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ノバルティスのバルサルタン問題は大阪市大つぶしが目的か?
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/727.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 7 月 31 日 22:57:56: 9XFNe/BiX575U
 

ノバルティスのバルサルタン問題は大阪市大つぶしが目的か?

 ノバルティスの開発した薬であるバルサタンを巡って、ノバルティスの社員(現在は退職)が社名を隠し、大阪市立大学非常勤講師の肩書で臨床研究に参加し、統計解析データを改ざんしたとされる事件がだいぶ話題になっている。しかし、この事件、相当に不合理だ。

 まず、データの改ざんで「脳卒中や狭心症」を起こす確率が減ったように見せかけたとされている。しかし、ノバルティスは世界的な製薬メーカーで、問題の薬であるバルサルタンは、高血圧治療だけでなく、「脳卒中や狭心症」治療目的でも世界中で処方されていた。当然、それぞれの国で治験が行われていたわけで、それらの治験では脳卒中や狭心症にも効果があったとされていたはずだ。「バルサルタン(Valsartan)」の記事は、ウィキペディアの日本語のページが不思議なことに存在しないが、英語などの言語では存在している。このページには、アメリカでは高血圧、心不全、心筋梗塞の治療薬として2005年に1200万回以上処方されたと書かれている。(In the U.S., valsartan is indicated for treatment of high blood pressure, congestive heart failure (CHF), or post-myocardial infarction (MI).[2] In 2005, Valsartan was prescribed more than 12 million times in the United States[citation needed] and global sales were approximately $6.1 billion in 2010.) そして、この薬の特許は昨年2012年で切れている。(The patents for valsartan and valsartan/hydrochlorothiazide expired in September 2012. https://en.wikipedia.org/wiki/Valsartan

 ノバルティスが世界的な製薬会社でバルサルタンが世界中で販売されていることは少なくとも治験を担当していた人たちには常識として分かっていることだろう。そうなら、「京都府立医科医大は、今月、効果の根拠となった臨床研究のデータに何らかの人為的な操作があったとする調査結果を発表」する以前に、そもそも、海外の治験データと比較して、臨床研究データの解析の段階で海外の治験と同じか異なるかが判断されていなければおかしい。つまり、バルサルタンが心不全や脳梗塞にかなり効果があると出てきたとき、それが海外の治験と異なるかどうかを当然検証しているはずなのだ。他に名前が出ているほかの大学の関係者も当然それぞれの治験が完成したときに海外の治験結果とどう異なるかを見ていたはずだ。

 このことは、ノバルティス社自体が、日本の「臨床研究のデータ」を大変に効果がある証拠としてバルサルタンの販売促進に使っていたということだから、ノバルティス社にも言えることだ。アメリカでも心不全とか心筋梗塞に効果があるとされてきたのだから、アメリカなどでの治験データをノバルティスは当然持っていて、それと今回改ざんがあったとされる日本の臨床研究データと比べていなければおかしい。

 ここで別の問題が出てくる。世界中の治験データが改ざんされていたのなら、世界中で問題化しなければならないからだ。しかし、バルサルタンについてのニュースは海外では全くないと言ってよさそうだ。ということは、バルサルタンが降圧剤としてだけでなく心不全などにも効果があるということは事実であるということだ。つまり、今回の事件は、もともとある程度の効果はあったが、ほかの薬と比べて特に効果があるというウソをつくために治験データの改ざんをしたのかという問題だ。

 実を言うと、ここのところがよく分からない。僕自身が狭心症とか心不全のことをよく知らないために、資料が読めない。あくまでヤマ勘だが、どうやら、今回の事件は少なくとも実害があるものではなく、単に治験データのごまかしを問題化するためにわざわざでっち上げた事件だと思う。つまり、もし実害があるのであれば、現在バルサルタンを処方されている人たちに対してほかの薬への切り替えをしろと、少なくとも医師へ連絡を出すことがやられなければいけないが、そういったことも行われていないからだ。

