 彼は全く孤独だ。ネオコンは、議会、マスコミ、金融機関と裁判所を、もう完璧に支配している。夫クリントンから、妻クリントンまでの間に、連中は、ペンタゴンや、国務省や、三文字の政府機関に深く潜入してしまった。連邦準備制度理事会こそ、連中の拠点だ。トランプは、こうした“地下にたむろする猛烈な狂人連中”に一体どう対処するのだろう? http://www.opednews.com/articles/opedne_donald_a_080423_leo_strauss_and_the_.htm

あらゆる“名士連中”(俳優から、政治家、記者に至るまで)トランプに対して解き放った悪意ある憎悪キャンペーンを考えると - 彼らは退路を断ったのだ。連中は、もしトランプが勝てば、彼らは全てを失うことを知っており(そして、もし彼が、簡単に影響を受けてしまう人物であることがわかれば、彼を選んでも何の違いもなくなることになる)。ネオコンは何も失うものはなく、連中は最後の一人まで戦うだろう。もし彼がネオコンと、連中の代理人に包囲されたら、トランプは一体何ができるだろう? 全く違うチームを呼び入れるのだろうか? 彼は一体どうやって、彼らを調査するつもりだろう? 彼の最初の選択は、ペンスを副大統領に指名することだったが、これは惨事で(既に彼は、シリアと選挙結果で、トランプを妨害している)。トランプが、ホワイト・ハウス大統領首席補佐官に一体誰を任命するのかを聞くのを私は大いにおそれている。ネオコンをなだめるためだけに、彼は悪名高いラーム・エマニュエルの新版のような人物を任命するのではあるまいかと心配しているので… もし、トランプが原則と勇気の持ち主であることを証明すれば、ネオコンはいつでも彼を“ダラスの目”に会わせ、彼をペンスで置き換えることができる。一丁あがり!

私には、一つしか解決策は思いあたらない。

プーチンは、いかにして、ロシアを救ったか
プーチンが権力の座に着いた際には、今のホワイト・ハウス同様、徹底的に腐敗し、裏切り者が蔓延するクレムリンを、受け継いだのだ。ロシアは、独立し、ナチスが支配しているウクライナと同様、かなり悲惨な状態にあった。ロシアも、銀行家と、英米シオニストの傀儡に支配されており、大半のロシア人は惨めな暮らしをしていた。大きな違いは、トランプに起きている物事とは違い、アメリカ・ネオコンのロシア版連中は、プーチンに脅かされようとは夢にも思っていなかったことだ。彼は、支配者たちによって、治安機関の代表として、大企業資本の代表、メドベージェフとともに働くよう、選ばれたのだ。これは、ロシア社会でも依然機能していた、たった二つの部門、治安機関と、石油/ガスの金の間の妥協策だった。プーチンは、サイズがあわないスーツを着た小役人で、内気で、いささかぎごちない小男のように見え、ロシアを動かしている七人の銀行家という強力なオリガルヒにとって、何の脅威にもならないはずだった( https://en.wikipedia.org/wiki/Semibankirschina )。ただし、彼はロシア史上、もっとも手強い支配者の一人だったのだ。権力の座につくやいなや、プーチンがしたのはこういうことだ。

第一に、彼はチェチェンのワッハブ派叛徒を、素早く効果的に粉砕し、国軍と治安機関に、クレムリンへの信頼性を回復させた。これで、オリガルヒと対決する際に、頼りにせざるを得ない人々との間で、彼の個人的な信頼を確立したのだ。

第二に、1990年代には、たとえ実際には、法律がなかったためにせよ、ロシアの全員が、ありとあらゆる実業家や企業が、多かれ少なかれ、法律を破っていた事実を、彼は活用した。彼は、ベレゾフスキーや、ホドロフスキーの類を、連中の政治活動で、弾圧するのではなく、連中を(全く正しいが)賄賂のかどで粉砕した。決定的に重要なのは、彼はこれを、非常に公然と行い、もう一つの大敵、マスコミに、明瞭なメッセージを送ったのだ。

第三に、欧米の人権団体やロシア・リベラルの幻覚と逆に、プーチンは、いかなる反体制派をも決して直接弾圧したり、マスコミを厳しく取り締まったり、まして誰かの殺害を命じたりはしない。彼は遥かに賢明に事をなしとげた。現代のジャーナリスト連中は、何よりもまず、売女マスコミであることを想起願いたい。 プーチンは、オリガルヒを容赦なく取り締まることで、売女マスコミから、収入と政治的支援の源を奪った。ウクライナに移住した者もあれば、辞任しただけの者もあり、ドーシチTV、エホー・モスクヴィ・ラジオや、コメルサント新聞など、ごく少数の容易に識別できるマスコミは、特別保留地、あるいは動物園状態に置かれた。移住した連中は、無関係なものとなり、“リベラル動物園”に止まった連中は - すっかり信憑性を失ってしまい、無害になった。決定的に重要なのは、全員が“メッセージを理解したことだ”。それから先は、ごく少数の本当の愛国者(ドミトリー・キセリョフやマルガリータ・シモニアンら)を主要な地位に任命しさえすれば、運命の風の方向が変わったことを全員すぐに理解した。

第四に、主要マスコミさえ正気に返らされてしまえば、“リベラル”(ロシアでは親アメリカを意味する)政党が、死のスパイラルに入り込むのに、さほど長くかからず、そうした政党は決して回復しなかった。その結果、あらゆる“リベラル”が排除され、ロシア国会には、現在、4党しかなく、いずれの党も、多かれ少なかれ“愛国的”だ。これが、プーチン戦略でも、うまく機能した部分だ。

これまでの所、プーチンは、私が“汎大西洋統合主義者”と呼んでいる第五列の連中を(http://thesaker.is/putins-biggest-failure/ を参照)政府そのものから排除し損ねている。確実なことは、プーチンは、銀行/金融部門内の第五列連中には取り組んでおらず、連中も、彼には、彼らに対して行動をとる口実を与えないよう非常に用心している。

ロシアとアメリカは全く違う国なので、お互い簡単に処方箋を写して済ますことはできない。それでも、“プーチン・モデル”には貴重な教訓があるだろうが、とりわけトランプの最も手ごわい敵は、おそらく連邦準備制度理事会に居すわる連中と、連邦準備制度理事会を支配している銀行だ。確実なのは、当面アメリカのイメージは、アメリカ政府に捨てられたホームレスの退役軍人が国旗に身を包み、カップに小銭を要求するというものであり続けるだろうことだ。

ヒラリーは、アメリカの戦争は見事な成功だと考えている。トランプは、そうした戦争は恥ずべきことだと考えている。この二者間の選択は、実際極めて単純だと私は考える。

英米シオニスト・エリートの中で分裂など有りえないとおっしゃる向きには、ドミニク・ストロス-カーンが次期フランス大統領になるのを防ぐための陰謀の例があるとお答えしたい( https://en.wikipedia.org/wiki/New_York_v._Strauss-Kahn)。これが、ハイエナと同様、英米シオニスト指導者連中は、時に、お互いに攻撃するのだ。そういうことは、政治イデオロギーと無関係にあらゆる政権でおきる(ナチス・ドイツの親衛隊対突撃隊、あるいはボルシェビキソ連でのトロツキー主義者対スターリン主義者を想起願いたい)。

鉄の箒
レオン・トロツキーは、ソ連は、アナキストや貴族を“鉄の箒”で一掃する必要があると良く言っていたものだ。彼はプラウダに“我々には鉄の箒が必要だ”という題の記事すら書いている。もう一人の大量虐殺マニア、フェリックス・ジェルジンスキー、悪名高いChK秘密警察の創設者、秘密警察職員には“燃える心、冷静な頭脳と、清潔な手”が必要だと言っていた。こうした連中に、弱さや、共感を求めても全く無駄だ。彼らはイデオロギーに突き動かされた“熱狂的な信者”、共感という感覚が欠けた社会病質者で、自分たちの邪魔をする誰に対しても大量虐殺的な憎悪を持った根っからの悪連中なのだ。

ヒラリー・クリントンと、彼女のネオコン集団は、精神的に(時には、物理的にも)ソ連のボルシェビキの後継者で、彼らは、ボリシェビキの先祖と同様、敵を粉砕するのに一秒たりともためらわない。ドナルド・トランプは - 彼が本物で、言っていることが本気であるならば - これを理解し、プーチンがした通りにしなければならない。最初に、しかも激しく攻撃することだ。

ちなみに、スターリンも、まさにこれを行い、トロツキストは粉砕された。

最終的に、プーチンが第五列連中を、権力の座から排除できるかどうか、まだはっきりしていないと私は思う。確かなことは、ロシアは少なくとも、英米シオニストの支配からは、ほぼ自由で、アメリカが、現在、連中の最後の砦だということだ。トランプに対する連中の熱狂的憎悪は、(愛国的な意味で言うのではなく、むしろ寄生虫が“自分の”宿主を気づかうように)自分たちの祖国と考える場所において、初めて脅かされてという、こうした連中が感じている危機感によって、一部説明がつくかも知れない。連中には恐れるべきもっともな理由があるのかも知れない。連中には恐れる理由があって欲しいと思う。

トランプを恐怖で萎縮させようという最近の企みへの見事な対処を見て、私は勇気づけられた。昨日トランプは、選挙で不正が行われる可能性があるので、結果を認めるとは誓わないと、あえて断言した。読み書きができる人なら誰でも、大統領選挙を含め、アメリカの選挙では過去に不正が行われてきたことを知っているにもかかわらず、トランプが犯罪的思考という大罪をおかしたと、メディアは主張している。シオニスト・マスコミは独善的に激怒して彼に襲いかかり、発言を撤回するよう彼に大変な圧力をかけている。寝返って“犯罪的発言”を撤回するかわりに、トランプは、もし自分が勝ったら選挙結果を尊重すると答えたのだ。

素晴らしいではないか? 彼がこの勇気を示し続けてくれよう願おう。

トランプは、ジャン=マリー・ル・ペンがフランスでしたことを、今実行している。彼はネオコンに、彼があえて公然と彼らに楯突くことを示し、連中のルールで動くのを拒否しており、連中の激怒も、彼には何の効果もなく、連中は検閲もできず、まして彼を沈黙させることなどできずにいる。彼は、またもや、サイバー攻撃をロシア人のせいにするのを拒否し、逆にロシアとアメリカにとって、友人であるのは良いことだという発言を繰り返した。彼がこの姿勢を一体いつまで保てるか私にはわからないが、当面、彼が英米シオニストの陰の政府や帝国にあからさまに楯突いていることは否定しようがない。

結論:
アメリカ合州国は、アメリカ史上、最も深刻で最も危険な危機の可能性がある状態に入り込もうとしている。もしトランプが選ばれたなら、連中が彼を政治的な動機の抑圧だと非難するいかなる口実も与えることなく、敵に対し、十分に練られた攻撃を、即座に開始しなければなるまい。ロシアでは、プーチンは軍と治安機関の支持が期待できた。トランプが一体誰を頼りにできるのかわからないが、アメリカ軍内には、依然、本当の愛国者がいると私は強く確信している。もしトランプが、FBIを率いる適切な人材を得られれば、彼も、この機関を活用して大掃除し、賄賂や、(ここには随意の単語を)の陰謀や、権限濫用や、公正の妨害や職務怠慢などに対する起訴を次々と行えるだろう。そのような犯罪は、現在の支配層中で蔓延しており、こうしたものは証明が容易なので、賄賂を取り締まれば、トランプは、アメリカ国民から総立ちの拍手喝采を受けるだろう。次に、プーチンがロシアでしたように、トランプもマスコミに対処しなければならない。具体的に、どうするのか私にはわからない。しかし彼は、このけだものと対決し、打ち負かさねばならないのだ。プーチンがそうであるのと同様に、この過程のあらゆる段階で、彼は国民の積極的な支持を得る必要があるだろう。

トランプに、それができるだろうか? 私にはわからない。陰の政府を打倒し、人々の権限を復興するのは、ロシアの場合より、アメリカでの方がずっと困難だと私は思う。英米シオニスト帝国は、一番可能性が高いのは軍事的および経済的敗北の組み合わせにより、外部から打倒する必要があるだろうと私は常々考えている。私はいまでもそう信じている。だが私は間違っているかも知れない - 実際、私は間違っていることを望んでいる - あるいは、トランプは、アメリカ合州国を救うために、帝国を打倒する人物になるのかも知れない。どれほどわずかのものであれ、もしそのような可能性があるなら、我々はそれを信じ、そのために行動すべきだと思う。他の代案は、いずれももっと酷いのだから。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-faca.html


23. 中川隆[4799] koaQ7Jey 2016年11月04日 08:46:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5213]

2016.11.04
破産国ウクライナでクーデター体制の腐敗が深刻化、その国の富豪がクリントン基金に多額の寄付

 キエフ体制で政治家の腐敗が西側のメディアも取り上げるほど深刻化、ファシズムはウクライナだけでなく旧ソ連圏に広がっていると伝えられている。こうした実態を隠すひとつの手段としてロシア、そしてウラジミル・プーチンを悪魔として描くプロパガンダが西側では展開されてきた。

 この体制はクーデターで成立したものだが、その背後にはアメリカの支配層がいることから「国際社会」とやらは容認している。選挙で成立したビクトル・ヤヌコビッチ大統領の政権はネオ・ナチの暴力で揺さぶられ、2014年2月23日に憲法の規定を全く無視した形で倒された。その際、西側はヤヌコビッチ政権の腐敗を宣伝していたが、真の腐敗はクーデター後に始まっている。

 現在、ウクライナの平均月収は214ドルにすぎないのだが、伝えられるところによるとボロディミール・フロイスマン首相は100万ドル以上の預金があり、24名の閣僚を合計すると700万ドル近くの現金を持っていると推計されている。高価な自動車やスイス製の時計、宝石、広大な土地などを所有している人もいるという。現在、ウクライナは破産状態だが、政治家や官僚は国を食い物にし、莫大な資産を形成中のようだ。

 勿論、クーデターの前に腐敗がなかったわけではない。1991年12月にソ連が消滅、ロシアはアメリカの傀儡だったボリス・エリツィンが大統領として君臨し、旧ソ連圏には新自由主義が広がると腐敗も広がる。国の資産は政府の腐敗勢力と結びついたグループに奪われ、庶民は貧困化した。当然、国民の間で不満が高まり、新自由主義(親米)陣営は支持されなくなる。

 ウクライナでは2004年の大統領選挙で西側の意に反し、ヤヌコビッチが当選した。西側の支援を受けたライバル候補のビクトル・ユシチェンコは「不正選挙」だと主張、デモや政府施設への包囲などで新政権を揺さぶり、2004年から05年にかけて反ヤヌコビッチのキャンペーンが展開された。いわゆるオレンジ革命」である。この「革命」にもヌランドは参加していた。

 しかし、そのオレンジ革命も新自由主義化が目的で、前と同じように貧富の差が拡大、2010年2月にはヤヌコビッチが大統領に就任した。そのヤヌコビッチ政権を倒すため、西側はNGOを使って抗議活動を演出、2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まる。当初、抗議活動は人びとのEUへの憧れを刺激する「カーニバル」的なもので、12月に入ると50万人が集まったとも言われている。

 規模が大きくなったところで登場してきたのがネオ・ナチのグループ。そのメンバーを西側は軍事訓練して準備していた。ネオ・ナチのグループは2月18日頃からチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、中にはピストルやライフルを撃つ人間も出始める。そうした中、アメリカのバラク・オバマ大統領はウクライナ政府に対し、警官隊を引き揚げさせるべきだと求める。ヤヌコビッチ政権は強硬策をとることはなかった。

 2月21日にヤヌコビッチ大統領と反ヤヌコビッチ派は平和協定に調印するが、22日に狙撃で多くの死者が出始め、議会の議長を務めていたボロディミール・リバクは「EU派」の脅迫で辞任、アレクサンドル・トゥルチノフが後任になる。憲法の規定を無視して新議長を議会が大統領代行に任命したのはこの日だ。

 この狙撃について西側のメディアは政府側の仕業だと宣伝していたが、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、反政府側が実行したと強く示唆している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」そして、「新連合はもはや信用できない。」

 アメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補は話し合いでの解決を嫌い、話し合いを進めていたEUを罵倒している。ヌランドとパイアットが電話で「次期政権」の閣僚人事について話し合っている音声がYouTubeにアップロードされているが、その中でEUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と言っている。

 旧ソ連圏では西側巨大資本の手先になり、国の富を盗む手助けをして自らも巨万の富を手にした人びとがいて、オリガルヒと呼ばれている。そうした富豪のひとりであるビクトル・ピンチュクが2009年から13年にかけてクリントン基金へ少なくとも860万ドルを寄付していることがWikiLeaksの公表した電子メールで発覚した。このピンチュクはユーロマイダンで始まったクーデターを支持していたひとりだ。

 本ブログではすでに指摘しているが、ビル・クリントン大統領に対してユーゴスラビアを空爆するようにヒラリーは求めていた。その時、政府に入っていたヒラリーの友人には戦争推進派のヌランド、そしてマデリーン・オルブライトが含まれている。現在、ヒラリーの側近中の側近と言われ、ムスリム同胞団と強く結びついているヒューマ・アベディンはインターンとしてヒラリーの下で働いている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611040000/


24. 中川隆[4951] koaQ7Jey 2016年11月15日 18:32:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5376]

2016.11.15
トランプが次期米大統領に決まったことを受けてソロス一派が秘密会談、露では新自由主義者逮捕


 ドナルド・トランプがアメリカの次期大統領に選ばれた後、アメリカ、EU、そしてロシアで興味深い動きが見られる。アメリカでは13日から3日間の予定でジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーを含む富豪たちが音頭を取り、トランプ対策を練る秘密会談をワシントンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで開催、やはり13日にベルギーのブリュッセルではイギリスとフランスを除くEUの外務大臣がトランプに関して話し合っている。こうした会議以上に興味深いのはロシアで新自由主義者、つまりアメリカ巨大資本の傀儡グループ(いわゆる第5列)に属すと見られているアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が汚職で逮捕された事実だ。

 ウルカエフたちのグループには中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナや新旧財務大臣のアントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンも含まれ、ボリス・エリツィン時代のように、社会的な強者が富を独占する仕組みを復活させようと目論んでいる。

 そのグループにおける中心的な存在がエリツィンの娘であるタチアナ。ボリスが大統領だった時代、飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。1996年にボリスはタチアナを個人的な顧問に据えたが、2000年にウラジミル・プーチンから解雇されている。

 タチアナはウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと結婚していたが離婚、2001年にエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。

 ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間に属すひとり、アナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。言うまでもなくUSAIDはCIAが資金を流す際に使う機関だ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 エリツィン時代のロシアで経済政策を作成していたのはジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団だが、ロスチャイルドとのつながりも目立つ。また、ソ連時代から現在のロシアに至るまで、この地域を支配しようとしてきたのがジョージ・ソロス。そうした西側支配層の配下のロシア人がウラジミル・プーチン体制になっても経済分野では主導権を握り、プーチン体制のアキレス腱とも言われている。

 米英のロシア/ソ連制圧の計画は1904年にハルフォード・マッキンダーのハートランド理論として顕在化した。イギリスが日本の軍事力強化や対ロシア戦の戦費調達に協力した一因はそこにある。

 当時、イギリスはライバルのフランス、ドイツ、ロシアに対抗するために約14万人の兵士が必要だと見ていたが、実際の兵力は7万人。その不足分を補うために目を付けられたのが日清戦争に勝利した日本だった。そして1902年、日英同盟協約が結ばれている。日露戦争でアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が乗り出してきた理由も同じだろう。同じルーズベルトでもセオドアはフランクリンと違い、棍棒外交で有名な好戦派だ。

 現在、米英支配層とロシアとの鍔迫り合いはシリアで行われている。ヒラリー・クリントンなどアメリカの好戦派はシリアをリビアと同じように破壊、戦闘員をカフカスなどロシア周辺へ移動させ、西側のウクライナではネオ・ナチを使ってロシアへ迫っていくつもりだったのだろう。NATOもロシアとの国境近くに部隊を配備、ロシアに対する軍事的な圧力を強めてきた。ちなみに、ウクライナのクーデターを現場で指揮していたネオコン、ビクトリア・ヌランド国務次官補はヒラリーと親しい仲だ。

 ところが、シリアでは昨年9月末にロシア軍がシリア政府の要請に基づいて軍事介入、アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュに対する攻撃を始めた。アメリカが主導する連合軍とは違い、本当に攻撃して侵略軍は大きなダメージを受けた。そこでアメリカの好戦派はリビアのように飛行禁止空域を設定するように要求する。ヒラリーもそうした首相をする仲間だ。

 アメリカ上院の軍事委員会でジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が語ったようにシリア上空をロシア軍やシリア軍の航空機が飛行することを禁止した場合、アメリカはロシアやシリアと戦争になる可能性が高く、世界大戦、つまり核戦争に発展する可能性が高い。アメリカなどがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュなどを攻撃しているロシアやシリアの戦闘機や爆撃機を撃墜すれば、ロシアもアメリカなどの戦闘機や爆撃機を撃墜する。必然的に直接的な軍事衝突になるからだ。

 好戦派と見なされているダンフォードでさえロシアとの戦争には消極的だが、軍の内部にもヒラリーの仲間はいる。例えば、陸軍のマーク・ミリー参謀総長はロシアに対し、かつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやる、つまりスターリングラードなど第2次世界大戦でソ連が受けた以上の打撃を加えてやると演説した。先制核攻撃すると言っているのに等しい。

 それに対し、トランプはダーイッシュの打倒を最優先すべきだとしている。すでにトランプはプーチンと電話で話し合っているようだ。このまま進めばアメリカとロシアとの関係は修復される。ソロスたち「リベラル派」はそれを恐れている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611150000/


25. 中川隆[5195] koaQ7Jey 2016年11月30日 06:17:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5629]

1991年はソ連が消滅した年でもある。7月にイギリスのロンドンで開かれたG7の首脳会談で西側の首脳はソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領に対して新自由主義経済、いわゆる「ピノチェト・オプション」の実施を要求、それに難色を示したゴルバチョフは排除されることになる。

 言うまでもなく、ピノチェトとは1973年9月11日にチリで民主的政権をクーデターで倒したオーグスト・ピノチェトを指している。その軍事クーデターを操っていたのはヘンリー・キッシンジャーだ。

 クーデター後、ピノチェトはシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の「マネタリズム」に基づく政策を導入、大企業/富裕層を優遇する政策を実施した。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のフリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。

 具体的な政策としては、賃金は引き下げ、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、つまり労働環境を劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。国有企業の私有化とは国民の資産を略奪することにほかならず、安倍晋三政権が執着しているTPP(環太平洋連携協定)と基本的に同じ。実際、安倍政権はその方向へ向かっている。

 西側支配層はゴルバチョフに替わる選択肢を持っていた。ボリス・エリツィンだ。1991年7月に彼はロシアの大統領に就任する。

 その一方、ゴルバチョフの政策をソ連解体の策謀と考えるグループは「国家非常事態委員会」を組織、8月に権力の奪還を狙うものの、失敗する。その目論見を利用して主導権をを奪うことに成功したのがエリツィン。1991年12月8日に彼はベラルーシにあるベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めた。いわゆる「ベロベーシ合意」だ。12月21日にはCIS(独立国家共同体)が発足、ソ連は消滅するのだが、この過程に国民の意思は反映されていない。

 会議に出席したのはロシアからエリツィン大統領とゲンナジー・ブルブリス国務大臣、ウクライナからレオニード・クラフチュク大統領とビトルド・フォキン首相、ベラルーシのソビエト最高会議で議長を務めていたスタニスラフ・シュシケビッチとバツァスラフ・ケビッチ首相。会議を主導したのはロシアのブルブリスだと言われている。

 ソ連の消滅によってアメリカの支配層はアメリカが唯一の超大国になり、その超大国を支配している自分たちが世界を支配するというストーリーを考える。そこで1992年2月に国防総省のDPGとして世界制覇プロジェクトを作成する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンで、旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようと計画している。

 こうした計画はビル・クリントン政権で塩漬けになるが、本ブログで何度も書いているように、ヒラリー・クリントンが政権の内部に引き込んだマデリーン・オルブライトやビクトリア・ヌランドが軌道修正、つまり戦争へと導いていく。オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であり、ヌランドはネオコンだ。

 ビル・クリントン政権が侵略戦争へ進み始めるのはオルブライトが国連大使から国務長官に異動した1997年1月が大きな節目だった。なお、ヌランドは国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、ホワイトハウスでネオコンなど好戦派が主導権を握る。攻撃の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成され、そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたとクラーク元欧州連合軍は語っている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611300000/


26. 中川隆[5218] koaQ7Jey 2016年12月01日 17:52:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5653]

安倍晋三首相を操っているのはネオコンの中心グループに属している I・ルイス・リビーだと言われている。このリビーをエール大学で教えていたのが1992年に世界制覇プランを描き上げたポール・ウォルフォウィッツであり、安倍がそのプランに荷担するのは必然だった。そのネオコンを中心とする好戦派の力が衰えた現在、安倍政権は暴走の度合いを強めている。

 ウォルフォウィッツはシカゴ大学で博士号を取得しているが、その担当教授だったレオ・ストラウスはネオコンの思想的な支柱だと言われている。この大学は新自由主義経済の教祖的な存在であるミルトン・フリードマンの拠点でもある。

 軍事的な侵略と新自由主義が連携させた最初の人物は、1973年9月11日にCIAを後ろ盾とする軍事クーデターでチリに独裁体制を築いたオーグスト・ピノチェトだろう。このクーデターで倒されたサルバドール・アジェンデ政権は選挙で選ばれたのであり、アメリカが「民主主義を輸出」したとは言えない。

 ピノチェト政権は2000名とも2万名とも言われる人びとを虐殺したが、そのターゲットは巨大資本がカネ儲けする上で邪魔になると判断された人びとだ。そうした虐殺の後、フリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授の「マネタリズム」に基づき、大企業/富裕層を優遇する政策が打ち出されていく。実際に現地で動いていたのは両教授の弟子たち、いわゆるシカゴ・ボーイズだ。

 そ賃金の引き下げ、労働者を保護する法律の廃止、労働組合の禁止などで労働環境は劣悪化、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようという試みもなされた。

 1991年7月にロンドンで開かれたG7の首脳会談でソ連のミハイル・ゴルバチョフはこの政策を導入するように西側の首脳から強要されたが、難色を示した。ゴルバチョフが失脚し、ボリス・エリツィンが台頭する一因はここにある。

 1991年12月にソ連が消滅、エリツィン政権の下で新自由主義的な政策が推進されると腐敗勢力が国の資産を略奪して富豪になり、大多数の人びとは貧困化した。同じことを安倍政権も推進、その総仕上げとしてTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、さらにTiSA(新サービス貿易協定)が計画された。言うまでもなく、この3協定は巨大資本が国を支配する仕組みを作り上げるものだ。

 ところが、安倍が頼ってきたアメリカの勢力が権力抗争で劣勢になり、言論統制の強化を図っている。アメリカの有力メディアが手先になっているほか、11月23日にはEU議会が「ロシアやイスラム系テロリスト・グループからの反EUプロパガンダ」に警鐘を鳴らす決議を採択した。同じ日にドイツのアンゲラ・メルケル首相はインターネット上で流れている「偽情報」によって人びとの意見が操作されていると発言、そうした情報を規制する必要性を訴えたと伝えられている。力が急速に衰えている彼らは社会に残っている民主主義的な要素を破壊、支配システムを維持しようと必死だ。

 力が急速に衰えているアメリカの好戦派は社会に残っている民主主義的な要素を壊しにかかっている。第2次世界大戦が終わった直後から情報操作の体制を整え、1970年代から通信傍受の能力や監視体制を強化してきた。

 ソ連消滅後は露骨な軍事侵略をアメリカ支配層は開始、イラクでの戦争が泥沼化した後は1970年代から80年代と同じようにサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団を使うようになり、それも破綻している。

 2014年11月、コンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューで、控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないと語っていた。何をしでかすかわからないという恐怖心からアメリカに従っている人は少なくないだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611300000/


27. 中川隆[5276] koaQ7Jey 2016年12月05日 05:02:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5711]

2000年にネオコン系シンクタンクのPNACはウォルフォウィッツ・ドクトリンをベースにして「アメリカ国防の再構築」を作り上げている。執筆人にはウォルフォウィッツのほか、ロバート・ケーガンやI・ルイス・リビーなどネオコンのメンバーが名を連ね、翌年から始まるジョージ・W・ブッシュ政権はその計画に沿った政策を実行した。

 2003年にアメリカ政府はイラクを先制攻撃、サダム・フセインを排除した。イラクに存在しないことを知っていた大量破壊兵器を口実に攻め込んだのである。1991年にウォルフォウィッツが口にしたことを実行したわけだ。

 21世紀に入るとロシアでウラジミル・プーチン大統領が国を食い物にしていた腐敗勢力(西側では民主派とか呼ばれた)の摘発を開始、少なからぬ富豪がロンドンやイスラエルへ逃れた。その結果、イスラエルはそうしたオリガルヒの大きな影響を受けるようになってしまう。そのオリガルヒはイギリスのロスチャイルドや投機家のジョージ・ソロスと深い関係にあり、そうした勢力の影響がイスラエルで強まったとも言えるだろう。

 アメリカではソロスやロスチャイルドと親しいことで知られているヒラリー・クリントンが2009年1月から13年2月まで国務長官を務めているが、その間、アル・カイダ系武装勢力など傭兵を使ってリビアやシリアを2011年春から侵略し、リビアでは2011年秋にムアンマル・アル・カダフィが殺害された。リビアは現在、破綻国家だ。

 2012年からアメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする侵略勢力は武器/兵器や戦闘員をシリアへ集中させる。シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒した後はイランを潰す予定だったが、この計画はイスラエルの治安機関シン・ベトのユバル・ディスキン元長官や対外情報機関モサドのメーアー・ダガン元長官から反対されている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612030001/


28. 中川隆[5366] koaQ7Jey 2016年12月09日 13:18:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5802]

2016.12.09
アレッポで米政府が使ってきた侵略軍が崩壊寸前で、取り残されたCIA要員の救出を米政権は図る

 アレッポから反政府軍を逃がすようにアメリカ政府はロシア政府に求めたと伝えられている。中東で流れている情報によると、アメリカ政府はアレッポにいるアメリカの情報機関員をトルコへ逃がしたいようだ。アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が降伏するのは時間の問題とも言われ、任期が終わろうとしているバラク・オバマ大統領にしても、取り残されたアメリカ人が拘束されたなら、大統領の座から降りた後、自分が厳しい状況に陥る可能性もある。

 CIAだけでなく、アメリカ軍は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、そのうちマブロウカには少なくとも45名、アイン・イッサには100名以上、コバネには300名以上、タル・アブヤダには少なくとも200名がいたとされている。侵略軍を現場で指揮しているのはCIAやアメリカの特殊部隊だということだ。

 昨年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請の基づいて空爆を始めて以降、アメリカやサウジアラビアは戦闘員を増派するだけでなく、携帯型の防空システムMANPADや対戦車ミサイルTOWを大量に供給してきたが、それだけでは足りなかったということだ。

 アレッポでアメリカが支援してきた侵略部隊の敗北が決定的になると、バラク・オバマ大統領は国防総省に対し、シリアで政府軍と戦っているアル・カイダ系武装集団のリーダーを見つけ、殺すように命じたという。バシャール・アル・アサド政権の打倒が難しくなり、口封じを始めたと見られている。こうした工作に従事していた情報機関員や特殊部隊員が取り残されているかもしれない。

 これまでロシアはアメリカが手先の部隊を立て直すための時間稼ぎだと承知の上で停戦に合意してきたが、今回のアレッポ攻防戦では妥協していない。9月17日にアメリカ軍主導の連合軍がデリゾールで行ったシリア政府軍に対する攻撃がそうした姿勢をとらせた一因だろう。

 この攻撃はF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機が実施、シリア政府軍の兵士80名以上を殺している。その攻撃から7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始、アメリカ政府とダーイシュは連携していると見られても仕方がない。28日に侵略軍は2つの橋を破壊、30日にも別の橋2つを爆撃、政府軍の進撃を止めようとしていた。アメリカ政府は開き直り、空爆を「ミス」だと主張しているが、現在の戦闘技術や当時の状況を考えると、意図した攻撃だった可能性はきわめて高い。最近、ロシアの異動病院が攻撃されて2名以上の医療関係者が殺されたが、これも偶然ではないだろう。

 ロシア系メディアによると、9月20日にロシア軍はシリア沖にいる艦船から3発の超音速巡航ミサイルを発射させ、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部を破壊した。この件についてアメリカ側から情報は流れてこないが、それだけに信憑性がある。この攻撃でアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間を含む約30名が殺されたとされている。デリゾールでシリア政府軍を空爆させたのはこの司令部だとも言われている。

 その一方、ロシア政府はアレッポ制圧後、チェチェンで活動しているロシア軍の憲兵隊をシリアへ移動させるとも伝えられている。シリアへはチェチェンからも戦闘員が入っているので不思議ではない。チェチェンの反ロシア勢力が拠点にしてきたグルジアのパンキシ渓谷でCIAは戦闘員をリクルート、軍事訓練してシリアへも送り込んでいると言われている。

 このチェチェンとサウジアラビアとの関係も指摘されている。2014年2月にロシアのソチでオリンピックが開催されたが、チェチェンの反ロシア軍はオリンピック開催中に何らかの攻撃をすると言われていた。

 そうした中、2013年7月にサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官(当時)は欧米の仲間と協議した上でアブドラ・ビン・アブドル・アジズ国王にモスクワ訪問を求めている。そして国王は7月30日にウラジミル・プーチン大統領とモスクワで会談した。

 その際に両者はバンダル長官のロシア訪問で合意、長官は秘密裏にモスクワへ入り、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)のイゴール・セルグン長官、次いでプーチン大統領とも会っているのだが、そこでバンダル長官は次のようなことを言ったという。

 来年、黒海のソチで開かれる冬季オリンピックを守ると保証できる。オリンピックの破壊活動をすると脅しているチェチェンのグループは自分たちのコントロール下にあり、自分たちとの調整なしにシリア領へは向かわない。つまり、自分たちに協力しないと、サウジアラビアの指揮下にあるチェチェンのグループがソチ・オリンピックを攻撃するというわけだ。プーチンもそのように理解したらしく、「ここ10年間、チェチェンのテロリスト・グループをあなたたちが支援していることを知っている」と言い放ったという。そうした状況にあるため、チェチェンでゲリラ戦を戦ってきたロシアの部隊はサウジアラビアについても熟知しているはずだ。

 2013年の秋、ビクトル・ヤヌコビッチ政権はEUとの「連合協定」に向けての準備を停止、良い条件を出したロシアとの協議を再開すると発表、それに反発した親EU派が11月21日にユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)に集まり、翌年2月23日に憲法の規定を全く無視した形で大統領は解任される。反ヤヌコビッチ大統領の主力はネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)だった。現在、ウクライナは破綻状態だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612080000/


29. 中川隆[5367] koaQ7Jey 2016年12月09日 13:21:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5803]

2016年12月09日
シリア重要拠点アレッポ制圧 逃げ出す武装勢力兵士

ロシア軍と政府軍はアレッポを封鎖して都市ごと空爆で攻撃している。
アメリカ軍は反政府勢力に味方して占領を続けさせようとしている。
引用:http://www.trbimg.com/img-582b0db4/turbine/ct-russia-aleppo-syria-airstrikes-20161115


最激戦地アレッポの陥落近づく

シリアにおける最激戦地アレッポは、12月7日に政府軍が東部の大部分を占領したが、まだ20万人が反体制派占領地域に残されている。

数ヶ月前から政府軍はアレッポを包囲し、食料や医薬品の搬入も禁止して兵糧攻めにしていて、住民は危険な状況になっていた。

最大25万人が閉じ込められ、反政府側は住民を人質にとって、コンクリートの建物を住居や要塞として使用していました。


ロシア軍は連日アレッポを空爆したが、コンクリートの都市を破壊すると瓦礫の山になり、より一層ゲリラ戦を展開し易くなるとも言われている。

アレッポを選挙しているのはISISとも関係がある反体制組織で、包囲攻撃しているのはシリア政府軍とロシア軍でした。

一方でアメリカが支援する武装勢力もアレッポの反体制勢力を攻撃し、アメリカ軍は空爆をしているが、アメリカとロシアは敵対し連携していない。


ロシア軍は意図的にアメリカ側の武装勢力を空爆しているほどで、米ロの抗争は反政府組織にとって有利に働いている。

アレッポを占領している反政府軍は、もともとはアメリカ軍がシリア政府軍を倒す為に軍事訓練した武装勢力で、アメリカ政府が武器や弾薬を渡していました。

アメリカはソ連のアフガン侵攻や第二次大戦での日本軍との戦い、対テロ戦争などでも地域の武装勢力を軍事訓練して敵と戦わせる戦略をとりました。


そうした武装組織はアメリカにとって用済みになると棄てられ、アルカイダやイスラム武装組織、ISISなどのテロ組織に発展しました。

アメリカ軍が教えたのはゲリラ戦とテロの方法だけで、道徳心は教えなかったので、そうなるべくしてなりました。

ロシアとアメリカのご都合主義

アメリカ軍から見てISISもアルカイダもシリア武装勢力も全部、昔自分が軍事訓練してテロ組織に育て上げた連中でした。

そして今もアメリカ軍は「有志同盟」と称して地元勢力を軍事訓練して米軍の武器を与え、自分たちの代わりに戦わせています。

ロシアがシリアに首を突っ込んでいるのは米国による経済封鎖から活路を見出す為で、事実上シリアを制圧してシリア政府を支配下に置こうとしています。


アメリカは相変わらず中東諸国で新たなテロ組織を訓練し、ロシアは空爆で廃墟を作って支配地域を広めようとしています。

シリア政府軍はアメリカから国民を弾圧しているとして制裁され、この制裁が原因でISISが力を持ち支配地域を広めることが出来た。

シリアのアサド政権はISISよりマシかも知れないが、アレッポを封鎖して25万人の住民と一緒に空爆し根絶しようとしたような人間性です。


住民は反政府勢力によって封鎖されているが、住民を攻撃して空爆しているのは政府軍なのであり、解放されたら嬉しいわけではない。

食料や物資の搬入を禁止したもの政府軍だし、むしろ自分達に危害を加えているのはシリア政府軍なのでした。

アメリカは停戦によって「自分が育てた」反政府勢力を温存しようと国連安保理に働きかけたが、ロシアは拒否権を行使して攻撃を続けている。


政府軍は市外東部を占拠したことで反政府勢力からは離脱者が相次いでいて、急速に弱体化している。

シリア政府軍はアレッポの3分の2を占領したと発表し、近く奪還に成功しシリア内戦は終結するだろうと声明を出した。

アメリカなどは「戦闘で住民に多くの犠牲が出ている」として政府軍とロシア軍に停戦を呼びかけている。


だが実のところアメリカが望んでいるのは「自分が育てた」テロ組織の温存と、彼らを再び利用してシリア政府軍と戦わせる事だったりします。

アレッポが開放されても住民達に平和や幸福がもたらされることは無いでしょう。
http://thutmose.blog.jp/archives/67856435.html


30. 中川隆[5374] koaQ7Jey 2016年12月10日 11:28:28 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5810]

2016.12.10
今から25年前と36年前、西側支配層の戦略にとって都合の良い出来事が引き起こされた12月8日

 日本軍がハワイの真珠湾を奇襲攻撃した時、日本ではすでに12月8日になっていた。その12月8日にも歴史に残る出来事が引き起こされている。例えば、そのひとつが1980年12月8日のジョン・レノン殺害であり、もうひとつが1991年12月8日にベロベーシの森で開かれたロシア、ウクライナ、ベラルーシの首脳による秘密会談。いずれも西側支配層にとっては願ってもないことだった。

 1975年から活動を休止していたジョン・レノンは80年10月にシングル曲「スターティング・オーバー」、また11月には「ダブル・ファンタジー」というアルバムを発表して本格的に音楽活動を再開させたるが、それは政治的な活動の再開でもあった。

 ジェラルド・フォードが大統領だった1974年8月から77年1月にかけてアメリカ政府内でデタント(緊張緩和)派が粛清され、ネオコンが台頭、好戦的な流れになっていた。そうした中、1979年12月にNATO理事会はパーシング2ミサイル572基の配備を決定している。

 理事会が開かれる5カ月前、エルサレムではイスラエルとアメリカの情報関係者が「国際テロリズム」に関する会議を開いている。この当時、すでにアメリカのズビグネフ・ブレジンスキーはアフガニスタンでソ連をターゲットにした秘密工作を開始、その手先としてサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする武装集団が編成されていた。そうした工作の結果、ソ連軍は1979年12月にアフガニスタンへ侵攻してくる。

 エルサレムでの会議にはアーノウド・ド・ボルクグラーブ、クレア・スターリングのような「ジャーナリスト」も参加、会議後にソ連を悪魔化して描くプロパガンダを始めた。スターリングが手を組んだひとり、ポール・ヘンツェはCIAの「元幹部」で、ブレジンスキーと親しいことで知られている。

 スターリングと組んでもうひとりがマイケル・リディーン。CIAやイタリアの情報機関と関係が深いのだが、イスラエル政府のために働いていると言われている。1976年にはJINSA(国家安全保障問題ユダヤ研究所)を創設している。ドナルド・トランプが安全保障担当の補佐官に選んだマイケル・フリンと今年7月に『戦いの場』という本を出している。

 バラク・オバマ政権はブレジンスキーの手口を真似してサラフ主義者やムスリム同胞団を中心とする武装集団(アル・カイダ系やダーイッシュ)を使ってきたが、その危険性を2012年夏の段階で政府に警告していたフリンだが、何らかの事情でリディーンが結びついてしまった。これはトランプ政権が抱える懸念材料のひとつだ。

 反ソ連キャンペーンが始まり、パーシング2の配備が決まった翌年、戦争に反対する姿勢を明確にしていたジョン・レノンは射殺された。引き金を引いたのは福音主義(キリスト教原理主義)の信者でトッド・ラングレンのファンだというマーク・チャップマン。

 イギリスの弁護士でジャーナリストとしても活動していたフェント・ブレスラーによると、チャップマンは1975年6月にレバノンを訪れて1カ月近くを過ごし、帰国してからベトナム難民定住促進キャンプで働きはじめ、そこで知り合った男の紹介で警備会社へ入っている。レノンを射殺する際に使われた殺傷能力の高い「ハロー・ポイント弾」を後にチャップマンへ渡したのはその男だ。1977年1月にチャップマンはアーカンソー州からハワイへ移動、キャッスル病院で働いている。その後、彼は世界一周旅行に出発、日系女性と結婚、警備会社へ就職した。

 1980年に入ってチャップマンはホノルルの銃砲店で38口径リボルバーを購入、12月にアトランタで弾丸を受け取り、ハワイへ戻る。その直後、3日間シカゴで過ごし、6日にニューヨークへ移動、8日を迎えた。(ファントン・ブレスラー著、島田三蔵訳『誰がジョン・レノンを殺したのか?』音楽之友社、1990年)

 その11年後の12月8日、アメリカ支配層の操り人形だったロシア大統領のボリス・エリツィンは同国のゲンナジー・ブルブリス国務大臣、そしてウクライナのレオニード・クラフチュク大統領とビトルド・フォキン首相、ベラルーシのソビエト最高会議で議長を務めていたスタニスラフ・シュシケビッチとバツァスラフ・ケビッチ首相と秘密会談を開いている。会議を主導したのはロシアのブルブリスだと言われているが、その背後に西側の支配層がいたことは間違いないだろう。会議はベラルーシにあるベロベーシの森で開催され、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めた。

 その背景には1991年7月にロンドンで開かれたG7の首脳会談があると見られている。そこでゴルバチョフは西側資本にとって都合の良いショック療法的、つまり新自由主義経済的な政策を強要された。いわゆる「ピノチェト・オプション」だが、この要求にゴルバチョフは難色を示す。そこで西側はゴルバチョフからエリツィンに切り替えたわけだ。そして12月21日、カザフスタンのアルマアタでソ連の消滅とCIS(独立国家共同体)の設立が正式に決まった。

 そこから旧ソ連圏は西側支配層の食い物になり、そうした勢力の手先になった人びとも巨万の富を手に入れた。現在、安倍晋三政権の周辺には日本をアメリカの支配層へ引き渡し、自分たちは私腹を肥やそうとしている。日本をエリツィン時代のロシアと同じようにしようとしているわけだが、日本にウラジミル・プーチンやその仲間たちのような勢力が出てくる保証はない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612100000/


31. 中川隆[5423] koaQ7Jey 2016年12月13日 10:28:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5859]
2016.12.12
WP紙で露メディアを批判したマクフォール元駐露大使は現地でプーチン政権の転覆を画策していた


 ワシントン・ポスト紙にロシア系メディアのRTやスプートニクを攻撃する寄稿文が掲載された。アメリカを拠点とする巨大資本が世界を支配する体制を築くため、偽情報を流して人びとを操ろうとする動きがある。そうした操作の障害になる情報の発信源を偽報道だと攻撃するキャンペーンが展開されているのだが、その一環だと言える。このキャンペーンは言論統制だとかマッカーシズムだと批判されているものの、ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力は手を休めようとしない。ドナルド・トランプをコントロールできないと感じているのだろう。

 その寄稿文を書いたのは、2012年1月から14年2月までロシア駐在大使を務めたマイケル・マクフォール。この人物はロシアでウラジミル・プーチン政権を揺さぶる工作を進めたことで知られている。マクフォールがモスクワに着任した3日後、反プーチン派のリーダーがアメリカ大使館を訪問した。そのリーダーとは「戦略31」のボリス・ネムツォフとイーブゲニヤ・チリコーワ、「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」のレフ・ポノマレフ、選挙監視グループ「GOLOS」のリリヤ・シバノーワらだ。

 戦略31はNED(民主主義のための国家基金)から、モスクワ・ヘルシンキ・グループはNEDのほかフォード財団、国際的な投機家であるジョージ・ソロス系のオープン・ソサエティ、そしてCIAと関係の深いUSAIDから、またGOLOSもやはりNEDから資金を得ている。

 言うまでもなく、NEDはCIAの工作資金を流すパイプ役の団体だが、2015年にロシア政府は、こうした団体のロシアにおける活動を禁止、国外へ追い出した。こうしたロシア政府の決定を批判する記事(ココやココ)がワシントン・ポスト紙に掲載されている。

 NEDが創設されたのはロナルド・レーガン政権下の1983年11月。「民主主義」や「人権」といったタグを使って内政干渉しようというプロジェクトを同政権は始める。「プロジェクト・デモクラシー」だ。1983年1月にレーガン大統領はNSDD77に署名してプロジェクトは始まった。

 NEDを通過した工作資金は、NDI(国家民主国際問題研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターへ流れていく。USAID(米国国際開発庁)もCIAの資金を流す上で重要な役割を果たしている。

 マクフォールはプーチン大統領を排除し、ボリス・エリツィン時代のような西側支配層の傀儡体制を築こうとしたのだろうが、失敗した。エリツィン時代にロシア国民は西側支配層の正体を知り、再び騙されるようなことはなかった。ロシア人は過去から学ぶことができるようだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612120001/


32. 中川隆[5455] koaQ7Jey 2016年12月14日 15:37:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5891]

ネオコンの世界制覇戦略

ソ連消滅後、アメリカが唯一の超大国の超大国になり、その超大国を自分たちが支配していると認識した彼らは世界制覇プランを描き上げたのだ。1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)たちが作成したDPGの草稿がそのプラン。「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 ソ連の消滅は西側支配層の傀儡だったボリス・エリツィンたちが仕掛けた。この事実は本ブログでも何度か指摘している。2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどが成長しないような方策をとろうとし、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。ソ連が消滅する前から彼らは世界制覇の野望を持っていたわけで、ソ連消滅はそうした野望を顕在化させることになった。

 しかし、このプランはジョージ・H・W・ブッシュ大統領が再選に失敗、ビル・クリントンが大統領に就任したことでお蔵入りになる。それを蔵から引きずり出したのがファースト・レディーだったヒラリー・クリントン。彼女と親しいマデリーン・オルブライトが国連大使から国務長官へ異動した1997年1月のことだ。そして1999年3月、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。ヒラリーのもうひとりの友人、ビクトリア・ヌランドは当時、国務副長官の首席補佐官を務めていた。

 本ブログではすでに書いたことだが、ウォルフォウィッツをはじめとする好戦派はユーゴスラビアを破壊、解体するため、ウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された直後からプロパガンダを始めている。例えば、ニューズデイのボン支局長だったロイ・ガットマンは1992年8月、ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと書いているのだが、これは嘘だった。この嘘を広めた功績で、後に彼はピューリッツァー賞を受賞している。

 2003年3月にアメリカ政府が始めたイラクへ侵略戦争も嘘を広めることから始めた。この時は偽情報を発信する目的で国防総省の内部にOSP(特殊計画室)が作られた。その室長に選ばれたエイブラム・シュルスキーはシカゴ大学でウォルフォウィッツと同じ教授について博士号を取得している。ふたりはネオコン仲間だ。

 1990年代からアメリカの侵略戦争に広告会社が深く関与してくるようになったことも本ブログで書いてきた。偽情報の作成と流布は彼らにとって御手の物だ。そうした偽情報をアメリカなど西側の有力メディアは垂れ流し、アメリカの政府や議会はそうした嘘を暴くメディアやサイトに「偽報道」というタグをつけ、検閲しようとしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612130001/


33. 中川隆[5489] koaQ7Jey 2016年12月17日 08:27:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5925]

領土返還をぶち壊したのは安倍側近だった!
http://79516147.at.webry.info/201612/article_149.html
2016/12/17 00:30  半歩前へU


 大山鳴動してネズミ一匹。あれほど大騒ぎした安倍晋三とプーチンの会談。終わってみれば、北方領土問題でなんの進展も見られず、日本からの3000億円の経済協力だけが記憶に残った。

 安倍首相は15日、山口入りに先立ち、羽田空港で記者団にこう意気込みを語った。

「山あいの川沿いにある温泉で、静かな雰囲気の中で、夜のしじまの中で、じっくりと交渉したい。元島民の皆さまの切実な思いをしっかりと胸に刻んで、日本を代表して交渉したい」―。

 ところがプーチンは約3時間遅れで到着。北方領土では譲歩するどころか一歩も譲らず、安倍の三振空振りに終わった。温泉に浸かり、うまい酒を飲んで、フグ料理に舌鼓を打ち、3000億円の手土産を持たせて帰ってもらった。

 こうなることは最初から分かっていた。訪日を前にプーチンは「日本との間に領土問題はない。あると考えているのは日本だ」と強調した。強気の発言にはちゃんとした訳があった。

 国家安全保障局長の谷内正太郎が11月にパトルシェフ安全保障会議書記に対して、日本に北方領土が戻ったら、「(米軍基地を置く)可能性はある」と述べていたというのだ。

 こんなことを言われてスンナリ返すわけがない。北方領土に米軍基地が出来るとなれば話は違ってくる。一気に警戒感が深まった。ロシアは国後島と択捉島に新鋭の地対艦ミサイルを配備した。そして、「日本との間に領土問題はない」発言へと発展していった。

 官僚上がりの谷内は、安倍がヘッドハンティングした男で、側近中の側近。その側近が北方領土返還をぶち壊した。安倍外交にチグハグを露呈した一幕。

 今回のプーチンの遅刻を日本のメディアは、「プーチンは遅刻常習者。驚くに当たらず」と意識して小さく扱おうとした。山口の温泉宿から羽田に向かう際もまた遅刻した。そこに専用機のトラブルが重なった。安倍首相との昼食会はお流れとなった。

 その遅刻”常習者”が、ぜひ訪ねたいと楽しみにしていた講道館へは時間通り到着した。少年時代から柔道を習ったプーチンは、大の柔道愛好家だ。

 彼の「遅れ」には、それなりの意味があるのではないか。

 つまり、プーチンは最初から今回の会談を重視していなかった。谷内発言でプーチンの腹は「領土で譲歩しない」と決まった。

 安倍が「日本の温泉宿で、ウマイ酒を飲ませる。どうしても来てくれ、としつこく頼むので来てやった」と言った感じではないか。安倍は、外交オンチもいいところ。三振承知で会談するなど、どうかしている。
 


34. 中川隆[5491] koaQ7Jey 2016年12月17日 08:51:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5928]

新自由主義を推進、TPP(環太平洋連携協定)によってアメリカの巨大資本が国を支配するファシズム体制を実現させようとしている西側の支配層は外国の出来事でも民意を嫌う。

例えば、西側の支配層はウクライナに新自由主義的な政策を押しつけて食い物にしようとしたが、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領はそれを嫌ってロシアに接近した。そこで2013年11月にキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で反ヤヌコビッチの抗議活動が始まる。ヤヌコビッチの支持基盤は東部と南部で、キエフの周辺には少なかった。

 人が集まったところで登場してくるのがアメリカ/NATOの訓練と支援を受けたネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)。2014年2月18日頃から彼らはチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、中にはピストルやライフルを撃ち始める。

 2月21日にヤヌコビッチ大統領と反ヤヌコビッチ派は平和協定に調印するが、22日に狙撃で多くの死者が出始め、議会の議長を務めていたボロディミール・リバクは「EU派」の脅迫で辞任、アレクサンドル・トゥルチノフが後任になる。憲法の規定を無視して新議長を議会が大統領代行に任命、23日の段階でヤヌコビッチ大統領は排除された。

 この大統領排除は憲法の規定に反している。ヤヌコビッチは東部や南部を中心として住民の民意で選ばれた大統領だが、それをネオ・ナチが前面に出た暴力集団によって倒されたわけだ。つまり、これはクーデター。そのクーデターを日本では政府、マスコミ、あるいは「リベラル派」や「革新勢力」も支持した。

 クーデターに反対する人びとの中で最も早く動いたのがクリミアの住民で、3月16日にロシアの構成主体としてロシアに加盟するかどうかを問う住民投票が実施された。その結果、投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成している。この投票は国外の監視団が見守る中で行われ、公正なものだった。つまり、これは民意だ。

 ちなみに、西側の政府やメディアはロシア軍がクリミアへ侵攻したと叫んでいたが、これも嘘。クリミアのセバストポリには黒海艦隊の拠点があり、ソ連が消滅した後の1997年にロシアとウクライナは条約を結び、基地の使用と2万5000名までの駐留がロシア軍に認められた。この条約は1999年に発効、その当時から1万6000名のロシア軍が実際に駐留してきたのだ。クーデター後、西側の政府やメディアはこのロシア軍を「侵攻部隊」だと宣伝したわけだ。そうした主張をしたいなら、在日米軍について、日本を軍事侵略している侵略部隊だと言わねばならない。

 東部や南部の住民もクリミアに続こうと考え、5月11日に住民投票をすることになっていた。その9日前、5月2日にネオ・ナチは黒海に面した港湾都市のオデッサで反クーデター派の住民を虐殺する。

 大量殺戮の舞台になったのは労働組合会館。その中で50名弱が殺されたと伝えられているが、これは地上階で発見された死体の数で、それを上回る数の人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名だと住民は語っている。

 この虐殺はキエフのクーデター政権だけでなく、アメリカ政府が関与していた疑いが濃厚だ。例えば、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、その2日後にキエフ政権のアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が制圧作戦を承認、4月22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問、それにタイミングを合わせるようにしてオデッサでの工作が話し合われている。その10日後にオデッサで虐殺があった。

 オデッサの虐殺から1週間後、5月9日にクーデター派は部隊をドンバス州へ派遣、戦車をマリウポリ市に突入させた。その際、住民が殺されている。9日はソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日。街頭に出て祝っていた住民を攻撃したわけである。6月2日にはデレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りするが、そのタイミングでキエフ軍はルガンスクで住宅街を空爆、建物を破壊し、住民を殺し始めた。

 そうした中、アメリカ政府は訓練のためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として派遣し、国防総省は戦略と政策の専門家チーム、つまり軍事顧問団をキエフへ送り込んでいる。4月にはアメリカの第173空挺旅団の兵士290名がポーランドへ入り、9月にウクライナで演習を実施している。

 アメリカをはじめとする西側支配者がネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実行したのだが、これを西側では「民主化」と呼ぶようだ。その後、NATOは部隊をロシアとの国境近くへ進め、ウクライナではネオ・ナチによる暴力が蔓延、経済は破綻したが、西側の政府もメディアも気にしていない。

 傭兵を使った侵略はリビアやシリアでも実行されてきた。中東/北アフリカの手先はアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。戦闘員の主力はサウジアラビアに雇われたサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団だ。アメリカは武器/兵器を提供、戦闘員の訓練を実施しているだけでなく、CIAや特殊部隊が戦闘を指揮しているようだ。

 安倍政権を操っているアメリカの勢力は民主主義の破壊者であり、民意を尊重する意思は持っていない。安倍政権が暴走するのは必然であり、そうした政権を誕生させた検察やマスコミだけでなく、こうした日米オリガルヒの走狗に従っている人びとも責任は免れない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612160000/


35. 中川隆[5492] koaQ7Jey 2016年12月17日 11:21:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5929]

 安倍晋三首相の外交感覚は、どう見てもおかしい。

ロシアを仮想敵国としている「日米安全保障条約・安全保障整備関連法」により日米同盟体制を強化しているのに、プーチン大統領に「北方領土返還」を求めている。

返還すれば、北方領土に「米軍基地」を置く可能性があるのが明らかなのに、プーチン大統領が、返還するわけがない。

おまけに、安倍晋三首相は、米国オバマ大統領の強い要求を受けて、プーチン大統領のクリミア併合に対して、経済制裁を強化、継続している。

プーチン大統領にしてみれば、「日米安全保障条約を破棄、経済制裁を解除し、顔を洗ってから出直して来い」と言いたいところだろう。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/e3b15c7f2b2c3865f65c0a8c54f5da08


36. 中川隆[5500] koaQ7Jey 2016年12月17日 14:03:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5937]

日本の報道に不快感=「北方領土に米軍基地」議論で―ロシア
時事通信 12/14(水) 22:08配信


 【モスクワ時事】タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は14日、日ロ高官が11月に、北方領土の2島が日本に引き渡された場合の米軍基地設置の可能性を議論したという日本の一部報道について「コメントしない」と語った。

 その上で「ロシアなら会談内容を明かさない」と述べ、日本側に強い不快感を示した。

 報道官は15、16両日の日ロ首脳会談で米軍基地問題が議論されるかどうかも問われると、回答を拒否した。

ただ、プーチン大統領の最近のインタビューを引用する形で、北方領土問題の解決に当たっては、対日防衛義務を定めた日米安保条約の存在を考慮せざるを得ないとの認識を示した。

 一部報道は、谷内正太郎国家安全保障局長がパトルシェフ安全保障会議書記に対し、引き渡し後の北方領土に米軍基地を設置する可能性を否定しなかったというもの。

ロシアのメディアは「(北方領土が)日本になれば、米軍基地が置かれる可能性がある」(国営テレビ電子版)と伝え、一斉に反発した。 


37. 中川隆[5502] koaQ7Jey 2016年12月17日 14:28:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5939]

2016年12月16日
日ロ交渉は領土進展なし 合意しなくて日本に幸運だった理由

日露平和交渉の成果は経済協力のみ

ロシアのプーチン大統領が12月15日に来日し、安倍首相の地元の山口県で会談し、翌16日午後に帰国しました。

今回の訪日をロシア側は公式な訪問にせず、皇居訪問や公式行事全てを拒否したと伝えられている。

発表された成果は経済協力3000億円のみで、北方領土で進展は無く、大型プロジェクトの発表もなかった。


事前の報道ではロシア側は日露パイプライン、シベリア鉄道の北海道接続、ロシアが発電した電気を日本が購入するなどの要望をしていた。

経済協力は1兆円から数兆円に達するという予想もあったが、ロシア側の期待は大きく外れた事になります。

日本側としても期待はずれで、2015年9月2日にウラジオストクで日露首脳会談が行われたとき、プーチンははっきりと「領土交渉には応じない」と通告したと言われている。


プーチンは2013年ごろ「日露痛み分けにしよう」と自分から「面積2等分」を提案してきたと言われています。

今回の交渉が始まった時点でも領土交渉に乗り気だった筈だが、9月になったら態度を豹変して「交渉に応じない」と言ってきた。

これはプーチンが嘘つきというよりもこの数ヶ月間でロシアに何かが起きたと見るべきで、考えられる変化がいくつかあった。


まず日本はG7で合意した対ロ経済制裁に参加していて、ロシア国内では「まず日本が制裁を解除しろ」という意見が当然ながら強かった。

プーチンも「制裁を科したままで領土交渉はできない」とまず制裁解除を要求したが、日本は「アメリカ陣営」に所属している以上絶対に離脱はできない。

もし日本だけが勝手に対ロ制裁解除すれば、ロシアと(少し)仲良くなる代わりに、アメリカとは敵対関係になるでしょう。

日露双方のお家事情

もう一つの変化は米国でトランプが大統領選に当選したことで、対ロ制裁そのものが解除される可能性が出てきて、日本と交渉する意味事態が消滅してしまった。

ロシアはアメリカと直接交渉できないから日本を切り崩そうとしたので、アメリカが交渉に応じるなら、日本に領土を返還する理由がまったく無い。

アメリカが制裁を解除したら日本も自動的に制裁解除するし、英仏独も自動的に制裁を解除します。


領土交渉に可能性が低いことは来日前から決まっていたのであり、後は経済協力をどうするか話し合うだけだったと言える。

領土交渉がなければプーチンなど追い返しても良いのだが、日本は中国と「冷戦」の最中であり、中国に兵器を供給しているのがロシアという関係です。

最近は日本海や尖閣諸島、北海道周辺で中ロ合同軍事演習をしていて、あからさまに日本を恫喝しています。


中ロを分断することが日本の利益であり、無下に追い返したらロシアは一層中国に軍事協力すると予想できます。

日本としては中国をけん制する為に、プーチンには「お土産」を持たせなくては成らず、それが3000億円の経済協力でした。

これに日本国内の政治状況も影響し、安倍首相は日ロ交渉が成功して領土返還に合意したら、衆院解散して憲法改正に持っていくつもりだったとも言われていました。


ところがロシア側からは領土交渉そのものを否定されてしまい、格好をつけるために「将来の領土交渉」という言葉をプーチンに言わせる為に、相当粘ったようです。

安倍首相は「領土問題は私たちの世代で終止符を」と言っていたが、プーチンは「経済交流で信頼感を作るべきだ」と相手にしませんでした。

ロシア側は「ロシアの領土と認めたうえで日本企業の活動を認める」と言っていて、日本が言っている「返還を前提にした共同統治」とは相容れないものです。

何も合意しなくて良かった

では何も合意しなくて日ロ交渉は失敗だったのかと言えば、何も合意しなくて本当に良かったというのが感想です。

最悪の場合、領土返還は1島も行われず、ロシアの主権を承認した上で共同統治という名の領土放棄になりえました。

もう少しマシな場合でも小さいほうの2島(実は面積の2割以下)だけを日本に返還し、残りはロシア領として固定化もありえました。


面積2等分なら確かに「痛み分け」ですが、領土の2割だけ返して8割はロシア領に固定というのでは、何も帰ってこないほうがずっとマシです。

領土の取り分よりもっと最悪なのはロシアと平和条約を結んでしまうことで、戦前に日本はソ連と「平和条約」を結んでいました。

だがソ連は日本が降伏の意思を米側に伝えてから、降伏の1週間前になって「平和条約」を破って国境線を突破して侵入してきました。


そのときに占領した樺太、千島列島、北方領土を現在も占領し、正当な行為だったと開き直っています。

ソ連の行為を間違いだったと言って千島列島全部を返してプーチンが土下座するなら平和条約を結んでも良いが、「ソ連は正しかった」と言っているのだから結ぶ理由がありません。

日本側だけが平和条約を守っても、ロシアはまた1945年と同じように、日本の領土を占領できると思えば平気で約束を破ります。


さらに最悪なのは日本は中国や韓国と平和条約を結んだが、両国共に平和条約を結んでから「反日国家」になりました。

中国も韓国も日本と平和条約を結ぶ前は別に反日では無く、むしろ日本と平和条約を結びたがって「私達は友人だ」などと言っていました。

ロシアは現在は反日国家ではないが、もし平和条約を結んでしまったら、もう「友人の演技」をする必要がなくなって、ロシアも日本に侵略されたと大声で喚き始めるでしょう。
http://thutmose.blog.jp/archives/68036583.html


38. 中川隆[5506] koaQ7Jey 2016年12月17日 16:52:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5943]

領土問題ゼロ回答へ 安倍首相“プーチン恫喝”に大ショック
2016年12月16日 日刊ゲンダイDIGITAL

 15日からスタートする日ロのトップ会談。プーチン大統領の日本到着が遅れることになり、山口県長門市や政府関係者はやきもきだが、実は会談が始まる前から「声をかけられないほど」(官邸事情通)、安倍首相は落ち込んでいるという。

 来日直前、読売新聞のインタビューに応じたプーチン大統領が、北方領土の引き渡しについて「ロシアに領土問題はない」と言い放ち、さらに安倍政権を恫喝までしているからだ。もはや、領土問題は「ゼロ回答」に終わり、経済支援だけ食い逃げされるのは確定的である。

 来日直前に発したプーチン発言は強烈だ。

〈第2次大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定している〉と、北方領土は国際的にロシア領として認められていると強調。しかも、日本が経済支援をしても譲歩しないつもりだ。

安倍首相が提案した8項目の経済協力プランについて〈(平和条約締結の)条件ではない。必要な雰囲気づくりだ〉と、領土引き渡しには直接結びつかないと明言している。領土問題を「棚上げ」し、経済支援だけ頂戴しようという魂胆なのは明らかだ。

「領土引き渡しが進まないことは覚悟していましたが、さすがに会談直前のプーチン発言には官邸もショックを受けています。でも、“地球儀俯瞰外交”を自慢し、プーチン大統領との信頼関係をウリにしてきた安倍首相は、いまさら日ロ会談を失敗させられない。形だけでも整えるしかない。実際、ロシアが望む経済支援は予定通り進めることになります。5月に首相と会った時、プーチン大統領は領土問題の進展に前向きだったのに、土壇場でちゃぶ台返しをされた格好です」(外交関係者)

 その上、プーチンは安倍首相を恫喝までしている。

ウクライナ問題をめぐって日本がG7と一緒に経済制裁していることに対して、

日本はロシアへの制裁に加わった。制裁を受けたまま、どうやって経済関係を高いレベルに発展させるのか

と制裁解除を要求し、

日本が日米同盟で負う義務の枠内で日ロの合意をどのくらい実現できるのか、我々は見極めなければいけない

と、日米関係の見直しまで迫っているのだ。

■何のための日露外交なのか?

 領土問題に焦る安倍首相の足元を完全に見透かしている。安倍首相はプーチンの策略にはまったのか。元外交官の天木直人氏はこう言う。

「すべての原因は、安倍首相が功を焦ったことです。領土が引き渡される客観的な状況がないのに“歴史に名前を残す”と前のめりになった。解決するメドもないのに突っ走った“拉致問題”と同じです。安倍外交は、国際情勢も把握せず、いつも情緒で動いている。

最悪なのは、北方領土問題は、引き返せるチャンスがあったのに暴走したことです。

ロシアは日本に対して『北方領土に米軍が駐留する可能性はあるのか』と、何度なく聞いています。

これは、日米関係を見直さないと北方領土は渡さない、というロシア側のメッセージです。

北方領土に米軍が駐留することは、ロシアにとって死活問題。

彼らにとって北方領土は経済問題ではなく安保問題なのです。
日米安保が存在する限り、北方領土を渡すつもりがない。

なのに、安倍官邸も外務省も、ロシアのメッセージに気づかず、自ら経済支援を提案しているのだから、どうかしている。プーチン大統領に騙されたというより、これは自爆ですよ」

 領土は1ミリも動かず、巨額の税金だけ奪われることになる。
一体、安倍首相は、誰のために外交をしているのか。
http://news.livedoor.com/article/detail/12423717/


39. 中川隆[5507] koaQ7Jey 2016年12月17日 16:59:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5944]

ロシア人から見た北方領土問題(日本語訳)
https://www.youtube.com/watch?v=2g-9tC-lAhA

40. 中川隆[5519] koaQ7Jey 2016年12月18日 08:59:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5956]

クリルの引き渡しがロシアの安全を脅かしうる理由
2016年12月15日 ニコライ・シェフチェンコ, ニコライ・リトフキン、ロシアNOW
http://jp.rbth.com/politics/2016/12/15/659149
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/725.html


日本へ引き渡された場合のクリルの島々(千島)における米軍基地の考えられる出現は、ロシアの安全を脅かすが、ロシアの軍事専門家らは、南クリル問題で日本と歩み寄れない他のそれに劣らず重要な理由も見てとっている。

クリル諸島=ウラジーミル・セルゲエフ/タス通信


プーチン大統領の訪日直前、日本のメディアには、日本はクリル列島の島々が日本へ引き渡された場合にそこへ米軍基地を設置する可能性を除外していない、との報道が現れた。

朝日新聞の匿名の消息筋によれば、日本の国家安全保障局長は、そうした可能性についてロシア側へ伝えた。

ロシアの軍事専門家らは、日本へ引き渡された場合のクリルの島々における米軍基地の設置は、ロシアの国防能力にとって現実的な脅威となる、と考えている。

なお、ロシアの公式的な立場からすると、ロシアには日本との領土問題はなく、ウラジーミル・プーチン大統領は、これについて再三にわたり述べている。


大洋への出口


ロシア戦略的研究所・軍事的政策経済局のイヴァン・コノヴァロフ局長は、クリルの島々は、そのユニークな位置により、オホーツク海への航行を完全に管理する可能性をロシアに与えている、と述べる。

イズヴェスチヤ紙のドミトリー・サフォノフ軍事評論員は、ロシアの戦略的原子力潜水艦はカムチャトカを母港としているため、クリルの島々の一部の日本への引き渡しは、それらの潜水艦の太平洋へのアクセスに影響を及ぼすことはないが、ウラジオストクを母港とするロシアの洋上艦にとっては問題となる可能性がある。

クイーンズ大学・国際国防政策センターのマクシム・スタルチャク研究員も、同様の考えであり、「最悪の場合には、日本は、それらの海峡を通過する軍艦の航行を禁止しかねない。これは、もちろん、危機的ではなく、海の港は、他にもある。しかし、そのためには、航路の変更やインフラの整備が必要となり、ロシアの軍人たちは、当然、それを避けたいと考えている」と語る。

同氏によれば、島々の一部が日本へ引き渡されると、国防省には、多数の海峡を通過する艦船の航行規則の変更やこの問題に関する日本側との協力に関連した追加的な義務が生じる。

同氏は、「[たとえ]海峡が閉鎖されたとしても、ロシアにとっての大洋への出口は無くならないが、規則の変更は、あまりにも複雑で財政的にも負担が大きいので、[国防省の]誰も、もちろん、このことを真剣に考えていない」と語る。


軍事的インフラ


島々の引き渡しがもたらしうる最大の問題の一つとなりえるのは、ロシアと日本の軍事的インフラ間の距離が極めて近いことである。

専門家は、「島々の間の距離は、キロメートルの単位。つまり、我々が島々を譲ってそこに軍事的インフラのようなものが現れれば、[双方は]塹壕から塹壕へ至近距離で銃撃すること[ができる]」と語る。

ロシアがクリルの島々で軍事的インフラを整備しはじめたのは、2000年代になってからのことで、現在、そこには、数千人規模の部隊が置かれている。

2016年11月、ロシアは、択捉島と国後島に最新鋭の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」と「バール」を配備したが、専門家らは、それをロシアがそれらの島を日本へ引き渡すつもりのないことを公然と示すサインとみなした。


41. 中川隆[5535] koaQ7Jey 2016年12月18日 22:36:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5972]

http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52161138.html
2016年12月18日 「ジャーナリスト同盟」通信


4島返還には日米安保解消が前提

 日本人だけが知らないことに、モスクワにおける日本の地位である。新聞テレビが紹介できないために、あえて言及すると、日本は3番目の敵性国家に位置付けられている。

 第一は、アメリカである。次はウクライナ、そして3番目が日本なのである。4島返還など最初から、あり得ないことだった。それを「ありうる」と鈴木宗男らを躍らせて宣伝に努めてきた。

 新聞テレビも官邸の指令に従って、国民を狂わせてきた。

 はっきり言うと、日米安全保障条約を解消しなければ、領土問題は入り口に立つこともできないのである。


日本は独立国にあらず

 敵性国家に領土を返還する国家が存在するであろうか。

 小学生でも回答できる問題である。「ウクライナ問題に対して、ロシアに経済制裁をする日本は、独立国とは言えない」というのが、事の是非は差し置いて、これがモスクワの認識である。ロシア国民の総意なのである。

 独立国として自立外交の出来ない日本外交である。戦後70年も続けてきた。これからも?「独立国でない日本に領土返還?ありえない論理である」がロシア政府の立場といっていい。


米国の属国

 日米安保によって、アメリカの属国となってしまった日本の戦後である。その米国とロシアは、激しい軍事的対立を繰り広げてきている。ウクライナ問題・シリア問題がその典型である。

 米国の属国に、自立した独立外交など想定できるものではない。モスクワの立場が揺らぐことはない。せめて米国との対等関係を構築する必要があろう。

米国のアジア覇権は日本のお陰

 米国の属国そのものであることが、アジア諸国に様々な悪影響を与えることになる。日本の米軍基地の存在が、アメリカのアジア覇権に多くの役割を果たしている。

 アジア太平洋に対する米国の主導権確保は、日本の米軍基地化と深く関係している。日本属国がワシントンの暴走を可能にさせている。これまた、間違いのない事実であろう。モスクワのかくかくたる分析である。


42. 中川隆[5567] koaQ7Jey 2016年12月20日 11:21:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6004]

2016年12月19日 日露首脳会談の話題はもう終わり?

今週に入ったら、先週あれだけ大騒ぎした日露首脳会談のことは完全スルーというメディアが目立ちます。評価できる内容だったら、今週も広告宣伝として、ばんばんとり上げていたでしょう。しかし各社の世論調査は「共同経済活動を評価する」が半数越え、一方で「安倍政権で解決できるか?」は一桁となりました。要するに、一緒に何かをするのはいいことだけれど、安倍政権では北方領土の解決なんてムリ、ということなのでしょう。


オスプレイの運用再開が決まりました。
安倍政権の力不足という点と、これも日露首脳会談の意趣返しかもしれません。
そして来週の安倍氏によるハワイ訪問に向けて、高いハードルを課してきた。

日本は米軍の意向を覆せない、北方領土を返還されたら、米軍がすぐに北方領土に基地をつくるぞ。

こうアピールすることで、日露交渉を頓挫させる狙いすらうかがえます。

今後は経済協力をする企業、団体への制裁も予想されるところです。
いずれにしろ、米国の怒りをこの一事には強く感じさせます。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/


43. 中川隆[5672] koaQ7Jey 2016年12月25日 10:33:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6111]
米支配層の一部が露や中との核戦争も辞さない姿勢を維持している理由は富の独占を実現するため

2005年から15年にかけてアメリカで生み出された仕事の94%は「代替労働」、その実態はパートタイムだった。定性的には以前から指摘されてたことだが、それをハーバード大学とプリンストン大学の経済学者、つまりローレンス・カッツとアラン・クルーガーが論文の中で認めた。就労を諦めている人が増えていることもあり、アメリカではフルタイムの労働者は減少し続けている。ジョージ・W・ブッシュ政権とバラク・オバマ政権が進めてきた経済政策の必然的な結果だ。日本やアメリカの有力メディアが宣伝する「景気回復」の実態はこうした代物。

 アメリカでは庶民から富を奪い、1%どころか0.01%の富豪へ富を集中させてきたのだが、それだけでなく生産活動を放棄、基軸通貨として認められてきたドルを発行する特権だけで生きている国になってしまった。製造業は労働コストの低い国、つまり低賃金というだけでなく、労働環境が劣悪で環境基準も甘い国々へ移動している。

 そうした低賃金、劣悪な労働環境、甘い環境基準を守ことは巨大資本のカネ儲けにとって重要で、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の目的に含まれる。

 庶民の生活を支える社会保障の仕組みを破壊するのも必然で、公的な健康保険や年金は消滅し、高等教育を受ける権利も庶民は奪われる。支配層を監視する仕組みも壊されるだろう。そうした「レジーム・チェンジ」のキーワードがISDS(投資家対国家紛争解決)条項だ。

 1991年12月にソ連が消滅した後、ボリス・エリツィンが大統領を務めていた時代のロシアはアメリカを拠点とする巨大資本の属国で、新自由主義に基づく政策で運営されていた。TPPやTTIPが目指す方向をロシア支配層も向いていたのだ。中国も新自由主義に浸食されていた。

 ソ連消滅後、新自由主義の信奉者たちはアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、雑魚の処分に取りかかる。それが1992年2月に国防総省で作成されたDPG草案(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)につながる。旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどを潜在的なライバルと位置づけ、そうした国々は真のライバルに成長することを阻止しようというわけだ。そのためにも、膨大な資源を抱える西南アジアを支配する必要性が出てくる。

 ところが、21世紀に入ってロシアではウラジミル・プーチンを中心とするグループがロシアを再独立させ、ネオコンの前に立ちはだかった。ネオコンたちはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいてウクライナ、中東、北アフリカを戦乱で破壊、東アジアで軍事的な緊張を高めてきた。本ブログで繰り返し書いてきたが、日本の軍事化推進もウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいている可能性が高い。

1904年にイギリスではハルフォード・マッキンダーがロシア(ハートランド)を周囲から締め上げる戦略を発表している。いわゆる「ハートランド理論」だ。広大な領土、豊富な天然資源、そして多くの人口を抱えるロシアを支配することが世界制覇につながると主張、西ヨーロッパ、パレスチナ、サウジアラビア、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ「内部三日月帯」、その外側に「外部三日月地帯」をマッキンダーは想定した。

 日本列島は内部三日月帯の東端に位置する。マッキンダーがこの理論を発表する前からこうした戦略をイギリス支配層は持っていたはず。

明治維新で薩摩藩や長州藩の背後にはイギリスがいた。そのイギリスはすでにアヘン戦争(1840年から42年)で中国(清)を侵略しているが、イギリスが描いていた世界戦略を実現するためには兵員が不足していた。その穴埋めに目をつけられたのが日本。1902年に日本はイギリスと同盟協約を結び、04年にはロシアと戦争を始める。

 イギリスは日本の軍備増強に協力、ロシアとの戦争に必要な費用を融資したのはロスチャイルド系金融機関のクーン・ローブだった。そのトップ、ジェイコブ・シフと親しくなるのが高橋是清だ。

 そして現在、イギリスはアメリカの戦力不足を補うために東アジアへ派兵しようとしている。その最終目的は巨大資本、富裕層が世界の富を独占することだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612250000/


44. 中川隆[5683] koaQ7Jey 2016年12月25日 21:05:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6124]

モスクワが攻撃してくる!
2016年12月18日 Eric S. Margolis

CIA幹部筋が私にこういった。‘かなりの確度で、ロシアのウラジーミル・プーチンは真珠湾、朝鮮戦争、ベトナムとイラクの責任がある。9/11や衿の汚れも、この悪漢のせいだ。

ドクター・フー・マンチュー以来、これほど欧米壊滅に躍起になっている邪悪な悪霊は見たことがない。悪のヴラドは、極めて極悪非道で、アメリカの投票装置、おそらくは、スーパー・ボールまで、まんまと不正操作するのだ。

アメリカでの赤ヒステリーの盛り上がりを見るのは奇怪かつ愉快だ。しかし最もおかしいのは、クレムリンがアメリカの選挙に‘介入した’と主張するマスコミの熱狂だ。あるいは、洗脳された候補者ドナルド・トランプに投票さえしたというのだ。もし外国からなんらかの干渉があったとすれば、それはロシアではなく、中東の某同盟国によるものだ。

ことごとく、実におとなげない。

私の答え。たとえ本当だとしても(私は信じないが)、それがどうだというのだろう? 大国が干渉をするのは、目新しいことだろうか? 大国はそういうことをするものなのだ。

アメリカは、凌辱された処女の振りをする立場どころではない。1946年、アメリカとバチカンが、元ファシストとシシリアの無法者連中だらけだったにもかかわらず、三度の国政選挙で左翼に対して勝利する支援で、イタリアの右翼キリスト民主党に資金提供した。

1949年、アメリカ政府はシリア政府打倒を画策した。1953年、アメリカとイギリスは、人気があったイランの民主的政府打倒で共謀した。1954年、アメリカは、グアテマラ政府を打倒した。1958年には、レバノンに介入した。その三年後には悪名高いピッグス湾侵攻を行い、フィデル・カストロ暗殺を50回以上企んだ。

1965年、アメリカはドミニカ共和国に侵略し、政権を打倒した。1973年には、 チリのマルクス主義政府に対する、アメリカが支援するクーデターを起こした。ニカラグアの左翼は、アメリカ政府の次の攻撃予定リスト対象だった。更にハイチに密かに介入し、イラクのバグダッドで、爆撃と妨害作戦を行った。イランの選挙で選ばれた政府の打倒未遂があり、シリアとリビアにおける更なる策謀のあと、むき出しの侵略をした。

挙げるべきものはまだある。ボリビア、ブラジル、コンゴ、トルコ、インドネシア、アゼルバイジャン、エリツィンのロシア、ウクライナの‘オレンジ’革命、ジョージア、そして選挙で選ばれたウクライナの親ロシア政権打倒。そして現在、もちろんシリア。

政権転覆はアメリカの十八番だ。

アメリカは、フランス大統領シャルル・ド・ゴールさえも打倒しようとした可能性がある。後に、アメリカは、エジプトの残虐な独裁者を権力の座にすえるのを支援し、その過程で民主的政府を打倒し、親密な同盟国ドイツのアンゲラ・メルケル首相の電話を盗聴した。

過去、ソ連諜報機関は、術策をめぐらせる専門的スパイ技術や、時折の‘汚れ仕事’で非常に優れていた。だがソ連は、介入や政権転覆の莫大な量では、強大なアメリカには到底及ばなかったし - いまだに及んでいない。

私は、モスクワ、ルビャンカにある恐れられているKGB本部で、幹部インタビューを認められた初めての欧米ジャーナリストだ。1917年内戦以来の諜報作戦を見直すため、学芸員と一緒に、驚くべきKGB博物館にも入館させてもらった。秘密作戦については多くを学んだが、フランクリン・ルーズベルト大統領を取り巻いた影響力を持ったソ連工作員については望んでいたほどは学べなかった。

過去三十年間、諜報機関を見守り続けたベテランとして、ロシアの策謀のために選挙に負けたというアメリカ民主党の主張は全くのデタラメだと思う。クリントンの敗北を巡る、あらゆる雑音やエセ憤怒は、汚い法的手段(‘法的手段による戦争’)や大規模デモによってトランプ政権を打倒する前兆的な取り組みなのではあるまいかと勘繰りたくなる。そうであって、当然だ。中東やロシアで、我々は常にそうしているではないか。

民主党は、多くの人びとに憎まれ不信の念をもたれていた、実にひどい、腐敗した女性を担いだがゆえに負けたのだ。彼らは誠実な候補者バーニー・サンダース上院議員を排除するため、候補者指名で民主党が不正工作をした恥ずべき事実を隠そうとした。投票装置のまじないやら、赤の恐怖のたわごとではなく、これはスキャンダルだった。

モスクワがアメリカ選挙を操作したというアメリカ諜報機関幹部連中の主張は二つのことを示している。第一に、もし事実であれば連中は警備任務中に居眠りしていたのだ。第二に、連中がすさまじく政治色濃厚になっていることだ。連中の仕事はホワイト・ハウスに情報を知らせることであり、陰謀論をでっちあげることではない。連中の一部は、驚くほど極端に狂気じみて反ロシアで、政府の内部における政府の手先である可能性が高い。

諜報機関を運営する人びとは、対ロシア戦争に凝り固まった狂気を漂わせたイデオローグではなく、冷静で経験豊富な専門家でなければならない。オバマとヒラリー・クリントンのもとで、アメリカはその方向に向かっていた。もしロシアがそういう結論に至れば、彼らが選挙結果に影響を与えようとするのは理にかなっている - もし彼らが本当にやったのであればだが。

ヒラリー・クリントンは、神を信じない赤いスパイの親玉連中のおかげで負けたという流言は‘犬が僕の宿題を食べちゃった’程度の信憑性しかない。アメリカ国民は、それよりは成長していると思っていたのだが。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-d505.html


45. 中川隆[5775] koaQ7Jey 2016年12月31日 10:08:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6216]

2016.12.31
オバマ米大統領は外交官を含む露国人96名を国外追放、新政権になる前に露との関係悪化を目論む


アメリカのバラク・オバマ政権はロシアの外交官35名を含む96名のロシア人を国外へ追放したが、ロシア政府は対抗措置をとらないという。これまでアメリカ政府はロシアをハッキング、選挙への介入、偽報道などを行っていると非難してきたが、いずれも根拠や証拠は示していない。今回の外交官追放もそうだが、ドナルド・トランプが大統領に就任しないうちにできるだけアメリカとロシアとの関係を悪化させようとしているのだろう。そこで、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はオバマ政権の挑発を無視する構えだ。

 ロシアとの関係をアメリカが修復することをオバマ政権やヒラリー・クリントンが恐れている理由は、おそらく、ロシアや中国を属国化して世界を制覇することができなくなるからである。1991年12月、ボリス・エリツィンたちを使ってソ連を消滅させることに成功したネオコン/シオニストはアメリカが唯一の超大国になったと認識、中国も新自由主義陣営に取り込んだと考えていた。残された「雑魚」を始末するため、1992年2月に国防総省でDPG(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)が作成されている。

 このドクトリンは旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどを潜在的なライバルと位置づけ、そうした国々がライバルに成長することを阻止するとしている。潜在的ライバルを真のライバルへ成長させる基盤はエネルギー源であり、そうしたエネルギー源を産出する西南アジアを支配することも重要なテーマになる。

 ネオコン系シンクタンクのPNACが2000年に発表した「米国防の再構築」というタイトルの報告書をジョージ・W・ブッシュ政権は政策の基盤にしたが、この報告書のベースはウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

 本ブログでは何度も書いてきたが、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、ウォルフォウィッツは1991年の段階でイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていた。当時、彼は国防次官だ。2001年9月11日に世界貿易センターと国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたが、その10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていたともクラークは語っている。そのリストに載っていた国はイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイラン。

 イラクは2003年にアメリカ主導の連合軍に攻撃され、シリアやリビアは2011年にアメリカなどが操るアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などの攻撃を受け、リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はその年のうちに倒された。

 リビアの場合、アル・カイダ系武装集団のLIFGがNATO軍と連携して戦い、その実態は戦乱の中で明らかになった。リビアのカダフィ体制が崩壊した後、戦闘員や武器/兵器はシリアへ運ばれたのだが、今度はロシアがNATOの空爆を阻止する。昨年9月末からはシリア政府の要請に応じて空爆を開始、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは劣勢になり、壊滅は時間の問題だと見られている。

 アレッポをシリア政府軍が奪還した際、14名以上の外国人将校をシリアの特殊部隊が拘束したと伝えられている。出身国はアメリカ、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、モロッコだとされ、名前も掲載されている。

 もっとも、こうした作戦に参加する将兵は偽造書類を携帯していることが通例で、その情報が正しいかどうかを判断するには詳しい調査を待つ必要がある。また、別の情報によると、拘束された将校はアメリカ人22名、イギリス人16名、フランス人21名、イスラエル人7名、トルコ人62名だという。

 9月17日にアメリカ軍が主導する連合軍がデリゾールでシリア政府軍をF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で攻撃、80名以上の兵士を殺し、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊した。17日には、空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、アメリカ軍とダーイッシュの共同作戦だったと見られている。

 それに対し、9月20日にシリア北部の要衝、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部をシリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが攻撃、約30名が殺されたとロシア系メディア(アラビア語のスプートニク)は伝えた。死亡した人の出身国はアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールで、軍人や情報機関に所属、デリゾールでの空爆を指揮したのはこの司令部だとも言われている。

 シリア政府軍がアレッポを制圧した後、それまでそこを支配していた反シリア政府軍によって殺害された住民の集団墓地が発見されたようだが、それだけでなく、NATOのマークが入った大量の武器弾薬が発見されたとも伝えられている。こうした武器弾薬がどのようにシリアへ持ち込まれたのかは興味深いところだ。サウジアラビアやトルコに責任が押しつけられた場合、新たな秘密が暴かれる可能性もある。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612310000/


46. 中川隆[5778] koaQ7Jey 2016年12月31日 17:16:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6219]

ヘンリー・キッシンジャーは一体何をたくらんでいるのか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-2a9f.html
2016年12月31日 マスコミに載らない海外記事


Paul Craig Roberts
2016年12月28日

ロシアの通信社スプートニクの英語版は、元アメリカ国務長官ヘンリー・キッシンジャーが、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプに、いかにして“アメリカ合州国とロシアを親密にして、中国の軍事力増強を相殺するか”助言をしていると報じた。https://sputniknews.com/politics/201612271049024500-kissinger-trump-russia/

このレポートを額面通りに受け取れば、ベテラン冷戦戦士キッシンジャーは、ロシアとの関係を良くするというトランプの誓約を、ロシアを中国との戦略的提携から引き離すために利用しようとして動いているということになる。

中国の軍事力増強は、中国に対するアメリカの挑発と、南シナ海が、アメリカ国益の地域だというアメリカの主張に対応するものだ。中国は、アメリカを攻撃する意図はなく、ロシアを攻撃する意図は、確実にない。

キッシンジャーは、戦略国際問題研究所CSISで何十年も私の同僚だったが、彼はロシア国内の親米エリートを知っており、彼は連中のために、ロシアを欧米に身をゆだねさせるという連中の取り組みに利用できる“中国の脅威”を作り出そうと動いているのだ。もしこの取り組みが成功すれば、ロシアの主権は、アメリカと同盟する全ての国々の主権がそうなったと全く同様、浸食されるだろう。

プーチン大統領の最近の記者会見(http://www.informationclearinghouse.info/46100.htm )で、ジャーナリストのマラト・サガダトフは、ロシアは既に、外国によるある種の準支配を受けているのではないか質問した。“わが国の経済、産業、省庁や機関は、国際機関が決めたルールに従い、コンサルティング会社に管理されていることが多いのです。わが国の国防企業でさえ、外国のコンサルティング会社に会社を監査させています。”ジャーナリストは質問した。“この分野でも、何らかの輸入代替をすべき時期ではありませんか?”

全てのロシアストは欧米の一部になるということは、アメリカ政府の規則によって生きることであるのを理解する必要がある。欧米同盟の中で、自立した外交、経済政策を持っている唯一の国はアメリカだ。

トランプが大統領に選ばれたとは言え、アメリカ外交政策の点で、ネオコンがいまだに優勢で、一極大国としてのアメリカ覇権に対する彼らの肩入れは、従来通り強力なままであることを我々全員が理解する必要があるだ。ネオコン・イデオロギーは、CIA、国務省や、ペンタゴンの一部で制度化されているのだ。ネオコンは、マスコミ、シンクタンク、大学の各学部、財団や外交問題評議会における彼らの影響力を維持している。

トランプは、タフガイの役割を演じるのに夢中になっていて、私の友人フィニアン・カニンガムでさえ、私がいつもじっくり拝読しているコラムでしてしまうように、誤解されかねない発言をしがちなことも理解する必要がある。(https://sputniknews.com/columnists/201612251048979856-us-russia-arms-race/ )軍拡競争でロシア潰しを狙うアメリカ

トランプが、強大なネオコン陰謀に勝てるかどうか、私にはわからない。とは言え、彼が、クリントン大統領が、NATOは一インチたりとも東方に拡張しないというジョージ・H・W・ブッシュ政権の約束を破って以来、積み上がってきたロシアとの緊張を緩和することに本気であることば十分明らかなように見える。トランプが本気でない限り、エクソンCEOのレックス・ティラーソンを国務長官として選んだと発表する理由はあり得ない。2013年、ティラーソンは、ロシアの友好勲章を授与された。

ミシェル・チョスドフスキー教授が指摘している通り、エクソンのような多国籍企業には、アメリカ軍安保複合体のものとは異なる権益がある。軍安保複合体には、約一兆ドルの年間予算を確保するのを正当化するため、“ロシアの脅威”へと変身させられている、かつての“ソ連の脅威”のような強力な脅威が必要なのだ。対照的に、エクソンは、ロシアのエネルギー事業に関与したがっている。それゆえ、国務長官として、ティラーソンには、アメリカとロシア間の良好な関係を実現する動機があり、一方、軍安保複合体にとって、良好な関係は、軍/安保予算が頼りにしている画策した恐怖を駄目にしてしまうのだ。

軍安保複合体とネオコンが、トランプとティラーソンを脅威と見なしているのは明らかで、それこそが、一体なぜ、ネオコンや兵器産業の大物連中が、トランプに実に強烈に反対し、ジョン・ブレナンCIA長官が、アメリカ大統領選挙へのロシアによる干渉などという、狂気じみた証拠のない非難をするかという理由だ。

lines are draw。次のテストは、トランプが、ティラーソンを国務長官に選んだことに対して、上院の承認が得られるかどうかだ。

レーガン大統領は、軍拡競争で、ソ連を財政的に潰して、冷戦に勝ったのだという神話が行き渡っている。冷戦を終わらせるレーガンの取り組みに関わっていた一人として、私は再度これを訂正しようと思う。

レーガンは決して冷戦に勝利するとは言っていなかった。彼は冷戦を終わらせる言っていた。彼の政権の他の幹部連中も同じことを言っており、パット・ブキャナンが実証できる。

レーガンは冷戦に勝つのではなく、終わらせたがっていた。“ひどい”核兵器類について、彼は語っていた。彼は、ソ連経済は軍拡で競争するには、余りに困難な状態にあると考えていた。アメリカ経済を苦しめているスタグフレーションを、まず解決することができれば、軍拡競争をするふりをすることで、ソ連を交渉の席に着かせられるだろうと彼は考えていた。“スターウォーズ計画”は主要な誇大宣伝だった。(ソ連が軍拡競争の脅威を信じたにせよ、そうでなかったにせよ、アメリカ左翼は明らかに信じ、決して克服できなかった。)

レーガンには、ソ連を支配したり、崩壊させたりするつもりはなかった。クリントンや、ジョージ・W・ブッシュやオバマとは違い、彼はネオコンに支配されていなかった。レーガンは、彼の政権内のネオコンが、彼に隠れて行動し、法律を破った際、連中をを首にし、告訴した。

ソ連は、冷戦を終わらせるというレーガンの決意のおかげで崩壊したわけではない。ソ連崩壊は、ゴルバチョフは、共産党の支配力を余りに急速に手放している、ソ連の存在にとって脅威だと考えて、彼を軟禁した、強硬派共産主義者のしわざなのだ。エリツィン勃興をもたらしたのは、ゴルバチョフに対する強硬派共産主義者クーデターだった。誰もソ連崩壊を予想していなかった。

冷戦は複合体の利益と権力の基盤なので、アメリカ軍安保複合体は、レーガンに冷戦を終わらさせたくなかったのだ。CIAは、レーガンに、もし彼が軍拡競争再開すれば、ソ連は、投資を支配しており、レーガンができる以上に、経済のより大きな部分を軍にさけるので、ソ連が勝利すると言ったのだ。

レーガンは、軍拡競争で、ソ連が勝利しうるというCIAの主張を信じていなかった。彼は秘密委員会を立ち上げ、その委員会に、アメリカは、ソ連との軍拡競争に負けるというCIAの主張を捜査する権限を与えた。委員会は、CIAは自分たちの特権を守ろうとしているのだと結論付けた。私は委員会の一員だったので、これを知っているのだ。

軍安保複合体の予算に浪費しなければ、アメリカ資本主義と社会的セフティーネットは、遥かにうまく機能するはずなのだ。軍安保複合体は、実際の軍拡競争ではなく、大きな脅威を欲しがっているというのが正確だ。国を持たないイスラム・テロリストは、それほど巨大なアメリカ軍にとって十分な脅威ではないが、脅威と対照的に、実際の軍拡競争の問題は、アメリカ兵器企業は、利益を押し上げる費用超過の代わりに、実際に兵器を製造しなければならないことだ。

最新のアメリカ・ミサイル艦は二度も故障し、港に曳航せざるを得なかった。無限の金を喰うF-35には様々な問題があり( http://www.stopthef35.com/pentagon-f-35-wont-have-a-chance-in-real-combat/ )、既に負けてしまっている。ロシア・ミサイルは超音速だ。ロシア戦車は優れている。ロシアのサタンII ICBMの爆発力は恐ろしいものだ。ロシア軍の士気は高い。彼らは、さほどの成功もなしの女性や子供に対する不毛な戦争における、15年間の戦闘で消耗しているわけではない。

アメリカ軍安保複合体の腐敗した本性からして、アメリカ政府は、ロシアや中国に対し、まして、この二大国間の戦略的提携に対する脅威とはならずに、好きなように軍拡競争が可能だ。

ネオコンは信用を失ったが、アメリカ外交政策には、彼らは依然強力な影響力を持っている。トランプが、連中をイデオロギー的沈滞に追いやるまでは、ロシアと中国は、戦略的提携を堅持するのが最善だ。この同盟を壊そうとするものは誰であれ、ロシアと中国の両国にとって、そしてアメリカと、地球上の生命にとっての脅威だ。


47. 中川隆[5790] koaQ7Jey 2017年1月01日 06:40:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6232]

2017.01.01
ロシアとトルコが主導してシリアの停戦が実現、その間にロシア大使が殺され、シリアで貯水池に毒


ロシアとトルコは12月29日にシリアにおける停戦で合意した。イランも合意文書の作成に参加、シリア政府や反シリア政府の7組織(戦闘員総数約6万人)も署名、国連もこの合意を認めたようだ。今月に入り、カタールはシリアへの侵略戦争から離脱、平和交渉にはエジプトも加わると見られている。

 しかし、アル・カイダ系武装集団(AQI、アル・ヌスラ、ファテー・アル・シャム/レバント征服戦線と名称を変更したが、その実態は同じ)やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は参加していないようだ。アメリカ、フランス、イギリス、サウジアラビアも停戦には参加していないが、そうした勢力が雇ってきたのがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュである。

 停戦の話し合いが進んでいた12月19日にアンカラでトルコ駐在のアンドレイ・カルロフ露大使が射殺され、28日と29日にはダマスカスのロシア大使館が攻撃された。話し合いを妨害するつもりだったのだろうが、成功していない。その間、23日にオバマ大統領はシリアの「反対者」への武器供給を認める法律に署名した。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対する支援を次期政権に押しつけるということだろう。

 ロシア系のメディアRTによると、ダマスカスに給水している貯水池にディーゼル燃料や毒が混ぜられ、24日から使用できない状態になっているという。一方、アレッポではダーイッシュが水を止めた。この地域ではダーイッシュやアル・カイダ系武装集団を支援するためにアメリカを含むNATO諸国やイスラエルの情報機関員が活動してきたと言われている。シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すために侵略戦争を始めた国々の一部は離脱したが、残った勢力は形振り構わず、和平への道を破壊しようとしているようだ。

 これまで戦争を煽ってきたアメリカなど西側の有力メディアにとっても状況は厳しい。シリアに平和が訪れて調査が進めば、自分たちがアメリカ政府の宣伝を垂れ流してきたことも発覚してしまう。「本当のこと」を伝えず、「権力者の代弁」を繰り返すそうしたメディアを無批判に信じてきた、あるいは信じた振りをしてきた人びとも責任を免れない。

 自戒を込めて書くのだが、多くの人は自分が望む心地よい情報を信じたがる。目先の個人的な利益を考えれば、どのような体制であろうと体制派である方が得であり、体制派であることを正当化する情報を欲しがることになる。有力メディアの重要な仕事は、そうした情報を流すことにある。

 ところで、アメリカが中東に破壊と殺戮を広めたのは2003年にイラクを先制攻撃してから。その際、大量破壊兵器が口実に使われ、今にもアメリカが核攻撃されるかのような話が流された。当時からそうした情報が嘘だと指摘されていたが、今では決定的。嘘を発信していた人びとも嘘を認めている。が、アメリカ人の53%は発見されなかった大量破壊兵器がイラクにあったと今でも信じているらしい。有力メディアの偽報道はバカにできないようだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701010000/


48. 中川隆[5935] koaQ7Jey 2017年1月08日 11:13:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6377]

2017.01.08
露との軍事的な緊張を高め、シリアで侵略軍の幹部と会談してきたマケイン議員がジョージア入り


アメリカのジョン・マケイン上院議員がリンゼイ・グラハム上院議員とアミー・クロバカーを伴い、バルト諸国、ウクライナ、そしてジョージア(グルジア)を訪問、アメリカはウラジミル・プーチンに対して立ち上がらなければならないとおだを上げた。ロシアとの関係修復を主張している次期アメリカ大統領、ドナルド・トランプに不安を抱いているネオコンの手下たちを落ち着かせようと考えたのかもしれない。

 これまでマケインは侵略戦争を推進するひとりとして活動してきた。ウクライナのクーデターを指揮していたチームに属していたビクトリア・ヌランドと並ぶ有名人だ。例えば2013年5月にはシリアへ密入国し、アブ・バクル・アル・バグダディを含む反政府軍の幹部と会談している。言うまでもなく、アル・バグダディは後にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)のトップと言われるようになる。

 その年の12月にはウクライナへ乗り込み、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すために反政府運動を鼓舞していた。2004年の大統領選挙で当選した際、新自由主義的な政策をウクライナに押しつけ、富を略奪しようと考えていた西側の支配層はデモや政府施設の包囲などでヤヌコビッチを排除することに成功していた。「オレンジ革命」だ。

 しかし、新自由主義の実態を知った国民は2010年の選挙でもヤヌコビッチを当選させた。そこで西側支配層はNGOを使って抗議活動を演出、2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集めることに成功していた。その翌月、マケインはウクライナで扇動活動を行ったわけだ。

 ウクライナでは反ヤヌコビッチ派と会談しているが、その際にマケインの横にいたジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使はビクトリア・ヌランド国務次官補と同じようにネオ・ナチを使ったクーデターを指揮していたチームの一員。パイアットとヌランドがクーデター後の閣僚について話し合い、外交的な解決を模索していたEUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と口にしたことは、その音声がYouTubeにアップロードされて広く知られている。

 昨年6月には台湾の蔡英文総統と会い、今回のバルト諸国、ウクライナ、ジョージアの歴訪だ。ウクライナやジョージアは中東や北アフリカの武装勢力、つまりアル・カイダ系の集団やそこから派生したダーイッシュへの武器密輸ルートだとも言われ、生物化学兵器に関係した秘密施設も存在していると疑われている。そうしたことが今回の歴訪と関係している可能性も否定はできない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701060001/


49. 中川隆[6041] koaQ7Jey 2017年1月14日 10:31:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6486]

偽ニュース創出に関する事例研究
Paul Craig Roberts 2017年1月6日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-b355.html


ここ何週間も、ドナルド・トランプ当選に対する、CIAや議会やマスコミ内の連中の手先による並外れた攻撃を我々は目にしている。ロシアによる選挙介入の産物だとして、トランプ当選の合法性を失わせようとする未曾有の取り組みで、CIA、マスコミ、上院議員や下院議員連中は、何の証拠もなしに、狂気じみた非難を続けている。トランプに対するCIAのメッセージははっきりしている。我々の計画に従え、さもなくば、我々はお前を目茶苦茶にするぞ。

CIAが、トランプに対して戦っているのは明らかだ。ところがマスコミ内のCIAの手先は、事実を、連中の頭のなかでひっくり返し、トランプがCIAを否定的に見ていると非難している。

“次期大統領ドナルド・トランプ、アメリカ諜報機関に対する厳しい批判者 . . .”で始まるダミアン・パレッタと、ジュリアン・E・バーンズによる1月4日のウオール・ストリート・ジャーナル記事を見てみよう。二人の売女マスコミ人は、立場を逆転して、偽ニュース記事を組み立てている。トランプは、CIAの過酷な非難の犠牲者ではなくて、CIAに対する過酷な批判者だというのだ。そういう論理で、記事はこう続く。

“トランプ氏の諜報機関幹部との対立に、ホワイト・ハウス幹部は、益々いらだっている。‘実におぞましい”と幹部は述べた。“これまでCIAを攻撃して無事で済んだ大統領はいない。’”

今や話は、CIAがトランプを攻撃しているのではなく、トランプがCIAを攻撃しているのであり、トランプを非難する主張が可能になる。

ホワイト・ハウスとの馴れ合いに染まった評論家連中はプーチンが彼を当選させたというCIA評価に対するトランプの不信に“不快感をもっている”。トランプは非難に対し、こう言って対応するよう期待されているのだ。私は正統ではありません。大統領を返上します。

ウィキリークスのアサンジは、ハッキングは無かったとはっきり発言している。情報は漏洩として、ウィキリークスが入手したもので、民主党全国委員会内からのものであることを示唆している。トランプがこのように考えているというのは、ある匿名幹部によれば“彼が、諜報機関ではなく、アサンジを支持しているのを見て、私はとてもゾッとしている”トランプは、彼を破滅させようとしているCIAを支持するよう期待されているのだ。

CIAは自ら墓穴を掘ったのだろうか? 大統領が、機関を信じていない場合、機関は一体どうやって、大統領に提供する情報を操作して、政策を支配できるだろう?

そう、言論を支配し、大統領を封じ込むのに利用できるマスコミがあるのだ。出版されたばかりの著書『組織犯罪としてのCIA』で、1950年代初期、CIAのモッキンバード作戦成功により、CIAは、ニューヨーク・タイムズ、ニューズウイーク、CBSや他の通信社の、著名メンバーや特約記者、総計、400人から、600人のマスコミ内の手先を手にいれたと、ダグラス・ヴァレンチンは書いている。しかも、それだけでは終わらない。

“CIAは、雑誌や出版社や、学生団体や文化団体の戦略的諜報ネットワークを立ち上げ、アメリカ国民に対する政治作戦や心理戦争作戦を含む秘密作戦用の偽装組織として利用した。諸外国では、この計画は、アメリカで言えば、容易に影響されやすいリベラルや、似非インテリ出世主義者にあたる、コード・メイヤーがCompatible Left(互換左翼?)と呼んだ連中を狙っていた。

“1960年代末に暴露されたとは言え、こうしたものはすべて継続中だ。インターネットを含め様々な技術が進歩し、世界中にネットワークを広げたが、多くの人々が、自分がその一環であることに気がつかず、彼らはCIA言説を推進している。‘アサド’は虐殺者’やら、‘プーチンはジャーナリストを殺害している’やら‘中国は弾圧的だ’と連中は言う。連中は自分が一体何を言っているか分かっていないが、このプロパガンダをまくしたてるのだ。”

フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥングの編集者としての経験から、CIAは、ヨーロッパのあらゆる重要ジャーナリストを掌握しているという本を書いたウド・ウルフコッテがいる。

真実を擁護する人々の中には、CIAが支配する印刷、TVメディアの影響力の縮小で、言説を支配する陰の政府の能力が弱まると期待する向きもあろう。ところが、CIAや国務省や、明らかにペンタゴンも、既にソーシャル・メディアで活動しており、連中は、真実を語る人々の信用を落とすために、書き込み欄で荒らし屋を活用している。

ハッキングのいかなる証拠も全く無しに、ロシアによるハッキングに関するあらゆる馬鹿げた主張を支持し、アメリカ諜報機関の根拠の無い主張を信じないかどでトランプを非難して、ニューヨーク・タイムズ編集者たちは、彼らが、CIAの全くの手先であることを暴露している。ジョン・ブレナンとジェームズ・クラッパーの取り組みを前にして、ドナルド・トランプ大統領の合法性をそこなうため、NYタイムズはこう問うている。“アメリカ諜報機関と、ロシアが大統領選挙に介入したという彼らの所見に不審を抱かせようと、ドナルド・トランプが一生懸命なもっともらしい理由は一体何なのだろう?” http://www.nytimes.com/2017/01/05/opinion/donald-trump-casts-intelligence-aside.html?_r=0

この疑問は、その逆の質問を引き出すことになる。“狂気じみた根拠のない主張を根拠に、ドナルド・トランプ大統領に不審を抱かせようと、NYタイムズが一生懸命な、もっともらしい理由は一体何なのだろう?”

偽ニュースが増殖中だ。今日(1月6日) ロイターは、こう報じている。“木曜日に(匿名の)アメリカ政府幹部が語った新たなアメリカ諜報報告によれば、CIAは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の指示で、民主党全国委員会や、党指導部からハッキングした資料を、第三者経由で、ウィキリークスに渡したロシア政府職員を特定した” http://www.reuters.com/article/us-usa-russia-cyber-celebrate-idUSKBN14P2NI

ロイターが言わんとしているが、明言していないのは、おそらくこういうことだろう。“匿名を条件に話した幹部は、CIAは、ハッキングした電子メールを、ウィキリークスに渡したロシア政府職員を特定していると主張しているが、その幹部は、ロシア政府職員が一体誰で、一体どうやって連中を特定したのか、ロイターには言わなかった。”

言い換えれば、ロイター記事は、CIAが吹き込んだもう一つのお話に過ぎない。マスコミ内の手先からのご好意だ。ウド・ウルフコッテが語ってくれている通り、物事はこうして動くのだ。

次にロイターは、報告は「極秘」だと言っている。もちろん、これはつまり、CIAの主張を裏付ける証拠を見ることは決してないということだ。CIAは情報を持っているが、我々に話すわけにはいかないということを信じろということなのだ。ロイター記事には何ら目新しいことはない。手先からのご好意だ。

ロイターのご好意まみれのニュース記事は、ロイターアサンジには資料の出所がわからず、国家機関から渡されたものではなかったと彼が言えるように、ハッキングされた資料は、ロシア軍の諜報機関から“まどろっこしい経路”を辿って、ウィキリークスの手に入ったと言っているのだ。

一体何が起きているのだろう? いくつか思い当たることがある。おそらく、それがウィキリークスを駆除する確実な方法なので、アサンジに、情報源を明らかにさせようと強いる取り組みがあるのだ(街頭で、不思議にも銃撃された民主党全国委員会スタッフがそうなのかも知れない)。ウィキリークスは、これまで情報源を明かしたことがない。一度出所を明かしてしまえば、今後いかなる漏洩も、ウィキリークスに入らなくなる。

もう一つの可能性は、トランプはプーチンのおかげで当選したという、狂気じみた根拠の無い非難をしつこく続けることで、CIAは、トランプに、連中が本気であることを明らかにしているのだ。トランプは強力な人物だが、もし彼がCIAブリーフィングを受けた後、CIAへの服従に代わるものが、死であると認識させられて、連中の言い分を受け入れたとしても驚いてはならない。


50. 中川隆[6056] koaQ7Jey 2017年1月15日 08:08:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6502]

1991年12月にソ連が消滅して以来、アメリカの支配層は世界制覇を実現するため、少なからぬ国の体制を「カラー革命」で倒してきた。例えば、2003年にジョージア(グルジア)で行われた「バラ革命」や2004年から05年にかけてウクライナで行われた「オレンジ革命」。

 イギリスのガーディアン紙によると、ユーゴスラビアの体制崩壊とグルジアでの「バラ革命」で黒幕的な役割を果たしたのはリチャード・マイルズなる人物。ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチを倒した際にマイルズはベルグラードのアメリカ大使館で総責任者を務め、ジョージア駐在大使に就任したのは2003年だ。着任すると、西側支配層が手先として使っていたミヘイル・サーカシビリの陣営をコーチしている。

 選挙でサーカシビリは大統領に選ばれるが、彼はロビイストとしてネオコン/シオニストのランドール・シューネマンを雇っていた。この人物は後にジョン・マケインの顧問になり、NATOの拡大、つまりロシアに対する軍事的な圧力を強めることにも積極的だ。

 ウクライナはナチズムへの親近感を持つ人の多い西部とロシアに親近感を持つ東部や南部に分かれる。政治的な思惑から人工的に作られた国のため、統一感は薄い。2004年の大統領選挙では東部や南部を地盤とするビクトル・ヤヌコビッチが当選したのだが、西側支配層はビクトル・ユシチェンコを大統領を支援していた。

 そこで西側はメディアを使ってヤヌコビッチ陣営が選挙で不正を働いたとする主張を展開、デモや政府施設への包囲も行われてキエフは大混乱になった。これは西側が仕掛けたことで、結局、東部や南部の住民の意思は無視され、ヤヌコビッチが大統領になる。

 ヤヌコビッチ政権は新自由主義を推進、政府と癒着した一部の集団が国の富を盗んで富豪になり、オリガルヒと呼ばれるようになった。それに対する反発で新自由主義派の人気は急落、再びヤヌコビッチが2010年の選挙で大統領に選ばれる。

 そのヤヌコビッチ政権を西側はネオ・ナチを使って倒した。このクーデターは2013年11月に始まる。キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まり、12月に入ると50万人が集まったとも言われている。

 そのクーデターを指揮していたグループに属すひとりのビクトリア・ヌランド国務次官補は2013年12月13日、米国ウクライナ基金の大会で、アメリカ政府は1991年からウクライナへ50億ドルを投入してきたと話している。

 翌年の2月4日にはヌランドがジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と電話で「次期政権」の人事について話し合っている音声が何者かによってインターネット上にアップロードされた。会話の中でヌランドは話し合いで解決しようとするEUに不快感を露骨に示し、「EUなんかくそくらえ」と口にしている。

 リークされた音声によると、ヌランドはジェフリー・フェルトマン国連事務次長とも連絡を取り合っていたようだが、このフェルトマンの評判も良くない。1991年から93年にかけてローレンス・イーグルバーガー国務副長官の下で東/中央ヨーロッパを担当、ユーゴスラビア解体に関与したと言われている。

 2004年から08年にかけてレバノン駐在大使を務めたが、その間、2005年2月にラフィク・ハリリ元レバノン首相が殺害されている。この暗殺事件を扱うために「レバノン特別法廷(STL)」が設置され、イスラム教シーア派のヒズボラに所属するという4名が起訴された。

 この法廷は2007年、国連の1757号決議に基づいて設置されたのだが、国連の下部機関というわけではない。年間85億円程度だという運営資金を出している主な国はアメリカ、サウジアラビア、フランス、イギリス、レバノン。

 2004年から08年にかけてレバノン駐在大使を務めたが、その間、2005年2月にラフィク・ハリリ元レバノン首相が殺害されている。この暗殺事件を扱うために「レバノン特別法廷(STL)」が設置され、イスラム教シーア派のヒズボラに所属するという4名が起訴された。

 この法廷は2007年、国連の1757号決議に基づいて設置されたのだが、国連の下部機関というわけではない。年間85億円程度だという運営資金を出している主な国はアメリカ、サウジアラビア、フランス、イギリス、レバノン。

 この事件では当初、「シリア黒幕説」が流され、2005年10月に国連国際独立委員会のデトレフ・メーリス調査官は「シリアやレバノンの情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」と主張、「シリア犯行説」に基づく報告書を安保理に提出している。イスラエルやアメリカの情報機関が殺害計画を知らなかったと想像しなかったようだ。

 アーマド・アブアダスなる人物が「自爆攻撃を実行する」と宣言する様子を撮影したビデオがアルジャジーラで放送されたが、このビデオをメーリスは無視。また、ズヒル・イブン・モハメド・サイド・サディクなる人物は、アブアダスが途中で自爆攻撃を拒否したため、シリア当局に殺されたとしているのだが、ドイツのシュピーゲル誌は、サイド・サディクが有罪判決を受けた詐欺師だと指摘する。

 しかも、この人物を連れてきたのがシリアのバシャール・アル・アサド政権に反対しているリファート・アル・アサドだという。サディクの兄弟によると、メーリスの報告書が出る前年の夏、サイドは電話で自分が「大金持ちになる」と話していたようだ。

 もうひとりの重要証人、フッサム・タヘル・フッサムはシリア関与に関する証言を取り消している。レバノン当局の人間に誘拐され、拷問を受けたというのだ。その上で、シリア関与の証言をすれば130万ドルを提供すると持ちかけられたと話している。

 メーリスの報告書が出された後、シリアやレバノンの軍幹部が容疑者扱いされるようになり、レバノン軍将官ら4人の身柄が拘束されたのだが、シュピーゲルの報道後、報告書の信頼度は大きく低下、シリアやレバノンを不安定化させたい勢力の意向に沿って作成されたと疑う人が増えた。

 2005年12月になるとメーリスは辞任せざるをえない状況に追い込まれ、翌月に辞めている。後に特別法廷は証拠不十分だとして4人の釈放を命じ、その代わりにヒズボラのメンバーが起訴された。ウクライナでクーデターを仕掛けた人脈とシリアの体制転覆を目論んでいる人脈は同じだと考えて良いだろう。

 ところで、ウクライナでは2014年2月18日頃からネオ・ナチは棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始め、広場では狙撃も行われる。この狙撃は西側支配層が操るネオ・ナチだった可能性が高い。

 例えば、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は26日にEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で報告しているが、それによると、パエト外相は次のように語っている:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合体(クーデター派)が調査したがらないほど本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチ(大統領)でなく、新連合体(反政府側)の誰かだというきわめて強い理解がある。」そして「新連合はもはや信用できない。」としている。この音声は3月5日にYouTubeへアップロードされた。

 パエトがウクライナ入りする3日前、ヤヌコビッチは暴力的に排除されている。憲法の規定を無視したクーデターだったことは間違いない。そのクーデターに反発、ウクライナからの離脱を住民投票で決めた「民意」を西側は非難し続けている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701150000/


51. 中川隆[6112] koaQ7Jey 2017年1月17日 10:48:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6558]

クリントンの世界戦略は1992年2月に国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツが中心になり、国防総省で作成されたDPGの草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)に基づいている。

アメリカの支配層は1991年12月にソ連を消滅させ、ロシアを属国化することに成功した。中国にはウォール街やシティのネットワークが張り巡らされ、ライバルは消滅したかのように見えたことから、彼らはアメリカを「唯一の超大国」だと位置づけ、そのアメリカに君臨している自分たちが世界の覇者になることは確定的だと考えたのだろう。アメリカという国ではなく、私的な権力が世界を支配するファシズム体制だ。

 残るは雑魚。旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配するだけだとネオコンは考え、ウォルフォウィッツ・ドクトリンは作成されたわけだ。

 つまり、ネオコンの戦略はロシアや中国がEUや日本と同じようにアメリカの属国だという前提で成り立っている。自立した国が残されていたとしても、脅せば屈するような弱小国ばかりのはずだった。

 その前提を崩したのがロシアのウラジミル・プーチンを中心とするグループだ。ロシアを再独立させることに成功、米英の巨大資本と結びつき、法律を無視して国の富を略奪していた腐敗勢力、いわゆるオリガルヒはそうした犯罪行為を理由にして逮捕されていく。逮捕を免れるため、ロンドンやイスラエルに逃れたオリガルヒも少なくない。

 前提が崩れたウォルフォウィッツ・ドクトリンは機能しない。シリアでは手先に使ってきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記する)はロシア軍の空爆で大きなダメージを受け、崩壊寸前だ。今でもアメリカやサウジアラビアなどから武器/兵器など物資の支援はあるようだが、トルコ政府がネオコンの戦略から離脱したこともあり、兵站線も細っている。

 ネオコンの戦略が機能しなくなった原因はプーチン露大統領にあるとも言える。西側の政府や有力メディアが彼を悪魔化して描き、激しく攻撃している理由はそこにある。プーチンを排除し、ロシアを再属国化しなければ世界制覇の野望は実現しない。

 生産手段を放棄したアメリカは基軸通貨を発行する権利だけで生きながらえている国になっている。カネを発行し、回収、あるいは吸収するという作業を続けているのだが、この流れが止まれば終わりだ。国が潰れるだけでなく、その背後にいる巨大資本が崩壊してしまう。いかなる手段を使ってもロシアや中国を「レジーム・チェンジ」し、属国にしなければならないのだ。だからこそ、ヒラリーはロシアや中国と核戦争も厭わない姿勢を見せていた。

 アメリカの歴史に登場する大統領の大多数は、こうした支配層のために尽くしてきた。0.01%にすぎない富豪の権力を強化するため、カネと情報がそこへ集中する仕組みを作ってきたのだ。そのためにアメリカの巨大金融資本は連邦準備制度を作って通貨の発行権を政府から盗み、「安全保障」を口実にして大多数の国民から情報を知る権利を奪った。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701160001/


52. 中川隆[6244] koaQ7Jey 2017年1月22日 09:58:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6695]
2017.01.22
トルコとロシアの接近は両軍戦闘機が共同してダーイッシュを攻撃する段階に達し、NATOに衝撃

トルコ軍の戦闘機8機がロシア軍の戦闘機9機と共同してダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の部隊を1月18日に空爆したと伝えられている。NATO加盟国の軍隊がロシア軍と手を組んだわけで、存在意義が問われているNATOにとって衝撃的な出来事だと言えそうだ。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2016年6月下旬にイスラエルとの和解を発表、ロシアのウラジミル・プーチン大統領に対してロシア軍機の撃墜を謝罪した。ネオコンが1992年2月に国防総省のDPG草案として作成した世界制覇計画、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンに両国政府は見切りをつけたと言えそうだ。

 1991年12月にソ連は消滅したが、それによってアメリカは唯一の超大国になったと認識、その超大国に君臨している自分たちは世界の覇者になろうとしていると考えた。そこで、2度とソ連のようなライバルが出現しないように、彼らは旧ソ連圏のほか西ヨーロッパ、東アジアなどがライバルに成長することを防ごうとする。そのためにも、力の基盤になるエネルギー源が地下に存在する西南アジアを支配しようと考えた。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、DPGが作成される前の年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていている。イラクはアメリカ軍が主導する連合軍の先制攻撃で、シリアはアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュを使った侵略でアメリカ政府は破壊と殺戮を実行してきた。

 石油を支配すれば国家を支配でき、食糧を支配すれば人びとを支配でき、カネを支配すれば全世界を支配できるとヘンリー・キッシンジャーは1970年代に語ったと言われている。カネは基軸通貨として扱われているドルを巨大金融機関が支配、食糧は遺伝子操作作物を蔓延させることで支配を狙っている。

 こうした支配の及んでいない数少ない国のひとつがロシアだ。石油/天然ガスの輸出国であり、食糧も自給でき、ドル決済からの離脱を進めている。そのロシアを支配するためなら核戦争も厭わないとう姿勢を見せていたのがジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマといった大統領であり、ヒラリー・クリントンがその後継者になるはずだった。

 ヨーロッパは勿論、中東や北アフリカを軍事的に制圧する道具としてNATOは機能してきた。そうした軍事行動を進める上でトルコの果たした役割は大きかったのだが、NATOを動かしてきたネオコンの戦略がトルコを経済的に破綻させ、ロシアへ接近させることになったのが現在の状況だ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権にも同じことが言える。

 ネオコンの戦略で苦境に陥ったもうひとつの国がサウジアラビア。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの雇い主だが、石油価格の下落で財政赤字が深刻化している。アメリカの対ダーイッシュ攻撃に参加する姿勢を見せている背景にはそうした状況がある。アメリカの対ダーイッシュ攻撃は見せかけにすぎないということもあるが、そうした姿勢を見せねばならなくなっていることは確かだ。ドナルド・トランプ政権の国務長官、エクソンモービルの会長兼CEOだったレックス・ティラーソンはサウジアラビアにとって頼みの綱だろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701220000/


53. 中川隆[6568] koaQ7Jey 2017年2月06日 17:04:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7025]

2017.02.06
米露の関係修復を阻止するためにネオコン上院議員がウクライナ入りし、米欧州陸軍司令官は挑発


シリア制圧に失敗したネオコンなどアメリカの好戦派は矛先を再びウクライナに向けている。彼らが担いでいたヒラリー・クリントンが大統領選挙で敗北した翌月、ジョン・マケインとリンゼイ・グラハムのネオコン上院議員コンビはジョージア(グルジア)、バルト諸国、そしてウクライナを訪問、ウクライナではペトロ・ポロシェンコ大統領と会談している。その約1カ月後、1月下旬からウクライナ東部のドンバス(ドネツク、ルガンスク、ドネプロペトロフスク)に対するキエフ軍の攻撃が激化、2月4日にはルガンスクの軍司令官の自動車が爆破され、司令官は死亡した。言うまでもなく、キエフ軍の攻撃は停戦合意に違反している。

 その一方、アメリカ欧州陸軍のベン・ホッジス司令官はポーランドに送り込まれたアメリカ軍の戦車に一斉射撃させた。ホッジスによると、これはロシアに対する戦略的なメッセージなのだという。EUからロシアへ向かって勢力範囲を拡大させてきたのはアメリカ/NATOだが、ホッジスのような人びとはロシアが接近しているように見えるようだ。

 まだソ連が存在していた1990年、東西ドイツが統一されたのだが、その際、アメリカのジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へ拡大させることはないと約束したことが記録に残っている。ミハイル・ゴルバチョフにしろシュワルナゼにしろ、そうしたアメリカの約束を信じるのはおめでたいのだが、ともかく信じた。

 その翌年、1991年7月にロンドンで開かれたG7の首脳会談でアメリカなど西側の首脳は新自由主義をロシアに強要する。これにゴルバチョフは難色を示したのは当然だが、その瞬間に西側はロシアのトップを挿げ替える工作を始める。新たな傀儡に選ばれたのがボリス・エリツィンだ。エリツィンはその月にロシア大統領に就任している。

 その期待に応え、エリツィンは12月にウクライナのレオニード・クラフチュクやベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチとベロベーシの森で秘密会議を開いてソ連からの離脱を決め、ソ連を消滅させた。それ以来、アメリカは東へ勢力範囲を広げ続けている。

 アメリカがヨーロッパを支配する仕組みのひとつ、NATOも東側の国々を呑み込み始めた。まず1999年にはチェコ、ハンガリー、ポーランド、そして2004年にはブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、2009年にアルバニア、クロアチアといった具合にNATOへ加盟していく。

 当然、NATO加盟国はロシアに接近していくことになるが、SACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)だったフィリップ・ブリードラブはロシアの脅威が増していると表現している。ホッジス司令官と同じことを言っているわけだ。そうした中でウクライナのクーデターは引き起こされた。

 クーデターが動き出したのは2013年11月。キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まったのが始まりだ。当初はカーニバル的なもので、人びとは膨らんでいく。

 規模が大きくなったところで登場してきたのがネオ・ナチのグループ。そのメンバーを西側は軍事訓練して準備していた。そのネオ・ナチのグループは2014年2月18日頃からチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、中にはピストルやライフルを撃つ人間も出始める。その間、ウクライナ政府は西側の命令に従い、強硬手段には出ていない。

 2月21日にビクトル・ヤヌコビッチ大統領と反ヤヌコビッチ派は平和協定に調印するが、22日に狙撃で多くの死者が出始め、議会の議長を務めていたボロディミール・リバクは「EU派」の脅迫で辞任、アレクサンドル・トゥルチノフが後任になる。憲法の規定を無視して新議長を議会が大統領代行に任命したのはこの日だ。

 何度も書いてきたことだが、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、反政府側が実行したと強く示唆している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」

 ヤヌコビッチ排除はネオ・ナチが前面に出たクーデターだったことをEUは知っていたということだ。その上で西側はキエフ政権を支持、ネオ・ナチによるクーデターに反発して自立の道を歩み始めたクリミア、オデッサ、ドンバス(ドネツク、ルガンスク、ドネプロペトロフスク)の人びと、そしてロシアを罵ってきた。

 このクーデターを仕掛けたチームの中心にはアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補やジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使がいた。このふたりがヤヌコビッチ後の閣僚人事を話し合っている音声が2月4日の段階でYouTubeにアップロードされている。マケイン上院議員らはこのときもクーデターを扇動するためにウクライナへ乗り込んでいた。

 マケインたちがウクライナ入りした昨年12月、退任直前のバラク・オバマ大統領もロシアを挑発し、米露関係を少しでも悪化させようと努力していた。ロシアの外交官35名を含む96名のロシア人を国外へ追放したのだ。

 今年1月6日にはアブラムズM1A1戦車87輌を含む戦闘車両がドイツに陸揚げ、戦闘ヘリのブラック・ホーク50機、10機のCH-47、アパッチ24機なども送り込まれた。派兵されたアメリカ兵の人数は2200名。この派兵は演習のためではなくロシアに対する戦略的なメッセージだとホッジス司令官は語ったわけだ。

 相変わらずアメリカのメディアもロシア攻撃を続けているが、政治コメンテーターのビル・オライリーはドナルド・トランプ大統領にインタビューした際、ウラジミル・プーチンを「人殺し」と表現した。それに対してトランプは「われわれの国がそれほど罪がないとあなたは考えているのか?」と応じている。

 オバマ政権からトランプ政権へ移行しても西側では偽情報が蔓延、ロシアやプーチンを悪魔化するプロパガンダが続いているが、オライリーの発言はその一例だ。マケインやグラハムのような上院議員だけでなく、アメリカ欧州陸軍のホッジス司令官のような軍人もそうしたプロパガンダと連携している。トランプ政権は国務省だけでなく、軍も掌握できていない可能性が高い。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702060000/


54. 中川隆[6731] koaQ7Jey 2017年2月15日 17:53:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7192]

2017.02.14
ロシアとアメリカとの関係修復を目指すフリン補佐官を外部だけでなく政権内でも排除する動き


ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力はロシアや中国を屈服させ、アメリカを唯一の超大国にし、パクス・アメリカーナを実現しようとしていた。この2カ国がアメリカの脅しに屈するとは思えないのだが、脅しをエスカレートさせれば何とかなると今でも思っているのだろう。その先には全面核戦争しかない。それに対し、ドナルド・トランプはロシアとの関係修復を訴え、大統領に当選した。その政策の象徴と言えるのが国務長官に就任したレックス・ティラーソンと国家安全保障担当補佐官になったマイケル・フリンだ。

 このフリンをホワイトハウスから追い出そうとする動きがトランプ政権の内部で強まっていると報道されている。2012年7月から14年8月までアメリカ軍の情報機関DIAを率いていた軍人で、その間、2012年8月にDIAはシリア情勢に関する文書を作成、オバマ政権へ提出している。

 フリンのグループを攻撃する拠点のひとつがCIA。ここにきてCIAはフリンの側近で、NSC(国家安全保障会議)のアフリカ担当上級部長を務めるロビン・タウンレーがNSCでの仕事に必要な秘密情報利用許可を求めたところ、CIAから拒否されたという。つまりCIAは彼をNSCから追い出した。

 タウンレーは海兵隊の情報将校だった人物で、長い間トップ・シークレット・レベルの秘密情報利用許可を受けていた。そうしたことから考えると、セキュリティー上の問題ではなく、フリンのグループを恐れているということだろう。2001年9月11日以降、偽情報を作り出す仕事しかしていないCIAにとって、情報のプロは目障りなはずだ。しかもフリンはロシアとアメリカとの関係を改善しようとし、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険だと考えている。本ブログでは何度も指摘してきたように、CIAはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを作り上げる上で中心的な役割を果たしてきた。

 フリンの排除は首席戦略官のスティーブ・バノンも狙っていると伝えられている。有力メディアもフリンとロシア政府との話し合いを問題にし、民主党もフリンの早い追放を望んでいるようだ。CIAにしろ、バノンにしろ、民主党にしろ、フリンを嫌う理由はロシアとの核戦争を回避しようという姿勢だ。

 ロシアとの問題とつながるが、ヒラリーの周辺は、自分たちの手先である戦闘集団をアメリカ軍がロシア軍と一緒に攻撃するという事態は許せないだろう。勿論、フリンもイランを攻撃すればロシアと戦争になることは理解している。つまり、イランへ軍事侵攻する可能性は小さい。

 問題はイランでなくサウジアラビア。いうまでもなくサウジアラビアとアメリカの支配層は石油で強く結びついている。生産を放棄し、基軸通貨であるドルを発行する権利で生きながらえているアメリカはサウジアラビアをはじめとするOPEC諸国に石油のドル決済を要求、代償として支配層の地位を保証してきた。ドルを回収するペトロダラーの仕組みだ。

 サウジアラビアがアル・カイダ系武装集団、ダーイッシュ、あるいはチェチェンの武装勢力など一般に「テロリスト」と呼ばれている人びとのスポンサーだということはアメリカの政治家や軍人でさえ口にしている。そのひとりがフリンで、2015年8月にはアル・ジャジーラの番組で、ダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の決定があったからだと指摘している。そうではあるが、アメリカ政府はサウジアラビアの体制を揺るがすようなことをできないだろう。

 イランの体制を破壊したいと考えているのはネオコンとサウジアラビアである。ネオコンのポール・ウォルフォウィッツが1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていたことはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官が2015年に語っている。

 そのネオコンと関係の深いユダヤ資金が選挙キャンペーン中、トランプ陣営へ流れ込んでいたとする情報があることは本ブログでも紹介した。投票結果は判明して間もない昨年11月13日に放送された番組の中で、ロシア外務省の広報担当者を務めるマリア・ザハロバはアメリカの大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っているのだ。彼女によると、9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたとしている。

 トランプ陣営のユダヤ人脈はトランプの娘イバンカからつながっている。夫で大統領の顧問を務めるジャレッド・クシュナーはユダヤ系なのだ。その父親であるチャールズは上級顧問に就任している。トランプ陣営に最も多額の選挙資金を寄付した人物がカジノを経営するユダヤ系のシェルドン・アデルソンだということも本ブログで紹介した通りだ。アデルソンは日本政府に対し、日本でカジノを経営させろと要求している。

 副大統領のマイク・ペンスもイスラエルについて次のように述べた:「イスラエルがわれわれの最も大切な同盟国だということを知っています。そして、イスラエルの自衛権、われわれが自分を守る行動をとるように、彼らが自国を守る必要からそうした行動をとることを私は強く支持します。」
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702140000/


2017.02.15
フリン補佐官の辞任で露国との関係悪化を目論む勢力は喜んでいるだろうが、それで米国に見切りも

マイケル・フリン国家安全保障担当補佐官が2月13日に辞任した。事実上の解任だ。ヒラリー・クリントンを担いでいたネオコンなど好戦派はロシアとアメリカのと関係改善、いわは「デタント」を推進すると公言していたドナルド・トランプを憎悪、その背後にいたフリンを排除しようと必死だった。

 前回も書いたようにフリン攻撃の拠点のひとつはCIAだが、首席戦略官のスティーブ・バノンも同じ立場で、反フリンの波はトランプ政権の内部にも押し寄せていた。そうした波を侵入させるルートのひとつだと考えれているのが大統領の娘イバンカ。彼女が結婚したジャレッド・クシュナーは大統領の顧問を務め、その父親でドナルド・トランプの同業者でもあるチャールズは上級顧問になっているのだが、ユダヤ系なのだ。ユダヤ系の影響力という点では、多額の選挙資金を寄付したカジノ経営者、シェルドン・アデルソンも忘れてはならない。

 今回の辞任劇はワシントン・ポスト紙が先陣を切った。トランプが大統領に就任する1カ月ほど前、フリンがセルゲイ・キスリャクと話をし、その中でアメリカがロシアに対して行っている「制裁」を話題にしたことが問題だと報じたのだ。

 この「制裁」とはキエフのクーデター政権がクリミアにあるセバストポリの基地を制圧に失敗したことなどに対する腹いせだと言えるだろう。1997年にウクライナとロシアとの間で締結された協定でロシアはこの基地を20年間使え、さらに25年間の延長が認められていた。それに伴ってロシア軍は2万5000名の駐留が可能になり、実際は1万6000名のロシア兵が駐留していた。クーデター直後、西側の政府やメディアは「侵略軍」だと宣伝していたのはこの駐留軍だ。

 クーデターを拒否する住民が多かったクリミアでは3月16日にロシアの構成主体になることの是非を問う住民投票が実施され、80%の有権者が参加、その95%以上が加盟に賛成し、すぐに防衛体制に入った。

 この住民投票では国外から監視団が入り、公正なものだったことが確認されているが、その投票結果を認めるわけにはいかない西側の支配層は投票に不正があったと宣伝している。ネオ・ナチが憲法の規定を無視して実権を握ったキエフの暫定政権を正当だとする一方、クリミアの「民意」は認めないというわけだ。

 このクーデターは2013年11月21日にキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で始まったが、その前日、議会ではオレグ・ツァロフ議員がクーデター計画の存在を指摘していた。ツァロフ議員によると、ウクライナを内戦状態にするプロジェクトをアメリカ大使館はジェオフリー・パイアット大使を中心に準備、NGOがその手先として動くことになっていたという。

 抗議活動が広がる中、EUは話し合いでの解決を模索するのだが、それに激怒していたのがビクトリア・ヌランド国務次官補。2014年2月4日にYouTubeへアップロードされたヌランドとパイアットとの会話では次期政権の人事について話し合われ、ヌランドはアルセニー・ヤツェニュクを強く推していたが、その一方で「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と口にしている。ちなみに、ヤツェニュクは実際、クーデター後、首相に就任した。

 その音声が公開された後、2月18日頃からネオ・ナチが前面に出て来て暴力が激しくなる。棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら、石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始めたのだ。

 当時、広場をコントロールしていたのはネオ・ナチの幹部として知られているアンドレイ・パルビー。この人物はソ連が消滅した1991年にオレフ・チャフニボクと「ウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)」というネオ・ナチ系の政党を創設、クーデター後には国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任、2014年8月までその職にあった。同年9月にはヤツェニュクたちと新たな政党「人民戦線」を組織して議員になる。

 広場では無差別の狙撃があり、少なからぬ犠牲者が出た。西側の政府やメディアは狙撃をビクトル・ヤヌコビッチ政府側によるものだと宣伝したが、スナイパーがいたのはパルビーの管理下にあったビル。2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は事実が逆だと報告している。

 反大統領派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をした結果で、その内容を26日にEUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトンへ電話で報告する。

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」

 勿論、この報告はアシュトンにとって都合の悪い事実で、封印してしまった。

 クーデター後、アメリカの傭兵会社、アカデミ(旧社名はブラックウォーター。2009年からXe、10年から現社名)系列のグレイストーンは400名の戦闘員を派遣、アカデミはウクライナ政府の要請で射撃、市街戦、接近戦、兵站などの訓練をしたようだ。また、アメリカ政府は訓練のためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として派遣、国防総省は戦略と政策の専門家チーム、つまり軍事顧問団をキエフへ送り込んでいる。2014年4月23日には第173空挺旅団をポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアへ派遣した。

 空挺団が派遣される11日前、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問し、4月22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問、それにタイミングを合わせるようにしてオデッサでの工作に関する会議が開かれている。この会議に出席したのは大統領代行、内相代行、SBU(情報機関)長官代行、そしてユーロマイダンの惨劇を演出したパルビー、さらにオブザーバーとしてドニエプロペトロフスクの知事で三重国籍のシオニスト、イゴール・コロモイスキー。

 オデッサで反クーデター派の住民が虐殺されのは会議の10日後。その数日前にパルビーは数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチへ運んでいる。その装具を受け取ったミコラ・ボルコフは虐殺の当日、労働組合会館へ向かって銃を発射、状況をキエフの何者かに報告する様子が映像に残っている。

 虐殺は午前8時に「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた人びとがフーリガンやネオ・ナチを抗議活動が行われていた広場へ誘導したのだ。誘導した集団は「NATOの秘密部隊」だと疑われているUNA-UNSOだと言われている。

 虐殺を仕掛けたグループは、住民を労働組合会館の中へ誘導、そこが殺戮の舞台になった。殺戮の現場を隠すことが目的だったとも推測されている。48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられているが、これは確認された数字で、住民の証言によると、多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名。虐殺の調査をキエフ政権は拒否、その政権の後ろ盾になってきた西側も消極的で、実態は今でも明確になっていない。

 オデッサの虐殺から1週間後の5月9日、ソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日にキエフ軍の戦車がドネツク州マリウポリ市に突入、住民が殺された。記念日を狙ったのは心理的なダメージを狙っただけでなく、住民が街頭に出てくることを見越してのことだったと言われている。5月11日に予定されていた住民投票を止めさせることも目的だっただろうが、予定通りに投票は行われ、独立の意思が明確になった。

 それに対し、6月2日にデレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りし、そのタイミングでキエフ軍はルガンスクで住宅街を空爆、建物を破壊し、住民を殺し始めた。民族浄化作戦の始まりだ。この戦乱は今でも終結せず、ここにきてNATOがロシアとの国境近くで威嚇的な演習を実施、キエフ軍によるドンバスへの攻撃は激しくなっている。

 ロシアを制圧するというアメリカ支配層の目論見は崩れ、その報復として行っているのが「制裁」なのだが、この「制裁」はロシアを助けることになっていると指摘する人もいる。ロシア経済に対する西側巨大資本の影響力を弱め、生産活動を活性化させたというのである。「制裁」の解除をロシア政府は歓迎しないだろうともいう。フリンがこの「制裁」についてロシア側と話し合ったことを問題にするのは、「制裁」がロシアにダメージを与えているという妄想に基づいている。そうした様子を見ている世界の人びとがアメリカに見切りをつける可能性も小さくない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702140000/


55. 中川隆[7097] koaQ7Jey 2017年3月13日 17:51:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7563]

オバマのウクライナ・クーデターは250万人のウクライナ難民ロシア流入を引き起こした
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/250-d600.html
2017年3月13日 マスコミに載らない海外記事 Eric ZUESSE 2017年3月12日

3月7日火曜日、ウクライナ難民のロシアへの殺到に対応している、つまり、ウクライナで民主的に選ばれたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領を打倒した、アメリカ大統領バラク・オバマによる2014年クーデターの結果、ウクライナから逃れた人々に対応しているロシアの幹部議員が、 2014年2月クーデター後、ロシアで亡命を受け入れられたウクライナからの亡命申請者の包括的数値を初めて発表した。ロシア政府は、これまで公式に数値を発表してこなかったが、“失業補償を含む様々な社会福祉の受領が許される”公式難民認定を含む、ウクライナ難民各人が政府に登録される難民処理システムを立ち上げた。

タスはこう報道している。

東ウクライナでの紛争勃発以来、ロシアは、2,500,000人以上の難民を受け入れたと、ロシア上院副議長で、南東ウクライナ住民公的支援委員会委員長のユーリー・ヴォロビヨフが、火曜日に述べた。

“ヨーロッパは900,000人の[難民]を受け入れて、おののいているが、我々は、2,500,000人以上の難民を国内に受け入れ、支援を提供し続けている”と“ロシア-ドンバス: 新たな協力の仕組み”の討論会冒頭に彼は述べた。

こうした何百万人もの難民を産み出したクーデターは、アメリカホワイト・ハウスにより、2011年以来計画されており、2014年2月20日に頂点に達した。同じ日に、クリミア住民の75%が投票した大統領打倒に反対するプラカードを持って、キエフで立っていた何百人ものクリミア住民は、クーデター支持者によって攻撃された(、実際には、ウクライナの民主主義を終わらせた連中に率いられていたのに、ウクライナで“マイダン革命”は‘民主主義’を要求しているものとして宣伝された)。これらのクリミア住民は即座に、彼らをキエフに運んだ8台のバスに乗車し、故郷へ向け出発したが、アメリカ政府が支援する右派セクター武装集団が、必死のバス追跡を開始し、キエフの外、コルスンの町で、何台かを燃やし、抗議行動参加者の多くを虐殺した。これは“コルスン大虐殺”と呼ばれるようになり、クリミア内のクリミア住民は、即座に、クリミアが、1954年までそうだったように、再度ロシアの一部になるよう抗議行動を開始した。

クリミア住民は、アメリカ合州国よりも、ロシアを圧倒的に好んでおり、現在、キエフで支配する人種差別主義反ロシア政府に怯えていた。この恐怖、単に虐殺だけによもるのではなく、75%のクリミア住民が、オバマが打倒した人物に投票していたためだけでもなく、クリミア住民の大半が(とヤヌコーヴィチに投票した大半のウクライナ人が)、実際にクーデターを行った右派セクター連中による、親ロシア派ウクライナ人に対する人種差別主義の強烈な憎悪を十分知っていたためでもある。2014年3月16日に、クリミアで住民投票が行われ、ロシア再編入賛成票は90%を超えた。すると、アメリカのオバマ大統領は、クリミアをロシアに受け入れたかどで、ロシアに経済制裁を課した。こうした経済制裁や、キエフの新たな軍事政権に対するアメリカの軍事支援が、公式に西欧の対ロシア冷戦を再開することになった(実際には、ソ連が1991年に崩壊して以来、ロシアに対し、秘かに継続していた。冷戦は、ロシア側でのみ終わっていたのだ)。

もちろん、アメリカのオバマ大統領は、票の90%が、ヤヌコーヴィチだった、ウクライナの極東地域、ドンバス住民が、それ以降のいかなる全国的なウクライナ大統領選挙でも、アメリカが押しつけたウクライナ政権によるウクライナ支配の継続を不可能にしかねないことを認識していたのだ。それゆえ、彼のウクライナ政府は、彼らを出来るだけ多く殺害し、できるだけ多くのドンバス住民をロシアに逃れるよう仕向けるドンバスでの民族浄化作戦を開始したのだ。これら有権者を追い出すことは、オバマのウクライナ作戦成功には必要不可欠だった。この民族浄化こそが、一体なぜ250万人の元ウクライナ人が現在ロシアで暮らしているかという理由だ。ウクライナ有権者の中に、彼らがい続ければ、ウクライナ政府に対するアメリカの支配継続を危うくするので、それは認めがたいことだった。これらの250万人は、現在、こうして、ウクライナから完全に追い出され、おそらく、こうした有権者の十分な人数が、アメリカが、ウクライナ支配を継続する中、ドンバスが、再びウクライナの一部になることが可能になるよう、ウクライナから去ったのだ。

アメリカや、アメリカ支配層に牛耳られている他の国々では、マスコミは一般的に、ウクライナ難民に関し、“ロシア政府の政策は、彼らをロシア国民が耐えているより一層不利な立場においており”、これら難民は、アメリカ政府のせいではなく、ロシア政府のせいで苦しんでいるというようなことを言って、ロシアを批判している。

アメリカのドナルド・トランプ新大統領は、対ロシア経済制裁は、クリミアもドンバスも、再びウクライナの一部になるまで終わらないことをはっきりさせた。だから彼は前任者のロシア政策を支持しているのだ。言い換えれば、ロシアを絞め殺すための(サダム・フセインやムアマル・カダフィや、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチを含むロシアに対して友好的な指導者を抹殺するなどして - バッシャール・アル・アサドに対しても同じことを行おうとしている)アメリカの戦争は継続するだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/03/12/obama-ukrainian-coup-caused-millions-ukrainian-refugees-into-russia.html


56. 中川隆[7287] koaQ7Jey 2017年3月23日 11:33:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7759]

2017.03.23
APはトランプの元キャンペーン・マネージャーがプーチンの敵対勢力と結びついていたと報道した


ドナルド・トランプのキャンペーン・マネージャーを務めたポール・マナフォートがロシアの富豪、オレグ・デリパスカと反ロシア勢力の撲滅を目的としたロビー活動の契約を結んでいたとAPが伝えている。ジョージ・W・ブッシュ政権の時代から2014年まで続いたとしているが、その間、アメリカとロシアとの関係は悪化している。これに対し、デリパスカの広報担当、ベラ・クロチキナは報道内容を否定、デリパスカはロシア関係の仕事でマナフォートに金銭を支払っている事実はなく、デリパスカの投資に関して助言するだけだと反論した。

デリパスカが世界最大のアルミニウム会社といわれるRUSALを所有していることは事実だが、ウラジミル・プーチンに近い人物だとする説明は正しくないだろう。デリパスカが結婚した相手の父親であるバレンチン・ユマショフはボリス・エリツィンの一派に属し、その妻はエリツィンの娘タチアナである。デリパスカはプーチンにしっぽを握られないよう、慎重に動いているはずだ。

エリツィンが西側巨大資本の傀儡としてソ連を消滅させた経緯は本ブログでも何度か書いてきた。そのエリツィンは飲んだくれだったこともあり、クレムリンはタチアナが仕切っていたと言われている。その時代、「規制緩和」と「私有化」を旗印にして国の資産を一部の人間が略奪していた。

この当時のロシアについて、フォーブス誌の編集者だったポール・クレブニコフは腐敗したクレムリンの高官と結びついた人びとによる富の略奪を詳しく書いている。その人びとは犯罪組織を従え、情報機関や特殊部隊の隊員や元隊員を雇っていた。そうした人びとは巨万の富を築き、オリガルヒと呼ばれるようになる。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)

クレブニコフが焦点をあてたオリガルヒはボリス・ベレゾフスキーだった。チェチェン・マフィアと結びついた人物で、ユダヤ系だったこともあり、イスラエルとの関係も深い。ベレゾフスキーはプーチンを屈服させることに失敗、イギリスへ逃亡した。そのイギリスでは2003年に出た裁判の判決でクレイブニコフの著作は読めなくなったが、そのほかの国では購入できる。それを阻止できないのは、裁判を起こしても名誉毀損が極度に厳しく取り締まられているイギリスのような結果を期待できないからだと見られている。

そのクレブニコフは2004年7月にモスクワで射殺され、当然のことながら、少なからぬ人はベレゾフスキーを疑った。ベレゾフスキーの背後にはチェチェンの反ロシア武装勢力や犯罪組織が存在、ひとりのジャーナリストを殺すことは難しくない。

チェチェンの反ロシア勢力がCIAと深く結びついていることも本ブログでは指摘してきたが、サウジアラビアの情報機関、総合情報庁で長官を務めていたバンダル・ビン・スルタン(通称、バンダル・ブッシュ)がチェチェンで武装勢力を動かしていた可能性が高いことも今では知られている。言うまでもなく、CIAとサウジアラビアの情報機関はパートナーの関係にある。2014年にウクライナでネオコンを後ろ盾とするクーデターが成功した際、ネオ・ナチとチェチェンの武装勢力との関係も指摘された。2011年にシリアで始まった侵略戦争にもチェチェンの戦闘員が参加している。

このチェチェンにおける戦闘を調べていたことで有名な記者がいる。アンナ・ポリトコフスカヤだ。2006年10月に殺され、西側ではウラジミル・プーチンが殺したとするキャンペーンが展開された。プーチンが命令した可能性もゼロではないが、彼女の立場がどうであれ、知ってはならないチェチェンの事実を知った場合は危険な状況になる。シリアでの出来事を見ても、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの「三国同盟」はジャーナリストの犠牲が必要だと判断すれば殺す可能性が高い。

ところで、デリパスカはエリツィンの娘を中心とする腐敗勢力と結びついているだけではない。ビジネス上、密接に結びついているRUSNNOのアナトリー・チュバイスは外交問題評議会(CFR)やJPモルガン・チェースの顧問会議で顧問を務め、CIAと関係のある国際開発ハーバード研究所(HIID)ともつながっている。現在、ロシアに残っている西側巨大資本の傀儡ネットワークの中心人物と見られているのがこのチュバイスにほかならない。

また、デリパスカが融資を受けている相手はナット・ロスチャイルド、つまりジェイコブ・ロスチャイルドの息子。言うまでもなく、現在、ロスチャイルド親子はプーチンと熾烈な戦いを展開、ジョージ・ソロスやヒラリー・クリントンとも結びついている。

もしAPの記事が正しいなら、ポール・マナフォートはロスチャイルドやエリツィンの娘、つまりプーチンと敵対関係にある人脈と結びついていたことになる。それはそれで興味深い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703230000/


57. 中川隆[7303] koaQ7Jey 2017年3月24日 07:23:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7776]

2017.03.24
西側やペルシャ湾岸産油国に破壊されたリビアの軍総司令官の要請でロシアが特殊部隊を派遣か?


