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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu196.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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山は天気が良ければハイキング気分で歩けるが、一旦天気が悪化する
と地獄になる。旅行会社とガイドの誤った判断が8名の遭難死を招いた。
2009年7月20日 月曜日
後方にめざすトムラウシ山、トムラウシ山は長距離、アップ.ダウンがあり
体力の消耗が激しい体力のない人はこの山は無理だ。
トムラウシ山は遭難の多い山です。熟年者の登山PART13より
http://nagai24.web.fc2.com/tomurausi.htm
◆複数客、出発前にガイドに「中止を」 大雪山系遭難 7月20日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200907190369.html
北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で8人が死亡した遭難事故で、パーティーが前泊した避難小屋を出発する前に、悪天候や沢の増水、疲労の蓄積などを不安に思った複数のツアー客が「中止した方がいい」とガイドに申し出ていたことが北海道警への取材でわかった。出発後も「引き返した方がいい」「救助要請を」と訴えたツアー客がいたという。
道警は、ツアー客が悪天候で身の危険を感じつつ、ガイドの判断を信じた可能性があるとみており、関係者からさらに事情を聴く方針だ。
ツアーは旅行会社アミューズトラベル(東京)の主催で、14日に旭岳温泉を出発し、2泊3日で四十数キロを縦走するコース。予備日は設けられていなかった。遭難時は55〜69歳の15人と男性ガイド3人という構成だった。
捜査幹部によると、一行はひんぱんに風雨に打たれ、15日はヒサゴ沼避難小屋で眠ったが、16日早朝はかなり疲れが残っている客がいたという。さらに小屋の外は激しい風雨で、当初午前5時ごろの出発を約30分間遅らせた。
この際、複数のツアー客が、ガイドに「今日は中止した方がいいのではないか」と申し出たという。しかし、ガイドは午後から天候は回復すると判断し、午前5時30分ごろ出発したという。
出発してしばらくすると、「体調が非常に悪い」と訴える人が出て、それを聞いた他の客が「引き返した方がいいのではないか」「救助を求めた方がいいのではないか」とガイドに訴えたというが、ツアーは続行。昼前には山頂に近い北沼付近で女性1人が低体温症で歩行困難となり、さらに男女4人も進めなくなった。この北沼付近には客5人、ガイド2人の計7人が野営することになったが、このうち4人が凍死した。
アミューズトラベルの松下政市社長は19日記者会見し、16日の出発時のツアー客の体調について、ガイドから聞き取った話として「みなさん問題ない。歩き始めるときに、体力的に今日は疲れたから歩けないとか、そういう方はいませんでした」と話した。
◆登山客、ガイドに業煮やし「救援要請を」 大雪山系遭難 7月20日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0719/NGY200907190029.html
「遭難だと認めて救援を要請しろ」。北海道大雪山系トムラウシ山の遭難事故で、なかなか救援要請をしないガイドに業を煮やし、こう求めたと、旅行会社アミューズトラベルのツアーに参加し、自力下山した愛知県清須市の戸田新介さん(65)が証言した。山頂付近で動けなくなった人が出始めて約1時間半たってからのことだ。戸田さんは「ガイドの判断は場当たり的だった」と憤る。
戸田さんによると、16日午前10時半ごろ、山頂に近い北沼付近で女性が動けなくなり、ガイドが1人付きそった。戸田さんら他のメンバーは「何をしているのか」と、少し先で待っていたが、ガイドは一向に戻ってこない。風雨が強まり、「寒い。わーわー」と奇声を発し始める女性も出た。
1時間半が過ぎた。戸田さんはその場にいた別のガイドに「どうするんだ。様子を見てきてくれ」と頼んだ。しかし、さらに10分が過ぎても何の反応もない。我慢出来なくなった戸田さんは大声で叫んだ。「この事態をどうするんだ。遭難だと認めて救援を要請しろ」
すると、北沼付近にいたガイドが戻って来た。「歩ける人は、先に下りてもらえますか」。救援要請は聞き入れられず、違うガイドが先導して先を進むことになった。