 ここには別の問題もある。7月の始めまでは、このノバルティスの社員について、「元社員がノバルティスの社名を隠し、大阪市立大学非常勤講師の肩書」という形で報道されていたものが、最近の報道では単にノバルティスの元社員となっている点だ。

 大阪市大は大阪府立大との合併が橋下徹大阪市長によってすすめられていて、2016年には新しい組織となる予定だという。そして、主に大阪市大の工学部の教授や助教の方たちによって、阪神大震災の被害には衝撃的な地震上下動の被害、そして、それは通常の地震の揺れと言うよりも現行の地震計ではとらえられていない非常に高周波の地震衝撃波によるものだという研究論文が書かれているのだ。

 非常に不思議なことに、この地震衝撃波論文はほぼ一貫して土木学会によって無視されている様子だ。しかし、実際に地震衝撃波論文を読んでみると、かなり論理的に裏付けのある論考がされていて、阪神大震災の被害の一部はこの地震衝撃波によるものだと思われる。

 なぜ、地震衝撃波被害が隠ぺいされているかと言えば、原発と地震の関係があるからだろう。地震衝撃波は地盤が硬い場合に被害が大きくなる傾向がある。そして、原発は岩盤の上に直接建設されているのでまさに地震衝撃波被害を受けやすいのだ。

 地震衝撃波の被害をよく示している例がある。阪神大震災で被害を受けた西宮市立西宮高校の特別教室棟A棟の例だ。http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/photo/kawase/Jap/Photo/PhotoV3100.htmlにその写真がある。向かって左側の1階の2教室分が完全につぶれていることが見える。この部分は固い地盤の上にあり、1階部分がつぶれていない方は池を埋め立てた軟らかい地盤の上に建設されている。この写真は神戸大学の震災文庫と言うサイトのもので、これ以外にも特別教室棟A棟の写真がある。それを見ると分かるが、地震では窓ガラスはほとんど割れていない。それどころか、3階にあった職員室の机などもほどんど位置が動いていない。つまり、揺れによる被害ではなく、エネルギー波による被害である様子なのだ。そして、エネルギー波であればその耐震対策は全くとられていないと言っていい。

 つまり、大阪市大の合併問題は、ある意味、地震衝撃波問題を提起した大阪市大工学部つぶしとして行われている面があるようなのだ。既に直接地震衝撃波問題を提起された専門家の方は大阪市大に在籍をしていないようだ。しかし、資料などはいろいろ残っているだろうし、地震衝撃波問題を提起したということは多くの関係者が記憶として持っている。

 阪神大震災においてだけでなく、中越地震や2011年の東北地方太平洋沖地震でも地震衝撃波による被害はかなりあった様子だ。しかし、ほぼすべてが無視されていると思う。すべては原発で被害が起こる、または福島第一原発で被害があったことを隠すためだろう。

 TPPに入れば、ノバルティスが起こしたこういった事件がそれこそ日常的に、様々な形で起こるようになると思う。大阪市大の非常勤講師という肩書をいつノバルティスの社員が手に入れたのか、どうやって手に入れたのか、それを追及するべきだ。また、複数の大学の治験でこの社員がデータ解析に当たっていた様子だが、なぜ、この社員だけが複数の大学で特定の薬のデータ解析を担当したのかの経緯も確認されなければいけない。また、なぜ、事件が表ざたになった時期にノバルティスを退社したのかも問題だ。明らかにマスコミも監督官庁も詰めが甘い。こんなことでは、日本は近い将来世界の核ゴミ捨て場になるしかないのではないだろうか。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3388.html
2013年7月31日(水)放送
疑惑の薬 〜論文データ操作の闇〜
2000年の発売以来、国内で1兆2000億円を売り上げた製薬会社ノバルティスファーマの高血圧薬「ディオバン」。降圧効果だけでなく、脳卒中や狭心症にも効果があるとされてきた。しかし、薬の臨床研究に参加した大学の一つ、京都府立医科医大は、今月、効果の根拠となった臨床研究のデータに何らかの人為的な操作があったとする調査結果を発表、医学界に大きな衝撃が走っている。操作はなぜ、どのように行われたのか。「疑惑の薬」を生んだデータ操作の闇をあぶり出す。
2013年07月31日22時40分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:27698  