ロシアの特殊部隊がエジプトの西部、リビアとの国境から100キロメートルほどの場所にある空軍基地へ派遣されたという情報が流れている。ロイターによると、その部隊の規模は22名だとエジプト治安当局者から聞いたという。別の基地へロシア軍の6部隊が入ったとも言われている。ただ、エジプト軍はロシア軍がエジプト領へ派遣された事実はないと主張している。そうした情報もあってか、アメリカ支配層はロシアのリビア介入を恐れている。

2011年春、アメリカ、フランス、イギリス、サウジアラビア、カタール、イスラエル、トルコなどはムスリム同胞団やワッハーブ派/サラフ主義者を主力とする傭兵部隊を使い、リビアやシリアに侵略戦争を仕掛けた。リビアではNATOの航空兵力とアル・カイダ系武装集団LIFGの地上軍が連携して「レジーム・チェンジ」に成功、ムアンマル・アル・カダフィを惨殺した。2011年10月のことだ。

リビアでもシリアでも西側諸国をはじめ、いくつかの国が特殊部隊を潜入させている。リビアの場合、戦乱が始まった翌月の3月上旬には6名のSAS(イギリスの特殊部隊)メンバーと2名のMI6(イギリスの対外情報機関)オフィサーがヘリコプターでベンガジの近くに潜入、後にベンガジの港からフリゲート艦「カンバーランド」で帰路についている。

NATOによる空爆が始まるのは3月中旬。イギリスのデイリー・メール紙によると、当時、地上ではSASの隊員が潜入していた可能性がある。最終局面、トリポリ攻撃の数週間前から、イギリスの軍や情報機関は反カダフィ軍に対する支援を活発化させたとも言われている。

例えば、TNC(暫定国民評議会)が作成した攻撃プランをMI6のオフィサーが添削して整え、イギリス軍は武器、通信機器、そして精鋭部隊をトリポリに送り込んでいたという。首都攻撃は始まるとすぐにイギリス軍は5発の精密誘導爆弾をリビア情報機関の基地に落とし、夜にはトルネード戦闘機がトリポリ南西部にある重要な通信施設を破壊している。

カダフィは10月にシルトの近くでイギリスの偵察機に発見され、フランスの戦闘機が2発のレーザー誘導爆弾を車列に投下、アメリカ軍の無人機プレデターの攻撃も受け、最後は反政府武装グループからリンチを受けた上でカダフィは殺された。シルト攻撃には電子機器を専門とするアメリカ人が市内の動向を監視、SASは反政府軍を指揮していたとも伝えられている。

カダフィ体制が崩壊した後、CIAは戦闘員と武器をトルコ経由でシリアへ輸送しているのだが、その拠点になっていたのがベンガジのアメリカ領事館。武器の中には化学兵器も含まれていたと言われている。

その後、リビアは無政府状態になり、シリアでは今でも戦闘が続いている。侵略軍であるアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はアメリカ、イギリス、フランス、トルコのNATO加盟国、サウジアラビア、カタールのペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルが後ろ盾になっている。

イスラエルはシリアに対する空爆を繰り返し、負傷したアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの戦闘員を救出、治療してきた。2013年9月には駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンがバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。

大統領時代、バラク・オバマはアメリカ軍の情報機関DIAが「穏健派」は存在しないという警告を無視、反シリア政府軍を支援し、少なくとも結果として、ダーイッシュの勢力を拡大させた。この政策を批判したDIA局長、つまりマイケル・フリンは2014年4月に退役を発表している。

現在でもアラブ首長国連邦やフランスは特殊部隊を入れているようだが、リビアの混乱は治まりそうもない。そうした中、昨年11月に選挙で選ばれた政権の軍総司令官を務めるハリファ・ハフターはロシアを訪問、ロシアの外相と会談している。ハフターはロシアに軍事的な支援を要請したと言われている。

2015年9月28日にウラジミル・プーチン露大統領は国連の安全保障理事会で演説、その中で「民主主義や進歩の勝利ではなく、暴力、貧困、そして社会的惨事を我々は招いてしまった。生きる権利を含む人権を少しでも気にかける人はいない。こうした事態を作り上げた人びとに言いたい:あなたは自分たちがしでかしたこと理解しているのかと。しかし、誰もこの問いに答えないでしょう。うぬぼれや自分は特別で何をしても許されるという信念に基づく政策は、捨てられることがなかった。」と語っている。

この「あなた」はアメリカをはじめとする西側がの好戦派だ。その2日後、9月30日にロシア軍はシリア政府の要請に基づいて同国内で空爆を開始、アメリカなどと違ってアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを本当に攻撃、戦況は一変した。その結果、今では侵略軍は追い詰められている。そうした武装勢力の幹部をアメリカ軍が救出、替わってアメリカ軍を要衝へ派遣している。例えば、ラッカには第11海兵遠征部隊、アレッポのマンビジにはアメリカ陸軍第75歩兵連隊といった具合だ。

アメリカ政府の指示に従っている限り、戦乱が続くことは明白。シリアでアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを敗北寸前まで追い込んだのはロシアだ。ハフターのロシア訪問はそうした事実を反映したものだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703220000/


58. 中川隆[7424] koaQ7Jey 2017年3月30日 20:03:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7905]
2017.03.30
イラン大統領がモスクワを訪問してプーチン大統領と会談、両国は連携を強めて米国と対地する


イランのハサン・ロウハニ大統領が3月27日から28日にかけてロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談した。すでに両国とシリアは連携を強めていて、昨年4月には防空システムS-300がイランへ引き渡されている。このイランやイランの同盟国であるシリアに対する秘密工作を始めたアメリカ、サウジアラビア、イスラエルの3カ国がロシア、シリア、イランの3カ国と対立していることは間違いない。

2013年6月に行われたイランの大統領選挙で勝利したロウハニはハシェミ・ラフサンジャニ元大統領の側近と言われ、欧米では「改革派」、あるいは「穏健派」と呼ばれていた。かつて、ラフサンジャニは「経済改革」を実施、新たな経済エリートを生み出して庶民を貧困化させている。つまり、欧米の支配層にとって好ましい人物。

ラフサンジャニ時代にできあがった利権集団は欧米の巨大資本と結びつき、現在に至るまで大きな力を持ち続けている。その利権集団と戦ったのがマフムード・アフマディネジャド前大統領。まずパールシヤーン銀行にメスを入れようとしたのだが、成功しなかった。

西側の支配層はラフサンジャニの側近にも同じことを期待したかもしれないが、その願いは実現しなかった。ラフサンジャニ流の「改革」を推進しようとすれば庶民が強く反発するはずで、ラフサンジャニの側近だったといえども、露骨な資本主義化は難しい。実際、露骨なことはしなかったようだ。

ロシアと中国はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(上海協力機構/中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、2016年にインドとパキスタンが加盟の署名)という形でまとまっているが、現在、SCOのオブザーバー国になっているイランはSCOの正式な加盟国になろうとしている。

その一方、マネーゲームにのめり込んでいるアメリカは生産力が大きく低下、基軸通貨を発行する特権で生きながらえている状態であり、サウジアラビアは原油価格の下落や侵略戦争で財政赤字が深刻化、カネの力で維持してきた支配システムが揺らぎ、イスラエルはロシアへ接近する姿勢も見せている。

アメリカが経済力で中国やロシアに勝つことは難しい状況で、アヘン戦争の時と同じように軍事力を使うしかないのだろうが、その軍事力も怪しい。アメリカ軍は人間を虐殺する能力はあっても戦争に勝つ能力はないと言われているが、それだけでなく、肥大化した軍事産業が金儲けを優先、高性能より高コストの武器/兵器を開発していることも大きい。通常兵器でアメリカがロシアや中国に勝つことは難しく、ロシアとアメリカが軍事衝突すれば全面核戦争になるだろう。

1991年にソ連が消滅した後、報復核攻撃の心配が薄らいだと考えたネオコンは核兵器を実際に使える兵器だと見なすようになったと言われている。ベトナム戦争の当時、ペンタゴン・ペーパーを作成したポール・ジョンストンもそのように分析していたという。(Paul H. Johnstone, “From MAD to Madness,” Clarity Press, 2017)バラク・オバマ大統領もそうした流れで政策を作成していた。昨年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが負けたことで核戦争の危機は薄らいだと見られているものの、消えたわけではない。そうしたアメリカと対峙するため、ロシア、中国、イラン、シリアといった国々は手を組んでいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703300000/


59. 中川隆[7435] koaQ7Jey 2017年3月31日 13:44:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7916]

ロシアを揺さぶるためにサウジアラビアとアメリカは原油価格を引き下げたと言われているが、そのロシアよりアメリカやサウジアラビアがダメージを受け、サウジアラビアの財政赤字は深刻化している。

基軸通貨として扱われているドルを発行する特権で生きながらえているアメリカはドルを社会から回収することでインフレを防いでいる。

そのひとつの仕組みが石油取引のドル決済、いわゆるペトロダラーだ。産油国がドルを集め、それをアメリカへ還流させている。金融取引の規制緩和で投機市場もドルを吸収してきた。

サウジアラビアは重要な産油国だというだけでなく、ドルを使ったアメリカのマルチ商法を維持する上でもなくてはならない存在。そのサウジアラビアが揺らぐとアメリカも揺らいでしまう。

かつてドル離れを目論んだイラクやリビアは破壊されたが、現在、ロシアや中国もドル離れを進めている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703310000/


60. 中川隆[7455] koaQ7Jey 2017年4月01日 15:00:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7936]

2017.04.01
ロシアに巣くう西側巨大資本の傀儡集団に属すメドベージェフ首相が抗議の対象になっている


ウラジミル・プーチン大統領がロシア国内で抱えている最大の問題は経済部門を支配している親西側派だと言われている。そうした一派に属すドミトリ・メドベージェフ首相に対し、汚職追放を掲げるグループが抗議活動を展開しているようだ。昨年11月にはメドベージェフの仲間と見られていたアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が収賄の容疑で逮捕されている。その際、メドベージェフは寝耳に水だったという。

親西側派の中で最も注目されているひとりがアナトリー・チュバイス元第1副首相。ボリス・エリツィンによって経済政策の中心に据えられた人物で、CIAと関係が深いHIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携、JPモルガン・チェースの顧問会議のメンバーで、CFR(外交問題評議会)の顧問も務めている。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

このチュバイスとビジネスの上で深く結びついているひとりがロシアのアルミニウム産業に君臨しているオリガルヒのオレグ・デリパスカ。この人物はイギリスのナット・ロスチャイルドから「助言」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

デリパスカの妻、ポリナの父親バレンチン・ユマシェフが結婚した相手がボリス・エリツィンの娘タチアナ。ユマシェフはエリツィンの側近だった。

タチアナはエリツィンが大統領だった時代からクレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にして富を築いてきた人物で、ウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと結婚していた。ウラジミル・プーチンの登場でドゥヤチェンコの立場が揺らぐと離婚、2001年にユマシェフと再婚している。

メドベージェフやデリパスカをプーチンに近いと言う人もいるようだが、これは正しくない。西側巨大資本がロシアに残した「トロイの木馬」と言うべきだろう。その「木馬」を速やかに処分できるかどうかにロシアの将来はかかっていると考えている人もいる。メドベージェフの動向は注目し続ける必要があるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704010000/


61. 中川隆[7522] koaQ7Jey 2017年4月04日 14:54:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8006]

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年にネイコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると口にし、その翌年に国防総省のDPG草稿という形で世界制覇プラン(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を作成している。

2001年9月11日の攻撃から10日後にはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランをドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺は攻撃予定国リストに載せていた。

これにロシアや中国が加わったのは、21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたからにほかならない。ボリス・エリツィン時代のロシアはアメリカの属国と化していた。

プーチンによってウォルフォウィッツ・ドクトリンは破綻、それを強引に推進しようとしてネオコンは迷走、全面核戦争の危機が高まっているのだ。1991年のソ連消滅で自分の「立ち位置」を修正、「唯一の超大国アメリカ」を体制内へ自分を組み込んだ人びとも迷走しているようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704040000/


62. 中川隆[7556] koaQ7Jey 2017年4月06日 13:55:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8041]

偽ニュースと偽TV専門家に苦しめられているアメリカ
Wayne MADSEN 2017年4月3日 Strategic Culture Foundation
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/tv-0b0e.html
最近、アメリカ上院情報特別委員会が、一部、ロシアが2016年選挙中にアメリカ合州国に対する大規模な“偽ニュース”キャンペーンを始めたという非難に向けた聴聞会を行った。代替の外国ニュース情報源が、アメリカ国民に人気があるのは、ロサンゼルスとニューヨークに本社を構える“娯楽情報”産業が、膨大な量の“まやかしニュース”をアメリカで、24時間、7日間たれ流して、アメリカのニュース視聴者を“白痴化”した後の現象であることを指摘する必要がある。

ロシア・トゥディ(RT)、中国のCCTV、アル・ジャジーラ、中南米のテレスールや、イランのPress TVが、アメリカ合州国に登場するやいなや、環境に適応できないハリウッド・スター連中に関するすっきりなしの子供だましではなく、本当のニュースを報道することで、彼らはあっと言う間に人気を得た。2001年9月11日のテロ攻撃以降、多くのアメリカ人は、外国ニュースが、ペンタゴン、中央情報局(CIA)や外交問題評議会のレンズを通して浄化されているのにうんざりしていたのだ。

多くのアメリカ人が、テレビを、RTやアル・ジャジーラや他の国際衛星ニュース・ネットワークに切り替え始めるやいなや、ニュースを装ったプロパガンダを行うのになじみがある当時の国務長官ヒラリー・クリントンなどのアメリカ政治家や、マスコミ内の連中の傀儡連中がアメリカ人を狙った“外国プロパガンダ”に文句を言いはじめた。アメリカ諜報機関のニュース操作者連中から見れば、“外国プロパガンダ”という表現は、“ラテン語の“プロパガンダ”という言葉は、アメリカの奥地に住む白痴化されたアメリカ人が理解するには難しすぎるので、現在は偽ニュース”に変更されている。

ロシアとトランプ政権を一挙に悪者扱いするため、CIAと国家安全保障局は、何人かの元職員に、テレビ、ラジオやツィッターにうってでて、ロシア政府とのつながりとされるものと、2016年選挙運動中、ロシアが指揮する“偽ニュース”アラシやボットに頼っていたかどで、トランプをこき下ろすのを認めている。CIA、NSA、国家安全保障会議や他のアメリカ諜報機関が、元職員や退職者にマスコミへの出演を奨励しているのは、アメリカ諜報界の狙いを推進するためだ。CIAの現場工作員はウソをつくように訓練されているのだ。ところが、ロシア、トランプ、外国ロビイストや他の“悪魔連中”についてわめき散らす、こうした偽プロパガンダ流布者を出演させれば満足のアメリカ・マスコミは、この事実を無視している。

MS-NBCが、アメリカ海軍在職中の最高職位が上級上等兵曹だった人物を“アメリカの諜報専門家”としているのは最大の欺瞞だ。この人物はあらゆる諜報情報にアクセスできていたかのように振る舞っているが、NSAのアラビア語専門家としての現役軍務でも許可されていなかったはずだ。下士官兵で、将校ではない上級上等兵曹も、少なくともMS-NBCプロデューサーにとって、二つ星や三つ星将官と比肩するものだったのだ。これは商業マスコミで、軍や諜報分野におけるわずかな経験を持った人々がどれだけ不足しているかの一例に過ぎない。

CNNが雇っている別の諜報“専門家”は、2001年初め、CIA湾岸問題局からジョージ・W・ブッシュの国家安全保障会議に転任させられていた。ところがトランプ ホワイト・ハウスに対する“ロシアの影響力”を激しく非難して胸を叩いている“専門家”は、サウジアラビアや湾岸諸国の金が、2001年初めと中頃、後に9/11攻撃をすることとなったアルカイダ・テロリスト集団への資金提供に使われていたことを確かめることができなかった。

フォックス・ニューズは、CIA後の自慢できることは、ニューヨークを本拠とするホスト、ドン・アイマスやグレッグ・“オピー”ヒューズやアンソニー・カミア (“オピー & アンソニー”)などの“過激発言をする”ラジオディスクジョッキー番組出演だという元CIA作戦職員“専門家”を起用している。この元CIA職員は、トランプの“ロシア問題”を、すべて元国家安全保障顧問マイケル・フリンになすりつける主要な発言者で、フリン最大の“犯罪”は、以前のロビーイング関係に関して、マイク・ペンス副大統領に正直に言わなかったことだと主張している。こうした偽情報流布の専門家者の念頭にあるのは、ペンスのような元インディアナ州ラジオ・トークショーの不気味なホストにウソをつくのは“犯罪”と同類だということだけかも知れない。

マイケル・モレル代理CIA長官や、ジョン・マクラフリンやマイケル・ヘイデンCIA・NSA長官や、CIA総合弁護士ジョン・リゾを含む元アメリカ諜報機関高官連中は、テレビに進んで出演し、トランプや彼の幹部を、ロシアとの接触で嘲笑している。これは、アメリカ
諜報権力過去にはなかった政治問題化の新たな高まりを示している。トランプ ホワイト・ハウスに対する厳しい報復を呼びかける連中の出演を進んで受け入れるあらゆるテレビ局に押し寄せることで、こうした諜報機関の陰の権力構造メンバー連中は、アメリカ政権に対する“陰の政府”の陰謀という主張を産み出しているのだ。

これらやらせ諜報専門家の口から語られる“ロシア”、“中国”、“ロシア銀行”やトランプ ホワイト・ハウスの脅威にまつわる延々と続く呼吸亢進は、CIA、NSA、国家情報長官事務所や、アメリカ・サイバー軍内部の情報工作組織が指揮しているものだ。これら専門家に、CIA、NSAや他の機関に“買収されている”議員連中が加わったプロパガンダに過ぎない。この連中には下院情報特別委員会筆頭理事アダム・シフ下院議員、上院情報特別委員会院長のリチャード・バー上院議員、上院情報特別委員会有力メンバーのマーク・ウォーナー上院議員、アリゾナ州のジョン・マケイン上院議員、サウスカロライナ州のリンジー・グラハム上院議員、カリフォルニア州のダイアン・ファインスタイン上院議員やオレゴン州のロン・ワイデン上院議員などがいる。

60年以上のCIAの歴史は、CIA偽情報・プロパガンダ工作を推進するよう仕組まれたニュース操作の例に満ちていることからして、CIAが突然“偽ニュース”を懸念するように改宗したのはお笑い種だ。CIAのモッキンバード作戦は、偽情報を広めるため、主要アメリカ新聞、放送局や雑誌出版社内に、CIA諜報機関の出先を作り出すことが狙いだった。そうすることで、この機関が、イラン、グアテマラ、シリア、英領ギアナ、イラク、ラオス、トーゴ、南ベトナム、ブラジル、ボリビア、インドネシア、ドミニカ共和国、ガーナ、カンボジア、チリ、オーストラリア、チャド、スリナム、グレナダ、フィジー、ブルキナファソ、パナマ、ガンビア、ルワンダ、ハイチ、ネパール、タイ、ホンジュラス、パラグアイ、リビアやウクライナの政府を転覆させてきたのを隠蔽するため、CIAは偽ニュース記事を作り出した。ジョン・F・ケネディ大統領に対する1963年クーデターも、このリストに加えることが可能だ、ケネディ暗殺を共謀した連中の一部が関与した1972年ウォーターゲート作戦は最終的にリチャード・ニクソン大統領を退陣させるよう仕組まれていた。

アメリカの諜報社会は、アメリカ合州国で、もう一つのマッカーシー時代を画策しているのだ。1955年に、反共産主義運動家ロバート・ストラウスツ・ヒュープが設立した、CIAとつながっている海外政策調査研究所で現在働いている、新たに作り出された“サイバー・セキュリティー専門家”元であるFBI職員クリント・ワッツは、2016年選挙におけるロシアの“干渉”に関する最近の上院情報特別委員会聴聞会で最重要証人だった。ジョセフ・マッカーシー上院議員やストラウスツ・ヒュープの1950年代の反ロシア・プロパガンダをオウム返しにして、ワッツはこう主張した。“2015年末から2016年頭まで、ロシアの影響を受けた体制が、大統領選挙結果に影響を与えようとして、話題やメッセージを押し出し始めた . . . ロシアによる公然のマスコミ言論と、非公然のアラシは、クレムリンに対する敵対的見解を持った政界内両派の競争相手を脇に追いやることを狙っていた”。

ワッツは、上院情報特別委員会メンバーのマルコ・ルビオ上院議員に、ルビオもそうした標的の一つだったと言った。ワッツは、マイアミ男娼としてのルビオのいかがわしい過去や、彼とマイアミのオンライン・ゲイ・ポルノ写真商売人とのつながりは全てロシアの“あらし屋”による産物だと全国に信じさせようとしたのだ。だが、ルビオの汚点は、上院議員の自業自得で、“ロシア”や他の外国のせいにできるものではない。1963年夏、彼のキューバ人の父親が、ニューオリンズで、リー・ハーヴェイ・オズワルドと一緒に活動していたことに関して、決して率直とは言えないテキサス州選出のテッド・クルス上院議員にも同じことが言える。

要するに、トランプとロシア“偽ニュース”に関する議会調査と、商業マスコミによる過剰宣伝報道など、すべてたわごとだ。偽ニュースで、何か教訓を得たいのであれば、CIAや、モッキンバード作戦や、この機関の“壮大なワーリッツァー”プロパガンダが、たわ言を言って、しっぽを振るマスコミに与えていた歴史を何かお読み頂きたい。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/04/03/america-plagued-with-fake-news-and-fake-tv-experts.html


63. 2017年4月07日 16:59:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8063]

2017年04月07日
ロシアに仕掛けたアメリカの罠 プーチンはどうして孤立したのか

外交音痴オバマとKGBプーチンは、水と油のように反発した
引用:https://jp.sputniknews.com/images/98/41/984198.jpg


ロシアの苦境

ロシアでは2012年5月に2度目のプーチン政権が発足して以来、国内世論というものが無くなり、プーチンに賛成する意見だけになった。

選挙では常にプーチン勢力が圧勝し、世論調査でもプーチンと政府の支持率は主要国でトップを維持している。

だがプーチン大統領のいくつかの失敗によって、ロシア経済は破綻の危機に陥り、今も非常に厳しい状況にある。

      

ロシア連邦統計局によると2016年末の貧困層は約1980万人で、1年前より30万人増えていた。

ロシアの人口は1億4300万人で、ソ連崩壊前からずっと減少傾向にあり、少子高齢化ならぬ少子短命型社会になっている。

平均寿命は70歳と西側諸国より5歳から10歳短く、国外に移住する人が多く、13%が貧困生活をしている。


AFPによると西側の対ロ制裁前の2014年に貧困層は1610万人だったので、経済制裁は確実にロシアを貧しくしたのが分かる。

ロシアはプーチンが最初に大統領に就任した2000年代には、原油や資源価格の高騰で大儲けし、「新ロシア人」という富裕層も生まれました。

ロシア経済は西側から歓迎されてサミットはG7から「G8」になったが、ある大失敗によって西側経済から排除される事になった。

ウクライナ危機で経済制裁

それは勿論2014年に起きたウクライナ危機で、プーチンとロシアはアメリカのオバマ大統領の出方を完全に見誤った。

プーチンは旧ソ連KGB出身で国際政治と軍事のプロ、オバマは外交音痴とアメリカ人から揶揄されるほど外交は苦手だった。

ウクライナは本来もっと小さな少数民族の国だったが、旧ソ連が統合して現在のウクライナをつくり、ソ連崩壊以降もずっとロシアの支配下にあった。


ウクライナにはロシア人やロシア系居住者が多く、独立後の大統領はずっと親ロシアだったが、そこにアメリカがちょっかいを出してきた。

2005年から2010年まで反ロシア、親米のシモチェンコ大統領が自由主義を唱えたが、政治腐敗が酷くて失脚し、2010年に再び親露派のヤヌコーヴィチが当選した。

するとアメリカはヤヌコーヴィチは非民主的だから選挙は無効だと言い出し、爆弾や火炎瓶でテロを起こすような連中を公然と支援し、「テロ資金」を提供した。


ウクライナテロはアメリカの支援で拡大の一途を辿り、2014年には全土を戦場にする暴動に発展し、政府がテロリストに占拠されたため、ヤヌコーヴィチは任期を1年残して失脚した。

呆れた事にアメリカは、一応民主的な選挙で当選したヤヌコーヴィチを独裁者だと批判し、テロで政府を占拠した新政権を「民主的だ」とすぐに承認したのだった。

これでロシア人とプーチンのアメリカへの憎悪が沸点に達し、以降外交上の損得を度外視して、「鬼畜米英」への復讐に走ってしまうのだった。

米ロ関係がこじれた経緯


やってもいない「戦争犯罪」をでっち上げたり、選挙でその国の国民が選んだ人物を「独裁者」呼ばわりしてテロを起こさせたり、アメリカはこういう事をずっとやってきたし、大好きなのである。

アメリカ先住民の「インディアン」という蔑称で呼ばれた人達は、5000万人も居たらしいが、このような手口で分断され現在は勢力としては壊滅している。


アメリカがハワイを併合した手口も同じで、濡れ衣で汚名を着せたり、テロを起こさせたりし、犯罪者に仕立て上げて自分の領土にした。

全てアメリカに非があり、プーチンの主張は100%正しいのだが、世の中は「正しい」事と損得勘定は別なのだった。

オバマは歴代大統領で一二を争う外交音痴だったから、そんな事をしたらロシア人の怒りが爆発すると思わなかった。


プーチンはオバマがやったのと同じ手段でウクライナ東部とクリミアで反米独立運動を起こさせ、クリミア半島を住民投票によって併合してしまった。

ここでも正しい手続きを踏んだのは、クリミアで住民投票を行ったロシアだが、この際正しいかどうかはもう関係がなくなっていた。

オバマは自分の唱えた「正義」が侮辱されたのに激怒し、オバマの激怒とプーチンの激怒は経済制裁になってロシアに降りかかった。


プーチンは活路を求めてシリアに軍を派遣して、アメリカと対立するシリア政府を支援し、反政府勢力を空爆している。

オバマは退陣し米民主党が破れたが、シリア政府とアメリカの関係は険悪化し、トランプ大統領はついに、シリアとの戦争を口にしている。

現在の米ロ情勢はざっとこんな所で、オバマ大統領が外交をまったく理解せず、プーチンが怒りを制御できなかった事から修復困難になっている。

アメリカ伝統の戦法とは

損得勘定を考えたら、日本はアメリカの要望を聞き入れて占領した中国の一部を譲渡すれば良かったし、プーチンはウクライナでアメリカの利権を認めれば良かった。

アメリカ人が求めているのはいつの時代でも「金」であり、ビジネスパートナーとして満州やウクライナの共同経営者になるべきだった。

無理難題を吹っかけてきて相手を激怒させ、濡れ衣で汚名を着せて失墜させるのは、アメリカの伝統芸能とすら言える。


アメリカの建国以来(以前)からの常套手段が敵対国家で暴動を起こさせる手段であり、割愛するがフランス革命も、フランスへの借金で苦しんだアメリカが暴動を起こすよう仕向けた。

当然ロシア国内でも、反プーチン暴動を起こすようにアメリカは活動していて、プーチン政権は必然的に国内民主化を弾圧する。

アメリカは日米貿易摩擦が激化した1990年代には日本でも「民主化」(暴動と同義語)を煽動し、非自民政権の必要性を熱心に主張していた。


2000年代後半に「アラブの春」というイスラム民主化運動があり、香港の民主化暴動にも一枚絡んでいる。

これらはどれも失敗に終わり、首謀者は処罰されたり、かえって混乱を引き起こした。

ロシアでは現在、若者による民主化デモが全国に広がり、反プーチン運動が活発化しているが、アメリカが背後で後押ししていると見るのが自然です。


政府はデモを呼びかけるサイトを閉鎖したり、先導者を拘束して防止しているが、放置すればロシアそのものがウクライナになるでしょう。

こうした暴動の種を各国で植え付けて、煽動して資金援助しているのがアメリカだと言われていて、軍事力を用いずに敵国を倒す諜報戦の一環です。

これからも世界に紛争の種は尽きないでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/70356667.html


64. 中川隆[7630] koaQ7Jey 2017年4月09日 23:45:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8117]

2017-04-06
反プーチンデモと地下鉄爆破、ロシアで何が起きているのか
http://www.kanekashi.com/blog/2017/04/5224.html

3月末にはロシア全土90か所で反プーチン大統領デモが発生、そして4月3日にはプーチン大統領のおひざ元であるサンクトペテルブルクの地下鉄で爆弾テロ発生と、ロシア国内でプーチン体制を揺るがすような事件が続発しています。一体何が起こっているのでしょうか。

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反プーチンデモと地下鉄爆破テロの背景には、金貸しを中心にしたグローバリズムを推進する勢力と、プーチン・トランプ大統領に象徴される反グローバリズム勢力の対立構造が存在しています。

今回のテロの原因となっている、イスラム過激派勢力の台頭は、アラブの春と言われる民主化運動の結果であり、アラブの春も、イスラム過激派も、シリア内戦も、グローバリズム勢力が仕掛けている現象です。

アラブの春は、民主化運動という側面もありますが、グローバリズムに反対する独裁政権を倒し、市場開放を行うことが最大の狙いだったと思われます。そして、その結果発生したシリア内戦の反体制軍を支援したのが、オバマ大統領時代のアメリカやEU諸国でした。アラブの春からシリア内戦へと至る流れは、グローバリズム勢力によって作られたものなのです。EUが積極的に難民を受け入れたのも、人道的な理由だけではなく、労働市場を開放し、グローバリズムを推進することも大きな目的の一つなのです。

これに対して、プーチン大統領、トランプ大統領は市場開放よりも各国の安定を重視する立場から、シリアでは独裁政権によるアレッポ奪還、停戦合意の道を選んだのです。これは、シリア難民などの移民の増大に反対する、EU諸国の極右勢力の期待に応える行動でもありました。

そして、今回のロシアでのやり口は、シリア内戦に至る経緯と非常によく似ているのです。アラブの春でも、SNSが火付け役になりましたが、今回のロシアの反プーチンデモに火を付けたのもSNSでした。そして、爆弾テロにはグローバリズム勢力が支援する反体制派勢力が関与していると思われます。

これまでは、イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領就任、ヨーロッパ諸国での極勢力の台頭、シリア内戦の停戦合意など、グローバリズム勢力がどんどん追い詰められてきていました。今回の、反プーチンデモも地下鉄爆破テロも、追い詰められたグローバリズム勢力の必死の反抗だと思われます。

これからは、国家間の対立という構図に加えて、各国内のグローバリズム勢力と反グローバリズム勢力の戦いが勃発するという複雑な構造になり、ますます、テロや内戦のような解決が困難な問題が増えて行くと思われます。

■地下鉄で爆発14人死亡 キルギス系の男、自爆テロか2017年04月04日

治安当局筋は実行犯の男1人が起こした自爆テロとの見方を示している。中央アジア・キルギスの治安当局関係者は、実行犯とみられる人物が同国出身のロシア人、アクバルジョン・ジャリロフ容疑者だと述べた。一方、自爆テロの実行犯がシリアの反体制派武装勢力と関係があるとの見方を示した。この実行犯がジャリロフ容疑者かどうかは不明。

■プーチン露大統領「中国のネット規制を批判すべきでない」2017年04月04日

ロシアのプーチン大統領は、全ロシア人民戦線のメディアフォーラムで、「中国のインターネット規制のモデルを批判すべきではない」と語った。「ネットの規制は社会の発展レベルに沿ったものでなければならない」との見解を示した。

■ロシア地下鉄爆発 10人死亡 プーチン氏訪問中に テロの可能性で捜査2017年4月3日

ロシア北西部にある同国第2の都市サンクトペテルブルクの地下鉄で3日午後(日本時間同日夜)、爆発があり、市当局によると、10人が死亡した。プーチン大統領は当時、サンクトペテルブルクを訪問しており、テロの可能性も含めて捜査すると表明した。

■<ロシア>反体制派を懐柔か 大統領選にらみ批判と対話2017年4月1日

ロシア各地で3月末に起きた大規模な反政府デモを受け、プーチン露政権は反体制派に硬軟両面の対応を示している。プーチン大統領自身はデモを「違法行為だ」と批判したが、側近は「政府と市民の対話」に言及。

■北極圏国際会議が一変、プーチン大統領が欧米批判2017年03月31日

各国の代表を前に北極開発への協力を呼びかける立場であるはずのプーチン大統領は、ロシアがおかれた政治的窮状を訴え続けました。「在アメリカのロシア大使との接触は制限されている。彼とのどんな動きもスパイ活動として、敵対的に受け止められ、これにはあきれます」(ロシア プーチン大統領)また、プーチン大統領はアメリカ大統領選への介入疑惑を改めて否定しました。

■プーチン氏、米ロ首脳会談「フィンランドはふさわしい場所」2017年03月31日

ロシアのプーチン大統領は、アメリカ・トランプ大統領との初の会談を行う場所としてフィンランドが「ふさわしい」と語りました。会談のためには「米ロ両国が準備を行うべき」だとして、それが行われれば「喜んで参加する」と会談に意欲を示しました。

■「プーチンのいないロシアを!」モスクワなどで大規模デモ 野党勢力の指導者が拘束される2017年03月27日

モスクワやサンクトペテルブルクなどロシア各地の都市で3月26日、野党勢力の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の呼び掛けで、プーチン政権の汚職に抗議する反政権デモが開かれた。ニューヨークタイムズによると、デモは首都モスクワのほか第2の都市サンクトペテルブルク、中部のエカテリンブルク、極東のウラジオストクなど約90カ所で実施。

■仏大統領選の極右候補ルペン氏、ロシアのプーチン大統領と会見2017年3月24日

プーチン大統領がルペン氏に対し、「今起きている出来事に対して影響を与えようとは決して思っていないが、パートナーである欧州の国々や米国と同様、われわれにはフランスのあらゆる政治勢力の代表と連絡を取り合う権利を有している」と述べ、「私は、欧州の政治勢力においてかなり急速に発展している一分野をあなたが代表していることを知っている」と語ったと伝えている。

■オランダ総選挙、極右の伸び悩み なぜ?2017年3月16日

極右政党が第一党になるか世界の関心が集まっていたオランダの総選挙は、ルッテ首相率いる与党が勝利し、「オランダのトランプ」と言われるウィルダース党首率いる極右・自由党は伸び悩む結果となった。ただし、自由党の議席自体は増えている。極右政党に対する一定の支持があることが改めて裏付けられたとも言える。

■エルドアン大統領、プーチン大統領の発表を伝える2017年3月12日

エルドアン大統領は、ロシア訪問の際にロシア側が、「我々がトルコに対抗して武装テロ組織を支持することはない。」と言ったと述べ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がシリアの国土の一体性に賛成しているとあらゆることに関して語ったと述べ、「プーチン大統領は武装テロ組織に対抗しており、特にトルコに対しこのようなことはしないと強調した。」と述べた。

■プーチンはシリアのISISを掃討するか──国内に過激派を抱えるジレンマ2017年03月08日

チェチェン共和国でテロ攻撃が増加している。ISISに参加していた戦闘員が、ISISの劣勢を受けてロシアに帰国しているからだ。ロシア政府はシリア介入の大義にISISの壊滅を掲げたが、ISISの掃討作戦が上手くいけばいくほど、かえってISISの戦闘員が逆流し、チェチェンの不安定な情勢に拍車をかける恐れがある。果たしてロシアはそんなリスクを冒しても、ISISを本気で壊滅させるつもりだろうか。
http://www.kanekashi.com/blog/2017/04/5224.html


65. 中川隆[7691] koaQ7Jey 2017年4月12日 11:38:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8179]

2017.04.12
有毒ガスの流出が偽旗作戦だという公然の秘密をプーチン露大統領は記者会見で明言して米を批判

アメリカのレックス・ティラーソン国務長官がロシアを訪問する直前、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との共同記者会見に臨んでいる。その席上、4月4日の有毒ガス流出事件は偽旗作戦だと明言、さらなる化学兵器による攻撃が計画されていると語っている。

今回の毒ガス事件にシリア政府は責任がなく、それに続いて4月7日に実行されたアメリカ軍によるシリア軍の空軍基地攻撃に正当性がないことはCIAも認めていることだが、それをプーチンが口にしたことは興味深い。プーチンはティラーソン長官と会談もしない。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、マイク・ポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、4月6日、つまり巡航ミサイルによる攻撃の前日に、バシャール・アル・アサド大統領は致死性毒ガスの放出に責任はなさそうだとドナルド・トランプ大統領に説明していたという。

化学兵器がシリアの反政府軍、つまりアメリカなどNATO諸国、サウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルなどが送り込んだアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が保有するようになるのは遅くとも2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された後。CIAはリビアから武器をトルコ経由でシリアの反政府軍へ秘密裏に運ぶのだが、その中に化学兵器も含まれていた。

そうした工作の拠点がベンガジにあるCIAの施設で、アメリカ領事館も重要な役割を果たし、2012年9月10日にはクリストファー・スティーブンス大使がCIAの工作責任者と会談、その翌日には海運会社の代表と会っている。その直後にベンガジの領事館が襲撃されて大使は殺されたわけだ。その当時のCIA長官がデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官がヒラリー・クリントンだった。

襲撃の前月、つまり2012年8月にバラク・オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言、その年の12月にクリントンは「自暴自棄になったシリアのアサド大統領は化学兵器を使う可能性がある」と主張、13年1月になると、イギリスのデイリー・メール紙はアメリカの偽旗作戦に関する記事を掲載している。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけて非難、国際的な軍事行動につなげようという作戦をオバマ政権が許可したというのだ。

そして2013年3月と8月に化学兵器が使われたと西側の政府や有力メディアは叫び、軍事介入へ突き進もうとする。勿論、この時に化学兵器を使ったのは反政府軍だった可能性がきわめて高い。その辺の事情は本ブログでも繰り返し書いてきたことなので、今回は割愛する。

イワンカの影響で攻撃を命じたとトランプの息子、エリックは語っているのだが、CIAが責任はないとしているシリア軍を娘の頼みで攻撃したということになってしまう。大統領がそれほど愚かだとは思えない。安全保障に関係した情報をトランプ大統領に説明しているのはH. R. マクマスター国家安全保障補佐官。大統領にシリアを攻撃させたのはこの人物だろう。

前にも書いたが、マクマスターはペトレイアス元CIA長官(2011年9月〜12年11月)の子分だと言われている。このペトレイアスはエル・サルバドルの汚い戦争に影響を受けている人物で、中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した。リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントンに近いことでも知られ、現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。しかも、マクマスターとペトレイアスはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われているのだ。

しかし、この侵略計画が成功する可能性は小さい。通常兵器の戦争ではロシアが圧倒すると言われているからだ。プーチン体制になってロシアの軍事力が立て直されているのに対し、アメリカではソ連消滅で自分たちが唯一の超大国になったと思い込み、軍事力は単なるカネ儲けの仕組みになってしまった。その象徴が「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれるF-35戦闘機だろう。開発コストはうなぎ登りだが、模擬空中戦でF-16に完敗したと伝えられている。戦術も戦争ビジネスを儲けさせるように変更された。

そうした現実が明確になったのは2015年9月30日以降。ロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援しているアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を敗走させているのだが、その中でロシア軍の戦闘力が高いことを見せつけているのだ。

ロシア軍はシリアで軍事作戦を始めた直後、カスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中したとされている。その後、地中海に配置されている潜水艦からもミサイル攻撃を実施したという。ロシア軍がこうした兵器を保有していることを知らなかったようだ。こうした兵器を使用したひとつの理由は、戦争でアメリカは勝てないということを示すことにあったと見られている。

そのほか、海底1万メートルを時速185キロメートルで進み、射程距離は1万キロに達するという戦略魚雷に関する情報が「誤って」外部に漏れるということもあった。この新型魚雷は空母を沈められるだけでなく、海岸線にある都市を破壊することができる。勿論、日本の原発はひとたまりもない。

S-300やS-400といったロシアの防空システム、あるいはマッハ6.2で飛行し、命中精度は5〜7メートルという地対地ミサイルのイスカンダル、亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速でターゲットへ向かうカリブル巡航ミサイルも話題になっている。

4月7日の攻撃でアメリカ軍は駆逐艦のポーターとロスから59発のトマホーク巡航ミサイルを発射、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。この数字は正しいようだ。つまり36発は途中で消えた。

アメリカ軍はS-400の迎撃をさけるため、トマホークはレバノン上空を通過させたようだが、そのうち5発は途中、地上に落下、残りは地中海に落ちたと見られている。ECM(電子対抗手段)や防空システムが使われたようだ。S-300やS-400などはロシア軍の防衛を優先していると言われ、今回はシリア軍の施設が攻撃されたことから、実際に使われたかどうかは不明だ。2013年の場合はこれほど多くのミサイルは発射されなかったのでシリアへ到達しなかった可能性が高い。

今後、ロシアやシリアはECMや長距離の防空システムを強化するだけでなく、中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃などの配備を進めると言われている。

そこで、ネオコンはロシアや中国を相手に、核戦争のチキン・ゲームを行っている。狂犬を装って恐怖を感じさせたり、暴力的な手段で脅せば屈すると彼らは信じている。拳銃やナイフを振りかざせば誰でも言うことを聞くという三文ドラマのようなシナリオだが、ロシアや中国には通用しない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704120000/


66. 中川隆[7709] koaQ7Jey 2017年4月12日 23:43:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8198]

ロシア大統領、シリアでの陰謀説を示唆 「イラク開戦前と同じ」とも
2017.04.12 Wed posted at 18:57 JST

モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は11日、シリアで何者かが化学兵器を使った攻撃を企て、アサド政権の仕業に仕立て上げようとしているとの疑惑を示唆した。

ロシアを訪問しているマッタレッラ・イタリア大統領と会談した後の共同会見で語った。

プーチン氏は「さまざまな方面からの情報」として、シリアの首都ダマスカス南郊などに有害物質を設置し、政権の仕業と見せかける「挑発」行為が計画されていると指摘。この疑惑について、ハーグの国際機関や国際社会に調査を要請するつもりだと述べた。

同氏はまた、欧米諸国が政治的な目的のためにロシアとシリアを悪者扱いしていると主張した。

昨年秋の米大統領選までさかのぼり、当時多くの欧州諸国が反トランプの立場を取ったために、今はだれもが関係修復に躍起になっているとの見方を示した。そのうえで「シリアとロシアは共通の敵として、欧米の結束に向けた格好の基盤を提供している。我々としては、いずれ意思疎通によって流れが好転することを期待して、当面はじっと耐えるつもりだ」と述べた。

プーチン氏はさらに、米国が現在、イラク戦争前と同じ作戦に出ていると主張。米当局が2003年、イラクで化学兵器が見つかったと国連安全保障理事会に報告した時と「非常によく似ている」と述べ、当時は「それを受けてイラクの軍事作戦が始まった」と指摘した。

結果として国家が破壊され、テロの脅威が拡大し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が国際舞台に登場することになったと語り、「今まさに同じことが起きている。米国の友好国はそれを是認している」と批判した。

米軍は今月、シリア政権軍が北西部イドリブ県で化学兵器を使ったと断定し、対抗措置として同国中部の空軍基地を攻撃した。マティス米国防長官は10日、この攻撃で政権軍機の2割を破壊したと述べた。

しかしロシア国防省は11日、フェイスブック上の声明文で「国防総省が発表している数字は米国民向けで、専門家向けではない」と批判。米軍が主張するほどの成果はあがらなかったとの見解を示した。
http://www.cnn.co.jp/world/35099691.html



67. 中川隆[-7735] koaQ7Jey 2017年5月07日 11:19:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.03
3年前の5月2日に西側支援のネオナチがオデッサ住民虐殺、そうしたことを再び行うなと露大統領

2014年5月2日、ウクライナ南部の港湾都市オデッサで反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに虐殺されている。それから3年後の5月2日、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は事件の再発を防ぐよう、世界に訴えた。

住民を殺したネオ・ナチの後ろ盾はアメリカ/NATOであり、そのアメリカ/NATOにとって都合の良いストーリーを西側のメディアは宣伝していた。構図はユーゴスラビアやイラクを先制攻撃したときと同じだ。

虐殺はその日の午前8時、「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。誘導した集団はUNA-UNSOだと言われている。

不穏な空気が漂う中、広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導される。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいる。

外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になり、焼き殺された人は少なくない。建物へ向かって銃撃があり、内部でも殺戮が繰り広げられた。48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられているが、これは確認された数字で、住民の証言によると、多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名だろうという。虐殺の詳しい調査は現時点でも実施されていない。

虐殺の前、アメリカ政府の高官がキエフを訪れていることに注目する人もいる。まず4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、4月22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問、それにタイミングを合わせるようにしてオデッサでの工作が話し合われている。

この会議に出席したのは大統領代行、内相代行、SBU(治安機関)長官代行、ネオ・ナチの中心的な存在だったアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行、そしてオブザーバーとしてドニエプロペトロフスクの知事になるイゴール・コロモイスキーだ。コロモイスキーはウクライナのほか、イスラエルとキプロスの国籍を持ち、スイスをビジネスの基盤にしている。会議の10日後にオデッサで虐殺があったのだが、その数日前、パルビーは数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチの下へ運んだ。

ネオ・ナチがキエフでクーデターを成功させ、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領が憲法を無視する形で排除されたのは2014年2月23日のこと。2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まった頃は暴力的でなかったが、2月になってから西側の軍事訓練を受けたネオ・ナチが前面に出始め、2月18日頃になるとチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出す。中にはピストルやライフルを撃つ人間も出始め、22日になると狙撃で市民側にも警察側にも多くの死者が出ている。

2月4日にはアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット大使の会話がインターネット上にアップロードされた。ふたりは電話で次期政権の人事について話し合っていたのだが、その中でヌランドが強く推していた人物がアルセニー・ヤツェニュク。実際、クーデター後、首相に就任している。その会話の中でヌランド国務次官補はEUが話し合いで解決しようとしていることに怒り、EUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と口にしている。

話し合いによる解決の道を破壊した狙撃について西側のメディアは政府側の仕業だと宣伝したが、2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相は翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)に対し、反政府側が実行したと強く示唆している:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」

この狙撃はパルビーが指揮していた可能性が高い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705020000/


68. 中川隆[-7584] koaQ7Jey 2017年5月20日 06:50:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

記事 後藤百合子
2017年05月19日 19:19
民主主義という究極のポピュリズムを制す「かわいさ」



■冷血な人殺しでも人気絶大なプーチン大統領

2000年3月、ボリス・エリツィン大統領の後任としてウラジミール・プーチンがロシアの第2代大統領に正式に選出されたとき、ある方が新大統領を評して「何十人も人を殺してきた目をしてる」と言われたのが今でも忘れられません。

当時、プーチン氏は政治家としても大統領候補としても世界的にはほぼノーマークで、元KGBの優秀なスパイという以外ほとんど情報がありませんでした。プーチン大統領就任により、ゴルバチョフ、エリツィンと続いた民主主義ロシアがどうなってしまうのか、という危惧を多くの人々が抱いたと思います。

しかしプーチン大統領は、現在世界を震撼させているトランプ大統領の「ロシア・ゲート」も含め、自らのスパイとしての経験と手腕を最大限活かして政権を維持。白昼堂々とホテルに核物質を送り付けたり、夜のニューヨークのビルから突き落としたりと、独創的かつ強引な手法で反対勢力陣営の人々を排除していく様子も、これまでの民主主義国家の政治家像を大きく逸脱しています。

最近では、ウクライナ問題でプーチンを説得するためにわざわざクレムリンまで出向いた独メルケル首相に会う際、メルケル首相が大嫌いな大型犬連れで登場して威嚇するなど、ある意味、トランプ大統領にも通じるパフォーマンス政治家という側面ももっているようです。

ただし、ソ連時代ならいざしらず、現在のロシアはいちおう民主主義国家で、大統領も国民選挙で選ばれます。強引かつ強圧的な手段で治世するプーチン大統領が国民に恐れられ忌み嫌われ、人気も低いかというとそれがまったくの逆で、2012年の大統領選挙時には、63.6%と約2/3の得票。現在の支持率は90%近いとも言われます。

しかも毎年、「プーチンカレンダー」なるものが発売され大人気。

Vladimir Putin's inspirational 2017 calendar - CNN.com
http://edition.cnn.com/2016/10/19/europe/vladimir-putin-calendar-2017/

上半身裸で釣りをしている写真や、映画スターさながらにサングラスにラフなジャケットで歩いている様子に混じって、花をもってポーズを決めたり、猫や犬と戯れていたり、まるでアイドルスターのようです。

このカレンダーを誰が買っているかは写真を見れば一目瞭然でしょう。ロシアの女性たちに圧倒的な人気を誇るのもまた、プーチン大統領の一面なのです。

■「かわいい」政治家に投票してしまう私たち

私たちが選挙で投票行動をする時、意識するかしないかの程度の違いはあっても、最も重点が置かれるのは「政策」ではなく、実は「政治家の人間性」であると私は思います。

比例区では政策で政党を選ぶ人も多いかもしれませんが、小選挙区で所属政党の政策に共感はできても、外見や話し方に嫌な感じをもってしまう候補者より、支持政党ではなくても好感をもてる候補者に投票した経験のある方は決して少なくないのではないでしょうか。

しかし、実際にはその候補者がどんな人間かは顔に書いてありません。もちろん本人や推薦人はいかに候補者の人間性が素晴らしいかを強調するでしょうが、その言葉が必ずしも事実とは限らないのです。

そこで私たちが人間性を判断する基準は、性別を問わず、その候補者に「かわいさ」を感じられるかどうかになります。単にハンサムであるとか美人であるとか(もちろん容姿は良いに越したことはありませんが)にとらわれず、その人を「かわいい」=「人間として好ましい」と思えるかどうか、が問題となってくるのです。

声や話し方、言葉の使い方、しぐさ、表情など、その人の内面からにじみ出てくるようなかわいらしさは、いくら頑張って作ろうと思っても決してマネできるものではありません。逆に、プーチン大統領のように実際には冷血な殺人者であっても、ふとした拍子にこぼれる笑顔などに、女性をはじめ一部の男性もかわいらしさをつい感じてしまうのです。

■「かわいい」政治家はしぶとい。

そのような視点で世界の民主主義国家の政治家たちを見てみると、興味深い事実が浮かび上がります。

つい先週の選挙でフランス大統領に選ばれたマクロン氏ですが、すでに欧州メディアが盛んに報道している情報によると、誰にでもすぐに好かれ(悪い言葉で言えば「取り入って」)相手の信頼を得ますが、それを裏切る場面も多々あったとされます。24歳年上の略奪愛妻と連れだって歩くマクロン氏の計算し尽くされた笑顔と、政党の創立者である実父を追放し、政党内で重責を担う姪との不仲も伝えられるル・ペン氏のドヤ顔とを比べたら、どちらが「かわいい」かは一目瞭然でした。

同じことは、昨年の米大統領選のクリントン氏対トランプ氏との闘いにも言えます。どこにもつけいる隙のない完璧なクリントン氏と、暴言・放言には事欠かず、何度も自爆しながらも子どもっぽい野次を飛ばすトランプ氏。憎まれガキのようなその態度は、ある意味、「かわいい」と言えないこともありません。

そして日本。

小泉純一郎元首相が大変女性に人気があったのは周知の事実ですが、現在の安倍晋三首相と麻生太郎副首相兼財務大臣のコンビが、ここまで長く政権の中心に存在している理由がわからない、という男性にはぜひもう一度きちんと研究していただきたい。

昭恵夫人も言っている通り、自民党の中には彼らより立派な経歴や学歴をもっている方々がごまんといますし、間違っても安倍総理や麻生副総理のような漢字の読み間違いはしないでしょう。しかし、この2人は、現在の自民党議員の中では際立って「かわいい」のです。恐らく小泉元首相が自分の後任に安倍首相を指名したのも、この「かわいさ」が大きな理由だったのではないかと私は推測しています。

同じことは稲田防衛大臣にも言えます。

彼女はウルトラ・ライトともいえる思想の持主ですが、まだ、当選一回目の頃の講演会で、あの舌ったらずの声で1時間以上にわたり「南京大虐殺はでっちあげ」「慰安婦の強制連行はなかった」との持論を滔々とぶつのを聞いたとき、私はただただ目が点になっていたのにもかかわらず、同じ会場で一緒に聴いていたおじ様たちは、まるで魔法にかかったようにうっとりと彼女の話に引き込まれていました。渡部昇一氏が会長を務める「ともみ組」という後援会組織もあり、まるで芸能人のファンクラブのように熱心に彼女を応援しています。

国会で涙ぐんでさんざん叩かれた稲田大臣ですが、ともみ組の支援者たちにとっては、その涙さえ好ましいものに映っているでしょう。その意味で、かわいい政治家ほど叩かれても叩かれても強力な支援者たちの支えによって蘇る、打たれ強い、しぶとい政治生命をもつのだと思います。

■政治家は自分が有権者に与える印象についてもっと研究すべき

SNS時代、「聡明な」「仕事ができる」「強い」だけの政治家がもはや大衆の共感を得ることができないのは、昨年のアメリカ大統領選、今年のフランス大統領選の結果をみても明らかです。(余談ですが、メルケル首相は恐らく再選を果たすと思います。彼女も非常に優秀な政治家ですが、難民問題にみせた情の厚さや、市井のおばさん然とした風貌がかわいらしさを醸し出しているからです)

そんな中、多くの選挙民が求めるものは、現在のさまざまな問題を解決し、将来の日本を形成していくための政策のみならず、「この人なら信頼して政治を任せたい」と思える人柄、つまり「かわいさ」です。

残念ながら、野党のみならず自民党の中にさえ、なかなかそれを真剣に考え実行している人がいないように思えます。(この点、マクロン大統領は非常に長けていると欧州マスコミは報道しています)

民主主義とは、良くも悪くもポピュリズムの政治形態です。

政策の立案は企業経営でいう「戦略」にあたりますが、それを実現させるための「戦術」の一環として、選挙ポスターのときだけ考えるのではなく、日ごろから自らの「かわいさ」をどうアピールしていくのか、真剣に研究して実践してほしいのです。それが最終的には最大の目標である政策の実現につながるのですから。
http://blogos.com/article/224069/


69. 中川隆[-7623] koaQ7Jey 2017年5月27日 05:29:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.26
反露報道を崩壊させかねないDNCスタッフ殺害を封印するため米有力紙はスタッフの両親を利用

2016年7月10日に殺されたDNC(民主党全国委員会)のスタッフ、セス・リッチはDNC幹部の間で遣り取りされた電子メールをWikiLeaksへ渡した人物ではないかと言われてきた。事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはDNCの電子メールを提供した人物はリッチだと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んだこともそうした疑いを強めることになった。

それに対し、セス・リッチの両親は5月23日付けのワシントン・ポスト紙で、息子の殺人事件の政治化を止めてほしいと主張している。息子のパソコンを警察が詳しく調べた結果、息子がWikiLeaksと通信していた証拠は見つからなかったとし、息子とWikiLeaksが関係しているとする話は陰謀論だと言いたいようだ。

勿論、名義が両親だったというだけで、実際にその文章を誰が書いたかは不明だ。こうした両親の話を同紙が掲載した理由は、その両親が雇った私立探偵の発言をFOXニュースが報道したことにあるだろう。報道の直後、セス・リッチの遺族からウィーラーやFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回したという。

ウィーラーはDNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルをセス・リッチがWikiLeaksへ渡したという情報を警察内部の情報源から得たとしていた。パソコンを詳しく調べた結果、そのように判明したということだ。

その捜査を警察の幹部やFBIが打ち切らせたとウィーラーは主張しているが、そうしたことを疑わせる出来事もある。事件当時にワシントンDC警察長だったキャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表したのだ。収入は大幅に増えるだろう。

両親の主張を載せたワシントン・ポスト紙はロシアを悪魔化するキャンペーンの中心グループに位置している。例によって証拠は示さず、「我々を信じろ」と言うばかりだ。ユーゴスラビア、アフガニスタン、リビア、シリア、そしてイラクを先制攻撃する際にもアメリカの有力メディアは偽情報を流していた。イラクの場合、政府も嘘だったことを認めざるをえなくなっている。そうしたことをワシントン・ポスト紙も気にしていない。認めてしまえば、嘘で築き上げた幻影が全て崩壊してしまう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705260000/


70. 中川隆[-7129] koaQ7Jey 2017年7月25日 17:03:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.07.23
西側支配層が作り上げたロシア疑獄劇にのめり込んだ結果、有力メディアは米支配層の暗部への道へ


ロシアの弁護士、ナタリヤ・ベセルニツカヤを主人公としたニューヨーク・タイムズ紙の記事は勿論、ドナルド・トランプ大統領を攻撃することが目的だったのだろうが、この話はアメリカの支配システムの暗部を暴くことになりかねない。

前にも書いたように、ベセルニツカヤは2016年6月9日、ドナルド・トランプ・ジュニアたちと会ったその日にデニス・カツィーフなるクライアントとも会っていた。この人物はプレベゾン・ホルディングスという持ち株会社を所有、マネー・ロンダリングの容疑がかけられている。その弁護のため、アメリカ司法省の特別の計らいでビザ無し入国が許されたのだ。当時の司法長官はロレッタ・リンチ。

プレベゾンとの関係から浮上するフュージョンGPSは情報戦を仕掛ける傭兵的な会社で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者や編集者だった3名によって設立された。今年3月にアダム・シッフ下院議員(民主党)は声明を発表、そのなかでロシア疑惑劇の幕開けを宣言したが、その宣言の元になった報告書を作成したクリストファー・スティールの会社、オービス・ビジネス・インテリジェンスを雇ったのがフュージョンだ。スティールはイギリスの対外情報機関MI6の元オフィサーで、アレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったと言われている。

スティールの報告書が根拠薄弱だということは本人やシッフ議員もすぐに認めたが、開幕したロシア疑惑劇や西側の有力メディアが進めている。そのプロパガンダはロシアとの核戦争へと続いているが、目先の利益に気をとられている彼らは心配していないようだ。

リトビネンコはソ連/ロシアの情報機関、KGB/FSBに所属していた人物で、ボリス・エリツィン時代の終焉に伴い、2000年にイギリスへ渡っている。彼を雇うことになるオリガルヒのボリス・ベレゾフスキーも2000年からロシアへ戻らず、2003年にはイギリスが政治亡命を認めた。

このベレゾフスキーについてはフォーブス誌の編集者だったアメリカ人のポール・クレブニコフが記事や著作(Paul Klebnikov, “Godfather of the Kremlin: Boris Berezovsky and the looting of Russia,” 2000, Harcourt)で詳しく報告している。なお、クレブニコフは2004年7月、チェチェンのヤン・セルグーニン副首相(親ロシア派)がモスクワで殺害された翌月にモスクワで射殺された。

クレイブニコフ殺害では、2004年11月にベラルーシのミンスクでふたりのチェチェン系ロシア人が逮捕され、このふたりを含む3名の裁判が2006年1月に始まる。その直後に裁判官のマリヤ・コマロワが「病気」になってウラヂミール・ウソフに交代、5月には無罪評決が出た。この評決を出した8名の陪審員はセルグーニン殺害事件の裁判でも無罪評決を出している。

エリツィン時代のロシアは政府が腐敗、西側巨大資本やその手先になっていた現地のオリガルヒが国を支配、国民と富を略奪していた。この時代、ロシアから流れ出た違法資金は約1兆3000億ドルに達するとも言われている。当然、マネーロンダリングが行われる。私的権力が公的権力を支配していたわけで、フランクリン・ルーズベルトの定義によるとファシズムだ。

当時、オリガルヒは背後に犯罪組織を従えていたが、ベレゾフスキーの場合はチェチェン・マフィア。シリアへの侵略戦争ではサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力がアメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする勢力の手先として戦ってきたが、その中へチェチェン人も入っている。

チェチェンの反ロシア武装勢力はグルジアのパンキシ渓谷を拠点にしてきた。そこでCIAは戦闘員の候補者をリクルート、訓練している。そこからシリアへも戦闘員は送り込まれていたのだ。そうした工作の資金を提供してきたのはサウジアラビアである。

クリストファー・スティールの元でMI6の協力者、あるいはエージェントとしても働いていたアレクサンドル・リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされている。通常、毒殺は痕跡が残らない薬物を使うのだが、このケースでは痕跡を鮮明に残す放射性物質が使われたことになる。リトビネンコの父親や弟はイギリス当局の説明に納得せず、遺体からポロニウムが検出されるかどうかを再調査するように求めていたが、この要求は拒否された。

2016年1月20日付けテレグラフ紙によると、リトビネンコは2006年に死ぬ直前、ウラジミル・プーチンについて語っている。プーチンはウクライナの犯罪組織のボス、セミオン・モギレビッチと「良好な関係」だったが、この人物はアル・カイダに武器を売っていたと主張している。また、リトビネンコは同僚だった元KGBエージェントがチェチェンの反ロシア勢力に影響を及ぼし、アラビアのテロリストと結びついていたとしている。

プーチンとアル・カイダを結びつけたかったのだろうが、それには無理がある。例えば、リトビネンコの音声が記録される前年、2005年にロビン・クック元英外相はガーディアン紙に、アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルだと書いている。

この戦闘員の歴史は1970年代の終盤、ズビグネフ・ブレジンスキーのプランに従って編成された武装集団から始まる。アメリカの情報機関や軍が武器/兵器を供給して戦闘員を訓練、サウジアラビアが資金を出し、イスラエルやパキスタンが協力していた。この構図は現在まで続いている。なお、この事実を明らかにした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて急死した。享年59歳。

リビア侵攻作戦ではアル・カイダ系武装集団とNATOとの連携が明確になり、後に売り出されたダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)と同じように、アメリカ、イギリス、フランス、イスラエル、サウジアラビア、カタール、トルコが黒幕だということは公然の秘密だ。MI6はリトビネンコに語らせすぎたように思えるが、それにもかかわらず、その音声をイギリスの情報機関は2016年の段階でリークした。嘘を人々に信じさせる自分たちの能力に自信があるのだろう。

暗黒街のボス、モギレビッチはマネーロンダリングの中心的な人物だとされ、麻薬密売や売春組織を動かしていたとされている。女性をビジネスの道具に使った人物としてはミハイル・ホドルコフスキーも知られている。ベレゾフスキーと違い、自分の権力を過信していたのか、ロシアに留まったため、脱税などで実刑判決を受けて収監されたオリガルヒのひとりだ。

ソ連時代、ホドルコフスキーはコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めているが、そのときにロシアの若い女性を西側の金持ちに売り飛ばしていたと疑いをもたれている。ロシアの「モデル」をニューヨークへ送り出すというビジネスに加担していたというのだ。その際、彼はKGB人脈を利用して出国ビザを取得していたとされている。

そうして稼いだカネを元手にメナテプ銀行を設立してマネーロンダリングなどに使い、石油会社のユーコスを買収した。モスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主にもなっている。ユーコスは西側の銀行や投資ファンドのカーライル・グループから巨額の資金を調達していた。リトビネンコは死の数週間前、イスラエルを訪れているのだが、そこで会った相手はユーコスの元幹部レオニド・ネフツーリン。

裏でホドルコフスキーと手を握っていたのはアメリカの支配層で、ユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡されようとしていた。つまり、彼らはロシアのエネルギー資源をアメリカが支配する仕組みを作り上げようとしていたのだ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)それをプーチン政権は阻止した。

ホドルコフスキーはジョージ・ソロスを尊敬しているのか、2001年にオープン・ロシア基金をアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇っている。2006年に一旦閉鎖しているが、14年に再設立した。ベレゾフスキーもロスチャイルドとは親しかった。

ロシアのマネーロンダリングはエリツィン時代にシステム化され、ロシア国内に張り巡らされた西側巨大資本のネットワークと結びつき、プーチン体制を揺るがしかねない力を今でも持っている。資金の違法な流出を止めることもロシア政府にとって重要な課題だ。

そのプーチン攻撃の道具としてアメリカ議会が作ったのがセルゲイ・マグニツキー法。2億3000万ドルの脱税容疑で逮捕されていたマグニツキーという弁護士が獄死したことに対する報復だとされた。このマグニツキーを雇っていたのがビル・ブロウダー。

すでに書いたことだが、ブロウダーは自分の会社を乗っ取ったロシア政府高官が不正を働き、マグニツキーはその犠牲になったという自分の主張を宣伝するため、反ウラジミル・プーチンで知られている映画監督のアンドレー・ネクラソフを雇ったのだが、その主張が事実でないことに気づいてしまう。

つまり、不正を内部告発したのはブロウダーの会社で働いていた女性で、脱税はブロウダーが行っていたことをつかんだのだ。しかも、その不正にマグニツキーは金庫番として関わっていたことも判明した。

ネクラソフはその事実をドキュメンタリーの中に盛り込んだため、ブロウダーと対立しただけでなく、作品を公開することが困難になった。そのドキュメンタリーが事実なら、アメリカの有力メディアや議会がロシア攻撃の道具として使っているマグニツキー法は嘘の上に築かれた法律だということになってしまう。作品が葬り去られようとしているということは、映画の内容は事実だということなのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707230000/


71. 中川隆[-6945] koaQ7Jey 2017年8月04日 10:51:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.08.04
FBIや警察の報告では民主党のメールは同党スタッフがリーク、露は無関係だと有名ジャーナリスト


調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。

同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。

WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。

その年の6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたことから欧米支配層はバラク・オバマの次はヒラリーを大統領すると決めたと推測されていたが、その推測と符合する。

電子メールの扱いに関し、国務長官だったヒラリー・クリントンは機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、またそうした情報をきわめて軽率に扱っていたことをFBIのジェームズ・コミー長官は認めている。それにもかかわらず、FBIは彼女を不起訴にしたわけだ。

サウジアラビアやカタールはともにダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)やほかのスンニ系過激派(アル・カイダ系武装集団)を資金や物資の秘密援助をしてきたが、この事実をヒラリーが2014年8月の時点で知っていたことを示すメールもある。ヒラリーの件にメスを入れると、リビアやシリアへの軍事侵攻、あるいはホンジュラスのクーデターに関連した情報が噴出してくる可能性がある。

WikiLeaksがクリントンに関した電子メールを公開した後、セス・リッチは2016年7月10日、背中を2度撃たれて死亡している。この殺人事件の捜査を担当したのがワシントンDC警察だが、ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職している。

ウィーラーがそうした話を記者にした直後、セス・リッチの遺族からウィーラーや話を伝えたFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回する。遺族のスポークスパーソンに就任したブラッド・バウマンの発表だが、この危機コンサルタントが所属するPR会社のパストラム・グループは民主党も顧客だ。

事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。今回、WikiLeaksはハーシュの発言をツイッターで紹介、事実上、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはセス・リッチだと認めている。

1991年12月にはソ連が消滅するとネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、目前に「パクスアメリカーナ」の時代があると認識、自立した「雑魚」を潰しにかかる。その基本プランが1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリン。そのドクトリンに基づき、アメリカはイラク、シリア、イランを殲滅しようとしてきた。

そのドクトリンに基づき、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使って中東/北アフリカを侵略、ネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実施してきたアメリカの好戦派だが、いずれも成功とは言い難い。ロシアや中国を武力で脅して屈服させるという目論見も失敗だ。そんなことでロシアや中国が屈服するはずがないのだが。それを好戦派は理解していなかったのだろう。

そして現在、好戦派はロシアを「悪魔化」して描くプロパガンダを展開、かつての封じ込め政策を真似しようとしているが、それによってEUは苦境に陥り、アメリカ離れの動きを見せている。中国とも経済戦争を始めると言われているが、そうしたことはアメリカにとって自殺行為だ。生産活動を弱体化させ、基軸通貨のドルを発行する特権だけで生き延びているのがアメリカ。

発行したドルを回収するためにペトロダラーの仕組みを作り、吸収するために投機の規制を大幅に緩和させているが、これもドルが基軸通貨として認められているので機能してきただけ。ドルが基軸通貨の地位から陥落すれば、アメリカの支配システムは崩壊する。

新封じ込め政策を実施する口実として「ロシアゲート事件」をでっち上げたわけだが、それによってロシアや中国との核戦争が勃発する危険性が高まった。それでも彼らは軍事力を使ってロシアや中国を屈服させ、世界制覇を実現しようともがいている。その計画を実現できなかった場合、自分たちの支配システムは崩壊、これまでの悪事の責任をとらされる可能性がある。それだけは避けたいだろう。電子メールの話も封印しなければならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708040000/


72. 中川隆[-6510] koaQ7Jey 2017年9月04日 12:54:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

金正恩暴走の影にロシアの支援あり、プーチンはなぜ北を守るのか
http://diamond.jp/articles/-/140798
2017.9.4 北野幸伯:国際関係アナリスト  ダイヤモンド・オンライン


金正恩の暴走が止まらない。国連安保理で制裁は強化されているが、中国やロシアが支援を続けているため、状況は好転しないままだ。今回は、支援を強化しているとささやかれるロシアについて、考えてみよう。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

暴走する金正恩への
支援を強化するプーチン

韓国、中国の日本に対する憎しみよりは多少マシとはいえ、ロシアの米国に対する憎しみも相当なもの。ソ連崩壊後の経緯を見てみると、ロシアが北朝鮮を支援したくなる理由が良くわかる Photo:Reuters/AFLO

 言うまでもなく、日本にとって深刻な脅威である北朝鮮。しかし、日本政府は事実上、効果のない抗議しかできない状況だ。確かに国連安全保障理事会で制裁は強化されているが、北朝鮮の貿易で90%を占める中国が支援を続けているため、北朝鮮の態度は変わらないままだ。

 そして、最近は、プーチン・ロシアが「北朝鮮支援を強化している」という情報が多々出てきている。ロシアは、どのような支援を北朝鮮にしているのか?まずは、小さなところから紹介しよう。(太字筆者、以下同じ)

<北朝鮮、ロシアに公認旅行代理店=初開設、接近浮き彫り
時事通信 8/25(金) 6:33配信 

【モスクワ時事】ロシアの旅行業界団体や在ロシア北朝鮮大使館の関係者は24日、共同で記者会見し、モスクワで北朝鮮政府の認可を受けた初の旅行代理店が開設されると発表した。
ロシアは核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に融和的姿勢を示しており、両国の接近ぶりが改めて浮き彫りになったと言えそうだ。>

 モスクワに、北朝鮮政府公認の旅行代理店がオープンした。名前は、「NKOREAN」。北朝鮮大使館の関係者は、「わが国は、世界で最も安全な国の1つだ」と主張しているとか。北朝鮮が世界を騒がしている時期の「公認旅行代理店」開設は、極めて意味深だ。記事にもあるように、「ロシアと北朝鮮が接近している証拠」といえるだろう。

統計には出てこない支援量
中ロは結託して北朝鮮を支援

 次は、もっと重要な分野について見てみよう。

<北ミサイル ロシア、北朝鮮への石油製品輸出を倍増 実態はさらに巨額か

産経新聞 8/20(日) 12:25配信
【モスクワ=黒川信雄】ロシアが今年1〜6月に、ガソリンやディーゼル燃料など石油製品の北朝鮮への輸出を前年比で倍増させていたことが露税関当局の資料から明らかになった。
北朝鮮の核・ミサイル開発への国際的な非難が高まるなか、同国を経済面で支えるロシアの姿勢が改めて鮮明になった。>

 なんと、ロシアは今年1月〜6月、北朝鮮への石油製品輸出を倍増させていた。ロシア税関局によると、この時期輸出された石油製品は4304トン、金額にすると約2億6000万円相当となる。増えてはいるが、「大した量ではないな」と思われるだろう。しかし、どうも実際は、もっと多いようなのだ。

<統計上の数字は「氷山の一角」に過ぎないとの指摘もある。
露極東連邦大のルキン准教授は産経新聞のインタビューに、ロシアが北朝鮮に主に輸出する石油製品はガソリンとディーゼル燃料で、それらの輸出量は年間20万〜30万トンに達していると分析する。
ただ、多くは中国向けとして輸出され、最終的に北朝鮮に運びこまれるため、統計に反映されないのだという。>(同上)

 ルキン氏は、2つの重要な指摘をしている。1つは、ロシアが北朝鮮に輸出している石油製品の量は、同国税関の記録よりも23〜35倍多い。もう1つは、ロシアは、中国経由で石油製品を輸出している。つまり、「中国とロシアは、結託して北朝鮮を守っている」ことになる。

 この件に関しては、公正であるために補足をしておこう。国連安保理は8月末時点で、北朝鮮への石油製品輸出を禁止していない。だから、ロシアも中国も「何も悪いことはしていない」と主張することが可能だ。

 さらに、驚きの話が出てきている。

<北朝鮮、元KGBを軍事顧問に 暗殺作戦への対抗策

朝日新聞 8/25(金) 5:05配信
北朝鮮が最近、ソ連崩壊で解体された国家保安委員会(KGB)の元要員らを軍事顧問として起用したと、北朝鮮関係筋が明らかにした。
米韓が検討しているとされる金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を暗殺する「斬首作戦」への対抗策という。>

 北朝鮮は、元KGB要員を軍事顧問として起用した。これが事実だとすれば、ロシア政府の許可なしで雇用されたとは考えにくい。ここまでで、「ロシアが北朝鮮への支援を強化している」ことを、ご理解いただけただろう。

「米国にボロボロにされた」
ソ連崩壊後に憎悪を募らせたロシア

 次に、「なぜ、ロシアは北朝鮮への支援を増やしているのか」を考えてみよう。この答えを知ることは、まさに「ロシアそのものを理解すること」につながる。

 ロシアでは、今からちょうど100年前、「ロシア革命」が起こった。そして、世界で初めて「共産主義」をベースとする国家、ソ連が誕生した。共産主義の産みの親カール・マルクスは、「人類歴史は、階級闘争の歴史」と断言する。階級闘争は、奴隷所有者vs奴隷、地主vs農奴、資本家vs労働者と続いていく。

 マルクスの予言によれば、この戦いの帰結は、すでに決まってる。すなわち、労働者階級は資本家階級を打倒し、「労働者の天国」(共産世界)を建設する――。

 こういう世界観の中で、ソ連は「労働者の国」、米国は「資本家の国」である。よって、「労働者の国」ソ連が、「資本家の国」米国を打倒するのは、「歴史的ミッション」なのだ。日本人には「はあ?」という感覚かもしれないが、ソ連では、これこそが「常識」であった。

 実際、ソ連時代の子どもたちは、「米国は、打倒すべき敵」と教育されながら大人になった。だから、1952年生まれのプーチンも、もちろん「反米」である。しかも彼の場合、大学卒業後すぐにKGBに入ったので、「超反米」といえる。
 
 さて、歴史は、マルクスの予言とは、まったく異なる方向にむかう。彼の歴史観によると、社会主義・共産主義国は、資本主義の次に来る段階であって、より進んでいるはずだったのだが、ソ連は米国に負け、1991年末に崩壊してしまった。

 この時プーチンは、「共産主義教のインチキ」には気づいただろう。しかし、彼が親米に変わったわけではなかった。「米国は、悪の国」という思想を証明するような事態が、ソ連崩壊後に次々と起こったからだ。

 新生ロシアの初代大統領エリツィンは、米国やIMF(国際通貨基金)などの勧告に従って経済改革を行ったのだが、これが大失敗だった。ロシアのGDPは、92〜98年でなんと43%も減少してしまう。この悲惨な結果について、ロシアでは「米国がわざと間違った改革をさせ、経済を破壊した」と広く信じられている。

NATO拡大に恐怖するロシア
「われわれは米国に何度もだまされた」

 さらに、安全保障面でも、ロシアは米国に失望した。90年、資本主義陣営の西ドイツと、共産陣営の東ドイツが統一された。これは、ソ連の許可なしでは実現しなかった。
 
 米国はこの時、「NATO(北大西洋条約機構)を東に拡大することはない」と、ソ連に約束したのだ。しかし、後に米国は、これをあっさり破った。

 99年、チェコ、ハンガリー、ポーランドがNATOに加盟。この東欧の3国は冷戦時代、「事実上ソ連の支配下にあった国々」である。2004年には、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニアが加わった。
 
 特に、エストニア、ラトビア、リトアニアは重要だ。これらは、「旧ソ連国」であり、ロシアから見ると、「かつて自国の一部だった国々」だ。09年には、アルバニアとクロアチア、17年にはモンテネグロがNATOに入った。ソ連が崩壊してから、NATO加盟国はなんと13も増えている。

 ロシアからは、「巨大反ロシア軍事ブロックが膨張し続けている」ように見える。しかも、米国は現在、これも旧ソ連のウクライナ、モルドバ、ジョージア(旧グルジア)をNATOに引き入れようと画策している。当然、プーチンの反米意識は、ますます強まっていく。
 
 ここまでの話、「大げさな…」と思われる人も多いだろう。そこで、14年3月18日、ちょうどクリミア併合を決めた時のプーチン演説を引用してみよう。

< 我々は何度もだまされてきた。我々の見えないところで事が決められ、実行された。
例えばNATOの東方拡大やロシアの国境近くに軍事施設を設けることなどだ。彼らは同じことを繰り返してきた。

「それはあなた方に向けたものではありません」

信じられない。

(欧州)ミサイル防衛システムの展開もそうだ。我々にとっては脅威にもかかわらず、施設や装置は設置されている。>

< 我々は根拠を持って次のように推察する。
すなわちロシアを抑制しようとする悪名高い政策は、18世紀、19世紀、20世紀にわたって続いてきた。そして今も続いている。

我々は常に追い込まれている。>

ロシアから見た
北朝鮮の地政学的位置づけ

 プーチンは、「ロシアを抑制しようとする政策は、今も続いている」と考えているのだ。もっと重要なことに、「ロシア国民も、そう信じている」。そして、ロシア国民は「クリミア併合以後、わが国は戦争状態に突入した」と認識している。

 実際、テレビを見れば、毎日のように「ロシア軍の動向」が伝えられる。テレビ局では、毎日「政治討論番組」があり、白熱した議論が交わされている。しかも、そのほとんどは、「いかに米国は悪であるか」という内容である。
 
 このように。ロシアから西を見ると、「29ヵ国からなる超巨大反ロシア軍事ブロック」NATOが迫っている。

 東はどうだろう?こちらも油断できない。ロシアを崩壊させたい米国と、その同盟国日本・韓国が、「隙あらば侵略しよう」と狙っている(と、彼らは見ている)。

 それで、日本のMD(ミサイル防衛)も、韓国の地上配備型ミサイル迎撃システム・THAADも、「対北朝鮮といいながら、実は対ロシアだ」と考えているのだ(ちなみに米国は、東欧MDについて、「対ロシアではなく、対イランだ」と苦しい説明をしていた。そんな経緯から、日本、韓国MDについて「対北朝鮮だ」といっても、ロシアは信じない)。

 こういう緊張感の中で、ロシアにとって北朝鮮は、どのような国なのか?それは「米国の侵略を防いでくれる緩衝国家」である。

 今の日本人は、「緩衝国家」の必要性を理解できないだろう。しかし、かつては日本も、朝鮮や満州国を「ロシア(後のソ連)の南下を阻止するための緩衝国家」と見ていた。その後、日本は米国の保護下に入ったため、誰も「緩衝国家が必要」とは言わなくなったが、ロシアはいまだに米国と戦っているので、「緩衝国家が必要」と考えるのだ。

効果がないように見えても
日米の現行の作戦が正しい理由

 もちろん、プーチンも、北朝鮮が核兵器を持つことを望んではいなかっただろう。ロシアは、「核の寡占状態」を維持したいからだ。核拡散防止条約(NPT)は、米国、英国、フランス、ロシア、中国以外の国が核兵器を持つのを禁じているが、これはロシアにとって都合がいい。それに、北朝鮮を許せば、日本や韓国の核保有を止めることが難しくなる。

 それでも、緩衝国家・北朝鮮が必要であることに変わりはない。北朝鮮が崩壊し、米国の同盟国・韓国が朝鮮半島を統一したとしよう。すると、米国は朝鮮半島のロシア、中国国境付近に基地を置き、ミサイルを配備するだろう。ロシアは、これを阻止したいのだ。

 このように北朝鮮を必要としながらも、今までロシアは、北朝鮮をあまりサポートしていなかった。ではなぜ、ここにきて支援を増やしているのか?これは、米国の圧力によって、中国が対北支援を減らしているからだろう。中国が減らした分を、ロシアが増やすことで補っていると思われる。

 ロシアは、これからも北朝鮮との「対話」を呼びかけ、国連安保理を通して「戦争回避」を主張し続けるだろう。金正恩を守るのが、現時点でロシアの国益なのだ。

 そうはいっても、ロシアも、「全世界を敵に回してでも北朝鮮を守る」という感じではない。実際、国連安保理で「対北制裁」は徐々に強化されている。常任理事国であるロシアは拒否権を持っているので、制裁が強化されているというのは、ロシアもそれに同意してきたということだ。

 北朝鮮が北海道上空を通過するミサイルを発射したことを受け、安保理は8月30日、同国を強く非難し、ミサイル発射の即時停止を求める議長声明を出した。ロシアは、これにも反対していない。

 日米はこれまで、北朝鮮が何かアクション(核実験、ミサイル発射)を起こすたびに、同国を非難し、安保理を通して制裁を強化してきた。それでも北朝鮮が変わらないことから、無力感すら漂っている。
 
 しかし、日米は、正しい道を進んでいるのだ。

 最終的に戦争になるとしても、「日米は平和的解決のために、できる限りのことはした」と世界を納得させることが大事だ。朝鮮戦争が起こったとき、中ロがあからさまに北朝鮮を支援できないようにするためである。

 もし中ロが北朝鮮側に立って参戦すれば、第三次世界大戦になる可能性も出てくる。「北朝鮮を助ければ、世界を敵に回して孤立する」と中ロに信じさせるためには、まどろっこしいように見えるだろうが、まずは「国連安保理」で行けるところまで行くことが必要なのだ。


73. 中川隆[-6342] koaQ7Jey 2017年10月07日 05:42:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.10.07
サウジ国王が露国を訪問、露大統領と兵器取引、石油価格、シリア情勢について話し合った模様

サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王が10月4日から7日にかけてロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談した。ロシアの防空システムS-400を含む兵器の取り引き、石油価格の安定化、シリア情勢などが話し合われたようだ。2011年からサウジアラビア、イスラエル、アメリカの三国同盟に協力してシリアに対する侵略戦争に参加していたトルコはすでにロシアへ接近、S-400の購入を決めている。

2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入してから三国同盟の手駒であるサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は劣勢になり、今では崩壊寸前。そこでアメリカはクルド勢力を侵略の主力に据え、ダーイッシュなどの戦闘員を合流させようとしている。

アメリカは今年5月から7月にかけてクルドを前面に出してきた。それに伴って戦闘車両などを含む兵器を大量にクルドへ供給する一方、サラフィ主義者への支援打ち切ると宣言しているが、実際は一体化させようと目論んでいるわけだ。

シリアより少し前から侵略されたリビアは2011年10月にムアンマル・アル・カダフィ体制は倒され、カダフィ自身は惨殺されたが、シリアのバシャール・アル・アサド政権を三国同盟が倒すことは困難な状況だ。そうした中、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権はロシアへ接近、2016年6月下旬にエルドアン大統領はプーチン大統領に対してロシア軍機撃墜を謝罪、7月13日にはシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。トルコでクーデター未遂があったのはその直後だ。

エルドアン政権はクーデターの首謀者としてアメリカへ亡命中のフェトフッラー・ギュレンの名前を挙げている。この人物はCIAの傀儡だと言われている。つまり、クーデター未遂の黒幕はCIAだったとトルコ政府は見ているわけだ。

当時、イスラム世界では武装蜂起の数時間前にロシアの情報機関からトルコ政府へ警告があったという話が流れていた。蜂起が始まってから2時間後にイランもクーデターを批判している。当然、クーデター未遂後にトルコはロシアへさらに接近してNATOを揺るがしている。

そしてサウジアラビア。この国はトルコよりアメリカとの関係は深い。アメリカは基軸通貨(ドル)を発行する特権と軍事力による脅しや侵略で生きながらえているが、ドルを基軸通貨の位置に留めてきたのはペトロダラーの仕組み。サウジアラビアをはじめとする産油国に石油の決済をドルに限定させ、産油国に蓄積されたドルでアメリカの財務省証券や高額兵器を買わせるという形で回収してきたのだ。サウジアラビアがアメリカから離れるとアメリカ中心の支配システムは崩壊しかねない。

サウジアラビアはイスラエルとも緊密な関係にあり、三国同盟から離脱する可能性は小さいだろうが、現在の動きはアメリカ支配層にとって心地良いものではないはずだ。

三国同盟がシリアの体制転覆計画が思うように進まず苛立っていた2013年7月末、サウジアラビアの情報機関、総合情報庁のバンダル・ビン・スルタン長官がロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談し、チェチェンのグループは自分たちの指揮下にあり、シリアから手を引けば冬季オリンピックの安全を保証できると持ちかけたと伝えられている。つまり、シリアから手を引かないとチェチェンを襲撃させると脅したわけだが、プーチンには通じなかった。その年の10月にバンダルはイスラエルを訪問、その直後からウクライナの首都キエフでは反政府の抗議活動が始まり、翌年2月のクーデターにつながる。このクーデターではイスラエルの影が見えた。

しかし、今回のサウジアラビア国王のロシア訪問は友好的なものだったようだ。一時期、イスラエル首相もロシアを頻繁に訪問していたが、思い通りにならなかったと言われている。サウジアラビアの場合、どうなるかが注目されている。すでに原油価格の大幅な下落で財政が苦しくなっていると言われ、アメリカ支配層の心中は穏やかでないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710060000/


74. 中川隆[-5915] koaQ7Jey 2017年11月13日 12:10:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.13
米国の好戦派から圧力をかけられる中、トランプ米大統領はAPECでプーチン露大統領と非公式会談


ドナルド・トランプ米大統領とウラジミル・プーチン露大統領がベトナムで非公式に会談、​シリアにおける戦闘の軍事的な解決はないということで合意したと11月11日に発表​された。そこにはシリアから親イラン勢力が撤退するというようなことは含まれていない。

​トランプ大統領がベトナムでプーチン大統領と会談するとFOXニュースに語った​のは11月2日のこと。その直後にロシア外務省はベトナムで開かれるAPECのサミットでプーチン大統領は会談する用意があると表明した。

しかし、アメリカにはロシアとの関係を悪化させようとする勢力が存在する。冷戦の復活ではなく、1991年12月にソ連が消滅、西側の傀儡だったボリス・エリツィンがロシア大統領を務めていた当時のようにアメリカが唯一の超大国になり、自分たちがその支配者として君臨したいということだ。

何度も書いてきたが、1991年にそのウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に明言している。(​3月​、​10月​)

また、2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事によると、その当時、​アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始​したと主張、この工作にはムスリム同胞団やサラフィ主義者が使われることも示唆している。

こうした作戦のベースになっているのが​1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案​。ポール・ウォルフォウィッツを中心に作成されたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。簡単に言うと、パクス・アメリカーナの実現だ。

このドクトリンの前提はソ連が消滅し、ロシアがアメリカの属国になったということ。そこでアメリカは東アジアを重視、つまり中国を屈服させようとするのだが、21世紀に入ってプーチンがロシアを再独立させることに成功してネオコンの戦略は揺らぐ。

それでもウォルフォウィッツ・ドクトリンに執着しているネオコンはロシアの再属国化を目論む。同時に中国も屈服させようとしているが、アメリカやイスラエルは脅して屈服させようとする。

その路線に沿って動こうとしていたのがヒラリー・クリントンだが、ロシアや中国のように脅されても屈しない国に対しては脅しをエスカレートさせることになり、その先には全面核戦争が待ち受けている。

バラク・オバマ政権はすでにロシアとの関係を深刻化させ、クリントンへ引き継ごうとしたのだろうが、この目論見はアメリカとロシアとの関係を修復させると公約して当選したトランプの当選で揺らぐ。そこで始まったのが「ロシアゲート」キャンペーンだ。証拠を示すことなく、有力メディアを使って宣伝、人々を洗脳してきた。

今回もトランプとプーチンとの会談を阻止、関係修復を妨害するための圧力があったようで、ロシア外務省が米露大統領の会談に前向きの姿勢を見せた直後、ホワイトハウスの広報担当は両大統領がベトナムで公式に会うことはないと語った。そこで非公式の会談になったわけだ。

シリアを含む中東ではネオコン、イスラエル、サウジアラビアの描いたプランが崩壊寸前にある。手先として使ってきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は壊滅状態。トルコ政府によると、アメリカはクルドが支配している地域に10カ所以上の軍事基地を建設済みで、自分たちの手先をクルドへ切り替えようとしたが、それも思惑通りには進んでいないようだ。

そうした中、イスラエルとサウジアラビアはイランに対する戦争を実行しようと画策しているが、これは焦りの結果だ。サウジアラビアでは国王と皇太子の親子がライバルの粛清を開始、イスラエルが協力している。イランどころかヒズボラをこの2カ国で倒すことは難しく、アメリカを巻き込もうとしているだろう。西側の有力メディアはそのイスラエルとサウジアラビアの宣伝機関として活動している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711130000/


75. 中川隆[-5833] koaQ7Jey 2017年11月20日 09:45:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.20
米国とトルコとの関係は冷え切っているが、NATOがノルウェーでの軍事演習でトルコを敵と表現
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711170000/

アメリカとトルコとの関係が悪化していることは本ブログでも繰り返し書いてきた。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が目論んだシリアの体制転覆が思惑通りに進まずに長期化、ロシアへ接近して防空システムS-400を購入することで合意する状況になっている。

それでもトルコはまだNATO加盟国であり、ノルウェーで行われていた軍事演習にも参加していたのだが、その中で​トルコ政府が敵とされていたことに怒ったレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領​は11月17日、自国兵士40名を引き揚げさせると発表した。

トルコがロシアへ接近する前、両国は軍事衝突へ発展しても仕方がない状況に陥ったこともある。アメリカをはじめとする三国同盟が侵略の手先として使っていたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)をロシア軍が2015年9月30日にシリア政府の要請で攻撃を開始、戦況を一変させて政府軍が優勢になったのだが、そうした中、同年11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜、脱出した乗組員のひとりを地上にいた戦闘集団が殺害したのだ。

パイロットの殺害を指揮したとされているアレパレセラン・ジェリクは「灰色の狼」という団体に所属していた。この団体は1960年代に「民族主義者行動党」の青年組織として創設されたが、トルコにおける「NATOの秘密部隊」の1部門だとも言われている。

この撃墜はアメリカの承認、あるいは命令なしに実行できなかったはず。撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問していた。

ところが、2016年6月下旬にエルドアン大統領は撃墜事件に関してロシアのウラジミル・プーチン大統領に謝罪、​7月13日にトルコの首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆​していた。

その直後、7月15日にトルコでは武装蜂起があり、短時間で鎮圧されている。事前にロシア政府がトルコ政府に対してクーデター計画の存在を知らせたとも伝えられている。エルドアン政権はクーデター計画の黒幕をアメリカへ亡命中のフェトフッラー・ギュレンだと主張しているが、この人物はCIAの保護下にあると見られている。つまり、クーデター未遂を仕掛けたのはアメリカ政府だった可能性がある。

その流れの中、今年(2017年)10月5日にトルコのアメリカ領事館で働いているメティン・トプスが逮捕され、別のひとりの逮捕状も出されたと伝えられている。このクーデター計画の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたと見る人は少なくない。その一方、今年9月12日にトルコとロシア両政府はロシア製の防空システムS-400の購入で合意している。

つまり、トルコとアメリカの関係は冷え切り、NATO側もトルコは敵になったと考える状況になっている。それを正直に表現、トルコがNATOから離れる口実を作ってしまったとも言えるだろう。その​NATOは加盟国に対し、部隊を緊急展開するために道路、橋、鉄道網などを整備して戦車など重い装備の移動に耐えられるようにしておけと11月8日に発表​した。1991年12月にソ連が消滅してからNATOは東へ浸食、ロシアとの国境が目の前に迫っている。

西側ではNATOの役割を防衛的に描くが、その創設で中心的な役割を果たしたイギリスやアメリカには好戦的な勢力が存在している。その象徴とも言える人物がウィンストン・チャーチル。第2次世界大戦でドイツが降伏した1945年5月当時、イギリスの首相だったチャーチルはJPS(合同作戦本部)に対してソ連への軍事侵攻作戦を作成するように命令している。そして5月22日に提出されたのが「アンシンカブル作戦」。7月1日に米英軍数十師団とドイツの10師団が「第3次世界大戦」を始める想定になっていた。

この作戦は参謀本部に拒否され、チャーチルは7月26日に下野するが、彼はソ連との戦いは続けた。つまり、翌年の3月5日にアメリカのミズーリ州フルトンで「バルト海のステッティンからアドリア海のトリエステにいたるまで鉄のカーテンが大陸を横切っている」と演説して冷戦の開幕を告げ、​1947年にアメリカのスタイルズ・ブリッジス上院議員に対し、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得して欲しいと頼んだ​と伝えられているのだ。

大戦でアメリカ本土は攻撃されなかったに等しく、製造業も無傷で残った。それに対してソ連はドイツとの戦闘で2000万人以上の国民が殺され、工業地帯の3分の2を含む全国土の3分の1が破壊され、惨憺たる状態だった。西ヨーロッパへ侵攻、占領する余力はソ連軍に残されていなかった。

そうした中、1949年4月に創設されたのがNATOと呼ばれる軍事同盟だ。参加国はアメリカとカナダの北米2カ国に加え、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクの欧州10カ国である。

NATOが創設される一方、ヨーロッパでは統合の動きが現れ、EUにつながる。こうした考え方のベースにはオットー・フォン・ハプスブルク大公やチャーチルを含む支配グループが1922年に創設したPEU(汎ヨーロッパ連合)があるとも言われている。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

実は、NATOが創設される前から破壊工作を目的とした秘密機関が存在していた。当初はWUCCが統括していたが、1949年に北大西洋条約が締結されるとNATOへ吸収され、51年からはCPCというラベルの下で活動するようになった。CPCのメンバーだった国はアメリカのほかイギリス、フランス、西ドイツ、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、そしてイタリアだ。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

SACEUR(欧州連合軍最高司令官)の命令でCPCの下部組織として1957年、あるいは58年に創設されたのがACC。各国の情報機関はこの委員会で情報の交換を行っている、あるいはこの委員会を通じてアメリカは秘密部隊のネットワークを操るとも言われている。

NATOの秘密部隊は国ごとに名称が違い、例えばイタリアはグラディオ、デンマークはアブサロン、ノルウェーではROC、ベルギーではSDRA8といった具合だ。こうした秘密部隊全てが米英の情報機関、つまりCIAとMI6(SIS)のコントロール下にある。

こうした秘密機関の存在が公的に確認されたのは1990年8月のこと。イタリアのジュリオ・アンドレオッティ内閣がその存在を公的に確認、その年の10月にはグラディオに関する報告書を出している。

そのグラディオは1960年代から80年代にかけて「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、左翼陣営にダメージを与え、治安体制を強化して国内の刑務所化を促進した。かつてイタリアやフランスはコミュニストの影響力が強かったが、今は見る影もない。

このグラディオの背後にはアメリカの秘密工作機関OPC(CIAへ吸収され、1952年に計画局が設置される際の中核になった)が存在、東アジアでは当初、上海に拠点があった。ところが中国では解放軍が19491月に北京へ無血入城、5月には上海を支配下におき、10月には中華人民共和国が成立している。そこで拠点は日本へ移動、その中心は厚木基地になった。

その1949年に日本では国鉄を舞台とした怪事件が相次ぐ。7月5日から6日にかけての下山事件、7月15日の三鷹事件、そして8月17日の松川事件だ。これらの事件は左翼弾圧に利用されている。その翌年の6月に朝鮮戦争が勃発した。朝鮮戦争の最中、CIAは国民党軍を率いて中国への軍事侵攻を試みたが、失敗している。

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最終更新日 2017.11.20 04:46:33







2017.11.19

かつてシリア侵略に加担したカタールの元首相が米国を中心とする勢力の侵略作戦について語った


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アメリカの軍と情報機関が不法占領を続けているシリアでは新たな戦争を始めようとする動きがある。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使ったバシャール・アル・アサド体制の打倒に失敗、クルドを新たな侵略の手駒にするプランもうまくいかず、イスラエルとサウジアラビアはアメリカを直接的な軍事介入へと導こうとしている。そうした目論見に応えようとするアメリカの勢力がネオコン、あるいはアングロ・シオニストだ。

シリア侵略の中核はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟だが、当初はそこにトルコ、カタール、ヨルダン、アラブ首長国連邦、フランス、イギリスなどが加わっていた。そのうちトルコとカタールが離脱、そのカタールで1992年1月から2013年6月まで外務大臣、2007年4月から2013年6月まで総理大臣を務めたハマド・ビン・ジャッシムがシリア侵略の内情をBBCのインタビューで語っている。

ハマドによると、2006年7月から8月にかけて行われたレバノンへの軍事侵攻に失敗したことを受け、2007年から対シリア工作が始まったのだという。本ブログでは何度も書いてきたことだが、調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​は2007年3月5日付けのニューヨーカー誌にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始していると書いていた。

その2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官はそのベースになるプランが遅くとも1991年の段階で作られていたことを指摘している。その当時、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたというのだ。(​3月​、​10月​)

1991年12月にソ連が消滅してボリス・エリツィンを大統領とするロシアはアメリカの属国になると、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識して世界制覇プランを国防総省のDPG草案という形で作成している。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

2003年3月にアメリカ主導軍による先制攻撃でイラクのサダム・フセイン体制は崩壊、その後も殺戮と破壊が続く。ウォルフォウィッツが口にした3カ国のうち、残るはシリアとイランということになる。レバノンのヒズボラはイランとの関係でターゲットになった。

ハマド・ビン・ジャッシムによると、レバノン政府の親サウジアラビア派を支援してシリアでの戦乱を煽ったいたのがサード・ハリリ。11月4日にサウジアラビアでテレビを通じて辞任を発表した人物である。そのハリリもシリア侵略が失敗したことを理解、ヒズボラとの連合政府へ参加する意向だということを今年10月中旬にイタリアのラ・レプブリカ紙へ語っている。

サウジアラビアでハリリの後ろ盾になっていたアブドル・アジズ・ビン・ファハド王子が粛清劇の最中に死亡、ハリリも拘束されて辞任を強いられたと言われている。現在は家族が人質に取られた形で表面的には自由に動いているようだ。

イラクのクルドもシリアへの侵略に協力していたとしているが、リーダーのマスード・バルザニが父親のムラー・ムスタファ・マスードと同じようにイスラエルの指揮下にあることは広く知られている。イスラエルやサウジアラビアはマスードを利用してイラク北部を奪おうとしたのだが、イラク・クルドの反マスード派がイラク政府側へつき、キルクークを政府軍が奪還したことから「独立」の目論見は失敗に終わった。シリアのクルドも侵略軍の傭兵として政府軍やロシア軍と戦うことを拒否したようだ。

そこでイスラエルやサウジアラビアは、シリア北部を占領して基地を建設しているアメリカ軍を利用しようとしている可能性が高い。アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は相変わらずロシアに対して吠え続け、核戦争も辞さない姿勢を示している。

今年8月にネオコンの​リンゼイ・グラハム​上院議員は朝鮮との戦争に関し、「もし数千人が死ぬとしても、死ぬのはそこでであり、ここではない」とテレビ番組で語っていた。朝鮮を攻撃すれば朝鮮が反撃するだけでなく、中国が軍事介入してくる可能性は高い。朝鮮戦争の時もそうだったが、アメリカは朝鮮半島での戦争を対中国戦の一環だと認識している。中国の戦略的同盟国であるロシアも動くだろう。ロシアがその気になればアメリカの空母艦隊は対艦ミサイルなどで全滅、アメリカに残された道はふたつしかなくなる。降伏するか、あるいは全面核戦争だ。

ネオコンは中国やロシアと戦争を始めても、第2次世界大戦のように、アメリカ本土は戦場にならないと考えている可能性がある。日本は朝鮮半島に近いわけだが、日本人も似たようなものだろう。高をくくっている。日本のマスコミは「大東亜共栄圏」を掲げて侵略戦争を行った当時よりもひどい状況だ。

それに対し、ドナルド・トランプ政権の首席戦略官だった​ステファン・バノン​は朝鮮の核問題に絡み、「軍事的な解決はない。忘れろ」と発言していた。ソウルに住む1000万人が開戦から最初の30分で死なないことを示されない限り軍事作戦には賛成しないという姿勢だった。そして彼は首席戦略官を解任された。死者が数千人で済むはずはないとバノンは理解している。

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最終更新日 2017.11.19 06:14:08


2017.11.18

サリンを使用したと米政府がシリア政府を批判する根拠の国連報告書にはその主張を否定する事実


カテゴリ:カテゴリ未分類

アメリカ政府は国連を使い、シリア政府がサリンを使ったと非難している。その根拠とされている国連の報告書があるのだが、そこにはシリア政府軍の戦闘機がサリンで攻撃したとするアメリカ政府のシナリオを否定する事実が「付録II」に書かれていることも事実である。

ロシア国防省はシリア政府軍が侵略軍の兵器庫を空爆したのは2017年4月4日の午前11時30分から12時30分だとしているのが、国連の報告書では午前6時42分から52分だとされている。ところが、それでもシリア政府軍がサリンを使ったことを否定する事実がその報告書には含まれている。6時には病院へ患者が担ぎ込まれているというのだ。攻撃があったとされる時刻より前にカーン・シャイクンでは57件、その他の地域を含めると100名以上になる。

本ブログではすでに書いたことだが、アメリカ国務省でさえ、10月18日に発表した旅行者向けの警告の中でダーイッシュやハーヤト・ターリル・アル・シャム(アル・ヌスラ)などのグループが化学兵器を使うことを認めている。それにもかかわらず、こうした勢力がサリンを使ったかどうかを国連は調べようとしない。それどころか、こうした勢力と一心同体の関係にあることが明白になっている白ヘルなどの主張に依存しているのだ。

化学兵器をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアをはじめとする勢力が送り込んだ傭兵集団が使っていることは2013年の段階ですでに指摘されていたが、アメリカの政府や有力メディアは政府軍が使用したと強弁、それを口実にしてアメリカ軍やNATO軍による直接的な軍事介入を目論んできた。傀儡体制の樹立に失敗したなら、イラクやリビアのように国を破壊して「石器時代」のようにしようとしたわけだ。

アメリカが化学兵器の使用を口実にした直接的な侵略を口にしたのは2012年8月のこと。バラク・オバマ大統領が直接的な軍事介入の「レッド・ライン」は生物化学兵器の使用だと宣言したのだ。少なからぬ人は、アメリカ政府が生物化学兵器を使うことに決めたのだなと推測した。

2012年12月になると、国務長官だったヒラリー・クリントンがこの宣伝に加わる。自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張したのだ。翌年の1月になると、アメリカ政府はシリアでの化学兵器の使用を許可、その責任をシリア政府へ押しつけてアサド体制を転覆させるというプランが存在するとイギリスのデイリー・メール紙が報道した。

そして2013年3月、ダーイッシュがラッカを制圧した頃にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難したが、この化学兵器話に対する疑問はすぐに噴出、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。この年には8月にも化学兵器が使用され、アメリカは9月上旬に攻撃すると見られていたが、地中海から発射されたミサイルが海中に墜落、軍事侵攻はなかった。その件も、シリア政府が化学兵器を使用したことを否定する報道、分析が相次いだ。

コントラの麻薬取引を明るみに出したことで有名なジャーナリスト、​ロバート・パリー​によると、4月6日にポンペオCIA長官は分析部門の評価に基づき、致死性の毒ガスが環境中に放出された事件にバシャール・アル・アサド大統領は責任がなさそうだとトランプ大統領に説明していたと彼の情報源は語り、その情報を知った上でトランプ大統領はロシアとの核戦争を招きかねない攻撃を命令したという。6月25日には調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​もパリーと同じ話を記事にしている。化学兵器の使用にアサド政権は無関係だとするCIAの報告は無視されたということだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711170000/


76. 中川隆[-5812] koaQ7Jey 2017年11月24日 20:37:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.24
シリア侵略に失敗したサウジとイスラエルが新たな戦争を目論む中、露、イラン、トルコが連携強化


ロシア、イラン、トルコが連携を強めている。今年(2017年)11月19日に3カ国の外務大臣がトルコのアンタルヤで会談したのに続き、22日には大統領がロシアのソチに集まってシリア情勢などについて話し合った。そのシリアのバシャール・アル・アサド大統領はその間、20日にソチでロシアのウラジミル・プーチン大統領を会っている。

こうした会談はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とするシリア侵略が破綻したことを受けてのこと。トルコは途中まで侵略に加担していたが、2015年9月30日にロシアがシリア政府の要請で空爆を開始、戦況を一変させてアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の劣勢が明確になってからアメリカ離れを起こしている。

トルコ政府の姿勢が変化したことは2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアのウラジミル・プーチン大統領に対してロシア軍機撃墜を謝罪したことで表面化した。

この撃墜があったのは2015年11月24日のこと。トルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜したのだ。ロシア軍機の撃墜をトルコ政府だけの判断で実行できるとは考え難く、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問してこともあり、アメリカ政府が許可していたと見る人は少なくない。

2016年7月13日になると、​トルコの首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆​している。武装蜂起はその直後、7月15日のことだ。この蜂起は短時間で鎮圧されたが、事前にロシアからエルドアン政権へ情報が伝えられていたとも言われている。

エルドアン政権はクーデター計画の首謀者はアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだと主張、蜂起の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたともしている。この段階でアメリカとトルコとの関係は決定的に悪くなったが、NATOから離脱するまでには至っていない。

ところが、今年11月にノルウェーで実施されたNATOの軍事演習でトルコ政府が敵だと表現されていたことから​エルドアン大統領は11月17日、自国兵士40名を引き揚げさせると発表​した。

1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語ったことは本ブログでも繰り返し書いてきた。2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が明らかにしている。(​3月​、​10月​)

侵略されたのはイラクが最初で、2003年3月のこと。シリア侵略はリビアに続き、2011年3月に始まっている。イラクの占領政策を見るとアメリカ政府は親イスラエル体制を樹立しようと目論んでいたようだが、これは失敗。2014年3月には首相だったヌーリ・アル・マリキがサウジアラビアやカタールを反政府勢力への資金提供国だと批判、ロシアへ接近する姿勢を見せていた。

その翌月に行われた議会選挙では彼が党首を務める法治国家連合が第1党になったので、本来なら彼が首相を続けるのだが、指名されなかった。アメリカ政府が介入したと見られている。首相に選ばれたのはハイデル・アル・アバディだ。

2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で空爆を始めると、このアバディもロシアに空爆を頼もうとする。そうした動きを見た​バラク・オバマ政権は10月20日にジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長をイラクへ送り込み​、ロシアへ支援要請をするなと恫喝したと見られている。

こうした恫喝にもかかわらず、イラクのイランやロシアへの接近は止められなかったようだ。今年7月にはイランとイラクが広範囲の軍事的協力で合意、副大統領になっていたマリキはロシアを訪問し、経済や軍事で両国の関係を強めるための話し合いをしている。

トルコと関係の深いカタールもイランやロシアとの話し合いを水面下で進めていたようだが、サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子は今年6月上旬、そのカタールを経済封鎖で締め上げて属国化しようとする。ところが、すでに対策済みのカタールは屈しない。

サウジアラビアが経済戦争を仕掛ける直前、ドナルド・トランプ米大統領は5月20日から21日にかけてサウジアラビアを、22日から23日にかけてイスラエルを訪問した。ビン・サルマンは9月にイスラエルを極秘訪問しているが、その月にアメリカの特殊部隊に率いられた反シリア政府軍がシリア北西部のイドリブでパトロール中だったロシア軍の憲兵隊を包囲、戦闘になっている。その戦闘は数時間にわたって続き、その間にロシア軍の特殊部隊スペツナズが救援に駆けつけ、Su-25も空爆、反政府軍の部隊の戦闘員約850名が死亡したという。その際にアメリカの特殊部隊も全滅したようだ。

その直後にアメリカ軍とロシア軍が緊急協議をしているようだが、9月24日にはシリアのデリゾールではダーイッシュの砲撃でロシア軍事顧問団を率いるバレリー・アサポフ中将とふたりの大佐が死亡した。10月31日にロシア軍は地中海にいる潜水艦から発射されたミサイルでデリゾールにあったダーイッシュの拠点を攻撃、破壊したとされている。

イスラエルもロシアと盛んに接触、シリアから手を引き、イランとの関係を断つように要求しているが、ロシア側から一蹴されている。10月16日にはロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がイスラエルを訪れているが、それに合わせてイスラエル軍はシリアの首都ダマスカスから東へ50キロメートルほどの地点に設置されていた地対空ミサイルの発射装置を破壊したと発表されている。

その際にシリア軍は保有する旧型の防空システムS-200で応戦、イスラエル軍のF-35が損傷を受けたのではないかとも言われている。イスラエル軍のF-35がコウノトリと衝突して飛行できない状態になったと発表されたのだが、その状況を示す写真などが明らかにされていなこともあり、ミサイル攻撃での損傷ではないかというわけだ。これが事実なら、S-400はF-35を容易に撃墜できると推測できる。

地上戦でもイスラエル軍の優位は失われていると見られている。イスラエルが誇る戦車、メルカバ4がヒズボラの使っている対戦車兵器、RPG-29、AT-14コルネット、メティスMで破壊されていると伝えられているのだ。

サウジアラビアは自らが仕掛けた石油相場の下落で財政赤字に陥り、シリア侵略に失敗、軍事介入したイエメンでは戦争が泥沼化、苦境に陥った。そうした政策の中心グループにはビン・サルマンも含まれている。

ビン・サルマンはネオコンと同じように軍事力で相手を屈服させようとしているが、自国だけでなく、アメリカやイスラエルの軍事力を過大評価していたようにも見える。ウォルフォウィッツが1991年に口にしたプランを実現するためにはアメリカを引き込むしかない。

アメリカ軍はすでにシリア北部で十数カ所の軍事基地を建設、シリア政府の抗議を無視してそこに居座るつもりだが、イスラエルやサウジアラビアと連携してさらに新たな戦争を始める可能性もある。来年前半に予定されているイベント、例えばオリンピック、ロシアの大統領選挙、サッカーのワールドカップなどが利用されると懸念する人は少なくない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711240000/


77. 中川隆[-5811] koaQ7Jey 2017年12月01日 08:34:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.01
黒海で米軍の哨戒機が露国の国境へ近づき、露軍の戦闘機が緊急発進したが、背後に核戦争の危機


11月25日にアメリカ軍は哨戒機P-8A ポセイドンを黒海からロシアの国境に向かって高速で飛行させ、ロシア軍のSu-30が緊急発進するという出来事があった。公海上ではあったようだが、国境までの距離が10キロメートルを切っている。万一、P-8Aが領空を侵犯した場合、その地域の重要性を考えると撃墜という事態もありえただろう。その前に対処できたのは好運だった。

言うまでもなく、黒海はロシアにとって防衛上、重要な場所。そこでアメリカ軍は2014年、ウクライナでクーデターを成功させた後にも艦船を使い、ロシア軍を威嚇しようとしていた。例えば、4月10日にイージス艦のドナルド・クックをロシアの国境近くまで航行させている。いつでも攻撃できるというメッセージだったのだろう。

その際、ドナルド・クックの近くをロシア軍のSu-24が飛行、その直後にドナルド・クックはルーマニアへ緊急寄港、それ以降はロシアの領海にアメリカ軍は近づかなくなった。ジャミングで米艦のイージス・システムを機能不全にしたと言われている。船の場合、電子機器が機能しなくなっても浮かんでいるが、航空機の場合は墜落する可能性があるのでロシア軍は電子戦を仕掛けられないと考えたのかもしれない。

すでにアメリカ軍はロシアの国境線近くにミサイルを配備し、先制攻撃の準備を進めている。ロシア側としては、それを脅しだけだと高をくくるわけにはいかないだろう。先制核攻撃の準備を進めることになる。ウラジミル・プーチン露大統領が自国の大規模製造業者に対して​戦時体制への切り替え​ができるよう、11月22日に指示したのもそのためだろう。

アメリカ/NATO軍は1991年12月にソ連が消滅して以来、部隊を東へ移動させてきた。当然、ロシアの国境が近づいてくるわけだが、それを西側ではロシアの好戦的な姿勢を示すと説明している。来春からアメリカ軍は40名から50名の将校をジョージアへ派遣、3年にわたって将兵を訓練するとしている。

最近、イタリアのメディアが2014年の​ウクライナにおけるクーデターに関するドキュメンタリーを伝えていた。アメリカのネオコンを後ろ盾とするシオニストの富豪が資金を出し、ネオ・ナチが最前線に立ってビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除したのだが、そのクーデターの大きな節目になった広場での狙撃に関する証言が紹介されているのだ。

このクーデターは2013年11月にはキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)へ約2000名の反ヤヌコビッチ派が集まるところから始まった。当初は平和的だったが、2月になってから西側の軍事訓練を受けたネオ・ナチが前面に出始め、2月18日頃になるとチェーン、ナイフ、棍棒を手に、石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーなどを持ち出し、中にはピストルやライフルを撃つ人間も出始めた。そして22日に狙撃で市民側にも警察側にも多くの死者が出ている。これを西側は政府側の仕業だと宣伝していた。

しかし、事実は違った。2月25日にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相はその翌日にキャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話、反政府側が実行したと強く示唆している:

「​全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。​」

当時から外国のスナイパーが関与しているいう話が流れていたが、イタリアのドキュメンタリーに登場したジョージア人は自分たちが狙撃したと認め、任務として行ったと弁明している。ウクライナのクーデターは、ミヘイル・サーカシビリがジョージアで実権を握った2003年11月の「バラ革命」と同じシナリオだったとも語っている。(​その1​、​その2​)

サーカシビリが大統領だった2008年、ジョージアは南オセチアを奇襲攻撃している。北京オリンピックにタイミングを合わせた作戦だった。7月10日にアメリカのコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問、それから1カ月足らずの8月7日にサーカシビリ大統領は南オセチアの分離独立派に対して対話を訴え、その約8時間後に深夜に奇襲攻撃を開始したのだ。

この軍事作戦にはアメリカ以上にイスラエルが深く関係している。2001年からイスラエルの会社がロシアとの戦争に備えてグルジアに武器、無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを提供、同時に軍事訓練を行っていた。(Tony Karon, “What Israel Lost in the Georgia War”, TIME, August 21, 2008)2007年からイスラエルの専門家がグルジアの特殊部隊を訓練し、重火器、電子兵器、戦車などを供給する計画を立てとする主張もある。(Jerusalem Post, August 19, 2008)

ジョージアとイスラエルとの関係を象徴する人物がジョージア政府内にいた。イスラエルに住んでいたことのある閣僚がふたりいたのだ。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当しているテムル・ヤコバシビリだ。ふたりは流暢なヘブライ語を話すことがでる。

その当時、南オセチアに駐留していた平和維持部隊の軍事的能力は低く、アメリカやイスラエルの軍事訓練を受けているジョージア軍の前になす術がなかった。そこでロシア軍は戦闘車両150両を送り込むなど即座に反撃、空爆も始めてジョージア軍を粉砕してしまったのである。ロシア軍が出てくればこうなる。正規軍ではロシア軍に太刀打ちできないことが明確になった。軍事侵攻に失敗した後、8月15日にライス国務長官は再びジョージアを訪問、サーカシビリと会談している。

本ブログでは何度か指摘したが、アングロ・シオニストは遅くとも20世紀初頭からロシアを侵略する戦略を始動させている。日本もその手先として使われた可能性が高い。

第2次世界大戦後、ドイツとの死闘で疲弊したソ連を破壊するため、アメリカの好戦派は1957年にドロップショット作戦を作成、300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊しようとしていた。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、ルメイを含む好戦派は​1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定​にしていた。その頃になれば、先制核攻撃に必要なICBMを準備できると見通していた。これが「核の傘」である。この計画に強く反対し、好戦派と激しく対立したジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日に暗殺された。

ソ連消滅後、ロシアはボリス・エリツィン大統領の時代に国の資産は略奪され、軍事力も大幅に低下した。アメリカ支配層の内部でもそうした感覚は21世紀に入っても残っていたようで、キール・リーバーとダリル・プレスはフォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)の2006年3/4月号で、​ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張​している。

ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は今でもロシアや中国を核戦争で脅している。米ロ、米中間で相互に核兵器発射はしない体制を構築しているということはない。正常な感覚の持ち主なら、この状況を知れば恐怖するだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712010000/


78. 中川隆[-5810] koaQ7Jey 2017年12月03日 16:05:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.03
米政府は報道統制の邪魔になっている露国系メディアに対する言論弾圧を強化、露政府は対抗措置


アメリカ司法省はロシア系メディアに対して「外国のエージェント」として登録し、その金融に関する情報を開示するように強制しはじめた。それに対抗してロシアでは対抗措置として新たな法律を成立させている。ロシア国内で活動、外国が資金提供する報道機関に対して財務内容と活動の詳細を開示することを要求することになりそうだ。ロシアのメディアと似た状況にあるカタールのアル・ジャジーラ、フランスのフランス24、イギリスのBBC、ドイツのドイチェ・ベレ、あるいは日本のNHKに対してアメリカ司法省はそうした要求をしていない。

ロシア系メディアのメディアが狙われた理由はアメリカの報道統制にとって邪魔な存在だからだろう。アメリカでは情報源が政府、議会、大企業など支配層に偏り、そうした支配層に批判的な意見は採りあげられないに等しい。イスラエルのパレスチナ人弾圧を批判していたユダヤ系の学者が大学から追放されるということもあった。

選挙では民主党と共和党という2大保守政党以外の弱小政党にも発言のチャンスを与え、イラク、リビア、シリアなどでは現地で地道に取材しているジャーナリストの報告も取り上げている。つまり、アメリカの有力メディアを通して伝える「大本営発表」の嘘がロシア系メディアを通して明らかにされてきたのだ。

本ブログでは繰り返し書いてきたように、アメリカの支配層は第2次世界大戦の直後から組織的に情報操作を行ってきた。1948年頃に始まった情報操作プロジェクトはモッキンバードと呼ばれ、その中心メンバーは大戦中からアメリカの破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの側近で極秘の破壊工作機関OPCを指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムである。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

この4人のほか、CBSの社長だったウィリアム・ペイリー、TIME/LIFEを発行していたヘンリー・ルース、ニューヨーク・タイムズの発行人だったアーサー・シュルツバーガー、クリスチャン・サイエンス・モニターの編集者だったジョセフ・ハリソン、フォーチュンやLIFEの発行人で、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の様子を撮影したザプルーダー・フィルムを隠すように命じたのC・D・ジャクソンなど多くのメディア関係者の名前が協力していたと言われている。

フィリップ・グラハムは1963年8月、ケネディ大統領が暗殺される3カ月前に自殺、妻のキャサリン・グラハムが新聞社を引き継いだ。キャサリンの友人の中にはフランク・ウィズナーの妻ポリーがいる。このキャサリンから目をかけられたワシントン・ポスト紙の記者ベンジャミン・ブラッドリーが結婚したトニー・ピンチョットの姉、マリー・ピンチョット・メイヤーはCIAの秘密工作部門の幹部だったコード・メイヤーと離婚した後、ケネディ大統領の愛人になったと言われている。マリーは1964年10月、ケネディ大統領暗殺に関する報告書が公表された3週間後、散歩中に射殺された。

ウォーターゲート事件を調査、リチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだのはキャサリン・グラハムが率いるワシントン・ポスト紙だった。事件を担当したのは若手記者だったカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードで、実際の取材はバーンシュタインが行ったという。

そのバーンシュタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、その直後に「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

それによると、その時点までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上。そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。現在の情報操作ネットワークはこの当時よりシステム化が進み、その規模も大きくなっているだろう。

2014年2月には​フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテ​もドイツでCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出している。ウルフコテによると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないこと。ドイツだけでなく多くの国のジャーナリストがCIAに買収され、最近では人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開、人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできない地点にさしかかっているとしていた。今年(2017年)1月、心臓発作によって56歳で死ぬまで警鐘を鳴らし続けていた。今年5月には英語版が出版されたはずだったが、流通していないようだ。

モッキンバードの中核メンバーだったヘルムズはCIA長官時代、「アカの脅威」に替わる新たな呪文として「国際テロリズム」を考えだした。ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンでサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成、訓練を始めていた1979年7月、アメリカとイスラエルの情報機関はエルサレムで「国際テロリズム」に関する会議を開いている。イスラエル側からは軍の情報機関で長官を務めた4名を含む多くの軍や情報機関の関係者が参加、アメリカからもジョージ・H・W・ブッシュ元CIA長官(後の大統領)やレイ・クライン元CIA副長官など情報機関の関係者が参加していた。

ロナルド・レーガンが大統領に就任した翌年の1982年、CIAのプロパガンダを担当していたNSC(国家安全保障会議)のスタッフはウォルター・レイモンド。その年の6月にレーガン大統領はイギリス下院の本会議で「プロジェクト・デモクラシー」という用語を使う。このプロジェクトの目的はアメリカの巨大資本にとって都合の悪い国家、体制を崩壊させることにある。いわゆるレジーム・チェンジだ。国内の作戦は「プロジェクト・トゥルース」と呼ばれた。1983年1月にレーガン大統領はNSDD(国家安全保障決定指示)77に署名、プロジェクトの中枢機関としてSPG(特別計画グループ)をNSCに設置、心理戦の中心になる。相手国の人々を偽情報で混乱させ、や文化的な弱点を利用して操ろうとしたのだ。(Robert Parry, “Secrecy & Privilege”, The Media Consortium, 2004)

このプロジェクトと並行する形で始められたのがCOG(政府の継続)。その源はドワイト・アイゼンハワー政権で始められたソ連に対する先制核攻撃計画だった。核戦争後に中心的な役割を果たす8名が選ばれたのである。これはジミー・カーター時代の1979年にFEMAと言う形で表面化、1982年にはNSDD55が出され、COGが承認された。1988年に出された大統領令12656でCOGの対象は核戦争から国家安全保障上の緊急事態へ変更され、2001年9月11日の出来事で始動、そのひとつの結果として愛国者法が出されたと言われている。

カリフォルニア大学バークレー校のピーター・デール・スコット教授によると、COGプログラムは二重構造になっていて、ジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたち上部組織と、ホワイトハウスの役人、将軍たち、CIAの幹部、「引退」した軍人や情報機関員など数百人で編成される下部組織に分けられたという。COGの始動で秘密政府が動き始めたのではないかと疑う人もいる。

西側、特にアメリカの有力メディアは支配層の情報統制機関にすぎない。かつては気骨ある記者が活躍する余地もあったが、今では事実を探すのが困難な状況だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712030000/


79. 中川隆[-5736] koaQ7Jey 2017年12月22日 20:59:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

少子化対策は「プーチンに学べ」--名越健郎
大統領は最近、新たな出産奨励策を発表した。
 2017年12月18日 10時15分 JST | 更新 2017年12月18日 10時15分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/putin-birth_a_23308103/?utm_hp_ref=jp-homepage


フランスの著名な歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏が『毎日新聞』(12月10日)のインタビューで、先進国では出生率が高いフランスは「経済も治安も悪い」が、「次世代の人口が維持できるので数十年後も存続する。日本はわからない」と日本の人口減少に警告。「出生率アップのいい事例はロシア。ぜひロシアの政策を研究すべきだ」と提言した。ロシアはソ連邦崩壊後の経済危機で、毎年人口が大幅に減少したが、ウラジーミル・プーチン露大統領は積極的な財政的インセンティブを導入し、出生率は著しく改善した。昨年から再度低下し始めると、大統領は最近、新たな出産奨励策を発表した。国家存亡にかかわる人口減少に直面する日本にとって、「人口対策はプーチンに学べ」ということになる。


「母親手当」で出生増
 ソ連崩壊後、経済・社会混乱が続いたロシアは1990年代に少子化が進み、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は、1999年には1.16まで落ち込んだ。男性の平均寿命が60歳前後と低かったこともあり、毎年70〜80万人規模で人口が減少していた。

 こうした中で、プーチン大統領は2006年の議会演説で、「人口減少は国家危急の問題であり、国家の存続が脅かされている。それは愛と女性と家族にかかわる問題だ」と力説。人口増を「国家プロジェクト」に指定し、第2子を出産した母親を対象に、25万ルーブル(当時のレートで約110万円)を住宅取得・修繕費、教育費、母親の退職後の年金加算などの形で国家が支払う方針を発表。児童手当の増額、母親の産休中の賃金保証なども含め、2007年から実行させた。

「母親資本制度」と呼ばれるこの一時金は、第3子以降についても適用され、額も毎年増加され、現在は約45万ルーブル(約86万6000円)。ルーブルの為替レートが下落し、外貨換算では減少しているが、平均月収の7〜8カ月分といったところだ。

 都市部はともかく、地方ではかなりの奨励金となり、出生率は導入前の2006年の1.30%から、導入後は1.41%(07年)、1.50%(08年)、1.54%(09年)と好転し、2015年は1.75%まで上昇した。1990年代に年間110〜120万人程度だった新生児の誕生数は、2015年は194万人に増加した(2015年の日本の合計特殊出生率は1.45。出生数は100万5677人だが、2016年から100万人を割り込んだ)。


官製ベビーブーム
 むろん、出生率の上昇は、プーチン体制下での社会・経済環境の安定を背景にしている。プーチン大統領自身、各地を訪れて「生めよ増やせよ」の官製ベビーブームを煽った。男性の平均寿命が65歳まで上昇したこともあり、ロシアの人口は2013年から、わずかながら自然増を記録するようになった。人口問題の改善は、プーチン政権の最大の功績の1つだ。

 なお、国家統計局が発表したロシアの人口は2017年1月時点で1億4680万人で、2013年より350万人程度増加している。これは、2014年に併合したウクライナ領クリミアの人口約200万人を加えたためで、ロシアの出生率、出生数もクリミアをカウントしている。

 だがロシアの出生数増加は、出産可能年齢の女性の人口が増えたことに伴う自然増の要素が最も大きい。1980年代後半のペレストロイカ(再編)の時代はベビーブーム期で、出生率は2を超えていた。この世代が2005年以降20歳を過ぎ、人口再生産年齢に入った。プーチン政権はその波に乗って出産奨励策を打ち出し、効果を上げたといえる。

 出生率上昇の闇の部分は、非ロシア人の出生率がロシア人以上に上昇し、人口動態に変化がみられることだ。多民族国家・ロシア連邦に占めるロシア人の比率は現在79%とされるが、25年前のロシア独立時は83%だった。イスラム教徒のチェチェン人女性は生涯に平均4人子供を生むとされ、イスラム人口の膨張が目立つ。イスラム教徒の人口は公表されていないが、2000万人近いとの説もあり、ロシアの人口問題専門家の間では、今世紀末にはイスラム系の比率がロシア系を抜くとの予測もある。
昨年から人口減に
 だがプーチン体制下で順調に増加してきた出生率も、2016年から再び低下しつつある。国家統計局によれば、2016年の出生数は前年より3%減少した。2017年1〜9月の新生児は計120万人で、前年同期比より16万人、11.5%の減少となった。

 出生数の減少は、80年代のベビーブーム期に生まれた女性が次第に高齢となったことが大きい。90年代の経済危機の時代に生まれた女性の人口層は薄く、今後再び人口減少社会に逆戻りしそうだ。

 ロシア国立研究大学高等経済学院人口問題研究所のビシエフスキー所長は、「出産可能女性の減少により、ロシアは今後15年は人口減少が続く」とし、2050年の人口は1億700万人まで減少しそうだと予測した。同所長は、今後深刻な労働力不足に直面する可能性があるとし、旧ソ連に居住するロシア系住民の帰還促進や外国人労働者の誘致拡大を提案した。

 ロシアの場合、5歳未満の児童死亡率が1000人当たり7.7人と高い(日本は同2.7人)。交通事故の死者は年間約2万5000人(日本は約3900人)、他殺約1万5000人(日本は約290人)、HIV感染者推定200万人(日本は推定2万5000人)、麻薬常習者推定400万人(日本は推定20万人)など、出生数は日本より多くても、社会環境から短命に終わるケースが多いことも事実だ。
新たなバラマキ型出産奨励策
 こうした中で、プーチン大統領は11月28日、クレムリンで人口問題について演説。「ロシアの人口動態が再び悪化しており、包括的な措置を策定することが急務だ」とし、人口増に向けた新たな政策を打ち出した。

 大統領は、「人口問題が悪化したのは、自然の摂理によるもので、驚くにはあたらない。第2次世界大戦と1990年代半ばに続く人口減時代がまた訪れつつある」と分析。今後10年間の人口減少を食い止めるための安定化措置が必要だと強調した。

 その上で、(1)2018年1月以降、第1子に対して18カ月間、低所得者層向けに生活状況や地域差に応じて子供手当てを支給する(2)第2子を生んだ母親への「母親資本制度」を2021年末まで延長し、一部を現金支払いにする(3)出生率の高い地方自治体への子育て関連の連邦予算支給を拡大する(4)2人以上の子供がいる家庭の住宅取得に際し、政府が住宅ローンの金利の一部を負担する(5)保育所の待機児童をゼロにする(6)児童病院を増設し、小児科医の医療水準を改善する――と述べ、「この包括措置が好ましい結果をもたらすと確信する」と語った。

 大統領によれば、一連の出産奨励策の予算は3年間で5000億ルーブル(約9620億円)で、政府の国民福祉基金などから拠出する。

 原油価格下落や低成長、欧米の経済制裁によって政府基金が縮小する中で、バラマキ型の大盤振る舞いだ。来年3月の大統領選出馬を表明したプーチン大統領の人気取り政策ともとれる。大統領陣営は、通算4期目は人口対策に加えて教育、医療、給与増も目玉に据える方針。ウクライナ、シリアなど地政学的野望が目立った3期目と違って、プーチン4期目は一転して内政重視型となるかもしれない。
北方領土交渉にも影響
 2014年2月、安倍晋三首相がソチ冬季五輪開会式出席のためソチを訪れた時のこと。プーチン大統領はG7(主要7カ国)首脳で唯一出席した首相を昼食会で歓待したが、その際大統領は日本の人口減少に触れ、「母親資本制度」などロシアの取り組みを説明し、出生率が上昇したことを紹介したという。この発言はロシア筋からの情報で、日本側はこのやりとりを公表しなかったが、「知日派」のプーチン大統領は日本の少子化や人口減を憂慮し、ロシアの取り組みを参考にするよう暗に持ち掛けたのかもしれない。

 プーチン流人口増加策は、母親にインセンティブを与えることにある。ロシアは米国と並ぶ離婚大国だけに、母親の権利を尊重している。母親への資金援助は、所得の低い地方では魅力的であり、出生率向上に一役買ったのは間違いない。ロシアは年金が安く、寿命も短いだけに、日本と違って医療・年金の負担は大きくなく、子育て支援に予算を回しやすい。日本では、民主党政権時代の子供手当は挫折したが、ロシアはプーチン大統領の強権支配であり、政策を即決しやすい要素もある。さらに、社会主義時代の伝統で幼稚園や託児所など育児支援施設が充実しており、待機児童はほとんどいない。日本がロシアに学ぶ教訓は少なくない。

 東京・内幸町にある国立社会保障・人口問題研究所の予測では、人口減少社会に入った日本の人口は2100年に約6400万人まで減少する。さらに、出生率が現状のままでは、西暦3300年の日本の人口はたったの3人という。3人では、麻雀もできないし、ゴルフも1組成立しない。憲法を改正して自衛隊を合憲にしても、人口減で自衛隊自体が兵力を充足できないだろう。国論を二分する改憲よりも人口対策を最優先課題に掲げ、ロシアのように国策として取り組むべきだろう。

 プーチン政権が北方領土交渉で強硬姿勢を貫くのは、1つにはロシアが日本の人口減を察知し、国力が大幅に低下することを視野に収めている可能性がある。今後日本の人口が激減すれば、4島を返されても開発・定住は難しい。出生率を上昇させなければ、ロシアは本格交渉に応じないかもしれない。(名越 健郎)


80. 中川隆[-5842] koaQ7Jey 2018年1月19日 09:46:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

「プーチンを裏切れ!」米国に脅迫された、ロシアの新興財閥軍団
2018.01.19 8 by 北野幸伯『ロシア政治経済ジャーナル』
http://www.mag2.com/p/news/347247


トランプ大統領の「ロシアゲート」事件をきっかけに悪化し続けている米ロ関係。アメリカはロシアの新興財閥にも圧力をかけ、プーチンを裏切るように仕向けているようです。米ロどちらとも良好な関係を保ちたい日本ですが、どのように動くのがベストなのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者でモスクワ在住、国際政治に詳しい北野幸伯さんが考察しています。

「プーチンを裏切れ!」アメリカ、ロシア新興財閥軍団を脅迫

久しぶりにロシアの話です。

「日本には沖縄の領有権はない!!!」

中国は、こんな主張をしている。それで、日本にとって最大の脅威になっている。私たちは、リアリズムの大家ミアシャイマーさんや、世界一の戦略家ルトワックさんの戦略に従い、「日米ロで連携し、中国を動けなくする」という道を探ってきました。

トランプは、「親ロシア、反中国大統領」として登場したので、非常に期待していた。しかし、その後「ロシアゲート」が盛り上がり、米ロ関係は悪化し続けている(トランプ自身は、今も親ロシアです)。そして、米中関係は、アメリカが北朝鮮問題で中国の協力を必要としていることから、あっさり改善されてしまった。現在の米中ロ関係を、単純にいえば

•米ロ関係は、非常に悪い。ますます悪化している
•米中関係は、悪くない
•中ロ関係は、とてもよい。

こんな感じになります。しかも、アメリカは、ロシアへの攻撃を止めようとしません。


アメリカ、「新興財閥ブラックリスト」を作成中

ブルームバーグに、こんな記事がありました。


米財務省がプーチン政権に近い新興財閥リスト提出へ−露富裕層は動揺

ブルームバーグ 1/16(火)13:30配信

米財務省はロシアのプーチン政権に近い新興財閥の寡頭資本家「オリガルヒ」の最初の公式リストを完成させつつある。これを受けロシアの富裕層は財産と名声を守る行動に乗り出している。

アメリカ財務省は、「プーチンに近い新興財閥リスト」を作成しているそうです。なぜ?????


このリストはロシアのエリート層のブラックリストに相当する見込みで、昨年8月にトランプ 米大統領が署名した法律で報告が義務付けられている。同法は2016年米大統領選への干渉疑惑を巡りロシアへの制裁を意図したもので、財務省と国務省、情報機関は180日以内に「ロシア政府との近い関係や純資産」に基づき対象者を特定する必要があり、期限は1月29日。
(同上)

「なぜリストを作っているのか?」。その理由が書かれています。


ロシアへの制裁を意図したもので

そうなんです。アメリカ政府は、このリストに基づいて、「新たなロシア制裁」の内容を決定する。皆さんご存知のように、欧米日の対ロ制裁は、2014年3月の「クリミア併合」後、ずっと続いています。徐々に強化されている。そのせいで、ロシア経済はボロボロになっている。そして、ロシアでは、「今回の制裁は、かなり厳しいものになりそうだ」と噂されています。理由は、ロシアで3月に大統領選挙がある。アメリカは、できるだけプーチン再選を邪魔したいのですね。


ロシア、新興財閥の系譜

少し復習しておきましょう。1991年12月、ソ連が崩壊した。そして90年代、新興財閥が生まれてきました。90年代の後半、ロシアでは、「7人の新興財閥が、この国の富の半分を支配している」といわれたものです。彼らは、エリツィン大統領(当時)を操り、「新興財閥の許可なしで、首相を選ぶことはできない」といわれていました。プーチンも、新興財閥に選ばれて大統領になったのです。

ところがプーチン、2000年に大統領になると、アッサリ彼らを裏切ります。というか、最初から「大統領になったら裏切る」という計画だったのでしょう。2000〜03年にかけて、彼は、最強新興財閥3人を征伐しました。

一人目は、「クレムリンのゴットファーザー」と呼ばれたベレゾフスキー。彼は、国営テレビ局ORT(現1カナル)を支配し、好き勝手なプロパガンダをしていました。しかしプーチンに敗れ、ロンドンに逃げ、2013年に亡くなっています。「自殺した」といわれていますが、「暗殺説」も根強い。

二人目は、グシンスキー。ロシアの民放最大手NTVの創業者。「ロシアのメディア王」と呼ばれていました。この方は、「世界ユダヤ人会議」の副議長も務めた超大物です。ところが、やはりプーチンとの戦いに敗れ、イスラエルに逃げました。

三人目は、ホドルコフスキー。彼は、当時ロシアの石油最大手だったユコスの社長。この方は、ユコスをエクソンモービル、シェブロンテキサコに売却する交渉をしていた。そして、欧米の支援を得て、プーチン政権を打倒しようとしたのです。しかし、逆に脱税容疑などで捕まり、シベリア送りにされた。2013年に釈放され、ロンドンに逃げました。今は、「オープンロシア財団」を率い、活発に「反プーチン活動」をしています。

ちなみに、ベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキー、3人ともユダヤ系です。「陰謀論」ではありません。興味のある方は、調べてみてください。

さて、プーチンは、わずか3年間で新興財閥の超大物3人を打倒した。これで、残りの新興財閥軍団は、プーチンに屈伏しました。「政治には口出ししません」と誓ったのです。「90年代に勃興し、2000年代はじめにプーチンに忠誠を誓ったグループ」、これが、新興財閥グループ1です。

さて、勝利したプーチン。彼は、信頼できる友人、部下たちを、経済の主要部門に送りこみました。国営石油会社ロスネフチは、ユコスを吸収して巨大化した。この会社のトップ、セーチンさんは、プーチンにもっとも近い人物として知られています。

国営ガス会社ガスプロムは、ベレゾフスキーのシブネフチを吸収し、さらに巨大化しました。ガスプロムのCEOはミレルさん。ミレルさんは、レニングラード財政経済大学を卒業後、サンクト・ペテルブルグ市役所に勤め始めた。その時の上司がプーチンだったのです。1991年の話。

この二人に代表される新興財閥(国営企業のトップを「新興財閥」と呼ぶのは変な感じですが、アメリカは、ロシア国営企業のトップも「新興財閥」と認識しています)。つまり、プーチンが絶対権力を握った後に超富豪になった人々。これが新興財閥グループ2です。

アメリカは、「ブラックリストに入れば」
•「欧米でビジネスができなくなるぞ!」
•「欧米の金融機関から低金利の融資が受けられなくなるぞ!」
•「欧米にある資金、豪華不動産などは没収だぞ!」
•「オフショアにある金は全部没収だぞ!」

てな感じで、脅迫していると想像されます(脅しの内容は、私の想像です。念のため)。「ブラックリストに入りたくなければ、プーチンを裏切れ!」と。こんな感じですので、「アメリカとロシアが和解して、日本と共に中国を封じ込める」なんて、「遠い話」ですね。

笑うのは習近平。またもや中国は、「二虎(米ロ)の戦いを山頂で眺める」ナイスなポジションを確保しました。日本は、「米ロ中関係は、こうなっているのだよ」ということをはっきり知っておく必要がある。その上で、
•米 > ロ > 中

の順でいい関係を築いておく必要がある。大切なのは、順番です。なんか安倍さん、最近は「中国との関係改善」を「最重要課題」にしている感じがしますが。中国との関係は、ニッコリ微笑んで、「こんにちは!」と言う。そして、「ではまた!」と言い、ニッコリ微笑んでわかれた。そんな感じでちょうどいいのです。中国と接近しすぎて、アメリカとの関係を破壊することがないよう、注意が必要です。


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81. 中川隆[-5740] koaQ7Jey 2018年2月02日 22:29:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

プーチン率いるロシアは本当に「邪悪」なのか 『オリバー・ストーン オン プーチン』
http://diamond.jp/articles/-/158044
2018.2.2 内藤 順:HONZ  ダイヤモンド・オンライン


 

正義の反対は悪ではなく、
また別の誰かの正義である

「正義の反対は悪ではなく、また別の誰かの正義である」という言葉があるが、それをまざまざと感じさせるインタビューだ。

        
       『オリバー・ストーン オン プーチン』
オリバー ストーン著、土方奈美(訳)、文藝春秋、394ページ、1700円(税別)
https://www.amazon.co.jp/dp/4163907653?tag=weblog004-22&ie=UTF8


 日頃のニュース報道をどれだけ注意深く見ていたとしても、プーチンの実像など、なかなか見えてこない。元KGBの工作員であり、独裁者であり、言論の弾圧や人権の侵害でも、よく批判される。だが時に起こす大胆な行動に、世界は度々驚かされてきた。このミステリアスなプーチンの素顔に迫ろうと試みた映画監督ーーそれがオリバー・ストーンである。

 作家と編集者、あるいはピッチャーとキャッチャー、力量の釣り合った者同士でないと、1+1を2以上にすることは難しいが、インタビュアーとインタビュイーの関係もまた同様である。オリバー・ストーンは、いわゆる政治と異なる世界の住人であるがゆえの大胆さと、数々の俳優とやりあってきたであろう執拗さで、被写体を丸裸にしようと試みた。

 一方受けて立つプーチンも、したたかだ。たとえばアメリカについては、大局を批判しながらも、個人は批判せずといったように、時間・空間のスケールを自由自在に操る。そして自国のセンシティブな話題について聞かれたときは、用意された建前に議論の出発点を線引きし、詰め寄るオリバー・ストーンを、何度もかわし切っていく。

 視点をどこにおくか、視野をどれくらいのサイズにするかーーそれはまさに、政治家の頭脳と映画監督のカメラが編集点を巡って、バトルを繰り広げているようだ。だが互いにリスペクトがあるから、これは殴り合いではなくプロレスだ。本書『オリバー・ストーン オン プーチン』は、そんな2人の言葉の格闘技が、2015年7月から2017年2月までの間、全12回に渡ってテキストとして纏められた一冊である。

   
事実が切り取り方で
いかようにでも変えられる

 プーチンの発言からは、事実が切り取り方でいかようにでも変えられるということが面白いほど伝わってくる。たとえば、ウクライナ情勢について。これも、プーチンに言わせれば「ウクライナで起きたのは、アメリカに支援されたクーデターだ」となる。

 まずアメリカが、ロシアとウクライナを分裂させることを目的とし、ウクライナの愛国主義的集団を支持する。それにロシアが対抗措置を取れば、ロシアを悪者にできる。目に見える敵が現れれば、同盟国を引き寄せることができる。そういう方程式なのだという。

 そしてこの種の批判は、1年2ヵ月に及ぶインタビューの中で通奏低音のように流れていく。アメリカは病的なほどに、いつもお決まりのやり口で仕掛けてくるというのだ。

“残念ながらある国では、自らの敵と思われる勢力と闘うために、極端な思想を持つ集団を支援することが習い性となっている。だがその方法には一つ重大な問題がある。こうした集団の本性を見極めるのは極めて困難なのだ。”

 そしてロシアが主張する立場は、いつも世界のメディアから無視されると嘆く。誰も耳を傾けないから、邪悪なロシアという論調ができ上がってしまうのだと。

“イスラエルのパレスチナ封鎖を批判する人は多い。だがドンバス(東ウクライナ)でも同じことが起きているのに、誰もそれに気が付かないようだ。”

“コソボでそれ(セルビアからの分離)が認められたのなら、なぜ同じことがロシア、ウクライナ、タタール、クリミアでは認められないんだ?”


