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判検交流
http://www.asyura2.com/09/kenpo3/msg/112.html
投稿者 きすぐれ真一 日時 2009 年 4 月 23 日 10:35:01: HyQF24IvCTDS6
 

「司法改革」で日本の裁判は本当によくなるのか(3)貧困なる精神(131) 本多勝一
http://www1.odn.ne.jp/kumasanhouse/hinkonnaru_seisin/k131.html
『週刊金曜日』 2001年 2月16日(No.351)号より 高見澤昭治氏に聞く


高見澤
 自(おの)ずからそういうことになるんですね。みなさんもご存知のウォルフレンは、有名な『日本/権力構造の謎』の中で、「現在、最高裁事務総局の司法官僚群が日本の司法全体を監視している。裁判実務に携わる裁判官でないこうした官僚が、裁判官の任命、昇格人事、給与の決定、解任を牛耳っているのである」「法の番人としては最高の地位にある判事も官僚にはかなわない」と書いていますが、実態はまさにその通りだと思います。
本多
 旧ソ連の官僚主義そっくりの独裁国家に、日本がなってしまった。
高見澤
 ですからそういう「裁判官の独立性」を侵している官僚司法制度が今の日本の裁判所の最大かつ根本的な問題だと言っていいと思います。
本多
 最近、福岡の方で検察官が裁判官に捜査情報を伝え、事件をなんとかもみ消そうとした事件(下線は投稿者)が発覚したが、これはたまたま個人的に発生した特殊な例でしょうか。
高見澤
 これほどまでひどいとは思っていませんでしたが、「たまたま」というより残念ながら構造的と考えるべきだと思います。
「判検交流」という言葉をご存知でしょうか。裁判官と検察官とはしょっちゅう人事交流で入れ替わっています。国の代理人である訟務検事をやっていた者が、突然裁判官になったり、裁判官がいなくなったと思ったら検察庁で仕事しているということが頻繁に行なわれています。
 これまでに総計で 1500人もが人事交流で裁判所と法務省・検察庁の間を行き来していることが分かっています。裁判官と検察官が癒着し、一体感を持つのも当然ではないでしょうか。


裁判所と検察庁の「癒着の構造」

本多
 やはりこれは実質的に、三権分立では全然ないということです。
高見澤
 ええ。裁判官は捜査機関の違法をチェックし、証拠が不十分であれば却下したり棄却しなければならないのに、実際は捜査令状の発布や公判手続でも、裁判官が検察官に手を貸していることを弁護士は日頃から苦々しく思っていましたが、実態を見ればそうとしかいえないような状況ですね。
本多
 そもそも日本は、はじめから二権でしょう、議院内閣制ですから。しかし、二権なら司法は一応独立としているはずだけど、最高裁の任命制でそれもだめで、一権集中の独裁ですよね。
高見澤
 最高裁の裁判官も、発足した当初は「裁判官任命諮問委員会」を作って、法曹界や学界の代表が最高裁の裁判官にふさわしい人を推薦しようとしました。ところが、委員の人選が不明朗なばかりか、怪文書が出回ったというようなことで一回で廃止され、その後はずっと最高裁事務総長と長官などだけでまさに奥の院で人選を決め、内閣総理大臣が任命してきた。
本多
 全くの前近代的密室制度。そんなものを放置しておく日本人と、市民革命のなかった歴史。
高見澤
 ただ、弁護士出身の最高裁判事四人については、弁護士会が准薦した者を一応入れるということにはなっています。ですから最近、いろんな事件で最高裁の意見が分かれるときには、ずっと官僚裁判官や検事で上がってきた裁判官に対して、学者とか弁護士出身の裁判官が住民側・市民側に立つという、きれいな色分けができています。
本多
 寺西事件でもそんな例がありましたね。
高見澤
 ええ、『読売新開』は、「最高裁真二つ」と大きな見出しで報じましたが、一票の格差事件でもそうでした。
本多
 だけど、多数決だから結果は負けるんですね。
高見澤
 弁護士出身枠を当初より一人減らしましたし、現状は官僚裁判官や検事だった者の数を多くして、市民側ははじめから負けるような比率になっています。
本多
 司法改革として、そうしたことはどこまで議論されているのですか。
高見澤
 日弁連などは弁護士を一定年数経験した者の中から裁判官を選び出す「法曹一元」という制度に変えるように提言し、運動を進めてきました。他にも官僚司法制度に対する批判が強いために、司法改革審議会でも、昨年 11月20日に公表した中間報告では「裁判官制度の改革」ということで、供給源の多様化・多元化とか、裁判官の任命手続きの見直し、裁判官の人事制度の見直し(透明性・客観性の確保)を書いています。
 その中には「最高裁判所裁判官の選任等の在り方」についても、内容は全く記述はないが、項目としては載っています。