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コメント
 
01. taked4700 2013年7月31日 23:13:17 : 9XFNe/BiX575U : obiIMnlcc2
上の写真は阪神大震災で被害を受けた西宮市立西宮高校特別教室棟A棟の3階にあった職員室の地震直後の写真です。

写真の右手奥が一階が座屈した部分。まったく机がずれていないことが分かります。

また、斜めになって校舎の壁が完全に破壊された部分以外は窓ガラスも割れていないのです。

この写真以外にも多くの被災の実態を示したものが神戸大学の震災文庫にはあります。またその他資料も多く掲載されています。

神戸大学震災文庫
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/


02. taked4700 2013年8月01日 09:12:19 : 9XFNe/BiX575U : rLznlGBIGQ
7月31日放送のNHKクローズアップ現代は、ある意味、いつものNHKのように、表面的にはきれいで論理的ですが、実質は疑問が非常に多いものでした。

1.バルサルタンが脳卒中や狭心症にも効果があるということに最初に疑問を持ったという京都府立医大の教授は、海外のデータにはその効果が全くうたわれていないということに気が付いたからだとされていますが、上の記事にも書いたように、治験データができた段階で、どこの治験チームも海外のデータと比較するのです。治験データを公表する前に、そういったことに気が付いていなければいけません。ノバルティスも同様です。

2.NHKは元社員の自宅にまで取材をしている様子ですが、単に自宅にいないということをしめすためであるようにしか思えません。夜間の周囲の様子が分からないシーンを放送されても意味があるようには思えません。

3.バルサルタンが脳卒中や狭心症に対して、特にほかの薬と比べて効果が高いわけではないということなのですから、非常に高い薬を処方されたことによる被害は補償されなければいけません。ところが、一言二言ふれられただけで、ノバルティスの言い分をそのまま認めるような形で番組は済ましています。おかしいということは記者の方が一言言っていますから、明らかに追及をしないで済ましています。

 その他にも、大阪市大が問題になっていて、京都府立医大が最初に問題に気が付いたというのはなんとなく関連性があるように思えます。


03. taked4700 2013年8月01日 16:21:46 : 9XFNe/BiX575U : jBivSj8aPI
記事投稿者です。

記事中に一部間違いがありました。

「今回、問題となった医師主導の臨床研究とは、新薬としての承認を得るために行う臨床試験、いわゆる治験とは異なる。新薬の発売後に、その有効性を証明する科学的根拠を集め、主に医師への宣伝活動を目的に行われるもの」(http://diamond.jp/articles/-/36790?page=2)ということで、記事中にあるような治験ではありませんでした。

しかし、どちらにしても、他の研究や試験でどんな結果が出ていたかは常に意識されているはずで、現在と言うか、2000年ごろには既にインターネットで世界中のデータを見れるようになっていたわけですから、京都府立医科大は少なくともデータが出た段階でおかしいと気が付くはずです。

最もおかしいのは、世界中のデータを持っているノバルティス自身です。京都府立医大などのデータを日本国内の販売促進に使っていたというのですから、データを明らかに知っていたわけで、世界のほかの国での研究とは合致していたのかを確認する必要があります。また、日本のみで血管障害に効くと宣伝したのか、他の国では宣伝しなかったのか、宣伝していないのであれば、なぜほかの国で同様の追試をして、その国での宣伝に使おうとしなかったのか、それが問題化します。

しかし、全ては2012年に薬のパテントが切れたという一言で片付けられてしまう可能性がありますね。

とても、よく考えられた事件だなと感じています。


04. taked4700 2013年8月01日 16:54:15 : 9XFNe/BiX575U : jBivSj8aPI
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0712.html

