http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/587.html
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(回答先: 現代科学思想の二大潮流 ー @実在論(リアリズム)と A実証論(ポジティズム)/竹内薫から 投稿者 短足鰐 日時 2011 年 2 月 20 日 09:11:16)
ビレンキンの「無」から宇宙が発生したというのが良く分からない。「無」とは空間に物質もエネルギーもない真っ暗闇とは違う。空間自体も時間も無い状態。ここからの宇宙創生に「神」の関与はないのであろうか。いや「無」であるから神様もいないと言い張ることはできる。
ホーキングの時間にも空間にも境界がないという「無境界仮説」もよく分からない。この仮説では時間に始まりはない、ということらしいが宇宙は時間の輪の上を巡っているのであろうか。
ビレンキンの宇宙創生もホーキングのそれも乗り越えられべき足がかりにはなるのだろう。
竹内氏は、量子論と相対論を融合した「量子重力理論」なるものができれば特異点のない宇宙創生のシナリオが描けるのではないかと期待している。
この「量子重力理論」にはニートン力学も包含されると考えられる。
というのは、素粒子のレベルに近づきプランク常数(h)が無視できなくなる領域ではニュートン力学は量子論に席を譲ることになり、物体の速度が光速に比して無視できないほど速くなる世界では相対論に席を譲らざるを得なくなる構造になっているからである。
ニュートン力学は、適用範囲の下限をこの量子論に、上限を相対論にはさまれた形になっている。(ひらたく言えば、素粒子のレベル、その逆に光速のレベルではニュートン力学では誤差が大きく使えなくなる。だが、われわれが日常接する通常の現象については、素晴らしい力を発揮するということ)。
自然の”非線形構造”とでも言うべきなのか、自然界(宇宙)は階層構造をしていて、階層ごとの支配的な法則が異なっている。言い換えれば階層ごとに最もよく自然の原理を反映した(近似した)法則が上のように異なっている。
自然の階層構造については坂田昌一も指摘しているが、広瀬立成氏は、これを「自然のたまねぎ構造」として解説している。
・武谷三男「ニュートン力学というのは、h(プランク定数)よりも非常に大きい現象、c(光速)よりも非常に小さい現象、e(電子の電荷)は問題にならない、…そういう範囲の物理学です」「ニュートン力学というの…光の速さに対して遅い場合とプランクの定数に対して非常に大きな場合では古典力学は絶対的な正しさを持っている」(『自然科学と社会科学』勁草書房)。
・坂田昌一「日本における素粒子論の伝統が、意識すると否とにかかわらず、武谷哲学を軸として形成されたことは、どんなに強調してもしすぎとはならないだろう。
自然界には、大は星雲・太陽系から小は分子・原子・素粒子にいたるまで質的に異なった無限の階層が存在し、それぞれの階層にはそこに固有の法則が支配しているという見解、これらの階層は絶えず生成と消滅のなかにあり、互いに関連し、かつ依存しあって、一つの連結した自然をつくっているという観点…これは弁証法的自然観といわれ、すでに19世紀の末エンゲルスにより唱えられたものである。20世紀の原子物理学はこのような自然観を再発見したといってよいであろう」。
【『物理学と方法』‘79年 岩波書店】
・(自然)科学とはいちばん新しい仮説の集まりにすぎない/竹内薫
http://www.asyura2.com/07/nature2/msg/578.html
(参考書)
「自然のたまねぎ構造〜宇宙・物質・生命の階層」広瀬立成/共立出帆
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