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(回答先: ブルートレイン・日本海、来春ダイヤ改正で引退 投稿者 天空橋救国戦線 日時 2011 年 11 月 18 日 12:01:00)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111117/asi11111716520008-n1.htm
産経ニュース
2011.11.17 16:47
日本で2009年に、鉄道ファンのみならず、一般利用客からも惜しまれつつ姿を消した寝台特急「ブルートレイン」が、ここマレーシアで新たな出発をすることが決まり、来年1月から正式に運行が開始される予定だ。
半島マレーシア東海岸線(単線)を走るのは、「富士」と「はやぶさ」の中古車両で、九州旅客鉄道(JR九州)から8両、西日本旅客鉄道(JR西日本)から6両の合計14両がマレー鉄道公社(KTMB)に無償譲渡された。7両編成の2本で、タイとの国境に近い北部クランタン州トゥンパッから、マレーシア最南端の街ジョホール州ジョホールバルを経て、シンガポールのウッドランズまでを結ぶ。車体は青が基調の一部オレンジ、名称は「ブルー・コーチ/マラヤン・タイガー・トレイン」と発表された。
◆5年で投資回収
10月25日には、クランタン州ワカバル駅で来賓を迎えてのプレ開幕式典が行われ、KTMBのアミヌディン・アドナン社長があいさつに立ち、これまでの経緯や今後の展望について説明した。効率的な代替輸送手段と鉄道利用の促進を目的としたマレーシア政府の国家経済開発プランの第9次マレーシア計画に沿って、もともと車両数が不足していた東海岸線への導入を目的に、運輸省を通じて日本政府に要請し、今回の無償での車両提供が実現した。
また日本政府からは、技術面でのサポートとして国際協力機構(JICA)から専門家が派遣され、KTMB職員への教育・指導にあたったほか、選出された8人の職員が日本を訪れ、北海道旅客鉄道(JR北海道)で現役の寝台列車を視察し、みっちり3週間の研修を受けるなど、手厚い支援が行われた。
しかし、提供された車両はKTMBの規格サイズよりも大きく、当地のレール幅に合わせて改造する必要があり、寝台列車特有の複雑な設備やメンテナンス知識を会得しなければならないなど、ハード面とソフト面ともにクリアすべき問題が山積し、開業に向けての調整や試運転が重ねられ、ようやく運行開始のめどが立った。
続く記者会見では、輸送および車両整備にこれまで650万リンギット(約1億5840万円)のコストがかかったことについて、譲り受けた14両の車齢が35〜40年と古いこと、赤字を抱えるKTMBが巨額の先行投資をした点について、とくに集中して質問が投げかけられた。アミヌディン社長は「頑丈で状態もよく、少なくとも10年は使用可能だと考えている。年間30万人いる従来の東海岸線利用客に加え、この新しいマラヤン・タイガー・トレインのみの乗客目標はおよそ18万5000人、約5%の収入上乗せで、全体収益として520万リンギットを見積もっており、今後5年間で(投資額の)回収が見込める」と自信をみせた。
また将来的には、インターネット接続が可能な車内設備をめざすことにも意欲を示した。
◆内装は元のまま
式典の終盤には、タイミングよく汽笛を鳴らしながら「マラヤン・タイガー・トレイン」がホームに進入し、初披露されるという演出があり、大いに盛り上がるなか、内覧会が始まった。
車両外側には「回送」や「A寝台」の文字、また車内に入って驚いたのは、至るところに日本語表示がそのまま残されているだけでなく、設備もほぼ完全に原形をとどめていたことだ。
「最初は(古いと聞いて)心配だったんです。でも実際に見て感動しました。本当にきれいで、隅々までピカピカ。洗面台も床も、全て元のままです。日本の皆さんにとても感謝しています」と同行の女性職員の声も弾む。もちろん年季が入っているだけにレトロな印象は受けるが、質素ながらも清潔で機能的な造りと内装はそのままに、これまで長い年月の間、丁寧に扱われてきた様子が伝わってくる。
締めくくりに、おもにメディア・旅行代理店関係者を対象に実際の走行ルートであるジョホールバル・セントラル駅までのおよそ15時間のデモンストレーション試乗会が開催され、乗り心地を体験。横揺れが抑えられ、ゆったりと快適な寝台列車の旅が味わえた。とくに地元メディアからは、進行方向に合わせたり、グループ旅行の際に役立つ回転式座席シートの便利機能が好評だった。日本人にとっては慣れ親しんだ懐かしの列車だが、ところ変わってマレーシアでは何もかもが新鮮に映ったようだ。
世界各地から訪れる旅行客はもちろん、多種多様な野生動植物の生息する熱帯雨林を駆け抜け、車窓から眺めるマレーのカンポン(村落)風景、家族や友人と語らいながらの道中からはじまる鉄道旅行の楽しみ方がマレーシア人にも広く浸透していくことを期待したい。(在マレーシアジャーナリスト 大野素子)
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