★阿修羅♪ > 雑談専用36 > 367.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 両候補とも具体的な雇用法制の展望が見えない。 投稿者 最大多数の最大幸福 日時 2009 年 5 月 15 日 00:34:48)
法人税を上げたら本当に海外移転する企業が出てくるのか?
>今の状況で「法人税増税」なんかあり得ないでしょう。
>理由は貴方も書いている通り、企業が本社を海外に移してしまうから。
収益を上げている大手企業の関連団体がよく口にする言葉だが、本当にそうなのか?
そのことを考えるには、以下のサイトが参考になりそうだ。
まず、法人所得課税の実効税率の国際比較をした法務省のサイト。
法人所得課税の実効税率の国際比較(法務省)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/084.htm
これを見ると日本はほぼアメリカと肩を並べて40%強、20代後半から30代前半のフランスやドイツ、イギリスよりも圧倒的に高い。
しかし一方で企業の社会的負担を考える場合、税だけではなく社会保険料の事業主負担もあわせてみなければいけないという主張もある。
これについては、財務相が政府税調に提出した資料を基に「赤旗」が試算したデータがある。
これを紹介しているのは以下のサイト。
大脇道場!
NO.887 「日本の法人税は高すぎる」「これを上げると、企業は海外に逃げていく」と言うが?
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-892.html
ほぼ同じデータを使って、もう少しわかりやすく解説しているサイトもあった。
以下にそのサイトの全文を紹介しておこう。
さて、法人税や所得税の累進税率を上げると、本当に日本から逃げ出す企業や富裕層が続出するのだろうか。
小生は、その数はいたとしても限られているのではないかと考えている。
社会インフラや労働力の質、なんといっても母国で活動することの有利性、優位性がある。
工場の海外移転はこれからも続くだろうが、税以外のメリットを考えると、本社まで移転するかどうか大いに疑問だ。
ホリエモンは真っ先に逃げ出すといっているようだが、彼のような人はとっとと出ていってもらった方が日本のためだろう。
もっとも、別のレスにも記したが、小生はこの分野はど素人なので、法人税や所得税を下げることでどれだけのメリットがあるのか、あるいは法人税を上げることでどれだけ企業が海外移転し、その結果として法人税がどれだけ減収になるのか、思いこみや心情の吐露ではなく定量的な分析サイトがあれば、ぜひ紹介していただきたい。
では、日本の法人税は決して高くないとわかりやすく述べているサイトの紹介に移ろう(ここで使われている数値の詳細は「大脇道場!」で見ることができる)。
------------------------------------------------------------
陽月秘話 2008.8.10
日本の法人税は本当に高いのか?
http://imogayu.blogspot.com/2008/08/blog-post_10.html
いきなりですが、日本はよく法人税の高い国だといわれています。特にこれを強く主張しているのは経団連、それも経団連会長でもあるキャノンの御手洗富士夫ですが、彼の言によると日本の法人税が高いままだと、有力な企業はどんどん税負担の少ない国へと本社を移転してしまい、将来的には税収が減ってしまうからという理由で、よく政府に対して法人税の引き下げを迫っています。
しかし、私は前からこの御手洗の主張にどこか奇妙さを感じていました。というのも、先進国中世界で一番国民の税負担率が少ないアメリカを除くと、社会福祉が充実しているヨーロッパ諸国などでは国民の税負担率は日本の倍近く、北欧に至ると実際に倍以上ある国ばかりです。国民税負担率には法人税はもとより消費税や所得税といった個人の税金も含まれるため、一概に言い切れることはないかもしれませんけど、普通に考えたら税負担率の少ない日本の方がヨーロッパ諸国より法人税は低いのではないかと考えていました。
そうしたら案の定、昔に知り合いがくれた資料、出典は分からないのですが恐らく去年の新聞の記事で、「日本企業負担 仏独の7〜8割」という見出しの記事にて、日本の企業が負担する法人税、社会保険料の合計は、フランスやドイツに比べて遙かに軽いということが説明されていました。
具体的に数字を出すと、記事には業種別に企業負担率を比べており、自動車製造業では、
日本 :30.4%
ドイツ :36.9%
フランス:41.6%
という結果になっており、続けてエレクトロニクス産業では、
日本 :33.3%
ドイツ :38.1%
フランス:49.2%
となり、両方ともに日本は他の二カ国と比べて低いということが説明されています。
記事にははっきりと書いていないのですが、確かの法人税単体で見るならば日本は先進国の中で高い方なのですが、同じく企業が負担する社会保険料と合算すると、他の先進国より企業の負担は低いということを暗に示しており、御手洗の主張の、現行の法人税実行率40%から30%への引き下げの議論は間違っていると主張されていました。
さらに続けて同じ記事にて、御手洗の主張のように法人税の高い日本から企業は本当に海外へ逃げるのかという点について、経済産業省の行った「公的負担と企業行動に関するアンケート調査」にて生産拠点の海外移転を計画している企業に複数回答でその移転理由を尋ねたところ、以下の結果が出たようです。
一位、労働コスト :84.7%
二位、海外市場の将来性 :65.1%
三位、取引先の海外移転 :47.6%
四位、その他のコスト :42.8%
五位、税・社会保険料負担:40.2%
という結果となり、海外移転理由の第一位はやはり労働コストで、御手洗の主張である「税・社会保険料負担」を理由に挙げているのは複数回答にもかかわらず半分にも満たないため、こっちでもまた間違っていると記事で指摘されています。さらに同じ調査で「法人実効税が30%程度まで引き下げられた場合に国内回帰を行うか」という質問に対して、「検討する」と答えたのは17.8%で、「検討しない」が69.5%となり、こちらもやはり御手洗がおかしなことを言っているという結果になりました。
このように、別にありもしない不安を煽って自分の取り分を増やそうとする御手洗の主張にはほとほと頭にきます。そもそも御手洗のいるキャノンは株式保有比率で見たら過半数を外国人投資家、企業が持っており、事実上外資系企業と言ってもよい会社です。そんな会社のトップが日本の経団連の会長をやっているだけでもおかしいというのに、日本政府に対してこんな妙な要求をするというのもおかしなことです。
さらに付け加えると、「税金が高いから」という理由だけで海外移転を行うような企業は、いざ日本が危機に陥った際には平気で裏切るような企業のように思えます。そんな獅子身中の虫を飼っておくくらいなら、この際どんどんと出て行ったほうが日本のためになるでしょう。そんなわけで、まずはキャノンに出て行ってもらいたいもんです。こいつらは偽装請負を朝日新聞に指摘されるや逆切れして、朝日への広告を打ち切った連中だし。