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(回答先: Re: ニュートン力学から二者が導かれるというのは極めて疑問? 投稿者 短足鰐 日時 2012 年 2 月 25 日 20:26:12)
(後の議論に役立つかも知れないので余談を一つ)
光速cを電磁気学に出てくるう物理量で計算できることを明らかにしたのはマクスウェル(英1831−1879)であった。以下、中谷宇吉郎「科学の方法」岩波新書から概略を記す。
マクスウェルはそれまでに知られていた
@エルステッドの法則(導線に電流を流すと、そのまわりに磁界が発生する)と、
Aファラデーの法則(変化する磁界のなかにある導線には電流が流れる)、
の二つの積分形式の式(普通の式)を微分形式にし、さらに変位電流*という考え方を導入して、微分方程式を立てた。
この式を数学的に機械的に変形していって、波動方程式(微分形式)を得た。
その波動方程式が伝えるところは、次式の速さで伝わる波動の存在であった。
c=1/√(εμ)…(1)
ε:媒質の誘電率 μ:媒質の透磁率
*(変位電流:電場が変化すれば、回路が切れていてもそこに電流が流れているのと同等と見なした)
速度「c」が、二つの物理量「ε」と「μ」から計算すると光速と同じになることものちにわかった。
マクスウェルは波動の存在について確信をもって予言することができた。マクスウェルの死後、ヘルツ(独)によって電波の実験的に立証されたのは1888年、マルコニー(伊)とポポフ(露)によって無線通信の実験が成功したのは、1895年であった。
ここで面白いのは、
・電磁波の存在が、エルステッドとファラデーの実験的事実(法則)の中に隠れていたこと。
・光速「c」が、媒質の誘電率(ε)と透磁率(μ)というたった二つの物理常数の中に隠れていたこと。
マクスウェルの天才をもってしても、数式@、Aと睨めっこしているだけでは、電磁波の存在を予言することはできなかったろう。数学の力を借りて、現象(積分形式)の陰に隠れている真理を暴き出すことができた。
微分形式にするのは、いろいろな夾雑物を取り除いて、自然の原理を純粋な形で抽出する作業と考えられる(積分形式では抵抗Rなどという回路の個性が入ってくる)。
シュレディンガーの波動方程式の導き方とうり二つではないか。シュレディンガーが波動関数ψを「実在する波」と解釈したかった気持ちが分かる気がする。
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