このニュース、現在は文章の一部が改ざんされている様子。記事の後半に「京都府立医科大学や大阪市立大学の調査委員会」と出てくるが、ここ以外に「大阪市立大学」が言及されているところはない。つまり、ノバルティスの社員(現在は退職)が大阪市立大学臨時講師の肩書を使っていたという部分が多分削除されている様子だ。それだけ、今回の事件はおかしなものであり、大阪市立大学つぶしに使われたということだと思う。最近になって大阪市立大学という名前が出てこなくなっているが、既に十分に大阪市民や大阪府の府民の方たち、または、議員の方たちには印象付けがされているので、今更という感じがある。

******************

臨床研究論文 データ操作の疑い
7月12日 22時40分

稲垣雄也記者
国内だけで年間1000億円以上の売り上げがある高血圧の治療薬「ディオバン」。
巨大製薬会社、ノバルティスファーマが販売するこの薬に疑惑の目が向けられています。
血圧を下げるだけでなく、脳卒中や狭心症を減らす効果もあるとした京都府立医科大学の臨床研究について、大学の調査委員会は、11日、何らかのデータの操作があったとする調査結果を発表しました。
1兆円市場と言われる高血圧の治療薬を巡り何が起きていたのか。
京都放送局の山下由起子記者と科学文化部の稲垣雄也記者が解説します。

論文問題とは
国際的な巨大製薬会社、ノバルティスファーマが販売するディオバンは高血圧の患者が血圧を下げるために飲む薬です。
問題となっているのは、ディオバンにほかの薬よりも脳卒中や狭心症を減らす効果があると結論づけ、薬の販売促進にも使われていた京都府立医科大学の臨床研究の結果にうそが含まれていたのではないかという点です。

ニュース画像

臨床研究は、京都府立医科大学の松原弘明元教授の研究グループが平成16年から4年間におよそ3000人の患者を対象に行った大規模なものでした。
研究グループは「ディオバンを服用するとほかの高血圧の薬より脳卒中や狭心症の発症が抑えられる効果があった」という結論をまとめ、6本の論文にして発表しました。
しかし、この論文を掲載した雑誌の出版元である日本循環器学会などは、論文のデータに重大な誤りがあるなどと指摘し、去年からことしにかけて6本の論文すべてが撤回されました。
さらに、この臨床研究を巡ってはノバルティスファーマの当時の社員が、所属を伏せたままデータ解析などを担当していたことも明らかになったため、研究結果に対し、学会などから相次いで疑問の声が寄せられました。

ニュース画像

調査の方法と結果
問題を受け、京都府立医科大学では調査委員会を設けて論文を作成するときの経緯やデータに誤りがないかについて調査を進め、11日、結果を公表しました。
調査では、臨床研究の対象となったおよそ3000人の患者のカルテのうち、大学の附属病院に残っていた223人のカルテの情報と、論文に使われた統計解析のデータが照合され、検証されました。
その結果、カルテと統計解析のデータで34か所食い違う点が見つかったのです。
具体的には、カルテに脳卒中や狭心症と診断された記載があったにもかかわらず症状がないようにされていた患者が複数いました。

ニュース画像

逆に症状がなかったのにあったようにされた患者もいましたが、結果としては脳卒中を抑えるなどの治療効果が高くなるようデータが変更されていたということです。
調査委員会では、何らかの操作が行われた疑いがあると指摘し、血圧を下げる効果は、ほかの薬と大差がなかったとしたうえで、ほかの薬よりも脳卒中や狭心症の発症を抑えられるとした結論は誤りがあった可能性が高いとしたのです。

ニュース画像

しかし、データの操作が意図的なものなのか、ミスなのかについては判断できなかったと述べ、調査に限界があったことも明らかになりました。
これに対し、ディオバンを販売しているノバルティスファーマは「情報が足りないため、データの変更が恣意(しい)的なものかどうかは判断できない」としています。