1時間半も風雨の中で立ち止まっていたため、体が思うように動かないメンバーが多い。ペースが速いガイドにはついていけなかった。
戸田さんは最後尾に回り、遅れている女性を励ました。女性は、すでに体に力が入らない状態。「前トム平」辺りの雪渓では女性につえを握らせ、「しりもちスキー」で引っ張るなど、助け合った。だが、やがて散り散りになっていった。
戸田さん自身も体力の限界が近づいた。何とか助かったのは、山頂に近づいた時に雨がっぱの下にフリースをもう1枚、着たからだという。着替えるために雨がっぱを脱ぐと雨にぬれるが、「このままでは寒さでやられる」と思い切った。
◆北海道 トムラウシ山などでの遭難事故に思う 7月18日 アクティブシニアの遊び方
http://blog.goo.ne.jp/yamanotomo1247/e/988e803050ff7da5ee99d688a255e3f0
トムラウシ山の遭難はツアー登山でしたので、山岳会の登山と同一には論じる事はできないと思いますが、私たちの経験したことと共通点が幾つかあります。
1・登山計画の問題点
今回の遭難事故について現地の専門家は登山計画が厳しかったんではないかとの指摘をしていました。4泊5日の計画でしたが、前後2日間は温泉での宿泊であり実質的には2泊3日の計画であったらしい。避難小屋しかなく、エスケープルートのない今回のコースではこの計画では相当の体力が必要だったようです。
わが山岳会の事故の時は無謀登山といっても過言ではありませんでした。7月の飯豊山は雪渓が多く残り、地元の山岳会でも12本アイゼン、ピッケル、ヘルメットは必携だといっていました。
そこに70歳代のリーダーが初心者を含む4人を連れて行ったのです。この計画書を見て危険を感じ、山岳会としてコースの変更を勧告しましたが、強行してしまったのです。
2・装備の不備
トムラウシ山の死亡者の服装は薄い雨具に長袖のシャツだけの軽装だった方もいたようです。私は北海道の山に行った事がないのですが、北海道の標高2000Mはアルプスでいえば3000Mに匹敵すると言われています。たとえば北アルプスの3000Mになりますと真夏でも、朝晩の冷え込みはとても厳しく、雨にぬれて風に吹かれたら大変な事になります。
従って、真夏でもフリースや薄いダウンジャケットなどは必ず持参しています。こうした装備があれば死亡事故を減らす事が出来たかもしれません。
我が山岳会の事故の時は、Mさんは雪渓を登るのにアイゼンもピッケルも、ストックさえ持たないで登ったのが最大の要因でした。計画書では書いてあったのにリーダーが持っていかなかったのです。雪渓上をキックステップでの登りが体力を消耗させたのでしょう。
2・パーティーがばらけた
トムラウシ山ではパーティが幾つかに分散してしまったようです。山頂近くに残ったメンバーが多く死亡しています、
同じように我が山岳会でも石転び沢の最上部に近いところで5人のパーティが3つに分かれたのです。リーダーのMさんは一番遅れていました。残りの4人は1人と3人に分かれてしまいましたが、稜線までなんとか登りきりました。稜線直下は40度もある斜面です。二次遭難が発生しなかったのがラッキーでした。従って他の4人はMさんの滑落を知らなかったのです。
3・パーティシップの問題
ツアー登山は名前も登山経歴も知らない人が集まって時には厳しいな山域に入山して行きます。メンバーの中には経験が少ない人、高齢の人、体力の弱い人などが含まれている可能性があります。こんなメンバーでも天気さえ安定していれば比較的簡単に高山での登山ができてしまいます。
私たちも北アルプスでこんなツアー登山に出会う事は少なくありません。標高3000Mの山をヨタヨタ歩いている人を見て大丈夫かなと思うことも数多くありました。
ある時、槍ヶ岳からの急な下りの鉄ハシゴを前向きになって、お尻をドンドンと滑らして下りてくる登山者に思わず、「危ないから後ろ向きで下りたら」と忠告すると「私はこの方が楽だからいいの」と言い切ったツアー登山者にはビックリしました。それでも天気がよければ「槍の穂先」でも登ってしまうのです。
しかし天候が急変した時、こうした寄せ集めの集団は危険です。力の差がパーティをばらけさせてしまうからです。
(私のコメント)
私自身は山歩きの趣味はなく登山経験もない。だから今回のトムラウシ山の遭難事故の事は良く分かりませんが、参加者が高齢の寄せ集めパーティーであると言う事と、参加者の軽装備が遭難の大きな原因であると思う。ガイドも現地の人ではなくトムラウシ山の経験者も一人だけだった。これでは気象の変化も読めないだろうしガイドと言えども判断を誤るだろう。
