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【週刊誌サミット・インタビュー】 訴えられたら、訴え返すだけ……これが『週刊金曜日』の生きる道 (ビジネスメディア誠)
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/04/news003.html
(ビジネスメディア誠)
インタビュー
集中連載・“週刊誌サミット”:
訴えられたら、訴え返すだけ……これが『週刊金曜日』の生きる道(前編) (1/2)
「タブーはなく、悪を批判する」という『週刊金曜日』。広告に依存せず、あくまで購読料だけで雑誌を発行し続けている。その北村編集長は「新聞も雑誌もビジネスモデルとして、“終わっている”」と喝破。その理由は……?
[土肥義則,Business Media 誠]
2009年06月04日 08時00分 UPDAT
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「日本で唯一の、タブーなき硬派な総合週刊誌」を標榜している『週刊金曜日』。スポンサーや広告主に依存せず、権力を監視するジャーナリズムを目指しており、これまで『電通の正体』や『トヨタの正体』といった特集を組み、メディアや自動車業界のタブーに迫っている。
最近では、コンビニで販売されることが多い週刊誌にとってタブーである「セブン-イレブン」の問題を取り上げ、話題を呼んでいる。次に『週刊金曜日』が狙う、業界または会社はどこなのだろうか? また新聞・雑誌のビジネスモデルについて、北村肇編集長が語った。
※この記事は、5月15日に開かれた“週刊誌サミット”の内容を掲載しています。
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●訴えられたら、訴え返すだけ
■元木昌彦(司会):よく周囲から「週刊誌はタブーに挑戦しなければならない」「お前ら、タブーになんか挑戦していない」といった指摘を受ける。
そもそも週刊誌にとってタブーとは何か? 週刊誌のタブーは、実は「コンビニ」なのだ。またセブン-イレブンを頂点とするコンビニの悪の構造について、「お前たちはどこまで書けるのか?」という話もよく聞く。
しかし『週刊金曜日』はセブン-イレブンに対し、戦いを挑んでいる週刊誌。タブーに挑戦する唯一とも言っていい雑誌だろう。
★北村肇:『週刊金曜日』は基本的に広告を取っていないので、クライアントへのタブーがない。政治家は恐くないし、警察や検察の悪口は年中書いている。なので度胸はあるが、カネはない(笑)。
各編集長から訴訟の話が出ているので、チラッと訴訟の話をする。僕は毎日新聞の社会部に30年近くいて、あと『サンデー毎日』の編集長と『週刊金曜日』の編集長を合わせて8年くらいしている。新聞の方が長いが、『サンデー毎日』のころから訴訟を起こされてきた。そして『週刊金曜日』に来たときに、消費者金融の武富士から「1億1000万円払え」と訴えられていた※。
(※『週刊金曜日』は2003年2月〜5月に、「武富士社員残虐物語」と題する記事を掲載。この記事を受け、消費者金融の武富士は『週刊金曜日』とジャーナリストの三宅勝久氏に対し、損害賠償を求め提訴した。)
(訴えられた)記事は僕が編集長のときではないが、「これはウソだ! インチキだ!」と言われるような原稿ではない。しかも訴状を見ると、記事を読んでもいないのに「ウソだ!」と言っているのが分かった。
こんなふざけたことを言う奴らに、僕は「負けるわけがない」と思った。負けるわけはないのだが、裁判で勝ってもこちらが損をするだけ。勝っても1銭も取れないのに、裁判のために何時間も時間をとられてしまう。そこで弁護士に相談したところ「逆に訴えろ!」と言ってくれた。
不当な提訴だから「カネ寄こせ!」と訴えることになり、逆に『週刊金曜日』が武富士を訴えた。そして裁判には勝ったが、200万円しかくれなかった(笑)。確かに賠償金額は高額化しているが、バカな訴訟を起こした奴らから1億円でも2億円でも取ってもいいと思う。
実は裁判になる前に、武富士と和解によって決着しそうだった。もしこのとき和解を受けていれば、たぶん武富士は『週刊金曜日』に1000万円〜2000万円ほど支払っていたはず。(しかし武富士側から)1000万円〜2000万円もらうよりは「裁判で勝った方がいい」と判断したのだ。が……今にして思えば(和解によって)カネをもらった方が良かった(会場内笑い)。
そのときは「和解なんて冗談じゃない!」ということで、裁判に持ち込み勝訴した。僕はこれからも、訴えられたら逆に訴えるつもり。こういうことを(週刊誌の編集部は)やらなければならないと思う。でないと向こうから訴えられて、例えこちらが勝っても、結局は損してしまうからだ。
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/04/news003_2.html
(前編) (2/2)
●新聞・雑誌のビジネスモデルは終わっている
週刊誌の編集長や元編集長の方の話を聞いていると、とても面白いですよね? しかしこんなに面白いのに、なぜ週刊誌は売れないのだろう? (会場内笑い)
僕は新聞記者の時代が長かったので、少し新聞の話をする。最近、なぜ新聞が売れないかというという指摘があるが……そんなの当たり前だ。どんな調査結果を見ても、新聞を何時間も読んでいるといったデータはない。1日に新聞を読む時間は(平均して)20分〜30分ほどだ。