医療界の反応
今回の調査結果は、医療界に大きな波紋を呼んでいます。
ノバルティスファーマの当時の社員は、京都府立医科大学のほかに、東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学、それに滋賀医科大学の合わせて4つの大学でも社員であることを明らかにせずにディオバンに関する論文の作成に関わっていました。
発表された論文は薬の販売促進に使われました。
ディオバンは、国内でも年間1000億円以上を売り上げるヒット商品になっています。

ニュース画像

こうした大学と製薬会社との関係について学会などから批判の声が高まっています。
118の学会が加盟する日本医学会は、利害関係のある当事者が身元を明らかにしなかったのは問題だとして「非常に残念な、許しがたい行為で二度とあってはならない」と厳しく批判しています。
また、厚生労働省は「データを操作したことが強く示唆される内容で、このようなことが起きたのは非常に遺憾だ」としたうえで、ほかの4つの大学の調査結果などを踏まえて、今後の対応を検討することにしています。

今後の調査は
データの意図的な操作はあったのか、今後の調査の焦点の一つとなるのは、臨床研究に関与したノバルティスファーマの当時の社員の証言です。

ニュース画像

京都府立医科大学や大阪市立大学の調査委員会は、ノバルティスファーマに対し、当時の社員への聞き取りを求めましたが、できていません。
ノバルティスファーマは「元社員とは連絡を取ったが調査を拒否していて、会わせられない」などと説明しています。
これに対し、臨床研究を巡る問題に詳しい臨床研究適正評価教育機構の桑島巖理事長は「実態の解明には元社員への聞き取りは不可欠だ。会社はみずから詳しい調査を行い、早急に実態を明らかにすべきだ」と話しています。

ニュース画像

利益の確保を第一に考える企業と、患者に向き合う医療現場の双方にモラルが欠けていたと言わざるをえない今回の問題。
真相はまだ明らかになっていません。


05. taked4700 2013年8月01日 17:23:46 : 9XFNe/BiX575U : jBivSj8aPI
http://toyokeizai.net/articles/-/14212

ノバルティス論文疑惑、バカを見るのは患者?
臨床試験に社員が身分を隠して関与。データ捏造の可能性も
岡田 広行 :東洋経済 記者 2013年06月09日

高血圧症治療薬(降圧薬)の臨床試験で、前代未聞のスキャンダルが持ち上がっている。スイス大手製薬会社のノバルティスファーマが販売する降圧薬バルサルタン(商品名ディオバン)について、五つの大学で行われた臨床試験に同社の社員(現在は退職)が身分を伏せて加わっていたのだ。その社員は統計解析を担当していた。

ノバルティスはこれまで「五つの臨床試験はいずれも医師主導の試験であり、当社はデータ解析を含めていっさい関与していない」と説明していたが、5月22日にそれを撤回し、一転して関与を認めた。

これを受けて、24日に記者会見を開いた日本医学会と日本循環器学会は、京都府立医科大学を中心に実施されたバルサルタンを用いた「キョウトハート試験」について、(製薬会社社員の身分や寄付金の事実を開示しないなど)「利益相反状態の申告が不十分だった」(曽根三郎・日本医学会利益相反委員会委員長)との見解を明らかにした。

キョウトハート試験については、海外の専門誌に掲載された複数の論文でノバルティスからの寄付を受けて研究が実施された事実がまったく書かれていなかった。元社員がノバルティスの社名を隠し、大阪市立大学非常勤講師の肩書を用いていたことも判明した。

もっともここまでであれば、コンプライアンスにかかわる問題として幕引きを図ることも可能かもしれない。だが、さらに大きな問題が持ち上がっている。データの捏造や改ざんの疑惑がくすぶっているからだ。