 このようなアメリカ至上主義に傾く世界の論調のおかしさを執拗に突くことで、ロシア流の世界観を描き出す。この発言だけを見るとロシア視線に偏りすぎていると感じる向きもあるかもしれない。もちろん、これをプーチン流のプロパガンダと片付けることは簡単だ。しかし、その背景にあるプーチンのPR戦略に思いを馳せるのもまた一興だろう。

プーチンがメッセージを届ける時
どんな相手に絞っているのか

 まずプーチンは、自分のメッセージを届けるべき相手の中から「世界の大衆」を切り捨てている。だから、大衆向けの分かりやすく安易な物語を紡ぐ必要はない。ターゲットを世界のエリート層に絞り、彼らに促しているのは視点の変化のみだ。

 つまり、我々が無意識に受け取っている情報が既にアメリカに偏りすぎたものであるということに気付かせ、現在の「孤立した状態」から「存在感ある第三極」へとポジションを変えたい。この手法は、業界3位の企業が用いるPR戦略にも通じるところがある。限られたリソースの中で、実体以上の存在感を感じさせたい時に、最もコストパフォーマンスが良いのだ。

 そんなプーチンのロジックに、ストーンは感情面からも揺さぶりをかけていく。「パレードでゴルバチョフの元へ挨拶に行かなかったのは、なぜか?」「オバマとはお互いに、何と呼び合っているのか?」「エリツィンの酒に付き合うことはあったのか?」「スノーデンの行動は、生理的に受け付けないほど不愉快だったのではないか?」

 誰が好きで、誰が嫌いなのか、時に意表を突くようなインタビューの中にも、本音が垣間見えたりして見どころが多い。

 本編の最後の方で、印象的なシーンがある。2人で『博士の異常な愛情』を見終え、ストーンがプーチンにDVDのケースを渡した時のこと。プーチンは立ち去りながらDVDケースを開けるが、中には何も入っていない。そこでプーチンが一言「典型的なアメリカの手土産だな!」

 こういったやり取りを見ていると、思わずプーチンを好きになってしまいそうになり、何だか困る。しかしなぜ困るのだろうかと改めて考えてみると、そこに一つの真実が隠されているのかもしれない。

 ちなみに本書の模様は2018年3月1日、2日にNHK「BS 世界のドキュメンタリー」で見られるとのこと。どの発言をした時に、どんな表情をしていたのか。行間の情報をもっと知りたくなった人には、必見の番組となることだろう。



82. 中川隆[-5583] koaQ7Jey 2018年2月27日 10:29:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

アメリカをはじめとする西側の政府や有力メディアは嘘の上に嘘を重ねてきた結果、ストーリーに整合性を持たせることが不可能になったようで、ありえない話を平然と繰り返すようになってきました。

第2次世界大戦で日本が降伏してから1年近くを経た1946年8月、伊丹万作は「戦争責任者の問題」と題した文章の中で、戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」と指摘、「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿々々しさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心に且つ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐに判ることである」と書いています。似た状況になっていないでしょうか?


1991年12月にソ連が消滅し、ロシアが西側巨大資本の属国になるとアメリカの好戦派は自分たちが冷戦に勝利し、アメリカが唯一の超大国になったと認識、世界制覇に向かって侵略戦争を始めました。そのプランが1992年2月に作成された国防総省のDPG草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンです。


その戦争はユーゴスラビア解体から始まり、旧ソ連圏をカラー革命で制圧、ウクライナをクーデターで手に入れ、自立の道を歩み始めていたリビアを無法地帯に変え、そしてネオコンの予定通りにイラクを破壊、シリアを侵略、そしてイランを脅していますが、最終目標はロシアでしょう。イギリスの世界制覇計画を引き継いだアメリカはロシアを支配することが世界制覇のカギを握っていると考えています。


おそらく、1991年12月の時点でアメリカの好戦派は世界制覇をほぼ実現したと考えたでしょうが、21世紀に入ってロシアは再独立、ネオコンの作成した日程表の通りにはいかなくなっています。それを元に戻すためにはロシアを屈服させるか破壊するしかありません。そのためにはロシアの戦略的パートナーになった中国も屈服させるか破壊する必要があります。


アメリカはすでに経済活動が破綻、基軸通貨であるドルを発行する特権を利用、それを循環させる仕組みを作り上げて支配システムを維持しています。この循環システムが機能しなくなればアメリカの支配システムも機能しなくなりますが、ロシアと中国はドルを基軸通貨の地位から引きずり下ろそうとしているように見えます。


それに対し、アメリカの支配層は巨大資本が国を支配する体制を築こうとしています。そうした体制を実現するために持ち出されたのがISDS(国家投資家紛争処理)条項で、それを含むTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の3点セットを彼らは簡単にあきらめないでしょう。実際、安倍晋三政権はTPPに固執しています。


巨大資本のカネ儲けにとって労働者の権利は不必要なわけで、安倍政権が「働き方改革関連法案」を成立させて裁量労働制を拡大、つまり労働環境の劣悪化を図るのは必然だといえるでしょう。そうした政策を後押ししてきたのが日本のマスコミでした。マスコミの姿勢は一貫しています。私的権力が国を上回る力を持つ体制を築く、つまりファシズム化の推進です。


そうした方向へ世界を導くため、日本を含む西側の有力メディアは幻影を映し出してきましたが、それも限界が近づいています。インターネット上で検閲が強化されているのはそのためでしょう。世界は岐路に立っています。未来を切り開くためには事実を知ることが必要です。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802270000/


83. 中川隆[-5593] koaQ7Jey 2018年3月02日 09:37:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.02
米軍がシリアで軍事的な緊張を高める中、ロシアは最新兵器を投入して警告



ロシアの安全保障会議によると、シリアの北部にアメリカ軍は20カ所に軍事基地を建設したという。これまで14カ所、そのうち12カ所は北部、2カ所は南部だとされていた。新たに基地を建設したのか、前からあったのかは不明だが、いずれにしろシリア政府が承認したわけでない。シリアを含め、中東でアメリカは侵略、破壊、殺戮、略奪。ヨーロッパでロシアとの国境沿いにミサイルを配備、日本や韓国でも同じことをしている。

本ブログでは何度も書いているように、アメリカの好戦派に属すネオコンは1991年の段階でイラク、シリア、イランを殲滅するつもりだった。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから10日ほどのち、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官はペンタゴンで攻撃予定を知らされたという。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランだ。(​3月​、​10月​)

アメリカ軍はすでにシリア政府軍だけでなくロシア軍も攻撃している。例えば昨年(2017年)9月17日にデリゾールでアメリカ主導の連合軍がF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機でシリア政府軍を攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺した。

9月20日にはイドリブの州都に入ってパトロールしていたロシア軍憲兵29名の部隊をアル・カイダ系のアル・ヌスラが戦車なども使って攻撃、包囲するという出来事があった。その作戦はアメリカの情報機関/特殊部隊が指揮していたと言われている。戦闘は数時間続き、その間にロシア軍の特殊部隊スペツナズが救援に駆けつけ、Su-25も空爆、反政府軍の部隊は全滅、その戦闘員約850名が死亡したという。

9月24日にはロシア軍事顧問団を率いるバレリー・アサポフ中将とふたりの大佐がダーイッシュの砲撃で死亡しているが、中将らがいる正確な場所がアメリカ側から伝えられていたとも言われている。それに対し、10月31日には地中海にいるロシア軍の潜水艦から発射されたミサイルがデリゾールにあったダーイッシュの拠点を攻撃、破壊したという。

今年1月6日には地中海に面した場所にあるロシア軍のフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設へ13機の無人機(ドローン)が攻撃のために接近、そのうち7機はロシア軍の短距離防空システムのパーンツィリ-S1で撃墜され、残りの6機は電子戦兵器で無力化されている。13機のドローンは100キロメートルほど離れた場所から飛び立ち、GPSと気圧計を利用して事前にプログラムされた攻撃目標までのコースを自力で飛行、しかもジャミングされないような仕組みになっていた。攻撃の際、目標になったフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍施設の中間地点をアメリカの哨戒機P-8A ポセイドンが飛行していたこともあり、この攻撃はアメリカ軍、あるいはCIAによるものだと見られている。そして2月3日にロシア軍機Su-25が撃墜された。

2月7日にはアメリカ中央軍が主導する部隊がデリゾール近くの油田地帯でシリア政府側の戦闘集団を空爆して死者数十名、そのうちロシア国籍の傭兵が5名程度だと見られている。アメリが側は「反撃」だとしているが、状況から見て親シリア政府勢力からの攻撃はなかったようだ。アメリカ側はロシア軍に属さないロシア人傭兵を殺した。

そうした中、2月25日にロシア軍の地上部隊が東ゴータへシリア政府軍と一緒に入ったとも伝えられている。東ゴータからダマスカスのロシア大使館へ向かって砲撃が毎日ある。攻撃しているのはアメリカを後ろ盾とする武装勢力のようだ。ロシアのウラジミル・プーチン大統領はその攻撃について、いつまでも許すことはないと語っている。東ゴータへ入ったロシア軍が何らかの軍事作戦を展開するかもしれない。ロシアの正規軍は入ったとなると、アメリカ軍は手を出しにくい。もし攻撃すれば米露の軍事衝突に発展する可能性があるからだ。軍事衝突した場合、アメリカは勝てそうもない。

すでにシリアでは少なくとも4機のステルス戦闘機Su-57が目撃されている。すでに防空システムの強化が進み、中長距離用のS-300やS-400だけでなく、短距離用のパーンツィリ-S1を配備している。それ以外にも武器/兵器をロシアはシリアへ運んでいるようだ。

プーチン大統領はロシアやその友好国が存亡の機を招くような攻撃を受けた場合、​マッハ20で飛行する大陸間ミサイルRS-26ルビエシュ等で反撃する​と警告している。理由はわからないが、プーチン大統領はかなり怒っている。

以前にもロシアは海底1万メートルを時速185キロメートルで航行、射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な魚雷の存在をリークして警告している。2015年10月5日にはカスピ海の艦船から26基のカリブル巡航ミサイルを発射、全てのミサイルが約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で命中させてアメリカを驚かせたりもしてきた。

ロシアでは今年3月18日に大統領選挙があり、6月14日から7月15日にかけてはサッカーのワールドカップが開催される。追い詰められているアメリカはこのタイミングで何かを仕掛けてくる可能性があると見られている。

中東は風雲急を告げる動きがある。そうした中、​サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子が3月19日から22日までアメリカを訪問​する。予想外の展開があり、それについて協議するつもりなのかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803020000/


84. 中川隆[-5588] koaQ7Jey 2018年3月03日 15:33:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.03
ロシアや中国との間の軍事的な緊張を高めている米国の好戦派に対して露大統領が演説で警告

ロシアの連邦議会で​ウラジミル・プーチン大統領が行った演説​が話題になっている。後半部分でアメリカとその同盟国による攻撃的な姿勢を指摘、それに反撃する態勢ができていることを説明しているのだ。以前からロシア政府はアメリカが配備しているミサイル防衛の攻撃的な性格を強調していたが、その新たな発射場としてルーマニア、ポーランド、韓国とともに日本を挙げている。反撃用の兵器として原子力推進の低空で飛行するステルス・ミサイル、海底1万メートルを時速185キロメートルで航行、射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な魚雷、マッハ20で飛行する大陸間ミサイルRS-26ルビエシュなどを示している。開発途中のステルス戦闘機Su-57を見せたのもアメリカの好戦派に対する警告の意味があるかもしれない。

アメリカは戦争を政治の延長とは考えていない。敵を殲滅するだけだ。先住民を虐殺し、そこに居着いたヨーロッパ人が作った国がアメリカだということを思い起こせば、そういう発想をすることが理解できるだろう。

1957年の初頭、アメリカ軍はソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦を作成していた。300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授(経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスの息子)によると、1961年7月、大統領に就任して半年のケネディ大統領に対して軍や情報機関の幹部は先制核攻撃計画について説明し、​63年の後半にはソ連を核攻撃するというスケジュール​になっていたという。その頃になれば、先制攻撃に必要なICBMを準備でき、ソ連は間に合わないと信じていたからである。


ソ連が1991年12月に消滅すると、アメリカの好戦派は自分たちが唯一の超大国、つまり世界の覇者になったと考えた。ライバルなき世界で心ゆくまで侵略しようと考える。そして作成されたのがウォルフォウィッツ・ドクトリンだった。

21世紀になるとウラジミル・プーチンがロシアを再独立させるが、それでも国力は回復していないと考えていたようで、例えば、CFR/外交問題評議会が発行している​フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文​はアメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張している。アメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通しているのだ。

自分たちが相手を軍事的に圧倒していると信じるアメリカの支配層は核戦争を仕掛けようとする。地上から生物を消滅させることになりかねないような戦争を回避しようと思えば、反撃能力を示しておく必要があるわけだ。ただ、アメリカ中央軍やNATOは関東軍化しているようで、どこまで警告が通用するかはわからない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803030001/


85. 中川隆[-5471] koaQ7Jey 2018年3月16日 18:46:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.16
ロシアを挑発するために英国政府が使った証拠のない御伽話は12年前の作戦の使い回し説



セルゲイ・スクリパリとその娘のユリアをロシア政府が神経ガスで攻撃したとイギリスのテレサ・メイ首相は主張し続けている。それに対してフランスのエマニュエル・マクロン大統領は攻撃とロシアを結びつける証拠が欲しいと発言、同大統領のスポークスパーソンは「おとぎ話的な政治」は行わないとメイ首相の言動を批判していたが、そうしたフランスの姿勢は米仏両国が電話で話し合った後に変化、アメリカやドイツと同じように攻撃の責任はロシアにあると言うように変化している。イギリス議会では労働党のジェレミー・コービン党首もメイ首相の主張を裏付ける証拠を示すように求めたが、保守党だけでなく労働党の議員から罵倒される事態になった。

マクロン仏大統領やコービン労働党党首が言うように、メイ首相の主張には証拠がなく、おとぎ話にすぎない。ロシアの政府機関が何かイギリスに害を及ぼしたので批判しているのではなく、ロシアとの関係を悪化させるためにおとぎ話を作りだしたと考える方が自然だ。そのおとぎ話を真実だと信じることを要求している。その姿勢はアメリカのジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマといった大統領、あるいは大統領になろうとしてヒラリー・クリントンと同じである。

ビル・クリントン政権の後半にアメリカは露骨な軍事侵略を始めたが、その頃のロシア大統領は西側の傀儡だったボリス・エリツィンで、反撃らしい反撃はなかった。アメリカではジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した2001年の9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから好戦派のネオコンがホワイトハウスで主導権を握り、03年にはイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、フセインを処刑した。

ブッシュが大統領に就任した前年、ロシアの大統領選挙で圧勝したのがウラジミル・プーチン。このプーチンはエリツィン時代にクレムリンの腐敗勢力と手を組んで私腹を肥やしていた勢力、いわゆるオリガルヒの掃除を始めた。そこで相当数のオリガルヒは国外へ逃亡、多くはイギリスやイスラエルへ逃げ込んだ。その後、ロシアは急速に国力を回復させ、再独立に成功している。

しかし、エリツィン時代に作られた腐敗勢力のネットワークは経済界から根絶されていない。エリツィン時代の政策は新自由主義に基づくもので、経済顧問団はシカゴ派。ネットワークの中心にはエリツィンの娘であるタチアナ・ドゥヤチェンコ、エリツィン大統領の経済政策を作成していたアナトリー・チュバイスが含まれている。アメリカが行ってきたロシアに対する「経済制裁」はこうした勢力に対する圧力だろう。こうした勢力は資産を西側のオフショア市場へ沈めているはずで、「経済制裁」の影響を受けやすい。西側支配層はこうした勢力に反乱を促している。

それに対し、ロシア経済全体にとっては悪くない影響を及ぼしている。エリツィン時代の問題は国内の産業を破壊して外国資本に依存する方向へ動いていたこと。「経済制裁」はそうした動きにブレーキをかけ、ロシア再建を助けることになった。

ところで、セルゲイ・スクリパリはGRU時代にスペインで活動しているが、そのスペインで1995年にイギリスの情報機関MI6のエージェント、パブロ・ミラーにリクルートされ、99年に退役するまでイギリスのスパイとして活動していた。このミラーはロシアの治安機関FSBに所属していたアレキサンダー・リトビネンコともコンタクトをとっていたと言われている。リトビネンコはMI6の仕事をしていたことになるが、ロンドンへ逃げたオリガルヒのひとり、ボリス・ベレゾフスキーの下で働いていたと言われている。

アメリカのフォーブス誌で編集者を務めていたポール・クレブニコフによると、ロシアの富豪たちは犯罪組織と結びついていた。その組織には情報機関や特殊部隊の隊員や元隊員が雇われていて、抗争はすさまじいものがあったようだ。ベレゾフスキーはチェチェン・マフィアと結びついていた。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)

クレイブニコフは2004年7月にモスクワで射殺されている。この事件に関し、11月にベラルーシのミンスクでふたりのチェチェン系ロシア人が逮捕され、このふたりを含む3名の裁判が2006年1月に始まるのだが、その直後に裁判官のマリヤ・コマロワが「病気」になり、ウラヂミール・ウソフに替わって5月には無罪評決が出た。この評決はクレブニコフの遺族を含め、少なからぬ人々が批判している。

クレイブニコフが殺される前の月にチェチェンのヤン・セルグーニン副首相(親ロシア派)がモスクワで殺害され、チェチェンが何らかの形で絡んでいると推測されていた。クレイブニコフの裁判で無罪評決を出した8名の陪審員はこの事件の被告にも無罪評決を出している。

2000年10月にリトビネンコはイギリスへ渡るが、FSB時代のリトビネンコは犯罪の取り締まりが担当で、イギリス側が望む情報を持っていなかった。それでも2001年5月には政治亡命が認められたが、06年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされている。言うまでもなく、放射性物質は明白な痕跡を残す。何十年も前から痕跡を残さないで人を殺せる薬物は開発されていると言われているので、ポロニウム210を使ったというのは不自然だ。

リトビネンコの死について弟のマキシム・リトビネンコはアメリカ、イスラエル、イギリスの情報機関に殺された可能性があると主張しているのだが、2016年3月に同じ主張をする人物が現れた。リトビネンコはアメリカとイギリスの支援を受けたイタリア人に殺されたことを示す証拠を持っているとフランスの対テロ部隊創設に関わり、GIGN(国家憲兵隊の特殊部隊)を率いたひとりであるポール・バリルが語ったのだ。バルーガという暗号名がつけられたこの作戦はプーチンの評判を落とし、ロシアを不安定化させることが目的だったという。スクリパリのケースはこの作戦をまた使ったと推測している人もいる。

なお、リトビネンコを雇っていたベレゾフスキーは2013年3月、バークシャーの自宅で死亡した。自殺とされているが、​ベレゾフスキーと愛人関係にあったカテリーナ・サビロワによると​、死んだ日に彼は娘と会う予定で、サビロワとはテル・アビブへ2週間の予定で旅行することになっていた。つまり、自殺する様子はなかった。

ベレゾフスキーが死亡した後、ロシア政府は彼がプーチン大統領へ謝罪の手紙を書き、ロシアへの帰国を申し出ていたと発表した。ベレゾフスキーとビジネス上の関係があった人々はこの話を否定しているが、サビロワはロシアへの帰国をベレゾフスキーが強く望んでいたとしている。経済的に破綻していたことから帰国の望んだようで、手紙はかつてバートナーだったエレナ・ゴルブノワが11月、プーチンへ渡したという。手ぶらでロシアへ戻れば刑事事件の被告になる可能性があったので、交渉に使う何らかの情報を提供する用意があったという推測もある。当然、西側にとって都合の悪い情報だろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803160000/​


86. 中川隆[-5474] koaQ7Jey 2018年3月20日 15:53:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.20
自国を破壊しようとしている敵が存在すると認識した上で自重してきた露政府が反撃の意思を明確に


 言うまでもなく、ロシア政府は自国を破壊しようとしている敵が存在していることを認識している。ウラジミル・プーチン露大統領の側近として知られるセルゲイ・グラジエフはそうした状況を繰り返し語ってきた。それでもプーチン政権はアメリカをはじめとする西側の挑発に乗らず、ルールに従って行動してきたのである。


 それに対し、アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと同国のモシェ・ダヤン将軍は語ったという。脅せば屈すると信じているのだろう。


 1991年1月にアメリカ主導軍がイラクを攻撃しているが、ジョージ・H・W・ブッシュ米大統領はイラクのサダム・フセイン大統領を排除しないまま2月に停戦してしまった。1980年代からフセインを排除してイラクに親イスラエル体制を築こうとしていたネオコンは怒る。


 そうしたネオコンのひとり、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)も怒り、イラク、シリア、イランを殲滅すると口にするわけだが、そのときにソ連軍が出てこなかったことから、アメリカはソ連(後にロシア)を気にすることなく軍事侵略できると確信したと言われている。


 1991年12月にはアメリカの傀儡だったロシアのボリス・エリツィン大統領が独断でソ連を消滅させ、その直言にネオコンは国防総省のDPG草案という形で世界制圧プランを作成した。これがウォルフォウィッツ・ドクトリン。これが作成された当時、アメリカ支配層はライバルが消滅、唯一の超大国になったアメリカに手向かう国は存在しないという認識から単独行動を打ち出している。


 エリツィンが大統領だった1990年代にロシアでは軍事力も低下、そうした状態は21世紀なっても続いていると西側では考えられていた。例えばフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、​アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近い​と主張している。


 この推測をロシア軍は行動で否定する。2008年、北京オリンピックに合わせてアメリカとイスラエルの支援を受けたジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃したのだが、その侵攻軍をロシア軍が粉砕してしまったのだ。


 シリア政府の要請を受けてロシア軍は2015年9月30日から軍事介入、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする侵略勢力の傭兵、つまりアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)というタグをつけた武装勢力を本当に攻撃、その支配地を急速に縮小させた。その際、ロシアが保有する兵器の性能がアメリカを上回ることを示している。軍事介入の直前、アメリカでは国防長官と統合参謀本部議長を好戦派に交代、戦争の準備を整えていた。


 そして今年3月1日、プーチン大統領はロシアやロシアの友好国が国の存続を揺るがすような攻撃を受けた場合、ロシア軍は攻撃してきた拠点を含めて反撃すると宣言した。地中海に配備されたアメリカの艦船からミサイルが発射されたなら、その艦船を撃沈するということだと理解されている。ロシアにはそうした攻撃を可能にする高性能ミサイルが存在している。


 そうしたプーチンの演説をはったりだとアメリカのジェームズ・マティス国防長官は3月10日に語ったが、同じ日にロシアはミグ31が2000キロメートルの距離をマッハ10で飛行するキンザルと名づけられたミサイルを発射する映像を公表した。


 こうした高性能兵器の発射実験をロシアは昨年の終盤に実施、成功させている。兵器の完成をロシア政府は待っていた可能性もあるだろう。それらの実戦配備が進む前に攻撃しようというグループもアメリカには存在するだろうが、すでに配備が進んでいる兵器もある。


 アメリカでは1950年代からソ連に対する先制核攻撃の準備を進めていた。1954年にSAC(戦略空軍総司令部)は600発から700発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという作戦を作成、さらに300発の核爆弾をソ連の100都市で使うというドロップショット作戦も計画している。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)


 また、テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、統合参謀本部のライマン・レムニッツァー議長やSACの司令官だったカーティス・ルメイなど好戦派は​1963年の後半にソ連を奇襲攻撃る予定だった​という。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていた。この攻撃を成功させるためにもアメリカ軍はキューバを制圧する必要があった。ソ連の反撃を封じるため、キューバから中距離ミサイルを排除する必要があったのである。


 こうした計画を阻止したジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日に暗殺され、その責任をキューバやソ連になすりつけて戦争を始めようとする動きもCIA内にあったが、これはFBIからリンドン・ジョンソン新大統領へ伝えられた情報で実行されなかった。


 アメリカの好戦派は圧勝できると考えたとき、核戦争を始めようとする。彼らにとって核兵器は「槍」であり、「傘」ではない。エリツィンがロシア大統領だった時期にアメリカの好戦派はそうした心理になった。ユーゴスラビアを手始めに、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなどを侵略、ロシアを核戦争で脅しはじめたわけだ。


 すでに西側でもアメリカの軍事力がロシアや中国を圧倒しているわけでないことは認識されているが、核戦争でロシアや中国を脅すという行為は続いている。ここで立ち止まると自分たちの支配システムが崩壊すると考えているのだろう。米英の支配層はブラフで勝負に出ている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803200000/


87. 中川隆[-7235] koaQ7Jey 2018年4月02日 08:28:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-9727]
2011年3月に始まったシリアの戦乱が侵略戦争にほかならないことは本ブログで繰り返し説明してきました。1970年代の終盤、国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーはソ連軍をアフガニスタンへ誘い込み、ゲリラ戦で疲弊さえるための秘密工作を始めています。

 アメリカ軍の手先になる現地の部族はパキスタンの情報機関が手配したようですが、外部から送り込まれた戦闘員の中心はサウジアラビアが雇ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団でした。武器や兵器を供給、戦闘員を軍事訓練したのはCIAです。ロビン・クック元英外相が指摘したように、その訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルがアル・カイダにほかなりません。アル・カイダとはデータベースを意味しているのです。

 その仕組みが2011年にリビアやシリアで使われました。侵略の黒幕はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を夢見るトルコ、天然ガスのパイプライン建設を拒否されたカタールなどでした。その後、トルコとカタールは離脱します。

 この侵略部隊は2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍がほぼ壊滅させました。最後まで残っていた傭兵の支配地域東グータも政府軍にほぼ制圧されたようです。そこにはCIA系の武装集団がいたので、アメリカの特殊部隊も入り込んでいた可能性があるのですが、フランスの特殊部隊も活動していたとする情報があります。政府軍が迫る中、フランスの特殊部隊員は国連の車両を利用して東グータを離れ、レバノンへ向かったようです。

 この脱出を支援したのはジェフリー・フェルトマン国連事務次長だと言われています。2014年2月にウクライナの合法政権をアメリカのネオコンがネオ・ナチを使ったクーデターで倒していますが、そのクーデターでもフェルトマンの名前が聞かれました。

 国連事務次長になる前、フェルトマンは1991年から93年にかけてローレンス・イーグルバーガー国務副長官の下で東/中央ヨーロッパを担当、ユーゴスラビア解体に関与したと言われています。2004年から08年にかけては駐レバノン大使を、また09年からアメリカ国務省で近東担当次官補を務めています。レバノン駐在大使だった当時、イラン、シリア、ヒズボラを露骨に敵視していました。

 フェルトマンがレバノンにいた2007年に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、​アメリカ政府はサウジアラビアやイスラエルと共同でシリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始している​と書いています。

 2011年にバーレーンで民主化を求める抗議行動があった際、治安部隊が暴力的に弾圧、約90名が死亡、数千人が負傷したと言われています。3月には1000名以上の湾岸諸国の部隊(事実上のサウジアラビア軍)がバーレーンへ入って鎮圧に協力していますが、その直前、3月3日にフェルトマンはバーレーンの首都マナマを訪問し、国王を励まし、アメリカ海軍の第5艦隊がバーレーン政府を支援する体制に入っていたようです。

 こういう人物が国連事務次長になり、シリア侵略戦争に加担しているフランスの特殊部隊を国連の力で救出したことになります。3月17日にセルゲイ・ラブロフ露外相はアメリカ、イギリス、フランスを含む国々の特殊部隊がシリア国内へ侵入していると語っていますが、シリア北部に20カ所で建設されたアメリカ軍の基地の一部をフランス部隊も使っているようで、そうした部隊とレバノンへ脱出した隊員も合流する可能性があります。

 そうしたことを念頭に、ウラジミル・プーチン露大統領は自国やロシアの友好国が国の存続を揺るがすような攻撃を受けたならば、ロシア軍は反撃すると3月1日に宣言しました。本格的な攻撃を仕掛けるときはロシアとの全面核戦争を覚悟しろということだと理解している人は少なくありません。

 それでも戦争をしたがっている勢力は存在しますが、冷戦に切り替えたようにも見えます。アメリカやイギリスをはじめとする西側諸国は根拠を示すことなく一方的にロシアを批判、外交官を追放していますが、強引に東西対立の構図を復活させようとしているのではないでしょうか。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804020000/


88. 中川隆[-7852] koaQ7Jey 2018年4月09日 07:10:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10042]
阿修羅の原発板と自然板には精神分裂病患者の投稿が多いので、真に受けない様に気を付けて下さい
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/899.html

精神分裂病になると全く何の関係も無い事の間に因果関係が有ると思ってしまうのですね(関係妄想)

精神科救急24時 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E6%95%91%E6%80%A524%E6%99%82part


真実を知りたければ:


発電をすべて原子力にしなければ地球温暖化で地球の気温は250℃になる
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/140.html

原子力発電は本当に危険なのか?
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/148.html

太陽光発電は国家経済を破綻させ環境も破壊する
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/144.html

風力発電は環境を破壊するだけでなく低周波音で風車病・睡眠障害を引き起こす
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/145.html

反原発運動は中国・朝鮮工作員が扇動していた
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/702.html


ネットの発達により放射線被害妄想は統一化され、同じような被害を訴える統合失調症患者が多くなった。このような患者たちは同じ願いを持っている。
すなわち早く原発や放射能被害から楽になりたいという切実な願いだ。

ここで彼らが病識を持っていたら精神科に行き、それで解決する。だが、残念ながら妄想の統一化と交流により強固な妄想を抱いた彼らが病識を有することは稀で結果として悪質な再生エネルギービジネスに騙されることになる。

認知機能障害などで判断力が鈍っていることもこれらに騙されることを後押ししてしまう。また、あなたがもし実は統合失調症だとして、他人に「あなたは統合失調症だ。治療が必要だ」と言われてもすぐに納得できる方はいないだろう。

狂気は本人では気づかない。よって患者たちは自らの苦痛を削減する手段を精神治療以外の何らかに求めることになる。ここに再生エネルギービジネスは浸けこんでくるわけである。


ネットを通した統合失調症患者同士の交流は、残念ながら放射能被害妄想の強化にしかなっていないのが現状だ。

類は友を呼ぶ、ではないが同じ放射能被害妄想の者同士で集まり、外部からの声を排除してしまっては妄想が強固にならざるをえないのだ。また、妄想の特徴として外部から妄想を否定すればするほど妄想は強固に、複雑になるという厄介な性質がある。

掲示板などで善意で統合失調症患者に「それは妄想だ」と訴える方がいるが、実はそれは逆効果なのである。一番良い方法は とにかく精神科に連れて行く以外にないのだ。



89. 中川隆[-9563] koaQ7Jey 2018年4月13日 09:49:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10201]

2018年04月12日
プーチンが本当に命じたのか? / 悪い奴ほど頭が良い (Part 1)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68711117.html


プーチンが首謀者なのか ?

Putin 23Theresa May 6
(左: ウラジミール・プーチン大統領 / 右: テレザ・メイ首相 )

  日本人は他人から学ぶことが好きだ。巷の評論家は自分の意見に自身が無いのか、グローバル経済に話が及べば、「日本は米国のビジネス・モデルに学ぶべし」と説教を垂れるし、支那を敬うチャンコロ屋は飽きもせずに孔子や孟子を褒めそやし、現実の支那人を無視して架空の倫理道徳を云々する。マスコミの業界人は、出来もしない綺麗事で文章を書くから、最初から論外。庶民は常識を以て現実の世界を見た方がいい。もし、向上心のある者が政治の要諦や秘訣を学ぶなら、悪党について勉強すべきだ。とりわけ、支那人の遣り口を理解したければ、『論語』などはゴミ箱に捨てて、『韓非子』や『厚黒学』を繙く方が賢明である。これらの書物を読めば、如何に支那人が狡賢く非道であるかが解るだろう。

  秘密結社とかマフィアで出世する奴は正式な学問を修めていないが、経験や失敗を通して人間の心理に精通している。だから、象牙の塔(大学)で古びた講義録を朗読している老人とは異なり、実に侮りがたい。虚勢を張りながらも、常に生死を賭けている彼らは、腰を上げるまでは臆病なほど用心深いが、「いざ好機 !」と見るや電光石火の行動に出る。しかも、冷酷非情だから安易な妥協が無い。敵は一人残さず皆殺しが鉄則。相手を射殺するときは二発以上、頭か胸に弾丸を撃ち込み、標的が完全に息絶えた事を確認する。ギャング上がりのスターリンがヒトラーの自殺をなかなか信じなかったのは、遺体の確認が取れなかったからだ。猜疑心の塊だったソ連の元帥は、部下に遺体の回収を命じたが、派遣されたソ連兵はどれがヒトラーの焼死体なのか判らず、歯科医を丸め込んで適当な遺体を「ヒトラーの遺骸」と報告し、恐ろしい雷帝を騙した。

Hitler 3Joseph_stalin 1(左: ヒトラー総統 / 右: スターリン元帥)
  それにしても、スターリンは西歐のボンクラ学者よりも「学者」らしい。なぜなら、遺体の検死をするまでヒトラーの「自殺」を信じなかったんだから。学歴の無いヤクザの組長だって、確認作業となればキッチリしている。例えば、ある組長が手下に向かって、敵対するヤクザの組長を殺してこい、と命じたとする。そこで、殺し屋となった「鉄砲玉」が標的目がけて二、三発銃弾を撃ち込む。ところが、怖じ気づいたのか、その暗殺者は即座に現場を後にしてしまう。見事に仕留めたと自信満々の彼は組の事務所に戻り、親分に任務完了を報告。だが、話を黙って聴いていた親分は一言尋ねる。

  親分 「おい、奴がくたばったのを“ちゃんと”確認したんだろうな !? 」
  子分 「あっ、たぶん死んだと思います。」
  親分 「なにぃ? “思います”だとぉぉぉ!? 」
  子分 無言でうなだれる。
親分 「テメェ、ナメてんのかぁぁ !! あの野郎を弾(はじ)いてきたんろうがぁ!!!!」
      「オレは野郎が死んだかどうかを訊いてんだ !!! 」
  子分 「それが・・・」 
  親分 「テメェは確かめてこなかった、とでも言うのか?!!ナメてんじゃねえぞ、コノ野郎 !!」
子分 「すんません、親分」
  親分 「“スンマセン”で済みゃ、ヤクザなんていらねぇんだよぉぉぉ !!!」

  激昂した親分は、どアホの子分に対し殴る蹴るの暴行をはたらく。ボコボコにされた弟分を見て、彼の兄貴分や若頭が、「組長、もうそのへんで・・・」と止めに入っても構わず、「ふざけんじゃねぇぞ !! テメェ、野郎のタマ取って、オレの所に持って来い !!!」と怒鳴り散らすだろう。さすが、文弱の青瓢箪が集まる史学界と違って、極道の世界は厳しい。ヒットマンは確実に標的を仕留めなければならず、僅かな手抜きも許されないから、まさしく命懸けである。もし、ヤクザの密偵がドア越しに銃声を訊いただけの「目撃者」を以て、「ターゲットの死亡」を「確定」すれば、親分に何をされるか分からない。
      
  ところが、歐米をはじ我が国の大学教授ときたら、情報将校だったヒュー・トレヴァー・ローパー(Hugh Redwald Trevor-Roper)の話を鵜呑みにして、「ヒトラーは地下室で拳銃自殺を行い、部下にその遺体を焼却させました」と信じている。このトレヴァー・ローパーは英国近代史を専攻する歴史学者として有名だが、第二次世界大戦では上司のディック・ホワイト(Dick White)に派遣され、ヒトラーの遺体を確認するよう命じられた。しかし、彼が行ったのは、ヒトラーの運転手であるエリッヒ・ケムカ(Erich Kempka)とマルティン・ボルマンの秘書であったエルス・クルーガー(Else Krüger)にインタヴューしただけ。肝心の遺体はついに見つけられなかった。(ちなみに、ホワイトは後にMI5とMI6の長官になった人物。)

Hugh Trevor Roper 1Erich Kempka 3Else Kruger 1

(左: ヒュー・トレヴァー・ローパー / 中央: エリッヒ・ケムカ / 右: エルス・クルーガー )

  有力な物的証拠がなく、検死報告書も無いのに、「自殺」と断定するのは歴史家の手法ではない。一部のジャーナリストが言うように、自殺を偽装したヒトラーがアルゼンチンに逃れたのかどうかは怪しいところだが、ヒトラーの遺骨さえ無い状態では「死亡」と宣言するのは軽率だろう。ソ連崩壊後、コネティカット出身の考古学者ニック・ベラントニ(Nick Bellantoni)が、モスクワで「ヒトラーの頭蓋骨」なる証拠を分析したが、そのDNAは女性のものであると判明した。ということは、日本の大学教授はソ連の嘘を信じて、ヒトラーを女性と思っていた訳だ。筆者には男性にしか見えないが、有名大学の歴史学者にはヒトラーが男装の女子に見えたのだろう。日本の学者や評論家はヒトラーの逃亡を「陰謀論」と排斥し、斜(はす)に構えてせせら笑うが、根拠無き噂話を「史実」と信じ込んでいる彼らの方が間抜けである。

Nick Bellantoni 1Hitler's skull 2

(左: ニック・ベラントニ / 右: ソ連が保存していた所謂「ヒトラーの頭蓋骨」)

殺されかけた元スパイ

  話が脱線したので元に戻る。先月、ブリテンで元スパイのセルゲイ・スクリポル(Sergei Skripal)が毒殺されかけるという事件が起きた。3月4日、彼は娘のユリア(Yulia Skripal)とソールスベリーのパブで酒を呑み、その足で「ジジ」というレストランで食事を取った。その後、急に具合が悪くなったそうだ。彼らが公園のベンチで横たわっているところを偶然、通りすがりの女性が目撃し、通報を受けた警察が駆けつけ、二人はソールズベリー地区の病院に搬送されたという。(Martin Fricker, Steve myall & Oliver Milne, "Spy poisoning causes UK and Russia row", Daily Mirror, 21 March 2018) しかし、この親子を診察した医師は、当初、どのような物質による症状なのか分からなかった。それでも、翌日になると、「ロシアの仕業なんじゃないか」という憶測が飛び交うようになったのだ。

Sergei Skripal & Yulia 1Sergei Skripal assassination poison


(左: セルゲイ・スクリポルと娘のユリア / 右: 事件現場を調べる捜査官 )

  確かに、ロシアを裏切った元スパイだから、スクリポルが本国によって暗殺の対象になったという可能性はある。だが、英国側の断定が早すぎる。3月8日には、内務大臣のアンバー・ラッド(Amber Rudd)が神経ガスの使用を発表し、テレザ・メイ首相は緊急評議会の「コブラ(Cobra)」を招集したのである。まだ詳細な捜査が行われていないのに、メイ首相は早速、この暗殺未遂事件には軍事用の神経剤が使われ、ロシアが開発した「ノヴィチョク(Novichok)」であると発表した。彼女はこのテロをロシア政府による直接的行動、あるいはロシアが制禦できず、化学兵器物質が第三者に渡り、それが英国で使用された、と推測したのである。そして、英国首相はこの事件を「無差別的で無謀な行為」であると非難した。(Anushka Asthana, Andrew Roth, Luke Harding and Ewen MacAskill, "Russian spy poisoning : Teresa May issues ultimatum to Moscow", The Guardian, 13 March 2018)

Theresa May 4Amber Rudd 1


(左: テレザ・メイ首相 / 右: アンバー・ラッド大臣 )

  地上波テレビの海外報道しか聞いていない日本人は、「ロシア人は恐ろしいなぁ」と安直に考えてしまうが、何となく話が“出来過ぎ”ちゃいないか? 誰が化学兵器を仕掛けたのか判らぬうちに、メイ首相がロシア製の化学兵器を用いたと断定し、ロシアに対する制裁を検討するなんて性急すぎる。だいいち、問題の「ノヴィチョク」は殺虫剤や堆肥から製造できるバイナリー兵器の神経剤(nerve agent)で、混合される前の前駆物質は左程危険な物質ではない。それに、ロシアの科学者が開発に成功しなかったから「化学兵器禁止機構(Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)」は、どんな兵器なのか明確に分かっていなかったのだ。したがって、ロシアが“わざわざ”こんな神経剤を使って元スパイを殺そうとした、とは考えにくい。案の定、元駐ウズベキタン大使を務めた英国人外政官のクレイグ・マレー(Craig Murray)は疑問を投げかけていた。(Derek Royden, "The spy and the nerve agent : The new Cold War heats up in the UK", Nation of Change, March 23, 2018) マレー氏によれば、ポートン・ダウン(Porton Down)にある軍の科学研究所は外務省による発表は嘘とみなしていたそうだ。マレー大使自身も古巣の外務省に確認を取ったそうで、ポートン・ダウンの科学者は例の神経剤をロシア産とは特定できなかった。しかし、政府から「ロシア産にしろ !」という圧力があったから、しぶしぶ従ったようだ。これを知れば、普通のイギリス人でも「あれっ ! 何かおかしい !」と思うだろう。

Craig Murray 1Putin 22Theresa MAy 3

(左: クレイグ・マレー / 中央: プーチン大統領 / 右: メイ首相)

殺すほどの価値があるのか?

  とにかく、今回の暗殺未遂はどうもヤラセ臭い。そもそも、引退しているセルゲイ・スクリポルを殺すメリットがプーチン大統領にあったのか? 件(くだん)のスクリポルは1951年、ウクライナのキエフに生まれ、体格が良かったからか、軍人の道を歩もうと考えた。しかし、軍隊に入ったものの、結局は諜報部局に辿り着いたという。対外工作や諜報活動を行うGRUに配属となったスクリポル大佐は、1993年、スペインに派遣された。だが、彼はそこで英国のMI6にリクルートされてしまうのだ。彼はブリテン人のスパイが差し出すお金に目が眩んでしまい、こっそりと祖国の情報を流してしまった。この秘密漏洩は1995年頃から始まり、諜報活動の前線から退いた後も二重スパイの人生は続いたそうで、彼はGRUを引退するが、モスクワにある政府機関に勤めながら、貴重な情報を売り渡していた。

  ところが、この関係は意外なことからバレてしまう。なんと、スペインの諜報機関にロシアのモグラ(潜入スパイ)がいたのだ。ということで、2004年、コードネーム「フォースウィッズ(Forthwith)」をもつ二重スパイ、スクリポルは逮捕。2006年、彼は国家反逆罪の判決を受け、懲役13年の刑を宣告された。しかし、天は彼を見放さなかった。2010年、西側に捕まったロシア人工作員10名との「スパイ交換」で恩赦を受け、彼は保釈されたのである。自由の身になったセルゲイ・スクリポルは妻のリュドミラと娘のユリアを連れて、英国のソールズベリに移り住み、この地に自宅を構えたという。しかし、幸福な日々は続かなかった。2011年、スクリポル夫人は癌で亡くなり、2017年にはサンクト・ペテルスブルクに住む息子のサーシャが肝臓疾患で息を引き取ってしまうのだ。こういう訳で、老いたセルゲイには娘のユリアだけが唯一の家族となってしまった。それでも不幸は重なるもので、巻き添えを食らった娘のユリアには婚約者がいたのだ。事件当日、父のセルゲイは結婚間近の娘がロシアから戻ってきたので、親子二人で外食を楽しんでいたのである。それなのに、急に意識朦朧となって生死を彷徨(さまよ)うことに。人生にはいつ何が起きるのか分かったもんじゃない。

Sergei Skripal 2Putin 34


(左: スパイ時代のスクリポル大佐 / 右: ライフルを持つプーチン)

  それはともかく、もし、英国側の見解が正しいとすれば、プーチンはとっくに引退した元スパイ(66歳)を殺すために、あえて非難を呼びそうな手口を使ったことになる。でも、この隠居老人に暗殺するだけの価値があったのか? ただでさえ関係が悪くなった西側の国で、バレやすい化学兵器を“これ見よがし”に使い、大騒ぎを起こすなんて馬鹿げている。それよりも、この暗殺未遂がロシアの大統領選挙前に起こった事の方が重要だ。タダでさえ悪人ヅラのプーチンに輪を掛けて「極悪」のイメージが追加されたことになる。しかも、サッカーのワールド・カップ前という絶妙なタイミングであった。このように世界の注目が集まる中で、プーチンがヨボヨボの元スパイに「警告」を発する意味があったのか? 常識で考えてみたって分かるじゃないか。事件を受けてブリテン政府は23名のロシア人外政官を国外追放処分にしたので、これに対抗すべく、ロシア政府も直ちに在露ブリテン外政官23名を追放した。

  ロシアの皇帝プーチンには“これ”といったメリットが無かったのに、被害を受けたブリテン側には“ちょっとした”「副産物」があった。ブリテンの国防省は今回の事件をキッカケにして、生物、化学、核兵器による防衛の強化を決め、更なる予算を注ぎ込むそうだ。国防大臣のギャヴィン・ウィリアムソン(Gavin Williamson)は、兵器研究所に対する予算で、4,800万ポンドの上乗せを発表した。筆者の勝手な想像だけど、軍需産業と諜報局のイギリス人が「やったぁ〜」と喜んでいる姿が目に浮かんでしまう。もしかしたら、ロシアを攻撃したい政治家と裏方の権力者がニンマリしていたりしてね。だって、英国と米国の対ロシア強硬派にとったら暗殺事件は吉報じゃないか。

Syria gas attack 9Syria gas attack

(左: 神経ガス攻撃を受けた子供 / 右: 病院に搬送された被害者)

  ついでに言えば、歐米メディアが騒いでいるシリア政府による毒ガス攻撃も、何となく怪しい。報道によれば、シリアのグータ地区で塩素系の神経ガスが使用され、多くの一般住民が被害を受け、病院に担ぎ込まれたそうだが、本当にアサド大統領が命じたことなのか ? BBCやCNNなどの主要メディアは、毒ガス攻撃を喰らって悲鳴を上げる女性や、病院で苦痛に震える幼児の姿をテレビで連日連夜、繰り返し流している。そして、シリアを掩護するロシアも槍玉に上げているのだ。しかし、どうも変だ。納得できない。シリア政府による叛乱軍鎮圧はもう終盤を迎えているのに、ここに来てわざわざ毒ガス兵器を使うのか? そんなことをすれば歐米諸国の非難を招くことは必定で、国際社会におけるシリアの立場は悪くなる一方だ。一体、シリアにとって、どんなメリットがあるというのか? 国際政治の専門家は理由を解説すべきだ。一連の騒動は、あまりにも出来すぎている。ブリテンでの毒殺未遂事件とシリアに対する非難決議は偶然の一致ではなく、シナリオ通りの策略なんじゃないか?

Syria gas attack 2Syria attack Nikki Haley


(左: 毒ガスに苦しむ赤ん坊 / 右: 国連でシリアを非難するニッキー・ヘイリー )

  本題に戻る。もう一つ気になるのは、意外と早くスクリポルが恢復したことだ。(父のセルゲイとは違い、娘のユリアの方は大したことはない。) これも筆者の推測だが、暗殺の仕掛人は端っからセルゲイを殺すつもりはなかったんじゃないか。もし、本気で暗殺しようと思えば、なにも毒ガスを使う必要は無い。手っ取り早い方法ならいくらでもある。例えば、強盗を装った殺害とか、交通事故に見せかけたひき逃げでもいい。「見せしめ」にしたいなら、狙撃手を傭ってもいいはずだ。効果の薄い毒ガスを使ったのは、実行犯が殺人事件にまで発展させたくなかったからだろう。「良心的な暗殺者」というのは奇妙だが、衝撃的な化学テロを世界中に宣伝することが「目的」なら合点が行く。事件の仕掛人はプーチンに「残酷な独裁者」という汚名を着せたかったのでは ? これは何もプーチンを擁護したいからではない。筆者は「我々が誰かの策略に上手く乗せられているのかも?」と思うからだ。

Sergei Skripal & Yulia 2Putin 32

(左: 裁判にかけられたセルゲイ・スクリポルと娘のユリア / 右: 射撃場を訪れたプーチン)

  不自然な出来事には、たいてい裏の意図がある。例えば、英国もしくは他国の諜報機関が「絵」を描き、計画通りに世論を操作したとも考えられるのだ。フランスやドイツで起こるイスラム教徒や中東アジア人によるテロ事件だって、裏に誰がいるのか分かったもんじゃない。例えば、西歐諸国を「反イスラム」に誘導したいイスラエルが、モサド(諜報機関)を使って八百長事件を起こすことも考えられるのだ。アラブ人の富豪に扮したモサド局員が、ムスリム集団の首領に近づき、資金援助を申し出る代わりに、歐米社会で無差別テロを行うよう促す。このユダヤ人工作員に唆された中東系テロリストたちは、移民としてヨーロッパに散らばり、本気で「聖戦(ジハード)」を遂行しようとするだろう。実際にテロ事件が勃発して、その映像を観たヨーロッパ人たちは一斉に「反イスラム」に傾きくはずだから、アラブ諸国に手を焼くイスラエルにしてみれば誠に喜ばしい。また、もしもドイツやフランスに住むユダヤ人が襲撃されれば、ユダヤ人全般に対する同情が増えるから更に好都合だ。一方、末端のムスリム系テロリストは利用されているとも知らず、一途に犯罪を実行するから何とも迫力がある。馬鹿(fool)というのは使いようによって、スペードのエースやジョーカーになるので非常に便利だ。

Mossad spy suspect Majid Jamali Fashi in Iran 2Mossad spies arrested in Lebanon

(左: イランで拘束され「モサドのスパイ」と疑われた人物 / 右: レバノンで「モサドのスパイ」と称された逮捕者)

  今世紀に入って矢鱈とテロ事件が増えたけど、これは単にアジア人やアフリカ人が不満を爆発させたのではなく、西歐人を利用して自国を安全にしようとするイスラエルの戦略や、中東アジアとロシアを経済的に搾取し、軍事的な支配下に置きたいと望むグローバリストの野心に思えてならない。西歐諸国の一般人は本当に悲惨だ。招いてもいない移民や難民が隣近所にやって来て、平穏な日常生活が脅かされたうえに、いつテロ事件に巻き込まれるのか分からない、という不安に包まれている。さらに、下品で不愉快な人種が自国に群がり、美しい中世の街並みが穢され、馴染みの商店街が物騒になり、自宅周辺の地価が下がってしまうのだ。この悪夢はまだ続く。国内テロを防ぐため、治安対策費用が増大するばかりか、テロとの戦争で息子や夫がイラクやアフガニスタンに派遣され、死体か不具になって帰ってくる。

Muslim radicals 1Muslims in Germany 3


(左: ブリテンの過激なイスラム教徒 / 右: ドイツに住むムスリム女性)

  これならムスリムを敵視するプーチンの方が、メルケル首相やメイ首相よりもマシだ。プーチンはイスラム移民がロシアにとって害になると分かっているから、いつでも強硬な移民排斥を取ることができる。ロシアの独裁者は「人権」という呪文に怯まない。そんな戯言を口にする奴は手下を使って黙らせればいいし、事によっては「抹殺」という選択肢もある。日本の左翼なんぞは、官邸が暴力を使わないと分かっているから、「改憲はんたぁぁぁい !」とか「人権を守れぇぇぇ!」と勝手に吠えているが、もし彼らがプーチンの前に出たら、ダルマのように無口になるだろう。文字通り、手も足も出ない。プーチンのような悪党は、左翼の本質をよく弁えている。甘い顔をすれば彼らが調子に乗ってつけ上がるので、肝心な所でギュっと絞めて自由を奪う。冷徹な皇帝は酒場のドンチャン騒ぎなら許すが、秩序を乱す「自由」は許さない。プーチンはロシアを自分の領土(シマ)と思っているはずだ。世の中は皮肉なもので、民衆政治を讃美する国民は自らの自由で自らの安全を危うくし、独裁国の支配者は国民の自由を制限するが、そのことにより却って国民の安全が増すこともある。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68711117.html


90. 中川隆[-10085] koaQ7Jey 2018年4月17日 01:23:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10768]
2018年04月17日
北朝鮮を支援するプーチン / 悪い奴ほど頭が良い (Part 2)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68711269.html


(左: ウラジミール・プーチン / 右: 金正恩 )

  地上波テレビに出演する専門家や御用学者は、北鮮問題を解説するにあたって、北京政府の意向とかワシントンの方針を口にするが、ロシアの暗躍に関してはほとんど言及が無い。何か片手落ちのような気がする。というのも、北鮮が元々ソ連の肝煎りで作られた傀儡国家だからだ。北鮮で「将軍様」と崇められる「金日成」が偽者であったことは、既に誰もが聞いたことのある周知の事実。北鮮の首領となった男は、「金成柱」または「金聖柱」と呼ばれていた若造で、後に「金一星」を名乗って王朝を築いた。朝鮮総聯の古株どもは認めないだろうが、これは明らかにスターリンの差し金だ。ソ連の赤い元帥は北鮮を任せる指導者として、一番ちょろい奴を選んだという。なぜなら、なまじ功績のある奴を国家主席に据えてしまうと後で厄介な事になるから、これといった実績の無い凡庸な小僧を一本釣りする方がいい。そうすれば、いつでもアゴで扱き使えるし、反抗することだって無いだろう。

Kim Ilson 1Kim 2Stalin 5

(左: 金日成 / 中央: 金正日 / 右: ヨシフ・スターリン)

  こうした“いかがわしい”経緯を知れば、なぜ金日成が各地に立派な銅像を造らせたのかが解る。輝かしい軍歴も実績も無いボンクラが「王者の威厳」を示そうとすれば、無理矢理にでも作るしかない。まぁ、朝鮮人は元々「捏造の名人」だから、虚像の彫像をつくるのは造作もないことだ。歴史を振り返って勇ましい武人が見つからなければ、韓流時代劇を制作し、夢にまで見たヒーローをでっち上げればいいし、みすぼらしい服装の貧民しかいなければ、絢爛豪華な衣装を纏う役者をTVドラマに登場させて、「かつて朝鮮には色鮮やかなドレスがたくさんありました」と嘘をつけばいい。朝鮮人は妄想と史実の区別がつかないから、どんな空想でも「歴史的事実」に変えてしまうのだ。日本人は「えっ、そんなアホな !」と驚くが、海を隔てた朝鮮は別世界。みんなで念じれば「現実」になるんだから。


Korean drama 2Korean drama 5

(左: 南鮮のテレビ時代劇 / 右: 南鮮の現代劇)

  池上彰の番組を観て「へぇ〜、僕達も同じアジア人なんだぁ」と頷いている日本人は、耳の穴に爆竹を詰めて火をつけてみればいい。一瞬で目が覚めるだろう。朝鮮人と日本人は“根本的”に違うのだ。おっちょこちょいの朝鮮人だとMrマリックさんの「超マジック」を目にして、「おお、すごい ! 奇蹟だ !」と信じてしまうだろう。例えば、マリックさんが折りたたんだ千円札を一万円札に変える手品を見たら、「ワシのお札も変えてくれ !」と押しかけるんじゃないか。確か、イソップ寓話に、使い古した斧を川に落としてしまい、歎き悲しむ木樵(きこり)のエピソードがあったけど、朝鮮人なら汚い斧を川に投げ込んで、神様のヘルメスに金や銀の斧をねだるだろう。日本人から多額の「賠償金」をもらった賤民は、かつての味を忘れられず、何度でも同じ事を繰り返す。ギリシアの神様だって真顔で嘘をつく朝鮮人には呆れるはずだ。仏様だって朝鮮人の頭を斧で叩きたくなる。だから天罰として、憧れの支那人に変えてしまうだろう。こうなれば蛙にされた王子様より悲惨だ。

  話が脱線したので元に戻す。我が国で北鮮と米国の対立が報じられれば、大抵の評論家が北京政府の内情を分析することが多い。だが、北鮮を操るのは支那だけではない。ロシアは地道に北鮮との交易を増やし、自国の経済圏に取り込もうとしている。その手始めに、負債の軽減を図ったのだ。北鮮はソ連時代のロシアから莫大な借金を背負っていた。1ドル67コペイカの為替レートで、約110億ドル(約1兆2千億円)の負債というから、貧乏国の北鮮にとっては相当な金額である。しかし、2012年9月17日、両国は負債に関する協定を結び、ロシアは総額の90%を棒引きにしてやると約束したのだ。(うぁぁ、プーチン、太っ腹だなぁ。ストリップ劇場の常連客なら、「よっ! 大統領!」と思わず叫んでしまうだろう。この掛け声が分からない良い子のみんなは、あとでパパに訊いてね。) 残りの10億9000万ドルに関しては、20年の返済期間とし、無利子で半年ごとの分割払いにしたそうだ。(Liudmila Zakharova, "Economic cooperation between Russia and North Korea : New goals and new approaches", Journal of Eurasian Studies, Vol. 7, 2016, p.153.)

  日本に対しては常日頃「北方領土を返して貰いたければ、もっと銭をよこせ」と恫喝するロシア人にしては、随分と気前がいいじゃないか。ロシア政府は金王朝を子分にしたいのか、人道支援まで申し出ていたのだ。一般の日本人なら「えっ、あのロシア人が人道支援だって?!」と驚いてしまうが、2014年、ロシアは対外支援の名目で小麦5万トンを北鮮に運んでいたのである。「親切なロシア人」なんて「涙を流すワニ」みたいで信じられない。誰だって「何か裏の意図があるんじゃないか」と勘ぐるはずだ。なぜなら、シャブの密売人だって一本目の注射は無料で打ってくれるし、女の子ならコンドームをオマケに附けてくれるのだ。でも、これは慈善活動ではなく、お客を中毒患者にするサービス品だし、避妊具はシャブ漬けにした女に売春させる為の必需品である。日本のヤクザと同じく、笑顔のロシア人が突然鬼のような顔になる瞬間が怖い。

  「豚を食うには先ず太らせてから」というのがロシア人の流儀である。ロシア政府は北朝鮮との経済関係を深め、貿易額を増大させると共に、北鮮へのインフラ投資にも積極的になっている。前世紀だと、両国の経済交流が浅く、1995年の貿易額は僅か8,300万ドルに過ぎなかった。北鮮経済は圧倒的に支那人頼み。2014年における北鮮の輸入総額は44億4千600万ドルで、支那からは35億2千300万ドル。一方、輸出総額は31億6千500万ドルで、支那への輸出は28億4千100万ドルとなっていた。(IMF Direction of Trade StatisticsとKorea Trade-Investment Promotion Agency 2015 Annual Reportを参照。) なるほど、北鮮にとって支那は対外貿易総額の約90%を占めている。しかし、プーチンが君臨する第21世紀のロシアは違う。北鮮との貿易額は2000年だと1億500万ドルしかなかったが、2005年になると2億3千300万ドルに増えていた。ただし、リーマン・ショックを受けた2009年だけは4千900万ドルに落ち込んだが、2013年には恢復して、1億1千270万ドルに伸ばしている。北鮮との経済関係に関し、ロシア政府はかなり意欲的で、2020年までに両国間の取引高を10億ドルに増やしたいと考えているらしい。(上掲論文 p.160.)

  ロシア極東開発省が牽引役であるから、ロシア企業も乗り気で、「ロシア鉄道」や建設業者の「モストヴック(Mostovik)」、穀物会社の「Altay Mills」、資源開発から金融・製造業まで手掛ける複合企業の「Basic Element」などが進出している。物流の基礎となるインフラ整備も活発で、「モストヴック」は北鮮とジョイント・ヴェンチャー企業を設立した。プロジェクトを開始するに当たって、技術や設備、専門家はロシア側が提供し、労働力は北鮮側が提供したという。(北鮮にはいくらでも低賃金労働者がいるので、奴隷人夫には事欠かない。我が国の自民党も安い労働力を輸入しようと企んでいる。) また、両国間を繋ぐ鉄道整備も順調で、総延長3,500kmに及ぶ線路を敷設し、トンネルや橋、駅も含めて近代化するそうだ。この鉄道プロジェクトで梓洞(チェドン)→江東(カンドン)→南浦(ナンポ)が結ばれ、総建設費は約250億ドルにも上るらしい。

  一般的に北鮮と言えば、「みすぼらしい貧乏国」というイメージに包まれているが、意外にも天然資源に恵まれてる。ロシアは北鮮の大地に眠る石油や天然ガスを採掘すると共に、非鉄金属やレアメタルを含む鉱物資源も狙っているそうだ。ロシアの大手企業「ガスプロム(Gazprom)・インターナショナル」は北鮮の天然ガスに興味を示したし、「ROAエネルギー・システム」社は20MWの水力発電所を建設するという。そう言えば、日本の建設業者も北鮮の天然資源を欲しがっていて、塩分を含まない川砂利を輸入している。以前は、小沢一郎と古賀誠が砂利の輸入を巡って暗躍していたが、今じゃ辻元清美と親しい生コン業者が仕入れに熱心だ。(ちなみに、小沢と昵懇の水谷建設は、北鮮の砂利が欲しくてNOP団体の「レインボーブリッヂ」に中古の重機を寄付した。) さぁ〜すが、土井たか子の衣鉢(いはつ)を継ぐ辻元だ。巨大なバイブレーターにサインする先生は、ひと味もふた味も違うねぇ。(辻元は「アダルト・ショップ」主催のイベントで講演したそうだ。) よっぽど、親切な同志が北鮮にいるんだろう。でもさぁ〜、いつから辻元はブルジョア資本家の手先になったんだ? たぶん、日本赤軍の恋人(北川明)より、生コン業界のドン(武健一)が大切になったのかも知れない。昔は貧乏くさい「ピース・ボート」に乗っていた姉ちゃんも、中年を過ぎると「豪華客船」の一等室に乗り換えたいんだろうなぁ。

  北鮮から天然資源をもらうロシアは、代わりに様々な製品を輸出することで儲けるらしい。例えば、石炭会社の「ラスパドスカヤ(Raspadskaya)」はコークス用の粘結炭を供給し、2013年には17万トンもの石炭を輸出し、1千990万ドルの貿易高になったそうだ。その他、ロシアはディーゼル油、金属製品、工作機械、車輌、農機具などを輸出し、北鮮側から繊維製品、化学原料、金属資源を輸入した。鉄道を結んだことで様々な物資を北鮮に運送できるようになったロシアは、次に南鮮にまで販路を拡大しようと目論んでいる。ロシア政府は北鮮を通って南鮮にまで届くパイプラインを敷設し、自前のガスを供給したいと望んでいたので、2011年にサハリン・ハバロフスク・ウラジオストックを繋ぐパイプラインを完成させたという。さらに、ロシアは電気事業でも南鮮に参入したいようで、将来的には電気の供給も視野に入れているようだ。ロシアはエネルギー輸出のメリットを弁えている。例えば、「ノルド・ストリーム」のパイプラインを使い、バルト海経由でドイツに天然ガスを供給しているから、クリミア半島で領土拡大を図ったとき、ヨーロッパ諸国からの制裁に苦しまなかった。ロシアからガスをもらっている国は、元栓をギュっと絞められたら、厳しい冬の寒さを凌げないし、経済的にもかなり痛い。だから、ロシアは北鮮や南鮮もエネルギー供給で自らの支配権に入れたいのだろう。

プーチン子飼いのオリガルヒ

  ロシアの新興財閥に当たるオリガルヒ(oligarch / 寡頭資本家)は日本でも一時期たいへん話題になった。この大富豪については以前、当ブログで紹介したから、ここでは繰り返さない。(Part 1 とPart 2) 日本のマスコミは、彼らを裕福な「ロシアの企業家」くらいにしか思っていなかったが、その正体はスラヴ系ビジネスマンではなく、ロシアの富を貪欲に搾り取る「ユダヤ商人」であった。ユダヤ人というのは軍隊には向かない人間だが、商売とか学問、娯楽といった分野にかけては超一流だ。とにかく、脳味噌を動かすことに長けている。確かに、ロシア人にも数学や物理学で優秀な人材はいるんだが、労働者の庶民ときたら大抵は“ぐうたら”で、仕事を“そこそこ”で済ませると、一目散に酒場へ向かってウォッカをがぶ飲みだ。これじゃあ、本の虫たるユダヤ人にかなわない。彼らは何時間でも教典を黙読できるほどのガリ勉だから、頭脳労働ではロシア人を軽々と追い越す。こんな塩梅だから、ユダヤ人の金融業者とか大学教授が多いわけである。

  これを分かっているのがプーチンだ。西側諸国の評価はどうあれ、諜報局員上がりのプーチンは根っからの愛国者である。もし、ユダヤ人を野放しにしたら、テレビを始めとするマスメディア、映画や劇場などの娯楽産業、金融・エネルギー・貿易・流通といった分野すらユダヤ人に牛耳られ、ロシア人は彼らのもとで働くだけになってしまう。こうなれば、ユダヤ人がロシアの実質的な支配者で、社会的ヒエラルキーの頂点に立ち、ロシア人の政治家といえども彼らの下僕である。だから、プーチンは政治的野心を持つユダヤ系オリガルヒを叩き潰し、ロシアを自分の縄張りにしたのだろう。国家を自分の所有にしたプーチンだからこそ、異民族が幅を利かすことが赦せず、結果的にロシアがロシア人の手に戻ったのだ。

  政治的野心を持ったユダヤ人大富豪が排除されると、経済活動に専念するオリガルヒが主流になった。もちろん、ユダヤ系オリガルヒは未だに健在だ。例えば、ウクライナ生まれのヴィクトール・ヴェクセルバーグ(Viktor Vekselberg)は、投資会社の「レノヴァ・グループ(Renova Group)」を所有する会長である。(彼の母親はロシア人だが、父親がユダヤ人。) 米国の『フォーブス』誌によれば、ヴェクセルバーグの資産は約148億ドルにも上るそうだ。彼はロシアのアルミ産業界で成功を収めた後、石油やガスに投資を行って大儲けしたらしい。ロシアとイスラエルの国籍を持つミハイル・フリードマン(Mikhail Friedman)も健在で、ロシアでも最大の民間銀行「アルファ・バンク」を経営している。『フォーブス』誌によると、彼の資産は134億ドルらしい。そしてユダヤ人らしく、彼はロシア・ユダヤ評議会の副議長を務めているそうだ。

Viktor Velselberg 1Mikhail Frieman 01Leonid Mikhelson

(左: ヴィクトール・ヴィクセルバーグ / 中央: ミハイル・フリードマン / 右: レオニド・ミケルソン )

  もう一人ユダヤ人の大富豪を挙げるとすれば、やはりレオニド・ミケルソン(Leonid Mikhelson)だろう。『フォーブス』によれば、彼の総資産は182億ドルもあるらしい。このユダヤ人ビジネスマンは元々エンジニアであったが、「ノヴァ(NOVA)社の経営を経て、「ノヴァテク(NOVATEK)」社の筆頭株主兼会長に納まった人物だ。この会社は天然ガスの生産と販売を行うロシア最大の民間企業で、ロシアが産出する天然ガスの11%を占めるという。また、彼はロシアの地域開発銀行の監査役や「シブール(SIBUR)」社の筆頭重役になっているそうだ。この「シブール」は天然ガスの産出と石油科学製品を手掛ける企業である。

  不動の地位を固めたプーチンは、ボリス・ベレゾフスキーやミハイル・ホドルコフスキーといった邪魔なユダヤ人オリガルヒを片づけ、他のオリガルヒと友好関係を結んでいるようだ。例えば、彼はアルミニュウム産業で頭角を現したオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)と仲が良い。この大富豪はクバン・コサックの流れを汲む家族の出身で、大学では物理学を専攻していた人物だ。ちなみに、「クバン(Kuban)」はアゾフ海や黒海に面した地域で、クリミア半島の東側とグルジアの北部に位置する。冬季オリンピックが開かれたソチはこの近くだ。デリパスカは数多くの企業を抱える経営者で、「シビルスキ・アルミニュウム・インヴェストメント・インダストリアル・グループ」を率いていた。この会社が彼の本陣である「ユナイテッド・カンパニー・ルサル(RUSAL)」の中核となってる。元々「ルサル」はアルミニウム製造会社であったが、徐々に異業種に手を伸ばし、エネルギーや工業製品、自動車、金融、保険、農業、建築、リース業、航空業界に進出している。貪欲なデリパスカは、様々な企業の株を取得し、一大帝國を築いた。例えば、彼は「EN+Group」を手に入れ、各地の鉱山を採掘し、金属製品まで作って売り出している。

Oleg Deripaska 1(左 / オレグ・デリパスカ )
  さらに、「Basic Element」社を取得したデリパスカは、インフラ投資に係わる建設業に乗りだし、農産品輸出にも力を入れているという。彼の事業展開は留まるところを知らない。乗用車やトラック、バスなどを製造する「GAZ Group」を始めとし、工作機械や重機、農業用機具を製造する「ロシアン・マシーンズ」、水力発電を行う「EuroSibEnego」に加え、航空会社にまで事業を拡大しているのだ。しかし、彼も他のオリガルヒと変わらず、ビジネス上のライバルを脅迫するし、政府高官の盗聴を行い、時には恐喝や横領も躊躇しない。如何にも「ロシア人ビジネスマン」らしいデリパスカだから、役人への賄賂も忘れないし、脱税や資金洗浄は当り前。必要とあらば、商売敵の暗殺も行う。だから、ロシアン・マフィアとツルんでいても不思議ではない。彼が51億ドルもの資産を築くことができたのは、こうした背景があったからだ。案の定、デリパスカは米国財務省が作成したブラックリストに名を連ねている。

  プーチンの同盟者になっているオリガルヒで目に付くのは、石油や天然ガスの採掘・生産・精製を行っている「シブール(SIBUR)」社のキリル・シャマロフ(Kirill Shamalov)だろう。彼は「ロシア・バンク(Rossiya Bank)」の共同経営者であるニコライ・シャマロフ(Nikolai Shamalov)の息子として知られているが、一般的にはプーチンの娘エカチェリーナ・ティコリヴァ(Ekaterina Tikhonova)と結婚したことで有名だ。2013年にロシア大統領の「皇女」を娶ったシャマロフは、飛ぶ鳥を落とす勢いで資産を増やした。彼は「シブール」社の株を買い始め、2016年には20%も保有し、総資産は約24億ドルにも上ったそうだ。あまり表に出てこないから騒がれないが、プーチンには娘が二人いて、長女のマリア(Maria)と次女のエカチェリーナである。マリアの詳しい情報は公開されていないけど、彼女は生物学を専攻し、その後オランダ人男性と結婚したらしい。しかし、妹の方はオリエント学を専攻し、日本語も勉強したそうだ。(Leonid Bershidsky, "Putin Family Values", Bloomberg, January 30, 2015) しかし、エカチェリーナが熱心だったのは、ロックン・ロール・ダンスであった。彼女はロシアのダンス大会に出場し、パートナーと一緒に飛び跳ねたり、空中で回転したりと、非常に活き活きしていた。今ではビジネスにも従事し、大統領の娘という地位を利用してお金を儲けている。

Krill Shamalov 2Putin's daughter Ekaterina 02


(左: キリル・シャマロフ / 右: プーチンの次女エカチェリーナ)

  皇帝の息女を持つことでのし上がったシャマロフだが、その栄光は長く続かなかった。彼の没落は離婚にある。2018年1月、彼は事もあろうにエカチェリーナと別れてしまった。プーチンの娘婿であったからこそ、彼が株を持つ「シブール」は、プラント建設費用としてロシアの国家ファンドから17億5万ドルの融資を受けることができたのだ。しかも、信じられないことに、その金利は“たった”の2%であった。(Andrey Kuzmin, Kira Zavyalova and Stephen Grey, Putin's son-in-law boosted by $ 1.75billion Russian state loan", Reuters, December 30, 2015) さすが、独裁者の家族は有利だ。でも、シャマロフは魔法の杖を手放してしまった。惚れた腫れたという男女の仲は難しい。分かっていても、嫌いになった女房とは暮らして行けないものだ。シャマロフは皇帝の逆鱗に触れたのか、「シブール」の株を大量に失う破目に。彼の株保有率は4%にまで落ち込み、総資産は5億400万ドルへと減ってしまった。アメリカで離婚する亭主は元妻に多額の慰謝料を払わねばならず、身ぐるみ剝がされて女房の弁護士を吸血鬼呼ばわりしているが、ロシアの皇帝を父に持つ義理の息子も辛いものである。

Putin & ex-wife Lyudmila 2Putin & Lyudmila & daighters

(左: プーチン大統領とリュドミラ夫人 / 右: 大統領になる前のプーチンとその家族)

  そう言えば、プーチンも2013年に長年連れ添ったリュドミラ(Lyudmila)夫人と別れている。二人は1983年に結婚したから約30年間も一緒に暮らしていたことになる。リュドミラ夫人はカリーニングラード生まれであるからか、ドイツ語が得意なようで、レニングラード国立大学でドイツ語の教師をしていたそうだ。ちなみに、「カリーニングラード」は元の「ケーニスクベルク」で、ソ連が崩壊してもロシア領のままである。大哲学者インマヌエル・カントの生まれ故郷が、未だにロシアに占領されたままなんて悲しい。それはともかく、二人の娘も成人したことだから、プーチンも離婚しやすかったんじゃないか。熟年離婚はロシアでも珍しくはない。亭主と別れてサッパリしたのか、元夫人は2016年にアルトゥール・オチェレトニー(Artur Ocheretny)氏と再婚したそうだ。一方、プーチンは三匹の犬に囲まれて、楽しく(?)暮らしているという。特に、日本からもらった秋田犬は忠実だから、死に際まで一緒に寄り添ってくれると思うよ。なんか、ビートたけしの「オールナイト・ニッポン」で好評だった「中年エレジー」に出て来そうな話であるが、もしプーチンが政界を引退したら、ペットだけが本当の家族となるだろう。

Putin's wife Lyudmila 1Putin's daughter Marina 1Putins daughters

(左: 若い頃のリュドミラ夫人 / 中央: 長女のマリア / 右: 幼い頃のマリアとエカチェリーナ )

自分の所有物だから大切にする

  伝統的にロシアは膨張政策を取ってきたが、プーチンの凄いところは、経済力を強化してロシアを再び大国に戻したことだ。父親が無神論者だったのに、息子のウラジミール・プーチンはロシア正教の信者になっている。もちろん、腹の底でどう考えているかは別。だが、表面上、田舎の百姓みたいに敬虔な信徒を演じているから、大した役者だ。それにしても、なぜKGB上がりの策略家が神様を信じるのか? それは無宗教の共産主義は民衆の心に響かず、ロシア軍将兵の士気を高めるには、絶対にキリスト教の方がいいと解っているからだ。ロシア人は無味乾燥なマルクス主義では動かない。インテリはいいとしても、愚鈍な農夫とか職人といった大地に根づく大衆は、魂を揺さぶる神の存在を欲しがるものである。それゆえ、プーチンは事ある毎に教会を訪れ、テレビ画面を通してロシア国民に敬虔な姿を見せつけ、ロシアの「国父」というイメージを植え付けている。ロシア人というのは、たとえ残酷でも強力な君主を好み、全知全能の超越者を崇拝する民族だ。したがって、スターリンのような暴君でも未だに慕っている。プーチンが連続当選できたのは、不正操作もさることながら、ロシア人の性質をよく理解していたからだろう。

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(左: ロシア正教の教会でスピーチを行うプーチン / 右: モスクワの総大司教と会うプーチン)

  ついでに言えば、プーチンは左翼思想が大嫌いだ。ソ連時代には、外国の左翼分子を散々支援したくせに、自分の国では「駄目!」なんて虫が良すぎる。進歩主義とか平等主義、フェミニズム、リベラリズムは国民を腐敗させるので、鉄血君主のプーチンは許さない。例えば、プーチンは同性愛者に厳しく、2013年7月3日、養子縁組に関する法案に署名し、ゲイ・カップルがロシア人の子供を養子に出来ぬよう定めた。そして、どのような形であれ、同性愛者の結婚を認めるような国に住む夫婦や片親に養子を斡旋することは違法になった。さらに、プーチンはホモに関する法案に署名し、旅行者あるいは外国籍の居住者であれ、同性愛者もしくはゲイ賛成者と見なされれば、警察官が逮捕できるようにしたという。(Harvey Fierstein, "Russia's Anti-Gay Crackdown", The New York Times, July 21, 2013)

Gays in Russia 1Gay couple in Russia 23

(左: プーチン同性に対する反対デモを行う同性愛者 / 右: 「反プーチン」を掲げるゲイのカップル)

  プーチンのホモに対する敵愾心は相当根深く、別の法案にも署名したそうだ。この法律により、「同性愛の宣伝」は「ポルノグラフィー」と分類されてしまったのである。未成年者に「非伝統的な性的関係」を推奨することは違法とされ、学校の教師が同性愛者と正常者の関係を平等と教える事もできなくなったという。親でさえ子供に「LGBTが普通の人達である」と教える事は駄目らしい。また、一般人が同性愛者の権利を訴えるパンフレットを配布することも禁止となった。(Sarah Morrison, "Vladimir Putin's attack on homosexuality is shattering the lives of Russia", The Independent, 13 January 2014) しかし、ロシア国民もプーチンの方針に賛成なようで、同性愛者に対する同情は少ない。ゲイやレズビアンたちはホモ嫌いの暴力にも曝されたようである。彼らは不平不満を述べていた。「あの人達は私たちをまるで動物のように見ているのよ!」、とカンカンだ。こうした仕打ちに耐えられなくなった同性愛のロシア人は国を去って、“寛容”な外国に向かったそうである。厄介者は追い出すに限る。プーチンお見事。

Lesbians in Russia 3Russian girls 3

(左: ロシアのレズビアン・カップル / 右: 健康的なロシア人女性)

  それにしても、なぜプーチンはゲイに辛く当たったのか? 確かに、ヴィタリー・ミロノフ(Vitaly Milonov)議員が言うように、同性愛は異常で、ロシア国民の大半が信仰するキリスト教の倫理にも反している。ニューヨーク・タイムズの記者が推測するには、ロシアの出生率が低下しているためだという。つまり、プーチン大統領はロシアの少子化を懸念しているという訳だ。「同性愛者は不毛」なんだって。確かに、オっさん同士が抱き合っても妊娠は無理。もう一つの理由は、プーチン自身が述べている。幼児虐待を好む変態は、同性愛の男性に多いので、プーチンはホモによる養子縁組に反対しているそうだ。犯罪者から幼児を守る独裁者なんて笑ってしまうが、プーチンには別の意図があるのだろう。大国ロシアの背骨は何と言っても軍隊だ。その國軍を維持するためには、健全な子供を育成し、優秀な青年を増やさねばならない。レズビアン・カップルに育てられた息子なんて、へなちょこで役に立たない。女々しいクズを十人集めても一人の正常な兵卒には適わないし、そんな奴がいたら上官が苦労するだけだ。

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( 左: 養子を取ったゲイのカップル / 右: 舞踏会に出席したロシア士官候補生)

  歐米のジャーナリストはプーチンを批判するばかりだが、彼はジェンダー教育や平等思想の害毒をよく理解している。なぜなら、ソ連の工作員は西側諸国を弱体化するために、リベラル派の馬鹿どもを支援し、人種や性の平等を促進することで、内部から崩壊させようと目論んでいたからである。この長期的謀略をKGBに属していたプーチンが知らない訳がない。彼が同性愛思想を危険と見なすのも当然だ。そして、これは滅多に語られないが、プーチンがメディア界のユダヤ人を叩き潰したのも正解だった。もし、アメリカのようにユダヤ人が娯楽産業やメディア界を占領したら、異人種間の恋愛や同性愛者の結婚を肯定するドラマや番組を制作したはずだ。そうなれば、ロシア人のモラルは低下し、男らしい勇気や戦士の美徳、さらには国民の義務や名誉の観念を軽視する反抗的な若者が増加するだろう。ロシアを自分の“縄張り”にしたプーチンは、この私有財産を立派で美しく、素晴らしい国家にしたいと望んでいる。日本人だって自分の庭をきれいにしたいから、熱心に雑草をむしり、庭掃除に励むじゃないか。それと同じだ。

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(左: ロシア軍人と握手するプーチン / 右: ロシア軍特殊部隊の隊員)

  随分と脱線したので元に戻す。現在のところ、北朝鮮はアメリカに屈服したように見える。金正恩はトランプの強硬姿勢に観念したのかも知れない。北京政府も米軍と対決してまで北鮮を庇うつもりはないから、トランプとの取引に応じる可能性がある。プーチンは習近平よりも賢く、北鮮が核開発を断念しても一向に構わない。金王朝が存続し、そのまま社会主義体制が温存されれば、合同企業を通して北鮮の資源を根こそぎ収奪するつもりだし、もし金王朝が崩壊して別の体制となり、市場経済に移行すれば、更なる経済進出を画策し、朝鮮半島全部をロシアの経済圏に組み込むはずだ。北鮮は後進国だから、どのような投資をすべきかは判っている。先進国だと社会が成熟しているので、単純な製品を作っても儲けにならない。北鮮なら時代遅れの家電でも馬鹿売れするから楽だ。でも、ロシア人にはフェラーリのような藝術品は無理で、せいぜい野暮ったい大衆車を造って押しつけるだけ。ロシア人ときたら、戦略爆撃機とかT-74戦車を造れるのに、建設に使う重機とか家庭用の自動パン焼き機などが造れないんだから不思議だ。

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(左: 笑顔の習近平 / 右: 猜疑心に満ちた金正恩)

  北鮮は表面上、北京政府を頼りにしているが、その反面、とにかく支那人を憎んでいる。金正恩が習近平を嫌っていたのは有名で、朝鮮労働党幹部も腹の底では恨んでいる。なぜなら、宗主国の支那は北鮮を「道具」としか見ていないからだ。おそらく、北鮮高官の中には以前からロシアの手下になっている奴がいて、水面下でプーチンに援助を求めているのかも知れないぞ。ロシアは朝鮮戦争の頃からずっと北鮮を利用していたし、その癒着は未だに続いているから、北鮮側も支那に代わる親分としてコンタクトを取っているのかも知れない。日清戦争の後、李朝はロシアと手を結ぼうとしたくらいだから、米国と張り合うために金王朝がロシアを後ろ楯にする可能性だってある。朝鮮人はいつも他国に隷属し、一度も独立国になったことがない。西歐諸国に包囲されたアサド政権はロシアを頼みの綱にして持ちこたえている。金正恩だってロシアの配下に入るという選択肢も考えているはずだ。プーチンは米国と支那の対決を見物し、無傷で朝鮮半島を温存しようと図っている。実に狡賢い。日本の朝鮮問題専門家はロシアの裏工作に関心が無いのか、北京政府の方針ばかりに目を奪われている。

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(左: 反日を叫ぶ南鮮人 / 右: デモに参加した南鮮人)

  今さら愚痴をこぼしても仕方がないけど、日本のテレビや新聞はもっとひどく、森友問題が終熄したと思えば、またもや加計問題を蒸し返して、安倍政権打倒を叫んでいる。本当に救いようがない。北鮮の金王朝が崩壊したら、日本が大量の難民を引き取り、そのうえ経済支援までむしり取られるのに、その危険性を議論せず、どうでもいい些細な事件に時間と税金を費やしている。アメリカは金王朝を倒すことに熱心でも、混乱した朝鮮半島を引き受けるつもりはない。おそらく、日本を恫喝してお金を巻き上げ、それを自分の功績のように吹聴し、「天使」のように南鮮人へと分け与え、「どうだ、オレ様のお陰だぞ」と自慢するだろう。日本は多額の経済支援をするが、朝鮮人から感謝されることはなく、下劣でみすぼらしい北鮮難民と一緒に暮らすことになる。もしかしたら、異邦人を養うために、国民健康保険や国民年金の掛け金が“いつのまにか”増え、消費税はもちろんのこと市民税や県民税まで跳ね上がり、気がつけば所得の半分以上が税金で持って行かれたりしてね。

  とにかく、朝鮮人は疫病神以下だ。彼らは日本じゃなく、ハバロフスクとかパルビンに住まわせるべき。宏大なロシアには空き地が沢山あるんだから、北鮮人は荒れ地を開拓して、百姓になればいい。嫌な民族はロシアに押しつけろ。北方領土を奪ったロシア人には、朝鮮人をプレゼントするくらいの意地悪をしてもいいんじゃないか。ただし、悧巧なプーチンはどの民族が有害かを承知しているので、安倍総理との会談で「朝鮮人だけは御免だね !」と本音を漏らすかも知れないぞ。悪い奴は馬鹿じゃない。朝鮮人は何をしても「良きロシア人」にならない事を解っている。それなら、日本人もプーチンに見倣って、朝鮮人を排斥すべきだろう。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68711269.html


91. 中川隆[-10081] koaQ7Jey 2018年4月17日 01:44:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10768]

2015年05月22日
ロシアを食いつぶした経済マフィア / オリガルヒの正体 (1)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68348669.html

ユダヤ人VSロシア人

  ロシア人は狡猾で陰険だが馬鹿ではない。兇暴で情け容赦のないロシア人は、もっぱら掠奪を趣味とする野蛮人であるが、同類の犯罪者を見分ける能力は一級品である。ユダヤ人は学問と同じく悪行においても天才的能力を発揮するので、無防備な西歐人や日本人は容易く隷属してしまう。しかし、同じ穴の狢(ムジナ)たるロシア人には手こずるみたいだ。遵法精神を持つ西歐人なら、ユダヤ人は立法府を牛耳って、彼らを意のままに操れる。しかし、力のみを信奉するロシア人相手だと勝手が違い、札束だけでは調教できないのだ。現代のロシア皇帝ウラジミール・プーチンは、甘っちょろい西歐の政治家とはまったく違う。しかも、ロシア人とはスラヴ人の皮を被ったモンゴル人だ。こんな奴らを束ねる支配者とくれば、相当なワルである。綿密な謀略が得意なプーチンは、本能的にユダヤ人を警戒する。同じ臭いを放つ異邦人に絶対油断しない。だから、プーチンはユダヤ人の軍門に下る前に叩き潰そうとしたのだ。こうしたワルどもの闘いにおいては、「やるか、やられるか」の選択しかないのである。

(写真/ロシアにおけるユダヤ人)


  ロシアにおけるユダヤ人の歴史は長くて暗い。農奴国のロシアに住んでいたユダヤ人の仕事といえば農業くらいしかなかった。だから裕福になれなかったし、おまけに「ポグロム」という虐殺が時折起こって、ユダヤ人は逃げ回っていたのである。こんな惨めさからアメリカに移民できるチャンスを見つけたユダヤ人は、どんな嘘をついてでも新大陸に渡りたかった。文明国のアメリカ合衆国では、たとえユダヤ人でも才能があれば、出世ができたり裕福にもなれたから、ロシアでは就けない職業を求めたのである。希望の国アメリカには、貿易やエンターテイメント、金融、報道など魅力的な職場がいっぱいあった。こうした職業をユダヤ人に解放することは、アメリカ人にとって自殺行為ある。必ずやユダヤ人が要職を占め、その業界を乗っ取り、他分野のユダヤ人と連携して永久支配を完成させるのだ。アメリカで成功したユダヤ人でも、ロシアに残った同胞は気になったらしい。ポグロムを続けてユダヤ同胞を迫害する帝政ロシアが許せなかった。そこで、東洋の新興国日本を利用してロシア皇帝を膺懲(ようちょう)しようとしたのが日露戦争であった。ヤコブ・シフなどのユダヤ人富豪が日本の戦時国債を買ってやったのも、善意からではなくロシア懲罰が目的だったのである。

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(左:レーニン/カール・ラデック/レフ・カーメネフ/右:ヤコフ・スヴェルドルフ)

  敗戦で帝政ロシアがぐらつき始めたら、こんどはユダヤ人過激派、つまりレーニンが率いるボルシェヴィキをアメリカ・ドイツの金融資本家が支援して、憎きロマノフ王家を抹殺してしまった。グルジア人のスターリンを除いて、ボルシェヴィキのメンバーはほとんどがユダヤ人である。レーニンは母方の血統でユダヤ人であったし、国際共産主義のリーダーであったカール・ラデック(Karl Radek/本名Karol Sobelsohn)やレフ・カーメネフ(Lev Kamenev/本名Rozenfeld)、ヤコフ・スヴェルドルフ(Yakov Sverdlov)はユダヤ人であった。かつて人気があったトロツキー(本名/Lev Davidovich Bronstein)はウクライナ出身のユダヤ人である。レーニンとも家族ぐるみで親しかったグレゴリー・ジノヴィエフ(Grigorii Yevseevich Zinoviev)もウクライナ出身のユダヤ人。(高齢の共産党員にとっては懐かしい名前だろう。) とてもウクライナ人とは思えない顔つきのユダヤ人を見れば、いかにユダヤ人が異質な種族かが分かる。日本人によく知られているウクライナ人といえば、映画『バイオハザード』の主役ミラ・ジョボビッチ(Milla Jovovich)であろう。ちなみに、オレンジ革命の時話題になったユーリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)は、リトヴィア系ロシア人で、ウクライナの地元民ではない。

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(左:トロツキー/中央:グレゴリー・ジノヴィエフ/右:ミラ・ジョボヴッチ)

  ともかく、こうしたユダヤ人過激派を財政的に支援したのがウォール・ストリートの金融資本家で、将来の市場としてロシアを独占するために革命を支持したのである。(たとえばAmerican International Corporationが有名。)ロマノフ王朝が居坐っていると、巨大銀行がロシアを搾取しようとしても邪魔されるから、うるさくて厄介なロシア皇帝を始末しておいた方が得策と考えていたのだろう。我々は学校の教科書で、共産主義者による「ロシア革命」とだけ習っているが、実際はロシアで起こったユダヤ人コミュニストによる「ユダヤ革命」なのだ。世界史の教科書では、革命家の顔写真を掲載して、ユダヤ人革命家個人について述べないから、日本の高校生は彼らの素性が分からない。日本の子供なら「先生このオッサンたち何者? 」と訊いてくるから、社会科の教師は説明に困るだろう。まさか嘘をつくわけにも行かないが、本当の事を喋るのもちょっと辛い。だが、NHKの高校講座世界史に出てくる赤い講師なら大喜びで答えるかもね。もっとも、如何に共産主義が素晴らしいかを説くだろうけど。

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(左:ミハイル・ゴルバチョフ/中央:ボリス・エリツィン/右:ユーリ・ティモシェンコ)

  ロシアはユダヤ人との腐れ縁で散々な目に遭っているが、日本人からすれば「いい気味だ」と言いたくなる。巨万の富を持ちながらも更なる利益を求めるグローバリストにしたら、ロシアはユーラシア大陸の要となり、何としても押さえねばならぬ大国である。ロシア人は役立たずでも、その土地に眠る天然資源は咽から手が出るほど欲しい。共産主義体制が崩壊したロシアは、西側の金融機関や投資家にとって魅力的な市場経済処女地であった。あくどい手段を用いて莫大な資産を築き、やりたい放題の「オルガルヒ(Oligarch)」の正体は、大富豪のユダヤ人政商である。国家独占経済が急に市場経済に移行したのだから、商才などからっきしなかったロシア人に、ビジネスマンになれといったってどだい無理。ただ、そこには例外があった。ユダヤ人は別だ。勉強と金儲けはユダヤ人の得意技。総合格闘技なら、プライド・チャンピオンのヒョードル・エメリヤネンコ(Fedor Emelianenko)や空挺部隊のセルゲイ・ハリトーノフ(Sergey Kharitonov)といったロシア人の方が強い。しかし、そろばん勘定とくれば、ユダヤ人が三冠四冠のチャンピオンだ。ゴルバチョフを倒して、新生ロシアの大統領になったエリツィンは、ブルドーザーのようなごり押しなら得意だったが、経済政策については全くの素人。ウォカの早飲み大会なら優勝できても、産業育成といった地道な実業には無知であった。経済アドヴァイザーの正体も吟味せずにロシア経済を任せて、国営企業は貪欲なハゲタカとオルガルヒ(新興財閥)の餌食。

  考えてみれば日本も明治維新の時は危なかった。もし、江戸時代にユダヤ人が居たら、我が国の殖産産業は悉く外国勢力に喰われたかも知れない。コ川慶喜(けいき)に渋沢栄一がついて、様々な企業を興したから良かったのだ。近代資本制の産業社会に移行しようとした時、その任務に当たったのが異邦人ではなく日本人であったから、順調に経済発展ができたのである。巨大な財閥を築いた岩崎弥太郎だって愛国心を持つビジネスマンであったし、北海道開拓を任された政治家も日本人だったから問題が少なかったのだ。もし、ロシア系ユダヤ人に任せたら、北海道はユダヤ資本の牙城になっていただろうし、日本の領土であっても巨大な租界の如き様相を呈していたかも知れない。三菱の岩崎弥太郎は渋沢を誘って市場独占体制を図ろうとしたが、それでも祖国を食い潰そうとはしなかった。渋沢栄一はカルテルを結ぶより、日本の企業育成に力を注いだのである。外国人なら日本の将来を考えて新たな産業を興そう思わない。激動期に外人が存在するのは危険である。

ユダヤ商人の勃興

  ソ連末期からエリツィン時代にユダヤ人は勢力をつけた。この原因の一つとしてあげられるのは、ヴァウチャー(voucher)方式による国営企業の私有化であった。エリツッイン大統領の下で経済改革に取り組んだイエゴール・ガイダール(Yegor Gaidar)とアナトリー・チュバイス(Anatoly Chubais)は、国有企業の資産を守るためにその民営化を図ったという。というのも、ゴルバチョフ政権下の後半で広がり始めた自然発生的な私有化を食い止めるとともに、残存する共産主義者らが国家管理・計画経済の復活を叫んでいたからだ。当時、ロシアでは闇経済から怪しい商売人が表面に出てきたし、企業努力をするよりも「親方日の丸」の方が楽だと考える人が多かったからである。それに、政府が企業の所有者ということは、特定の所有者がいないということと等しい。つまり、監視する役目の人間がいないから、企業長ら経営幹部を含む労働集団が、勤務先企業の資産を勝手にぶんどって食い潰してしまうのだ。ガイダールとチュバイスは企業が丸裸にされることを防ぐためにも、国営企業を私有化することで、オーナーになった者が自分の資産を守るはずだ、と考えたのである。

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(左:アナトリー・チュバイス/右:イエゴール・ガイダール)

  産業構造を救済するには、どうしても共産主義の復活を食い止めねばならない。それには経済改革に対する一般民衆の支持を得なければ、ということで、ロシア国民一人あたり1枚の(株券を買える)小切手(ヴァウチャー/または引換券)を配り、これによって国民全体をロシア産業の株主かつ利害関係者に仕立てようと目論んだのである。私企業に転換した会社の所有者になったロシア国民は、僅かばかりでも利益の配当を受けるから、「自らの所有物」が再国有化されることに反対するだろう、とガイダールとチュバイスは踏んだのである。冷戦崩壊後、社会主義に異を唱えていたシカゴ学派理論は輝いていた。企業の所有権を公的管理から解放し、私有化して市場経済の原理に任せれば、生産性が上がり、効率も良くなるということで、私有は国有に勝るのだ、とガイダールとチュバイスは信じていた。

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(左:アンドレイ・シュライファー/中央:ジェフリー・サックス/右:マキシム・ボイコ)

  1991年ガイタールは大胆な経済改革に踏み切り、私有化はチュバイスに担当させることにした。そこでユダヤ人のチュバイスはハーバード大学の少壮教授アンドレイ・シュライファー(Andrei Schleifer)を補佐官に選んだのである。ハーバード大学にはユダヤ人学者がゴロゴロいるからしょうがないけど、偶然なのか意図的なのか分からぬが、ユダヤ人教授が抜擢されたのは不吉な予兆であった。 このシュライファーをチュバイスに紹介したのも、ユダヤ人でハーバード大学教授のジェフリー・サックス(Jeffrey David Sachs)であった。シュライファーはロシア人エコノミストのマキシム・ボイコ(Maxim Boycko)とハーバード・ロー・スクールを出たばかりのジョナサン・ヘイ(Jonathan Hay)を引き連れてやって来た。こうした秀才経済学者らは、自由主義経済の経験がないロシア人に市場経済の原理を導入しても大丈夫と考えたらしい。西側の市場経済が機能するには、ロシアに法の支配があるという前提が必要なのだ。公正な裁判や法秩序を維持する警察、ビジネス関係の法制度、それに非公式の基準や商慣行などが併せて存在しなければならない。闇経済くらいしかなかったロシアで、まともな産業や流通があるわけないだろう。だが、私有化を推進した連中は、構造改革をすれば競争原理が働く一方、規制を求める政治的圧力が湧き上がるから、法制度の改革が起こって企業統治のシステムが出来上がるはず、と考えていた。しかし、実際は一般ロシア人に企業経営など分からないし、不正に対する国民の監視というものがないのだ。市場経済の原理(プリンシプル)を持ち込んでも、それが発芽する土壌(文化/カルチャー)がロシアに無かったのである。

  私有化で多くのロシア国民が小さな株主になるとは幻想であった。実際に起こったことは、企業長やインサイダーが濡れ手に粟でボロ儲けという結果である。チュバイスはロシア産業の産業・商業の資産価値を計算し、これをロシア国民総数で割って一人当たりの分け前をはじき出したという。次ぎに、その価格に相当する株を購入できるヴァウチャー(引換券/小切手)を国民一人に1枚ずつ分配したのだ。これがロシアのヴァウチャー計画の本質である。経営幹部やインサイダーが彼らに振り当てられた株を購入するのはいいとして、残りの資産を分配して一般国民に分け与えようとしたのである。16,500の大企業と中小企業を会社組織に転換し、それらの会社の帳簿上の評価額の35パーセントをヴァウチャー所有者のために取っておく。この価額を低く設定してヴァウチャーの額面価格をはじき出し、1枚当たり1万ルーブルと決めたのである。何かややこしいが、つまり平民でも株主になれるよう、額面を安くしてあげたということ。

  計画がスムーズに進むと思いきや、ヴァウチャー価格を安く設定したことが裏目に出てしまった。ロシアはインフレに見舞われ、ヴァウチャーの実質価格がしぼんでしまい、1万ルーブルが4千か5千ルーブルくらいの値に下落したのである。一時はヴァウチャーを1枚10ドル以下で手放す庶民すら珍しくなかったという。多くのロシア国民は1万ルーブルのヴァウチャーなんてイカサマだと思い始めた。石油や天然ガス、鉱物資源に恵まれたロシアで、一人当たりの受け取り分がたった1万ルーブルだなんて理解できなかった。ロシア国民は共産主義時代と同じように、またもやイカサマの犠牲者にさせられたと受け取ったのだ。(マーシャル・I・ゴールドマン 『強奪されたロシア経済』 鈴木博信 訳 NHK出版 2003年 p.158) エリツッンが打ち出したヴァウチャー計画で、最終的に1億4800万人のロシア国民のうち1億4606万4000人がヴァウチャーを受け取った。受け取った国民はそれを現金と同じく扱って市場で売り払ってもよかったし、私企業に転換された企業の株と交換してもよかった。ほとんどのロシア人は、ヴァウチャーを資本家たちの紙切れと思っていたし、それが本当にどれほどの価値があるのか、またそれをどう使ってよいかすらも分からなかった。

  やがて狡賢い連中が「ヴァウチャー・ファンド」なるものを創立し、このファンドの株を買うのにヴァウチャーを使ってくれたら、すぐにでも高額の配当金を差し上げますよ、と人々に宣伝したという。ところが、ヴァウチャーをこうしたファンドの株に取り替えた人々は、「ファンド」が潰れ始めても何の保障も受けられなかった。つまり、ヴァウチャーを集めるためだけに、ファンドを設立した連中は目的を達成したら、さっさとファンドを破綻させてドロンを決め込んだというわけだ。様々なな手口でウァウチャーを大量に集めた悪党どもは、私有化された国営企業を支配する大株主になれた。こうして、驚くほど安い値段で国有財産を手にした個人が、一挙に大富豪、すなわちオルガルヒに変身したのだ。ロシア国民が豊かになるはずなのに、一部の悪徳商人が裕福になったのでは、私有化は明らかに失敗だった。しかも、私有化担当を務めた顧問のうち二人が、私有化に係わるインサイダー情報を使って懐(ポケット)を膨らませていたのだ。その二人とは、アンドレイ・シュライファーとジョナサン・ヘイである。アメリカ議会はロシアが市場経済に移行できるよう、ハーバードに顧問を派遣するよう頼んだのに、そのアメリカ人顧問官が不正を働いていたのだ。合衆国国際開発庁(USAID)をペテンに賭けたようなもので、ボストンの検事局は二人を告訴したのである。訴えられたシュライファーとヘイは最高で1億2000万ドルの損害を与えたと判断されたようだ。(David Warsh, Judge finds against Shleifer , Hay and Harvard, Economic Principals, July 4, 2004) この訴訟には更なるスキャンダルがあった。告訴されたのは二人ばかりではなく、シュライファーの女房であるナンシー・ジンマーマン(Nancy Zimmermann)とヘイの恋人で後に夫人となったエリザベス・ハーバート(Elizabeth Herbert)が含まれていたという。ナンシーはロシアで投資を行うヘッジ・ファンドのパートナーであった。彼女たちの容疑は判事により却下されたが、女房や恋人をつかって銭儲けをしていたとは、呆れた経済顧問官である。

ユダヤ人の成り上がり者

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 ユダヤ人は共産主義革命でロシア人を奈落の底に落とし、市場経済への転換期になれば、ロシア国民の膏血(こうけつ)を啜(すす)っていたのだ。悪辣なユダヤ人オリガルヒの一人ウラジミール・グシンスキー(Vladimir Gusinsky)は、地下経済の中から現れた成金だがユニークな経歴を持つ。高校で数学を勉強したウラジミールは、名門のモスクワ理学技術学院に入ろうとしたが、ユダヤ人ということで入れなかったそうだ。それで彼は傷つき憤りを感じたという。(David E. Hoffman, The Oligarchs: Wealth and Power in the New Russia, Public Affairs, Oxford, 2002, p.152) そこで母親が通ったことがあるグプキン石油化学・天然ガス大学に入ることにした。反ユダヤ主義の伝統があるロシアで暮らすグシンスキー家には辛いことが多かった。母方の祖父はスターリンによる大粛正で射殺されたという。ウラジミールは子供の頃、近所のガキどもから「小さなユダ公」と馬鹿にされて悔しかった。それに、グシンスキーの家族は狭いアパートの一間に暮らす労働者世帯であったから貧乏が身に沁みたのかも知れない。お金儲けのためなら、ユダヤ人はとにかく色々なことをする。ウラジミールは大学を中退後、ジーンズやオーディオ・カセットを仕入れて販売したこともあったという。大学を辞めてから陸軍に入ったが、そこは化学戦に備える部隊だった。しかし、ユダヤ人のウラジミールに愛国心などあるわけがない。さっさと軍隊を離れたのちにたどり着いたのが国立演劇藝術大学であったという。シェイクスピアやモリエールさえ読んだことがなかったのに、演劇を学びたかったとは呆れてしまう。でも、ユダヤ人にはこういうタイプが結構多くいて、何となしに各分野を転々としているうちに成功したりするのだ。ウラジミールは演劇界ではユダヤ人は歓迎されぬのではないか、と心配したらしい。ロシアでは反ヤダヤ主義が根強いからだ。

  ドラマの演出をしながら、グシンスキーはタクシー運転手をしたり、銅線を加工してブレスレットを作り、街の屋台でこっそり売るといった副業も行っていた。一時期、グシンスキーは米国のヴァージニア大学で金融経営学を勉強したというから、純粋な芸術家というよりプロデューサーの方に向いていたのだろう。ビジネスにおいて成功するには人間関係が大切だから、グシンスキーは舞台の仕事を続ける一方で、人脈作りにも精を出していたようだ。愚鈍なロシア人と違って、ユダヤ人はお金の臭いに敏感である。1989年、彼はロシアに投資したいという外国人が存在するのを知ると、彼らの相談にのるコンサルタント会社を作れば儲かるのではないかと考え、「モスト」と称する協同組合を開設した。「モスト」はワシントンの有名な法律事務所アーノルド・アンド・ポーターの分社であるAPCOと合弁で始まった会社である。モストは国営企業で売っていない品物を扱ったから、道具類や機械を必要とする建設業にとっては便利な存在であった。そこで、数々の事業から得た利益を基にグシンスキーは、自分の銀行「モスト・バンク」を設立したというわけだ。彼はモスクワ市長のルシコフとつるんで、市が所有する資金を預かり、役所が支払いに用いない資金を、通貨投機や高利回りの政府国際購入に当てて、相当な利潤を得ていたという。こうして、1994年までにモスト・バンクは、ロシア最大の銀行のひとつになっていた。

  エンターテイメントはユダヤ人の得意とする分野で、舞台監督をしていたグシンスキーがその手腕を発揮できる新事業としてふさわしかった。欧米では同類のユダヤ人がマス・メディアを独占して裕福になっているから、グシンスキーが同様の行為にでても不思議ではない。彼はルシコフ市長のコネを使い、モスクワ地域をカバーするチャンネル4の支配権を手に入れ、1日2、3時間の放送を始めることができた。ユダヤ人が危険なのは、最初は小規模でも、一旦キッカケを掴めば、それを徐々に拡大させ独占を目論むからだ。なにしろ、メディアを使えば大衆操作で政界を動かしたり、圧倒的な影響力を駆使してさらなる利益を得る分かっている。だから、異人種との競争より、同族で業界を固めて共存共栄を謀ろうとするのだ。グシンスキーはロシアで最初の民間テレビ網となった全国放送NTV(独立テレビ)を設立し、大衆受けを狙ってエリツィン批判を展開したこともある。彼はユダヤ人らしく巨大メディア帝國を作ろうとした。グシンスキーのモスト・メディアは、衛生通信網の「エフォ・モスクヴィ」といったラジオ局や、『セヴォードニャ』という新聞、『ニューズウィーク』と共同で出版する『イトーギ』といった雑誌を取り込み、手広いメディア複合体に変貌していったのである。グシンスキーの政府批判はエリツィンの逆鱗に触れたこともあり、彼は家族を連れて一時英国に逃れることもあった。ところが、1996年の大統領選挙で、共産党のゲンナージ・ジュガーノフ(Gennady Zyuganov)が台頭するや、エリツィンの地位が危なくなり、それでは困ると思ったグシンスキーは、「独立」メディアを動員してエリツィン支持の方針に転換したという。共産党時代に逆戻りしたら、彼のメディア帝國も危なくなるから、嫌でもエリツィンの勝利を願ったのである。ユダヤ人はこうして自分の為に、巧妙な政治キャンペーンを張って世論を操作するのだ。

  米国のユダヤ人が作る『サタデー・ナイト・ライヴ』みたいに、グシンスキーも政治家を風刺する『クークルィ(Kukly)』という番組を制作した。人形劇のスタイルで政財界の大御所を笑い物にし、彼らを痛烈に批判して大衆の人気を勝ち得たという。エリツィンからプーチン政権に代わってからも、その番組の姿勢は変わらず、原子力潜水艦クルスクが沈没した時などは、プーチンの無策ぶりを手厳しく批判したらしい。グシンスキーは政府から独立したメディアというポーズをとり、自由報道の擁護者と振る舞っていたので、独裁者プーチンにとってもグシンスキーは手強い相手であった。それゆえ、プーチンとしても強引に潰すこともできず、慎重に対処せねばならならなかったという。しかも、グシンスキーは1996年に諸々のユダヤ人宗教組織や福祉団体をまとめて「ロシア・ユダヤ人会議」を創設し、初代会長となった。世界中に蜘蛛の巣のような人脈を張り巡らしているユダヤ人をバックにつければ、いくら豪腕のプーチンでも簡単に手を出せないだろう。用心深い悪党らしく、グシンスキーはイスラエル国籍を取得しており、身に危険が及べばいつでもイスラエルに逃亡できるよう準備していた。こう聞けば、脱税容疑で国外逃亡した米国のマーク・リッチ(本名Marcell David Reich)を思い出す人がいるも知れない。このユダヤ人リッチは逃亡後、イスラエル国籍を取得すると、ユダヤ人脈を利用してクリントン大統領から恩赦を得てしまった。イスラエルとは犯罪をしでかしたユダヤ人の避難場所(シェルター)である。(このリッチについては別の機会で触れる。) 二重国籍を持つユダヤ人が、世界に広がるユダヤ人ネットワークを活用し、ユダヤ人インサイダーのグローバリストになることは当然であろう。

Roman Abramovich 1Berel Lazar 6

(左:ロマン・アブラモヴィッチ/右:ベレル・ラザル)

  忌々しいグシンスキーではあるが、権力基盤を固めたいプーチンとしては、無闇にグシンスキーを投獄しようものなら、ユダヤ人からの国際的非難を浴びてしまい、自らの評判を落とすことになる。グシンスキーはユダヤ人団体にお金をばらまいていたので、彼に心酔していたユダヤ人も多かったらしい。慎重なプーチンとしては、ロシア・ユダヤ人会議を安易に潰したり、強引に乗っ取ったりする危険を冒したくない。そこで、プーチンは外国からユダヤ人指導者を連れてきて、別のユダヤ人団体を作る事にしたのである。毒蛇のコブラには大蛇のパイソンを、ロシアのユダヤ人には外国のユダヤ人をぶつければ良いというわけだ。悪党プーチンは実に賢い。そこで選ばれたのは、ロシア国籍を持たない米国のラビ、ベレル・ラザル(Berel Lazar)であった。ラザルはニューヨークに本部がある「ハバード(Chabad)」と呼ばれる正統派ルバヴィッチ(Lubavitch)のハシディズム(Hasidism)運動に属していた。日本人には何だか分からぬ宗派だが、簡単に言えばユダヤ教の戒律を厳守するウルトラ保守派と考えれば良い。(世俗的改革派と違った復古的敬虔派ユダヤ教徒をイメージしてもらえばいいのだか、これまた日本人には難しいから詳しくは個人で調べてね。) 偶然だが、プーチンの腰巾着オルガルヒでユダヤ人のロマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)が、ラビのベレル・ラザルに財政支援をしていたのである。このアブラモヴィッチはまた、レフ・レヴァーエフ(Lev Avnerovich Leviev)と仲が良く、レヴァーエフは元ロシア・ユダヤ人会議の幹部で、イスラエルとロシアにおけるルバヴィッチ派ハジディズム運動の支持者でもあった。

Berel Lazar 1Lev Leviev 1

(左:プーチンと会談するベレル・ラザル/右:レフ・レヴァーエフ)

  レフ・レヴァーエフはウズベキスタン生まれのイスラエル国民で、とかく噂のあるダイヤモンド商であった。迫害されるのか日常のユダヤ人にとって、宝石は持ち運びに便利な資産であるから、宝石商や両替商はユダヤ人らしい職業だ。ユダヤ人の巣窟となったアントワープやアムステルダムで、ユダヤ人のダイヤモンド加工業者や小売商は有名である。政商としての才能があるレバーエフは、プーチンとのコネを使って、デ・ビアス社が独占していたロシア産ダイヤモンドの販売権に食い込んだらしい。デ・ビアス社とはあのローズ奨学金で有名なセシル・ローズが築いた世界最大のダイヤモンド会社である。こうして銭儲けに励んだシレヴァーエフが、ロシア・ユダヤ人会議に代わる新たな組織「独立国家共同体ユダヤ人コミュニティー連盟」の会長に就任したのだ。(「Federation of Jewish Community of the CIS」を指す。)

Adolf Shayevich 1Pinchas-Goldschmidt 1

(左:アドルフ・シャエヴッチ/右:ピンカス・ゴールドシュミット)

  ユダヤ人同士の対立を利用するプーチンは、まだロシア語を習得していないラザルにロシア国籍を与えて、彼の宣教活動を助けてやったという。プーチンのお気に入りとなったラビ・ラザルは、ロシア各地のハシディズム・ラビの代表を招集し、新たな団体を構築し始めた。集められたラビは満場一致でラザルをロシアの首席ラビに選出したのである。しかし、ロシアには当時ユダヤ人会議によって承認された首席ラビ、アドルフ・シャエヴィッチ(Adof Shayevich)がいたのだ。そんなことは百も承知のプーチンは、たちどころにラザル率いるロシア・ユダヤ人コミュニティ連盟を、ロシアにおけるユダヤ人を代表する公式組織と認めたのである。毒をもって毒を制する、政治の要諦を修めたプーチンならではの策略。さすが仕掛に抜かりのないプーチンだ。これで、グシンスキーのユダヤ人会議は、ロシア・ユダヤ人の公的代表機関でなくなったから、グシンスキーを潰しにかかっても、反ユダヤ主義との非難を招くこともなくなった。鉄は熱いうちに打てとばかりに、さっそくプーチンはグシンスキーを召喚し、有無を言わさず投獄したのである。だが、世界の指導者の数名が異議を唱えたため、告訴は取り下げられグシンスキーは釈放されてしまう。しかし、そんなことで迫害の手を緩めるプーチンではない。シャエヴィッチのもとでモスクワの主任ラビをしていたピンカス・ゴールドシュミット(Pinchas Goldscmidt)が、親分のシャウヴッチからラザルに乗り換えることを拒否すると、滞在ビザの更新をしないという嫌がらせをしたのである。ゴールドシュミットはスイス国籍のユダヤ人であったから、プーチンは邪魔なゴールドシュミットを国外退去処分にし、イスラエルに追い払ってしまった。(Yossi Melman , No love lost, Haaretz, December 8, 2005)

chabad-lubavitch Jews 1Hasidic Jews 1


(写真/ルバヴィチ・ハシディズムのユダヤ人)

  自分に刃向かうグシンスキーとユダヤ人会議を痛めつける一方で、プーチンは従順なユダヤ人連盟を厚遇したのである。ルバヴッチ派が信徒用のビルを増築したら、その建堂式に出席してお世辞を述べ、イスラエルからモシェ・カッツァーヴ大統領が来れば、クレムリンで晩餐会を開いてやったのだ。しかも、そのディナーはコーシャ(ユダヤ教の食物戒律)に則った方法で調理され、厳格な調理法を気にするユダヤ人のために、厨房には特別な洗浄装置を備えたという。日本人並みの気配りができるなんてプーチンも大したものだ。まぁ、狡猾な独裁者にとって、これくらいの「おもてなし」は造作もない。愛国心涵養のためにロシア正教を活用しているプーチンにとったら、ユダヤ教徒をおだてて利用しようとしても不思議ではないだろう。ユダヤ人が居坐る国の支配者が、ユダヤ人の政治的野心を打ち砕こうと思ったら、信仰に熱心なユダヤ人を利用して、ユダヤ人の毒を中和させることだ。彼らはいつも何かに不満を抱いて、批判することが三度の飯より好きである。だから、ユダヤ人を押さえ込もうとするなら、ユダヤ人同士を対立させ、彼らのエネルギーをいがみ合いで消耗させることだ。ユダヤ人には金銭と権力を追求する世俗派がいる一方で、宗教的生活を熱望する頑固な敬虔派がいる。それなら、ユダヤ人には金貨より宗教を与えておく方が無難であろう。

chabad-lubavitch Jews 3Hasidic Jews 2


(写真/正統派ユダヤ教徒)

  栄枯盛衰は世の常である。栄華を誇ったグシンスキーもプーチンの登場で、その権力と財力に翳りが差してきた。2000年、横領罪で逮捕されたグシンスキーは、言葉にするのも恐ろしいモスクワの「バツィルスカヤ(Butyrskaya)」刑務所に放り込まれてしまった。三日後グシンスキーは釈放されて、メディア・モストとNTVの株の一部を手放して、2億6100万ドルを借金しているガスプロムに引き渡すことを約束させられた。そうすることでスペイン行きを許可されたのだが、そのあと再び逮捕状が発行され、今度はスペインで13日間投獄される羽目になったという。その間、同種の嫌がらせとして、覆面の税務査察官から検事総長に至る役人により、30回以上に及ぶメディア・モストの強制捜査が行われたのである。メディア・モストの財務部長は曖昧な容疑で2年以上投獄されるし、NTVのキャスターのうち二人が尋問されるという事態にまで発展したのである。

Mikhail-Lesin 1(左/ミハイル・レシン)
  こうした嫌がらせには裏事情があった。プーチンはミハイル・レシン(Mikhail Lesin)を広報大臣に据えて、オリガルヒ撲滅を命令した。そこでグシンスキーに裏取引が提示されたらしい。メディア・モストをガスプロムに売却すれば、自由の身にしてやる、という最後通牒を突きつけられた。プーチンからの要求に屈したグシンスキーは、3億ドルで自分のメディア帝國を売り渡す決断を下した。グシンスキーは売却を済ませると、即座にプライヴェート・ジェットでスペインに飛び、二度とロシアに戻るつもりはなかったらしい。しかし、スペインで暮らしているうちに心変わりがしてきて、取引を反故にしようとしたのである。すると、プーチンの指金で国際手配を受け、スペインで拘束される羽目となり、二度の投獄を経験することとなったが、スペイン裁判所の介入で保釈されたという。ロシアのメディア支配を課題とするプーチンは、邪魔なグシンスキーを潰すため、その手足をもぎ取ろうとしたのだ。ガスムロムはNTVの役員会に新たな役人を送り込み、テレビ局を実質的に牛耳ってしまった。グシンスキーのメディア帝國はズタズタにされ、彼の新聞社『セヴォードニャ』もついでに閉鎖。3億ドルを手にして大人しく海外生活をしていれば良かったのに、グシンスキーは愚かにもプーチンと闘う選択をしてしまったのだ。権力者と商人では戦争にならない。クシンスキーの没落は決定的になった。

  ロシアに蔓延(はびこ)るユダヤ人オリガルヒは煮ても焼いても食えない奴ばかり。兇暴なロシア人と貪欲なユダヤ人の熾烈な闘いはおぞましい。支那人や朝鮮人くらいで手を焼いている日本人には、兇悪ななグローバリストに立ち向かうなんて無理。挙国一致でグローバリスト排除に努めねばならない。自由主義を支持して、奴隷に転落するなんて愚かである。ユダヤ資本に雇われて、日本で構造改革だの騒ぐ御用学者や政治家、高級官僚に騙されてはならない。迫害されて「可哀想なユダヤ人」といったイメージを宣伝する日本のメディアは、ユダヤ人が本来持つ図々しさや兇暴性を報道しないから、日本の庶民は自ら勉強して彼らを警戒するしかないだろう。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68348669.html


92. 中川隆[-10080] koaQ7Jey 2018年4月17日 01:46:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10768]

2015年05月25日
共産主義国を搾取したユダヤ人 / オリガルヒの正体 (2)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68377366.html

権力者と組んだユダヤ人政商
Boris-Berezovsky 4(左/ボリス・ベレゾフスキー)


  ヘビのように狡猾なロシア皇帝ウラジミール・プーチンが、最初の二年間でまず叩き潰そうと思ったのは、グシンスキーとボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)であった。欧米のユダヤ人と同じく、ベレゾフスキーも民衆に影響力を行使するテレビ・ネットワークを支配するユダヤ人である。このベレゾフスキーはギャングみたいな人相からは想像しがたい、アカデミック界から浮上した学者肌のオリガルヒであった。彼は数学を専攻した科学者で、モスクワ林業大学でシステム・コントロールとオペレーション・リサーチを研究していたという。ベレゾフスキーが理数系の分野を専攻したのは、彼がユダヤ人であったからだ。ベレゾフスキーが語ったところによれば、

  俺には政界での将来なんて無いのさ・・・俺は政治エリートの一員じゃなかったしな。俺はユダヤ人だ。制約が山ほどあるのさ。そこんとこは、きっちり分かっている。(David E. Hoffman, The Oligarchs, Public Affairs, Oxford, 2002, p.130)

  科学分野ならユダヤ人への不条理な差別は少ないだろうということで、ベレゾフスキーはコントロール・サイエンス学院に入り、自分の研究機関を主宰するようになった。応用数学を使って意志決定の過程を研究したらしい。1970年代にはハーバード・ビジネス・スクールで研究生活を送ったり、一時はカルフォルニア工科大学で研究をしたようだ。

  学者生活を送っていたベレゾフスキーがビジネスマンに転身したキッカケとは何か? それは自動車販売であった。彼は当時ジグリー(Zhiguli)という乗用車を造っていたソ連最大の自動車会社、アフトヴァス(Avtovas)の経営コンサルタントになって活動していたのだ。流通や販売といった商売が苦手なロシア人は、生産した自動車をどう売ったらいいのか分からなかった。そこに目をつけたベレゾフスキーは、アフトヴァスの経営幹部に食い込んだのである。ベレゾフスキーは「ロゴヴァス(Logovaz)」を創立し、生産した車はロゴヴァスが安値で買い取ることにした。ベレゾフスキーは総合商社のような企業を目指したのであろう。破格の値段で製品を売り渡しても、アフトヴァスの経営幹部は自分の懐が痛むわけでもなかった。彼らは別段困らなかったし、それどころかロゴウァスの重役に迎えられたのである。最終的に廉価販売のしわ寄せは、労働者に押しつけられたのは言うまでもない。

Paul Klebnikov 1(左/ポール・クレブニコフ)
  共産主義体制下でのソ連では、物々交換が珍しくなく、需要と供給を仲介する込み入った売買なんて不得意だった。日本のような流通システムが発達していなかったから、怪しい仲介業者が暗躍したのである。ベレゾフスキーは商社を築いて、売り手と買い手を結ぶ取引を展開したのだ。彼は自家用車に爆弾を仕掛けられるような目に遭いながらも、モスクワの自動車市場に強固な支配権を確立したという。莫大な利潤を得るために、ベレゾフスキーは、チェチェン・マフィアの手も借りたらしい。こんな科学者なんて日本ではお目にかかれない。実験室に籠もって研究していた学者が、商売を始めたら山口組と手を結ぶなんて考えられない。やはりユダヤ人には倫理を無視した天賦の才が備わっているのだろう。『フォーブス』誌のポール・クレブニコフ記者によれば、ベレゾフスキーの商売に割り込もうとした者は、思いがけぬ不幸な死に方をしたという。こうした疑惑の死を報じたクレブニコフ記者も、2004年にモスクワで射殺されてしまった。(C.J. Chivers, Erin E. Arvedlund and Sophia Kishkovsky, Editor's Death Raises Questions about Change in Russia, The New York Times, July 18, 2004) 彼の暗殺はチェチェン人によるものとされているが、その背後にはベレゾフスキーがいたんじゃないか、と推測されている。

Alexander-Voloshin 1(左/アレクサンドル・ヴァローシン)
  1993年、ベレゾフスキーはアレクサンドル・ヴァローシンと共同で、AVVA(全ロシア自動車聯合)と呼ばれる投資会社を設立した。彼はドイツのフォルクス・ワーゲンみたいな、国民車をつくろうと思いつき、その資本集めを考えついたのである。手始めに20億ドルほど必要だったので、資金集めの手段としてAVVAを開設し、株と引き替えができるというヴァウチャーを売り出した。このヴァウチャーは高級紙を使ったもので、わざわざスイスで印刷させ、紙幣のように見せかけていた。1株と印刷された株の額面は1万ルーブルで、理論上AVVAの株と交換できるというものだった。しかし、実際は株に見える紙を販売していたに過ぎない。ベレゾフスキーはその無価値の紙くずを売ったお金でアフトヴァス社の株をインサイダー価格で購入するつもりだったという。そして、アフトヴァスとジェネラル・モーターズ(GM)と合弁会社を設立して国民車を生産しようとするつもりだったらしい。しかし、合弁事業は実現されず、AVVA株は紙くず同然となった。しかし、ベレゾフスキーの懐は痛まず、むしろこの詐欺商法でかなりのお金を儲けたらしい。しかも、共同経営者のヴァローシンは、まもなくエリツィンの首席補佐官になり、その後もプーチンの首席補佐官に納まっている。彼がベレゾフスキーをエリツィン一族に紹介し、エリツィン側近との人脈作りに手を貸したのである。

  NTVを所有していたウラジミール・グシンスキーと同じく、ベレゾフスキーもロシア公共テレビ(ORT)を使って自らの権力を維持していた。1994年に、エリツィン大統領は国営のチャンネル1を競売に掛けず民営化し、51パーセントの株は国家の所有としたが、残りを裕福な支持者に分割したのである。主な株主というのが、ベレゾフスキーを始めとするオリガルヒたちであり、ベレゾフスキーは19パーセントの株しか持っていなかったが、ORT経営陣の人事を掌握し、実質的な支配者となった。これは、エリツィンによる暗黙の了承を得ていたからできたことである。こうした癒着関係があったので、エリツィンが再選を控えて支持率が急落した時、オルガルヒの面々はエリツィンを救済するために、こぞって資金を集めたり、エリツィン支持のキャンペーンを張ったのだ。民衆からの人気を得ていた共産党が復権したら、ロシア国民を食い物にしてきたオリガルヒは真っ先に批判の矢面に立つだろう。彼らは財産を没収されたうえに処刑されるかも知れない、という恐怖に駆られたのだ。

Boris Berezovsky & GussinskySergei Kiriyenko 1Yevgeny Primakov 1


(左:ベレゾフスキーとクシンスキー/中央:キリエンコ/右:プリマコフ)

  後進国では政治家と商売人の不正な結託がひどい。ロシアで権力を振るうエリツィンを支持したオルガルヒは、権力者の恩顧という甘い汁を吸いながら不正蓄財に励んだのである。ベレゾフスキーはアエロフロート航空や石油会社シブネフチ、アルミ産業などにも手を伸ばし、その富を増大させていたのだ。また、ベレゾフスキーはエリツィン再選のご褒美として国家安全保障会議副書記に任命され、のちに独立国家共同体(CIS)調整機構執行書記にも任命された。ユダヤ人ペテン師を国家の要職に据えるとは、エリツィンによる国家の私物化は言語道断。のちにベレゾフスキーは両方のポストから解任されたが、それでもエリツィンの娘タチアーナや側近との人脈を維持していたので、依然として政界で影響力を駆使できたという。例えば、彼はセルゲイ・キリエンコ(Sergei Kiriyenko)首相の解任を仕掛けたらしく、後継者のイヴゲーニー・プリマコフ(Yevgeny Primakov)首相はその危険を察知した。彼はベレゾフスキーの側近をアエロフロートやORTから排除し、抵抗する者は税務調査や会計検査官を送って脅迫したのである。それでもベレゾフスキーは潰されず、なんと選挙に出馬して下院議員になってしまった。しかし、権力を握って安泰かと思われたベレゾフスキーに皮肉な事態が起こったのである。経済危機の煽りを受けたこともあり、エリツィンは強力な指導者を求めるようになったという。そこで、ベレゾフスキーの後押しもあって、FSB長官のプーチンを首相に任命したのだ。これは明らかに、プーチンを大統領に仕立てる布石である。エリツィンはその見返りとして、プーチンに自分の刑事訴追を免責させる腹であった。

Roman Abramovich 3(左/ロマン・アブラモヴィッチ)
  権力者はその座から離れると哀れなものだ。エリツィンの娘による不正は目に余り、その収賄事件は政界から激しい非難を浴びていた。大統領が交代すれば、前政権への不正追及だって激しくなるだろう。プーチンはエリツィン一族と癒着していたベレゾフスキーを狙うようになっていた。ベレゾフスキーからの支援を受けて出世したプーチンだからこそ、かえってその影響力を警戒したのだろう。プーチンはこの危険なオルガルヒのベレゾフスキーに背を向け、不正行為を暴いて投獄するぞ、と脅しをかけた。意思の強いプーチンは追求の手を緩めず、ロシア・テレビ界の支柱たるORTをベレゾフスキーからもぎ取ってしまった。プーチンと対立したベレゾフスキーは下院議員を辞職し、外国に避難しようと思い始めたのである。彼は投資の一部を現金化した方がよいと考え、プーチンのお気に入りであったロマン・アブラモヴッィチに、石油会社のシブネフ株を売却したという。ついでに、ORTの持ち株も8千万ドルでアブラモヴッチに引き渡した。すると、アブラモヴィチはORT株に基づく自分の議決権を、親分のプーチンに恭しく献上したのである。こうして、皇帝プーチンはロシア最大のテレビ・ネットワークを掌握し、自分を批判するメディアを封殺したのだ。

Boris Berezovsky MansionBoris Berezovsky & Elena


(左:ベレゾフスキーが住んでいた英国の豪邸/右:恋人と一緒のベレゾフスキー)

  新たな権力者プーチンと対立したベレゾフスキーは亡命を余儀なくされた。彼は最終的に英国に避難し、憎いプーチンを批判しながら、イングランドで贅沢な暮らしをしていたのである。しかし、そんな亡命者にも不幸な死が訪れた。2013年、彼の遺体が豪邸の浴室で発見されたのだ。(Richard Behar, Did Boris Berezovsky Kill Himself? More Compelling, Did He Kill Forbes Editor Paul Klebnikov?, Forbes, March 24, 2013) ブリテン捜査局の調べでは、他殺の痕跡がなく自殺という結論に達したらしい。しかし、ガーディアン紙のロシア特派員ルーク・ハーディング(Luke Harding)記者は自殺説を疑っている。彼はロシアの諜報機関がベレゾフスキーを自殺に見せかけて殺害したのではないか、と推測していた。そうした疑惑がある一方で、ベレゾフスキーは訴訟による裁判沙汰や破産の危機で悩んでいたとの情報もある。ロシア人亡命者でベレゾフスキーの友人であるニコライ・グルシュコフは、警察やマスコミが報じる自殺や自然死を信じていない。グルシュコフは「奴が自殺したなんて考えは糞食らえだ。・・・裁判の判決が下りた時、奴は活き活きとしていたし、家で待っている若い女について話していたんだ。あとになるが、奴は財政危機を乗り越えていたんだよ」と話していた。(Mark Adomanis, Was Boris Berezovsky Murdered? The Evidence Strongly Suggests No, But Luke Harding Says Maybe, Forbes, March 26, 2013)

Boris Berezovsky & Elena & KidsBoris Berezovsky & Annika Ancvernia

(左:家族と一緒のベレゾフスキー/右:パーティーでのベレゾフスキー)

ただし、ロシアの秘密機関がベレゾフスキーを暗殺したのかどうか謎である。彼をロシアから追放し、権力基盤を固めたプーチンが、十年以上も経ってからわざわざ暗殺するほど、ベレゾフスキーに価値があったのか? 彼を殺すメリットとは何だったのか? プーチン側は英国の防諜機関MI5が暗殺したのだ、との憶測を流した。(Cyril Dixon, Boris Berezovsky ‘died by hanging’as Kremlin blames MI5, Express, March 26, 2013) これと対照的な、別の推測もある。もしかしたら、ロシア諜報機関による暗殺からベレゾフスキーを守るため、MI5が自殺を装って彼を隠匿したのではないか、との噂も流れた。(Will Stewart, Is Boris Berezovsky ALIVE?, Daily Mail, 26 September 2013) 英国側としてもプーチンのイメージを悪くできるし、利用価値のあるベレゾフスキーを温存できるので、何らかのメリットがある。しかし、本当のところは分からない。諜報機関が絡むと真相は闇の中だ。

資源が豊富なロシアを搾取

  共産主義国では逆説(パラドックス)が起こる。理屈では無産労働者(プロレタリアート)の為に建てられた楽園だったのに、いざ出来上がると専制支配、赤い貴族の出現、庶民の搾取と弾圧、貧困の深刻化といった地上の生き地獄が実現される。ロシア、支那、北朝鮮を調べれば一目瞭然。共産主義体制が崩壊したロシアに、成り上がり型の大富豪が誕生した理由は何か? それは北方の半アジア大国が天然資源に恵まれていたからである。何と言っても、石油、天然ガス、ニッケル、アルミニウム、鉄鉱石、レアメタルなどが豊富に埋まっているのだ。だが、この資源国は計画経済と国家所有を前提とした法制度しかなく、自由市場経済における私営企業が存在するなんて考えていない。したがって、民間企業や私有化に関するルールや規制が無かった。まぁ、あったとしても権力者が勝手に歪曲するだろうし、規則や手続きを無視したって、怖い政治家や官僚を掣肘(せいちゅう)しようだなんて国民もいないのだ。傲慢さを絵に描いたようなエリツィンが、法治主義のルールを気にするわけないし、暗殺を厭わないプーチンが、公正な手続きを遵守するわけないだろう。

Mikhail-Khodorkovsky 1(左/ミハイル・ホドルコフスキー)
  石油成金のオリガルヒとくれば、日本人や欧米人なら、まずミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)を思い浮かべるだろう。彼は1963年に生まれたユダヤ人で、モスクワの共同アパートに住む貧しい家庭に育ったが、その才能を活かし大富豪への階段を昇ることになる。彼は元々共産主義者青年同盟(コムソモール/Komsomol)出身で、名門メンデレーエフ化学技術学院を卒業した後、別の大学で法律や金融・財政を学んだという。共産主義思想を植え込まれたロシア人なら、馬鹿の一つ覚えのように共産主義思想の擁護者になりがちだが、ユダヤ人のホドルコフスキーはひと味もふた味も違った。彼は大学の級友とコーヒー・ショップやディスコ・クラブを開いたり、ソ連では希少価値のある品を販売したり、と手広く商売をこなしていたようだ。一時は、「ナポレオン」といったブランデーやスイス産の偽ヴォッカを扱ったり、中でも人気だったのは荒く洗濯したジーンズであった。西側のポップ・カルチャーはロシア人青年の垂涎の的であったからだ。西歐の文化に憧れたロシア人の欲求はすごかった。若い娘の中には、コール・ガールになってもいいから、フランスのパリに住みたいと考えるものがいたくらいだ。若くて美しい時期を工場労働で無駄にしたり、国営食料品店で配給を受けたりする生活なんてで嫌だ。雪が降りしきる寒い中、行列に並んで買うのが黒くなった腐りかけの肉だったりする。公営の狭くて汚いアパートで、脂肪分の多い料理を食べながら、ジャガイモのような体型になってゆく。お洒落をしたい年頃なのに、高品質の化粧品もないし、気の利いた娯楽も少ないから、車の中でのセックスが最高の楽しみだったりする。気がつけば肌はかさかさ、シミ皺だらけの顔にはヒゲが生え、小太りの中高年ババアが一丁出来上がり。そんな人生はゾっとするだろう。(考えてもしょうがないけど、なんで可愛らしいロシア人少女が、中年過ぎると大型のブルドッグになってしまうのか不思議である。)

  商才のあるホドルコフスキーは、資金調達のために「メナテップ(Menatep)」と称する協同組合を結成した。科学分野の研究やコンピューター開発に必要な技術や部品も提供したらしい。彼にとって、コンピューターの購入販売は主な収入源となっていた。ホドルコフスキーはまた、ヴェニスの商人みたいに、金貸し業も同時に行っていたという。この協同組合は1988年に「メナテップ」銀行に再編され、「商業新生銀行」として公式に営業免許を受けたのである。この新生銀行は国営銀行とのジョイント・ベンチャーで、資本金は250万ルーブルであったという。創立当時はコムソモール中央委員会をはじめ色々な共産党員が資金を持ち込んだらしく、不正な資金洗浄を行ったようだ。悧巧なホドルコフスキーは警察の嫌がらせや捜査をかわすため、国家委員会の役人に袖の下を渡していたらしい。やはり、灰色のビジネスに手を染める連中は、いざという時のために準備しているものだ。「メナテップ」は再免許を受けて株式会社となり、ホドルコフスキーが取締役会の会長におさまった。彼の欲望はまだこんなもんじゃない。1991年に「メナテップ株主クラブ」を発足させて、政府が国有企業を私有化する時代のチャンスを見逃さなかった。ホドルコフスキーはヴァウチャーを集めて私有化された企業を支配するし、メナテップ・バンクが株を集めれば、それを管理するために「ロスプロム」を設立した。メナテップは各分野に手を広げ、子会社を抱え始めたという。それは化学、建設、織物、鉱業、消費財、石油の分野であった。

henry-kissinger 1Jacob Rothschild 1Hans-Dietrich_Genscher

(左:ヘンリー・キッシンジャー/中央:ジェイコブ・ロスチャイルド/右:ハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー)

  こうしたカテゴリーの中で、もっとも成功したのが石油部門の子会社、「ユーコス(Yukos)」であることは言うまでもない。ユーコスはロシア最大の石油会社に成長し、ホドルコスキー帝國の支柱となった。1995年にはグループ管理会社として「ロスプロム」を設立したが、ホドルコフスキーはその取締役会会長になる。成功する悪党は幸運なものが多い。1998年に起こった金融危機でメナテップ銀行は破綻するが、ホドルコフスキーはユーコスを何とか守り抜いたのだ。こうした苦難をくぐり抜けると、翌年は石油価格が高騰して、ユーコスの価値はうなぎ登り。ダーティーなイメージを払拭するために、西歐の幹部をユーコスに招いたり、と透明な経営に務めたらしい。また、公共精神があることを宣伝するために、アメリカの議会図書館に100万ドルの寄附を行い、オープン・ロシア財団を設立すると、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルドを理事会のメンバーに迎えたという。キッシンジャーは確かに有名人だが、いかがわしいユダヤ人に変わりがない。ニクソン大統領から「俺のユダ公(My Jew boy)」と呼ばれた元国務長官は、副大統領のネルソン・ロックフェラーの方に忠誠を誓っていたのだ。ジョン・F・ケネディーからも侮蔑されたキッシンジャーは、支那でもコンサルタント業務を請け負ったりして儲けていたらしい。自らの地位を安泰にするため、ホドルフスキーは不動の地位を誇るロスチャイルドをパトロンにし、プーチンからの攻撃に備えたのかも知れない。

Mikhail Khodorkovsky 5Mikhail Khodorkovsky 3


(右/法廷でのホドルコフスキー)

  ホドルコフスキーは自らの石油帝國を更に拡大しようと、大手石油会社「シブネチ」を吸収合併しようと試みた。しかも、その合併で誕生する会社の株式に、アメリカの巨大石油会社エクソン・モービルを引き込もうとしたのだ。ロシアの主権を自らの手に握っておきたいプーチンにとって、巨万の富を築くホドルコフキスーは脅威となってしまう。危険な芽は早めに刈り取っておかねばならない。ロシア検察当局は脱税などの容疑で、ホドルコフスキーに禁固10年を求刑した。裁判では禁固9年の刑を言い渡され、服役中に2013年プーチンの恩赦を受けて釈放されたのである。ホドルコフスキーの釈放には、ドイツの元外相ハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー(Hand=Dietrich Genscher)が動いていたという。(Secret diplomacy in Kordorkovsky case, Pravda, 24 December 2013) また、彼の釈放前にヘンリー・キッシンジャーがモスクワに渡り、プーチンやセルゲイ・イワノフと会談していたというから、奇妙な偶然である。刑期が2017年までに延長されたホドルコフスキーは、恩赦を得るためにプーチンと取引できる何かを隠し持っていたのだろう。あのプーチンが人道主義で動くはずはない。必ず裏取引があったはずだ。なぜドイツのゲンシャーが、悪徳商人の保釈を求めてプーチンと交渉したのか、甚だ不思議である。ただし、釈放されたホドルコフスキーが、再びロシアの政治に介入することはないだろう。今度は命が危ないからだ。

stalin 1毛沢東 2Franklin Roosevelt 1

(左:ヨシフ・スターリン/中央:毛沢東/右:フランクリン・ローズヴェルト)

  ロシアの支配者になるような政治家は実に狡賢い。独裁者は冷徹な目で現実を認識し、邪魔者を早めに片付けようとする。自分の権力基盤にとって脅威となる悪魔は小さなうちに抹殺しようとする。ユダヤ人は金銭を持ち始めると実に厄介だ。厚顔無恥な上に欲の皮が突っ張っている。しかも、世界各地に強力な仲間を持ち、同種のよしみで協力を求めることができる。世界ユダヤ人会議なんて恐ろしい組織まで持っている。日本人が「世界日本人会議」を組織するなんて発想は無い。せいぜい歐洲と北米に、日本アニメ同好会を結成するくらいだ。大学の教授や新聞社の論説委員はけっして口にしないが、ヒトラーやスターリンは悪党だったから、ユダヤ人の危険性に気づいていたし、その脅威を早めに潰してしまおうと思ったはずだ。ヒトラーはドイツで金融を支配するユダヤ人を排斥したかったし、米国や英国にはびこるユダヤ勢力を警戒していた。ユダヤ人だらけのボルシェビキを肉眼で見たスターリンは、ロシアの実権を握るやユダヤ人を排斥したり、ヒトラー以上にユダヤ人を虐殺したのである。邪魔者どころか、将来自らの権力を脅かすユダヤ人に対し、スターリンは先手を打ったといえよう。いかにも野蛮なスターリンらしいが、安心を確保するためには皆殺しが一番。ワルい奴は同類の臭いが分かるのだ。日本人みたいな甘っちょろい民族は、ユダヤ人の本性が分からない。明らかに分かる支那人や朝鮮人に対しても、厳しい処置をとれない日本人が、海千山千のユダヤ人に対抗でき訳がないだろう。島国で平和に暮らしてきた日本人に、大量虐殺が当然のアジア大陸は理解できない。血なまぐさい生活が日常のアジア人は、心に闇を持ち、執念深くて陰険だ。如何なる手段を用いても勝利を確実にする。公正や名誉を求めるなんて、平和な民族の道楽である。ユダヤ人の本性は、同類のアラブ人と対峙した時に現れる。迫害されて哀れなユダヤ人というイメージを日本人は持っているが、そんな幻想はパレスチナ紛争で牙をむき出しにしたユダヤ人を見れば、粉々に消し飛んでしまうだろう。

Hitler 3winston churchill 1(左:アドルフ・ヒトラー/右:ウィンストン・チャーチル)
  ロシアを自分の物にしたプーチンなら、ユダヤ人に支配された欧米諸国をあざ笑うだろう。第二次世界大戦を冷静に眺めてみれば奇妙なことに気づくはずだ。英国のチャーチルが、あれほどドイツと闘いたかった理由のひとつは、迫害されるユダヤ人を救いたかったからである。異常なまでにユダヤ人贔屓だったチャーチルは、同胞のイギリス人を犠牲にしてまで異邦人たるユダヤ人を救いたかったのである。チャーチルとユダヤ人の関係は滅多に書かれないが、調べてみると驚愕の史実が出てくる。第一次大戦で歐洲政治への介入を嫌がったアメリカ国民は、ユダヤ人好きのローズヴェルトによって戦争に引きずり込まれてしまった。共産主義が大嫌いだった英米が、天敵ソ連と同盟を結び、ドイツ人と戦うことを選んだのだ。逆にヒトラーは英米との闘いを望んでいなかった。むしろ、同盟を結びたかったくらいである。莫大な犠牲を払った大戦が終結すると、一番得をしたのはスターリンで、二番目が毛沢東、三番目が米国、認めたくないだろうが英国は負け組である。ユダヤ人を助けて、大英帝国は没落。イギリス人エリートは大量に死んでしまうし、植民地での人種的優越もなくなって、白人の王国だったブリテンに有色人種が逆流してきた。解放されたユダヤ人はおぞましいイスラエルに向かわず、アングロ世界に住み着いたのである。気前よく移住を許した米国や英連邦のアングロ系国民は、ユダヤ人に国家の中枢を握られてしまった。しかし、言論界をユダヤ人に支配された欧米諸国では、こんな簡単な事実を述べる学者はまずいないし、テレビ局がユダヤ人支配の現実を描くドキュメンタリー番組を作ることはない。大抵の歴史家は既存の枠組みの中で、歴史書を綴っているので、外界から歴史を見ることはないのだ。ユダヤ人が設定した枠からはみ出た歴史書は、「反ユダヤ主義」との烙印を押されて、「トンデモ本」と分類されてしまう。ロシアの現実を見ることは、日本人にとって意義がある。露骨な権力闘争は良い勉強になるのだ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68377366.html


93. 中川隆[-10170] koaQ7Jey 2018年4月17日 12:54:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10870]

ロシア政治経済ジャーナル
米英仏、シリア攻撃〜真のターゲットはプーチン 2018年04月16日

北野です。


皆さんご存知と思いますが、

アメリカ、イギリス、フランスが、シリアを攻撃しました。


<米ミサイル攻撃105発 シリア化学兵器施設3拠点に

朝日新聞DIGITAL 4/15(日) 1:11配信

トランプ米政権は13日、シリアでアサド政権が化学兵器を使
用したと断定し、報復として米軍が英仏との共同作戦で化学兵
器関連施設3拠点をミサイル攻撃し、破壊したと発表した。

米国防総省は14日に会見を開き「全てのミサイルが目標に到
達した」と強調。

一方、アサド政権を支援するロシア軍に損害が出ないよう攻撃
対象は慎重に選ばれたが、ロシアは強く反発しており、米ロの
緊張が高まるのは避けられない。>

アメリカがシリアをミサイル攻撃するのは、昨年の4月につづ
いて2回目。

前回も、「アサドが化学兵器を使ったこと」が名目上の理由で
した。

前回と今回の違いは、イギリスとフランスが攻撃に参加したこ
とですね。


この話、「今日はここまで、さようなら」ともいえる話です。

しかし、「過去からの流れ」と「グローバルな動き」を見ると、
何が起こっているかはっきりわかります。

▼「米ロ代理戦争」としての「シリア内戦」

振り返ってみます。

シリア内戦は、2011年にはじまりました。

「アラブの春」が流行っていた頃です。


欧米、サウジアラビア、トルコなどは、「反アサド派」を支持
しました。

一方、ロシア、イランは、アサドを支援しました。


この内戦は、最初から大国同士の「代理戦争」だったのです。

ロシアとイランがバックにいるので、アサドはなかなか倒れな
い。

我慢の限界に達したオバマは2013年8月、「アサドを攻撃
する!」と宣言します。

ところが、同年9月、「やっぱりアサド攻撃やめた!」と戦争
をドタキャンし、世界を仰天させました。

これでオバマは、「史上最弱のアメリカ大統領」と批判された。


なぜ「ドタキャン」したのでしょうか?

