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米大統領選は民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が勝利宣言して2週間が経過した。共和党のドナルド・トランプ大統領(74)の法廷闘争についても「無駄な抵抗」のごとく報じられることが多いが、国際投資アナリストの大原浩氏の視点は違う。大原氏は緊急寄稿で、バイデン氏が「三日天下」に終わる可能性すらあると指摘する。
現在、日米の「偏向」メディアは、バイデン氏がまるで大統領に就任したかのような記事を垂れ流している。もちろんこれは大きな誤りである。
トランプ氏が負けを認めないのは往生際が悪いなどという批判も出回っているが、米大統領選の法廷闘争では2000年に民主党候補だったアル・ゴア氏の先例がある。連邦最高裁が12月12日にジョージ・ブッシュ氏勝訴の判決を下すまで「ゴネ」たのだ。まさに「大ブーメラン」である。
少なくとも12月14日の選挙人投票日までは、「誰が大統領になるかまだ分からない」のだ。現在、選挙に対して膨大な訴訟が「宣誓供述」や「証拠」を根拠に行われており、再集計の結果によっては、バイデン氏の「勝利」が三日天下に終わる可能性もまだある。民主党支配地域の裁判所では、民主党有利の判決が下される可能性が高いから、再集計が適正に行われトランプ氏勝利に結びつくかどうかは不明だが…。
したがって、最高裁で「不正選挙そのものが無効」という判決が出るかどうかが鍵である。
不正選挙疑惑で一番大きなものは、選挙投開票サービスを展開しているドミニオン社に関するものだろう。もし、同社のシステムによって、トランプ氏の票が突如削除されたり、バイデン氏側に動かされたりしていることが証明されれば、全体の集計結果に対する信頼性が根底から覆るから、最高裁で「選挙無効判決」が出る可能性がそれなりにある。
連邦最高裁がエイミー・バレット氏の判事就任によって、さらに共和党有利の陣容になったと考えられることも見逃せない。
どのような理由にせよ12月14日に選挙人投票を行うことができなかったり、どちらも270人の選挙人を獲得できなかったら、下院で大統領選出が行われるのだが、この投票は一般的な下院での議決とは異なり、50州それぞれから1人ずつが選ばれて投票する。下院全体の議席数では民主党が優勢だが、「優勢な州の数」は、今回の選挙でも共和党が勝っており、ここに至ればトランプ氏勝利の可能性が高い。
現在のバイデン氏はまるで「本能寺の変」の後の明智光秀のように思える。安易に「自分が天下を取った」気分になった「三日天下」の後、豊臣秀吉に敗れた。
トランプ氏の強みは、秀吉が「中国大返し」という尋常ではない作戦を成功させるために部下の力を最大限に発揮させたのと同じように、トランプ氏のために身を粉にして働く元ニューヨーク市長で弁護士のルドルフ・ジュリアーニ氏をはじめとする支持者を多数抱えていることだ。
もちろん、民主党や偏向メディアの妨害をくぐり抜けて「勝利」を獲得するのは簡単ではない。オールドメディアの「報道しない自由」や大手SNSの「拡散制限」によって、真実が国民に伝わりにくい部分があるのは事実だ。
第2次南北戦争さえ起こりかねない米国の混迷の中で思い起こすべきは、エイブラハム・リンカーン大統領の有名な言葉である。
奴隷解放を目指す北軍(共和党)を率いて南軍(民主党)と戦い、4万5000人の死傷者を出したゲティスバーグの戦いでは、《人民の人民による人民のための政治》という名言を残したことで知られるが、ほかにもこんな言葉がある。
《すべての人を少しの間騙(だま)すことはできる。一部の人を永遠に騙すこともできる。しかし、すべての人を永遠に騙すことはできない》
いくら「報道しない自由」を駆使し、「拡散制限」を行っても「すべての人を永遠に欺くことはできない」のである。
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。
2020.11.22
zakzak
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201122/for2011220002-n3.html
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