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http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12847408
2011年3月29日最終更新08:03GMT
視点:日本の気高さが怖い
アフリカのジャーナリストたちの視点を紹介するこのシリーズから、今回は、ガーナの作家・政治家のエリザベス・オヘネ氏が、地震と津波が招いた荒廃への日本人の対処の仕方について、同氏の視点を紹介する。
2週間のあいだ、日本の災害を映した映像を見て、釘付けとなり、私の印象にいちばん長く残ったのは、日本の人々の態度だった。
勿論、私は車、家、飛行機、木々やその他のもの全てを、おもちゃのように洗い流した津波の場面には、相応の怖れを抱いた。
私にはまだ、マグニチュード9.0の地震がどのようなものか、また、日本の北東部を瓦礫に変えてしまった自然のむき出しの破壊的な力を、よく理解できないできないでいる。
私はいま、地理の授業に出る必要がないことを本当にうれしく思う。そこでは、教師が私に、地球の深部で起きている全てのことを説明しようとするだろう。
しかし、ここから先は、もう少し言葉遣いに注意して書きたいと、心から思っている。
整然とした態度
権力を投げ出した、チュニジアのジン・アル−アビディン・ベン・アリやエジプトのホスニ・ムバラク、そして、権力にしがみつこうとする、ムアマル・カダフィ大佐や彼のような他の人たちのことは、興味をそそる、劇的な、息さえ飲むニュースかも知れないが、それは地球が粉々になるようなニュースではない。
3月11日、地球は粉々になったのだ。少なくとも、地球の一部である日本は粉々になった。
例え、日本人が、地震や津波への準備ができた生活を送っている(彼らがそう言っている)としてもだ。
それでも、あれだけの言語を絶するような災害の後で、彼らはどのようにして、あれだけの平静さと整然とした態度を保てるのだろうか?
なぜ、彼らはスーパーやガソリンスタンドで静かに行列を作って並ぶのだろうか?
なぜ、略奪の報道が、日本のどこからもただの1件もないのだろう?
私は、何人ものBBCの記者たちが被害者をなだめすかして、怒りや憤りの言葉を引き出そうとして、失敗してきたのを見たし、聞いた。
「あなたはこの危機に対する政府の対応に満足していますか?」と記者たちは尋ねる。
答えが返ってくる。「これほどの危機は今までになかったのだし、今回の危機は誰も想像できないようなものだ。だから、政府が全てを整えるには、時間がかかるだろう。」
「でも、食料も、水も、生活必需品も、あなたのところに届いていないのでしょう。このような、社会が不安定にならない状態が、いつまで続くと思いますか?」
答えが返ってくる。「たくさんの人が被害を受けた。それは、私たちも分かっている。」
死ぬのはアフリカ人だけ?
見聞きしていると、私は、アフリカ大陸で起こる災害を伝えるときに、私が普段感じるのと同じような怒りに身を任せているのに気づくのだ。
その後、私は、最も被害が大きな地区での、記者と一人の日本男性のやりとりを見た。
日本男性は、押しつけがましい質問の数々に、できる限りの丁寧さで答えていた。それから、男性はカメラから顔をそらし、この荒廃ぶりをカメラに収め、このように惨めな状況の自分の国を世界に見せようとする、記者の考えが気に入らないと語った。
母親の膝に乗っかっている飢えた赤ん坊の、鼻と口の間にハエが止まっていて、母親にはそのハエを払いのける体力がない。それでも、マグニチュード9.0の地震と津波で瓦礫となった街を見せることを、そのハエにズームを当てるカメラになぞらえることは、ほとんどきないように思える。
さらに、9.11事件が起きた荒廃した場所から、1体の死体も撮影されたのを私は見ていないという事実について、私は数え切れないほど考えた。
それから、私は、天災や人災を扱った様々なウェブサイトで見られる、アフリカ中で死にかけた人や死体を写した、数々の受賞写真のことを考えた。
暴動や虐殺などが発生してもおかしくない極限状況にあるのに、日本人は何とかして気高さを維持している。
そして、復興途上にあり、復興を成し遂げようとする日本から、ガーナにいる私たちは、日本の援助対象国の一つとして、今年も援助を仰ぐことになるのだろうか、などということを考えている。
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(投稿者から)
イギリスBBCサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
今回の日本の災害を鑑にして、自分たちのあり方を考えた、一人のアフリカ人の視点を紹介しています。日本人を賞賛するというよりも、むしろ、このような状況でも「気高さを維持している」(to maintain their dignity)日本人の姿と比較した、アフリカのあり方に愕然としているように、私には読めます。
今回の震災に向き合う日本人の姿を賞賛する海外の記事は多いです。しかし、この掲示板に紹介される、日本の政治・企業のあり方はあまりにも情けなく、そのような情けない政治・企業のあり方を許してきた私たちのあり方を、むしろ、いまは深く反省するべきでしょう。
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