理由は二つありました。

一つは、プーチンが、「アサドは化学兵器を使っていない!」
という情報を大拡散したこと。

<プーチン大統領は記者会見で「シリア政府がそのような兵器
を使ったという証拠はない」と述べた。

また、シリア反体制派に武器を提供するという米の計画を批判
し、「シリア政府が化学兵器を使ったとの未確認の非難に基づ
いて反体制派に武器を提供するという決定は、状況をさらに不
安定化させるだけだ」と語った。

プーチン大統領はまた、反体制派が化学兵器を使ったことを
指し示す証拠があるとし、「われわれは化学兵器を持った反
体制派がトルコ領内で拘束されていることを知っている」と述
べた。

さらに、「反体制派が化学兵器を製造している施設がイラク
で発見されたという同国からの情報もえている。

これら全ての証拠は最大限真剣に調査される必要がある」と
強調した。>

(ウォール・ストリート・ジャーナル2013年6月19日)


世界ではいまだに、「アメリカは

『イラクに化学兵器がある!』とウソをついて戦争を開始した」

記憶が新しい。


それで、「オバマは、ウソをついてるんちゃうの?」と慎重に
なった。

そして、第2の理由は、イギリスがオバマを裏切ったこと。

<シリア軍事介入 英、下院否決/米、対応苦慮/仏、参加崩
さず

【ベルリン=宮下日出男、ワシントン=小雲規生】

シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑で、英下院は軍事
介入に道を開く政府議案を否決した。

有志連合による介入を準備してきたオバマ米政権には痛手とな
る>

(産経新聞 2013年8月31日)


こうしてオバマは、「プーチンのせいで」戦争ドタキャンに追
いこまれた。

「オバマはうそつきだ!」と大胆に主張するプーチン。

オバマは、激怒したことでしょう。


「戦争ドタキャン事件」から2カ月後の2013年9月、

ロシアの隣国ウクライナで、「反ヤヌコビッチ大統領デモ」が
起こります。

ヤヌコビッチは、「親ロシア」。


そして2014年2月、革命が起こり、「親ロシア」ヤヌコビ
ッチが失脚。

激怒したプーチンは、同年3月、「クリミア併合」をして世界
を仰天させました。


「シリア戦争ドタキャン直後」に起こったこの事件。

普通に考えても、「偶然じゃないよね」と思えるでしょう

そのとおり。

「ウクライナの革命は、俺がやったのだ」とオバマは、認めて
います。


「ロシアの声」2015年2月3日付から。


<オバマ大統領 ウクライナでの国家クーデターへの米当局の
関与ついに認める

昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕に
ついて、オバマ大統領がついに真実を口にした。

恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろ
う。

CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウク
ライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。

別の言い方をすれば、彼は、ウクライナを極めて困難な状況
に導き、多くの犠牲者を生んだ昨年2月の国家クーデターが、
米国が直接、組織的技術的に関与した中で実行された事を
確認したわけである。

これによりオバマ大統領は、今までなされた米国の政治家や
外交官の全ての発言、声明を否定した形になった。

これまで所謂「ユーロマイダン」は、汚職に満ちたヤヌコヴ
ィチ体制に反対する幅広い一般大衆の抗議行動を基盤とした、
ウクライナ内部から生まれたものだと美しく説明されてきた
からだ。>

「う〜む本当だろうか〜〜???」


それでも信じることができない人は、「You
Tube」で

「Obama admits he started Ukraine revolution」を
検索してみてください。

シリアに話を戻します。

シリアには、「アサド派」と「反アサド派」があった。

ところが、「戦争ドタキャン」後、新たな勢力が台頭してきた。

それが、いわゆる「イスラム国」(IS)。

ISは、「反アサド派」から独立し、勢力を急速に拡大していき
ました。

ISは、残虐行為とテロを繰り返す。

オバマも放置できなくなり、2014年8月、「IS空爆」を開
始します。

ところが、ISは、依然として「反アサド」でもある。

それで、「ISは、敵で味方」という変な状態になった。

結果、アメリカの空爆はまったく気合が入らず、ISの勢力は拡
大する一方でした。


2015年9月、プーチン・ロシアがIS空爆を開始。

プーチンの目的は、「同盟者アサドを守ること」。

オバマのような迷いがないので、ISの石油関連施設を容赦なく
空爆した。

それで、ISは、弱体化したのです。

▼「戦術的勝利」をおさめたプーチン

さて、シリア、ウクライナにおける米ロ代理戦争は、現状どう
なっているのでしょうか?

思いだしてください。


ロシアは、アサドを支援する。

アメリカは、反アサドを支援する。


アサドは、いまだにサバイバルしています。

フセインやカダフィのように殺されてもおかしくないのに、ま
だ政権を維持している。

それどころか、アサドは、ロシアとイランの支援を得て、IS,
反アサド派を駆逐し、ほぼ全土を掌握するまでになっています。


そう、プーチンは、シリアで「米ロ代理戦争」勝っているので
す。

実際、彼は2017年12月11日、シリアで「勝利宣言」を
行い、ロシア軍撤退を命じています。


ウクライナは?

まず、ウクライナからクリミアを奪った。

東部ドネツク、ルガンスク州は、事実上の独立状態を維持して
いる。

こちらの方も、勝っています。


▼アメリカのターゲットは、プーチン

しかし、プーチンは、一瞬たりともリラックスできません。

なぜ?

クリミア併合後、ロシアは、「経済制裁」と「原油価格暴落」
ボロボロになってしまった。


2018年3月1日、プーチンは、「裏世界史的大事件」を起
こします。

年次教書演説で、フロリダ州を攻撃する映像を見せ、アメリカ
を脅したのです。

<「フロリダ州を核攻撃」のビデオ、プーチン大統領が演説
に使用

CNN.co.jp 3/2(金) 10:40配信

(CNN) ロシアのプーチン大統領は1日に行った演説の中
で、無限射程の核弾頭が、米フロリダ州と思われる場所を狙う
様子をアニメーションで描写したコンセプトビデオを披露した。

フロリダ州には米国のトランプ大統領の別荘がある。>

<プーチン大統領は演説の中で、極超音速で飛行でき、対空シ
ステムも突破できる「無敵」ミサイルを誇示。

「ロシアやロシア同盟国に対する核兵器の使用は、どんな攻撃
であれ、ロシアに対する核攻撃とみなし、対抗措置として、ど
のような結果を招こうとも即座に行動に出る」と強調した。

プーチン大統領が披露したビデオでは、何発もの核弾頭が、フ
ロリダ州と思われる場所に向けて降下している。>(同上)

この演説で、欧米の指導者たちは、「反プーチン」で一体化し
てしまいました。


3月4日、ロシアのスパイでありながらイギリス諜報に情報を
流していた「ダブル」スクリパリさん殺害未遂事件が起こりま
す。

メイ首相は、即座に「これはロシアがやった!」と宣言しまし
た。


3月18日、プーチン、大統領選で圧勝。


3月26日、欧米を中心に25か国が「ロシア外交官追放」の
決定を下します。

ロシアは、即座に報復しました。


4月6日、アメリカ財務省は、対ロシアで新たな制裁を発動。

<米国>対露制裁対象に38個人・団体 対決鮮明に

毎日新聞 4/6(金) 23:45配信

【ワシントン高本耕太、モスクワ大前仁】米財務省は6日、2
016年米大統領選介入を含むサイバー攻撃などロシアの対外
「有害活動」に関与したとしてロシアの計38個人・団体に対
する制裁措置を発表した。

オリガルヒ(新興財閥)関係者や政府高官らプーチン大統領の
周辺人物の多くを対象としており、ロシアとの対決姿勢を鮮明
にした。>


この制裁ですが、すでにアメリカ国内で「資産凍結」がはじま
っているようです。

そして、「プーチンの友人たち」がターゲットになっている。


4月14日、アメリカ、イギリス、フランスは、ロシアの同盟
国シリアをミサイル攻撃。

アメリカは、さらにロシア制裁を強化する方針です。

<米、露企業に制裁方針…シリアの化学兵器関連

読売新聞 4/16(月) 1:33配信

【ワシントン=大木聖馬】ヘイリー米国連大使は15日、米C
BSテレビのインタビューに対し、シリアのアサド政権の化学
兵器開発・使用をロシアが支援していたとして、米政府が16
日にも独自の制裁を発動する方針を明らかにした。

ロシアが反発し、米露関係がさらに冷え込むのは必至だ。>

▼アメリカの巧妙な戦略

プーチンに対するアメリカの戦略は、非常に巧妙です。


〇情報戦 =  プーチン悪魔化せよ!

例をあげれば、

・プーチンは、国家ぐるみのドーピングを指示した?

・プーチンは、化学兵器を使って、裏切り者を消した?

・プーチンは、アサドに化学兵器を使わせた?


〇外交戦 = プーチンを孤立させろ!

・スクリパリ暗殺未遂を受け、25か国がロシア外交官を追放

・今回は、アメリカ単独ではなく、英仏がシリア攻撃に参加


〇経済戦 = 制裁をますます強化し、ロシア経済を破壊しろ!

・クリミア併合

・ロシアによるアメリカ大統領選介入疑惑

・スクリパリ暗殺未遂

・アサド支援

などなど、とにかく口実を見つけ、どんどん制裁を強化してい
く。

プーチンが、アグレッシブになれば、またそれが「制裁強化」
の口実になる。

アメリカは、「軍事力」を使わずに、プーチンを追いつめて
いる。


皆さん、「なんでアメリカは、アサド排除を目指さす、一日
で攻撃を止めたのだろう?」

と考えませんでしたか?

別にアサドが政権にいてもいいのです。

彼が次回、シリアにわずかに残った反アサド派を攻撃する。

すると、米英仏は、「アサドは、また化学兵器を使った!」と
いって、ミサイル攻撃するでしょう。

そして、またロシアが反発する。

欧米は、「ロシアは、アサドが化学兵器を使うのを容認してい
る!」と宣言し、ますます制裁を強化するでしょう。


今のアメリカの対ロ戦略は、80年前の対日戦略と変わりませ
ん。
http://archives.mag2.com/0000012950/


94. 中川隆[-10232] koaQ7Jey 2018年4月18日 02:38:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10963]
2018.04.18
ドゥーマを取材した英有力紙の特派員は毒ガスでなく粉塵による呼吸困難で患者は運び込まれたと報告


 ドゥーマで政府軍が化学兵器を使ったと主張している人々にとって不都合は記事がイギリスのインディペンデント紙に掲載された。同紙のロバート・フィスク特派員が攻撃があったとされる地域へ入って医師らを取材、​患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれた​という説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。


 そうした患者を治療している最中、「白いヘルメット」のメンバーが「ガスだ」と叫んだことからパニックが始まったというが、ドゥーマで政府軍が化学兵器を使って住民70名以上を殺したと宣伝しているのはその「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラム。「白いヘルメット」がアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあることを本ブログでも再三再四、指摘してきた。


 ジャイシュ・アル・イスラムはCIAの影響下にあり、同じアル・カイダ系のアル・ヌスラと連携(タグの違い)、イギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーが指揮していると報告されている。MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも言われている。


 カネと人を抱えている西側の有力メディアに実態を調べる能力があることはフィスクの取材でも明らか。つまり、ほかの西側メディアは取材せずアル・カイダ系集団の宣伝をそのまま垂れ流してきたわけだ。西側の政府も同じこと。ドゥーマで化学兵器が使われたという話が嘘だということは西側の政府も有力メディアも知っていたのだろう。


 メディアであろうと学者であろうと、体制の中でそれなりの地位と収入を確保して安穏な生活を送ろうとすれば、言動は体制が定めた枠組みの中に留めることは必要だ。その枠組みの中で「左翼キャラ」や「右翼キャラ」を演じていれば波風は立たない。そうした中から「戦争は良くないが、化学兵器を使うのも良くない」というような発言も出てくる。化学兵器話が嘘だと口にしたり書いたりすることは枠組みからはみ出す行為なのだろう。


 アメリカやイギリスはロシアがロンドンで化学兵器を使ったと証拠を示すことなく主張している。そのターゲットだとされているのはGRU(ロシア軍の情報機関)の元大佐であるセルゲイ・スクリパリとその娘のユリア。ふたりは3月4日にソールズベリーで倒れているところを発見されたとされている。


 セルゲイはスペインに赴任中の1995年にイギリスの情報機関MI6に雇われ、99年に退役するまでイギリスのスパイとして働いていた。そうした事実が退役後に発覚して2004年12月に逮捕され、06年には懲役13年が言い渡されているが、10年7月にスパイ交換で釈放された。それ以来、ソールズベリーで生活している。本名を名乗ってきた。娘のユリアは2014年にロシアへ戻っている。


 ユリアは4月9日に退院、当局の「保護下」にあるというが、本人の口からの説明はなく、どういう状況にあるのかは不明。ロシアに住むユリアの従姉妹ビクトリアはふたりを心配してイギリスへ行こうとしたが、ビザが下りなかった。ユリアが自分の意思で身を隠しているのかどうかも不明だ。


 イギリス政府はセルゲイとユリアに対して「ノビチョク(初心者)」という有毒物質が使われたと断定したが、元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーによると、イギリス軍の化学兵器研究機関であるポート・ダウンの科学者は使われた神経ガスがロシアで製造されたものだと特定できなかったと語っている。後にこの情報の正しさが確認されている。


 ノビチョクとは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。イギリス政府がこの名称を使った理由はロシアとの関係を強調したいからだった可能性が高い。使われた化学物質はA-234という神経物質だとも言われているが、旧ソ連では2017年までにこうした物質や製造設備は処分された。それに対し、スイスの研究所は無力化ガスの3-キヌクリジニルベンジラート(BZ)が使われたと報告している。この分析が正しければ、ユリアの回復を説明しやすい。


 シリアの話にしろイギリスの話にしろ、アメリカ、イギリス、フランスは証拠を示すことなく化学兵器話を口実にして全面核戦争を招きかねない行動に出ている。勿論、化学兵器は原因でなく、ロシアを核戦争で脅すことが目的なのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804170001/


95. 中川隆[-12097] koaQ7Jey 2018年5月08日 13:35:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13456]
2018.05.08
通算4期目になるプーチン露大統領がロシアの主権を守りたいなら欧米へ接近するなと欧米内の声



 ウラジミル・プーチンが5月7日、大統領に就任した。通算4期目になる。まだロシアにはアメリカやEUに接近したがっている勢力が存在するが、そうした方向へ向かわなければ新たな時代を切り開くことができるだろう。

 現在、プーチンが圧倒的に支持されているのは、ボリス・エリツィンの一派を手先にした西側支配層に蹂躙されたロシアを回復させた手腕が評価されているからだ。ロシアで西側支配層が甘い汁を吸えなくなったとも言え、西側の政府や有力メディアがプーチンを憎悪する理由になっている。

 今でもロシア国内にCIAのネットワークは存在するが、政治を動かすほどの動員力はない。ただ、富裕層の中には西側と連携している勢力は健在だ。今後6年間でそうした勢力に打ち勝つことができるかどうかでロシアの未来は決まる。

 ソ連時代、国民の間では閉塞感が広がり、西側への憧れが高まっていた。ハリウッドやメディアを使ったイメージ戦略が成功したとも言える。上層部には牧歌的親欧米派もいたが、ウォール街やシティと手を組めば富豪になれることを理解、ソ連を崩壊させようとした人たちもいた。KGBの将軍たちで、その中にはKGBの頭脳とも呼ばれたフィリップ・ボブコフも含まれていた。

 この将軍たちが手を組んだ相手にはCIAの非公然オフィサーである可能性が高いジョージ・H・W・ブッシュ、ローレンス・サマーズ、ポール・ウォルフォウィッツ、ジョージ・ソロス、ジェイコブ・ロスチャイルドが含まれる。CIAのネットワークとKGBの中枢がソ連の富を奪うために手を組んだのだ。

 そうしたグループにピックアップされた若者の中には、ボリス・エリツィン、アナトリー・チュバイス、エゴール・ガイダル、ボリス・ベレゾフスキー、ミハイル・ホドルコフスキーらが含まれている。

 1991年7月にロンドンで開かれたG7首脳会議に出席したミハイル・ゴルバチョフは西側の首脳から新自由主義の導入を迫られたが、受け入れなかった。そこでエリツィンが登場してくるのだが、ゴルバチョフからエリツィンへの交代は1991年8月の「クーデター未遂」が利用された。これは偽クーデターだったと言われている。

 そして実権を握ったエリツィンは1991年12月、ベラルーシにあるベロベーシの森にベラルーシとウクライナのトップを呼び、勝手いにソ連を消滅させてしまった。その後の10年間、エリツィンの周辺に集まったクレムリンの腐敗勢力はベレゾフスキーたちと国民の財産が奪うことになる。当然、そうした人々は巨万の富を築き、その一方で庶民は貧困化した。新自由主義を導入した国で共通して見られる現象だ。

 生産力は大きく低下、軍事的にもアメリカに対抗できそうもなくなった。CFR(外交問題評議会)が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載された​キール・リーバーとダリル・プレスの論文​では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張されている。

 しかし、これはエリツィン時代を念頭に置いての分析。2008年8月に北京オリンピックの開会式にジョージアは南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で惨敗している。

 ジョージアの奇襲攻撃を「無謀」だと解説する人もいたが、ジョージア軍は2001年からイスラエルから軍事訓練を受けている。それだけでなく、イスラエルはUAV(無人飛行機)、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器を提供していた。2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社が元特殊部隊員を派遣、同年7月には国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問している。アメリカやイスラエルは少なくとも7年間を準備に費やしている。「勝てる」と思っていたのだろう。ロシア攻撃の予行演習のつもりだったかもしれない。それが失敗に終わったわけだ。その3年後、アメリカなどはジハード傭兵を使ってリビアやシリアへの侵略戦争を始めた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805080000/


96. 中川隆[-12169] koaQ7Jey 2018年5月10日 13:49:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13582]

2018.05.09
露大統領の就任式直後に米大統領はイラン核合意から離脱を宣言(その1)

 ドナルド・トランプ米首相は5月8日、JCPOA(包括的共同作業計画)からの一方的な離脱を宣言した。イランにたいする「経済制裁」も予定しているという。アメリカにイランを攻撃させたがっていたイスラエルやサウジアラビアの政府はこの決定を歓迎している。この両国からの要求にトランプ大統領は応えたということだろう。この発表があった直後、​イスラエルがダマスカスをミサイルで攻撃​したと伝えられている。

 イランの経済や金融は今でも西側の巨大金融資本と結びついた勢力が主導権を握っているようで、最近はアメリカが仕掛けた通貨戦争でイランは厳しい状況に陥っているとも言われている。トランプ政権はもう一押しを狙っているのだろうが、これはイランをロシアや中国の方へさらに追いやることになりかねない。

 イスラエルの軍事侵略を受けてきたレバノンで5月6日に行われた議会選挙でイランを後ろ盾とするヒズボラが勝利した。サウジアラビアがイスラエルとの同盟関係を隠さなくなったが、イスラエルと対峙、シリアではアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟やイギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビなどが送り込んだジハード傭兵と戦っているイランの支持は広がっている。かつての力関係ならイスラエル軍がレバノンに侵攻するのだろうが、今はそれだけの力がなく、アメリカを引き込むしかない。

 アメリカでは大統領だけでなく議会の大半もイスラエル・ロビーの支配下にある。例えば、アメリカには「1995年エルサレム大使館法」という法律がある。エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、エルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしているのだが、昨年6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。この決議ではバーニー・サンダースも賛成した。トランプ大統領だけがエルサレムにアメリカ大使館を移すべきだと言っているわけではない。

 ところで、JCPOAは2015年7月に発表され、翌年の1月に発効した。当時のアメリカ大統領、バラク・オバマは2011年春にリビアとシリアに対するジハード傭兵を使った侵略戦争を開始したが、シリア政府を悪魔化して見せるプロパガンダの仕組みが発覚、​2012年8月にアメリカ軍の情報機関であるDIA(国防情報局)がホワイトハウスへ提出した報告書​の中で、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(DIAはAQIとアル・ヌスラの実態は同じだと正しく指摘している)で、オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないとしている。

 つまり、オバマ政権の「穏健派」に対する支援はサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団、そうした集団のメンバーを主力とするアル・カイダ系武装集団を強大化させることになり、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にはそうした勢力の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。それは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実のものになる。その当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。トランプ大統領が最初に国家安全保障補佐官にした人物であり、だからこそ早い段階で排除された。

 2012年の段階でオバマ大統領やヒラリー・クリントン国務長官は化学兵器話を口実にしてシリアを直接攻撃すると示唆、翌年の初めにはイギリスのデイリー・メール紙がアメリカ政府による化学兵器話を利用した偽旗作戦の存在を伝えた。

 報道から2カ月後の2013年3月にアレッポで化学兵器が使われ、西側はシリア政府を非難する。ところがこの主張に対する疑問が噴出、5月には国連の調査官だったカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だと語っている。

 この年には8月にも化学兵器話が流され、オバマ政権は調査が進んで事実が明らかにされる前にシリアを攻撃しようと目論む。シリア沖にはアメリカ軍の艦隊が集結、それに対してロシア軍も艦船を配置した。

 9月の初めには攻撃が始まると見られていたが、オバマ大統領は方針を変更して議会の承認を求める。責任が自分に集中することをさけたかったのだろう。そして9月3日に地中海の方からシリアへ向かって2機のミサイルが発射されるのだが、途中で海に落下してしまう。その後もリビアのようなNATO軍の空爆はなかった。このミサイル発射についてイスラエルはテストだったとしているが、事前に警告はなく、攻撃を始めたが失敗したと推測されている。ロシア軍がECM(電子対抗手段)を使ったと見る人もいる。イランとP5+1(国連安保理常任理事国5カ国とドイツ)がジュネーブ暫定合意に達したのはその年の11月だ。9月上旬にシリアが攻撃されなかったことを残念がる人もいたが、そのまま開戦になった場合、アメリカ軍は惨憺たることになっていた可能性が高い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805080000/

2018.05.10
露大統領の就任式直後に米大統領はイラン核合意から離脱を宣言(その2)


​ シリア防衛を含め、ロシアはアメリカなどによる侵略を阻止しようとしてきたが、この国には弱点がある。ウラジミル・プーチン露大統領は5月7日から通算4期目に入ったが、経済や金融の部門はまだ西側の巨大資本と結びついた勢力に握られているのだ。


 それだけでなく、ボリス・エリツィンを使ってソ連を消滅させ、ロシアを西側巨大資本の属国にしたKGBの将軍たちは健在。その中にはKGBの頭脳とも呼ばれたフィリップ・ボブコフも含まれ、そのネットワークはプーチンも無視できないだろう。そうした力関係を象徴するのがドミートリー・メドベージェフの首相再任。

 本ブログでも指摘したことがあるように、この人物もロシアを西側の巨大資本に従属させようとしている「第5列」のひとりと見なされている。これをプーチンの裏切り行為だという考えが国民の間に広がっているようだ。アメリカやEUの「仲間」になりたがっている勢力を排除できればロシアに未来が見えてくるが、メドベージェフの再任はそれが難しいことを示している。

 現在、プーチンが圧倒的に支持されているのは、ボリス・エリツィンの一派を手先にした西側支配層に蹂躙されたロシアを回復させた手腕が評価されているからにほかならない。ロシアで西側支配層が甘い汁を吸えなくなったとも言え、西側の政府や有力メディアがプーチンを憎悪する理由になっているのだが、プーチンが西側の支配層に手をつけられないの見て国民が離反する可能性がある。

 少なくとも結果として、ドナルド・トランプ大統領はメドベージェフの首相再任を見てJCPOAからの離脱を宣言した。これによって軍事的な緊張が高まることは必至だが、ロシア政府は強硬策に出ないと感じても不思議ではない。

 大統領選挙でトランプのライバルだったヒラリー・クリントンの周辺は戦争ビジネス、巨大金融資本、そしてネオコンに固められていた。それに対し、トランプ大統領はベンヤミン・ネタニヤフと近いシェルドン・アデルソンから多額の資金を得ていた。以前にも何度か書いたが、ネタニヤフ首相の父親、ベンシオン・ネタニヤフはニューヨークでウラジミール・ジャボチンスキーの秘書として働いていた人物。ジャボチンスキーは1925年に「修正主義シオニスト世界連合」を創設、リクードはその流れの中から生まれた。クリントンもトランプも背後にはシオニストがいるのだが、同じではない。

 トランプは大統領に就任した直後の2017年2月にフリン国家安全保障補佐官を解任、その年の4月6日にシリアをミサイル攻撃している。地中海にいたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射した。数機では対応されてしまうと考えたのかこれだけのミサイルを発射したのだが、目標に到達したのは23発にすぐなかったとされている。この時の経験から短距離用の防空システムパーンツィリ-S1の配備を進めたようだ。

 その1年後、今年の4月14日にアメリカ、イギリス、フランスの3カ国は再びシリアをミサイル攻撃した。アメリカ軍によると、発射された巡航ミサイルは紅海にいたモンテレイから30機、ラブーンから7機、ペルシャワンにいたヒギンズから23機、地中海にいたジョン・ウァーナーから6機、フランスのロングドークから3機、B-1B爆撃機から19機、イギリスのタイフーンやトルネード戦闘機から8機、フランスのラフェルやミラージュから9機で合計105機。ターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)だったという。さほど大きくない施設に大量のミサイルを撃ち込んだことになる。

 それに対してロシア国防省は違った説明をしている。攻撃されたのはダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)だという。攻撃に使われたミサイルの約7割を撃墜したというわけだ。

 アメリカ軍とロシア軍が衝突した場合、アメリカ軍は厳しい戦いを強いられることになる。通常兵器の戦いで劣勢になり、アメリカが核戦争へ移行すれば世界は終末の時を迎えかねない。メドベージェフの再任は世界を危険な方向へ向かわせる節目になった可能性がある。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201805090000/


97. 中川隆[-12179] koaQ7Jey 2018年5月10日 16:55:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13597]
大統領就任4期目に突入。なぜプーチンはこんなにも人気なのか?
2018.05.10 11 by 北野幸伯『ロシア政治経済ジャーナル』
http://www.mag2.com/p/news/358649


去る5月7日、4期目に突入したロシアのプーチン大統領。2000年から続くこのプーチン政権ですが、今後どのような展開を見せるのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、これまでの政権の歴史を振り返りながら、ロシアの未来を占っています。

プーチン4期目スタート、ロシアはどうなる?

5月7日は、プーチンの大統領就任式でした。4期目がはじまります。ロシアは、どうなるのでしょうか???

超簡単に、プーチンの1〜3期目を振り返ってみましょう。

● 1期目(2000〜04年)

プーチン1期目、メインテーマは、「新興財閥との戦い」でした。

90年代、新興財閥がロシアを牛耳っていた。90年代後半には、「7人の銀行家が、ロシアの富の半分を支配している」といわれていた。そして、ロシア国民は、新興財閥軍団を憎んでいたのです。

プーチンは2000年、大統領になると、早速「新興財閥征伐」を開始しました。そして、

•「クレムリンのゴッドファーザー」とよばれたベレゾフスキー
•「ロシアのメディア王」とよばれたグシンスキー
•「ロシアの石油王」とよばれたホドルコフスキー

を次々と打倒した。

ベレゾフスキーは、イギリスに逃げ、後死亡。グシンスキーは、イスラエルに逃亡。ホドルコフスキーは、シベリア送りにされた(2013年、彼は出所し、ロンドンに移住。今は、元気に「反プーチン運動」を行っています)。

● 2期目(04〜08年)

プーチン2期目、今度はアメリカとの戦いが激化します。

米ロ対立は、03年からはじまっていました。プーチンは、アメリカのイラク戦争に反対だったのです。03年には、旧ソ連のグルジア(現ジョージア)で革命が起こり、親米反ロ政権が誕生。04年、ウクライナで革命が起こり、親米反ロ政権が誕生。05年、キルギスで革命が起こった。プーチンは、旧ソ連諸国で起こったこれらの革命の背後に「アメリカがいる」と確信。

そして05年、彼は大きな「戦略的決断」をします。「中国と事実上の同盟関係を築く」こと。中ロは、一体化して「アメリカ一極主義」に対抗していくことになった。そして、両国が主導する「上海協力機構」(SCO)を強化し、「一大反米勢力」をつくることにしたのです。

● 首相時代(08〜12年)

一人の人物が大統領になれるのは、「連続2期まで」と憲法にある。それで、プーチンは08年、大統領を辞めました。そして、部下のメドベージェフを大統領にし、自分は名目ナンバー2である首相になった。

米ロ対立は、08年にピークに達します。8月、アメリカの傀儡国家グルジア(現ジョージア)とロシアの戦争が起こった。しかし9月にリーマン・ショックが起こり、米ロは和解にむかいます。「米ロ再起動時代」といいます。この時代は、2012年までつづきました。

● プーチン3期目(2012〜18年)

2012年、プーチンが大統領に返り咲きました。任期は、憲法改定により、4年から6年に延びています。

プーチンは、「再起動時代」を終わらせ、またアメリカとの戦いを開始します。そして、着実に勝利を重ねていきました。例をあげれば、

•2013年9月、アメリカのシリア攻撃を止めた
•2014年3月、クリミアを無血併合
•2014年4月、ウクライナで内戦ぼっ発

プーチン・ロシアは、ウクライナからの独立を目指す東部ルガンスク州、ドネツク州を支援。両州は、事実上の独立状態になった。

•2015年9月、ロシア軍、シリアISへの空爆を開始

ISの資金源である石油インフラを容赦なく破壊。ISは、急速に弱体化していく。

•2017年12月、プーチン、シリアで「勝利宣言」

シリアでは2011年から内戦がつづいています。欧米、サウジ、トルコなどは、「反アサド」を支援している。ロシア、イランは、アサド現大統領を支援している。そして、2018年5月時点で、アサドは健在。つまり、ロシアは、シリア代理戦争でアメリカに勝っている。


強化される制裁、ボロボロの経済

勝利をつづけるプーチンですが、ジワリジワリと追いつめられています。なぜ? ロシア制裁がますます強化されているから。もともとは、「クリミア併合」が理由だった。しかし、現在では、

•ロシアがアメリカ大統領選に介入したこと(ロシアは否定)
•ロシアが、元諜報員スクリパリをイギリスで殺そうとしたこと(ロシアは否定)
•ロシアが国家ぐるみでドーピングをしていたこと(ロシアは否定)

などなど、さまざまな理由が「制裁強化」の口実に使われ、非常に苦しい状態になっています。

少しデータを見てみましょう。ロシア、プーチンの1、2期目(00〜08年)は、年平均7%の成長をつづけていました。では、プーチン3期目(12〜18年)は?

•12年、3.7%
•13年、1.8%
•14年、0.7%(この年、クリミア併合、対ロ制裁はじまる)
•15年、−2.5%
•16年、−0.2%
•17年、1.55%

17年は、原油価格がバレル30ドル台から60ドル台まで倍増したためプラスに転じた。しかし、1〜2期と比べると、「メチャクチャ悪い」ことがわかるでしょう。

2016年時点でロシアのGDPは1兆2,807億ドルで世界12位。これは、韓国(11位)よりも下です。そして、一人当たりGDPは、8929ドルで世界71位。平均年収が90万円(!)強というのは、実に厳しい。ロシアの経済的苦難を示すこんな話もあります。


ロシア軍事費、20年ぶりに減少 経済的苦境が影響 CNN.CO.JP 5/6(日)16:59配信

ロシアの軍事費が過去20年で初めて減少を示した。ロンドン(CNNMoney)軍備管理研究などの団体「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」は6日までに、ロシアの昨年の国防費は3.9兆ルーブル(約6兆6,300億円)と2016年比で17%減少したと報告した。

軍事費が前年比で、17%減少! それでも6兆,6300億円で、5兆円の日本よりずいぶん多いです。GDP比では4.3%。日本の防衛費は、GDP比で1%ですから、ロシア「かなり無理してるな」とわかるでしょう。

景気がちっとも上向かないということで、もちろん国民の不満も高まっています。それで、5月5日には、ロシア全土で、「プーチンは皇帝ではない!」という反体制デモが起こりました。


著名ブロガー呼びかけ、露各地で反プーチンデモ 読売新聞 5/6(日)14:23配信

【モスクワ=畑武尊】3月のロシア大統領選で圧勝したプーチン大統領の就任式を7日に控え、就任に反対するデモが5日、ロシア各地で行われた。人権団体は、全土で1,200人以上が警察に拘束されたとしている。大統領選への出馬が認められなかった著名ブロガーのアレクセイ・ナワリヌイ氏が呼びかけたもので、モスクワ中心部には数千人が集結。「プーチンなきロシアを」「彼は我々の皇帝ではない」などとシュプレヒコールを上げた。プーチン氏支持者とデモ隊が小競り合いになる場面もあった。

プーチン、苦しい船出

さて、ロシアでは3月18日に大統領選挙が行われ、プーチンが76%の投票率で圧勝しました。「なんで経済的に苦しいのに、プーチン圧勝なんだ!?」と思いますね。すぐに思い浮かぶのは、「不正があったのでは?」です。あったのでしょう。しかし、完全に公正な選挙だったとしてもやはりプーチンが勝ったと思います。

確かにロシア経済は苦しい。ですが、一般人のほとんどは、「プーチンのせいで景気が悪い」とは考えないのです。一番ポピュラーなのは、「制裁を主導しているアメリカが悪い!」という意見。次に、「アホのメドベージェフ首相が悪い!」、さらに、「なぜか米国債を買い増しているロシア中央銀行が悪い!」。

いろいろな意見がありますが、ほとんどの人は、「プーチンのせいで」と考えない。それで、「プーチン圧勝」なのです(「反プーチンデモ参加者」も多数いますが、ロシア全体でみるとまだ少数派ということですね)。

プーチン4期目は2024年までつづきます。正直、ロシアの運命は、「アメリカが握っている」といえるでしょう。アメリカが制裁を解除すれば、ロシア経済はだいぶ楽になります。しかし、プーチンは、シリア、ウクライナで戦術的に勝ってしまう。戦術的に勝つと、恥をかかされたアメリカが、「また制裁を強化する」という悪循環がつづいています。

トランプは、「親ロシア」「親プーチン」で、ロシアをいじめたくないらしい。しかし、全民主党、共和党内の反ロシア派があまりにも多く、和解できない状態がつづいている。プーチン4期目、ロシアは困難がつづくことが予想されます。



98. 中川隆[-12412] koaQ7Jey 2018年5月12日 19:38:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13888]

「アメリカを動かしているのはトランプじゃない。ディープステートだ」―アサド大統領 (RUSSIA INSIDER)
http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/712.html


原文ソース
 https://russia-insider.com/en/assad-trump-doesnt-run-america-deep-state-does/ri23433



バッシャール・アサド氏はインタビューで、ドナルド・トランプ氏との会談は、大統領ではなくディープステートが米国を支配しているため、無意味だと指摘した。彼は、ディープステートの予定(意図)は、ロシアを狙った紛争を作り出すことだと指摘した。


アサド大統領との独占インタビューで、アサド大統領は、

「トランプは今日、何かを言い、明日はその反対を行っている」

と述べ、トランプと顔を合わせる理由がないと述べ、
トランプは政策をコントロールしていない可能性が高いと述べた。


アサド大統領は、「トランプ大統領が(米国を)コントロールしているとは我々は思っていない」と述べた。

「我々は、ディープステート、現実の国家があらゆる米大統領をコントロールしていると考えている。少なくとも最近の40年間、ニクソン大統領の時代から、米国では常にそうだった。それより以前でもそうだったかもしれない。だが今は、それがますます強烈になり、そして最も顕著な例がトランプ大統領だ」と述べた。


アサド大統領はまた、シリアで第3次世界大戦が起こる可能性を否定し、米国が紛争を拡大することを目指していたとしても、ロシア政府の冷静な行動によって、激烈なエスカレーションを阻止するとギリシャの新聞に報じた。


アサド大統領は第3次世界大戦の可能性を心配しているかどうかを直接質問し、アサドは答えました。

「いいえ、幸いにも、ロシアには賢明な指導部があり、米国ディープステートの予定(意思)は紛争を作り出すことであることを知っています。トランプのキャンペーン以来、メインの予定(意思)はロシアに反対し、ロシアとの葛藤、ロシアへの屈辱、ロシアの弱体化などであった」

とシリア大統領は述べた。

アサド大統領は、米国、フランス、英国、サウジアラビア、カタール、トルコは最終的には、7年間の戦争を担当し、戦う「テロリスト」の支援したことに責任を取らなければならないと付け加え、シリアの統一と主権の回復を誓ってインタビューを終了した


99. 中川隆[-12411] koaQ7Jey 2018年5月12日 19:45:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-13888]
欧米は、なぜロシア人を好まないのか
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-99bb-1.html
2018年5月12日 マスコミに載らない海外記事


2018年3月8日
Andre Vltchek
Strategic Culture Foundation

ロシアやソ連の話となると、報道や歴史的説明はぼやけてしまう。欧米で、連中はそうしており、結果的に、その全ての‘属国’でもそうだ。

おとぎ話が現実と混ざり合い、世界中の何十億人もの人々の潜在意識に、作り話が巧妙に吹き込まれる。ロシアは巨大な国で、実際領土の点で地球上最大の国だ。人口密度は極めて低い。ロシアは奥が深く、ある古典に書かれている通りだ。“ロシアを頭で理解することは不可能だ。信じるしかない。”

概して欧米精神は、未知で霊的で複雑なものごとを好まない。‘大昔’から、特に十字軍や、ひどい植民地主義者による世界の隅々への探検以来、西洋人は、略奪された土地土地で行った、自らの“高貴な行い”に関するおとぎ話を聞かされてきた。何事も明快で単純でなければならない。“有徳のヨーロッパ人が野蛮人を啓蒙し、キリスト教を流布し、実際、これらの暗く哀れな原始的な連中を救っていたのだ。”

もちろん、更に何千万人もの人々が手かせ足かせをつけられ“新世界”に奴隷としてつれてこられる過程で、何千万人もの人々が亡くなった。金銀や他の略奪品や、奴隷労働が過去(そして今でも)ヨーロッパのあらゆる宮殿、鉄道、大学や劇場をあがなったのだが、虐殺は大半の場合、何か抽象的で、欧米大衆の神経過敏な目から遙かに離れているので、それは問題にならない。

特に“善と悪”の道徳的定義のような話題となると、西洋人は平易さを好む。たとえ真実が体系的に‘改ざん’されていようとも、たとえ現実が完全にでっち上げられようとも全くかまわないのだ。重要なのは、深い罪の意識も、自己省察もないことだ。欧米の支配者たちと世論形成に影響力がある連中は、国民を - 彼らの‘臣民’ - を知り尽くしており、たいていの場合、支配者連中は国民が要求しているものを与えている。支配者と支配される人々は、概して共生しているのだ。彼らはお互いに文句を言い続けているが、だいたい彼らは同じ目的を共有している。他の人々が、その富で、その労働で、そして、往々にして、その血で、彼らために支払いを強いられているかぎり、裕福に暮らすこと、大いに裕福に暮らすことだ。

文化的には、ヨーロッパと北米の国民の大半は、自分たちの贅沢な生活のつけを払うのをいやがっている。生活が極めて‘贅沢’なことを認めることすら彼らはひどく嫌う。彼らは犠牲者のように感じるのが好きなのだ。彼らは自分たちが‘利用されている’と感じるのが好きなのだ。他の人々の為に自らを犠牲にしていると想像するのが好きなのだ.

それに何よりも彼らは本当の犠牲者を憎悪する。何十年も、何世紀にもわたって、彼らが殺害し、強姦し、略奪し、侮辱してきた人々を。

最近の‘難民危機’は、自分たちの犠牲者に対して、ヨーロッパ人が感じている悪意を明らかにした。彼らを豊かにし、その過程であらゆるものを失った人々が屈辱を与えられ、軽蔑され、侮辱された。アフガニスタン人であれ、アフリカ人であれ、中近東人であれ、南アジア人であれ。あるいは、ロシア人は独自の範疇に入れられるのだが、ロシア人であれ。

*

多くのロシア人は白人に見える。彼らの多くはナイフとフォークで食事し、アルコールを飲み、欧米の古典音楽、詩、文学、科学と哲学に秀でている。

欧米の目から見て、彼らは‘普通’に見えるが、実際には、そうではないのだ。

ロシア人は常に‘何か他のもの’を望んでいる。彼らは欧米のルールで動くことを拒否する。

彼らは頑固に違っていることを、そして孤立することを望んでいる。

対立し、攻撃された際には、彼らは戦う。

先に攻撃することはまれで、ほぼ決して侵略しない。

だが脅された場合、攻撃された場合は、彼らはとてつもない決意と力で戦い、そして彼らは決して負けない。村々や都市は侵略者の墓場に変えられる。祖国を防衛する中で、何百万人も亡くなるが、国は生き残る。しかも、決して教訓を学ばず、この誇り高く、固く決心した並外れた国を征服し、支配するという邪悪な夢を決してあきらめずに、西欧人の大群が何世紀もロシアの土地を攻撃し燃やして、それが何度も何度も起きている。

欧米では、自らを守る人々、彼らに対して戦う人々、そして、とりわけ勝利する人々は好まれない。

*

それはもっと酷いものだ。

ロシアには大変な習慣がある… 自らとその国民を守るのみならず、植民地化され略奪された国々や、不当に攻撃されている国々をも守って、他の人々のためにも戦うのだ。

ソ連は世界をナチズムから救った。2500万人の男性、女性と子供という恐ろしい代償を払いながらも、やりとげたのだ。勇敢に、誇り高く、利他主義で。こうしたこと全て、利己的でなく、自己犠牲的で、常に欧米自身の信念と真っ向から衝突し、それゆえ‘極端に危険なので’この壮大な勝利ゆえに、欧米は決してソ連を許さないのだ。

ロシア国民は立ち上がった。1917年革命で戦い勝利した。完全に平等主義の、階級の無い、人種的に偏見のない社会を作りだそうとしていたので、史上の何よりも欧米を恐れさせた出来事だった。私の最近の本書「The Great October Socialist Revolution Impact on the World and the Birth of Internationalism(大10月社会主義革命: 世界に対する衝撃と国際主義の誕生)」で書いた出来事、国際主義も生み出した。

ソビエト国際主義は、第二次世界大戦勝利の直後、直接、間接に、全ての大陸で、何十もの国々が立ち上がり、ヨーロッパ植民地主義と北アメリカ帝国主義と対決するのを大いに助けた。欧米、特にヨーロッパは、ソ連国民総体が、そして特にロシア人が、自分たちの奴隷解放を助けたことを決して許さない。

そこで、人類史における最大のプロパガンダの波が実際うねり始めたのだ。ロンドンからニューヨーク、パリからトロントまで、反ソ連の精巧に作り上げられた蜘蛛の巣や、密かな反ロシア・ヒステリーが、怪物のように破壊的な力で解き放たれた。何万人もの‘ジャーナリスト’、諜報機関職員、心理学者、歴史学者や学者たちが雇われた。いかなるソ連のものも、いかなるロシアのものも(称賛され‘でっちあげられる’ことが多いロシア 反体制派連中を除いて)許されなかった。

大10月社会主義革命と、第二次世界大戦時代前の残虐行為が組織的にねつ造され、誇張され、更に欧米の歴史教科書やマスコミの言説に深く刻みこまれた。そうした話の中では、若いボルシェビキ国家を破壊することを狙って、欧米によって行われた残忍な侵略や攻撃については何も書かれていない。当然、イギリス、フランス、アメリカ、チェコ、ポーランド、日本、ドイツや他の国々のぞっとするような残虐行為には全く触れられていない。

一枚岩の一方的な欧米プロパガンダ言説中に、ソ連とロシアの見解が入り込むことは全く許されないのだ。

従順な羊同様、欧米大衆は、与えられる虚報を受け入れてきた。最終的に、欧米植民地や‘属国’で暮らす多くの人々も、同じことをした。大変な数の植民地化された人々は、その窮状を、自分たちのせいにするよう教えられてきた。

極めて不条理ながらも、どこか論理的なできことが起きた。ソ連に暮らす多くの男性や女性や子供たちまでが欧米プロパガンダに屈したのだ。不完全ながらも、依然、大いに進歩的な自分たちの国を改革しようとするかわりに、彼らはあきらめ、冷笑的になり、積極的に‘幻滅し’、堕落し、素朴にも、しかし、とことん親欧米派になったのだ。

*

これは、歴史上、ロシアが欧米に打ち破られた最初で、最後である可能性が極めて高い。欺瞞によって、恥知らずのウソによって、欧米プロパガンダによって、それが起きた。

続いて起きたことは、大虐殺とさえ表現できよう。

ソ連は、まずアフガニスタンに誘い込まれ、更に現地での戦争によって、アメリカ合州国との軍拡競争によって、そして様々な敵対的な欧米の国営ラジオ局から文字通り溶岩のように流れ出すプロパガンダの最終段階によって、致命的に傷ついた。もちろん国内の‘反体制派’も重要な役割を演じた。

欧米の‘役に立つ馬鹿’ゴルバチョフのもとで、事態はひどく奇怪なことになった。彼が自分の国を破壊するために雇われていたとは思わないが、彼は国を追い詰めるためのありとあらゆることを実行した。まさにワシントンが彼にして欲しいと望んでいたことを。そして、世界の目の前で、強力で誇り高いソビエト社会主義共和国連邦は突然苦痛に身を震わせ、更に大きな叫び声を放って崩壊した。苦しみながらも、すばやく死んだ。

新しい超資本主義、盗賊、オリガルヒ支持で、当惑するほど親欧米のロシアが生まれた。ワシントン、ロンドンや他の欧米の権力中心から愛され、支持されたアル中のボリス・エリツィンに支配されたロシアだ。

それは全く不自然な、病めるロシア - 身勝手で冷酷な、誰か他の連中のアイデアで作りあげられた - ラジオ・リバティとボイス・オブ・アメリカ、BBC、闇市場、オリガルヒと多国籍企業のロシアだった。

欧米は、ロシア人がワシントンで何かに‘干渉している’と今、大胆不敵に言うのだろうか? 連中は狂ったのだろうか?

ワシントンや他の欧米の首都は‘干渉’しただけではない。彼らはあからさまにソ連をばらばらにし、更に連中は、その時点で半ば死んでいたロシアを蹴飛ばし始めた。これは全て忘れさられたのか、それとも欧米の大衆は、あの暗い日々に起きていたことに、またしても全く‘気がつかなかった’のだろうか?

欧米は、困窮し傷ついた国に唾棄し、国際協定や条約を順守することを拒否した。欧米は何の支援もしなかった。多国籍企業が解き放され、ロシア国営企業の‘民営化’を始め、基本的に、何十年にもわたり、ソ連労働者の汗と血によって築き上げられたものを盗みとっていった。

干渉? 繰り返させて頂きたい。それは直接介入、侵略、資源略奪、恥知らずな窃盗だ! それについて読んだり、書いたりしたいのだが、もはやそれについて多くを聞けなくなっているのではなかろうか?

今、ロシアは被害妄想だ、大統領は被害妄想だと言われている! 欧米は真顔でウソをついている。ロシアを殺そうとしてきたのではない振りをしているのだ。

あの時代… あの親欧米時代、ロシアが欧米の準属国、あるいは半植民地と呼ぼうか、になった時代! 外国からは一切、慈悲も、同情もなかった。多くの阿呆連中 - モスクワや地方の台所インテリたちが - 突然目覚めたが遅すぎた。彼らの多くが突然食べるものが無くなったのだ。彼らは要求するように言われていたものを得た。欧米の‘自由と民主主義’と、欧米風資本主義、要するに、完全崩壊を。

‘当時’がどうだったか良く覚えている。私はロシアに帰国するようになり、モスクワ、トムスク、ノヴォシビルスク、レニングラードで働きながら、不快な目にあった。ノヴォシビルスク郊外のアカデム・ゴロドクから来た学者たちが、酷寒の中で、暗いノヴォシビルスクの地下鉄地下道で蔵書を売っていた… 銀行取り付け… 老いた退職者たちが飢えと寒さで亡くなっていた、コンクリート・ブロックのがっしりしたドアの背後で… 給料が支払われず、飢えた炭鉱夫たち、教師たちが…

最初で、願わくは最後に、ロシアは欧米の死の抱擁を受けたのだ! ロシア人の平均余命は突然、サハラ砂漠以南のアフリカ最貧諸国の水準に落ちた。ロシアは酷い屈辱を与えられ、大変な苦痛を味わった。

*

だがこの悪夢は長くは続かなかった。

ゴルバチョフとエリツィンの下で、しかし何よりも欧米による命令下のあの短いながらも恐ろしい年月に起きたことは、決して忘れられず、 決して許されまい。

ロシア人は、もはや決して望まないものを、はっきり理解している!

ロシアは再び立ち上がった。巨大な、憤って、自分の人生を自分のやり方で生きると固く決意した国が。困窮し、屈辱を受け略奪され、欧米に従属していた国が、わずか数年で自由で独立した国となったロシアは、再び地球上で最も発展した強力な国々に加わった。

そして、ゴルバチョフ以前のように、欧米帝国による、不当で非道な攻撃を受けている国々を、ロシアは再び助けることができるようになった。

このルネサンスを率いている人物、ウラジーミル・プーチン大統領は手強いが、ロシアは大変な脅威を受けており - ひ弱な人物の時期ではない。

プーチン大統領は完璧ではない(実際、完璧な人がいるのだろうか?)が、彼は本物の愛国者で、国際主義者でもあると、あえて言いたい。

現在欧米は、再びロシアと、その指導者の両方を憎悪している。何の不思議もない。ワシントンと、その副官連中にとり、無敗で強く自由なロシアは想像できる限り最悪の敵なのだ。

これは、ロシアではなく、欧米の感じ方だ。これまでロシアに対してなされたあらゆることにも関わらず、何千万人もの命が失われ、破壊されたにもかかわらず、ロシアは常に、妥協し、忘れるのではないにせよ、許しさえする用意ができている。

*

欧米の精神には酷く病的なものがある。欧米は完全無条件服従以外のいかなるものも受け入れることが出来ないのだ。欧米は支配していなければならず、管理していなければならず、あらゆることの頂点でなければならないのだ。自分たちは例外だと感じなければならないのだ。地球全体を殺戮し、破壊する際でさえ、世界の他の国々に対し、自噴たちがより優れていると感じると主張するのだ。

例外主義というこの信念は、もう何十年も、実際には現地でいかなる重要な役割も果たしていないキリスト教以上に、遙かに欧米の本当の宗教なのだ。例外主義は狂信的で、原理主義で、疑問の余地がないものなのだ。

欧米は、自分たちの言説が世界のどこであれ得られる唯一のものだとも主張する。欧米は道徳の指導者、進歩の指針、唯一の資格ある裁判官兼導師と見なされるべきなのだ。

ウソの上にウソが積み重なっている。あらゆる宗教同様、似非現実が不条理であればある程、それを維持するのに使われる手法は益々残酷で過激なものとなる。でっちあげが、ばかばかしければ、ばかばかしい程、真実を抑圧するのに使われる技術は益々強力になる。

現在、何十万人もの‘学者’、教師、ジャーナリスト、芸術家、心理学者や他の高給の専門家が、世界の至るところで、帝国に雇われている、たった二つの目的のために - 欧米の言説を称賛し、その邪魔をするありとあらゆるもの、あえて異議を唱えるものの信頼を損なうために。

ロシアは欧米から最も憎悪されている敵対者で、ロシアの緊密な同盟国中国はほぼ第二位だ。

欧米が仕掛けるプロパガンダ戦争が余りに狂っており、余りに激しいので、ヨーロッパや北米市民の一部の人々さえもが、ワシントンやロンドンや他の場所から発せられる話を疑問視し始めつつある。

どこを見回しても、とんでもないウソ、半ウソ、半真実のちゃんぽんだらけだ。複雑で、先に進みようのない陰謀論の沼だ。アメリカの内政に干渉し、シリアを守っているかどで、無防備で、恫喝されている国々を支持しているかどで、強力なメディアを持っているかどで、運動選手へのドーピングのかどで、依然として共産主義者であるかどで、もはや社会主義ではないかどで、ロシアは攻撃されつつある。要するに、ありとあらゆる想像可能なことや、想像を絶することで。

ロシア批判は実に徹底的に不条理なので、人は極めて正当な疑問を問い始める。“過去はどうなのだろう? 過去のソ連、特に革命後の時期と、二度の世界大戦間の時期に関する欧米の言説は一体どうだったのだろう?”

この現在の欧米の反ロシアと反中国プロパガンダを分析すればするほど、ソ連史に関する欧米の言説について研究し、書きたいという決意が強くなる。将来、この問題を、友人たち、ロシア人とウクライナ人の歴史学者たちと必ず調べることを計画している。

*

欧米の目から見ると、ロシア人は‘反逆者’なのだ。

過去も、現在も、彼らは略奪者に与するのではなく、‘世界の惨めな人々’の側に立ち続けてきた。祖国を売ることを、自国民を奴隷にすることを拒否した。彼らの政府は、ロシアを自給自足の完全に独立した繁栄する誇り高く自由な国にするために、できる限りのあらゆることをしている。

世界の独特な部分では、‘自由’や‘民主主義’や他の多くの言葉が全く違うものを意味することを想起されたい。欧米で起きていることは、ロシアや中国では決して‘自由’とは表現されないし、逆のことも言える。

ヨーロッパや北アメリカの挫折し、崩壊しつつあり、ばらばらになった利己的社会は、もはや自国民すら鼓舞できない。彼らは、毎年何百万人も、アジアや、中南米や、アフリカにまで脱出しつつある。空虚さ、無意味さや、心情的な冷たさから逃れてゆくのだ。だが、彼らに生き方や、良くない生き方を教えるのは、ロシアや中国の仕事ではない!

一方、ロシアや中国のように偉大な文化は、自由とは何かやら、民主主義とは何かなどと、西洋人に教えられる必要もなく、教えられたくもないのだ。

彼らは欧米を攻撃してはおらず、同じ見返りを期待している。

何百もの大虐殺に、あらゆる大陸の、何億人もの殺害された人々に、責任がある国々が、いまだに人に図々しくお説教を垂れているのは実になさけないことだ。

多くの犠牲者たちは、おびえる余り発言できない。

ロシアはそうではない。

優しいながらも、必要とあらば自らを守ると固く決意した人々で構成されている。自分たちも、この美しいながらも、酷く傷つけられた地球上で暮らしている他の多くの人類も。

ロシア文化は壮大だ。詩、文学作品から、音楽、バレー、哲学に至るまで… ロシア人の心は柔らかで、愛と優しさで働きかけられれば容易に溶ける。だが何百万人もの無辜の人々の命が脅かされると、ロシア人の心も筋肉も素早く石と鋼へと変わるのだ。勝利だけが世界を救えるそのような時期、ロシアの拳は固くなるが、ロシア兵器についても同様だ。

加虐的ながら臆病な欧米には、ロシア人の勇気にかなうものはいない。

不可逆的に、希望も未来も東に向かって移動しつつある。

そして、それこそが、ロシアが欧米からしゃにむに憎悪される理由だ。

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。「Vltchek’s World in Word and Images」の制作者で、革命的小説『オーロラ』や、他に何冊かの本の作家。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/03/08/why-the-west-cannot-stomach-russians/


100. 中川隆[-12769] koaQ7Jey 2018年6月02日 18:25:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14761]
2018.06.02
露政府に殺されたと西側メディアが宣伝したジャーナリストが元気な姿を見せた


 ウクライナでアルカディ・バブチェンコなるジャーナリストが殺され、その黒幕はロシアだという話を西側の有力メディアが伝えていた。例によって証拠はなく、公開された現場の写真には「血」らしきものが写っているのだが、鮮やかな赤色で不自然だった。ロシアを攻撃する材料にはなりそうな話なら西側の有力メディアは飛びつく。そして数日後、バブチェンコは元気な姿を人々の前に見せ、話題になっている。殺人事件は完全だでっち上げだったのだ。

 このでっち上げ事件の特徴はすぐに種明かしをしたところにある。セルゲイ・スクリパリとその娘のユリアのケースではテレサ・メイ英首相をはじめとするイギリスやアメリカの政府や有力メディアが同じように証拠を示すことなくロシアを名指しで非難していた。このケースでは種が見えても種はないと言い続けている。

 イギリス政府はノビチョク(初心者)という神経ガスが使われたと主張していたが、これは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称。ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する人もいる。イギリス政府がこの名称を最初から使った理由は、ロシアとの関係を強調したいからだと見られている。その後、使われた化学物質はA-234だとされた。

 この神経物質の毒性はVXガスの10倍だという。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムと言われているので、ノビチョクは1ミリグラム。どういう形で散布したと想定してるのか不明だが、周囲に被害が及んでいないのは不可解。しかもスクリパリ親子は回復している。娘はロイターのカメラの前に現れた。質問は禁止されていたようで、状況を聞くことはできなかったが、元気そうに見えた。昏睡状態だった人がこれだけ短時間に回復したのは驚異的だ。

 ということで、化学兵器による攻撃という話自体が嘘で、ふたりは拉致されたのではないかと疑われている。イギリス政府が娘をカメラの前に立たせた理由は、そうした疑問を持つ人が少なくないからだろう。

 バブチェンコはウラジミル・プーチンに批判的なロシア人。母方の祖母がユダヤ人だったこともあり、​2017年にロシアを出国してからチェコを経由してイスラエルへ入った​とされている。そこからウクライナへ入り、そこでATRというテレビ局で働き始めた。ここはアメリカ大使館のメディア開発基金から資金が出ていることが公表されている。

 ウクライナの治安機関SBUが関与したバブチェンコの暗殺劇のプロットは、ロシアの治安機関FSBがウクライナ市民を殺し屋探しのために雇い、その市民が殺し屋を雇い、その殺し屋がSBUに通報、仲介役の市民を逮捕するために殺人劇を仕組んだというのだが、大多数の人は、なぜ殺人劇を演出する必要があったのかわからないだろう。

 この仲介役の市民は狙撃用のライフルを製造している会社の経営者でSBUと関係があり、殺し屋だとされた人物はウクライナ東部で反クーデター勢力と戦っていて、ネオ・ナチの可能性がある。発端は会社の融資を巡る争いだったという見方もある。

 ウラジミル・プーチン露大統領は慎重で、軍事的な挑発に乗ってこない。国内に強力な第5列を抱えていることもあるだろう。そこで西側の政府や有力メディアは明らかな嘘で軍事的な緊張を高めてきた。ロシアは反撃してこないとネオコンは湾岸戦争のとこきから主張しているが、その信仰が深くなったのかもしれいない。今回の茶番劇もそうしたプーチンの慎重な姿勢と西側の傲慢さが招いたとも言えそうだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806020000/


101. 中川隆[-13532] koaQ7Jey 2018年7月01日 15:34:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16294]
2018.07.01
ネオコンの世界制覇計画が破綻する中、トランプ大統領がプーチン大統領と会談へ



 ​ドナルド・トランプ米大統領とウラジミル・プーチン露大統領は7月16日にフィンランドのヘルシンキで会談する​と伝えられている。アメリカの大統領である以上、トランプも圧力団体の意向には逆らえず、会うことは時間の無駄だと考える人もいるが、軍事的な緊張のエスカレートにブレーキがかかると期待する人もいる。


 ソ連を消滅させたのはジョージ・H・W・ブッシュを中心とするCIA人脈とフィリップ・ボブコフなどKGBの中枢だと言われているが、その後、アメリカが唯一の超大国になったと認識して世界制覇計画を作成、侵略戦争へと突き進んだのはネオコン。その計画を実現しようと1990年代は有力メディアは必死に宣伝、ユーゴスラビアをアメリカ/NATO軍が先制攻撃したのは1999年だった。2000年の大統領選挙でネオコンは強引に大統領の座を獲得、01年9月11日の出来事をきっかけにしてアメリカは世界侵略を本格化させる。

 しかし、2008年にはジョージア軍を使って南オセチアを奇襲攻撃したが、ロシア軍の反撃で粉砕されてしまう。正規軍による侵略に失敗したこともあり、バラク・オバマ大統領は2010年8月にPSD11を出し、ムスリム同胞団を使った体制転覆計画を作り上げる。そして「アラブの春」が引き起こされた。この軍事作戦にはサウジアラビアの支配下にあるサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)も使われた。

 ウクライナでは2014年2月にネオコンがクーデターで合法政権を転覆させる。ウォール街やシティによる略奪に抵抗したからだが、このクーデターの実行部隊になったのがネオ・ナチ。この勢力は今でもウクライナで猛威を振るっている。このクーデターの黒幕もネオコンだった。ただ、このクーデターではクリミアを制圧してロシア海軍に決定的な打撃を与えるという目的は達成できなかった。

 こうしたネオコンの計画は予定通りに進んでいない。ソ連を消滅させ、ロシアを属国化して食い物にしたが、21世紀に入るとウラジミル・プーチンがロシアの再独立に成功、アラブの春でターゲット国のひとつになったシリアでは戦乱が長引き、アメリカなどが手先にしていたサラフィ主義者やムスリム同胞団を主力とする武装集団は壊滅状態。そこでクルドを新たな手先にし、ジハード傭兵の残党を合流させているのだが、それに対するシリア政府軍の反撃が始まった。シリア国民も侵略軍に対して立ち上がり始めたと伝えられている。

 アメリカは経済的にも厳しい状況にあるが、それでも時間稼ぎする必要があると考える勢力が支配層の内部にいるようだ。ネオコンは反発しているだろうが、かつてのような勢いは感じられない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807010000/


102. 中川隆[-13465] koaQ7Jey 2018年7月14日 10:16:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16558]
2018.07.13
米英がヨーロッパ支配とソ連/ロシア侵略を目的として創設したNATO



 NATO(北大西洋機構)は7月11日から12日にかけて首脳会議を開いた。国防費の負担を巡ってアメリカと他の国とで対立があったと伝えられているが、アメリカが1992年2月に作成した世界制覇プランを妨害しているロシアに対する敵対的な姿勢では一致したようである。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、この世界制覇プランはDPG(国防計画指針)として作成されたのだが、そのときの国防長官はリチャード・チェイニー。作成の中心は国防次官だったポール・ウォルフォウィッツで、I・ルイス・リビーやザルメイ・ハリルザドも参加している。いずれもネオコンだ。

 このドクトリンは国防総省内部のシンクタンク、ONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルの戦略に基づいているのだが、そのマーシャルはイギリス出身のバーナード・ルイスから世界観を学んでいる。ルイスはイスラエルやサウジアラビアの支持者で、ウォルフォウィッツを含むネオコンを育成したヘンリー・ジャクソン上院議員(1953年〜83年)からも信奉されていた。マーシャルは偽情報に基づくソ連脅威論や中国脅威論を広めた人物でもある。

 ソ連消滅はジョージ・H・W・ブッシュ大統領(1989年〜93年)を中心とするアメリカのCIA人脈やローレンス・サマーズ、ポール・ウォルフォウィッツらがKGBの頭脳とも呼ばれたフィリップ・ボブコフを含むKGBの将軍たちと手を組んで実行した工作の結果。

 東西ドイツが1990年に統一される際、ブッシュ政権の国務長官、ジェームズ・ベイカーはソ連のエドゥアルド・シェワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるが、東へNATOが拡大されることはないと約束している。この約束を信じたゴルバチョフはドイツ統一で譲歩したのだが、約束は守られなかった。

 NATOは1949年、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクによって創設された。ソ連に対抗することが目的だとされたが、その当時のソ連には西ヨーロッパに攻め込む能力はない。何しろ、ドイツとの戦闘でソ連の国民は2000万人以上が殺され、工業地帯の3分の2を含む全国土の3分の1が破壊され、惨憺たる状態だったのである。

 第2次世界大戦の終盤、アメリカとイギリスはゲリラ戦を目的としてジェドバラという組織を作った。その人脈は戦後も生き続け、1948年頃にはCCWU(西側連合秘密委員会)という組織が統括していた。その人脈はNATOに吸収され、CPC(秘密計画委員会)が指揮することになる。その下部組織としてACC(連合軍秘密委員会)が1957年に設置され、NATOの秘密ネットワークを動かすことになる。

 その秘密ネットワークはソ連軍が侵攻してきた際にレジスタンスを行うとされていたが、実際はソ連圏への工作や西ヨーロッパの支配が目的。NATOへ加盟するためには秘密の反共議定書にも署名する必要があると言われている。(Philip Willan, “Puppetmaster”, Constable, 1991)コミュニストと戦うために彼らは役に立つという理由からだという。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 こうしたネットワークの中で最も知られているのはイタリアのグラディオ。1960年代から80年代にかけて「極左」を装って爆弾テロを繰り返していた。活動はイタリアの情報機関がコントロール、その上には米英の情報機関が存在していた。

 フランスで1961年に創設された反ド・ゴール派の秘密組織OAS(秘密軍事機構)もその人脈に属していた。OASへ資金を流していたパイプのひとつ、パーミンデックスはジョン・F・ケネディ大統領暗殺でも名前が出てくる。

 こうした人脈が存在することは1947年6月にフランスの内務大臣だったエドアル・ドプが指摘している。政府を不安定化するため、右翼の秘密部隊が創設されたというのだ。しかも、その年の7月末か8月6日には米英両国の情報機関、つまりCIAとMI6と手を組んで秘密部隊はクーデターを実行する予定で、シャルル・ド・ゴールを暗殺する手はずになっていたと言われていた。

 OASは1961年4月にスペインのマドリッドで秘密会議を開き、アルジェリアでのクーデターについて話し合っている。アルジェリアの主要都市を制圧した後でパリを制圧するという計画で、4月22日にクーデターは実行に移される。

 CIAはクーデターを支援していたのだが、ケネディ大統領はジェームズ・ガビン駐仏大使に対し、必要なあらゆる支援をする用意があるとド・ゴールへ伝えるように命じた。アルジェリアにいるクーデター軍がパリへ侵攻してきたならアメリカ軍を投入するということだ。CIAは驚愕、クーデターは4日間で崩壊した。(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)

 その後、ド・ゴール大統領はフランスの情報機関SDECEの長官を解任、第11ショック・パラシュート大隊を解散させる。OASは1962年に休戦を宣言するが、ジャン=マリー・バスチャン=チリー大佐に率いられた一派は同年8月22日にパリで大統領の暗殺を試みて失敗。暗殺計画に加わった人間は9月にパリで逮捕された。全員に死刑判決が言い渡されたが、実際に処刑されたのはバスチャン=チリー大佐だけだ。

 暗殺未遂から4年後の1966年にフランス軍はNATOの軍事機構から離脱、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリを追い出す。フランスがNATOの軍事機構へ一部復帰すると宣言したのは1995年のこと。NATOへの完全復帰は2009年にニコラ・サルコジ政権が決めている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807130000/


103. 中川隆[-13441] koaQ7Jey 2018年7月17日 06:42:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16603]
2018.07.17
米ロ首脳会談でウクライナ、シリア、朝鮮半島について話し合ったようだ



 ドナルド・トランプ米大統領とウラジミル・プーチン露大統領が7月16日にフィンランドで会談した。事前に言われていたテーマはウクライナの軍事的な緊張、シリアでの戦闘、朝鮮半島の和平交渉。

 ウクライナでは2014年2月にネオコンがネオ・ナチを使ってクーデターを実行、民主的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追い出した。拘束のうえ殺すつもりだった野ではないかとも言われている。クリミアの住民はネオ・ナチの危険性を早い段階で察知してロシアとの統合へ進んだが、南部のオデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに惨殺され、東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)では今も戦闘状態は解消されていない。

 クーデターの目的はいくつか指摘されている。例えば、ロシアからEUへの天然ガス供給を断ち、工業地帯や資源地帯を支配し、あらゆる資産を略奪するとったことなど。アメリカでは農業を支えてきた地下水が枯渇しつつあり、汚染が問題になっているが、その水が使えなくなるとアメリカの農業は壊滅する。穀倉地帯を支配することも考えている可能性がある。

 ネオ・ナチの戦闘集団の代表格とも言えるアゾフの元へは昨年(2017年)11月にアメリカの視察団が訪れ、兵站や関係強化について話し合ったと伝えられているが、​イスラエルから武器が供給されていることもアゾフ側は隠していない​。イスラエルはトランプが強い影響を受けている国だ。


 シリアでの戦闘はイスラエルやヨルダンに近い地域もシリア政府軍が制圧しつつあり、イスラエルは動揺しているだろう。次はイドリブに取りかかると見られている。イドリブでは2017年9月、パトロール中だったロシア軍憲兵隊29名がアメリカの特殊部隊に率いられた武装集団に襲撃されるという出来事があった。戦車などを使い、ハマの北にある戦闘漸減ゾーンで攻撃を開始、数時間にわたって戦闘は続いた。作戦の目的はロシア兵の拘束だったと見られている。

 それに対し、ロシア軍の特殊部隊スペツナズの部隊が救援に駆けつけて空爆も開始、襲撃した戦闘員のうち少なくとも850名が死亡、空爆では戦闘を指揮していた米特殊部隊も全滅したと言われている。イドリブでロシアやシリアの部隊がどこにいるかという機密情報がアメリカ主導軍からアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)へ伝えられていた可能性が高い。ロシア軍がその気になれば、シリア政府軍はイドリブをすぐに制圧できることを示している。

 イドリブが終わるとユーフラテス川の北になるが、そこにはアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍がクルドと連携、基地を20カ所以上で建設、そこで戦闘員を訓練しているとも言われている。アメリカ軍はデリゾールなど油田地帯を死守する姿勢を見せている。

 現地で流れている情報によると、シリア政府軍が優勢だということを受け、住民が侵略軍に対する抵抗を始めたという。こうした動きが広がるとアメリカによる占領も難しくなりそうだ。当初の計画通りに動いていないため、イラクのようにクルドが離反する可能性もある。

 朝鮮半島は韓国、ロシア、中国が主導権を握っている。そこへ朝鮮も加わり、アメリカは難しい状況に陥った。アメリカ海軍は2隻の駆逐艦、マスティンとベンフォードに台湾海峡を航行させて中国を挑発、インド・太平洋軍を創設して中国が計画している海のシルクロードを妨害しようとしている。朝鮮半島を制圧できないとなると、和平交渉を壊す可能性もある。少なくともそうした勢力がアメリカ支配層の内部にはいる。今回の米ロ首脳会談でプーチンはトランプに対し、米朝対話の継続を求めたと見られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807170000/


104. 中川隆[-13552] koaQ7Jey 2018年7月18日 16:49:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16786]
​2018.07.18
米ロ首脳会談後の記者会見で飛び出したクリントンへの献金話の背後に金塊略奪

 ドナルド・トランプ米大統領とウラジミル・プーチン露大統領がフィンランドのヘルシンキで7月16日に会談したが、その後の記者会見で​プーチン大統領から刺激的な話​が飛び出した。2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントン陣営へロシアで指名手配になっている人物から4億ドルの献金があったと明言したのである。


 その献金をした人物とされているのはヘルミテージ・キャピトルの共同創設者、ウィリアム・ブラウダー。シカゴ生まれだが、ボリス・エリツィンが大統領だった1990年代のロシアで巨万の富を築いた。外国人ではあるが、一種のオリガルヒ。2005年にロシアへの入国が禁止になった。

 ブラウダーは欠席裁判で2013年7月に脱税で懲役9年の判決を受けているが、その年にロシア当局が求めた逮捕令状をインターポールは拒否している。2017年10月にロシア当局はブラウダーを国際手配、アメリカ議会は反発し、インターポールはロシアの手配を拒否した。

 エリツィン時代のクレムリンが腐敗していたことは有名な話。オリガルヒの象徴的な存在だったボリス・ベレゾフスキーの暗部をフォーブス誌の編集者だったポール・クレブニコフが記事や著作で暴いた。マーガレット・サッチャー政権のときに名誉毀損の要件が緩和されたイギリスではベレゾフスキーに対する名誉毀損が認められたが、クレイブニコフの情報は信頼できると考えられ、問題になった彼の著作は今でも販売されている。

 ロシアの検察当局はアメリカの当局に対し、何人かの事情聴取を正式に申し入れた。話を聞きたい相手には2012年1月から14年2月までロシア駐在大使を務め、12年のロシア大統領選挙に対する工作を指揮したマイケル・マクフォール、NSAの職員でブラウダーと親しいトッド・ハイマン、アメリカにおけるブラウダーのハンドラーだとされているアレキサンダー・シュバーツマンが含まれている。そのほか、MI6の元オフィサーで「ロシアゲート」の発信源であるクリストファー・スティールからもロシア側は話を聞きたいとしている。

 スティールはMI6時代、ベレゾフスキーに雇われていたアレキサンダー・リトビネンコのケースオフィサーを務め、リトビネンコの死とロシアとの関係を主張していた。その後、2009年にオービス・ビジネス・インテリジェンスなる会社をMI6仲間と設立、17年にはチョートン・ホルディングスを共同創設した。このオービス・ビジネス・インテリジェンスをフュージョンなる会社が雇う。

 フュージョンを創設したひとりである​グレン・シンプソン​によると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。その夫であるブルース・オーは司法省の幹部。この夫とシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースが司法省のポストを失うと、フュージョンはスティールと結びついたのである。


 このフュージョンへトランプに関する調査を依頼して102万ドルを支払ったのが民主党の法律事務所であるパーキンス・コイ。この法律事務所はヒラリー・クリントンと民主党のために働いている。

 ブラウダーのスタッフにセルゲイ・マグニツキーなる人物がいた。2009年にロシアで取り調べられている最中に死亡している。西側ではロシアにおける2億3000万ドルの横領事件を告発した人物だとして英雄視されている人物だ。死亡した当時、すでにボスのブラウダーはロシアへ入ることが禁じられていた。

 スティールの報告書に基づいてアメリカ下院情報委員会でアダム・シッフ議員が2017年3月にロシアゲート事件の開幕を宣言する。この報告書が公表される前、その前のバージョンをジェームズ・コミーFBI長官(当時)へ渡したのがネオコンのジョン・マケイン上院議員だ。このスティールの報告書は根拠薄弱で説得力がなかった。シッフ議員たちロシア嫌いの人々はそれでもかまわなかったのだろう。

 ブラウダーはマグニツキーの死を利用して反ロシアの法律をアメリカで制定することに成功、宣伝映画を作ろうと決める。そこで監督として雇われた人物がプーチンに批判的なことで知られていたアンドレー・ネクラソフ。

 ところが、調査を進めたネクラソフはブラウダーの話が事実に反していることに気づいてしまう。不正を内部告発したのはブロウダーの会社で働いていた女性で、脱税はブロウダーが行っていたという事実を知ったのだ。しかも、その不正にマグニツキーは金庫番として関わっていたことも判明した。ネクラソフはその事実をドキュメンタリーの中に盛り込んだためにブロウダーと対立、作品を公開することが困難になっている。

 ヘルミテージ・キャピトルのもうひとりの創設者はエドモンド・サフラ。1991年にソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されている金塊2000トンから3000トンが400トンに減っていることが判明、ジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIA人脈とKGBの頭脳と言われたフィリップ・ボブコフたちが盗んだと見られている。その金塊横領でサフラの名前も出てくる。

 なお、この金塊の行方を追った金融調査会社のジュールズ・クロール・アソシエイツは不明だとしているが、この調査会社とCIAとの緊密な関係は有名だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807170001/


105. 中川隆[-13806] koaQ7Jey 2018年7月30日 20:38:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17383]

1992年にネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は世界制覇プロジェクトを始動させたが、結果として自らの首を絞めることになっている。1990年代にこの勢力はロシアを支配、略奪で巨万の富を手にしたが、その反動でロシア国民は反西側で団結した。2012年にアメリカはロシアを再び属国にすべくカラー革命を目論んだが、全く機能しなかった。

 中東では2003年にイラクを先制攻撃したものの傀儡政権を樹立できず、11年に始めたジハード傭兵を使った侵略もロシア軍の介入で失敗、クルドとの連携も思惑通りには進んでいない。その間、「同盟国」だったはずのトルコやカタールが離反している。

 2014年2月にウクライナの合法政権をネオ・ナチを使って倒したが、その結果、中国とロシアを接近させ、両国は戦略的同盟国になっている。その両国は現在、アメリカの支配システムを支えているドル体制を揺るがす存在だ。

 ドナルド・トランプの背後にいるヘンリー・キッシンジャーはロシアに接近、中国との関係にひびを入れようとしているように見える。

 1970年から72年にかけてキッシンジャーは中国との関係改善を実現、ソ連を孤立化させることに成功した。今は中国を孤立化させようとしているが、ロシアを離反させることは不可能だろう。今は韓国もロシアと中国に接近、朝鮮を巻き込んだ。

 ネオコンが描いた机上の空論に基づく世界制覇プロジェクトはアメリカの支配体制崩壊を早めているように見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807300000/


106. 中川隆[-13756] koaQ7Jey 2018年8月03日 06:30:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17476]
アメリカがロシアを侵略した頃(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/589.html
2018年8月 2日 マスコミに載らない海外記事


2018年7月18日 Jeff KLEIN Consorciumnews.com

 ヘルシンキでのトランプ-プーチン・サミットを巡る超党派の熱狂の中、アメリカ合州国での興奮した反ロシア言説が、最近まで、あり得ないと思われていたことを、あり得ることに変えている。ロシアとアメリカの間の危険な緊張は軍事衝突になりかねない。それは以前起きたことがある。

 1959年9月、冷戦中の短い雪解け時、ニキータ・フルシチョフが有名になったアメリカ合州国訪問をした。ロサンゼルスで、ソ連指導者がハリウッドの20世紀フォックス・スタジオでの昼食会に招待され、長く、とりとめのないやりとりの中で彼はこう言った。

“我々はアメリカに、それまで決して戦争をしかけたことが無かったのだから、あなた方のロシアへの武力介入は二国間の関係で起きたことの中でも最も不快なことだ。わが軍はアメリカ領土に脚を踏み入れたことがないのに、あなた方の軍隊はソ連領土に踏み込んだのだ。”

 フルシチョフによるこうした発言にアメリカ・マスコミは当時ほとんど触れなかった - 特に、広く報じられたディズニーランド訪問を許可されないことについての苦情と対照的に。しかし、たとえアメリカ人がフルシチョフ発言を読んでも、ソ連首相が一体何のことを言っているのか、ごく少数の人々にしか分からなかった可能性が高い。

 しかし、ソ連 - 現在のロシアで - 記憶はずっと強く残っている。ナポレオンからナチスに至るまで、外国による侵略の痛手は、1959年、ロシア国民の意識の中では、まだ記憶に新しかったのだ - 現代のロシアにおいても - 大半のアメリカ人には想像もできない形で。それが何よりも、ドイツ統一の交渉中、そうしないとアメリカが約束したにもかかわらず、1990年代、NATOがロシア国境まで拡張したことに対して、ロシア人がなぜあれほどひどく憤激した理由なのだ。

 フルシチョフが言及したアメリカ侵略は、一世紀前、10月革命後、それに続いたボリシェビキと反ボリシェビキ勢力間、赤軍対白系ロシア人の内戦中に起きた。ドイツとオーストリアが西部と南部ロシアの一部を占領し、連合国は1918年、ロシア北部と極東で軍事介入を開始した。

 イギリス、フランス、イタリア、日本とアメリカを含む連合国は、軍隊をロシアに派兵する様々な正当化を言い立てた。中央同盟国に対して戦うよう採用されていたチェコ軍団を“救出”するため。連合国の軍事備蓄を守り、ドイツの手中に落ちないようにすること。シベリア横断鉄道経由の通信確保。戦争の東部戦線再開。しかし本当の狙いは、当初は、公的にはまれにしか認められていなかったが、10月の出来事を逆転させ、より“受け入れやすい”ロシア政権を据えることだった。ウィンストン・チャーチルが後に言った通り 、狙いは“ボリシェビキの幼児をゆりかごの中で絞め殺す”ことだった。

シベリアに加え、アメリカは、イギリスとフランスの軍隊がロシア北部のアルハンゲリスクを、1918年9月4日に侵略するのに参加した。

 1918年7月、アメリカのウッドロー・ウィルソン大統領本人がタイプしたロシアにおけるアメリカの軍事行動に関する“覚書”が、8月始め、陸軍長官から、シベリアへと向かっていたアメリカ軍司令官ウィリアム・グレイブス将軍に手渡された。ウィルソンの文書は奇妙に曖昧で矛盾している。ロシア内政に対する外国の干渉は“容認できない”という主張で始まり、最終的に、アメリカ軍のシベリア派兵は“軍事干渉”とは見なさないと結論付けていた。

非干渉の干渉

 だがアメリカ介入は、1918年8月16日、アメリカ兵がウラジオストックに上陸して始まった。これは第27連隊と第31歩兵連隊で、アメリカが占領するフィリピン鎮定に関与していた正規軍部隊だ。最終的には、シベリアに約8,000人のアメリカ軍兵士が派兵された。

 彼の回想録から判断すると、グレイブス将軍は、彼に対する曖昧な指示が示唆していることと、シベリア現地の現状がいかに異なっているかに当惑した。一つには、チェコ軍は救出を必要としていなかった。1918年の夏までに、彼らは易々とウラジオストックと、千マイルのシベリア横断鉄道を支配した。

 その後一年半、どこから見ても誠実で非政治的な専門軍人のグレイブス将軍はシベリアにおける彼の義務を理解し、遂行すべく奮闘した。彼はウィルソン覚書が、ロシア内政への非干渉を厳格に命じているという文字通りの解釈に頑固に執着し、アメリカ国務省や同僚の連合国司令官たちをいらだたせたように見える。将軍はそれで他の誰もが、こうした指示を理解する“目配せ”を理解できなかったようだ。

 グレイブスはシベリアを支配しようと戦っている様々なロシア人派閥の中で“中立性”を維持し、鉄道の防衛と連合国の軍用品保護という自分の任務に集中するよう努力した。しかし彼は“赤軍”のものと同様、“白軍”の残虐行為も報告し、日本が支援する東シベリアの様々な軍閥に対する嫌悪をあらわし、後に、反ボリシェビキ勢力の現地住民による支持の低さや無能さや見通しの暗さを懐疑的(で正しく)評価をするほど分別があった。

 彼にとって面倒なのは、ばかげたことに、彼の回想録刊行も一因となった非難で、将軍はボリシェビキ同調者かも知れないとほのめかされたのだ。

 ロシア内の“適切な”人々をもっと積極的に支援するようという国務省幹部や他の連合国の司令官たちによるいじめにあい、グレイブスは、ワシントンの上司たちに、彼に対する元々の政治的非干渉という指示が変更されるのかどうか、再三問い合わせた。もちろん、いかなる異なる政策を書面にしようとする者は皆無で、将軍は“中立性”を維持するべく苦闘した。

 しかしながら、1919年春・夏、西シベリアの都市オムスクを拠点とする“最高執政官”アレクサンドル・コルチャーク中将の白軍政権に対する公然の軍事支援で、他の連合国とともにアメリカも加わった。当初これは、赤十字により個別に行われていたが、後にライフル銃の有蓋車を含めその安全な配送をグレイブスが監督するよう指示された軍用品の直接出荷という形になった。

内政干渉

 しかし、コルチャークが勝利する見込みは間もなく薄れ、シベリア白軍には勝ち目がないことが明らかになった。1919年末、アメリカ軍撤退の決定がなされ、グレイブス将軍と最後の幕僚が、1920年4月1日にウラジオストックを去った。

 結局ロシア侵略中、174人のアメリカ兵が死亡した。(ソ連は1922年12月28日に成立した。)

 興味深いことに、シベリアからのアメリカ軍撤退するようにという圧力は、うんざりした兵士たちや、ヨーロッパでの戦争が終わった後も延々と軍隊の海外派兵継続をすることに反対の銃後の世論から来た。ロシアへの干渉にかかわる議会討論で、ある上院議員が、彼らを帰国させるという主張を裏付けるためアメリカ兵士の手紙の抜粋を読み上げたことは注目に値する。

 そして、後のアメリカの外国干渉と同様、自分たちが解放するはずの人々に対する兵士の評価は低かった。1919年7月28日、バイカル湖南岸のヴェルフネウジンスク、現在のウラン・ウデの基地から彼らの一人が国に手紙を書いていた。

ロシア侵略中のアメリカ兵士の手紙

 “シベリアでの暮らしは、ワクワクするように聞こえるかも知れないが、そうではない。数カ月なら良いが、今はもう家に帰りたい... ここの人々を私がどう思うか知りたいだろう? 教えてあげよう。彼らは到底人とは呼べず、ある種の獣だ。連中は私が見た中で一番無知だ。そう、彼らが話す際、腹を立てていなければ、彼らの言葉はわかる。連中は腹を立てると、連中の言葉をペラペラしゃべる。この連中の野望は一つしかなく、となりのやつより余計ウォッカを飲むことだ。”

 国務省や一部のエリートの意見を除いて、アメリカの干渉は決して好評ではなかった。今ではある歴史学者が書いている通り“米軍歩兵ロシアに派兵されたのには多くの理由があったかも知れないが、なぜ駐留したかの理由はただ一つだ。一体誰がこの国を統治するか見ようとして内戦に干渉した。”ことが良く知られている。

 1920年以後、グレイブス将軍が“シベリアでのアメリカの危険な冒険”と呼んだものの記憶は、すぐに世間から忘れ去られた。アメリカ国民は歴史的健忘症で悪名が高く、似たような危険な軍事的冒険が、以来何年にもわたり、何度となく繰り返されている。

 我々は世代毎に、軍事介入の危険さと、グレイブス将軍が主張した単純な真実を気付かされることが必要かも知れないように思える。

“あれやこれやの派閥を権力の座につける狙いで、外国人が自分の国に軍隊を派兵するのを不快に思わない国は地球上に存在しない。その結果、介入をした外国の威信が傷つくだけでなく、外国人が支援しようとした派閥にとっても大きな不利になる。”

 グレイブス将軍は、1918年のシベリアについて書いているが、1960年代のベトナムや、現在のアフガニスタンやシリアにも当てはまる。あるいは現在のロシア国境に配備された約30,000人のNATO軍兵士に対する警告にもなる。

 Jeff Kleinは、引退した元労働組合委員長で、国際問題、特に中東について良く書いている。葉書と兵士の手紙は彼の個人的コレクション。

記事原文のurl:https://consortiumnews.com/2018/07/18/when-the-u-s-invaded-russia/


107. 中川隆[-13794] koaQ7Jey 2018年8月03日 10:38:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17518]
2018.08.03 米露首脳会談


 この会談に何らかの成果を期待することはできないと開催前に言われていました。実際、何らかの重要な合意に達することはなかったのですが、プーチン露大統領はショッキングなことを口にしました。2016年のアメリカ大統領選挙で、ロシアで指名手配になっている人物から4億ドルの献金がヒラリー・クリントン陣営へあったと明言したのです。

 その直後、タス通信は4億ドルでなく40万ドルだったと「訂正」しました。勿論、プーチンが言い間違えた可能性はありますが、百戦錬磨の政治家がこれほど重要な数字を間違える確率は小さいのではないでしょうか?

 その献金を出した人物としてウィリアム・ブラウダーという人物の名前が挙がっています。シカゴでアメリカ人として生まれ、ボリス・エリツィン時代にロシアで巨万の富を築いた人物で、一種のオリガルヒです。

 エリツィン時代のロシアでは腐敗したクレムリンの住人と組んだ一部の人々が国民の資産を略奪して巨万の富を築いています。勿論、その背後にいた西側の富豪たちも大儲けしました。ソ連消滅からエリツィン時代まで腐敗の中心にいたのがCIAとKGBの大物たちだったとも言われています。

 ソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されている金塊2000トンから3000トンが400トンに減っていると発表されましたが、これはそうした米露の腐敗勢力が盗んだ可能性が高く、その勢力の中にブラウダーも含まれていたと考えられています。

 ブラウダーも金塊の処分に加担しただけでなく、個人的に脱税していたと見られています。そのブラウダーの会計責任者でマネーロンダリングを行っていた疑いが濃厚な人物がセルゲイ・マグニツキー。心臓が悪く、ロシア当局の取調を受けている最中に死亡しました。それを根拠にアメリカでは反ロシア法(マグニツキー法)を成立させたのですが、もしマグニツキーがマネーロンダリングの実態を証言したなら、アメリカだけでなくロシアも大騒動になり、ロシアの「第五列」が壊滅する可能性もあったでしょう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808030000/


108. 中川隆[-13830] koaQ7Jey 2018年8月12日 07:16:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17851] 報告
2018.08.12
中国、ロシア、イラン、トルコなどに経済戦争を仕掛けるアメリカの苦境



 アメリカ政府はロシアに対する「経済制裁」を宣言、これに対してロシア政府は「経済戦争の布告」だと批判、報復する意思を示した。今年(2018年)3月4日に元GRU(ロシア軍の情報機関)大佐のセルゲイ・スクリパリとその娘のユリアがロシアの政府機関にノビチョク(初心者)という化学兵器で攻撃された報復だとしている。

 この話を最初に主張したのはイギリスのテレサ・メイ政権だが、主張を裏付ける証拠は示されていない。つまり説得力がない。日本にはアメリカ支配層の流す情報を全て「事実」だとして垂れ流す人もいるが、フランスのエマニュエル・マクロン大統領でさえ、当初は攻撃とロシアを結びつける証拠が欲しいと発言、同大統領のスポークスパーソンは「おとぎ話的な政治」は行わないとメイ首相の言動を批判していた。

 イギリス議会では労働党のジェレミー・コービン党首がメイ首相に対し、主張を裏付ける証拠を示すように求めたが、保守党だけでなく労働党の議員から罵倒されていた。それがイギリスの現状だ。

 化学兵器について研究しているイギリスの機関、​DSTL(国防科学技術研究所)のチーフ・イグゼクティブであるゲイリー・エイケンヘッドは、スクリパリ親子のケースで使われた神経ガスがロシアで製造されたものだとは特定できなかったと語っている​。元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マリーも同じ話をDSTLの情報源から聞いたと早い段階から語っていた。


 ノビチョクは1971年から93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経物質の総称で、ロシアで使われることはなかったと言われている。それをメイ政権が口にしたのは「ロシア」を強調したかったからだと見られている。

 この化学兵器の毒性はVXガスの10倍だと言われている。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムだとさているので、単純に考えるとノビチョクは1ミリグラム。ユリアの場合、さらに少ない量ということになるが、4月9日に退院、彼女の映像をロイターが配信した。(​記事​、​映像​)

 その後、父親も退院したとされているが、状況は不明。ユリアへの取材も厳しく制限されている。この親子は保護されているのではなく、拉致され、軟禁状態にあるのではないかと推測する人もいるほどだ。

 スクリパリの話が荒唐無稽であることは、当然、アメリカ政府も知っている。嘘がばれていることも認識しているはずだ。が、そうしたことはドナルド・トランプ政権にとってはどうでもいいこと。ロシアに経済戦争を仕掛けることが重要なのである。

 すでにアメリカは中国に対する経済戦争を開始、イランやトルコも経済的に攻撃されている。アメリカの権力層が世界を支配するシステムに楯突く国々との戦争を始めているとも言える。

 すでにアメリカはジョージアを使った南オセチアへの奇襲攻撃でロシア軍に惨敗、シリアではバシャール・アル・アサド体制を倒すために送り込んだジハード傭兵がロシア軍によって駆逐されてしまった。その間、ロシア軍が保有する兵器がアメリカの兵器を上回る性能を持っていることが判明している。そして始まったのが経済戦争。

 アメリカはこれまで軍事力とドル体制で世界に君臨してきたが、軍事力の優位は揺らいでいる。基軸通貨として認められているドルを発行する特権が残された支配の仕組み。ドル体制を受け入れている国なら通貨戦争を仕掛けて潰すことは難しくないのだが、すでにドル離れは始まっている。アメリカの破壊されたイラクやリビアはそうした国だった。

 このドル体制を守る重要な仕組みのひとつがペトロダラー。サウジアラビアをはじめとする産油国に石油取引の決済をドルに限定させ、そうした国々に集まったドルをアメリカへ財務省証券や高額兵器の購入といった形で還流させるというもの。トランプ政権がサウジアラビアを重視する理由はそこにあり、イランを敵視する政策につながる。

 また、現在、ドル離れの震源地は中国とロシアである。ロシアは世界有数の産油国であり、この国を完全に制圧してエネルギー資源を支配できれば、中東をさほど気にする必要がなくなる。歴史的にロシアを支配できれば世界を支配できるという考え方がアングロ・サクソンにはあり、そうしたこともロシア攻撃に影響しているだろう。

 イラン、中国、ロシア、そしてこの3カ国に近づいたトルコにアメリカ政府が経済戦争を仕掛けたのは必然なのだが、中国の対米輸出の相当部分はアメリカ系企業によるもの。創始が企業にアメリカへ戻れと言っているのかもしれないが、ネオコンによって社会基盤を破壊されたアメリカへ企業が戻っても機能しそうにない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808120000/

109. 中川隆[-13811] koaQ7Jey 2018年8月14日 11:42:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17878] 報告

2018.08.14
ロシアが4月に続いて5月もアメリカの財務省証券を大量に売却、ドル離れを加速



 ロシア政府のドル離れ政策が進んでいる。同国の金融大臣はドルを貿易の決済に使うことは危険だとし、石油の取引にドルは使わないと発言したのもその一例。ロシアとトルコの関係は緊密になってきたが、両国の貿易も決済にドルを使わないとしている。トルコはロシアだけでなく、中国、イラン、ウクライナなどともドル以外の通貨で決済する準備をしているとレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は発言した。こうしたドル離れはすでにロシアや中国を中心に始まっていたが、それが加速する可能性がある。

 ロシア政府はアメリカの財務省証券を処分している。​今年(2018年)3月にロシアが保有していた総額は961億ドルだったが、4月には487億ドル、5月には149億ドルへ減少​、上位保有国のリストから消えた。ロシア政府が買い戻す可能性は小さいと見られている。


 ドル決済を受け入れている国がアメリカからの経済攻撃に脆弱であることは言うまでもなく、ドル離れは合理的な判断。そういう流れになるとアメリカは厳しい状況に陥る。現在のドルを中心とする通貨システムが崩れるとドルを発行して物を買うという錬金術が機能しなくなり、アメリカは財政赤字に押しつぶされてしまうだろう。生活に必要な物を買うことができなくなり、現在のような侵略戦争を続けることも不可能になる。

 こうした展開になることを避けるため、つまりドル体制を維持するため、アメリカ支配層にはふたつの戦略を同時並行的に進めている。世界有数のエネルギー資源国であり、アメリカに対抗できる軍事力を持つロシアを再属国化するか、ドル体制を維持する中心的な仕組みであるペトロダラーを守る(サウジアラビアを守る)ということである。

 2014年にネオコンはロシアを弱体化するため、ウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行したが、これはロシアを中国へ接近させることになり、現在、ロシアと中国は戦略的な同盟国だ。ネオコンが行った力尽くの政策が裏目に出たわけである。

 ロシア政府はアメリカの財務省証券を売り始める前の月、3月からアメリカに対して厳しい姿勢を見せている。例えば、ロシア参謀本部は3月17日、​アメリカ海軍が艦隊を紅海、地中海、そしてペルシャ湾に配置、シリアを攻撃する準備が整えられたと警告​、同じ日にセルゲイ・ラブロフ露外相はアメリカ、イギリス、フランスを含む国々の特殊部隊がシリア国内へ侵入、すでに「代理戦争」の段階ではなくなっていると語った。アメリカなどはこうした主張を否定したようだが、2011年3月にシリアへの侵略が始まった直後から西側諸国は特殊部隊を潜入させていると言われている。


 その直前、​3月1日にウラジミル・プーチン露大統領はアメリカとその同盟国がロシアやその友好国に対して存亡の機を招くような攻撃を受けたなら反撃するとロシア連邦議会で演説​している。ウクライナの東部やクリミア、シリア、イランなど攻撃すればロシア軍との戦争になるという警告だ。

 その演説でプーチンは反撃用の兵器をいくつか紹介した。原子力推進の低空で飛行するステルス・ミサイル、海底1万メートルを時速185キロメートルで航行して射程距離は1万キロに達する遠隔操作が可能な水中ドローン、2000キロメートルの距離をマッハ10で飛行して正確に目標を捉えられるミサイルのキンザル、マッハ20で飛行する大陸間ミサイルRS-26ルビエシュだ。レーザー兵器の存在も明らかにした。ロシアの反撃をアメリカの防空システムは阻止できず、アメリカ本土も安全ではないことを示したのである。


 マティス国防長官は3月10日、プーチン大統領が語った兵器の実戦配備は何年も先だと主張したが、その日にロシアはミグ31がキンザルを発射する映像を公表している。このミサイルは昨年12月に発射実験を成功させていると言われ、これが事実ならアメリカを含む西側の軍や情報機関はその時点である程度の性能を把握していただろう。そしてアメリカの財務省証券を売り始めた。

 今後、アメリカの置かれた状況はさらに悪化する可能性が高く、アメリカ支配層に従属することで自分の地位と収入を維持している日本の「パワー・エリート」たちは危機感を持っているだろう。弱体化した権力者は統制を強め、暴力的に被支配者を弾圧する。自分たちに刃向かう者には容赦しないだろう。安倍晋三政権は焦っているはずだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808140000/

110. 中川隆[-13760] koaQ7Jey 2018年8月18日 12:12:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17917] 報告

2018年8月18日
アングル:ルーブル安が国民の財布直撃、プーチン人気揺るがず

[モスクワ 14日 ロイター] - グラフィックデザイナーのアレクセイ・ニコラエフさん(56)は、ロシアの通貨ルーブルの下落による負担を覚悟している。海外旅行先では購買力が落ち、好きな輸入ワインの値段は上がり、財布のひもを締める必要が出るだろう。

しかし、3月の大統領選でプーチン氏に投票した5600万人の1人である彼は、大統領にその責任があるとは思っていない。

米国がロシアに追加制裁を加えたことを主因として、ルーブルは7月末からドルに対して10%下落した。「辛いし不愉快だが、これで私の政治信条は変わらない。奇妙に聞こえるかもしれないが、かえって確信は強まった。やつら(西側)はロシアを崩壊させようとしている」とニコラエフさんは言う。

世論調査機関レバダ・センターの社会学者、ステパン・ゴンチャロフ氏によると、ニコラエフさんのような考え方はロシア国民に広く共有されている。

「国民はルーブル安の背景をよく理解していないし、大統領は伝統的に批判を受けない」という。

通貨安は西側の陰謀、というストーリーは、通貨リラが過去最低水準に下がったトルコとまったく同じだ。トルコのエルドアン大統領は、同国が経済戦争を仕掛けられていると訴え、国民に米国製品の不買を呼び掛けた。

ルーブル安の影響は既に、一部に出ている。ロシア旅行産業同盟の広報担当、イリナ・トゥリナ氏は、通貨変動によってパック旅行の需要が先週10─15%減少したと説明する。

同氏によると、旅行代金をまだ全額支払っていなかった顧客は、為替レートの変動によって料金が上がることを恐れ、慌てて残りを支払っている。「まだパック旅行を購入していない人々も、再考を迫られている」という。

<楽観ムード>

にもかかわらず、現時点の状況証拠から察する限り、多くのロシア国民は平然としてるばかりか、挑戦的とも言える姿勢だ。

外務省報道官は先週、対ロシア制裁は同国のウクライナやシリアでの行動とは無関係であり、米国が経済上のライバル国を蹴落とす必要に駆られてやったことだ、と述べた。


長年にわたって国営テレビや大統領府の反西洋的な言論を聞きなれてきた多くの国民の耳に、報道官の言葉はすんなりと受け入れられる。

過去にもっとひどいルーブル安を経験していることからも、一部の国民は今回の下落に驚かず、楽観している。

モスクワに住むゲンナジー・ツルカンさんは「何事も永遠には続かない。物事はうつろうものだ」と、通貨安を意に介していない。

ロシアによるウクライナのクリミア半島併合と経済悪化の影響が重なった2014年の通貨危機の方が、今回よりよほど深刻だった。

当時に比べると、ロシア経済はルーブルの相場変動によってはるかに影響を受けにくくなっている。14年以降、ロシア企業は対外債務を削り、国は西側の債券市場での調達所要額を減らし、ドル建てで決済される品目の輸入も減った。

プーチン大統領の支持率は、なお高水準とはいえここ数カ月でやや低下したが、世論調査会社によると、それもルーブル安ではなく不人気な年金改革案が原因とみられている。


グラフィックデザイナーのニコラエフ氏は「飲むワインの種類を変えたり、買う靴を2足から1足に減らさなければならないかもしれない。辛いのは辛いが、大したことはない」と達観している。

(Andrew Osborn記者)

111. 中川隆[-13638] koaQ7Jey 2018年9月04日 07:17:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18214] 報告

2018.09.04
ドンバスをキエフ政権に制圧させるため、米国が武器の供給を拡大へ



 ​アメリカ政府はキエフ政権に対する武器の供給を拡大し、海軍と空軍を強化する準備を進めている​という。これはアメリカ政府のウクライナ担当特使、カート・ボルカーがイギリスのガーディアン紙に語っている。脅しのつもりなのだろう。


 この記事が掲載される前日、2018年8月31日にキエフ政権と対立しているドンバスの政権を率いるアレクサンダー・ザカルチェンコがレストランで暗殺されている。内部に仕掛けられた爆弾によるもので、副首相も重傷を負ったという。

 キエフ政権は現在、ペトロ・ポロシェンコが大統領を務めているが、実態はネオ・ナチの体制。2014年2月22日にバラク・オバマ政権の支援を受けたネオ・ナチのグループはビクトル・ヤヌコビッチ大統領をクーデターで排除することに成功、それ以来のことだ。

 ネオ・ナチのリーダー、アンドリー・パルビーはウクライナ社会国家党(後にスボボダ/自由へ改名)とウクライナ愛国者党を作り上げた人物で、2016年から国会の議長を務め、今年6月にはフランスとアメリカを訪問した。アメリカの議会は親イスラエル派で有名だが、その議会はパルビーを歓待、下院議長のポール・ライアンなどと私的に会談している。社会国家党はナチスの正式名称、国家社会主義ドイツ労働者党を連想させるので改めたと言われている。

 アメリカ支配層はパルビーがネオ・ナチだという指摘に対し、ロシアのプロパガンダだと主張、それで押し切ろうとしてきたが、パルビーたちがステファン・バンデラの信奉者であり、ナチが使っていたマークに似たマークを使用してきたことも秘密ではない。

 ステファン・バンデラは1930年代後半から活動していた反ロシア派OUNのリーダーで、この一派はイギリスの対外情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーに雇われていた。

 ウクライナがドイツに占領されていた時代、彼らは「汚い仕事」を引き受け、ユダヤ人90万名が行方不明になった出来事に関与していると言われている。1941年以降、バンデラ派はドイツから資金を受け取り、その幹部だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入った。

 その後、ウクライナの民族主義者が独立を宣言するとナチスの親衛隊は弾圧に乗り出し、バンデラたちも逮捕されるが、ザクセンハウゼンの強制収容所では特別待遇を受けている。その間、レベジは拘束されていない。

 1943年になるとバンデラ派はUPA(ウクライナ反乱軍)を編成、反ボルシェビキ戦線を設立した。この組織は大戦後の1946年にABN(反ボルシェビキ国家連合)となり、APACL(アジア人民反共連盟、後にアジア太平洋反共連盟に改名)とともにWACL(世界反共連盟。1991年にWLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更)の母体になる。言うまでもなく、1991年はソ連が消滅した年だ。こうした動きの背後にはCIAが存在していた。ソ連消滅後、こうした人脈は旧ソ連圏へ入り、活動を始める。

 こうした流れの中でパルビーたちも暗躍、2014年のクーデターを成功させた。ウクライナのネオ・ナチへイスラエルが武器を提供していたことも判明している。

 ところで、ウクライナの大統領を務めているペトロ・ポロシェンコは国立キエフ大学を卒業しているのだが、そこで親しくなったひとりが2004年から13年にかけてジョージアの大統領を務めたミハイル・サーカシビリ。

 このサーカシビリは1994年にコロンビア・ロー・スクールで学び、翌年にはジョージ・ワシントン大学ロー・スクールに通っている。その後、ニューヨークの法律事務所パターソン・ベルクナップ・ウェッブ・アンド・タイラーで働き、そこでエドゥアルド・シェワルナゼの下で働いていた旧友に誘われて政界入りしたという。

 2000年10月にサーカシビリはシェワルナゼ政権の司法大臣に就任するが、すぐに辞任し、01年10月にUNM(統一国民運動)を創設する。2003年11月の議会選挙ではシェワルナゼの政党が勝利するのだが、サーカシビリは選挙に不正があったと主張、混乱がはじまる。

 選挙前、ジョージアでは選挙の信頼度を上げるためだとして投票のコンピュータ化を進める。そのための資金、150万ドルを提供したのはCIAの資金を扱っているUSAID。アメリカ大使として2002年からジョージアにいたリチャード・マイルズはサーカシビリ支持の若者を扇動してシェワルナゼを辞任に追い込み、サーカシビリが実権を握る。これが「バラ革命」だ。ちなみに、マイルズはジョージアへ来る前、ユーゴスラビアで政権を転覆させている。

 その後、ウクライナではビクトル・ヤヌコビッチを排除するため、2004年11月から05年1月にかけてオレンジ革命が実行されるが、その正体が西側の巨大資本とその手先による国民の富の略奪にすぎないことが判明、2010年に再びヤヌコビッチが大統領に選ばれる。そこで、今度はネオ・ナチを使ったクーデターを実行したわけだ。

 しかし、ヤヌコビッチの支持基盤、つまりウクライナの東部や南部ではキエフのクーデター体制に対する反発は強く、迅速に動いたクリミアはウクライナから離脱することい成功、ドンバスでは今も戦闘が続いている。そのドンバスに対し、アメリカは軍事的に恫喝した。ドンバスのリーダーを殺したのはキエフ政権だと推測する人は少なくない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809040000/

112. 中川隆[-13654] koaQ7Jey 2018年9月10日 05:39:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18412] 報告

2018.09.10
国内のファシズム化と国外での侵略戦争の引き金になった9/11(その1)


 今から17年前の9月11日、ニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アリーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された。この衝撃的な出来事を目にして冷戦な判断ができなくなった人は少なくない。

 そうした雰囲気の中、ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査を始める前に「アル・カイダ」が実行したと宣言、反イスラムの雰囲気を広めて中東を軍事侵略する態勢が整えられていく。国内では「治安」を名目としたファシズム化が進められた。


 この攻撃は支配層が1980年代の前半、ロナルド・レーガン政権から始められた計画を始動させる役割を果たすことになる。その計画とは国内のファシズム化と国外での侵略戦争。

 アメリカではソ連に対する先制核攻撃計画が作成された1950年代から緊急時に地下政府を編成することになっていた。世紀の政府が機能不全になった場合を想定、「アイゼンハワー10」と呼ばれる人びとで構成される地下政府へ権限を委譲することになっていた。その延長線上にFEMA、そしてCOGがある。COGは政府の存続を目的とした計画で、レーガン大統領が1982年に出したNSDD(国家安全保障決定指令)55で承認された。(Andrew Cockburn, “Rumsfeld”, Scribner, 2007)

 当初、COGは核戦争を前提にしていたのだが、1988年に出された大統領令12656によってその対象は「国家安全保障上の緊急事態」に変更され、核戦争が勃発しなくても、支配階級が国家安全保障上の緊急事態だと判断すれば憲法の機能を停止できるようになる。

 本ブログでも指摘したように、1980年代にソ連ではCIA人脈とKGBの中枢が手を組んで国家乗っ取りを目論んだ。1985年3月に心臓病で死亡したコンスタンチン・チェルネンコを引き継いだミハイル・ゴルバチョフがクーデターの環境を作り、ボリス・エリツィンが黒幕たちの命令にしたがってソ連を消滅させたのだ。これがいわゆるハンマー作戦。

 ソ連は1991年12月に消滅、アメリカやイギリスをはじめとする西側諸国の好戦派は自分たちが冷戦に勝利したと考え、ネオコンを中心に世界制覇の野望を一気に達成しようとする。

 そこで、リチャード・チェイニー国防長官やポール・ウォルフォウィッツ国防次官のネオコン・ラインが動き、1992年2月に世界制覇計画を国防総省のDPG草案として作成した。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。1990年代以降のアメリカを理解するためには、このドクトリンを知る必要がある。

 そのウォルフォウィッツはソ連でクーデター騒動があり、ゴルバチョフが失脚してエリツィンが実権を握る1991年の夏頃、イラク、シリア、イランを殲滅すると発言したという。この話は2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が語っている。(​3月​、​10月​)

 ソ連を消滅させ、ロシアや旧ソ連圏を属国化することに成功したと判断したアメリカ支配層は次のターゲットを経済的に成長著しい中国に定める。それが東アジア重視。さらに、ヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が潜在的ライバルとして挙げられ、その他の国々も破壊の対象になる。

 このCOGとウォルフォウィッツ・ドクトリンを始動させたのが2001年9月11日の攻撃だった。ネオコンが担ぐジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した年。絶妙のタイミングだ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809100000/

113. 中川隆[-13650] koaQ7Jey 2018年9月10日 12:44:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18415] 報告
2018.09.10
国内のファシズム化と国外での侵略戦争の引き金になった9/11(その2)



 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、9/11から10日ほどのち、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランだ。1991年にウォルフォウィッツが口にした3カ国のほか、天然ガス開発とパレスチナ問題が絡むイスラエルの隣国であるレバノン、ドル体制から離脱してアフリカを自立させようとしていたリビア、インド洋と地中海をつなぐ紅海の出入り口にあるソマリア、資源の宝庫スーダンがターゲットに加えられている。


 また、攻撃から数週間後、ブッシュ・ジュニア大統領はNSAに対して令状なしで通話を傍受、記録することを許可した。形骸化しているFISC(外国情報監視法廷)のチェックすら受ける必要がなくなったわけである。2017年の段階でNSAは1日あたり25兆件の通信を傍受、記録していると推測されている。(George W. Grundy, “Death of a Nation,” Skyhorse, 2017)

 ブッシュ・ジュニア政権は攻撃の直後に「アル・カイダ」の犯行だと断定したが、「アル・カイダ」を率いているとされたオサマ・ビン・ラディンはその攻撃に自分たちは関与していないと主張、9月16日にはカタールのテレビ局、アル・ジャジーラに送った声明の中で、やはり自分たちが実行したのではないとしている。その後、オサマ・ビン・ラディンが犯行を認めているとする映像が流されるものの、画像が不鮮明で、怪しげな代物だ。発言内容を西側の有力メディアが「誤訳」しているとも指摘されている。

 アル・カイダはCIAがアフガニスタンでソ連軍と戦わせるために訓練した戦闘員の登録リスト。そのリストに登録してある人物が率いる武装グループは存在するが、アル・カイダという武装組織は存在しない。これは本ブログでも繰り返し説明してきた。

 アメリカでアル・カイダという仕組みを作り上げたのはジミー・カーター政権で国家安全保障補佐官を務めたズビグネフ・ブレジンスキー。1970年代終盤のことだ。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込み、疲弊させるという秘密計画で、その計画をカーター大統領は1979年7月に追認している。ソ連軍がアフガニスタンへ入ったのはその年の12月。ソ連軍が撤退したのは1989年2月のことだった。

 アフガニスタンを支配するため、CIAは1994年にパキスタンの情報機関ISIの協力を受けて「タリバーン」を組織した。この武装組織は1996年9月に首都のカブールを制圧、その際にムハンマド・ナジブラー大統領を惨殺している。この年、オサマ・ビン・ラビンがアフガニスタンに入ったという。

 当初、タリバーンとアメリカ支配層との関係は良好で、タリバーンのロビイストを務めていたのはリチャード・ヘルムズ元CIA長官の義理の姪にあたるライリ・ヘルムズ。アメリカの支配層はタリバーンを自分たちの傀儡政権にできると考えていたのだろう。

 タリバーン政権下のアフガニスタンに最も深く食い込んでいた石油会社はアメリカ系のUNOCAL(かつてのユニオン石油カリフォルニア)だが、1996年11月、タリバーン政権はTAPIパイプラインの敷設計画でUNOCALでなくアルゼンチンのブリダスを選んでしまう。翌月、パキスタンの外務大臣がカブールを訪問してUNOCALの要求を飲むように求めるが、明確な返答はなかった。

 アメリカのビル・クリントン政権は1997年から中央アジアのウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタンの軍隊と演習を開始してタリバーン政権を威嚇、アメリカ軍派遣の準備に着手した。ウズベキスタンとはタリバーンに対する秘密統合作戦を始めている。

 この翌年、タリバーン政権を攻撃する口実になる出来事が引き起こされた。8月7日にケニアのナイロビとタンザニアのダル・エス・サラームのアメリカ大使館が爆破されたのだ。アメリカ政府はオサマ・ビン・ラディンの命令で実行されたと断定、ビン・ラディンを保護していたタリバン政権とのパイプラインに関する交渉を停止、この月の20日にアメリカ軍はアフガニスタンとスーダンを巡航ミサイルで攻撃している。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809100001/

114. 中川隆[-13648] koaQ7Jey 2018年9月11日 07:43:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18430] 報告

2018.09.11
国内のファシズム化と国外での侵略戦争の引き金になった9/11(その3)



 アメリカでは2000年に大統領選挙があった。事実上、共和党のジョージ・W・ブッシュと民主党のアル・ゴアの対決だが、この選挙では「選挙監視員」による投票妨害や投票機械への疑惑が報告されている。


 旧式の機械やバタフライ型投票用紙で投票が正確にカウントされていない可能性が指摘され、出口調査と公式発表との差も疑惑を呼んだのだが、2016年の大統領選挙では投票の電子化が進み、投票操作は容易になったと事前に指摘されていた。その操作をすると疑われていたのは支配層が次期大統領に内定していたヒラリー・クリントンだ。

 しかし、この投票疑惑より深刻な疑惑がある。選挙キャンペーンの前に行われた人気調査では、このふたりでなくジョン・F・ケネディ・ジュニア、つまり1963年11月にテキサス州ダラスで暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の息子がトップだった。

 本人は出馬の意志を示していなかったが、1999年前半に実施された支持率の世論調査ではブッシュとゴアをケネディ・ジュニアは5ポイントほどリードしていたのだ。もし、JFKジュニアが出馬するならば2大政党以外の候補が大統領に選ばれる可能性があった。

 勿論、そうした展開にはならなかった。1999年7月16日、ケネディ・ジュニアが操縦する単発のパイパー・サラトガが墜落、同乗していた妻のキャロラインとその姉、ローレン・ベッセッテとともに死亡したのである。

 ニュージャージー州のエセックス郡空港を飛び立ち、目的地であるマサチューセッツ州マーサズ・ビンヤード島へあと約12キロメートルの地点で、パイパー機は自動操縦で飛んでいた可能性が高く、操縦ミスは考えにくい。墜落の3週間前、ケネディは左足首をけがしていたので、副操縦士を乗せていたはずだとする話も伝えられていた。実際、7月上旬にカナダまで飛んだときには副操縦士を同乗させていたという。

 また、墜落した飛行機にはボイス・レコーダーが搭載されていて、音声に反応して動く仕掛けになっていた。直前の5分間を記録できるのだが、その装置には何も記録されていなかったという。緊急時に位置を通報するELTを搭載していたにもかかわらず、墜落から発見までに5日間を要しているのも不思議な話だ。ともかく、ジョン・F・ケネディ・ジュニアは2000年の大統領選挙に出馬することはできなくなった。

 そして2001年9月11日の攻撃。「国家安全保障上の緊急事態」の発生だ。それを理由にして作られた340ページを超す「愛国者法(テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化する2001年法)」がその年の10月26日に発効、アメリカ憲法は機能を停止した。

 大半の議員は法案を読まずに賛成しているが、中には疑問を持つ人物もいた。トム・ダシュル上院議員とパトリック・リーヒー上院議員だが、ふたりには炭疽菌で汚染された手紙が送られている。その出来事があってから、両議員は法案に反対するのをやめてしまった。

 当初、イスラム過激派の犯行であるかのように伝えられたが、菌の出所がメリーランド州にあるアメリカ陸軍のフォート・デトリックだということが突き止められた後、2008年8月にFBIはブルース・アイビンスという細菌学者の名前を出してくる。その8日後にアイビンスは「自殺」、裁判で事実が検証されることはなかった。

 ジーン・キャロル・デュリーなる女性の証言からアイビンスは精神的に不安定だったとされているのだが、かつての同僚たちはそうした主張を否定している。リーヒー上院議員もFBIの説明を信じていない。

 9/11にはさまざまな疑惑が指摘されている。まず南北タワーの崩壊が不自然。あのような崩壊は人為的に行わなければ不可能だろう。攻撃されていない7号館が崩壊した謎はさらに深い。7号館にはいくつかの政府機関が入っていて、エンロン倒産や国防総省の巨額の使途不明金問題を追及するための資料も消えた。

 両タワーは通常のビルより頑丈に作られていたと言われている。ノースタワーは1993年2月に地下2階の駐車場が爆破され、4階層に渡って幅30mの穴があいているのだが、ビル自体は問題がなかった。

 この事件を受けて警備が強化されるが、そこに治安コンサルタント会社のクロル・アソシエイツが関係する。この会社はCIAやイスラエルの情報機関モサドと緊密な関係にあり、ウォール街のCIAとも呼ばれてきた。この会社が新しい治安システムの設計や建設のためんだとして連れてきた会社はずれもサウジアラビアと関係が深い。また1994年から2000年にかけてWTCのエレベーター・システムが改造されている。(George W. Grundy, “Death of a Nation,” Skyhorse, 2017)

 世界貿易センターの3ビルは爆破解体のように崩壊した。爆破解体なら大がかりな作業が事前に必要だと言う人がいるが、別の理由で大がかりな作業は行われていたのだ。

 物理的な理由のほか、9/11に絡んでは事前に戦闘機による迎撃の許可権限が国防長官に限定された疑惑、いくつも実施された軍事演習、航空会社株などのインサイダー取引疑惑、当時は旅客機から携帯電話で連絡できなかったはずだという指摘、事前の警告が無視されたという告発、鉄骨など重要な証拠が速やかに処分されたことなど、少なからぬ疑惑が残されている。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809110000/

115. 中川隆[-13659] koaQ7Jey 2018年9月14日 07:51:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18535] 報告

2018.09.13
米巨大資本に従属する日本人エリートが破壊する日本(その1)


 ロシアのウラジオストックで2015年から毎年開催されているEEF(東方経済フォーラム)はウラジミル・プーチンの外交戦略において重要な意味を持っている。アメリカは東アジアの軍事的な緊張を高めようとしているが、それに対抗してロシアは緊張を緩和、地域の経済発展につなげようとしているのだ。プーチンの戦略に中国や韓国は賛成、連携している。この3カ国に朝鮮も加わった。


 今年のEEFは9月11日から13日に開かれているが、そこで朝鮮は自国の鉄道と韓国に鉄道を結びつけることに前向きな姿勢を見せた。ロシアには以前からシベリア横断鉄道を延長して朝鮮半島を南下させようという計画がある。その計画とリンクしていることは間違いないだろう。

 この鉄道計画はロシアから天然ガスや石油を輸送するパイプラインの建設計画、そして中国の一帯一路とも関係している。大英帝国の時代からアングロ・サクソンの基本戦略はユーラシア大陸の周辺部分から内陸部を締め上げていくというもの。物資の輸送が海運中心だった時代は効果的な戦略だったが、そうした戦略を高速鉄道やパイプラインは揺るがせている。

 現在、東アジアでアメリカの戦略に従っている数少ない国のひとつが日本。その日本に対し、プーチンは前提条件なしで平和条約を結ぼうと日本側へ提案したという。ソ連/ロシアと中国の制圧を長期戦略の中心に据えているアメリカは日本がソ連/ロシアや中国と友好関係を結ぶことを許さない。プーチンも当然、そうしたことを熟知している。アメリカの政策で疲弊している日本へのちょっとしたメッセージだ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809120000/

米巨大資本に従属する日本人エリートが破壊する日本(その2)


 アメリカは東アジアでも軍事的な緊張を高めようとしてきた。2009年に総理大臣となった鳩山由紀夫は東シナ海を「友愛の海」にしようと提案したが、これはアメリカ支配層を激怒させたことだろう。その後、日本ではマスコミが鳩山を攻撃、鳩山は2010年に首相の座から引きずり下ろされた。

 そして登場した菅直人内閣は中国との関係を破壊する。2010年に「日中漁業協定」を無視して石垣海上保安部は中国の漁船を尖閣諸島の付近で取り締まったのだ。それ以降、日本は中国に敵対する国になった。

 こうした政策は日本の企業に打撃を与える。中国は日本企業にとって重要なマーケットだったからだ。アメリカの中東政策は石油価格を暴騰させる可能性があるのだが、これも日本にとっては大問題。ロシアという中東より低コストで安定的なエネルギー資源の供給源が日本の近くに存在するが、ロシアとの関係を深めることをアメリカ支配層は許さないだろう。

 こうしたアメリカの政策は一貫したもの。1955年6月に鳩山一郎内閣はソ連と国交正常化の交渉を始めた。その一方、重光葵外務大臣(副総理)は同年8月に訪米してジョン・フォスター・ダレス国務長官と会談、「相互防衛条約」の試案を提示した。

 その試案の中で「日本国内に配備されたアメリカ合衆国の軍隊は、この条約の効力発生とともに、撤退を開始」、「アメリカ合衆国の陸軍及び海軍の一切の地上部隊は、日本国の防衛6箇年計画の完遂年度の終了後おそくとも90日以内に、日本国よりの撤退を完了するものとする」としている。

 日本とソ連は「歯舞、色丹返還」で領土問題を解決させる方向で動き始めたのだが、ダレス米国務長官は激怒、2島返還でソ連と合意したらアメリカは沖縄を自国領にすると恫喝したという。沖縄は歴史的に独立国であり、その意味でもアメリカの姿勢は傲慢だ。

 こうした恫喝はあったが、鳩山首相は1956年10月、河野一郎農相をともなってモスクワを訪問、鳩山首相とニコライ・ブルガーニン首相(ソ連閣僚会議議長)は日ソ共同宣言に署名して12月に発効した。それにタイミングを合わせるように鳩山は引退する。

 鳩山一郎の辞任を受けて行われた自民党総裁選でアメリカは岸信介を後押しするが、中国やソ連との交流を促進しようとしていた石橋湛山が勝つ。その石橋は2カ月後に病気で倒れ、首相臨時代理を務めることになったのが岸。翌年の2月に岸は首相に選ばれた。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809130000/

米巨大資本に従属する日本人エリートが破壊する日本(その3)

 明治維新から後の日本を支配している人びとはアングロ・サクソン、つまりイギリスやアメリカの支配層と密接な関係にある。19世紀後半からアングロ・サクソンは日本を中国侵略の拠点と見なしてきたのだ。


 その頃、イギリスは中国(清)との貿易赤字に苦しんでいた。そこでイギリスは麻薬のアヘンを清に売りつけ、それを清が取り締まると戦争を仕掛けた。1840年から42年までのアヘン戦争や56年から60年にかけてのアロー戦争(第2次アヘン戦争)である。この戦争でイギリスは勝利、広州、厦門、福州、寧波、上海の開港とイギリス人の居住、香港の割譲、賠償金やイギリス軍の遠征費用などの支払いなどを中国に認めさせた。

 しかし、これらの戦争は基本的に海で行われ、イギリス軍は内陸部を占領できなかった。それだけの戦力がなかったのだ。海上封鎖はできても中国を占領することは不可能。そこで日本に目をつけ、日本はイギリスの思惑通りに大陸を侵略していく。勿論、イギリスやその後継者であるアメリカの支配層(巨大資本)の利益に反することを日本が行えば「制裁」されることになる。

 イギリスは他国を侵略するため、傭兵を使ったり第3国に攻撃させたりする。例えば、インドを支配するためにセポイ(シパーヒー)と呼ばれる傭兵を使い、アラビア半島ではカルトのひとつであるワッハーブ派を支配が支配するサウジアラビアなる国を樹立させ、パレスチナにイスラエルを建国させている。

 このイギリスを日本へ行き入れたのが長州と薩摩。イギリスを後ろ盾とする両国は徳川体制の打倒に成功、明治体制(カルト的天皇制官僚国家)へ移行していく。

 このイギリスの主体は金融界、いわゆるシティ。1923年の関東大震災で日本政府は復興資金の調達をアメリカのJPモルガンに頼るが、この銀行の歴史をたどるとシティ、より具体的に言うとロスチャイルドへ行き着く。アメリカの金融界はウォール街とも呼ばれるが、そのウォール街でJPモルガンは中心的な立場にあった。

 このウォール街を震撼させる出来事が1932年に起こる。この年に行われた大統領選挙でニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが当選したのだ。ニューディール派は巨大企業の活動を規制し、労働者の権利を認め、ファシズムに反対するという看板を掲げていた。巨大企業の金儲けを優先させ、労働者から権利を奪い、ファシズムを支援するウォール街とは考え方が正反対だった。圧倒的な資金力を持つウォール街の候補、現職のハーバート・フーバーが敗北したのは、言うまでもなく、それだけ庶民のウォール街への反発が強かったからだ。

 1933年から34年にかけてウォール街はニューディール政権を倒すためにクーデターを計画、この計画はスメドリー・バトラー海兵隊少将によって阻止された。こうしたことは本ブログで繰り返し書いてきたとおり。庶民の反発はニューディール派より巨大資本に批判的だったヒューイ・ロング上院議員への人気につながるのだが、このロングは1935年に暗殺された。

 ロングは当初、ルーズベルト政権を支持していたのだが、ニューディール政策は貧困対策として不十分だと考え、1933年6月に袂を分かつ。ロングは純資産税を考えていたという。ロングが大統領になったなら、ウォール街を含む支配層は大きなダメージを受けることになり、内戦を覚悟でクーデターを実行することになっただろう。

 そうしたウォール街の強い影響を受けていたのが関東大震災以降の日本。JPモルガンと最も親しかった日本人は井上準之助だった。アメリカのマサチューセッツ工科大学で学んだ三井財閥の最高指導者、団琢磨もアメリカ支配層と強く結びついていた。このふたりは1932年、血盟団によって暗殺された。

 この年、駐日大使として日本へ来たジョセフ・グルーはJPモルガンと関係が深い。つまり、彼のいとこ、ジェーン・グルーはジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻で、グルー自身の妻であるアリス・グルーは大正(嘉仁)天皇の妻、貞明皇后と少女時代からの友だち。大戦前からグルーは日本の皇室に太いパイプを持っていた。

 グルーの人脈には松平恒雄宮内大臣、徳川家達公爵、秩父宮雍仁親王、近衛文麿公爵、樺山愛輔伯爵、吉田茂、牧野伸顕伯爵、幣原喜重郎男爵らが含まれていたが、グルーが個人的に最も親しかったひとりは松岡洋右だと言われている。松岡の妹が結婚した佐藤松介は岸信介や佐藤栄作の叔父にあたる。

 1941年12月7日(現地時間)に日本軍はハワイの真珠湾を奇襲攻撃、日本とアメリカは戦争に突入するが、翌年の6月までグルーは日本に滞在、離日の直前には商工大臣だった岸信介からゴルフを誘われてプレーしたという。(Tim Weiner, "Legacy of Ashes," Doubledy, 2007)

 第2次世界大戦後、グルーはジャパン・ロビーの中心人物として活動して日本をコントロールすることになる。グルーと親しかった岸信介。その孫にあたる安倍晋三が戦前レジームへの回帰を目指すのは、日本をウォール街の属国にしたいからだろう。

 それに対し、ロシアと中国は関係を強めている。ドナルド・トランプ政権は軍事的にロシアを脅しているが、それに対し、プーチン政権は9月11日から15日にかけてウラル山脈の東で30万人が参加する大規模な演習ボストーク18を実施。​その演習に中国軍は3200名を参加させている​。経済面で手を差し伸べる一方、軍事的な準備も怠らない。

 明治維新から日本の支配層はシティやウォール街、つまりアングロ・サクソンの支配層に従属することで自らの権力と富を得てきた。そうした従属関係が日本経済を窮地に追い込んでいる。この矛盾に日本の支配システムがいつまで耐えられるだろうか?(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809130001/

116. 中川隆[-13519] koaQ7Jey 2018年9月27日 05:42:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18838] 報告

Putin Delivers Speech on Moral Crisis of Western States - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=tlaHubJ-fKk

プーチンが小児性愛者の討伐を開始! 米の“一流ペドフィリア・グループ”がロシアの子どもを虐待中でブチ切れ 2017.04.19.
https://tocana.jp/2017/04/post_12938_entry.html


ロシアのプーチン大統領が、アメリカにはびこる小児性愛者(ペドフィリア)からロシアの子どもを守るため、ロシアとアメリカ間の養子縁組を禁止する法案にサインした――。


■米ロ間の養子縁組禁止法案が採決

banningadoptions1.JPG 「Waking Times」の記事より

 今回の米ロ間における養子縁組を禁止するための法案は、ロシアの議会で可決されたものだ。その投票結果は反対4名、棄権2名で賛成400名と圧倒的多数での可決だった。アメリカは海外の子どもとの養子縁組がもっとも盛んな国で、これまでロシアの子どもにとってもアメリカが最多の養子縁組先である。1999年以降、実に4万5000人以上ものロシア人の子どもがアメリカ人の養子になっている。

 ドゥーマ(ロシア連邦議会)の上下両院で強行採決されたこの法律は、驚きをもって迎えられた。プーチン大統領はロシアと各国のジャーナリストが集まった会場で、この法案について説明と質疑応答を行った。

 プーチンによると、アメリカには小児性愛が蔓延しており「アメリカ政府は、ロシアの子どもたちが(アメリカの)小児性愛者によって虐待されていることに何ら責任を負っていない」ときっぱりと述べた。そして、「トランプ大統領が性的人身売買に断固たる対策を取って、ワシントンD.C.の『エリート小児性愛者グループ』の泥沼を干からびさせるまでこの措置は続く」と言い放った。

 ジャーナリストとの質疑応答は4時間にもわたり、「なぜあなた(プーチン大統領)は最貧困で無力な子どもたちを政権闘争の道具にするのか?」という意見も出た。やり取りはロシアのテレビで中継されていたが、プーチンは断固として法案の正当性を主張した。彼は、「アメリカのエリートたちがロシアの子どもたちを虐待している。それが普通だとあなたは思うのですか」と激しく反論した。

■ワシントンD.C.に性的人身売買目的で養子縁組を行なう組織がある

banningadoptions2.JPG 「YourNewsWire.com」の記事より

 プーチン大統領が小児性愛者に関して西側諸国を批判するのは、これが初めてではない。

 昨年、プーチンはクリスマスの定例記者会見で、「西側のリベラル・エリートたちは、国を偉大にした伝統的な価値観を捨てた」と語り、堅実なキリスト教の価値観を基盤にした未来を作る代わりに、過度に誇張された“ポリティカリー・コレクト文化”を作ったと西側諸国批判を繰り広げた。そしてこの傾向は、いずれ西洋文明の崩壊につながるとも警告したのだ。

 またプーチン大統領は、「西側諸国では“通常の家族”と“ホモセクシュアルの家族”を法的に同等に扱っており、それらの行き過ぎたポリティカリー・コレクトの風潮が、いわば小児性愛者の合法化に道を拓くことにもつながってしまうのだ」と訴えた。

 しかし、実際にプーチン大統領が指摘するように、米国の首都ワシントンD.C.には「エリート小児性愛者グループ」があるらしいと囁かれている。そしてワシントンD.C.の子どもは、アメリカ国内でもっとも危険にさらされているというデータもあるのだ。

 米国保健福祉局のデータによれば、ワシントンD.C.では1,000人あたり23.5人の子どもが性的虐待を受け、同じく小児性愛者のハブ(基地的存在)となっているニューヨークでは、1000人中17.4人が性的虐待を受けている。

 もちろん、ロシアから養子を貰うアメリカ人の親の大多数は、恵まれない子どもを家族の一員に迎え入れたいという尊敬すべき親心を持っている。しかし一方で、アメリカにはびこる「エリート小児性愛者グループ」は、性的人身売買を目的にロシア人の子どもと養子縁組をしているともいわれている。ロシアからやって来た子どもたちが虐待に耐えかねて失踪しているケースも指摘され、大きな社会問題になっているのも事実なのだ。


■マグニツキー法に対しての「外交的報復」か?

banningadoptions3.JPG 「Neon Nettle」の記事より

 さて、以前プーチン大統領は「ソチオリンピックではあらゆる差別は排除される。同性愛者も安心していいが、ただし子どもたちには近づくことは許されない」と述べ、欧米諸国から「同性愛と小児性愛を混同している」という猛批判を浴びた。

 今回プーチン大統領が繰り広げた「欧米のゲイ容認の風潮は小児性愛者の増加につながる」という論法も、これと同じといえるだろう。オバマ前アメリカ大統領は在職中、「マグニツキー法(人権侵害の疑いのあるロシア市民が、アメリカへの旅行や不動産をはじめとする資産を所有することを禁止する法案)に署名している。そのため、米ロ間の養子縁組を禁止する法案に関して、「マグニツキー法に対しての“外交的報復”であり、助けの必要な子どもたちを政治に絡ませている」と批判するアメリカの有識者も多い。

 プーチン大統領が法案にサインしたことで、法的手続きの最中にあった数百人のロシアの子どもたちの養子縁組が宙に浮いている状態だという。恵まれない子どもたちを、どうか政争の具にだけはして欲しくないものだ。


▲△▽▼

The Clinton Pedophilia Connection - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=12zVlaZyX3Q


What did Bill Clinton know Former president named in Epstien sex slavery lawsuit - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=ZHCWLtRv4Qo


白人エリート小児性愛者御用達「ロリコン島」でのヤバすぎる乱交パーティが発覚!
中心人物エプスタインの顧客に超有名セレブの名も 2017.07.23.
https://tocana.jp/2017/07/post_13798_entry.html


かつてプーチン大統領にも指摘された「欧米のエリート小児愛者の秘密サークル」。欧米のエリートと政府上層部の間で小児性愛、性的虐待、およびオカルト儀式が蔓延しているという噂は、以前から頻繁にささやかれてきた。しかし何と米国の元大統領、そして現大統領までそのグループに名を連ねている可能性が――。


■エリートビジネスマン所有の“乱交パーティー島”とは?

orgyisland1.JPGエプスタイン(左)と彼を訴えている被害者の一人バージニア・ロバーツ(中央) 「Daily Mail」の記事より

 ジェフリー・エプスタインのケースは、これらのおぞましい「秘密サークル」を知る上で最も手っ取り早い。エプスタインはウォールストリートの億万長者のビジネスマンとして、2005年頃から金融エリートの間ではよく知られていた。しかし彼は2009年に性犯罪者として登録され、全米の注目を集めた。彼は「秘密サークル」で売春する若い女の子を募集した罪で有罪判決を受けたのだ。

 億万長者であるエプスタインはアメリカ領ヴァージン諸島に、タブロイド紙から「オージー・アイランド(乱交パーティー島)」と揶揄されるリトル・セント・ジェームズ島を所有している。その島に自分や友人が行く時に搭乗するプライベートジェットも所有しており、その飛行機は「ロリータ・エクスプレス」と呼ばれていた。エプスタインの所有する島は、小児性愛者にとって最高の楽園となったのだ。

 エプスタインは「乱交パーティー島」に連れていく目的で、わずか12歳くらいの少女を探すための組織化されたグループを持っていた。警察の調査によれば、エプスタインのスタッフは12歳から16歳の年齢の女の子たちと毎日、あるいはもっと頻繁に連絡を取り合っていたという明確な証拠があると述べている。またエプスタインは自身の島での犯罪行為だけではなく、アメリカ全土に所有する自宅でも同様の行為を行っていたらしい。


■エプスタインの「スイート・ディール」

 被害者の少女に訴えられたエプスタインは、14歳の少女を売春に誘った行為で罪を認めた。その結果、エプスタインは18カ月の刑を言い渡されたが、実際は13カ月しか刑務所で過ごさなかった。

 また彼は昼間、事務所へ仕事に行くことが許されており、刑務所には夜戻るだけという非常に甘い刑罰であった。今回、エプスタインの受けた、いわゆる「スイート・ディール(甘い取引)」に対し、2人の被害者は、連邦犯罪被害者権利法に違反しているとして連邦政府を訴えた。また多くの人々が、エプスタインへの量刑が犯した罪にふさわしいものであったか大いに疑問に感じているという。


■エプスタインと関係を持った著名人たち

 エプスタインのプライベートジェットである「ロリータ・エクスプレス」の飛行記録には、驚くような著名な人物が記載されている。まずビル・クリントン元大統領。彼の名前は飛行記録に何と26回も記載されている。

 そしてモデルのナオミ・キャンベル、アカデミー賞俳優のケヴィン・スペイシー、英国のアンドリュー王子、元米国財務長官ラリー・サマーズ、その他多くの著名な政治家が含まれている。現米国大統領のドナルド・トランプも、エプスタインと付き合いがあり、複数のエリートセックスパーティーで13歳の少女を強姦したという件で訴えられたが、その後、裁判で無罪を勝ち取った。

orgyisland2.JPGニューヨークを歩くエプスタインと“友人”の英国・アンドリュー王子) 「Daily Mail」の記事より

「クリントン元大統領、そしてジェフリー・エプスタインと付き合いのあったニューヨーク中の人々全員が、トランプが小児性愛者であることを知っていた」とジャーナリストのコンチータ・サーノフ氏は語る。彼女は、調査を止めるようにとのエプスタインからの賄賂の申し出を拒否したが、人身売買の闇を暴くために自分の命を危険にさらしている。

 サーノフ氏はエプスタインの事件に関する本も書いており、「元大統領はなぜそんな男と付き合ったのだろう?」といぶかしがる。元米国国務省のスティーブ・ピチェシニク元高官は、「クリントン元大統領は、ロリータ・エクスプレスにおいて大きな部分を占めている」と説明する。

 そして「ロリータ・エクスプレス」には、クリントン元大統領だけでなくその妻ヒラリー・クリントンも搭乗していたという。被害者の1人のバージニア・ロバーツは、エプスタインによって15歳で人身売買されたと訴えているが、2002年にエプスタインの島でクリントン夫妻を見たと話している。


■被害女性に入念な買収工作か?

 なぜエプスタインの被害者が少なくとも30人いるにもかかわらず、彼は売春婦募集に関する1件の罪に対して裁かれたのみなのだろうか。実はエプスタインは被害者を買収することで知られており、おそらくそのために被害者の多くは裁判で証言することを拒否したのであろう。

 この事件に関わった検察官事務所は、請託など不正の事実がないことを明言した上で、とにかく被害を受けた女性が名乗り出ないことが大きく影響し、この「甘い刑罰」を余儀なくされたと説明している。おそらく根本的な問題には、司法システムが強姦と人身売買の被害者に対し、安全な場所を提供していないこと――特に政府とエリートが関与している場合――もあるだろう。

被害者の2人を代表する弁護士は、エプスタインの司法取引を「現代史における最も寛大なもの」と批判している。確かにエプスタインのケースは、ほかの小児性愛者の量刑と比較しても明らかに軽いもので、それは彼自身の社会的地位の高さや、その階層内の腐敗への関与と関連していることは間違いない。

 恐るべきことに、欧米の政治上層部かつエリートが小児性愛者や性奴隷に関与することは特別目新しいことではない。

 元FBI特別捜査官でLA事務所長であったテッド・ガンダーソン氏は、エリート層や政府上層部によって行われた小児性愛、性的虐待、悪魔儀式に関する情報を明らかにするために長年、調査を続けてきている。そして2005年、米国元下院議員のシンシア・マッキニー氏も民間軍事会社である「DynCorp」の人身売買疑惑について元国防長官のドナルド・ラムズフェルドを議会で追及している。

The Clinton Pedophilia Connection 動画は「YouTube」より

 欧米のエリートや政治家の中でひそかに浸透している「小児性愛サークル」。まるで映画のようだと思ったが、どうやらその実態はフィクションを超えたレベルのようだ。一刻も早くこのサークルの全貌が暴かれることを願う。世界を揺るがす大スキャンダルになることは間違いない。

117. 中川隆[-13467] koaQ7Jey 2018年10月03日 11:08:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-18973] 報告

マスメディアを押さえたアメリカ金融資本には どんな正義の味方でも絶対に敵わない


2018年09月21日
フェイク・ニュースは当り前 ?! / ヤラセが氾濫するマスメディア(前編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68733946.html

ドラマ仕立ての報道番組

 今月、池上彰の報道バラエティーが炎上していた。というのも、“物知り博士”の池上氏が、他人の意見を拝借(窃盗)したのに、「自分の知識」や「自分の意見」と称して放送していたからである。しかも、番組に「子役」を呼んできて政治を語らせる、という「演劇」まで披露していたのだ。建前上、出演した子供たちは「一般の子供」となっていたが、ネットの人々が「劇団に所属する子供」であることを発見し、それを暴露したから話題となってしまった。まぁ、池上彰とタッグを組んだフジテレビがやることだから、「ヤラセ」が混じっていても不思議じゃないだろう。前科のあるテレビ局だから、「またかぁ !」と思った人も多いんじゃないか。でも、子供を利用して偏向・宣伝番組を作るなんて、根性が腐っているというか、吐き気がするほど卑劣である。普段は「公正中立な報道」を掲げているくせに、「内緒で子役を使った仕込み」なんて随分と阿漕(あこぎ)じゃないか。企画立案者や台本の指導者は表に出てこい ! 局のオフィスに隠れているとは狡いぞ。

  ドナルド・トランプが大統領になって、日本でも「フェイク・ニュース」という言葉が広く世間に知れ渡るようになった。フジテレビばかりでなく、NHKやTBS、テレ朝、日テレがプロパガンダ放送局なのは、もはや周知の事実。いまさら驚くことでもあるまい。ただし、驚くのは地上波しか見ない「情報弱者」である。毎月お金を払って下らない記事を読んでも苦にならない老人とか、学生運動が懐かしい左翼教師が既存のマスメディアを支えているのだろう。こうした主要メディアが生存できるのも、日本人に「大企業信仰」があるからだ。多くの人々が、中小や個人の情報提供者は怪しいと考えるが、東京の一等地に本社を構える巨大メディア企業なら大丈夫、と思っている。大学教育を受けた者でさえ、どんな人間が放送するニュースを選び、どんな風に伝えるのかを考えない。暢気な大衆は、テレビ局のディレクターとか新聞社の編集者が、どんな思想を持っているかに興味が無いのだ。支那人の料理店なら、重金属まみれの上海蟹とか、正体不明の化学調味料、危険な輸入食材を使っているので、お客は入店前に心構えというか、一種の覚悟と用心ができている。

  しかし、テレビ局の番組や学校の教科書は疑われず、そのまま信用されてしまうのだ。一般の日本人は、局内に真っ赤なプロデューサーがいるとか、教科書会社に共産党シンパの執筆者がいるとは思わない。日常生活なら、顔も名前も知らない人を信用するなんて有り得ないが、マスコミの人間なら信じてしまうのだ。なら、テレビ局の制作者は他人を無条件で信用するのかといったら、そんな事は無い。例えば、彼らは風俗店に行くと、商品の女をじっくり吟味して、料金と容姿を秤にかける。ついでに、「性病は無いのか ?」と確認するほど用心深い。高級官僚ならVIP専用の「エスコート・サービス」に招待されるから、安心して高品質の女性を選ぶ事ができる。怪しい情報を掴まされるのは、貧乏で無知な庶民だけ。マンネリの「水戸黄門」とか水谷豊のドラマ「相棒」をボケ〜と観るオっさんやオバちゃんたちは、マスコミにとって格好のターゲットになる。

視聴者を欺くニュース報道

Anderson Cooper 2( 左 / アンダーソン・クーパー)
  日本のテレビ局による印象操作や大衆扇動は、時たま社会問題となるが、歐米諸国の情報操作もけっこう酷い。例えば、CNNのシリア報道では見事な「演劇」があった。CNNにはアンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)という看板キャスターがいて、彼がアンカーを務める報道番組「360°」がある。丁度、シリアの内戦が始まった頃、戦場からの「ライブ中継」があって、ダニー・ダエムというシリア系リポーターが現地特派員となっていた。彼は砲撃や銃撃が飛び交う戦場を背景に、シリアの現状をリポートしていたのだが、それが映画セットのスタジオで行われていたのだ。(Patrick Henningsen, "WAR PROPAGANDA : Staged Media Reporting from Syria : Fabricating the News", Global Resarch, March 12, 2012) 番組の中では、クーパー氏がダエム記者と中継を結び、リアル・タイムで戦況を尋ねていた。そして映像の隅には、燃え上がるクルマとか、爆発の様子がワイプで流れていたのだ。こうした臨場感溢れる報道を目にすれば、アメリカの視聴者は固唾を呑んでリポーターに耳を傾けるはずだ。

Danny Dayem 3Danny Dayem CNN 1


(左: ダニー・ダエム / 右: CNNでリポーターを務めていたダニー )

  ところが、この撮影現場の映像がネットに流れてしまい、ヤラセの「演劇」という事がバレてしまった。本番前のシリア人ダニーはスタッフに向かって、「おい、まだ効果音の用意ができないのかよ?!」と愚痴をこぼし、「もう寒くて指が冷えちゃうよぉ〜」とボヤいていた。本当の「戦場」にいるような雰囲気を作るため、撮影スタッフは“それらしい”爆発音や雑音をチェックしており、ダニーは暗闇の中でスタンバイ。現在位置が発覚しないよう、本番の「中継映像」はとても暗く、ダエム記者の顔だけにライトが当たっており、何処に居るのか判らない。ただ、ものすごい爆音がするから、視聴者は戦場の近くに居るものと錯覚していたそうだ。クーパー氏の質問に答えていたダエム記者は、400m先の場所で殺された民間人の遺体を回収した、と述べていた。しかし、戦場に居なかった人間が、どうやって遺体を引き取ってきたのか? 彼は別の撮影場所で演技をしていただけなのに、シリア人の死体をどうやって発見したのか、まことに不思議である。

Brian Williams 1( 左 / ブライアン・ウィリアムズ)
  NBCの看板キャスターであるブライアン・ウィリアムズ(Brian Williams)氏も、些細な「嘘」がバレて恥をかいた。彼が戦場となったイラクに赴き、米軍のヘリコプターに乗った時、「攻撃を受けた」と話してしまったのだ。ウィリアムズ氏の「ナイトリー・ニューズ」の視聴者は、番組のアンカーマンが危機一髪だったと知って驚いたが、そうした砲撃は無かった事が後になって明らかとなった。(Rory Carroll, "NBC suspends Brian Williams for six monthsover Iraq helicopter story", The Guardian, 11 February 2015) たぶん、ウィリアムズ氏は戦火ををくぐり抜けた勇ましい特派員と自慢したかったのだろう。まさか、「米軍にしっかりと守られて何事も無く安全に取材を終えました」じゃ武勇伝にならない。やはり、映画並みの激しい戦闘シーンで、生死を賭けた報道でなきゃ「特集」にならない、と思ったのだろう。「NBC News」のデボラ・ターネス(Deborah Turness)社長は、ウィリアムズ氏の「ホラ話」を謝罪し、彼を六ヶ月の停職処分にすると発表した。まぁ、高給取りのウィリアムズ氏にとって半年間給料がでなくても困ることはなかろう。それよりも、経歴に「法螺吹き」が記載されたことの方が痛いはずだ。

  アメリカのメディアがちょくちょくフェイク・ニュースを流すことは、もう広く世間に知られるようになったが、英国のBBCも印象操作を行っていたという。例えば、BBCはシリアのホウラで大量虐殺があった、と怒りの報道を行ったが、その時に使われた「写真」は、2003年にイラクで撮影された写真であったのだ。(Hannah Furness, "BBC News uses Iraq photo to illustrate Syrian massacre", The Telegraph, 27 May 2012) 世界的に有名な「ゲッティー・イメージ」社で写真家を務めるマルコ・ディ・ラウロ(Marco di Lauro)氏は、夜中の3時頃自宅に戻り、BBCのウェツブ・ページを開いて記事を読もうとした。すると、そのフロントページにはシリアに関する報道があり、掲載されていた写真は彼が2003年に撮ったものであったのだ。ラウロ氏は椅子から転げ落ちるほどビックリしたという。彼は何で昔に撮った写真が使われているんだ、と驚いた。天下のBBCが、写真の出何処を調べずに掲載するなんて信じられない。BBCの広報係は間違った映像であると認め、公式に謝罪したが、本当に「単なるミス」だったのか怪しい。もしかしたら、シリアのイメージダウンを謀るため、わざと衝撃的な写真を用いたのかも知れないのだ。歐米のメディアは、アサド政権の打倒を支援していたから、残虐な映像を利用して世論を操ろうとした疑いがある。

BBC fale photo 1(左 / 床に置かれた遺体を跨ぐ少年)
  アメリカ人やイギリス人ばかりでなく、日本人の我々はもっと注意せねばならない。なぜなら、日本のマスコミは歐米の報道を検証もなしに“そのまま”輸入する癖があるからだ。遠い外国の悪党に騙される危険性は常にある。特に、地上波テレビのワイドショーなどは、「米国のCNNが報じた映像です !」とか、「英国BBCの報道によりますと・・・」、「権威あるニューヨーク・タイムズの調査では・・・」と述べて、いかにも正確な報道であるかのように伝えるけど、裏で誰が動いているのかは明かさない。「権威」に弱い日本人は、有名な大手メディアの報道だと頭から信用し、そっくりそのまま鵜呑みにする。また、日本のテレビ局は民衆のこうした性格を判っているので、歐米のリベラル・メディアと組んで印象操作を画策する。反日報道を趣味にするニューヨーク・タイムズ紙と朝日新聞との癒着は悪名高い。アメリカは多少なりとも保守派の力が強いので、色々なインターネット・サイトが暴露記事を流してくれるけど、日本の保守系メディアは弱小だから、ボンクラな評論家とか内向き志向の知識人をコメンテーターに迎えるだけで、無難な話題に終始する。まぁ、低予算のインターネット番組だと難しいのかもね。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68733946.html

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2018年09月24日
ペンタゴンが発注したプロパガンダPR / ヤラセが氾濫するマスメディア(後編)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68734067.html


ニュース報道の製造?