(以下次号)

その2へ| その4へ

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たかみざわ しょうじ・弁護士、司法改革市民会議事務局長。著書に『市民としての裁判官』『自由のない日本の裁判官』(共著=いずれも日本評論社)など。


下線部分:「福岡の方で検察官が裁判官に捜査情報を伝え、事件をなんとかもみ消そうとした事件」
堕ちた信頼 捜査情報漏えい 【西日本新聞】
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0102/sinrai/n1.html

これの4ページ目
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0102/sinrai/n4.html
■判事から検事に
 「判検交流」。法曹界でこう呼ばれる裁判所と法務省の人事交流がある。判事が検事を、検事が判事を三年程度経験する。検事になった判事は、国が被告となった訴訟の国側代理人(訟務検事)として法廷に立つ。
 最高裁によると、交流する判事、検事はそれぞれ年間約四十人。「多様な経験を積むことが本来の職務に生かされる」とする最高裁、法務省に対し、日本弁護士連合会を中心に「判・検の癒着を招く」と見直しを求める声は根強い。弁護士からの判事登用は年間数人程度。「法曹一元」の理念に反するからだ。 検察OBのある弁護士は「交流で互いの仕事を理解できる一方、身内意識が芽生えないと言えばうそになる」。元判事の弁護士も「裁判官の判決が検察寄りになる危険がある」と指摘する。
 今回の問題を、そんな制度を背景とした「権力のもたれ合い」とみる法曹関係者もいる。

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戦後、証人として法廷に立った小説家が、「戦前は裁判官と検察官が(弁護士よりも一段上の)同じ段にいた。それが今は検察官と弁護士が同じ段に席がある。それを見て世の中は変わったんだと思った」そうだが。

単に、より巧妙になっただけか・・・

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「判検交流は不公平」/痴漢被告実刑に周防監督
http://news.shikoku-np.co.jp/national/social/200702/20070227000248.htm
2007/02/27 17:34
 痴漢事件の裁判、冤罪をテーマにした映画「それでもボクはやってない」を制作した周防正行監督(50)が27日、痴漢事件で無実を訴え続けてきた男性被告(64)に判決が言い渡された東京地裁を訪れた。

 この日の判決は映画の結末と同じ有罪。しかも懲役1年10月(求刑懲役3年)の実刑だった。

 担当が東京地検検事から転じた白坂裕之裁判官だったことから、周防監督は「訴追側が裁くなんて。(判事らと検事が人事交流する)判検交流は不公平だ」と述べ、冷静な口調で「公平にこだわる司法がよくこんなことをやる」と批判を続けた。

 被告は2005年3月18日夜、西武池袋線の池袋(東京都豊島区)−石神井公園(練馬区)間を走行中の電車内で、当時10代の女性のスカート内に手を入れ、下半身を触るなどしたとして現行犯逮捕され、強制わいせつ罪で起訴された。

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「人質司法」と自白強要、「判検交流」と国勝訴判決の連発
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Japanmilitarism/judiciary0708.htm
諫早湾干拓事業で、佐賀地裁の榎下裁判長は、「干拓事業と漁業被害の因果関係あり」として工事中断を命令。これに対して国は福岡高裁に抗告、そして2005年5月、福岡高裁の中山裁判長は、地裁での漁民勝訴の決定を棄却、国勝訴の判決を出した。この判決を出した福岡高裁の裁判長は、「判検交流」によって法務省に数年間出向し、訟務検事の経験を積んで戻ってきた人物であった。訟務検事とは、国家賠償訴訟など国が訴えられた裁判で、国の弁護をする代理人である。漁民は、「(裁判長が)国側の人ならどげん理由を付けてでも俺達を負けさす。(結果を見て)やっぱりかと言う気持ちがあった。」と憤る。
 「判検交流」は、終戦後から行われ、現在は40人ほどが裁判所から法務省に出向し、法務省からは検察官が裁判所に出向しているとされる。「司法が行政から独立していることは民主主義の大前提」とされるが、実態はそうであろうとする裁判官にとって、よほどの自覚と意識性が必要とされる状況である。

 

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