不自然な試験結果

疑惑の火付け役となったのが、2012年4月に英『ランセット』誌に掲載された由井芳樹・京都大学医学部附属病院医師による論文だった。この論文で由井氏はランセット誌に07年4月に掲載された東京慈恵会医科大学を中心とした「ジケイハート試験」およびキョウトハート試験の結果について「ストレンジ」(奇妙)と指摘。バルサルタンを用いた患者の血圧の平均値および標準偏差と比較対照群のそれが試験終了時にぴたりと一致していることについて疑問視した。


その後、疑惑はさらに深まっていった。12年10月には日本循環器学会の複数の学会員から、キョウトハート試験に関する論文データに疑義があるとの指摘が、学会誌の編集長に伝えられた。事態を重く見た循環器学会が試験論文の責任著者およびノバルティスの執行役員にヒアリングを実施したところ、責任著者から編集長宛てに二つの論文の取り下げをしたいとの申し出があり、12月27日付で論文は撤回された。さらに今年2月1日には、キョウトハート試験のメイン論文について、欧州の専門誌が掲載を取りやめた。

3000人以上の患者を対象とした大規模試験に関する論文が撤回されるのは極めて異例だ。

4月11日には、キョウトハート試験の統括責任者だった松原弘明・京都府立医科大学元教授(2月28日に退職)の発表論文14本52カ所でデータの捏造や改ざんがあったことが大学の調査で判明。キョウトハート試験は調査対象に含まれていなかったものの、同試験の信頼性は大きく揺らいでいる。

患者がバカを見る

ノバルティスにとって、バルサルタンは日本での売上高が1000億円を超える看板商品だ。同社は五つの臨床試験に対する組織ぐるみでの関与を否定するが、これまで臨床試験に関する論文が学会で発表されると同時に「複合心血管イベント発症の危険率が45%減少」などと大々的にアピールしていた(下写真)。

業界誌には「ディオバン発売10周年記念特別座談会」などとうたい、11〜12年には8回に上る企画広告を掲載した。そこでは、キョウトハート試験など医師主導試験の責任者や学会の「キーオピニオンリーダー」が登場し、「(バルサルタンの投与群で)脳卒中の相対リスクは45%、狭心症の相対リスクは49%、おのおの有意に減少した」(前出の松原氏)などと宣伝していた。

「そもそも降圧治療間の比較で、血圧に差がないのに心血管イベントのリスクが大幅に異なることは考えにくい」

こう指摘するのは、臨床試験のデータ解析におけるわが国での第一人者として知られる大橋靖雄・東京大学大学院医学系研究科教授だ。

数多くの臨床試験に関与してきた大橋教授は次のように語る。

「キョウトハート試験など今回問題になっている試験では、プライマリーエンドポイント(主要評価項目)に医師の裁量が入る主観的な項目が多く、信頼性に難がある。そのうえ一連の試験の論文からは、データのモニタリングや監査をしっかりやっているようには見えない。それゆえ、試験結果を額面どおり受け止めることは難しい」

疑惑が深まる中で、一連の試験を主導した各大学は、データの信頼性に関する調査を開始した。しかし、カルテ保存義務の5年が過ぎていることや統計解析を元社員に任せきりにしていた疑いがあることから、真相究明は難航が必至だ。そもそも大学側に、自らの非を認める自浄作用があるのかも定かでない。結局、患者がバカを見るのかもしれない。

(週刊東洋経済2013年6月8日)


06. taked4700 2013年8月01日 17:33:28 : 9XFNe/BiX575U : jBivSj8aPI
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130730-00000115-san-sctch

大阪市大院に無報酬講師430人、勤務実態把握せず 降圧剤データ問題
産経新聞 7月30日(火)15時10分配信
 降圧剤「ディオバン」(一般名バルサルタン)の臨床研究の論文データ不正操作問題をめぐり、研究に参加していた販売元のノバルティスファーマ(東京)の元社員が非常勤講師を務めていた大阪市立大大学院医学研究科で、元社員と同様に無報酬の非常勤講師が約430人にのぼることが30日、関係者への取材でわかった。元社員は、非常勤講師の肩書で計5大学の研究に参画。大阪市立大は「このような形で肩書を使われるのは想定外だった」として、委託手続きの透明化など制度を見直す方針。