  戦争ニュースには報道規制と世論操作が付き物だ。アメリカ軍にはかつて苦い経験があった。ベトナム戦争の時、米軍が報道規制を敷かなかったので、敵軍の銃弾に斃れる兵隊や大怪我を負って担架に載せられる兵卒の映像が、連日のように流され、アメリカの輿論は一気に反戦ムードに包まれてしまったのだ。なにしろ、自分の大切な息子や夫、恋人が片腕をなくしたり、失明や火傷、半身不随の姿で帰国すれば、帰還兵を迎える家族は心臓が潰れる思いだろう。民衆政国家は、怒りで開戦に踏み切るが、泥沼の消耗戦には堪えられない。アメリカの国防総省が検閲をしなかったばかりに、民間のジャーナリストが勝手に彼方此方で取材を行い、どんどん悲惨な映像を本国に送ってしまった。彼らは国益よりも視聴率を優先し、銃後の国民に与える影響なんかお構いなし。だから、ペンタゴンはやりたい放題の報道を許してしまったベトナム戦争を反省し、ペルシア湾岸戦争の時には、徹底した報道規制を加えたのである。

  世論操作のための政治プロパガンダと言えば、1991年の湾岸戦争が直ぐに思い出される。歴史に名を残したいジョージ・H・W・ブッシュ大統領が、石油メジャーとイスラエルの国益を忖度し、国内で心理戦を仕掛けた可能性は高い。(開発を続ける独裁者が君臨し、統一されたイラクは、「大イスラエル構想」にとって邪魔な存在だった。) 1990年10月、ナイラ・アッ=サバーハ(Nayirah Al-Sabah)というクウェート人少女が、合衆国議会の公聴会で衝撃的な事件を述べた。彼女の証言によれば、クウェートの病院に銃を持ったイラク兵が雪崩れ込み、保育器の中にいた赤ん坊を取り出し、冷たい床に放置して死に至らしめた、というのだ。この証言を千載一遇のチャンスと捕らえたPR会社の「ヒル&ノールトン(Hill & Knowlton)」は、彼女の話を各メディアに流し、これを受け取ったテレビ局はこぞって少女の話を放送していた。

Nayirah 1George Bush 2

(左: ナイラ・アッ=サハーバ / 右: ジョージ・H・W・ブッシュ )

  しかし、ナイラの話は著しく事実を歪めた偽証だった。彼女は実際にイラク兵の横暴を目撃したのではなく、単なる噂話を述べただけで、真実ではなかった。クウェートが解放された後、ニューヨーク・タイムズ紙のジョン・マッカーサー記者がこのヨタ話を嗅ぎつけ、ナイラがクウェート大使サウド・アッ=サバーハの娘であると暴露したから、アメリカの輿論はホワイトハウスの戦争目的に疑念を抱き始めたのである。また、「ヒル&ノールトン」はクウェート大使館が大金を使って雇った宣伝広告会社であることも判明し、ナイラ証言の流布が戦時プロパガンダであったこともバレてしまったのだ。ただし、湾岸政争の時、イラク兵が病院の医療器具を強奪したことは確かなようで、その時保育器も一緒に盗んだから、新生児を入れる保育器が無くなって困ったというのが、どうも事の真相らしい。ナイラはその話に尾鰭をつけて証言したというのが本当のところだろう。ここで注目すべきは、彼女は「宣誓」の下で証言したのではない、という点だ。宣誓証言でなければ偽証罪に問われる危険性が無いので、“いいかげん”な噂話でも気楽に陳述できる。彼女は「何人の赤ん坊」が死んだのかは述べなかったが、渡された台本には「15名の新生児が亡くなった」と書かれていたそうだ。

  ジョージ・ハーバート・ブッシュの嫡男ジョージ・Wは、9/11テロを口実にイラク戦争を起こしたが、このドラ息子も政治プロパガンダを用いていた。ペンタゴンはPR会社の「ベル・ポティンガー(Bell Pottinger)」を5億4千万ドルで雇い、偽のテロリスト・ビデオを作るよう依頼したそうだ。(Crofton Black, Abigail Fielding-Smith and Jon Ungoed-Thomas, "Lord Bell ran $540m covert PR ops in Iraq for Pentagon News", The Sunday Times, 2 October 2016) 「ベル・ポティンガー」社はアルカイーダに関するビデオ映像を制作し、それがあたかもアラブ系のテレビ局から流れてきた映像のように見せかけていた。また、制作スタッフは低品質の爆撃映像を収録し、ニュース映像のように偽装したし、軍が襲撃した建物の中で「演劇」を撮影し、それをアルカイダが作った「宣伝ビデオ」と称して放映したそうだ。「ベル・ポティンガー」の元社員であったマーティン・ウェルズ(Martin Welles)氏によると、社員は特別な指示を受けて映像を作成し、だいたい10分くらいの「作品」に仕上げたらしい。

Martin Wells 1(左 / マーティン・ウェルズ )
  英国の「ベル・ポティンガー」社は合同心理戦部隊(Joint Psychological Operation Task Force / JPOTF)の下で動いていたという。米国の法律は、政府が自国民に対してプロパガンダを仕掛けぬよう禁止しているので、ペンタゴンはそれを回避すべく、外国の会社を利用したのである。つまり、英国のPR会社が“勝手”に作った映像を流すぶんには構わない、ということだ。契約期間は2007年から2011年までで、この宣伝活動はホワイトハウスとデイヴィッド・ペトレイアス将軍(Gen. David Petraeus)が非公式に承認した作戦であったらしい。また、ペンタゴンは2009年、PR会社の「レンドン・グループ(The Rendon Group)」を雇い、従軍するジャーナリストを監視させ、軍隊にとってポジティヴな報道かどうかを査定させていたそうだ。さらに驚くべきことだが、2005年には、ワシントンに本部を置くPR会社の「リンカン・グループ(The Lincoln Group)」を雇って、イラクに関する新聞記事を流通させたという。しかも、その記事は米軍が書いたものであった、というから唖然とする。("Pentagon paid PR firm $ 540m to make fake terrorist videos", Middle East Monitor, October 2, 2016) もう八百長というか、捏造のオンパレードだ。一般のアメリカ人がどう考えるか分からないが、日本人はこれを「ヤラセ記事」と呼ぶ。

白人を「黒人」にする広告

a-112(左 / 赤い丸で囲まれた人物が被害者の生徒 )
  アメリカの偽造・捏造は民間にも蔓延(はびこ)っており、そこに人種が絡んでいるからタチが悪い。フランスのリヨンに「エミール・コール」という私立学校があって、最近、米国のロサンジェルスに分校を建設することになったという。そこで、生徒募集の広告を作ったのだが、そこに掲載した写真に問題があった。フランス人生徒の集合写真に黒い“修正”が加えられており、数名の白人生徒が「黒人」にされていたのだ。(Adrien Giraud, "Accusée de , l'école Émile Cohl supprime la publication d'une photo promotionnelle ratée", Rue89Lyon, 10 septembre 2018) アントワン・リヴィエール(Antoine Riviére)教頭は、意図的な操作を否定し、被害を受けた生徒に謝罪した。これはカルフォルニアのコミュニケーション部門が勝手にしでかした事で、フランスの本校は知らされていなかったようだ。アメリカ支部のスタッフは、デジタル加工で白人生徒の顔を黒くし、「人種的多様化」を演出することで、アメリカ人生徒にアピールしたかったのだろう。つまり、白人ばかりの写真だとアメリカの有色人生徒が集まらないから、「多民族のクラス」を捏造して、好感を持たれるよう画策したのだ。

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(写真 / 「黒人」にされた白人生徒たち )

  さぁ〜すが、アメリカのリベラル派は人種主義を解っている。黒人は黒人に対して共感し、黒人がいる学校に興味を持つという訳だ。ということは、白人生徒は白人生徒のクラスを好み、白人の学校を選んでもいいとなる。もし、黒人生徒が人種偏見を持っていないのであれば、フランス白人ばかりのクラスでも気にしないはずだが、左翼的アメリカ人は「黒人は黒人に惹かれる」と解っていたので、あえて危険を犯し、写真に修正を加えていたのだろう。結局、リベラル派は心の底で人種主義を信じていたのだ。それにしても、「黒い顔」にされたフランス人生徒は気の毒だ。まさか、宣伝用に撮った写真に「修正」が加えられていたなんて、想像していなかったのである。

  我々の身の回りにはフェイク・ニュースや詐欺的宣伝が本当に多い。偏向報道や捏造映像は問題だが、省略報道も赦せない。CNNは「報道しない自由」を行使して、事件のキー・ポイントを伝えなかったことがある。少し前に、米国のニューメキシコ州で子供を虐待する親が逮捕されるという事件があった。主犯格のルーカス・モーテン(Lucas Morten)とシラジ・イブン・ワハジ(Siraj Ibn Wahhaj)は、タオス郡にある建物の中に、1歳から15歳までの子供11名を監禁し、水や食事を与えず衰弱させたという。ワハジはまた、ジョージア州に住む3歳の息子アブドゥル(Abdul Ghani Wahhaj)を拉致したことで指名手配されていたそうだ。建物の中には子供達の他に、三名の女性がいて、監禁された子供達の母親であった。タオス郡の警察が建物の中に突入したとき、ワハジはAR15ライフルと弾倉5個、拳銃4丁で武装していたそうである。子供達が閉じ込められていた部屋の中はとても不潔で、幼い被害者らは、かなり衰弱していたようだ。(Ann Claire Stapleto, Susannah Cullinane and Holly Yan, "Five charged with child abuse after 11emaciated children found in trailer", CNN, August 6, 2018)

Lucas Morten & Siraj WahhajSiraj Wahhaji arrested women

(左: ルーカス・モーテン / シラジ・イブン・ハラジ / 右 3名: 捕まった容疑者の女性たち )

  CNNの報道だけを聴いたアメリカ人は、異常な精神を持った大人による拉致監禁事件とだけ考えるだろう。しかし、この報道には肝心な点が抜け落ちていたのである。警察に保護された13歳の少年は、ブルックリン在住のイマム(イスラム教の指導者)であるワハジの息子で、父親から武器の扱い方や戦闘用格闘技を習っていたのだ。つまり、「ジハード(聖戦)」の訓練を受けていたという訳。というのも、ワハジは危険思想の持ち主で、彼の父親は1993年に起きたWTCビルの爆破に何らかの関係を持っていたのだ。そして、彼は別の息子にも「非イスラム信徒」への戦い方を教えていたそうだ。CNNの記者は地元警察の保安官ジェリー・ホグリーフ(Jerry Hogrefe)から事情を聴いていたのに、記事にはこの事実を載せなかった。たぶん、イスラム教徒への偏見に繋がると判断したのだろう。だが、事件をどう判断し、どんな解釈をするのかは一般国民の自由である。報道機関が予めニュースを検閲し、“調理”された事件内容を流すのは情報操作に他ならない。小規模な保守系メディアがバラしたから、一般のアメリカ人は事件の真相を知り得たのだが、もしインターネットが普及していなければ、事件は闇に葬られたはずだ。リベラル・メディアというのは番組内で綺麗事を口にするが、舞台裏では汚いことを平気で行う情報統制機関である。

Siraj Wahhaj & son Abudul.2Siraj Wahhaj compound 3

(左: 救出されたアブドゥル・ワハジ / 右: 子供達が監禁されていた建物)

  大手メディアというのは膨大な取材費を有し、世界各国に特派員を派遣できるから、様々な特集で視聴者を魅了できるが、その本質は世論操作にある。有名テレビ局だからといって、信用度が高いとは限らない。むしろ、世論操作が巧みで、狡猾な仕掛けで視聴者を騙す巨大組織と思った方が無難だ。脳天気な一般人は、どのように操られたのかが分からないから自覚が無い。日本の学校でマスコミの「闇」を教えないのは、案外、教育界とマスコミが共犯関係にあるのかも知れないぞ。両者を繋ぐ「赤い絆」といっても、山口百恵のドラマとは違うからね。(分からない人はインターネットで調べてください。)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68734067.html

118. 中川隆[-13393] koaQ7Jey 2018年10月09日 20:02:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19105] 報告

 ネオコンは2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させたが、その翌年の段階では16年に予定されていた大統領選挙の勝者はネオコンが担いでいたクリントンになるはずだった。2015年6月にオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席している。


 状況に変化が見られたのは2016年2月10日。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。その後、注目されるようになったのが共和党のドナルド・トランプと民主党のバーニー・サンダース。

 民主党の幹部はさまざまな手段を講じてサンダースを押さえ込むことに成功するが、その内幕の一端を明らかにする電子メールがインターネット上に流れる。内部告発支援グループのウィキリークスもクリントン関連の電子メールを明らかにした。そうしたメールの中には、2015年5月の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールも含まれている。そこでロシア政府がハッキングしたというキャンペーン。そこからロシアゲートが始まった。


 しかし、技術的な分析から電子メールはハッキングではなく、内部でサーバーから直接ダウンロードされた可能性が高いと指摘されている。電子メールをウィキリークスへ渡したのは民主党全国委員会のスタッフだったセス・リッチだったと見られている。

 こうした指摘をかき消すように有力メディアはロシア政府がハッキングしたという話を流したが、この偽情報流布を指揮したのはCIA長官だったジョン・ブレナンだと言われている。

 トランプの背後にはキッシンジャーがいると見られているが、最大のスポンサーはカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある人物だ。トランプの娘、イバンカの夫で大統領の顧問を務めるジャレッド・クシュナーもこの人脈に属している。

 結局、アメリカ大統領に選ばれたのはトランプだが、その影響はサウジアラビアの後継者争いにも影響する。2017年6月に皇太子がホマメド・ビン・ナイェフからモハメド・ビン・サルマンへ交代したのだ。前者はロスチャイルドと関係の深いネオコン系、後者はジャボチンスキー色の濃い一派とつながっている。

 皇太子が交代になった3カ月後にジャマル・カショーギはサウジアラビアを離れ、ネオコン色の濃いワシントン・ポスト紙のコラムニストになった。同紙の記者としてウォーターゲート事件を暴いたカール・バーンスタインは1977年に新聞社を辞め、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」というタイトルの記事を書いている。

 その記事によると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 この記事が出た後に状況は急速に悪化、気骨あるジャーナリストが排除され、メディアは少数の巨大資本による支配が強まった。今回の一件でワシントン・ポスト紙を含む西側の有力メディアは巨大資本の走狗として偽情報を流してきた事実を忘れてはならない。西側の有力メディアはジャーナリズムの敵と化している。

 ジャーナリストのむのたけじは1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する会で講演し、その冒頭で「ジャーナリズムはとうにくたばった」と発言したという(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)が、その通りである。日本はアメリカと同じ、あるいはそれ以上に悪い状況に陥ったのだ。「くたばった」日本のマスコミが復活する兆候はみられない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810090001/

119. 中川隆[-13353] koaQ7Jey 2018年10月13日 10:54:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19150] 報告

2018.10.13
フェイスブックのアカウント削除は巨大米資本による言論統制の一環
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810130000/


 アメリカで中間選挙の投票日が近づく中、​フェイスブックは500ページ、251アカウントを削除​、​批判​されている。削除されたアカウントの中には有力メディアの偽情報を指摘してきたものも含まれ、私企業による言論統制にほかならない。この検閲にはNSC(国家安全保障会議)でサイバー問題の責任者を務めた経験があるナサニエル・グレイチャーが加わり、ツイッターも同調している。


 フェイスブック、ツイッター、グーグル、ユーチューブといったインターネットの巨大企業はNSAやCIAといったアメリカの情報機関と連携していることが知られている。NSAはイギリスの電子情報機関GCHQとUKUSA(ユクザ)を編成、そこにはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロ・サクソン系諸国の情報機関も参加している。この5機関の中心は言うまでもなくNSAとGCHQで、他の3機関はその下で活動、各国政府を監視する役割も担っている。

 アメリカでは1970年代に入って情報機関による秘密工作が問題になり、75年1月には上院で「情報活動に関する政府工作を調査する特別委員会」が、その翌月には下院で「情報特別委員会」が設置された。委員長は上院がフランク・チャーチ、下院がルシアン・ネッツィ(後にオーティス・パイクへ変更)だったことから、それぞれチャーチ委員会、パイク委員会と呼ばれている。日本では1973年3月に聴聞会がスタートした上院外交委員会の多国籍企業小委員会をチャーチ委員会と呼ぶが、これは日本独特の風習。

 アメリカの巨大金融資本は第2次世界大戦後、情報をコントロールするためにモッキンバードと呼ばれるプロジェクトを始動させた。その中心にはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムがいた。

 ダレスはOSS(戦略事務局)とCIA(中央情報局)で中心的な役割を果たし、ウィズナーはダレスの側近として破壊活動を指揮していた。このふたりはOSS長官だったウィリアム・ドノバンと同様、ウォール街の弁護士。ヘルムズは母方の祖父がBIS(国際決済銀行)の初代頭取、そしてグラハムの義理の父は世界銀行の初代総裁。

 ワシントン・ポスト紙はウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだが、その取材で中心になったのはカール・バーンスタインとボブ・ウッドワード。同紙へ入る少し前までウッドワードはONI(海軍情報局)の将校で、ジャーナリストとしては素人に近かった。「ディープスロート」という情報源を連れてきたのはウッドワードだったが、取材は事実上、バーンスタインが行ったと言われている。

 そのバーンスタインは1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」という記事を書いている。CIAが有力メディアをコントロールしている実態を暴露したのだ。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 当時のメディアには気骨ある記者や編集者がいて統制の間隙を縫って権力犯罪を明らかにしていたが、CIAと有力メディアが連携していたことも事実なのだ。議会の委員会もこうした事実を知っていたが、記者、編集者、発行人、あるいは放送局の重役から事情を聞いていない。当時のCIA長官、つまりウィリアム・コルビーやジョージ・H・W・ブッシュたちから調査をやめるように働きかけられたことが影響したと言われている。

 それでも議会や一部ジャーナリストの調査を懸念した支配層は報道統制を強化するためにメディア支配の規制を緩和、アメリカでは1983年には50社が90%のメディアを所有していたのに対し、2011年になると90%を6社が支配している。それでも検閲しきれなかったインターネットに対する統制を始めたわけだ。ウィキリークスやアレックス・ジョーンズに対する言論弾圧はその序章だったと言えるだろう。

120. 中川隆[-13340] koaQ7Jey 2018年10月19日 05:17:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19336] 報告

銃の乱射事件があったクリミアはキエフのクーデター体制を拒否した地域
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810180001/
2018.10.19 櫻井ジャーナル


 クリミア半島で10月17日に銃の乱射事件があった。コロラド州のコロンバイン高校で1999年に引き起こされた事件との類似性を指摘する人もいる。

 この半島について「ロシアが一方的に併合した」と表現するマスコミが存在するのだが、実際はバラク・オバマ政権のネオコン人脈がネオ・ナチを使い、ウクライナでクーデターを実行した結果だ。

 ウクライナはヨーロッパ志向の強い西部とロシアに近い東部や南部に分かれている。宗教的にはカトリックの信者が多く、ナチスのシンパが多い西側対策ということもあり、異質の地域を合体させたとも言われている。

 東部や南部の人びとに支持されていたビクトル・ヤヌコビッチは2004年の大統領選挙で勝利するが、この結果を受け入れられない西側の支配層はクーデターを仕掛ける。いわゆるオレンジ革命だ。

 この「革命」で誕生したビクトル・ユシチェンコ政権は新自由主義を導入、西側の巨大資本の手先になった一部の人びとによって国の富は略奪され、国民の大多数は貧困化する。そこで2010年の大統領選挙でもヤヌコビッチが当選した。この段階では国民もユシチェンコ的な人物を拒否している。

 そこで、西側支配層が使ったのはNGO(非政府組織)。CIAからも工作資金を受け取っていたNGOは2013年11月にキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で集会を開き、約2000名の反ヤヌコビッチ派を集めた。

 こうして抗議活動が始まるが、当初はEUへの憧れ(つまり幻想)を刺激する「カーニバル」的なもので、12月に入ると50万人が集まったとも言われている。こうした抗議活動をEUは話し合いで解決しようとするが、そうした方針に怒ったのがオバマ政権。

 抗議活動の黒幕的な存在だったビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット米国大使の電話での会話が2014年2月上旬にインターネット上へアップロードされたのだが、その中でふたりは「次期政権」の閣僚人事について話し合っている。ヌランドは暴力的に政権を転覆させたかったようで、話し合いでの解決を目指すEUに不満を抱いていた。そして口にしたのが「EUなんかくそくらえ」だ。

 年明け後に広場ではネオ・ナチのメンバーが前面に出てきて暴力行為がエスカレートしていく。こうしたネオ・ナチは2月18日頃から棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始める。

 話し合いで解決する道が開けたときに広場で狙撃が始まった。西側の政府や有力メディアは政府側が仕掛けたと宣伝していたが、ネオ・ナチのアンドレイ・パルビーが狙撃を指揮していた可能性が高い。これは治安機関SBUの長官だったアレクサンドル・ヤキメンコだけでなく、抗議活動の支援者でキエフの第6病院から広場へ来ていたオレクサンドル・リソウォイ医師も反政府派が狙撃していると語っている。

 2月22日にヤヌコビッチは排除されるが、その3日後に現地入りしたエストニアのウルマス・パエト外相も調査の結果、同じように考える。26日に同外相はEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話、「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」と報告している。こうした事情をEUは知った上で、クーデターを容認した。それをオバマ政権が望んでいたからだ。

 2017年11月にはパエトの報告を裏付けるドキュメントがイタリアで放送されている。その中で自分たちが狙撃したする3人のジョージア人が登場、警官隊と抗議活動参加者、双方を手当たり次第に撃つよう命じられたという。狙撃の指揮者はアンドレイ・パルビーだとも語っている。

 クーデターの最中、ヤヌコビッチを支持するクリミアの住民がバスでキエフに入っているが、状況が悪化する中、クリミアへ戻ろうとする。そのときにクリミアの住民を乗せたバスが銃撃され、バスが止まると乗客は引きずり出され、棍棒やシャベルで殴られ、ガソリンをかけられて火をつけると脅されている。こうした話が伝えられたクリミアがクーデターに反対し、ロシアに助けを求めるのは必然だった。

 クリミアは黒海に突き出た半島で、セバストポリは黒海艦隊の拠点。ロシアはこの拠点を確保するため、1997年にウクライナと条約を結び、基地の使用と2万5000名までのロシア兵駐留が認められていた。クーデター当時、この条約に基づいて1万6000名のロシア軍が実際に駐留していたのだが、西側の政府やメディアはこの部隊をロシア軍が侵略した証拠だと宣伝していた。「ファクト・チェック」をすれば、こうした間違いはしなかっただろう。

 3月16日にはクリミアで住民投票が実施され、95%以上が加盟に賛成した。そのときの投票率は80%を超えている。クリミアより動きが遅れたドンバスでは今も戦乱で破壊と殺戮が続いている。勿論、クーデター勢力の主力はネオ・ナチだ。南部のオデッサでは住民がネオ・ナチに虐殺されている。

 ネオ・ナチのメンバーが信奉しているステファン・バンデラは第2次世界大戦中、ナチスと手を組んでいた人物で、その側近だったヤロスラフ・ステツコは大戦後、イギリスの情報機関MI6のエージェントになり、ABN(反ボルシェビキ国家連合)の議長に就任した。この団体は1966年にAPACL(アジア人民反共連盟,後にアジア太平洋反共連盟へ改名)と合体してWACL(世界反共連盟)になった。WACL創設の中心はCIA。1991年にWACLはWLFD(世界自由民主連盟)へ名称が変更されている。

 この年の12月にソ連は消滅、西側へ逃げていたネオ・ナチのグループは旧ソ連圏へ戻り、活動を始めた。ウクライナへも戻っている。ウクライナにおけるクーデターの目的のひとつはセバストポリの制圧だったはずだが、これに失敗した西側支配層がクリミアについて「ロシアが一方的に併合した」という理由は想像できる。

121. 中川隆[-13387] koaQ7Jey 2018年10月31日 11:46:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19741] 報告

2018.10.31
米国の軍事力行使には反撃するという姿勢を露国と中国は鮮明にし、米戦略は崩壊



 ロシアと中国の政府はアメリカ支配層に対し、軍事的な攻撃には軍事的に反撃する意思を鮮明にしている。これはアメリカ支配層の中でも好戦的なネオコンが1991年に作成した世界戦略の基盤を崩すものだ。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は1991年1月にイラクへ軍事侵攻した。「砂漠の嵐作戦」だ。ネオコンはその作戦でサダム・フセインを排除し、親イスラエル政権を樹立するともりだったのだが、ブッシュ大統領はフセイン政権を倒さずに攻撃を終了。

 ポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコンは怒ったが、その一方でソ連軍が出てこなかったことを収穫だと考えた。アメリカ軍が何をしても妨害する者はいないと思い込んだのである。

 1991年夏までの段階でブッシュ大統領をはじめとするCIA人脈はイスラエルの情報機関を介してソ連の情報機関KGBの中枢と話をつけ、ソ連を乗っ取ることで合意していた。ハンマー作戦だ。これは本ブログでも書いたことがある。

 この乗っ取り作戦には関与していなかったようだが、ミハイル・ゴルバチョフはアメリカや西ヨーロッパを民主的な体制だと考える「牧歌的親欧米派」で、当時のソ連政府は軍事的に欧米と向き合うよう状況になかった。

 1991年の後半にはゴルバチョフを排除することに成功、欧米支配層の傀儡でこの年の7月にロシア大統領となったボリス・エリツィンが実権を握る。このエリツィンは同年12月にウクライナやベラルーシの首脳をベラルーシにあるベロベーシの森に集め、秘密裏に、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めてソ連を消滅させる。

 その後のロシアがアメリカやイギリスをはじめとする西側巨大資本の属国になり、国民の資産は彼らに略奪されることになった。この時期に巨万の富を築いたオリガルヒは西側巨大資本やKGB幹部の手先になった人びとだ。

 ソ連の消滅によってアメリカ支配層は自分たちに逆らえる国はなくなったと判断する。つまり、アメリカが唯一の超大国になったと信じたのである。1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンをネオコンは「詰め」だと考えたのだろう。

 ネオコンの基本戦術は「脅せば屈する」。1991年の経験はこの考え方を強化することになった。この戦術をネオコンたちはロシアや中国にも適用しているのだが、機能していない。ゴルバチョフ時代のソ連とは違って現在のロシアは慎重ながら、対抗する意思を鮮明にしている。アメリカ支配層は中国について、カネ儲けさせておけば自分たちの戦略に楯突かないと信じていたようだが、2014年以降、雰囲気は大きく変化した。ウクライナにおけるネオ・ナチを使ったクーデターを見てアメリカ支配層の危険性を悟ったようだ。

 アメリカ支配層の危険性を悟っているという点では韓国も同じ。本ブログでは繰り返し書いてきたが、韓国のエリートはロシアや中国とのつながりを強めていた。朝鮮半島の動きはこうした状況が影響している。アメリカ支配層に従属している日本に対する韓国の姿勢が変化するのも必然だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810310000/

122. 中川隆[-13514] koaQ7Jey 2018年11月06日 23:14:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20215] 報告

なぜ日本は、アメリカによる「核ミサイル配備」を拒否できないのか 理由は岸が結んだ「密約」にあった(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/senkyo253/msg/356.html

2018.11.02 矢部 宏治 現代ビジネス


「終戦宣言」へと向かう朝鮮半島。一方、中距離核ミサイル(INF)の全廃条約破棄を宣言したアメリカ。一見、矛盾するように見えるこの動きは、実は同じコインのウラとオモテなのだと、ノンフィクション作家の矢部宏治氏は指摘する。このままでは、朝鮮半島から米軍が撤退する代わりに、日本に米軍の核ミサイルが配備されてしまう可能性が非常に高いというのだ。

10万部を突破したベストセラー『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』で、アメリカとの異常な従属関係の本質を解き明かした矢部氏が、最新作『知ってはいけない2——日本の主権はこうして失われた』(11月14日発売予定)で新たに描き出したのは、世界中の国のなかでなぜ日本だけが、そうした異常なアメリカの軍事支配から抜け出せないのかという戦後日本最後の謎≠セった――。

主権の回復へ向かう韓国と、状況が悪化する日本

1年前には誰も予想できなかったことだが、今年の3月、突然朝鮮半島で劇的な南北の緊張緩和が始まり、6月には歴史的な米朝首脳会談も行われた。平和条約締結へのタイムテーブルはまだわからないが、「終戦宣言」そのものは、いつ出されてもおかしくない状況となっている。

一方、先月〔10月〕の20日、アメリカのトランプ大統領は、約30年間続いたロシアとの中距離核ミサイル(INF)全廃条約の破棄を表明した。

私のような日米の軍事上のウラの取り決めばかりを見ている人間からすれば、一見、矛盾するように見える、この2つの動きの意味するところは明らかだ。

つまり、スピードはどうあれ、すでに制空権を失い、反米軍基地運動も強力な韓国から、やがて米軍は撤退していく。その過程で、日本にとって「対米従属の最後のお友達」だった韓国の国家主権も、しだいに回復していくことになるだろう。

しかしその一方、日本の状況は悪化する。同じく制空権を失った、すべての自衛隊基地と米軍基地のあいだで共同使用が進み、そこにやがて対中国・ロシア用の中距離核ミサイルが配備されることになる。そして米軍の主要部隊はグアムその他へ撤退するが、「共同基地」に配備された核ミサイルの発射ボタンは米軍が握り続けるのだ……。

たんなる悪夢だと思われるだろうか。そうではない。すでに何十年も前から、「全自衛隊基地の米軍共同使用」と「日本の陸上基地への核ミサイルの配備」は、アメリカの軍産複合体が具体的な目標としてきた現実なのだ。日本国民の抵抗が弱ければ、必ず実現するだろう。

なぜ韓国にできる国家主権の回復が、日本にだけはできないのか。最新刊『知ってはいけない2——日本の主権はこうして失われた』を書く過程でわかったことだが、その最大の原因は、現在の安倍首相の祖父である岸首相が「安保改定」で結んだ「3つの密約」にあったのである。

岸が結んだ密約中の密約「討議の記録」

みなさんは「討議の記録」という密約文書について、聞いたことがあるだろうか。


安保改定で藤山外務大臣が1960年1月6日にサインした、密約中の密約「討議の記録」

これは安保改定時に岸政権がアメリカ政府と結んだ、「密約中の密約」といっていいほど重要な超極秘文書(藤山外務大臣がサインした)なのだが、おそらく普通の人はほとんどその名前さえ知らないだろう。

戦後日本における圧倒的な米軍従属体制(いわゆる「安保村」)のなかで、この密約文書は50年ものあいだその存在を隠蔽され続け、いまからわずか8年前(2010年)になってようやく「文書の存在」そのものは公認されたものの、その後も外務省から「こんな文書に効力はない」と、その法的有効性を否定され続けているからだ。

現在も、日本のほとんどの有識者たち(大学教授、官僚、メディア関係者)が、この外務省の説明を疑わずに信じている。その意味で、やはり「戦後日本(=安保村)」における社会科学の知的レベルは、世界一低いと言っていいだろう。

いかなる形態の文書であれ、外務大臣がサインした文書に法的拘束力があることなど、日本以外の国では高校生でも知っている事実だからである(「条約法に関するウィーン条約」第2条・7条・11条他を参照)。

「討議の記録」に書かれた驚くべき内容

ここでその「討議の記録」という密約文書の驚くべき内容を、ごく簡潔に紹介しておこう。

1960年1月6日、安保改定の調印(同19日)から約2週間前、岸政権の藤山外務大臣とアメリカのマッカーサー駐日大使(有名なマッカーサー元帥の甥)によってサインされたその文書には、次の4つの密約条項が明記されていた(以下、著者による要約。〔 〕内は補足説明部分)。

A〔日本の国土の軍事利用について@〕:「核兵器の地上配備」以外の、兵器に関する米軍の軍事行動については、日本政府との事前協議は不要とする
B〔他国への軍事攻撃について@〕:日本国内から直接開始されるケース以外の、米軍による他国への軍事攻撃については、日本政府との事前協議は不要とする〔=沖縄(当時)や韓国の米軍基地を経由してから攻撃すれば、問題はない〕
C〔日本の国土の軍事利用についてA〕:Aの「核兵器の地上配備」以外で、旧安保条約時代に日本国内で認められていた米軍の軍事行動については、基本的に以前と変わらず認められるものとする
D〔他国への軍事攻撃についてA〕:米軍の日本国外への移動については、日本政府との事前協議は不要とする〔=一度国外に出たあと、米軍がどんな軍事行動をとろうと日本政府は関知しない〕

いかがだろうか。この4つの密約条項を読んで、「ふざけるな!」と腹の底から強い怒りがわいてくると同時に、「ああ、そうだったのか」と、これまで不思議に思っていたさまざまな出来事の意味が、すっきり腑に落ちた人も多いのではないだろうか。

つまりこれらの密約をまとめると、米軍は日本国内において「事前協議なしでの核兵器の地上配備」以外は、ほぼ何をやってもいいし(上記AとCによる)、事実上、日本の基地から自由に他国を攻撃してもいい(上記BとDによる)ということになるからだ。

さらに、岸首相自身が晩年の回顧録(*)で明らかにしているように、たとえ将来、これまで一度も行われたことのない日米間の「事前協議」が形式上行われたとしても、そこでアメリカ側が日本の陸上基地への核ミサイルの配備を提案したら、日本政府がそれを拒否するケースは最初から想定されていないのである。


四コマまんがは特設サイトでも無料で読めます

(詳しくはあとで述べる『知ってはいけない2――日本の主権はこうして失われた』の第3章・p.137本文と注を読んでいただきたいが、ほぼ間違いなく「緊急時には事前通告により核ミサイルの地上配備を認める」という「沖縄核密約」と同じ密約が、本土についても口頭で結ばれているものと思われる)

(*)「条文でどうなっていようと、本当に危急存亡の際、事前に協議して熟慮の結果、拒否権を発動するに決めてノーと言ったからといって、それが日本の安全に効果があるかどうかは議論するまでもないだろう」(『岸信介回顧録―保守合同と安保改定』広済堂出版 )

岸が犯した最大の罪

なぜそのような馬鹿げた状態が、これまで半世紀近くも続いてきてしまったのか。

それには理由がある。安保改定で岸が犯した最大の罪は、この軍事主権を放棄したとんでもない内容の取り決めを、「国民に知らせず結んだ」ことだけでなく、それを結んだあと、破って捨てた」ということなのだ。

つまり、この「討議の記録」については、すべて民間から登用した「親友」の藤山にだけ責任を負わせ、自分は知らぬ存ぜぬを決め込んで、次の政権(池田政権)にも引き継がなかったのである。

岸が満州時代に述べた有名な「政治哲学」として、

「政治資金は、濾過器(ろかき)を通ったきれいなものを受け取らなければいけない」

「問題が起きたときには、その濾過器が事件となるので、受け取った政治家はきれいな水を飲んでいるのだから、掛かり合いにならない」

という言葉があるが、要するに安保改定において岸は、親友だった「藤山という政治的濾過器」を使って密約の問題を処理したわけだ。


四コマまんがは特設サイトでも無料で読めます

改ざんされていた外務省の最重要文書

この岸の信じられない行動が原因で、その後、日本の外務省は大混乱に陥り、対米交渉能力を完全に喪失していくことになる。その過程で起こった象徴的な出来事が、今回私が本を書く過程で発見した「外務省における公文書改ざん」事件である。

上の図版を見てほしい。これは外務省が問題の「討議の記録」について、「こんな密約に法的根拠はない」と主張する最大の根拠としてきた極秘文書(「核兵器の持ち込みに関する事前協議の件」)である(*)。

ところがこの「安全保障課y(のちに北米局安全保障課長となる山下新太郎氏)」という記述者名が書かれた4枚の「極秘報告書」の後半(「1」「2」と各パートの冒頭に番号が打たれた「2」の部分)が、突然まったく別人の筆跡になっているのだ。

すでに正式な筆跡鑑定もしたが、「前半(1・2枚め)」と「後半(3・4枚め)」の文字を実際に比べてみれば、それが別人の手によるものであることは、どなたにでもすぐにおわかりいただけるだろう。

なぜ外務省がこんなことをしたかというと、日本国民に対して絶対に明らかにできない「米軍艦船による核兵器の持ち込み」を、「そんなことは絶対に行われていない」と強弁するための隠蔽工作だった。

そしてそうした外務省の論理的な矛盾は、1974年に頂点に達する。というのもこの年、佐藤首相が「非核三原則」でノーベル平和賞を受賞する一方、なんとその前年には、核攻撃用の爆撃機を多数搭載した航空母艦ミッドウェイの「横須賀・母港化」(=これは小規模の核攻撃基地を国内に設置したに等しい行為だ)が実現していたからである。

以後、このあまりに巨大な矛盾をアメリカ側から絶対に公表されたくない外務省が、対米交渉能力を完全に喪失していったのは、極めて当然だったと言えるだろう。

そのため外務省は、2ページめのマンガの3コマめにあるように、「討議の記録」を約半世紀に渡って金庫にしまいこみ、その存在を否定しつづけるしかなかった。

しかしその一方でアメリカは、もともと同じマンガの4コマめにあるように、「討議の記録」の内容を2つに分割した「基地権密約文書」〔=日本の国土の軍事利用についての密約〕と「朝鮮戦争・自由出撃密約文書」〔=他国への軍事攻撃についての密約〕という、2つの密約文書を、「討議の記録」と同じ日に藤山にサインさせ、前者は日米合同委員会、後者は日米安保協議委員会という、安保条約にもとづく密室の協議機関の議事録にそれぞれ編入していた。

その結果、日本人は誰一人その正確な意味を知らない、とんでもない内容の取り決めであるにもかかわらず、「討議の記録」のほとんどすべての内容が、新安保条約・第6条にもとづく正式な日米合意として日米の協議機関に受け継がれ、安保改定で回復したはずの日本の国家主権は、再び激しく奪いとられていくことになったのである。

(*)外務省「いわゆる「密約」問題に関する調査結果報告対象文書(35点)の「1.1960年1月の安保条約改定時の核持込みに関する「密約」問題関連」P.84-87参照/ https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mitsuyaku/pdfs/t_1960kaku.pdf

親米路線がもたらす大きな危険

みなさんもよくご存じのとおり、岸は獄中のA級戦犯容疑者の身から、わずか8年で日本の首相となる過程で、早くからCIAの協力を得ていた政治家だった。そうした異常な環境が、彼の密約についての同じくあまりに異常な行動に関し、どのような影響を及ぼしていたのか。それを短く説明することは、とてもできない。

そこで版元の講談社の許可を得て、その背景を説明した『知ってはいけない2』の第3章を、特設サイトで全文公開することにする(「ウェブ立ち読み」のPDFをご覧ください)。

その本当の経緯を多くの人が正確に理解することが、今後の日本社会の進路と選択を考える上で、非常に重要な意味を持つと思うからだ。

岸を過剰に評価したり、逆にたんなる売国奴として切り捨てることは、おそらくどちらも間違いである。彼が確立した親米路線のなかで、その後日本は大きな経済的繁栄を遂げることになった。

しかしその過程で岸がアメリカ政府やCIAとのあいだで結んだ、国民の知らないあまりに異常な合意が、いま「戦後日本」という国に大きな危険をもたらしている。

なぜなら自国の軍事主権を、完全に他国の手に委ねることは、ほとんど自殺行為に近い暴挙だからだ。少し想像してほしい。

今年の2月までの米朝の軍事的対立期に、もし米軍が日本の基地から北朝鮮を攻撃したら、私たちの未来にどんな悲劇が待ち受けていただろう。もしも、米軍が核兵器の地上配備を行っていたら、私たちはどれほど深刻な危険にさらされていただろう。

軍事主権の放棄とは、戦争を「始める権利」の放棄であると同時に、戦争を「しない権利」の放棄でもある。国家にとってそれほど危険な状態はないのだ。

「朝鮮戦争の終戦」という世界史レベルの変化が起こりつつあるいま、私たち日本人には、かつて自国の首相が結んだ「誤った密約」の存在に真正面から向き合い、「ポスト戦後日本」の行方を正しく選択する大きな歴史的使命が与えられているのである。

123. 中川隆[-13508] koaQ7Jey 2018年11月07日 07:15:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20215] 報告
2018.11.07
フェイク・ニュースを発信する米有力メディアへの信仰を捨てられない人びと
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811050000/


 アメリカの支配層はフェイク・ニュースで人心を操作している。その重要な道具が有力メディアだということは言うまでもない。日本にはアメリカの有力メディアを「言論の自由」の象徴だと錯覚、崇拝している人もいるようだが、実態はプロパガンダ機関、つまりフェイク・ニュースの発信源だ。

 第2次世界大戦が終わった直後に情報をコントロールする目的でモッキンバードというプロジェクトが始められたことは本ブログでも繰り返し書いてきたが、1991年12月にソ連が消滅した後、西側ではあからさまな偽情報が伝えられるようになった。これはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づくネオコンの世界制覇計画と連動している。

 有力メディアが戦争熱を煽るが、1993年にアメリカ大統領となったビル・クリントンは戦争に消極的。そうしたこともあり、この年の9月2日には有力者の公開書簡がウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された。署名した有力者にはイギリスのマーガレット・サッチャー元首相、アメリカのジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、あるいはネオコンとして知られているジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールが含まれていた。その後、クリントン大統領はスキャンダルで苦境に陥る。

 クリントン政権が好戦的な方向へ開示を切ったのは、ヒラリー・クリントンの友人でブレジンスキーの教え子でもあったマデリーン・オルブライトが国務長官へ就任した1997年1月以降。オルブライトは1998年秋にユーゴスラビアへの先制攻撃を支持すると表明した。

 1998年10月にクリントン大統領はリチャード・ホルブルックをユーゴスラビアへ派遣、コソボから軍隊を引き揚げなければ空爆するとスロボダン・ミロシェビッチ大統領を脅し挙げた。ミロシェビッチは10月の終わりに撤退計画を発表しているが、アメリカ支配層は空爆へ突き進む。

 コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が虐殺されたという話が1999年1月に流されるが、これは嘘だった。死者が出たのは警察側とKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)との戦闘の結果で、その様子はAPのテレビ・クルーが撮影していた。

 偽情報の発信源であるウィリアム・ウォーカーはアメリカの元エル・サルバドル駐在大使。大使時代の1989年にエル・サルバドルではカトリックの指導的立場にあった司祭6名とハウスキーパーやその娘がエルサルバドル軍によって殺害されたが、この事件に関する調査をウォーカーは妨害している。教会が脱出させようとした目撃者にウォーカーたちは接触し、証言内容を変えなければエルサルバドルに送り返すと脅したのだ。そして1999年3月、NATO軍はユーゴスラビアに対して全面攻撃を加えた。

 なお、1999年3月にクリントン大統領を追及していた検察側の中心的な証人が反クリントン・キャンペーンを展開しているグループからカネを受け取っていることが判明、検察側が偽証工作を行った疑惑も出て来た。(Murray Waas, 'Behind the Clinton cocaine smear,' SALON, March 26, 1998)

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃するが、その口実にされた「大量破壊兵器」の話が嘘だということはブッシュ政権の閣僚たちも認めている。その嘘でイラクは破壊され、100万人程度の市民が殺されたと推測されている。

 バラク・オバマ大統領が2011年にアル・カイダ系武装勢力(サラフィ主義者やムスリム同胞団が中心)を使ってリビアやシリアへの侵略戦争を開始、リビアではNATO軍がその武装勢力を空爆で支援した。この辺の事情は本ブログで繰り返し書いてきたので、今回は割愛する。この侵略戦争では人権や民主といったタグが使われたが、いずれも嘘だった。

 オバマ政権は2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを実行している。その手先になったのはネオ・ナチ。民主的に選ばれた政権を暴力的に排除、今でも破壊と殺戮を続けている。このクーデターをロシアからの侵略だと宣伝してきたのも西側の有力メディアだ。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィは8カ月ほどで倒されたが、シリアのバシャール・アル・アサド政権は倒れない。オバマ政権が直接的な軍事介入の準備を整えた2015年にロシア軍がシリア政府の要請で介入、アメリカなど侵略勢力の手先になっていたアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の支配地域は急速に縮小、アサド政権の打倒は無理な状況になっている。

 アメリカ支配層は富を独占するために破壊と殺戮を繰り返し、その実態を隠すためにフェイク・ニュースを流し、その嘘を暴く情報を「フェイク・ニュース」だと攻撃してきた。事実をチェックすれば有力メディアの嘘はすぐわかるのだが、権威好きの人びとには有力メディアのフェイク・ニュースは効果的なようだ。

 アメリカの支配層にはビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、ドナルド・トランプといった歴代大統領も含まれている。支配層には一種の派閥があり、今は対立が激しくなっている。オバマやヒラリー・クリントンを担いだ勢力はトランプやウラジミル・プーチンを悪役に仕立て上げ、自分たちは善人づらしているが、フェイク・ニュースという点ではこの反トランプ派の方があくどい。

 こうした反トランプ派の有力メディアが展開してきたロシアゲートは証拠が示されていない。単なる言いがかり。いや、証拠はそれがフェイク・ニュースだということを示しているのだが、アメリカの有力メディアを崇拝している人にはその実態が見えていない。

 第2次世界大戦後、そうしたフェイク・ニュースをつかった人物がアメリカで猛威を振るった。その人物とは上院議員だったジョセフ・マッカーシー。その背後にはFBI長官だったJ・エドガー・フーバーがいた。「マッカーシー旋風」はマッカーシー上院議員だけで行ったわけではない。

 フーバー長官は映画の影響力を認識、ハリウッドの情報収集と弾圧を展開する。そのときに手先になったひとりがロナルド・レーガン。後のアメリカ大統領だ。ハリウッドはカリフォルニア州にあるが、1943年から53年にかけてカリフォルニア州知事を務めたのが後にジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する委員会の委員長に就任するアール・ウォーレン。その関係でフーバーとウォーレンは関係が深かった。言うまでもなく、現在のハリウッドは支配層の宣伝機関、偽情報の発信源にすぎない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811050000/

124. 中川隆[-13630] koaQ7Jey 2018年11月16日 07:28:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20773] 報告
2018.11.15
日本とロシアが真に接近することをアメリカ支配層は許さない(1/4)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811140000/


 シンガポールで11月14日から15日にかけてロシア-ASEAN首脳会議が開かれ、ASEAN各国の首脳はウラジミル・プーチン露大統領と相次いで会談している。そのひとりが日本の安倍晋三首相だ。その際、安倍は「1956年(日ソ)共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることでプーチン大統領と合意した」のだという。

 安倍政権は今後、ロシアと平和条約の交渉をするだろうが、条約の調印に到達する可能性は小さい。日本とロシアが真の意味で友好的な関係築くことをアメリカ支配層は許さないだろう。そうしたことを安倍自身だけでなく、アメリカもロシアもわかっているはず。この交渉自体、アメリカの命令かもしれない。ロシアや中国と日本が真に友好的な関係を築けるのはアメリカを支えるドル体制が崩れてからだろう。

 この共同宣言は1956年10月、内閣総理大臣だった鳩山一郎がソ連を訪れ、ソ連閣僚会議議長のニコライ・ブルガーニン首相と日ソ共同宣言に署名したもので、同年12月に発効している。この宣言は当時のアメリカ支配層を激怒させたが、発効した事実は消せない。プーチン大統領もこの宣言からスタートせざるをえない。

 鳩山一郎を首班とする内閣がスタートしたのは1954年12月。鳩山首相だけでなく、重光葵外務大臣、河野一郎農林大臣、石橋湛山通産大臣たちもソ連や中国と友好関係を結ぼうと考えていた。1955年6月にはロンドンのソ連大使館で米ソ両国は国交正常化の交渉を始めている。

 重光は8月末にアメリカのジョン・フォスター・ダレス国務長官と会談、その際に重要な提案をしている。「相互防衛条約」の試案を提示、その第5条で「日本国内に配備されたアメリカ合衆国の軍隊は、この条約の効力発生とともに、撤退を開始」、「アメリカ合衆国の陸軍及び海軍の一切の地上部隊は、日本国の防衛六箇年計画の完遂年度の終了後おそくとも九十日以内に、日本国よりの撤退を完了するものとする」としている。

 1945年4月にフランクリン・ルーズベルト大統領が急死した後、ホワイトハウスではニューディール派の影響力が急速に低下、ウォール街が実権を握る。新しく大統領になったハリー・トルーマンのスポンサーだった富豪のアブラハム・フェインバーグは裏でシオニスト団体へ法律に違反して武器を提供、イスラエルの核兵器開発を資金面から支えた人物だ。

 トルーマン政権は国民党に中国を支配させようとしたが、1948年の後半になると人民解放軍が国民党軍を圧倒、49年1月に解放軍は北京に無血入城した。5月にはアメリカの破壊工作組織OPCが拠点にしていた上海がコミュニストに制圧される。中華人民共和国が成立するのはその年の10月のことだ。そうした流れの中、OPCは拠点を日本へ移動させている。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, “The United States and Biological Warfare”, Indiana University Press, 1998)

 1949年には国鉄を舞台とした「怪事件」が相次ぎ、それを口実として労働組合など左翼と見なされる人びとが弾圧された。その事件とは7月5日から6日にかけての下山事件、7月15日の三鷹事件、そして8月17日の松川事件だ。

 1950年10月にOPCはCIAに吸収されたが、その4カ月前、6月25日に朝鮮半島で戦争が勃発している。その直前にジョン・フォスター・ダレスは東アジアを歴訪、日本では6月22日にニューズウィーク誌の東京支局長だったコンプトン・パケナムの自宅で開かれた夕食会に参加した。日本側からは大蔵省の渡辺武、宮内省の松平康正、国家地方警察企画課長の海原治、外務省の沢田廉三が出席している。そのダレスに対し、天皇から軍国主義的な経歴を持つ「多くの見識ある日本人」に会い、「そのような日本人による何らかの形態の諮問会議が設置されるべき」だとする口頭のメッセージが伝えられたという。メッセンジャーはパケナムだ。(豊下楢彦著『安保条約の成立』岩波新書、1996年)(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811140000/

2018.11.15
日本とロシアが真に接近することをアメリカ支配層は許さない(2/4)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811130000/


 1951年1月にジョン・フォスター・ダレスが率いる講和使節団が来日、占領後の日本をめぐる交渉が始まる。ダレスは日本に対し、自分たちが「望むだけの軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利」を求めようとしていた。(豊下楢彦著『安保条約の成立』岩波新書、1996年)

 少なくともウォール街にとって朝鮮戦争が対中国戦争の一環だと言うことを示唆する出来事が1951年4月に引き起こされている。ウォール街が作り出したCIAの軍事顧問団が約2000名の国民党軍を率いて中国領内に侵入、一時は片馬を占領したのだ。翌年の8月にも国民党軍は中国侵攻を試みたが、この時も人民解放軍の反撃で失敗に終わる。

 この当時、CIAやアメリカ軍の好戦派はソ連に対する先制核攻撃を計画していた。例えば、1949年に出されたJCS(統合参謀本部)の研究報告では、ソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという内容が盛り込まれ、この戦争を戦うために特殊部隊のグリーン・ベレーが創設されている。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年)

 好戦派の中心メンバーのひとり、カーティス・ルメイは日本や朝鮮半島で非武装の住民を大量虐殺した作戦の責任者で、1948年から57年にかけてSAC(戦略空軍総司令部)、空軍副参謀長を経て61年から65年にかけて空軍参謀総長を務めている。

 SACは1954年、ソ連に600から750発の核爆弾を投下し、118都市に住む約6000万人を殺すという計画を作成した。この年の終わりにはヨーロッパへ核兵器を配備している。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)SACが1956年に作成した核攻撃計画に関する報告書によると、ソ連、中国、そして東ヨーロッパの最重要目標に対しては水爆が使われ、ソ連圏の大都市、つまり人口密集地帯に原爆を投下することになっていた。

 攻撃目標とされた大都市にはソ連の都市だけでなく、中国の北京も含まれている。沖縄では1950年代に「銃剣とブルドーザー」で土地が強制接収され、軍事基地化が推し進められ、55年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めたライマン・レムニッツァーはルメイと同じ好戦派で、1960年から62年にかけてのJCS議長。キューバへアメリカ軍を侵攻させる口実として偽旗作戦が計画されたが、その中心メンバーでもあった。レムニッツァーの議長再任はジョン・F・ケネディ大統領が拒否した。

 ルメイやレムニッツァーを含む好戦派は1957年初頭、ソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦を作成した。それによると300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 鳩山政権はこうした中、ソ連との友好関係樹立を目指していた。重光外相は1956年8月上旬の頃に歯舞島と色丹島の返還というソ連案を受け入れ、平和条約を締結しようと言い始めたが、同月下旬に態度を一変させ、国後と択捉も要求するようにという訓令を出す。2島返還でソ連と合意したらアメリカは沖縄を自国領にすると恫喝されたとアメリカの国務長官だったジョン・フォスター・ダレスからその間に言われたのだという。そうした脅しにもかかわらず、鳩山首相は共同宣言に署名したわけだ。

 共同声明が発効した1956年12月に鳩山は辞任、CIAとの関係が指摘されている岸信介、つまり安倍晋三の祖父が後継総理になると見られていたが、鳩山と政策が近かった石橋湛山が勝ってしまう。

 ところが、アメリカにとって好都合なことに石橋が自宅の風呂場で倒れた。軽い脳梗塞だったと言われているが、石橋は退陣せざるをえなくなり、岸が総理臨時代理として政府を動かすことになる。正式に岸が首相となるのは1957年2月のことだ。

 アメリカの支配層は日本が中国やソ連/ロシアに接近することを嫌ってきた。彼らの長期目標は中国やソ連/ロシアの制圧であり、日本は侵略の拠点だからだ。日本のそうした立場は明治維新の当時から変化していない。安倍は岸と同じように、アメリカ支配層の手先だ。

 その安倍は今年(2018)年9月、ウラジオストックで開催されたEEF(東方経済フォーラム)でロシアに対して平和条約の締結を呼びかけたのだが、プーチンから「いま思いついた。平和条約を前提条件なしで結ぼう。今ここでとはいわない。今年末までに結ぼうではないか」と逆に提案され、安倍は返答できなかったという。安倍の発言はアメリカ支配層が書いたシナリオに沿うものだったはずだが、プーチンの逆提案はそこに書かれていなかったのだろう。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811130000/

2018.11.16
日本とロシアが真に接近することをアメリカ支配層は許さない(3/4)​
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811150001/


 現在、東アジアではロシアと中国を中心に状況が大きく変化しつつある。その中心にはロシアの鉄道とパイプラインの建設、中国の一帯一路プロジェクトがある。そうした状況の変化を象徴する出来事が朝鮮半島で展開されている。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、イギリスやアメリカはユーラシア大陸の沿岸部を支配し、海運を押さえて内陸の中国やロシア/ソ連を締め上げようとしてきた。それに対抗してロシアは鉄道を建設したのである。

 帝政時代、ロシアはモスクワとウラジオストクを結ぶシベリア横断鉄道の建設を計画、1891年に着工して1916年に完成させた。その鉄道を朝鮮半島へ延ばそうという計画もある。それと並行して天然ガスや石油のパイプライも建設、東アジアをビジネスで結びつけ、経済的な発展を目指そうというわけだ。

 その計画のネックになっていたのが朝鮮。1991年12月にソ連が消滅、後ろ盾を失った朝鮮はイスラルや統一教会との関係を強めたとも言われている。その朝鮮に対し、​ロシアのドミトリ・メドベージェフ首相は2011年夏、110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると金正日に提案している​。2011年12月に金正日が急死するが、翌年の4月にはロシア議会がこれを承認している。(金正日の急死に暗殺説があることは本ブログでも紹介したが、今回はこの話を割愛する。)

 今年のEEFで朝鮮は自国の鉄道と韓国に鉄道を結びつけることに前向きな姿勢を見せた。こうしたプロジェクトの実現はアメリカの世界制覇プロジェクトを揺るがす。そこで使われているのが「制裁」。この「制裁」はロシア、中国、韓国で進めているプロジェクトの阻止が目的だろう。

 韓国の動きを牽制するため、バラク・オバマ大統領は自分たちの忠実な下僕である日本を使おうとした。韓国を自分の支配下から離れないように日本との関係を強化させようとしたのだ。

 日本と韓国が対立している原因のひとつが慰安婦の問題。オバマ大統領は日韓両国の首脳との会う際、数年にわたり、毎回のように慰安婦の問題を採りあげて両国の対立を解消させようとしていたという。これは同政権でNSC(国家安全保障会議)の安保副補佐官だったベン・ローズの話だ。

 朴槿恵が韓国の大統領だった2015年12月に日本と韓国の外務大臣は「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と発表したが、文在寅政権になって状況が変わる。外務大臣直属の検証チームは2017年12月、その合意は朴槿恵と安倍晋三の側近ふたりによる秘密交渉で進められた結果であり、慰安婦だった女性の意見が十分反映されなかったと指摘したのだ。

 そして今年、つまり2018年の3月26日に金正恩朝鮮労働党委員長は特別列車で北京へ入って釣魚台国賓館で中国の習近平国家主席と会談、4月27日に朝鮮の金正恩労働党委員長と文在寅大統領が板門店で会談、緊張緩和の方向へ動き始める。

 文大統領と金委員長が会談する前日、アメリカ政府はCIA長官だったマイク・ポンペオが朝鮮で金委員長と握手する様子を撮影した写真を公表した。4月1日頃、つまり中朝首脳会談の直後に撮影されたようだ。アメリカの存在をアピールしたかったのだろう。

 紆余曲折はあったが、今年6月12日のシンガポールでドナルド・トランプ大統領は朝鮮の金委員長と会談、朝鮮半島の完全な非核化が確認された。その日、トランプは2017年4月6日のシリアに対するミサイル攻撃は中国への威嚇だったと語っている。

 おそらくトランプの発言は事実だが、この攻撃によって判明したのはロシアの防空システムが優秀だということ。この出来事に限らないが、2015年9月30日に始まったシリア政府の要請に基づくロシア軍の軍事介入はロシア軍の強さを証明することになった。アメリカ軍を恐れる必要はないと朝鮮も判断しただろう。

 2017年4月6日の攻撃では59機のトマホーク(巡航ミサイル)が発射され、そのうち目標へ到達したんは23発。6割強が撃墜されたことになる。アメリカにとっては嫌な結果。その1年後にもアメリカ軍はシリアをミサイルで攻撃するが、ロシア側は前年の反省から短距離用の防空システム、パーンツィリ-S1を配備していた。それが友好で、約7割のミサイルが撃墜されたと言われている。アメリカ軍の攻撃は威嚇になっていないだろう。

 シンガポールでの米朝会談から間もない6月22日、トランプ大統領は朝鮮を「尋常でない脅威」だとし、制裁を続ける方針を示した。その日、韓国の文大統領はロシアでウラジミル・プーチン大統領と会談、平和的な朝鮮半島の非核化を目指すことで一致、国境を越えたエネルギー・プロジェクトを推進し、FTA(自由貿易協定)に関する話し合いを始めることで合意したという。ロシア、中国、韓国、そして朝鮮は手を組み、アメリカは孤立した形だ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811150001/


2018.11.16
日本とロシアが真に接近することをアメリカ支配層は許さない(4/4)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811160000/


 アメリカのバラク・オバマ政権が仕掛けたウクライナのクーデターは中国とロシアを戦略的な同盟国にした。この関係は崩れそうもない。アメリカの影響下にあるものの、韓国はロシアや中国に接近、ビジネス上の関係は深まっている。日本の大企業もロシアや中国との取り引きなしに生き残ることは困難で、中ロとの接触は強まっていた。

 しかし、ロシアと中国が主導する形で和平が進み、経済が発展することをアメリカ支配層は認められない。ドルを使った金融マジックで世界を支配しているアメリカに生産能力はなく、ドルが基軸通貨の地位から陥落すればアメリカの支配システムは崩壊する。各国がドル決済をやめたなら、アメリカの金融マジックは破綻する。そうした流れを止めるため、アメリカはロシアと中国を軍事的に脅しているが、効果はない。

 朝鮮半島の問題でアメリカが受け入れそうな条件は、核兵器開発を放棄させた上で軍事侵略するリビア・モデル、体制の違う国を統一させて全体をアメリカが制圧して支配地域を拡大させるドイツ・モデル、疲弊した状況を利用して庶民を低賃金労働者として西側巨大資本のカネ儲けに奉仕させるというベトナム・モデル。アメリカの支配地域を拡大させるものでなければ、アメリカは受け入れない。

 日本とロシアとの関係でも同じことが言える。日本がロシアや中国と友好的な関係を結ぶことをアメリカ支配層は望まない。アメリカ支配層に従属することで自分の地位と収入を約束されている政治家や官僚、その周辺の学者やマスコミ関係者なども同じだ。

 日本の検察やマスコミは東シナ海を「友愛の海」にしようと提案していた鳩山由紀夫を2010年に首相の座から引きずり下ろした。次に菅直人が首相に就任するが、この内閣ができて間もなく、石垣海上保安部は「日中漁業協定」を無視して中国の漁船を尖閣諸島の付近で取り締まり、日本と中国との関係を壊しにかかる。当時の国土交通大臣は前原誠司だ。2011年9月に首相は菅直人から野田佳彦へ交代、野田は「自爆解散」して2012年12月からは安倍晋三が首相に就任した。

 経済的にはロシアや中国との関係を強める方が日本にとって有利。業種にもよるが、日本の大企業が中国との取り引きなしに維持できなくなって久しい。前にも本ブログで書いたように、日本の大企業もアメリカ支配層の戦略に耐えられなくなり、日本の経済界は水面下でアメリカ離れを画策している。政治家や官僚のようなアメリカ支配層の代理人と違い、大企業の忍耐が限界に達することも否定できない。そうした中、日本では大企業のスキャンダルが相次いで発覚したのは興味深い「偶然」だ。

 日本で推進されてきたTPP(環太平洋連携協定)は巨大資本のような私的権力が国を支配する体制を築くことが目的で、トランプのFTAはアメリカがターゲット国を支配する仕組みだ。こうした仕組みができてしまえば、日本は主権を完全になくし、ロシアや中国とまともな取り引きができなくなる。別個の戦略が交錯しているが、日本を支配し、食い物にしようとしている点で大差はない。

 アメリカの支配層は単にカネ儲けしよとしているだけでなく、世界制覇を目指している。これは1992年2月に国防総省のDPG草案という形で作成された。草案作成の最高責任者は国防長官だったリチャード・チェイニーで、作業の中心はポール・ウォルフォウィッツ国防次官だった。そこで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

 その翌年の12月にソ連が消滅したことでアメリカは唯一の超大国になったと彼らは認識、他国に配慮することなく、つまり国連を無視して単独で世界制覇に乗り出すという宣言だ。そのドクトリンに日本を組み込むという宣言が1995年2月に発表された「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」だ。そのレポートに基づいて安倍首相も日本をアメリカの戦争マシーンに組み込みつつある。

 ちなみにその前年、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月20日には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)、同じく3月30日に警察庁長官だった國松孝次が狙撃されて重傷を負う。そして8月27日付けのスターズ・アンド・ストライプ紙は日本航空123便に関する記事を掲載した。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811160000/

125. 中川隆[-13658] koaQ7Jey 2018年11月17日 12:25:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20857] 報告

北方領土2島先行返還を阻む日米安保「基地権密約」の壁
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241823
2018/11/17 日刊ゲンダイ


特権は剥奪できない(C)ロイター共同

 本当の交渉相手は米国だ。14日の日ロ首脳会談で1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意。56年宣言には平和条約締結後に歯舞・色丹の2島を引き渡すと明記してあるため、にわかに浮上した「2島先行返還論」に立ちはだかるのが、日米安保の壁だ。

 これまでロシアのプーチン大統領は、引き渡した島が在日米軍の拠点となる可能性に懸念を表明。16年11月に谷内正太郎国家安全保障局長が、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と会談した際、島に基地が置かれる「可能性はある」と伝え、プーチンが態度を硬化させた経緯がある。

 それにしても米軍はなぜ、北方領土に基地を置けるのか――。その謎をひもとくのが日米安保条約だ。第6条で米軍は事実上、日本全土を基地として使える権利を持つ。基地提供について、日米地位協定2条は「日米合同委員会」なる組織で協議すると定めているが、その内容は国民に明かされることはない。

 また、日本は米軍に本土上空を自由に飛び回り、国境を越えて他国を攻撃できる権利まで与えている。これだけ破格の特権を許しているのは世界でも日本のみ。米国の植民地だったフィリピンは戦後独立の際、米軍基地の設置は23カ所に限ると、具体名を地位協定に明記。03年に1カ月で米軍に敗れたイラクでさえ、駐留米軍に国境を越えた他国への攻撃を禁じる地位協定を締結した。

 1960年の安保改定で、世界に例のない不平等関係を許したのは、安倍首相の祖父・岸信介元首相だ。

「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」の著者・矢部宏治氏は昨年11月の日刊ゲンダイのインタビューで、「岸信介首相がウラ側の『基地権密約』で、朝鮮戦争勃発時に生まれた『占領下の戦争協力体制』を法的に固定してしまった」と語っていた。

「ロシア側の懸念は当然で、56年宣言の4年後の安保改定による状況の変化を盾に、2島返還を渋ることが予想されます。プーチン大統領を軟化させるには、安倍首相が腹をくくってトランプ米大統領に『北方領土の非軍事化』を認めさせるのが大前提ですが、米軍に握られた都心上空の飛行ルートの一部返還さえ、難儀なありさまです。米軍から特権を剥奪できるのかは実に怪しい」(軍事評論家・前田哲男氏)

 16日の朝日新聞によると、安倍首相はプーチン大統領に2島に米軍基地を置くことはないと伝えたそうだが、本当に米国を説得できるのか。グランド・ファザコンでトランプ大統領のポチ首相に、2島先行返還など絶対に期待できない。

126. 中川隆[-13632] koaQ7Jey 2018年11月23日 14:45:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21040] 報告
2018.11.23
ドイツ統一で西側政府に騙されたロシアは日米政府の約束を信じないだろう

 サハリン沖で油田が発見されたという。ロシアは中国との貿易を拡大、すでにヨーロッパを上回るビジネス相手になり、シベリアでもロシアは天然ガスや石油を輸送するパイプラインを建設している。新たな油田が開発された場合、その販売相手としても中国のほか韓国が想定されているだろう。

 言うまでもなく、エネルギー資源の輸入先としてロシアは中東より優位にある。輸送コストや戦乱のリスクが低いからだ。アメリカ支配層の命令に従ってロシアとの関係を拡大しない場合、日本は経済的に置いてきぼりを食うことになる。20世紀の前半とは違い、侵略戦争で利権や資産を奪うことは容易でない。

 日本の大企業はロシアや中国との関係修復を望んでいるだろうが、アメリカ支配層の手先になることで自分の地位と収入を保証されている官僚や政治家、その周辺の学者やマスコミ関係者は違うだろう。日本の支配システムが抱える矛盾は大きくなりつつある。

 そうした中、安倍晋三首相がロシアや中国を訪れているが、これは経済界に対するポーズだろう。安倍首相によると、「1956年(日ソ)共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることでプーチン大統領と合意した」のだというが、安倍本人はアメリカ支配層に逆らってまで締結する気はないだろう。

 平和条約を締結する上で最大の問題は日本側が主張する「北方領土」。歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島は日本領だと主張、「返還」を要求している。この要求をソ連/ロシアは拒否してきた。

 第2次世界大戦後、日本が一貫して「返還」を要求してきたわけではない。鳩山一郎政権は1956年10月に日ソ共同宣言に署名しているが、その際、歯舞島と色丹島を日本領にするというソ連案を受け入れている。

 そもそも、日本が受け入れたポツダム宣言はカイロ宣言の履行を求め、日本の主権は本州、北海道、九州、四国、そして連合国側が定める小さな島々に限られるとしている。

 その小島は1946年1月に出された「連合軍最高司令部訓令」で示されているが、竹島、千島列島、歯舞群島、色丹島は日本の領土から除かれている。

 また、カイロ宣言には、日本が清国(中国)人から奪った全ての地域を中華民国(中国)へ返還すると明記されている。18世紀に作られた中国や日本の地図では尖閣諸島を中国の支配下にあるとしていることなどを根拠に、この宣言でこの島々は中国領だというのが中国の主張だ。

 歯舞島と色丹島を日本へ渡すというソ連側の案は決して悪くなかったのだが、アメリカのドワイト・アイゼンハワー政権は日本とソ連の接近を許さない。国務長官だったジョン・フォスター・ダレスは重光外相に対し、2島返還でソ連と合意したらアメリカは沖縄を自国領にすると恫喝したという。日本が「4島返還」を主張するようになるのは、それ以降である。

 日本がアメリカの属国である以上、ロシアが引き渡した島にアメリカ軍の基地が作られる可能性は高い。日本政府に最終的な決定権がない以上、アメリカ支配層の意向が重要になるが、そのアメリカ支配層は約束を守らない。ドナルド・トランプ云々の話ではないのだ。

 例えば、1990年に実現した東西ドイツの統一のケース。ソ連のミハイル・ゴルバチョフは側近だったKGB幹部のアドバイスに従って東西ドイツの統一を認めたのだが、その際にアメリカのジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シェワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へNATOを拡大することはないと約束したとされている。

 ベイカー自身はこの約束を否定していたが、ドイツのシュピーゲル誌によると、アメリカはロシアに約束したとロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックが語っている。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)

 また、ドイツの外務大臣だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年2月にシェワルナゼと会った際、「NATOは東へ拡大しない」と確約し、シェワルナゼはゲンシャーの話を全て信じると応じたという。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)

 言うまでもなく、この約束は守られなかった。1999年3月にユーゴスラビアを先制攻撃してからNATOは東へ拡大、ロシアとの国境へ迫っていく。2014年2月にはウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させ、NATO軍はロシアとの国境近くにいミサイルを配備して先制核攻撃の準備を整えつつある。

 ウラジミル・プーチン大統領を始め、現在のロシア政府がアメリカによる保証を信じるとは思えない。まして日本政府の約束など何の意味もない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811230000/

127. 中川隆[-13628] koaQ7Jey 2018年11月24日 09:33:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21064] 報告
2018.11.24
ロシアとトルコを結ぶ天然ガスのパイプラインが完成、アメリカは暴力で対抗か

 ロシアからトルコへ天然ガスを輸送するタークストリームが今年(2018年)11月に完成、同月19日にトルコのイスタンブールでセレモニーが行われた。アゾフ海の入り口に近くから黒海を横断、トラキアのトルコ領へつながっている。

 輸送開始は来年12月からで、天然ガスはトルコで消費されるほか、ヨーロッパの南部や東南部の国々が市場として想定されている。

 前に計画されていたサウス・ストリームはアメリカ政府の圧力でブルガリア政府が建設許可を出さずに挫折しているので、ブルガリアを回避してヨーロッパへ運ぼうとするなら、ギリシャを通り、マケドニア、セルビア、ハンガリー、オーストリアを結ぶルートが考えられる。

 ウクライナを経由せずにロシアからEUへエネルギー資源を運ぶルートには、ロシアのビボルグからバルト海を南下してドイツのグライフスバルトへつながっているノード・ストリームがある。このパイプラインの成功を受けて計画されたのがノード・ストリーム2。

 ドイツは新パイプラインの建設に積極的だが、EUに対する支配力の低下を恐れるアメリカ支配層は必死に妨害している。そうした圧力を受けてデンマークはサウス・ストリーム2の建設に反対、ロシア、ドイツ、フィンランド、スウェーデンはデンマークを迂回するルートを検討しているという。

 かつて、ロシアからEUへエネルギー資源を運ぶ主要ルートはウクライナを経由していた。アメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権をクーデターで倒すことに成功した。そのクーデターを実行するために使われたのがステファン・バンデラを信奉するネオ・ナチだ。

 ヤヌコビッチの地盤だったウクライナの東部や南部では住民がクーデターに反発、ロシアへ助けを求めた。素早く動いたクリミアはロシアと一体化、東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)はキエフのクーデター政権が送り込んだ部隊との戦闘が続いている。

 アメリカ支配層は天然ガスがロシアからEUへ運ばれないようにウクライナでクーデターを実行、ノード・ストリームの建設を妨害しているのだが、アメリカの手先になったウクライナではロシアから供給された天然ガスや石油に対する代金を支払わず、その一方でアメリカから高額の天然ガスや石炭を購入している。その結果として代金は庶民の支払い能力を超えてしまい、国内は混乱しはじめた。

 そうした混乱の中、アメリカをはじめとする西側の支援を受けたナチズムの信奉者が勢力を伸ばしつつあるのがウクライナ。アメリカを中心とするファシズム体制とロシアや中国を中心とする多極的な体制の対立は今後、激しくなりそうだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811240000/

128. 中川隆[-13624] koaQ7Jey 2018年11月27日 10:44:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21169] 報告
2018.11.27
大統領選挙を控えたウクライナでキエフ政権がロシアに対して軍事的な挑発


 ウクライナ軍のガンボート(砲艦)2隻とタグボート1隻が11月25日にロシアが領海と定めているケルチ海峡へ無断で侵入、ロシアの警備艇に拿捕されたという。その際、銃撃もあったようだ。その前日にウクライナ軍はウクライナ東部、ドネツクにある中立地帯の一部を占領しているので、3隻の行動はロシアに対する挑発だと見て良いだろう。

 ウクライナでは来年3月に大統領選挙が予定されているが、現職は厳しい戦いになると見られている。ロシアはウクライナを迂回して天然ガスを輸送するパイプラインの建設を進め、アメリカ支配層にとって戦略的な価値が低下、エネルギー価格の暴騰で抗議行動も活発化している。今回の一件で戒厳令を敷くつもりだとも言われているが、追い詰められていることに変わりはない。選挙後、ナチズムがさらに強くなる可能性もある。

 軍事的な挑発をしているキエフ政権は2014年2月22日、ネオ・ナチを主力とするクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除して成立した。その黒幕はアメリカのバラク・オバマ政権にいたネオコンだ。

 ネオ・ナチは2月18日頃からチェーン、ナイフ、棍棒を片手に石や火炎瓶を投げ、ブルドーザーを持ち出し、ピストルやライフルも撃ち始める。広場では無差別の狙撃もあり、多くの死者が出た。

 本ブログでも繰り返し書いてきたように、​西側の支援を受けたクーデター側が狙撃した可能性が高い​ことは2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相もその翌日、キャサリン・アシュトンEU外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で報告している。

 イタリアではこの報告を裏付けるドキュメントが放送されている。(​その1​、​その2​)その中で自分たちが狙撃したする3人のジョージア人が登場、警官隊と抗議活動参加者、双方を手当たり次第に撃つよう命じられたとしている。

 この3人を含め、広場の狙撃はアンドレイ・パルビーなる人物が指揮したと語る人が少なくない。この人物はウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)とウクライナ愛国者党、ふたつのネオ・ナチ系政党を創設、クーデター後には国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任、2014年8月までその職にあった。2016年4月からは国会の議長を務め、今年(2018年)6月にはフランスとアメリカを訪問、親イスラエルで有名なアメリカ議会から歓待されている。

 ここにきてウクライナの軍事力増強に力を入れているのはイギリス。2015年には軍事訓練のプログラムをスタートさせた。イギリス軍から派遣された教官は9500名のウクライナ軍兵士を訓練している。

 現在、アメリカの民主党、CIA、司法省/FBIはロシアとの関係を悪化させる口実として「ロシアゲート」を使っているが、これがでっち上げであることは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 そのでっち上げの始まりはクリストファー・スティールなるSIS(通称MI6)の元オフィサーが作成した報告。その情報に基づいて下院情報委員会でアダム・シッフ議員は大統領選挙にロシアが介入したとする声明を2017年3月に出している。

 スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。

 フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋に​ネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼​しているが、その夫であるブルース・オーは司法省の幹部。このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになった。

 ロシアゲートはドナルド・トランプを攻撃するためにも使われている。イギリスのテレグラフ紙によると、トランプを失脚させる目的でSISが本来なら出さない「機密情報」を流したというが、その情報の信頼度が低いことは本ブログでも指摘してきた。SISはトランプを引きずり下ろすため、偽情報を流したと言うべきだ。

 イギリスは中東でも暗躍しているが、ウクライナでも活発に動いている。遅くとも20世紀の初頭にイギリスはロシア制圧を戦略の中心に位置づけているが、それが続いているのかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811270000/

129. 中川隆[-13733] koaQ7Jey 2018年12月06日 13:28:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21763] 報告
エリツィンを操っていたのはKGBの腐敗勢力で、1982年から88年にかけてKGB議長を務めたビクトル・チェブリコフを中心に、KGBの頭脳と言われたフィリップ・ボブコフ、やはりKGBの将軍だったアレクセイ・コンドーロフらも含まれていた。

 1988年から91年までKGB議長だったウラジミル・クリューチコフもチュブリコフの命令で動き、オリガルヒと呼ばれる富豪はこのグループに選ばれた若者だったようだ。このグループはイスラエルのモサドを介し、ジョージ・H・W・ブッシュを中心とするCIAの腐敗グループにつながっていた。

 この人脈はまだ機能していると見られているが、それでも21世紀に入るとウラジミル・プーチンが再独立を成功させた。アメリカに従属していない軍人、情報機関や治安機関のメンバー、研究者などが彼の背後に残っていたことが大きい。

 日本の場合、イギリスやアメリカ、つまりアングロ・サクソンの支配は明治維新から続いている。インドで傭兵(セポイ)を使っていたイギリスは中国侵略のための陸上部隊として日本に目をつけたのだ。大陸での財宝略奪がアングロ・サクソンの指示だった可能性もある。

 日本に張り巡らされたアングロ・サクソンの支配システムは強力。残念ながら、日本の将来は絶望的である。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812060001/

130. 中川隆[-13749] koaQ7Jey 2018年12月08日 06:57:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21829] 報告
ギリシャの首相がモスクワでロシアの首相を経済について話し合う意味
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812060002/
2018.12.07 櫻井ジャーナル

 ギリシャのアレクシス・チプラス首相がモスクワでドミートリー・メドヴェージェフ首相と会談した。テーマは経済問題だったようだが、その中にはパイプラインの建設も含まれていた可能性がある。

 2015年1月の総選挙でチプラスが率いる「シリザ(急進左派連合)」は「緊縮財政」反対を訴えて勝利、チプラスは首相に就任した。

 ターゲット国を経済的に破綻させて「緊縮財政」を推進するという手法で西側の支配層は世界の富を奪ってきた。ギリシャの場合、経済破綻の引き金は通貨の変更だった。2001年にギリシャは通貨をドラクマからユーロへ切り替えている。

 ギリシャの財政危機を招いた大きな原因は第2次世界世界大戦や軍事クーデターによる国の破壊であり、年金制度や公務員の問題などが急に悪化したわけではない。

 財政状況が悪いギリシャが通貨を変更することは本来できないことだ。できないことをするため、不正行為があった。

 財政状況の悪さを隠す作業の中心になったのは巨大金融機関のゴールドマン・サックス。財政状況の悪さを隠す手法をギリシャ政府に教え、債務を膨らませたのだ。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などを使い、国民に事態を隠しながら借金を急増させ、投機集団からカネを受け取る代償として公共部門の収入を差し出すということが行われていたという。

 借金漬けにした後、「格付け会社」がギリシャ国債の格付けを引き下げて混乱は始まった。こうした会社の「格付け」が信頼できないことを金融のプロは熟知している。そうした評価を有り難がるのは有力メディアや素人だろう。

 ギリシャを破綻させる作業が続いていたであろう2002年から05年にかけてゴールドマン・サックスの副会長を務めていたマリオ・ドラギは06年にイタリア銀行総裁、そして11年にはECB(欧州中央銀行)総裁に就任する。ECBが欧州委員会やIMFと組織する「トロイカ」がギリシャへの「支援」内容を決めた。

 トロイカの基本スタンスは危機の尻拭いを庶民に押しつけ、債権者、つまり欧米の巨大金融資本を助けるというもの。それが緊縮財政だ。

 そうした理不尽な要求をギリシャ人は拒否する姿勢を示す。2015年1月に行われた総選挙でシリザを勝たせ、7月の国民投票では61%以上がトロイカの要求を拒否した。

 トロイカの要求に従うと年金や賃金がさらに減額され、社会保障の水準も低下し続け、失業者を増やして問題を深刻化させると考えたからだ。選挙で勝ったシリザはアレクシス・チプラス政権を成立させる。

 それに対し、アメリカのバラク・オバマ政権は2015年3月にネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補をギリシャへ派遣する。その前年の2月にアメリカ政府はウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させたが、その際に現場で指揮していたのはヌランドだった。

 この次官補はチプラス首相に対し、NATOの結束を乱したり、ドイツやトロイカに対して債務不履行を宣言するなと警告、さらにクーデターや暗殺を示唆したとも言われている。イギリスのサンデー・タイムズ紙は7月5日、軍も加わったネメシス(復讐の女神)という暗号名の秘密作戦が用意されていると伝えていた。

 ギリシャ政府にはもうひとつの選択肢があった。ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムでチプラス首相はロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談、天然ガス輸送用のパイプライン、トルコ・ストリームの建設に絡んで50億ドルを前払いすると提案されているのだ。

 このロシアからの提案をチプラス政権は拒否、アメリカに従う。ロードス島とクレタ島の中間にあるカルパトス島にギリシャ軍はアメリカ軍と共同で基地を建設、アメリカ軍のF22戦闘機の拠点にしようと計画していると言われている。

 今年(2018年)春からギリシャのラリサ空軍基地はアメリカ軍のUAV(無人機)、MQ-9リーパー(死に神。プレデターBとも呼ばれる)の拠点として運用されている。

 ロシアが提案したパイプラインの建設を拒否したチプラス政権だが、ギリシャの東北部、トルコとの国境に近いアレクサンドルポリをイスラエルから天然ガスを運ぶためのパイプラインのハブ基地にしようとしている。地中海の東部海域に膨大な天然ガスが眠っていることは本ブログでも紹介してきた。

 それに対し、ロシアはトルコと手を組み、タークストリームが今年11月に完成させた。このパイプラインはアゾフ海の入り口に近くから黒海を横断、トラキアのトルコ領へつながり、そこからブルガリアを通り、セルビア、ハンガリー、オーストリアを結ぶルートが考えられる。パイプラインのルート案のひとつはマケドニアを通過するものだったが、マケドニアは国内の混乱で難しくなった。アメリカが仕掛けたと言われている。

 アメリカに従属する道を選んだチプラスの判断はギリシャ再建から考えると間違っていた。そのチプラスがモスクワでメドヴェージェフと経済について話し合ったというわけだ。

131. 中川隆[-13754] koaQ7Jey 2018年12月08日 15:22:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21850] 報告

2018.12.08
戦争でライバルを破壊し、富を蓄積した米英(1/3)


 ウクライナ軍のガンボート(砲艦)2隻とタグボート1隻が手続きを無視、無断でロシアが領海と定めているケルチ海峡へ入ったのは11月25日のことだった。その前日にウクライナ軍はウクライナ東部、ドネツクにある中立地帯の一部を占領している。事実関係をチェックすると、ウクライナ政府のロシアに対する挑発だったことは間違いない。

 ウクライナでは来年(2019年)3月に大統領選挙が予定されているが、現職のペトロ・ポロシェンコは人気がなく、このままでは再選が難しい。そこでケルチ海峡の事件を利用して大統領選挙を延期させるつもりだと推測する人もいた。

 こうした挑発行為はアメリカ政府の許可がなければ不可能だという考えから、ドナルド・トランプ政権がロシアに対して軍事的な揺さぶりをかけていると見る人もいる。2016年の大統領選挙の際、トランプはロシアとの関係修復を訴えていたのだが、大統領に就任した直後にマイケル・フリン国家安全保障補佐官が解任に追い込まれて以来、政権は好戦派に引きずられている。

 そのトランプはINF(中距離核戦力全廃条約)からの離脱を口にしているが、この流れは2002年から始まっている。ジョージ・W・ブッシュ政権が一方的にABM(弾道弾迎撃ミサイル)から離脱したのだ。この頃、ロシアが再独立への道を歩み始めたことと無縁ではないだろう。

 アメリカ/NATO軍がソ連との国境に向かって進軍を開始したのは1990年の東西ドイツの統一が切っ掛け。その際、ジェームズ・ベイカー米国務長官はソ連の外務大臣だったエドゥアルド・シェワルナゼに対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へNATOを拡大することはないと約束したとされている。

 ベイカー自身はこの約束を否定していたが、ドイツのシュピーゲル誌によると、アメリカはロシアに対し、そのように約束したとロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックは語っている。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)

 また、ドイツの外務大臣だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーによると、1990年2月にシェワルナゼと会った際、彼は「NATOを東へ拡大させない」と約束、シェワルナゼはゲンシャーの話を全て信じると応じたという。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812080000/

戦争でライバルを破壊し、富を蓄積した米英(2/3)


 アメリカ支配層は軍事力でソ連/ロシアを恫喝、服従させて世界の覇者になろうとしている。その戦略が遅くとも1904年までさかのぼれることは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 その当時、ポーランドをロシアから独立させようという運動が存在した。プロメテウス計画と呼ばれているが、その指導者はユゼフ・ピウスツキ。

 その後継者ともいうべき人物がブワディスラフ・シコルスキーである。第2次世界大戦中はロンドンへ逃れ、イギリス政府の庇護下、亡命政府を名乗っていた。1945年4月にアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が執務室で休止、その翌月にドイツが降伏すると、ウィンストン・チャーチルの命令でJPS(合同作戦本部)は米英数十師団とドイツの10師団がソ連を奇襲攻撃するという内容のアンシンカブ作戦を作成した。

 シコルスキーの側近だったユセフ・レッティンゲルはヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと考えていた人物で、ビルダーバーグ・グループの生みの親としても知られている。

 ドイツ軍の主力がソ連へ攻め込んだ時、イギリス政府は手薄になったドイツの西部戦線を攻撃せず、傍観している。チャーチルは父親の代からロスチャイルド資本に従属していたが、そうしたイギリスの支配層はソ連を制圧、あるいは破壊するためにナチスを使ったとも言える。この戦争でソ連は疲弊、アメリカの支配力は増した。

 ピウスツキが活動を始めたころに第1次世界大戦があり、ドイツが破壊される。ドイツはフランスとロシアに挟まれ、不利な状況にあった。イギリスもドイツに宣戦布告していたが、そのイギリスはロシア制圧を長期戦略にし、反ロシアのポーランド人を助ける。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812080000/


戦争でライバルを破壊し、富を蓄積した米英(3/3)


 当時、ロシアは農業を収入源にする大土地所有者と戦争をビジネス・チャンスと考える新興の産業資本家が2本柱だった。皇帝は軍人の意見もあり、戦争に傾いていくが、農民の意見を聞くということで皇帝がそばに置いていたグリゴリー・ラスプーチンは戦争に反対。皇后もやはり戦争を嫌っていた。

 軍事的な緊張が高まる中、1914年6月28日にオーストリア皇太子夫妻がセルビア人に暗殺され、開戦の危機が高まる。そこで7月13日に皇后はラスプーチンに電報を打っているが、その日に彼は腹を刺されて重傷を負う。8月中旬にラスプーチンは退院するが、7月28日に大戦は始まっていた。

 その後も皇后やラスプーチンは国が滅びるとして戦争に反対するが、1916年12月30日に拉致のうえ、射殺された。ロシア皇太子らが暗殺したと言われているが、黒幕はイギリスの情報機関SIS(通称MI6)だとする説がある。

 1916年にイギリス外務省はサミュエル・ホーアー中佐を始めとする情報機関のチームをペトログラードへ派遣したが、その中に含まれていたオズワルド・レイナーはオックスフォード大学で皇太子の「友人」。このチームが暗殺の実行部隊だと推測する人がいるのだ。

 当時の状況を考えると、ラスプーチンが重傷を負わず、暗殺もされなかったなら、皇后と手を組んで参戦に反対していたはず。大土地所有者や農民も戦争に反対だ。参戦しても早い段階でロシアが戦争から離脱したならドイツは兵力を西部戦線に集中、アメリカが参戦する前に勝利していた可能性がある。

 ラスプーチンが暗殺された直後、産業資本家を中心とする勢力が3月に革命で王政を倒す。いわゆる「二月革命」だ。そこにはメンシェビキやエス・エルが参加していた。この当時、レフ・トロツキーはメンシェビキのメンバーで、ニューヨークにいた。

 二月革命の際、ウラジミール・レーニンをはじめとするするボルシェビキの指導者は国外に亡命しているか、刑務所に入れられていて、革命に参加していない。そうした亡命中のボルシェビキの幹部をドイツは「封印列車」でロシアへ運んだ。ボルシェビキが即時停戦を主張していたからである。

 結果としてボルシェビキ政権が誕生、ロシアは戦争から離脱するのだが、アメリカの参戦で帳消しになる。イギリス、フランス、アメリカ、そして日本などはそのボルシェビキ体制を倒すため、1918年に軍隊を派遣して干渉戦争を始める。

 ロシア革命とはふたつの全く違う革命の総称であり、ボルシェビキは最初の革命には事実上、参加していない。第2次世界大戦でドイツ軍を倒したのはソ連軍で、アメリカ軍やイギリス軍は勝負がついた後、ウォール街とナチス幹部が話し合いを進めるのと並行してヨーロッパで戦っただけだ。しかも、ドイツが降伏するとイギリスはロシアを奇襲攻撃しようとした。

 結局、ふたつの大戦でソ連/ロシアやヨーロッパは破壊され、その一方で戦場にならず、軍需で大儲け、ドイツや日本が略奪した財宝を手に入れたアメリカは世界で大きな力を持つことになった。

 しかし、アメリカはその地位から陥落しそうだ。アメリカは中東やアフリカなど資源の豊かな地域だけでなく、東アジアやヨーロッパで軍事的な緊張を高めている。これは1992年に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンに沿うもの。東アジアやヨーロッパを戦争で破壊するつもりかもしれない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812080002/

132. 中川隆[-13530] koaQ7Jey 2018年12月23日 12:13:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22207] 報告
 2018.12.23
アメリカの次期国防長官の有力候補としてネオコンのキーン大将の名前

来年(2019年)2月一杯での辞任が公表されたジェームズ・マティス国防長官はイエメンでの虐殺を支持、朝鮮に対して殲滅すると恫喝、イラクやシリアでの爆撃を監督する立場にあった。イラクのモスルに対する攻撃では少なくとも6000名の市民が殺されたという。

 この好戦的な国防長官の後任としてふたりの名前が挙がっている。トム・コットン上院議員とジョン・キーン退役大将だ。当然のことながらふたりとも「親イスラエル」で好戦派。

 コットン議員は売り出し中の好戦派だが、キーンは筋金入りのネオコン。フレデリック・ケイガンとロバート・ケイガンの兄弟、フレデリックの妻であるキンベリー・ケイガン、ロバートと結婚したビクトリア・ヌランドのネオコン一族と親しいことでも知られている。

 トランプはアフガニスタンからも撤退するとしているが、キーンは2017年6月にアフガニスタンへ1万名から2万名の部隊を送り込むべきだと語っていた。

 キンベリーはISW(戦争研究所)の創設者で、戦争ビジネスと緊密な関係にある人物。2011年9月から12年11月までCIA長官を務めたデイビッド・ペトレイアスとも親しい。

 ペトレイアスはリチャード・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、あるいはヒラリー・クリントンに近く、エル・サルバドルで死の部隊に心酔した人物。そこで死の部隊を指揮していたジェームズ・スティール大佐と知り合う。当時、ペトレイアスはウエスト・ポイント(陸軍士官学校)の教官を務めていた。

 ペトレイアスは2002年から04年にかけて第101空挺師団の司令官としてイラクでの戦闘に参加、08年から10年までは中央軍司令官を務め、CIA長官になる。その際、彼はスティールをイラクへ連れてきて特殊警察コマンド、つまり死の部隊の訓練を実施させた。

 ビクトリア・ヌランドは言うまでもなくウクライナのクーデターで最前線にいた人物。当時は国務次官補だった。このクーデターはネオ・ナチであるステファン・バンデラ派が中核グループを形成していた。

 このクーデターでバラク・オバマ政権はウクライナ東部や南部を地盤とするビクトル・ヤヌコビッチ大統領の排除には成功したが、クリミアの制圧には失敗してしまう。当然のことながらヤヌコビッチの地盤ではクーデターに反発、離脱の動きが進んだためである。

 オデッサではクーデターに反対する住民が惨殺されたが、そうなる前にクリミアの住民は動いた。クーデター体制からの離脱は圧倒的な住民の意思だった。周囲を海に囲まれているということもあり、オデッサのような事態は避けられたのである。思考回路をアメリカ支配層に支配されている人々はこれを「併合」と呼ぶ。現在、クリミアの住民は平穏な生活を送っているが、反ロシア、嫌ロシアの人々はオデッサの住民のようになるべきだったと考えているのだろうか?

 ウクライナ東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)でもクーデターに反発する住民は多いが、戦乱で多くの難民が出た。逃げ込んだ先はロシアだ。そのドンバスに対する軍事的な圧力をキエフ軍は強めている。

 ウクライナにはアメリカの空挺部隊やイギリスの特殊部隊が入り、クーデター政権を支えているが、ここにきてウクライナの軍事力増強に力を入れているのはイギリス。オバマ政権が終わりに近づいた2015年には軍事訓練のプログラムをスタートさせ、イギリス軍から派遣された教官は9500名のウクライナ軍兵士を訓練している。ドンバス側によると、イギリス軍は化学兵器を使おうとしているという。

 そうした中、11月25日にウクライナ軍のガンボート(砲艦)2隻とタグボート1隻が手続きを無視して無断でロシアが領海と定めているケルチ海峡へ入った。撃沈されても不思議ではない状況だったが、ロシア軍は拿捕することに成功する。

 その事件が引き起こされる前日、NATOは大規模な軍事演習、トライデント・ジャンクチャーを実施している。ちなみに、ウクライナの紋章は三つ叉の矛(トライデント)だ。ケルチ海峡での展開次第では軍事衝突に発展した可能性がある。

 ロシアはウクライナ/NATO軍の攻撃に備え、クリミアの防衛力を強化している。シオニストのうちヒラリー・クリントンを担いでいたグループが主導権を握り、キーンが次期国防長官になった場合、ウクライナの情勢が緊迫化する可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812230000/

133. 中川隆[-13379] koaQ7Jey 2018年12月28日 11:03:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

2018.12.28
アメリカ支配層を追い詰めるプーチン露大統領の不安定な足下(1/2)

 相変わらすアメリカの支配層は恫喝で自分の意思を押し通そうとしているが、思惑通りには進んでいない。アメリカ支配層はロシアのウラジミル・プーチン大統領に追い詰められ、孤立しつつある。

 ロシアは音速の20倍で飛行するグライダー型のミサイルを開発、2019年から実戦配備するというが、これに限らず、すでにロシア軍の質的な戦闘能力はアメリカ軍を上回っている。アメリカ軍は物量で対抗するか、核戦争で人類を死滅させるしかない。

 第2次世界大戦後、アメリカが世界に君臨できたのは戦争で儲かったからだけでなく、ライバルのヨーロッパ諸国やソ連が破壊され、ドイツや日本が占領地で略奪した莫大な財宝を手に入れることができたからだ。

 アメリカの発行するドルが基軸通貨になったこともアメリカの支配的な地位を支えている。ドルを発行して物を買い、払ったドルを回収するという仕組みを作り上げ、侵略戦争も続けることができた。プーチンは中国と手を組み、そのドル体制を破壊しようとしている。

 本来なら、ロシアは金融面でもアメリカに圧力を加えなければならないのだが、その金融部門がロシアのアキレス腱だと指摘されてきた。プーチン体制になった今でもロシアの金融は西側の巨大金融資本、いわゆるウォール街やシティに支配されているのだ。現在、ロシア中央銀行の総裁を務めるエリビラ・ナビウリナもそうした人脈のひとり。

 本ブログでも指摘済みだが、ソ連はジョージ・H・W・ブッシュなどCIAのOBグループとKGB中枢の腐敗グループが手を組んで実行したハンマー作戦で消滅した。CIAとKGBを結びつけたのはイスラエルのモサドだ。KGBの腐敗グループには1982年から88にかけてKGB議長を務めたビクトル・チェブリコフ、KGBの頭脳と呼ばれたフィリップ・ボブコフなどが含まれていた。

 クーデターが最終段階に入った頃、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されていた金塊2000トンから3000トンが400トンに減っているという報告が頭取から議会にあった。残りは行方不明だという。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812280000/

2018.12.28
アメリカ支配層を追い詰めるプーチン露大統領の不安定な足下(2/2)


 ソ連消滅後、ロシア大統領のボリス・エリツィンは私有化を推進しようとする。つまり、国民の資産を二束三文でウォール街やシティの住人に売り飛ばそうということだ。その手先になったロシア人も巨万の富を築き、オリガルヒと呼ばれるようになる。

 この私有化に議員は反対、大統領の行為をクーデターだと非難し、自分たちの政府を樹立すると宣言して少なからぬ議員が議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもる。それに対してエリツィン大統領は戦車に議会ビルを砲撃させた。それが西側流の「民主主義」だ。議会ビルで殺された人の数は100名以上とも約1500名だとも言われている。

 ロシア国内の略奪グループはエリツィンの娘であるタチアナを中心に据えていた。プーチンが2000年に解雇するまでタチアナは大統領顧問だ。

 タチアナの人脈に属すアナトリー・チュバイスはソ連が消滅する直前からエリツィンの側近として経済政策を策定、その背後にはジョージ・ソロスの友人としても知られているハーバード大学教授のジェフリー・サックスがいた。サックスの下で働いていたエゴール・ガイダルはソロスの知り合いで、エリツィンの側近になる。

 エリツィン時代にチュバイスとガイダルに命令していた人物がラリー・サマーズ。ハーバード大学教授、世界銀行の主任エコノミスト、財務次官、財務副長官を経て1999年7月から2001年1月まで財務長官を務めている。その後ハーバード大学の学長に就任した。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。

 ナビウリナ中央銀行総裁はガイダルの人脈だと見られているが、そのほか経済開発大臣や財務大臣もこの人脈が押さえている。ロシアは現在、西側支配層から経済的な攻撃を受けているものの、成長している。その成長にブレーキをかけるかのようにナビウリナは金利を上げてきた。この総裁はIMFの意向に沿う政策を推進している。

 ロシアの経済政策は西側金融資本の影響を強く受けているのだが、今年(2018年)は年金制度の改定が国民の怒りを買い、プーチンの支持率を低下させた。経済部門に巣くうエリツィン時代の人脈を排除できず、オリガルヒは甘い汁を吸い続けているという不満を国民は高めたようだ。

 ところで、似た状況がかつてのアメリカにもあった。フランクリン・ルーズベルトの時代だ。ルーズベルトは1932年の大統領選挙で初当選、JPモルガンをはじめとするウォール街の大物たちは1933年から34年にかけてルーズベルトを中心とするニューディール派をホワイトハウスか追い出すため、クーデターを計画したのだ。

 これはスメドリー・バトラー少将の議会証言で明らかにされているが、クーデター派はファシズム体制の樹立を目指していた。つまり、バトラー少将がカウンター・クーデターの意思を示さなかったなら、アメリカはその時点でファシズム体制になっていた可能性が高いのだ。1980年代に始まったCOGプロジェクトでアメリカはファシズム化が促進されたが、これは一貫したウォール街の政策だということである。

 1930年代のクーデター計画は阻止されたが、そのときに司法省は動かず、ルーズベルト大統領はウォール街にメスを入れられなかった。株式相場が暴落して間もなく、軍事的な緊張が高まっているということもあり、金融界を敵に回して国内を不安定化させることはできなかった。プーチンはルーズベルトと似たような状況にある。

 大戦の終結が見えた段階でルーズベルトはウォール街の粛清を始めようとしたのだが、その矢先、ドイツが降伏する前の月、つまり1945年4月に急死する。それを切っ掛けにしてウォール街がホワイトハウスを奪還した。

 そして現在。プーチンはロシア国内の戦いで勝ち残れるだろうか?(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812280000/


134. 中川隆[-13378] koaQ7Jey 2018年12月28日 11:06:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

馬渕睦夫さんが明らかにしていますが

体制側=リベラル・グローバリズム・左翼=親ユダヤ
=国際金融資本、軍産複合体、ネオコン、CIA、FBI、マスコミ、ソ連共産党、中国共産党、天皇一族、日本の官僚
=マクロン、メルケル、ヒラリー・クリントン、オバマ、レーニン、スターリン、ボリス・エリツィン、小泉純一郎、竹中平蔵、小沢一郎、橋下徹、枝野幸男、日本の護憲派・反原発派・反安倍勢力


反体制側=反リベラル・反グローバリズム・民族主義・右翼=反ユダヤ
=プーチン、チェ・ゲバラ、カストロ、J.F.ケネディ、トランプ、ヒトラー、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、ウゴ・チャベス、 ロドリゴ・ドゥテルテ、田中角栄、安倍晋三、日本共産党


なんですね。

マスコミは国際金融資本が経営しているので、当然体制側(グローバリズム)に都合の悪いニュースは絶対に流しません。

というより、改竄・捏造してでっち上げたニュースをあたかも事実であるかの様に流布させています。 間違いを指摘されても絶対に訂正しません。


反ユダヤ、反グローバリズム、反共、反リベラルのヒトラーやサダム・フセイン、カダフィは今迄ずっと極悪人扱いされてきましたが、

ユダヤ資本が支配しているマスコミが現在でもシリア毒ガス兵器の様な悪質な捏造ニュースばかり流している事を考えると、ヒトラーやサダム・フセイン、カダフィについても、有る事無い事 根も葉も無い嘘とデマを撒き散らした可能性が高いです。

そうでなければ、ドイツ女性の熱狂的なヒトラー崇拝やサダム・フセイン、カダフィの自国民からの圧倒的支持を説明できないのです:


第一次湾岸戦争時の「ナイラ証言」

アメリカ政府もメディアも、イラク攻撃の世論作りのために露骨な捏造と情報操作をおこなった。世界が、みごとに嵌められてしまった。

「ナイラ証言」というのは、完璧な捏造であることがはっきりしている。ナイラというクウェートの少女が、米公聴会で「イラクの兵士がクウェートの産院の乳飲み子を保育器からだし、次々と床に叩きつけて殺したのを見た」と涙ながらに証言した。

しかし、後にこの少女は、駐米クウェート大使の娘で、ずっとアメリカにいたことが分かった。つまり、証言は真っ赤なウソだった。この証言は、アメリカの広告代理店がシナリオを作り演出したものだった。リハーサルもきちんとしていた。もちろん、スポンサーはアメリカ政府以外にない。ただし、捏造がニューヨークタイムズで暴かれたのは、1年3ヶ月後のことだ。

この「ナイラ証言」が出るまでは、アメリカの世論は反戦が多数を占めていた。しかし、この証言で世論は一気に会戦へと転じた。周到に準備された、たったひとつの捏造が、世論を完璧に逆転させてしまった。しかも、素人の少女のウソ泣きによって。


クウェートから逃げてきたとされる少女の証言だ。そのクウェート人少女は、アメリカ議会の公聴会でこう証言した。

「サダム・フセインの軍隊が病院に乱入して、保育器から赤ん坊を取り出し、床に叩きつけて殺した。私はこの目で目撃した」

 と、少女は涙を流しながら証言した。

 ところが、この公聴会での少女の証言は、真っ赤なウソだった。
 事前にアメリカの広告代理店が綿密なシナリオをつくり、何度もリハーサルをした上での証言だった。当の少女が後に暴露した。
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak13/msg/753.html


▲△▽▼


ひとりがたり馬渕睦夫 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7MaEu9i584fGdp78r27h-eH0rmWLioEC

2018/06/22 に公開
待望の馬渕睦夫大使の新番組がスタート!激動する世界、今の日本に必要なのは何か?どんな危機が訪れているのか?マスメディアでは伝えられない世界の真実と、馬渕睦夫の「眼」をお届けいたします。
 
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【馬渕睦夫】メディアは「意図的」に洗脳している。マスコミの正体を暴露しよう - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=1UVE71XxbHk


___

【馬渕睦夫 河添恵子】「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露! NHK内部にまで浸透済みだ! 2018年12月17日 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=SGKFLrySAHs

2018/12/16 に公開
馬渕睦夫 河添恵子氏の解説から

「NHKは人事まで中国大使館の支配下にある」と馬渕睦夫 河添恵子氏が暴露!
NHK内部にまで浸透済みだ!
朝日、毎日をはじめとする新聞、NHK、TBSといった地上波テレビなど、既存メディアは、真実を見せなくなっているのではないでしょうか?
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馬渕睦夫★日本のテレビから外国人スパイを淘汰しろ!
なぜ天皇陛下が農業するのか?その意味と譲位日程の秘密 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=DPaPO66OWBk&app=desktop

2017/12/07 に公開
 

135. 中川隆[-13377] koaQ7Jey 2018年12月28日 11:13:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告


馬渕睦夫さんが明らかにしたのは

・ロシア革命を行ったレーニン、スターリン、トロツキー等は全員ユダヤ人とそのシンパだった

・ロシア革命に資金援助や支援していたのはアメリカやイギリス・ドイツの金融資本家だった


・毛沢東と中国共産党を支援していたのもアメリカ金融資本家だった

・ルーズベルトとその周辺の人間は全員社会主義者でスターリンと同盟関係にあった

・GHQ は戦後の日本を共産化しようとした

・ボリス・エリツィンはソ連崩壊後に国有財産を民営化して、すべてユダヤ資本に二束三文で払い下げた


要するに、ユダヤ資本は

昔は共産化によって世界各国のグローバル化を進めようとした

現在は移民を大量に受け入れさせて世界各国のグローバル化を進めようとしている





▲△▽▼

馬渕睦夫さんは唯の国際化とグローバリズムとは全く違う概念だと何度も言っています。

馬渕睦夫さんがグローバリズムと言っているのは

ユダヤ国際金融資本はユダヤ教の精神に基づいて、世界を国境の無い文化も同じ一つの国にしようとしているという事ですね。

ユダヤ教は人類で最後に救われるのはユダヤ人だけで、他民族はすべて滅ぼされるという教義です。

すべて滅ぼすのは無理なので、ユダヤ人が目指す現実性のある理想の社会は
1%のユダヤ人が資産や権力を独占して、99%の他民族は被支配者として搾取される世界なんですね。

北朝鮮みたいな共産国家なら大体その通りになっていますよね。

それから中国では都市籍の人間が農民籍の人間を支配搾取する体制になっていますよね。
中国の経済発展は都市籍の人間が農民籍の人間をタダ同然で働かせる事ができたからだというのが定説ですね。


マルクス主義で言う平等というのは 99% の被支配者の間では階級差別が全く無いというだけの話です。

竹中平蔵さんが、

派遣社員と正社員と待遇が違うのは平等の精神に反するから、正規社員も非正規社員と同待遇にしろ

と言っているのも 99% の被支配者の間では階級差別が有ってはいけないという主張ですね。


だから、ユダヤ人は最初は共産化で 1% 対 99% の世界を作ろうとしたのです。

▲△▽▼


馬渕睦夫さんが何度も言っていますが、国際化とグローバリズムとは全く違う概念なのですね。

それは航空機で欧米に数時間で行ける時代だから、海外との輸出入も旅行も技術交流や留学も簡単になった。
コカコーラやネスカフェやマクドナルドは世界中どこでも手に入る様になった。

しかし、それはあくまでも国際化であってグローバリズムとは関係ない

移民を入れたらチャイナタウンとかモスクを中心とするイスラム人居住区みたいな国家内に別国家ができてしまうので、唯の国際化とは次元が違うものなんですね。

ユダヤ資本は利潤を最大化したいだけなので、

・言語はすべて英語に統一して、それ以外のローカルな諸言葉はすべて廃止する
・民族ごとに違う習慣や伝統はすべて止めさせて、世界標準の生活様式に統一する
・賃金は民族によらず、すべて同一作業同一賃金にする

という環境を作りたいのです。


グローバリズム=共産主義

というのは、どちらも 1% 対 99% の世界を作って、

99%の中では民族による賃金や福祉等の差別はしない、中国人でも日本人でも賃金はすべて同一にする(賃金は安い方に統一する)

という事なのですね。

それで、レーニンやスターリンやトロツキーの様な反民族主義のユダヤ系のグローバリストが共産革命を起こし、ユダヤ資本が共産国家を支援した

馬渕睦夫さんはそういう歴史的事実を信頼できる資料と客観的事実に基いて具体的に指摘したというだけです。

▲△▽▼


ロシア革命も毛沢東の中国支配も東西冷戦も朝鮮戦争もすべてユダヤ金融資本が仕組んだヤラセだった:

【大道無門】馬渕睦夫と国難の正体を暴く[桜H25-5-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Rl7oyG4ebwk&app=desktop

2013/05/24 に公開

司会:渡部昇一(上智大学名誉教授)
ゲスト:馬渕睦夫(元駐ウクライナ大使)

136. 中川隆[-13193] koaQ7Jey 2019年1月05日 20:15:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22219] 報告

[馬渕睦夫さん][今一度歴史を学び直す] 6-7-
石油目的のイラク戦争と東欧のカラー革命「アラブの春」の実態 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9ayQK3ht6yM&list=PLSdGrK6XTr5iYvuiF_2TQaKUPeOMoJiPT&index=7&app=desktop
137. 中川隆[-13110] koaQ7Jey 2019年1月09日 16:32:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22222] 報告

【馬渕睦夫】ウクライナ問題から見る国際情勢[桜H26-7-24] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=sDnbkelk0fs

2014/07/24 に公開

外交官時代に、ウクライナ兼モルドバ大使を務められ、当地の事情に明るい馬渕睦夫氏をお迎えし、旅客機撃墜事件で高まるロシア非難から距離を置いて、オレンジ革命に遡るアメリカの「プーチン潰し」と、その裏にある「ナショナリズムvsグローバリズム」の対立構造、今後の事態終息への予想などについてお聞きしていきます。

138. 中川隆[-13101] koaQ7Jey 2019年1月10日 19:27:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22222] 報告

プーチンは共産主義者ではなく国粋主義の愛国者


【平成30年 新春特別対談】馬渕睦夫氏に聞く[桜H30-1-2] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UiH6n-vvsnI


2018/01/02 に公開
ゲスト:馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
聞き手:水島総

139. 中川隆[-12789] koaQ7Jey 2019年1月23日 09:30:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告
2019.01.23
イギリスの軍と情報機関によるロシアを悪魔化して描く極秘の心理作戦が発覚

 ​アノニマス(匿名)を名乗るハッカー集団​が昨年(2018年)11月、あるNGOに関する文書を公開した。そのNGOはインテグリティ・イニシアティブ。イギリスの軍と情報機関による極秘の心理作戦を実行、その活動範囲はアメリカにも拡大し、同国の国務省、FBI、DHS(国土安全保障省)、あるいは有力シンクタンクに強力な同盟者を育成していることが明らかになった。原資の200万ドルはイギリスの外務省が出したという。

 プロジェクトの内容は第2次世界大戦が終わって間もない頃にアメリカで始まった情報操作プロジェクト、モッキンバードに似ていると言われている。

 モッキンバードで中心的な役割を果たしたのは4名。ウォール街の弁護士でOSSやCIAに君臨していたアレン・ダレス、やはりウォール街の弁護士でアレンの側近として破壊工作を指揮していたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で国際決済銀行初代頭取の孫であるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。

 フィリップ・グラハムの妻、キャサリンはウォーターゲート事件でリチャード・ニクソンを失脚させた当時のワシントン・ポスト紙社主。フィリップはジョン・F・ケネディ大統領が暗殺される3カ月前に自殺している。キャサリンの父は世界銀行の初代総裁だ。ニクソン辞任で副大統領から昇格したジェラルド・フォード大統領時代、政府内からデタント派が粛清されてネオコンが台頭したことは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 ウォーターゲート事件の取材は若手記者だったカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが中心になって行われたが、ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で記者としては素人に近い。事実上、取材はバーンスタインが行ったようだ。

 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 当然のことながら、CIAの工作は国境を越える。​フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテ​は2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出している。

 彼によると、ドイツだけでなく多くの国のジャーナリストがCIAに買収されている。人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開、人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできない地点にさしかかっているというのだ。2017年1月、56歳のときに心臓発作で彼は死亡する。出版されたはずの英語版は市場に出てこなかった。

 インテグリティ・イニシアティブも人びとがロシアに敵意を持つように誘導する。そのネットワーク内に含まれるウィリアム・ブラウダーはアメリカ支配層の対ロシア戦争で重要な役割を果たしている。

 この人物はボリス・エリツィン時代のロシアでクレムリンの腐敗勢力と手を組んで巨万の富を築いたひとり。不正な手段で手に入れた資産をロシアから持ち出すために使われた銀行のひとつ、リパブリック・ナショナル銀行ニューヨークを創設した人物とヘルミテージ・キャピタル・マネージメントなる会社を共同で創設したのがプラウダーだ。

 この金融ネットワークでマネーロンダリングしていたとロシア当局はにらみ、ブラウダーが雇っていたセルゲイ・マグニツキーが2008年に逮捕される。マグニツキーを弁護士だとする人もいるが、実際は会計士。経済犯罪の鍵を握る人物だったと言われている。

 そのマグニツキーは取調中に死亡、西側では拷問で殺されたと宣伝されてきた。この人物は心臓病を抱えていたことから病死だと考える人が少なくないが、口封じされたと疑っている人もいる。ブラウダーは2013年に欠席裁判で懲役9年の判決を受けているが、ロシアの逮捕令状要請はインターポールが拒否している。

 インテグリティ・イニシアティブが重要視しているのはドイツだが、その矛先はイギリス労働党のジェレミー・コービン党首やドナルド・トランプ米大統領にも向けられている。西側の有力メディアやアメリカの民主党が盛んに宣伝しているロシアゲートの発端になった根拠薄弱で信頼度の低い報告書を作った元MI6オフィサーのクリストファー・スティールはブラウダーにも雇われていた。

 日本のマスコミが権力者の走狗にすぎないことは言うまでもないが、日本で崇拝者が少なくないアメリカやイギリスをはじめとする西側の有力メディアも同類だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201901230000/

140. 中川隆[-12762] koaQ7Jey 2019年1月24日 13:07:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告
女性、金融、エネルギー、メディア

 ロシアの巨大石油会社のユーコスを支配していたミハイル・ホドルコフスキーはソ連時代、若い女性を「ロシア人モデル」としてニューヨークへ送り出していた。

 このホドルコフスキーが生まれたのは1963年6月のことである。父親はユダヤ教徒、母親はロシア正教徒。ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務め、ソ連が消滅した1991年12月には28歳だった。

 ソ連では1985年に書記長となったミハイル・ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)を推進する。そうした中、1989年にホドルコフスキーはリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。

 この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得する。違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 この怪しげなビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーのKGB人脈に助けられて入手できたという。この若者はKGBとつながっていたわけだ。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 本ブログでもすでに指摘したが、ソ連はジョージ・H・W・ブッシュなどCIAのOBグループとKGB中枢の腐敗グループが手を組んで実行したハンマー作戦で消滅した。CIAとKGBを結びつけたのはイスラエルのモサド。KGBの腐敗グループには1982年から88にかけてKGB議長を務めたビクトル・チェブリコフ、KGBの頭脳と呼ばれたフィリップ・ボブコフなどが含まれていた。

 ソ連消滅後、ロシアに君臨したのがボリス・エリツィン。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。国民の資産を奪う新自由主義的な政策を推進したグループに属していたということだ。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。金融、エネルギー、メディアは支配に必要な道具だ。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 この一方、彼はジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れた。彼がキッシンジャーやロスチャイルドの影響下にあったことを示唆している。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたが、ウラジミル・プーチンに阻止されてしまった。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 エリツィン時代、クレムリンの腐敗勢力と手を組んで巨万の富を築いたホドルコフスキーのような人物はオリガルヒと呼ばれている。プーチンが実権を握るとオリガルヒの一部はその政権への従属を誓い、他はロンドンやイスラエルへ逃げる。ホドルコフスキーはロシアに残ってプーチンと対立する道を選んだが、オリガルヒの活動は違法なものだったことから逮捕されてしまう。

 日本では中曽根康弘、小泉純一郎、菅直人、野田佳彦、安倍晋三など新自由主義に基づく政策を推進する人物が総理大臣を務めてきた。ロシアほど劇的な形ではないが、オリガルヒは生まれつつある。そうした集団の不正をマスコミは暴こうとしないが、蟻の穴から堤も崩れるということはある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201901240000/

141. 中川隆[-12559] koaQ7Jey 2019年1月31日 21:06:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

馬渕睦夫沖縄講演〜2019年の国難をどう乗り切るか[桜H31-1-29] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=nIQpvmu_Mt0

1月19日に沖縄で開催された馬渕睦夫氏の講演会「2019年の国難をどう乗り切るか」を完全版でお送りいたします。

VTR:馬渕睦夫先生沖縄公演「2019年の国難をどう乗り切るか」
(平成31年1月19日:沖縄船員会館)

【内容】
 @メディアの洗脳支配の背後に潜むもの
 A「金融」を支配したディープステート
 B国難に打ち勝つ日本文化の力
 C日露交渉〜伝えられないロシア
 D安倍首相のグローバリズム政策はなぜ?
 Eトランプ世界戦略の先

142. 中川隆[-12533] koaQ7Jey 2019年2月01日 16:10:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第3回
「ネオコンが狙う日露決裂とプーチン潰し」[桜H31-1-31] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=jWRxVmGJkDo

2019/01/31 に公開

既成概念にとらわれない大きな視座で国際情勢を俯瞰し、ぶれることのない日本の軸を示し続けている馬渕睦夫氏。
閉ざす門を一度解き放つことによって見えてくるものがあるように、物事の本質を見極める言葉と思考を、対談を通じて伺います。

出演:
 馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
 水島総(日本文化チャンネル桜代表)

143. 中川隆[-12277] koaQ7Jey 2019年2月10日 17:31:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告
プーチンは礼儀正し過ぎるのか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-2ad2.html
2019年2月 9日 マスコミに載らない海外記事


2019年2月4日
Paul Craig Roberts

 下記のギルバート・ドクトローの記事は、とんでもない挑発に対する、プーチンの並外れた自制について、私自身が表明してきた懸念と同じ意見だ。私は欧米指導者連中に全く欠如している自制ゆえにプーチンを称賛していする。にもかかわらず私は、戦争を阻止しているこの自制が、戦争に導いているかもしれないという懸念を表明した。第二次世界大戦に関する多くの歴史家が、断固とした態度を取るより、対立状況を沈静させようとしたイギリスのチェンバレン首相の善意が、ヒトラーに戦争するよう元気づけたと結論している。

 ソ連のどの指導者に対して、あるいは彼らについて、プーチンにするように話をした欧米政治家は皆無だという点において、ドクトローは確かに正しい。状況は、イギリス政府がロシアとの戦争に準備をしていると宣言する極端な無謀さの極みに達している。ソビエト時代、イギリス政府は決してこれほど不合理に挑発的なことを発言したことがないはずだ。ロシアは数分でイギリスを地表から消し去ることができるのに、イギリス防衛大臣は、イギリスは対ロシア戦争を準備していると宣言しているのだ!

 プーチンは、欧米には彼と同種の人物がどこにも存在しない、知的な、礼儀正しい、親切な、道理をわきまえたリーダーだ。彼ははぐらかさず、メモも、耳に答えをささやく補佐もなしで、全ての質問に答えて、何時間も、しばしば敵対的な記者たちの前に立つことができる唯一の政治指導者だ。プーチンは皆の敬意に値する。その代わり、彼はロシアとともに、画策された悪魔化キャンペーンを受ける。これがどのように平和を促進するだろう? 理解できないほど強力な核兵器の時代に、欧米のこのような無責任な行動がどうして正当であり得よう?

 ドクトローはプーチンが、並外れた自制心の道理をわきまえた人で、誰も彼の感情を害することを恐れないほどだと言う。状況は不安定だ。遅かれ早かれ、プーチンは断固として譲らない態度に出るか、ロシアの主権を失うか、ロシア人の間での彼の支持を失わねばならなくなるだろう。もしプーチンが余りに長い間待てば、彼の足は、彼らが沈黙させられることができないという点に至るまで、「欧米指導部」を構成する政治家が持っているばか者が戦争の太鼓を叩くポイントで低下することができる。

 ワシントンの愚かさはもう一つの理由で異常だ。ワシントンは、プーチンのロシアを制裁し、悪者にし、村八分にすれば、プーチンを排除できるだろうと考えている。その可能性はあるだろうが、傷つけられたロシア人と軍の愛国心は、プーチンの代替物としてワシントンの操り人形を作り出しはするまい。彼らは中傷する連中を懲らしめるため、ロシアの威力を使う、プーチンほど控え目でないロシア国家主義者を産み出すだろう。

どちらの結果も、戦争と我々全員の死をもたらすのだ。

ウラジーミル・プーチン、欧米に語る。「我々はあなた方を埋葬する!」

ギルバート・ドクトロー

 私は正当な理由から、このエッセイに「フェイク・ニュース」風題名をつけた。彼にとっても、我々のためにも、ロシア現職大統領は余りに優しすぎるという事実に皆様の注目を引くためだ。彼は1956年にしたような、かつてのソ連党実力者風脅迫をしない。彼は国連会議で演説する際、ニキタ・フルシチョフがしたように、目の前の机に靴を打ちつけはしない。そのおかげで、現在、我々欧米人は、ロシアを窮地に追い詰める外交政策を追求して、ロシアとの熱い戦争の危険を冒していることに気付かない。誰も戦争を欲していないなどと自分に言い聞かせたとて、戦争が我々の心から遠ざかることはないのだ。

 上述した彼の行動や、初のスプートニク打ち上げや、政権転覆目的のソ連軍ハンガリー侵略や、我々に戦争をするため製造していた非常に強力な水素爆弾の大気圏内実験のおかげで、フルシチョフは攻撃的で、無作法な人、危険な国のトップとして、欧米の大衆にも政治支配層にも強い印象を与えた。

 フルシチョフは、欧米がソ連を受け入れないのは、地球の生活がなくなるのと同じことだと我々が理解するのを可能にし、我々に「平和共存」政策を提案した。従って、フルシチョフと彼の国を、わが国は常に敬意と恐れを抱いて扱った。我々は彼を失礼な人物だと考えたが、誰も彼のことを、今政治家やマスコミが、ウラジーミル・プーチンを表現する際に、いつも言うような、凶悪犯やジャーナリスト殺人犯とは呼ばなかった。当時は、世界が欲しがるものを何も生産しない国ロシアを「国でなく、ガソリンスタンドだ」とか、ただひどい行動をする地域大国だと誰も言わなかったが、何十年も昔、キューバ・ミサイル危機後、冷戦状態に多少の安定性と予測可能性に与えるべく確立された連絡回線さえ含め、全ての関係を切断し、この「のけもの」ロシアを孤立させるのを正当化するのにバラク・オバマはこの全ての口実を使った。

 フルシチョフやソビィエト社会主義共和国連邦の他の政府指導者と比較して、プーチン大統領は、非常に文明的な方法で行動し、語る。現在でさえ、新冷戦での欧米との永続する対立で、ロシアには厳しい経済制裁が課され、未曾有の規模の挑発的NATO軍事演習がロシア国境で行われる中、プーチンは平和を保持し、彼の考えでは、あっと言う間に武力衝突に至りかねない緊張のエスカレーションを避ける狙いで、欧米を、まだ「同僚」や「パートナー」として語っている。

 プーチンの手腕は何に由来するのだろう? KGBでの勤務より、彼の過去が多くを意味しているのを理解しなければならない。1990年代、彼はサンペテルブルグのリベラルな市長アナトリー・サブチャクの市庁で働いた。海外投資担当副市長として、多数のヨーロッパやアメリカらの実業家や政治家に会ったのだ。彼は市長の親欧米派取りまきの一員で、1999年に大統領の職についた際、リベラルな僚友の多くを側近においた。彼らは今も、クレムリン政治で影響力ある党派を構成している。

 大統領の座についた初日から、プーチンは、NATO、より一般には欧米に、ロシアが統合されることを望んでいた。ワールド・トレードセンター攻撃後、プーチンはジョージ・W・ブッシュに電話をかけた最初の国家指導者で、アメリカがアフガニスタンでタリバンに対して開始するであろう作戦の後方支援のため、アメリカ軍に快く中央アジアにおけるロシアの裏庭を開放し、多いに助力した。

 不幸にして、プーチンの互恵的な暖かい関係や統合への希望は拒否された。今ワシントンは、ロシアを長期凋落している、取るに足りない力しかない国と見なしている。2002年、安定性と透明度に対するロシアの関心にへの無視し、戦略上の兵力の均衡をアメリカに優位に変える政策を追求し、1972年から始まった、最初の画期的武器制限条約の一つ、弾道弾迎撃ミサイル制限条約からアメリカは脱退した。この後、現在まで続く、ロシアと欧米間の関係悪化の進展を我々は目にしている。これに続いて、2018年3月1日、連邦議会に対する施政方針演説で、最先端技術を使った「非対称」と呼ばれるロシアの新兵器システム開発をプーチン大統領がとうとう公式に語るのを目にしたのだ。当時、彼は完ぺきな明快さで、しかし冷静な威嚇的でない言葉で、これらの兵器がアメリカが、自国に対する先制核攻撃無力にする可能性を保証するため適所に配置している全兵器を突き抜けることが可能だと述べた。ロシアはアメリカの12分の一しか軍事予算がないにもかかわらず、アメリカと、もちろんNATOとの、全面的な戦略的均衡を取り戻したと彼は主張した。

 2018年3月1日のプーチン演説は、大統領選挙運動のさ中で、ロシア国民に向けたものだった。それは同様に、アメリカ政界と軍に対するものでもあった。残念ながら、アメリカやヨーロッパ国民に対して、フルシチョフがかつてしたように、ぶっきらぼうに語ったわけではなかった。それで我々は、うたた寝状態を許されている。

 現在、ロシアが30分以内に、アメリカおよび/またはヨーロッパを灰燼と化すことが可能な世界唯一の国である事実を我々は無視する傾向がある。シリアで、ウクライナで、もしかすると間もなベネズエラで、ロシア軍や彼らの代理部隊近辺でのアメリカ軍による作戦から生じうる戦争の危険の感覚が我々には欠如している。アメリカでは、民間と軍の指導者間には信頼性の高いコミュニケーションが欠如しており、あらゆる当事者間の相互信頼が全体的に欠けている。

 旧冷戦の間は、大陸間弾道ミサイルあるいは爆撃機による攻撃の誤報は、誤報と判断するための一定時間があった。現在は、警報から飛来する完全破壊まで、15分しかないのだ。国家指導部を殺害する可能性がある先制攻撃を予知した場合、迎撃ミサイル発射は自動化されており、「デッド・ハンド(死者の手)」原則で作動する。結果的に、60年代の映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』でスタンリー・キューブリックが見事に描いた最後の審判の日のシナリオが、大衆には全く見当がつかなくとも、現在機能しているのだ。

 読者の皆様!アメリカやヨーロッパの人々と開かれた外交をせず、我々を適度に怖がらせないので、我々が正気に返り、我々の政治家やメディアに同じように行動するよう強いないので、ウラジーミル・プーチン大統領はロシア国民にも、我々にも、ひどい仕打ちをしていると私が申し上げている理由はこれなのだ。

https://russia-insider.com/en/putin-soft-he-should-learn-scare-west-khrushchev-did/ri26105

出典:GilbertDoctorow.com

 ギルバート・ドクトロウは゛1965年以来、ロシア事情評論家。ハーバード大学(1967年)を極めて優秀な成績で卒業し、元フルブライト奨学生で、コロンビア大学(1975年)の優等な成績の歴史博士号を保有。研究終了後、ドクトロウは、ソヴィエト社会主義共和国連邦と東ヨーロッパを中心に企業経営経験を積んだ。25年間、彼は地域担当マーケティング、一般経営担当として、アメリカとヨーロッパの多国籍企業で働いた。1998年-2002年、ドクトロウはモスクワでロシア・ブッカー文学賞委員長を勤めた。

 ニコライ2世下のロシア憲法の歴史に関する彼の学位論文に基づく多数の学術的論文はいまも出版されており、オンラインで入手可能。ドクトロウはまた、ズヴェズダー(サンペテルブルグ)や、ロシアの文化、政治的生活の問題に関するルスカヤ・ムイスリ(La Pensee russe、パリ)や、コンティネント(アレクサンドル・ソルジェニツィンが後援した雑誌)を含めロシア・マスコミに良く寄稿していた。彼はベルギーの日刊紙 La Libre Belgiqueのポータルで、国際問題に関する分析記事を定期的に寄稿している。

 ドクトロウの現在の研究の関心は、アメリカ地域研究の傾向。2010-2011年度のコロンビア大学ハリマン研究所客員教授。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

144. 中川隆[-11813] koaQ7Jey 2019年2月26日 13:42:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[167] 報告

「ひとりがたり馬渕睦夫」#15
ロシアを正しく知る@グローバリズム勢力と戦うプーチン - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=6YE0qi4xuYc
145. 中川隆[-11534] koaQ7Jey 2019年3月11日 10:35:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[459] 報告

「ひとりがたり馬渕睦夫」#16
ロシアを正しく知るAディープステートがつくったソ連と現在のプーチン・ロシアの違い - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=TvvTTol4mJM
146. 中川隆[-11533] koaQ7Jey 2019年3月11日 10:37:36 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[460] 報告


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2019年03月10日
ロシア人は昔のまま / 馬渕大使の甘い認識
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68757454.html


Putin & Abe 2Putin 4


  YouTubeに「林原チャンネル」というのがあって、様々な知識人が登場し独自の見解を述べている。その中に、馬渕睦夫大使が単独で「ロシアを語る」という番組があるんだが、最近、馬渕大使はロシアの現状とプーチンの統治を取り上げ、日本人が持っている誤った認識について触れていた。ところが、馬渕大使の話を聞いていると、いろいろな点で疑問が生じ、どうも納得できない。ロシアに詳しいはずの外交官が、ロシア人への認識を歪めているので何とも不可解だ。

  まづ、第15回の「グローバリズム勢力と戦うプーチン」について紹介したい。馬渕大使によると、「ロシアは信用できない」という認識は誤ったイメージに基づいているという。そして、現在のロシアは共産主義時代のソ連と違って世界の覇権を求めていないらしい。馬渕大使は北方領土問題にも言及し、マスコミが四島一括返還にこだわるのは無茶で、二島の「引き渡し」にこそ現状打破のチャンスがあるという。だから、ロシアに対して従来の敵意を持ち、「また日本人を騙すんじゃないか?」と疑念を抱くのは、マスコミによる意図的な誘導だと判断している。

  では、本当にロシアは欧米諸国並みに信用できる相手なのか? 馬渕大使は日本とロシアの交渉が上手く行き、平和条約の締結を以て二島の返還がなされると予想している。が、筆者は賛成できない。なぜなら、ロシア人には「力の強い者が全てを奪う」という原則があり、「約束はいつでも反故にできる」という文化があるからだ。いくら日本に経済的余裕があるからといって、軍事的優位に立つロシアが軍事小国の日本に譲歩することなどあり得ない。ロシアは歯舞・色丹の返還を"ちらつかせる"だけで、両島の主権を譲渡する気など更々無く、経済的支援と技術をもらったら難癖をつけて日本人を追い返すつもりだろう。日本人はお金を巻き上げられて終わりだ。たとえ、日本側がロシア政府に対し、「話が違うじゃないか!」と抗議したところで、ロシア人は気にもとめず、「だから何だ?! 文句あんのか! ほら、かかって来いよ!」と脅迫し、ご自慢の軍隊を仄めかすはずだ。こうなれば、自衛隊だけの日本は泣き寝入りするしかない。

  「プーチン大統領はグローバリストに立ち向かうナショナリストである」というのが、馬渕大使のレクチャーにおける十八番(おはこ)となっている。プーチンはロシアの資源や国富を簒奪しようとしたグローバリスト勢力、すなわちユダヤ系オリガルヒ(新興財閥)を退治したので、ロシアの愛国者であるらしい。なるほど、プーチンは石油に群がるユダヤ人起業家や、マスメディアを支配しようとするユダヤ人を駆逐し、ロシアをグローバリストから守ったのだろうが、それはロシア国民を思ってのことではなく、自分の縄張(シマ)をユダヤ人や外国人に渡さない、という決意を示しただけだ。

(オリガルヒについては以前の記事を参照。)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68377366.html

  プーチンというのは一応、人民投票で選ばれた大統領だが、その本質からして、巨大マフィアのドン(首領)と考えた方がいい。日本で言えば、支那人マフィアを払いのけるヤクザの組長みたいなものだ。暴力団の親分は、たとえ新宿や神戸から支那人を一掃しても、愛国的ナショナリストではないし、褒めるほどの侠客でもない。プーチンはグシンスキー(Vladimir Gusinsky)やホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)を駆逐したが、大富豪のローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)やアレクサンダー・アブラモフ(Alexander Abramov)はプーチンの子飼いになっている。天然ガスを輸出する国営のエネルギー企業「ガスプロム・ネフチ」はプーチンの元同僚だったアレクセイ・ミレル(Alexei Miller)が運営しているし、石油大手の「ロスネフチ」は以前の部下であるイゴール・セチン(Igor Sechin)が社長になっているのだ。

 マスメディアだって実質上プーチンの支配下にある。「第一放送局(Channel One / 元の「ロシア公共テレビ局)」や「VGTRK」、「REN TV」、「RIA Novosti」が政府から独立し、プーチン批判を展開するなんて無理。夢物語だ。ほとんどのニューズ番組は、大統領とロシア軍の賛美が普通で、プーチンがどんな不正を犯しているのかを取材するドキュメント番組など最初からボツ。企画すらされず、提灯番組ばかり。ロシアのテレビ局はプーチンが軍隊を視察する場面とか、執務室で軍人に囲まれ、兵器開発に耳を傾ける姿をよく流している。つまり、各テレビ局は「偉大なる国父」を見せつけているというわけ。滑稽なのは、プーチンがロシア正教会を訪れ、司教の前で「敬虔な信者」を演じる事だ。信仰心など微塵も無いのに、国民や軍人のモラルを高めるため、善良なキリスト教徒を装っているんだから、観ている方が白けてくる。

  馬渕大使は、中東で繰り返される「カラー革命」にも言及し、欧米のグローバリストはプーチンを失脚させるために色々な陰謀を仕掛けていると説明する。確かに、ウクライナの「オレンジ革命」やチュニジアの「ジャスミン革命」、グルジアの「バラ革命」、キルギスタンの「チューリップ革命」などは誰が仕掛けたのか判らない。CIAや英国のMI6、イスラエルのモサドが裏で画策したとも考えられる。ロシア国内の反プーチン運動だって、その資金源を調べれば、欧米の組織にたどり着くこともあるから、表面の騒動だけでは抗議活動の本質は解らない。ただ、「国際金融組織やグローバル勢力と戦うナショナリストのプーチン」という図式だと、プーチンの正体を見誤ることになる。なぜなら、プーチンがどれくらい国民の利益を考えて対抗しているのか、その真意が明らかになっていないからだ。

  第16回の放送で、馬渕大使は「ディープ・ステートがつくったソ連と現在のロシアの違い」というタイトルを掲げ、ソ連時代と現在のロシアは違うと述べていた。大使によれば、「ロシア革命」なるものは、実質的に「ロシア系ユダヤ人による革命」であるという。確かに、ボルシェビキの指導層を見れば、矢鱈とユダヤ人が多いことに気づく。長いこと賤民だったユダヤ人には、迫害者たちへの恨みが深い。彼らは喜んでヨーロッパやロシアの破壊活動に従事するから、左翼活動家には自然とユダヤ人が多くなる。しかも、一般のロシア人は凡庸だから、才能あふれるユダヤ人にはかなわない。これはレーニンも認めている。ということで、共産主義革命を指導する連中にユダヤ人が多くても不思議じゃない。

  しかし、どれほどユダヤ人が革命を扇動し、大量虐殺を命じたからといって、それを実行したのはロシア人尖兵だったから、やはりロシア人には暴力を何とも思わない性質がある。ロシア人に関しては日本人でも意見が分かれており、残酷だと評する者もいれば、「人なつっこい」と感じる者もいる。昔、ロシアの革命を目にした黒田乙吉(大阪毎日新聞記者)によれば、ロシア人は残忍な一面を持っているそうだ。特に彼の注目を惹いたのは、タムボフ県で起きた暴動である。ここでは一千人以上の百姓が一団となって地主の邸宅十五カ所を襲い、殺人、劫掠、放火などを恣(ほしいまま)にしたそうだ。驚くのは、犠牲者になった地主の中に、民衆から生き神の如く崇められていた人物がいたことである。それはともかく、恐怖心に駆られた地主たちは、続々と都会を引き上げたが、運悪く捕まる者もいたそうだ。慈善家として知られた某地主は、百姓や兵卒に捕まり、目玉を抉られ、胸を刺されるというリンチを受けたらしい。

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(写真 / 貧しい生活を送るロシアの民衆)

  平和な環境で何千年も過ごしてきた日本人には、漆黒の大陸で暮らすロシア人の精神は謎のままである。ロシアの犯罪を調べた倉井五郎は、あるウクライナ人の教授から聞いた話を伝えている。この教授によれば、ロシア人はヨーロッパ人にとってもパラドックスの塊で、極端に相矛盾した行動が絡み合っているという。例えば、ロシア人は時に優しく、相手が寒そうにしていれば、最後のシャツを脱いで与えてしまうこともあるそうだ。しかし、気分が変われば五分後にその相手を殺して、全てを奪ってしまうらしい。くだんのウクライナ人教授は、東歐や南歐のインテリとも議論したことがあるらしく、皆がロシア人の矛盾性を認めたそうだ。例えば、革命家は気高い精神と美しさを持つが、その同じ人物が独裁者や官僚となるや、驚くほどの残酷さを示す。農民も同様に複雑怪奇で、極端な勤勉さと呆れるような怠惰が混ざっている。また、ロシア人には超人的な忍耐と野獣のような無謀さがあるらしい。彼らには真理に対するひたむきな憧憬がある一方で、堂々と嘘をつく性格もあるのだ。

 ロシア文学者で陸軍士官学校の教授を務めていた昇曙夢(のぼり・しょむ / 直隆)も、ロシア人の謎めいた性格を述べていた。ロシア人には粗野と柔和、親切と獣的冷酷が混在していおり、西欧人がとてもロシア人とは一緒になれないと断念するのは、こうした両極端が併存しているからだ。日本人がロシア人を見ていて厭になるのは、その犯罪が桁違いに残酷なところである。ロシア人のやり口は手荒い面があると思えば、豪放でズボラだったり、陰険で巧妙だったりする。筋を通す日本人からすれば、何とも理解しがたい。日本の犯罪者なんかロシア人と比べたら月とスッポンだ。日本人が高級時計や指輪を嵌めているカモを見つけたら、職人技でかすめ取ろうとするが、ロシア人なら鉈(なた)を使って指や手首ごと切り落として盗んでしまうだろう。民族によって発想は違うものである。

  馬渕大使のプーチン評論には、同意できる点と反論したくなる点がある。大使によれば、プーチンの「新しい理念」は人道主義に基づく普遍的価値と、歴史の試練に耐え抜いたロシア的価値の統合にあるそうだ。馬渕大使には悪いけど、プーチンじゃなくとも、ロシアの政治家に人道主義なんて考えは無い。もっとも、人道主義を利用した政治プロパガンダや詐欺的外交ならある。プーチンが口にしたことを鵜呑みにするなんて愚かだ。ロシア人は謀略の天才で、昔、CIA長官だったジェイムズ・アングルトン(James Jesus Angleton)を手玉に取り、米国の諜報機関を麻痺させたことがある。まんまと奸計に引っかかったアングルトンは誰も信じなくなり、疑心暗鬼の権化となってしまった。

  もう一つ、筆者が馬渕大使の見解に賛成できない点がある。それは、ロシア人が国土に対する執着心が強く、集団主義を取りがちな傾向を持つから日本人と似ているという意見だ。土地に対する愛着が強いのは、何もロシア人や日本人に限ったことではなく、ドイツ人やイギリス人、イタリア人、スペイン人だって郷土愛が強い。馬渕大使は西欧人の個人主義を念頭に置いているんだろうが、イギリス人やアメリカ人だって集団主義の利点を解っている。意外にも、上流階級のイギリス人は「チーム・プレイ」を重んじ、危機に際しては徹底した団結を図ることが多い。彼らはパブリック・スクール時代にラグビーやボートの経験を積んでいるから、普段でも以心伝心に通じ、仲間の結束が固いことでも有名だ。

  ロシア人の民族性を語る馬渕大使の思考には大きな缼点(けってん)がある。大使によると、ロシア正教が性善説を取っているので、欧米人よりも日本人に近いというのだ。しかし、これはロシア理解の初歩すら掴んでいないと言えよう。教会内での言動と、外に出た時の行動は別なのだ。なるほど、礼拝に訪れるロシア人は素朴で善良に見える。だが、ロシア人の心には得体の知れない深い闇がある。それに、いつ豹変するかも判らない恐怖感さえあるのだ。また、ロシア人の無政府主義的傾向と専制主義の伝統を考えれば、「善良なロシア人」というイメージはおかしなことになる。

  昔、東京外語大の志水速雄(しみず・はやお)教授がロシア人の性格について述べていた。例えば、一人のロシア人を善良と考え、それを「プラス1」と勘定しよう。ロシアが1億4千万の民衆で構成され、みんなが善人なら、各人の善良性を足して1億4千万の「善」があることになる。しかし、これは現実的ではない。国家を含め人間の組織は、メンバーの足し算ではないからだ。むしろ、掛け算となる。だから、国民の九割がプラスでも、残りの人間がマスナスなら、出来上がる組織全体はマイナスになってしまう。数学だとマイナス掛けるマスナスはプラスになるけど、極左のロシア人と兇悪犯のロシア人を掛けても親切なロシア人にはならない。逆に、典型的なロシア人になったりするから、ロシアというのは日本人の理解を超えている。

  志水教授によれば、ロシア人の素朴さや善良さが無政府主義の原因であり、ロシアの専制政治は無政府状態への「突っかい棒」になっているという。( 志水速雄『日本人はなぜソ連が嫌いか』山手書房、昭和54年、p.255.) 確かに、普段は忍耐強く愚鈍なまでに従順な民衆でも、ある事を切っ掛けに爆発し、手がつけられぬほど暴れ回ってしまうから、ロシアを統治する者は強権を用いなければならない。それに、ロシア人はモンゴル人から熾烈な政治手法を受け継ぎ、ドイツ風の官僚制度を輸入しているから、支配者は物凄い弾圧政治を行っても平気である。ロシアでは貴族と農民は別人種と言ってよい。例えば、ドイツからやって来たエカチェリーナ2世にとったら、ロシアなんか野蛮国でしかなく、庶民などは野獣(けだもの)と違いが無い。

  馬渕大使はロシアの民族性ばかりでなく、対露外政についても幻想を抱いている。大使が二島返還論を支持しているのは、日本がロシアを味方につけ、支那と対峙させるためだという。もし、日本が四島一括返還にこだわれば、ロシアが支那と結びついてしまうというのだ。しかし、これはおかしい。当ブログで以前指摘したが、ロシアと支那は軍事面で連携し、経済交流も盛んである。エネルギーを輸入せねばならぬ支那は、ロシアからの石油やガスを購入しているから、プーチンにとって支那人は得意先になっている。しかも、モスクワが対支那包囲網を構築しようとする動きは無い。馬渕大使は支那人が国境を越えて、続々とロシア領に侵入しているというが、クレムリンは支那移民排斥の方針を取ってるのか? 確かに、支那人による浸透を懸念するロシア人は多い。だが、クレムリンは支那を潰すというより、裏から支えている節がある。なぜなら、「トラブルメイカー」がいた方がアメリカの軍事外政を攪乱できるからだ。合衆国政府の矛先がモスクワに向くより、北京に向けられた方がいいし、米国と支那が喧嘩して共倒れになればもっと良い。たとえ米国が勝っても、何らかの損害を受けるから、ロシアとしては両方を焚きつけた方が得である。

  狡猾なプーチンなら、支那人に困っている振りをして安倍総理に共闘を持ちかけ、そのついでに経済援助をもらって、ロシア社会に使うことを考えるはずだ。どうせ、ロシア人は日本から搾るだけ搾って、食い逃げするつもりなんだから。馬渕大使はロシアが近代化を成し遂げた日本手本にして、スラヴ的伝統と西歐的伝統の統合を図っていると解説する。でも、ロシア人が日本人を本気で見習う事なんてあるのか? どちらかと言えば、お人好しの日本人を騙して経済援助をクスねようと考えるのが普通のロシア人だ。ロシア人が見習うとすれば、日本から多額のODAを引き出した支那人の方だろう。それに、ロシアの経済発展が日本の利益になるとは思えない。日本政府はロシアが経済的に停滞し、軍事予算が減少するようロシアを貧乏にさせるべきだ。

  インターネット番組に出演する馬渕大使には、保守派のファンが多くいるけど、果たして彼らの何割が大使の見解を真剣に考えたことがあるのか? なるほど、グローバリストや国際ユダヤ人に対する馬渕大使の批判は優れていると思うが、ロシアに関する認識は甘いと言わざるを得ない。本来、馬渕大使は外務官僚の誰がロシアに靡いているのか、買収されているかも知れない怪しい人物の言動を炙り出し、一般国民にそっと教えるべきなのに、そこを避けている。だから、「やはり古巣には触れることができないのか」と落胆するファンもいるんじゃないか。日本人はプーチンの思惑より、国内にはびこるロシアの手先に注意すべきである。鈴木宗男や佐藤優なんかは下っ端の協力者だから判りやすい。もし、日本に防諜組織があれば、もっと大物を捕まえることができるだろう。しかし実際は、ロシア専門家に裏切者がいて、政府を操っているんだから、情けないというか哀しくなる。プーチンに送った秋田犬がロシアの秘密を嗅ぎ回ってくれればいいけど、あいにく日本の犬は主人に忠実だから無理だろう。だって、日本の政治家がロシアの忠犬なんだから。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68757454.html

147. 中川隆[-11303] koaQ7Jey 2019年3月21日 17:10:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[703] 報告

2019-02-26
国際情勢の大変動を見抜く!-1〜国際情勢のカギを握るのはロシアと日本〜
http://www.kanekashi.com/blog/2019/02/6110.html

これからの世界情勢の主役になるであろう(実はすでに主役だが)ロシアを中心に見ていきます。

以前の『世界を操るグローバリズム』シリーズでも紹介した元ウクライナ大使:馬渕睦夫氏の著書『世界を操る支配者の正体』を中心に紹介していきますが、2019年の最新情報も織り交ぜて分析していきます。

著者も書いていますが、今や世界情勢も鍵を握っているのが、ロシアと日本。この二国が、世界的金融危機を目前にどう動いていくか!?

