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(回答先: 主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ(Business Media 誠) 「メディアと金」は税金が投入されている 投稿者 近藤勇 日時 2010 年 9 月 02 日 07:03:53)
上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(6):
新聞社の立派な建物が残り、報道が消えてしまうかもしれない (1/3)
いわば“既得権益”ともいえる記者クラブに穴が開きつつある。これまで発表報道中心だった日本の新聞社は、今後どのように報道していけばいいのだろうか。この問題について、気鋭のジャーナリスト3人が語り合った。
[土肥義則,Business Media 誠]
2010年08月23日 08時00分 UPDATE
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1008/23/news004.html
全10回でお送りする、ジャーナリスト・上杉隆氏、作家/経済ジャーナリスト・相場英雄氏、ノンフィクションライター・窪田順生氏の鼎談連載6回目。記者クラブという“既得権益”に穴が開きつつあるが、今後、日本の新聞社はどのように報道していけばいいのだろうか。この問題について、3人が語り合った。
スピン(情報操作)に注意しなければいけない
相場:都内のバーで飲んでいると、ある新聞社の政治部記者からこんなことを言われました。「お前は上杉の友達かっ!」と。
上杉:ハハハ。
相場:ボクは経済部出身なので、「官房機密費問題はどうなっているんですか?」と聞いただけなのに。
窪田:ごく普通の好奇心で聞いても、この問題は彼らの逆鱗に触れるようですね。まるで政治部の記者以外は好奇心を持ってはいけないようですね(笑)。
少し心配していることは、細かい部分の間違いを指摘して「上杉の記事はインチキだ」といったことを強調し、根本的な問題をうやむやにするスピン(情報操作)を仕掛けられないかということ。彼らはくだらない方向に話をもっていって、火消しを図ろうとするかもしれない。そうすると、いろんなとこから“上杉スキャンダル”を狙っていると思うんですよ。
上杉:気をつけないといけませんね。ただネットがあることで、随分と助けられています。例えばTwitterでつぶやくことで、多くの人が同調してくれる。こちらからお願いしていないのにもかかわらず、新聞社やテレビ局に抗議の電話をしたり、メールを送ったりしている。
窪田:既存メディアだけであれば、上杉さんのような人は潰されていたかもしれない。
上杉:一瞬で、おしまいですよ(笑)。というか、元々潰れているから(笑)。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1008/23/news004_2.html
窪田:例えば上杉さんが駅のホームに立っていて、後ろからドンと押す人がいても、それを見た人がTwitterでつぶやいたりする。「上杉、押されるなう」と(笑)。
相場:Ustreamで流れるかもしれない。
上杉:以前、テレビのレギュラー番組に出ていたころは、歩いていてもあまり声をかけられたりしませんでした。しかしTwitterを始めてからは、声をかけられることが多くなりましたね。Twitterでフォローしていると、親しみというか存在が近く感じるのかもしれない。「テレビ、毎日見てるわよ」と声をかけられたりする。もう、テレビには出ていないのに……(笑)。
全国紙がズルイ理由
相場:フリージャーナリストで活躍されている方はたくさんいますが、今の若い世代の人がどこまで通用するのか、と心配しています。言葉は悪いですが、「君、この取材の仕方はないだろう」と思う人をしばしば見かけます。年寄りの戯言かもしれませんが、若い人はもっと"雑巾がけ"をした方がいいと思う。
上杉:簡単に取材ができる、と思っている人が多いのかもしれません。あとはネットで記事を書いていると、その発信元しか見ていない人が増えているような気がします。
ただ記者クラブが崩れてきている中で、30年後、50年後に振り返ってみれば「あのときは過渡期だった」「あのときに日本のメディアも世界標準としてスタートした」と思うのではないでしょうか。
窪田:しかし今は“空白のとき”を過ごしていて、この間に「ジャーナリスト」と呼ばれる人が少なくなっているような気がします。
上杉:その一方で、Webメディアからこれまでにないタイプのジャーナリストが誕生するかもしれない。ネットメディアがもたらしたメリットは、メディアの看板で選ぶのではなく、中身で選ぶ人が増えたこと。必然的に読者のリテラシーが高くなったのではないでしょうか。例えば朝日新聞の主筆を務める船橋洋一さんがネット上で書いても、多くの読者が集まる時代ではない。無名でも記事が面白ければ、中身で人が集まるようになったことは、「健全化の1歩」と言えるのではないでしょうか
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1008/23/news004_3.html
窪田:今後、日本の新聞ってどうなると思いますか? これまで発表報道が中心だったのに、記者クラブに穴が開いてきました。また朝日新聞ですら記者のリストラを始めている。
相場:ボクは地方で取材することが多いのですが、地方新聞は町内の回覧板的な役割を果たしています。これは絶対に必要だと思う。でも在京紙というのは、もう必要ないのかもしれない。
窪田:都会で生活している人にとって、新聞はもういらないかもしれませんね。
上杉:少なくとも全国紙はいらない。例えば米国を見ると、全国紙なんてない。
日本の全国紙がズルイのは、自分たちも「全国紙はいらないのでは?」と思っているくせに、気付いてないフリをしていること。ニューヨーク・タイムズ時代のボスだったハワード・フレンチ元東京支局長は、「日本のメディアは砂の中に頭を入れているダチョウだ」と言っています。自分たちは安全だと思っているかもしれないが、このままでは死んでしまうぞ、という意味。砂の中に入れていると頭は安全かもしれませんが、それ以外の部分は敵に襲われるかもしれない。また砂の中にずっと頭を入れていれば、やがて窒息するだけ。フレンチ氏が言うように、日本の新聞はまさに「砂の中に頭を入れているダチョウ」ですね。
また日本の新聞は海外の新聞事情を研究して、生き残りを図らなければならない。それなのに見えないフリをしているのは、これまで護送船団に甘やかされたから。その甘えた考えを自ら変えないと、生き残ってはいけない。
窪田:その通りだと思います。毎日新聞は、共同通信社から国内ニュースの配信を受けることになりました。発表モノは共同の記事を使い、自社の記者を独自取材に振り向けるといっています。しかし全国に散らばっている記者を、東京や大阪に集約させようとしている。そうすると、地方からの独自ネタを発信できなくなりますね。
上杉:このままだと、新聞社の立派な建物や輪転機が残って、報道が消えていく可能性がありますね。
→続くhttp://bizmakoto.jp/makoto/articles/1008/25/news001.html
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