あなた新聞を何分読んでいますか? と聞かれ、10分しか読んでいない人であれば「30分」と答えるだろう(笑)。つまり20分〜30分という数字が出ていることは、新聞は1日に5分か10分しか読まれていないのだ。
新聞を“惰性”で購読している人は多く、そういった人は新聞の購読料を固定費として考えている。これまでは電気やガスなどと同じだったが、新聞が変動費と分かれば「払う必要はない」という人が現れるのは当然だ。
新聞は今、読まれなくなったのではない。昔から読まれていないのだ。だから広告は入らない……つまりビジネスモデルとして新聞は終わっている。
では雑誌はどうだろうか? なぜ雑誌を買うか、と聞かれたら「暇つぶしに読むからだ」と思っている。雑誌というのは何年も保管するものではない。例えば佐野眞一さんの書籍はずっと持っているが、佐野さんが連載していた雑誌はとっていない。
雑誌というのは「200円や300円で暇つぶしができるものだったら安い」ということで、読んでいる人が多い。しかし今の暇つぶしは、携帯電話などに変わってきている。なので「暇つぶし用の雑誌」では売れない。そうすれば広告も入ってこないし、(広告がほしいため)広告主の悪口は書かないし、その結果、内容が面白くなくなってきている。ビジネスモデルでいうと、今のままでは雑誌は終わっている。
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/05/news004.html
インタビュー
集中連載・“週刊誌サミット”:
週刊誌のタブー「コンビニ」に挑戦した『週刊金曜日』……次なるターゲットは? (後編) (1/2)
週刊誌にとって、最大のタブーは何だろうか? それは週刊誌が販売されている「コンビニ」だ。しかしそのタブーに挑戦した『週刊金曜日』は、次にある業界を狙っているという。それは……?
[土肥義則,Business Media 誠]
2009年06月05日 08時00分 UPDATE
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雑誌の休刊や販売部数の減少……名誉棄損訴訟など、出版社をめぐる環境はますます厳しくなっている。そんな状況を打破しようと、“週刊誌サミット”が5月15日、東京・四谷の上智大学で開催された。前編の「訴えられたら、訴え返すだけ……これが『週刊金曜日』の生きる道」に続いて、北村肇編集長の話を紹介しよう。
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(後編) (1/2)
●トーハンや日販の悪口を書く
★北村肇:(新聞や雑誌の部数が落ち込んでいるが)問題は「ジャーナリズム性」が終わっているかどうかだ。新聞ジャーナリズムまたは雑誌ジャーナリズムは、すでに終わっているのだろうか? ここを議論をしていかないと、新聞も雑誌も“再生”の道はないと考えている。
単にジャーナリズムが劣化しているのか、本質的に劣化しているのか。それとも何かの要素が原因で劣化していて、それを変えれば本来のジャーナリズムが戻るかもしれない。ここの議論をきちんとすれば、僕は新聞も雑誌もなくならないと考えている。
ネットを使った「市民記者」とか言われているが、記事を書いてメシを食っている我々と一緒にされてはたまらない! 1日の大半をこの仕事に費やしていて、さらにカネをもらっている。その我々と市民記者が“同列”なんて、とんでもない話だ。ネットがどう頑張ろうと、雑誌がジャーナリズムで頑張れば負けるはずはない。
さきほど(元木さんから)セブン-イレブンの話が出てきたが、これからはセブン-イレブンだけではなく、トーハンや日販の悪口を書いていく(会場内笑い)。セブン-イレブンの悪口を書いたことで、トーハンが「(『週刊金曜日』を)配布しませんよ」などと言ってきた。いろんなことを言いつつ、最終的に(トーハン側は)認めたが……。
『週刊金曜日』でトーハンや日販の悪口を書いたらどんなことになるのだろうか? もう僕は楽しくてしょうがない。「『週刊金曜日』は広告を取っていないから、記事を書けるんだ」と言われるが、広告を取っている雑誌も批判記事を書けばいいのだ。もし広告主から文句を言われたら、「もっと記事を書くぞ」「こんなにネタを持っているぞ」「お前の社長の愛人のことも書くぞ」と……勝負を賭けてみれはどうだろうか。
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/05/news004_2.html
(後編) (2/2)
●記者・編集の仕事は面白い
『週刊金曜日』の編集者を見ていて、疑問に思うことがある。仕事をもっと楽しんでやってほしいのだ。強い者が弱い者を虐げている……それを隠ぺいしたら、その事実をエグリ出さなければならない。こういった仕事は、ものすごく楽しいものだ。
例えば「記者が国会議員のバッチを取る」とも言われるが、もし自分の記事で議員をクビにできれば……1週間くらいうれしくてしょうがない。しかし今の記者や編集者は、楽しんで仕事をすることがあまりないのではないだろうか。
仕事を楽しめない背景には規制があったり、訴えられることもあったり、いろいろなことがある。しかしそれを超えて「こんな楽しい仕事はないぞ!」と、取材活動をしていかなければならない。そしてジャーナリズム性を発揮できれば、新聞や雑誌の未来はあると思う。ネットと活字媒体は親和性があると見ているので、新聞や雑誌のジャーナリズム性をネットとうまく組み合わせればいい。今後、紙は減るかもしれないが、なくなることはないと思う。
(集中連載・“週刊誌サミット”終わり)
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