そして、独自の道を歩み始めた奥の院:イギリス王室(ヴェルフ・ヘッセン)の動き、そして情報支配を目論む中国の動きも垣間見つつ、ロシア、日本を追っていきます。

ロシアは比較的明確な路線ですが、日本はどうでしょう?最近またロシアとの接触機会が増えていくようですが、アメリカとのしがらみもある。日本はCIAだらけで情報は筒抜け。その中で安倍晋三もなにかフラフラ。

嘗ての売国奴の系譜である安倍晋三の動きはやや分かり難いですが、背後の田臥の方向性として見ていくことで見えてくるものがあるかもしれません。以前山口にプーチンを招いているのも意味深ですからね。

これら諸々の情報を基に、今後の世界情勢を追求していきましょう。

るいネットでも同様の認識です。

(『世界は、アメリカ支配からロシア主導へ大転換』)
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=311056


以下に一文載せておきます。


>世界情勢が急転し始めたようである。2年ほど前にロシアの軍事技術がアメリカの軍事力を上回ったことを知った各国は、中国・インド・イラン・ブラジルはもとより、親米の筈のドイツ・フランス・サウジまでロシア追従へと方向転換した。中東でも、イラク・トルコがロシアの軍門に下るのは時間の問題だろう。<

>中国もその軍事技術を命綱としている。従って、どうやら習近平もオバマもプーチンに歩調を合わせるしかなくなり、プーチン主導で各国が金貸し支配を打倒する反金貸しの闘いに入ったものと思われる。それは、夫々の自国を守るための闘いであるが、期せずして世界を守る闘いとなる。<

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E9%A6%AC%E6%B8%95-%E7%9D%A6%E5%A4%AB/dp/406219175X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1551178545&sr=8-1&keywords=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93


からの紹介です。

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■プロローグ

今突如として、イギリスの地政学者ハルフォード・マッキンダーの亡霊が甦りました。20世紀の初めに活躍したこの地政学の泰斗は、「東欧を支配するものがハートランドを制し、ハートランドを支配するものが世界本島(ユーラシア大陸)を制し、世界本島を支配するものが世界を制する」と喝破しました。このハートランドの核をなすのが、ロシアとウクライナなのです。

2013年11月以来のウクライナ危機は、ロシア支配を巡る戦いです。世界の制覇を目論む国際金融勢力が、ロシアに最後の戦いを挑んできたのです。これがマッキンダーの亡霊の正体です。

ところが、我が国においてはこれまで国際情勢を巡る議論からロシアがすっぽりと抜けていました。これは、ロシアが世界政治に占める実際上の地位に鑑みれば、大変異常なことと言わざるを得ません。2013年11月に発生したウクライナの反政府デモが、2014年の2月になってヤヌコビッチ大統領を追放し、ウクライナに親欧米勢力の暫定政権が成立しましたが、その後クリミア半島のロシアへの編入に対抗するアメリカ主導の対ロシア経済制裁という段階に至って初めて、我が国においてロシアがメディアの報道の焦点になりました。しかし、わが国のロシア報道は残念ながら米ソ冷戦時代の旧思考に凝り固まっていて、新しい国際政治の現実からかけ離れた虚妄の議論に終始しています。

本書は、今地殻変動を起こしている国際情勢の真相を明らかにすることを目的としています。

表面には出てきていない国際情勢の大変動を見抜いて、効果的な対策を立てることが、私たちの目下の急務になっています。なぜなら、現在起こりつつある事態は、我が国が世界で生き残れるかどうかの瀬戸際にあることを示しているからです。我が国だけではありません。世界全体の運命が掛かっているのです。これは決して脅しではありません。

(中略)

現在の世界における主要なアクターは、ロシアと日本、そして国際金融勢力です。アメリカや中国といった国家ではないことに注目してください。結論を先に延べれば、アメリカという国家はすでに国際場裏における主要なアクターではないのです。アメリカ国家(政府)の行動のように見えるのは、アメリカを背後から動かしている国際金融勢力の計画に基づく動きです。

中国も同様です。中国の場合は、ビジネスに精を出している共産党や人民解放軍のエリートの私益に基づく行動であって、中国国家の国益に基づいたものではありません。まず、この事実を理解することです。頭の切換えが必要なのです。

本書は、現在の世界がどうしてこんな事態になったのかを究明し、その解決策を提示したものです。

ウクライナ危機は単にウクライナ国内の政争ではありません。聖書のヨハネ黙示録の予言にある世界最終戦争、すなわちハルマゲドンになる可能性を秘めた、きわめて危険な事態なのです。しかし、まだハルマゲドンを避ける望みがあります。鍵を握るのはロシアのウラジミール・プーチン大統領(1952年〜)と安部晋三総理大臣(1954年〜)です。本書ではこの理由も明らかにしています。

アメリカのグローバル市場化圧力にさらされているロシアの運命は、わが国の運命と密接に重なる部分が多くあります。

(後略)
http://www.kanekashi.com/blog/2019/02/6110.html

2019-03-08
国際情勢の大変動を見抜く!-2〜ロシアとウクライナの血で贖われた共通の歴史〜
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6122.html


クリミア編入

ロシアと言えば、記憶に新しいのがウクライナ情勢。クリミア半島のロシア編入で決着がついてはいるが、アメリカの経済制裁はまだまだいており、何か起こるか分からない情勢である。

この事件を機に、アメリカがロシアにちょっかいを出している。

以前当ブログでも紹介したが、アメリカの自作自演によるマレーシア航空機事故。(リンク)ロシア対アメリカネオコン勢力の構図だが、その背景には7世紀に遡り、ハザール王国やアシュケナージ・ユダヤが関与しているとのこと。

ということは、イギリス王室つまり、ヴェルフ、ヘッセンも深く絡んでいる可能性もある。(リンク)

その当りも頭の片隅にいれて、この事件の構造を探っていく。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■■ウクライナ機器は世界最終戦争の序曲

■ロシアとウクライナの血で贖われた共通の歴史

2014年11月に始まったウクライナ国内の政争が、今日世界を巻き込む深刻な事態に至った直接のきっかけは、2014年3月18日にロシアがウクライナ領クリミア半島の住民投票の結果を受け入れロシア領としたことでした。これにアメリカが激しく反発し、EU(欧州連合)や我が国を巻き込んで、アメリカ主導の対ロ経済制裁が始まりました。なぜ、クリミアのロシア編入がこれほどまでの大事件に発展したかを理解するには、クリミアの歴史について述べておく必要があります。

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国会に突き出たクリミア半島は、過去幾多の国々の攻防の歴史を見てきました。紀元前7世紀ごろにはスキタイ人が住んでおり、その後古代ギリシャ人が入植し、ケルソネソスなどの殖民都市を築きました。その後、様々な民族が侵入しましたが、特筆すべきは13世紀に蒙古民族のタタール人が侵入して、やがてクリム汗国を建設したことでしょう。ソ連時代にはクリミアのタタール人たちはスターリンによって強制的にウズベキスタンに移住させられますが、その後帰還して今でも居住しています。

もう一つの特筆すべきことは、9世紀頃からカスピ海の西岸周辺に栄えたハザール王国が、一時期クリミア半島を支配下においていたことです。

このハザール王国については現在に至るも歴史論争のひとつになっています。その理由は、ハザール王国はユダヤ教を信望する改宗ユダヤ人の国であったことです。ユダヤ人の定義はユダヤ教徒であることですから、ハザール人はユダヤ人ということになります。このハザール人の末裔がいわゆるアシュケナージ・ユダヤ人であるのか否かが、大きな争点となっているのです。それも当然です。もし、アシュケナージ・ユダヤ人がハザール人であるなら、現在のユダヤ社会における支配勢力であるアシュケナージ・ユダヤ人は、セム族ではないことになります。これが事実であれば、世界史がひっくり返るくらいの大事件なのですが、本書ではこの論争に深入りする余裕はありません。クリミアとの関連で言えば、かつてクリミアにはハザール系ユダヤ人が住んでいたということを覚えておいてほしいと思います。後で述べるように、ソ連時代にクリミアをユダヤ人自治区にしようとの動きがなぜ出てきたのかを理解する一助になるからです。

軍港で有名なセバストポリの近郊にあるケルソネソスは、今は僅かに数本の壊れた石柱を残すだけのギリシャ遺跡に過ぎませんが、観光名所として多くの人々を引き付けています。私は駐ウクライナ大使をしている2008年外交団の旅行でケルソネソスを訪れたことがあります。ケルソネソスの遺跡から見る黒海のマリンブルーの海が、ボスポラス海峡からマルマラ海を通じて繋がっている地中海のたおやかな波のうねりを彷彿とさせる温暖な一日でした。その時の平和な風景からは、僅か6年後にクリミアがロシア領に編入されるなどとは、旅行に参加した各国の大使は誰も予想だにしていませんでした。

しかし、歴史を振り返ってみれば、ロシア人にとってクリミア半島は特別の思いが交差する領土なのです。クリミア半島は、ロシア帝国時代のロシアが第一次露土戦争に勝利して1783年にロシアに編入された土地で、その後、トルコやイギリスなどとの2度にわたる死闘を通じて守り通した貴重な領土だったのです。軍港セバストポリには、露土戦争の強大なジオラマが観光名所の一つになっています。ウクライナ人でさえ、クリミア半島をめぐる戦いに自らの歴史のアイデンティティを感じているのです。

このような光景を見て、ロシアとウクライナの血で購われた共通の歴史が存在していることを強く感じました。両国間には部外者には容易にうかがい知れない紐帯が存在しているのです。共通の歴史体験があるということは、現在は別々の独立国になっているとはいえ、無意識的にしろ両国を結びつける歴史の糸が存在しているのです。現在のロシアとウクライナの紛争を見る上で、この歴史の糸を無視することはできません。

■スターリンが葬ったクリミア半島のユダヤ人自治区

クリミアをめぐる歴史はソ連時代にさらに複雑さを加えました。スターリン時代にクリミア半島に一方ならぬ感心を持った人々がいたのです。

1944年、ナチスドイツとの戦争の最中、半ファシスト・ユダヤ委員会の指導者でソ連の巧妙な舞台芸術かソロモン・ミホエルスなどユダヤ系ロシア人たちが、クリミア半島をユダヤ人の自治共和国にするようスターリン共産党書記長(首相)に訴えたのです。当時、ユダヤ人の居住地区として極東のハバロフスクの近くにビロビジャン自治共和国がありましたが、ミホエルスたちは極寒の極東ビロビジャンはユダヤ人の居住に適しておらず、温暖なクリミア半島が適当と考えたのでした。クリミア半島はユダヤ人の故郷であるパレスチナのカナンの地、乳と蜜の流れる豊かな地、とイメージされていたのです。

たしかに、緑に覆われたクリミアではブドウが取れ、世界的にも有名なマサンドラ・ワインの産地でもあります。このクリミアの地を、ソ連国内の少数民族であるユダヤ人の居住区にしようというのです。

この間の事情は、二キータ・フルシチョフの回想録『Khrushuchev Remembers』に詳しく書かれています。半ファシスト・ユダヤ委員会と言う組織はソ連の情報部の一部局として1924年に設立され、国際労働組合インターの元議長ソロモン・ロゾフスキーを長として、ミホエルスとモロトフ夫人(ユダヤ人)をメンバーとするものでした。この組織はその名の通り、アドルフ・ヒットラーと戦っていたソ連軍に関する情報を。欧米特にユダヤ人の影響力が強かったアメリカの新聞社に送る役目を帯びていたのです。そして、ウクライナがナチスドイツの占領から開放された1944年になって、ミホエルスたちはクリミア・ユダヤ人自治区の訴えを起こしました。

この訴えはソ連の最高意思決定機関である共産党政治局において議論されました。政治局員のカガノヴィチ(ユダヤ系)やヴャチェスラフ・モロトフ(半ファシスト・ユダヤ委員会のモロトフの夫、1890年〜1986年)等の支持はありましたが、スターリンはこの提案を拒否しました。かくして、クリミア半島にユダヤ人自治共和国を樹立するというユダヤ系ソ連人の夢は実現に至らなかったのです。

なぜスターリンが拒否したのかについては、この提案の背後にアメリカのシオニストの影響を見たのが原因であるとして、ヨシフ・スターリンはクリミアにユダヤ人国家を作ることによってソ連の安全に直接の脅威となるアメリカ帝国主義の前哨を打ちたてようとしていると非難したと、フルシチョフは回想しています。この事件の後ロゾフスキーとミホエルスは逮捕され、ロゾフスキーは銃殺、ミホエルスも自動車事故を装って殺されました。モロトフ夫人の方はシベリアに追放されましたが、スターリンの死後釈放されました。なお、フルシチョフ自身はクリミアにユダヤ自治区を作る必要な無いと考えていたと回想録で述べています。

このフルシチョフの回想だけで断定することはできませんが、第二次世界大戦終了間際のスターリンは、同盟国アメリカに極めて懐疑的になっていたことが伺えます。また、ユダヤ人に対しても警戒感を高めていたようです。それはともかく、クリミアにユダヤ人自治共和国を樹立する構想があったという事実は、現在のクリミアのロシア編入を考える上で一つのヒントを与えてくれています。クリミアのユダヤ人自治区構想はスターリンの反対によって一旦は挫折しましたが、構想そのものも完全に消えてしまったのか大変興味あるところです。

この構想挫折後、1948年にパレスチナの地にユダヤ人国家イスラエルが誕生しました。そのイスラエルは現在もガザ侵攻に見られるようにパレスチナ人との間で軍事衝突を繰り返しています。
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6122.html


2019-03-12
国際情勢の大変動を見抜く!-3〜金貸しの世界戦略に沿って事件の争点が決められている〜
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6135.html


著者は、民間メディアによる洗脳に騙されることなく、事実を見ていくことが、国際情勢を読み解く基本だといっています。民間メディアは国際金融資本つまり金貸しの意のままに報道を行い世論を形成することで支配していると。

これは当ブログでもこれまで述べていたことでもある。

著者は第一次世界大戦から続いているといっているが、実はメディア支配の歴史はもっと古く、顕著なのが、宗教改革にまで遡るというのが当ブログの見解。

(参考:『金貸しによる洗脳教育史D 〜16世紀の宗教改革の黒幕はベネツィアの金融勢力だった』)
http://www.kanekashi.com/blog/2014/03/2175.html


実は活版印刷機が発明され、それが「教会から銀行へ」のお金の流れを換えるための広報活動を一翼を担った。

この頃から、情報操作は行われている。

この視点で世界情勢を見ていくことで、事件を起こす彼らの意図が手に取るように分かってきたという感動があったことを思い起こされた。次回以降はウクライナ事件の真相を探求していく。非常に楽しみである。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■第三次世界大戦に発達する可能性

ここまで見たように、スターリンがクリミア・ユダヤ自治区構想を葬ってから70年の後、2014年の3月にウクライナ領クリミアは住民投票なるものを得てロシア連邦に編入されることになりました。なぜ突然、住民投票なるものが行われたのでしょうか。その理由は今回のウクライナ政変によります。ヴィクトル・ヤヌコビッチ大統領(1950年〜)が暴力デモで退陣を余儀なくされた事態に、クリミアのロシア系住民が急遽反応したのです。クリミアはロシア系住民が6割を占めるほどロシア色の強い地域です。したがって、クリミアはウクライナ国家の下で自治共和国という独自色の強い地域にありました。

加えて、クリミアにはロシアが租借しているセバストポリ軍港があります。もともとの租借期限は2017年でしたが、ヤヌコビッチ大統領になってこれを25年間延長し2042年まで使用可能となったのです。このロシアに有利な取引はもちろんウクライナにもメリットがありました。ロシア天然ガス供給価格を国際価格よりも3割割り引いてもらったわけです。

いずれにせよ、ウクライナに暴力的政変によって親欧米派の政権ができたため、クリミアの地位、とりわけセバストポリの将来に対する不安がロシア系住民やロシア軍部に生じたとしても不思議ではありません。この暴力的な政変は要するにクーデターであり、このような非民主的な政権交代は1991年のウクライナ独立以来初めての経験であったのです。

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3月の住民投票がクリミア議会がいわゆる自警団に占拠された状態のもとであわただしく決定され、自警団とロシア系住民の主導の下に行われたことは、民主的でないと批判されても止むを得ない点があります。しかし、この住民投票は民主的でなく国際法違反であると批判している欧米諸国は、合法的に選出されたヤヌコビッチ大統領を暴力デモで追い出したことはウクライナ憲法違反であり、その意味でも非民主的で非合法な政変であったのではないかとの疑問にこたえる義務があると思います。これまでのところ、アメリカもEUもこの点については沈黙したままです。

クリミアは歴史上ロシア領土でした。にもかかわらずウクライナ領となったのは、実は、ソ連時代の1954年にフルシチョフ首相がクリミア半島をロシア社会主義共和国からウクライナ社会主義共和国へと行政管轄を変更したからなのです。その理由は必ずしも明らかになっていませんが、フルシチョフが嘗てのウクライナ共産党第一書記としてウクライナの支配者であったことが影響したのかもしれません。この時はロシアもウクライナも共にソ連邦を構成する共和国であったので、管轄の変更自体は特に意味を持たなかったのです。当時フルシチョフも60年後にクリミア編入問題を巡って新たな米露対立が発生しようなどとは夢想だにしなかったことでしょう。

ソ連が崩壊し、ロシアとウクライナが独立した際、クリミアの帰属が争点になりましたが、結局セバストポリをロシア軍が租借することで妥協が図られました。しかし、ロシア国内にはその後も継続してクリミア返還要求があったことを忘れてはならないでしょう。歴史的に見てロシアの血の犠牲を払って死守したクリミア、ロシア人の人口がクリミア全体の6割を占める事実などを勘案すれば、欧米が言うように国際法違反の住民投票であったと片付けることは正しくないと考えます。

かくして、クリミア半島はまたしても世界史の大きな節目の証人となったのです。今回のウクライナ危機は、クリミア半島のロシア編入によって、世界を新しい段階に突入させてしまった感があります。私たちが充分その事実に気付かないうちに、地政学上の地殻変動が起きてしまったのです。つまり、ロシアとアメリカ(実際にはアメリカ政府を牛耳っているウォール街に本拠を置く国際金融資本)の新しい冷戦の開始です。

米露の不和はすでに2003年に始まっていました。しかし、その当時は見え難い状態にあったのです。今回のウクライナ危機で米露は見える形で対決状態に突入しました。

さらに、今回の冷戦は前回の東西冷戦とは異なり、米露両国が冷戦状態にとどまるか否か微妙な状況にあると言えます。場合によっては熱戦、すなわち第三次世界大戦に発展する危険性が決して排除されないのです。もし第三次世界大戦ともなれば、聖書ヨハネ黙示録の予言にあるハルマゲドン、すなわち世界最終戦争となることでしょう。

これは決して脅しではありません。ウクライナ危機の発生からその後の展開をフォローしてきて、私は今回のアメリカの対応ぶりが今までの米露関係とは違うものだと感じました。アメリカはロシアの言い分にまったくと言って良いほど耳を傾けていないのです。

一方的にプーチンを攻撃し続けているのが大変気になります。

では、ウクライナ危機の真相とは何でしょうか。

■メディアの争点は誰が決めているのか

ウクライナ危機は連日のように我が国を含む世界のメディアを賑わしています。本章では、私の見たウクライナ機器の真相についてお話します。しかし、その前に読者の方々にぜひ知っておいていただきたいことがあります。それは、私たちは無意識の内にメディア報道に洗脳されているということです。私たちはあたかも自分の意見を持っているかの如くに錯覚していますが、これらの意見は自分の頭で考えた結果ではなく、メディアが報じる内容を鵜呑みにしているケースがほとんどではないかと私は見ています。

ここでは、読者の皆さんがメディアの報道によって承知しているウクライナ情勢を、一旦白紙に戻して読んでいただければ幸いです。そこでまず考えなければならない疑問は、ウクライナ危機を巡る欧米や我が国のメディア報道のトーンは一体誰が決めているのかということです。それぞれのメディアが自前の報道を行っているわけではありません。我が国を含む欧米の既存のメディアは、一定の方向付けをされているのです。

誰がそうしているのかと言いますと、主としてはアメリカとイギリスの主要メディアを所有、またはそこで影響力を行使している人々によってです。これらの人々はニューヨークのウォール街やロンドン・シティに本拠を置く国際金融資本家たちです。これら資本家の世界戦略に沿って事件の争点が決められているのです。争点が何かを理解することはウクライナ情勢を判断する上で決定的に重要です。

ところが、日々のウクライナに関する情報を受け取っている読者の方々は、今述べたようなメディアの争点は誰が決めているのかとの問いかけ自体に違和感を覚えた方が多いと思います。しかし、まさに皆さんが当然のようにメディアの報道からウクライナでの出来事を受け取っていること自体が、ウクライナ情勢の真相を見破ることを困難にしているのです。メディアの報道は決して公平ではありません。何らかの意図に基づいてニュースが取捨選択されているのです。欧米や日本のメディアの報道をこの観点からフォローしていると、メディアがウクライナ危機を世界世論にどのように受け取らせたいかが見えてくるのです。

私たちは戦後「報道の自由」や「国民の知る権利」といった言葉に、その意味を充分吟味せずに洗脳されてきました。その結果、あたかも私たちは自由な報道が存在するかのように錯覚してきたのです。これは、何も私の偏見ではありません。ジャーナリズムの本家アメリカにおいては、第一次世界大戦の頃からすでに報道は自由には存在していませんでした。

アメリカでは、1920年代に民主主義体制化での国民当時におけるメディアの隠された役割に注目したジャーナリストがいます。私たちが「ジャーナリストの鑑」と教えられてきたウォルター・リップマンです。リップマンは純粋なジャーナリストではありません。彼は第一次世界大戦にアメリカが参戦した1917年にはアメリカ政府の戦争長官のアシスタントを務め、アメリカ軍情報部の大尉になります。

このような経歴を持つリップマンは自らの著書「幻の公衆」の中で、国民大衆が民主主義的権力を行使していると思っているのは幻想であると断言しています。そして国民大衆に自ら民主主義的権力を行使していると信じ込ませる必要があると論じています。どのように信じ込ませるのかの答えは、リップマンと共にアメリカ大統領府の対独戦争広報委員会で活躍したエドワード・バーネイズが明確に述べています。

彼は、一般大衆がどのような意見を持つべきかについて、相手にそれを意識されずに知性的にコントロールすることが非常に重要であるとして、この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールできる人々こそがアメリカの新の支配者として君臨すると論じています。つまり、アメリカの新の支配者は大衆の目に見える形で存在していないということです。大統領や諸閣僚、上下両院議員などではないといっているのです。アメリカを真に支配しているのは目に見えない統治機構であるというのです。

そこで、真の支配者とは誰かというと、一般大衆が持つべき意見をメディアの洗脳によってコントロールしているメディアの所有者、国際金融資本家たちということになるわけです。アメリカではすでに第一次大戦の頃から国際金融資本家たちが真の支配者なのです。もちろん、この実態は今も変わりません。相しますと、ウクライナ情勢に関する私たちの判断基準はメディアによって与えられており、しかもその事実に私たちは気付いていないということになります。今ウクライナ問題の論点は、彼ら国際金融資本家たちが決めているのです。ウクライナ情勢の報道姿勢には、国際金融資本家たちの世界戦略が表れているわけです。つまり、ウクライナ報道は「情報戦」なのです。このような視点を持って、ウクライナ情勢の真相を私たち自身の頭で考えなければなりません。

誤解がないように申し上げますが、「情報戦」とはアメリカ政府が自らのウクライナ政策を擁護する「ボイス・オブ・アメリカ」のような宣伝放送のことをさしているのではありません。また、アメリカに対抗してロシア政府の立場を世界に流している「ボイス・オブ・ロシア」の情報発信を指しているのでもありません。「ボイス・オブ・アメリカ」や「ボイス・オブ・ロシア」がアメリカ政府やロシア政府の宣伝放送であることは世界の人々が見抜いています。そうではなくて、民間の商業放送自体がアメリカの新の支配者の戦略がそれと気付かれずに世界の人々を洗脳する役割を担っているということなのです。

それではこれから、メディアの洗脳を見破るためにウクライナ危機の真相を探求したいと思います。
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6135.html

2019-03-19
国際情勢の大変動を見抜く!-4〜ウクライナ反政府デモの主導者はアメリカ〜
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6143.html

アラブの春等も“民主化”を目的とした反政府デモやクーデターはほとんどがアメリカ:ネオコン―CIAの仕業。武器の供与や活動家等の人材育成も行っている。

さらに、無差別テロもそう。こちらは役者を育て演じている。

ウクライナ問題はこれだけでは済まない。飛行機墜落偽装で奪った飛行機を使ってロシアが爆撃したことにする偽装も行なっている。地球規模の撮影セット。事件、事故がどんどん映画化している。

これらの事件の真相は、メディアは報道しない。そういう意味ではまだまだアメリカ、その背後の奥の院のメディア支配はまだまだ健在。このメディアを何とかしなければ、事実認識に至るにはまだまだ距離がある。プーチンはその事を考えているのか?

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E9%A6%AC%E6%B8%95-%E7%9D%A6%E5%A4%AB/dp/406219175X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1551178545&sr=8-1&keywords=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93


からの紹介です。

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■ウクライナ反政府デモの主導者はアメリカ

ウクライナの反政府デモを主導したのはアメリカです。というと読者の方々は首を傾げられるでしょう。デモはヤヌコビッチ大統領に反発するウクライナの民主主義者たちが始めたのではないかと。

しかし、ヤヌコビッチ大統領は今回のデモのきっかけとなったEUとの連合協定に署名するべく努力を重ねていたのです。これに対し、むしろEU側が署名へのハードルを高めていたのです。EUは署名のための数々の条件を出していましたが、その一つが収監中のユーリア・ティモシェンコ元首相(2010年の大統領選挙でヤヌコビッチに小差で敗れた金髪の髪型で有名な女性政治家、1960年〜)の釈放要求でした。さすがにこのような内政干渉には、いかにEUとの連合協定が重要とはいえヤヌコビッチ大統領としても躊躇せざるを得なかったのです。加えて、EU側は連合協定署名後のウクライナに対する援助についてもなかなかコミットしてくれない状況でした。

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このような手詰まり感のなかで、支援の手をさしのべてくれたのが実はロシアであったのです。ロシアはEUに代わり150億ドルに上る融資を肩代わりする用意を示しました。ここに、ヤヌコビッチ大統領は連合協定への署名のインセンティヴを失ったわけです。連合協定の署名を事実上流産させたのはヤヌコビッチではなくEUだったのです。

この事実は、欧米のメディアには報じられていません。ヤヌコビッチが協定署名を拒否したことに反発して野党デモが起こったとのトーンで世界に報道されたのです。そして、世界に対しヤヌコビッチは悪者であるというイメージを植えつけることに成功したわけです。

私はウクライナ在勤時代に地域党首のヤヌコビッチと直に会談したこともありますし、彼が首相時代には日本訪問の準備にもありました。この時は、直前になって彼の膝の持病が悪化して訪日はキャンセルされましたが、実務的な人物という印象でした。このような評価は何も私だけではありません。アメリカもヤヌコビッチは話し合いのできる相手と見なしていました。2006年の春の最高会議総選挙で親露派のヤヌコビッチ率いる地域党が議会第一党となり、親欧米派のヴィクトル・ユーシチェンコ大統領の下で首相に就任しました。すると、間もなくアメリカの上院議員や企業家達が早速ヤヌコビッチ首相にコンタクトしたのです。その2年前のオレンジ革命を主導して、ヤヌコビッチを無理やり退けて親欧米派のユーシチェンコを大統領に据えたアメリカの態度からは想像できない事態でした。

私は同僚のアメリカ大使に説明を求めましたが、彼は自分の知るところではない、ユーシチェンコ大統領を支持するアメリカの政策は変わっていない、などとひとしきり弁解していました。しかし、その後のアメリカの姿勢を見ますと、ヤヌコビッチとそれなりに良い関係を結んでいたようです。アメリカの関心は、イデオロギー的な考慮よりもアメリカ企業のビジネスにとってプラスか否かで決まっているという印象を私は持ちました。

ここで、今回のウクライナ危機がアメリカの描いたシナリオに沿って進められた決定的証拠を挙げたいと思います。

まだ反政府でもと政権側の対応が一進一退を繰り返していた2014年の1月28日のことです。その日のヌーランド国務次官補とパイエト駐ウクライナ・アメリカ大使との電話会談の内容がユーチューブで暴露されました。その驚愕的な内容を私たちは忘れてはなりません。アメリカはまだヤヌコビッチ大統領が権力の座にある段階で、ヤヌコビッチ追放後のウクライナ新政権の人事の協議をしていたのです。この電話で二人は新政権(暫定政権)の首相にヤツェニュークを当てようと会話しています。そして、ヤヌコビッチ追放後に成立したウクライナ暫定政権の首相には、この電話人事の通りヤツェニュークが就任しました。(なお、ヤツェニュークはポロシェンコ新大統領の下でも首相につきました)。これがアメリカがシナリオを描いた何よりの証拠です。

ウクライナのメディアは、毎年ウクライナに最も影響のある外国人を特集するのですが、私のウクライナ勤務中、毎年そのトップは駐ウクライナ・アメリカ大使でした。パイエト大使も2014年のウクライナに最も影響を与えた外国人であることに間違いはないでしょう。

■暫定政権は民主化勢力ではなかった

5月25日に大統領選挙が行われ、欧米派といわれるペトロ・ポロシェンコ候補が過半数の得票を得て当選しました。ポロシェンコ新大統領の下でウクライナのEU加盟が加速されるだろうとの報道がもっぱらです。

しかし、1991年の独立以来、ウクライナ政府はニュアンスの違いはあれヨーロッパとの統合、すなわちEU加盟とNATO加盟を基本方針としてきたのです。最もNATO加盟については、ヤヌコビッチ政権は消極的で、憲法を改正しウクライナの軍事ブロックからの中立を国是とするに至りました。それと共に、先に述べたようにクリミアのセバストポリ軍港の2017年に期限が切れる租借期間を25年延長して2024年までとしたのです。その見返りは、すでに述べたようにロシアのウクライナ向け天然ガス供給価格の値引きでした。たとえ親ロシア派の大統領であってもEU加盟を推進してきたのは、連合協定の顛末に見たとおりです。

注目すべきことは、今回のデモで中心的役割を果たしたのは武装した極右勢力であったということです。私の勤務時代にも、確かに極右の排外集団はいました。彼らは外国人を見つけては暴力を振るっていました。アジア、アラブ、アフリカの人たちが主なターゲットでした。それから数年の後に、彼らは装甲車などの重火器で武装した戦闘集団に発展したのです。一体誰が彼らを支援したのでしょうか。ここに、今回の危機の真相をとくカギがありそうです。

彼らはいわゆるテロリストとどこが違うのでしょうか。アラブの春の嵐が吹き荒れたときに、政権を倒す上で決定的役割を担ったのは、反政府デモに紛れ込んだテロ集団であったことを忘れてはならないでしょう。今現在も、シリアにおいていわゆる反政府勢力が武装闘争を継続していますが、反政府勢力は武器をどこから入手しているのでしょうか。

このような疑問について欧米のメディアは報じてくれません。彼らは反政府武装勢力を支持しているからです。アサド大統領と言う独裁者に抵抗する勢力は民主化勢力であると勝手に見なして、反政府運動の実態に関わらず、これを支持しているわけなのです。

ウクライナも同じパターンです。暫定政権が武力クーデターで成立した非合法政権であるという極めて重要な事実には目を瞑って、一切を見ないのです。これでは、欧米メディアと反政府勢力は事実上一体であると見なされても仕方ないでしょう。

このようなメディアの行動パターンは、日本を巡る近隣諸国やアメリカの姿勢の報道にも現れています。私たちから見て、今日の日中、日韓関係の悪化の原因は中韓が作ったにもかかわらず、肝心の日本のメディアは、あたかも日本政府の行動が軋轢の原因だとの報道を日夜垂れ流しています。その結果、多くの日本人が日本政府は隣国の嫌がることをしているのではないか、そのような挑発行為を政府は止めるべきであると、なんとなく悪いのは日本であると思い込んでしまう危険があるのです。これが、メディアによる洗脳の危険です。

ウクライナ危機の洗脳は決して日本と無縁ではありません。それどころか、安倍総理の足を引っ張ることを意図した陰湿な報道が日本では行われているのです。これについては、二例を挙げるだけで十分でしょう。

あるテレビ局の報道番組では、解説者が「ウクライナの領土保全の方が北方領土の返還よりも重要だ」との趣旨を述べていました。股、別のテレビ局はニュース番組でウクライナ市民へのインタビューを報じ、ウクライナ市民の「北方領土返還のためにウクライナを犠牲にするなら、私たちは日本を許さない」という声を伝えていました。

この街頭インタビューがヤラセであることはすぐに分かりました。ウクライナの一般市民は北方領土問題など全く知らないからです。もうお分かりのように、日本のメディア、特に反日的傾向が強いメディアは、ウクライナの領土保全が重要なのではありません。彼らの狙いは、安倍首相の対ロ外交を牽制し、安倍総理がプーチン大統領との間で北方領土問題を解決することを妨害することなのです。つまり、安倍おろしという目的のために、ウクライナ情勢の報道を利用しているのです。このような日本のメディアの邪な魂胆を見抜いて、私たちはメディアの報道に洗脳されないように注意する必要があります。
http://www.kanekashi.com/blog/2019/03/6143.html

148. 中川隆[-10680] koaQ7Jey 2019年4月10日 09:33:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1361] 報告
2019-04-09
アメリカの脅しが、怖くなくなった時代に。
http://www.kanekashi.com/blog/2019/04/6193.html


トルコはNATOの一員で少し前まではロシアと敵対していたが、ここ数年でロシアとの関係を深めている。

さらにシリア内戦でも、国連主導の協議が停滞するのを横目にアサド政権を支援するロシアとイラン、反体制派を支えるトルコが両者の和平協議を主導。過激派組織「イスラム国」(IS)に対する掃討作戦が進んだ。

さらにアメリカを驚かさせたのは、アメリカ兵器を買って軍整備しているトルコが、ロシア製防空システムのS-400を購入を宣言した事だ。

アメリカ政府は強く反発、S-400を購入するならF-35戦闘機を供給しないと脅したが、全く脅しに成らなかった!

プーチンとエルドアンを含むロシアとトルコの高官がモスクワに集まり、会議を開いた。

その記者会見でプーチンがトルコをはめちぎっている記事をトルコ放送(TRT)が一面にあげているします。

既に世界の警察(本当は世界のやくざのドン)であったアメリカが、トルコになめられている始末だ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

https://www.trt.net.tr/japanese/toruko/2019/04/09/erudoanda-tong-ling-tonogong-tong-ji-zhe-hui-jian-denoputinlu-da-tong-ling-nofa-yan-1179799 TRT(トルコの放送局)より

■エルドアン大統領との共同記者会見でのプーチン露大統領の発言

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、同国は天然ガスに関して価格および量の観点からトルコに対して責務を果たしていると述べた。

レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領は、午後に訪問したロシアでプーチン大統領と第8回トルコ・ロシア・ハイレベル協力評議会会合の議長を務めた。

両首脳はその後、共同記者会見を開いた。

会見でプーチン大統領は、「イドリブでソチ合意の枠組みで確かに進展がある」と話した。

「トルコと経済および地域の安全保障に関してあらゆる困難にもかかわらず極めて有益な協力を進めている」と述べたプーチン大統領は、次のように語った。

「トルコと共に自国通貨による貿易を含めた経済的な独立を確保するためにできる限りのすべてのことを行っている」

プーチン大統領は、トルコに対して天然ガスに関する価格および量の観点から責務を果たしているとも語った。

プーチン大統領は、トルコとロシア間でS-400地対空ミサイルシステムを含めた軍事技術面でも協力が拡大したと指摘し、

「トルコと経済および地域の安全保障に関してあらゆる困難にもかかわらず極めて有益な協力を進めている。文化面および教育面における協力も取り上げた。トルコは、ロシア人観光客のお気に入りになった状況にある。トルコがロシア国民に提供している安全な休暇の機会は、この分野における進展に重要な貢献をしている」と述べた。

ロシアがトルコ国民に適用しているビザ問題も取り上げられたと明かしたプーチン大統領は、

「トレーラーの運転手のほか、サービスパスポートを所有する国民にもビザなし制度の利用が決定された」と述べた。

149. 中川隆[-10649] koaQ7Jey 2019年4月22日 17:10:19 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1415] 報告

2019年04月22日
ロシアの年収は中国以下でタイと同水準 経済低迷も国民は物言わず


モスクワ労働者の月給は7万円くらい


日ロ交渉は決裂

安倍首相が前のめりになって進めてきた日ロ領土交渉はすべて決裂し、成果ゼロで終わったのが明らかになっている。

日本側は一時歯舞色丹のみ(面積比で北方4島の1割未満)まで妥協したようだが、ロシア側は拒絶した。

ロシアの言い分では北方領土すべての領有権を日本が認めるべきで、そうすれば北方領土への投資を認める。



つまり日本が領有権を放棄すれば「お金を受け取ってやる」という言い分で、一見めちゃくちゃに思える。

このように強気なロシアだが、国内経済は良くなく、原油や天然ガスの輸出価格に一喜一憂している。

ロシアの輸出金額の3分の2はエネルギー関連で、これがなければとっくに「第二のソ連崩壊」に至っています。


ソ連は資源国でありながら西側に輸出するどころか輸入する有様で、外貨が底をついて債務の支払いができなくなって倒れました。

原因は経済システムが機能しなかったことで、労働者はノルマを達成するとノルマが重くなるので、わざと達成しないようにしていました。

ロシアでは資本主義が機能しているので、天然ガスを多く採掘して輸出すれば労働者の収入が増え、生活が豊かになる。


とはいえロシア国内の経済状況は想像以上に厳しく、国民は苦しい生活をしているが発言の自由が無いので黙っている。

ロシアの平均年収が中国を下回ったのは2015年頃で、中国は全土で平均年収80万円はある。

対するロシアはモスクワで月給8万円ほど、地方では5万円ほどとされていて、かつてアメリカと超大国の座を争った国とは思えない。

ロシア人の年収はアジアの新興国並み

タイの平均年収は60万円を超えているのでロシア人はいつの間にかタイ人と同じ程度になり、他のアジア諸国も迫ってきている。

タイの生活費は日本の3分の1程度(現地の食事や生活レベルで)なので日本の年収200万円に相当し、先進国並みを求めなければ暮らせる。

最近10年でロシアの通貨ルーブルの価値は半減し、月収はそれほど上がっていないので実質賃金は下がっている。


ロシアの生活物価は西側先進国の半額程度だが、タイと比べると収入が同じくらいなのに、物価はロシアのほうが高い。

首都モスクワはロシアでは賃金が高いがそれでも月給7万円から10万円以下、地方では3万円や5万円で働いている人も少なくない。

天然ガスなどの輸出で儲けているのはそうした労働者と一部の資本家で、国民には渡っていない。


GDP総額でもロシアは韓国に抜かれてしまい、イタリアより少ないという微妙な「大国」になった。

ロシア人は異口同音に生活が苦しいというが、政府の取り締まりが厳しいので大規模な抗議運動はほとんど起きない。

最近の調査ではロシアの若者の半数近くが外国への移住を希望し、国民全体でも20%が国外移住を望んでいる。


ロシアの出生率は1.7ほどで出生数も160万人と日本よりかなり良いが、それでいて毎年10万人ほど人口減少している。

出生率低下の始まりが早いのと平均寿命の短さ(71歳)、国外移住者の多さなどが原因になっている。

これで政権が倒れないのが不思議だが、プーチンは強権とカリスマ性で高い支持率を保っている。
http://www.thutmosev.com/archives/79629338.html

150. 中川隆[-10477] koaQ7Jey 2019年4月30日 10:17:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1610] 報告
2019-04-26
国際情勢の大変動を見抜く!-9〜東欧カラー革命は対プーチン戦争〜
http://www.kanekashi.com/blog/2019/04/6221.html


ソ連崩壊後の金貸しによるグローバル化、民営化によって登場した(主に)ユダヤ系新興財閥の主要メンバー達は、次々とプーチン大統領によって排除されていったが、最後までプーチン大統領に抵抗したのがミハイル・ホドルコフスキー。

彼を支援したのが、イギリスのジェイコブ・ロスチャイルド卿とアメリカのキッシンジャー元国務長官。

因みに、キッシンジャーはご存知のとおり、ロックフェラーとの繋がりが深く、バリバリのネオコン派で、TPP、グローバル化推進では主に裏舞台で活躍してきた。ところが、近年はトランプ大統領と親近性を高め、中国習近平やプーチンとの関係をも深めており、民族派への転換が噂されている。(故に動きには注目していく。)

彼らを敵に回してもプーチン大統領は怯むことなく、ホドルコフスキーを逮捕投獄。石油利権が金貸しの手先に渡るのを見事に阻止した。

本丸の取り崩しが失敗に終わった金貸しは、今度は旧ソ連諸国、つまり外堀を埋める動きにでる。いわゆる東欧カラー革命がそうで、グルジアの「バラ革命」、ウクライナの「オレンジ革命」、そしてキルギスの「チューリップ革命」すべて金貸しの画策です。

手口は三つとも判を押したようにすべて同じ。新露派の国家首長が選挙で勝利したが、不正選挙だとして市民デモや暴動が起き再選挙。結果、親欧米派が勝利を納めるというもの。

デモや暴動を扇動したのはいずれも反体制NGO。その黒幕はジョージ・ソロスという。そのシナリオ通りに事が進んだ。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E9%A6%AC%E6%B8%95-%E7%9D%A6%E5%A4%AB/dp/406219175X/ref=sr_1_1?adgrpid=57028848367&hvadid=338514114426&hvdev=c&hvlocphy=1009549&hvnetw=g&hvpos=1t1&hvqmt=e&hvrand=7278385446062088875&hvtargid=kwd-334868628383&jp-ad-ap=0&keywords=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%92%E6%93%8D%E3%82%8B%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93&qid=1556014387&s=gateway&sr=8-1


からの紹介です。

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■ロシアの国富をアメリカ資本主義に譲り渡す行為

ベレゾフスキーとグシンスキーの追放以降、新興財閥による政治介入は収まったかに見えました。新興財閥の実力者の一人アブラモビッチは、今やロシア政治ではなくサッカーに関心を寄せています。イングランド・サッカーの名門チェルシーを所有しているのが、アブラモビッチなのです。

そうして政商としては腰砕けになった新興財閥の中で、最後までプーチン大統領に抵抗したのがミハイル・ホドルコフスキーでした。プーチン大統領とホドルコフスキーとの戦いはアメリカやイギリスを巻き込んだ国際的性格を帯びることになります。この闘争の内実を理解することが、現在のウクライナ危機の本質を理解することにつながります。

プーチンとホドルコフスキーの対決は、2003年に決戦を迎えました。プーチン大統領は、石油王手ユーコスの社長であったホドルコフスキーを逮捕したのです。10月のことでした。表向きの理由は脱税です。脱税容疑は単なる逮捕の口実ではありません。実際、ホドルコフスキーは国内オフショア制度を悪用して、他の主要な石油会社が24パーセントの税金を払っているにもかかわらず、わずか12パーセントしか払わなかったのです。しかし、逮捕の本当の理由はホドルコフスキーがプーチンとの約束を破って政治に口を出したことでしょう。

彼は、プーチンに反対する政党をイデオロギーに関係なく反プーチンであるという理由だけで支援したり、自ら2008年の大統領選挙への出馬を公言するようになりました。プーチンにしてみれば、ビジネスに特化していれば少々の脱税くらいは目をつぶることができたのかもしれませんが、自らの政治生命に挑戦するがごとき挑発行為は決して許せないと感じたことは想像に難くありません。

もう一つの決定的理由は、ホドルコフスキーと欧米との緊密な関係です。ユダヤ系のホドルコフスキーは当然欧米のユダヤ系の指導者たちと親しい関係にありました。その一人がイギリスのジェイコブ・ロスチャイルド卿でした。ホドルコフスキーはロスチャイルド卿と組んでNGOの「オープン・ロシア財団」をロンドンに設立しました。読んで字の通り、「ロシアを欧米世界に開放する」というもので、ロシア民族主義者たるプーチンを刺激する活動です。続いて、アメリカにも事務所を開設、なんとユダヤ人のキッシンジャーを理事に招聘するのです。こうなると偶然ではなく、ユダヤ系であるホドルコフスキーが欧米の主要なユダヤ人脈を意図的に活用したといえそうです。

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この欧米との関係緊密化は財団設立にとどまりませんでした。最終的にプーチンにホドルコフスキー逮捕を決断させたのは、アメリカ石油メジャーとユーコスとの提携問題であったと思います。ユーコスはシブネフチ(アブラモビッチ所有)のと合併することになっており、この世界有数のロシア石油会社はアメリカ石油メジャーのシェブロンやエクソンモービルに40パーセントにも及ぶ株を売却する交渉が進んでいたのです。

この一連の動きは、プーチンにとってロシア国家の富をアメリカ資本に事実上譲り渡す行為と映ったとしても不思議ではありません。ここに、プーチンはユーコスつぶしを決断し、ホドルコフスキーを逮捕投獄し、結局彼はシベリアの刑務所に服役することになりました。ホドルコフスキー事件をめぐる一連の動きについては、栢俊彦『株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム』が参考になります。

ホドルコフスキーは、昨年末にプーチン大統領に恩赦され出所しました。このことと、ウクライナ危機とは連動しているのではないでしょうか。本書ではこれを検証する余裕はありませんが、今後のロシアと欧米との関係を見るうえで、関連性を頭に入れておく必要はありそうです。

ホドルコフスキー逮捕投獄を機に新たな米露冷戦がはじまったと見られます。世界のメディアは、2007年2月のミュンヘン安保会議におけるプーチン大統領のアメリカ避難スピーチをもって新冷戦の開始と伝えましたが、実際には2003年の10月に始まっていたのです。以後今日まで、メドベージェフ大統領時代の米露関係リセット時代はありましたが、ロシアとアメリカは基本的には冷戦状態が続いているのです。

2003年という年に注目してください。3月にはアメリカのイラク攻撃が始まり、アメリカの勝利とともに、イラクの石油はアメリカの資本が押さえました。イラク戦争は大量破壊兵器を保有するイラクを予防攻撃した戦争ではなく、イラクの石油をアメリカが奪うための戦争であったのです。これによって、アメリカは世界の主要な産油国を抑えたことになります。残った主要石油大国は、イランとリビアを除けばロシアだったのです。したがって、ホドルコフスキーが逮捕され、やがてユーコスが解体されたことは、世界の石油支配の完成を目指すアメリカのメジャーにとっては大きな後退だったのです。

それから数年後、チュニジアをはじめ突如「アラブの春」減少と称される民主化運動が北アフリカ諸国に吹き荒れます。その結果チュニジアやエジプトで政変が起こりましたが、一連の民主化運動の真の狙いは産油国リビアであったことは想像に固くありません。世俗政権として国内を安定化し、それなりの反映を達成したリビアのカダフィ大佐は虐殺されました。カダフィ政権を倒すことで「民主化」が成功したとされたのです。しかし、リビアはいまだにテロが横行し民主主義も実現されていません。いったい誰のための民主化運動だったのでしょうか。

■東欧カラー革命は対プーチン戦争

ユーコス事件を受けて、アメリカはどう対応したのでしょうか。アメリカはロシアのおひざ元旧ソ連諸国で反撃に出たのです。2003年11月のグルジア「バラ革命」に始まる東欧カラー革命です。グルジアでは、ソ連時代の新思考外交で知られたエドゥアルド・シェワルナッゼ元外相が、1995年以来大統領に就任していました。シェワルナッゼ大統領は当初親米路線をとっていましたが、ロシアの圧力もあって次第にロシアに近づくようになっていました。そこで、親米政権を樹立するために起こったのがバラ革命なのです。

アメリカの法律事務所出身のミヘイル・サーカシビリがシェワルナッゼの対抗馬として議会選挙が行われました。結果は、シェワルナッゼの与党「新グルジア」が21パーセントで第一位、サーカシビリ率いる「国民運動」が18パーセントで二位となりました。ところが、ここで選挙には不正があったとして、野党勢力のデモが発生したのです。デモ隊は議会を占拠するまで暴徒化し、その結果、シェワルナッゼ大統領は辞任してサーカシビリが大統領に就くことになりました。これが「バラ革命」と呼ばれるものです。

この革命がアメリカによって演出されたことは今や世界の常識になっています。前線活躍したのが、ジョージ・ソロスでした。彼は、旧ソ連圏諸国の民主化や市場経済化を支援する「オープン・ソサイエティ」を立ち上げて、資金援助を行ってきました。ソロスはグルジアに「オープン・ソサイエティ」の支部を設立し、反政府のグルジアNGOを育成します。このNGOが反政府デモを主導したのです。

もう一つ、選挙結果を不正であると決めつけた原因は、選挙監視に当たったアメリカの調査会社が投票所の出口調査でサーカシビリ陣営の勝利を発表したことです。正規の選挙管理委員会の発表はシェワルナッゼ陣営の勝利でした。これを受けサーカシビリ派のデモが起こったのです。このパターンをよく覚えておいてください。以下に述べるように、その後も同様の手法でアメリカは親米政権を成立させていきます。

2004年にはウクライナで今度は「オレンジ革命」が起こりました。11月に行われた大統領選挙は、親露派のヤヌコビッチ首相と欧米が推すユーシチェンコ元首相との争いとなり、決選投票でヤヌコビッチ候補が勝利しました。しかしここで、この選挙は不正であるとして敗れたユーシチェンコ派のデモが起こったのです。選挙結果を不正であるとしてデモを起こすのは、グルジアのバラ革命の際と同じパターンです。ユーシチェンコ陣営を応援して、アメリカのNGOや欧州安全保障協力機構(OSCE)などが選挙に不正があったと一斉に非難を始めました。外国の応援を得てデモはますます膨れ上がり、ウクライナ全土があたかも新欧米派のオレンジ色の旗に占領された感がありました。

オレンジ革命は私が赴任する前年に起こりましたが、デモが吹き荒れる中、欧米諸国や我が国はアメリカ大使館での情報分析会議に参加していました。この圧力に屈してクチマ大統領は再選挙に同意します。そして、12月に行われた再選挙の結果、今度はユーシチェンコ候補が勝ちました。つまり、ユーシチェンコ候補が勝てば、選挙は公正に行われたということになったわけです。

アメリカのプーチンに対する反撃はこれで終わったわけではありませんでした。次に標的になったのは中央アジアに位置するキルギスです。キルギスでは2005年3月に議会選挙が行われ、アカエフ大統領の与党が圧勝しました。しかし、野党陣営はこの選挙は防いだとしてデモを起こし、再選挙とアカエフ大統領の退陣を求めました。これに対し、アカエフ大統領はロシアへ逃亡し、ここにキルギス「チューリップ革命」が成就したのです。お気づきの通り、グルジアやウクライナの革命とまったく同様のパターンでした。
http://www.kanekashi.com/blog/2019/04/6221.html

151. 中川隆[-10331] koaQ7Jey 2019年5月12日 07:26:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1779] 報告
<安倍外交で取り返せるはずが、なかったのだ!>
森・プーチン会談でも持ち出されていた米軍基地問題の衝撃  天木直人 
http://www.asyura2.com/19/senkyo260/msg/636.html
http://kenpo9.com/archives/5937
2019-05-11 天木直人のブログ

 河野・ラブロフ外相会談が行われ、あらためて北方領土問題の解決の難しさが浮き彫りになった。

 まだこんな不毛な交渉をやっているのか、と言う思いだ。

 しかし私がここで書くのはその事ではない。

 安倍北方領土外交が決定的に頓挫したのは、プーチン大統領が北方領土に米軍基地を置かないと確約できるのか、という究極の問いかけをしたからだった。

 この問いかけを最初に受けたのは谷内正太郎安全保障局長だった。

 元外務官僚の谷内は、パブロフの犬のごとく、それは出来ない、とあっさりと答えたばっかりに、ロシア側はこれではダメだとなった。

 もし安倍首相がトランプとの信頼関係をうまく使ってトランプを説得し、よし、それでは米軍基地を置かないことにする、とプーチン大統領に約束出来ていれば、あるいは状況は全く違っていたものになっていたかもしれないが、今となってはすべて後の祭りだ。

 ところがである。

 この北方領土に米軍基地を置くか置かないかという懸案は、2001年のプーチン大統領と森喜朗首相との間でも、プーチン大統領から持ちかけられていたというのだ。

 「ヨシ、島を渡した後、米国が基地をつくらないといえるのか」と懸念を伝えたというのだ。

 きょう5月11日の日経新聞がそのことを教えてくれた。

 その時、プーチン大統領は、「ヨシ、これを見てくれ」と地球儀を上から示し、「ここが北極、そしてここがアラスカでここが米国。米国はこんなにもロシアのすぐ目の前にある脅威だ」と言ったというのだ。

 20年近くも前に、すでにプーチン大統領は同じ問題を提起していたのだ。

 それにもかかわらず、外務省は北方領土返還交渉におけるこの最大の問題について正面から議論することなく、安倍首相はあの時の森首相と同じように、日本を信じてもらうしかないと、あいまいな返事しか言えなかったのだ。

 しかも、プーチン大統領は森喜朗が好きだから交渉を続けてきたが、ウクライナ問題の制裁に賛成した安倍首相にプーチン大統領は激怒したというのだ。

 この日経新聞の記事が教えてくれたこと。

 それは、そもそも、森・プーチン外交で取り返せなかったものを、安倍・プーチン外交で取り返せるはずがなかったのだ。

 「北方領土問題解決で衆参ダブル選挙だ」という政治記事は、メディアがつくりだした世迷いごとだったのである(了)

「森・プーチン」つないだ日ロ交渉 「島に米基地」今も懸案
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44664470Q9A510C1EA3000/
2019/5/11 2:00 日経新聞 後段文字起こし

北方領土問題を巡りロシアの強硬派は米軍が島に基地を建設する懸念を反対理由に持ち出す。実はイルクーツク声明を出した2001年からプーチン大統領が言及していた。それでも交渉が続いた背景にはプーチン氏が森喜朗元首相に抱く「義理と人情」がある。

イルクーツク声明は01年3月25日、プーチン氏と森氏が極東のイルクーツクで署名した。「平和条約締結後に日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」とした1956年の日ソ共同宣言が交渉の基本であることをプーチン氏と初めて確認した。


2001年3月、イルクーツクで会談した際の森元首相とプーチン大統領(右)=共同

このときプーチン氏は共同宣言は「義務」と表現したが、懸念も伝えていた。「ヨシ、島を渡した後、米軍が基地をつくらないといえるのか」。森氏は「そんなことはない。日本を信じてもらうしかない」と返した。

プーチン氏はクギを刺した。「ヨシ、地球儀を上からみてくれ」。プーチン氏は丸い物を使いながら説明した。「ここが北極、そしてここがアラスカでここが米国。米国はこんなにもロシアのすぐ目の前にある脅威だ」

プーチン氏の懸念はあまり表に出なかったが、森氏には強い印象を残した。森氏が安倍首相にプーチン氏との交渉をつないだときに「基地問題をどう説明するか。これをよく考えて臨まないと交渉を進めるのは難しい」と忠告したという。

それでもプーチン氏は交渉を続けてきた。背景には冷徹な計算と共に「森氏への信頼」という割り切れない部分も見え隠れする。「プーチン氏が森さんを好きだからとしかいいようがない」と外務省幹部。そう実感させる逸話も少なくない。

たとえばイルクーツク会談でのこと。日ソ交流に尽くした父・茂喜氏が分骨された墓を森氏が参拝した際、同行したプーチン氏がこう心配した。

「ヨシ、コートも手袋もなしで寒くないのか」。気温は氷点下で寒風も吹きすさぶ。森氏はこう諭した。「父親の墓だからではない。この地ではたくさんの日本人が抑留され、飢えと極寒に苦しんで亡くなっていった。どうして自分がコートや手袋を着ていられるだろうか」。これを聞いたプーチン氏はあわててコートと手袋を脱いだという。


抱き合う森元首相とプーチン大統領(左)(2005年6月、サンクトペテルブルク)=ロイター

つきあいが始まったのは2000年4月、プーチン氏の大統領就任直前だ。まだ国内外で「プーチン・フー?」といぶかられる存在だった。

そこに初めて訪ねてきた主要国首脳が森氏だ。森氏も小渕恵三首相の死去に伴い、急きょ首相に就いたばかり。同年夏に沖縄で開く主要国首脳会談のため7カ国訪問に出ていた。その最初の訪問地に選んだのがロシアだ。2人はバレエやアイスホッケーをみながら10時間近くを共に過ごした。

沖縄では首脳会談に遅刻してシラク仏大統領らに嫌みを言われたプーチン氏を森氏がかばった。14年、対ロ制裁に日本が参加したため「プーチン氏が安倍首相に激怒した」との話が伝わると、急きょモスクワに飛び、日本の立場を説明した。

ロシアで最後に会ったのは17年7月、エカテリンブルクで。深夜、森氏のホテルでサプライズが起きた。ロビーに突然プーチン氏が現れたのだ。森氏の誕生日を祝う食事の後「ホテルまで送る」と言い出し、大統領車に森氏を乗せてきた。その後も名残を惜しむようにロビーのソファで話し込んでいたという。

国家間の外交で個人の友情など幻想かもしれない。だが重要な資産でもある。6月の首脳会談に向け「安倍首相も森氏に期待している」と首相周辺。約20年の時を経た「森―プーチンライン」はどう動くのだろうか。

(モスクワ=桃井裕理)

152. 中川隆[-10423] koaQ7Jey 2019年5月17日 09:01:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1879] 報告
2019.05.16
リビアで譲歩して破滅を招いたメドベージェフと違い、プーチンは譲歩しないだろう


 アメリカ政府は世界規模で軍事的な緊張を高めようとしている。すでにユーゴスラビアを爆撃、アフガニスタンやイランへ軍事侵攻、リビアやシリアへジハード傭兵を送り込んで国を破壊してきたが、思惑通りには進んでいないようだ。ロシアや中国は勿論、アメリカの占領下にあるイラク、アメリカの属国と化しているEUも言いなりにならなくなっている。それでもアメリカ政府はシリアでの軍事作戦を続け、イランを侵略する姿勢を見せているが、アメリカ軍の内部からも無理だという声が聞こえてくる。

 イラク、シリア、そしてイランを殲滅する計画をネオコンが立てたのは遅くとも1991年のこと。ネオコンはイスラエルを作り上げた勢力と近い関係にあり、シオニストの一派。サウジアラビアもその勢力によって作られた。今、イランを中東支配の上で目障りな存在だと考えているのはこのイスラエルとサウジアラビア。この2カ国の意向に従ってアメリカ政府は動いていると言われている。

 しかし、現在のアメリカ大統領、ドナルド・トランプをネオコンと呼ぶことはできない。トランプもシオニストを後ろ盾にしているが、ネオコンとは違う派閥だと考えられるからだ。

 2016年の大統領選挙でトランプへ最も多額の寄付をしたのはシェルドン・アデルソン。アメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営、日本にもカジノを作らせるように要求していた人物で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しい。

 ネタニヤフは1976年にマサチューセッツ工科大学を卒業してからボストン・コンサルティング・グループで働いているが、このときの同僚の中にミット・ロムニーがいた。

 1978年にネタニヤフはイスラエルへ戻るが、82年へ外交官としてアメリカへ渡る。その時に親しくなったひとりがフレッド・トランプ、つまりドナルド・トランプの父親だ。

 一方、ネタニヤフの父親、ベンシオン・ネタニヤフは1940年にアメリカへ渡り、「修正主義シオニズム」の祖であるウラジミル・ジャボチンスキーの秘書を務めた。ジャボチンスキーは1940年に死亡する。第2次世界大戦後にはコーネル大学などで教鞭を執った。

 ネオコンはロシア制圧を目標にしているに対し、ジャボチンスキー系の人びとは今でも大イスラエル、つまりユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域を支配しようとしている。

 イスラエルではゴラン高原に続いてヨルダン川西岸を併合しようとする動きがあるが、それは序の口にすぎない。イスラエルの支配地域をイラク、シリア、イラン、レバノン、エジプトに広げると公言している活動家もいる。サウジアラビアもターゲットに含まれているはずだ。つまり、どこかの時点でイスラエルとサウジアラビアの利害が衝突する。

 アメリカは東シナ海や南シナ海では中国を軍事的に威圧しているが、中国はロシアの戦略的な同盟国であると同時にイランを支援している国でもある。ネオコンにとってもジャボチンスキー派にとっても敵になった。

 この両派にとって産油国のベネズエラは手に入れたい国。トランプ政権のクーデター工作にネオコンも賛成、従って有力メディアも支援している。

 ネオコンは自分たちのターゲットであるロシアとの関係を絶とうとしてきたが、大イスラエルを目論むネタニヤフは盛んにロシアを訪問してきた。ロシアに出てきてほしくないからだろう。

 ジャボチンスキー派と近いキリスト教系カルトのマイク・ポンペオ国務長官は5月14日にソチでロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談したが、この訪問の目的もネタニヤフと同じだろう。ロシアをおとなしくさせるために何かを約束したかもしれないが、アメリカが約束を守らないことをプーチンは理解しているはず。

 アメリカとロシアの関係を改善することで両国は合意したというが、それでロシアが譲歩する可能性はない。2011年2月にアメリカなどがリビアへの侵略を開始、3月17日には国連の安全保障理事会でリビア上空に飛行禁止空域を設定することを認める決議が採択された。

 これはアメリカ、イギリス、フランスなどリビア侵略を狙う国が制空権を握りやすくすることが目的だということは明らかだったが、中国やロシアは決議で棄権している。このときのロシア大統領、ドミトリー・メドベージェフはアメリカとの関係回復を優先したのだが、その決定を知った当時の首相、ウラジミル・プーチンは激怒したという。アメリカが何を狙っているか誰でもわかるだろうとプーチンは考えたはずだ。今回、プーチン大統領がトランプ政権に譲歩するとは思えない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905160000/

153. 中川隆[-9664] koaQ7Jey 2019年6月11日 16:15:41 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2796] 報告
ロシアとの戦争をでっちあげる
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-162c80.html
2019年6月11日 マスコミに載らない海外記事


2019年6月3日
Chris Hedges
truthdig

 ドナルド・トランプと彼の選挙運動は、2016年大統領選挙戦の際にロシアと共謀していないというロバート・マラー報告の結論にもかかわらず、モスクワとの新冷戦は和らぐ兆しをほとんど示していない。それはアメリカ武器製造業者にとって、何十億ドルもの利益となる、NATOのロシア国境までの拡大を正当化するのに使われている。それは外国大国の手先だとして、国内の批判者や代替メディアを悪者にするのに使われている。それは民主党の労働者階級に対する卑屈な裏切りと、大企業権力への屈伏を取り繕うために使われている。それは世界の二大核保有国間の緊張緩和をくつがえすために使われている。それは − 含みアメリカ国内での市民的自由の削減や、海外で、シリアやベネズエラのような国でアメリカの介入を正当化するために使われている。この新冷戦はトランプ大統領選挙運動に先行している。それは10年以上前、ロシアとの対立に拍車をかけることにより、自分たちの権力を強固にし、利益を増やすことができるのを理解した軍需産業と諜報関係界に作り出されたものだ。(諜報活動の70パーセントが世界の最も利益があるスパイ工作と呼ばれているブーズ・アレン・ハミルトンのような私企業に行なわれている。)

 「これはトランプと「ロシアゲート」のずっと前に始まったのです」と私のテレビ番組「On Contact」でインタビューした際、スティーヴン・F・コーエンが言った。コーエンはロシア研究プログラムの部長をつとめたプリンストン大学政治学名誉教授で、ニューヨーク大学のロシア研究と歴史の名誉教授だ。「人々は、なぜワシントンが、ソビエト共産主義指導者と生産的外交をするのに何の問題もなかったのか自問しなければなりません。リチャード・ニクソンとレオニード・ブレジネフを覚えていますか? もう、いちゃつきでした。彼らは一緒に[ソ連で]狩りに行きました。ところが共産主義者でないのみならず、反共産主義者を公言するソ連後の指導者ウラジーミル・プーチンが登場したのです。ワシントンは2003年、2004年からずっと彼に憎しみを抱いています。それは若干説明が必要です。我々はなぜロシアの反共産主義指導者よりも、ロシアの共産主義指導者の方が好きなのでしょうか? それはなぞです。」

 新刊書“War With Russia? From Putin & Ukraine to Trump & Russiagate.”「ロシアとの戦争? プーチン&ウクライナからトランプ&ロシアゲートまで」の著者コーエンが「もしワシントンの支配層が、どのように憎悪を抱き、悪者にして、プーチンを扱ってきたか説明しようと思うならば、プーチン以前の1990年代に遡らなければなりません」と言った。ソ連後の最初の指導者はボリス・エリツィンでした。アメリカではクリントンが大統領でした。そして本質的にクリントン政権は、ロシアが崩壊していた事実につけこみながら、彼らはニセの擬似協力と友情のふりをしたのです。ロシアはほとんど主権を失いました。私は90年代、そこに住んでいました。中産階級の人々は仕事を失いました。高齢者は年金を失いました。私はロシアの1990年代の工業生産が、アメリカの「大恐慌」時期より一層落ちたと言って正しいと思います。それは平和時で、これまで最悪の経済、社会の不況でした。それはロシアにとって大惨事でした。」

 1993年9月、国営企業が豊富なリベートと賄賂と引き換えに、ロシアのオリガルヒや外国企業に二束三文で売られる見境ない腐敗や、国内総生産が50%に下がり、ハイパーインフレで国が激しく揺れ動かされた経済崩壊に抗議するためロシア人は街頭に出た。食品と燃料欠乏。賃金と年金の不払い。医療を含めた基本的サービスの欠如。平均寿命の短縮。暴力犯罪の爆発。そしてエリツィンの激化する独裁主義とチェチェン共和国との彼の不人気な戦争。

 1993年10月、エリツィンは議会を解散した後、民主的な抗議者に占拠されていたロシア議会ビルを砲撃するため軍戦車の出動を命じた。攻撃で2,000人が死んだ。それでも、彼の大統領任期中、エリツィンはワシントンに溢れんばかりに称賛され支援された。これには、彼の1996年再選運動の際、ロシアへの102億ドルの国際通貨基金融資に対するアメリカの支援も含まれる。融資は、往々にして小切手が選挙直前に届くという形で、エリツィン政権が何百万というロシア人の未払い賃金や年金に莫大な金額を支払うことを可能にした。また融資のうち推計15億ドルがエリツィン大統領選挙運動に直接資金供給するため使われた。だがエリツィンが、1999年12月大統領の座から無理やり追い出された時までに彼の支持率は、2%に下がっていた。ワシントンはエリツィンを失い、別の御しやすいロシア指導者を探し求め、最初そういう人物としてプーチンを見いだしたと考えたのだ。

 「プーチンはテキサスに行きました」とコーエンは言った。「彼はブッシュ、息子ブッシュと一緒にバーベキューを食べました。ブッシュは「彼の目を見つめて、善人とわかった」と言いました。そういう新婚旅行があったのです。彼らはなぜプーチンに敵対したのでしょう? 彼はエリツィンではないことが分かったからです。ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフが、これについて非常に興味深い発言をしています。2003年だと思いますが「プーチンに幻滅したのは、彼が「しらふのエリツィン」ではないことが分かったためだった。ワシントンが望んでいたのは、従順で、嘆願するソ連後のロシア指導者で、ただし、より若く、より健康で、飲兵衛ではない人物だ。彼らは、プーチンがそういう人物だと思ったのだ。エリツィン、あるいは少なくともエリツィン周囲の連中が、プーチンを権力の座につけたのだ。」と彼が書いたのです。

 「プーチンが、ロシアの主権、世界情勢におけるロシア独自の進路について語り始めた時、彼らは仰天しました」とコーエンは、ワシントン・エリートについて言った。「これは彼らが予想したことではありません。当時は最悪の競争相手が出番を待っていたのですから、1990年代の後に我々がプーチンを得たのは、かなり運がよかったというのが私自身の考えです。私は彼らの何人かを知っていました。私は名前をあげたいとは思いません。けれどもこれら連中の一部は本当に厳しい人々でした。プーチンは、ロシアにとっても、ロシア国際関係にとっても、適時の適材でした。」

 「我々は、これまで3年間これを続けています」とコーエンはロシアゲートについて言った。「我々はこの主張の本質を見失っています。ロシアゲートを作った人々は、アメリカ大統領がロシアの手先だとか、彼はクレムリンに屈したと文字通りに言い、ほぼ3年言い続けています。それが余りに現実離れしているので、我々はニヤリと笑います。ところがワシントン支配層、主に民主党は、彼らだけではありませんが、これを本気で受けとめています。」

 「アメリカ史で今までこのようなことがあったかどうか私は知りません」とコーエンは言った。「このような非難は、アメリカ自身の制度に、大統領職に、アメリカ選挙制度に、議会に、アメリカ主流メディアに、アメリカ-ロシア関係に与えた損害は言うまでもなく、現在エリート・ロシア人と若いロシア人両方のロシア人のアメリカに対する見方に損害を与えています。このロシアゲート丸ごと単に不正なだけでなく、大災厄でした。」

 「20世紀の緊張緩和では、三つの主要エピソードがありました」とコーエンは言った。 「最初のものは、冷戦が非常に危険だった時期、スターリンの死後でした。それは共和党大統領ドワイト・アイゼンハワーに実行されました。二番目は、ヘンリー・キッシンジャーの助言で、リチャード・ニクソンによるもので、それは「ブレジネフとのニクソン緊張緩和」と呼ばれました。三番目は我々が最も成功したと考えたミハイル・ゴルバチョフとロナルド・レーガンによるものでした。レーガンとゴルバチョフによる緊張緩和は実に成功したので、レーガン後継者父親ブッシュは冷戦は永久に終わったと言いました。」

 「壁は崩れていました」と1989年の東ドイツ崩壊とベルリンの壁崩壊についてコーエンは言った。「ドイツは再統一しつつありました。問題は「統一したドイツがどこに行くか?」でした。欧米はNATOでドイツを必要としていました。ゴルバチョフにとって、これはとうてい乗れない話でした。第二次世界大戦時、対ドイツ戦争の東部戦線で、2750万人のソ連国民が死んだのです。我々が聞かされている、たわごととは逆で、アメリカがノルマンディーに上陸してナチスドイツを倒したのではありません。ナチス・ドイツの敗北は、主にソビエト軍によるものなのです。ゴルバチョフが国に帰って、どうしてこう言えたでしょう。「ドイツは統一する。素晴らしい。そしてドイツはNATOに入る。」 それは不可能でした。彼らはゴルバチョフに言いました「我々はもしあなたが統一ドイツがNATOに入ることに同意するなら、NATOは1インチたりとも東に拡大しないと約束すると、ジェームズ・ベーカー国務長官が言ったのです。言い換えれば、NATOはドイツからロシアに向かって近寄らないと言ったのです。ところがNATOはそうしたのです。」

 「私がお話している今、NATOはロシア国境にあります」とコーエンは言った。「バルトからウクライナから、旧ソ連共和国のジョージアまで。一体何が起きたのでしょう? 後に、彼らはゴルバチョフが嘘をついたか、誤解したと言いました。決して約束はされなかったと。けれどもワシントンの国家安全保障アーカイブは、1990年の議論のあらゆる文書を作成しました。ブッシュ[ジョージ・H.W.大統領]だけではなく、フランス大統領フランソワ・ミッテラン、イギリスのマーガレット・サッチャーもでした。欧米の全ての指導者が、ゴルバチョフに、NATOが東方に拡大しないことを約束したのです。」

 「今はどういう状況でしょう?」と彼が尋ねた。「裏切りです。今日、どのようなロシア-アメリカ関係についての議論でも、情報に通じたロシア人は「我々はあなたが再び我々を裏切ることが心配です。」と言うでしょう、…プーチンは、彼が権力の座についた時、自分は欧米について幻想を持っていたと言いました。」

 「トランプは2016年に降って湧いたように現れて「私はアメリカはロシアに協力するべきだと思う」と言いました」とコーエンは言った。「これは緊張緩和の声明です。それで私は彼に注目したのです。トランプがクレムリンの手先だという話が始まったのは、その時です。私には証明することができませんが、人は疑い、論理的に考えなければなりません。この[主張]は緊張緩和志向の大統領を必要としない人々によって、どこかアメリカの上層部で始まったのでしょうか? [彼ら]は、どれほどちっぽけに見えようとも、トランプが勝利しかねず、彼らは本当にこのロシアとの協力の話が好きではなかったのです。そこで、我々がロシアゲートと呼ぶ、これらのことを開始したのです。」

 「緊張緩和の先祖は共和党でした」とコーエンは言った。「緊張緩和時期の民主党の振る舞い方は矛盾していました。ヘンリー・ジャクソン派と呼ばれるものがありました。これは非常に強硬路線で、緊張緩和を信じない民主党イデオロギーの一派でした。一部の民主党員は信じていました。私は、ソ連とソ連後の両方で、長年モスクワで暮らしていました。ロシアやソ連の政策立案者と話をすれば、彼らは概して共和党大統領候補の方が好きです。」

 民主党員はよりイデオロギー的だとロシア支配者から見られているとコーエンは言った。

 「共和党員はロシアで事業することを望む実業家の傾向があります」と彼は言った。「1970年代に作られた最も重要な緊張緩和志向の圧力団体は、American Committee for East-West Accordと呼ばれていました。ソ連で事業をすることを望むアメリカのCEOに作られました。」

 「アメリカが持っている唯一最重要な関係はロシアとのものです」とコーエンは続けた。「核兵器だけのためではありません。ロシアは世界最大領土の国です。ロシアは我々が懸念しているすべての地域と隣接しています。ロシアとのパートナーシップではなく、友情ではなく、同盟ではなく、緊張緩和で対立を減少させることが不可欠です。それでも2016年に、何かが起きたのです。」

 クレムリンがトランプを支配しているとされることや、ロシアがアメリカの選挙で不正を働いたという、元国家安全保障局局長ジェームズ・クラッパーと元CIA長官ジョン・ブレナンが繰り返す非難は、実に気掛かりだとコーエンは言った。クラッパーとブレナンはトランプをクレムリンの「手先」と言った。フィンランドでのロシア大統領との共同記者会見におけるトランプの行為を、ブレナンは「反逆罪以外の何ものでもない」と言った。

 彼の自叙伝Facts and Fears: Hard Truths From a Life in Intelligence”「事実と恐怖:諜報機関での人生で得た受け入れ難い真実」でクラッパーは、2016年大統領選挙に対するトランプのためのプーチンの干渉は「驚異的だった」と主張している。

 「もちろんロシアの取り組みは結果に影響を与えた」とクラッパーは書いている。「彼ら自身さえ驚いたことに、彼らは選挙の流れをトランプの勝利に変えた。そうでないと結論するのは、論理と常識と信じたい気持ちを極限まで誇張することになる。3つの重要な州での8万未満の票が選挙を変えた。ロシアによるこの大規模な取り組みによって、それより多くの票が影響を与えられたことに私は疑いを持っていない。」

 ブレナンとクラッパーは、大衆に嘘をつくのが何度もばれている。例えば、ブレナンは、上院職員が拷問についての報告書を準備するために使っていたコンピュータを、CIAが監視していたのを偽って、否定した。上院諜報委員会委員長ダイアン・ファインスタインが、彼女の委員会による政府機関の拷問の使用に関する調査を、秘密に調べ、妨害しようとする試みで、ブレナンとCIAが、アメリカ憲法に違反している可能性と、犯罪行動を告発するため、上院で発言した。彼女は政治的監督にとって、この状況は「決定的瞬間」だと説明した。ブレナンはドローン暗殺プログラムで「巻き添え殺害は一件も」なかったと主張し、パキスタンでアメリカの急襲で撃ち倒される前、オサマ・ビンラディンが、妻を人間の盾として使ったと主張し、拷問、あるいは婉曲的に「強化された尋問」と呼ばれるものが貴重な情報をもたらしたと主張した。これらの陳述のいずれも本当ではない。

 アメリカによるイラク侵略の時点で、クラッパーは、スパイ衛星写真や空中粒子や土壌サンプルのような諜報情報の解釈を担当し、サダム・フセインのありもしない大量虐殺兵器物語をでっちあげ、その計画を実証する書類を侵略直前、シリアに運んだ国防総省部隊、国家地球空間情報局の局長だった。彼は上院で、アメリカ国民の国内監視プログラムについて質問されると、見えすいた偽証罪を犯した。「NSA[国家安全保障局]は、何百万人もの、あるいは何億人ものアメリカ人の何らかの形のデータを集めているか?」と彼は尋ねられた。クラッパーが「いいえ、故意にではありません」と答えた。それは、クラッパー自身がよく知っている通り、嘘だった。

 闇の国家が奉じる狙いを押し通すための情報を捏造する諜報関係高官や彼らの機関を監督したり、制御したりする能力が我々にないことが、民主主義の死を示している。嘘をつく権限を与えられたかに見える諜報機関の高官ブレナンとクラッパーは、とりわけ不吉なことに、彼らを批判する人々を効果的に沈黙させられる、監視、脅迫、強要の手段を握っており、政府内でさえ、批判する人々の活動を無遠慮に調査し、連中と連中の機関が責任を負わずにすむようにしていることだ。

 「アメリカ・メディアに気味悪く漂っているスティール文書があります」とコーエンが、クリストファー・スティールが編集した報告書について言った。

 報告書はフュージョンGPSに依頼され、ヒラリー・クリントン大統領選挙運動と民主党全国委員会に支払われた。ロシア選挙干渉の諜報機関評価に、スティール調査書類を含めるよう、ブレナンが圧力をかけたとボブ・ウッドワードは報じた。

 「彼[スティール]は新聞からそれを得たのです」とコーエンは言った。「私は彼がロシアに一つも情報源があったとは思いません。スティールはこの調査書類を持って現れ「私はレベルが高い情報源からの情報を持っている。」と言ったのです。クリントン選挙運動はこの工作に資金を供給していました。だがスティールは非常に重要です。彼は元イギリス諜報局員だ。もし彼が本当に前にロシアで働き、ロシアの案件を扱っていたなら。彼は、トランプが売春婦とはしゃいでいることについて、調査書類でこの情報があると言うのです。トランプについて何十年も前に堕落していた情報。彼は「レベルが高い」クレムリン源からそれを得た。これは不合理です。それは非論理的です。」

 「プーチンがトランプを大統領にするのを死物狂いで望んでいたというのです」とコーエンは言った。「プーチン周辺のクレムリンの連中がスティールと呼ばれる男にトランプのゴシップを与えていた。たとえボスが望んでいたにせよ、全く意味不明でしょう?」

 「なぜこれが重要なのでしょうか?」コーエンは尋ねた。「現在、右翼のアメリカ・メディア、特にフォックス・ニュースが、このロシアゲート全体をロシアのせいにしています。彼らはアメリカ体制にそれを注ぎ込み、ロシアゲートをもたらしたスティールに、ロシアがこの誤った情報を提供したと言っています。これは本当ではありません。」

 「スティール工作を含めて?一体誰がこの全ての背後にいるのでしょう? 」 コーエンは尋ねた。「私は正統な答えより、良い質問が好きです。私は教条的ではありません。私は証拠を持っていません。けれども全ての表面的情報は、ブレナンとCIAから、これが発したことを示唆しています。アメリカでおきる、おそらくずっと前、早ければ2015年末に。今のアメリカの問題の一つは、皆がFBIを叩いていることです。電子メールを送った恋人たち。けれどもFBIはだらしない組織で、誰もFBIを恐れていません。それは、かつてJ・エドガー・フーバーの指揮下にあったものとは違います。ジェームズ・コミーをご覧ください。彼はカモです。ブレナンとクラッパーがコミーを手玉にとったのです。彼らは彼に色々押しつけたのです。コミーはクリントン夫人電子メールを取り扱うことさえできませんでした。彼は全てを混乱状態にしました。狡猾な男たちは誰だったでしょう? ブレナンとクラッパーでした。CIA長官[ブレナン]。これらの政府機関を監督するはずの国家情報[長官]クラッパーです。」

 「トランプとプーチンに対するこれらロシアゲートの主張に何らかの現実があるでしょうか?」彼が尋ねた。「これはアメリカの諜報局が思いついたものでしょうか? 現在、アメリカ司法長官によるものを含め、捜査が約束されています。彼ら全員、FBIを調査することを望んでいます。しかし、彼らは、ブレナンとCIAがしたことを捜査する必要があります。これはアメリカ史上で最悪のスキャンダルです。それは少なくとも、南北戦争以来最悪です。我々はこれが一体どのように始まったか知る必要があります。もし、彼らが最初に大統領候補を、次に、大統領を破滅させることができるほどまで、アメリカ諜報機関がすっかり赦免されるのであれば、私はそれがトランプかどうかは気にしませんが、次はハリー・スミスかも、女性かも知れませんから。彼らがそれをすることができるかどうか、我々はそれを知る必要があります。」

 「息子ブッシュは2002年に対弾道弾ミサイル条約を離脱しました」とコーエンが言った。「それは非常に重要な条約でした。それはミサイル防衛の発展を阻止していました。もし誰かが、しっかり機能するミサイル防衛を手に入れたら、彼らは自分には先制攻撃[オプション]があると思いかねません。ロシアやアメリカが相手からの報復なし、相手を攻撃できるのです。ブッシュが条約を離脱した途端、アメリカはロシア周辺にミサイル防衛を配備し始めました。それは非常に危険でした。」

 「我々が去年知った新ミサイル計画をロシアは開始しました」と彼は言った。極超音速ミサイルだ。ロシアは今あらゆるミサイル防衛システムでも切り抜け、避けて通ることができる核弾頭ミサイルを持っています。我々は50年の核軍備競争における新たな、一層危険な場にいます。プーチンは言っています。「我々はあなた方がしたことゆえに、これを開発したのだ。我々はお互いを破滅させることができる。」 今や本格的な新しい軍備管理協定の時期です。我々は何を得たでしょう? ロシアゲートです。ロシアゲートは国家安全保障に対する最も大きい脅威の一つです。私は著書の中で五つ列挙しました。ロシアと中国はそこにありません。ロシアゲートがナンバー1です。」

154. 中川隆[-9638] koaQ7Jey 2019年6月12日 23:13:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2825] 報告

【怒れるスリーメン】Part29-@ 加藤×橋×馬渕睦夫 
トランプ大統領 護衛艦「かが」に乗艦。これは、対中 対北へのメッセージ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0fb3v6YaIt0

【怒れるスリーメン】Part29-A 加藤×橋×馬渕睦夫 
「世界は、腹黒い」ロシア革命をやった人が 今も世界を動かしている。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VNVlTcnoklw

【怒れるスリーメン】Part29-B 加藤×橋×馬渕睦夫 
日露関係 北方領土問題を考える。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mZCjy_nBSVs

【怒れるスリーメン】Part29-C 加藤×橋×馬渕睦夫 
中国共産党 崩壊の道へ。ついにアメリカが本気に。歴史を見ると、2025年が限界?! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kcHbeHZQy40


5月28日収録

【出演者】
加藤清隆(政治評論家)
橋洋一(嘉悦大学教授)
馬渕睦夫(駐 ウクライナ全権大使)

155. 中川隆[-9608] koaQ7Jey 2019年6月14日 22:29:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2863] 報告

2019年06月14日
GDP韓国以下のロシアに謝罪外交する日本


プーチンは安倍首相を「金を払うばか」としか見ていない


画像引用:http://d2dcan0armyq93.cloudfront.net/photo/odai/600/bbfdf1fdbeca67bf376b66ad6c2d529f_600.jpg

ロシアは大国なのか?

ロシアと言えばアメリカと張り合う超大国の一つだと思われているが、実際には韓国以下の経済規模しかない。

強大と思われている軍事力だが年間軍事費は7兆2700億円(2017年ストックホルム国際平和研究所調査)に過ぎない。

日本の5.2兆円(NATO計算方式では7.1兆円)より多いものの、アメリカの80兆円や中国の20兆円より少ない。




ロシアのGDPは約1.6兆ドル(176兆円)で韓国と同程度だが、韓国の軍事費は43兆ウォン(約4.1兆円)となっている。

フランスの軍事費はロシアと同程度でGDPは2.6兆ドル(286兆円)とロシアの1.6倍ある。

ロシアの人口は1.4億人で日本より少し多い程度で、ちょうど中国の10分の1しかない。


ロシアは領土こそ世界最大ではあるものの、経済は韓国レベルで人口はアジアでは普通、軍事力は世界5位に入るかどうかという規模です。

先日日本の野党議員が「ロシアと戦争して北方領土を取り返すのに賛成か」というアンケートをしたが、その反応は驚くようなものだった。

日本中の国会議員や有識者や政府関係者が一斉にロシアへの謝罪を表明し、この議員を国会から追放すべきだと騒いだ。


「日本国を廃止して中国に併合してもらう」と言った鳩山総理は誰も問題視しなかったのに、ロシアに盾突くと国会議員でも追放されてしまう。

日本人がいかにロシアを恐れているかがこれで明らかになったのだが、ロシアはそんなに「大国」なのでしょうか?

経済規模が同じ韓国やイタリアは恐れないのに、ロシアに謝罪を表明する日本人はとても奇妙です。

謝罪外交は日本の不利益になる

北方領土は戦争によってロシアに奪われた日本国の領土であり、非難されるべきはロシアであって日本ではない。

安倍首相は今まで何度もプーチンと会ったが、一島も返還してもらえないのに経済援助だけを繰り返している。

プーチンにしたら安倍は子分かいじめられっ子に過ぎず、今後も同じことを繰り返す。


安倍首相には外交がまったくわかっておらず、謝罪して頭を下げて金を渡せば「ボクをいじめるのを辞めてくれる」と考えている。

こんな人が総理大臣では北方領土は帰ってくるどころか、ロシア領土だと正式に認めかねない。

80年代から90年代に散々繰り返して失敗した「謝罪外交」そのもので、村山富市と何も変わらない。


ロシアは韓国以下の経済だからこそ、虚勢を張って問題を起こし、戦争の危機を煽っている。

シリアやベネズエラやトルコにロシア軍を派遣して、「核戦争になるぞ」と叫び、「戦争が嫌ならロシアを援助しろ」と言っている。

やってる事は北朝鮮の金正日や金正恩と同じで、いわゆる瀬戸際外交というものです。


こんな国家はもう一押しすれば倒れるのだが、クリントンやブッシュのような間抜けは「戦争にならないよう北朝鮮を援助しよう」と言って金を渡した。

渡した金を北朝鮮は国民には渡さず、全額核ミサイル開発に使ったのが分かっています。

安倍首相がやっているのもクリントンやブッシュと同じで、ロシアの軍備増強を助けているに過ぎない。
http://www.thutmosev.com/archives/80097952.html

156. 中川隆[-9260] koaQ7Jey 2019年7月04日 16:38:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3414] 報告

リベラリズムは欧米を弱体化させた破綻したイデオロギーだとプーチン大統領
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-d492db.html


2019年6月29日 Paul Craig Roberts

 「リベラリズムという考えは陳腐化している。それは圧倒的多数の国民の利益と対立するようになった。」 − ウラジーミル・プーチン、ロシア大統領 
https://on.rt.com/9x4u

 プーチンの声明が重要なのは、それが正しいだけでなく、ロシアのリベラル大西洋主義者による政策を拒絶している点にある。欧米の世界経済上の利権に、ロシアの国益を従属させようと努める欧米権益と連携する、大西洋主義者と呼ばれる、リベラルなロシア人の集団は、余りに長い間ロシアで容認されてきた。プーチンは、ずっと前に彼らを解任すべきだった。大西洋主義者の政策は、ロシアの主権を世界的権益の犠牲にして、ロシア経済に損害を与えた。現代欧米芸術や文化の特徴である頽廃のロシアへの導入も、彼らは支持している。
https://russia-insider.com/en/christianity/russian-christians-interupt-play-glorifying-sodomy-urge-audience-leave-many-do/ri27310
See also: https://russia-insider.com/en/violence-erupts-west-turns-its-sexual-subversion-weapon-georgia/ri27312

 プーチンのリベラリズム拒絶は、大西洋主義者の拒絶を暗示している。これらアメリカ模倣者の危険な考えがロシア政府から一掃されれば、ロシアの隆盛も一層早まるだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/06/29/putin-said-that-liberalism-is-a-failed-ideology-that-has-undermined-the-west/

157. 中川隆[-9071] koaQ7Jey 2019年7月15日 05:53:26 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3619] 報告


2019年7月14日
ロシア、2島返還協議入りも拒否
共同通信

 【モスクワ共同】安倍政権が進める日ロ平和条約交渉で、ロシア側が日米同盟による脅威などを理由に、1956年の日ソ共同宣言に明記された歯舞群島と色丹島の2島引き渡しの協議入りも拒否していたことが14日分かった。複数の日ロ関係筋が明らかにした。プーチン政権内で領土問題の譲歩による支持率低下の懸念が高まったためという。

 日本側はロシア側に配慮し、北方四島は「日本固有の領土」との従来の主張を封印して2島返還での決着を図ったが、こうした安倍晋三首相の戦略の行き詰まりが明確になった。ロシア主導の交渉が続けば、さらに譲歩を迫られる恐れがある。

158. 中川隆[-8902] koaQ7Jey 2019年7月31日 06:57:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3822] 報告
2019.07.31
露政府が抱える最大の弱点は経済の欧米信者による支配だが、プーチンは放棄か?


 ロシアが抱えている最大の問題はウラジミル・プーチン大統領が新自由主義から抜け出せないことにあると言われてきた。経済部門は今でもボリス・エリツィン時代の延長線上にある。政府への従属を受け入れられない強欲なオリガルヒはロンドンやイスラエルへ逃げたが、ウォール街やシティとつながる勢力がプーチン政権でも大きな役割を果たしてきた。

 建前はどうであれ、このイデオロギーに公正さは含まれていない。「個人の自由」と言えば聞こえは良いが、殺す自由、破壊する自由、盗む自由も含まれる弱肉強食の思想。そうした世界における「法」とは強者の意思にすぎず、「法の支配」とは富豪たちによる独裁にほかならない。

 G20首脳会議が6月28日から29日にかけて大阪で開催されたが、その直前にプーチン大統領はモスクワでイギリスのフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューを受け、その中で「リベラルな思想は時代遅れになった」と語っている。その例として挙げられているのが移民政策。プーチンによると、移民は処罰を受けずに殺人、略奪、レイプが可能だという。

 西側の移民政策が労働者の賃金を押し下げることが大きな理由だということは少なからぬ人が指摘しているが、その通りだろう。「人道」は単なる建前だ。

 数年前、ヨーロッパへ移民が押し寄せて大きな社会問題なったが、その原因を作ったのはアメリカを中心とする西側諸国による中東や北アフリカへの侵略戦争。殺戮、破壊、略奪で破壊された国を脱出してヨーロッパへ向かった人は少なくないだろう。しかも、その中には西側の支配者が侵略戦争の傭兵として使った戦闘員が紛れ込んでいた。

 西側は侵略戦争を正当化するために「民主化」や「人道」といった看板を掲げていたが、実際に行ったことは民主主義の破壊であり、人びとから生きる権利を奪うことだった。バラク・オバマ政権はイギリスやアメリカの情報機関が作り上げたムスリム同胞団の武装勢力を使い、非宗教的な体制を破壊した。

 こうしたことは「真のリベラル」ではないと言う人もいるだろう。確かにその通りだが、宗教やイデオロギーは権力者に取り込まれ、腐敗していく。「リベラル」もそうした道をたどってきたのである。

 ところで、エリツィン時代の経済政策はアナトリー・チュバイスやエゴール・ガイダルを含む集団が決めていた。このふたりともハーバード大学のジェフリー・サックス教授や投機家のジョージ・ソロスと近い関係にあった。つまりエリツィン政権の経済政策は米英の巨大金融資本にコントロールされていたということ。プーチン政権にでそうした人脈につながっている人物にはドミトリ・メドベージェフ首相や大統領府第1副長官のセルゲイ・キリエンコも含まれている。

 西側の巨大金融資本に影響されて打ち出された経済政策の一例が「年金改革」だ。こうした新自由主義に毒された人びとは富が一部の人間へ流れていく構造に手をつけず、緊縮財政や金融政策でごまかそうとする。そして大多数の庶民は貧困化していく。だからロシアでプーチンの支持率が落ちているのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201907310000/

159. 中川隆[-8850] koaQ7Jey 2019年8月08日 20:42:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3882] 報告

2019年08月08日
プーチン氏、20年前に中央政界に進出=政治学者らが、プーチン氏の見方がどのように変わったかを語る
https://jp.sputniknews.com/russia/201908086565975/

Владимир Путин 15 лет назад. (2000 год) - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=k7M6SsAfI_A

Мюнхенская речь В.В.Путина 10.02.2007 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=_sMQvxOKOhg


20年前の1999年8月、ウラジーミル・プーチン氏が中央政界に進出した。この20年間にロシアの国家元首プーチン氏のどのような資質が変わることなく保たれ、その世界観や西側との関係はどのように変化したのだろうか?通信社スプートニクが政治学者たちに話を聞いた。


道の始まり

1999年8月9日、ロシア初代大統領ボリス・エリツィン氏は、セルゲイ・ステパーシン首相を解任、同日に第一副首相に任命されていたプーチン氏が首相代行となった。プーチン氏はその前、ロシア連邦保安庁長官とロシア連邦安全保障会議書記を兼任していた。

プーチン氏
© Sputnik / Vladimir Vyatkin

プーチン氏とエリツィン氏

プーチン首相代行はロシア下院(国家会議)によってロシア首相に選出され、エリツィン大統領は同日、テレビ演説でプーチン氏は自分の後継者だと述べた。


ナンバー1候補

ロシア大統領付属国民経済行政アカデミー社会科学研究所のセルゲイ・ベスパロフ研究員によると、エリツィン大統領の後継者に関する声明は、1999年8月のまったく予期せぬ出来事となった。


© Sputnik / Natalia Seliverstova

ウラジーミル・プーチン氏 略歴
ベスパロフ氏は、当時プーチン大統領は事実上無名で、2000年3月の大統領選挙で勝てると信じている人は少なかったと強調している。

だがプーチン氏は4か月間で評価を上げ、第1回投票で勝利することができた。

ベスパロフ氏はこのような成功について、いくつかの要因によって可能となった可能性があると述べている。その要因とは、エリツィン政権に疲れた様相のロシア社会を背景にプーチン氏は真逆に見えたこと、選挙屋の活動の成功、北コーカサスの過激派武装勢力との対立を阻止したいという願望などだ。

ベスパロフ氏は「エリツィン大統領が辞任するまでにプーチン氏は次期選挙のナンバー1候補者と見なされた」と語っている。


1期目の任期

プーチン大統領の1期目の任期は、すべての専門家が指摘しているように、新たな国家元首としてすべての期待に応えることができたため、最も成功裏に進んだ任期の一つとなった。

プーチン氏
© Sputnik / Vladimir Rodionov

プーチン氏

ベスパロフ氏は、プーチン大統領は力を用いた厳しい措置と、当時も今もその支持者であり続けているリベラルな経済政策の必要性を兼ね備えるという課題に直面したとの見方を示している。


政治学者のコンスタンチン・カラチョフ氏はプーチン大統領の1期目を振り返り、その成果を次のように指摘している−

「経済成長、政治とビジネスの分離、プーチン大統領はオリガルヒ(ロシア新興財閥)を権力から追い払い、人々の生活は良くなり、2008年の危機の前まで、国では発展と経済成長がみられた。」

プーチン氏
© Sputnik / Vladimir Rodionov

プーチン氏


リベラルと愛国

カラチョフ氏は「プーチン氏は当時、若くてリベラルな思想の指導者だったが、西洋の観点からは自由主義にはあまり融合しない特定のバックグラウンドを持っていた」と語っている。

ベスパロフ氏も、愛国主義とリベラル的な経済的見方を結びつけるというプーチン大統領の願望を指摘している。

ベスパロフ氏は「これは今も残っている。この点に関してプーチン氏は事実上変わっていない」と語っている。


西−ロシア−東

ロシア広報協会のエヴゲーニー・ミンチェンコ副会長は「大統領はリベラルな経済改革を上手く実現することには成功したが、西側との関係を構築し、ロシアを『大きな西側』の一部にすることはできなかった」と指摘している。

プーチン氏
© Sputnik / Dmitry Astakhov

プーチン氏

政治学者らは、20年が経過した今もプーチン政権は経済に対してはリベラルな見方を持ち続けているが、プーチン大統領は西側との関係は見直したと指摘している。

ミンチェンコ氏は「これはプーチン氏が悪いのではなく、同氏が言うように我々の『パートナー』のせいだ。多くの点でこれはウラジーミル・プーチン氏の失望の原因となった。なぜならプーチン氏は、イデオロギー的には欧化主義者だからだ」と考えている。

「プーチン氏は、ロシアと西側は平等かつ完全なパートナーとなることができ、多くのことをいずれかの指導者たちとの個人的な関係が決定すると考えていた」


プーチン氏、ブッシュ氏、小泉氏、シュレーダー氏

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プーチン氏と小泉氏

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プーチン氏とジョージ・W・ブッシュ氏

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Sergey Guneyev

プーチン氏、ブッシュ氏、小泉氏、シュレーダー氏

政治学者らは、2007年2月10日にミュンヘン安全保障会議で行われたプーチン大統領の有名な演説から、プーチン氏の数多くの考えの見直しや再評価が始まったと述べている。

プーチン大統領がより独立した外交政策と、二極システムから離脱する方針を取ったミュンヘンでの演説の後、ロシアと西側の関係は徐々に悪化し始め、現在、困難な時期を迎えている。

最も急激な関係の悪化は、プーチン大統領の3期目と4期目に起こったウクライナ危機とクリミアのロシアへの再統一の時から続いている。西側はロシアが介入したとして非難、対露制裁を発動し、ロシアは対抗措置を講じ、輸入代替政策を取った。ロシアは、制裁という手段を使ってロシアとやり取りすることは逆効果だと繰り返し述べた。

プーチン大統領は、ロシアは対話を拒否していないが、西側の行動、特に最近のINF全廃条約の破棄とNATOの精力的な活動は、関係改善のために多くのことをしなければならないことを物語っていると何度も述べている。

全ロシア世論調査センターは、国際舞台での困難な状況や、一連の経済問題(西側による制裁)ならびに社会問題(年金受給年齢の引き上げ)により、プーチン大統領の支持率はこれまでの任期中よりも低下していると指摘している。これは、2006年に全ロシア世論調査センターのサイトに関連データが公開されて以来の最低値。
https://jp.sputniknews.com/russia/201908086565975/

160. 中川隆[-11303] koaQ7Jey 2019年9月18日 20:05:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1488] 報告
2019.09.18
米国が露国を攻撃する道具として使ってきた法律の根拠を欧州人権裁判所が否定


 世界の回転軸はアメリカから中露へ移動しつつある。1991年12月にソ連を消滅させることに成功、ネオコンをはじめとするアメリカの支配層は自国が唯一の超大国になったと思い込んだことが間違いの始まりだったと言えるだろう。

 ソ連が消滅した後、その中核だったロシアは西側巨大資本の傀儡だったボリス・エリツィンが実権を握る。彼の周辺にいた腐敗勢力は西側の手先として国の資産を盗む手助けをし、自分たちも巨万の富を築いた。それがオリガルヒだ。

 ロシアを欧米巨大資本の属国にしたエリツィンの時代は1999年まで続くが、その間にロシア人の大半は貧困化し、街は犯罪者と売春婦であふれたと言われている。その8年間にロシア人は西側、あるいは資本主義の実態を知った。

 そのロシアを再独立させたのがウラジミル・プーチンを中心とする勢力。プーチン人気の原因はここにあるが、かれはエリツィン時代に国の資産を略奪した人びとへの対応が甘いとも見られている。現在、プーチンを批判する人の多くは西側とつながっている人脈の完全な排除を望んでいるという。

 エリツィン時代にはアメリカ人もロシアに入り、略奪に参加していた。そのひとりとしてウィリアム・ブラウダーの名前も挙がっている。ブラウダーは投資ファンドを経営していたが、そのファンドはモスクワの法律会計事務所ファイアーストーン・ダンカンと契約していた。その事務所で税金分野の責任者だったのがセルゲイ・マグニツキー。

 ロシアの捜査当局はブラウダーを脱税容疑で調べはじめ、マグニツキーを2008年11月に逮捕する。​ECHR(欧州人権裁判所)が今年8月に出した判決​によると、捜査対象になっていたマグニツキーがイギリスのビザを請求、キエフ行きのチケットを予約、しかも登録された住所に彼が住んでいないことが判明したためだという。そして拘留中の2009年11月に獄中で死亡した。

 ECHRによると、その捜査は正当なもので、政府高官の不正をマグニツキーやブラウダーが主張し始める数年前から当局はふたりを脱税容疑で調べ始めている。告発に対する弾圧というシナリオは成り立たないわけだが、アメリカの政界や有力メディアはそのシナリオに乗った。

 マグニツキーの死因は心臓病だという説は当初からあった。彼の妻もそう考えているようだ。(Andrey Nekrasov, “The Magnitsky Act. Behind the Scenes,” 2016)適切な医療が受けられなかった可能性が高いのだが、それはロシアの刑務所におけるシステム的な問題。マグニツキーの事件だけの個別的な問題ではない。

 2013年にロシアの裁判所はブラウダーに対し、脱税で懲役9年の判決を言い渡している。ロシアの検察当局によると、ブラウダーはロシアで脱税に手を染めていただけでなく、石油会社ガスプロムの株式を違法に取得していたという。

 告発者の弾圧というシナリオを宣伝するため、ブラウダーは反プーチンで知られている映画監督のアンドレー・ネクラソフを雇うのだが、取材の過程で彼はブロウダーの会社で働いていた女性が本当の内部告発者で、脱税はブロウダーが行っていたことをつかむ。しかも、その不正にマグニツキーは金庫番として関わっていたこともわかった。

 ネクラソフは雇い主の意向を「忖度」せず、事実をドキュメンタリーの中に盛り込む。そのためにふたりは対立、作品を公開することが困難になった。それだけの圧力がかかっている。

 一方、西側ではブラウダーの主張が事実として宣伝されてきた。そもそもブラウダーが西側支配層の手先として活動していた可能性もある。アメリカでは彼の主張に基づいてロシアを「懲罰」するための法律、いわゆる「マグニツキー法」が2012年に制定された。その後、2016年に法律の対象は全世界に広がり、アメリカ政府が人権を侵害したと認定した人物の資産を凍結、アメリカへの入国を禁止することができることになる。この法律を正当化するために使われたシナリオをECHRは今回、否定したのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201909180000/

161. 中川隆[-10540] koaQ7Jey 2019年10月27日 07:08:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2329] 報告

【令和元年秋 特別対談】伊藤貫氏の警告、
パックス・アメリカーナと中華思想の間で摩滅する「商人国家日本」[桜R1-10-26] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wxQ7ZQtTSxs

ゲスト:伊藤貫(国際政治アナリスト)
聞き手:水島総

162. 中川隆[-10492] koaQ7Jey 2019年10月29日 20:34:29 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2383] 報告
 かつて「赤恐怖(Red Scare)」といわれる現象があった。1950年代のマッカーシズムのことはよく知られているけれど、1910年代の「赤恐怖」についてはそれほど知られていない。

 1917年にロシア革命が起きると、アメリカでもアナーキストたちによる武装闘争が始まった。1919年の同時多発爆弾テロでは、パーマー司法長官の自宅まで爆破された。政府はこれによって「武装蜂起は近い」という心証を形成した。

 いま聞くと「バカバカしい」と思えるだろうけれど、その二年前、まさかそんなところで共産主義革命が起きるはずがないと思われていたロシアでロマノフ王朝があっという間に瓦解したのである。未来は霧の中である。アメリカでだって何が起きるかわからない。

 なにしろ、1870年代の「金ぴか時代」から後、アメリカ政治はその腐敗の極にあり、資本家たちの収奪ぶりもまた非人道的なものであったからだ。レーニンは一九一八年八月に「アメリカの労働者たちへの手紙」の中で、「立ち上がれ、武器をとれ」と獅子吼し、一九一九年三月には、世界37ヵ国の労働者組織の代表者たちがモスクワに結集して、コミンテルンの指導下に世界革命に邁進することを誓言していたのである。

 十月革命時点でのロシア国内のボルシェヴィキの実数は十万人。一九一九年にアメリカ国内には確信的な過激派が六万人いた。そう聞けば、アメリカのブルジョワたちが「革命近し」という恐怖心に捉えられたことに不思議はない。

 19年に制定された法律では、マルクス主義者も、アナーキストも、組合活動家も、司法省が「反アメリカ的」と判定すれば、市民権をまだ取得していないものは国外追放、市民権を取得しているものはただちに収監されることになった。この仕事を遂行するために司法省内に「赤狩り(Red Hunt)」に特化したセクションが設立された。パーマーがその任を委ねたのが、若きJ・エドガー・フーヴァーである。

 そのフーヴァーは革命組織が一九二〇年五月一日に全米で一斉蜂起するという不確実な情報をパーマーに上げた。フーヴァーは、取り調べをした活動家たちが彼らの機関紙に書き散らしていた過激な言葉(「抗議ストから始まり、それを政治スト、さらには革命的大衆行動に拡大して、最終的に国家権力を奪取する」)にいうほどの政治的実力などないことを知りながら、パーマーに武装蜂起が切迫しているという恐怖を吹き込み、それによって自分のセクションへの予算配分と政府部内でのキャリア形成をはかったのである。

 フーヴァーのささやきを信じたパーマーは五月一日に、ニューヨーク、ワシントンDC、フィラデルフィア、シカゴなど全米大都市の全公共施設と要人たちの私邸に警察官を総動員して厳戒態勢を命じた。だが、何も起こらなかった。全国の新聞はパーマーの「五月革命」を嘲笑し、ウッドロー・ウィルソンの次のホワイトハウス入りを有力視されていたパーマーはこの壮大な空振りで政治生命を失ったのだが、それはまた別の話。 

 私が言いたいのは、アメリカ人は意外に「怖がり」だということである。
 アメリカ人は久しくソ連を恐れていた。冷戦が終わった後はイスラムを恐れていた。そして、いまは中国を恐れている。
http://blog.tatsuru.com/2019/10/28_0831.html

163. 中川隆[-15244] koaQ7Jey 2019年12月02日 08:35:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2315] 報告
2019.12.02
ウクライナでは破産を前提にした資産略奪計画が練られている


 ウクライナは2020年の終わりから21年にかけての時期に破産するだろうと言われている。それを前提とすると思われる動きも見られる。

 2014年2月のクーデターで排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領は国の破綻を避けるため、ロシアに接近していたが、それに怒った西側の支配層はヤヌコビッチ排除に乗り出した。クーデターの実行部隊はネオ・ナチが主力だが、そのネオ・ナチを動かしていたのはバラク・オバマ政権のネオコンだ。

 西側の支配層がウクライナを破綻させる理由はいくつかあるが、そのひとつはカネ儲け。国の破綻は大儲けのチャンスだ。1991年12月にボリス・エリツィンによって消滅させられたロシアはその後10年にわたって略奪され続け、大多数の人びとは貧困生活を強いられた。その一方、クレムリンの腐敗勢力と手を組んだ西側の支配層は大儲け、その支配層の手先になったロシアの一部も巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。

 そうしたロシア国内の略奪グループの中心にはエリツィンの娘であるタチアナがいた。この人物はウラジミル・プーチンが2000年に解雇するまで大統領顧問を務めている。アル中状態で執務できなかったと噂されている父親に代わり、タチアナがクレムリンを仕切っていたとも言われている。

 ロシアを食い物にしてきたタチアナ人脈の中で最も重要な人物だとも言われているのがアナトリー・チュバイス。ソ連が消滅する直前からエリツィンの側近として経済政策を策定、その背後にはハーバード大学教授のジェフリー・サックスがいた。この教授はジョージ・ソロスの友人としても知られている。サックスの下で働いていたソロスの友人、エゴール・ガイダルはエリツィンの側近になる。

 エリツィン時代にチュバイスとガイダルに命令していた人物がラリー・サマーズ。ハーバード大学教授、世界銀行の主任エコノミスト、財務次官、財務副長官を経て1999年7月から2001年1月まで財務長官を務めている。その後ハーバード大学の学長に就任した。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。

 プーチン体制になって略奪グループの力は弱まったが、この人脈が消えたわけではない。現在でも経済、金融の分野では大きな影響力を維持していると言われている。「プーチン後」を懸念している人が少なくないのはそのためだ。

 2014年2月以降のウクライナではエリツィン時代と似たようなことが引き起こされた。ウクライナ国民の資産は略奪され、国外へ持ち出されたのだが、そうした流出に使われたパイプの中にフランクリン・テンプルトン投資というアメリカの会社が含まれている。この会社を設立した人物の息子、ジョン・テンプルトン・ジュニアはバラク・オバマの選挙キャンペーンに多額の寄付をしていたことで知られている。

 略奪されたカネをフランクリン・テンプルトンなど経由で国外へ持ち出し、そのカネでウクライナの資産を安値で買い占めようというわけだ。他の国でも同じだが、この仕組みの中で重要な役割を果たしているのがIMFである。

 そうした不正行為をウクライナの議員が明らかにしはじめている。不正行為の舞台のひとつがオバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンが重役を務めていたブリスマ・ホールディングスという天然ガス会社だ。

 その不正行為の捜査を検事総長として率いていたビクトル・ショーキンを解任させたことをジョー・バイデンは2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で自慢した。これをドナルド・トランプ大統領はウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で口にしたのである。それをアメリカの民主党や有力メディアは問題にしている。

 ウクライナ側の説明によると、検事総長を解任しろという圧力は2015年終わりから16年初めにかけての数カ月にわたったという。圧力をかけてきたのはアメリカ大使館で、その工作の黒幕はオバマやジョージ・ソロスが関係しているNABU(ウクライナ反汚職局)だという。

 西側の支配層はウクライナを乗っ取るため、土地の私的な所有を認めるように要求している。ウクライナを破産させ、「担保」という形で奪おうとしているのかもしれない。ウクライナを完全な属国にできれば、第2次世界大戦の前にポーランドを含む中央ヨーロッパの親ナチ派が目論んだインターマリウムも現実味を帯びてくる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912020000/

164. 中川隆[-15219] koaQ7Jey 2019年12月05日 17:13:42 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2285] 報告
2019.12.05
核戦争の危機を訴えながら、その原因には口をつぐむゴルバチョフ

 アメリカとロシアとの間で核戦争が始まる可能性が高まっていることを懸念する発言をミハイル・ゴルバチョフが西側の有力メディアに対して行っている。(​ココ​や​ココ​)

 軍事的な緊張が高まっていることは事実だが、その原因は脅せば屈するというアメリカ支配層の考え方にある。その相手が脅しに屈しない場合、脅しはエスカレートしていく。現在のロシアや中国がそうした相手で、ヒラリー・クリントンは脅しを全面核戦争まで引き上げていた。

 そこでロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプが出てくるのだが、脅せば屈するという考え方を放棄しない勢力はトランプを潰しにかかった。ロシアとの関係修復という当初の方針を彼は捨てたように見える。

 何をしでかすかわからないと相手に思わせれば、自分たちが望む方向へ流れを持って行けるという「狂人理論」を最初に打ち出したのはリチャード・ニクソンだと見られている。

 ニクソンは1953年1月から61年1月までドワイト・アイゼンハワー政権の副大統領だった。大統領に就任して間もない段階でアイゼンハワー泥沼化していた朝鮮戦争を終わらせようとしたが、その際、新大統領は中国に対し、休戦に応じなければ核兵器を使うと伝えたとされている。実際、その年7月に休戦は実現した。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017)

 このやり方をニクソンはベトナム戦争の際に使っている。北ベトナムに対する核攻撃の計画を1969年10月から11月の期間に作成したというのだが、このやり方を現在のアメリカ支配層、特にネオコンは信奉している。イスラエルの国防大臣などを務めたモシェ・ダヤンも似たような考え方の持ち主で、イスラエルは狂犬のようにならなければならないと口にしていたという。

 ゴルバチョフがソ連の大統領に就任する直前からジョージ・H・W・ブッシュやネオコンを含むアメリカの勢力は軍事的な緊張を高めていた。本ブログでも何度か書いたが、1980年代の前半にアメリカとソ連は全面核戦争の寸前まで行っている。アメリカの好戦派はソ連を核戦争で脅していたように見える。

 そうした圧力の中、牧歌的な欧米信奉者のゴルバチョフはソ連解体への道を歩き始め、1991年7月にはロンドンで開かれたG7首脳会談に参加している。呼び出されたと言うべきかもしれない。そこでゴルバチョフは新自由主義を導入するように言われたが、それが何を意味するかを理解した彼は拒否した。

 G7の翌月にソ連ではクーデター騒動があり、ゴルバチョフは失脚、西側の傀儡だったボリス・エリツィンが実権を握り、12月8日にソ連解体を勝手に決めている。

 そうした事態を想定していなかったソ連は対応できず、1990年代の惨状を招くことになった。国の資産は略奪され、大多数の国民は貧困化、貧富の差が拡大して街は犯罪が横行する。その一方でクレムリンの腐敗勢力と手を組んで巨万と富を手にした人たちが出現する。いわゆる「オリガルヒ」だ。

 そうしたソ連解体作業の中心にはジョージ・H・W・ブッシュなどCIA人脈と結びついたビクトル・チェブリコフをはじめとするKGB人脈が存在していたと言われている。クレムリンの腐敗勢力の中心にはエリツィンの娘であるタチアナがいた。

 ソ連の消滅でアメリカは唯一の超大国になったと考えたアメリカの好戦派は潜在的なライバルを潰し、資源国を制圧する戦争を始める。アメリカ支配層は誰に気兼ねすることなく侵略、破壊、略奪を実行できるようになったと考えたのだ。必然的に国連も無視するようになる。国連中心主義を打ち出していた細川護熙政権が潰されたのはそのためだ。

 勝利の喜びに酔いしれていたアメリカ好戦派に冷水を浴びせることになるのがロシアのウラジミル・プーチン。自分たちの操り人形だと考えていたプーチンが反旗を翻したのだ。そこでアメリカの支配層はロシア、そして中国を再び核戦争で脅している。核戦争の危機を本当に感じているなら、ゴルバチョフはアメリカを中心とする西側支配層を非難、対峙しなければならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912050000/

165. 中川隆[-15133] koaQ7Jey 2019年12月15日 09:38:34 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2184] 報告

「プーチンはグローバリズムと戦っているのか」
柏原竜一 秋吉聡子【チャンネルくらら】

166. 中川隆[-15119] koaQ7Jey 2019年12月17日 10:39:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2167] 報告
#2019/12/16 グレンコさんに聞く(1)
クリミアは誰のもの?ウクライナ?ロシア?

167. 中川隆[-15057] koaQ7Jey 2019年12月22日 12:58:43 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2097] 報告
2019.12.21
米国はNDAAでロシアとEUとの関係を断ち切ろうとしているが、自らを孤立させる


 アメリカのドナルド・トランプ大統領が​2020年度の国防権限法(NDAA)​に署名、ロシアからEUへ天然ガスを運ぶパイプライン、ノード・ストリーム2の建設に参加した企業に対する制裁が始まった。そうした企業のひとつでパイプラインを敷設しているオールシーズは法律的な問題などをクリアーするため、作業を中断している。

 オールシーズはスイスの会社だが、そのほかロシアのガスプロム、ドイツのユニパー、ウィンターサル、オーストリアのOMV、フランスのインジー、そしてアングロ-ダッチ・シェルがプロジェクトに参加している。

 パイプラインはすでにほぼ完成、後戻りはできないと言われているので、NDAAは嫌がらせの域を出ないと見られている。そうした嫌がらせがEU諸国などにどのような影響をもたらすかは不明だ。

 本ブログでも繰り返し書いてきたが、ノード・ストリーム2やロシアから黒海を経由してトルコへつながるタークストリームをアメリカが潰そうとしてきたのは、ロシアとEUが天然ガスによって結びつきを強めることを阻止するためだ。

 アメリカ政府は2014年2月にウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行して政権転覆に成功したが、軍事的な締め付けだけでなく、ウクライナを通るパイプラインを押さえることにあった。

 ネオコンの計算では、ウクライナを通るパイプラインを押さえることでEUとロシアとの関係を断ち切り、EUへはアメリカのエネルギー資源を売りつけ、ロシアのマーケットを奪って経済を破綻させることができるはずだった。

 ところが、ロシアはネオコンが想定しなかった行動に出る。中国に接近し、今では「戦略的同盟関係」を結んでいる。そうした関係が実現した一因は2014年9月から12月にかけて香港で行われた反中国運動、いわゆる「雨傘運動」が影響しているだろう。この運動の背後でアメリカやイギリスの情報機関が暗躍したのだが、これによってアメリカに対する警戒を中国は強めることになった。

 ロシアと中国は鉄道、道路、そしてパイプラインで結ばれつつある。ロシアのエネルギー会社ガスプロムは天然ガスをヤクーツクから沿海地域のウラジオストックへ運ぶパイプラインを建設しているが、12月2日には中国への分岐点であるブラゴベシチェンスクまでが完成し、中国への天然ガス供給が始まった。そのネットワークを朝鮮半島の南端まで延ばすのがロシアの戦略で、アメリカはそれを阻止しようしている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912210000/

168. 中川隆[-14425] koaQ7Jey 2020年1月17日 09:09:30 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-1341] 報告
2020.01.16
露首相の辞任を切っ掛けにして欧米巨大資本とつながる勢力の粛清を願う露国民


 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が辞任した。ウラジミル・プーチン大統領が年頭の演説を行った直後のことだ。メドベージェフはロシア国民からの人気がなく、プーチン政権のマイナス要因と見られているので、辞任自体は大統領にとってダメージではない。

 メドベージェフは西側の巨大資本と結びついているグループに属すと見られている。ロシアでは1990年代のボリス・エリツィン時代に西側と結びついたクレムリンの腐敗勢力が国民の富を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪が出現する一方、大多数の人びとは貧困化した。その経験によって西側に抱いていた幻想から抜け出したロシア人は少なくない。メドベージェフがロシアで嫌われている理由のひとつはそこにある。

 現在でもロシアの経済分野では西側人脈が大きな影響力を保持していると言われている。経済が動かなくなると体制は維持できない。ニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルトと似た問題を抱えていると言える。

 ルーズベルトはJPモルガンをはじめとするウォール街の住人たちと対立、そのウォール街の住人たちは1933年から34年にかけてファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画していた。

 そのクーデターを成功させるため、軍に大きな影響力を持っていたスメドリー・バトラー退役少将を抱き込もうとして失敗し、クーデターも実行されなかった。ただ、その計画内容はバトラーが得た情報や彼と親しいジャーナリストの取材内容が議会の証言という形で記録されている。

 その際、JPモルガンはバトラーが民主主義的な考え方をする人物だということを懸念、JPモルガンと関係の深いダグラス・マッカーサーをクーデターの指導者として考えていたという。ちなみに、1932年にアメリカ大使として来日したジョセフ・グルーのいとこがJPモルガンの総帥、ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻である。

 エリツィン時代、ロシアの経済政策を決めていたハーバード大学教授のジェフリー・サックスはジョージ・ソロスと親しい新自由主義派。サックスの下で働いていたのがソロスの知り合と言われるエゴール・ガイダルだ。

 アナトリー・チュバイスなる人物もロシア経済に君臨してきた。この人物もサックスに近く、エリツィンの娘で腐敗勢力の中心とも言われるタチアナ・ドゥヤチェンコの利権仲間としても知られている。

 このガイダルとチュバイスを動かしていたひとりにラリー・サマーズがいる。ハーバード大学教授、世界銀行主任エコノミスト、財務次官、財務副長官、財務長官を務め、その後ハーバード大学の学長に就任した人物。サックスとはハーバード大学仲間だ。

 この新自由主義派がロシアを完全に制圧したのは1993年3月だろう。ロシア国民の資産を略奪する政策を進め、国家緊急事態を宣言したエリツィン大統領に議会が抗議、議会ビルに立てこもるのだが、エリツィン大統領は戦車にビルを砲撃させた。その時に殺された人の数は100名以上とも1500名とも言われている。こうした虐殺に対し、西側の人びとは寛大だ。

 そうした過去をロシアの人びとはメドベージェフの背後に見ているだろう。彼が首相を辞任した後に何が起こるかは不明だが、多くのロシア国民は西側の巨大資本と結びついた勢力の粛清を望んでいるはずだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001160000/

169. 中川隆[-13313] koaQ7Jey 2020年2月29日 21:49:52 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[211] 報告

国が経済苦境に堕ちるとみんなまとめて人生が飛ぶ

アジア通貨危機は、ジョージ・ソロスのファンドや、それに付随するアメリカのヘッジファンド群れが、ドルに回帰して新興国通貨を売る過程で起きた経済事件である。

この当時、ヘッジファンドは次の成功は東南アジアではなく中国で起きると確信し、東南アジアの中で経常赤字を積み上げていたタイを標的にして怒濤の如く通貨を切り崩す「バーツ空売り」を仕掛けていた。

タイ政府はこれを防衛したが、空売りの勢力があまりにも強く通貨防衛できなかった。そこで起きたのがバーツ暴落だった。このとき、タイの優良企業はことごとく破滅寸前になって株価は大暴落した。

一流企業も、一流銀行も、国有化されることによって生き延びるしかないような危機に陥った。バンコク銀行ですらも、破産しかけたのだ。

当然、翌年から多くの人たちが失職し、この年から一流企業に勤めていたエリートの女性ですらも、セックス産業に流れるような事態になっていた。

あれほど自信に湧いていたタイ社会が、その翌年には何か別の国にでも来たかのようなほど意気消沈しているのは印象的だった。

皮肉なことに「もう終わりだ」と言われたパッポンが売春地帯としていきなり復活したのもこの頃だ。終わったのは、タイの真夜中の世界ではなく、表社会の方だったのだ。

このアジア通貨危機は世界経済に波状的に広がっていき、インドネシア経済をも吹き飛ばし、長らく続いたスハルト政権がこの時に崩壊している。

(ブラックアジア:1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺)

いったん国が経済苦境に堕ちると、高学歴の人間も実務経験を持った人間も、一流企業に勤めていた人間も、中小企業の人間も、みんなまとめて人生を吹き飛す姿を私は目の当たりにした。それは、劇的であり、壮絶でもあった。

「国が傾くと、誰も逃げられないんだ……」と、私は肌身に感じた。

このアジア通貨危機はバブル崩壊を迎えていよいよ深刻化していた日本経済をさらに深刻化させていった。山一証券の破綻、長銀の破綻、北海道拓殖銀行の破綻は、このアジア通貨危機の最中に起きていた事件である。
恐ろしい時代だった……。


経済危機は、いったん巻き込まれたら逃げる間もない

1998年にはロシアも債務不履行に追い込まれていた。ロシアの国債は紙くずとなり、ロシア国内では預金封鎖が行われ、ロシア国民は一瞬にして生活できなくなった。

老人がゴミ箱を漁って暮らし、若い女性が世界中に人身売買されて売り飛ばされたのは、この時代だった。

この数年間のロシア女性の悲哀は私もよく覚えている。

カンボジアにもタイにもロシアの女性が哀しい目をしてセックス産業に堕ちていた。バンコクのスクンビット通りにも彼女たちが立っていた。

(ブラックアジア:娼婦ナナ。戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち)

バンコクの路上でロシア人の若い女性が売春ビジネスをするようになって、彼女が外国人の男を客として薄汚いホテルに連れて行く時代になるとは、いったい誰が想像しただろう。

この時、暗い目をして汚いアパートを見つめていたロシア人の女性ナナのことは今も忘れられない。他にも、ホテルに監禁されていたロシア女性もいた。(ブラックアジア:マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊)
この2つのリンクを読んで欲しい。私が出会ったロシアの女たちだ。国が崩壊すれば、こんなことになるのである……。

この時代、自分の身の回りでも、たくさんの人たちが窮地に落ちていき、自殺したり、消息がなくなったり、逮捕されたり、殺されたりしている。
私たちは誰でも、自分だけが例外であると思いがちだが、そんなことはない。国が経済崩壊し、世の中がどん底に向かって流転していくとき、誰もがそれに巻き込まれていくのである。

アジア通貨危機はじわじわと来たのではない。ある日、突如として通貨暴落が来て、そのまま一直線で国家破綻、一流企業の崩壊がやってきた。経済危機は、いったん始まったら逃げる間もなく突き進むのだ。
https://blackasia.net/?p=17348


▲△▽▼


◆マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊
2012.01.16 タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々
https://blackasia.net/?p=3350

久しぶりにバンコクに降り立ってソイ3を歩きロシア女性を捜した。しかし、半年前にはあれほどいたロシア女性たちが、煙のように消えてしまっていた。

ロシア女性はいつしかタイに現れ、バンコクのソイ3ストリートを歩き回っては男を誘っていた。それから半年もしないうちに、もう事態は変わっていた。

白人の売春女性の存在はタイでは目立ち過ぎていた。人身売買マフィアが巣食っていた悪名高きリージェント・ホテルは何度も家宅捜索の憂き目に遭っていた。

マイクズ・プレイス・ホテル

そして、ソイ3で客引き中にロシア女性が検挙されていた。ロシア女性はタイ売春業界の徒花(あだばな)であり、タイ警察の執拗な追求の前に消え去るのは時間の問題だったと言える。

時計を見るとまだ夜の9時を回ったばかりだった。

再び出直すことにして一度ナナ・プラザに向かい、夜の0時頃に再び戻ってロシア女性を確認してみた。同じだった。ソイ3を歩いているのはモスリムの男と、モスリム目当てのタイ人女性ばかりである。

しかし、この熱帯の国からロシア女性が完全に消えてしまったわけではないことを知っていた。

彼女たちを仕切るタイ・マフィアは度重なる警察の捜索に対抗して、ますますロシア女性を地下(アンダーグラウンド)に隠してしまっただけなのだ。
大半のロシア女性は危険なバンコクを逃れて、今はパタヤに移動していると聞いた。

ところが、いまだバンコクに残っている女性たちも少なくない。彼女たちはマフィアにほとんど監禁されたような状態で男に声をかけられるのを待っている。
その場所を知っていた。マイクズ・プレイス・ホテル(Mike”s Place Hotel)である。

ここでは実に1年以上も前からロシア女性を扱っていた。スクンビット通りからソイ3を入り、ずっと歩いていくとアラブ人御用達のグレース・ホテル(ここでもロシア女性の検挙が何度か行われている)が見える。

それを通り越してさらに歩いていくと道の左側にマイクズ・プレイスが見えてくる。

ここがロシア女性の「隠れ家」である。

マフィアにとってホテル経営は最適だ

マイクズ・プレイスは人身売買に関与し、ホテルぐるみでロシア女性を隠し、彼女たちに売春行為をさせては利益を吸い上げている極悪ホテルと言ってもいい。
ロシア女性はここに押し込まれて警察の目を逃れているのだった。

カンボジアもそうだが、マフィアは表向きの正業をホテル経営に求めることが多い。なぜならマフィアにとってホテル経営は様々なメリットがあるからである。
たとえば、人を誘拐・監禁するのに、ホテルは好都合である。あるいはホテルの部屋を盗聴・盗撮して利用客のプライベートを掌握して恐喝するのにも好都合である。

また、もぐりの違法賭博を設定するのもホテルなら好都合である。法に触れる仕事をこなした身内を匿(かくま)うのにも好都合である。
多額の現金が動く麻薬の売買も、ホテルの一室が使われることが多い。自分たちの経営するホテルなら密告もなく安全である。
そして忘れてはならないのは、人身売買で手に入れた女性たちを監禁して仕事をさせるのにも、ホテルはまさに打ってつけの場所であることだ。
やってきた客に部屋を供給するのもホテルなら当然の仕事だ。そういうホテルの数々のメリットにマフィアが飛びつかないはずがない。
結論として、タイ・カンボジア・中国・インドネシアのマフィアは、ホテル経営に精を出し、正業を隠れ蓑にして違法なビジネスに邁進することになる。
この当時、カンボジア・プノンペンの香港ホテルと、フェイバー・ホテルが相次いで爆破されていた。のちに、ここは経営者がマフィアであったことが暴露された。
ロシア女性の隠れ家であるマイクズ・プレイスも、まさにそんなホテルの典型的な例だろう。

ロシア女がいっぱいだ

グレース・ホテルを越えると、だんだん人通りが少なくなっていく。道ばたで寝ている浮浪者の姿も見える。

人通りが完全に消えるか消えないかの瀬戸際の距離にマイクズ・プレイスがある。
車の切れ目を狙って道路を渡り、一面ガラス張りの一階の扉を開けると、入口が小ぎれいなレストランになっているのが見える。
こんなところで食事を取ろうと思う人は少ないらしく、いつ行ってもここのレストランは閑散としている。
しかしホテル側もレストランで儲けようとは思っていないらしく、まったく営業努力をしている様子はない。
客の姿を見ると、ひとりの目つきの鋭い男が寄ってくる。顔は笑っているが目は笑っていない。これがタイ・マフィアの目であった。
身長は160センチほどで、タイ人にしては派手めの模様のついたポロシャツを着ていた。相手が何者か探りながらも、やって来た客を逃すまいと、客が何も言わない間から片手で奥へ促そうとしている。
「友達からロシアン・レディがいると聞いた」
英語で伝えると、その男はニヤリと笑った。そして「それなら俺は知っている」と達者な英語で奥に案内してくれた。
奥の左側はカウンターとエレベータがあった。
右側はロビーになっていて右裏に階段がある。その階段を登ると黒い扉のパブがあり、男は「ロシア女がいっぱいだ」と言いながら中に導き入れた。
店内は薄っすらと暗い。エアコンディションのよく効いた室内では、生演奏の音楽が大音量で鳴り響いていた。右側カウンターに向かい、案内役の男は一緒にカウンターに座った。
まわりを見回すと、白人女性が固まって何人も丸テーブルを囲んで、入ってきた客を注視しているのが見えた。大柄な身体、ブロンドヘア、そして親しみのある顔の作り……。
まぎれもなくロシア女性たちだった。
まるで犬でも扱っているように見えた
ウエイターに飲み物を頼み、マフィアの男と雑談をしながら改めて女たちをよく見つめた。
太った女、痩せた女、落ち着かない様子の女、眼鏡をかけた女……いろんな女たちがいたが、すべて白い肌のロシア女性であるという点で共通していた。
女は多かったが、客はあまりいなかった。
白人の男が数人と、旅行者らしき団体のアジア人がいた。一瞬、この団体は日本人なのかと目を疑ったが、よく見るとどうも表情やしぐさで日本人ではないというのが分かった。個人的には中国人だったと思う。
「どの女が好きだ?」とマフィアの男は急かせた。
「ブロンドもレッドもいる。ほら、あそこのテーブルを見ろ。あの女はナンバー1だ。セックスはうまい。スモーク(フェラチオ)も問題ない」
男はそんなことを言いながら親指を立てて”Good”のゼスチャーをした。
それから「ヘイ!」と大声を出してその女性を呼びつけ、女性が振り向くと”You!”(お前だ)と言いながら、ひとりを指差した。
乱暴な扱いだった。男はそのロシア女性にこちらに来るように言った。まるで犬でも扱っているように見えた。
女性は無表情のままゆっくりと歩いてやって来た。そして彼女はこちらをちらりと見て顔をそらす。
身長は170センチくらいだろうか。売春女性が好むボディコンシャスではなく、ジーンズをはいてブラウスを着ており、化粧も派手ではなかった。
この世界に飛び込んで、まだ日が浅いのだというのが分かる。二十歳を過ぎた女性だが、表情が何となくあどけない女性だった。
「グッド? もしお前がこのレディを欲しかったら、上の階の部屋へ一緒に行け。俺が案内する」マフィアの男は性急だった。
不快感を耐えているのが分かった
「待ってくれよ。他の女性も見たい」と言った。「もっと、もっと、たくさんの女を……」
男は苦々しく笑い、「じゃ、あの女はどうだ? こっちの女はどうだ?」とあちこち促す。客に早く金を吐き出させて、手っ取り早くカタをつけたいという態度がありありと分かった。
改めてよく見ると、どの女も笑っていなかった。
テーブルに座ってじっとしており、ときどき男をちらちらと眺めているだけだ。
女たちをモスクワから熱帯の国まで連れてきた巨大な組織の圧力が、女たちを見えない鎖で縛りつけているかのようだった。
踊っている女などひとりもいない。彼女たちは楽しむためにパブに来ているのではなく、ビジネスのためにここにいるのである。
ここは彼女たちにとって踊って楽しむところではなく、男に買われるために自分をディスプレイするところなのだ。
こちらが何も言わない間に、男は別の女性を「お前だ!」と呼びつけて、また目の前に立たせた。
「俺は何も言っていないよ」と男に向かって言うと、男は「いいから、いいから」となだめる。そして呼びつけた女の尻をぽんと叩いて「どうだ!」と笑った。
今度は眼鏡をかけたロシア女性で、ダークな照明のせいで眼鏡のガラスがまるでミラー入りのサングラスのようになっていた。
そんな眼鏡の反射のせいで目は見えなかったが、表情からして明らかに女性は白けており、不快感を耐えているのが分かった。「この女もグッドだ」と男は言った。
ショート、3,000バーツだ
無理やり押しつけられても、戸惑うばかりだ。
決めかねていると、男は席を立って女を目の前に座らせた。そして、ちょっと話でもしろと言う。彼女は無理やり笑顔を作って英語で「Hi(ハイ)」と言う。
笑顔でそれに答える。女が話し始めたのに安心したのか、男は大股で向こうの方に消えて行った。
「どこから来たの?」と女は尋ねたので、「日本から」と答えた。そして、彼女の出身地を聞いてみる。返事はやはりモスクワだった。
彼女の耳元に口を近づけて、「俺は彼が嫌いだ」と、さっきまでいたマフィアの男のことを小声で言った。
彼女は驚いて、しばらく何も言わなかったが、そのうち彼女も顔を近づけて「わたしも」と答えた。ふたりで意味ありげに笑った。
再び彼女の耳元に口を近づけ、「マフィア?」とさらに小声で念を押すと、彼女は黙ってうなずいた。
さらに突っ込んだ話をしようと身を乗り出すと、向こうに行った男がせわしなく戻ってきた。そして「オーケー?」と尋ねる。
やれやれと思いながら「オーケー。いくら?」と値段交渉に入る。男は今や満面の笑みを浮かべていた。そして「ショート、3,000バーツだ」と言い放った。
3,000バーツはタイではかなり高額であるのは間違いない。
パッポンやナナ・プラザ、テルメ等では、1,000バーツから1,500バーツで女性たちと手を打っている。
また半年前、ソイ3を歩いていたロシア女性は1,000バーツだと自分から切り出した。それから考えると、3倍の値段を提示されていることになる。「高いね」と言うしかなかった。
交渉は平行線を辿ったまま決裂
男は大袈裟に驚いた振りをして「ノー。全然高くない。なぜなら、よく見てみろ! ロシア女だ。タイの女じゃない。そうだろ?」と声高に主張した。
「彼女がロシア女性だというのは分かる。しかし、高い。ソイ3を歩いていたロシア女性は1,000バーツだった」
「お前は上の部屋を使え。ウーマン、ルーム、エアコンディション、すべて含めて3,000バーツだ。高くない。安いんだ」
男はそう言い張った。ディスカウントするつもりはないようだった。
それでも「高い」と言った。男は頑強に首を振って「安い」と言う。ふたりで言い合っていると、やがて見知らぬ男がやってきて交渉の中に割り込んだ。この男もまたマフィアの一員のようだった。
「よく聞け、3,000バーツは高くない」と根拠もなく断言する。
財布には常に5,000バーツは入っている。3,000バーツくらい決して払えない金額ではなかった。
しかし、それはマフィア価格である。まったく言い値のまま押し切られるのも、納得できないものがあった。
結局、交渉は平行線を辿ったまま決裂した。「すべてのロシア女性は3,000バーツか?」と尋ねると、男は「そうだ」と答えた。
溜息をつき、ロシア女性に指一本触れないままマイクズ・プレイスを後にすることになった。
パブを出る時に振り向くと、相手をしてくれた眼鏡のロシア女性はもはやこちらを見向きもしなかった。
そう言えば彼女の名前を聞くのを忘れた。忘れたというよりも聞くヒマもなかったのだった。

マイクズ・プレイスはまだやっていた
翌日、知り合いのタイ女性と共にゆっくりと時間をつぶしていた。ひとりで自分の宿泊するホテルに戻ったのはすでに真夜中も2時を過ぎていた。
シャワーを浴びてそのまま寝るつもりでいたが、ふと昨日のマイクズ・プレイスのことを思い出す。
こんな時間でもまだやっているのだろうか。
今から行こうかどうか迷ったが、そのうち服を着替えてホテルを抜け出て、真夜中のバンコクを野良犬のように歩き始めていた。
ソイ3はこんな時間になっても人通りは多かった。
民族衣装をつけたアラブ人やオープン・バーのタイ人女性が連れ添って歩いていたり、屋台のイスに座って通りがかる人々を所在なげに見つめていたりする。
ソイ3をどんどん奥へ進んで行くと真っ黒のボロ着をまとったホームレスの中年男女が道端で寄り添いながら寝ていた。夫婦のように見えた。
この夫婦を通り越してさらに歩いていくとマイクズ・プレイスは、煌々とネオンを発して客を待っていた。
中に入ると、昨日の男とは違って、正式にホテルの従業員の制服を着た50歳過ぎの男が即座にやってきた。
「ロシアン・レディに会いたい」と言うと、その男はニヤリと笑って「オーケー」と即答した。パブはまだやっているのかと思ったが、男は階段の方へ案内しないでエレベータの方へ連れて行った。
「パブはあっちじゃないのか?」と言うと、「もうクローズした。2時にクローズだ」と男は答えた。
パブではないとすると、いったいこの男はどこに連れて行くつもりだろうか。エレベータが来ると、好奇心に駆られるままそれに乗り込んだ。
エレベータの中では「どこから来た?」と男が尋ねる。「日本から」と答えると、男は黙ってうなずいた。男は7階で降り、それに続いた。
計5人が一室に閉じこめられていた
エレベータを降りると床は趣味の良い絨毯が敷いてあり、廊下の両側は客室になっている。エレベータわきには見張りと思われる男がひとり黙って立っており、こちらをじろじろと見つめた。
従業員と見張りの男はしばらく何かを話していたが、やがてふたりが奥の一室に案内してくれた。
見張りの男は客室のドアを何度かノックした。ドアはすぐに開かず、辛抱強く待った。
やっとドアが開いて中に通される。部屋は広く、テレビが点けっぱなしになって大きな音を立てていた。
ここまで案内してくれた従業員の男は、「ロシアン・レディだ」と言いながら、ベッドの方に顎をしゃくった。
ダブルベッドに、四人のロシア女性が皆一様にジーンズをはいて寝そべったり座ったりしていた。
見張りは数を数えていたが、ひとり足りないと思ったのか、急にバスルームに向かって行ってドアを開ける。
すると、バスルームから化粧直しをしていたロシア女性がもうひとり現れた。計5人がこの一室に閉じこめられているらしかった。
昨日の眼鏡の女性はいなかった。
「他の女は?」と聞くと、従業員の男が「イエス。他の部屋にいる。もしお前がこの女たちが気に入らないのなら、他の部屋の女のところに行こう」と言った。
現場を取り仕切る元締め
女性たちをよく見た。やはりどの女性も笑いかけるようなことはまったくなかった。みんな能面のような顔で、ただじっと客を見つめるだけであった。
いや、視線さえ合わせようとしない女もいた。ひとりは目も覚めるような見事な赤毛で、冷たい感じのする美人だった。
別のひとりは肩までのブロンドで、平凡で優しそうな顔つきをしていた。このふたりに興味を惹かれた。
「ショートでいくら?」と聞いてみた。すると、従業員は昨日と同じく「3,000バーツだ」と答える。
そう言われるのは予期していたが、やはり「高い」と言った。
今日は3,000バーツで手を打つつもりではいたが、ごねるだけごねてからオーケーするつもりだった。
従業員は、昨日の男と同じく「部屋代も何もかも込みで3,000バーツだから決して高くない」と言い張った。
こういう言い訳のところになると口が滑らかなのは、やって来る客が一様に「高い」と言っているのを何度も説明しているからに違いない。
値段交渉しているうちに、さらにふたりの男が部屋に入ってきた。部屋の雰囲気が一瞬にして変わった。誰も彼もが緊張した面持ちで口を閉ざした。
従業員は慌ててテレビの音量を下げる。ひとりは背が低く太っているが精力的な雰囲気を身体中から発散して人を威圧するような目つきをしていた。
肌の色はタイ人に比べると若干白い。携帯電話を片手に持ち、場を仕切る有様は、タイ人というよりも中国人に近かった。
この男が売春の現場を取り仕切る元締めであるというのは、この場に居合わせたすべての男、すべての女が沈黙して彼を見つめていることで分かった。
もうひとりは恐らく彼のボディガードだろう。
こちらは刺青を彫った裸の上半身に着古したデニムの上着を軽く引っかけて、まったくの無表情のままであった。
最後通牒
元締めの男がタイ語で吼えるような調子で何かを言うと、従業員が今までの経緯を話し出した。
たぶん「この日本人は3,000バーツが高いと駄々をこねている」などと言っているのだろう。
元締めは威嚇するように「どの女がいいんだ?」と尋ねてきた。ブロンドの平凡なロシア女性に目をやって「彼女がいい」と答えた。「オーケー。3,000バーツ。部屋はここだ」と元締めはあっと言う間に決めてしまった。
「ノー」と反論する。「3,000バーツは非常に高い。2,000バーツにしてくれ」
それを聞いて男たちは一瞬沈黙したが、元締めは「2,500バーツ。これでいいな? いいな!」と脅迫するかのように大声で言った。
有無を言わさない交渉であった。元締めは威圧するように立ち、まわりを男たちが囲んだ。
つまりこれは最後通牒であった。
これを受け入れなければ、どんな目に遭ったとしても文句は言えないに違いない。しばらく考えてからオーケーした。
2,500バーツは確かに相場よりも高いが、ロシア人売春女性は違法(イリーガル)であり、タイ・マフィアもそれだけ危険を冒して女性を提供しているのだ。
彼らにはコストがかかっており、そのコストが値段に反映していると考えると、資本主義の理屈には合っているには違いない。
3,000バーツでもオーケーするつもりでいたが、500バーツをディスカウントさせてひとりのロシア女性を手に入れた。
現金をその場で支払うと、男たちは残りの女たちを引き連れて部屋を出ていき、平凡な顔つきのロシア女性がポツンと残された。
あなたの目はブラウンよ
女は先ほどの緊迫したやり取りにすっかり怯えきっており、こちらを見る目がこわばっていた。
名前を聞くと「ローラ」と答えた。英語は「リトル」だった。彼女もまたモスクワ出身だと言った。
「日本からやって来たツーリスト」だと言って、マフィアの一員ではないことを説明すると、彼女は幾分気が和らいだようだった。
近くで見るローラの目は青く澄んでいて美しく、素直に彼女の目が魅力的だと言った。「目の色はブルーだね」と言うと、彼女は「違うわ」と首を振って「グリーンよ」と答えた。
ホテルの少々薄暗い明かりが悪いのか、どう見ても彼女の目の色はブルーにしか見えなかった。
「今はブルーにしか見えない」と言うと、彼女はわざわざハンドバックから手鏡を取り出して自分の目をのぞき込んだ。「イエス、ブルー。でも、グリーンよ」と彼女は言い続けた。
「俺はブラックだよ」と言って彼女に見せる。彼女は目をのぞき込んで、また「ノー」と言った。
「あなたの目はブラウンよ」。手鏡を借りて自分の目をのぞき込むと、確かに自分の目は深い茶色というのが正確だった。
初めてローラの顔に笑みが浮かんだ。やっと打ち解けた。
話が途切れると、彼女が服を脱ぎ始めた。黒のブラジャーに黒のパンティ、そして黒のストッキングをガータベルトでとめている典型的な欧米型の売春ファッションが目の前に現れる。
欧米の売春女性にはガータベルトが必須のアイテムだ。
タイのような熱帯の国に来てまでストッキングをはくのは、このガータベルトをつけたいがために違いない。ローラの肌は透き通るように白く美しかった。
ローラの緑色の虹彩
彼女のビジネスが終わった後、先にローラがシャワーを浴びた。そのあとに浴室に入ると明るい蛍光灯が灯っていた。ローラを浴室に呼んだ。下着姿のままのローラが怪訝な顔をしてやってくる。
「目をもう一度見せてくれ」と言うとローラは顔いっぱいに笑みを浮かべた。明るい蛍光灯の下で見るローラの目は、確かに輝くようなグリーンだった。
「イエス。グリーンだ」と言うと、ローラは「あなたはブラウンね」と再び言った。
「イエス」と答える。いつ見ても白人女性の瞳の色は神秘的だ。ローラの緑色の虹彩の中に引き込まれそうだった。

虹彩の色はメラニン色素の量が決定していると言う。すなわち、メラニン色素が多いと瞳は黒くなり、少ないと青っぽい色になるらしい。

ローラはまぶしそうに目をしばたかせて、ロシア語で何かを言った。聞き返すと彼女は何でもないと言う風に首を振り、浴室から出て行く。

着替え終わると、ローラと最後の抱擁をして部屋を出た。エレベータのところでは見張り役がひとりだけ廊下にいて、客の姿を見つけると何も言わずにうなずいただけで合図して1階のボタンを押した。

やがてやって来たエレベータに乗って1階に降りると、ちょうどホテルのカウンターのところで元締めがボディーガードと一緒にいるところに出くわした。
元締めは「終わったか?」と尋ねた。「終わった」と答えると、すぐに興味をなくしてカウンターの女性と話し込む。

ホテルの従業員がやって来て、慇懃にホテルのエントランスまで送り届けてガラス戸を開けた。

金を払って用済みになった客はさっさとホテルから出ていくように無言で伝えているかのようだった。

夜中の4時を回ったソイ3を歩きながら、マイクズ・プレイスのロシア女性を扱った稼業はこれからもずっと続いて行くのだろうかと考えていた。
もし警察に踏み込まれるようなことにでもなれば、マイクズ・プレイスの売春稼業は壊滅するだろう。

しかし、あれだけの用心深さで稼業を守っているとすると、当分は安泰と考えていいのだろうか。

ロシア女性があまりにも抑圧されていたのが気になった。


黒の下着とガータベルト

若く魅力的なロシア系の白人女性は、ここではただの奴隷だったのだ。国が破綻して経済的に成り立たなくなると、その国の女性はどうなるのか目の当たりにしてきた。

白人の国であろうが、黒人の国であろうが、黄色人種の国であろうが同じである。国が破綻すると、女性は売春に身を落とす。
状況が揃えば、女性たちはマフィアに売られ、知らない国へと人身売買されてゆく。

そして、どこかに監禁されて売春を強要されるのだ。どこかとは置屋であったり、マッサージ・パーラーであったり、パブであったり、ホテルの一室であったりする。

ローラは経済破綻が生み出した現在の奴隷だった。共産主義体制、アフガン戦争、チェチェン戦争……。そのような歴史で国を疲弊させた政治家が、ローラのような女性を生み出した。

ソビエト連邦が崩壊し、エリツィン前大統領は「ロシアを500日で近代的な資本主義国へ転換する」と豪語した。

しかし、経済は混乱し、社会秩序は乱れ、道徳は崩壊し、ついには国そのものが破綻してしまった。

ソ連は、かつて東南アジア一帯に大きな影響力を持っていた。ベトナム戦争時は共産主義というイデオロギーと共にソ連の影響力はインドシナ半島を席巻した。
カンボジア・ラオスの共産化についてもソ連の存在とは無縁では存在しなかった。
そんな強大なソ連は、1991年に崩壊して、もはや東南アジアにロシア(ソ連)の影響力は皆無に近い存在になった。

そして現在。

かつての支配者はすっかり落ちぶれて、自分たちの国の女性をプターナ(売春女性)として世界中に流出させる事態となっている。

世界中というのは誇張ではない。オランダ、ドイツ、シリア、イスラエル、サイパン、グアム、ハワイ、タイ、カンボジア、日本、香港、中国、アメリカ……。
あらゆる国でロシア女性は売春奴隷として酷使されているのだ。

オランダに売られた旧ソ連の女性は、アムステルダムの飾り窓に立たされる羽目になっている。

イスラエルの売春宿にも偽造パスポートで送り込まれたロシア女性が、ひっきりなしに男を取らされている。

アメリカ・ロサンゼルスでも密入国したロシア女性が逮捕される事件もあり、実際には売春宿に多数潜り込んでいるのが確認されている。今やロシア最大の輸出品は女性だと言ってもいいかもしれない。

奴隷にしか見えなかった売春ビジネスは、本国ロシアでは若い女性の人気の職業のひとつになっているそうだ。なぜなら、手っ取り早く現金が稼げるからである。
彼女たちはもはや国など当てにできず、信じられるのは自分の肉体だけという極限の状況に放り込まれている。

しかし、そんな人気の職業は、マフィアによる人身売買の歯車であり、女性の肉体は単なる商品のひとつとして扱われる。
人格は無視されるのが当たり前の危険な職業だった。そうであったとしても他に選択肢がなかったに違いない。

国の経済的な破綻と個人の絶望的な貧困の前で、彼女たちは国を捨てて異国へ赴く。黒の下着とガータベルトをつけて……。
https://blackasia.net/?p=3350

170. 中川隆[-13312] koaQ7Jey 2020年2月29日 21:54:03 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[212] 報告

◆娼婦ナナ。戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち
2011.12.22
タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々
https://blackasia.net/?p=3405



タイ・バンコク。熱帯の夜の喧噪の街をゆっくりと歩いていると、真っ正面から黒いボディ・コンシャスに身を包んだ白人女性が近づいて来た。

売春ビジネスに関わる女独特の視線が絡みついてきた。それに応えると、女は流し目を投げて”How are you ?”(ご機嫌はいかが?)とていねいな口調で尋ねた。

肌はきれいなホワイト、彫りの深い顔立ち、ふんわりと仕上げた肩までのショートカットは黒髪。

まっすぐこちらを見つめるその瞳の色は透明度の高い灰色と言えばいいのか、茶色を限りなく灰色にした色と言えばいいのか、日本人には形容しにくい色をしている。

目次 閉じる 1. グレースホテル界隈
2. ナナ・ホテルと同じナナだね
3. 20歳前後なのかもしれない
4. ミーシャ
5. どこに滞在してるの?
6. リージェント・ホテル
7. 数人の女たちが共同生活している部屋
8. モスクワに帰りたい
9. 貧窮に追い込まれたロシアの娘たち
10. 悪い意味の平等

グレースホテル界隈

“I”m Fine.”(気分はいいよ)と伝え、さらに”Where are you come from?”(どこから来たの?)と尋ねてみた。女はむっちりとした胸を見せつけるような姿勢をしながら簡潔に答える。

“Moscow”(モスクワよ)

この女性こそがモスクワからやってきたロシア女性で、探していた女性のようだった。

“Bombom mai?”(セックスですか?)