 同大によると、大学院医学研究科には平成24年度、教授や准教授、講師など約240人の教員が在籍。非常勤講師は約490人おり、約430人が元社員と同様に無報酬だった。

 無報酬の講師という制度があるのは、同大では医学研究科だけで、任期は1年単位。

 しかし、人件費がかからないため大学としては勤務実態などは把握していない。各研究室が申請し、複数の教授らで構成する「教育研究者資格審査委員会」で採否を検討するが、申請が却下されることは少ないという。

 外部の病院の医師などに委託する例が多く、同大は「急に専門家が必要になった場合、指導をお願いしやすい」と話す。

 元社員は14年4月から今年3月まで、医学研究科で臨床疫学の統計解析の担当として在籍。委託は10年以上更新されていたが、講義を行ったことが確認できたのは1回だけで、ゼミの指導などを含めても数回程度しかなかった。

 元社員は同大の事情聴取にも応じていないが、同大は採用の経緯や勤務実態などについて調査するとともに、非常勤講師の委託手続きの透明化など、制度自体を見直すことにしている。


07. taked4700 2013年8月01日 17:44:43 : 9XFNe/BiX575U : jBivSj8aPI
橋下徹氏が『行列のできる法律相談所』にレギュラー出演するようになるのは2003年4月から(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BE%B9

2008年(平成20年)1月27日投開票の大阪府知事選挙で183万2857票を獲得し当選

2011年(平成23年)11月、自らが掲げる大阪都構想などの政策実現を目的として、任期を3ヶ月余り残して大阪府知事を辞職、任期満了に伴う大阪市長選挙に立候補。
同年12月19日、第19代(公選制では9代目)大阪市長に就任

上のコメント06にあるように「元社員は(平成)14年4月から今年3月まで、医学研究科で臨床疫学の統計解析の担当として在籍。委託は10年以上更新されていた」ということで、平成14年は2002年で橋下氏が『行列のできる法律相談所』に出演を始める前年。

以上のことをどう読むかは結構難しいと思う。すべてがリンクしていたというべきかどうか?ただ、確実に言えることは、以上のような動きをどこかで把握をしていたということだ。


08. 2013年8月01日 18:03:38 : ZIQbjOvk49
大阪市大というのは、伝統的にマスコミを受け付けない体質をもつ。
某XX大などはすぐにTVにでたがるが、大阪市大はTVや新聞報道されないことに意義を感じるような体質であった。

また、報道でエビデンス医療の実態がこのざまであることを指摘しないのは片手おち。
未だにエビデンス医療を信奉させようというのか。


09. taked4700 2013年8月05日 19:56:30 : 9XFNe/BiX575U : VUhOYZyzHY
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130804-00000978-yom-soci

臨床研究の不正に罰則…政府が新法を検討
読売新聞 8月5日(月)7時10分配信
 政府は、製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究でデータ改ざんが相次いで発覚した問題を受け、臨床研究を規制する新法を制定する方向で検討に入った。

 新法は、臨床研究のカルテなどのデータ保存や国への届け出を義務づけ、違反には罰則を設ける内容となる見通しだ。

 厚生労働省は、改ざんの実態解明と再発防止策を検討する委員会を設置し、9日から議論を開始する。政府は委員会の結論を踏まえ、新法に関する詰めの検討を行う。

 現行制度では、新薬の承認審査に必要な「治験」の場合、薬事法で国への届け出やデータ保存が義務づけられており、不正な行為には承認取り消しや治験の中止、罰金などが科される。だが、臨床研究には倫理指針があるだけで、規制する法律はなく、指針に反しても処罰されない。

最終更新:8月5日(月)7時10分読売新聞


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