7月と言えども雪が残る2000メートル以上の山を、長袖シャツとカッパだけの軽装では雨と20メートル以上の風に吹かれれば体温を奪われて動けなくなるだろう。旅行会社は夏の北海道の山をハイキング気分で登山ツアーを計画したのでしょうが、悪天候の場合の対策は何もなかったようだ。地元の人でも三日間は晴天が続く日でないと登らない。それくらい長距離なのだ。
朝日新聞の記事にもあるように、助かった戸田さんは雨具の下にフリースを着て寒さをしのいだそうですが、長時間10度以下の風雨に晒されれば一枚の防寒着が生命を分けるだろう。現地を知っている人ならどの程度の装備が必要かわかるのでしょうが、参加者はいつもの山歩き程度の装備だったようだ。夏山でもフリースかダウンジャケットなど重たくはないのだから持って行くべきだった。
報道によればコースは40キロに及ぶ長いコースであり、途中には避難小屋しかなく、途中まで来て疲労して歩けなくなれば引き返すことも行く事もままならなくなる。遭難を防ぐには避難小屋で待機する事だったのでしょうが、携帯電話が通じたのに計画変更はできなかったのだろうか? 2泊三日の長いコースだから途中で天候が悪化する可能性は非常に高い。だから予備日を設けるべきだった。
日本では登山事故が非常に多いのですが、いわゆるカミカゼ登山や装備が不十分な為の遭難事故がほとんどだ。だからガイドなどを付けて初心者でも参加できるようにしたのでしょうが、ガイドが十分な経験があったかどうか疑問だ。朝日新聞の記事によれば避難小屋出発の時点で参加者から天候や疲労などから中止の申し出があったそうですが、ガイドはどうして中止しなかったのだろうか? 一人でも遭難者が出れば大変な事になる。
山の遭難では映画の『八甲田山死の彷徨』が思い起こされますが、青森の連隊は199名の死者を出した。不十分な装備と指揮系統の乱れから遭難事故は発生したのですが、兵士も指揮官もも冬山の恐ろしさを知らず、冬山の事を知っている下級者の撤退の進言は退けられてしまった。
軍隊においては上官は全知全能の神であり命令は絶対だ。だから軍隊の指揮官は参謀を付けて能力不足を補う必要がでますが、「馬鹿な大将、敵より恐い」という諺があるように無能でワンマンな指揮官がいると大惨事をもたらす。専門家が意見を具申しても意味が分からなければ誤った判断を下すだろう。
トムラウシ山のツアーガイドは能力的に十分だったのだろうか? 悪天候でツアーを強行すれば遭難者が出る判断が出来なかったのは問題だ。ガイドとは言いながらトムラウシ山の経験者は一人だけであり、脱落者が出た時点でガイドは救助の依頼をどうして出さなかったのだろう。パニック状態になっていたのだろう。
樹木のない吹き曝しの場所では避難する事もできず歩ける人は進むしか方法はない。歩けない人が出れば置き去りにするしかなく、歩けなくなった人に付き添ったガイドも死んでいる。他の新聞記事によれば避難小屋から引き返したグループが多かったのに、遭難したグループだけがツアーを強行した。その時点で判断の間違いは明らかだ。
夏休みで海や山の遭難事故が多発するのでしょうが、今は携帯電話で天候の急変などは知る事ができる。無理な強行日程が事故を招きますが、海や山をなめてかかると事故や遭難を招く。山歩きや登山は好きだからするのでしょうが、ちょっとした油断が死を招いてしまう。天気が悪ければやめると言う決断が下せないとガイドの意味がない。
政治や経済も、日本は遭難しかかっているのですが、ガイドがパニック状態で適切な判断が出来ないようだ。私が「株式日記」を書き始めたのも、ガイドに国民は疲れているから中止を申し入れたのに、小泉首相は構造改革を強行してしまった。私は構造改革は景気が回復してからした方がいいと書いてきた。
格差社会が出来て、家も仕事も失う人が続出している。それなのに小泉改革は福祉を切り捨てて予算をカットしてしまった。リーダーの判断ミスは国民に大きな災いをもたらしますが、小泉元総理は政界を引退して息子に後を継がせるようだ。政治家や官僚は利権をお土産に天下れますが、国民は破綻した年金で途方にくれている。
トムラウシ山で悪天候で遭難しかかった場合、歩けなくなれば置いていくしかない。介抱しようとすれば自分が遭難してしまう。小泉改革はセーフティネットは張らずに規制改革だけ先に進めてしまったから派遣切り等の問題が生じてしまった。小泉改革はワーキングプアや派遣切りにあった人は死んでくれと言っているようなものであり、国民の怒りが自民党に向かっている。
国民は新自由主義経済がどんなものであるかも知らずに小泉改革を支持してしまった。「株式日記」は今改革を行なうのは間違っていると警告してきたのですが、自殺者が毎年3万人を越えるようになってしまった。新自由主義経済下では負け組はホームレスになろうとそれは自己責任なのだ。財務省も財政再建を最優先して消費税の増税で財政再建を図ろうとしている。そんなことを強行すれば国民全体が大遭難してしまう。