白人女性がタイ語のスラングを使うことに軽い違和感を感じながらもうなずく。すると彼女は手を回してきて「あなたのホテルへ行きましょう」と言った。

肩を抱いて同意すると、彼女はにっこりと笑いかけてきた。

バンコクのスクンビット通りからソイ3を北上して行くとグレースホテルがある。このホテルは20年ほど前からアラブ人の集まる界隈として有名だ。

華やかな民族衣装を着たモスリムの人々が闊歩する姿を見ていると、ここはタイではなくアラブのどこかの街ではないかという錯覚に陥る。

街の看板にはアラビア語が踊り、マトンの肉を大きな塊のまま焼いて薄く削いでいる料理人の姿を見ることができる。

初めてこの界隈を歩いた15年前はまだ中華料理屋もあった。しかし、商魂たくましい中国人もモスリムにはさすがにお手上げだったようで、現在はどちらを見てもアラブ一色に染まっていた。

ソイ3周辺の光景。歩いているのはイスラム系。そして看板もまたアラビア語であることが分かる。

ナナ・ホテルと同じナナだね

ここはまさにタイの異邦の地である。

間違えてこの界隈に足を踏み入れた日本人は、違和感に圧倒されて退散するしかないような独特の雰囲気を醸し出している。

有名なグレースホテルのコーヒーショップには、アラブ人やインド人の好みである太った女性が多く集まる。

この界隈のオープンバーもまたそのような女性たちが媚びを売っている姿を見ることができる。価値観の違い・文化の違い・嗜好の違いは決定的で、この界隈は長い間、縁遠い地でしかなかった。

ところが、ここ2年ほどの間でソイ3界隈にロシアの白人売春女性がちらほらと姿を現すようになっていた。それで「縁遠い場所」とは言ってられなくなった。

白人に対して憧れや思い入れはないのだが、彼女たちの存在そのものが興味を引いた。熱帯の地まで来て売春するロシア女性とは、いったいどういう女性なのか知りたかった。

そして陽も落ちてネオンと喧噪が街を埋め始めた頃、ソイ3をゆっくり北上して難なくロシア女性と知り合ったというわけである。ホテルに向かう道すがら、彼女に名前を尋ねた。

「ナナ」と彼女は答える。

「ナナ・ホテルと同じナナだね」と笑うと、「わたしはホテルではないわ」とふくれた。

仲間内でからかわれているらしく、そうやって軽く怒るところに彼女の愛嬌を感じた。

実際、彼女は愛嬌があって大らかな性格をしていた。彫りの深い顔は性格のキツさを感じさせるのだが、それは勝手な思い込みのようで、素朴な優しさが彼女にはあった。

20歳前後なのかもしれない

宿泊していたホテルの部屋に入ると、ナナはベッドの端に座って屈託のない笑みを浮かべ、”Money”(マネー)と言った。

「終わってから払うよ」と言うと、「どうしても先に欲しい」と言った。

「お金は持ってるから心配ないよ」と財布を開いて見せて上げたが、それでも「先に欲しい」と聞かないので彼女の言う通りにした。

あとで知ったのだが、ロシアからやってきた女性たちのほとんどは、先に売春代をもらうようにしているようだ。

彼女たちは主にアラブ人を客にしているのだが、アラブ人は終わったあと、何かと長い交渉を始めて金を払わないので自然と先にもらうようになったようだ。

抱きしめようとすると、彼女は子供をいさめるような口調で「ノー」と言いながら、部屋の電気を消そうとした。

「ライトは点けたままがいい」

そう言うと、彼女は笑いながら「ダメ」と言った。

しかし「白い肌を見ていたいからライトは必要だ」と主張すると、彼女は何か納得したようにうなずき、ライトは点けたままでもいいことになった。

シャワーを浴び、バスタオルを巻いてベッドに入ってきたナナを裸にすると、横になっても形の崩れない美しい乳房が目の前に現れた。

服を着ているときは豊胸だと思ったのだが、実際は大きくなかったのは服で誤魔化していたのだろう。

真っ白な肌に青い血管がうっすらと見える。陰毛は周辺を剃って、小さな三角地帯だけを残していた。

彼女の顔から判断して20代後半だろうと思っていたが、乳房の張りや瑞々(みずみず)しい肌に考えを変えた。20歳前後なのかもしれない。

ミーシャ

彼女はプロの仕事をこなした。終わると緊張が解けたのか、さかんにロシア語らしき言葉で独り言を言った。意味は分からない。

巻き舌のそれを真似ると彼女はくすくすと笑い、一生懸命に発音を矯正して完璧に近づけようと努力した。

彼女の乳房をもてあそびながら、いつの間にかロシア語講座を受ける羽目になった。彼女は何度も発音を訂正した。

ナナは笑いながらも、真剣だった。きっと何事にも一途になる性格なのだろう。結局、セックスと同じくらいの時間をロシア語の発音に割いたように思う。

すっかりナナが面白くなったので、翌日もソイ3に行きナナの姿を捜した。ロシアの女性がソイ3に5〜6人ほど固まって煙草を吸っていたがナナの姿はない。

彼女たちに「ナナを知ってる?」と聞くとほぼ全員が「イエス」と答えた。「彼女はどこにいるの?」と質問すると、そのうちのひとりが肩をすくめて「知らない」と答えた。

他の男に買われたのだとすぐに悟った。そうでなければ、もっと別の答え方をするはずだろう。

ナナが目当てだったので、どうしようか迷った。すると、女のひとりが煙草を捨てて身体をぴったり密着させてきた。そして「わたしはどう?」とモーションをかけてくる。

ナナと違って化粧が厚く、人工的な雰囲気がした。

どこか退廃の匂いを感じさせる女だった。名前を聞くとミーシャと答えた。やはりロシア出身だ。

曖昧な答え方をしながら5分ほど時間を稼いで目当てのナナを待ったが、結局彼女は姿を見せずじまいだった。ミーシャと一緒にいることにした。

どこに滞在してるの?

ミーシャはぶっきらぼうでそっけなく、どこか投げやりなところがあった。まったく噛み合わないまま、事務的に彼女の仕事を終わらせて別れた。

やはり別の女のことが頭にあるとうまくいかないもので、必ずしもミーシャが悪かったわけでもないように思う。

女は信じられないほど敏感な生き物だ。他の女のことを考えていると、すぐに悟られてしまう。

満たされないものを抱え、翌日の夜になるとまたもやソイ3に行く羽目になった。

今度は何時間待ってでもナナを指名する覚悟だった。路地にはやはりナナの姿は見えず、失望した。通りに立っている白人の女たちに尋ねても、昨日と同じく肩をすくめて「知らない」と言う。

ナナは特に美人というわけではなかった。スタイルもそれほどいいわけでもない。

確かにセクシーな服を着せればそれなりに見えるが、普通の服を着せれば、何の取り柄もない平凡な女性に早変わりするに違いない。

それでもナナにこだわったのは、彼女の性格が心地良かったからだ。優しく飾り気のない性格が、そのときの気分にぴったりと合っていたのだ。

アルバニアから来たという金髪の白人女性と時間をつぶしながら待っていると、10分ほどでナナが姿を見せた。

そんなに待たずに彼女に会えたのはラッキーだった。挨拶すると彼女は笑みを浮かべてそれに応えてくれた。

「このあたりはロシア女性が多いけど、みんなどこに滞在してるの?」

そう尋ねると、彼女は「この近く」と答えた。少し好奇心を持ったので「そのホテルに行きたい」と言ってみる。”No Good.”(それは良くない)と彼女は答えた。

「わたしのホテルはノー・グッド。だからあなたのホテルに行く」

リージェント・ホテル

ノー・グッドと言われると、どんな風に良くないのか急に彼女の部屋を見たくなった。頼み込むと、ナナは男の妙な好奇心に苦笑いしながら了解した。

「でも、あなたはホテルに300バーツをペイしなければならない」

いわゆるジョイナー・フィーのことを言っているようで「それでもいいのか」と尋ねているのだ。もちろん異論はなかった。

ナナに連れて行かれたのは、ソイ3を右手に折れたリージェント・ホテルだった。

一見ホテルとは分からない古い建物である。ホテルの入口はアラブ系の男たち、ロシア人売春女性、タトゥを刺したタイ人の男たちで溢れている。

男たちは容赦ない視線を投げかけてきて、決して目をそらそうとしなかった。ロビーでたむろしている白人の女たちもまた、ナナと一緒に入ってきた闖入者を冷ややかな視線で見つめていた。

その中でも2、3人の女は息を飲むような美しさだった。

ホテルのフロントの痩せたタイ人女性は電話を取ったまま、金をよこせと手だけを差し出した。彼女のまわりにいた屈強なタイ人男性が「300バーツだ」と言う。

財布を取り出して金を払おうとすると、ほぼ全員が財布の中をのぞき込んできた。まるでまな板の鯉になった気分だった。

金を払っても、なぜかカウンターの女は鍵を出さなかった。ナナは「大丈夫」と言いながら奥のエレベータまで歩いていき、やって来たエレベータに乗り込んだ。

エレベータのランプはつかず、ボタンを押してもちゃんと作動しているのか不安になる。

エレベータは古くて動きがゆっくりしており、箱の中は煙草の匂いが充満していた。売春女性やアラブ系の男たちはどこでも煙草を吸う。エレベータの中も例外ではないようだった。

数人の女たちが共同生活している部屋

連れて行かれた5階は部屋が5つほどあり、その中の一番奥が目指す部屋のようだった。

ナナはドアをノックした。鍵をもらえないわけが分かった。部屋には誰かいるのだ。中から反応がなく、ナナはドアのノブをがちゃがちゃさせてさらにノックを続けた。

しばらくしてゆっくりとドアが開き、中からひとりの男が出てきた。

生気のない痩せた白人の男で、歳は40歳くらいだろうか。派手なシャツと金のネックレスは、この男が旅行者ではなくマフィアの一員であることを窺わせた。

この男とナナはロシア語で短い会話をして、男は鋭い一瞥をくれて部屋を出て行った。

部屋に入ると窓は開けっ放しになっていた。下をのぞくとソイ3からひとつ中に入った路地が見える。

路地にいたアラブ系の男たちと、たちどころに視線が合った。どうやらこのホテル全体は鉄格子のない監獄のように見張られているようだ。点けっぱなしのテレビは白黒の画像が流れていた。

ナナにベッドに座らせられた。

彼女は一度部屋の奥に行き、それから今度は何も言わず部屋から出て行った。突然、部屋の中にひとり取り残され、はっとして最悪の事態を覚悟した。

このホテルがマフィアの巣窟になっているのはどんな鈍い男でも分かる。

その中で女に導かれてのこのこやって来たあげく、ひとりで部屋に放り出されているのだ。次に何が起きてもおかしくない。

ベッドはトリプルベッドのサイズだった。部屋の隅にはマットレスに毛布を敷いた簡易ベッドも置いてある。

よく見ると段ボールが6個ほど2段に積み上げられて、一番上の段ボールの口から女性ものの下着や衣類が詰め込まれているのが見えた。

どうやらここで数人の女たちが共同生活している気配だった。

モスクワに帰りたい

しばらくして入口のドアが開く気配がした。いよいよ男たちがカネ目当てにやってきたのだろうか。

背筋に冷たいものを感じたが、姿を見せたのはさっき出ていったばかりのナナだった。

“What”s is happen?(どうしたんだい?)と尋ねたが、ナナは”Nothing”(別に)と答えてベッドに身体を投げ出した。

“This hotel is no good.”(このホテルは最低ね)
ナナは顔をしかめながら言った。

“Are you stay here?”(ここにステイしているの?)
“Yes”(イエス)
“How many stay in this room?”(この部屋で何人くらい?)

そう尋ねると”six”(6人)と言う。なるほど、それくらいの人間が共同生活をしている「生活臭」がこの部屋から漂ってきている。

ナナとはここで刹那的な愛を交わした。

“I want to go back to Moscow. But No work, No money.”
(モスクワに帰りたい。でも、帰っても仕事がない。お金がない)

そう訴えるナナを抱きながら、いつしかカンボジアの70ストリートの女たちのことを思い出した。

いずれにせよ、ナナも70ストリートの女たちも資本主義の犠牲者として底なしの地獄まで堕ちてしまった境遇だ。

マフィアの商売道具にされ、場末の売春宿で大勢の男の慰み物にされて朽ち果ててしまう人生が待っている。

長い内戦によって経済が破綻したカンボジアには貧困が蔓延(はびこ)っている。戦争が国を破綻に追いやった分かりやすい例だ。

一方のロシア(ソ連)もまた、かつては超大国として君臨したにもかかわらず、アメリカとの冷戦構造やアフガニスタンとの戦争によって国を疲弊させてしまった。ここにも暗い戦争の影がある。

1979年にアフガンに侵略したソ連はそれから延々と10年間に渡って残虐な戦争を続け、この戦争に敗北してしまった。

イスラム教を罵る共産主義者に対して、燃え上がるような宗教心で戦いに望んだアフガニスタンのゲリラ統一戦線に、ソ連は為す術もなかった。そして、戦意を失ってしまったのだ。

貧窮に追い込まれたロシアの娘たち

この侵略戦争がやがて自国を破滅に追いやるほどの経済的負担、人的負担を与えていることに気がついたソ連の首脳陣はプライドを捨てて撤退した。

しかし、その時にはすでに時遅しだった。国内経済は手の打ちようもなく完全に自壊していた。それから4年後、ソ連は崩壊してしまった。

1992年のソビエト社会主義連邦共和国の瓦解は、この国を長らく統制してきた共産党の崩壊だった。

共産党の次にやってきたのはエリツィン率いる民主主義だったが、これが見事に失敗してしまい、その後のロシアの迷走は周知の事象である。

度重なる経済危機に翻弄されてバランスを失っていくエリツィン政権、マフィアの台頭、そしてチェルノムイルジン等、大物政府高官の派手な汚職、債務履行遅延(モラトリアム)、プーチン大統領と原潜事故……。

ロシアから流れてくるニュースはどれもこれも破滅的なものばかりであり、現在もまだロシアは立ち直る気配すら見せていない。

そして貧窮に追い込まれたロシアの娘たちは、自らの身体をマフィアにゆだねた。

2000年8月に、カンボジアでは7人の旧ソビエト連邦の娘たちが保護されたが、これは氷山の一角に過ぎなかった。

実際にはタイを舞台にロシアン・マフィアが暗躍し、貧困で立ちゆかなくなった女性を供給し始めている。ナナが共同生活しているホテルにはそういう女たちが30人ほどいるようだ。

悪い意味の平等

彼女たちは故郷を捨て、慣れない熱帯の国の不潔なホテルで共同生活を強いられている。

マフィアに監視され、聞いたこともないような国の男たちに抱かれる。結局、悲惨な状況に陥った女性たちにとって取るべき選択肢は売春でしかないのか。

コロンビア女性は日本で売春を行い、タイ女性はスリランカで売春を行い、ベトナム女性はカンボジアで売春を行い、北朝鮮女性は中国で売春を行い、ネパール女性はインドで売春を行う。

そして、ロシア女性はタイで身体を開き、望郷の念を口走りながら男を迎え入れる。

戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち。そして、女が身体で払う代償を受け取るのもまた男だ。

しばらくして、シャワーを浴びようとバスルームに行くと、ナナはスリッパを用意してくれた。

シャワーは壊れてるし、水しか出ないのだとナナは肩をすくめながら説明してくれた。

バスルームを見ると、誰かが土足で出入りしているせいか、床は土やゴミで黒ずんで恐ろしく不潔な状態になっていた。

便器もこびりついた汚物で汚れ、女たちの下着が便器わきに干されているのが何か物悲しいものを感じさせた。ここで水を浴びて、ベッドに戻って服を着替えた。

ナナは部屋に残るというので、ひとりで部屋を出た。外にはマフィア風の痩せた男がじっと廊下に立ちつくしていた。

出てきた客を見るとただ顎をしゃくっただけで挨拶し、入れ替わりで部屋の中に消えて行った。どうやらナナがビジネスをしている間、じっと部屋の外で待っていたようだ。

エレベータは相変わらず動いているのかどうか分からないので、階段で下に降りて行った。どの階もマフィア風の男がそれぞれ立っており、中には女と言い争いしている男もいた。女はやはり白人ロシア系だった。

檻のない収容所のようなホテルを出て、ふとこの世には「平等な世界」が底辺では存在していることに気がついた。

貧困に喘ぎ、何も持たない女は、国籍・人種を問わず「平等に食い物にされる」という悪い意味の平等だ。

ナナはそんな「平等」の中に堕ちてしまった。そして、「モスクワに帰りたい」と言いながら、いろんな男たちに抱かれ続ける。

https://blackasia.net/?p=3405

171. 中川隆[-13179] koaQ7Jey 2020年4月18日 12:55:25 : rg4H6flUlY : TXlYZGwuUFM0Wms=[24] 報告

2020.04.17
COVID-19恐慌の先に富豪たち私的権力は略奪と支配という幻影を見ている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004170000/


 日本でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐという名目で経済活動を破壊する政策が推進されている。安倍晋三政権だけでなく野党もカネのばらまきで騙そうとしているが、これまで以上に深刻な不況へ突入する可能性は高い。

 すでに生産活動を放棄し、金融マジックで生き延びてきたアメリカも深刻。事実上、公的な健康保険が存在しないことが庶民に追い打ちをかける。経済破綻したギリシャと似た状況だとする人もいるが、国が消滅したソ連に近いとも言えるだろう。

 ソ連が消滅、その構成国はバラバラになるが、そこに現れたのが西側の巨大金融資本やその手先になった地元のゴロツキ。KGBの一部がCIAの人脈と手を組んでいたとする情報もある。ソ連を消滅させる最終的な作業はボリス・エリツィンが行ったが、そうした道へと国を導いたのはミハイル・ゴルバチョフ。エリツィンは勿論、ゴルバチョフの周辺は西側巨大資本とつながっている人びとで固められていた。

 ソ連消滅から国民資産が略奪されるが、そうした略奪を象徴する人物のひとりがミハイル・ホドルコフスキー。1963年生まれなので1991年には28歳。後ろ盾がいたので公的な資産を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪になれたわけだ。

 ホドルコフスキーはユダヤ教徒の父親とキリスト教徒の母親の子どもとしてモスクワで誕生、メンデレーエフ・モスクワ化学技術大学でロケット燃料を専攻、大学では、コムソモール(共産主義青年同盟)副委員長を務めた。

 1985年に書記長となったゴルバチョフが「ペレストロイカ(建て直し)」を始めると、ホドルコフスキーはコムソモールの人脈を使ってビジネスの基盤を築く。その人脈の中にはソ連国立銀行の幹部を両親に持つアレクセイ・ゴルボビッチも含まれていた。

 1989年にホドルコフスキーはそうした人脈を使い、ロシアの若い女性を西側の金持ちへモデルとして売り飛ばしていたと言われている。そうしたビジネスを始めていたリチャード・ヒューズなる人物は出国ビザを入手するため、KGBにコネがあるホドルコフスキーと手を組んだというのだ。(Michael Gross “From Russia with Sex”, New York, August 10, 1998)

 この年にホドルコフスキーは銀行設立のライセンスを取得、メナテプ銀行を設立した。日本でも金融機関を設立したり乗っ取るすることは少なくないが、違法送金やマネーロンダリングを行うためには自分の金融機関を持っていると好都合だからだ。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、その後、中小の石油会社を呑み込んでいく。1996年にはモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。メディアはライバルを攻撃したり人びとを操るために重要な道具だ。

 会社を呑み込むと言っても、通常は簡単でない。安く手に入れるためには経営を破綻させる必要がある。ソ連の消滅で資産が叩き売られていたロシアでは大儲けできた。その国自体を乗っ取ることに成功したなら「再生」に乗り出すが、それは自分たちのカネ儲け、支配に都合の良いシステムを作るということだ。大多数の庶民にとってはディストピア。そうした略奪集団は1990年代から日本も食い物にしたが、ロシアはその比でなかった。

 しかし、ロシアでは国が完全に乗っ取られる寸前、曲がりなりにも再独立することに成功した。再独立を実現したグループの中心にいたウラジミル・プーチンを西側の政府や有力メディアが罵倒するのは必然だと言える。再独立したロシアは2015年頃から中国に接近、両国は戦略的な同盟関係に入る。

 こうした展開を受け入れられなかったのはネオコンをはじめとする世界制覇を目指す西側勢力だけでなく、ソ連嫌いの「左翼」も含まれる。ネオコンには「元トロツキスト」が多いようで、ネオコンと「左翼」はもともと近い存在なのかもしれない。そうした人びとはロシアを再び西側巨大資本の属国にしようと必死になり、その努力は今も続いている。

 ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れている。この事実だけでもホドルコフスキー人脈が推測できるだろう。

 ユーコスは西側の銀行から数億ドルの融資を受け、投資会社のカーライル・グループからも資金を得ていた。そのユーコスの発行済み株式のうち25%から40%をホドルコフスキーはエクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとするが、それはプーチンによって阻止されている。

 COVID-19によって金融や経済が破壊された世界では、エリツィン時代のロシアに近いことが世界規模で展開される可能性がある。少なくともアメリカの支配層はそれを目論んでいるだろう。その先に彼らは巨大な私的権力が世界を直接統治する「新世界」を見ているはず。それは強者が生殺与奪の件を握った「自由な世界」だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004170000/

172. 中川隆[-10998] koaQ7Jey 2020年10月06日 03:08:59 : lVzxSy1pmI : SkFCTkE0dnA2elU=[2] 報告

2020.10.05
ロックダウンによる経済活動の麻痺は庶民と違い、富豪にとって悪い状況ではない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010050001/

 COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)対策だとして少なからぬ国がロックダウン(監禁政策)を実施、人びとの行動が厳しく制限され、監視システムが強化されつつある。社会は収容所と化した。人びとはウイルスを悪霊のように恐れ、自らの主権やプライバシーを放棄している。

 しかし、囚人のような立場になったことから人びとのフラストレーションが高まり、飲酒や喫煙へ逃げ込む人が増え、企業倒産、失業、ホームレス、そして自殺の増加といった深刻な社会問題を引き起こした。小手先の経済政策でどうにかなるような状態ではなくなっているのだが、それでもロックダウン政策を推進しようとする勢力が存在する。そうした政策が経済システムを破壊することは明白で、ロックダウン政策を推し進めている人びとも熟知しているだろう。

 経済システムの崩壊が富豪にとってビジネスチャンスだということは歴史が証明している。その一例がソ連消滅後のロシア。イギリスやアメリカの金融資本と結んだロシアの腐敗勢力は手先の若者を利用して国の資産を略奪、巨万の富を築いた。その腐敗勢力の中にKGBの中枢が含まれていたことは本ブログでも書いてきた。KGBの中枢はCIA人脈と手を組んでいたのだが、CIAは前身のOSSと同じように、イギリスやアメリカの金融資本によって作られた組織にほかならない。

 ソ連を消滅させる詰めの工作を行ったボリス・エリツィンは1990年代に大統領としてロシアに君臨していたが、本人はアルコールに溺れた生活を送り、心臓病を抱えていた。彼に代わり、クレムリンで最も大きな権力を握っていたのはボリスの娘、タチアナ。1996年にボリスはタチアナを個人的な顧問に据えたが、2000年にウラジミル・プーチンから解雇された。彼女は2001年、エリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚している。

 ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間であるアナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAの工作資金を流していたUSAIDからカネを得ていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 こうした政策に議会は反発、1993年3月に立ち上がるのだが、国民の意思ではなく西側巨大資本の命令に従っていたエリツィンは国家緊急事態を宣言、9月に議会を解散し、憲法を廃止しようとする。

 議員側はエリツィンの行為はクーデターだと非難、自分たちの政府を樹立すると宣言して少なからぬ議員が議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもるのだが、エリツィン大統領は戦車に議会ビルを砲撃させた。議会ビルに立てこもって殺された人の数は100名以上、議員側の主張によると約1500名に達するという。

 アメリカのフォーブス誌で編集者を務めていたポール・クレブニコフによると、ソ連消滅後に出現したロシアの富豪たちは犯罪組織と結びついていた。その組織には情報機関や特殊部隊の隊員や元隊員が雇われていて、抗争はすさまじいものがあったようだ。例えば、ボリス・ベレゾフスキーはチェチェン・マフィアと結びついていた。(Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin", Harcourt, 2000)

 エリツィン時代の暗部を調査、報道していたクレイブニコフは2004年7月にモスクワで射殺されている。この事件では11月にベラルーシのミンスクでふたりのチェチェン系ロシア人が逮捕され、このふたりを含む3名の裁判が2006年1月に始まるのだが、その直後に裁判官のマリヤ・コマロワが「病気」になり、ウラヂミール・ウソフに替わって5月には無罪評決が出た。この評決はクレイブニコフの遺族を含め、少なからぬ人々が批判している。

 クレイブニコフが殺される前の月にチェチェンの親ロシア派、ヤン・セルグーニン副首相がモスクワで殺害されていた。そこでクレイブニコフの殺害にもチェチェンが何らかの形で絡んでいると推測されていた。クレイブニコフの裁判で無罪評決を出した8名の陪審員はセルグーニン殺害事件の被告にも無罪評決を出している。

 エリツィン時代のロシアは新自由主義に支配され、社会保障や医療システムは崩壊、街には失業者があふれた。生きるために男は犯罪に手を染め、女は体を売るという状態になる。アメリカの富豪に売られた若い女性も少なくないようだ。そうした女性を買ったひとりがジェフリー・エプスタイン。妻のギスレイン、そしてギスレインの父親でミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルと同様、イスラエル軍の情報機関(アマン)に所属していた人物だ。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)

 パンデミックが経済システムにダメージを与えるというシナリオをアメリカの支配者が描いていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。例えば、フランスのジャーナリスト、アレキサンダー・アドラーが2009年に出した『新CIA報告』によると、CIAが2005年9月に作成した報告書の中でパンデミックについて触れられているという。

 CIAによると、パンデミックは中国や東南アジアのような動物と人間が密接した状態で生活している場所で起こり、国際的な旅行が制限されてもほとんど症状のない感染者が他国へウイルスを運んで患者は雪だるま式に増え、国の内外で緊張たが高まって戦乱が広がり、人びとの移動は制限されるようになる。

 そして2010年5月、ロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)は「​技術の未来と国際的発展のためのシナリオ​」と題された報告書を発表、その中でパンデミックによる経済へのダメージを指摘していた。人や物資の国際的な移動が止まることから旅行業のような産業や販売網は特に大きなダメージを受けるとしている。

 パンデミックに対する対策としてマスクの着用を義務づけ、公共施設やマーケットの入り口における体温の測定が強制され、そうした管理、監視体制はパンデミックが去った後も続くと想定していた。しかも市民は安全と安定を求め、放棄した自らの主権やプライバシーを取り戻そうとしないとされている。

 2019年10月18日にはニューヨークでコロナウイルスが全世界で流行するというシミュレーション、イベント201が実施されている。主催者はジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターやビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団。​イベント201​が開催された日に中国の武漢で各国の軍人が集まって行われた競技大会が開幕、その翌月にCOVID-19の感染者が初めて見つかったとされている。

 パンデミックを想定していた支配者達は、そうした状況を好機と考えている。例えば、WEF(世界経済フォーラム)の創設者であるクラウス・シュワブは今年6月、「パンデミック」を利用して資本主義を大々的に「リセット」すると語っている。

 COVID-19という悪霊で人びとを脅して社会を収容所化し、経済システムを破壊することは自分たちの利益になると支配者は考えているだろう。通常ならできないことを悪霊で脅すことで実行しようとしているように見える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202010050001/

173. 中川隆[-10024] koaQ7Jey 2020年11月10日 16:10:23 : Zt2FcgnQek : ZlFPRmJaMFFzVXc=[25] 報告
【重要・緊急警告】12月に中国が台湾侵攻の可能性? 尖閣諸島に電撃侵攻も…プーチン引退説の真偽と本当の正体、トランプ、バイデン「ジェームズ斉藤の時事予測」
2020.11.10
https://tocana.jp/2020/11/post_182546_entry.html


──プーチン引退説がこのタイミングで出てきました。アメリカの混乱と関係ありますか?

ジェームズ 大いにあります。まず、プーチン引退説ですが、ネタ元が反プーチンの筆頭格の人物なので、ロシア発のフェイクニュースの可能性大です。このタイミングにしても、民主党がプーチンとトランプの間に亀裂を入れようとしている可能性があります。(この取材後、バイデンの当確の報が流れる。この件については別記事を参照のこと)。

──ジェームズさんは以前から、プーチンとトランプは裏で呼応していると言っていましたね。

ジェームズ そうです。反グローバル、反共産ユダヤという点でつながっていると思います。CIA右派は伝統的に反ソでしたが、現在は親露で、今のロシアは誇り高きキリスト教国家と思っている人のほうが多いです。実際に、大統領就任前の30年以上に及ぶトランプとロシアの不可解な関係は、トランプがCIA右派のプリンスとして米露関係の裏の関係を運営していたからです。実際、CIA右派は1991年にはプーチンとの関係を作っていました。何を隠そう、プーチン本人が冷戦末期と終結後一時期CIA右派のエージェントを務める一方で、所属していたKGBや後継組織のFSBの任務を淡々とこなし、1998年にはFSB長官に登りつめたのです。


──えーーっ!!! プーチンがCIA右派のエージェントだったんですか!? それ本当ですか!!!!!

ジェームズ そんな驚くことなんですか? この事実は諜報機関関係者の間では常識ですよ。いわゆるダブルエージェント(二重スパイ)ですが、プーチンの忠誠心は常に祖国ロシアにありました。当時はあえて米国のエージェントになることのほうがロシアの利益につながったんです。また、プーチンレベルの諜報員ではダブルエージェントをやるのは当たり前です。プーチンは出身地のサンクトペテルブルクでは伝統の親欧米主義支持者からスタートし、ロシアと欧米との対等関係を構築し、欧米を軸にロシア経済を向上させようと思っていました。そのような期待をやすやすと裏切ったのがCIA左派だったんです。彼らはロシアから資源を貪り、配下のウォールストリートが儲かった瞬間に、新生ロシア及びロシア人を「ポイ捨て」しました。

──CIA左派はプーチンを裏切っていたんですね。そういう図式だったのか……。

ジェームズ CIA左派が裏切ったのはロシアがロシア正教だからです。ユダヤ人のロシア正教に対する怨念は凄まじいものがあります。それもあってプーチンのロシアは反米親中的な、かなり危ない国家戦略をとっているんです。核ミサイルを常に欧米に向け、経済的には中国の属国になる勢いです。プーチンも本心は悔しいと思っているはずです。唯一の希望がCIA右派の対露裏ネットワークによって正常な米露関係を取り戻すことで、それにはトランプ大統領の再選が鍵を握っています。バイデン政権が誕生すると、米露関係の修復は不可能でしょう。


──いきなり凄い話が出てきてビックリしました。これについては今後また詳しくお聞きします。中国はどうでしょうか?

ジェームズ 12月に台湾侵攻の可能性があります。アメリカ国内があのような状況であれば、トランプも対中国に注意を向けていられませんから狙ってくる可能性はそれなりにあると思います。


──じゃあ、尖閣はどうですか? 危なくないですか?

ジェームズ 尖閣の前に台湾です。図を見てください。

https://tocana.jp/2020/11/post_182546_entry_2.html


 台湾は第一列島線の要です。台湾の戦略的重要性は、1941年12月8日(日本時間)に大日本帝国海軍が真珠湾攻撃と同時に台湾基地から香港やフィリピンを奇襲攻撃したことに証明されています。台湾は東シナ海や南シナ海の島の中でも大きく、しかも中華民国の軍隊がすでに存在します。また、北京にとっては台湾は中華人民共和国の一部で、併合することが2021年の中国共産党結成100周年に向けての悲願です。台湾を取らないと尖閣への侵攻はやりづらいので、まずは台湾です。

 逆に言えば、台湾を攻めたら尖閣への侵攻はかなり現実味を帯びてきます。トランプ側からすれば、中国の侵攻は選挙のカオスを口実にスルーする可能性があります。なにしろ、トランプは撤退屋なので、台湾のような小国にアメリカ市民の犠牲を払う道理はないと考えます。一方、軍のほうは台湾を見殺しにすることにはほぼ100%反対すると思いますが、軍の最高指揮官はトランプなので、最終的な判断は大統領になります。台湾問題で米軍が引くことにより、日本等が戦うことになるので、トランプにはメリットがあります。


──日本と中国が戦争になるということですか!?

ジェームズ はい。台湾侵攻があればですが。そして、尖閣を守りたいのであれば、自分の国を守りたいのであれば、これからはもう自分で戦うしかないと思います。これはバイデンが大統領になっても同じです。民主党は中国寄りなので、裏で中国側につく可能性が高いですね。


──う〜ん、今までジェームズさんの予測は全部当たっていますからね。

ジェームズ アメリカのカオスが続き、しかも、国防長官に空白があると電撃侵攻もやれなくはないですから。そろそろ日本も自国の行く末を本気で考えないといけません。

 とりあえず、アメリカ、ロシア、中国、そして日本に関して、いま気にしておかなければいけない点はこのぐらいです。今後も次々出てくると思いますが、動きが早いので順次、速報していきます。

文=ジェームズ斉藤

174. 中川隆[-8249] koaQ7Jey 2021年1月15日 15:36:13 : 4KxyW7JbrY : NkpSMXBPdG5Hdm8=[26] 報告
今回のパンデミック騒動で富豪は資産を増やしているが、その富豪を代表するWEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブはCOVID-19を利用して資本主義システムを大々的に「リセット」すると宣言している。リセットに成功したなら、世界は強大な私的権力が直接統治するシステム、つまりファシズム体制が世界を覆うことになる。

 富豪の中でも特に経済の破綻が自分たちの利益に結びつく集団は金融資本の支配者たちだ。資産や技術を持つ企業を借金漬けにし、借金の形として乗っ取ることもできる。ボリス・エリツィン時代のロシアではクレムリンが私物化され、国民の資産が奪われていた。

 クレムリンを支配していたのはエリツィンの娘であるタチアナ。彼女の利権仲間であるアナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、彼が手を組んでいたHIID(国際開発ハーバード研究所)はUSAIDからカネを得ていた。つまりCIAとつながっていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 ボリス・エリツィンは1996年からタチアナを個人的な顧問に据えていたが、2000年に彼女はウラジミル・プーチンから解雇される。彼女は2001年に再婚するが、相手はエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフ。この人物の娘であるポリナ・ユマシェバはオレグ・デリパスカと結婚していた。

 デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受けていたが、プーチンとの対決は避けた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101150001/

175. 中川隆[-7845] koaQ7Jey 2021年1月29日 12:54:30 : lCFpvpaZf6 : TDBDWC5EOGQudTI=[13] 報告
2021.01.29
プーチン氏 ダボス会合で第三次世界大戦の勃発を示唆
https://golden-tamatama.com/blog-entry-putin-suggest-worldwar3.html


さて、おそロシア〜

ロシアのプーチンさんと言えば、
空手8段、柔道5段の猛者。

そしてカレンダーを発売するやなぜか芸能人を押さえ売上トップ。

Newsphere より

ロシアのプーチン大統領のカレンダーが、日本で大人気だという。

実は「プーチンカレンダー」は毎年発売されており、これまでも各国で話題になってきたが、なぜか今年になり日本で火が付いた。買っていくのは若い女性たちということで、海外メディアは戸惑いつつもその理由を探している。

◆国内勢を押さえ首位に 裸のムキムキボディが熱い!
サウスチャイナ・モーニングポスト紙(SCMP)は、週刊ポストの記事を紹介し、日本でプーチンカレンダーが大人気だと報じている。

生活雑貨専門店「ロフト」では、俳優の田中圭とフィギュアスケーターの羽生結弦を押さえて売り上げ1位に。

アマゾンなどのオンライン販売でも人気上昇中だという。しかも買っていくのは若い女性たちということで、なぜそんなことになっているのかは謎だとしている。・・

なんでやねん!

日本女性は中世的な日本男児に物足りなくなり、
このような外人のおっさんが好きになってしまったのでしょうか。

さっぱりその趣向が分かりません。

さて、そのような人気爆発のプーチン氏が言う言葉は、
他の首脳などよりワタスは注意して見てます。

以下は、ワタスがずっと前から載せてる話。

1940年と2020年のシンクロ
1923年関東大震災
1925年治安維持法
1940年東京オリンピック(中止)
1941年太平洋戦争

2011年東日本大震災
2013年秘密保護法案
2020年東京オリンピック
2021年 ?

ワタスの見たところ、最近各国の政権の退陣、辞任が同時多発的に起きている。
裏で大きな動きが起きてる。

で、おほぉ。

以下、そのプーチン氏が聞き捨てならないことを言ってます。

またTOCANA?
とバカにしたものじゃない。
プーチン氏がいうことにはちゃんと根拠がある。

【緊急警告】プーチンがダボス会合で“第三次世界大戦の勃発”を示唆!! 「文明は終焉する」もはや開戦は想定内か!?
毎年1月末、スイス・ダボスで開かれる「世界経済フォーラム」の年次総会、通称「ダボス会議」であるが、今年は新型コロナウイルスの流行を理由に5月にシンガポールで開催される予定だ。

そこで、本来のダボス会議が開かれていたはずの今月25〜29日、オンライン版のダボス会議「ダボス・アジェンダ」が開催され、各国の首脳や大企業の経営者らが様々なテーマについて話し合っている。

そんな中行われたロシア・プーチン大統領の演説が反響を呼んでいる。

プーチン大統領は現在と1930年代の類似点を指摘し、「第三次世界大戦の予兆がある」と警告を発したのである。米「Bloomberg」(1月27日付)などが報じている。

・Putin Warns of Global Tensions Similar to 1930s in Davos Speech (Bloomberg)

27日、プーチン大統領はオンラインで演説を行った。

その中で、「新型コロナウイルスのパンデミックが世界的な問題と不均衡を悪化させており、経済的不均衡の拡大によって緊張が増している」とし、その状況が1920〜30年代、国際問題の解決に失敗したために第二次世界大戦を引き起こした時代に類似していると指摘した。

「今日において、そのような世界的な激しい戦いは原則として不可能であると願っています。しかし、繰り返しますが、予測不可能かつ制御不能な状況に発展する可能性があるのです」(プーチン大統領)

さらにプーチン大統領は「世界は『万人の万人に対する(all against all)』紛争に陥るリスクがある」と、まるで第三次世界大戦を想起させるような発言もし、第二次世界大戦規模の戦争が起これば「文明は終焉する」とまで述べている。

演者が誰かということを考えれば、その内容は実に恐ろしい予言にも聞こえるが、要するにプーチン大統領が言いたいのは「他国への内政干渉が軍事的リスクを高める」ということだ。

プーチン大統領は今月26日、バイデン米大統領との間に新戦略兵器削減条約(新START)を合意したばかりだが、反体制派活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏に対する暗殺未遂、身柄拘束が国内外で大きな批判にさらされている。

国内の不満や対立から目を逸らすために、他国の内政問題に首を突っ込んでくるなという欧米への牽制でもある。

実は、プーチン大統領のダボス・アジェンダ参加は事前に公開されていなかった。

プーチン大統領が最後にダボス会議で演説したのは2009年のことで、このサプライズ自体が議論を呼ぶものである。

この演説に先立ち、世界経済フォーラムの創設者で会長でもある経済学者クラウス・シュワブ氏は、「ロシアは長年の参加国であり、紛争と差異の時代においては建設的な対話を続けることが重要である」と述べている。

とはいえ、新型コロナウイルスのパンデミックが世界的な緊張を高めているというプーチン大統領の指摘自体は非常に真っ当なものであり、世界レベルで取り組まねばならない喫緊の課題である。

もしその先に第三次世界大戦が待っているとすれば、きっとそれは「文明の終焉」であるに違いない。

おそロシア〜

ワタスはとにかく前から言ってるように今年は戦争の年。

プーチン氏は実は。。。のトップで、かなりの情報を掴んで言ってるのでしょう。

米大統領選の混乱はもっと大きな混乱の序章。
とかなんとか。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-putin-suggest-worldwar3.html

176. 中川隆[-7743] koaQ7Jey 2021年2月04日 10:14:03 : K6muIrSMR2 : TlUudzl6bDUwWlk=[3] 報告

2021.02.04XML
ナワリヌイにつらなるアングロ・サクソンの対ロシア工作
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102040000/


 西側ではロシアの「民主派」として宣伝されているアレクセイ・ナワリヌイがロシアへ戻り、拘束されたが、​ナワリヌイの側近がイギリスの外交官と接触、不安定化工作について話し合う様子が撮影され、それをロシアのメディアが放送​した。相手のイギリス人はMI6(イギリスの情報機関)の人間だと見られている。

 ナワリヌイはエール大学の奨学生となり、同大学で学んでいるが、その手配をしたのはマイケル・マクフォール。バラク・オバマが大統領だった2010年8月、ムスリム同胞団を使って中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させるためにPSD-11を承認したが、その計画を作成したチームのひとりがマクフォール。

 この人物は2012年1月に大使としてモスクワへ着任するが、​その3日後にロシアの反プーチン派NGOの幹部が挨拶に出向いている​。その年の2月にはロシアで大統領選挙が予定されていて、その選挙に対する工作を指揮することがマクフォールの任務だったと考えられている。

 NGOの中には「戦略31」のボリス・ネムツォフとイーブゲニヤ・チリコーワ、「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」のレフ・ポノマレフ、選挙監視グループ「GOLOS」のリリヤ・シバノーワらがいた。

 戦略31はNEDから、モスクワ・ヘルシンキ・グループはNEDのほかフォード財団、国際的な投機家であるジョージ・ソロス系のオープン・ソサエティ、そしてUSAIDから、GOLOSもやはりNEDから資金を得ている。

 CIAには秘密工作を実行するための資金を流す仕組みが存在する。定番のルートがNED(国家民主主義基金)やUSAID(米国国際開発庁)だ。NEDは1983年にアメリカ議会が承認した「民主主義のための国家基金法」に基づいて創設された組織で、政府から受け取った公的な資金をNDI(国家民主国際問題研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターへ流しているのだが、そうした資金がどのように使われたかは議会へ報告されていない。CIAの活動内容を明らかにすることはできないからだ。USAIDもクーデターや破壊活動などCIAの秘密工作で名前が出てくる。

 アメリカの私的権力は1991年12月のソ連消滅で自分たちの国が唯一の超大国になったと考え、他国に配慮することなく侵略戦争を行い、世界を制覇できると考えた。そして作成されたのがウォルフォウィッツ・ドクトリンだが、そのプランは21世紀に入って大きく揺らぐ。ウラジミル・プーチンを中心とする勢力がロシアを曲がりなりにも再独立させることに成功したのだ。

 ロシアでナワリヌイは支持されていないが、西側ではロシアに対する攻撃を正当化するために利用されている。大多数のロシア人には相手にされない戯言でも西側では信じる人が少なくないだろう。

 イギリスのロシアに対する工作は遅くとも20世紀の初頭から行われている。例えばイギリス外務省は1916年にサミュエル・ホーアー中佐を中心とするMI6のチームをロシアへ送り込んでいる。その中にステファン・アリーとオズワルド・レイナーが含まれていた。

 アリーの父親はロシアの有力貴族だったユスポフ家の家庭教師で、アリー自身はモスクワにあったユスポフの屋敷で生まれている。レイナーはオックスフォード大学時代からフェリックス・ユスポフの親友。イギリスはロシアをドイツとの戦争に引きずり込もうとしていた。

 ロシアの産業資本やユスポフは戦争に賛成していたが、皇后やグレゴリー・ラスプーチンという修道士は戦争に反対、ラスプーチンはイギリスにとって邪魔な存在だ。ラスプーチンの背後には大地主がいた。

 そうした対立の中、皇后は1916年7月13日にラスプーチンへ電報を打つが、それを受け取った直後にラスプーチンは見知らぬ女性に腹部を刺されて入院。8月17日に退院するが、その前にロシアは参戦していた。

 そして1916年12月16日、ラスプーチンは暗殺される。川から引き上げられた死体には3発の銃弾を撃ち込まれていた。最初の銃弾は胸の左側に命中、腹部と肝臓を貫き、2発目は背中の右側から腎臓を通過。3発明は前頭部に命中し、これで即死したと見られている。暗殺に使用された銃弾はイギリスの軍用拳銃で使われていたものだ。

 暗殺したのはユスポフを中心とする貴族グループだとされているが、このグループはMI6のチームと接触していた。イギリスのお抱え運転手だったウィリアム・コンプトンの日記によると、彼はレイナーをユスポフの宮殿へ1916年の10月の終わりから11月半ばにかけて6回にわたり運んだという。またユスポフは1916年12月19日にレイナーと会ったと書き残している。(Joseph T. Fuhrmann, “Rasputin,” John Wiley & Son, 2013)

 ロシアでは1917年3月に二月革命があり、大地主は権力の座から陥落して産業資本家を後ろ盾とする臨時革命政府が成立した。この政府は戦争を継続、ドイツは両面作戦を続けなければならなかった。そこで目をつけたのが即時停戦を主張していたボルシェビキだ。

 二月革命に際、ボルシェビキの指導者は国外に亡命しているか、刑務所に入れられていて、例えば、レーニンはスイスにいた。そうしたボルシェビキの幹部32名をドイツは「封印列車」でロシアへ運んだ。レーニンが帰国したのは1917年4月。その後、紆余曲折を経て11月の十月革命でボルシェビキ政権が誕生、ドイツとの戦争を止める。

 しかし、ドイツ軍は迅速に部隊を西側へ移動させられなかったことから1918年11月には敗北する。その3カ月前にイギリス、フランス、アメリカ、そして日本などはロシア(ソ連)に軍隊を派遣して干渉戦争を始めた。

 そうした経緯があるため、その後もドイツとソ連との関係は悪くなかった。ボルシェビキと米英の金融資本を強引に結びつけようとする人びとがいるが、それよりはるかに強くユニポフを中心とするロシア貴族やケレンスキーの臨時革命政府は結びついていた。この結びつきを現在の西側を支配している勢力は秘密にしたがっている。

 ソ連とドイツとの関係を破壊したのはアドルフ・ヒトラーだ。第2次世界大戦でドイツ軍はソ連へ攻め込むが、スターリングラードでの戦闘で大敗、その直後からウォール街の大物、つまりアレン・ダレスたちとナチスの幹部は接触を始め、善後策を協議している。

 アレン・ダレスが君臨していたCIAが世界各地で買収、恫喝、暗殺、クーデターを含む秘密工作を展開してきたことは広く知られている。ダレスが死んだ後も変化はなく、秘密工作の一端は1970年代にアメリカ議会でも明らかにされた。今でもロシアや中国は勿論、中東、東南アジア、東アジア、ラテン・アメリカ、アフリカなど全世界が活動の舞台だ。

 CIAは第2次世界大戦中に活動していたOSS(戦略事務局)の後継機関として設立された。OSSは1942年6月にウォール街の弁護士だったウィリアム・ドノバンを長官として創設されたが、そのモデルはイギリスの機関だった。特殊工作はSOE(特殊作戦執行部)、通常の情報活動はMI6に基づいて組織されている。

 ドノバンは巨大化学会社デュポンの顧問弁護士を務めていたが、その時の同僚弁護士のひとりがアレン・ダレス。この関係でドノバンはダレスををOSSへ誘い、特殊工作を担当するSOを指揮させた。それ以降、ダレスはアメリカにおける秘密工作のトップとして君臨する。この時からアメリカの情報機関は金融資本と緊密な関係を維持している。

 SOEは1940年にイギリスの首相だったウィンストン・チャーチルの命令で創設され、初代長官は保守党の政治家だったフランク・ネルソンが選ばれた。1942年に長官はチャールズ・ハンブローに交代するが、この人物はハンブロー銀行の人間だ。チャーチルは親の代からロスチャイルド家と緊密な関係にあるが、ハンブローとも親しかった。

 大戦後、OSSは廃止される。アメリカでは平和時に情報機関を持つべきでないとする意見があったが、情報の収集と分析だけにするという条件で1947年7月にポール・ニッツェの執筆した国家安全保障法が発効、9月にCIAは創設された。

 大戦中の1944年、イギリスのSOEとアメリカのSOは西ヨーロッパでドイツ軍と戦っていたレジスタンスに対抗するため、ジェドバラというゲリラ戦の部隊を編成する。レジスタンスの主力はコミュニストだったからである。後にベトナム戦争で住民皆殺し作戦のフェニックス・プログラムを指揮、CIA長官にもなったウィリアム・コルビーもジェドバラに所属していた。

 大戦後にジェドバラも廃止されるが、メンバーの一部は軍の特殊部隊へ流れるが、破壊活動を目的して秘密裏に組織されたOPCの幹部にもなる。この機関は1950年10月にCIAと合体、その翌年の1月にアレン・ダレスが秘密工作を統括する副長官としてCIAへ乗り込んだ。OPCが核になって1952年に作られたのが計画局である。

 この部署はCIAの「組織内組織」になり、今ではCIAを乗っ取ったような形。さらに国務省など政府内に触手を張り巡らせ、政府の外部にも「民間CIA」のネットワークが存在するが、その頭脳は今でもウォール街にあるはずだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102040000/

177. 中川隆[-7003] koaQ7Jey 2021年2月28日 19:34:23 : 1vS4Oaq6as : UVJJTWxKQ3EwUUU=[30] 報告
バイデンが狙う「グレート・リセット」で格差定着。プーチン猛反発で米ロ衝突必至か=高島康司 2021年2月28日
https://www.mag2.com/p/money/1024406

バイデン政権とダボス会議などが提唱する構想「グレート・リセット」は、一見するとよいプランに思える。しかし、環境破壊や格差拡大を進めてきた元凶たちが自らつくりあげたグローバル経済をリセットし、また新たなグローバルな体制へと置き換える構想だ。ロシアのプーチンはこれを強く批判している。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

【関連】バイデンの背後にいる勢力とは?主導権はリバタリアンからCFRへ、米国はトランプ以上の分断に向かうのか=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1017263

バイデンのアジェンダは「グレート・リセット」か

バイデン政権と「ダボス会議」などが提唱する構想、「グレート・リセット」との関係について解説したい。

バイデン政権の背後にいる「CFR」や、それと連動して動いていると思われる「ダボス会議」が目標にする「グレート・リセット」は、いったいなにが問題なのだろうか?

その中身を一見すると、非常によいプランのようにも思える。だが、その問題点を追求すると、「グレート・リセット」の本質が見えてくるのだ。

【関連】「グレートリセット」が起こす資本主義の大転換。遂に見えた具体的な中身=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1019624


「CFR」と「ダボス会議」は徹底した新自由主義
「グレート・リセット」のコンセプトの重要な柱になっているのは、地球温暖化ガスの排出抑制による地球環境の回復、そして社会不安の背景になる極端な格差の解消である。

これはもっともなことだ。これらがこの構想の柱である限り、「グレート・リセット」は強い説得力と合理性を持つ。反対するのは難しい。

いまの地球環境の破壊の水準はすでに臨界点に達しており、早急の対処しないと2030年くらいには多発する大規模自然災害から資本主義の社会体制のみならず、現代文明の基礎さえ侵食され、種としての人類そのものの持続可能性すら問題になってこよう。

「グレート・リセット」が提示するような、現代の資本主義の抑制のない拡大にストップをかけられる根本的な転換が必要なことは間違いない。

さらに、環境問題とともに、社会的格差の極端な拡大も深刻な問題となっており、新型コロナウイルスのパンデミックによって既存の資本主義の矛盾が拡大し、一層可視化した現在では、リセットは必要だろうと思われる。

だが「グレート・リセット」が、「CFR」や「ダボス会議」という既存の支配勢力によって実施されることが問題なのだ。


「CFR」が設立された理由は、ある目標を実現するためであった。それは、主権国家による世界秩序を超越した「世界政府」の樹立である。「CFR」と密接に連携している「ダボス会議」も、この目標を共有するコンセンサスを得ていると思ってよいだろう。

では、「CFR」などはこれまでどのようにして「世界政府」の樹立などという一見奇想天外に見える目標の実現にこれまで動いてきたのだろうか?

実はグローバリゼーションの推進こそ、この目標を実現する方法であった。これは「CFR」が発行する外交誌、「フォーリン・アフェアーズ」の過去の記事を見ると明確だ。

グローバリゼーションとは、国家が障壁とならない自由な貿易を徹底して推進し、資本が国境を越えて世界のあらゆる地域に投資できる状態のことである。

この原則にしたがうと、社会保険や失業保険、そして生活保護などのセイフティーネットは労働力のコストを引き上げ、投資の効率を悪くする要因として嫌煙された。また健康保健などの国民生活を保護するシステムや、電気や水道など公的部門が管理する社会インフラは、高いリターンを求めて世界を移動する資本が投資できる領域として民営化するべきだとされた。

グローバリゼーションが拡大する世界では、国民の生活を守るために政府が導入したさまざまな制度や規制は、投資の自由を阻害する障壁として攻撃の対象になった。

社会と経済の大部分の運営は、資本が主導する市場原理にゆだねられるべきで、国家はこれに介入すべきではないとされた。国家の権限は、資本の投資の自由に介入できないように、徹底して縮小されるべきことが主張された。これはまさに、国家と政府の力が縮小され、グローバルな資本が形成する世界的なネットワークに埋め込まれる状態のことを指している。これがグローバリゼーションの中身である。

つまり、グローバリゼーションの進展によって主権国家の力を弱め、グローバルな資本が支配し運営する体制に世界を転換させることが、「CFR」が主張する「世界政府」樹立への第一歩であるとされていたのだ。

事実、2008年の金融危機が発生する以前のグローバリゼーション全盛の時代では、国家の消滅こそ未来の方向性であると普通に主張されていた。

「CFR」の核となる企業が、「ゴールドマン・サックス」、「JPモーガン」、「モーガンスタンレー」、「シティ」、「バンク・オブ・アメリカ」、「ムーディーズ」などの国際的な金融資本、また「グーグル」や「フェースブック」、「AT&T」などの大手IT・通信企業、さらに「エクソンモービル」や「シェブロン」などの国際エネルギー企業などであることを見ると、グローバリゼーションの促進で国家と政府の規制が弱められ、世界のあらゆる地域が彼らの自由な投資領域として確保されることは、まさに「CFR」の利害に合致している。もちろんこれらの企業は、「ダボス会議」にも名前を連ねている。

要するに、グローバリゼーションの促進による新自由主義こそ、「世界政府」樹立に向けての方途だったということだ。


世界の歪みを作った元凶が「グレート・リセット」を主導
これはつまり、限界にまで達した地球温暖化と環境破壊、そして社会の安全弁である中間層の没落と社会を不安定にする極端な格差拡大など、いま「グレート・リセット」で解決されるべき問題の対象とされている矛盾そのものを作ってきた張本人こそ、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力であることを意味している。

端的にいえば「グレート・リセット」とは、彼らが推進してきたグローバル経済をリセットし、新たなグローバルな体制へと置き換える構想なのだ。

地球環境の配慮など、持続可能な資本主義のコンセプトにシフトすることなど評価される点も多い。しかし、基本的に「グレート・リセット」は、「第4次産業革命」の高度なITテクノロジーの導入による社会の新しい統治形態だと思われる。それは高度管理社会といってもよいようなものだ。

これを世界のどの地域にも適用可能なグローバルなシステムとして提案するのが、「グレート・リセット」の中身ではないだろうか? それは、民主主義と市場原理のように、世界のすべての地域で導入すべきユニバーサルな社会モデルであろう。

これを主張しているのが、現在のグローバリゼーションを推進してきた中心的な勢力なのである。

今度は彼らは、グローバルな資本主義体制を乗り越える新しい社会体制への転換を主張している。

すると「グレート・リセット」というのは、社会矛盾の爆発によって既存の支配勢力が民衆の怒りのターゲットとなり、自分たちが排除される前に、新しい社会状態を先行して導入し、支配勢力としての地位を継続して維持するために行っていることなのではないだろうか?

そのような疑念が出てきても不自然ではない。

プーチンの「ダボス会議」での批判
この疑念を端的に表現しているのが、ロシア大統領のプーチンだ。

今年の1月22日に行われた「ダボス会議」のオンラインスピーチでプーチンは以下のように述べ、「グレート・リセット」のアジェンダを進める勢力をやんわりとだが、的確に批判した。

まずプーチンは、新型コロナウイルスのパンデミックで、社会的格差が拡大して社会不安が広がり、多くの国が危機的な状況に追い込まれた事実を指摘した。だが、こうした問題を引き起こしたのはパンデミックではなく、アメリカが推進してきたグローバリゼーションであるとして、次のような批判を展開した。

「このようなグローバルな社会経済的な不均衡は、1980年代から続けられてきたドグマ的、ないしはがさつな政策の直接的な結果である。この政策はいわゆる『ワシントン・コンセンサス』の暗黙のルールに基づいている。これは規制緩和、ならびに富裕層と企業への減税を条件に民間の債務を増やし、経済成長を最優先した政策だ」

そして、現在の社会的不均衡は、実は新自由主義のグローバリゼーションが引き起こしたものであり、新型コロナウイルスのパンデミックはすでに存在している問題を拡大しただけだったと主張する。

「先に私が述べたように、新型コロナウイルスのパンデミックはこれらの問題を一層悪化させただけだった。昨年、世界経済は第2次世界大戦以降で最大の経済停滞を経験した。7月には、500万の仕事が労働市場から失われた。これはとれも大きく、そして憂慮すべき数字だ。昨年の9カ月間だけで、3.5兆ドルの収益が失われた。この数値はさらに拡大しており、それとともに社会的な緊張は高まっている」

プーチンは、現在どの国でも危機的な状態にまでなっている格差などの社会的不均衡の真の原因は、「ワシントン・コンセンサス」による際限のないグローバリゼーションであると指摘する。

「ワシントン・コンセンサス」とは、各国の規制を徹底的に緩和し、資本の移動と投資の自由を保証した新自由主義のルールである。これこそ、「世界政府」を樹立するカギとして「CFR」や「ダボス会議」が長い間推進してきた理念である。

このグローバリゼーションを推進した欧米の責任をプーチンは問い正したのだ。

プーチンは「巨大IT企業」を強く批判
次にプーチンは、「第4次産業革命」の負の側面を指摘する。「第4次産業革命」のAIなどの高度なITテクノロジーは、「ダボス会議」が提唱する「グレート・リセット」の中核になるコンセプトだ。

「しかし、このプロセスは新たな構造変化をもたらしているが、私は特に労働市場について考えている。これは、国家が効果的な対策を講じない限り、非常に多くの人々が職を失う可能性があることを意味している。これらの人たちの多くは、現代社会の基盤である中産階級の人たちだ」

そして、職を失った人々の高まる不満は社会を危機に陥れるかもしれないと警告する。

「構造的な社会経済的問題は、特別な注意と真の解決策を必要とするような社会的不満を呼び起こしている。彼らが無視されたり、隅に押し込められたりするかもしれないという危険な錯覚は、深刻な結果を招く恐れがある」

この危機は社会の分裂となって現れるという。

「この場合、社会は政治的にも社会的にも分裂することになる。これはかならず起こる。なぜなら、抽象的な問題や人々が持つ政治的な見解ではなく、実際の問題に人々は不満を持っているからだ。分裂はかならず起こる。現実の問題は不満を呼び起こすのだ」

次に、「第4次産業革命」を主導している巨大IT企業を強く批判する。

「もう1つ重要な点を強調しておきたい。現代のテクノロジーの巨人、特にデジタル企業が社会生活の中で果たす役割が大きくなってきている。特にアメリカの選挙キャンペーン中に起こった出来事は、このことをよく表している。これらの企業は単なる経済的な巨人ではない。いくつかの分野では、事実上、国家と競合している。これらの企業は何十億人ものユーザーで構成されており、生活のかなりの部分をこれらのエコシステムの中で過ごしている」

「これらの企業の見解では、企業の独占は、技術やビジネスのプロセスを組織化するのに最適であるという。だが社会は、そのような独占が公共の利益に合致しているかどうかを疑問視している」

プーチンは、この巨大IT企業の独占状態は、危険な社会管理をもたらすと警告する。

「グローバルビジネスの成功、オンデマンドサービス、ビッグデータの統合と、社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試みとの間の境界線はどこにあるのだろうか。我々はいま、アメリカでこれらの現象をすべて見ているが、いま私が何を言っているのか、誰もが理解しているはずだ。今回のイベントの参加者も含めて、圧倒的多数の人がこの立場を共有していると確信している」

プーチンのスピーチに「グレート・リセット」という言葉が出てくるわけではない。

しかしプーチンは、「CFR」と「ダボス会議」が推進してきた際限のないグローバリゼーションを、社会を分裂させる最大の要因として批判し、また「グレート・リセット」の中心にある高度なITテクノロジーを、「社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試み」として断罪する。

プーチンの主張「新ユーラシア主義」
このように、プーチンのグローバリゼーションや「第4次産業革命」による社会管理に対する疑念ははっきりしている。

これを推進してきたのは、まさに「CFR」や「ダボス会議」などに結集し、独自のアジェンダを追求している欧米の支配勢力である。彼らが提示する次のアジェンダこそ、ITによる社会管理を全面的に取り入れた新しい社会状態への「グレート・リセット」だ。プーチンのこれに対する疑念も深いはずだ。

一方プーチンは、グローバリゼーションや「グレート・リセット」に対抗するビジョンを主張しているようにも見える。それは、「新ユーラシア主義」とも呼ばれる思想だ。

これは「グレート・リセット」に反対する多くの民衆の結集軸にもなっている思想だ。これを少し見て見よう。

もともと「新ユーラシア主義」とは、1917年のロシア革命の後、西欧諸国に亡命したロシアの知識人から生まれた「ユーラシア主義」を、現代的に引き継いだ思想である。

「ユーラシア主義」とは、著名な言語学者のニコライ・トュルベツコイが1921年に最初に提唱した思想だ。トュルベツコイは、ロシアはアジアでもヨーロッパでもない独自の「ユーラシア国家」としての文化的なアイデンティティーを基本的に有しているので、自立した個人の活動を前提にする西欧流の資本主義の方向性は追求すべきではないとした。むしろ、民衆に寛容な優しい全体主義こそ、「ユーラシア国家」が目指すべきものとされた。

モスクワ大学政治学部の教授であり、プーチンのアドバイザーでもあったアレクセイ・ドゥーギン博士は、この「ユーラシア主義」を「新ユーラシア主義」として改めて現代に蘇らせた。

それぞれの文化圏の独自性を尊重すべき
ドゥーギン博士の「新ユーラシア主義」の思想はさほど複雑なものではない。それぞれの国の文化は独自な価値を有しているので、この文化的な価値を尊重し、それに基づく社会システムを形成すべきだとする主張だ。

ドゥーギン博士は、20世紀までは、1)自由民主主義、2)マルクス主義、3)ファシズムという3つの思想が社会形成の基礎となる思想として存在していたという。しかし21世紀になると、マルクス主義もファシズムを姿を消し、「自由民主主義」が唯一の思想として残った。

自由民主主義は、市場経済と民主主義という2つの基礎をもつ。現代の世界は、このシステムがあまりにグローバルに拡大したので、だれも「自由民主主義」をイデオロギーとしては認識せず、自明の常識として理解している。このため、それぞれの文化圏が本来もつ独自な社会思想は無視され、どの文化も、市場経済と民主主義というまったく同一の鋳型にはまらなければならない状況になっている。これが、グローバリゼーションがもたらす悪しき統一性である。

「CFR」が目標にしている「世界政府」の樹立は、世界をこうした単一の価値観で統一することが前提になっている。また「グレート・リセット」の社会状態も、高度なITによる統治など、どんな社会にも適用可能な同一のシステムを模索している。

これほど、それぞれの文化圏の独自性を無視する思想はない。どの文化圏も、その文化に独自な社会思想を基盤にしてユニークな社会を構築する権利がある。この権利を追求し、グローバルな「自由民主主義」に対抗する第4の思想の潮流こそ「新ユーラシア主義」である。

「ユーラシア」は、アジアでもなく、またヨーロッパでもない独自な価値と社会思想が伝統的に存在している地域である。その価値と思想は、多民族的で多文化的であり、多くの民族のバランスの元に成り立つものだ。

ロシアは、このユーラシア的価値の守護者として振る舞い、どこでも同じ価値を強制する「自由民主主義」とグローバリゼーションに対抗しなければならない。そして、ロシアが「新ユーラシア主義」の守護者となることで、中国は中華文化圏の、ヨーロッパは欧州文化圏の、そして北米は北米文化圏のそれぞれまったく独自な価値を社会思想として追求し、それぞれ独自な社会を構築することができる。

これが、アレクセイ・ドゥーギン博士が提唱する「新ユーラシア主義」だ。プーチンの数々のスピーチにもこの思想は強く現れている。プーチンはこの思想を根拠に、欧米の、そしてなかんずくその中核にいる「CFR」や「ダボス会議」が推進しているアジェンダを批判する。

拡散する「新ユーラシア主義」
また、このような「新ユーラシア主義」がプーチンの独自な思想という個別的な水準に止まっているわけではない。

ヨーロッパの極右や極左のみならず、格差の発生や伝統的な社会秩序の解体など、欧米流の規制のない市場経済と民主主義のグローバルな拡大がもたらした負の効果に憤っているあらゆる党派や集団を強く引き付けている。伝統的な文化とその価値こそもっとも貴重なものであり、これに基づいた社会こそ、安定した社会であるとする思想なのだ。

こうした「新ユーラシア主義」は、プーチン大統領の外交政策の基本方針でもある。そのため、プーチン大統領こそ、あらゆる勢力から新しい第4の思想的な潮流の守護者として称賛されている。

「新ユーラシア主義」は、グローバリゼーションや「グレート・リセット」という、いわば文化的な独自性を無視して同一のルールと統治機構を押し付ける動きに反対する結集軸になりつつある。

このようなニュアンスは、先に引用したプーチンのダボスオンライン会議における発言にも現れている。

バイデン政権の最大の敵はロシア
もしバイデン政権が、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力の影響力が強く、「グレート・リセット」の実現を目指した政権であるなら、こうした勢力の推進する構想に強い疑念を持つプーチンのロシアは、バイデン政権がもっとも警戒する相手であることになる。

反「CFR」でナショナリストのトランプ政権は、ロシアとの関係が良好であるとはかならずしもいえない側面はあったが、特にロシアと緊張した関係にはなかった。トランプ個人とロシアとのビジネス関係も深く、友好な関係であったことも背景にはあっただろう。

しかし、バイデン政権はロシアと鋭い緊張関係になる可能性は極めて高い――

178. 中川隆[-6948] koaQ7Jey 2021年3月03日 15:39:02 : MInco8EFHg : VWhTdHJaQ0UzS28=[11] 報告
2021.03.03
バイデン政権の対ロシア戦争は対EU戦争でもある
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103030000/


 ​アメリカはロシアに対する新たな「制裁」を課そうとしていると伝えられている​。今回、その口実として利用されているのはアレクセイ・ナワリヌイを巡る話だ。西側では「民主派」として宣伝され、一部の人にからはスター扱いされているナワリヌイだが、ロシアでの支持率は2%にすぎない。ロシア人からは相手にされていないのだ。

 そのナワリヌイは2013年7月にロシアの法廷で横領執行猶予付きの有罪判決を受け、翌年にも別の件で有罪になった人物。ところが執行猶予の条件を破って出国、今年1月17日に帰国、逮捕、収監された。今年2月2日に懲役3年半が言い渡されたが、自宅に軟禁されていた期間が除かれるので、実質は2年半になる。

 不法出国の理由として「神経ガスによる攻撃」が宣伝されている。つまり、2020年8月20日にシベリアのトムスクからモスクワへ航空機で移動しているときにナワリヌイは倒れて昏睡状態になり、シベリアの都市オムスクへ緊急着陸、そこの病院で治療を受けて回復したのだ。その直前、彼は側近6名を伴ってシベリアを訪問していた。

 回復したナワリヌイを彼の側近はドイツへ不法出国させ、そこから「神経ガス」キャンペーンが始まる。毒を盛られたと最初に主張したのはドイツ軍の研究機関。「ノビチョク(初心者)」なる神経ガスが使われたとも言われているが、その毒性は別の神経ガスVXの10倍だと宣伝されている。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムなので、ノビチョクは1ミリグラムということになる。大変な毒薬のように思えるが、なぜか人を殺すことができない。

 今年2月5日にジョセップ・ボレルEU外務安全保障政策上級代表(外相)がモスクワを訪問、セルゲイ・ラブロフ露外相と会談したが、その際にボレルはナワリヌイを釈放するように求め、ラブロフに軽くあしらわれている。ボレルは帰国後、対応が甘かったと批判されたが、その背後にジョー・バイデン政権を操っている私的権力がいるだろう。

 ナワリヌイ自身、アメリカの私的権力と深く結びついている。彼はアメリカのエール大学で奨学生として学んでいるが、この留学を手配をしたのはマイケル・マクフォール。2012年1月には大使としてモスクワに赴任するが、​その3日後にロシアの反プーチン派NGOの幹部が挨拶に出向いている​。2月に予定されていたロシアの大統領選挙に対する工作を指揮することが任務だったと見られている。その2年前の8月、ムスリム同胞団を使って中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させるためにPSD-11をバラク・オバマ大統領は承認したが、その計画を作成したチームにマクフォールは含まれていた。

 また、ナワリヌイの妻の父親、ボリス・アブロシモフはロンドンにおけるロシア人の財産を管理している銀行家で、元KGB。ロシアの富豪で元KGBのアレクサンダー・レベデフの同僚だという。

 ナワリヌイはビル・ブロウダーという人物から資金援助を受けてきたと言われている。ブロウダーはシカゴで生まれたが、ボリス・エリツィン時代にヘルミテージ・キャピトルをロシアで設立して大儲けした。エリツィン時代にはクレムリンの腐敗勢力と手を組んでロシア国民の資産を盗み、巨万の富を手にした若者がいる。オリガルヒだ。その背後にはミハイル・ゴルバチョフを操っていたKGBの上層部が存在、そのひとりがKGBの頭脳と言われ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだとされている。こうしたKGBの腐敗分子はジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIA人脈とつながっていた。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 不正な手段で手に入れた資産をロシアから持ち出すために使われた銀行の中にリパブリック・ナショナル銀行ニューヨークがある。この銀行を創設したエドモンド・サフラはプラウダーと共同でヘルミテージ・キャピタル・マネージメントなる会社を創設した。

 1991年12月にソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)には2000トンから3000トンの金塊が保管されていたが、400トンに減っていることが判明した。CIAとKGBの腐敗グループが盗んだと見られているが、その金塊横領でもサフラの名前が出てくる。なお、この金塊の行方を追った金融調査会社のジュールズ・クロール・アソシエイツは不明だとしているが、この調査会社とCIAとの緊密な関係は有名だ。

 ヘルミテージ・キャピタルはモスクワの法律会計事務所ファイアーストーン・ダンカンと契約、その事務所で税金分野の責任者だったのがセルゲイ・マグニツキー。この人物を弁護士だとする人もいたが、実際は会計士だ。受託者はHSBC(昔は香港上海銀行と呼ばれた)だった。

 ​ECHR(欧州人権裁判所)が2019年8月に出した判決​によると、捜査対象になっていたマグニツキーがイギリスのビザを請求、キエフ行きのチケットを予約、しかも登録された住所に彼が住んでいないことが判明したためだという。その捜査は正当なもので、政府高官の不正をマグニツキーやブラウダーが主張し始める数年前から当局はふたりを脱税容疑で調べ始めている。そして2009年11月、マグニツキーは獄中で死亡した。

 マグニツキーは心臓に持病があり、適切な医療が受けられなかったと考えられているが、彼の妻も直接的な死因は心臓病だと考えているようだ。(Andrey Nekrasov, “The Magnitsky Act. Behind the Scenes,” 2016)適切な医療が受けられなかった可能性が高いのだが、それはロシアの刑務所におけるシステム的な問題。マグニツキーの事件だけの個別的な問題ではない。

 この死を利用してブラウダーは反ロシアの法律をアメリカで制定することに成功、さらに宣伝映画を作ろうと決める。そこで監督として雇われた人物がプーチンに批判的なことで知られていたアンドレー・ネクラソフだ。

 ところが、調査を進めたネクラソフはブラウダーの話が事実に反していることに気づく。不正を内部告発したのはブロウダーの会社で働いていた女性で、脱税はブロウダーが行っていたという事実を知ったのだ。しかも、その不正にマグニツキーは金庫番として関わっていたことも判明した。ネクラソフはその事実をドキュメンタリーの中に盛り込んだためにブロウダーと対立、作品を西側で公開することが困難になる。

 ブラウダーは2013年7月に脱税で懲役9年の判決を受け、ロシア当局は2017年10月にブラウダーを国際手配。それにアメリカ議会は反発、インターポールはロシアの手配を拒否した。

 ところで、ナワリヌイのシベリア訪問に同行、ただひとりロシアの警察による事情聴取要請を拒否して2020年8月22日に出国したマリーナ・ペブチフという女性がいる。1987年にロシアで生まれ、イギリスの永住権を持っている。

 ロシアでの報道によると、ペブチフがナワリヌイの活動に合流したのは2009年で、その当時、イギリスの国会議員のアシスタントをしていた。2010年にはモスクワ・ロモノソフ大学を卒業、現在はイギリスやオーストラリアで書店チェーンを経営している。彼女は反ウラジミル・プーチンの富豪、ミハイル・ホドルコフスキーやイエブゲニー・チチバルキンと親しいと言われているので、資金的な後ろ盾はしっかりしているのだろう。

 ジョー・バイデン大統領はジョージ・W・ブッシュ政権やバラク・オバマ政権と同様、ロシアへの経済戦争を激化させようとしているわけだが、これはEUに対する圧力でもある。EUを完全に従属させようとしているのだろう。COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)のパンデミック騒動で政治経済が麻痺し、余裕がなくなっている現在は絶好のタイミングだとアメリカの私的権力は考えているだろう。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103030000/

179. 中川隆[-6471] koaQ7Jey 2021年3月20日 10:56:46 : LRGR9xOt0w : SElKY3RQejZJUFE=[20] 報告
2021.03.20
世界経済の死滅を待つハゲタカ・ファンドと黒幕の金融資本
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103200000/


 経済麻痺の段階から経済死滅の段階へ移行しつつあるように見える。そうした状況を作り出しているのは「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)対策」にほかならない。

 経済システムが死ぬと経済ハゲタカが群がってくる。その背後にいるのが強大な金融資本、つまり私的権力だ。1990年代の後半から日本でも暗躍したが、その正体を知るにはその前、1991年12月にソ連が消滅した後のロシアを見るべきだろう。

 ソ連では1980年代に最高指導者が次々と入れ替わった。1982年11月にレオニード・ブレジネフが75歳で死亡した後、84年2月にはユーリ・アンドロポフが69歳で、85年3月にはコンスタンチン・チェルネンコが73歳でそれぞれ死亡している。その次がミハイル・ゴルバチョフだ。ゴルバチョフは「改革」に乗り出すが、それを考え出したのはKGBの頭脳とも言われ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだとされている。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 ボブコフはKGBの同僚だったアレクセイ・コンドーロフと同じように、ジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIAのネットワークと連携していたとする情報がある。ボリス・エリツィンはコンドーロフに引き上げられた人物だ。ボブコフやコンドーロフの上にいたのが1982から88年にかけてKGBの議長を務めたビクトル・チェブリコフだとされている。こうしたCIA人脈とKGBの中枢がソ連を消滅させ、解体して資産を盗むことになる。(前掲書)

 ブッシュはウォール街から出てきた人物である。母方の祖父は「A・ハリマン」の社長を務めていたジョージ・ハーバート・ウォーカー。その娘と結婚したプレスコット・ブッシュが父親だ。プレスコットは1924年にA・ハリマンの副社長に就任した。

 A・ハリマンはその名の通り、ハリマン一族の会社。その一族とプレスコットは親しく、W・アベレル・ハリマンと「ユニオン・バンキング」という銀行を1942年に設立している。その名目はドイツ企業との手形交換業務だが、ナチスを資金面から支えることが目的だったとも言われている。​このユニオン・バンキングとブラウン・ブラザーズ・ハリマンはドイツへ金、燃料、鉄鋼、石炭、アメリカの財務省証券などを運んだ​と伝えられている。

 その頃、アレン・ダレスもウォール街へ足を踏み入れている。プリンストン大学を卒業してから外交官になり、1921年にはイギリスのタイムズ紙やアメリカのニューヨーク・タイムズ紙に「シオン賢者の議定書」は偽書だとする主張を書いている。

 1926年にウォール街の大手法律事務所「サリバン・アンド・クロムウェル」へ入り、27年には「ジュネーブ海軍軍縮会議」に法律顧問として参加している。ちなみに、彼が司法試験に合格したのは1928年のことだ。サリバン・アンド・クロムウェルの顧客の中にはドイツの大手企業も含まれていた。

 プレスコット・ブッシュとアレン・ダレスは同じ時期にウォール街の住人になり、ともにドイツと関係している。こうしたことからふたりは親しくなった。プレスコットの息子であるジョージ・H・W・ブッシュを小さい頃からダレスは知っていただろう。ジョージ・H・Wはエール大学時代にCIAからリクルートされたと言われているが、幼い頃からその道はできていたのではないだろうか。

 ソ連を消滅させるため、エリツィンとロシアのゲンナジー・ブルブリスは1991年12月にウクライナの大統領や首相、ベラルーシのソビエト最高会議議長と首相をベロベーシの森に集めて秘密会議を開き、ソ連からの離脱を決めた。そしてソ連は消滅することになる。ソ連は存続すると考えていた大多数の人びとは対応できず、大混乱に陥る。

 ジョージ・H・W・ブッシュやフィリップ・ボブコフを中心とする米ソの情報機関人脈はソ連を潰して解体、甘い汁を吸った。その手先に使われた若者、例えば、ミハイル・ホドルコフスキー、アレックス・コナニヒン、ロマン・アブラモビッチ、ボリス・ベレゾフスキーたちは巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。混乱に乗じて国の資産を盗みまくったのである。

 ソ連消滅後、略奪の中心にはボリス・エリツィンの娘、タチアナがいた。1996年にボリスはタチアナを個人的な顧問に据えたが、2000年にウラジミル・プーチンから解雇される。それに対し、彼女は2001年にエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚。

 ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒ。彼はナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。

 タチアナの利権仲間であるアナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAの工作資金を流していたUSAIDからカネを得ていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 こうした政策に議会は反発、1993年3月に立ち上がるのだが、国民の意思ではなく西側巨大資本の命令に従っていたエリツィンは国家緊急事態を宣言、9月に議会を解散し、憲法を廃止しようとする。議員側はエリツィンの行為はクーデターだと非難、自分たちの政府を樹立すると宣言して少なからぬ議員が議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもるのだが、エリツィン大統領は戦車に議会ビルを砲撃させた。議会ビルに立てこもって殺された人の数は100名以上、議員側の主張によると約1500名に達するという。プーチン時代になって腐敗勢力は弱体化したが、一掃されたわけではない。

 エリツィン時代のクレムリンは西側の巨大資本と結びついた犯罪組織に支配され、街は犯罪者と売春婦であふれたと言われている。国が破綻するとよく見られる光景だ。「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)対策」によって、そうした状況が世界規模で作られる可能性がある。世界の富を独占しようとしているとも言える。

 パンデミック騒動で少なからぬ国がロックダウン(監禁)策をとり、社会の収容所化が進んでいる。生産活動や商業活動は麻痺、個人経営の店や中小企業を中心にして経営状態が悪化し、倒産に追い込まれるケースも少なくない。必然的に失業者が増え、ホームレス、そして自殺者を増加させることになった。働き、集うことが「ノーマル」ではなくなり、公的な情報を知る権利、あるいは表現する自由などが奪われつつある。

 そうしたパンデミックを利用して「資本主義の大々的なリセット」をするとWEF(世界経済フォーラム)の創設者、クラウス・シュワブは宣言した。そのプランを実行する主体になりそうな団体がリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドを中心とする「包括的資本主義会議」だ。その障害になりそうなロシアや中国と戦争を始めることも考えられる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103200000/

180. 中川隆[-5084] koaQ7Jey 2021年4月30日 18:51:28 : Syi6PHY6rg : TVNaODVwaVM2U00=[3] 報告
【LIVE 4/30 16:00〜】宮崎正弘の生インタビュー 生放送 #8 プーチンのハイブリッド戦争 ★ゲスト 廣瀬陽子教授(慶應義塾大学)





『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略 』(廣瀬陽子)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065227097/​
(講談社現代新書 / 2021.2.17 発売)
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<廣瀬陽子>ゲスト
日本の政治学者(国際政治・比較政治学・コーカサス地域研究)。
学位は博士(政策・メディア)(慶應義塾大学)。
慶應義塾大学総合政策学部教授・大学院政策・メディア研究科委員。
慶應義塾大学総合政策学部講師、東京外国語大学大学院地域文化研究科准教授、
静岡県立大学国際関係学部准教授、慶應義塾大学総合政策学部准教授などを歴任した。2018年には国家安全保障局顧問に就任。
181. 中川隆[-4515] koaQ7Jey 2021年5月31日 06:02:11 : rm7jvQJ0P2 : bjgwVUxrVURvWi4=[4] 報告
2021.05.31
また明らかになった西側メディアのダブル・スタンダード、またはプロパガンダ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105310000/

 ギリシャのアテネからリトアニアのビリニュスへ向かっていたライアン航空4978便がベラルーシのミンスク国際空港へ緊急着陸、この旅客機に乗っていたラマン・プラタセヴィチなる人物が逮捕された。西側の有力メディアは「ジャーナリスト」というタグをつけているが、「ネオ・ナチの活動家」と表現する人もいる。

 交信記録によると、​4978便に爆弾が仕掛けられているとするリトアニア当局宛ての電子メールが5月23日9時25分(UTC)に送られたところから話は始まる​。CCやBCCで近くの航空当局へも送られたという。9時30分に4978便はベラルーシの領空へ入り、その直後にベラルーシの航空管制から4978便へ爆弾の件が知らされた。旅客機のパイロットは9時47分に緊急事態を宣言、その数分後にミンスクへ向かい始めている。

 5月26日にロンドンを拠点とする「書類センター」が「爆弾の脅迫」の電子メールはミンスク当局からパイロットへ連絡があってから24分後だと「スクリーンショット」付きで発表、西側の有力メディアはその話を垂れ流した。

 この「書類センター」はボリス・エリツィン時代に巨万の富を築いた「オリガルヒ」のひとりで、ジェイコブ・ロスチャイルドやヘンリー・キッシンジャーと関係が深いミハイル・ホドルコフスキーをスポンサーにしている。

 ホドルコフスキーが富豪と呼ばれるようになったのはエリツィン時代だが、ソ連時代から怪しげなカネ儲けに手を出していた。ミハイル・ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)を推進する中、1989年に彼はリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めたのだ。この年、ホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得した。違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 この怪しげなビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーのKGB人脈に助けられて入手できたという。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 ホドルコフスキーは1963年6月に生まれた。父親はユダヤ教徒、母親はロシア正教徒で、ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めている。こうしたポジションにつくことができたのも、KGB人脈があったからだろう。

 ソ連消滅後、ロシアに君臨したのがボリス・エリツィン。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。国民の資産を奪う新自由主義的な政策を推進したグループに属していたということだ。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 石油ビジネスに興味があってユーコスを買収したわけではないと見られている。ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたのだ。つまりロシアにとって重要なエネルギー産業を西側の私的権力へ引き渡そうとしていたのだが、ウラジミル・プーチンに阻止されてしまう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 この一方、ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れた。

 プーチンはオリガルヒに対し、政府に従うことを要求、その要求をのめない人びとはロンドンやイスラエルへ逃亡したが、ホドルコフスキーはロシアへ残ってプーチンと戦う道を選んだ。違法な手段で富を築いたホドルコフスキーが摘発されるのは必然だった。

 そうした背景を持つ団体が出し、有力メディアが流している「証拠」だが、証拠になっていない。スタンプされた時刻はコンピュータがどこにあるかで違うため、そのスクリーンショットが本物だとしても、詳しく調べない限り、「24分」という数字に意味はない。

 また、問題の電子メールは​プロトンメール​というスイスのプロバイダーが提供しているサービスなのだが、このメールは全て暗号化されていることが特徴。会社側の説明によると、読めるのは送信者と受信者だけ。プロバイダーは読むことができず、スクリーンショットを提供することはできない。もし電子メールが本物なら、受信者の誰か、あるいは傍受した情報機関から出たということになる。しかも西側の有力メディアは発表されていない「プロトンメールの声明」が引用されている。

 プラタセヴィチを「ジャーナリスト」と呼べるのかという問題もある。勿論、自分でそう名乗ればジャーナリストだと言えるのだが、この人物がウクライナのネオ・ナチと関係があることは否定できない。

 ウクライナでは2013年からクーデターが始まり、翌年の2月に合法政権が転覆している。このクーデターはバラク・オバマ政権が仕掛けたもので、現場の指揮官はネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補だった。ホワイトハウスの責任者は副大統領だったジョー・バイデンだと言われている。

 クーデター後、ウクライナの軍や治安機関から離脱、反クーデター勢力へ合流する人が少なくなかったようで、キエフのクーデター軍の能力は高くなかった。そこでアメリカの傭兵会社から戦闘員が派遣されたほか、ネオ・ナチの武装勢力が投入された。

 ウクライナ軍に残った兵士やネオ・ナチを訓練するため、オバマ政権はイタリアのビチェンツァを拠点にする第173空挺旅団の兵士290名を送り込んだと伝えられた。

 ネオ・ナチの武装勢力にはアゾフ、ジャガー、オメガの3大隊をはじめ、50大隊ほどが含まれているが、中心的な存在はアゾフ。この武装集団の資金源であるイゴール・コロモイスキーはウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持つ富豪だ。プラタセヴィチはアゾフと行動をともにしていた。​彼の父親は自分の息子は戦闘員だとしている​ようだが、アゾフ側は「ジャーナリスト」として反クーデター軍と戦ったと主張している。

 しかし、西側の有力メディアは「ジャーナリスト」が逮捕、拘留されても沈黙することがある。その典型例がアメリカの政府や有力者による不正行為を明らかにしてきたウィキリークスに対する姿勢。この団体の象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館内でロンドン警視庁の捜査官に逮捕されている。

 ラファエル・コレア時代のエクアドル政府はアッサンジの亡命を認めていたが、2017年5月に大統領がレニン・モレノに交代、このモレノが亡命を取り消したのだ。エクアドルではモレノが汚職で受け取ったカネのロンダリングを行うためにINA投資という名前のペーパーカンパニーを2012年にベリーズで作ったという話がリークされたのだが、その情報が漏れた責任はウィキリークスにあるという理由で亡命を取り消したという。

 また、この亡命取り消しにはIMFも関係していると考えられている。エクアドルに対する融資の条件としてアッサンジの亡命取り消しをIMFは要求、それにモレノは応じたのだというのだ。

 アッサンジがエクアドル大使館へ逃げ込んだ理由は、2010年11月にスウェーデン検察が幹部の判断でアッサンジに逮捕令状を出したからだ。レイプ容疑だが、嫌疑なしということで2017年に捜査は中止され、逮捕令状は取り消されている。

 ところが、イギリスの警察当局はエクアドル大使館の包囲網を解かなかった。その理由はアメリカの司法当局が2011年初めまでにアッサンジを秘密裏に起訴していたからである。この情報は2012年2月にウィキリークスが公表した民間情報会社の電子メールに記載されていたが、その後、公的な文書で確認される。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されている​のだ。

 スウェーデン検察が逮捕令状を出す7カ月前、ウィキリークスは​2007年7月にバグダッドで非武装の十数名をアメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターから銃撃、射殺する様子を撮影した映像​を含む情報を公開している。死亡者の中にはロイターの特派員2名を含まれていた。

 ヘリコプターからは武装集団への攻撃であるかのようにクルーは報告しているが、映像を見れば非武装のグループだということは明白だ。「ジャーナリスト」を名乗るなら無視することのできない衝撃的な情報だった。西側の有力メディアがジャーナリストの集まりなら、この情報を伝えたジャーナリストが逮捕、拘留されていることに激しく抗議しなければならない。

 アメリカの情報機関による不正行為を内部告発したエドワード・スノーデンもアッサンジと同じように「1917年スパイ活動法」で起訴されている。

 スノーデンは2013年5月にNSA(国家安全保障局)の不正行為を示す証拠を持ち出し、香港でジャーナリストのグレン・グリーンワルドへ渡した。アメリカと連携しているイギリスはグリーンワルドのパートナーであるデイビッド・ミランダをヒースロー空港で拘束して尋問しするなど追跡を開始する。

 その一方、NSAとUKUSAを形成しているイギリスの電子情報機関GCHQに派遣された2名が監視する中、グリーンワルドが記事を書いていたイギリスのガーディアン紙の編集者はスノーデンから受け取った情報が記録されたハード・ドライブを破壊させられた。それ以降、ガーディアン紙はイギリスやアメリカの支配者に逆らおうとしなくなる。

 スノーデンはアメリカやイギリスの情報機関が網を張り巡らせている香港から脱出、モスクワへ向かう。そこからキューバへ逃げると見られていたが、そのタイミングでボリビアのエボ・モラレス大統領がモスクワを訪問していた。

 帰国するためにモスクワの空港を離陸したボリビアの大統領専用機はポルトガルで給油する予定になっていたのだが、そのポルトガルが着陸を拒否、やむなくカナリア諸島へ向かおうとしたところ、フランス、スペイン、イタリアが領空の通過を拒み、オーストリアへ着陸せざるをえなくなる。そこで外交のルールを無視して大統領専用機の機内を捜索するのだが、そこにスノーデンはいなかった。その後、スノーデンはロシアで生活することになる。

 プラタセヴィチの件は今後、明らかになってくるだろうが、現時点で言えることは、アメリカとその従属国の政府は自分たちにとって都合の悪い事実を明るみに出した「ジャーナリスト」を逮捕、拘束し、そうした「ジャーナリスト」が乗っている可能性があると思えば大統領専用機でも強制着陸させる。そうした行為を西側の有力メディアに沈黙している。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105310000/

182. 中川隆[-15995] koaQ7Jey 2021年10月15日 19:15:11 : 3arTuvWsoQ : UHhWa0FFaE5VT2M=[37] 報告
「プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいる」ジェームズ斎藤が徹底解説! プーチンとロスチャイルド、ユダヤ、ロシアの真実とは!?
2021.06.22
https://tocana.jp/2021/06/post_212901_entry.html

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】


──先日、プーチン大統領とバイデン大統領の米露首脳会談が行われましたが、何かこの二人に関連するニュースを教えてください。

ジェームズ それでは今回は特にロシアとプーチンについてぜひ知っておいて欲しいことがあります。まず、ロシアという国を見る時は、すべてがフェイクという前提で見ないといけません。もともとフェイクニュースの発祥の地がロシアなんですが、それはロシアそのものがフェイクの国だからです。

──ロシアはまるごとフェイクだと。

ジェームズ そうです。実は、その視点こそがロシアを、ひいてはプーチンを理解する際に凄く重要な点になります。いまのロシアに限らず、ソ連時代、さらにロシア帝国、モスクワ公国、キエフ公国時代からあの国はずっとフェイクだったんです。もちろん、共産党もフェイクです。多くの日本人は良くも悪くもロシアの革命の原動力だったと、共産党のことを考えていますが、全然違います。あれはユダヤ人やタタール人等の非ロシア人によるロシアの乗っ取りです。レーニンもユダヤの血が入っていましたし、トロツキーは生粋のユダヤ人です。

──つまり、フェイクとユダヤが関係しているんですね。

ジェームズ そうです。そもそもロシアという国は帝政時代にはポグロムといって、ユダヤ人をずっと迫害してきたんです。特に18世紀が一番ひどくてユダヤ人村を取り囲んで虐殺を繰り返していました。ユダヤ人たちにはその時の恨みがずっと残っているんです。その中で、ロシア革命が起きているんです。ですから、ロシア革命を単なる共産革命だと思ったらロシアという国を完全に見誤りますね。

──考えてみたら資本論を書いたマルクスがそもそもユダヤ人でした。

ジェームズ マルクスもフェイクです。彼はロスチャイルド家と親戚でかなり裕福な家庭で育ってますからね。

──えっ! そうだったんですか? プロレタリアートの味方じゃなかったんですか!?

ジェームズ まったく違います。彼は資産家でした。これひとつ取っても共産主義を導入したロシアのフェイクぶりが見えてくるでしょう。で、ここで大切なのが、ソ連時代の諜報組織KGBの歴代トップが全員ユダヤ人だと言われていることです。

──KGBまでユダヤなんですか!?

ジェームズ そうです。ということは当然プーチンもユダヤなんです。隠れユダヤです。

──えっ!


ジェームズ いえいえ、驚くことではありません。私のいる諜報の世界では常識ですし、いくつも証拠があります。まず、彼の母親の名字はシャロモビッチというのですが、最後にビッチがつくのはウクライナ系に多く、シャロモはシャロームで、ヘブライ語で平和を意味します。ロシア人ではこういう名前はありません。しかも、プーチンは自伝を書いているのですが、初版では母の名をシャロモビッチと書いています。しかし、第2版からはロシア風のシャロモーバに変えているんです。母親の名前が変わるなんて普通では考えられません。そして彼の父親ですが、タルムードの研究家なんです。

──シャロームにしろ、タルムードにしろ、完全にヘブライ、完全にユダヤ教ですね。

ジェームズ そうです。そしてプーチンの出身地、サンクトペテルブルク、当時はレニングラードと呼ばれていたんですが、彼が生まれたアパート街はユダヤ人居住区だったんです。あとは過去の発言を聞いてみるとソ連を礼賛しているようでいてユダヤを持ち上げることばかり言っています。一番はっきり言ったのは2010年で「私はユダヤ人のためならなんでもやる」と。ですから、プーチン・ユダヤ人説はほぼ確定しています。

──じゃあ、プーチンはユダヤ教の信者なんですね。

ジェームズ いいえ、プーチンは表向きは敬虔なロシア正教徒です。だから、そこもフェイクなんですが、もっと凄いのはロシア正教会自体もフェイクです(笑)。なぜなら、ロシア正教会を運営しているのはFSBという諜報機関だからです。ロシア正教会はソ連時代にKGBが乗っ取っていて、そのあとKGBの後継組織であるFSBが運営しています。事実、いまのロシア正教のトップ、キリル一世はFSBの大物エージェントです。

──FSBが裏で操っているとかじゃなくて。

ジェームズ そうです。ロシア正教会そのものがFSBなんです。ですから、キリルー一世は高額な給料を貰っていて、ベンツのリムジンに乗っていますし、ブレゲの高級銀時計も付けています(笑)。キリルー一世がブレゲを着けて宗教活動をしている画像もあります。これがロシアという国です。大統領がユダヤ教であることを隠して、民族を隠して、宗教が秘密組織そのものという国です。

──いやぁ、徹底的ですね。そういえば、昔、ジェームズさんが言っていた「プーチンは4人いる説」もありましたね。

ジェームズ プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいると言われています。

──逆に本物がいない!?

ジェームズ そうです。ですから、これが一番のフェイクかもしれませんね(笑)。ともかくプーチンという存在はロシアのアイコンでしかありません。敬虔なロシア正教徒として世界のキリスト教徒を守る救世主であるというカバーをプーチンというアイコンはやっています。また、KGBとしてのプーチンは、大統領としての職業もカバーでしかありません。だから、彼は根っからの諜報員で、工作員のやり方で政治をやっているんです。つまり、プーチンのロシアそのものが謀略工作です。

──裏と表がまるで違いますね。

ジェームズ そうです。ロシアの裏側には常にユダヤがいます。ただし、ユダヤと言ってもプーチンのユダヤコネクションはユダヤの正統派、保守系で「チャバッド・マフィア」と呼ばれる、聖職者とマフィアを兼職する離れ業を生業にしている人士です。彼らの多くはヴァチカン、ロシア正教会、ヨーロッパ王室の金庫番を務めており、「権力者に擦り寄り稼ぐ」という独特のユダヤ流生き残り戦略を持っています。当然彼らはプーチンや彼の「お友達」の金庫番も務めています。彼らのお陰で大統領名義の個人資産は米国、英国、スイス等に厳重に保管され、その額は200兆円に上ります。おそらくプーチンは世界の指導者で最も資産家で、トランプやバイデンが小物に見えるほどです。プーチンのロシアはチャバッド・マフィアが支配し、国民から資産をカツアゲするただの泥棒国家です。そして、プーチンが表向き反グローバル主義を掲げている理由はここにあるんです。


──ただ、グローバリストたちもユダヤですよね?

ジェームズ そうです。ですから、グローバリストと反グローバリストの戦いというのは、実はユダヤの内ゲバなんです。ここを多くの人が理解していません。
 グローバリストという呼ばれる人たち、典型的なのがジョージ・ソロスですが、彼にしたって基本的にユダヤ系なんですけど、本音は無神論者です。彼らはユダヤ系ですけど、ナチスにも協力するような化け物なんですよ。ですから、彼らは神と決別し、約束の地もないような人たちなんです。
 しかし、反グローバリスト派は約束の地があるという立場で、それがカナンの地であるイスラエルです。プーチンはイスラエルを認める立場で、バリバリのシオニストです。なにしろ、いまロシアではホロコーストに関する疑問を持つだけで5年間の収容所行きです。プーチンは反ユダヤ主義に関しては物凄く厳しいです。ホロコースト説を法律によって守っている国なんです。反グローバリストとグローバリストの対立の軸はここです。

──ロスチャイルド家とかは保守系なんですか?

ジェームズ ロスチャイルドはどちらにも加担しています。ロスチャイルドにとっては、プーチンもソロスも投資のためのひとつのコマでしかありません。それはロックフェラーも同様ですが、影響力は遥かにロスチャイルドのほうが大きいです。ちなみにスターリンも革命家だった当時はロスチャイルド家がパトロンでした。もともとスターリンはギャングのメンバーで銀行強盗とかをやりまくっていたんですけど、それを裏で支援したのがロスチャイルド家です。彼はロスチャイルド家のためのマフィアだったんです。

 ともかく、プーチンはロシアファーストではなくてユダヤファーストです。ロシアファーストのように見せかけていますけど、ユダヤに忠誠を尽くしているという視点で見ると世界が見えてきます。

──確かに、こういった話を聞くと、いまの世界が見えてきますね。

ジェームズ ロシア、ユダヤ、プーチンを見ないで世界は語れないんです。恐らく読者の皆様にはプーチンファンが多いかと思われますが、彼も結局は私が以前から何度も唱えている「コントロールされた反対勢力」なのです。このようなことはマスコミや学会では絶対に知ることができず、クレムリンの中枢でしか知ることができません。ロシアを知ることで見えてくるのは、近代国家というのは一握りの異民族が多数派の民族を支配する、フェイク国家です。日本も然り。ロシアを注視することで、日本の将来も見えて来ます。

文=ジェームズ斉藤

183. 中川隆[-15994] koaQ7Jey 2021年10月15日 19:17:16 : 3arTuvWsoQ : UHhWa0FFaE5VT2M=[38] 報告
謀略で大統領になった男・プーチンとユダヤコネクション 「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
2021.10.13
https://tocana.jp/2021/10/post_222938_entry.html

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

謀略で大統領になった男・プーチンとユダヤコネクション 「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!の画像1


ジェームズ 今回は世界を知る上で欠かすことのできないロシアについてお話したいと思います。以前、ロシアは国そのものがフェイクだという話をしましたが、今回はプーチンが権力を手にした方法から紹介しましょう。そもそも、プーチンという男はロシア史上だけでなく、世界的に見ても異例中の異例の男なんです。なにしろ、まったく無名だった元KGBの中佐が1998年にFSB長官、1999年に首相、2000年に大統領と1年毎に大出世です。普通はありえません。

──FSB長官からたった3年で大統領になっていたんですね。

ジェームズ ただのKGBの中佐が、ですよ。この大出世の裏には彼がユダヤ人だったことがとても大きいのです。プーチン=ユダヤ人説は前の記事でも話しているので見てほしいのですが、1つ言っておくと母親の名前がロシア人ではありえないシャロモビッチだったといった点です。

 つまり、プーチンはユダヤ勢力から推薦されて大統領になっているんです。具体的に動いたのはロシアとイスラエルの二重国籍を持つロマン・アブラモヴィッチという男です。彼は英国サッカークラブのチェルシーFCのオーナーとしても有名で、プーチンを当時の大統領だったエリツィンに紹介し、プーチンを大統領にするように進言しています。

──エリツィンに進言できるんですか?

ジェームズ エリツィンはウォッカを飲みまくるただの酔っぱらいで完全にユダヤの傀儡でしたので。彼はまったく政治をする気がなく、国内も統制できず、全世界のユダヤ系のヘッジファンドにロシアの財産を貪らせていたんです。

──エリツィンってロシアの民主化に向けて一定の評価がされていたと思っていたんですが、違ったんですね。

ジェームズ いえ、まったく評価できません。彼はロシアの財産をユダヤ人たちがシティ・オブ・ロンドンのユダヤ系ヘッジファンドに売りさばくのを黙認していました。そして、そのユダヤ系ヘッジファンド関係者の一人がロマン・アブラモヴィッチだったわけで、彼らがロシア政府を完全に乗っ取るために送り込んだのがプーチンだったんです。

 アブラモヴィッチに限らず、ロシアのお金持ちはマネーロンダリングでロンドンにたくさん口座を持っています。ロンドンに行くとロシアのお金持ちたちが買った高級アパート街があるんですよ。彼らはそういうところに住んでいるんです。

 プーチンは自分よりも10歳ぐらい下のアブラモヴィッチに推薦されて大統領になったんです。ちなみに、アブラモヴィッチの裏の顔はハバド・マフィアのリーダー格です。ハバド・マフィアとはユダヤの正統派保守系で聖職者とマフィアを兼業する人たちです。しかも、アブラモヴィッチのパトロンはロスチャイルド家です。ちなみに、いわゆる「ロシアマフィア」と言われるのはすべて「ユダヤマフィア」です。

──マフィアマネーと、ロスチャイルドマネーでプーチンは大統領になったんですね。


ジェームズ そうです。99年にプーチンが総理大臣になったのもその関係です。また、エリツィンは同じ年の12月31日に大統領職辞任を発表するのですが、そのお別れの挨拶でプーチンを次の大統領に指名しています。現役の大統領が後継者を指名するなど前代未聞です。

──民主主義ではありえませんね。

ジェームズ それによってロシアが民主主義の国ではないと露呈したわけですが、さすがに翌2000年には大統領選が行われ、当初プーチンは劣勢でした。ところが、選挙の2週間前にモスクワアパート爆破事件というのが起きるんです。

 夜の2時ぐらいにアパートがいきなり吹っ飛んで300人ぐらいが死んだんですが、プーチンは即座にチェチェンのテロリストの仕業だと言って、チェチェン戦争を開始するんです。この事件がきっかけでロシア人のナショナリズムが高まり、プーチン人気も盛り上がって大統領に当選しています。しかし、もちろん、この爆破事件には裏がありました。

──不審な証拠があがってきたと。

ジェームズ そうです。まず、モスクワアパートで死んだのは全員ロシア人でユダヤ人は一人もいませんでした。次に出てきたのが、爆破の直後に住民が不審な車を発見しているんです。その車のナンバーを照合するとFSBの所有だったんです。さらに、付近にいた不審者をロシア警察が捕まえていて、身分を照合するとやはりFSBの職員だったんです。つまり、アパート爆破はFSBの仕業であり、当時のFSBの裏にはプーチンがいたことは否定できません。

──謀略で大統領になったんですね。

ジェームズ はい。しかも、その裏にはユダヤコネクションがいます。ですから、プーチンのミッションは明快です。ロシアを欧米の対抗勢力に仕立て上げること。世界各地で戦争を繰り広げ、戦争経済を回すことです。また、国内では、エネルギー資源を独占し、人口の0.0001%のスーパーエリートに利権を配分し、同時に歴史的ユダヤ問題を解決するということです。彼の過去21年間の軌跡を見ると忠実にミッションをこなしていることがわかります。

──プーチンはユダヤのために動いていると。

ジェームズ というよりもロシアという国はユダヤそのものです。それはロシアの国旗を見ればよくわかります。

──ロシア国旗? そうか、あの赤地に鎌と槌のマークのやつはソ連の国旗か。ちょっと検索してみますね……ありました。上から白青赤の横縞の三色旗ですね。

ジェームズ それは表向きのロシア連邦国旗です。それではなく、ロシア連邦大統領旗というのを見てください。

──大統領旗? あ、ありました、三色旗の真ん中に双頭の鷲がいますね。あれ、双頭の鷲って!?

ジェームズ そうです。実はその双頭の鷲はロスチャイルド家の家紋の1つで、ロシア大統領旗のど真ん中にはロスチャイルド家がいることの証明です。つまり、ソ連崩壊後のロシアをロスチャイルド家が完全に乗っ取ったということを象徴しているのです。

 ちなみに、ロシア国旗の真ん中の絵は、軍や農民の守護聖人である聖大致命者凱旋者ゲオルギイ(聖ゲオルギオス)がサタンを退治するイコン(聖像)でロシア正教会、ロシア軍、ロシア人を象徴しています。双頭の鷲はクレムリンと帝国主義を象徴しています。

 つまり、ロシアの基本政策というのは、ユダヤのロスチャイルド家が出資し、クレムリンが戦争を起こし、正教を信仰する一般の素朴なロシア人たちが戦場に駆り出されるということです。その結果、何が起こるのかというと、戦争で得た利潤をロスチャイルド家が握り、クレムリンに寄生するユダヤ人の支配層に分配するということです。

 ロシアはロシア人だけが苦悩する国家レベルのブラック企業体質なのです。ロシアの帝国主義も正教ナショナリズムもすべてロスチャイルド家の投機対象だと言っていいでしょう。

──それがロシアの正体だと。このまま世界も乗っ取りそうですね。

ジェームズ ほとんどもう乗っ取られています。アメリカもヨーロッパも日本も。

──中国もですか?

ジェームズ 中国は周恩来がユダヤ人なんです。

──えっ!

〜後編に続く〜


▲△▽▼


「ユダヤとロシアをみると世界がわかる」プーチンとロスチャイルド、新世界秩序の本当の目的…ジェームズ斉藤が暴露
2021.10.14
https://tocana.jp/2021/10/post_222960_entry.html
【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

ジェームズ ロシアという国はユダヤそのものです。それはロシアの国旗を見ればよくわかります。ロシア連邦大統領旗というのがあるのですが、真ん中の双頭の鷲はロスチャイルド家の家紋の1つで、ロシア大統領旗のど真ん中にはロスチャイルド家がいるんです。

──それがロシアの正体だと。このまま世界も乗っ取りそうな勢いですね。

ジェームズ ほとんどもう乗っ取られています。アメリカもヨーロッパも日本も。

──中国もですか?

ジェームズ 中国は周恩来がユダヤ人なんです。

──えっ!

ジェームズ 中国に住み着いているユダヤの末裔です。しかも隠れ●●でした。だから、同じく隠れ●●でユダヤ人のキッシンジャーが周恩来を通じて毛沢東に会ったんですよ。キッシンジャーというのは重要な存在でバリバリのユダヤでグローバリストなんです。しかも両者は「裸の付き合い」ができる関係です。そして、プーチンが最近よく会ってるアメリカ人がキッシンジャーです。

──キッシンジャーが昔から中国べったりだったのはそういうことだったんですね。

ジェームズ そうです。だから、キッシンジャーが話す相手は必ず、ユダヤをバックに持っているんです。しかも、キッシンジャーはペドでもあります。だから、プーチンとも話が合うんです。

──キッシンジャーもプーチンもですか!? ユダヤ教的にいいんですか、ペドは?

ジェームズ だから、ここでもやっぱりユダヤの特異性が出てくるんですよ。プーチンはロシア正教会の敬虔な信者として振る舞っているんですけど、これも完全なフェイクで、なんとペドの決定的瞬間を映像で捉えられているんです。ユーチューブにあると思いますが、クレムリンを観光してきた金髪の小さなロシア人の男の子の頭を撫でたと思ったら、いきなりしゃがんで男の子の服をペロっとめくってお腹にキスしたんです。

──大胆ですね。

ジェームズ 日本でいう戦国武将のお稚児さん感覚でしょうね。この映像がリークされて凄い問題になった時期があったんです。そして、この映像をリークしたのがプーチンのKGB時代の元同僚と言われているアレクサンドル・リトビネンコです。彼は亡命先のイギリスで2006年に放射性物質ポロニウムを漏られて死にました。犯人はプーチンだと言われています。


画像はwikipediaより引用
 リトビネンコはペドの事実を暴露しただけではなく、チェチェン侵攻のきっかけとなった99年のモスクワのアパート爆破事件がプーチンの仕業だったということも暴露しているんで、ずっと命を狙われていました。

 また、以前お話しした、911とロシア黒幕説を世界で初めて暴露したのもリトビネンコです。

日本メディア初「9.11本当の陰謀と真実」公開!この情報を発言した人間は”毒殺”…ジェームズ斉藤【タリバン・アフガン】
https://tocana.jp/2021/08/post_218816_entry.html

ちなみに、彼の暗殺の最大の理由は「プーチン・ペド説」ではなく、「911ロシア黒幕説」(過去のジェームズ斉藤911特集記事を参照)を暴露したからです。これは諜報機関関係者の間では常識です。


タリバンと911の陰謀
https://tocana.jp/tag/%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%90%e3%83%b3%e3%81%a8911%e3%81%ae%e9%99%b0%e8%ac%80


アレクサンドル・リトヴィネンコ氏 画像はwikipediaより引用
──いまのロシアはユダヤ人が完全に牛耳っているということなんですね。

ジェームズ ロシアの歴史には法則があって、異民族が必ずロシアを統治してきたんです。まあ、ロシアの定義も曖昧なんですが、ロシア正教を信じているスラブ系白人のロシア人がロシアを主導しているかというと必ずしもそうではなく、異民族、異教徒が政権の座に座っているんですよ。

 何しろ、ロシアの語源である「ルーシ」は「スウェーデン東部沿岸地域のヴァイキング」という語源で、当時ロシア貴族が利権争いに明け暮れた挙句、スウェーデン系のリューリク家を招待し、ロシアを統治させたというあり得ない歴史背景を反映しています。そして、異民族の支配者とそれに群がり利権を貪る「訳あり」なロシア人の集団を頂点とするロシア特有の権力ピラミッドができたのです。ユダヤ系のプーチンも例外ではないですし、ロシア革命もユダヤ人のグループでした。

──革命前の人たちもロシア人ではないということですか? 

ジェームズ そうです。ロシア王室のエカテリーナ女帝はプロイセン生まれですからドイツ人です。それ以前はロシアはタタール人、モンゴル人、スウェーデン系ヴァイキングによって支配されていました。エカテリーナ女帝を含むドイツ系ロマノフ家の統治時代にユダヤ系国際金融資本勢力がクレムリンに浸透し、本格的にクレムリンを乗っ取り始めたのは1904年の日露戦争が契機です。そして1917年のユダヤ人グループによるロシア革命によって「クレムリンのユダヤ化」は完了しました。

 ちなみに日露戦争はユダヤのマネーゲームに日露両国が駒として使われた戦争で、戦争終結後、日露両国は後に亡国となり、現在に至るまで完全にユダヤ系国際金融資本勢力に乗っ取られています。


──高橋是清がユダヤ人のジェイコブ・シフから金を借りて日露戦争を戦っていますね。

ジェームズ その金を日本は昭和の中頃になってやっと完済しています。一方、「敗戦国」のロシアは「戦勝国」の日本に賠償金を払わず、のちに日本がシベリア出兵を口実にロシア皇帝のゴールドを回収される羽目になっています。

 いずれにせよ、ロシアは常に異民族が統治してきた歴史を持っています。

──考えてみれば中国もそうですよね。漢民族が統治した時代はあまりありません。

ジェームズ そうです。ユーラシアの大陸国家というのはほとんどの場合、マイノリティの異民族が支配しています。実は、日本の天皇制もユーラシアの大陸国家の政治モデルを輸入してきたんですよ。マジョリティであった縄文系を支配していたのが当時、弥生系のエスタブリッシュメントだった天皇家でした。

 ロシアはでかい国なので、マジョリティは圧倒的にロシア人、ロシア正教会を信じる人ってことで定義するロシア人ですね。しかし、トップはほとんどが異教徒ですから。特にソ連自体がユダヤとタタールの連合政権なんです。レーニンもユダヤが入っていたし、トロツキーなどは生粋のユダヤ人です。

 また、KGBという組織は歴代のトップが全部ユダヤと言われています。だから、あんなメチャクチャなことができたんです。ファイクな罪を異民族に着せてすぐに死刑にしたり、あとは収容所をたくさん作ったのですが、あれはロシア人を大量に収容所に送り込んでそこで無給の奴隷にしたんです。

──なぜ、そんなにユダヤ人は他民族を迫害するんですか? 

ジェームズ それはイスラエルを失い世界を漂流する上で各地で迫害されてきたからです。特にロシアはずっとユダヤを弾圧したんですよ。ニコライ2世の時は徹底的にユダヤを弾圧しましたね。ロシアから見ると、ユダヤ人は高利貸し事業で借金まみれのロシア人を大量に作り出し、その一方で支配層に寄生して甘い汁を吸う「アンチキリスト(サタンと同意義)」という位置づけです。ですから、どっちもどっちなんですよ。

 結局、世界はユダヤ教とキリスト教の確執で動いているんです。この2つの宗教が国の歴史を動かしていることが最もよくわかるのがロシアです。「ユダヤを見ると世界がわかる」という本が以前流行りましたが、ロシアを見ると世界がわかるというのが私の持論で、世界の仕組みを見る上ではとても重要な視点となります。

文=ジェームズ斉藤

184. 中川隆[-15976] koaQ7Jey 2021年10月16日 19:44:02 : HgY6pzfAl2 : eXFsSnk4elZ4anM=[20] 報告
プーチンがイルミナティ撲滅を宣言! ドゥテルテ躍進、トランプ旋風… 世界で進む“反ロスチャイルド”の決定打か!?
TOCANA2016年11月6日
https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201611_post_11354/


プーチンがイルミナティ撲滅を宣言! ドゥテルテ躍進、トランプ旋風… 世界で進む“反ロスチャイルド”の決定打か!?拡大する(全1枚)

 ロシアのプーチン大統領が、強大な敵を相手に戦うことを宣誓したという。打倒を誓ったプーチン最大の敵とは、あの“イルミナティ”だ。

■プーチン、打倒イルミナティを誓う

 収束への糸口が一向に見えてこないシリア情勢だか、その理由のひとつに大国同士の思惑がある。混迷深めるシリア情勢をひとまず安定へ向かわせることは国際社会の総意であるにもかかわらず、各国の利権に基づく代理戦争的な性格は一層強まっており、そう容易く事態が収束しそうにないことが指摘されている。

 この10月より、アサド政権を支援するロシアはシリアに最新型ミサイル防衛システムを配備したと考えられているが、これに対抗するため米軍も戦力を増強、支援するシリア反政府勢力に対して武器を大量に供給したと噂されている。実のところ、大国同士も一触即発といえる事態を迎えているのだ。さらに先日は、ロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」を含む艦隊が大西洋から地中海に入っている。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/11/post_11354.html

 さて、このロシアの動きには、世界を影で操ると噂される秘密結社イルミナティの思惑を断じて許さないというプーチン大統領の決意が現れているという。複数の海外オルタナティブメディアによれば、プーチンは先頃、世界の富を牛耳るハザール・マフィア(ユダヤ金融資本)の中心的組織であるイルミナティの撲滅を目指し、全面対決の狼煙を上げたという。果たして、これから世界でどんなことが起きるというのだろうか――。

■大統領就任直後から始まっていたアンチ・イルミナティ戦略

 報道によると、本来はプーチンの出自もイルミナティ側であり、今日の権力を得るまでには、そのメンバーであることを巧みに利用してきたようだ。この男が、ソ連時代にKGBの実力者として頭角を現してきたことからもそれが窺えるという。なぜならば、ソ連もまたイルミナティが作り上げた人造国家であったためとのこと。

 しかし、プーチンは決してイルミナティの中核にある悪魔崇拝組織への“入会の儀式”は行なっていないという。そして大統領就任後は、“アンチ・イルミナティ”へと国内政治の舵を大きく切ることになった。

 ソ連崩壊後のエリツィン政権時代、ロシアでは資本主義の名のもとに「オリガーキー」と呼ばれるロスチャイルド家(欧州のユダヤ系大資本)の息がかかった特権的新興財閥がいくつも勃興し、国家と国民を脅かすほどまでに力をつけてきた。プーチン政権は、その初期の段階において、まずこれらオリガーキーを国内から締め出し、ロンドンなどへと追いやることに成功した。

 このプーチンの手腕は、ロスチャイルド家の4代目ことジェイコブ・ロスチャイルド(80)をして「プーチンは新世界秩序の裏切り者であり、イルミナティにとって最も危険な人物だ」と言わしめるほどであった。そしてプーチンは今、国内から追い出すだけにとどまらず、イルミナティをこの地上から抹殺せんと行動を開始したというわけだ。

■徐々に進むトルコの“アメリカ離れ”、その背後にもプーチンの影!?

 天然ガスのパイプライン利権をめぐる大国同士の争いが水面下に見え隠れするシリア内戦だが、アサド政権側を支援するロシアやイランに対し、アメリカと欧州各国をはじめとする有志連合は反政府勢力をサポートし、そこに隣国のトルコも加わるという構図がこれまで形成されていた。

 しかし、その状況がやや崩れてきたのが、今年7月に起きたトルコのクーデター未遂事件だろう。あまりにも突然の話で、一時はどうなることかと思われたこのクーデター騒ぎであったが、最終的には正規軍によって鎮圧された。しかし、隣国シリアを上から目線で“更正”させようとしていたトルコ政府にとってみれば完全に足元をすくわれた格好になり、対シリア戦略の見直しを求められることになったようだ。これまでアメリカとの関係を基盤にシリア情勢に対処していたトルコだったが、この事件を境に独自路線を歩む色彩を強め、対ロシア外交で関係修復の動きも見られるようになったのだ。

 昨年11月、ロシア軍の戦闘機をトルコ空軍の戦闘機が撃墜するという事件が起きたが、激しく抗議するロシアに当時のエルドアン政権は一切の譲歩を見せなかった。ところが今年の半ばになり、まさにこのクーデター直前というタイミングで、エルドアン大統領がロシアのプーチン大統領にこの件に対する謝罪の意を伝えている。この時期から、すでにトルコの“アメリカ離れ”がはじまっていたことになるのかもしれない。そして、クーデター未遂事件でそれが決定的になったとも考えられる。

“アメリカ離れ”といえば、現在一躍時の人となっているフィリピンのドゥテルテ大統領だろう。そして、今回のアメリカ大統領選で見られるトランプ旋風もまた、皮肉にもアメリカ人による“アメリカ離れ”の現象といえるのかもしれない。プーチンが思い描く“イルミナティ”撲滅作戦(!?)は、まずは“アメリカ離れ”というところから徐々に準備が整ってくるともいえそうだ。
(文=仲田しんじ)

https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201611_post_11354/

185. 中川隆[-14786] koaQ7Jey 2021年12月07日 06:01:15 : 2zSsj4hxA6 : M1FvMG5mVWxiOGc=[40] 報告

2021.12.06
経済戦や軍事的恫喝で米国は露国を屈服させようとして失敗した中、米露首脳会談
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112060000/

 アメリカのジョー・バイデン大統領とロシアのウラジミル・プーチン大統領が12月7日にオンライン会談を実施するという。バイデン政権の恫喝政策で急速に悪化した両国の関係などについて話し合うと見られている。

 ひとつの焦点はウクライナ情勢。この国では2014年2月にネオ・ナチを中心とする戦闘集団がキエフでクーデターを成功させ、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。ネオ・ナチを背後から操っていたのがバラク・オバマ政権で、現場で指揮していたのは国務次官補だったビクトリア・ヌランドだ。

 東ヨーロッパに支配地域を築いてロシアに圧力を加えることはアングロ・サクソンが19世紀に始めた長期戦略の一部だが、2014年のクーデターは天然ガスを介して接近するEUとロシアを分断することを狙っていた。EUとロシアを結ぶパイプラインの多くがウクライナを通過しているからだ。

 しかし、クーデター後に「ノード・ストリーム2」というパイプラインの建設が決まり、完成した。いつでも輸送を始められるが、それをアメリカは強引に止めている。

 ウクライナでのクーデターがひとつの切っ掛けになり、ロシアと中国が急速に接近、今では「戦略的同盟関係」にある。これにはアメリカだけでなく日本の「エリート」も驚いたようだ。

 クーデターで制圧できなかった東部地域のドンバス(ドネツクやルガンスク)は不安定な状態にある。ウクライナではクーデターの中心がネオ・ナチだったこともあり、軍や治安部隊の少なからぬ隊員がドンバス軍へ合流、将兵の戦闘能力はドンバス側が上回っていたと言われいる。そこでアメリカは傭兵を送り込んだ。

 2014年6月から大統領を務めることになったペトロ・ポロシェンコはチョコレート王、あるいはチョコレート・マフィアと呼ばれていた人物で、​ウィキリークスが公表したアメリカ政府の2006年4月28日付け公電によると、アメリカ政府へ情報を提供してきた​。欧米の支配者を黒幕とする「オレンジ革命」と呼ばれる新自由主義クーデターで登場した銀行員あがりのビクトル・ユシチェンコと親しいことも知られている。

 ポロシェンコ政権でウクライナは国として破綻、2019年5月にコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキーが大統領に就任することになった。有権者はゼレンスキーに変化を期待したのだろうが、欧米の私的権力に支配された国の状況は悪化するばかりだ。

 手詰まりのゼレンスキー政権は部隊をドンバスの近くへ移動させて軍事的な圧力を強め、同時にアメリカは黒海へ艦隊を入れて軍事演習を実施してロシアを挑発。そうした中、ウクライナの国防大臣が辞意を表明し、その一方でネオ・ナチ「右派セクター」を率いるドミトロ・ヤロシュが参謀長の顧問に就任したと伝えられている。

 最近ではアメリカ軍のE-8Cやイギリス軍のRC-135といった電子情報戦用の航空機がロシアとの国境近くを飛行、また11月の始めにアメリカ軍の戦略爆撃機が核攻撃のシミュレーションを行ったとロシア側は発表している。並行してアメリカ/NATOは黒海へ艦隊を入れ、軍事演習を実施したり領海を侵犯するなどしてロシアを挑発してきた。

 こうした挑発に対し、ロシアはこれまでになく厳しい形で反撃をしている。プーチン大統領はアメリカに対し、一線を越えればロシアも動くと警告した。ウクライナからモスクワまで500キロメートル程度しかないこともあり、防衛体制を整えている。アメリカの脅しは失敗したということだ。脅しをエスカレートさせるか、戦術を変更するか、アメリカは決断を迫られている。どう進むか定まらない中、アメリカの政府や有力メディアは批判、日本のマスコミはアメリカの主張を垂れ流している。「アメリカに脅されたら素直に屈しろ」という姿勢だ。

 そうした中、今年10月にロイド・オースチン国防長官がキエフでゼレンスキーと会談、11月にはカレン・ドンフライド国務次官補がキエフを訪問した。アンソニー・ブリンケン国務長官とセルゲイ・ラブロフ外相はストックホルムで外交問題について話し合ったという。

 バイデンとプーチンとの会談がどのようになるかはわからないが、世界情勢は緊迫している。「アメリカ後」のヘゴモニーを握ろうとしている欧米の私的権力にとって重大な時を迎えている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112060000/

186. 中川隆[-14365] koaQ7Jey 2021年12月31日 13:49:26 : cCpxunnU4w : S3FPbENyS1BiVy4=[9] 報告

2021年12月31日
ロシア皇帝プーチンの本性
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68883463.html


大国主義の大統領
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  悪人というのは、一種類じゃなく何種類かある。兇暴なだけの単細胞もいれば、臆病なのに狡賢い奴もいる。ロシア大統領にまで上り詰めたウラジミール・プーチンは、根暗で何を考えているのか分からぬが、紛れもなく頭脳明晰な独裁者だ。このロシア皇帝は狐のように用心深く、豹と同じように鋭い。そして、鷹のような大局観を有し、熊と間違うような豪腕を持つ。

  深い闇に包まれたプーチンではあるが、その経歴は少しだけ明らかとなっている。少年時代にサンボや柔道を習っていたことは有名だ。レニングラード大学に入ると法律を専攻し、そこを卒業するや直ぐさまKGBへ就職。一年間だけモスクワにあるKGBの赤旗大学で学び、1985年に東ドイツのドレスデンに配属される。ソ連が崩壊間際だった頃、レニングラードへ呼び戻され、「現役予備役」になると、レニングラード大学で学長補佐官になる。その後、恩師だったアナトリー・サプチャークがレニングラード市のソビエト議長に就任したので、プーチンは彼の顧問となった。さらに、サプチャークがサンクトペテルスブルクの市長に当選すると、懐刀のプーチンは副市長と対外関係委員会の議長になったという。

  しかし、1997年、サプチャーク市長が再選に失敗。プーチンは大統領の資産を管理するクレムリンの部署で働くため、モスクワへと異動になった。1998年7月には、ロシア連邦保安庁(FSB)の長官職に就く。一年後の1998年、プーチンはエリツィン大統領によって第一副首相になった。そして、ついに彼の運命を変える1999年になると、辞職したエリツィンの後釜として大統領代行に就任した。2000年には選挙の洗礼を経て正式なロシア大統領となる。元KGBのケース・オフイサー(工作員)が、動乱の時代を乗り越えてツァーリのような大統領になった訳だから、異例の大出世としか言い様がない。

  これは筆者の単なる推測だけど、プーチンの背後には誰かいるんじゃないか? ユダヤ資本にロシアを売り渡したエリツィンに腹を立てた有力者が、有能なプーチンを抜擢したとも考えられる。つまり、ユダヤ人の"国家乗っ取り"を阻む、ナショナリストのロシア人がプーチンの後ろ楯になっても不思議じゃない。ただし、プーチンは絶対に自分の過去を明かさないだろう。

  ところで、専制君主なみの権力を恣(ほしいまま)にするプーチンは、一体どんな支配者を目指しているのか? 先ず言えることは、この男は机上の空論を口にする左翼ではない、ということだ。確かに、プーチンは共産党の下で諜報員を務めたが、その根底には共産主義の理想は無い。むしろ、伝統的なロシア思想が流れている。プーチンが欲したのは、ロシアを混沌から救い出し、社会秩序を取り戻すことだった。それゆえ、彼は綺麗事の「リベラル思想」なんかは足蹴りだ。プーチンはロシア第一主義を掲げていた。

  国民の団結を尊ぶプーチンでも、"生粋"の民族主義者には警戒心を持つ。なぜならば、ロシア帝國が多民族社会であるからだ。もし、タタール人とかチェチェン人、ウクライナ人、カルムイク人などに民族主義を許してしまうと、ロシア共和国に亀裂が生じ、バラバラになってしまうだろう。だから、プーチンにとっての政敵は、ヤブロコ党首のグリゴリー・ヤブリンスキーみたいなリベラル派ではなく、むしろアレクサンドル・レベデフ将軍のような民族主義の政治家、あるいは共産党のゲンナジー・ジュガーノフ党首みたいな政治家の方であった。

  ロシア帝國の復活を望んだプーチンは、民衆を束ねるため明確な国家のアイデンティティーを求めていた。しかし、それは自由主義に基づくデモクラシーではなく、モスクワのクレムリンがしっかりと管理できる国家体制であった。プーチンには甘っちょろい理想はない。彼の精神にはリアリズムが貫かれている。この大統領が優先したのは、中央集権化した国家機構の再興だ。「強いロシアの復活」こそが、国家主義者のプーチンが追求する目標であった。氷のように冷静で、残酷なまでに権力を求めるプーチンは、ソ連崩壊でバラバラになったロシア国民を纏め、人々を結び附ける固有の価値観を掲げている。共産主義の崩壊によってロシア国民は個人の自由や権利、表現・言論の自由を手にしたが、これはロシアの"伝統的な価値観"とは異質なものであった。

  では、その価値観とは何か? ブルッキングス研究所のフィオナ・ヒル(Fiona Hill)とクリフォード・ガディ(Clifford G. Gaddy)によれば、愛国心、集団主義、結束、大国性(deezhavnost / デルジャヴノスチ)、そして翻訳不能な"gosudarstvennichestvo"(ゴルダルストヴェンニチュストヴォ)であった。(フィオナ・ヒル / クリフォード・G・ガディ『プーチンの世界「皇帝」になった工作員』濱野大道 / 千葉敏生 訳、新潮社、2016年、p.62.)

  強力な国家は社会秩序を保障する源であり、あらゆる変革を開始する主な原動力である。プーチンは自分自身を国家の建設者(gosudarstvennik / ゴスダルストヴェンニク)、すなわち国家の公僕であると称した。ゴスダルストヴェンニクは国家そのものだけを信じ、自薦か他薦かを問わずに永久に国家に仕える約束をした人間なのである。(上掲書、p.62.)

Putin as Emperor 002( 左 / 皇帝に描かれたプーチン )
  歐米諸国のマスコミは、ロシア支配を目論むグローバリストに隷属するから、プーチンの国家運営を否定的に報道するが、個別の政策を調べてみると、意外にも保守的な一面があったりする。それは何故か? 答え。プーチンがロシア共和国を自分の「縄張り」と見なしているからだ。つまり、プーチンはマフィアのボスと同じである。「俺が手にした領土(シマ)だから、世界一の国家にするんだ ! 誰もが羨む素晴らしい国家にしてこそ、俺様に相応しい。だから、俺のシマに手を出す奴、ロシアを荒らす"よそ者"は容赦しないぞ。アメリカ人だろうがユダヤ人だろうが、全力で叩きのめしてやる !」とプーチンは思っているんじゃないか。

  これはアドルフ・ヒトラーにも通じる行動様式で、ある種の独裁者は民衆から選ばれる国会議員よりも立派である。なぜ、ヒトラーは歐米の知識人から全否定されるのに、一部の「右翼」からは称讃されるのか? なるほど、ヒトラーは残忍な独裁者なのかも知れない。だが、ドイツ第三帝國は彼の"所有物"になったから、ドイツを世界に冠たる超一流国にしようとしたのだ。それには、国家を支える民衆を豊かにし、藝術が栄える文明国にしなければならない。藝術家を目指したヒトラーが、永遠のローマに憧れ、ドイツの都市を壮大にしよう、美しく光り輝く祖国にしよう、と考えたのも当然だ。

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( 上写真 / ヒトラーとナチス時代のドイツ人 )

  また、国家は国民で構成されるから、国民の"質"を考えることも重要である。ユダヤ人のような浮浪民族は、素晴らしいドイツにとって目障りだから排除せねばならない。ドイツにはゲルマン系ドイツ人、ないし北方種族のヨーロッパ人が住むべきで、穢らわしいユダヤ人はパレスチナへ追放するに限る。日本人はワイマール共和国を理想のデモクラシーと考えるが、実際は貧困と腐敗の巣窟だった。以前、当ブログで紹介したように、ユダヤ人が経営する風俗店やナイト・クラブでは同性愛、SM、頽廃藝術がはびこり、不健康な文化が至る所に満ちていた。(記事A参照) 高校や大学で西洋史を担当する先生で、ゲオルグ・グロスを紹介し、彼の卑猥な絵を見せてくれる教師は何人いたのか?

Germany 662Germany 332


(上写真 / ワイマール時代の頽廃したドイツ人 )

  左翼の知識人はナチス時代のドイツを徹底的に糾弾するが、本当にナチスは悪事ばかりを働いていたのか? 具体的に考えてみれば、日本人やイギリス人だってドイツ人と同じ行動を取るんじゃないか? 例えば、学校や会社の清掃は気が進まないから、校庭の草むしりなんて苦痛だし、便所掃除や倉庫の床磨きなんて真っ平御免だ。しかし、自分の部屋とか自宅になると話は別になる。普通の庶民が書斎やリビングをエドワード朝の家具で豪華にするのは無理だけど、ちょっと奮発して、クリ木製の書斎机(chestnut executive desk)を置いたり、スウェーデン製のストーブを購入することくらいは可能だ。

  巷(ちまた)の女子高生だって似たり寄ったりだろう。ポケモンやトトロの縫いぐるみを並べることもあれば、アンティークのランプを買ってきて、御洒落な勉強部屋にすることもある。中高年になると草木に目が向くようで、マーサ・スチュアートの番組などを観て、生活のクォリティーを考えたりする。ちょいと気取った奥様は、庭の一角に紫陽花(アジサイ)とか薔薇(バラ)を植えたりして御満悦。定年間近の亭主は、長年連れ添った女房よりもペットを大切にするから、庭にドッグ・ランを拵えたり、部屋にキャット・タワーを設置したりと大忙し。

  自分の所有物なら素晴らしくしたいと思うのは人情だ。もちろん、世の中には自分の家を「ゴミ屋敷」にする人は居るけど、そんなのは極僅かで、大抵の日本人は家を綺麗にし、娘や息子の結婚相手にも気を配る。自宅の隣に浮浪者が住み着けば追い払うし、在日朝鮮人の居候なんて寒気がする。もし、娘が黒人兵の恋人を連れてきたら両親は激怒するし、息子が支那人かフィリピン人と結婚すると言い出せば「絶対だめ!」と許さない。こうした日本人はネオナチの右翼みたいだけど、昭和時代には普通だった。

  アメリカ人同様、日本人もユダヤ勢力によって精神を改造され、ドイツの主人であるドイツ人を非難し、居候のユダヤ人を支援する。フランス人やイギリス人だってジプシーとユダヤ人は嫌いなのに、ジプシーだけ追い払うというのは、どういった了簡なのか? ジプシーをルーマニアやユーゴスラビアに突き返すのであれば、ユダヤ人を叩き出し、パレスチナに送ってしまえばいいじゃないか? 居候がぶん殴られて、国外追放になるのは仕方ない。「追い出した方が悪い」という反論は馬鹿げている。

  第21世紀のロシア皇帝となったプーチンは、ロシア特有の価値観に基づく「強い国家(シリノエ・ゴスダルストヴォ / sil'noye gosudarstvo)」を目指した。独裁者のヒトラーはドイツ国民の健康や道徳に配慮したが、プーチンもロシア国民の精神衛生に敏感だった。なぜなら、国民精神の退廃は国家の弱体化を招くと解っていたからだ。それもそのはず。対外工作を専門とするKGBは、歐米諸国を弱体化させるため、現地の若者を根底から腐敗させたし、倫理道徳を蔑ろにするよう仕向けていた。ソ連の工作員は過激思想を広めたり、反戦運動や学生運動を金銭的に支援した。その他にも様々な悪事を企てたから、アメリカや西ヨーロッパの社会は今でも滅茶苦茶だ。KGBの協力者になった知識人は、フェミニズムを使って家庭崩壊を目論んだし、赤いユダヤ人は人種対立を煽って西歐社会の破壊を楽しんでいた。

  敵を倒すにはミサイルや刃物は要らない。相手が自滅するよう仕向ければいい。これに気づかない馬鹿を利用するのが工作員の秘訣である。東大医学部の赤色学生なんて、所詮は世間知らずの受験秀才で、自分達が社会革命の先駆者だと思っていた。1968年のパリに憧れて、ゲバ棒を振り回していた学生なんか、卒業間近になると急に就職先が心配になり、床屋に行って髪を切っていた。東工大で「全学改革推進会議」を創った菅直人や、信州大で全共闘議長だった猪瀬直樹に訊けば、コッソリ転向した者を紹介してくれるかも知れないぞ。ちなみに、新宿騒乱事件が起きた1968年、猪瀬は裏通りのパチンコ屋を覗いたそうだ。その時、彼は店内で「普通の生活」、すなわち現実の日常を目にしたという。作家になった猪瀬は昔の自分を回想し、斜めに構えて呟く。「学生運動で世界が変わる」とは思わなかった、と。(臼井敏男『叛逆の時を生きて』 朝日新聞出版社、2010年、p.145.) しかし、猪瀬は東京都知事になっても世界を変えられなかったじゃないか !

