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裁判のわかりづらさを無くして明快に。その触れ込みで始まった「素人裁判」。数々の問題があるにしても,市民の素朴な視点で99%有罪確定といわれた刑事裁判が崩れ始めているのは一つの成果かもしれない。
そう思っていたが,震災の混乱の中で恣意的運用が開始されたようだ。
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裁判員裁判:初の全面無罪を破棄…東京高裁が有罪判決
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110331k0000m040071000c.html
覚醒剤約1キロをチョコレート缶に詰めてマレーシアから密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などに問われ、裁判員裁判で初めて全面無罪となった会社役員、安西喜久夫被告(60)の控訴審で、東京高裁は30日、1審・千葉地裁判決を破棄し、懲役10年、罰金600万円(求刑・懲役12年、罰金600万円)の判決を言い渡した。
◇「1審は事実を誤認」
小倉正三裁判長は「1審は証拠の評価を誤り事実を誤認した」と述べた。
裁判員裁判の無罪判決を破棄して有罪とした高裁判決は初めて。弁護側は「市民の常識を尊重する制度の意義を損なう判決だ」として、即日上告した。
被告は「土産物として缶を預かっただけで中身は知らなかった」と主張したが、小倉裁判長は渡航目的や缶の入手経緯に関する供述が変遷していることから「説明が通用しなくなる度にうその話を作っていたことになり、中身を知らなかったという弁解も信用し難い」と指摘した。
そのうえで、被告が缶の中身を確かめなかったり、別の覚醒剤密輸事件で逮捕された知人が渡航費用を負担した点などを「中身を知っていたと認定する証拠になり得る」と判断。状況証拠を総合して有罪認定し、「利得のために社会に害毒を拡散することをいとわない態度は厳しい非難を免れない」と量刑の理由を述べた。
1審は「中身を認識していたとまでは言えない」として無罪を言い渡していた。【和田武士】
◇解説…「市民の判断」配慮は不明
東京高裁は、1審とほぼ同じ証拠に基づきながら、裁判員とは正反対の結論を導き出した。1審が「不十分」と判断した検察側の証拠を一つ一つ組み合わせ、総合的に評価した結果と言えるだろう。
状況証拠の評価が問題になる場合、証拠をどれだけ積み上げれば有罪となるのか基準があるわけではない。今回のような「運び屋」とされる被告の裁判でも難しい判断が求められるが、プロの裁判官は事件の特殊性も踏まえながら有罪認定してきたとも言われる。
一方で、裁判員裁判の控訴審について、最高裁司法研修所は09年に「市民の判断を尊重すべきだ」との報告をまとめ、状況証拠の評価も「客観的な事実を見落としている場合などを除き見直すべきではない」としている。
高裁判決は「1審は証拠の評価を誤った」と指摘した。だが、裁判員裁判だったことへの言及はなく市民の判断にどう配慮したのかも明らかではない。制度開始から5月で2年。裁判員裁判の控訴審の在り方について本格的な議論が求められる。
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’11裁判員:「無罪」を破棄、差し戻し 東京高裁「訴訟手続きに誤り」
毎日新聞 2011年3月30日 20時03分(最終更新 3月30日 20時52分
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このまま1審「無実」の被告の死刑判決にもおよぶのだろうか。
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