  脱線したので話を戻す。プーチンはKGBの対外工作を実際に知っていたから、不道徳な思想の浸透には殊のほか厳しかった。無神論やニヒリズム、同性愛などは以てのほか。ロシア社会を腐敗させるだけだ。宗教を敵視する共産党に属していたのに、プーチンは意外と信仰深く、ロシア社会にはロシア正教が必要だと解っていた。もちろん、敬虔な信仰心は政治的なポーズで本心じゃない。だが、プーチンはロシア国民の精神的空白を懸念していた。なぜなら、民衆には心の支えとなる思想が必要で、共産主義は国民の士気を高める思想じゃない。確固たる信念を持たない人間は、利用されるばかりか、国家にとって有害な人物となる。金銭や報償で容易に外国の手先となるし、健全な家庭を築くこともない。プーチンは勇猛果敢なロシア兵や愛国心に満ちた国民を求めていた。彼は立派な人間を育成するロシア正教を支援する。

  ロシアの民衆を一つに束ねる組織があるとすれば、それはロシア正教に他ならなかった。KGBは宗教家の活動が政治活動に変化するのではと恐れていたので、反体制派の司祭達は迫害されていたという。しかし、ロシアの大地に根づく伝統的宗教は強い。現実派(リアリスト)のヨシフ・スターリンは、共産主義というユダヤ思想ではロシア人は動かないと解っていた。それゆえ、この大元帥はロシア人の愛国心に訴えた。対独戦争は祖国防衛戦争である、と。ロシアの民衆は愚鈍だけど、信仰心と愛国心は非常に強かった。となれば、ロシアの為政者は宗教心で国民を鼓舞しなければならない。ロシア正教は多くの人々に訴えかける力を持つ統一的な思想であり、奥深い思想と影響力を提供してくれるものだった。

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( 左 : プッシー・ライオットのメンバー / 右 : ロシア正教の聖堂を侮辱するプッシー・ライオット )

  宗教の重要性を認識するプーチンだからこそ、西歐風のリベラリズムや世俗主義には大反対。彼が人気藝人の「プッシー・ライオット」を目の敵(かたき)にしたのも当然だ。プッシー・ライオットのメンバーは「フーリガン」であり、彼女らの楽曲「パンク・プレイヤー」が侮辱したのは、プーチンではなくロシア正教会であった。彼女達のパフォーマンスはロシア正教の神聖な場所である「至聖所」を穢したのだ。(『プーチンの世界「皇帝」になった工作員』、p.307.) プッシー・ライオットのメンバーは無政府主義者だったが、それよりも性質(たち)が悪かったのは、信仰を持たない無神論者であったことだ。彼女たちのような人々--- ロシアのインテリゲンチャ(知識階級)やその理念の支持者 ---- は「よそ者」であり、ロシアの一員ではなかった。(上掲書、p.308.)

  以前、AP通信のインタヴューに応じたプーチンは、ジョン・ダニゼウスキからの質問を受けて、次のように答えていた。

  世の中には、常に国家や社会的有機体を蝕む、ある種の病原菌が潜んでいる。しかし、その病原菌が活性化するのは、免疫力が低下し、問題が現れ、一般民衆が苦しみ始めた時である。これら何百万もの人々は、それ以上事態は悪くならないと信じる。どんな対価を払ってでも変革を成し遂げよう、そこにあるもの全てをぶち壊そう、我々は新たな世界を創るんだと思い、中身の無い者が全てになる。

 エリートの忠誠心不忠についてだが、おそらく、こうした特殊問題は存在する。そう言えば、確かプーシキンが述べていたけど、「誰も彼を国家の総督あるいは皇帝の太守(satrap)とは思わず、反対に彼は自由を愛する者、デカブリストの友、そして誰もそれを疑わない。さらに、プーシキンは言った。「政府じゃなく、ロシアに反対する者が実に多い」と。残念ながら、我が国のインテリゲンチャにもこうした伝統がある。しかし、これは人々が常に文明人としての躾の良さ、つまり、いかに自分が深い教養をもっているかを強調したいからだ。人々はいつも最良の模範に従うことを欲する。たぶん、それは一定の発展段階まで来れば避けられないことなんだろう。

  だが、このように国家との一体感を失ったことが、ロシア帝國の崩壊、およびソ連の瓦解に甚大な影響を与えたことは否めない。我々は前もってそれを理解せねばならないし、第一次世界大戦の末期やソ連の晩年と同じような状況に陥ることは、何としても防がねばならない。(Interv'yu Pervomu kanalu i agentstvu Assoshieyted Press , Vladimir Putin's Channel One and Associated Press interview) 4 September 2013.)

  このインタヴューを聞くと奇妙なことに、あのプーチンが"まともな"常識人に見えてくる。権謀術数に長けたプーチンとくれば、暴力団の組長みたいな頭目なのに、国家運営に関しては妙に道徳的だ。しかし、この独裁者は岸田文雄みたいな"お坊ちゃん"じゃない。本音どころか、素顔さえも隠す古狸。口にする発言だって紛らわしく、幾つもの解釈ができるように予め計算したりする。プーチンの真意を摑めない相手は、額面通り受け取っていいのか判らず、ただ困惑するばかり。偽情報を流したり、心理戦を用いて相手を操るのは、プーチンにとって朝飯前だ。

Putin & Russian priest 2566Putin & Russian priest 11


(上写真 / ロシア正教の司教とプーチン大統領)

  このプーチンは根っからの策士だから、ロシア正教会を大切にするといっても、それは彼の管理下での宗教組織に過ぎない。つまり、プーチンはビザンツ帝國の皇帝みたいなものである。東ローマ帝國に君臨する皇帝は、キリスト教徒になっても、ヨーロッパの国王みたいに教皇の臣下にはならない。むしろ、コンスタンティノポリスの総大司教を従える帝王だ。ロシアにおいて聖職者が政治活動に参加するのは御法度。教会の司祭は魂の救済にだけ専念しろ、という訳だ。

  ウクライナ問題で歐米諸国と対峙するプーチンだが、この豪腕大統領は米国の圧力に屈服して負け犬の道を歩むことはないだろう。彼は常に「国父のような皇帝」を演じる。ロシア人は暴君でもいいから、力強い指導者を求めてしまう。今でも、一部のロシア国民がスターリンを懐かしむのは、第二次世界大戦でロシアを勝利に導いた英雄であるからだ。

  翻って、我が国を見渡せば、どの政治家もクズばかり。外務大臣を経験した河野太郎や茂木敏充は支那人の下僕だし、ウォール街へ参拝した菅義偉は、お代官様に怯える村役場の事務員みたいだった。岸田文雄は財務省の親戚に囲まれた操り人形。小泉内閣からずっと政権にタカっている竹中平蔵は売国奴の典型だ。吉村洋文知事が率いる日本維新の会も売国奴の集まりで、大阪を賭博屋のMGM(ユダヤ人のリゾート開発業者)に売り渡そうとしている。未来の総理大臣たる小泉進次郎は、これまた情けなく、米国のCSISに養われる人質だった。日本にプーチンのような首相がいれば、ちょっとはマシなんだけどねぇ〜。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68883463.html

187. 中川隆[-13580] koaQ7Jey 2022年3月05日 15:02:39 : PmxMfKaAno : V3A4SVpzQXM1UU0=[6] 報告
2022.02.08
プーチンは「焦ってる」…ロシアで起きている「3重苦」の危ない正体
藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92036?imp=0


じつは、プーチンは「焦っている」
ロシアが昨年末からウクライナの国境に10万人規模の軍を集結させたことを警戒する欧米諸国は、ウクライナ周辺の東欧地域に派兵する準備に入った。

米国とロシアの関係は冷戦期以来の緊張状態にあると言われている。

ロシアは天然ガスで世界第2位、原油では世界第3位の生産量を誇っており、同国への経済制裁は世界経済全体に悪影響が及ぶ「諸刃の剣」にもなるが、「プーチン大統領にとって欧米諸国の経済制裁も想定内であり、ロシアの攻勢を食い止めるためには強硬な措置が不可欠だ」とする論調が強まっている。

果たしてそうだろうか。

強気のウラにはどんな本音が隠されているのか Photo/gettyimage


筆者は「ロシア経済は危機に瀕しつつあり、欧米諸国から追加制裁を科されることを非常に恐れている」と考えている。

天然ガスが話題になることが多いが、ロシア経済の屋台骨は原油である。ロシアの石油産業は同国のGDPの15%、輸出の40%、連邦財政の歳入の30%を占めている。

「ソ連崩壊を招いた大本の原因は1980年代後半の原油価格の急落であり、21世紀に入り世界の原油価格が再び上昇したことでプーチン大統領はロシアを大国の地位に復活させることができた」とする説があるくらいだ。

だが、いまそんなロシアの命運を握る石油産業に異変が生じつつある。


ロシアの虎の子が「枯渇」…?
ロシアの昨年12月の原油生産量は日量1090万バレルで前月と同水準だった。

OPECとロシアなどの大産油国で構成されるOPECプラスは毎月日量40万バレルの増産を計画しているが、ロシアは自国に課された生産量の目標に4万バレル届かなかった。

ロシアの昨年の原油生産量は前年比25万バレル増の日量1052万バレルだったが、ソ連崩壊後で最高となった2019年の水準(日量1125万バレル)に達していない。

ウクライナ情勢で対応に苦慮する米・バイデン大統領 Photo/gettyimage


ロシアのノバク副首相は「今年の原油生産量は日量1080〜1120万バレルに増加し、5月までにコロナ禍前の水準に戻るとしている」が、「夏の終わりまでコロナ禍前の水準に戻らない」とする懐疑的な見方が出ている。

ロシアの原油埋蔵量自体が減少していることが明らかになりつつあるからだ。


「経済制裁はなんとしてでも回避したい」本音
ロシアを石油大国の地位に押し上げたのは、西シベリアのチュメニ州を中心とする油田地帯だった。巨大油田が集中し、生産コストが低かったが、半世紀以上にわたり大規模な開発が続けられた結果、西シベリア地域の原油生産はすでにピークを過ぎ、減産段階に入っている(過去10年で約10%減少)。

ロシアが原油生産量を維持するためには東シベリアや北極圏などで新たな油田を開発しなければならないが、2014年のロシアによるクリミア併合に端を発する欧米諸国の経済制裁の影響で技術・資金両面から制約を受け、期待通りの開発が進んでいない。

ロシアのエネルギー戦略は長期的に弱体化する可能性がある Photo/gettyimage


ロシア政府が2020年に策定した「2035年までのエネルギー戦略」では「2035年時点の原油生産量は良くても現状維持、悪ければ現在より約12%減少する」と予測している。その後ロシア政府高官が相次いで「自国産原油の寿命は20年に満たない可能性がある」とする悲観的な見方を示している。

西シベリア地域の油田の枯渇が進み自国の石油産業がじり貧となるリスクが高まる中で、ロシアにとっての喫緊の課題は、現在欧米諸国から科されている経済制裁の解除だ。

「ウクライナ情勢のせいで欧米諸国から追加制裁を科されることをなんとしてでも回避しなければならない」というのが本音だろう。

さらに、ロシア経済のもう一つの悩みは深刻な人口減少だ。


ロシアを襲う「人口減少」は日本よりヤバい
ロシア連邦統計局は1月28日に、「同国の人口が昨年に100万人以上減少した」と公表した。

減少幅はソビエト連邦崩壊以降で最悪であり、日本の年間の人口減少数をも上回っている。経済が悪化したことで出生率が低下し死亡率が上昇しているロシアに対し、新型コロナのパンデミックが追い打ちをかけた形だ。

ロシア政府は2020年夏に世界で初めて新型コロナのワクチン(スプートニクV)を承認したが、自国産ワクチンに対する国民の根強い不信感から接種率が低迷している(40%台)。このことも出生率に悪影響をもたらしている。

「ロシアはいつでもウクライナに侵攻できる」とする論調が高まっているが、人口減少が深刻化する国が大規模な戦争を遂行できるとは思えない。

それだけではない。

新型コロナ以上に国民生活を苦しめているのはインフレだ。


ロシアでは2020年から食料品を中心にインフレが進んでいる。昨年12月のインフレ率は8.4%と中央銀行の目標値(4%)の2倍以上となった。

ウクライナ情勢の緊迫化により通貨ルーブル安も進み、「輸入品の価格上昇でインフレ率が2桁になる」との懸念が高まっている。

ロシアの国内情勢は戦争を許さない Photo/gettyimage


本当は戦争できないロシア
ロシアの中央銀行は昨年12月、主要政策金利を7回連続で引き上げており、金利高による景気悪化も現実味を帯びつつある。

プーチン政権の長期化への不満がこれまでになく高まっている中で、インフレと不景気の同時進行(スタグフレーション)が起きるリスクが生じている。ソ連崩壊後の1990年代前半のインフレや経済の混乱は極めて深刻だった。

忍び寄るインフレの足音がソ連崩壊時の悪夢をプーチン大統領の脳裏に呼び覚ましていたとしても不思議ではない。

強面に映るロシアだが、経済は非常に脆弱なのだ。


窮地のロシア
欧米諸国が追加の経済制裁を発動すればロシアは確実に窮地に追い込まれる。

経済制裁には「効果が強すぎるとその意図に反して相手の軍事行動を惹起してしまう」という深刻な副作用がある。

悩めるプーチン Photo/gettyimage


追い込まれたロシアが経済を度外視した行動に打って出ることがないよう、国際社会は冷静かつ慎重な対応を講じていくべきだ。

188. 2022年3月05日 15:03:35 : PmxMfKaAno : V3A4SVpzQXM1UU0=[7] 報告
「バイデンはウクライナをプーチンに渡す」米露の“密約”をジェームズ斉藤が暴露! 危機は出来レースだった!?
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1508.html
189. 中川隆[-13569] koaQ7Jey 2022年3月06日 11:01:14 : kX0jb7jQbo : UGVLeHl5VmtMTXc=[8] 報告
プーチン大統領は破滅へ向かって驀進中

Putin plays katyusha on piano

190. 中川隆[-13557] koaQ7Jey 2022年3月07日 18:47:49 : kvmYCXGq46 : SUR0MEpYSFdhamM=[13] 報告
※調整版 3/3 16:30〜『いわんかな#57』ゲスト:渡辺惣樹(日本近現代史研究家)露・ウクライナ侵攻報道に見る日本を覆うリベラル思想(高山正之・馬渕睦夫・塩見和子・宮崎正弘・福島香織)

191. 中川隆[-13538] koaQ7Jey 2022年3月09日 17:16:47 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[10] 報告

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html


新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

Kostyantyn Zhevago private jet 443Kostyantyn Zhevago super yacht 01

(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

Alisher Usmanov 7743Irina Viner 54


( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


Alina Kabaeva 9922Alina Kabaeva & Putin 662


(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

Zelensky 22Biden 87643Putin 8832

( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html

192. 中川隆[-13525] koaQ7Jey 2022年3月12日 14:31:14 : ojHKLDjLaQ : S21qS2x6MWlYaXM=[6] 報告
《プーチン大統領はなぜ支持されるのか》安倍元首相をも虜にした“悪魔の魅力”とは「フレンドリーで初体験の年齢を聞かれても笑顔で」 「人たらし」
「文春オンライン」特集班2022/03/11
https://bunshun.jp/articles/-/52567

「彼はとにかく人たらしとして知られています」

「彼」とはウクライナに侵攻し、世界中から批判の嵐に晒されているロシアのプーチン大統領のことだ。元産経新聞モスクワ支局長の佐々木正明氏はプーチンについて、こう続けた。

「例えば、プーチンは様々な行事に遅刻することで有名で、大事な要人との会談にも遅れてきます。2014年の森喜朗元首相との会談では3時間半遅刻し、2016年に来日し当時の安倍首相と会談した際にも、約2時間半遅刻してきました。


 プーチンは会談の場に姿を現すと、即座に首相や官僚など全ての関係者、1人1人の目を見て、両手でガッチリと握手をします。しかも、その握手は一瞬ではなく数秒続き、長い。握手の後、会談の場はプーチンに友好的な雰囲気へと一気に変わってしまうと外交関係者から聞いたことがあります」


 待たせた後の固い握手。“アメとムチ”を使い分ける彼の演出力の高さに、各国の政治指導者も“騙されてきた”部分があるようだ。

国民からの公開質問に“チャーミング”に回答
 政府関係者のみならず、ロシア国民にとってもプーチン大統領は“魅力的な男”であり続けてきた。“兄弟国”ウクライナへの侵攻にロシア国内では反戦運動が繰り広げられているが、ロシアの独立系機関「レバダ・センター」が2月頃に行った調査では、プーチン政権への支持率は69%。12月の調査から4%上昇するなど依然、高水準なのはその証左だろう。

 モスクワに住む日本人男性は、プーチン大統領の人心掌握の巧みさを、こう証言する。

「国外から見える姿と異なり、意外にも、ロシア国民にとってプーチンは親しみやすい印象があるのです。例えば、年1回の恒例テレビ番組『プーチン・ホットライン』。これはプーチン大統領がスタジオに生出演し、100個近い視聴者の質問に、約4時間かけて本人が答える番組でした。


 質問の中身はさまざま。政治的な質問だけではなく、プーチンのプライベートへの質問や、国民の人生相談にも答えます。初体験の年齢を聞かれ、プーチンが『覚えていない。でも最後にした時のことは覚えているよ。何時何分かも正確にね』と笑顔で答える一幕もありました」

 番組内では、プーチン大統領の“頼れる兄貴ぶり”がいかんなく発揮されたという。


「ある質問者は『地元の道路が整備されていなく、自転車に乗ることもできない。町の責任者に頼んでも対応してくれない』と相談。するとプーチンは『それは深刻な問題だ』といい、番組中に町の幹部と電話し、『道路を修繕させる』と約束させました。

 他にも、田舎に住む質問者からガスが通っていないことを相談されると、すぐにガス会社に連絡してパイプラインを通すことを確約。その強権で、住民を長年悩ませてきた問題が一夜で解決してしまうのです」(同前)

国民からの要望に「5日で新列車を走らせた」
 プーチンが国民に“魅力”をアピールするのは、そういった番組だけではない。記者会見でも、都市部だけでなくロシア全土に寄り添う姿勢を見せつけてきた。


「昨年12月の記者会見では、地元紙記者から『地方都市ヨシュカルオラから、大都市のサンクトペテルブルクまで乗り換えなしで行けないのはなぜか』と質問され、調査を約束。そのわずか5日後、本当にサンクトペテルブルク行きの直通夜行列車が開通してしまいました。これは日本でも、昨年12月31日に共同通信が『ロシア大統領「鶴の一声」健在 5日で新列車走らせる』と驚きをもって伝えています」(同前)

 プーチンは「強面だが実はフレンドリーで頼れる」というイメージ戦略をとってきたようだ。その演出に一役買っているのがスポーツだ。ロシアに詳しい日本人ジャーナリストが話す。


「黒海沿岸にあり、総工費1400億円とも言われる“プーチン宮殿”は、山手線の内側を超える広大な敷地面積を誇り、ジムにプール、アイスホッケー場、柔道場まであります。彼はスポーツが大好き。体を鍛え、筋肉質な肉体を披露するのは、衰え知らずの印象を演出するためでしょう。

 彼は幼少期から格闘技に熱中し、柔道やサンボ(ロシアの護身術)も得意。2000年に来日した際には、柔道の総本山である講道館から『黒帯』の上位にあたる『紅白帯』を締められる『講道館柔道6段』を授与されました。日本オリンピック委員会(JOC)会長でもある山下泰裕氏を尊敬しているとされます。出張がなければ毎日プールで1時間半ほどバタフライで泳ぎ、懸垂は今でも15回から17回できると公言しています。


 2012年には、大統領就任の式典のわずか数時間後にアイスホッケーの試合に出場し、得点を決めました。ロシアでは、アイスホッケーは人気スポーツの1つ。プーチンはわざわざプロ選手の特訓を受け、数カ月で試合に出られるまで上達しています。また、ウクライナ侵攻直前までは、側近が編集した、北京冬季五輪で活躍するロシア人選手のダイジェスト動画を毎日のように見て喜んでいたそうです」

スポーツ選手が反戦明言「プーチンにとって相当ショック」
 しかし、ロシアのスポーツ選手たちは口々に反戦を叫んでいる。プーチン大統領を支持してきたというアイスホッケー選手、アレクサンドル・オベチキン氏もそのうちの1人だ。

「オベチキン氏はこれまでプーチン支持を明言してきました。しかし今回のウクライナ侵攻にあたって、『ロシアにもウクライナにもたくさんの友人がいる。誰かがケガをしたり殺されたりする姿を見たくない』と声明を出しました。他にもテニス世界ランク1位のダニール・メドベージェフ選手やフィギュアスケートのエフゲニア・メドベージェワ選手も反戦を呼びかけています。今回、アスリートが次々に反対を示したのは、プーチンにとって相当ショックだったと思いますね」(同前)

 一方、こうした戦略的な“人気とり”の背後で、プーチン大統領は気に入らない人々に対して極めて残忍な仕打ちをし、そしてそれを隠し続けてきた。ウクライナ国営通信「ウクルインフォルム」の平野高志氏は憤慨しながらこう話す。


プーチン大統領をヒトラーになぞらえ批判 ©getty
プーチン大統領をヒトラーになぞらえ批判 ©getty
「今回の戦争は言語道断ですが、2014年のクリミア危機の際にも14000人が殺害されています。武器を捨てて逃げようとする兵士に、後ろから一斉射撃を加えるなど残虐的すぎる行動を取らせたほか、野党の政敵やジャーナリストが相次ぎ不審死しています。確たる証拠は挙がっていませんが、これらはプーチンが指示したとされています。そんな疑惑は数え上げればきりがありません。

 ウクライナでは、彼は最大限否定的に受け止められており、新聞の挿絵では耳の尖った姿で描かれるなど、まさに“悪魔”の扱いです。

 そもそも、プーチンはウクライナをかなり下に見ています。彼自身が過去、『ウクライナは国家ではない』とか『ウクライナはレーニンが作った人工的なものである』などと発言している通りです」


耳を塞ぎたくなるような残虐行為を隠し、情報戦に長けた“皇帝プーチン”。対するウクライナのゼレンスキー大統領は、国民の心を掴むことができているのだろうか。

「今、ゼレンスキーの支持率は9割以上。演説もスピーチライターが書いているとはいえ、言葉の1つ1つに心がこもっている気がします。また、これまで彼を批判してきた人たちも、応援に回っているのが大きいでしょう」

ヒトラーのような髪型と髭をコラージュしたプーチン大統領の写真 ©getty
ヒトラーのような髪型と髭をコラージュしたプーチン大統領の写真 ©getty
 ゼレンスキー大統領は元々コメディアンだった。

ロシアに徹底抗戦 ゼレンスキー大統領がノーネクタイなワケ
「ロシア側は彼の経歴を『政治にふさわしくない』という文脈でプロパガンダし、国内メディアからも2019年の大統領選で『あんなコメディアンが大統領になっていいのか』と批判の声がありました。ただ今は有事ですし、キエフに残って殺されるかもしれない状況で戦い続ける姿勢が、支持を集めているのだと思います」(同前)

 ゼレンスキー大統領も、情報戦に長けた政治家のようだ。彼が政界に進出したのは、テレビドラマに出演したことがきっかけだった。国民の民意をくみ取り、出馬のタイミングを見極める力を持っていた。


「ゼレンスキーが出演したドラマは、“政治エリート”に失望した多くの国民を惹きつける内容でした。その中で彼は、政治の素人だった元歴史教師が汚職政治を刷新するという理想的な大統領を演じていました。『あんな人が大統領になったらいいな』という国民の印象が抜けきらないうちに、その後、選挙まであと3カ月というところで急遽、立候補したのです。今でもニュース映像では、ノーネクタイ姿ですが、これは『できるだけ国民と同じ目線でいよう』という彼なりのこだわりを示しているのでしょう」(同前)

 しかし、政治家としての手腕や評判は、これまでプーチン大統領の足元にも及ばなかった。


「外交や国防に詳しい人からは、彼の大統領就任は危険視されていました。彼はプーチン相手に“対話路線”を主張していましたが、プーチンは対話にのってこなかった。1度、メルケル独前首相やマクロン仏大統領の仲介で会談しましたが、国内からは『プーチンと1対1での対話はやめた方がいい』『政治家として上手のプーチンに言いくるめられてしまう』と懸念する声が多かった」(同前)

 しかし、ゼレンスキー大統領は、その後努力を重ねてきた。


「ゼレンスキーはウクライナ語が苦手でした。ロシア語話者が多い地域に生まれたため、プライベートや、出演していたテレビ番組や舞台では全てロシア語でしたよ。『大統領になった時にウクライナ語を喋れるように最近頑張っている』とテレビで話していたこともあります。そのほかに専門家たちから教えを請い、大統領として“猛勉強”をしてきました」(同前)


 その勉強の成果もあったのだろうか。ゼレンスキー大統領はややもすると理想的すぎる対話路線から、徐々に多角的な戦略を立てて未来を見据え始めた。

プーチン大統領は「狂った」のか、それとも…
「専門家らの助言を受け、NATOへの加盟や軍備増強の準備を進めました。21年、22年にドイツとフランスを交えた4者会談を開きたいと訴えるなど『対話路線』は続けつつも、うまくいかない可能性も考慮し始めたのです。その頃には就任当初の“素人感”が消え、見違えるほど政治家として成長していましたね」(同前)


 人々の声に耳を傾け、現在は大国ロシアに必死の抗戦を続ける。ゼレンスキー大統領への支持はウクライナ国内から広がりをみせ、いま世界中に伝播している。

 一方、人心掌握に長けたとされているプーチン大統領は、国際社会を敵に回す暴挙に打って出た。これはプーチン大統領が「狂った」からか、はたまたこれまでの策略の延長線上にあるのか――。いずれにせよ、戦争の先行きはいまだ不透明だ。

193. 中川隆[-13515] koaQ7Jey 2022年3月14日 19:48:53 : 0NCqg4oANc : dFdqV25vaHdZckU=[4] 報告
「モスクワ川に浮くぞ」と警告が…佐藤優が見たロシア大衆の感覚「プーチンの恐さがなければ大統領はつとまらない」
#1
https://bunshun.jp/articles/-/52540
「クソ野郎」と公然と言い放つ大統領。その力の源泉とは。作家の佐藤優氏による「最強の独裁者プーチンの凄腕」(「文藝春秋」2014年4月号)を特別に再録します。

(※日付、肩書きなどは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

選挙で「うんと悪い候補者」を排除
 筆者の政治感覚は、標準的な日本人と比較するとすこしずれているような気がする。選挙とは、われわれの代表者を政治の場に送り出すことと頭ではわかっているのだが、どうも皮膚感覚がついていかない。


 われわれの日常生活とは次元の異なるところから候補者が降ってくる。「悪い候補者」と「うんと悪い候補者」と「とんでもない候補者」だ。その中から「悪い候補者」に一票を投じ、「うんと悪い候補者」と「とんでもない候補者」を排除するのが選挙であるというのが、筆者の率直な認識だ。これはロシア人の標準的な選挙観だ。

 筆者は1987年8月から1995年3月までモスクワの日本大使館に外交官として勤務した(正確に言うと最初の1988年5月まではモスクワ国立大学で研修)。


 その間に1991年12月のソ連崩壊があった。まず、ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が進めたペレストロイカ(立て直し)に対する期待感と幻滅を目の当たりにした。中途半端な経済自由化によって、指令型計画経済のネットワークが崩れ、石けんや砂糖さえ満足に手に入らなくなった。

 また、アゼルバイジャンとアルメニアの民族紛争、沿バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)のソ連からの分離独立運動の現場を見た。ナショナリズムの力が、創造性、破壊性の両面において、桁違いに大きいことを実感した。

「モスクワ川に浮くぞ」と警告
 ソ連崩壊後のロシアで、もはや秘密警察を恐れることはなく、自由に政治活動、経済活動ができるというユーフォリア(陶酔感)を一時期、筆者もロシア人と共有した。しかし、その陶酔感は、ソ連崩壊から1年も続かなかった。「ショック療法」と呼ばれる新自由主義的な経済改革が行われ、1992年のインフレ率は2500パーセントに達した。

 ソ連時代の国有財産のぶんどり合戦が始まり、経済抗争はある閾値を超えるとカラシニコフ自動小銃で処理されることを知った。筆者が親しくしていた銀行会長とスポーツ観光国家委員会の次官が、カラシニコフで蜂の巣にされて生涯を終えた。

 利権抗争ではないが、北方領土関係でクレムリン(大統領府)と議会に対してロビー活動を行っていたら「モスクワ川に浮くぞ」と警告されたことが複数回ある。秘密警察関係者からの政治絡みの警告だったこともあるが、北方四島周辺の密漁で外貨を稼いでいるマフィア関係者と手を握った官僚からの警告だったこともある。後者の方が恐かった。


 日本に戻ってきたのは、1995年4月だが、その後もロシア各地に頻繁に出張した。特に1997年11月に西シベリアのクラスノヤルスクで橋本龍太郎首相とエリツィン大統領が会談し、北方領土交渉が動き始めてからは、3、4週間に1回はモスクワに出張した。

 そのような状態が2001年4月に小泉純一郎政権が成立し、田中真紀子氏が外相に就任するまで続いた。それだから当時のロシアの雰囲気が脳裏に焼き付いている。


プーチン独裁を正当化する“伏線”
 現在のロシアでは「混乱の90年代」という表現がなされることがある。エリツィン時代は、過度な民主化、自由化のために社会が混乱し、国民にとって不幸だったという意味である。ロシアの義務教育9年生(日本の中学3年生に相当)でもっとも広く用いられている「プロスヴェシチェーニエ(啓蒙)」出版社の歴史教科書において、エリツィン時代は次のように総括されている。


〈1990年代には、ロシア連邦を再建し、その統一性を保持し、国の連邦体制の新たな原則を定着させることに成功した。中央と地方の関係は、より対等になった。この関係は、多民族国家の現代的な発展傾向を考慮したのであった。これが連邦建設の主な結果であった。

 対立をすべて抑え、問題をすべて解決することはできなかった。地方との関係で連邦中央政権の役割は弱体化した。その一方で、民族問題がますます大きな意義をもった。ロシア人の民族運動が活発化し、その指導者は、ロシア人の諸問題に政権の関心が払われないことに不満を示した。

 ロシアの領土保全は、依然としてもっとも喫緊の課題のひとつであった。ロシアは、ソ連がたどった崩壊への道を繰り返しているように思われた。中央の経済的・政治的意義の低下は、地域間の結束を弱め、連邦権力の参加なしでもすべての問題が解決できるという印象を与えた。チェチェン共和国での失敗は、国の他地域の分離主義者を奮い立たせ、民族政策を変更する必要性が生じた。〉(アレクサンドル・ダニロフ/リュドミラ・コスリナ/ミハイル・ブラント[寒河江光徳他訳]『世界の教科書シリーズ32 ロシアの歴史【下】 19世紀後半から現代まで―ロシア中学・高校教科書』明石書店、2011年)

 エリツィン時代に「ロシアは、ソ連がたどった崩壊への道を繰り返しているように思われた」という評価は辛辣だ。現在のロシア政府は、あのままエリツィン路線が続いていたら、ロシア国家が崩壊していたという認識を義務教育で、生徒に叩き込んでいるのだ。これは、プーチンによる独裁に限りなく近い権威主義的体制を正当化する伏線でもある。


KGB出身で「しかるべき秩序」をもたらした
 プーチン政権の誕生について、この教科書の記述を見てみよう。

〈ロシアの第2代大統領となったウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンは、1952年10月7日に生まれた。レニングラード国立大学法学部を卒業したのち、1975〜1991年まで国家保安機関に勤務した。1991〜1996年までサンクトペテルブルク副市長を務め、その後、ロシア大統領府へ転属し、短期間のうちに大統領府副長官に上り詰めた。

 1998年にプーチンは連邦保安局(FSB)長官に任命され、1999年の夏にはロシア連邦首相に就任した。


 2000年3月26日の大統領選挙で、V・V・プーチンは、第1回投票で勝利を獲得し、ロシアの第2代大統領に選出され、同年5月7日に大統領に就任した。(略)


 V・V・プーチン大統領は、ロシアにおけるあらゆる進歩的改革を保障する強力な国家権力の推進者であることを鮮明にした。したがって、新大統領の最初の方針は、社会活動における国家の権威と役割を強固にし、しかるべき秩序をもたらすことに向けられた。

 こうして、1990年代に行われた民主主義路線はこれまで通り継承された。〉(前掲書)

 プーチンが、KGB(ソ連国家保安委員会)出身で、「社会活動における国家の権威と役割を強固にし、しかるべき秩序」をもたらしたことを強調している。

国内に統一した法治社会を復活
 具体的には、中央集権の強化である。プーチンは、ロシアを構成していた諸連邦を、7つの管区に集約し、各管区に大統領全権代表を置いた。

〈(それまで各連邦で)採択された3500以上の法令は、ロシア憲法や連邦法に合致していなかったため、そのうちの5分の4が改正された。

 こうした措置は、地方における中央権力の役割を強化させ、連邦を強固にし、ロシア国内に統一した法治社会を復活させることになった。〉(前掲書)

 さらには連邦会議(上院)も、それまでは各連邦の知事と議会議長から構成されていたのが、立法機関からの選出と、プーチンが指名した行政の長により任命された地方の代表者で構成されるようになった。さらには、

〈ロシアの多党制も改善されつつあった。政党法は、国民の大多数の支持を得ている組織のみを政党と認めた。結果として、国家活動における政党の意義が高まった。〉(前掲書)

 地方の自治権を取り上げて、中央集権制を強化することをプーチンは「法の独裁」と名づけた。教科書では、プーチンが好んで用いた「法の独裁」という言葉を記録していない。スターリン時代に「プロレタリアート独裁」の名の下で、大規模な人権弾圧が行われたことを髣髴させるからであろう。


地方が採択した法令の8割が変更されるというのは、統治のゲームのルールの大きな変化だ。知事選挙も廃止し、中央政府による任命制になった。さらに検察、警察、FSBなどの「力の省庁」を用いた統治メカニズムが導入された。

 さらに、プーチンは国家統合を強化するためのシンボル操作を行った。

〈ロシアの国家シンボルの問題をめぐる無益な争いは、約10年にわたって続いていた。プーチン大統領は、様々な社会階層の立場を近づける妥協案を提示した。2000年12月に国家会議(下院)は、ロシアの国家シンボルに関する法律を採択した。白・青・赤の3色旗と双頭の鷲の紋章は、ロシア1000年の歴史を想起させるものである。大祖国戦争におけるわが国民の勝利の赤旗は軍旗となった。ソ連国歌のメロディーにのせられたロシア国歌は、世代の統一と、わが国の過去と現在、未来の不可分な結びつきを象徴している。(略)


 V・V・プーチン新大統領の活動は、社会の賛同を得た。大統領の最初の任期終了までに、ロシア国民の約80%がプーチン大統領を支持した。〉(前掲書)


「教育とは暗記なり」が常識
 この教科書には、課題がついている。例えばこんな内容だ。

〈社会的・政治的安定の達成は、過去2年間のもっとも重要な成功のひとつと認識されています。なぜ現代ロシア社会がそれほど強く安定を求めているのか、クラスで議論しましょう。安定は何によってもたらされますか。何のために安定が必要なのか、改革の成功のためなのか、あるいは改革から徐々に脱却するためなのか、考えましょう。大統領と政府は、この問題に対してどのような立場をとっていますか。本文中やマスメディアの資料を用いましょう。〉(前掲書)

 ロシア人は、6、7歳の子どもでも、本音と建て前の区別がつくようになっている。

「何のために安定が必要なのか、改革の成功のためなのか、あるいは改革から徐々に脱却するためなのか、考えましょう。」という設問に対して、「改革から徐々に脱却するためです」という間抜けた答えをする生徒は1人もいない。

 そもそも義務教育段階では、「教育とは暗記なり」というのが、ロシア人の常識だ。教師が提示する模範解答を丸暗記するのが、常識である。


「真の改革のためには、秩序と安定が必要だ。プーチン大統領と政府は、ロシアの国家体制(госудáрственность、ゴスダルストベンノスチ)を強化するために全力を尽くしている。この路線を国民も支持している」というのが模範解答である。

 現実問題として、ロシア人は、プーチン政権の現状を消極的にではあるが、支持している。ロシア人にとって、そもそも政治は悪である。政治における最大の悪は、スターリンのような、政治、経済、文化だけでなく、人間の魂も支配しようとする独裁者が現れることだ。

 また、政治指導者が弱く、国内が混乱することも、ロシア人の考える巨悪である。そう考えると、ゴルバチョフのペレストロイカやエリツィンの改革も巨悪なのである。


 現在のロシアには、そこそこの言論、表現の自由がある。経済活動も、プーチンの設定したゲームのルール、すなわち「経済人は政治に嘴を差し挟まず、金儲けに専心し、税金をきちんと納める」という原則さえ守れば、自由にできる。


 そもそも良い人は政治家にならない。プーチンは悪い政治家である。しかし、うんと悪い政治家、とんでもない政治家ではない。まあ、この程度の独裁者ならば許容できるというのが、ロシア大衆の平均的感覚なのだ。

「プーチンのような恐さがなければ…」
 普通のロシア人とプーチンについて議論すると、

「昔のような熱い支持はないよ。もう飽きた。しかし、プーチンの代わりに大統領を務めることが出来る人もいない。メドベージェフの小僧が大統領をやったが、力量不足だ。あいつは、ツイッターで軽々に発信する。それに英語でちゃらちゃら話をするあたりが軽い。プーチンのような恐さがなければ、ロシアで大統領はつとまらない」

 という返事が返ってくる。

 世論調査の結果でも、2013年11月の大統領支持率は61パーセントに過ぎない(2013年12月3日ロイター)。プーチンを熱烈に支持する発言をするのは、クレムリン、政府、議会与党、社会院(社会の代表者から構成されているという建前の機関だが、実態は謎で、クレムリンの裏工作に従事している)の関係者だ。プーチンをぼろくそに非難するのは、一部の知識人とジャーナリストだけである。こういう人たちは、基本的に西欧派的な世界観を持った人だ。


▲△▽▼


「クソ野郎」と公然と言い放つプーチン大統領にジャーナリストが“やらせ疑惑”の強烈な質問をぶつけると…
#2
佐藤 優 文藝春秋 2014年4月号
https://bunshun.jp/articles/-/52541

「クソ野郎」と公然と言い放つ大統領。その力の源泉とは。作家の佐藤優氏による「最強の独裁者プーチンの凄腕」(「文藝春秋」2014年4月号)を特別に再録します。(全2回の2回目/前編から続く)

(※日付、肩書きなどは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

独裁者との対話
 世論調査の結果でも、2013年11月の大統領支持率は61パーセントに過ぎない(2013年12月3日ロイター)。プーチンを熱烈に支持する発言をするのは、クレムリン、政府、議会与党、社会院(社会の代表者から構成されているという建前の機関だが、実態は謎で、クレムリンの裏工作に従事している)の関係者だ。プーチンをぼろくそに非難するのは、一部の知識人とジャーナリストだけである。こういう人たちは、基本的に西欧派的な世界観を持った人だ。

 その1人に著名なジャーナリストのマーシャ・ゲッセンがいる。彼女はユダヤ系で、1967年にモスクワで生まれ、81年に米国に移住した。ソ連崩壊直後の91年末にロシアに戻り、米国とロシアの二重国籍を持つジャーナリストとして活躍した。プーチン政権に対する批判を強め、2013年5月に拠点を米国に移してジャーナリスト活動をしている。

 2012年9月にゲッセンは、クレムリンでプーチンと面会している。その記述を読むと、プーチンの独裁者としての実態が浮き彫りになる。当時、ゲッセンは『世界を巡る』という科学雑誌の編集部に勤務していた。ペスコフ大統領報道官から、西シベリアのツルを野生に戻すときに、プーチンがハンググライダーで一緒に飛行するので、それを取材して欲しいという要請があった。プーチンのイメージアップを狙った「やらせ記事」なので、ゲッセンは断った。するとプーチンから直接、アプローチがあった。

プーチンから打ち合わせの電話が
〈翌日(9月2日)の早朝、私は面談取材の仕事でプラハに飛んだ。私はタクシーの中で疲れて、車酔いした。私の電話が鳴ったとき、どこにいるのかわからなくなった。男性の声が電話を切らないように求めた。2分間、私は沈黙を聞かされ、いらついた。「電話を切らないで。私がつなぐから」と先ほどの声とは違う男性の声が耳に入った。私は爆発した。「私は誰かに電話をつなぐように頼んだ覚えはないわ! どうして私が待たねばいけないの? 私に電話したいと言っている人は誰なの? あなたは自己紹介したいの?」。

「プーチンだ。ウラジミール・ウラジミーロヴィッチだ」と電話の向こう側から大統領の声がした。「君がクビになったというのを聞いたよ」と彼は続けた。私はこれが悪ふざけであるかもしれないという実感を、彼が何やら言っている間に、大急ぎで彼に何らかのメッセージを組み立てて話そうとした。「はからずも君がクビになったことについて私はあずかり知らなかった。ところで、私の自然保護活動の取り組みは、政治と分離しがたいものであることを知っておくべきだ。私の立場になれば、自然保護と政治を分離することは困難なのだ」。

 この独特の言い回しは、大統領職で威圧しながら、同情を求めるプーチンのお家芸として長らく結びつけられてきたものであった。

「もし異論がなければ、私は我々が会ってこの問題について話し合うことを提案する」と言った。

「異論はありません。しかし、これが悪ふざけでないと私はどうしたらわかるのでしょうか?」

 プーチンは打ち合わせを手配する電話を私が受けることを約束させ、そうすれば自分が打ち合わせに現れると約束した。〉(マーシャ・ゲッセン[松宮克昌訳]『そいつを黙らせろ―プーチンの極秘指令』柏書房、2013年)

 ゲッセンがプーチンと面談したときの描写が興味深い。プーチンが、非公式の打ち合わせのときにどのような立ち居振る舞いをするかということについての証言は意外と少ない。その意味で、この記述は貴重な資料的価値がある。


「迫害されたジャーナリストの立場が君のキャリアに役立つことになるのかね?」
〈我々が中に入ったときプーチンは、デスクに座っていた。入り口で面会するものと思ったかもしれない訪問客に、そうではなく自分のデスクに近づくよう強いる典型的なロシアの権力者の官僚的な仕草を示すものだった。この執務室は1990年代のクレムリンの時代からあまり変わらない、1960年代の光沢のある木製の家具、大きなデスクに会議テーブルといったソビエト時代のクレムリンにこぎれいに手を加えた感じだった。デスクとテーブルの両方に、ソビエト時代のボタンのないプラスチック電話が置かれていた。完全にクレムリンの定型どおりに、プーチンが我々に挨拶をするために立ち上がる前、我々は部屋の中央に行って待機した。彼は握手をし、会議テーブルに我々を案内した。彼がテーブル先端の中央席に着いてから、ヴァシリエフと私は彼の両脇に座った。ヴァシリエフは顔を赤くして汗ばんでいた。プーチンはちょっと眺めただけではわかりにくいが、かなりの整形手術を施したせいか不相応に大きく見えた。

「会議を始める前に、この会話が意味あるものかどうかを確かめたい。君は自分の仕事が好きかね? もしくは君はたぶん他の計画を持っていて、迫害されたジャーナリストの立場が君のキャリアに役立つことになるのかね?」と彼は言った。

 彼は明らかに簡潔な情報さえ事前に与えられていなかった。彼は私が何者であるのかわかっていなかった。彼は本について知らなかったか、デモ運動における私の役割、ロシアの出版界で私が書いてきた彼や彼の行政に関する多くの記事について知らなかった。また彼はこの会議について事前に何らかの情報を求めなかったように思える。さらなる証しは、独裁者ならではの孤立感や自分中心に世界が回っているような自己中心性が目につくようになっていた。〉(前掲書)


「大統領はよいニュースだけを知りたがる」
 プーチンは、ゲッセンが彼を独裁者だと激しく非難し、不正蓄財やジャーナリスト暗殺疑惑について書いていることを知らないのである。

 ちなみにエリツィンは、新聞を読まず、テレビを見なかった。自分を非難する不愉快な情報を知りたくなかったからだ。ニュースについては、報道担当大統領補佐官がA4判3〜4枚にまとめたサマリーを毎朝、渡していた。筆者がこの補佐官から直接聞いた話だが、「大統領はよいニュースだけを知りたがる。悪い話については、それへの対策を記しておかないと機嫌が悪くなるので、この作業には神経を使う」ということだった。プーチンもエリツィンと同じような状態になっているのであろう。

 プーチンは、環境保護に強い関心を持っている。ゲッセンの著書から引用を続ける。


ゲッセンからプーチンに強烈な質問
〈「結構だ。それでは我々は話し合える。私は子猫や子犬、小さな動物が好きだ」と彼は微笑んだ。彼は絶滅危惧種のための彼の公共的努力が重大な問題に対する注意を惹くことに役立ったと感じ、「だから、私はシベリア鶴のプロジェクトを考え出したのだ」と言った。

 これは私にとってニュースだった。シベリア鶴の個体数を回復するプロジェクトは、1970年代後期に遡る。私は彼にこの考えの提唱者が自分であると主張することによって、彼が何を狙っていたのかを明らかにするよう彼に求めた。プーチンは数年前にこの計画について聞き、この計画に運転資金がないことを知り、この計画に再び支援資金をつけるのが彼の考えだった。〉(前掲書)

 このあと、ゲッセンはプーチンに強烈な質問を浴びせる。それまでプーチンが自然保護プロジェクトにおいてやらせを行ってきたことを、直接、ぶつけたのだ。


「言うまでもなく、やり過ぎの事実があったな」
〈「(略)大統領がシベリア虎に衛星送信機の首輪をつけたとき、その虎がハバロフスク動物園から実際に借りてきたものだったことを、おそらく大統領はお気づきのことと思います。大統領が北極グマに送信機をつけたときも、そのクマは事前に捕獲され、大統領が到着されるまで鎮静剤を打たれた状態にされていたのです」と私は言った。

 プーチンは「言うまでもなく、やり過ぎの事実があったな」とむしろ陽気な調子で、私の指摘をさえぎり、「私はその仕事をさせるために人を連れて行ったのだ。とはいえ、私にはこの問題に注意を惹かせることがはるかに重要だったのだ! 確かに、雪ヒョウが鎮静剤を打たれていたな」と彼は言った(私は雪ヒョウについては言及しなかったのだが)。「しかし大事なことは、雪ヒョウ・プロジェクト全体を考え出したのは私だったということだ。虎もだ。私がそれを考え出したあとに、虎が生息する20カ国がこの問題に取り組み始めた。言うまでもなく、行き過ぎもあったことは確かだな」と彼は繰り返した。〉(前掲書)

 このように、プーチンの方から、自分に不利な事実を語る。これは独裁者の心性を考える上で非常に興味深い。そしてさらに言葉を重ねる。

「私が脳なしのクソ野郎のように…」
〈「あのときのように、私が古代ローマの両手付きブドウ酒の壺を潜水して持ってきたようにね」。

 私はプーチンが、古代ローマの両手付きのブドウ酒の壺を2つ抱えて黒海の海底から現れ、カメラに向かってポーズを取った1年前のあのことのあとに、すぐに判明してしまったような、彼が海底で見つけるように用意されていた両手付きのブドウ酒の壺を発見するやらせの類似例を引き合いに出すことなど信じられなかった。

「誰もが両手付きのブドウ酒の壺が用意されていたことを書き始めた。もちろん、それらはこっそりと持ち込まれていたものだよ! 私が海に潜ったのは自分の力を大きく見せつけるためでなかった。そのようなことは、海の中の一部の生物がライバルを威嚇するために自分を大きく見せることと同じさ。あの場所の歴史に注意を惹かせようとして潜ったのだ。あれから誰も彼も、私が脳なしのクソ野郎のように両手付きブドウ酒の壺を持って海中から現れたと書き始めた。ところが一部の人は、実際に歴史の本を読み始めたのだ」

 彼が使用した「ムーダク」(引用者注・正しくは「ムダーク」)という言葉は、ロシア人が完全に不適任と見なした人間をけなすときに表現する言葉の一つである。相手を威圧するために自分を大きく見せるようなプーチン流の口の悪い野卑な話し方は、かつて自分がKGB要員のリクルーターのつもりでいた人間としてはひどい失言だった。彼の話し方は、私そして会見にとって穏当なものではなかった。〉(前掲書)


限りなくマフィアの親分に近い雰囲気
 ここで、ゲッセンが衝撃を受けた「мудак(ムダーク)」という言葉は、「キンタマ野郎」「クソ野郎」とかいう罵倒語で、高等教育を受けた人間が公の場で使うことはない。ゲッセンが伝えるプーチンの雰囲気は、限りなくマフィアの親分に近い。

◆ ◆ ◆

 筆者は、根っからの功利主義者だ。独裁者プーチンが、情報から遮断された環境にいることは、北方領土交渉にとってプラスになる可能性があると考える。


 2月8日、ロシアのソチで行われた日露首脳会談は成功だった。プーチン大統領の安倍晋三首相に対する信頼感が一層高まった。その理由の一つがソチに向けて飛び立つ直前、7日、東京の北方領土返還要求全国大会の挨拶で、安倍首相が「明日、プーチン大統領と、5回目の首脳会談に臨みます。私は、日露関係全体の発展を図りつつ、日露間に残された最大の懸案である北方領土問題を最終的に解決し、ロシアとの間で平和条約を締結すべく、交渉に粘り強く取り組んでまいる決意であります」と述べたことだ。安倍首相が「四島」に言及しなかったことをクレムリンは、日本の新たなシグナルと受け止めている。


 今回の首脳会談で筆者が最も注目するのは、谷内正太郎内閣官房国家安全保障局長を安倍首相がプーチン大統領に紹介したことだ。安倍首相が、「谷内さんはお酒を飲めない」と冗談半分に紹介すると、プーチンは「酒を飲めないでいったいどういう交渉をするのか。私の方で何とかしよう」と答えた。

 この発言は、谷内氏が、安倍首相の「個人代表」として、今後、プーチンとの連絡係になることを強く示唆する内容だ。プーチンが「私の方で何とかしよう」と述べたことは、今後、首相の個人代表として谷内氏を受け入れるという意味だ。

 谷内氏を通じて、北方領土問題解決に関する試案をプーチンに提示してみると面白い。プーチンの腹にストンと落ちると、それが大統領案になる。北方領土交渉に慎重な態度を崩していないロシアの外務官僚も、独裁者の意向に反することはできない。独裁者プーチンの心理に谷内氏が巧みに付け込むことに成功すれば、北方領土交渉の突破口が開けるかもしれない。

194. 中川隆[-13507] koaQ7Jey 2022年3月15日 18:46:59 : ddTeqfvkZA : SGdtN2p5YzNRYTY=[10] 報告
【松田学】親プーチンでも反ロシアでもなく“日本にとって”必要な視点とは?[R4/3/1]



国を想う国会議員達が、国会中継だけでは伝えられない政治の動きを、ビデオレターで国民の皆様にお伝えするシリーズ。今回は松田学元衆議院議員から、ロシア-ウクライナ戦争でまたも露呈した、日本人の情報感度と戦略的視点の欠如について指摘していただきます。
195. 中川隆[-13505] koaQ7Jey 2022年3月17日 09:28:27 : GSbvl9UWZY : ZnBzRnJaRlM3R0U=[2] 報告
2022.03.17XML
ウクライナを舞台とした米国と露国との戦争が激しくなる中、経済人脈に動きも
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203170001/


 ウクライナを舞台としてアメリカとロシアの戦いはロシア国内で経済を握っているウォール街やシティの傀儡勢力の粛清につながるかもしれない。

 アメリカ政府は経済戦争の一環としてロシアが保有する金と外貨の半分を凍結したとロシアの金融大臣は語っている。ロシア政府が管理できない国外へ持ち出していたことになるが、アメリカの影響下にある場所へ金を預けたなら盗まれる可能性があることは常識。それにもかかわらず、凍結される場所へ持ち出していたとすると、責任者はまさに責任を問われるだろう。

 その責任者とは中央銀行総裁のエルビラ・ナビウリナ。この人物はエゴール・ガイダルの仲間だと見られ、IMFの意向に沿う政策を推進してきたことでも知られている。

 ガイダルはジョージ・ソロスの知り合いで、ボリス・エリツィンの側近。エリツィン時代のロシアでガイダルはハーバード大学教授のジェフリー・サックスの下で働いていた。エリツィンの経済政策はサックスを含むシカゴ派の顧問団が作成していた。

 そうした政策をエリツィン政権に実行させる役割を負っていた人物がアナトリー・チュバイス。ソロスの配下で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ている。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 チュバイスはエリツィンの娘であるタチアナを中心としたグループに入っていたことも知られている。彼女は飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。

 チュバイスとガイダルはラリー・サマーズの命令で動いていたとも言われている。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。

 ウラジミル・プーチンが大統領になっても経済分野はウォール街やシティ、つまり米英の巨大金融資本にコントロールされてきた。手をつけようとすると、経済を不安定にする可能性が高いからだ。

 アメリカと事実上の戦争状態にある中、ロシアの経済人脈は自国にダメージを与えたわけであり、プーチンとしては米英金融資本の傀儡一派を粛清するチャンスだろう。それができないなら、プーチン政権の先行きは暗い。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203170001/

196. 中川隆[-13498] koaQ7Jey 2022年3月18日 07:29:43 : SruyHYNJ8U : TVdiVVlTQXpnZzI=[4] 報告
2022.03.18XML
ウクライナの戦争でも行われている歴史のぶつ切りは一種の歴史改竄
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203180000/


 ウクライナで戦争が続いている。西側の政府や有力メディアは今年2月21日にロシアのウラジミル・プーチン大統領はドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認し、2月24日にロシア軍が巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃したところから戦争は始まったとしているが、これはアメリカやEUの見方にすぎない。

 歴史は因果の連鎖であり、ひとつの出来事には原因がある。歴史を語る場合、始まりを設定しなければならないが、どこから始めるかで見える風景は大きく変わってくる。そうした連鎖を体制の要請に合わせて断ち切り、その断片を雇い主の都合に合わせて解釈して見せる人もいる。

 プーチンが独立を承認する前からウクライナでは軍事的な緊張が高まっていた。2月17日頃からウクライナ側からドンバスへの攻撃が激しくなっているが、その前からアメリカ/NATOはロシアに対する軍事的な恫喝を強めていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 ウクライナの政治家、オレグ・ツァロフは2月19日に​緊急アピール「大虐殺が準備されている」​を出し、ボロディミル・ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始するという情報をキエフから得たとしていた。

 そのアピールによると、この地域を制圧してからキエフ体制に従わない住民を「浄化」するという作戦で、西側から承認を得ているともしていた。この作戦と並行してSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。

 ウクライナへの攻撃を始めた後、ロシア軍はウクライナの生物兵器の研究開発に関する、そして​3月に予定していたドンバスへの攻撃計画に関する文書​を発見したとロシア国防省は発表している。

 西側ではロシア軍がウクライナへ軍事侵攻したと単純に表現しているが、ウクライナの現体制は2014年2月のネオ・ナチによるクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したところから始まっている。その時のアメリカ大統領がバラク・オバマだ。

 この事実を隠蔽したい人びとは2014年にロシアがウクライナを侵略したことにしている。事実を調べれば嘘だということが容易にわかるだろうが、事実を調べない人には効果があるだろう。

 その時にホワイトハウスでクーデターを統括していたのがジョー・バイデン、現場で指揮していたのが国務次官補だったビクトリア・ヌランド。クーデターの1ヶ月ほど前、ヌランドは電話でジェオフリー・パイアット米国大使に対し、ヤヌコビッチを排除した後の閣僚人事について指示している。その際、話し合いで混乱を解決しようとしていたEUに対し、彼女は「クソくらえ」と口にしたのだ。

 そのクーデターで主力になったネオ・ナチの中核は「右派セクター」だが、そのグループを率いていた人物がドミトロ・ヤロシュ。2007年からNATOの秘密部隊ネットワークに参加している。その時にアメリカのNATO大使を務めていたのがヌランド。その当時、ヤロシュなどネオ・ナチはチェチェンでアメリカが行っていた対ロシア戦争に参加、中東のジハード傭兵たちと結びついている。

 1991年12月にソ連は消滅、翌年2月にアメリカ国防総省はDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プランを作成した。その最高責任者は国防長官だったリチャード・チェイニーだが、作成の中心になったのは国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツ。そのため「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 このドクトリンは旧ソ連圏の復活を阻止するだけでなく、潜在的ライバルの中国やEUを潰し、覇権の基盤になるエネルギー資源を支配しようとしていた。つまり中東もターゲットだ。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めていたウェズリー・クラークによると、1991年の段階でウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。(​ココ​や​ココ​)

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンのベースを考えたアンドリュー・マーシャルは国防総省のシンクタンクONAで室長を務めていた人物。バーナード・ルイスなる学者から世界観を学んだという。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ドクトリンが作成された当時、アメリカが「唯一の超大国」になったと信じた人は少なくなかった。そこで、アメリカは国連を無視して単独で行動できると考える人が出てくる。

 ところが、1993年8月に日本の総理大臣となった細川護煕は国連中心主義を維持。そこで1994年4月に倒れた。細川政権が設置した諮問機関の防衛問題懇談会はその考えに基づいて「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を作成するが、これをマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは問題視、1995年2月に発表されたジョセイフ・ナイ国防次官補の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。これはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいている。

 この当時、ネオコンやアメリカの有力メディアは旧ソ連圏への軍事介入を煽っていたが、ビル・クリントン政権は軍事力の行使に消極的。その象徴が国務長官だったウォーレン・クリストファーだ。

 この人物がマデリーン・オルブライトへ交代になった1997年から流れは変わる。その背後にいたのがヒラリー・クリントンやヌランドだ。この年、ズビグネフ・ブレジンスキーは『グランド・チェスボード』(日本語版は『ブレジンスキーの世界はこう動く』、後に『地政学で世界を読む』へ改題)というタイトルの本を出している。

 この本(原書)が出版された2年後、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。この攻撃ではスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の自宅が破壊されただけでなく、中国大使館も爆撃されている。こうした攻撃を容認した西側はロシアのウクライナ攻撃を許さない。

 ユーゴスラビア攻撃の目的はコソボのアルバニア系住民をユーゴスラビアから分離してアルバニアと合体させことにあったが、少なくとも結果としてこの国を解体し、NATOを拡大させる第一歩になった。ここからアメリカは侵略戦争を本格化させていく。

 コソボでアメリカが手先に浸かっていた勢力の実態は麻薬業者。アメリカ/NATOの保護下のアフガニスタンではケシが栽培され、ヘロインが生産されてきたが、その麻薬販売ルートはコソボを通過している。彼らは後に臓器を売買していたことも判明する。

 ただ、1990年代には支配層の内部にもNATOの拡大は危険だと考える人がいた。例えば「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンはNATOの拡大がロシアを新たな冷戦に向かわせると警告していた。こうした意見を封印することになるのが2001年9月11日に行われたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎への攻撃、いわゆる「9/11」だと言えるだろう。

 ウェズリー・クラークによると、その直後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺は新たな攻撃予定国リストを作成していた。そこにはイラク、シリア、イランのほか、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンが載っていたという。レバノンをリストに載せた理由のひとつはイランとの関係が強いヒズボラの存在にある。ハリリはそのヒズボラを連合政府へ参加させようとしていた。

 9/11の後、アメリカはアフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ソマリアなどを攻撃している。2020年1月3日にはバグダッド国際空港でイランのコッズ軍(特殊部隊)を指揮していたガーセム・ソレイマーニーを暗殺した。その時、緊張緩和に関するサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書を携えていた。

 2014年2月のクーデターで危機感を強めた人の代理人として動いたのであろう人物はヘンリー・キッシンジャー。2016年2月10日に彼はロシアを訪問してプーチン大統領と会談、22日にはシリアにおける停戦で合意した。そして大統領候補として浮上してきたのがドナルド・トランプだ。ヒラリーはオバマやバイデンと同じ流れに乗っていた。

 日本の近代史でも呼称は問題になる。典型例は日本軍の中国における戦争。「満州事変」、「上海事変」、「日支事変」、「大東亜戦争」というように歴史をぶつ切りにして別個の出来事だとする人がいる。「太平洋戦争」という呼称もある。そうした見方への疑問から「日中戦争」や「十五年戦争」という呼称が出てきたのだろうが、今でも歴史をぶつ切りにしたがる人が少なくない。ウクライナにおける戦争でもそうした手口が使われている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203180000/

197. 中川隆[-13483] koaQ7Jey 2022年3月19日 16:07:35 : AnixODhVqM : cWdxMGhCU2h1NEU=[7] 報告
「プーチン失脚」は時間の問題か…ロシア国内「3つの支持基盤」が反逆する異常事態に
3/19
https://news.yahoo.co.jp/articles/161242c45501a462699552acd5397c4c8c7f9654


 ロシアによるウクライナ侵攻がつづいている。しかし、短期間でゼレンスキー政権を打倒し、傀儡政権を樹立、ロシアの要求を受け入れさせるという当初の計画は挫折した。

【写真】全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…! キエフ制圧でも長期的に敗北

 戦いは長期化し、国際社会はウクライナ支持で一体化している。ロシアは完全に孤立し、プーチンは「現代のヒトラー」(プトラー)と呼ばれている。

 そんな中、これまでプーチンを支えてきた支持基盤も、いよいよボロボロになってきたーー。

プーチンが抱える三つの支持基盤
Gettyimages

 プーチンには、大きく三つの支持基盤がある。

 一つ目の基盤は、「シロビキ」と呼ばれる軍、諜報、警察などだ。

 軍は、戦争を遂行し、勝利することで、プーチン人気を支えてきた。実際プーチンは、「チェチェン戦争」「ロシア‐ジョージア戦争」「シリア内戦への介入」「クリミア併合」「ウクライナ内戦への介入」「IS攻撃」「カザフスタンの大規模デモ鎮圧」などで、ことごとく勝利してきた。

 日本人にはなかなかわからない感覚だが、プーチンは、戦争をすることで、高い支持率を維持してきたのだ。

 諜報は、わかりやすいだろう。プーチンは、元々KGBの諜報員だった。ソ連崩壊後は、KGBの後継機関FSBの長官までのぼりつめた男だ。諜報機関は、プーチンの手足となって働き、反プーチン派を容赦なくつぶしてきた。

 警察は、ロシアで時々起こる大規模デモ(たとえば今なら反戦デモ)を、力で鎮圧している。

 二つ目の基盤は、新興財閥だ。日本でも「新興財閥=オリガルヒ」という言葉が知られている。

 そしてその新興財閥には、筆者が「譜代新興財閥」と「外様新興財閥」と呼ぶ二つの層がある。

 「譜代」とは、プーチンが大統領になる前から、彼に従っている新興財閥のことだ。彼らは、東ドイツでプーチンがスパイ活動をしていた時期、あるいはサンクトペテルブルグの副市長だった時代に彼と知り合った。代表的な人物は、国営石油会社のCEOセーチンと国営ガス会社ガスプロムのCEOミレルだ。

 では、「外様新興財閥」とは、なんだろうか? これは、「プーチンが大統領になった後に忠誠を誓った新興財閥」のことだ。

 プーチンが大統領になる前の90年代、ロシアの政治経済は新興財閥に支配されていた。当時の代表的新興財閥は、「クレムリン・ゴッドファーザー」と呼ばれたベレゾフスキー、「ロシアのメディア王」グシンスキー、「ロシアの石油王」ホドルコフスキーなどだ。3人とも「ユダヤ系」という共通点がある。

 この3人は、2000年から03年にかけて、プーチンに挑戦し、敗北した。そしてベレゾフスキーは英国に、グシンスキーはイスラエルに逃げ、石油最大手ユコスのCEOだったホドルコフスキーは2003年、脱税などの容疑で逮捕され、シベリア送りにされた(彼は2013年に釈放された後、英国に逃れ、今も熱心に反プーチン活動を行っている)。

 新興財閥の超大物3人が敗れ、他の新興財閥はプーチンに勝てないことを悟った。それで、彼らはプーチンに恭順を誓ったのだ。

 三つ目の支持基盤は、「メディア」と「洗脳された国民」。プーチンは2000年代、テレビを完全支配することに成功している。

 ロシアの3大テレビ局は「ロシア1」「1カナル」「NTV」だ。どの局でも、プーチン批判はまったく聞かれない。それは、他のテレビ局でも同じだ。

 プーチンは、テレビを通して、国民を自由自在に洗脳しつづけている。だから、プーチン政権は盤石に見えたのだが……。

シロビキの忠誠が揺らいでいる
Gettyimages

 先述の通り、「シロビキ」といえば軍、諜報、警察などのことだ。

 軍については、以前「全ロシア将校協会」が1月31日、「ウクライナ侵攻計画中止」と「プーチン辞任」を求める「公開書簡」を発表したことを書いた。

 参考)2022年2月16日付『全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…!  キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない』

 つまり、プーチンの支持基盤であるはずの軍将校たちが、この戦争に反対しているのだ。

 これについて「フェイクだ」と主張する人もいるようだが、「フェイクではない」ことを強調しておきたい。公開書簡をまとめたイヴァショフ退役上級大将自身が、YouTubeでその意図を語っているからだ。

 参考)Леонид Ивашов и Общероссийское офицерское собрание “Путин должен уйти в отставку”

 そういえば、ロシア軍の士気の低さがたびたび報じられている。イヴァショフの公開書簡を読めば、前線の兵士たちの士気が下がるのも理解できる。

 彼は書簡の中で、ウクライナ侵攻の結果、「ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう」と書いていた。

 「独立国家の地位を奪われる」以外は、すべて現実のものとなっている。しかも、これが、ウクライナ侵攻の25日前に公開されていたという事実に注目する必要があるだろう。

 さて、「シロビキ」の構成要素である「諜報機関」にも、大きなできごとがあった。3月14日付の時事を見てみよう。

 〈 ウクライナ侵攻後、ロシアのプーチン大統領が在籍した旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関、連邦保安局(FSB)内部で異変が生じているもようだ。〉

 〈 プーチン氏にウクライナ情勢を報告する立場にあったFSB幹部が自宅軟禁されたとの見方が浮上。事実なら、戦況が思うように進まない「誤算」の責任を取らされた可能性が高い。「侵攻から2週間。プーチン氏は第5局に対する弾圧を始めた」。ロシア独立系メディアは12日、FSBに情報筋を持つ著名記者2人の話を基に伝えた。〉

 〈 独立系メディアは「第5局は侵攻に先立ち、プーチン氏にウクライナの政治状況を報告する任務にあった。第5局はリーダー(プーチン氏)を怒らせることを恐れ、聞き心地のいいことだけを報告したもようだ」と分析している。〉

 「自宅軟禁された」といわれているのは、FSB第5局セルゲイ・ビセーダ局長だ。彼は、「全ウクライナが、解放者としてのプーチンを待ち望んでいる」などと報告していた。

 プーチンは、2〜3日でゼレンスキー政権を打倒できると確信し、ウクライナ侵攻を決断したといわれる。この判断は、第5局の間違った情報を基に下されたのだろう。

 しかし、記事内にある「第5局はリーダー(プーチン氏)を怒らせることを恐れ、聞き心地のいいことだけを報告したもようだ」という部分が重要だ。「プーチンが恐ろしすぎて本当のことをいえない」というのは、プーチン政権の致命的欠陥に思える。

 たとえば2月21日、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の独立承認に先立ち、プーチンは安全保障会議のメンバー一人ひとりに、自分の意見をいわせた。

 しかし、メンバーたちは、プーチンの反応が恐ろしく、「プーチンが聞きたいことをいう」ことだけに神経を使っていた。

 その中で、対外情報局(SVR)のナルイシキン長官は、独立を承認する前に、西側に最後のチャンスを与えようと提案した。

 すると、プーチンが、「対話プロセスをはじめようと提案しているのか?」と問う。その一言で、ナルイシキンはおびえてしまい、前言を撤回。

 「はっきりいえ」というプーチンに押され、「私は、ドネツク、ルガンスク人民共和国がロシア連邦の一部になることを支持する」と発言した。

 プーチンは、「私たちはそんな話はしていない。彼らの独立を認める否かの話をしているのだ」と笑った。

 このエピソードからわかることは、ナルイシキンのようなシロビキの超大物でも、プーチンには本音を語ることができないということだ。

 そして、ナルイシキンは、ドネツク、ルガンスクの独立承認すら本音では反対していた。そうなると、ウクライナの首都キエフや第2の都市ハリコフへの侵攻は、「プーチンが独断で決めたのではないか」という疑念がでてくる。

 その判断の基になっている情報は、FSB第5局から出ている。その5局は、「プーチンを怒らせると怖い」ので、「彼が聞きたい情報」を出していた。

 つまり、プーチンは、その「怖すぎるキャラ」によって、「本当の情報」を得ることができなくなっているのだ。


外様新興財閥がプーチンに反旗
Gettyimages

 プーチン政権第2の支持基盤である新興財閥も揺れている。

 新興財閥は、ウクライナ侵攻で甚大な被害をこうむっている。欧米では、新興財閥の銀行口座、豪邸、高級マンション、プライベートジェット、スーパーヨットなどを差し押さえる動きが広がっている。

 そんな中でも、譜代新興財閥のプーチン支持は揺るいでいない。しかし、外様新興財閥は、公然と反旗を翻すようになっている。

 ウクライナ侵攻に反対している新興財閥は、たとえば、ルサルの元CEOデリパスカ。彼は2008年時点で世界10位、ロシア1位の大富豪だった(2020年時点で、ロシアで41位まで資産を減らしている)。

 ロシア石油2位ルコイルのアレクペロフ社長。彼は2020年時点で、ロシア5位の富豪だ。

 ロシア4位の銀行アルファバンクなどを傘下におさめるアルファグループの創業者フリードマン。彼は2020年、ロシアで8位の富豪だった。

 さらに、2020年ロシア1位の富豪だったポターニン(インターロスグループ会長)も、ロシア政府の政策を厳しく批判している。

 具体的には、政府が、「ロシアからの撤退を決めた外国企業の資産を没収すると決めたこと」に反対したのだ。

 3月12日付CNN.co.jpを見てみよう。

 〈 ロシアで最も裕福な実業家ウラジーミル・ポターニン氏は10日、大統領府がウクライナ侵攻を受けロシア事業撤退を表明した企業の資産差し押さえを示唆したことに触れ、国を100年あまり逆戻りさせる措置だと警鐘を鳴らした。〉

 〈 ポターニン氏は金属大手ノリリスク・ニッケルの社長で、同社の筆頭株主を務める。欧米企業や投資家に対して門戸を閉ざせば、1917年の革命以前の混乱した時代に逆戻りする恐れがあるとして、資産接収に関しては極めて慎重に対応するようロシア政府に促した。

 ポターニン氏はテレグラムに投稿したメッセージで、資産接収に動けば「今後数十年にわたって世界の投資家からロシアに不信感が向けられる結果になる」と指摘した。〉

 これまで、新興財閥にとってプーチンは、「自分の富を守ってくれる存在」だった。ところが、ウクライナ侵攻後のプーチンは、「資産を没収される原因を作った迷惑な存在」になっている。

 彼らは、すでにウクライナ侵攻やロシア政府の政策に反対することで、「反逆者」になってしまった。果たして外様新興財閥は、プーチンに黙ってつぶされるのだろうか? 彼らの立場に立ってみれば、プーチン打倒を目指してもおかしくはない。


内部崩壊するロシアメディア
写真:現代ビジネス

 3番目の支持基盤は、メディアだ。ここでも、大騒ぎが起きている。

 3月14日、国営テレビ「1カナル」のニュース番組中、同局の女性スタッフ が「反戦プラカード」をもって現れた。そこには、「戦争反対」「プロパガンダを信じないで」「あなたは騙されている」と書かれていた。

 女性の名は、マリーナ・オヴシャンニコヴァ。彼女は、YouTubeに投稿した動画の中で、「今ウクライナで起こっていることは犯罪だ。ロシアは侵略国だ。責任はプーチン一人だけにある」「1カナルで働き、クレムリンのプロパガンダを行ってきたことは、とても恥ずかしい」「テレビでウソをつくことを許してきたことが恥ずかしい」「ロシア人をゾンビ化することを許してきたことが恥ずかしい」などと語っている。

 同じように考えているメディア関係者は、少なくないようだ。日本では報じられていないが、ウクライナ侵攻後、キャスターや記者が続々とテレビ局を去っている。

 たとえばロシアの民放最大手NTVで、ニュース番組「シヴォードニャ」のキャスターだったリリヤ・ギリデェーヴァは、辞職し、即座にロシアから脱出した。国営1カナルでは、在ニューヨーク、在パリ駐在員を務めたジャンナ・アガラーコヴァが辞職した。

 日本で知られていない名前を列挙しても意味がないので、この辺でやめておくが、とにかく「良心の呵責」に耐えられなくなり辞めるメディア関係者が続出しているのだ。

 というように、ロシア国内で今、プーチンを支える三つの支持基盤「シロビキ」「新興財閥」「メディア」が、同時に全て揺らいでいる。

 それでも、仮にロシアがウクライナ戦争に勝利すれば、しばらくはプーチン政権がつづくだろう。だが、世界中からの「地獄の制裁」は解除されず、ロシア経済は沈みつづけていくのだから、先は見えている。

 ロシアがウクライナ戦争に敗北すれば、当然、プーチン失脚の時期は早まるだろう。プーチンは、ウクライナ侵攻という「歴史的愚行」によって、自ら「墓穴」を掘ってしまったのだ。

北野 幸伯(国際関係アナリスト)

198. 中川隆[-13397] koaQ7Jey 2022年3月31日 12:03:11 : bL68MO5PpA : VlB6R3hBU3dPMi4=[14] 報告
【ゆっくり解説】プーチン大統領の激やばエピソード7選
2022/03/30

199. 中川隆[-13390] koaQ7Jey 2022年4月01日 05:35:31 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[5] 報告
【伊藤貫の真剣な雑談】第5回「米露関係破綻の原因は何か?」[桜R4/3/31]




この番組は、米ワシントンに30年以上在住で、外交・国際関係・金融問題に定評のある国際政治アナリストの伊藤貫氏が、月並みな時事解説とは一線を画す真剣な雑談を、毎月1回のペースでお送りいたします。

出演:伊藤貫(国際政治アナリスト)

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200. 中川隆[-13380] koaQ7Jey 2022年4月01日 16:56:00 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[17] 報告
【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第37回「ロシアとソ連を同一視する人々の限界、ウクライナの命運は天然ガス利権と米中間選挙に翻弄される」[桜R4/3/31]



既成概念にとらわれない大きな視座で国際情勢を俯瞰し、ぶれることのない日本の軸を示し続けている馬渕睦夫氏。
閉ざす門を一度解き放つことによって見えてくるものがあるように、物事の本質を見極める言葉と思考を、対談を通じて伺います。

出演:馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)・水島総(日本文化チャンネル桜代表)
201. 中川隆[-13377] koaQ7Jey 2022年4月01日 17:01:58 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[21] 報告
※LIVE 3/24 16:00〜『ひとりがたり馬渕睦夫 #73』ウクライナ情勢―歴史の教訓

202. 中川隆[-13220] koaQ7Jey 2022年4月19日 19:00:45 : rfT69VoNcE : enNadG5NU1pQb1U=[14] 報告
プーチンは経済が全くわかっていなかった

第454回 ロシア経済の安定を訴えるプーチンの真意

203. 中川隆[-13170] koaQ7Jey 2022年4月24日 19:38:36 : BZN3AY6AYA : a2lqa3RnYmIzL2s=[16] 報告

特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、その”悲しみの歴史”を紐解く。その1、キエフ公国〜ソビエト連邦建国まで』*その2は概要欄
2022/03/20



特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、その”悲しみの歴史”を紐解く。その2、第2次世界大戦〜現在まで』 *その1は概要欄から
2022/03/24

204. 中川隆[-13049] koaQ7Jey 2022年5月31日 16:09:31 : 9eSYFKpxnY : VGdZOHdsQUdGbG8=[6] 報告

2022.05.31XML
ソロスは露国を崩壊させるために軍や情報機関の幹部を買収済みなのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205310000/


 投機家の​ジョージ・ソロス5月24日、ダボスで開かれたWEF(世界経済フォーラム)の総会で、2月24日に始まったロシア軍の攻撃で「第3次世界大戦」が始まったかもしれないと語った​。ソロスやヘンリー・キッシンジャはウクライナの軍や親衛隊の敗北が決定的だと考えているのだろう。ただ、キッシンジャーはゼレンスキー政権に対してロシア側の要求を全て呑み、ドンバスやクリミアのロシアへの割譲を認めて2カ月以内に停戦交渉を始めるべきだと訴えている。ソロスは「第3次世界大戦」が始まれば西側文明は生き残れないかもしれないとした上で、西側文明を守る唯一の方法はできる限り早くプーチンを打倒することだと主張する。

 ソロスの言い方からすると、「第3次世界大戦」でロシアに勝ち、プーチンを排除しようと考えているわけではないようだ。クーデターで体制を転覆させたがっているように思える。ソ連を消滅させたときの手口を使うつもりかもしれない。

 しかし、ロシア国民は1990年代、ボリス・エリツィン時代の新自由主義的な政策で塗炭の苦しみを味わっている。欧米に対する幻影は消えているはずだ。ただ、エリートの中には西側のシステムで甘い汁を吸いたい人もいるだろうが、西側が「カラー革命」を実行できる状態にはないが、ウラジミル・プーチン政権の内部に親欧米派はいる。

 エリツィン時代、ロシアの経済政策はソロスの友人としても知られているハーバード大学教授のジェフリー・サックスなどが決定、その下で働いていたのがソロスの知り合いだというエゴール・ガイダル。それ以来、ロシアの金融や経済は米英金融資本の手先が支配している。例えば、国家安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ、財務大臣のアントン・シルアノフ、中央銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナである。気候問題特使を務めていたアナトリー・チュバイスが辞任、国外へ出た。

 ネオコン、あるいは米英の金融資本はロシアのエリートが反旗を翻すことを願っているはず。ロシアのエリート層に対する「制裁」をアメリカが行う理由はそのためだろう。

 アメリカがソ連を崩壊させる秘密工作を始めたのは1970年代の終盤で、ローマ教皇庁とも手を組んでいた。ロナルド・レーガン米大統領がローマ教皇庁の図書館でヨハネ・パウロ2世とソ連の解体について話し合った1982年にレオニド・ブレジネフが死亡、84年にはユーリ・アンドロポフが死亡、85年にはコンスタンチン・チェルネンコが死亡、そして親欧米派に囲まれたミハイル・ゴルバチョフが実権を握った。

 ゴルバチョフはペレストロイカ(建て直し)を打ち出す。これを考え出したのはKGBの頭脳とも言われ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだとされているが、この人物はCIAのOBグループに買収されていたとする情報がある。そのOBグループのひとりがアメリカの副大統領だったジョージ・H・W・ブッシュだ。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 ボブコフだけでなく、アレクセイ・コンドーロフや1982年から88年にかけてKGB議長を務めたビクトル・チェブリコフも買収され、ソ連の解体と資産の略奪を目論んだというのだ。一種のクーデター。「ハンマー作戦」と呼ばれている。

 エリツィン時代、20歳代の若者がクレムリンの腐敗勢力と手を組んで巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。ミハイル・ホドルコフスキー(1963年生まれ)、アレックス・コナニヒン(1966年生まれ)、ロマン・アブラモビッチ(1966年生まれ)などだ。ボリス・ベレゾフスキー(1946年生まれ)でも40歳代。こうした若者たちを操っていた黒幕がいたことは容易に想像がつく。

 ソ連消滅劇の始まりは1991年7月にロンドンで開かれた主要7カ国首脳会議。そこに呼び出されたゴルバチョフは新自由主義の導入、いわゆる「ピノチェト・オプション」を求められるとさすがに難色を示す。ソ連で「クーデター未遂」が引き起こされるのはその翌月のことだ。

 このクーデター未遂はゴルバチョフの政策をソ連解体の策謀と考える「国家非常事態委員会」が権力の奪還を狙ったものだとされているが、KGBが行った「出来レース」だと推測する人がいる。

 この「クーデター未遂」を利用してボリス・エリツィンが実権を握り、ソ連を消滅させた。その後、エリツィンは議会を強制的に解散し、抗議する議員を砲撃させて殺害、新自由主義を導入してロシア国民の資産を略奪しはじめた。

 ハンマー作戦を実行するためには資金が必要。買収だけでも相当の金額を用意する必要がある。数百億ドルが投入されたと推測されているのだが、その出所は旧日本軍が東アジアを侵略していた際に略奪した財宝を元にした資金だと言われている。

 日本軍が略奪した財宝の一部は日本へ運ばれたが、戦局の悪化で輸送が困難になると集積地のフィリピンに隠された。その多くをアメリカは回収したと言われている。回収作業の責任者はエドワード・ランズデールだったという。後にCIAの秘密工作を指揮、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の現場にいたとも言われている人物だ。

 ランズデールの部下だった情報将校は自身が親しくしていたイメルダ・ロムアルデスをフェルディナンド・マルコスに紹介、結婚させている。そこでマルコスは財宝の隠し場所に関する情報を知っていた。そのマスコスをコントロールできなくなったアメリカは1986年2月に排除。アメリカ軍が拉致して国外へ連れ出したのだが、この作戦を指揮していたのはポール・ウォルフォウィッツだと言われている。

 ソ連を消滅させた時と同じ手口を使うなら、ロシアの軍や情報機関の幹部を買収していなければならない。その上でプーチンを暗殺、クレムリンを乗っ取るということになるだろうが、それだけの準備ができているのだろうか?

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205310000/

205. 中川隆[-13027] koaQ7Jey 2022年6月25日 23:44:11 : PrKLU1zFNs : a3VjNUphbThvUmc=[3] 報告
【伊藤貫の真剣な雑談】第7回「文明の衝突とロシア国家哲学」
ペテルブルグ大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
[桜R4/6/25]


206. 中川隆[-11885] koaQ7Jey 2023年12月30日 21:29:29 : RLPPFe1sZw : NUN4M2tMd25HRC4=[13] 報告
【伊藤貫の真剣な雑談 年末SP】伊藤貫×水島総「アメリカの偽善主義外交の破綻が露呈した2023年!!!」[桜R5/12/30]
https://www.youtube.com/watch?v=LOSWGf3my9w
207. 中川隆[-11624] koaQ7Jey 2024年2月12日 11:19:07 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[9] 報告
<■376行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024年02月11日
哲人皇帝プーチン / 国益を重視する民族主義者
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

言論の自由を失ったアメリカ
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(左 : タッカー・カールソン / 右 : ウラジミール・プーチン大統領)

  皮肉な事だが、冷戦に勝ったずのアメリカでは、報道や言論の自由が抑圧され、不気味な全体主義がはびこっている。かつて、ソ連には「プラウダ(真実)」という新聞があったけど、当時のロシア人(一般国民)は誰も「プラウダ」の報道が“真実”を伝えているとは思わなかった。西側のヨーロッパ人やアメリカ人は、言論封殺の独裁国家を嗤(わら)っていたけど、まさか自分たちの国が「ソ連化」になるとは夢にも思っていなかったはずだ。

  ミハイル・ゴルバチョフと交渉していたロナルド・レーガン大統領は、あるパーティーの席で次のようなジョークを披露していた。

  ロシア人を前にした或るアメリカ人が、自国の自由を自慢した。「私はホワイトハウスの執務室に怒鳴り込み、大統領の面前で机を叩き、“あなたの政策に私は反対だ”と言える自由があるんだぞ!」と喝破した。すると、話を聞いていたロシア人は驚かず、「私たちもできる」と言い返した。曰く、「私もクレムリンに乗り込み、書記長の前で“私はレーガン大統領の遣り方に反対だ!”」と。

  レーガン大統領のジョークを聞いた聴衆はみな大爆笑。2004年に亡くなったレーガン大統領が、現在の米国を目にしたら、一体どんな感想を述べるのか?

  2月8日、アメリカの保守派国民の間では、タッカー・カールソンのインタビュー映像が瞬時に話題騒然となった。FOX TVの元キャスターで、禁断の領域に踏み込んだカールソン氏は、失業者となったけど、ジャーナリストの魂までは失っていなかった。政府からの妨害工作にもめげず、彼はウラジミール・プーチン大統領に渡りをつけ、インタビュー交渉に成功した。カールソン氏は以前にもインタヴューを試みたが、この動きを傍受したNSA(国家安全保障局)の妨害を憂慮し、不本意ながらもインタビューを諦めたことがあるそうだ。もし、強硬に取材計画を進めていたら、カールソン氏は社会的に抹殺されていただろう。たぶん、何らかの人格攻撃を仕掛けられるか、個人的なスキャンダルを暴かれて、人生の終わりとなった可能性は高い。必要とあれば、政府の工作員は捏造記事をブレンドして攻撃を加えるから、民間人のカールソン氏は一巻の終わりだ。

  日本の地上波テレビはあまり取り上げなかったが、カールソン氏のインタビュー映像は、我々日本人にとっても非情に興味深い対談であった。(この動画はカールソン氏の独自サイト「Tucker Carlson Network」で視聴できる。ただし、英語通訳の対談となっているため、英語が苦手な日本人は、日本語字幕が附いたYouTube動画を観るといい。本来なら、NHKが翻訳を加えて全部を流すべきなんだけど、現在の日本では民間の有志が国民のために尽くしている。)

  インタビューで表明されたプーチンの見解や回答は、色々な解釈ができよう。しかし、大切なのは各国民が自分の目と耳で確かめ、自分自身の考えで判断することだ。日本のマスコミは論外だが、アメリカのCNNやABC、ブリテンのBBCとかフランスのAFPはバイデン政権の味方である。偏向報道が当たり前のメディアは、きっと「こんなのはプーチンによるロシア側の政治宣伝だ!」と盛んに批判するはずだ。でも、報道規制や言論封殺を繰り返してきた連中は、プーチンの発言を「嘘っぱち」と却下できるのか? タッカー・カールソンを貶す前に、自分たちの大衆操作を反省すべきだろう。

  予想通り、タッカー・カールソンはプーチンに対し、ウクライナ紛争に関する質問を投げかけていた。通訳を介して質問を聞いていたプーチンは、米国や日本の保守派国民が既に知っている見解を述べていた。例えば、英米側がミンスク合意を破り、NATOの東方拡大を強行したという内容だ。(軍事衝突の停止を決めた「ミンスク議定書Minsk Protocole」の件は日本でも報道されている。) この解釈はアンゲラ・メルケル前首相の発言を思い出せば、ある程度「もっともな反論」と頷くことができよう。メルケルはティナ・ヒルデブラントやジョヴァンニ・デ・ロレンツォによるインタビューを受けた時、次のように述べていた。

  2014年のミンスク協定(Minsker Abkommen)は、ウクライナに時間を与えるための試み(Versuch)だった。("Hatten Sie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?" , Interview: Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

  その後の展開を思い出せば判るけど、英米がミンスク合意を利用し、ウクライナを強くするために“時間稼ぎ”をしたことは確かだ。ヴィクトリア・ヌーランド達が仕組んだ「クーデタ」は、仲間内の会話が暴露され、今では日本人にも知られている。

  そもそも、当時の軍事バランスを考えれば、ウクライナ軍がロシア軍を撃退するなんて無茶な冒険だ。たとえ歐米諸国の支援があっても、ウクライナ側が苦戦するのは予想できたはずである。しかし、オルガルヒとバイデン政権にとっては、ウクライナ人は単なる“使い捨ての駒”でしかない。ウクライナ兵が何人死のうがお構いなしだ。仮に、ウクライナが勝たなくても、泥沼の長期戦に持ち込めば、ロシア側の国力を削ぐことになるし、新たな冷戦構造の構築にもなるから、軍産複合体にとったら“喜ばしい不幸”である。

歴史に残る偉大な指導者

Putin 1980sPutin 524Putin with gun
(左 : 1980年代のウラジミール・プーチン / 中央 : KGBを辞めて政界に入った頃のプーチン / 右 : 妙に銃が似合うプーチン大統領 )

  カールソンが行ったインタビューで、最も印象的だったのは、プーチン大統領が“優秀な指導者”に見えたことだ。もちろん、プーチンは有能な諜報局員であったから、一般の視聴者に自分がどう映るのかは計算済みだ。たぶん、プーチンは対談の前にプロパガンダ職員と協議し、「どのような対応にしたら最も効果的か」を入念に検討したんじゃないか。ただ、頭脳明晰でプライドの高いプーチンだ。部下の言いなりで動くとは思えない。岸田文雄とは全く逆だ。もしかすると、自分の構想だけで本番に臨んだのかも知れない。バイデンゆ岸田と違って、プーチンは普段から、つまり若い頃から非情に勉強熱心だ。

  大統領報道官のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)によると、プーチンは今でも常に本を読んでおり、その大半はロシアの歴史に関する書物であるという。彼はロシア史の偉人が記した回顧録を読んでいるそうだ。(Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, Washington, D.C. : Brookings Institution Press, 2013, p.64.)

  一方、ジョー・バイデンは学生時代から怠け者で、誇張と嘘の常習犯。まともに勉強していなかったから、政治家になってもボロが出ていた。

  例えば、大統領選挙に挑戦した1987年、バイデンは昔の“ズル”を認めて選挙戦から離脱したことがある。法科大学(ロー・スクール)に通っていた頃、バイデンは論文を書くにあたって、法学雑誌の文章を“拝借”したそうだ。ところが、担当教授がこの“剽窃”を見抜いてしまったから、さあ大変。アメリカの大学は“チョロまかし”に対して非常に厳しい。論文の不正行為が発覚したから、バイデンはかなり焦ったのだろう。往生際の悪いバイデンは、大学側に「退学処分にしないでください」と泣きついた。

Joe Biden 1987Joe Biden 7723
(左 : 大統領選挙候補から撤退したジョー・バイデン / 右 : 痴呆症の大統領となったバイデン)

  しかし、「一度淫売、一生淫売(Once a whore, always whore.)」と言うように、卑怯者は何時まで経っても卑怯者のままである。報道陣を前にしたバイデンは、この「剽窃事件」を指摘されると「引用における誤りだった」と言い張り、「騙すつもりはなかった」と釈明していた。 (Joe Perticone,‘Joe Biden's first presidential run in 1988 cratered amid multiple instances of plagiarism’March 13, 2019) でも、バイデンは心の底から根性が卑しい。アイオワ州で開かれたイベントでも、ニール・キノック(Neil Kinnock / 英国労働党の議員)の演説を盗み取って、自分の演説にしていたのだ。後にアメリカの報道陣は、この“剽窃”を指摘する。盗作が発覚したたげても恥ずかしいのに、バイデンは学業成績の“水増し”までバレてしまったのだ。(Harrison Kass, 'Joe Biden Has Plagiarism Problems He Admitted', The National Interest, February 4, 2024.)アメリカには「生き恥を晒すくらいなら、潔く死を選べ」という格言が無いのかなぁ〜?

  歐米の主流メディアは、プーチンの受け答えを“狡猾な演技”と批判するが、これはアメリカの大衆操作と同じで、政治家なら誰でもすることだ。例えば、大統領選挙の公開討論に臨む候補者は、事前に心理学者や演出家、PR会社の専門家を雇い、選挙参謀や法律顧問と組んで何回もシュミレーションを行うことがある。しかし、何度リハーサルを重ねても“駄目な奴”はいるもので、その典型例がジョージ・W・ブッシュだ。2004年に行われたジョン・ケリーとの討論会を覚えている者なら解るはず。本番でドジる姿を見た側近は、「駄目だ、こりゃ!」と呟き、暗い表情で頭を抱えていたのかも。

  悪い時に悪い事は重なるもので、映像に映ったブッシュの背中には、奇妙な“膨らみ(bulge)”があった。これに気づいた一部のマスコミは、「何だ、これ?!」と騒ぎ立てた。テレビ局のスタッフも、「ブッシュは“何か”を背負っているんじゃないか?」と疑っていたから、親父のハーバート・ブッシュやジェイムズ・ベーカー、デック・チェイニーが「ダメージ・コントロール」を命じてもおかしくはない。選挙参謀のカール・ローブ(Karl Rove)も焦ったんじゃないか?

Robert Nelson 1( 左 / ロバート・M・ネルソン博士 )
  NASAの研究員であったロバート・M・ネルソン博士(Dr. Robert M. Nelson)は、ブッシュの背広の下には何らかの電子機器が隠されている、と疑っていた。(Kevin Berger,‘NASA photo analyst: Bush wore a device during debate', Salon, October 30, 2004.) おそらく、背中の突起物は通信機器で、外部の誰かが適切な答えを送信し、その音声をブッシュが聞いて質問に答える、という仕組みであったに違いない。要するに、ブッシュは腹話術の人形になっていた、という訳だ。討論会の後、ブッシュ大統領はマスコミからの“疑惑”を笑い飛ばしていたが、リベラル派のマスメディアは猜疑心でいっぱいだった。天文学や地質学を専攻するピッツバーグ大学のブルース・ハプケ教授は、マスコミからの取材を受け、“疑惑の膨らみ”に関する推測を述べていた。

George W. Bush 0824George W. Bush & device
( 左 : 背中の「突起物」が目立つジョージ・W・ブッシュ大統領 / 右 : 推測された通信機器)

  話を戻す。カールソンから質問を受けたプーチンの受け答えは見事だった。このロシア大統領は用意周到で、ウクライナ侵攻の動機を話す前に、ロシアとウクライナの歴史を説明する。ただし、大卒でも一般のアメリカ国民は、基本的な東歐史はおろか、西歐史に関しても知識が乏しく、ロシア史に至ってはチンプンカンプンだから、どの程度アメリカ人が理解したのかは不明だ。何しろ、政治学の授業を取っている大学生だって、アレクサンドル・ソルジェニーツィン(Alexandr I. Solzhenitsyn)の『収容所群島』や、ロバート・コンクェスト(Robert Conquest)の『悲しみの収穫』を読んだことがある者は少ないし、ニコライ・ベルジャーエフ(Kikolai A. Berdyaev)の著作やセルゲイ・カラガノフ(Sergey A. Karaganov)の論文を知らない学生も結構多い。

George Clooney & puppy 222(左 / 仔犬を抱きかかえるアルマ夫人とジョージ・クルーニー )
  こんな塩梅だから、アメリカの一般国民は“特殊軍事作戦”の意味すら解らないし、“善悪二元論”でウクライナ紛争を判断して満足している。アメリカの一般国民は退屈な歴史講義よりも、スポーツ観戦や藝能スキャンダルの方に関心がある。俳優のジョージ・クルーニーが誕生日プレゼントとして、女房のアルマにセント・バーナードの仔犬を連れてきた、という記事の方に興味があるんだから。流血の戦場となったウクライナに大衆の関心は無い。

  プーチンは歴史的経緯を説明するため、キエフ公国やリューリック王朝(Rurikid dynasty)にまで遡ってロシア史を語っていたけど、対談を聴いていた一般人がどの程度理解したのかは判らない。しかし、ヨーロッパの歴史や文化に詳しい上層中流階級、そして軍事や地政学に一定の知識を有する教養人には、それなりのインパクトを与えたんじゃないか。というのも、“まとも”なアメリカ国民、特にウクライナ支援に懐疑的な軍人や保守派の国民、リアリスト学派の知識人がプーチンの話を聞けば、「まぁ、ロシア側にも一理あるよなぁ〜」と思ってしまうからだ。そもそも、平穏な暮らしを望むアメリカ人は、他国への「軍事介入」を嫌うし、「代理戦争」はベトナムでコリゴリときている。でも、ユダヤ人の上院議員であるチャック・シューマーは別。このユダヤ人左翼は、連邦議会、とりわけ共和党がウクライナへの財政支援を否決するなら、アメリカ軍を派兵すべきだ、と呼びかけていた。(Andrew Rodriguez, 'Schumer Warns U.S. Troops Will Be Sent to Fight Russians if Border Bill Is Not Passed, ' State of the Union, February 8, 2024.)

  歐米や日本のマスコミはロシアの侵略行為を糾弾するが、そもそも北方の熊を挑発したのはバイデン政権の方じゃないか! 政治力学を学んだ者がNATOの東方拡大を聞けば、「それは危険なギャンブルだ」と直ぐに解る。アメリカにとり中南米が“裏庭”なら、ウクライナはロシアにとっての“脇腹”だ。その脇腹に核兵器という匕首(あいくち)が突きつけられれば、プーチンじゃなくても蹶起するだろう。

国家主義者のプーチンと痴呆症のバイデン

  プーチンのインタビュー映像を観ていると、ソフト全体主義に陥ったアメリカと伝統的帝国主義を受け継ぐロシアの“どちら”が“まし”なのか判らなくなる。認めたくない光景だけど、現在のアメリカ合衆国大統領は、四軍の「最高司令官」どころか、その資格さえ無いボケ老人だ。痴呆症が進むジョー・バイデンは、ビックリするような事実誤認を口にしていた。まぁ、息子(ボー・バイデン)の死さえ間違えてしまうくらいだから仕方ないけど、聴衆を前にしたバイデンは、生きている人間と死んだ人間をごちゃ混ぜにしていた。

  例えば、ニューヨークで行われた資金集めの席で、バイデンは2020年の大統領選挙について触れていただが、その際、彼はヘルムート・コール首相と一緒に歐州事情を話していた、と発言していたのだ。だが、バイデンが話したのはアンゲラ・メルケル首相で、2017年に亡くなったコール氏ではない。現世と来世の区別がつかないバイデンは、ネヴァダ州でも“幽霊”と会話を交わしていたそうだ。バイデンは記者を前にして、1月6日の議事堂事件をフランソワ・ミッテラン大統領に語ったと述べていたが、それはエマニュエル・マクロン大統領のことである。('Biden mistakes living European leader for dead one – for second time in a week', The Guardian, 8 February 2024.) おそらく、バイデンは頭の中の記憶が錯綜しているんだろう。周知の通り、ミッテラン大統領は1996年に亡くなっている。バイデンの“迷言”を聴いたアメリカ国民は、「またかぁ〜」とウンザリしているんじゃないか。

Helmut Kohl 22Angela Merkel 2334Francois Mitterrand 1Emmanuel Macron 1
(左 : ヘルムート・コール / アンゲラ・メルケル / フランソワ・ミッテラン / 右 : エマニュエル・マクロン )

  一方、世界政治のキーパーソンと化したプーチンは、核大国の指導者らしく頭脳明晰だ。例えば、カールソンから経済問題を質問されると、プーチンは具体的な数字を挙げて貿易収支やエネルギー問題を語り出す。こうしたインタビュー映像を目にすれば、代理戦争に反対する軍人や国内経済を憂慮するビジネスマンは、何となく羨ましくなるし、保守派のアメリカ国民は“アメリカン・デモクラシー”に嫌気が差すだろう。言うまでもなく、米国は世界最強の軍隊を有する“超大国”なのに、それを統率する大統領が操り人形で、自分が何をやっているのか、何を喋っているのかも解らないボケ老人とくれば、高級将校じゃなくても涙が出てくる。

  「腐っても鯛」の米国で、未だにドナルド・トランプが人気を博しているのは、彼が「アメリカ・ファースト」、つまりアメリカ国民と合衆国の利益を優先し、偉大であった頃のアメリカを取り戻そうと呼びかけているからだ。プーチンも国家優先主義者で、ロシアの国益を追求する為政者である。プーチンは色々なイベントや会見でロシア固有の思想や民族性、そして歴史に根づくロシア正教といった信仰に言及している。彼が大切にするのは、愛国心や集団主義、結束、大国性(derzhavnost)、国家主義(gosudarstvennichestvo)といった価値観である。大統領に就任したプーチンは、次のように自身の国家理念を述べていた。

 我々にとり、国家とその制度および構造は、祖国と国民の生活において常に極めて重要な役割を果たしてきた。ロシア人にとって、強力な国家というのは敵対すべき変種ではない。逆に、強力な国家は秩序を保障する源泉であり、あらゆる変革を起動させる主な原動力である。・・・社会は国家の指導力や統率力の恢復を求めているのだ。(上掲、Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, p.36.)

  エリツィンの政権時代を経験したロシア人なら、政治的に混乱したロシアを立て直したプーチンの行政手腕を褒めるに違いない。何しろ、ソ連の崩壊を経たロシアは、ユダヤ人のオルガルヒが跳梁跋扈していた時代だ。ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)はテレビ局を買収し、ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)は石油成金になっていた。ウラジミール・グシンスキー(Vladimir Gusinsky)やミハイル・フリードマン(Mikhail Friedman)、ウラジミール・ポタニン(Vladimir Potanin)、アレクサンドル・スモレンスキー(Alexander Smolensky)も“同じ穴の狢(むじな)”で、仲間とツルんでロシアの天然資源を強奪し、金融業界を牛耳っていた。

Boris BerezovskyVladimir Gusinsky 2Mikhail KhodorkovskyVladimir Potanin 1
(左 : ボリス・ベレゾフスキー / ウラジミール・グシンスキー / ミハイル・ホドルコフスキー / 右 : ウラジミール・ポタニン)

  こうした辛酸を嘗めていたから、ロシアの民衆がナショナリストのプーチンを称賛するのは当然だ。プーチンもロシアを強欲なユダヤ人から取り戻したという自負を持っている。プーチンが自分自身のことを国家の建設者(ゴスダルストヴェンニク/ gosudarstvennik)、すなわち国家の公僕と宣伝するのは、ちっともおかしくはない。ウォール街の大富豪とワシントンのネオコンに協力し、ロシアの資源をドンドン売り渡したボリス・エリツィンなんかは“国賊”だ。

  話を戻す。木偶の坊たるバイデンとロシアを憎むユダヤ人は、「ウクライナを侵掠したプーチンは赦せない! 政権転覆を目指せ!」と鼻息を荒くするが、一般のアメリカ国民にしたら、「南米からの侵入者を何とかしてくれ!」と言いたくなるだろう。南部だけじゃなく、ニューヨークやシカゴの国民も不満を漏らすくらいだから、アメリカの社会不安はかなり深刻だ。でも、バイデン政権は不法移民や偽装難民に苦しむ一般国民を無視。その一方で、勝ち目が全く無いウクライナには、600億ドルもの軍資金を与えようと必死なんだから、「お前はどこの大統領なんだ?!」と訊きたくなる。バイデンの言い草を聞いていると、穏健な国民だって激怒するぞ。自国を優先するプーチンと他国を優遇するバイデンとを比較すれば、普通のアメリカ人だって「何か変だ!」と感づく。

  カールソンのインタビューで面白かったのは、ノルドストリーム2の爆破に関する質問であった。カールソンの意図を察知したプーチンは、「あなた、判っているでしょ!」という反応で、二人とも笑みがこぼれていた。主流メディアしか観ていない人だと何を言っているのか解らないが、セイモア・ハーシュ(Seymour Hersh)の暴露記事を読んだ人なら、CIAや米国海軍、あるいはノルウェーかブリテンの諜報機関による破壊工作と判る。ドイツの政治家や知識人だって英米の極秘作戦に気づいているが、これを口に出せないのがドイツの悲劇だ。

  アメリカの闇を知っていても、カールソンは敢えてプーチンに答えを求め、なぜCIAの仕業と判っているのに、証拠を挙げて反論しなかったのか、もし証拠を提示すればプロパガンダ戦に勝つことができたのに、なぜあなたは使わないのか、と真面目に問い質していた。しかし、諜報機関の人間なら、一般的にこうした質問には答えない。下っ端の諜報員だって黙秘するのが鉄則だ。ましてや、KGB出身のプーチンなら絶対に情報源を口にしないだろう。公の席で“モグラ(潜入した手先)”の存在を明かすなんて、まず有り得ない。

  プーチンの受け答えは、本当に冴えていた。彼は不思議がるカールソンに向かって、その理由を説明する。プーチン曰く、たとえ証拠を提示しても、西側のメディアはアメリカの支配下にあるから、一般人を納得させるのは難しい、と。確かに、プーチンが仄めかす通り、歐米の主流メディアは金融業界や軍需産業の有力者、およびグローバリストのユダヤ人に牛耳られている。となれば、たとえロシアの報道機関が真相をリークしても、NBCやBBCといったマスメディアは、談合したかのように、息を合わせて「これはロシアの偽情報である!」と決めつけ、「プーチンの戦時プロパガンダ」に過ぎない、と斬り捨てる。

  2020年の大統領選挙だって、あれほどの不正行為が明らかになっても、大多数のアメリカ国民には伝わらず、八百長選挙の実態は闇に葬られていた。仕事や育児に忙しいアメリカ国民は、CNNのウォルフ・ブリッツァー(Wolf Blitzer)とか、MSNBCのレイチェル・マドー(Rachel Maddow)、PBSのジュディー・ウッドラフ(Judy Woodruff)、ABCのデイヴィッド・ミュアー (David Muir)といったキャスターの話を信じている。大手メディアのアンカーマンが、「根拠なき誹謗中傷」と却下し、「トランプ派による陰謀論」と断言するば、巷の大衆は「そうなんだぁ〜」と鵜呑みにする。「大手信仰」というのは、日本だけの国民病じゃない。

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(左 : ウォルフ・ブリッツァー / レイチェル・マドー / デイヴィッド・ミュアー / 右 : ジュディー・ウッドラフ )

Lester Holt 11Nora O'Donnell 111( 左 : レスター・ホルト / 右 : ノラ・オドンネル)
  カールソンが行ったインタビューは2時間を超える対談となってしまったが、インターネットで公開された映像は多くの視聴者を魅了していた。プーチン大統領に対する評価はともかく、この番組で印象的だったのは、大手メディアでは出来ないことを個人営業のカールソン氏がなしえたことだ。普通の日本人でも、「どうして、もっと早い段階(2022年か2023年)でプーチンへの取材を行わなかったのか?」と首を傾げてしまだろう。もし、全米放送のテレビ局が政府の“手先”でなく、“独立”したメディアであれば、NBCはレスター・ホルト(Lester Holt)を、CBSなら ノラ・オドンネル(Nora O'Donnell)をモスクワに派遣したはずだ。

  しかし、有名テレビ局の社長や重役は、「ブチャの虐殺」や「ケルチ大橋の爆発」が起こっても、クレムリンに特派員を差し向けず、一方的にロシアを非難するだけであった。本来なら、ニュース番組の名物キャスターを派遣し、直接、プーチン大統領や有力議員にコンタクトを試みるはずだ。たとえロシア側の「言い訳」でもいいから、反対意見の情報を紹介するのがジャーナリストの務めだろう。(日本のNHKや民放は、米国メディアの下請け企業だから最初から無理。)

  今回、クレムリンがカールソンの取材を承諾したのは、カールソンが“保守派のジャーナリスト”で、なるべく“公平性”を保とうと心掛ける人物であったからだろう。FOXをクビになって“独立系のジャーナリスト”になったカールソン氏は、テレビ局の上層部からの“圧力”を受ける立場ではない。YouTubeからは排除されたが、「X」で自由に発言できる身分になった。もし、彼が“忖度”を気にする「社員」のままであれば、冷静にプーチンの反論を聴くことはできなかったはずだ。

  “保守派メディア”と呼ばれるFOXでも、所詮、看板キャスターは「雇われ人」に過ぎない。プロデューサーや現場スタッフは、国務省の役人や社主のマードック家には逆らえないから、どうしてもプーチンを前にすれば“敵対的な態度”を取ることになる。保守派キャスターのショーン・ハニティー(Sean Hannity)やローラ・イングラム(Laura Ingraham)でも同じだ。上層部からの指令や禁止が言い渡され、不本意な質問しか口にすることはできない。おそらく、ハニティーやイングラムが特派員になっても、カールソンのようなインタビューにはならないし、不満を募らせるアメリカ人を満足させるような対談にもならないはずだ。

Sean HannityLaura Ingraham 111Rupert Murdoch 3234Victoria Nuland 1
( 左: ショーン・ハニティー / ローラ・イングラム / FOX所有者のルパート・マードック / 右 : 国務省のヴィクトリア・ヌーランド )

  プーチン大統領に対するンイタビュー番組には、様々な賛否両論があると思うが、岸田文雄へのインタビューよりマシだろう。まともな日本国民は岸田総理に対し、何も期待しないし、何を喋るのかさえ関心がない。「あの人は何がしたくて総理になったの?」というのが、一般国民の意見だ。日本の命運を左右する岸田総理がすることといったら、ウクライナへの巨額贈与とワクチン接種の更なる推進、新たな増税の準備、移民の本格的な輸入であるから、意気銷沈の国民は開いた口が塞がらない。

  新聞やテレビは「次の総理大臣は誰になるのか?」を話題にするが、候補者の顔ぶれを見た一般人はウンザリする。ゾッとするけど、唯一ヤル気満々で意欲的なのは小池百合子だ。この女帝なら、躊躇なくモスクワに飛んでプーチンと会談するんじゃないか? 元“美人キャスター”を自称する小池百合子ならやりかねない。「単独インタビューなら私に任せて!」と言いそうだ。もし、側近の誰かが「電撃訪問」を提案すれば、「あら、名案ね!」と喜ぶかも。“目立つ”ことが選挙の秘訣だからねぇ〜。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

208. 中川隆[-11622] koaQ7Jey 2024年2月12日 11:25:47 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[11] 報告
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プーチン大統領 タッカー・カールソン インタビュー - 検索 動画
https://www.bing.com/videos/search?q=%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%20%20%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%20%20%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC&qs=n&form=QBVR&=%25e%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E5%B1%A5%E6%AD%B4%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86%25E&sp=-1&lq=0&pq=%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%20%20%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%20%20%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC&sc=0-27&sk=&cvid=C10A9FEE0FFF4F608CC824A06B9E177B&ghsh=0&ghacc=0&ghpl=
209. 中川隆[-11614] koaQ7Jey 2024年2月12日 14:09:21 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[19] 報告
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プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
2024年2月10日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44262

元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏が、ロシアによるウクライナ侵攻後初めてアメリカのジャーナリストとしてロシアのウラジミール・プーチン大統領をインタビューした。アメリカでは大きな話題になっているが、ここでも内容を取り上げたい。

ドルを使ったアメリカの経済制裁

カールソン氏はアメリカでは有名な保守派の司会者であり、歯に衣着せぬ物言いで知られていたがFOXニュースの上層部と揉めたらしく解雇となり、フリーのジャーナリストとして活躍している。巷では誰かにとって都合の悪いことを喋りすぎたのではと噂されている。

そのカールソン氏がプーチン大統領をインタビューした。話題は多岐に渡っているが、まずはプーチン氏がアメリカのドルについて語っている部分を取り上げよう。

何故プーチン氏がドルについて語るのかと言えば、ロシアはドルを使ったアメリカの経済制裁の対象となっているからだ。ウクライナ侵攻後、ロシア政府やロシア人はドルを使った決済を禁じられたり、ドル建て資産を凍結されたりしている。

これをプーチン氏はどう見ているか。彼は次のように述べている。

ドルを外交の武器として使うことは、アメリカの指導者たちが犯した最大の戦略的失敗の1つだ。

ロシアは西側の支配する決済システムからほとんど追放されている。ではこれはプーチン氏の強がりだろうか。

だが、ここの読者ならば知っているだろうが、西側諸国による対ロシア経済制裁は西側の金融の専門家からすこぶる評判が悪かった。政治的にもロシア嫌いで知られるヘッジファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏にさえ批判されていた。

何故か。ドルを使った制裁は、当然ながらドルを使わなければ避けられるからである。

ドルからの資金流出

当然ロシアはドルを避けている。だがアメリカにとって悪いことに、ドルを避けたのはロシアだけではなかった。ドルを保有していれば、アメリカの政治的都合にそぐわないことをした場合に資産を凍結される。だからロシア以外の国々もこぞってドルから離脱しようとしたのである。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
例えばブラジルのルラ大統領はBRICS諸国にアメリカと無関係の貿易の決済をドルではなく自国通貨で行うよう呼びかけた。中国やインドも、ロシア制裁に協力的でないとされてアメリカから脅しを受けた国々であり、ドルから距離を置こうとしている。

また、アラブ首長国連邦は原油取引の決済をドルから現地通貨に切り替えるよう去年末に決定した。アメリカに近いサウジアラビアでさえもドル以外の通貨による決済を議論している。

こうした状況についてプーチン氏は次のように述べている。

アメリカが何処かの国に決済の制限や資産凍結などの制裁を課せば、世界全体に対して誤ったシグナルを送り大きな懸念を引き起こすことになる。

世界で起こっていることを見てみると良い。アメリカの同盟国でさえドルの外貨準備を減らしている。アメリカの行動を見て誰もが身を守ろうとしている。

ドルからの資金流出の意味するもの

だがそれの何がまずいのか。金融の専門家であればすぐに理解する話なのだが、ドルが基軸通貨だからアメリカは覇権を維持できたのである。

コロナ禍において1人あたり50万円を超えるドル紙幣を印刷して現金給付するような無茶な政策をしてもドルが暴落しなかったのは、それでも他の国が原油の決済などのためにドルを買ってくれていたからである。基軸通貨ドルと米国経済の関係についてはスタンレー・ドラッケンミラー氏が解説してくれている。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
そんなことは基軸通貨がなければできない。基軸通貨を持たないイギリスが同じようなことをやろうとして債券市場で英国債が暴落し、首相の首が飛んだ。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
基軸通貨を持っていることのアドバンテージを理解すれば、多くの国がドルを避けようとしている状況の何がまずいのかが理解できるだろう。プーチン氏は次のように述べている。

ドルはアメリカの持つ覇権の基盤となっている。だが彼らは紙幣印刷を止めない。33兆ドルの負債は何を意味するだろうか? 米国の上層部がドルを外交の武器として使うと決定すれば、殴られるのは他ならぬアメリカ自身の覇権だ。あまり強い言葉は使いたくないが、それは愚かな行動であり、酷い失敗だ。

何が起こっているか気づいているのか? アメリカでは誰もこれに気づかないのか? あなたがたは何をやっているのか? 自分で自分の首を切るようなものだ。

結論

今回はプーチン大統領のインタビューを紹介する記事なのだが、いつもの金融の記事のようになってしまった。

事実、このプーチン氏の発言は、普段取り上げているファンドマネージャーらの言葉と比べても遜色がない。勿論背後に専門家が居てプーチン氏に教えているのだろうが、正しい意見を持っている専門家に耳を傾けることのできることもその人の才能である。多くの日本人が金融庁発のつみたてNISAを信じているように。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
これらのプーチン氏の発言と、西側の政治家の金融に対する理解を比べると悲しくなってくる。イギリスのトラス元首相は最初から無理筋のばら撒き政策で英国債を吹き飛ばしかけた。

対ロシア制裁に関しては、ロシア嫌いで知られるファンドマネージャーのソロス氏がEUの政治家に対してもっと有効な制裁の方法を提案していた。だが2008年にリーマンショックを予想した彼の意見に政治家が耳を貸さなかったように、EUの政治家に彼の提案を理解できる頭などあるはずがなかった。

EU、ロシア産原油を禁輸、パイプライン経由は除外 ソロス氏の警告届かず
日本の政治家の金融に対する理解と言えば、ドル円が自分に都合の悪い方向に動けば「投機的な動きだ」と言って為替介入をする。だが自分に都合の悪い方向に動いた相場を資金力でねじ伏せようとする動きのことを投機的な動きと呼ぶ。そして彼らが投機的な動きと読んだものは、大抵の場合金利の上下に対応した妥当な動きなのである。

日本の為替介入は経済学者ラリー・サマーズ氏に皮肉られていた。

サマーズ氏: 為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場
そしてアメリカのバイデン大統領は1ヶ月前に亡くなった議員を探し求め「ジャッキーはどこだ?」と言いながら講演会場をさまよい歩いた。

ガンドラック氏: バイデン氏は大統領選の討論さえ満足に出来ないだろう
本当に、日欧米の国民は自分たちの政府を支配している政治家たちの頭のレベルにそろそろ気づいたほうが良いのではないか。プーチン氏のインタビューを見ると本当に悲しくなってくる。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44262

210. 中川隆[-11606] koaQ7Jey 2024年2月13日 17:00:57 : DhCjcxppIg : R0RkZVJXLmRFZWs=[4] 報告
【緊急特番】西側メディア黙殺!プーチン×カールソン・インタビューの衝撃と真実[桜R6/2/13]
https://www.youtube.com/watch?v=Vw4gcOz7UBc

ロシア時間の2月8日、ウクライナ戦争開始後、西側メディアによる初のプーチン大統領への直接インタビューが公開された。米FOXニュースの元司会者タッカー・カールソン氏が引き出したプーチン大統領の発言は、これまで西側メディアが報じてきた「正義」とはかけ離れた内容であったが、徐々に明らかになってきた現地の戦況やグローバルサウスの動向を見た時、これまでも繰り返し行われてきた、報道を使った世論工作を疑わないのはむしろ不自然である。その疑惑を裏打ちするような西側メディアの沈黙と、ウクライナ支持を訴えてきた言論人の饒舌を考慮しつつ、大メディアでは論じる事の出来ない真実について分析・整理する特別番組をお送りします。

ゲスト:
 矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補)
 大高未貴(ジャーナリスト)
司会:水島総

211. 中川隆[-11603] koaQ7Jey 2024年2月14日 06:23:32 : nPTssfmOvQ : Q1E2ZVdESzU4bjI=[1] 報告
<■235行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
プーチン大統領: ロシアがウクライナに侵攻した理由
2024年2月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44288

引き続き、元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏によるロシアのウラジミール・プーチン大統領のインタビューである。今回はロシア・ウクライナ戦争について語っている部分を取り上げる。

2022年ロシアのウクライナ侵攻

2022年2月末、ロシアはウクライナに侵攻した。当時からここではウクライナ情勢については報じ続けており、西側のメディアでも繰り返しニュースになっているが、このインタビューでは何故この戦争が起こったのかをプーチン氏がロシアの立場から説明している。

状況がややこしくなっているのは、西側メディアでは2022年以前のウクライナ情勢についてほとんど報じられていないことである。誰もがウクライナ情勢について意見を持っているが、誰もウクライナの歴史を知らない。それどころかウクライナという国について大半の日本人はほとんど何も知らないのである。

だからウクライナ情勢について話すためには、話を少し遡ることになる。

オレンジ革命

ウクライナという国はロシアの国境に接している比較的ロシア寄りの国だった。文化的にも宗教的にもロシアに近い。いわば姉妹国とも言うべき国で、ロシアとの関係も悪くなかった。だがそれを親EU、反ロシアの国に仕立て上げようとする試みが絶えず行われてきた。

まずは2004年のオレンジ革命から話を始めることになる。2004年はウクライナ大統領選挙の年である。選挙は親ロシア派のヤヌコーヴィチ氏と親EU派のユシチェンコ氏の一騎打ちとなり、選挙ではヤヌコーヴィチ氏が勝利した。

あるいは勝利したはずだった。その時の状況についてプーチン氏は次のように説明している。

クチマ大統領の後、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ氏が大統領選挙に勝ったが、対立候補がその勝利を認めなかった。アメリカがその対立候補の主張を支持し、再投票が決定された。

親EU派の人々は、自分の支持する候補が敗北した選挙において不正が行われたと主張したのである。それはアメリカなど西側諸国の支持を得、実際に再投票が行われた。

それに対してプーチン氏は次のように言っている。

これがクーデター以外の何物であるだろうか? アメリカがそれを支持し、再投票の勝者が大統領となった。

例えばアメリカで誰かが選挙結果を嫌ったために、アメリカの憲法が認めていないような再投票が行われたらどう思うだろうか?

何処かで聞いた話である。というよりは、これは2020年アメリカ大統領選挙と同じ構図である。だが不正選挙を主張したトランプ氏は批判された。ウクライナでは逆のことが起きる。ウクライナでは西側諸国は選挙結果を覆すことを支持する。

プーチン氏は次のように言っている。

それでもウクライナではそれが行われ、西側に好意的と見なされていたヴィクトル・ユシチェンコ氏が大統領となった。良いだろう。それでもロシアは彼と関係を築こうとした。

彼が西側びいきだと言うならそうあるがいい。それでも構わない。彼は彼の仕事をすれば良い。

だが結局ウクライナで物事は上手く行かず、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ氏は結局大統領になることになった。

親EUのユシチェンコ政権は結局支持を失い、ヤヌコーヴィチ氏はその次の選挙で大統領に当選し2010年に大統領となる。

マイダン革命

だがこのヤヌコーヴィチ大統領は2014年にクーデターによってウクライナを追い出されることになる。マイダン革命である。

2014年、親EU派の反政府武装グループが議会を包囲した。ヤヌコーヴィチ氏はこのクーデターで追放されるのだが、その時にアメリカとロシアの間でやり取りがあったようだ。

プーチン氏は当時のことを次のように説明している。

アメリカはわれわれに、ヤヌコーヴィチ氏を落ち着かせろ、われわれは対立派閥を落ち着かせる、と言った。

われわれは了承した。アメリカはヤヌコーヴィチ大統領が軍も警察も動かさないことを要求した。だが対立派閥を支持した武装勢力はキエフでクーデターを行なった。

結局ヤヌコーヴィチ氏は違法に追い出された。アメリカとEUはこの違法なクーデターを支持していた。

これはでっち上げではない。大半の日本人は知らないだろうが、2015年にアメリカのオバマ大統領が、このウクライナのクーデターにアメリカが関与していたことを認めている。

それだけではない。当時、アメリカの外交官であるヴィクトリア・ヌーランド氏が、革命後のウクライナの政権を誰が担うべきかについて議論し、ウクライナへの介入に二の足を踏んでいたEUに対して「Fuck the EU」と言い放った通話音声がYoutubeにリークされている。

つまり、この2014年のクーデターにおいてウクライナの政権はアメリカによってアメリカの意向で置き換えられたのである。ここからウクライナ政府は実質的にアメリカの傀儡となってゆく。タリバンが戻る前のアフガニスタン政権と同じである。

タリバンのアフガニスタン早期制圧に見るアメリカの帝国主義
実際、当時オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は、ウクライナへの補助金の蛇口を開けたり閉じたりすることによってウクライナの政治家を自分の好きなように使っていたのである。

2016年に解任されたウクライナの検事総長が次のように語っている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
わたしの解任はポロシェンコ大統領の要求に従い辞表を提出した形で行われた。ポロシェンコがわたしに辞任を頼んだのは、アメリカ政府の特にジョー・バイデンによる圧力のためだった。

当時バイデンは副大統領で、わたしを解任するまでウクライナへの10億ドルの補助金は渡さないと脅していた。

わたしが解任された本当の理由は、わたしがジョー・バイデンの息子であるハンター・バイデンが取締役を勤めていた天然ガス企業であるブリスマ社に対する広範囲な汚職捜査を行なっていたからだ。

ロシアのクリミア編入

さて、このマイダン革命からロシアはウクライナに軍事介入してゆくことになる。ロシア人が半分以上を占めるクリミアをアメリカの傀儡となったウクライナ政府が支配することを許容できなかったプーチン氏は、クリミアに軍を送りクリミアをロシアに編入した。

プーチン氏はマイダン革命とアメリカの振る舞いについて次のように言っている。

これは一体何なのだろう? 彼らは何様のつもりなのか。当時、それをアメリカの政権に聞きたいと思っていた。

何故このようにならなければならなかったのか? すべての目的は合法なやり方で、犠牲者も軍事行動もウクライナがクリミアを失うこともなく達成できたはずだ。マイダン革命がなければわれわれはクリミアに指を触れることさえ考えなかった。

何故ならば、ロシアはソ連が崩壊したときにソ連構成国の国境は変わらないということに同意していたからだ。だがわれわれはNATOの拡大には同意していなかったし、何よりウクライナがNATOに加盟することには合意していなかったし、われわれと対話することもなくウクライナにNATOの基地が出来ることに合意などしていなかった。

プーチン氏の言っているのは、ベルリンの壁が崩壊した時に西側と行なった口約束の話である。東西ドイツは東ドイツが西ドイツに吸収される形で統一されたが、ロシアと西側諸国の間では、ロシアがこれを受け入れる代わりにNATOはこれ以上東側に勢力を広げないという口約束が行われていた。

だが誰もが知っての通り、NATOはその後も拡大を続け、遂にはロシアの国境沿いまで迫り、アメリカの傀儡となったウクライナの政治家たちがNATOに加入して対ロシア用の軍をそこに置くことを話し合っている。

プーチン氏はこれらの経緯について次のように述べている。

われわれはNATOが東側に1インチも拡大しないということを約束されていた。だがどうなったか? 「それは契約書に書かれたことではない、だからNATOは拡大できる」と彼らは言い放った。

そして今やロシアの国境まで迫っている。この状況を理解しているアメリカ人もいる。投資家のジム・ロジャーズ氏は、例えばロシアがアメリカの南側にあるメキシコに介入して反米を煽ったらアメリカはどう思うか考えてみろと言っていた。

ジム・ロジャーズ氏: 米国のウクライナ支援はロシアが米国直下のメキシコの反米を煽るようなもの
NATO拡大からウクライナ戦争へ

NATOの拡大についてプーチン氏は次のように述べている。

われわれはもう何十年もそれを止めてくれと頼み続けてきた。

だが彼らはそれを止めない。何故か? 契約書に書かれていないからだ。

ちなみに「契約書に書かれたわけではない契約」はアメリカやヨーロッパ諸国のいつもの手段である。例えばウクライナも同じ約束をされていた。ブダペスト覚書である。

ブダペスト覚書とは、ウクライナが核兵器を放棄した時に、その代わりにウクライナに何かあった時にはアメリカなどが安全保障を提供するという内容の覚書である。

今、ウクライナはロシアに侵攻されている。何故アメリカは参戦していないのか? これが単なる覚書であって法的な書面ではないからだ。

アメリカの約束とはそういうものである。だから2022年2月にウクライナのゼレンスキー大統領はミュンヘン会議においてブダペスト覚書の放棄をほのめかした。この覚書があるよりは核兵器を持つべきだと暗に言ったのである。

それをプーチン氏はロシアに対する核兵器保有の宣言と受け取った。その数日後、ロシアはウクライナに攻め込んでいる。

結論

インタビューをしたカールソン氏はこう言っている。

プーチン氏がこのインタビューで言うことに同意してほしいわけではない。だがこのインタビューを少なくとも視聴してほしい。

あなたは出来るだけ多くのことを知るべきだ。そして奴隷ではない自由な国民として、自分の頭で結論を決めてほしい。

少なくともオレンジ革命もマイダン革命もブダペスト覚書も知らずにウクライナ情勢について意見を持つようなことは止めるべきだろう。自分が何も知らないことについて他人がメディアで流した結論を持っているとき、あなたは洗脳されているのである。

ウクライナ情勢について自分で考えるとき、その結論は日本を含む西側メディアの報じていることとはかなり異なるものになるだろう。

結果としてアメリカでは共和党支持者はウクライナへの支援をもはや支持していない。アメリカにとって大義もなければ軍需産業以外のアメリカ市民に何のメリットもないと気付き始めているからである。

一方でパレスチナ情勢はもっと簡単だ。この状況でイスラエルを良く見せようとする西側の政治家の努力はほとんど無理筋である。

ハマス・イスラエル戦争でメッキが剥がれかけている欧米諸国のメディア戦略

世界は、アメリカ国民でさえも、欧米のメディア戦略に白い目を向け始めている。日本人はまだ気付かないのだろうか。日本人は世界大戦に遅れてやって来てすべての罪をなすりつけられた時のように、また泥舟に最後まで乗り続けるのだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44288

プーチン大統領: ノルドストリームを爆破したのはタッカー・カールソン氏
2024年2月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44388

引き続き、元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏によるロシアのウラジミール・プーチン大統領のインタビューである。

今回はロシアから欧州に天然ガスを供給するパイプラインであるノルドストリームが爆破された件について語っている部分を取り上げたい。

ノルドストリームの爆破

ノルドストリームはロシアからバルト海を通ってドイツまでを繋ぐ天然ガスパイプラインで、ロシアが欧州に天然ガスを供給する主要な手段の1つだった。だが2022年9月にこれが何者かによって爆破された。

1年半ほど経つが犯人はまだ確定しておらず、様々な説が囁かれている。カールソン氏はインタビューでこの話を取り上げ、誰がノルド・ストリームを爆破したのかとプーチン大統領に聞いている。

プーチン氏はカールソン氏にこう答えている。

もちろんあなただ。

カールソン氏は笑いながらこう返している。

あの日は予定があって忙しかったのです。

誰がノルドストリームを爆破したのか

パイプラインの爆破については西側の政治家から最初にロシアを非難する声が上がった。欧州への天然ガス供給を止めるためにロシアがパイプラインを爆破したのだという理屈であり、ウクライナは明確にロシアの犯行と断定し非難、アメリカやドイツもロシアの責任を示唆した。

欧米メディアでは当初さもそれが正しいかのように報じられていたと記憶しているのだが、今では欧米でもその説はほとんど信じられていない。何故ならば、まず第一にノルドストリームはロシアの国営企業ガスプロムの所有資産であり、ロシア犯人説が正しければロシアは自分の資産を自分で爆破したことになる。

次に、ロシアが欧州への天然ガス供給を止めたければ単に蛇口を締めれば良いのであって、自分の資産を爆破する理由がない。実際、爆破時点ではガス供給は止まっていたのであって、ウクライナなどが主張した犯行動機は意味を為さないのである。

では誰が爆破したのか。欧米メディアでその後報じられた説は2つある。1つはピューリッツァー賞受賞のアメリカのジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏のアメリカ犯行説であり、ハーシュ氏はバイデン大統領の国家安全保障チームがCIAなどと協議してノルドストリームを爆破したと主張している。

もう1つはニューヨークタイムズやワシントンポストが報じたウクライナ説であり、ワシントンポストは爆破に関わったとされるウクライナ軍の大佐の名前を名指しで指摘している。ウクライナはその報道を「ロシアのプロパガンダ」として否定している。ワシントンポストはロシアのプロパガンダであるらしい。

プーチン氏の見解

では当事国であるロシアのプーチン氏はどう考えているのか。彼はカールソン氏を犯人とした冗談のあと次のように言っている。

あなた個人にはアリバイがあるかもしれないが、CIAにはそうしたアリバイはない。

プーチン氏はウクライナ説ではなくハーシュ氏のアメリカ説を信じているようだ。

プーチン氏は続けて理由について次のように説明している。

こうした事例では誰が得をするのかを考えるのが普通だ。だがノルドストリームの件では利害だけではなく、誰に可能だったのかを考えるべきだ。それで得をする人々は数多いだろうが、その誰もがバルト海の海底まで潜って爆破を行えるわけではない。

誰が得をし、誰に可能だったのか。この2つを繋げる必要がある。

もう1人の被害者

さて、利害ということを言うならば、資産を爆破されたロシアの他に被害者はもう1つ考えられる。ウクライナを除くヨーロッパである。

天然ガスを売るためのパイプラインを爆破されて困るのは売り手であるロシアと買い手である欧州である。実際、ヨーロッパはロシア産の天然ガス輸入がなくなったことでエネルギー危機に突入、ドイツの政治家などはガスの節約のため、国民に毎日風呂に入る必要はないのではないかと提案をした。

ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
だがドイツはガス供給の手段がなくなったことに文句を言っていない。ウクライナのためならばドイツの政治家は黙るのである。代わりにドイツ国民は風呂にも満足に入れなくなった。

日本も同じであり、対ロシア制裁によって変わったことと言えば、ロシアのエネルギー資源の売値よりも日本やドイツなどの買値の方である。

制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される
ロシアは別の国に売る選択肢がある。だが日本やドイツはロシアから買えなくなったのでより高い買値を受け入れるほかなくなった。アメリカ主導の制裁に参加した国が制裁の一番の被害者となっている。

プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
ドイツの政治家は何故国民の利害のために声を上げないのか。カールソン氏にそう聞かれてプーチン大統領はこうコメントしている。

理由は分からない。だが最近のドイツの政権は自国の利益ではなく西側全体の利害のために動いているように見える。そう考えなければ彼らの行動の理由、あるいは行動しない理由を論理的に考えることは出来ない。

ウクライナと自分の裏金のためならば金を出すが、国民からは搾取する何処かの政党と似ているではないか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44388

212. 中川隆[-11596] koaQ7Jey 2024年2月15日 06:49:24 : 960Uqy8Mcb : SXlRMlhwR2lSVVE=[1] 報告
【そうきチャンネル】プーチン・インタビューの衝撃@・ネオコン対タッカー・カールソン 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
渡辺惣樹 2024/02/14
https://www.youtube.com/watch?v=EihcEADz2LI
213. 中川隆[-11593] koaQ7Jey 2024年2月15日 07:05:35 : 960Uqy8Mcb : SXlRMlhwR2lSVVE=[4] 報告
米国で反ネオコンのFoxニュースのタッカー・カールソンが解雇に
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107548

214. 中川隆[-11553] koaQ7Jey 2024年2月18日 18:01:09 : 8HnbNqZgy2 : S1lqbnI2VWdoU2c=[7] 報告
【そうきチャンネル】プーチン・インタビューの衝撃A・穏やかな喋りの真意 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
2024/02/18
https://www.youtube.com/watch?v=lWb8N04VyCw
215. 中川隆[-11499] koaQ7Jey 2024年2月23日 12:09:50 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[21] 報告
<△26行くらい>
毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882

玉砕を覚悟したプーチン大統領が弾くソ連軍歌『カチューシャ』
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003159

ペテルブルク大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
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プーチン大統領は神の申し子
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html

プーチン大統領
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/809.html

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の「的」として使われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048884

216. 中川隆[-11496] koaQ7Jey 2024年2月23日 14:06:21 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[24] 報告
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説!タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc
217. 中川隆[-11494] koaQ7Jey 2024年2月23日 14:27:31 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[26] 報告
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi

218. 中川隆[-11491] koaQ7Jey 2024年2月23日 16:44:00 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[29] 報告
プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


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ウクライナはロシアではない
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スキマにイストリヤ 私が生まれ育った「ウクライナ」とはどんな国なのかご紹介します!
https://www.youtube.com/playlist?list=PL5aGzPS3WGqAxZTTgLeyPe0EOHJOljT3x

219. 中川隆[-11480] koaQ7Jey 2024年2月25日 21:26:30 : ErGf6HbXqu : WjBhL09IVFJJR00=[5] 報告
川口マーン惠美×福井義高01◆タッカーカールソンのプーチン大統領インタビューを優しく解説
2024/02/20
https://www.youtube.com/watch?v=-bNVSgBiTg0

2024年2月6日にクレムリンで行われたプーチン大統領の2時間にわたるロングインタビュー。聞き手はアメリカの保守派政治コメンテーターで、FOXニュースなどで番組を持つタッカー・カールソン氏。
世界中で10億再生以上されているというこの動画について、誰かと語り合いたいという人も多いのではないでしょうか。
ロシア語にも精通するという福井義高先生と、ドイツの政治情勢に詳しい川口マーン惠美先生に、噂の「プーチンインタビュー」について伺ってみました!

220. 中川隆[-11477] koaQ7Jey 2024年2月25日 22:52:38 : ErGf6HbXqu : WjBhL09IVFJJR00=[8] 報告
プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k
221. 中川隆[-11469] koaQ7Jey 2024年2月26日 21:00:12 : pbgdrviH3o : YTJtc21vWjc5cm8=[6] 報告
<▽31行くらい>
朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


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ナワリヌイ暗殺か─「最大の敵」抹殺もプーチンに待ち受ける暗い未来...【朝香豊の日本再興チャンネル】
2024/02/17
https://www.youtube.com/watch?v=0G_SYnC03Ac

毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882


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朝香豊 - YouTube
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朝香豊の日本再興チャンネル - YouTube
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https://www.youtube.com/@Yutaka-Asaka/videos


222. 中川隆[-11453] koaQ7Jey 2024年2月28日 11:56:10 : gzV41Zk8zs : d01sMGl1RkNGcGM=[8] 報告
<■60行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.02.28XML
ナチスに協力していたウクライナの民族主義者は大戦後、米英情報機関が育成
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/

 ウクライナの現体制はアメリカやイギリスの支配層を後ろ盾にしているが、体制を維持する仕組みを支えているのはステパン・バンデラを信奉するネオ・ナチにほかならない。ウクライナに限らず、第2次世界大戦後にネオ・ナチを保護、育成してきたのはアメリカやイギリスの情報機関だ。

 バンデラは第2次世界大戦の前に組織されたOUN(ウクライナ民族主義者機構)の幹部だった人物。当初、この組織を率いていたのはイェブヘーン・コノバーレツィだが、1938年5月に暗殺された後、内部対立が激しくなる。

 1941年3月にその対立は頂点に達し、アンドレイ・メルニクを中心とするグループ(OUN-M)とバンデラを中心とするグループ(OUN-B)に割れた。ドイツはOUN-Bに資金を提供、バンデラの側近だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入っている。この年の6月、ドイツはソ連へ軍事侵攻を開始した。バルバロッサ作戦だ。その一方、イギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーはバンデラ派を雇っている。

 ウクライナのリビウを制圧したドイツ軍はOUNのような排他的なナショナリストとユダヤ人を虐殺しはじめ、6月30日から7月2日にかけて犠牲になった人の数は4000名から8000名だと推測されている。ウクライナ西部全体に拡大すると、7月に殺されたユダヤ人の数は3万8000名から3万9000名に達するという。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 レベジと同じようにバンデラの側近だったヤロスラフ・ステツコは仲間とウクライナの独立を宣言、ナチスの親衛隊は7月からOUN-Bのメンバーを次々に逮捕していくのだが、活動が止まったわけではない。8月にレベジたちはOUN-Mの幹部ふたりを射殺している。9月になるとゲシュタポがウクライナのナショナリストを摘発し始め、その年の12月にOUN-Bは1500名のメンバーが逮捕されたと発表している。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 1943年1月にドイツ軍はスターリングラードで降伏、ドイツの敗北は決定的になった。その年の春にOUN-BはUPA(ウクライナ反乱軍)として活動し始め、その年の11月には「反ボルシェビキ戦線」を設立。OUNやUPAの幹部のうち半数近くがウクライナの地方警察やナチスの親衛隊、あるいはドイツを後ろ盾とする機関に雇われていたと考えられている。(前掲書)

 UPAはユダヤ人やポーランド人を虐殺しているが、その際、妊婦の腹を引き裂いて胎児や内蔵を取り出すようなこともしている。脅しのために灌木に引っかけるといったことをしたという。1943年から45年の間にOUN-BとUPAが殺したポーランド人は7万人から10万人と言われている(前掲書)

 1945年5月にドイツが降伏した後、OUN-Bの少なからぬメンバーはオーストリアのインスブルックへ逃げ込み、夏になるとバンデラたちはドイツの情報法機関を統轄することになるラインハルト・ゲーレンの機関に匿われていく。

 ゲーレンはドイツ陸軍参謀本部第12課(情報部門)の課長を務めていた軍人で、ドイツの敗北が決定的になっていた1944年にOSSのフランク・ウィズナーを介してアレン・ダレスのグループと接触、ソ連に関する情報を持っていたゲーレンにダレスは興味を持った。そのゲーレンに雇われたバンデラがCIAの指揮下に入るのは必然だ。

 OUN-Bが組織した反ボルシェビキ戦線は1946年4月にABN(反ボルシェビキ国家連合)へと発展、APACL(アジア人民反共連盟、後にアジア太平洋反共連盟に改名)とともにWACL(世界反共連盟。1991年にWLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更)の母体になった。WACLはCIAが秘密工作を行う際の道具として機能している。WACL/WLFDの役割は小さくなったが、ウクライナで実権を握っているネオ・ナチは対ロシア戦争の最前線にいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/

223. 中川隆[-11404] koaQ7Jey 2024年3月04日 05:43:52 : OJ9Ub1EJCA : TzFyN0V6NHhZYW8=[2] 報告
<■50行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ロシアがウクライナ人やポーランド人からあそこまで憎まれている理由

ウクライナとロシアの100年の歴史。真実を知って欲しい。- YouTube
クリススタイルチャンネル 2022/04/14
https://www.youtube.com/watch?v=OXG-CTIPY7g

なぜロシアはウクライナに侵攻しましたか?なぜウクライナ人は逃げないのですか?なぜ降伏しないのですか?ロシアのウクライナ侵攻について色々な質問が上がっていますがウクライナとロシアの100年の歴史を知ってたらほとんどの質問に答えが出ます。皆様に真実を知って欲しいので、特別な動画を作りました。できるだけ多くの日本人に知って欲しいのでSNSで広めて頂ければ幸いです。


クリススタイルチャンネル ウクライナ侵攻 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLS5FwsmTs1-W1SaW4rf5L1Y9Ir9yXaoyp


プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:

【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi


プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」 を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

ウクライナはロシアではない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16827873

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の 「的」として使われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048884

毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882

224. 中川隆[-11392] koaQ7Jey 2024年3月05日 06:13:47 : l07nMDTLIQ : a3prWXV0c3FibnM=[2] 報告
<■79行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.03.05XML
ウクライナやガザの問題にも関係していたジェイコブ・ロスチャイルドが死亡
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/

 ジェイコブ・ロスチャイルドが87歳で死亡したと2月26日に発表された。家族によると、ユダヤ教の慣習に従って埋葬されるという。

 ビクター・ロスチャイルドとバーバラ・ハッチンソンの子どもとして1936年4月に生まれた彼はイートン・カレッジを経てオックスフォード大学へ進み、歴史を学んだ。

 1963年からNMロスチャイルドで働き始めるが、投資信託のロスチャイルド・インベストメント・トラスト(その後、RITキャピタル・パートナーズ)の経営権を独立させ、1980年から活動の拠点にしている。彼がファミリー・ビジネスから離れた理由はエベリン・ロバート・ド・ロスチャイルドと経営上の対立が生じたからだという。

 RITキャピタル・パートナーズは2012年5月にロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズの発行済み株式のうち37%を取得した。ジェイコブ・ロスチャイルドはデイビッド・ロックフェラーと手を組んだのだ。

 ジェイコブは2006年に倒産したロシアの石油会社ユーコスを所有していたミハイル・ホドルコフスキーの代理人を務めていたことでも知られている。

 ホドルコフスキーは1963年6月、ユダヤ教徒の父親とロシア正教との母親との間に生まれ、ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めていた。

 ソ連時代の1989年、ホドルコフスキーはリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。ミハイル・ゴルバチョフが始めたペレストロイカ(改革)のおかげなのだろう。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 ソ連は1991年12月に消滅、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになる。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 その一方、彼はジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ財団」をモデルにした「オープン・ロシア財団」を2002年にアメリカで創設、その際にホドルコフスキーとロスチャイルドはこのプロジェクトに共同で資金を提供している。ホドルコフスキーはヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルドを雇い入れている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたが、ウラジミル・プーチンに阻止された。プーチンの動きが少しでも遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、少なからぬオリガルヒはロシアからイギリスのロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕された。当時『サンデー・タイムズ』紙が報じたところによると、ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は、先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡っている。

 ウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ政権がアメリカ政府主導のクーデターで倒された後、同国の経済は破綻し、国債の価格は下落する。フランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買い占めていたが、このファンドを操っているのはロスチャイルド家だと伝えられている。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが西側支配層のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 イスラエルとの関係が深いジェイコブは中東でも暗躍、2010年にはジーニー・エナジーの株式5%を取得している。この企業はゴラン高原一帯の独占石油採掘権を獲得したIDTコーポレーションの子会社で、取締役にはメディア王ルパート・マードック、ディック・チェイニー元米副大統領、ジェームズ・ウールジー元CIA長官、ヘッジファンド・マネージャーのマイケル・スタインハート、そしてロスチャイルド自身が名を連ねている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/

225. 中川隆[-11241] koaQ7Jey 2024年3月19日 06:32:11 : ES7FY3FS4U : TTBTWEs0RnlDR0U=[6] 報告
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226. 中川隆[-11207] koaQ7Jey 2024年3月21日 22:28:39 : tfaGy4WHNQ : VHJjN283Q00yQ2c=[19] 報告
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ゴールデンウィーク特番『ウクライナ戦争、継続派 VS 停戦派、いったいどちらが正しいのか』ゲスト:著作家 宇山卓栄氏
2024/05/02
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70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景
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ウクライナのゼレンスキー大統領はイギリスの対外情報機関MI-6の命令で動いていた
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ロシアを滅ぼそうとしているジョージ・ソロスの正体
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ウクライナの親衛隊はネオ・ナチ
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ウクライナはナチズムに支配された国になりつつある。
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西側の有力メディアは自分たちが支援するネオナチの残虐行為を隠すため大宣伝
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マリウポリで人質になっていた住民が解放され、偽情報を流していた人権担当解任
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007790

ロシアがウクライナ人やポーランド人からあそこまで憎まれている理由

ウクライナとロシアの100年の歴史。真実を知って欲しい。- YouTube
クリススタイルチャンネル 2022/04/14
https://www.youtube.com/watch?v=OXG-CTIPY7g

なぜロシアはウクライナに侵攻しましたか?なぜウクライナ人は逃げないのですか?なぜ降伏しないのですか?ロシアのウクライナ侵攻について色々な質問が上がっていますがウクライナとロシアの100年の歴史を知ってたらほとんどの質問に答えが出ます。皆様に真実を知って欲しいので、特別な動画を作りました。できるだけ多くの日本人に知って欲しいのでSNSで広めて頂ければ幸いです。


クリススタイルチャンネル ウクライナ侵攻 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLS5FwsmTs1-W1SaW4rf5L1Y9Ir9yXaoyp


プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:

【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi


プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」 を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

ウクライナはロシアではない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16827873

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
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ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の 「的」として使われている
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